JP7354926B2 - 漏電遮断器 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、漏電に対する人体保護を確保しつつ、導体線路に雷サージ電流のような大電流が流れた場合であっても、不要な遮断動作を回避し得る漏電遮断器を提供することを目的とする。
ある観点に従う本発明は、漏電電流を検出するための漏電電流検出回路と、サージ電流を検出するためのサージ電流検出回路とを備える漏電遮断器である。前記漏電電流検出回路は、主回路導体線路を囲む第1の磁気コアに巻回された第1の励磁コイルに、前記第1の磁気コアが飽和状態になるように励磁電流を供給し、該励磁電流に応答して、所定のしきい値に従った電圧パルスを出力する発振回路と、前記発振回路から出力される電圧パルスのデューティ比の変化を電圧の変化として出力する電圧変換回路と、前記電圧変換回路から出力される電圧と第1の基準電圧との比較に基づく第1の比較結果信号を出力する第1の比較回路とを備える。また、前記サージ電流検出回路は、前記主回路導体線路を囲む第2の磁気コアに巻回された第2の励磁コイルに流れる信号を検出する第1の信号検出回路と、前記第1の信号検出回路から出力される信号の電圧と第2の基準電圧との比較に基づく第2の比較結果信号を出力する第2の比較回路と、前記第2の比較回路から出力される前記第2の比較結果信号が所定のしきい値を超えている間、前記第2の比較結果信号を反転した反転信号を出力する反転回路とを備える。また、前記漏電遮断器は、前記第1の比較回路から出力される第1の比較結果信号と前記反転回路から出力される反転信号とに基づいて出力信号を決定し、出力する第1の出力制御回路と、前記第1の出力制御回路から出力される第1の出力信号に基づいて、前記主回路導体線路を遮断するための遮断スイッチを制御する遮断スイッチ制御回路とを備える。
前記第1の信号検出回路は、前記第2の励磁コイルの両端の電圧に基づく信号を検出するように構成された差動増幅回路であり得る。
また、前記漏電遮断器は、前記第2の比較回路から出力される前記第2の比較結果信号の値を、所定の時間の間、一定の値以上になるように維持する出力維持回路を更に備え得る。そして、前記反転回路は、前記出力維持回路から出力される前記第2の比較結果信号に対して反転した前記反転信号を出力し得る。
前記漏電電流検出回路は、前記主回路導体線路を流れる漏電電流の交流成分を検出する交流成分検出回路を更に含み得る。
前記交流成分検出回路は、前記第2の励磁コイルの両端の電圧に基づく信号を検出する第2の信号検出回路と、前記第2の信号検出回路により検出された信号に基づく電圧と第3の基準電圧との比較に基づく第3の比較結果信号を出力する第3の比較回路を備え得る。前記漏電遮断器は、前記第3の比較回路から出力される前記第3の比較結果信号と前記反転回路から出力される前記反転信号とに基づいて出力信号を決定し、出力する第2の出力制御回路とを更に備え得る。そして、前記遮断スイッチ制御回路は、前記第1の出力制御回路から出力される第1の出力信号又は前記第2の出力制御回路から出力される第2の出力信号のいずれかに基づいて、前記主回路導体線路を遮断するための遮断スイッチを制御し得る。
本発明の他の技術的特徴、目的、及び作用効果乃至は利点は、添付した図面を参照して説明される以下の実施形態により明らかにされる。なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る漏電遮断器の構成の一例を示すブロックダイアグラムである。同図に示すように、漏電遮断器1は、例えば2本の導線からなる主回路導体線路101に電磁的に結合されるように設けられる。主回路導体線路101は、1本の導線でも良いし、また、三相対応の3本の導線であっても良い。漏電遮断器1は、後述するように、電流の異常状態を検出した場合に、主回路導体線路101を遮断(開極)する遮断スイッチ102を備える。
電圧変換回路106は、発振回路105から出力される電圧パルスに基づいて電圧の変化を取り出すための回路である。すなわち、電圧変換回路106は、発振回路105から出力される電圧パルスのデューティ比の変化を、電圧の変化を示す信号として取り出す。例えば積分回路は、電圧変換回路106の一態様である。
絶対値回路108は、第1の増幅回路107から出力される信号を全波整流する回路である。図示していないが、絶対値回路108は、例えば、抵抗と、ダイオードと、オペアンプとを含み構成される。絶対値回路108は、全波整流した信号を第1の比較回路109に出力する。
