JP7355828B2 - ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質及びその用途 - Google Patents

ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質及びその用途 Download PDF

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Description

本発明は、生産性及び安定性が改善されたヒトLefty Aタンパク質変異体、前記タンパク質変異体を含む融合タンパク質、及び前記タンパク質変異体又は融合タンパク質を含む神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物に関する。
Lefty(left-right determination factor)は、転換成長因子(transforming growth factor)-ベータ(TGF-β)上科(superfamily)に属し、他のTGF-βリガンドに結合して胚芽の成長及び生存に決定的役割を担う形態分化因子である(Shiratori H and Hamada H,Semin Cell Dev Biol.2014;32:80-4)。
ヒトLEFTY遺伝子は、独立した重複によって生成された2つの遺伝子(Lefty Aタンパク質をコードするLEFTY2、及びLefty Bタンパク質をコードするLEFTY1)を含む(Gharib WH,Robinson-Rechavi M,Brief Bioinform.2011 12(5):436-41)。Lefty AとLefty Bは約96%のアミノ酸配列同一性を有する。
ヒトLEFTY遺伝子は、366個のアミノ酸からなるポリペプチドに翻訳され、N末端の21個のアミノ酸からなるシグナルペプチドは、小胞体(ER)への転座中に切断され、最終42kDaサイズのプロタンパク質形態で細胞外に排出される。生成されたLeftyタンパク質は、そのN末端切断部位(RXXR)でプロテアーゼ切断によってプロ配列(propeptide)が除去されることによって加工され得る。Leftyタンパク質は、典型的なTGF-βの他のタンパク質と区別される特徴を有するが、1個ではなく2個の潜在的切断部位(RXXR)を有し、同質二量体の形成に必要なシステインを有していない(Juan et al.Genes to Cells2001)。
プロタンパク質転換酵素(proprotein convertase)のようなプロテアーゼによってLeftyタンパク質の各切断部位の二番目のアルギニンのカルボキシル側でペプチド鎖が切断され、より小さい形態の34kDa或いは28kDaサイズのポリペプチドに加工され得る。一番目の切断部位の2個のアルギニンを両方ともグリシンに変異させたり、或いは二番目の切断部位における一番目のアルギニンをグリシンに変異させた場合、切断が起きないことが報告されている(Ulloa L et al.J Biol Chem2001;276:217387-21396)。
28kDaの成熟Leftyポリペプチドの他に42kDaのLeftyプロタンパク質も生物学的活性を有しており、特に、細胞内でMAPKを活性化させることができるものと報告された(J Biol Chem 2001;276:217387-21396)。
Leftyは、中胚葉及び内胚葉分化誘導と左右非対称性調節など、脊椎動物発達において初期胚芽発達過程で重要な役割を担当するNodalの阻害剤として作用する(Schier AF,Annu Rev Cell Biol200319:589-621)。LeftyのNodal阻害作用機序はまだ不明であるが、LeftyがNodalと直接結合し、NodalがActRI或いはActRII及びコレセプター(co-receptor)であるEGF-CFCと結合することを阻害できることが知られている(Branford et al.Current Biology 2004; Chen et al.Current Biology 2004)。その他にも、LeftyはTGF-β或いはBMP信号伝達(signaling)を阻害するものと報告された(Ulloa L and Tabibzadeh S2001 276(24):21397-21404)。
BMPs、GDFs、Nodal、activinなどの多数のリガンドがTGF-β上科に属する。これらは、胚芽発達及び出生後に、多い細胞及び臓器の機能調節に重要な役割を担っている。例えば、TGF-βファミリーによる信号伝達は、神経分化においても重要な役割を果たし、胚芽初期から成人に至るまで、中枢神経システムの様々な部分を調節すると知られている(Myers EA and Kessler JA,Cold Spring Harb Perspect Biol.20179(8))。TGF-βは、神経分化過程中にシュワン細胞の生存を阻害する(Parkinson et al.,2001)。BMP7は、末梢神経においてp38を活性化させることによってシュワン細胞の髄鞘化過程を阻害する(Liu X et al.,Sci Rep 6:31049(2016))。また、ミオスタチン(myostatin)(GDF-8)は筋肉消失条件で過発現して筋肉量を減らすことに寄与するものと知られている(Elkina Y et al.J Cachexia Sarcopenia Muscle 20012:143-151)。
遺伝性末梢神経病であるシャルコーマリートゥース(Charcot-Maire-Tooth病、CMT)は、遺伝子異常によって運動神経と感覚神経の損傷が起き、腕/脚筋肉の力が弱くなり、感覚消失が発生する疾患である。今まで約80余個の原因遺伝子が明らかにされた。発病頻度は人口2500につき1人である希疾患である。
CMTは、様々な表現型を示しているが、発病位置によってシュワン細胞の異常による脱髄鞘型(1型、CMT1)と神経細胞の軸索の異常による軸索型(2型、CMT2)とに区別できる。このうち、脱髄鞘型は、全患者の70%程度を占め、PMP22、MPZなどのミエリンタンパク質の過発現或いは変異によるミエリンの変性に起因する。また、主要発病機序としては、過発現したタンパク質或いは変異タンパク質が小胞体に蓄積されてストレスを誘導し、これによる細胞死滅が知られている。CMTに対する治療剤は皆無な状況であり、治療的観点からも大きく関心を集めている。
このような技術的背景下で、本発明者らは、神経病や筋肉疾患治療の目的でLefty Aタンパク質が使用可能となるようにヒトLefty Aタンパク質に変異を導入することによって生産性及び安定性が増大した変異体を作製し、本発明を完成するに至った。
本背景技術部分に記載された前記情報は、単に本発明の背景に関する理解を向上させるためのものであり、よって、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって既に知られた先行技術を形成する情報を含まなくてもよい。
本発明の目的は、生産性及び安定性が増大したヒトLefty Aタンパク質変異体を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記タンパク質変異体を含む融合タンパク質を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記融合タンパク質をコードする核酸分子、前記核酸分子を含む発現ベクター、前記発現ベクターが導入された宿主細胞、前記宿主細胞を用いた融合タンパク質の生産方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記タンパク質変異体又は融合タンパク質を含む神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記タンパク質変異体又は融合タンパク質を投与することを特徴とする、神経筋肉疾患の予防方法及び/又は治療方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療のための前記タンパク質変異体又は融合タンパク質の用途を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、神経筋肉疾患治療用薬剤の製造のための前記タンパク質変異体又は融合タンパク質の使用を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、配列番号131のアミノ酸配列を有するヒトLefty Aタンパク質のL22~P366のアミノ酸配列を含み、(1)プロセシング位置(R74~R77及びR132~R135)における一つ以上のアミノ酸残基の置換;及び(2)プロペプチド(Propeptide)領域(L22~S73)における一つ以上のアミノ酸残基の置換;を含むことを特徴とする、ヒトLefty Aタンパク質変異体を提供する。
本発明はまた、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質を提供する。
本発明はまた、ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質をコードする核酸分子、前記核酸分子を含む発現ベクター、前記発現ベクターが導入された宿主細胞及び前記宿主細胞を用いたヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質を生産する方法を提供する。
本発明はまた、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質を含む神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物を提供する。
本発明はまた、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質を個体に投与する段階を含む、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療方法を提供する。
本発明はまた、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療のための前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質の用途を提供する。
本発明はまた、神経筋肉疾患治療用薬剤の製造のための前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質の使用を提供する。
