JP7352234B2 - 金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法、並びに当該測定方法を利用する電子部品の製造方法及び電子部品の製造装置 - Google Patents
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る。例えば、非特許文献1には、Si基板上にスピンコート法で形成された膜厚300nmの酸化グラフェン膜の電気抵抗を抵抗計を用いて測定したことが報告されている。ミクロンオーダーの薄膜では、4端子法でも測定可能であるが、それより薄い薄膜では、従来の4端子法を用いると、ショートして評価出来ないという問題がある。そこで、薄膜の抵抗の測定方法が提案されている。例えば、非特許文献2には、コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いたSiO2基板上のカーボンナノチューブの抵抗測定が報告されている。
置を提供することを更なる課題とする。
<1> 金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法であって、
(I)コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて前記金属基板及び前記金属基板上に形成さ
れた薄膜を含む積層体の電流-電圧特性を測定する工程、及び
(II)コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定する工程、を含み、
前記(I)工程で得られた電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子
間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体との接触抵抗をRc_TFとし、
前記(II)工程で得られた電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗をRc_mとし、
下記式(1)より前記薄膜の電気抵抗率を算出する、金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法。
ρTH=(ρa+ρm)Rc_TF/Rc_m-ρa 式(1)
(式(1)中、ρaは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーの電気抵抗率、ρmは前記金属基板の電気抵抗率、ρTHは前記薄膜の電気抵抗率を表す。)
<2> 前記薄膜の厚みが1nm以上100nm以下である、<1>記載の金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法。
<3> 前記薄膜が、グラフェンまたは酸化グラフェンからなる、<1>又は<2>に記載の金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法。
<4> 前記金属基板が、銅、鉄、アルミニウム及びそれらの合金からなる群より選択される、<1>~<3>のいずれかに記載の金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法。
<5> 金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を備える電子部品の製造方法であって、
金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体を準備する工程、
金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体を準備する工程、
<1>~<4>のいずれかに記載の金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法により前記金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率を測定する工程、及び
前記工程により測定された薄膜の電気抵抗率が所定の基準値を満たすか否かを判定する判定工程、
を含む、電子部品の製造方法。
<6>前記電子部品がコネクタである、<5>に記載の電子部品の製造方法。
<7> 金属基板上に薄膜を形成する薄膜形成部、及び
前記金属基板上に形成された薄膜の導電性を評価する導電性評価部、を備え、
前記導電性評価部が以下の(A)~(C)を含むことを特徴とする、電子部品の製造装置。
(A)前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性及び前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定する原子間力顕微鏡
(B)下記式(1)より前記薄膜の電気抵抗率を算出する電気抵抗率算出部
ρTH=(ρa+ρm)Rc_TF/Rc_m-ρa 式(1)
(式(1)中、Rc_TFは前記原子間力顕微鏡による前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性測定結果の電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体との接触抵抗;Rc_mは前記原子間力顕微鏡による前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性の測定結果の前記電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗;ρaは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーの電気抵抗率;ρmは前記金属基板の電気抵抗率;ρTHは前記薄膜の電気抵抗率を表す。)
(C)前記電気抵抗率算出部(B)により算出された前記薄膜の電気抵抗率が所定の基準値を満たすか否かを判定する判定部