差動増幅回路115は、第2の磁気コア113に巻回された第2の励磁コイル114から差動信号を取り出す信号検出回路である。図4は、本発明の一実施形態に係る漏電遮断器の差動増幅回路の構成の一例を示す図である。同図に示すように、本例の差動増幅回路115は、抵抗401~404と、オペアンプ405とを含み構成される。差動増幅回路115は、抵抗401を介して検出される信号と抵抗402を介して検出される信号とをオペアンプ405により所定の差動利得で増幅し、増幅した差動信号を第2の比較回路116に出力する。
主回路導体線路101にサージ電流が流れると、第2の励磁コイル114の両端に電圧の変化が生じ、差動増幅回路115により該電圧が増幅されて、第2の比較回路116に第2の基準電圧(本例では正側のしきい値)を超える信号として入力される(図9(a))。これにより、第2の比較回路116は、図9(b)に示すように、第2の基準電圧を超える間、比較結果信号を出力する。第2の比較回路116から出力される比較結果信号は、出力維持回路117に入力される。なお、同図は、一例として、サージ電流が正方向に出力された場合を示しているが、負方向に出力された場合には、負側のしきい値を下回ることで、第2の比較回路116は検出信号を出力する。
反転回路118は、出力維持回路117からの入力が所定のしきい値を下回るまでは出力を抑制し(“L”を示す値を出力し)、出力維持回路117からの入力が所定のしきい値を下回ると出力を開始する(“H”を示す値を出力する)(図9(d))。
この状態で、第1の出力制御回路119は、第1の比較回路109からの出力と反転回路118との出力の論理積を行い、その結果を判定回路120に出力する。つまり、第1の出力制御回路119は、第1の比較回路109と反転回路118との両方から出力される信号が「H」である場合に限り、「H」を示す信号を出力する。これにより、主回路導体線路101にサージ電流が流れた場合であっても、反転回路118から出力される信号が「L」となるため、不要な遮断動作は行われない。また、サージ電流が検出されない状態では、反転回路118から出力される信号は「H」であり、漏電電流検出回路により異常電流が検出された場合には、第1の比較回路から出力される信号が「H」となるため、第1の出力制御回路119は、「H」の信号を出力し、これにより、遮断動作が行われることになる。
以上のように、本実施形態によれば、雷サージ電流のような過渡的な大電流を検出した場合であっても、反転回路118により信号が「L」となるため、不要な遮断動作を抑制することができる
図10は、本発明の他の実施形態に係る漏電遮断器の構成の一例を示すブロックダイアグラムである。本実施形態の漏電遮断器1は、漏電電流検出回路が直流成分検出回路と交流成分検出回路とを含み構成されている。直流成分検出回路は、上述した第1の実施形態と同じである。一方、交流成分検出回路は、抵抗125と、フィルタ回路126と、第2の増幅回路127と、第3の比較回路128と、第2の出力制御回路129とを含み構成されている。また、漏電遮断器1は、第1の出力制御回路119の出力と第2の出力制御回路129の出力との論理和を判定回路120に出力する論理和回路130とを含む。なお、反転回路118から出力される反転信号は、第1の出力制御回路119及び第2の出力制御回路129の両方に出力される。
第3の比較回路は、第2の増幅回路127により増幅された信号の電圧を、所定の基準値(第3の基準電圧)と比較して、その比較した結果を示す信号(例えば「H」又は「L」を示す信号)を第2の出力制御回路129に出力する。
論理和回路130は、第1の出力制御回路119から出力される信号と第2の出力制御回路129から出力される信号との論理和の結果を示す信号を出力する。つまり、本実施形態では、直流成分又は交流成分のいずれかが検出されれば、判定回路120に信号が出力されることになる。
上記各実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施することができる。
また、本明細書では、さまざまな実施形態が開示されているが、一の実施形態における特定のフィーチャ(技術的事項)を、適宜改良しながら、他の実施形態に追加し、又は該他の実施形態における特定のフィーチャと置換することができ、そのような形態も本発明の要旨に含まれる。
101…主回路導体線路
102…遮断スイッチ
103…第1の磁気コア
104…第1の励磁コイル
105…発振回路
106…電圧変換回路
107…第1の増幅回路
108…絶対値回路
109…第1の比較回路
113…第2の磁気コア
114…第2の励磁コイル
115…差動増幅回路
116…第2の比較回路
117…出力維持回路
118…反転回路