ヒトLefty A融合タンパク質作製のためのベクター模式図である。 ウェスタンブロットを用いた、細胞培養液でHSA融合ヒトLefty Aタンパク質変異体発現の分析結果を示す。 42 LFcタンパク質をProA親和性(ProA Affinity)精製後に、SDS-PAGE分析した結果を示す。 Lefty Aタンパク質変異体(Combination)をProA親和性精製後に、SDS-PAGE及びSEC分析した結果を示す。 間葉幹細胞の共同培養が小胞体ストレス環境でシュワン細胞に及ぼす影響に対する結果である。 CMT疾患マウスTr-Jにおいて電気生理学的検査によってヒトLefty A融合タンパク質変異体の治療効能を示す結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体の機序及び治療効能に対する細胞実験結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体をCMT疾患マウスC22に腹腔内投与後、電気生理学的検査を用いた神経機能評価結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体を腹腔内投与後、野生型とCMT疾患マウスC22のロータロッド(rotarod)とグリップ強度(grip strength)試験を用いた下肢筋力評価結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体を腹腔内投与後、磁気共鳴映像分析を用いた野生型とCMT疾患マウスC22の筋肉量分析結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体投与後、野生型とCMT疾患マウスC22の歩きぶり(Gait)分析結果である。 C22マウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質変異体の電気生理学的検査を用いた治療効能を示す結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体投与後、CMT疾患マウスC22ロータロッド(rotarod)とグリップ強度(grip strength)試験を用いた下肢筋力評価結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体投与後、CMT疾患マウスC22の歩きぶり(Gait)分析結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体を3週齢のCMT疾患マウスC22に皮下投与後、電気生理学的検査を用いた神経機能評価結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体を3週齢のCMT疾患マウスC22に皮下投与後、グリップ強度(grip strength)試験を用いた下肢筋力評価結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体によるミオスタチン活性阻害能評価結果を示す。 C22マウスにおいて坐骨神経の髄鞘化関連タンパク質ウェスタンブロット分析結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体を5週齢のCMT疾患マウスC22に皮下投与後、電気生理学的検査を用いた神経機能評価結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体を5週齢のCMT疾患マウスC22に皮下投与後、ロータロッド(rotarod)とグリップ強度(grip strength)試験を用いた下肢筋力評価結果である。 ヒトLefty A融合タンパク質変異体によるNodal活性阻害能評価結果を示す。 本発明に係るヒトLefty A融合タンパク質変異体のアミノ酸配列である。 本発明に係るヒトLefty A融合タンパク質変異体のアミノ酸配列である。
別に断りのない限り、本明細書で使われる全ての技術的及び科学的用語は、本発明の属する技術の分野における熟練した専門家によって通常理解されるのと同じ意味を有する。一般に、本明細書における命名法は、本技術分野でよく知られており、通常用いられるものである。
本発明の生産性及び安定性が増加したヒトLefty A(Uniprot No.O00292;NCBI DB NM_003240)タンパク質変異体を含む融合タンパク質は、野生型及び従来報告されたヒトLefty A変異体に比べて、CHO細胞において生産性及び安定性が向上し、またヒトNodalに結合して信号伝達阻害を誘導して末梢神経病関連指標を改善するので、単独で、又は通常の薬剤学的に許容される担体、神経疾患治療剤、筋肉疾患治療剤などと共に、神経病及び筋肉疾患予防又は治療のための組成物として有用に用いることができる。
したがって、本発明は、一観点において、配列番号131のアミノ酸配列を有するヒトLefty Aタンパク質のL22~P366のアミノ酸配列を含み、(1)プロセシング位置(R74~R77及びR132~R135)における一つ以上のアミノ酸残基の置換;及び(2)プロペプチド(Propeptide)領域(L22~S73)における一つ以上のアミノ酸残基の置換;を含むことを特徴とする、ヒトLefty Aタンパク質変異体に関する。
前記配列番号131のアミノ酸配列を有するヒトLefty Aタンパク質におけるM1~A21は、シグナルペプチド(signal peptide)に該当する。
本発明に係るヒトLefty Aタンパク質変異体は、特定のアミノ酸残基位置においてアミノ酸残基が保存的に置換された変異体も含む意味で解釈される。
本明細書において“保存的置換”とは、1個以上のアミノ酸を、当該Lefty Aタンパク質変異体の生物学的又は生化学的機能の損失を引き起こさない類似の生化学的特性を有するアミノ酸に置換することを含む、Lefty Aタンパク質変異体の変形を意味する。
“保存的アミノ酸置換”は、アミノ酸残基を、類似の側鎖を有するアミノ酸残基に代替させる置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基の部類は、当該技術の分野に規定されており、よく知られている。これらの部類は、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン(lysine)、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、帯電していない極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分枝された側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。
本発明のLefty Aタンパク質変異体は、保存的アミノ酸置換を有しても、相変らず活性が保有できると予想される。
また、本発明に係るヒトLefty Aタンパク質変異体は、本発明に係るLefty Aタンパク質変異体と実質的に同じ機能及び/又は効果を有し、80%又は85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上のアミノ酸配列相同性を有するLefty Aタンパク質変異体も含む意味で解釈される。
好ましくは、本発明に係るヒトLefty Aタンパク質変異体は、配列番号86~配列番号111のアミノ酸配列からなる群から選ばれるいずれか一つの配列のL22~P366のアミノ酸配列、又は配列番号112~配列番号129及び配列番号133のアミノ酸配列からなる群から選ばれるいずれか一つの配列のL23~P367のアミノ酸配列を含むことができるが、これに限定されない。
本発明に係るヒトLefty Aタンパク質変異体は、N末端、C末端又は内部アミノ酸配列における一部のアミノ酸残基が切断又は置換されていても、本発明に係るヒトLefty Aタンパク質変異体と実質的に同じ効果を有するものも含まれるものと解釈されるべきである。
野生型Lefty Aタンパク質において、R74~R77位置における変異、すなわち、アミノ酸残基の置換がないため当該部位におけるプロテアーゼによる切断が起きる場合、34kDaサイズのLefty Aタンパク質切片が得られ、R132~R135位置における変異がないため当該部位におけるプロテアーゼによる切断が起きる場合、28kDaサイズのLefty Aタンパク質切片が得られる。
これによって、本発明におけるヒトLefty Aタンパク質変異体は、好ましくは、R74~R77及びR132~R135のプロセシング位置の両方で一つ以上のアミノ酸置換を含むことを特徴とする。
本発明において、前記プロペプチド領域(L22~S73)におけるアミノ酸残基の置換は、E24、L27、R33、S38、V40、V42、R45、M48、K50、A55、V63、R66、R67、G70及びD71位置から選ばれる一つ以上の位置におけるアミノ酸残基の置換であることを特徴とし得るが、これに制限されない。
好ましくは、前記プロペプチド領域(L22~S73)におけるアミノ酸残基の置換は、E24G、S38K、V42T、K50E、A55T、V63A及びR66Qからなる群から選ばれる一つ以上のアミノ酸残基の置換であることを特徴とし得る。
最も好ましくは、本発明において、前記プロペプチド領域(L22~S73)におけるアミノ酸残基の置換は、V63Aを含み、E24G、S38K、V42T、K50E、A55T及びR66Qからなる群から選ばれる一つ以上のアミノ酸残基の置換をさらに含むことを特徴とし得る。
本発明において、前記プロセシング位置(R74~R77及びR132~R135)における一つ以上のアミノ酸残基の置換は、R74G、R77G、R77V.R132G及びR135Gから選ばれる一つ以上のアミノ酸残基の置換であることを特徴とし得る。
前記プロセシング位置(R74~R77及びR132~R135)における一つ以上のアミノ酸残基の置換によるR74~R77位置のアミノ酸配列はRGKR、GGKG、RGKA、RGKV、又はRHGGであり、R132~R135位置のアミノ酸配列はRHGR、GHGR、RHGG、RHER、GHGG、RHGA又はRHGVであることを特徴とし得る。
本発明において、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体は、トロンビン切断位置(Thrombin cleavage site)(L311、P313、R314、L359、P361又はR362)における一つ以上のアミノ酸残基の置換をさらに含むことを特徴とし得るが、これに制限されない。
好ましくは、前記トロンビン切断位置であるL311、P313、R314、L359、P361及びR362位置から選ばれる一つ以上のアミノ酸残基が、アスパラギン酸(Aspartic acid,D)、グルタミン酸(Glutamic acid,E)、セリン(Serine,S)、リジン(Lysine,K)及びグルタミン(Glutamine,Q)からなる群から選ばれるアミノ酸残基に置換されたことを特徴とし得る。
本発明において、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体は、フラグメンテーション(Fragmentation)位置(S202又はS223)における一つ以上のアミノ酸残基が、セリン及びシステイン(Cysteine,C)を除く他のアミノ酸残基への置換をさらに含むことを特徴とし得る。
本発明において、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体は、N末端にシグナルペプチド(signal peptide)をさらに含むことを特徴とし得る。
本明細書において、シグナルペプチド(signal peptide)は、信号配列(signal sequence)と同じ意味で使われ、短いアミノ酸配列として新しく発現したポリペプチドを小胞体にターゲッティングさせて分泌経路に進入させるのに重要な役割を担当する。細胞内でタンパク質が合成されて細胞外に出る時、信号配列は切られ、Lefty Aタンパク質変異体のN末端はL22から始まる。前記信号配列は、Lefty Aタンパク質由来の信号配列(M1~A21)を使用できるが、これに制限されない。Lefty Aタンパク質以外の他のタンパク質由来の信号配列を使用することができ、例えば、MDMRVPAQLLGLLLLWFPGSRC(UniProt:A0A0C4DH73;配列番号132)のような抗体由来の配列であり得るが、これに制限されない。
本発明は、他の観点において、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質に関する。
本発明において、“Lefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質”は、“Lefty A融合タンパク質変異体”と同じ意味で使われる。
本発明において、前記融合タンパク質は、ヒトLefty Aタンパク質変異体とFc又はアルブミンが融合していることを特徴とし得るが、これに制限されない。
好ましくは、本発明に係る融合タンパク質は、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体のN末端又はC末端、好ましくはC末端にFc又はアルブミンが融合していることを特徴とし得る。また、本発明に係る融合タンパク質は、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体とFc又はアルブミンがリンカーを媒介にして融合していることを特徴とし得る。
本発明におけるFcは、抗体(antibody)のFc(Fragment crystallizable region)を意味し、IgG、IgA、IgM及びIgEからなる群から選ばれる抗体のFc、好ましくは、ヒト由来のIgG、IgA、IgM及びIgEからなる群から選ばれる抗体のFcが用いられ得るが、これに限定されない。
