本発明の一実施形態を、図1~図27を参照しつつ以下に述べる。
この実施形態の家具システムSは、例えばオフィスのフロア等における中央領域に配置されるセンター設置形態のものであり、図1~図6に示すように、複数のモジュール家具11~12、21~23、31~33を組み合わせた段状のユニット1を具備してなる。これら複数のモジュール家具11~12、21~23、31~33には、相互に高さ寸法、幅寸法及び奥行寸法の少なくとも1つが異なったモジュール家具が含まれている。なお、この家具システムSにおいては、例えば600mmを1モジュール(M)と定め、各モジュール家具11~12、20~23、31~33の幅寸法及び奥行き寸法は1モジュール(M)の整数倍に設定されている。また、階段状に配されたモジュール家具11~12、20~23、31~33により形成される階段の基本的な段差(以下、階段ピッチ寸法(H)と称する)は例えば250mmに設定されている。
詳述すれば、この家具システムSは、図1~図3に示すように、中核をなし前から後に向かって段階的に高くなる段状のメインユニット1と、このメインユニット1の機能を補完するサブユニット2A、2B、3とを具備してなる。本実施形態では、サブユニットとして、メインユニット1の両側面にそれぞれ隣接されるサイド配置型のサブユニット2A、2Bと、メインユニット1の背面に隣接させるバック配置型のサブユニット3とが採用されている。
本実施形態を示す図1は、家具システムS全体を示す前上側からの斜視図である。図2は、家具システムS全体を示す後上側からの斜視図である。図3の(a)は、家具システムS全体を示す平面図であり、同図の(b)は、メインユニット1とサブユニット2、3とを分離して示す模式的な平面図である。図4は家具システムS全体を示す左側面図であり、図5は同中央側断面図である。図6は家具システムS全体を示す分解斜視図であり、後述するクッション体127、217、237、317、337を周壁要素121、211、231、311、331から離脱させて内部空間12s、21s、23s、31s、33sを示している。図7は後述する特定のモジュール家具22、23を示す分解斜視図である。図8は図5における矢印X部分を拡大して示す拡大断面図である。図9~図22はそれぞれモジュール家具11~12、20~23、31~33、51~52、61~63を示す投影図である。これらの投影図には、正面図、左側面図、平面図、底面図、背面図、正面側からの斜視図及び背面側からの斜視図が含まれている。なお、図18及び図20~図22については、該当するモジュール家具51、61~63の利用者に向かう側を正面としている。図23~図24はそれぞれ後述する第1及び第2の連結具J1、J3を示す投影図である。これらの投影図には、正面図、左側面図、右側面図、平面図、正面側からの斜視図及び背面側からの斜視図が含まれている。図25は、後述する第1及び第2の縦列領域1a、1bの後下側からの斜視図である。図26は、第1の連結具J1を利用したモジュール家具同士の連結態様を示す作用説明図である。図27は、第2の連結具J3を利用したモジュール家具同士の連結態様を示す作用説明図である。
<メインユニット1の構成>
この実施形態のメインユニット1は、例えば、図3に示すように、複数の縦列領域、具体的には、第1の縦列領域1aと、第2の縦列領域1bと、第3の縦列領域1cとに区画されており、各縦列領域1a~1cにそれぞれ複数のモジュール家具11~12、20~23、31~33が前後方向に隣接させて配置されている。
メインユニット1の第1の縦列領域1a(正面視左端の縦列領域)には、1段目のモジュール家具11と、この1段目のモジュール家具11の後に配された2段目のモジュール家具12とが配されている。
1段目のモジュール家具11は、ステップタイプのものであり、主に図4及び図9に示されるように、内部空間11sを有した中空体状をなしており、内部空間11sを囲う周壁要素111と、内部空間11sの上を塞ぐ天壁要素112を備えている。周壁要素111は、内部空間11sの前を塞ぐ前面材113と、内部空間11sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材114と、内部空間11sの後を塞ぐ背面材115とにより構成されている。また、このモジュール家具11の上面は床面11fにより構成されており、天壁要素111は、床面11fを構成する床板116のみにより構成されている。この床板116の上面、すなわちこのモジュール家具11の床面11fは特殊強化メラミンにより形成されている。このモジュール家具11の幅寸法は2モジュール(2M)に、また奥行き寸法は1モジュール(M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具11の高さ寸法は、前述した階段ピッチ寸法(H)に対応させている。より具体的には、このモジュール家具11の上面(床面11f)からオフィス床面Fまでの離間距離が例えば250mmとなるように設定されている。なお、このモジュール家具11の下面にはアジャスタ11aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。
2段目のモジュール家具12は、奥行き寸法が大きなソファタイプであるカウチタイプのものであり、主に図4及び図10に示されるように、内部空間12sを有した中空体状をなしており、内部空間12sを囲う周壁要素121と、内部空間12sの上を塞ぐ天壁要素122を備えている。周壁要素121は、内部空間12sの前を塞ぐ前面材123と、内部空間12sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材124と、内部空間12sを後方に解放すべく設けられた後枠材125とにより構成されている。また、このモジュール家具12の上面はソファ面12mにより構成されており、天壁要素122は、ソファ面12mを構成するクッション体127のみにより構成されている。このクッション体127は、下方に開口した扁平箱型の芯材128と、この芯材128の上面及び周面に添接させた図示しないクッション材と、このクッション材を被覆する張地129とを備えており、この張地129の上面がソファ面12mを形成している。このクッション体127は周壁要素121に対して挿脱可能であり、装着時の位置決めは、クッション体127の芯材128の角部内面128aから下方に突設した位置決め突起12tを周壁要素121の角部内面に嵌合させることにより行われている。図6は、クッション体127を周壁要素121から離脱させて内部空間12sが上方に解放された状態を示している。