JP7353900B2 - X線診断装置、医用画像処理装置及びプログラム - Google Patents

X線診断装置、医用画像処理装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、X線診断装置、医用画像処理装置及びプログラムに関する。
アンギオ装置等のX線診断装置を用いた手技において、造影剤を被検体の血管に流しながらX線透視・撮影(造影撮像)を行うことで、X線画像上で血管走行を確認可能となっている。但し、造影剤は腎機能に悪影響を及ぼすことから、1度の手技で使用できる造影剤量に制限がある。このため、手技中に使用できる造影剤量を数倍から10倍程度増やすために、生理食塩水で造影剤を希釈している。また、生理食塩水の量に応じて血管走行(造影剤)の視認性が下がることを阻止するように、X線画像全体にコントラスト強調などの画像処理を施している。
しかしながら、係る画像処理はX線画像全体に施されるため、血管領域の視認性を確保する一方、血管領域以外の背景領域の視認性を下げる場合がある。例えば、血管の周辺にある骨のエッジなどが強調されてしまい、視認性を下げる場合がある。なお、造影撮像時において、マニュアル操作で動的に画像処理パラメータを調整し、X線画像全体の視認性を確保することは、適切な画像処理パラメータを決定して入力する必要があり、困難である。
特開2013-240465号公報
イアン・グッドフェロー(Ian Goodfellow)、外2名、「第9章 畳み込みネットワーク(Chapter 9 Convolutional Networks)」及び「第10章 系列モデリング:リカレントネット及びリカーシブネット(Chapter 10 Sequence Modeling:Recurrent and Recursive Nets)」、ディープラーニング(Deep learning)、エムアイティー・プレス(MIT press)、2016年、p.330-420、インターネット<URL:http://www.deeplearningbook.org>
本発明が解決しようとする課題は、造影撮像時のX線画像全体の視認性を確保することである。
実施形態に係るX線診断装置は、X線発生部、X線検出器及び画像処理部を備えている。
前記X線発生部は、X線を発生させる。
前記X線検出器は、被検体を透過した前記X線を検出してX線画像を順次生成する。
前記画像処理部は、前記被検体に造影剤が注入された後に、前記生成された複数の前記X線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成される前記X線画像に対する画像処理を行う。
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。 図2は、第1の実施形態に係る画像処理に用いる関数の一例を説明するための模式図である。 図3は、第1の実施形態に係る画像処理に用いる関数の他の例を説明するための模式図である。 図4は、第1の実施形態に係る画像処理に用いる関数の他の例を説明するための模式図である。 図5は、第1の実施形態に係る画像処理に用いる関数の他の例を説明するための模式図である。 図6は、第1の実施形態に係る学習制御機能の一例を説明するための模式図である。 図7は、第1の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。 図8は、第1の実施形態における動作を説明するための模式図である。 図9は、第1の実施形態におけるステップST70の動作を説明するための模式図である。 図10は、第1の実施形態におけるステップST70の動作を説明するための模式図である。 図11は、第1の実施形態におけるステップST80の動作を説明するための模式図である。 図12は、第1の実施形態におけるコントラスト調整前後のX線画像の一例を示す図である。 図13は、第1の実施形態におけるコントラスト調整の一例を説明するための模式図である。 図14は、第1の実施形態におけるコントラスト調整前後のX線画像の他の例を示す図である。 図15は、第1の実施形態の第2変形例における動作を説明するためのフローチャートである。 図16は、第2の実施形態に係る医用画像処理装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して各実施形態について説明する。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。X線診断装置1としては、例えば、循環器用の装置を用いてもよい。また、X線診断装置1としては、シングルプレーン構造を例に挙げて述べるが、これに限らず、バイプレーン構造を用いてもよい。
具体的には例えば、X線診断装置1は、撮像装置10、寝台装置30及びコンソール装置40を備えている。撮像装置10は、高電圧発生装置11、X線発生部12、X線検出器13、Cアーム14及びCアーム駆動装置141を備えている。
高電圧発生装置11は、X線管の陰極から発生する熱電子を加速するために、陽極と陰極の間に印加する高電圧を発生させてX線管へ出力する。
X線発生部12は、X線を発生させる。具体的には、X線発生部12は、被検体Pに対してX線を照射するX線管と、X線の照射野を限定したり、照射野のうちの一部についてX線を減衰させたりする機能を有するX線絞りとを備えている。
X線管は、X線を発生する。具体的には、X線管は、熱電子を発生する陰極と、陰極から飛翔する熱電子を受けてX線を発生する陽極とを保持する真空管である。例えば、X線管には回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。X線管は高圧ケーブルを介して高電圧発生装置11に接続されている。陰極と陽極との間には、高電圧発生装置11により管電圧が印加される。管電圧の印加により陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔する。陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔することにより管電流が流れる。高電圧発生装置11からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極から陽極に向けて熱電子が飛翔し、熱電子が陽極に衝突することによりX線が発生される。
X線絞りは、X線管とX線検出器13の間に位置し、一般的には、絞り羽根、付加フィルタ及び補償フィルタを備えている。X線絞りは、開口領域外のX線を遮蔽することにより、X線管が発生したX線を、被検体Pの関心領域にのみ照射されるように絞り込む。例えば、X線絞りは4枚の鉛板からなる絞り羽根を有し、これらの絞り羽根をスライドさせることで、X線の遮蔽される領域を任意のサイズに調節する。X線絞りの絞り羽根は、操作者が入力インタフェース43から入力した関心領域に応じて、図示しない駆動装置により駆動される。また、X線絞りは、X線の総ろ過を調整するための付加フィルタがスリットから挿入可能となっている。また、X線絞りは、X線検査時に使用される鉛マスクや補償フィルタがアクセサリ挿入口から挿入可能となっている。なお、補償フィルタは、照射X線量を減衰或いは低減させる機能を有するROI(Region Of Interest)フィルタを含んでもよい。
