JP7355828B2 - ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質及びその用途 - Google Patents
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Description
本発明の他の目的は、前記タンパク質変異体を含む融合タンパク質を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記タンパク質変異体又は融合タンパク質を含む神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療のための前記タンパク質変異体又は融合タンパク質の用途を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、神経筋肉疾患治療用薬剤の製造のための前記タンパク質変異体又は融合タンパク質の使用を提供することにある。
本発明はまた、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質を提供する。
本発明はまた、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質を含む神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物を提供する。
本発明はまた、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療のための前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質の用途を提供する。
本発明はまた、神経筋肉疾患治療用薬剤の製造のための前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質の使用を提供する。
本発明に係るヒトLefty Aタンパク質変異体は、特定のアミノ酸残基位置においてアミノ酸残基が保存的に置換された変異体も含む意味で解釈される。
本発明のLefty Aタンパク質変異体は、保存的アミノ酸置換を有しても、相変らず活性が保有できると予想される。
本発明において、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体は、N末端にシグナルペプチド(signal peptide)をさらに含むことを特徴とし得る。
本発明は、他の観点において、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質に関する。
本発明において、“Lefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質”は、“Lefty A融合タンパク質変異体”と同じ意味で使われる。
前記組成物は、薬学的組成物、医薬外品組成物、健康食品用組成物の形態であり得る。
本発明の疾患予防又は治療用組成物は、薬剤学的に許容される担体をさらに含むことができる。
本発明の組成物は、個別治療剤として投与されてもよく、他の治療剤と併用して投与されてもよく、従来の治療剤とは順次に又は同時に投与されてよい。
実施例1-1:ヒトLefty Aタンパク質変異体の作製
野生型ヒトLefty Aタンパク質のアミノ酸配列は次の通りである。
MWPLWLCWAL WVLPLAGPGA ALTEEQLLGS LLRQLQLSEV PVLDRADMEK LVIPAHVRAQ YVVLLRRSHG DRSRGKRFSQ SFREVAGRFL ASEASTHLLV FGMEQRLPPN SELVQAVLRL FQEPVPKAAL HRHGRLSPRS AQARVTVEWL RVRDDGSNRT SLIDSRLVSV HESGWKAFDV TEAVNFWQQL SRPRQPLLLQ VSVQREHLGP LASGAHKLVR FASQGAPAGL GEPQLELHTL DLRDYGAQGD CDPEAPMTEG TRCCRQEMYI DLQGMKWAKN WVLEPPGFLA YECVGTCQQP PEALAFNWPF LGPRQCIASE TASLPMIVSI KEGGRTRPQV VSLPNMRVQK CSCASDGALV PRRLQP(配列番号131)
95℃で60秒間変性、58℃で60秒間プライマー結合、及び72℃で60秒間延長させる増幅過程を22回行い、ヒトLefty A42、34、28切片を得た。
実施例1-1のヒトLefty Aタンパク質変異体とヒトIgG1Fcとが連結された42Fc(配列番号1)、34Fc(配列番号2)、28Fc(配列番号3)C末端Fc融合タンパク質の3種の発現ベクターを作製した。前記28Fc、34Fc及び48Fcは、それぞれ、28、34及び42kDaサイズのLefty Aタンパク質のC末端にFcが融合しているものを意味する。