このモジュール家具12の幅寸法は2モジュール(2M)に、また奥行き寸法は2モジュール(2M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具12の高さ寸法は、周壁要素121の高さ寸法とクッション体127の高さ寸法とを加えた値であるが、周壁要素121の高さ寸法は前述した階段ピッチ寸法の2倍(2H)に設定されており、クッション体127の高さ寸法は階段ピッチ寸法(H)よりも若干小さな値に設定されている。なお、このモジュール家具12の下面にはアジャスタ12aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。また、このモジュール家具12のクッション体127には、コンセント120が添接されている。具体的には、このコンセント120は、電源端子120aとUSB端子120bとを2口ずつ備えたもので、周壁要素121の後枠材125に固定され、クッション体127の背面中央部に設けた凹陥部127x内に配されている。このコンセントの電源端子120a及びUSB端子120bは、クッション体127の上面(ソファ面12m)側に表出しており、上からこれら端子120a、120bに図示しないプラグを装着することができるようになっている。コンセント120に電力や通信信号を供給するケーブル12cは、内部空間12sを通してオフィス床面F等の上に垂下させてあり、そのオフィス床面Fに沿って必要な箇所に導かれている。内部空間12sの底には、ケーブル12c等を接続するための図示しないコンセント等を配してもよい。
メインユニットの第2の縦列領域1b(正面視中央の縦列領域)には、1段目の第1及び第2のモジュール家具20、21と、これら1段目のモジュール家具20、21の後に配された2段目のモジュール家具22と、この2段目のモジュール家具22の後に配された3段目のモジュール家具23とが配されている。
1段目の第1のモジュール家具20は、ステップタイプのものであり、主に図11に示されるように、内部空間20sを有した中空体状をなしており、内部空間20sを囲う周壁要素201と、内部空間20sの上を塞ぐ天壁要素202を備えている。周壁要素201は、内部空間20sの前を塞ぐ前面材203と、内部空間20sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材204と、内部空間20sの後を塞ぐ背面材205とにより構成されている。また、このモジュール家具20の上面は床面20fにより構成されており、天壁要素201は、床面20fを構成する床板206のみにより構成されている。この床板206の上面、すなわちこのモジュール家具20の床面20fは特殊強化メラミンにより形成されている。このモジュール家具11の幅寸法は1モジュール(1M)に、また奥行き寸法は1モジュール(M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具20の高さ寸法は、前述した階段ピッチ寸法(H)に対応させている。より具体的には、このモジュール家具20の上面(床面20f)からオフィス床面Fまでの離間距離が例えば250mmとなるように設定されている。なお、このモジュール家具20の下面にはアジャスタ20aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。
1段目の第1のモジュール家具21は、1段目の第1のモジュール家具20の側方に配されるソファタイプのものであり、主に図5及び図12に示されるように、内部空間21sを有した中空体状をなしており、内部空間21sを囲う周壁要素211と、内部空間21sの上を塞ぐ天壁要素212を備えている。周壁要素211は、内部空間21sの前を塞ぐ前面材213と、内部空間21sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材214と、内部空間21sの後を塞ぐ背面材215とにより構成されている。また、このモジュール家具21の上面はソファ面21mにより構成されており、天壁要素212は、ソファ面21mを構成するクッション体217のみにより構成されている。このクッション体217は、下方に開口した扁平箱型の芯材218と、この芯材218の上面及び周面に添接させた図示しないクッション材と、このクッション材を被覆する張地219とを備えており、この張地219の上面がソファ面21mを形成している。このクッション体217は周壁要素211に対して挿脱可能であり、装着時の位置決めは、クッション体217の芯材218の角部内面218aから下方に突設した位置決め突起21tを周壁要素211の角部内面に嵌合させることにより行われている。このモジュール家具21の幅寸法は2モジュール(2M)に、また奥行き寸法は1モジュール(M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具21の高さ寸法は、周壁要素211の高さ寸法とクッション体217の高さ寸法とを加えた値であるが、周壁要素211の高さ寸法は前述した階段ピッチ寸法(H)に設定されており、クッション体217の高さ寸法は階段ピッチ寸法(H)よりも若干小さな値に設定されている。なお、このモジュール家具21の下面にはアジャスタ21aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。さらに、このモジュール家具21のクッション体217には、コンセント210が添接されている。具体的には、このコンセント210は、第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12に備えられたものと同様のもので、周壁要素211の背面材215に固定され、クッション体217の背面中央部に設けた凹陥部217x内に配されている。このコンセント210の電源端子210a及びUSB端子210bは、クッション体217の上面(ソファ面21m)側に表出しており、上からこれら端子210a、210bに図示しないプラグを装着することができるようになっている。コンセント210に電力や通信信号を供給するケーブル21cは、内部空間21sを通してオフィス床面F等の上に垂下させてあり、そのオフィス床面Fに沿って必要な箇所に導かれている。内部空間21sの底には、ケーブル21c等を接続するための図示しないコンセント等を配してもよい。