より好ましくは、ヒトIgG由来のヒトIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4から選ばれるもの、最も好ましくはヒトIgG1由来のFcが用いられ得るが、これに限定されない。また、野生型Fc又はそのアミノ酸配列変異体であってもよい。
また、本発明におけるアルブミンは、ヒトを含む動物由来のあらゆるアルブミンを含む意味で使われ、好ましくは、ヒトアルブミンが用いられ得るが、これに限定されない。
本発明において、前記融合タンパク質は、配列番号134~配列番号178のアミノ酸配列からなる群から選ばれるいずれか一つのアミノ酸配列で表されることを特徴とし得るが、これに限定されない。
本発明において、前記配列番号134~配列番号159のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号86~配列番号111のアミノ酸配列から信号配列を除外したL22~K614のアミノ酸配列を意味し、前記配列番号160~配列番号178のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号112~配列番号129及び配列番号133のアミノ酸配列から信号配列を除外したL23~K615のアミノ酸配列を意味する(図22A~図22J及び図23A~図23M)。
本発明に係る融合タンパク質は、N末端にシグナルペプチド(signal peptide)をさらに含むことを特徴とし、融合タンパク質N末端に結合可能なシグナルペプチドは、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体の場合と類似に、Lefty Aタンパク質由来の信号配列(M1~A21)を使用できるが、これに制限されない。Lefty Aタンパク質以外の他のタンパク質由来の信号配列を使用することができ、例えば、MDMRVPAQLLGLLLLWFPGSRC(UniProt:A0A0C4DH73;配列番号132)のような抗体由来の配列でよいが、これに制限されない。
本発明は、さらに他の観点において、前記融合タンパク質をコードする核酸分子、該核酸分子を含む発現ベクター、該発現ベクターが導入された宿主細胞、該宿主細胞を用いたヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質を生産する方法に関する。
本明細書で使われる用語、“核酸分子”は、DNA(gDNA及びcDNA)及びRNA分子を包括的に含む意味を有し、核酸分子において基本構成単位であるヌクレオチドは、自然のヌクレオチドの他、糖又は塩基部位が変形された類似体(analogue)も含む(Scheit,Nucleotide Analogs,John Wiley,New York(1980);Uhlman及びPeyman,Chemical Reviews,(1990)90:543-584)。本発明のヒトLefty A融合タンパク質変異体をコードする核酸分子の配列は変形されてよく、前記変形は、ヌクレオチドの追加、欠失、又は非保存的置換又は保存的置換を含む。
本明細書で使われる用語、“ベクター”とは、宿主細胞において目的遺伝子を発現させるための手段であり、プラスミドベクター;コスミドベクター;及び、バクテリオファージベクター、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター及びアデノ関連ウイルスベクターのようなウイルスベクターなどを含み、好ましくはプラスミドベクターでよいが、これに制限されない。
本発明のベクターにおいて、ヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質をコードする核酸分子は、プロモーターと作動可能に連結(operatively linked)されたものでよい。
本明細書で使われる用語“作動可能に連結された”とは、核酸発現調節配列(例えば、プロモーター、シグナル配列、又は転写調節因子結合位置のアレイ)と他の核酸配列との機能的な結合を意味し、これによって、前記調節配列は前記他の核酸配列の転写及び/又は解読を調節する。
本発明の組換えベクターシステムは、当業界に公知の様々な方法によって構築されてよく、これに関する具体的な方法は、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001)に開示されており、この文献は本明細書に参照によって組み込まれる。
本発明のベクターは、典型的に、クローニングのためのベクター又は発現のためのベクターとして構築されてよい。また、本発明のベクターは、原核細胞又は真核細胞を宿主として構築されてよい。
例えば、本発明のベクターが発現ベクターであり、原核細胞を宿主とする場合には、転写を進行させ得る強力なプロモーター(例えば、tacプロモーター、lacプロモーター、lacUV5プロモーター、lppプロモーター、pLλプロモーター、pRλプロモーター、rac5プロモーター、ampプロモーター、recAプロモーター、SP6プロモーター、trpプロモーター及びT7プロモーターなど)、解読の開始のためのリボソーム結合座及び転写/解読終結配列を含むのが一般的である。宿主細胞としてE.coli(例えば、HB101、BL21、DH5αなど)が用いられる場合、E.coliトリプトファン生合成経路のプロモーター及びオペレーター部位(Yanofsky,C.,J.Bacteriol.,(1984)158:1018-1024)とファージλの左向きプロモーター(pLλプロモーター、Herskowitz,I.and Hagen,D.,Ann.Rev.Genet.,(1980)14:399-445)が調節部位として用いられ得る。宿主細胞としてバチルス菌が用いられる場合、バチルスチューリンゲンシスの毒素タンパク質遺伝子のプロモーター(Appl.Environ.Microbiol.(1998)64:3932-3938;Mol.Gen.Genet.(1996)250:734-741)又はバチルス菌において発現可能ないかなるプロモーターも調節部位として利用可能である。
一方、本発明の組換えベクターは、当業界で通常用いられるプラスミド(例えば、pCL、pSC101、pGV1106、pACYC177、ColE1、pKT230、pME290、pBR322、pUC8/9、pUC6、pBD9、pHC79、pIJ61、pLAFR1、pHV14、pGEXシリーズ、pETシリーズ及びpUC19など)、ファージ(例えば、λgt4・λB、λ-Charon、λΔz1及びM13など)又はウイルス(例えば、SV40など)を操作して作製できる。例えば、本発明の組換えベクターは、pCL発現ベクター、具体的にpCLS05(大韓民国登録特許第10-1420274号)発現ベクターを操作して作製できるが、これに制限されない。
また、本発明のベクターが発現ベクターであり、真核細胞を宿主とする場合には、哺乳動物細胞のゲノムから由来したプロモーター(例えば、メタロチオニンプロモーター、β-アクチンプロモーター、ヒトヘモグロビンプロモーター及びヒト筋肉クレアチンプロモーター)又は哺乳動物ウイルスから由来したプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター、ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター、SV40プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、HSVのtkプロモーター、マウス乳房腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーター、HIVのLTRプロモーター、モロニーウイルスのプロモーター、エプスタインバールウイルス(EBV)のプロモーター及びラウス肉腫ウイルス(RSV)のプロモーター)が用いられてよく、一般に、転写終結配列としてポリアデニル化配列を有する。具体的に、本発明の組換えベクターは、CMVプロモーターを含む。
本発明の組換えベクターはそれから発現する組換えタンパク質の精製を容易にするために他の配列と融合され得る。融合される配列は、例えば、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(Pharmacia,USA)、マルトース結合タンパク質(NEB,USA)、FLAG(IBI,USA)及び6x His(hexahistidine;Quiagen,USA)などがある。また、本発明のベクターによって発現するタンパク質にはFcが融合されているため、精製のための更なる配列無しにも、発現したタンパク質を、タンパク質Aカラムなどを用いて容易に精製できる。
一方、本発明の組換えベクターは、選択標識として当業界で通常用いられる抗生剤耐性遺伝子を含み、例えば、アンピシリン、ゲンタマイシン、カベニシリン、クロラムフェニコール、ストレプトマイシン、カナマイシン、ジェネティシン、ネオマイシン及びテトラサイクリンに対する耐性遺伝子を含むことができる。
本発明のベクターを安定ながらも連続してクローニング及び発現させ得る宿主細胞は、当業界に公知のいかなる宿主細胞も利用可能であり、例えば、エスケリチアコリー(Escherichia coli)、バチルスサブチリス(Bacillus subtilis)及びバチルスチューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のようなバチルス属の菌株、ストレプトマイセス(Streptomyces)、シュードモナス(Pseudomonas)(例えば、シュードモナスプチダ(Pseudomonas putida))、プロテウスミラビリス(Proteus mirabilis)又はスタフィロコッカス(Staphylococcus)(例えば、スタフィロコッカスカルノーサス(Staphylocus carnosus))のような原核宿主細胞を含むが、これに制限されない。
前記ベクターの好適な真核細胞宿主細胞は、アスペルギルス属(Aspergillus species)のような真菌、ピキアパストリス(Pichia pastoris)、サッカロミケスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロミケス(Schizosaccharomyces)及びニューロスポラクラサ(Neurospora crassa)のような酵母、その他下等真核細胞、昆虫由来細胞のような高等真核生物の細胞、そして植物又は哺乳動物から由来した細胞を用いることができる。
具体的に、宿主細胞は、サル腎臓細胞7(COS7:monkey kidney cells)、NSO細胞、SP2/0、チャイニーズハムスター卵巣(CHO:Chinese hamster ovary)細胞、W138、仔ハムスター腎臓(BHK:baby hamster kidney)細胞、MDCK、骨髄腫細胞株、HuT78細胞又は293細胞であってよい。
E.coliなどの微生物を用いる場合、生産性は動物細胞などに比べて高い方であるが、二硫化結合(disulfide bond)又は糖化(glycosylation)の問題からタンパク質生産に好ましくないが、PEG化(pegylation)などを通じて薬剤の体内安定性を増加させる目的で生産に用いられ得る。
本発明において、宿主細胞への“形質転換”及び/又は“形質感染”は、核酸を有機体、細胞、組織又は器官に導入するいかなる方法も含まれ、当分野で公知の通り、宿主細胞に応じて適合な標準技術を選択して行うことができる。このような方法には、電気衝撃遺伝子伝達法(electroporation)、原形質融合、リン酸カルシウム(CaPO)沈殿、塩化カルシウム(CaCl)沈殿、シリコンカーバイド繊維を用いた撹拌、アグロバクテリア媒介された形質転換、PEG、デキストラン硫酸、リポフェクタミン及び乾燥/抑制媒介された形質転換方法などが含まれるが、これに制限されない。
本発明は、前記宿主細胞を用いた組換えタンパク質を生産する方法を提供する。具体的に、前記生産方法は、(a)本発明の組換えベクターで形質転換された宿主細胞を培養する段階;及び(b)前記宿主細胞において組換えタンパク質を発現させる段階を含むヒトLefty A融合タンパク質変異体の製造方法であり得る。