X線検出器13は、被検体Pを透過したX線を検出する。このようなX線検出器13としては、X線を直接電荷に変換するものと、光に変換した後、電荷に変換するものとが使用可能であり、ここでは前者を例に説明するが後者であっても構わない。すなわち、X線検出器13は、例えば、被検体Pを透過したX線を電荷に変換して蓄積する平面状のFPD(Flat Panel Detector)と、このFPDに蓄積された電荷を読み出すための駆動パルスを生成するゲートドライバとを備えている。FPDは微小な検出素子を列方向及びライン方向に2次元的に配列して構成される。各々の検出素子はX線を感知し、入射X線量に応じて電荷を生成する光電膜と、この光電膜に発生した電荷を蓄積する電荷蓄積コンデンサと、電荷蓄積コンデンサに蓄積された電荷を所定のタイミングで出力するTFT(薄膜トランジスタ)を備えている。蓄積された電荷はゲートドライバが供給する駆動パルスによって順次読み出される。
X線検出器13の後段には、図示しない投影データ生成回路及び投影データ記憶回路を備える。投影データ生成回路は、FPDから行単位あるいは列単位でパラレルに読み出された電荷を電圧に変換する電荷・電圧変換器と、この電荷・電圧変換器の出力をデジタル信号に変換するA/D変換器と、デジタル変換されたパラレル信号を時系列的なシリアル信号に変換するパラレル・シリアル変換器を備えている。投影データ生成回路は、このシリアル信号を時系列的な投影データとして投影データ記憶回路に供給する。投影データ記憶回路は、投影データ生成回路から供給される時系列的な投影データを順次保存して2次元投影データ(X線画像)を生成する。言い換えると、X線検出器13は、被検体を透過したX線を検出してX線画像を順次生成する。このX線画像(2次元投影データ)は、メモリ41に保存される。
Cアーム14は、X線発生部12とX線検出器13とを被検体P及び天板33を挟んで対向するように保持することで、天板33上の被検体PのX線撮影を行うことができる構成を有する。以下の説明では、天井吊りタイプのCアームを例に挙げて述べるが、これに限らず、例えば、床置きタイプのCアームであってもよい。
具体的にはCアーム14は、天板33に垂直なZ方向と、天板33の長軸方向に沿ったY方向との両者に直交するX方向の軸を中心に回転可能に保持部(図示せず)に保持されている。また、Cアーム14は、Y方向の軸を中心とした略円弧形状を有し、略円弧形状に沿ってスライド動作可能に保持部に保持されている。すなわち、Cアーム14は、Y方向の軸を回転中心としたスライド動作を行うことができる。また、Cアーム14は、保持部を中心としてX方向の軸を中心とした回転動作(以下、「主回転動作」と称する。)をすることができ、スライドとこの回転の組み合わせにより様々な角度方向からX線画像を観察することを可能とする。さらに、Cアーム14は、Z方向の軸を中心にも回転することができ、これにより、例えば、上述のスライド動作の回転中心軸をX方向とすることができる。なお、X線発生部12のX線焦点と、X線検出器13の検出面中心とを通る撮影軸は、スライド動作の回転中心軸と、主回転動作の回転中心軸とに一点で交差するように設計されている。当該交点は、一般的には、アイソセンタと呼ばれている。アイソセンタは、Cアーム14が上述のスライド動作や主回転動作をしても変位しない。このため、アイソセンタに関心部位が位置した場合、Cアーム14のスライド動作又は主回転動作により得られた医用画像の動画像において、関心部位の観察が容易になる。
Cアーム14は、このようなスライド動作と回転動作を実現するための複数の動力源が該当する適当な箇所に備えられている。これらの動力源はCアーム駆動装置141を構成する。Cアーム駆動装置141は、システム制御機能441からの駆動信号を読み込んでCアーム14をスライド運動、回転運動、直線運動させる。さらに、Cアーム14には、その角度または姿勢や位置の情報を検出する状態検出器(図示せず)がそれぞれ備えられている。状態検出器は、例えば回転角や移動量を検出するポテンショメータや、位置検出センサであるエンコーダ等で構成される。エンコーダとしては、例えば磁気方式、刷子式、あるいは光電式等の、いわゆるアブソリュートエンコーダが使用可能となっている。また、状態検出器としては、回転変位をデジタル信号として出力するロータリエンコーダあるいは直線変位をデジタル信号として出力するリニアエンコーダなど、様々な種類の位置検出機構が適宜、使用可能となっている。
寝台装置30は、被検体Pを載置、移動させる装置であり、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備えている。
基台31は、床面に設置され、支持フレーム34を鉛直方向(Z方向)に移動可能に支持する筐体である。
寝台駆動装置32は、寝台装置30の筐体内に収容され、被検体Pが載置された天板33を天板33の長手方向(Y方向)に移動するモータあるいはアクチュエータである。寝台駆動装置32は、システム制御機能441からの駆動信号を読み込んで、天板33を床面に対して水平方向や垂直方向に移動させる。Cアーム14または天板33が移動することにより、被検体Pに対する撮影軸の位置関係が変化する。なお、寝台駆動装置32は、天板33に加え、支持フレーム34を天板33の長手方向に移動してもよい。
天板33は、支持フレーム34の上面に設けられ、被検体Pが載置される板である。
支持フレーム34は、基台31の上部に設けられ、天板33をその長手方向に沿ってスライド可能に支持する。
コンソール装置40は、メモリ41、ディスプレイ42、入力インタフェース43、処理回路44及びネットワークインタフェース45を備えている。
メモリ41は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hardware Disk Drive)及び画像メモリなど電気的情報を記録するメモリ本体と、それらメモリ本体に付随するメモリコントローラやメモリインタフェースなどの周辺回路とを備えている。メモリ41は、例えば、処理回路44に実行されるプログラムと、処理回路44により生成されたX線画像と、処理回路44の処理に用いるデータ、処理途中のデータ及び処理後のデータ等とが記憶される。メモリ41は、記憶部の一例である。
ディスプレイ42は、医用画像などを表示するディスプレイ本体と、ディスプレイ本体に表示用の信号を供給する内部回路、ディスプレイ本体と内部回路とをつなぐコネクタやケーブルなどの周辺回路から構成されている。内部回路は、処理回路44から供給される画像データに被検体情報や投影データ生成条件等の付帯情報を重畳して表示データを生成し、得られた表示データに対しD/A変換とTVフォーマット変換を行なってディスプレイ本体に表示する。
入力インタフェース43は、被検体情報の入力、X線照射条件を含むX線撮影条件の設定、各種コマンド信号の入力等を行う。入力インタフェース43は、例えば、Cアーム14の移動指示、関心領域(ROI)の設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、及び表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチパネルディスプレイ等によって実現される。入力インタフェース43は、処理回路44に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換し、処理回路44へと出力する。なお、本明細書において入力インタフェース43はマウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路44へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース43の例に含まれる。