2段目のモジュール家具22は、ステップタイプのものであり、主に図5、図7、図8及び図13に示されるように、内部空間22sを有した中空体状をなしており、内部空間22sを囲う周壁要素221と、内部空間22sの上を塞ぐ天壁要素222を備えている。周壁要素221は、内部空間22sの前を塞ぐ前面材223と、内部空間22sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材224と、内部空間22sを後方に解放すべく設けられた後枠材225とにより構成されている。また、このモジュール家具22の上面は床面22fにより構成されており、天壁要素222は、床面22fを構成する床板226のみにより構成されている。この床板226の上面、すなわちこのモジュール家具22の床面22fは特殊強化メラミンにより形成されている。このモジュール家具22の幅寸法は3モジュール(3M)に、また奥行き寸法は1モジュール(M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具22の高さ寸法は、前述した階段ピッチ寸法(H)の2倍に対応させている。より具体的には、このモジュール家具22の上面(床面22f)からオフィス床面までの離間距離が例えば500mmとなるように設定されている。なお、このモジュール家具22の下面にはアジャスタ22aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。
3段目のモジュール家具23は、ソファタイプのものであり、主に図5、図7、図8及び図14に示されるように、内部空間23sを有した中空体状をなしており、内部空間23sを囲う周壁要素231と、内部空間23sの上を塞ぐ天壁要素232を備えている。周壁要素231は、内部空間23sの上部の前を塞ぐ前面材233と、内部空間23sの下部を前方に解放すべく設けられた前枠材23Fと、内部空間23sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材234と、内部空間23sを後方に解放すべく設けられた後枠材235とにより構成されている。また、このモジュール家具23の上面はソファ面23mにより構成されており、天壁要素232は、ソファ面23mを構成するクッション体237のみにより構成されている。このクッション体237は、下方に開口した扁平箱型の芯材238と、この芯材238の上面及び周面に添接させたクッション材23Nと、このクッション材23Nを被覆する張地239とを備えており、この張地239の上面がソファ面23mを形成している。このクッション体237は周壁要素231に対して挿脱可能であり、装着時の位置決めは、クッション体237の芯材238の角部内面238aから下方に突設した位置決め突起23tを周壁要素231の角部内面に嵌合させることにより行われている。このモジュール家具23の幅寸法は3モジュール(3M)に、また奥行き寸法は1モジュール(M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具23の高さ寸法は、周壁要素231の高さ寸法とクッション体237の高さ寸法とを加えた値であるが、周壁要素231の高さ寸法は前述した階段ピッチ寸法の3倍(3H)に設定されており、クッション体237の高さ寸法は階段ピッチ寸法よりも若干小さな値に設定されている。なお、このモジュール家具23の下面にはアジャスタ23aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。さらに、このモジュール家具23のクッション体237には、コンセント230が添接されている。具体的には、このコンセント230は、第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12に備えられたものと同様のもので、周壁要素231の後枠材235に固定され、クッション体237の背面中央部に設けた凹陥部237x内に配されている。このコンセント230の電源端子230a及びUSB端子230bは、クッション体の上面側に表出しており、上からこれら端子に図示しないプラグを装着することができるようになっている。コンセントに電力や通信信号を供給するケーブル23cは、内部空間を通してオフィス床面上に垂下させてあり、そのオフィス床面に沿って必要な箇所に導かれている。内部空間23sの底には、ケーブル等を接続するための図示しないコンセント等を配してもよい。
メインユニットの第3の縦列領域1c(正面視右端の縦列領域)には、1段目のモジュール家具31と、この1段目のモジュール家具31の後に配された2段目のモジュール家具32と、この2段目のモジュール家具32の後に配された3段目のモジュール家具33とが配されている。
1段目のモジュール家具31は、ソファタイプのものであり、主に図15に示されるように、内部空間31sを有した中空体状をなしており、内部空間31sを囲う周壁要素311と、内部空間31sの上を塞ぐ天壁要素312を備えている。周壁要素311は、内部空間31sの前を塞ぐ前面材313と、内部空間31sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材314と、内部空間31sの後を塞ぐ背面材315とにより構成されている。また、このモジュール家具31の上面はソファ面31mにより構成されており、天壁要素312は、ソファ面31mを構成するクッション体317のみにより構成されている。このクッション体317は、下方に開口した扁平箱型の芯材318と、この芯材318の上面及び周面に添接させた図示しないクッション材と、このクッション材を被覆する張地319とを備えており、この張地319の上面がソファ面31mを形成している。このクッション体317は周壁要素311に対して挿脱可能であり、装着時の位置決めは、クッション体317の芯材318の角部内面318aから下方に突設した位置決め突起31tを周壁要素311の角部内面に嵌合させることにより行われている。このモジュール家具31の幅寸法は2モジュール(2M)に、また奥行き寸法は1モジュール(M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具31の高さ寸法は、周壁要素311の高さ寸法とクッション体317の高さ寸法とを加えた値であるが、周壁要素311の高さ寸法は前述した階段ピッチ寸法(H)に設定されており、クッション体317の高さ寸法は階段ピッチ寸法(H)よりも若干小さな値に設定されている。なお、このモジュール家具31の下面にはアジャスタ31aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。さらに、このモジュール家具31のクッション体317には、コンセント310が添接されている。具体的には、このコンセント310は、第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12に備えられたものと同様のもので、周壁要素311の背面材315に固定され、クッション体317の背面中央部に設けた凹陥部317x内に配されている。このコンセント310の電源端子310a及びUSB端子310bは、クッション体317の上面(ソファ面31m)側に表出しており、上からこれら端子310a、310bに図示しないプラグを装着することができるようになっている。コンセント310に電力や通信信号を供給するケーブル31cは、内部空間31sを通してオフィス床面F等の上に垂下させてあり、そのオフィス床面Fに沿って必要な箇所に導かれている。内部空間31sの底には、ケーブル31c等を接続するための図示しないコンセント等を配してもよい。