前記組換えタンパク質製造において、形質転換された宿主細胞の培養は、当業界に知られた適当な培地及び培養条件で行うことができる。このような培養過程は、当業者であれば、選択される菌株に応じて容易に調整して使用することができる。このような様々な培養方法は、様々な文献(例えば、James M.Lee,Biochemical Engineering,Prentice-Hall International Editions,138-176)に開示されている。細胞培養は、細胞の成長方式によって懸濁培養と付着培養、培養方法によって回分式、流加式及び連続培養式の方法に区分される。培養に用いられる培地は、特定の菌株の要求条件を適切に満足させなければならない。
動物細胞培養において、前記培地は、様々な炭素源、窒素源及び微量元素成分を含む。使用可能な炭素源の例は、ブドウ糖、ショ糖、乳糖、果糖、マルトース、澱粉及びセルロースのような炭水化物、大豆油、ひまわり油、ひまし油及びココナッツオイルのような脂肪、パルミチン酸、ステアリン酸及びリノレン酸のような脂肪酸、グリセロール及びエタノールのようなアルコール、及び酢酸のような有機酸を含むことができ、これらの炭素源は単独で又は組み合わせて使用できる。
本発明で使用可能な窒素源は、例えば、ペプトン、酵母抽出物、肉汁、麦芽抽出物、とうもろこし浸漬液(CSL)及び大豆、麦のような有機窒素源、及び尿素、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムのような無機窒素源を含むことができ、これらの窒素源は単独で又は組み合わせて使用することができる。前記培地には、リン源として、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム及び対応するソジウム含有塩が含むことができる。また、硫酸マグネシウム又は硫酸鉄のような金属塩を含むことができる。その他に、アミノ酸、ビタミン、及び適切な前駆体などを含むことができる。
培養中に水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、アンモニア、リン酸及び硫酸のような化合物を培養物に適切な方式で添加し、培養物のpHを調整することができる。また、培養中には脂肪酸ポリグリコールエステルのような消泡剤を用いて気泡生成を抑制することができる。また、培養物の好気状態を維持するために、培養物中に酸素又は酸素含有気体(例、空気)を注入する。培養物の温度は一般に20℃~45℃、好ましくは25℃~40℃である。
形質転換された宿主細胞を培養して得た組換えタンパク質は、精製しない状態で使用してもよく、さらに様々な通常の方法、例えば、透析、塩沈殿及びクロマトグラフィーなどを用いて高純度に精製して使用してもよい。特にクロマトグラフィーを利用する方法が最も多く用いられ、カラムの種類と順序は、組換えタンパク質の特性、培養方法などに応じてイオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィーなどから選択できる。
本発明は、さらに他の観点において、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又は前記融合タンパク質を含む、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物に関する。
本発明は、さらに他の観点において、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質を個体に投与する段階を含む、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療方法に関する。
本発明は、さらに他の観点において、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療のための前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質の用途に関する。
本発明は、さらに他の観点において、神経筋肉疾患治療用薬剤の製造のための前記ヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質の使用に関する。
本明細書で使われる用語“予防”は、本発明の組成物の投与によって神経筋肉病などの疾患を抑制させたり或いは進行を遅延させるあらゆる行為を意味し、“治療”は、神経筋肉病などの疾患の発展の抑制、症状の軽減又は除去を意味する。
本発明の一実施例において、本発明に係るヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質がNodalに結合して信号伝達を阻害することによって末梢神経病関連指標を改善できることを確認した。また、本発明の一実施例において、ヒトLefty A融合タンパク質変異体が容量依存的にミオスタチン信号伝達を抑制することを確認し、髄鞘化の陰性調節子のp38信号伝達を遮断することによって末梢神経病、特に脱髄鞘化による神経病の治療剤として利用できることを確認した。
したがって、本発明において、前記神経筋肉疾患は、具体的に末梢神経又は筋肉に生じる疾病であり得、好ましくは、Nodal及び/又はミオスタチン信号伝達関連疾患であることを特徴とし得るが、これに制限されない。前記Nodal及び/又はミオスタチン信号伝達関連疾患は、ミオパシー、末梢神経障害又は強直性脊椎症候群であることを特徴とし得る。
前記ミオパシーは、筋肉減少症(Sarcopenia)、筋ジストロフィー(Muscular dystrophy)、重症筋無力症(myasthenia gravis)、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis、ルーゲリック病)、原発性側索硬化症(Primary lateral sclerosis)、進行性筋萎縮症(Progressive muscular atrophy)、ケネディ病(Spinobulbar muscular atrophy、球脊髄性筋萎縮症)、脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy)及び末梢性ミオパシー(Distal myopathy)からなる群から選ばれることを特徴とし得る。
前記末梢神経障害は、シャルコーマリートゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(Chronic inflammatory demyelinating neuropathy)、手根管症候群(carpal tunnel syndrome)、糖尿病性末梢神経障害(Diabetic peripheral neuropathy)及びギランバレー症候群(Guillain-Barre syndrome)からなる群から選ばれることを特徴とし得る。
前記組成物は、薬学的組成物、医薬外品組成物、健康食品用組成物の形態であり得る。
本発明の疾患予防又は治療用組成物は、薬剤学的に許容される担体をさらに含むことができる。
本発明において用語“薬学的に許容可能な担体”とは、生物体を刺激せず、投与化合物の生物学的活性及び特性を阻害しない担体又は希釈剤のことを指す。液状溶液として製剤化される組成物において薬学的に許容可能な担体には、滅菌及び生体に適するものとして、食塩水、滅菌水、緩衝食塩水、アルブミン注射溶液、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール及びこれら成分のいずれかを混合して使用することができ、必要によって、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤などの他の通常の添加剤を添加してもよい。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤及び潤滑剤をさらに添加し、水溶液、懸濁液、乳濁液などのような注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒又は錠剤として製剤化できる。
本発明の前記薬学的組成物は、経口又は非経口の様々な剤形であってよい。製剤化する場合には、一般に使用する充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤などの希釈剤又は賦形剤を用いて調製する。経口投与のための固形製剤には、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤などが含まれ、このような固形製剤は、一つ以上の化合物に少なくとも一つの賦形剤、例えば、澱粉、炭酸カルシウム、スクロース(sucrose)又はラクトース(lactose)、ゼラチンなどを混ぜて調製する。また、単純な賦形剤の他、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどのような潤滑剤も用いられる。経口投与のための液状製剤には、懸濁剤、耐溶液剤、乳剤、シロップ剤などが該当するが、一般に使用される単純希釈剤である水、リキッドパラフィンの他、様々な賦形剤、例えば、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、保存剤なども含まれてよい。非経口投与のための製剤には、滅菌された水溶液、非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥製剤、坐剤が含まれる。非水性溶剤、懸濁溶剤としては、プロピレングリコール(propylene glycol)、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性油、オレイン酸エチルのような注射可能なエステルなどを用いることができる。坐剤の基剤としては、ウィテップゾール(witepsol)、マクロゴール、ツイン(tween)61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロゼラチンなどを用いることができる。
このような薬学的に許容可能な担体及び製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(19th ed.,1995)に詳細に記載されている。
本発明の組成物は、経口又は非経口で投与でき、非経口投与の場合には、静脈内投与、皮下投与、筋肉投与、腹腔投与、内皮投与、局所投与、鼻内投与、肺内投与及び直腸内投与などで投与できる。経口投与時にタンパク質又はペプチドが消化されるため、経口用組成物は、活性薬剤をコーティングしたり或いは胃での分解から保護されるように剤形化でき、本発明の組成物は、活性物質を標的細胞に移動可能にする任意の装置によって投与できる。
本発明の疾患予防又は治療用組成物の適切な投与量は、製剤化方法、投与方式、患者の年齢、体重、性別、病的状態、食べ物、投与時間、投与経路、排泄速度及び反応感応性のような要因によって様々であり、熟練した通常の医師は、所望する治療又は予防に効果的な投与量を容易に決定及び処方できる。
本発明の一具現例によれば、本発明の薬剤学的組成物の1日投与量は、0.001~100mg/kgでよい。本明細書における用語“薬剤学的有効量”は、神経筋肉病などの疾患を治療、予防及び診断するのに十分な量を意味する。
本発明の疾患予防又は治療用組成物は、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できる方法によって、薬剤学的に許容される担体及び/又は賦形剤を用いて製剤化することによって単位容量の形態にしてもよく、或いは多回容量容器内に内入させて製造してもよい。このとき、剤形は、オイル又は水性媒質中溶液、懸濁液又は乳化液の形態であってもよく、エキス剤、散剤、坐剤、粉末剤、顆粒剤、錠剤又はカプセル剤の形態であってもよく、また、分散剤又は安定化剤をさらに含むことができる。
好ましくは、注射可能な形態で剤形化でき、このとき、注射可能な形態の剤形は、凍結乾燥した形態であって、再構成(reconstitution)して使用する形態であるか、或いは、直ちに注射可能なRTI(Ready-to-Injection)形態の液状剤形であり得るが、これに限定されない。
本発明の組成物は、個別治療剤として投与されてもよく、他の治療剤と併用して投与されてもよく、従来の治療剤とは順次に又は同時に投与されてよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例は単に本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例によって制限されると解釈されないことは、当業界における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