<8>前記電子部品がコネクタである、<7>に記載の電子部品の製造装置。
本発明の一実施形態は、(I)コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて前記金属基板及
び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性を測定する工程、及び(II)コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定する工程、を含み、前記(I)工程で得られた電流-電圧曲線の傾きから
得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体との接触抵抗をRc_TFとし、前記(II)工程で得られた電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗をRc_mとし、下記式(1)より前記薄膜の電気抵抗率を算出することを特徴とする。
ρTH=(ρa+ρm)Rc_TF/Rc_m-ρa 式(1)
(式(1)中、ρaは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーの電気抵抗率、ρmは前記金属基板の電気抵抗率、ρTHは前記薄膜の電気抵抗率を表す。)
Rc_m=(ρa+ρm)/4a1 式(2)
Rc_TH=(ρa+ρTH)/4a2 式(3)
コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバープローブの先端半径が100~200nmと非常に尖っているため、プローブの先端が測定サンプルと接触する部分は真の接触面積となる。薄膜の膜厚が100nm以下と薄い場合、同じカンチレバーで同じ荷重を印加する場合に、式(2)中のa1と式(3)中のa2はほぼ同じと仮定できる。よって、式(2)及び式(3)から金属基板上の薄膜の電気抵抗率を下記式(1)によって算出できる。
ρTH=(ρa+ρm)Rc_TF/Rc_m-ρa 式(1)
れた薄膜を含む積層体の電流-電圧特性を測定する工程
図1にConductive AFMによる接触電流評価の模式図を示す。また、図2に後述の実施例1のConductive AFMの測定部位を示す。図1及び2に示されるように、コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性を測定する。図1中、101は金属基板上に薄膜が形成された測定サンプルを表し、102はコンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーを表し、103はコンダクティブ原子間力顕微鏡の試料台を表す。図2中、201aは酸化グラフェン膜(薄膜)を表し、201bは銅基板(金属基板)を表し、202はコンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーを表す。コンダクティブ原子間力顕微鏡は、市販品を用いることができ、例えば、パークシステムズ社のPark NX10、日立ハイテクノロジーズ社のAFM5500Mが挙げられる。カンチレバーは、市販品を用いることができ、例えば、Pt、Rh、Au若しくは導電性ダイヤモンドコートしたSi製のものが挙げられる。コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて測定した、金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧曲線の傾きから、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体との接触抵抗が得られる。本明細書において、(I)工程で得られた電流-電
圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体との接触抵抗をRc_TFとする。
図2に示されるように、コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定する。本工程では薄膜が形成された金属基板の電流-電圧特性を測定できればよく、「前記金属基板と同じ種類の金属基板」とは、薄膜が形成された金属基板と同じ種類の別の金属基板であってもよいし、薄膜が形成された金属基板そのものであってもよい。原子間力顕微鏡は、市販品を用いることができ、「(I)コンダ
クティブ原子間力顕微鏡を用いて前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性を測定する工程」の項で例示したものと同様のものが好ましく用いられる。コストの観点から、(II)工程で用いる原子間力顕微鏡は、(I)工程で用
いられる原子間力顕微鏡と同一の原子間力顕微鏡を用いることが好ましい。コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて測定した、前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧曲線の傾きから、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗が得られる。本明細書において、(II)工程で得られた電流-電圧曲線の傾きから
得られる、コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗をRc_mとする。
薄膜を構成する材料、厚みは、目的に応じて適宜選択することが出来る。
本発明の一実施形態においては、薄膜の厚みが1nm以上100nm以下であることが好ましく、1nm以上30nm以下であることがより好ましい。この範囲の厚みを有する
薄膜について、本発明の測定方法を用いると、好適に電気抵抗率が測定出来る。