2段目のモジュール家具32は、ステップタイプのものであり、主に図16に示されるように、内部空間32sを有した中空体状をなしており、内部空間32sを囲う周壁要素321と、内部空間32sの上を塞ぐ天壁要素322を備えている。周壁要素321は、内部空間32sの前を塞ぐ前面材323と、内部空間32sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材324と、内部空間32sを後方に解放すべく設けられた後枠材325とにより構成されている。また、このモジュール家具32の上面は床面32fにより構成されており、天壁要素322は、床面32fを構成する床板326のみにより構成されている。この床板326の上面、すなわちこのモジュール家具32の床面32fは特殊強化メラミンにより形成されている。このモジュール家具32の幅寸法は2モジュール(2M)に、また奥行き寸法は1モジュール(M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具32の高さ寸法は、前述した階段ピッチ寸法(H)の2倍に対応させている。より具体的には、このモジュール家具32の上面(床面32f)からオフィス床面までの離間距離が例えば500mmとなるように設定されている。なお、このモジュール家具32の下面にはアジャスタ32aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。
3段目のモジュール家具33は、ソファタイプのものであり、主に図17に示されるように、内部空間33sを有した中空体状をなしており、内部空間33sを囲う周壁要素331と、内部空間33sの上を塞ぐ天壁要素332を備えている。周壁要素331は、内部空間33sの上部の前を塞ぐ前面材333と、内部空間33sの下部を前方に解放すべく設けられた前枠材33Fと、内部空間33sの左右をそれぞれ塞ぐ左右の側面材334と、内部空間33sを後方に解放すべく設けられた後枠材335とにより構成されている。また、このモジュール家具33の上面はソファ面33mにより構成されており、天壁要素332は、ソファ面33mを構成するクッション体337のみにより構成されている。このクッション体337は、下方に開口した扁平箱型の芯材338と、この芯材338の上面及び周面に添接させた図示しないクッション材と、このクッション材を被覆する張地339とを備えており、この張地339の上面がソファ面33mを形成している。このクッション体337は周壁要素331に対して挿脱可能であり、装着時の位置決めは、クッション体337の芯材338の角部内面338aから下方に突設した位置決め突起33tを周壁要素331の角部内面に嵌合させることにより行われている。このモジュール家具33の幅寸法は2モジュール(2M)に、また奥行き寸法は1モジュール(M)にそれぞれ設定されている。また、このモジュール家具33の高さ寸法は、周壁要素331の高さ寸法とクッション体337の高さ寸法とを加えた値であるが、周壁要素331の高さ寸法は前述した階段ピッチ寸法の3倍(3H)に設定されており、クッション体337の高さ寸法は階段ピッチ寸法(H)よりも若干小さな値に設定されている。なお、このモジュール家具33の下面にはアジャスタ33aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。さらに、このモジュール家具33のクッション体337には、コンセント330が添接されている。具体的には、このコンセント330は、第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12に備えられたものと同様のもので、周壁要素331の後枠材335に固定され、クッション体337の背面中央部に設けた凹陥部337x内に配されている。このコンセント330の電源端子330a及びUSB端子330bは、クッション体337の上面(ソファ面33m)側に表出しており、上からこれら端子330a、330bに図示しないプラグを装着することができるようになっている。コンセント330に電力や通信信号を供給するケーブル33cは、内部空間33sを通してオフィス床面F等の上に垂下させてあり、そのオフィス床面Fに沿って必要な箇所に導かれている。内部空間33sの底には、ケーブル33c等を接続するための図示しないコンセント等を配してもよい。
ここで、幅寸法の1モジュール(M)は、1人分の占有幅を考慮して定められた値である。奥行き寸法の1モジュール(M)は、着座者P1、P2の前を通行可能となるように考慮して定められた値である。そして、階段ピッチ寸法(H)は、2段目及び3段目からの視野を確保しつつ2段目及び3段目にアクセスしやすくなるように考慮して定められた値である。これらの値は、以上説明したものに限定されるものではなく、必要に応じて適宜変更可能である。
なお、各コンセント120、210、230、310、330から垂下されるケーブル12c、21c、23c、31c、33cは、オフィス床面F等に沿って引き回されるものであり、例えば2段目のモジュール家具22、32の背面近傍を通して左右方向にも導かれる。ここで、図7及び図8において、224xは、ケーブル12c、21c、23c、31c、33cを左右方向に挿通させるための切欠である。ケーブル12c、21c、23c、31c、33cの引き回しは、モジュール家具11~33の内部空間11s~33sを利用して行うことができるが、例えば、内部空間11s~33sに後述する防災キットKなどを収納する場合には、ケーブル12c、21c、23c、31c、33cを収納の邪魔にならない箇所、例えば枠材の上面等に配してもよい。