処理回路44は、メモリ41内のプログラムを呼び出し実行することにより、プログラムに対応するシステム制御機能441、画像処理機能442、推定機能443、表示制御機能444及び学習制御機能445を実現するプロセッサである。この種のプログラムとしては、例えば、画像処理機能442をコンピュータ(医用画像処理装置46)に実現させるための医用画像処理プログラムが使用可能となっている。この医用画像処理プログラムは、適宜、推定機能443、表示制御機能444、学習制御機能445をコンピュータに更に実現させてもよい。なお、図1においては単一の処理回路44にてシステム制御機能441、画像処理機能442、推定機能443、表示制御機能444及び学習制御機能445が実現されるものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより各機能を実現するものとしても構わない。また、システム制御機能441、画像処理機能442、推定機能443、表示制御機能444及び学習制御機能445は、それぞれシステム制御回路、画像処理回路、推定回路、表示制御回路及び学習制御回路と呼んでもよく、個別のハードウェア回路として実装してもよい。処理回路44は、画像処理部及び推定部の一例である。
システム制御機能441は、例えば、入力インタフェース43から入力された操作者によるコマンド信号、及び各種初期設定条件等の情報を一旦記憶した後、これらの情報を処理回路44の各処理機能に送信する。また、システム制御機能441は、例えば、入力インタフェース43から入力されたCアーム14や天板33の駆動に関する情報を用いてCアーム駆動装置141及び寝台駆動装置32の制御を行う。また、システム制御機能441は、例えば、記憶した各種初期設定条件等の情報を読み込んで、高電圧発生装置11における管電流、管電圧、照射時間等のX線照射条件の制御を行う。
画像処理機能442は、例えば、X線検出器13により順次生成されたX線画像をメモリ41に保存してもよい。また、画像処理機能442は、メモリ41に保存したX線画像に対して、ノイズ低減や背景圧縮といった通常の画像処理を行ってもよい。
また、画像処理機能442は、例えば、被検体Pに造影剤が注入された後に、生成された複数のX線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成されるX線画像に対する画像処理を行う。第1の遷移は、X線画像における血管画素の画素値の時系列データであり、造影剤の濃度の上昇、ピーク及び下降のうちの上昇の初期における複数の画素値に対応していてもよい。画像処理としては、例えば、X線画像の画素値を減衰させて輝度値に変換する関数をX線画像に適用することにより、X線画像の視認性を確保する処理がある。この種の関数としては、例えば図2に示すように、しきい値未満の画素値を大きく減衰させ、しきい値以上の画素値を僅かに減衰させて輝度値に変換する非線形関数を用いてもよい。あるいは、この種の関数としては、例えば図3に示すように、しきい値未満の画素値をゼロに置換し、しきい値以上の画素値をそのまま輝度値に変換する折れ線関数を用いてもよい。またあるいは図4に示すように、ダイナミックレンジを線形に圧縮するように、係数が1未満の一次関数を用いてもよい。またあるいは図5に示すように、X線画像全体の画素値の範囲よりも狭い範囲の画素値の最大値と最小値とに対応して輝度値の最大値と最小値とを割り当てた折れ線関数を用いてもよい。このような画像処理は、この種の関数を特定するための画像処理パラメータを決定することにより、決定される。画像処理パラメータとしては、例えば、しきい値、画素値の最大値・最小値、係数、などが適宜、使用可能となっている。
ここで、画像処理機能442は、第1の遷移に基づいて、順次生成されるX線画像の画素に対して、当該画素に描出される物体の種類に関する情報を設定し、順次生成されるX線画像に対して、設定された情報に基づく画像処理を当該X線画像内の画素の位置に応じて行うようにしてもよい。
このとき、画像処理機能442は、造影剤が流れる血管と当該血管以外とを識別する識別情報を物体の種類に関する情報として設定してもよい。また、画像処理機能442は、被検体のDSA画像に基づいて、当該識別情報を設定してもよい。DSAは、”Digital Subtraction Angiography”の略語である。この種の識別情報としては、例えば、X線画像の画素毎に、0又は1の二値で血管と血管以外とを識別して示す情報としてもよい。識別情報は、「ラベル情報」又は「マスク情報」のように、他の名称で呼んでもよい。また、識別情報としては、これに限らず、血管画素を示す座標値の一覧としてもよく、血管画素を示す画像としてもよい。画像処理機能442は、被検体の時系列的なDSA画像に基づいて、識別情報を生成するための学習済みモデルに対して、順次生成されるX線画像を入力して、識別情報を生成させ、当該識別情報を設定してもよい。また、画像処理機能442は、血管を示す識別情報が設定された画素(以下、血管画素ともいう)の位置に応じて、当該識別情報に基づく画像処理であるコントラスト調整を行うようにしてもよい。
推定機能443は、当該第1の遷移に対応する複数のX線画像よりも後のX線画像における画素値の時系列的な第2の遷移を、第1の遷移に基づいて推定する。ここで、推定機能443は、当該第1の遷移に基づいて当該後のX線画像の画素値を生成し、第1の遷移における時系列的に後方の画素値と当該生成した画素値とを含む未来の遷移を生成する処理を再帰的に実行することにより、生成した全ての当該未来の遷移を含む第2の遷移を推定してもよい。なお、推定機能443は、必須ではなく、任意の付加的事項である。
また、画像処理機能442は、推定機能443がある場合には、第1の遷移及び第2の遷移に基づいて、画像処理を行う。ここで、第1の遷移は、X線画像における血管画素の画素値の時系列データであり、造影剤の濃度の上昇、ピーク及び下降のうちの上昇の初期における複数の画素値に対応していてもよい。第2の遷移は、当該第1の遷移のX線画像よりも後のX線画像における血管画素の画素値の時系列データであり、当該上昇の初期より後の上昇、ピーク及び下降における複数の画素値に対応していてもよい。
表示制御機能444は、例えば、システム制御機能441からの信号を読み込んで、メモリ41から所望のX線画像を取得してディスプレイ42に表示する制御などを行う。また、表示制御機能444は、画像処理機能442により画像処理が行われたX線画像をディスプレイ(表示部)42に表示させる。
学習制御機能445は、学習用データに基づいて、メモリ41内の機械学習モデルに機械学習を行わせることにより、学習済みの機械学習モデルである学習済みモデルを生成し、当該学習済みモデルをメモリ41に保存する。なお、学習済みモデルは、学習済みモデルが出力した成果物に対してユーザがフィードバックを与えることにより、学習済みモデルの内部アルゴリズムを更に更新する「自己学習するモデル」を含む。また、学習制御機能445は、必須ではなく、任意の付加的事項である。
このような学習済みモデルとしては、例えば、X線画像から血管画素を特定するための学習済みモデルと、特定した血管画素の時系列データから未来の時系列データを推定するための学習済みモデルとの2種類が適宜、使用可能となっている。前者の学習済みモデルは、例えば、画像処理機能442が血管画素を特定する際に、適宜、使用可能となっている。ここでは、推定機能443にて使用可能な、後者の学習済みモデルを例に挙げて述べる。
まず、学習用データは、複数フレーム分の血管画素の画素値の時系列データを入力データとし、当該入力データの直後のフレームにおける血管画素の画素値のデータを出力データとした、入力データと出力データとの組である。このような学習用データは、例えば図6に一例を示すように、血管中の造影剤濃度が上昇してから下降するまでのnフレーム分の、血管画素の画素値の時系列データ{d1,・・・,dn}を加工して作成してもよい。
例えば、学習制御機能445は、血管画素(i,j)の画素値の時系列データD(i,j)(0≦t≦n)をメモリ41から読み出す。