ヒトLefty AとヒトIgG1FcとをSGGGGSGGGGSGGGGSリンカー(配列番号130)で連結した42 LFc(配列番号4)、34 LFc(配列番号5)、28 LFc(配列番号6)C末端リンカーFc融合タンパク質3種の発現ベクターを作製した。前記28 LFc、34 LFc及び48 LFは、それぞれ、28、34及び42kDaサイズのLefty Aタンパク質のC末端にFcがリンカーを媒介にして融合したものを意味する。
Fc 42(配列番号7)、Fc 34(配列番号8)、Fc 28(配列番号9)N末端Fc融合タンパク質3種の発現ベクターを作製した。前記Fc 28、Fc 34及びFc48は、それぞれ28、34及び42kDaサイズのLefty Aタンパク質のN末端にFcが融合しているものを意味する。
ヒトIgG1Fc融合タンパク質の場合、動物細胞で発現する時にホモ二量体を形成するため、単量体形態の融合タンパク質を作製するために、ヒト血清アルブミン(HSA)分子を融合させたタンパク質を製造した。42 HSA(配列番号10)、34 HSA(配列番号11)、28 HSA(配列番号12)C末端HSA融合タンパク質3種の発現ベクターを作製した。前記28 HSA、34 HSA及び48 HSAは、それぞれ28、34及び42kDaサイズのLefty Aタンパク質のC末端にHSAが融合しているものを意味する。
ヒトLefty Aとその変異タンパク質は、FreestyleTM MAX CHO 発現システムを用いて発現させた。具体的に、FreesytleTM CHO-S細胞(Invitrogen、米国)を前記構築された発現ベクターで一時的形質感染させ、CHO無血清培地(Invitrogen、米国)で数日間増殖させた。培養培地を遠心分離して上澄液を回収してろ過した後、以降、培養培地内Lefty Aのタンパク質量(発現量)分析及び精製に使用した。
タンパク質安定性及び動物細胞内発現量が42 LFc分子に比べてより高く、実施例1に記載した構造物から発現したヒトLefty A融合タンパク質変異体を作製した。
実施例1で作製されたプロペプチドが除去された融合タンパク質は殆ど発現しなかった。最も収率が高い42 LFcタンパク質さえ、培養液上で低い発現量とProA親和性精製後の低い純度という限界があった。SDS-PAGE分析から見られるように、プロセシング位置における切断或いはタンパク質不安定性による非特異的切断によって42 LFc精製産物でいくつかの小さな切片が観察された(図3)。また、ExPASy PeptideCutter DB(https://web.expasy.org/peptide_cutter/)を用いて、ヒトLefty Aを様々な酵素と化学物質によって切断される位置を予測した結果、311番と359番ロイシン残基にトロンビン酵素による切断位置が予測された。したがって、プロペプチド領域、プロセシング位置、L311、P313、R314、L359、P361及びR362位置に変異を導入して、ヒトLefty A融合タンパク質変異体の発現量及び安定性を増加させ、精製純度を向上させようとした。42 LFc遺伝子を鋳型とし、表4に記載のプライマー対を用いて、実施例1と同じ条件でPCRしてそれぞれの切片を得た後、アセンブリーPCR反応を行った。生成された反応物を1.5%アガロースゲル電気泳動して分離精製した後、制限酵素Hind IIIとXho Iで切断したpCLS05ベクターとIn-Fusion(登録商標)HDクローニングキット(Clontech,639650)方法を用いて50℃で15分間ライゲーションした。以降の過程は、C末端Fc融合タンパク質の作製と同一である。
作製された発現ベクターを、実施例1と同じ方法で臨時発現及び精製した後、発現量及び純度を確認した。その結果を、表9~表12に示す。
実施例2で作製したヒトLefty A融合タンパク質変異体(Thrombin cleavage site)を使用してin vitro血清安定性試験を行った。各タンパク質変異体を最終10μg/mlの濃度でマウス血清或いは血漿に希釈し、37℃で4時間培養(incubation)後に、サンドイッチELISAで分析した。マウス血清において安定性は、試験管条件で血清内ヒトLefty A変異体の相対的残量を測定して分析し、CX201に対する相対的安定性を表13に表した。L311D、L311E、P361D或いはR362Qのようにputative thrombin sites変形時に血清で安定性が増加することが確認できた。
ヒトnodalタンパク質とヒトLefty A融合タンパク質変異体の結合力をBIAcoreを用いて測定した。