<サイド配置型のサブユニットの構成>
メインユニット1の正面視左側に隣接配置されるサイド配置型のサブユニット2Aは、図18に示すモジュール家具51と、このモジュール家具51に対して前後方向の寸法が異なるモジュール家具53とを備えている。
図18に示すモジュール家具51は、ステップタイプのもので、図9に示すメインユニットの第1の縦列領域1aの1段目のモジュール家具11に準じた構成をなすものであり、図1、図2及び図6に示すように、その上面に形成された床面51fがメインユニット1の最も低いモジュール家具すなわち1段目のモジュール家具11、21、31の上面に連続している。このモジュール家具51は、前後方向寸法が例えば2モジュール(2M)に設定されており、左右方向寸法は例えば0.75モジュール(0.75M)に設定されている。なお、このモジュール家具51の下面にはアジャスタ51aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。これらの値もこの実施形態におけるものに限定されるものでなく、適宜変更してよい。
このモジュール家具51の後方に隣接するモジュール家具53は、ステップタイプのもので、図18に示すモジュール家具51に準じた構成をなすものであり、図1及び図6に示すように、その上面に形成された床面53fが図18に示すモジュール家具51の上面に形成された床面51fに連続している。このモジュール家具53は、前後方向寸法が例えば1.75モジュール(1.75M)に設定されており、左右方向寸法は例えば0.75モジュール(0.75M)に設定されている。これらの値もこの実施形態におけるものに限定されるものでなく、適宜変更してよい。
メインユニット1の正面視右側に隣接配置されるサイド配置型のサブユニット2Bは、図18に示すモジュール家具51と、図19に示すモジュール家具52とを備えている。
図19に示すモジュール家具52は、図1、図5及び図6に示すように、メインユニット1の最も高いモジュール家具すなわち3段目のモジュール家具23、33の上面(ソファ面23m、33m)よりも上方に延出した形態をなすガードウォールタイプのもので、メインユニット1の最も高いモジュール家具23、33のソファ面23m、33mに着座している着座者の外側方への転落をガードする機能を備えている。このモジュール家具52は、内部空間を包囲する周壁要素521と、内部空間の上面を塞ぐ蓋522とを備えたもので、蓋522を取り外すことにより内部空間に植物を植えたプランター等を収容できるようになっている。このモジュール家具52の前後方向寸法は例えば1.75モジュール(1.75M)に設定されており、左右方向寸法は例えば0.75モジュール(0.75M)に設定されている。そして、このモジュール家具52の高さ寸法は、周りからイベントが見えるようにすべく、例えば1000mm、すなわち階段ピッチ寸法の4倍(4H)に設定されている。なお、このモジュール家具52の下面にはアジャスタ52aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。これらの値もこの実施形態におけるものに限定されるものでなく、適宜変更してよい。
<バック配置型のサブユニットの構成>
メインユニット1の背面に隣接配置されるバック配置型のサブユニット3は、図20に示すモジュール家具61と、図21に示すモジュール家具62と、図22に示すモジュール家具63とを備えている。
図20に示すモジュール家具61は、前方を向いて使用可能なキッチンタイプのもので、左右の脚611間に天板612を架設しその天板612の反使用端側に背板613を設けてなる。この天板612上にはコーヒーメーカーなどを載置して使用されるものであり、背板613には図示しない床からの電源用のケーブルを天板上に導くための図示しない配線挿通路と、この配線挿通路を外部に連通させるための配線挿通口614とが設けられている。このモジュール家具61はメインユニット1の第1の縦列領域1aの後方に配されており、その左右方向寸法は例えば2モジュール(2M)に、また前後方向寸法は例えば0.75モジュール(0.75M)にそれぞれ設定されている。このモジュール家具61の左右方向位置はメインユニット1の第1の縦列領域1aと一致させてある。そして、このモジュール家具61の高さ寸法は、周りからイベントが見えるようにすべく、例えば1000mmに設定されている。すなわち、背板613の上端部は天板612上面よりも上方に延出させてあり、このモジュール家具61の上端61u(背板613の上端)とオフィス床面Fとの距離が例えば1000mm(階段ピッチ寸法の4倍(4H))に設定されている。なお、このモジュール家具61の下面にはアジャスタ61aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。これらの値もこの実施形態におけるものに限定されるものでなく、適宜変更してよい。このモジュール家具61は、図1及び図6に示すように、メインユニット1の最も高いモジュール家具すなわち3段目のモジュール家具23、33の上面(ソファ面23m、33m)よりも上方、かつ第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12の上面(ソファ面12m)よりも上方に延出した形態をなすガードウォールタイプのもので、メインユニット1の最も高いモジュール家具23のソファ面23m、及びに第1の縦列領域1aにおける最も高いモジュール家具すなわち2段目のモジュール家具12のソファ面12mにある着座している着座者の後方への転落をガードする機能をも備えている。
図21に示すモジュール家具62は、前方を向いて使用可能なカウンタタイプのもので、支持構造体621により天板622を支持してなる。支持構造体621は、幕板623と、この幕板623の前方に配された上下の枠材624、625と、これら枠材624、625と幕板623との間に設けられ幕板623に直交する複数枚の平行な中板626と、上の枠材624上に配設された天板622と同一の幅寸法を有する可動背板627とを備えている。このモジュール家具62はメインユニット1の第2の縦列領域1bの後方に配されており、そのモジュール家具62の左右方向寸法は例えば3モジュール(3M)に、また前後方向寸法は例えば0.75モジュール(0.75M)にそれぞれ設定されている。このモジュール家具62の左右方向位置はメインユニット1の第2の縦列領域1bと一致させてある。このモジュール家具62の高さ寸法、換言すれば天板面622aとオフィス床面Fとの距離は、周りからイベントが見えるようにすべく、例えば1000mm(階段ピッチ寸法の4倍(4H))に設定されている。なお、このモジュール家具62の下面にはアジャスタ62aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。これらの値もこの実施形態におけるものに限定されるものでなく、適宜変更してよい。このモジュール家具62も、図1、図5及び図6に示すように、メインユニット1の最も高いモジュール家具すなわち3段目のモジュール家具23、33の上面(ソファ面23m、33m)よりも上方に延出した形態をなすガードウォールタイプのもので、メインユニット1の最も高いモジュール家具23、33のソファ面23m、33mに着座している着座者の後方への転落をガードする機能を備えている。すなわち、このモジュール家具62の可動背板627が前方に露出してガードウォールとしての役割をなしている。