D(i,j)={d1,d2,d3,・・・,dn-1,dn}
ここで、iはX線画像のx座標値、jはX線画像のy座標値を示す。tは時系列データ内の任意の時刻(又はフレーム番号)を示す。nは、時系列データ内の最終時刻(又は最終フレーム番号)を示す。
学習制御機能445は、時系列データD(i,j)を、複数の学習用データを有する学習データセットに加工する。各々の学習用データは、時刻kからtまでの複数のデータ(0≦k<t)を持つ。
例えば、学習制御機能445は、時系列データD(i,j)を、n-2個の学習用データ{d1, d2, d3}、{d2, d3, d4}、・・・、{dn-2, dn-1, dn}に加工する。
各々の学習用データは、入力データ及び出力データを有する。入力データは、学習用データのうち、最後のデータを除いた複数の時系列データである。出力データは、学習用データのうち、最後のデータである。例えば、学習用データが{d1, d2, d3}の場合、入力データは{d1, d2}であり、出力データは{d3}である。また例えば、学習用データが{dn-2, dn-1, dn}の場合、入力データは{dn-2, dn-1}であり、出力データは{dn}である。なお、学習用データの個数や、入力データ内のデータの個数は、この例に限定されない。
機械学習モデルは、当該入力データを入力とし、当該出力データを出力する、複数の関数が合成されたパラメータ付き合成関数である。パラメータ付き合成関数は、複数の調整可能な関数及びパラメータの組合せにより定義される。本実施形態に係る機械学習モデルは、上記の要請を満たす如何なるパラメータ付き合成関数であっても良いが、多層のネットワークモデル(以下、多層化ネットワークと呼ぶ)であるとする。多層化ネットワークを用いる学習済みモデルは、複数フレーム分の血管画素の画素値の時系列データを入力する入力層と、当該入力データの直後のフレームにおける血管画素の画素値のデータを出力する出力層と、入力層と出力層との間に設けられる少なくとも1層の中間層とを有する。なお、入力層としては、画素値の時系列データの入力に並列して、撮像条件、患者情報、造影剤情報の入力を受け付けてもよい。これら撮像条件、患者情報、造影剤情報は、X線画像の見え方や患者(被検体)毎の造影剤の流れ方に関連する情報であるが、必須ではなく、任意の付加的事項である。撮像条件としては、例えば、管電圧(kVp)、管電流時間積(mAs)等が適宜、使用可能となっている。患者情報としては、例えば、心拍出量、体重、身長、BMI(肥満度の指標)、BSA(体表面積)等が適宜、使用可能となっている。造影剤情報としては、例えば、造影剤量(総投与量)、造影剤濃度、注入時間、注入速度などが適宜、使用可能となっている。このような多層化ネットワークとしては、例えば、深層学習(Deep Learning)の対象となる多層ニューラルネットワークである深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network:DNN)を用いている。DNNとしては、例えば、リカレントニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network:RNN)や畳込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)を用いてもよい。この種のCNNは、DCNN(Deep CNN)ともいう。本実施形態では、学習済みモデルとしてRNNを用いている。また、RNNは、長・短期記憶(Long Short-Term Memory:LSTM)を含んでもよい。CNN、RNN及びLSTMについては、例えば、前述した「イアン・グッドフェロー(Ian Goodfellow)、外2名、「第9章 畳み込みネットワーク(Chapter 9 Convolutional Networks)」及び「第10章 系列モデリング:リカレントネット及びリカーシブネット(Chapter 10 Sequence Modeling:Recurrent and Recursive Nets)」、ディープラーニング(Deep learning)、エムアイティー・プレス(MIT press)、2016年、p.330-420、インターネット <URL:http://www.deeplearningbook.org>」に記載されている。以上の当該多層化ネットワークに関する説明は、以下の全ての機械学習モデル及び学習済みモデルにも該当する。
また、メモリ41は、前述した構成に加え、機械学習モデル及び学習済みモデルを記憶する。但し、推定機能443が学習済みモデルを用いる場合でも、機械学習モデルの記憶とその学習制御機能445は、必須ではなく省略してもよい。補足すると、学習済みモデルを用いる場合、医用画像処理装置46が機械学習モデルの学習により学習済みモデルを生成する必要はなく、外部から取得した学習済みモデルを用いてもよい。例えば、メモリ41は、X線診断装置1の工場出荷前に予め学習済みモデルを記憶してもよく、あるいはX線診断装置1の工場出荷後に、図示しないサーバ装置などから取得した学習済みモデルを記憶してもよい。また、メモリ41は、AI(人工知能)に基づく学習済みモデルに限らず、AIに基づかない既存の統計的手法(例、指数平滑法、ARIMAなど)を用いた時系列データ推定プログラムを記憶してもよい。「ARIMA」は、”autoregressive integrated moving average”(自己回帰和分移動平均)の略語である。
ネットワークインタフェース45は、コンソール装置40をネットワークNwに接続して他の装置と通信するための回路である。ネットワークインタフェース45としては、例えば、ネットワークインタフェースカード(NIC)が使用可能となっている。以下の説明では、他の装置との通信にネットワークインタフェース45が介在する旨の記載を省略する。
これらメモリ41、ディスプレイ42、入力インタフェース43、処理回路44の画像処理機能442及び推定機能443は、医用画像処理装置46を構成している。医用画像処理装置46は、表示制御機能444及び学習制御機能445を更に含んでもよい。
次に、以上のように構成されたX線診断装置の動作について図7のフローチャート並びに図8乃至図14の模式図を用いて説明する。
始めに、X線診断装置1の処理回路44は、操作者による入力インタフェース43の操作に応じて、撮像装置10を制御してCアーム14の撮像角度やSIDを調整し、X線透視撮像を開始する。なお、X線透視撮像の開始後、所望の時点で造影剤が被検体Pの血管に注入される。また、撮像開始により、X線発生部12がX線を発生し、X線検出器13が、被検体Pを透過したX線を検出してX線画像を順次生成する。順次生成されたX線画像は、X線検出器13からメモリ41に保存される。メモリ41に保存された複数のX線画像は、以下のステップST10~ST100の処理の後、造影撮像時のX線画像全体の視認性が確保され、複数のフレーム(複数のX線画像)からなる動画としてディスプレイ42に表示される(ST110)。以下、図7及び図8に示すステップST10~ST110の処理について順に説明する。
ステップST10において、処理回路44は、メモリ41から新規のフレームのX線画像を読み出し、当該X線画像に対して、背景圧縮やノイズ低減等といった画像処理をX線画像全体に行う。
ステップST10の後、ステップST20において、処理回路44は、被検体Pに対する造影剤の注入開始後からしきい値時間を超えたか否かを判定する。判定の結果、否の場合にはST110を介してステップST10に戻る。一方、判定の結果、しきい値時間を超えた場合にはステップST30に移行する。