また、本発明の一実施形態においては、薄膜が、導電性の観点から、グラフェン、酸化グラフェン(GO)、Au又はAgからなることが好ましく、グラフェンまたは酸化グラフェンからなることがより好ましい。コネクタ等の電気接続部材には、相手側端子との高い接触信頼性と、相手側端子との接続部における高い耐摩耗性が求められている。そのため、コネクタの接点部には、一般的に、金、銀及び錫などの貴金属からなる貴金属めっきが施されている。しかし、高価な貴金属めっきを用いると、コネクタの生産コストが高くなりやすい。電気接続部材に、グラフェンまたは酸化グラフェンからなる薄膜を用いることで、貴金属を用いるより、コストが抑制される。シリコン基板は絶縁性のため、電気泳動堆積法(EPD)を用いてシリコン基板上に酸化グラフェンを成膜出来ない。このようなシリコン基板上に成膜出来ない薄膜は、非特許文献1の方法のように、シリコン基板上で電気抵抗率を測定することが出来ない。また、シリコン基板上に成膜出来ない材料のナノメートルオーダーの薄膜の電気抵抗率を金属基板上で測定しようとしても、電流が金属基板を優先的に流れるため、精度良く測定することが出来ない。本実施形態の測定方法によると、従来の方法では金属基板上では測定できず、さらに、シリコン基板上に成膜出来ない材料の薄膜の電気抵抗率を測定することが出来る。
金属基板の種類、大きさは、目的に応じて適宜選択することが出来る。
本発明の一実施形態においては、コストの観点から、金属基板が、銅、鉄、アルミニウム及びそれらの合金からなる群より選択されることが好ましい。コネクタの端子母材とする場合には銅が好ましく用いられ、電極とする場合にはアルミニウム及びアルミニウム合金が好ましく用いられる。
本発明の測定方法は、金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の薄膜の電気抵抗率の測定を、薄膜と金属基板とを分離することなく行うため、測定結果に基づき、前記積層体をそのまま加工に供することが出来る。したがって、上記金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法を電子部品製造の一工程とすることにより、効率良く電子部品を製造することが出来る。すなわち、金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を備える電子部品の製造方法であって、金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体を準備する工程、上記「1.金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法」で説明した測定方法により前記金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率を測定する工程、及び前記工程により測定された薄膜の電気抵抗率が所定の基準値を満たすか否かを判定する判定工程を含む、金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を備える電子部品の製造方法も本発明の一態様である。
金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体は、市販品を入手してもよいし、金属基板上に公知の方法で薄膜を形成する工程を実施して作製してもよい。「金属基板」及び「薄膜」は上記「1.金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法」の項の説明が適用される。
金属基板上に薄膜を形成する方法は特に限定されず、薄膜の種類、厚みに応じて適宜選択すればよい。例えば、電気泳動堆積法(EPD)、ゾルゲル法、スピンコーティング、ディップコーティング、ナイフコーティング、蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンビームスパッタリング、CVD等の公知の薄膜形成手段を用いることができる。中でも、薄膜がグラフェンまたは酸化グラフェンからなる場合、コストの観点から、EPD法が好ましい。グラフェンを酸化してなる酸化グラフェンは、安価で大量に入手可能な黒鉛を化学的に酸化することにより合成される。酸化グラフェンは、カルボキシル基又は水酸基等の極性基を有するため、水などの極性溶媒中で分散性を示すとともに、極性
溶媒中において帯電する。そのため、当該極性溶媒に金属基板を投入し、当該金属基板に電圧を印加すると、酸化グラフェンとは反対電荷を有する基板に堆積することができる。
本工程は、「1.金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法」の項の説明が適用される。
本工程により、電子部品の材料として適切なものを選択する。前記所定の基準値は、電子部品によって設定されるものであり、各種基準に応じて設定すればよい。例えば、コネクタであれば、0.05Ω・cm以下とすることができ、スイッチであれば0.1Ω・cm以下とすることができる。
本実施形態では、上記の工程以外は特に限定されず、製造目的の電子部品に応じ、通常の製造工程を実施すればよい。
本実施形態において、電子部品としては、コネクタ、スイッチ等が好ましく挙げられる。
本実施形態の電子部品の製造方法によると、従来、金属基板上では測定できなかった薄膜の電気抵抗率を、薄膜と金属基板とを分離せずに金属基板上に形成された状態で測定でき、評価し、所定の基準値を満たすと判定された積層体のみをそのまま電子部品の材料として用いることができる。そのため、電子部品完成後の検査工程の簡略化、電子部品の廃棄の回避等を実現でき、電子部品製造プロセス全体として簡便化され、コストが抑制される。
金属基板上に薄膜を形成する薄膜形成部、及び前記金属基板上に形成された薄膜の導電性を評価する導電性評価部備える電子部品の製造装置であって、前記導電性評価部が以下の(A)~(C)を含む電子部品の製造装置も本発明の一態様である。
(A)前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性及び前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定する原子間力顕微鏡