図22に示すモジュール家具63は、前方を向いて使用可能なカウンタタイプのもので、支持構造体631により天板632を支持してなる。支持構造体631は、幕板633と、この幕板633の前方に配された上下の枠材634、635と、これら枠材634、635と幕板633との間に設けられ幕板633に直交する複数枚の平行な中板636と、上の枠材634上に配設された天板632と同一の幅寸法を有する可動背板637とを備えている。ここで、上の枠材634は、天板632と同一の幅寸法を有する板状のものであり、背面が可動背板637の背面と面一に連続している。このモジュール家具63の左右方向寸法は例えば2モジュール(2M)に設定されており、前後方向寸法は例えば0.75モジュール(0.75M)に設定されている。このモジュール家具63の左右方向位置はメインユニット1の第3の縦列領域1cと一致させてある。そして、このモジュール家具63の高さ寸法、換言すれば天板面632aとオフィス床面Fとの距離は、周りからイベントが見えるようにすべく、例えば1000mm(階段ピッチ寸法の4倍(4H))に設定されている。なお、このモジュール家具63の下面にはアジャスタ63aが設けられているため、その高さ寸法は微少な範囲で調節が可能である。これらの値もこの実施形態におけるものに限定されるものでなく、適宜変更してよい。このモジュール家具63も、図1及び図6に示すように、メインユニット1の最も高いモジュール家具すなわち3段目のモジュール家具23、33の上面(ソファ面23m、33m)よりも上方に延出した形態をなすガードウォールタイプのもので、メインユニット1の最も高いモジュール家具23、33のソファ面23m、33mに着座している着座者の後方への転落をガードする機能を備えている。すなわち、このモジュール家具63の可動背板637が前方に露出してガードウォールとしての役割をなしている。
<モジュール家具同士の連結>
以上説明した家具システムにおいては、隣接配置されたモジュール家具11~12、20~23、31~33同士を、必要に応じて相互に連結している。
各モジュール家具11~12、20~23、31~33は、前述したように内部空間11s~12s、20s~23s、31s~33sを囲う周壁要素111~121、20~23、31~33をそれぞれ備えたものであり、隣接するモジュール家具11~12、20~23、31~33の周壁要素111~121、201~231、311~331の下端部同士が対をなす挟持部材を有する連結具を介して連結されている。
連結具は、隣接する周壁要素111~121、201~231、311~331の内面にそれぞれ係接する対をなす挟持部材と、これら挟持部材同士を前記周壁要素と干渉しない位置において結合する結合部材とを備えたものである。具体的には、この実施形態では、第1の連結具J1と、第2の連結具J3とが存在している。
第1の連結具J1は、図23に示すように、隣接する周壁要素111~121、201~231、311~331の内面にそれぞれ係接する対をなす挟持部材J11、J12と、これら挟持部材J11、J12の基端同士を結合する結合部材J13とを備えたクリップ状のものである。そして、一方の挟持部材J11は、対応する周壁要素111~121、201~231、311~331に密着すべく前記結合部材J13に直交し、他方の挟持部材J12は、先端に向かって漸次対応する周壁要素111~121、201~231、311~331から離間する方向に傾斜している。一方の挟持部材J11には固定部たるネジ挿通孔J11aが設けられており、このネジ挿通孔J11aに挿通させた図示しないネジにより対応するモジュール家具11~12、20~23、31~33の周壁要素111~121、201~231、311~331に止着されている。この第1の連結具J1における対をなす挟持部材J11、J12と、結合部材J13とは、帯状をなす共通の板金素材に折曲加工を施すことにより一体に作られている。
ここで、第1の連結具J1は、設置の順序が予め認識可能なモジュール家具同士を連結する箇所で用いられるものである。すなわち、図26の(a)に模式的に示すように、先に設置されるモジュール家具(実線)の周壁要素の内面に第1の連結具J1の一方の挟持部材J11を止着しておく。そして、後で設置されるモジュール家具(想像線)の周壁要素を第1の連結具の他方の挟持部材J12と先に設置したモジュール家具の周壁要素の外面との間に上から嵌入させることにより、図26の(b)に模式的に示すように、両モジュール家具の連結が完了する。なお、図26において、各モジュール家具の周壁要素を示す符号の後に設置の順序の一例を括弧内の数字で示しており、括弧内の数字が同じモジュール家具の周壁要素同士が第1の連結具J1により連結されるようになっている。
第2の連結具J3は、図24に示すように、先端に向かって漸次対応する周壁要素から離間方向にそれぞれ傾斜させてある両挟持部材J31と、これら両挟持部材J31の基端同士を結合する結合部材J33とを備えたクリップ状のものである。ここで、両挟持部材J31のいずれも、モジュール家具には止着されていない。この第2の連結具J3における対をなすJ31と、結合部材J33とは、帯状をなす共通の板金素材に折曲加工を施すことにより一体に作られている。
また、第2の連結具J3は、設置の順序が定まっていないモジュール家具同士を連結する箇所で用いられるものである。すなわち、図27の(a)に模式的に示すように、まず第2の連結具J3を床面に両面テープ等の止着具を用いて止着しておき、その連結具J3の両挟持片J31間にモジュール家具の周壁要素を適宜嵌入させることにより、図27の(b)に模式的に示すように、連結が完了するようになっている。なお、図27において、括弧内の数字が同じモジュール家具の周壁要素同士が第2の連結具J3により連結されるようになっている。