ステップST20の後、ステップST30において、処理回路44は、既にステップST80の画像処理パラメータを決定したか否かを判定する。判定の結果、既に決定した場合にはステップST90に進み、決定済みの画像処理パラメータに基づく画像処理を行う。一方、判定の結果、否の場合にはステップST40に移行する。
ステップST30の後、ステップST40において、処理回路44は、ステップST10で画像処理を施したX線画像から血管画素を特定する。例えば、処理回路44は、血管画素を特定するための学習済みモデルを用い、X線画像内の血管画素を特定する。この場合、例えば、処理回路44は、時系列的な過去フレーム及び最新フレームからなる数フレーム分のX線画像を学習済みモデルに入力することにより、最新フレームのX線画像内の血管画素を特定する。さらに、処理回路44は、当該数フレーム分のX線画像(第1の遷移)に基づいて、順次生成されるX線画像の画素に対して、当該画素に描出される物体の種類に関する情報を設定してもよい。具体的には、処理回路44は、X線画像のうちの血管画素と当該血管画素以外の画素とを識別する識別情報を当該物体の種類に関する情報として設定してもよい。この場合、処理回路44は、被検体PのDSA画像に基づいて、当該識別情報を設定してもよい。また、処理回路44は、被検体Pの時系列的なDSA画像に基づいて識別情報を出力するための学習済みモデルに対して、順次生成されるX線画像を入力し、識別情報を出力させることにより、当該識別情報を設定してもよい。
なお、これに限らず、処理回路44は、最新フレームのX線画像を学習済みモデルに入力することにより、最新フレームのX線画像内の血管画素を特定してもよい。前者の場合には時系列的なX線画像を学習した学習済みモデルが用いられる。後者の場合には時系列的でない静止画のX線画像を学習した学習済みモデルが用いられる。本実施形態では、前者の学習済みモデルを用いている。
ステップST40の後、ステップST50において、処理回路44は、X線画像から血管画素を特定したか否かを判定する。否の場合には、まだ造影剤がX線画像内の血管に到達していないため、当該X線画像をディスプレイ42に表示させ(ST110)、ステップST10に戻る。一方、血管画素を特定した場合にはステップST60に移行する。なお、ステップST40~ST50は、必須ではなく、省略してもよい。例えば、血管画素に限定せず、X線画像全体に対して、ステップST60~ST80を実行してもよい。但し、以下の説明は、ステップST30~ST40を省略しない場合について述べる。
ステップST50の後、ステップST60において、処理回路44は、図9の左側に示すように、当該特定した血管画素毎に、血管画素の画素値の時系列データAを生成する。時系列データA(第1の遷移)は、造影剤の濃度の上昇、ピーク及び下降のうちの上昇の初期における複数の画素値に対応している。時系列データAは、血管画素の個数だけ生成される。
ステップST60の後、ステップST70において、処理回路44は、被検体Pに造影剤が注入された後に、時系列データA(第1の遷移)に対応する複数のX線画像よりも後のX線画像における画素値の時系列データB(第2の遷移)を、時系列データAに基づいて推定する。例えば、処理回路44は、図9の右側に示すように、時系列データAに基づいて未来のデータB’を生成する学習済みモデル443a(時系列データ推定器)を用いて、血管画素の画素値の未来の時系列データBを推定する。具体的には例えば、図10に示すように、処理回路44は、学習済みモデル443aを再帰的に用いて、血管画素の画素値の時系列データA{d1、d2}から、未来の時系列データB{d3、d4、d5、・・・、dm-1、dm}を推定する(但し、mは、Aの要素の個数より大きい自然数(|A|<m))。時系列データB(第2の遷移)は、造影剤の濃度の上昇、ピーク及び下降のうち、初期より後の上昇、ピーク及び下降における複数の画素値に対応している。時系列データBは、血管画素の個数だけ推定(生成)される。補足すると、処理回路44は、時系列データAに基づいて後のX線画像の画素値を生成し、時系列データAにおける時系列的に後方の画素値と当該生成した画素値とを含む未来の遷移を生成する処理を再帰的に実行することにより、当該生成した全ての未来の遷移を含む時系列データBを推定する。
ステップST70の後、ステップST80において、処理回路44は、推定した時系列データBに基づき、画像処理パラメータを決定する。具体的には例えば、図11に示すように、処理回路44は、血管画素毎の画素値の未来の時系列データBに基づいて、時間毎の画素値のヒストグラムを作成する。また、処理回路44は、当該ヒストグラムに基づいて、時間毎に画素値の分布の偏りが無くなるようにコントラスト調整のパラメータを決定する。例えば、血管画素の輝度分布が低い方(黒色側)に偏ることが推定された場合、輝度分布の広がり(分散)が大きくなるようにコントラスト調整のパラメータを決定する。このようなパラメータの決定により、図12(a)及び図12(b)に示すように、血管の重なりにより埋もれていた細い血管の視認性を向上させることが可能となる。
また例えば図13(a)及び図13(b)に示す如き、血管画素の輝度分布がやや高い方(やや白色側)に偏ることが推定された場合、図13(c)に示す如き、輝度分布の広がり(分散)が大きくなるようにコントラスト調整のパラメータを決定する。補足すると、図13(a)に示す如き、血管画素の画素値のヒストグラムがあるとする。このヒストグラムにおいて、画素値の分布の最大値がp8、最小値がp4とする。これらの画素値の範囲をWpで表す。このとき、図13(b)に示すように、コントラスト調整前の輝度の範囲Wi1は、最大値i4から最小値i2の間である。これに対し、図13(c)に示すように、画素値の最大値p8を輝度の最大値i5とし、画素値の最小値p4を輝度の最小値i0とするように、コントラスト調整の画像処理パラメータを決定する。コントラスト調整後の輝度の範囲Wi2は、最大値i5から最小値i0の間である。このようなコントラスト調整により、血管画素の画素値に対応する輝度の範囲が拡大している(Wi1<Wi2)。また、輝度の範囲Wi1は、血管画素以外の領域に用いられる。詳しくは、コントラスト調整前には、X線画像全体に対して輝度の範囲Wi1が用いられる。コントラスト調整後には、X線画像全体のうち、血管画素に対して輝度の範囲Wi2が用いられ、血管画素以外に対して輝度の範囲Wi1が用いられる。
また例えば、血管画素の輝度分布が高い方(白色側)に偏ることが推定された場合、血管画素の輝度分布を黒色側にシフトさせるようにコントラスト調整のパラメータを決定する。このようなパラメータの決定により、図14(a)及び図14(b)に示すように、血管を流れる薄い造影剤を濃く見せることが可能となり、造影血管の視認性を向上可能とする。
ステップST80の後、ステップST90において、処理回路44は、画像処理パラメータに基づいて、X線画像内の血管画素に対するコントラスト調整等の画像処理を行う。なお、処理回路44は、識別情報により識別される血管画素の位置に応じて、当該識別情報に基づく画像処理であるコントラスト調整を行うようにしてもよい。
ステップST90の後、ステップST100において、術者は、ディスプレイ42を視認しながら撮像を終了するか否かを判断する。この判断の結果、否の場合にはステップST110を介してステップST10に戻り、ステップST10~ST110の動作が繰り返し実行される。
このような繰り返し実行中のステップST90において、処理回路44は、被検体に造影剤が注入された後に、生成された複数のX線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成されるX線画像に対する画像処理を行う。補足すると、処理回路44は、第1の遷移及び第2の遷移に基づいて決定された画像処理パラメータに基づく画像処理を行う。言い換えると、処理回路44は、第1の遷移及び第2の遷移に基づいて画像処理を行う。