具体的に、CM5センサーチップにヒトNodal(R&D systems,3218-ND-025/CF)タンパク質を50RU固定させた。ヒトLefty A融合タンパク質と変異体を500、250、125、62.5及び31.25nMに希釈して使用し、低い濃度から順次に注入した。その後、30μl/minの流速で3分間注入して結合させ、5分間ランニングバッファを注入して解離させた。15μlの50mM NaOHを用いてチップを再生した。それぞれのサイクルに対する結合及び解離速度は、BIAevaluationソフトウェアバージョン4.1で“Bivalent analyte”モデルを用いて評価し、ビアコアデータを表14に要約した。
本研究において、遺伝性末梢神経疾患の治療物質探索のために、小胞体ストレスを誘発する薬物を用いたシュワン細胞モデルを開発して薬物探索に活用した。
ヒトLefty A融合タンパク質が神経の機能的改善を起こし得るか否かを、CMT1モデルTr-J(Trembler-J)マウスを用いて電気生理学的に分析した(Meekins et al.,J Peripher Nerv Syst9(3):177-82(2004))。Tr-Jは、PMP22遺伝子においてL16P変異が起きた自然発生突然変異マウスであり、末梢神経脱髄鞘化の表現型を有しており、CMT1患者に見られるように、Tr-Jマウスは神経伝導速度と複合筋活動電位(CMAP)強度の低下を示す(Henry et al.,J Neuropathol Exp Neurol2(6):688-706(1983);Valentijin et al.,Nat Genet 2(4):288-911992(1992))。
図6及び表15に示すように、神経伝導検査から、42 LFc融合タンパク質がTr-Jマウスの神経機能を向上させることを確認した。
RT4-D6P2Tシュワン細胞をefty A融合タンパク質変異体(42 LFc;X-42)を処理時に、シュワン細胞髄鞘化に重要な転写調節因子であるKrox20と、髄鞘化時に発現が誘導されるMBPタンパク質発現が増加した(図7A)。
ヒトLefty A融合タンパク質変異チェーンX-42を、シャルコーマリートゥース1型(Charcot-Marie-Tooth Disease type 1;CMT1)動物モデルであるC22[strain of origin:(C57BL/6J x CBA/CA)F1]マウスの髄鞘が形成される前である生後6日目(p6マウス)から腹腔内注射(IP;intraperitoneal injection)し、電気生理学的神経機能の改善及び行動評価による運動機能の改善を観察した。
C22マウスは、human PMP22遺伝子7コピー(copies)を有する形質転換マウスであり、深刻な末梢神経脱髄鞘化の表現型を持っている(Robertson et al.,J Anat 200(4):377-90(2002);Norreel et al.,Neuroscience 116(3):695-703(2003))。薬効評価のために10μg/kgの容量でヒトLefty A融合タンパク質変異体を生後6日目から生後24日目で2日ごとに総10回マウス腹腔内に投与した後、神経伝導検査及び行動評価を行った。
神経伝導検査の前日にマウスの末端部から後足に至るまで毛髪を完全に除去し、翌日、坐骨神経で運動ニューロンの神経伝導速度を測定するために、活性録音針電極を腓腹筋肉に連結し、基準電極を腓腹筋肉に連結した。刺激陰極を記録電極から6mm離れた臀部領域に置き、複合筋活動電位と運動神経伝導速度(MNCV)をNicolet VikingQuest(Natus Medical,San Carlos,CA)機器で測定した。野生型マウスに比べてC22マウスは非常に低いMNCV及びCMAPを示した。これに対し、ヒトLefty A融合タンパク質変異体を投与したC22マウスは、ビークル(vehicle)投与群に比べて神経伝達速度(MNCS)及び活動電位(CMAP)が有意に増加した(図8)。
行動評価としては、ロータロッド試験とグリップ強度分析を行った。
ロータロッド試験は、具体的に、3cm水平回転棒(2m/分)にマウスを位置させた後、堪える時間を測定して行った。本実験前にマウスは3日間の訓練期間を有し、実験期間中に毎週4回実施した。記録を、回転棒上では最長5分まで測定して平均値を表示した。図8Aに示すように、下肢筋力が、野生マウスと比較してC22マウスは顕著に劣るが、ヒトLefty A融合タンパク質変異体投与時にC22マウスの下肢筋力が約2倍以上回復することを確認した(図9A)。
ヒトLefty A融合タンパク質変異体による筋肉量の変化を、6日目野生型マウス或いはC22マウスから確認した。腹膜に2日に1回ずつPBS又はヒトLefty A融合タンパク質変異体(10μg/kg)を10回投与した後、磁気共鳴映像を用いて腓腹筋肉面積を測定した。ヒトLefty A融合タンパク質変異体投与時に、野生型マウスの他にCMT1モデルマウスでも筋肉量を有意に増加させる効果を確認した(図10)。