次に、この実施形態の場合を具体的に説明すれば、第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12と同縦列領域1aの1段目のモジュール家具11とは、2段目のモジュール家具12の周壁要素121の前面材123の両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12と同縦列領域1aの後方に配されるモジュール家具61とは、2段目のモジュール家具12の周壁要素121の背面材125の両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。
第2の縦列領域1bの3段目のモジュール家具23と同縦列領域1bの2段目のモジュール家具22とは、3段目のモジュール家具23の周壁要素231の前面材233の両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。第2の縦列領域1bの2段目のモジュール家具22と同縦列領域1bの1段目の第1のモジュール家具20とは、2段目のモジュール家具22の周壁要素221の前面材223の図1、図3及び図13における左端部に止着した第1の連結具J1、及び1段目の第1のモジュール家具20の周壁要素201の背面材205の右端部に対応する位置の床面に止着した第2の連結具J3を用いて連結されている。第2の縦列領域1bの2段目のモジュール家具22と同縦列領域1bの1段目の第2のモジュール家具21とは、2段目のモジュール家具22の周壁要素221の前面材223の図1、図3及び図13における右端部に止着した第1の連結具J1、及び1段目の第2のモジュール家具21の周壁要素211の背面材215の右端部に対応する位置の床面に止着した第2の連結具J3を用いて連結されている。第2の縦列領域1bの1段目の第1のモジュール家具20と同縦列領域1bの1段目の第2のモジュール家具21とは、これら両モジュール家具20、21の周壁要素201、211の互いに対向する側面材204、214の前端部及び後端部に対応する位置の床面に止着した第2の連結具J3を用いて連結されている。第2の縦列領域1bの3段目のモジュール家具23と同縦列領域1bの後方に配されるモジュール家具62とは、3段目のモジュール家具23の周壁要素231の背面材235の両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。
第3の縦列領域1cの3段目のモジュール家具33と同縦列領域1cの2段目のモジュール家具32とは、3段目のモジュール家具33の周壁要素331の前面材333の両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。第3の縦列領域1cの2段目のモジュール家具32と同縦列領域1cの1段目のモジュール家具31とは、2段目のモジュール家具32の周壁要素321の前面材323の図1、図3及び図16における両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。第3の縦列領域1cの3段目のモジュール家具33と同縦列領域1cの後方に配されるモジュール家具63とは、3段目のモジュール家具33の周壁要素331の背面材335の両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。
第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12と第2の縦列領域1bの3段目のモジュール家具23とは、第2の縦列領域1bの3段目のモジュール家具23の周壁要素231の側面材234の前後両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12と第2の縦列領域1bの2段目のモジュール家具22とは、これら両モジュール家具12、22の周壁要素121、221の互いに対向する側面材124、224の前端部に対応する位置の床面に止着した第2の連結具J3を用いて連結されている。第1の縦列領域1aの1段目のモジュール家具11と第2の縦列領域1bの1段目の第1のモジュール家具20とは、これら両モジュール家具11、20の周壁要素111、201の互いに対向する側面材114、204の前端部に対応する位置の床面に止着した第2の連結具J3を用いて連結されている。
第2の縦列領域1bの3段目のモジュール家具23と第3の縦列領域1cの3段目のモジュール家具33とは、第3の縦列領域1cの3段目のモジュール家具33の左側の周壁要素331の側面材334の前後両端部に止着した第1の連結具J1を用いて連結されている。第2の縦列領域1bの2段目のモジュール家具22と第3の縦列領域1cの2段目のモジュール家具32とは、これら両モジュール家具22、32の周壁要素221、321の互いに対向する側面材224、324前後両端部に対応する位置の床面に止着した第2の連結具J3を用いて連結されている。第2の縦列領域1bの1段目の第2のモジュール家具21と第3の縦列領域1cの1段目のモジュール家具31とは、これら両モジュール家具21、31の周壁要素211、311の互いに対向する側面材214、314の前端部に対応する位置の床面に止着した第2の連結具J3を用いて連結されている。
図25に示す範囲でいえば、まず第2の縦列領域1bの3段目のモジュール家具23を設置し、その次に第2の縦列領域1bの2段目のモジュール家具22を設置する。しかる後に第1の縦列領域1aの2段目のモジュール家具12を設置する。その後、第1及び第2の縦列領域1a、1bの1段目のモジュール家具11、20、21、並びにこれら第1及び第2の縦列領域1a、1bの後方に配されるモジュール家具61、62を任意の順番で設置すればよい。
なお、2段目のモジュール家具22、32と3段目のモジュール家具23、33とは、その周壁要素221、231、321、331同士が、第1の連結具J1に加え、上の連結具J2を介してそれぞれ連結されている。第2の縦列領域1bにおける2段目のモジュール家具22と3段目のモジュール家具23との接続部位における上の連結具J2を図8に基づいて説明する。上の連結具J2は、図8に示すように、ボルトJ21及びナットJ22により構成され、ボルトJ21を2段目のモジュール家具22の後枠材225と3段目のモジュール家具23の前面材233とに挿通させたもので、ナットJ22を緊締することにより2段目のモジュール家具22と3段目のモジュール家具23とを連結している。第3の縦列領域1cにおける2段目のモジュール家具32と3段目のモジュール家具33とも、これに準じた構造により連結されている。