一方、ステップST100の判断の結果、撮像を終了する場合には、処理回路44は、操作者による入力インタフェース43の操作に応じて、処理を終了する。
上述したように第1の実施形態によれば、被検体のX線画像を順次生成し、被検体に造影剤が注入された後に、生成された複数のX線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成されるX線画像に対する画像処理を行う。このように、被検体に造影剤が注入された後に、画素値の時系列的な遷移に基づいて画像処理を行う構成により、造影撮像時のX線画像全体の視認性を確保することができる。
また、第1の実施形態によれば、第1の遷移に対応する複数のX線画像よりも後のX線画像における画素値の時系列的な第2の遷移を、第1の遷移に基づいて推定してもよい。また、第1の遷移及び第2の遷移に基づいて、当該画像処理を行うようにしてもよい。このように、第1の遷移及びその後の第2の遷移に基づいて画像処理を行う場合、少なくとも第2の遷移が完了するまでの期間については、前述同様に、X線画像全体の視認性を確保することができる。また、推定した第2の遷移の精度に応じて、当該視認性の向上を図ることができる。また例えば、推定した時系列データに基づいて画像処理パラメータを決定するため、従来に比べ、造影剤の流入-流出のフェーズにおける良好な視認性を保つことができる。
また、第1の実施形態によれば、第1の遷移に基づいて当該後のX線画像の画素値を生成し、当該第1の遷移における時系列的に後方の画素値と当該生成した画素値とを含む未来の遷移を生成する処理を再帰的に実行することにより、当該生成した全ての未来の遷移を含む第2の遷移を推定してもよい。この場合、各々の未来の遷移を無理なく生成できることから、推定した第2の遷移の精度の向上を期待することができる。
また、第1の実施形態によれば、第1の遷移は、X線画像における血管画素の画素値の時系列データであり、造影剤の濃度の上昇、ピーク及び下降のうちの当該上昇の初期における複数の画素値に対応していてもよい。この場合、造影剤の濃度の上昇の初期からそれ以降の期間について画像処理が行われ、X線画像全体の視認性を確保することができる。
また、第1の実施形態によれば、第2の遷移は、後のX線画像における血管画素の画素値の時系列データであり、当該初期より後の上昇、ピーク及び下降における複数の画素値に対応していてもよい。この場合、造影剤の濃度の上昇の初期より後の上昇、ピーク及び下降の期間について画像処理が行われ、X線画像全体の視認性を確保することができる。
また、第1の実施形態によれば、第1の遷移に基づいて、順次生成されるX線画像の画素に対して、当該画素に描出される物体の種類に関する情報を設定してもよい。また、順次生成される当該X線画像に対して、設定された当該情報に基づく画像処理を当該X線画像内の画素の位置に応じて行うようにしてもよい。この場合、X線画像の画素に描出される物体の種類に基づいて、当該画素の画像処理を行うことができる。
また、第1の実施形態によれば、X線画像のうちの血管画素と当該血管画素以外の画素とを識別する識別情報を当該物体の種類に関する情報として設定してもよい。この場合、X線画像の血管画素に対して、画像処理を行うことができる。
また、第1の実施形態によれば、被検体のDSA画像に基づいて、当該識別情報を設定するようにしてもよい。この場合、X線画像の血管画素を容易に特定することができる。
また、第1の実施形態によれば、被検体の時系列的なDSA画像に基づいて当該識別情報を出力するための学習済みモデルに対して、順次生成されるX線画像を入力し、識別情報を出力させることにより、当該識別情報を設定するようにしてもよい。この場合、X線画像に比べ、DSA画像の方が血管画素の特定が容易なことから、識別情報の精度の向上を期待することができる。
また、第1の実施形態によれば、当該識別情報により識別される血管画素の位置に応じて、当該識別情報に基づく画像処理であるコントラスト調整を行うようにしてもよい。この場合、血管画素のコントラスト調整に伴い、血管画素の視認性を確保することができる。これに加え、従来に比べ、薄い造影剤が使用可能となるため、造影剤の使用量を減少させることができる。
[変形例]
以下、第1の実施形態の各変形例について説明するが、第1の実施形態と重複した部分の説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。このことは、他の実施形態についても同様である。また、第1の実施形態の第1変形例及び第2変形例は、それぞれ他の変形例や他の実施形態にも適用できる。
[第1変形例]
第1変形例は、ステップST40での血管画素を特定する特定方法と、ステップST70での未来の時系列データを推定する推定方法との組み合わせを変えたものである。この種の特定方法としては、例えば[a1]~[a3]の3種類が使用可能となっている。
[a1]AIを利用する第1の特定方法(時系列データを学習した学習済みモデル)
第1の特定方法では、DSA撮影で得られた血管画素の画素値の時系列データ(動画)を入力データとし、各画素の識別情報(血管画素、血管画素以外)を出力データとして機械学習モデルを学習させる。これにより、X線透視中に造影剤が写った画素を血管として特定できる学習済みモデルを生成する。これにより、時系列的なX線画像を学習済みモデルに入力することで、造影剤が流れている領域(血管画素)を学習済みモデルがリアルタイムに特定して識別情報を出力する。なお、リアルタイムとは、所定の短期間を意味する。この第1の特定方法であれば、造影剤流入直後の画素のように、薄く染まった画素でも早期に血管画素として特定可能である。
[a2]AIを利用する第2の特定方法(静止画データを学習した学習済みモデル)
第2の特定方法では、DSA撮影で得たDSA画像を入力データとし、各画素の識別情報(血管画素、血管画素以外)を出力データとして機械学習モデル(CNNなど)を学習させる。これにより、X線透視中に造影剤が写った画素を血管として特定できる学習済みモデルを生成する。これにより、X線画像を学習済みモデルに入力することで、造影剤が流れている領域(血管画素)を学習済みモデルがリアルタイムに特定して識別情報を出力する。なお、CNNについては、前述した通りである。
[a3]AIを利用しない第3の特定方法
第3の特定方法では、DSA画像、2Dロードマップ、3Dロードマップ、又はパターン認識技術、などが適宜、使用可能となっている。例えば、手技中にDSA画像を得た場合、当該DSA画像を現在のX線画像に重畳することで血管画素を特定してもよく、当該DSA画像中の血管画素の座標値で現在のX線画像の血管画素を特定してもよい。2Dロードマップの場合、例えば、予め得られたDSA画像を現在のX線画像に重畳することで血管画素を特定可能となっている。3Dロードマップの場合、例えば、予め得られた3D血管画像を現在のX線画像に重畳することで血管画素を特定可能となっている。パターン認識技術の場合、例えば、被検体の血管走行の形態を示すパターンをメモリ41に予め記憶し、現在のX線画像内で所定範囲に収まる画素値を示す画素のパターンを抽出し、予め記憶したパターンと、X線画像から抽出したパターンとを比較し、両者の類似度(又は相関度など)が基準値を超えることにより、血管画素を特定可能となっている。
一方、ステップST70での推定方法としては、例えば[b1]~[b2]の2種類が使用可能となっている。
[b1]機械学習手法