実施例1:ヒトLefty A融合タンパク質の作製
実施例1-1:ヒトLefty Aタンパク質変異体の作製
野生型ヒトLefty Aタンパク質のアミノ酸配列は次の通りである。
MWPLWLCWAL WVLPLAGPGA ALTEEQLLGS LLRQLQLSEV PVLDRADMEK LVIPAHVRAQ YVVLLRRSHG DRSRGKRFSQ SFREVAGRFL ASEASTHLLV FGMEQRLPPN SELVQAVLRL FQEPVPKAAL HRHGRLSPRS AQARVTVEWL RVRDDGSNRT SLIDSRLVSV HESGWKAFDV TEAVNFWQQL SRPRQPLLLQ VSVQREHLGP LASGAHKLVR FASQGAPAGL GEPQLELHTL DLRDYGAQGD CDPEAPMTEG TRCCRQEMYI DLQGMKWAKN WVLEPPGFLA YECVGTCQQP PEALAFNWPF LGPRQCIASE TASLPMIVSI KEGGRTRPQV VSLPNMRVQK CSCASDGALV PRRLQP(配列番号131)
前記配列において、M1~A21はシグナルペプチド配列であり、L22~S73はプロペプチド(Propeptide)領域であり、R74~R77及びR132~R135はプロセシング位置である。
野生型ヒトLefty Aタンパク質は、プロセシング以前に42kDa形態であるが、タンパク質転換酵素(proprotein convertase)系列の酵素によってプロペプチド領域を含む部位が除去されながら34kDa或いは28kDaの形態にプロセシングされる。3つの形態のタンパク質切片の機能を糾明するために、42、34、28タンパク質発現ベクターを作製した。
42kDa、34kDa形態のタンパク質は、追加切断を防ぐためにプロセシング位置変異(42:R74G/R77G/R132G、34:R132G)を導入してそれぞれ作製した(THE JOURNAL OF BIOLOGICAL CHEMISTRY,Vol.276,No.24,Issue of June 15,pp.21387-21396,2001)。ヒトLefty A42切片(L22~P366、R74G/R77G/R132G)、34切片(F78~P366、R132G)、28切片(L136~P366)遺伝子は、バイオニア社(韓国)から合成してPCR鋳型として使用した。L1_F(配列番号13)とL2_R(配列番号14)プライマー対とProFlex装備(Applied Biosystems、米国)を用いて、メーカーの指針に従ってEx taq(Takara、日本)で次のように増幅過程を行った。
95℃で60秒間変性、58℃で60秒間プライマー結合、及び72℃で60秒間延長させる増幅過程を22回行い、ヒトLefty A42、34、28切片を得た。
実施例1-2:C末端Fc融合タンパク質の作製
実施例1-1のヒトLefty Aタンパク質変異体とヒトIgG1Fcとが連結された42Fc(配列番号1)、34Fc(配列番号2)、28Fc(配列番号3)C末端Fc融合タンパク質の3種の発現ベクターを作製した。前記28Fc、34Fc及び48Fcは、それぞれ、28、34及び42kDaサイズのLefty Aタンパク質のC末端にFcが融合しているものを意味する。
ヒトIgG1(Uniprot:P01857)配列をコードするDNAを鋳型とし、L3_F(配列番号15)とL4_R(配列番号16)プライマー対を用いてヒトLefty A切片PCR条件と同じ条件で増幅し、ヒトIgG1切片を得た。得られたPCR反応物を1.5%アガロースゲル電気泳動して分離精製した後、同じ条件でアセンブリーPCR反応(assembly PCR)を行った。生成された反応物を1.5%アガロースゲル電気泳動して分離精製した後、制限酵素Hind IIIとXho I(NEB社、米国)を用いて切断した。制限酵素Hind IIIとXho Iで切断されたpCLS05ベクター(大韓民国出願番号:第2011-0056685号)と25℃で60分間ライゲーションした後、反応物を大腸菌DH5αに形質転換した。100μg/mlのアンピシリンを含有しているLB培地で一晩培養した後、生成されたコロニーからプラスミドを抽出した後、コスモジンテック社(韓国)の配列分析サービスを用いてC末端Fc融合タンパク質3種の発現ベクター作製を確認した。
実施例1-3:C末端リンカーFc融合タンパク質の作製
ヒトLefty AとヒトIgG1FcとをSGGGGSGGGGSGGGGSリンカー(配列番号130)で連結した42 LFc(配列番号4)、34 LFc(配列番号5)、28 LFc(配列番号6)C末端リンカーFc融合タンパク質3種の発現ベクターを作製した。前記28 LFc、34 LFc及び48 LFは、それぞれ、28、34及び42kDaサイズのLefty Aタンパク質のC末端にFcがリンカーを媒介にして融合したものを意味する。
ヒトLefty A 42、34、28切片は、C末端Fc融合タンパク質発現ベクターの作製と同じ方法で得、リンカーFc切片は、ヒトIgG1(Uniprot:P01857)配列をコードするDNAを鋳型とし、L5_F(配列番号17)とL4_R(配列番号16)プライマー対を用いて同じPCR条件でヒトリンカーIgG1切片を得た。以降の過程は、C末端Fc融合タンパク質の作製と同一である。
実施例1-4:N末端Fc融合タンパク質の作製
Fc 42(配列番号7)、Fc 34(配列番号8)、Fc 28(配列番号9)N末端Fc融合タンパク質3種の発現ベクターを作製した。前記Fc 28、Fc 34及びFc48は、それぞれ28、34及び42kDaサイズのLefty Aタンパク質のN末端にFcが融合しているものを意味する。
L6_F(配列番号18)、L7_F(配列番号19)、L8_F(配列番号20)とL9_R(配列番号21)プライマー対を用いてそれぞれヒトLefty A42、34、28切片を得た。生成された反応物を1.5%アガロースゲル電気泳動して分離精製した後、制限酵素Xho Iで切断されたヒトIgG1Fc配列をコードしているpCLS05ベクターDNAとIn-Fusion(登録商標)HDクローニングキット(Clontech,639650)を用いて50℃で15分間ライゲーションした。以降の過程は、C末端Fc融合タンパク質の作製と同一である。
実施例1-5:C末端HSA融合タンパク質の作製
ヒトIgG1Fc融合タンパク質の場合、動物細胞で発現する時にホモ二量体を形成するため、単量体形態の融合タンパク質を作製するために、ヒト血清アルブミン(HSA)分子を融合させたタンパク質を製造した。42 HSA(配列番号10)、34 HSA(配列番号11)、28 HSA(配列番号12)C末端HSA融合タンパク質3種の発現ベクターを作製した。前記28 HSA、34 HSA及び48 HSAは、それぞれ28、34及び42kDaサイズのLefty Aタンパク質のC末端にHSAが融合しているものを意味する。
L1_F(配列番号13)とL9_R(配列番号21)プライマー対を用いて実施例1と同じ方法で増幅し、ヒトLefty A42、34、28切片を得た。制限酵素Hind IIIとXho Iを用いて切断し、Hind IIIとXho Iで切断されたpCLS05ベクターと25℃で60分間ライゲーションした後、反応させた反応物を大腸菌DH5αに形質転換した。100μg/mlのアンピシリンを含有しているLB培地で一晩培養した後、生成されたコロニーからプラスミドを抽出した後、配列分析を用いて1段階クローニングを確認した。
2段階クローニングは、バイオニア社から合成されたヒト血清アルブミン遺伝子を鋳型とし、L10_F(配列番号22)とL11_R(配列番号23)プライマー対を用いて実施例1と同じPCR条件でヒト血清アルブミンを含む切片を得た。生成された反応物を1.5%アガロースゲル電気泳動して分離精製した後、1段階クローニングで得たヒトLefty A 42、34、28切片をコードするDNAを制限酵素Xho Iで切断したベクターと、In-Fusion(登録商標)HDクローニングキット(Clontech,639650)方法を用いて50℃で15分間ライゲーションした。以降の過程は、C末端Fc融合タンパク質の作製と同一である。
実施例1-1~実施例1-5によって作製された発現ベクターの模式図は図1に、アミノ酸配列は表1に示し、融合タンパク質の作製に使用されたプライマーは表2に示す。
Figure 0007355828000001
Figure 0007355828000002
Figure 0007355828000003
Figure 0007355828000004
実施例1-6:ヒトLefty A融合タンパク質臨時発現及び精製分析
ヒトLefty Aとその変異タンパク質は、FreestyleTM MAX CHO 発現システムを用いて発現させた。具体的に、FreesytleTM CHO-S細胞(Invitrogen、米国)を前記構築された発現ベクターで一時的形質感染させ、CHO無血清培地(Invitrogen、米国)で数日間増殖させた。培養培地を遠心分離して上澄液を回収してろ過した後、以降、培養培地内Lefty Aのタンパク質量(発現量)分析及び精製に使用した。
培養液からのFc融合タンパク質は、MabSelect Protein Aレジン(GE Healthcare,USA)を用いてタンパク質Aベースの親和性クロマトグラフィー(Protein A-based affinity chromatography)を用いて精製した。タンパク質Aレジン(Protein A resinが)が充填されたカラムをPBS(phosphate-buffered saline,pH 7.4)で平衡(equilibration)させた後、濾過した細胞培養上澄液をロードした。10CV(column volume)のPBSで洗浄した後、5CVの溶出緩衝液(0.1Mクエン酸ナトリウム)でタンパク質を溶出し、200μlの1M Tris-HCl、pH 8.0を添加して溶出溶液を中和させた。組換えタンパク質が溶出された分画(fraction)に対してPBS(pH7.4)にバッファー交換するために、MWCO 30000であるAmicon Ultra-15遠心濾過機(Millipore,Cat.No.UFC903096)を使用した。精製されたタンパク質分画プーリング(pooling)試料を入れて4,000rpm、4℃、10分遠心分離して10倍希釈させた後、遠心分離を3回反復することによって1,000倍以上バッファー交換(buffer change)させた。精製された組換えタンパク質はクリーンベンチ中で25mm PESシリンジフィルター(0.22μm;Nalgene,Cat.No.NAL-194-2520)で試料の損失を最小化して濾過後に密封し、外部に露出されない状態で4℃で保管した。
HSA融合タンパク質は、HSAのみに特異的に結合するCaptureSelectTM HSA親和性マトリックス(ThermoFisher Scientific,USA)或いはHiTrap Blue HPレジンを用いて精製した。PBSで満たされたCaptureSelect親和カラムに濾過した培養上澄液を通過させた後、1M NaCl含有20mM Tris-Clで洗浄した後、1Mアルギニン及び1M NaClを含有している20mM Tris-Clを用いて溶出した。又は、結合緩衝溶液20mM NaPO(pH7.0)で満たされたHiTrap Blue HPカラムに準備された培養上澄液を通過させて所望のタンパク質のみをレジンと結合させた後、2M NaCl含有の20mM NaPO(pH7.0)を用いて溶出させた。精製完了後、分画は、NANODROP 2000分光測色器(Thermo Scientific,Cat.No.ND-2000)を用いて280nm波長で濃度を測定し、各分画については、所望のタンパク質の含有測定のために、サイズ排除HPLCをSWxl Guard column(TOSOH,Cat.No.08543)とTSKgel G3000SWxl(TOSOH,Cat.No.08541)を用いて1200シリーズHPLC(Agilent Technologies)で確認した。