119…第1の出力制御回路
120…判定回路
121…駆動信号出力回路
125…抵抗
126…フィルタ回路
127…第2の増幅回路
128…第3の比較回路
129…第2の出力制御回路
130…論理和回路
Claims (8)
- 漏電電流を検出するための漏電電流検出回路と、サージ電流を検出するためのサージ電流検出回路とを備える漏電遮断器であって、
前記漏電電流検出回路は、
主回路導体線路を囲む第1の磁気コアに巻回された第1の励磁コイルに、前記第1の磁気コアが飽和状態になるように励磁電流を供給し、該励磁電流に応答して、所定のしきい値に従った電圧パルスを出力する発振回路と、
前記発振回路から出力される電圧パルスのデューティ比の変化を電圧の変化として出力する電圧変換回路と、
前記電圧変換回路から出力される電圧と第1の基準電圧との比較に基づく第1の比較結果信号を出力する第1の比較回路と、を備え、
前記サージ電流検出回路は、
前記主回路導体線路を囲む第2の磁気コアに巻回された第2の励磁コイルに流れる信号を検出する第1の信号検出回路と、
前記第1の信号検出回路から出力される信号の電圧と第2の基準電圧との比較に基づく第2の比較結果信号を出力する第2の比較回路と、
前記第2の比較回路から出力される前記第2の比較結果信号が所定のしきい値を超えている間、前記第2の比較結果信号を反転した反転信号を出力する反転回路と、を備え、
前記漏電遮断器は更に、
前記第1の比較回路から出力される第1の比較結果信号と前記反転回路から出力される反転信号とに基づいて第1の出力信号を決定し、出力する第1の出力制御回路と、
前記第1の出力制御回路から出力される第1の出力信号に基づいて、前記主回路導体線路を遮断するための遮断スイッチを制御する遮断スイッチ制御回路と、を備える、
漏電遮断器。 - 前記電圧変換回路から出力される電圧の絶対値を出力する絶対値回路を更に備え、
前記第1の比較回路は、前記絶対値回路から出力される前記電圧の絶対値と前記第1の基準電圧とを比較して、前記電圧の絶対値が前記第1の基準電圧を超える場合に前記第1の比較結果信号を出力する、
請求項1に記載の漏電遮断器。 - 前記第1の信号検出回路は、前記第2の励磁コイルの両端の電圧に基づく信号を検出するように構成された差動増幅回路である、
請求項1又は2に記載の漏電遮断器。 - 前記第2の比較回路は、前記第1の信号検出回路から出力される信号の電圧を、前記第2の基準電圧として正側と負側との両方に設定された所定のしきい値と比較して、前記第1の信号検出回路から出力される信号の電圧が該正側のしきい値を超える場合又は該負側のしきい値を下回る場合に前記第2の比較結果信号を出力する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の漏電遮断器。 - 前記第2の比較回路から出力される前記第2の比較結果信号の値を、所定の時間の間、一定の値以上になるように維持する出力維持回路を更に備え、
前記反転回路は、前記出力維持回路から出力される前記第2の比較結果信号に対して反転した前記反転信号を出力する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の漏電遮断器。 - 前記第1の出力制御回路は、前記第1の比較回路から出力される前記第1の比較結果信号と前記反転回路から出力される前記反転信号との論理積の結果を前記第1の出力信号として出力する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の漏電遮断器。 - 前記漏電電流検出回路は、前記主回路導体線路を流れる漏電電流の交流成分を検出する交流成分検出回路を更に含む、
請求項1に記載の漏電遮断器。 - 前記交流成分検出回路は、
前記第2の励磁コイルの両端の電圧に基づく信号を検出する第2の信号検出回路と、
前記第2の信号検出回路により検出された信号に基づく電圧と第3の基準電圧との比較に基づく第3の比較結果信号を出力する第3の比較回路を備え、
前記漏電遮断器は、
前記第3の比較回路から出力される前記第3の比較結果信号と前記反転回路から出力される前記反転信号とに基づいて第2の出力信号を決定し、出力する第2の出力制御回路と、を更に備え、
前記遮断スイッチ制御回路は、前記第1の出力制御回路から出力される第1の出力信号又は前記第2の出力制御回路から出力される第2の出力信号のいずれかに基づいて、前記主回路導体線路を遮断するための遮断スイッチを制御する、
請求項7に記載の漏電遮断器。
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