予め現フレーム及びその直近フレームからなる数フレーム分のX線画像(時系列データ)を入力データとし、現フレームの直後のフレームのX線画像を出力データとして機械学習モデルを学習させる機械学習手法(RNN、LSTMなど)を用いる。これにより、X線透視中に得られる時系列的なX線画像から未来のX線画像を推定(生成)できる学習済みモデルを生成する。運用時には、血管画素を特定した後、X線透視中に得られる時系列的なX線画像を学習済みモデルに入力し、直後のX線画像を学習済みモデルから出力する処理を再帰的に実行する。これにより、X線透視中に得られる時系列的なX線画像から、当該X線画像における血管画素の画素値の変化に対応する未来の時系列データを生成する。なお、RNN及びLSTMについては、前述した通りである。
[b2]統計的手法
血管画素を特定した後、現フレーム及びその直近フレームからなる数フレーム分のX線画像(時系列データ)を入力データとして、統計的手法(指数平滑法、ARIMAなど)で血管画素の画素値の変化を予測し、未来の時系列データを生成する。
以上が特定方法[a1]~[a3]と、推定方法[b1]~[b2]との概要である。これら特定方法[a1]~[a3]の各々と、推定方法[b1]~[b2]の各々との組み合わせは、6通りが実施可能である。なお、第1の実施形態は、特定方法[a1]と、推定方法[b1]との組み合わせを用いている。第1変形例は、上記6通りの組み合わせのうち、第1の実施形態で用いた組み合わせを除く5通りの組み合わせのいずれかを実施するものである。例えば、第1変形例としては、特定方法[a1]と、推定方法[b2]との組み合わせを用いてもよい(1通り)。あるいは、第1変形例としては、特定方法[a2]と、推定方法[b1](又は[b2])との組み合わせを用いてもよい(2通り)。また、あるいは、第1変形例としては、特定方法[a3]と、推定方法[b1](又は[b2])との組み合わせを用いてもよい(2通り)。
このような第1変形例によれば、5通りの組み合わせのいずれにしても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、AIを利用しない第3の特定方法[a3]を含む組み合わせの場合、血管画素の特定に学習済みモデルを用いないので、機械学習モデルを学習させて学習済みモデルを生成する手間を省略することができる。同様に、統計的手法である推定方法[b2]を含む組み合わせの場合、未来の時系列データの推定に学習済みモデルを用いないので、機械学習モデルを学習させて学習済みモデルを生成する手間を省略することができる。特に、特定方法[a3]と、推定方法[b2]との組み合わせの場合、両方法とも学習済みモデルを用いないので、学習済みモデルを生成する手間をより一層、省略することができる。
[第2変形例]
第2変形例は、図15に示すように、ステップST90での血管画素に対する画像処理の後、血管画素以外の領域に対する画像処理を行うステップST91を付加している。
例えば、ステップST90の後、ステップST91において、処理回路44は、血管画素以外の領域(背景の低周波領域)に対して、ダイナミックレンジ(輝度範囲)を抑制する非線形濃度処理(DR圧縮)を強めにかけるようにしてもよい。また例えば、処理回路44は、血管画素以外の領域に対して、DSA画像に似た画像を生成するようにしてもよい。この場合、処理回路44は、血管画素以外の背景画素を均一の画素値に設定する。血管画素については、骨など血管に重なっている物体の影響を取り除くため、”造影剤が流れ込む前の画素値”を”造影剤が流れ込んだときの画素値”から引くことで、造影剤による染まり具合を正しく表現することができる。これにより、DSA画像特有の血管の凹凸具合や奥行き感を表現することができる。
ステップST91の後、前述同様にステップST100以降の処理が実行される。また、繰り返し実行中のステップST10~ST110の動作においては、ステップST90とST100との間にステップST91が実行される。
このような第2変形例によれば、第1の実施形態の効果に加え、血管画素以外の領域における画素値の変化を抑制又は均一化できるので、血管画素の視認性の向上を図ることができる。また、血管画素以外の領域を均一化する場合には、血管画素についても、造影剤による染まり具合を正しく表現することができる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、図16に示すように、X線診断装置1の外部装置として、医用画像処理装置66を備えている。医用画像処理装置66は、少なくとも1つのメモリ61、ディスプレイ62、入力インタフェース63、処理回路64及びネットワークインタフェース65を備えている。処理回路64は、図示しないプロセッサとメモリを備えている。処理回路64のプロセッサは、メモリ61内のプログラムを呼び出し実行することにより、プログラムに対応する画像処理機能642、推定機能643、表示制御機能644及び学習制御機能645を実現する。このプログラムは、例えば、予めネットワーク又は非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(non-transitory computer-readable storage medium)67からコンピュータにインストールされ、当該コンピュータのプロセッサに実行されることにより、当該コンピュータに医用画像処理装置66の機能を実現させる。但し、推定機能643、表示制御機能644及び学習制御機能645は、必須ではなく、任意の付加的事項である。
ここで、医用画像処理装置66は、X線診断装置1とネットワークNwを介して通信可能であり、X線診断装置1の医用画像処理装置46と同様の機能をもっている。このため、医用画像処理装置66の説明としては、前述したX線診断装置1内の医用画像処理装置46の説明から、参照符号の最上位桁の値“4”を“6”に読み替えることにより、重複した詳細な説明を省略する。医用画像処理装置66及び医用画像処理装置46は、それぞれ医用画像処理装置の一例である。
すなわち、メモリ61は、前述したメモリ41と同様の構成であり、被検体のX線画像を順次生成するX線診断装置1により順次生成されたX線画像を保存する。X線画像は、X線診断装置1により生成及び送信され、ネットワークインタフェース65により受信されてメモリ61に書き込まれる。また、メモリ61は、医用画像処理装置66のプログラムを記憶する。メモリ61及びメモリ41は、それぞれ記憶部の一例である。
ディスプレイ62は、前述したディスプレイ42と同様の構成であり、処理回路44に制御され、X線画像などを表示する。
入力インタフェース63は、前述した入力インタフェース43と同様の構成であり、操作者の操作に応じた電気信号を処理回路64に出力する。
処理回路64は、前述した処理回路44と同様の構成であり、図示しないプロセッサとメモリを備え、入力インタフェース63にて入力あるいは設定された各種情報がメモリに保存される。処理回路64のプロセッサは、メモリ61内のプログラムを呼び出し実行することにより、プログラムに対応する画像処理機能642、推定機能643、表示制御機能644及び学習制御機能645を実現する。処理回路64及び処理回路44は、それぞれ画像処理部及び推定部の一例である。
画像処理機能642は、被検体のX線画像を順次生成するX線診断装置1により順次生成されたX線画像をメモリ61に保存する。また、画像処理機能642は、前述した画像処理機能442と同様の機能であり、被検体に造影剤が注入された後に生成された複数のX線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成されるX線画像に対する画像処理を行う。
推定機能643は、前述した推定機能443と同様の機能であり、第1の遷移に対応する複数のX線画像よりも後のX線画像における画素値の時系列的な第2の遷移を、第1の遷移に基づいて推定する。なお、推定機能643は、必須ではなく、任意の付加的事項である。