精製された融合タンパク質をSDS-PAGE及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて分析した。トリス/グリシン4~12%アクリルアミドゲル(Invitrogen、米国)でSDS-PAGEを行った。分析用ゲルをクマシ-ブルー(Coomassie Blue)で染色し、デジタルスキャニングして画像を取得した。精製された各タンパク質は、0.5ml/分の流速で、0.02% NANを含有するリン酸塩緩衝塩水中で平衡されたTSK-GEL G300SWXLカラム(7.8×300mm,Tosohaas、米国)を使用するサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で分析し、タンパク質の発現量及び純度を確認した。その結果を表3に示す。
Figure 0007355828000005
34或いは28 Fc融合タンパク質は、Fc融合位置に関係なく発現しなかった。42切片の場合、C末端Fc融合時(“42 Fc”)にN末端融合(“Fc 42”)に比べてタンパク質発現効率が大きく増加し、特に、リンカーを媒介にFcと融合した場合(“42 LFc”)にタンパク質発現効率が大きく増加した。HSA融合タンパク質の場合も、42 HSAのみ発現し、34 HSA或いは28 HSAは発現しなかった。これは、培養液のウェスタンブロット分析からも確認された(図2)。
下記の実施例6に見られるように、CMTモデルマウスにおいて42 Fc又は42 LFcが42 HSAに比べて神経改善能力に優れており、42 Fc又は42 LFcを以降の変異体作製の鋳型として使用した。
実施例2:生産性及び安定性改善されたヒトLefty A融合タンパク質変異体の作製
タンパク質安定性及び動物細胞内発現量が42 LFc分子に比べてより高く、実施例1に記載した構造物から発現したヒトLefty A融合タンパク質変異体を作製した。
実施例2-1:ヒトLefty A融合タンパク質変異体発現ベクターの作製
実施例1で作製されたプロペプチドが除去された融合タンパク質は殆ど発現しなかった。最も収率が高い42 LFcタンパク質さえ、培養液上で低い発現量とProA親和性精製後の低い純度という限界があった。SDS-PAGE分析から見られるように、プロセシング位置における切断或いはタンパク質不安定性による非特異的切断によって42 LFc精製産物でいくつかの小さな切片が観察された(図3)。また、ExPASy PeptideCutter DB(https://web.expasy.org/peptide_cutter/)を用いて、ヒトLefty Aを様々な酵素と化学物質によって切断される位置を予測した結果、311番と359番ロイシン残基にトロンビン酵素による切断位置が予測された。したがって、プロペプチド領域、プロセシング位置、L311、P313、R314、L359、P361及びR362位置に変異を導入して、ヒトLefty A融合タンパク質変異体の発現量及び安定性を増加させ、精製純度を向上させようとした。42 LFc遺伝子を鋳型とし、表4に記載のプライマー対を用いて、実施例1と同じ条件でPCRしてそれぞれの切片を得た後、アセンブリーPCR反応を行った。生成された反応物を1.5%アガロースゲル電気泳動して分離精製した後、制限酵素Hind IIIとXho Iで切断したpCLS05ベクターとIn-Fusion(登録商標)HDクローニングキット(Clontech,639650)方法を用いて50℃で15分間ライゲーションした。以降の過程は、C末端Fc融合タンパク質の作製と同一である。
Figure 0007355828000006
Figure 0007355828000007
前記42 LFcの配列において、プロペプチド領域(L22~S73)でアミノ酸残基の置換が起きた変異体のアミノ酸配列を、下記表5に示す。
Figure 0007355828000008
Figure 0007355828000009
前記LFB 42 LFcは、42 LFcの配列において、E24G、S38K、V42T、K50E、A55T、V63A及びR66Qのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。
前記42 LFcの配列において、プロセシング位置(R74~R77及びR132~R135)でアミノ酸残基の置換が起きた変異体のアミノ酸配列を、下記表6に示す。
前記42 LFc V1は42 LFcの配列でG132Rのアミノ酸残基置換;42 LFc V2は42 LFcの配列でG132R及びR135Gのアミノ酸残基置換;42 LFc V3はLFcの配列でG132R及びG134Eのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。42 LFc V4は42 LFcの配列でR135Gのアミノ酸残基置換;42 LFc V5は42 LFcの配列でG74R及びG77Aのアミノ酸残基置換;42 LFc V6は42 LFcの配列でG74R、G77A、G132R及びR135Aのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。42 LFc V7は42 LFcの配列でG74R、G77A、G132R及びR135Vのアミノ酸残基置換;42 LFc V8は42 LFcの配列でG74R及びG77Vのアミノ酸残基置換;42 LFc V9は42 LFcの配列でG74R、G77V、G132R及びR135Aのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。42 LFc V10は42 LFcの配列でG74R、G77V、G132R及びR135Vのアミノ酸残基置換;42 LFc V11は42 LFcの配列でG74R、G75H、K76G、G132R及びR135Gのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。42 LFc V12は42 LFcの配列でG74R、G132R及びR135Gのアミノ酸残基置換;42 LFc V13は42 LFcの配列でG74R、G77A、G132R及びR135Gのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。
前記表5のプロペプチド領域(L22~S73)でアミノ酸残基の置換、前記表6のプロセシング位置(R74~R77及びR132~R135)でアミノ酸残基の置換、及びさらにフラグメンテーション位置(S202又はS223)におけるアミノ酸残基の置換が起きた変異体のアミノ酸配列を、下記表7に示す。
前記CX196は、42 LFcの配列でE24G、S38K、V42T、K50E、A55T、V63A、R66Q、G132R及びR135Gのアミノ酸残基置換が起きた変異体であり、CX197は、42 LFcの配列でE24G、S38K、V42T、K50E、A55T、V63A、R66Q、G132R及びR135Aのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。
CX201は、42 LFcの配列でV63A、R66Q、G132R及びR135Aのアミノ酸残基置換が起きた変異体であり、CX203は、42 LFcの配列でV63A、R66Q、G132R及びG134Eのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。
CX206は、42 LFcの配列でV63A、R66Q、G132R、R135G及びS202Tのアミノ酸残基置換が起きた変異体であり、CX207は、42 LFcの配列でV63A、R66Q、G132R、R135G及びS223Gのアミノ酸残基置換が起きた変異体であり、CX208は、42 LFcの配列でV63A、R66Q、G132R、R135G、S202T及びS223Gのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。
前記表7のCX201の配列においてトロンビン切断位置(Thrombin cleavage site)(L311、P313、R314、L359、P361又はR362)でのアミノ酸残基置換がさらに起きた変異体を、下記表8に示す。
トロンビン位置変異体の場合、抗体由来MDMRVPAQLLGLLLLWFPGSRC(UniProt:A0A0C4DH73;配列番号132)配列を信号配列(signal sequence)として使用した。
実施例2-2:臨時発現及び精製分析
作製された発現ベクターを、実施例1と同じ方法で臨時発現及び精製した後、発現量及び純度を確認した。その結果を、表9~表12に示す。
変異体作製の基本となる42-LFc融合タンパク質の場合、約2.8μg/mlの発現量を示し、1次親和性(affinity)精製後にSE-HPLCで分析したタンパク質純度は、平均で約64.3%と分析された。プロペプチド領域をLFBに置換したLefty A変異体は、約7.5倍の発現量増加を示し、SE-HPLCで測定したタンパク質純度は約83%であった。ヒトLefty Aのプロペプチド領域に対するV63A置換は発現量を約2倍増加させ、V63A/R66Q二重置換は、発現量を約2.3倍増加させた(表9)。
Figure 0007355828000019
プロセシング位置に対してシーケンス変異を導入した結果、SE-HPLCで測定したタンパク質の純度は42 LFc V2で84.1%を示し、発現量は変異導入前と類似であった。42 LFc V6でタンパク質純度が90.9%と最も高く示されたが、発現量は変異導入前に比して約60%と減少した(表10)。
Figure 0007355828000020
ヒトLefty A融合タンパク質変異体(Combination)に対する分析の結果、LFBプロペプチドを使用したCX196は、発現量が約1.8倍増加、タンパク質純度が94.1%と増加し、ヒトプロペプチドを使用したCX201は、発現量が約1.9倍増加、タンパク質純度が91.3%と増加した(表11、図4)。
Figure 0007355828000021
ヒトLefty A融合タンパク質変異体(Thrombin cleavage site)に対する分析の結果、P361S単一変異体(single mutant)で発現量が約1.5倍増加した。L311D/R362Q及びL311E/R362Qの二重変異体(double mutant)とL311D/P361D/R362Q及びL311E/P361D/R362Qの三重変異体(triple mutant)は両方も、発現量が1.5倍増加したとともに、タンパク質純度が95%程度と約9%増加した(表12)。
Figure 0007355828000022
実施例3:血清内安定性改善
実施例2で作製したヒトLefty A融合タンパク質変異体(Thrombin cleavage site)を使用してin vitro血清安定性試験を行った。各タンパク質変異体を最終10μg/mlの濃度でマウス血清或いは血漿に希釈し、37℃で4時間培養(incubation)後に、サンドイッチELISAで分析した。マウス血清において安定性は、試験管条件で血清内ヒトLefty A変異体の相対的残量を測定して分析し、CX201に対する相対的安定性を表13に表した。L311D、L311E、P361D或いはR362Qのようにputative thrombin sites変形時に血清で安定性が増加することが確認できた。
Figure 0007355828000023
実施例4:Nodalに対する結合力測定
ヒトnodalタンパク質とヒトLefty A融合タンパク質変異体の結合力をBIAcoreを用いて測定した。
具体的に、CM5センサーチップにヒトNodal(R&D systems,3218-ND-025/CF)タンパク質を50RU固定させた。ヒトLefty A融合タンパク質と変異体を500、250、125、62.5及び31.25nMに希釈して使用し、低い濃度から順次に注入した。その後、30μl/minの流速で3分間注入して結合させ、5分間ランニングバッファを注入して解離させた。15μlの50mM NaOHを用いてチップを再生した。それぞれのサイクルに対する結合及び解離速度は、BIAevaluationソフトウェアバージョン4.1で“Bivalent analyte”モデルを用いて評価し、ビアコアデータを表14に要約した。