また、第2の縦列領域1bにおける3段目のモジュール家具23の後枠材235とモジュール家具62の下の枠材625との連結、及び第3の縦列領域1cにおける3段目のモジュール家具33の後枠材335とモジュール家具63の下の枠材635との連結も、第1の連結具J1に加え、上の連結具J2により連結されている。上述した各部位における上の連結具J2はそれぞれ同じ構成のものであるため、同一の符号を付して説明を省略する。
<本実施形態の作用効果>
本実施形態の家具システムSは、以上説明したようにオフィスのフロア等における中央領域に配置されるセンター設置形態の一例を示すもので、イベントの中心となる家具として好適なものであり、後からでも気軽に参加できるように工夫されている。すなわち、この実施形態の家具システムSは、階段状に配されたメインシステム1の床面11f、21f、22f、32f上を自由に上り下りして所望のソファ面12m、21m、23m、3m、33mに着座することができ、前列の着座者P1と後列の着座者P2とが良好な関係を保ちながら前方で催されているイベント等に参加することができる。この際、メインシステム1の左右にはサイド配置型のサブシステム2、具体的にはステップタイプのモジュール家具51、53が配置されており、そのモジュール家具51、53の床面がメインシステム1の1段目のモジュール家具11、21の床面11f、21fと連続しているため、前方のみならず側方からでもメインシステム1の床面上に自由にアクセスすることができる。また、メインシステム1の背面にはバック配置型のサブシステム3、具体的にはキッチンタイプ及びカウンタタイプのモジュール家具61~63が配置されているため、気軽にキッチンタイプのモジュール家具61やカウンタタイプのモジュール家具62、63に近づいてきた部外者P3も自然に前方を向くように誘導され、そのイベントに興味を持つことや参加することが可能となる。換言すれば、本家具システムSによれば、周りからイベントの様子が見え、気軽にそのイベントに参加できる仕組み作りに貢献することができる。
また、かかる家具システムSはイベントや会議等に用いられるだけでなく、山なりのソファに止まり木のように人が集まってフラットなコミュニケーションが生まれるような普段使いも想定されており、その目的を十分に達することもできる。
しかも、この家具システム1は、複数のモジュール家具11~12、21~23、31~33、51~53、61~63を適宜組み合わせて構築することができるものであるため、造作のための内装工事に頼らないインフラ環境や空間演出の仕掛けを迅速に作り上げることができる。そのため、組み替えや設置場所の変更等に容易に対応することができる。特にこの実施形態では、相互に高さ寸法、幅寸法及び奥行寸法が異なるモジュール家具11~12、21~23、31~33、51~53、61~63を段状に組み合わせるようにしているので、多様な形態の家具システムを自在に構築することができる。
そして、このような構成の家具システムSであれば、各モジュール家具11~12、20~23、31~33が中空体状のものであるので、軽量化を図って運搬や組立作業に要する労力を削減できるだけでなく、その内部空間11s~12s、20s~23s、31s~33sを組立時の作業空間や組立後の収納空間等として利用することが可能になる。また、内部空間11s~12s、20s~23s、31s~33sを囲繞する周壁要素111~121、201~231、311~331としては、面板状のものや枠状のものなどが存在するが、いずれの態様もその下端部には水平な部材が存在することになる。そのため、種々の形態の周壁要素111~121、201~231、311~331を有するモジュール家具11~12、20~23、31~33を配列させ連結する場合でも簡単な構成の連結具J1、J3を用いて連結することが可能になる。すなわち、周壁要素の下端部のみを連結するには、コ字型をなすクリップ状の連結具J1、J3でその目的を達成することができ、モジュール家具同士の位置ずれを効果的に防止又は抑制することができる。
この実施形態では、第1の連結具J1だけでなく、第2の連結具J3をも使用しているため、組み立て順序の自由度を高めることもできる。すなわち、第1の連結具J1のみで連結する場合には組み立ての順序が画一的となり、モジュール家具の組み合わせ方によっては連結ぶることが不可能な場合も生じうるが、第2の連結具J3を追加することにより、その不具合を緩和することもできる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない、
例えば、連結具の構成は種々のものを採用することができる。但し、上述した実施形態のように、連結具が、隣接する周壁要素の内面にそれぞれ係接する対をなす挟持部材と、これら挟持部材同士を前記周壁要素と干渉しない位置において結合する結合部材とを備えたものであれば、簡単な構成により周壁要素同士を連結することができる。特に、隣接する周壁要素の内面にそれぞれ係接する対をなす挟持部材と、これら挟持部材の基端同士を結合する結合部材とを備えたクリップ状のものであれば、共通の板金素材等を用いて一体に形成することが可能であり、部品点数を削減することができる。また、クリップ状の連結具であれば、連結すべき家具の周壁要素がいずれも枠状のものである場合、連結具を予め家具や床面に止着せずに隣接する枠材の上から連結具を嵌合させることもできる。
連結具をコ字型をなすクリップ状に形成する態様も種々考えられるが、上述した第1の連結具のように、一方の挟持部材が対応する周壁要素に密着すべく前記結合部材に直交し、他方の挟持部材が先端に向かって漸次対応する周壁部材から離間する方向に傾斜しているものであれば、連結順序が予め示唆されているため、組み立てを円滑に行うことができる。また、上述した第2の連結具のように、両挟持部材は、先端に向かって漸次対応する周壁要素から離間方向に傾斜しているものであれば、組み立ての順序を問わず隣接する家具同士を連結することができる。
そして、ソファタイプのモジュール家具における周壁要素と天壁要素との位置決めは、上述した実施形態とは逆に、周壁要素側から上方に突設した位置決め突起を、天壁要素側のクッション体の芯材の角部内面に嵌合させるようにしてもよく、他の方法で行ってもよい。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々変形が可能である。