また、画像処理機能642は、推定機能643がある場合には、第1の遷移及び第2の遷移に基づいて、画像処理を行う。
表示制御機能644は、前述した表示制御機能444と同様の構成であり、生成されたX線画像をディスプレイ62に表示させる。また、表示制御機能644は、推定機能の有無によらず、画像処理が行われた場合には、当該画像処理が行われたX線画像をディスプレイ62に表示させる。
学習制御機能645は、前述した学習制御機能445と同様の構成であり、学習用データに基づいて、メモリ61内の機械学習モデルに機械学習を行わせることにより、学習済みの機械学習モデルである学習済みモデルを生成する。なお、学習制御機能645は、必須ではなく、任意の付加的事項である。
ネットワークインタフェース65は、前述したネットワークインタフェース45と同様の構成であり、有線、無線又はその両方にて外部装置と通信するための回路である。外部装置は、例えば、モダリティとしてX線診断装置1が含まれる。
このような医用画像処理装置66は、X線診断装置1内の医用画像処理装置46が外部装置として設けられたものとして機能する。
上述したように第2の実施形態によれば、被検体のX線画像を順次生成するX線診断装置により順次生成されたX線画像を保存し、被検体に造影剤が注入された後に生成された複数のX線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成されるX線画像に対する画像処理を行う。これにより、医用画像処理装置においても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、このような効果は、医用画像処理装置の各機能に対応するプログラムをコンピュータに実装した構成によっても、得ることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、被検体のX線画像を順次生成し、被検体に造影剤が注入された後に、生成された複数のX線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成されるX線画像に対する画像処理を行う。このように、被検体に造影剤が注入された後に、画素値の時系列的な遷移に基づいて画像処理を行う構成により、造影撮像時のX線画像全体の視認性を確保することができる。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、図1又は図16における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 X線診断装置
10 撮像装置
11 高電圧発生装置
12 X線発生部
13 X線検出器
14 Cアーム
141 Cアーム駆動装置
30 寝台装置
31 基台
32 寝台駆動装置
33 天板
34 支持フレーム
40 コンソール装置
41、61 メモリ
42、62 ディスプレイ
43、63 入力インタフェース
44、64 処理回路
441 システム制御機能
442、642 画像処理機能
443、643 推定機能
444、644 表示制御機能
445、645 学習制御機能
45、65 ネットワークインタフェース
46、66 医用画像処理装置
Nw ネットワーク

Claims (11)

  1. X線を発生させるX線発生部と、
    被検体を透過した前記X線を検出してX線画像を順次生成するX線検出器と、
    前記被検体に造影剤が注入された後に、前記生成された複数の前記X線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成される前記X線画像に対する画像処理を行う画像処理部と、
    前記第1の遷移に対応する複数の前記X線画像よりも後のX線画像における画素値の時系列的な第2の遷移を、前記第1の遷移に基づいて推定する推定部と、
    を備え、
    前記画像処理部は、前記第1の遷移及び前記第2の遷移に基づいて、前記画像処理を行う、X線診断装置。
  2. 前記推定部は、前記第1の遷移に基づいて前記後のX線画像の画素値を生成し、前記第1の遷移における時系列的に後方の画素値と当該生成した画素値とを含む未来の遷移を生成する処理を再帰的に実行することにより、前記生成した全ての前記未来の遷移を含む前記第2の遷移を推定する、
    請求項1に記載のX線診断装置。
  3. 前記第1の遷移は、前記X線画像における血管画素の画素値の時系列データであり、前記造影剤の濃度の上昇、ピーク及び下降のうちの前記上昇の初期における複数の画素値に対応している、
    請求項1又は2に記載のX線診断装置。
  4. 前記第2の遷移は、前記後のX線画像における血管画素の画素値の時系列データであり、前記初期より後の前記上昇、前記ピーク及び前記下降における複数の画素値に対応している、
    請求項3に記載のX線診断装置。
  5. 前記画像処理部は、
    前記第1の遷移に基づいて、順次生成される前記X線画像の画素に対して、当該画素に描出される物体の種類に関する情報を設定し、
    順次生成される前記X線画像に対して、設定された前記情報に基づく画像処理を当該X線画像内の画素の位置に応じて行う、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  6. 前記画像処理部は、前記X線画像のうちの血管画素と前記血管画素以外の画素とを識別する識別情報を前記物体の種類に関する情報として設定する、
    請求項5に記載のX線診断装置。
  7. 前記画像処理部は、前記被検体のDSA画像に基づいて、前記識別情報を設定する、 請求項6に記載のX線診断装置。
  8. 前記画像処理部は、前記被検体の時系列的なDSA画像に基づいて前記識別情報を出力するための学習済みモデルに対して、順次生成される前記X線画像を入力し、前記識別情報を出力させることにより、当該識別情報を設定する、
    請求項7に記載のX線診断装置。
  9. 前記画像処理部は、前記識別情報により識別される血管画素の位置に応じて、当該識別情報に基づく画像処理であるコントラスト調整を行う、
    請求項6乃至8のいずれか一項に記載のX線診断装置。
  10. 被検体のX線画像を順次生成するX線診断装置により順次生成されたX線画像を保存する記憶部と、
    前記被検体に造影剤が注入された後に生成された複数の前記X線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成される前記X線画像に対する画像処理を行う画像処理部と、
    前記第1の遷移に対応する複数の前記X線画像よりも後のX線画像における画素値の時系列的な第2の遷移を、前記第1の遷移に基づいて推定する推定部と、
    を備え、
    前記画像処理部は、前記第1の遷移及び前記第2の遷移に基づいて、前記画像処理を行う、医用画像処理装置。
  11. 被検体のX線画像を順次生成するX線診断装置により順次生成されたX線画像をメモリに保存する機能と、
    前記被検体に造影剤が注入された後に生成された複数の前記X線画像における画素値の時系列的な第1の遷移に基づいて、順次生成される前記X線画像に対する画像処理を行う機能と、
    前記第1の遷移に対応する複数の前記X線画像よりも後のX線画像における画素値の時系列的な第2の遷移を、前記第1の遷移に基づいて推定する機能と、
    をコンピュータに実現させ、
    前記画像処理を行う機能は、前記第1の遷移及び前記第2の遷移に基づいて、前記画像処理を行う、プログラム。
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