Figure 0007355828000024
実施例5:ヒトLefty Aタンパク質による末梢神経細胞増殖促進
本研究において、遺伝性末梢神経疾患の治療物質探索のために、小胞体ストレスを誘発する薬物を用いたシュワン細胞モデルを開発して薬物探索に活用した。
まず、小胞体ストレス細胞モデルで間葉幹細胞を共同培養したとき、小胞体ストレスの減少とともに細胞死滅が効果的に抑制されることを観察した。具体的にトランスウエルチャンバーでS16シュワン細胞にタプシガルギン(Thapsigargin)誘導性小胞体ストレスを誘導した後、上部チャンバーに臍帯由来の間葉幹細胞を共同培養してS16細胞の死滅を分析し、このとき、臍帯幹細胞の共同培養がS16シュワン細胞の死滅を30%以上抑制した(図5)。
このような結果から、臍帯幹細胞が分泌する傍分泌因子(paracrine factor)がシュワン細胞の死滅を抑制していると類推でき、サイトカイン抗体アレイ(cytokine antibody array)を行い、間葉幹細胞で分泌される治療効能タンパク質を同定しようとした。シュワン細胞と共同培養時に、臍帯幹細胞で分泌が2倍以上増えたタンパク質を分析し、特に、Lefty Aタンパク質が有効に増加することを観察した。
実施例6:CMT疾患モデルTr-JマウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質の神経機能改善
ヒトLefty A融合タンパク質が神経の機能的改善を起こし得るか否かを、CMT1モデルTr-J(Trembler-J)マウスを用いて電気生理学的に分析した(Meekins et al.,J Peripher Nerv Syst9(3):177-82(2004))。Tr-Jは、PMP22遺伝子においてL16P変異が起きた自然発生突然変異マウスであり、末梢神経脱髄鞘化の表現型を有しており、CMT1患者に見られるように、Tr-Jマウスは神経伝導速度と複合筋活動電位(CMAP)強度の低下を示す(Henry et al.,J Neuropathol Exp Neurol2(6):688-706(1983);Valentijin et al.,Nat Genet 2(4):288-911992(1992))。
Tr-Jマウスに、出生後6日目から、PBS或いはヒトLefty A融合タンパク質(1μg/kg)を2日ごとに腹腔内注射した。注射は、生後20日まで総8回行われた。神経伝導検査の前日にマウスの末端部から後足に至るまで毛髪を完全に除去し、翌日、坐骨神経で運動ニューロンの神経伝導速度を測定するために、活性録音針電極を腓腹筋肉に連結し、基準電極を腓腹筋肉に連結した。刺激陰極を記録電極から6mm離れた臀部領域に置き、複合筋活動電位と運動神経伝導速度(MNCV)をNicolet VikingQuest(Natus Medical,San Carlos,CA)機器を用いて測定した。
図6及び表15に示すように、神経伝導検査から、42 LFc融合タンパク質がTr-Jマウスの神経機能を向上させることを確認した。
Figure 0007355828000025
1μg/kgの投与容量において、HSA融合タンパク質に比べてLFc融合ヒトLefty Aタンパク質が、複合筋肉活動電位(compound muscle action potential;CMAP)とTr-Jマウスの神経伝導速度(MNCV)を非常に増加させた。このようなデータから、神経病症患者の神経機能向上のためにヒトLefty A融合タンパク質を利用できることが分かる。
実施例7:ヒトLefty A融合タンパク質変異体によるシュワン細胞髄鞘化促進
RT4-D6P2Tシュワン細胞をefty A融合タンパク質変異体(42 LFc;X-42)を処理時に、シュワン細胞髄鞘化に重要な転写調節因子であるKrox20と、髄鞘化時に発現が誘導されるMBPタンパク質発現が増加した(図7A)。
一方、NodalをRT4-D6P2Tシュワン細胞に処理時にKrox20の発現が阻害されたし、Nodalによる髄鞘化阻害は、Lefty A融合タンパク質変異体によって回復した(図7B及び図7C)。このような結果は、Lefty A融合変異体がシュワン細胞髄鞘化を促進させ、これは、シュワン細胞髄鞘化の陰性調節子として働くnodalを阻害することによってなるということを示す。
実施例8:CMT疾患モデルC22マウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質変異体(X-42)の腹腔内注射(IP)による神経機能及び運動機能改善(p6マウス)
ヒトLefty A融合タンパク質変異チェーンX-42を、シャルコーマリートゥース1型(Charcot-Marie-Tooth Disease type 1;CMT1)動物モデルであるC22[strain of origin:(C57BL/6J x CBA/CA)F1]マウスの髄鞘が形成される前である生後6日目(p6マウス)から腹腔内注射(IP;intraperitoneal injection)し、電気生理学的神経機能の改善及び行動評価による運動機能の改善を観察した。
C22マウスは、human PMP22遺伝子7コピー(copies)を有する形質転換マウスであり、深刻な末梢神経脱髄鞘化の表現型を持っている(Robertson et al.,J Anat 200(4):377-90(2002);Norreel et al.,Neuroscience 116(3):695-703(2003))。薬効評価のために10μg/kgの容量でヒトLefty A融合タンパク質変異体を生後6日目から生後24日目で2日ごとに総10回マウス腹腔内に投与した後、神経伝導検査及び行動評価を行った。
実施例8-1:神経伝導検査
神経伝導検査の前日にマウスの末端部から後足に至るまで毛髪を完全に除去し、翌日、坐骨神経で運動ニューロンの神経伝導速度を測定するために、活性録音針電極を腓腹筋肉に連結し、基準電極を腓腹筋肉に連結した。刺激陰極を記録電極から6mm離れた臀部領域に置き、複合筋活動電位と運動神経伝導速度(MNCV)をNicolet VikingQuest(Natus Medical,San Carlos,CA)機器で測定した。野生型マウスに比べてC22マウスは非常に低いMNCV及びCMAPを示した。これに対し、ヒトLefty A融合タンパク質変異体を投与したC22マウスは、ビークル(vehicle)投与群に比べて神経伝達速度(MNCS)及び活動電位(CMAP)が有意に増加した(図8)。
実施例8-2:行動評価
行動評価としては、ロータロッド試験とグリップ強度分析を行った。
ロータロッド試験は、具体的に、3cm水平回転棒(2m/分)にマウスを位置させた後、堪える時間を測定して行った。本実験前にマウスは3日間の訓練期間を有し、実験期間中に毎週4回実施した。記録を、回転棒上では最長5分まで測定して平均値を表示した。図8Aに示すように、下肢筋力が、野生マウスと比較してC22マウスは顕著に劣るが、ヒトLefty A融合タンパク質変異体投与時にC22マウスの下肢筋力が約2倍以上回復することを確認した(図9A)。
グリップ強度(grip strength)分析は、マウスの神経筋機能を評価するために行われた。グリップ強度メーターを用いて、マウスが足指で金属取っ手又は三角形の引き棒を握るようにし、マウスの尾の起始部位を取って体を水平に維持させた後、一定の速度で引っ張る。棒を放す時点のゲージに表示された数値を記録した。ヒトLefty A融合タンパク質変異体を投与したC22マウスの坐骨神経調節下に筋肉の変化を観察するために、3~4週齢マウスで下肢のグリップ強度を測定した。ヒトLefty A融合タンパク質変異体投与群のグリップ強度は約3倍向上した(図9B)。
実施例9:CMT疾患モデルC22マウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質変異体(X-42)の腹腔内注射(IP)による筋肉量増加効果(p6マウス)
ヒトLefty A融合タンパク質変異体による筋肉量の変化を、6日目野生型マウス或いはC22マウスから確認した。腹膜に2日に1回ずつPBS又はヒトLefty A融合タンパク質変異体(10μg/kg)を10回投与した後、磁気共鳴映像を用いて腓腹筋肉面積を測定した。ヒトLefty A融合タンパク質変異体投与時に、野生型マウスの他にCMT1モデルマウスでも筋肉量を有意に増加させる効果を確認した(図10)。
実施例10:C22マウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質変異体(X-42)の腹腔内注射(IP)によるマウスの歩きぶり改善効果(p6マウス)
Lefty A融合タンパク質変異体によるC22マウスの歩きぶり改善効果を確認するために、6日目マウス腹膜に2日に1回ずつPBS又はヒトLefty A融合タンパク質変異体(10μg/kg)を10回投与した後、歩幅(行動範囲)の向上と尻、膝、足首関節を含む関節角の変化を調査した(図11)。マウスを制限された経路に通過させた後、歩行を追跡し、2つの媒介変数の歩幅(行動範囲)と支持基底面(BOS)で比較した。歩幅(行動範囲)の長さ(stride length)は、右後足、左後足の足跡を追跡して計算し、歩幅(行動範囲)の左側と右側を計算してBOS値を求めた。その結果、Lefty A融合タンパク質変異体を投与したマウス群において骨盤歩幅(行動範囲)の改善が観察された(図11の左上)。
野生型マウスと比較して、C22マウスは、神経問題によって歩行時に臀部、膝及び足首の関節角度で急な変化を示すが、統計グラフに見られるように、Lefty A融合タンパク質投与時にC22マウス角度変化が改善された(図11左下)。この結果は、野生型マウスのように完全には回復しなかったが、神経がある程度回復したことを示している。
実施例11:C22マウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質変異体(CX-201)の腹腔内注射(IP)による神経機能及び運動機能改善(p6マウス)
ヒトLefty A融合タンパク質変異体であるCX-201を、0.2mg/kgの容量でC22マウスの髄鞘が形成される前である生後6日目(p6マウス)から24日目まで2日ごとに総10回、腹腔内注射(IP;intraperitoneal injection)し、実施例8におけるように、電気生理学的神経機能の改善及び行動評価による運動機能の改善を観察した。
ヒトLefty A融合タンパク質変異体CX-201を投与したC22マウスは、ビークル投与群に比べて、神経伝達速度(MNCS)及び活動電位(CMAP)が有意に増加した(図12)。
また、図13に示すように、ヒトLefty A融合タンパク質変異体CX201投与時に、C22マウスのグリップ強度及び下肢筋力も有意に改善することを確認した。
実施例12:CMT疾患モデルC22マウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質変異体(CX-201)の腹腔内注射(IP)によるマウスの歩きぶり改善効果(p6マウス)
Lefty A融合タンパク質変異体CX201によるC22マウスの歩きぶり改善効果を確認するために、6日目マウス腹膜に2日に1回ずつPBS又はヒトLefty A融合タンパク質変異体(200μg/kg)を10回投与した後、実施例10におけるように歩行分析を行った。特に、一足のかかとから次の同足のかかとまでの歩幅(行動範囲)の長さ(stride length)測定時に、Lefty A融合タンパク質変異体を投与したCMT疾患マウスC22の歩行が統計的に有意に改善された(図14)。
実施例13:C22マウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質変異体の皮下注射による神経機能及び運動機能改善(p21マウス)
ヒトLefty A融合タンパク質変異体であるCX-201を、C22マウスの髄鞘が形成された後である生後21日目(p21マウス)から4週間に皮下注射(SQ;subcutaneous injection)し、電気生理学的神経機能及び行動評価による運動機能を測定した。