Lefty A融合タンパク質変異体によるC22マウスの歩きぶり改善効果を確認するために、6日目マウス腹膜に2日に1回ずつPBS又はヒトLefty A融合タンパク質変異体(10μg/kg)を10回投与した後、歩幅(行動範囲)の向上と尻、膝、足首関節を含む関節角の変化を調査した(図11)。マウスを制限された経路に通過させた後、歩行を追跡し、2つの媒介変数の歩幅(行動範囲)と支持基底面(BOS)で比較した。歩幅(行動範囲)の長さ(stride length)は、右後足、左後足の足跡を追跡して計算し、歩幅(行動範囲)の左側と右側を計算してBOS値を求めた。その結果、Lefty A融合タンパク質変異体を投与したマウス群において骨盤歩幅(行動範囲)の改善が観察された(図11の左上)。
ヒトLefty A融合タンパク質変異体であるCX-201を、0.2mg/kgの容量でC22マウスの髄鞘が形成される前である生後6日目(p6マウス)から24日目まで2日ごとに総10回、腹腔内注射(IP;intraperitoneal injection)し、実施例8におけるように、電気生理学的神経機能の改善及び行動評価による運動機能の改善を観察した。
Lefty A融合タンパク質変異体CX201によるC22マウスの歩きぶり改善効果を確認するために、6日目マウス腹膜に2日に1回ずつPBS又はヒトLefty A融合タンパク質変異体(200μg/kg)を10回投与した後、実施例10におけるように歩行分析を行った。特に、一足のかかとから次の同足のかかとまでの歩幅(行動範囲)の長さ(stride length)測定時に、Lefty A融合タンパク質変異体を投与したCMT疾患マウスC22の歩行が統計的に有意に改善された(図14)。
ヒトLefty A融合タンパク質変異体であるCX-201を、C22マウスの髄鞘が形成された後である生後21日目(p21マウス)から4週間に皮下注射(SQ;subcutaneous injection)し、電気生理学的神経機能及び行動評価による運動機能を測定した。
ヒトLefty A融合タンパク質変異体がミオスタチン信号伝達を阻害できる否かをレポーター遺伝子分析によって評価した。横紋筋肉腫A204細胞をSmad2/3-反応性ルシフェラーゼレポーターベクターpGL4.48(Promega,USA)で形質感染させた後、抗生剤選別によって、安定してベクターが形質感染された細胞を選別した。ミオスタチンと様々な濃度のヒトLefty A融合タンパク質変異体を含有する培養培地を細胞に添加する前に37℃で45分間反応させた。培地を添加した後、細胞を6時間培養した後、Bio-glo lucierase分析試薬(Promega,USA)を用いて、ミオスタチンによって誘導されたルシフェラーゼ活性を検出した。ミオスタチンは、ベクターが安定に導入された細胞株で強いルシフェラーゼ発現を誘導し、ヒトLefty A融合タンパク質変異体は容量依存的にミオスタチン信号伝達を抑制した(図17)。
TGF-bファミリーBMP7は、末梢神経においてミエリン構成遺伝子の発現を阻害し、これはp38のリン酸化によってなされると知られているので(Liu X et al.,Sci Rep 6:31049(2016))、ヒトLefty A融合タンパク質変異体がp38リン酸化を阻害できる否かを調べてみた。具体的に、実施例7のようにC22マウスにヒトLefty A融合タンパク質変異体を投与後、坐骨神経のリン酸化されたp38をウェスタンブロット法で分析した。
CHO-S(cGMP-banked)細胞を125mL三角フラスコ(Erlenmeyer flask)に1mLにつき1×106個でCD-FortiCHO培地30mLに接種して準備した。50mL円錐管(Conical tube)にヒトLefty A融合タンパク質変異体(CX201s;CX201融合タンパク質において信号配列として抗体由来MDMRVPAQLLGLLLLWFPGSRC配列を使用;ヒトLefty AとヒトIgG1Fcとの間にSGGGGSGGGGSGGGGSリンカーで連結;表16、配列番号133)遺伝子が挿入された発現ベクター50μgを入れ、最終体積(final volume)が1.5mLとなるようにOptiPRO SFMを入れた後に混ぜた。別の50mL円錐管にフリースタイルMAX試薬(Freestyle MAX solution)50μLを入れ、最終体積が1.5mLとなるようにOptiPRO SFMを入れた後に混ぜた。フリースタイルMAX溶液をDNA溶液に添加後に10分間室温に放置した。10分後、細胞の入っている三角フラスコにDNA-フリースタイルMAX試薬複合体を処理して形質転換した。
マウス末梢神経で髄鞘化が進行された後である5週齢(p35)時期のC22マウスに、4週間皮下経路で、ヒトLefty A融合タンパク質変異体であるCX201sを5mg/kg容量で週2回又は1回、或いは10mg/kg容量で週1回投与した。実施例8におけるように電気生理学的神経機能を評価した。CX201sを投与したC22マウスはビークル投与群に比べて、神経伝達速度(NCV)も活動電位(CMAP)も有意に増加した(図19)。