CX201を投与したC22マウスはビークル投与群に比べて、神経伝達速度も活動電位も有意に増加した(図15)。特に、雄マウスにおいてグリップ強度が有意に増加した(図16)。この結果から、髄鞘形成時期の直前(生後6日)の他、髄鞘形成時期が経った(生後21日)後に投与しても神経機能及び行同期能を改善できることが分かった。
実施例14:ヒトLefty A融合タンパク質変異体によるミオスタチン信号伝達(signaling)阻害
ヒトLefty A融合タンパク質変異体がミオスタチン信号伝達を阻害できる否かをレポーター遺伝子分析によって評価した。横紋筋肉腫A204細胞をSmad2/3-反応性ルシフェラーゼレポーターベクターpGL4.48(Promega,USA)で形質感染させた後、抗生剤選別によって、安定してベクターが形質感染された細胞を選別した。ミオスタチンと様々な濃度のヒトLefty A融合タンパク質変異体を含有する培養培地を細胞に添加する前に37℃で45分間反応させた。培地を添加した後、細胞を6時間培養した後、Bio-glo lucierase分析試薬(Promega,USA)を用いて、ミオスタチンによって誘導されたルシフェラーゼ活性を検出した。ミオスタチンは、ベクターが安定に導入された細胞株で強いルシフェラーゼ発現を誘導し、ヒトLefty A融合タンパク質変異体は容量依存的にミオスタチン信号伝達を抑制した(図17)。
実施例15:ヒトLefty A融合タンパク質変異体によるp-p38信号伝達抑制
TGF-bファミリーBMP7は、末梢神経においてミエリン構成遺伝子の発現を阻害し、これはp38のリン酸化によってなされると知られているので(Liu X et al.,Sci Rep 6:31049(2016))、ヒトLefty A融合タンパク質変異体がp38リン酸化を阻害できる否かを調べてみた。具体的に、実施例7のようにC22マウスにヒトLefty A融合タンパク質変異体を投与後、坐骨神経のリン酸化されたp38をウェスタンブロット法で分析した。
図18に示すように、ヒトLefty A融合タンパク質変異体が投与されたC22マウスの坐骨神経では、p38のリン酸化が抑制され、ミエリン構成タンパク質であるMBPタンパク質発現が増加した。すなわち、この結果から、ヒトLefty A融合タンパク質変異体は、髄鞘化の陰性調節子であるp38信号伝達を遮断することによって末梢神経病、特に脱髄鞘化による神経病治療剤として利用できることが分かる。
実施例16:ヒトLefty A融合タンパク質変異体生産細胞株の作製
CHO-S(cGMP-banked)細胞を125mL三角フラスコ(Erlenmeyer flask)に1mLにつき1×10個でCD-FortiCHO培地30mLに接種して準備した。50mL円錐管(Conical tube)にヒトLefty A融合タンパク質変異体(CX201s;CX201融合タンパク質において信号配列として抗体由来MDMRVPAQLLGLLLLWFPGSRC配列を使用;ヒトLefty AとヒトIgG1Fcとの間にSGGGGSGGGGSGGGGSリンカーで連結;表16、配列番号133)遺伝子が挿入された発現ベクター50μgを入れ、最終体積(final volume)が1.5mLとなるようにOptiPRO SFMを入れた後に混ぜた。別の50mL円錐管にフリースタイルMAX試薬(Freestyle MAX solution)50μLを入れ、最終体積が1.5mLとなるようにOptiPRO SFMを入れた後に混ぜた。フリースタイルMAX溶液をDNA溶液に添加後に10分間室温に放置した。10分後、細胞の入っている三角フラスコにDNA-フリースタイルMAX試薬複合体を処理して形質転換した。
1次、2次選別を順次に行って遺伝子増幅を誘導した。1次及び2次選別が終了したプール(pool)のうち、最も発現量が高かった条件として選別されたプールでClonePixを用いてCX201s生産細胞株を選別した。選別されたクローンを6日間種培養した後、1.0×10cells/mL濃度となるように凍結培地(CD-FortiCHO培地90%+DMSO10%)に懸濁して1mLずつクライオチューブ(cryotube)に分注し、RCB(Research cell bank)を製造した。
Figure 0007355828000026
CX201は、42 LFcの配列でV63A、R66Q、G132R及びR135Aのアミノ酸残基置換が起きた変異体であり、CX203は、42 LFcの配列でV63A、R66Q、G132R及びG134Eのアミノ酸残基置換が起きた変異体である。
実施例17:C22マウスにおいてヒトLefty A融合タンパク質変異体の皮下注射による神経機能及び運動機能改善(p35マウス)
マウス末梢神経で髄鞘化が進行された後である5週齢(p35)時期のC22マウスに、4週間皮下経路で、ヒトLefty A融合タンパク質変異体であるCX201sを5mg/kg容量で週2回又は1回、或いは10mg/kg容量で週1回投与した。実施例8におけるように電気生理学的神経機能を評価した。CX201sを投与したC22マウスはビークル投与群に比べて、神経伝達速度(NCV)も活動電位(CMAP)も有意に増加した(図19)。
運動機能評価のために、ロータロッド試験とグリップ強度分析を行った。ロータロッド試験は、12rpmで回転する棒にマウスを位置させた後、堪える時間を測定して行った。回転棒上で最長200秒まで測定し、3回実施した平均値を表示した。図19に示すように、CX201s投与時にビークル投与群に比べてC22マウスの下肢筋力が統計的に有意に改善されることを確認した。また、マウスの神経筋機能を評価するために、グリップ強度メーターを用いてマウス四肢グリップ強度を測定した。ヒトCX201sを5mg/kgで週2回投与した時に、統計的に有意に四肢グリップ強度が改善された(図20)。
要するに、ヒトLefty A融合タンパク質変異体CX201sは、5週齢 C22マウスに4週以上皮下投与時にC22マウスの神経伝導及び運動機能を改善させ、特に、5mg/kg容量で週2回投与時に改善効果が高かった。
実施例18:ヒトLefty A融合タンパク質変異体によるNodal信号伝達阻害
NodalはTGFbファミリーであり、Smad信号伝達を活性化させる。NodalがActivin受容体に結合すれば、これからSmad2とSmad3がリン酸化され、Smad4と結合して核に移動した後、様々な遺伝子の転写を調節する。ヒトLefty A融合タンパク質変異体がNodalによるSmad信号伝達を阻害できるか否かを、Nodalに反応性があるP19マウス胚芽癌細胞株を用いて評価した。
具体的に、Nodalと様々な濃度のヒトLefty A融合タンパク質変異体CX201sとを30分間あらかじめ反応させた。Nodal単独或いはNodal-Lefty A融合タンパク質変異体を細胞に1時間処理した後、細胞溶解物(cell lysates)からウェスタンブロット分析により、Nodalによって誘導されたSmad3リン酸化を検出した。Nodalタンパク質を単独で処理した時、強いSmad3リン酸化が誘導されることが確認され、ヒトLefty A融合タンパク質変異体は容量依存的にNodalによるSmad3リン酸化を抑制した(図21)。
本発明は、ヒトLefty Aタンパク質変異体及び前記変異体を含む融合タンパク質を作製することによって、自然的に存在するヒトLefty Aタンパク質に比べて優れた安定性に基づいて動物細胞において発現量及び生産収率を向上させた。また、前記作製したヒトLefty Aタンパク質変異体又は融合タンパク質を投与すれば神経疾患モデル動物の神経機能及び運動機能を回復させることができるので、ヒトLefty Aタンパク質変異体又は融合タンパク質を用いて様々な神経疾患及び筋肉疾患を効果的に予防又は治療することができる。
以上、本発明内容の特定の部分を詳細に記述したところ、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的記述は単に好ましい実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が制限されない点は明らかであろう。したがって、本発明の実質的な範囲は、添付する請求項及びそれらの等価物によって定義されるといえよう。

Claims (15)

  1. 配列番号134~178で表されるアミノ酸配列からなる群から選択されるアミノ酸配列の1~345アミノ酸残基を含む、
    ヒトLefty Aタンパク質変異体。
  2. 前記ヒトLefty Aタンパク質変異体は、N末端にシグナルペプチド(signal peptide)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のヒトLefty
    Aタンパク質変異体。
  3. 請求項1又は2に記載のヒトLefty Aタンパク質変異体を含み、前記ヒトLefty Aタンパク質変異体と、Fc又はアルブミンとが融合している、融合タンパク質。
  4. ヒトLefty Aタンパク質変異体のC末端にFc又はアルブミンが融合していることを特徴とする、請求項に記載の融合タンパク質。
  5. ヒトLefty Aタンパク質変異体と、Fc又はアルブミンとはリンカーを媒介に融合していることを特徴とする、請求項に記載の融合タンパク質。
  6. 配列番号134~配列番号178のアミノ酸配列からなる群から選ばれるいずれか一つのアミノ酸配列で表されることを特徴とする、請求項に記載の融合タンパク質。
  7. 請求項に記載の融合タンパク質をコードする核酸分子。
  8. 請求項に記載の核酸分子を含む発現ベクター。
  9. 請求項に記載の発現ベクターが導入された宿主細胞。
  10. 請求項に記載の宿主細胞を用いたヒトLefty Aタンパク質変異体を含む融合タンパク質を生産する方法。
  11. 請求項1又は2に記載のヒトLefty Aタンパク質変異体又はこれを含む融合タンパク質を含む、神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
  12. 前記神経筋肉疾患は、Nodal及び/又はミオスタチン信号伝達関連疾患であることを特徴とする、請求項11に記載の神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
  13. 前記Nodal及び/又はミオスタチン信号伝達関連疾患は、ミオパシー、末梢神経障害又は強直性脊椎症候群であることを特徴とする、請求項12に記載の神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
  14. 前記ミオパシーは、筋肉減少症(Sarcopenia)、筋ジストロフィー(Muscular dystrophy)、重症筋無力症(myasthenia gravis)、筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis、ルーゲリック病)、原発性側索硬化症(Primary lateral sclerosis)、進行性筋萎縮症(Progressive muscular atrophy)、ケネディ病(Spinobulbar muscular atrophy)、脊髄性筋萎縮症(Spinal muscular atrophy)及び末梢性ミオパシー(Distal myopathy)からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項13に記載の神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
  15. 前記末梢神経障害は、シャルコーマリートゥース病(Charcot-Marie-Tooth disease)、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパシー(Chronic inflammatory demyelinating neuropathy)、手根管症候群(carpal tunnel syndrome)、糖尿病性末梢神経障害(Diabetic peripheral neuropathy)及びギランバレー症候群(Guillain-Barre syndrome)からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項13に記載の神経筋肉疾患の予防及び/又は治療用組成物。
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