NodalはTGFbファミリーであり、Smad信号伝達を活性化させる。NodalがActivin受容体に結合すれば、これからSmad2とSmad3がリン酸化され、Smad4と結合して核に移動した後、様々な遺伝子の転写を調節する。ヒトLefty A融合タンパク質変異体がNodalによるSmad信号伝達を阻害できるか否かを、Nodalに反応性があるP19マウス胚芽癌細胞株を用いて評価した。
Claims (15)
- 配列番号134~178で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列の1~345アミノ酸残基を含む、
ヒトLefty Aタンパク質変異体。 - 前記ヒトLefty Aタンパク質変異体は、N末端にシグナルペプチド(signal peptide)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のヒトLefty
Aタンパク質変異体。 - 請求項1又は2に記載のヒトLefty Aタンパク質変異体を含み、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体と、Fc又はアルブミンとが融合している、融合タンパク質。
- ヒトLefty Aタンパク質変異体のC末端にFc又はアルブミンが融合していることを特徴とする、請求項3に記載の融合タンパク質。
- ヒトLefty Aタンパク質変異体と、Fc又はアルブミンとはリンカーを媒介に融合していることを特徴とする、請求項3に記載の融合タンパク質。
- 配列番号134~配列番号178のアミノ酸配列からなる群から選ばれるいずれか一つのアミノ酸配列で表されることを特徴とする、請求項3に記載の融合タンパク質。
- 請求項3に記載の融合タンパク質をコードする核酸分子。
- 請求項7に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
- 請求項8に記載の発現ベクターが導入された宿主細胞。
- 請求項9に記載の宿主細胞を用いたヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質を生産する方法。
- 請求項1又は2に記載のヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質を含む、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
- 前記神経筋肉疾患は、Nodal及び/又はミオスタチン信号伝達関連疾患であることを特徴とする、請求項11に記載の神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
- 前記Nodal及び/又はミオスタチン信号伝達関連疾患は、ミオパシー、末梢神経障害又は強直性脊椎症候群であることを特徴とする、請求項12に記載の神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
- 前記ミオパシーは、筋肉減少症(Sarcopenia)、筋ジストロフィー(Muscular dystrophy)、重症筋無力症(myasthenia gravis)、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis、ルーゲリック病)、原発性側索硬化症(Primary lateral sclerosis)、進行性筋萎縮症(Progressive muscular atrophy)、ケネディ病(Spinobulbar muscular atrophy)、脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy)及び末梢性ミオパシー(Distal myopathy)からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項13に記載の神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
- 前記末梢神経障害は、シャルコーマリートゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(Chronic inflammatory demyelinating neuropathy)、手根管症候群(carpal tunnel syndrome)、糖尿病性末梢神経障害(Diabetic peripheral neuropathy)及びギランバレー症候群(Guillain-Barre syndrome)からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項13に記載の神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
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