(B)下記式(1)より前記薄膜の電気抵抗率を算出する電気抵抗率算出部
ρTH=(ρa+ρm)Rc_TF/Rc_m-ρa 式(1)
(式(1)中、Rc_TFは前記原子間力顕微鏡による前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性測定結果の電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記薄膜との接触抵抗;Rc_mは前記原子間力顕微鏡による前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性の測定結果の前記電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗;ρaは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーの電気抵抗率;ρmは前記金属基板の電気抵抗率;ρTHは前記薄膜の電気抵抗率を表す。)
(C)前記電気抵抗率算出部(B)により算出された前記薄膜の電気抵抗率が所定の基準値を満たすか否か判定する判定部
金属基板上に薄膜を形成する薄膜形成部では、金属基板上に薄膜を形成する工程が実施される。
金属基板上に薄膜を形成する工程は、目的とする薄膜に応じて選択すればよく、「2.電子部品の製造方法」の項の「金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体を準備する工程」の説明が適用される。薄膜形成部は、例えば、電気泳動堆積法(EPD)を用いる場合は、薄膜の種類に応じて、反応容器、電極を組み合わせて作製してもよ
い。また、市販されているスピンコーター、ディップコーター、ナイフコーター、蒸着装置、イオンビームスパッタリング装置、CVD装置、PVD装置等を用いてもよい。
導電性評価部により、金属基板上に形成された薄膜の導電性を評価する工程を行う。導電性評価部は以下の(A)~(C)を含む。
(A)前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性及び前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定する原子間力顕微鏡
(B)下記式(1)より前記薄膜の電気抵抗率を算出する電気抵抗率算出部
ρTH=(ρa+ρm)Rc_TF/Rc_m-ρa 式(1)
(式(1)中、Rc_TFは前記原子間力顕微鏡による前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性測定結果の電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記薄膜との接触抵抗;Rc_mは前記原子間力顕微鏡による前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性の測定結果の前記電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗;ρaは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーの電気抵抗率;ρmは前記金属基板の電気抵抗率;ρTHは前記薄膜の電気抵抗率を表す。)
(C)前記電気抵抗率算出部(B)により算出された前記薄膜の電気抵抗率が所定の基準値を満たすか否か判定する判定部
上記(A)前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性及び前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定する原子間力顕微鏡は、市販品を用いることができ、「1.金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法」の項での説明が適用される。電気抵抗率算出部(B)は、「2.電子部品の製造方法」の項で説明した「金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率を測定する工程」が実施できれば特に限定されず、例えば、式(1)に基づき薄膜の電気抵抗率を求めるように設定されたプログラムに基づいて処理を行う装置を電子間力顕微鏡に連結して実施することができる。また、判定部(C)では、前記薄膜の電気抵抗率が所定の基準値を満たすか否かを判定する判定工程が実施できれば特に限定されず、電気抵抗率算出部が、予め基準値を設定したプログラムにより判定処理を行うように判定部を兼ね備えることも出来るし、予め基準値を設定したプログラムにより判定処理を行う装置を電気抵抗率算出部に連結して判定処理を行ってもよい。
本実施形態において、電子部品としては、コネクタ、スイッチ等が好ましく挙げられる。
本実施形態の電子部品の製造装置によると、従来、金属基板上では測定できなかった薄膜の電気抵抗率を、薄膜と金属基板と分離することなく金属基板上に形成された状態で測定出来、評価し、所定の基準値を満たすと判定された場合には、そのまま電子部品の材料として用いるため、電子部品製造プロセス全体として簡便化され、コストが抑制される。
EPD法で酸化グラフェン(GO)を銅基板上に成膜した。成膜条件を表1に示す。膜厚を測定するため基板の半分にGOを成膜した。コンダクティブ原子間力顕微鏡(Con
ductive AFM)を用いてトポグラフィー像を取得し、膜厚を測定したところ、約4nmであった。Conductive AFM(パークシステムズ社製NX10、ダイヤモンドコートSiカンチレバーCDT-NCLR、測定条件:荷重980nN)を用い、銅基板部及び銅基板上にGO膜が形成された積層体のI-V特性をそれぞれ測定した。
図3に銅基板部のI-V曲線、図4にGO膜部(積層体)のI-V曲線を示す。得られたI-V曲線の傾きからカンチレバーとCu基板との接触抵抗C及びカンチレバーと銅基板上にGO膜が形成された積層体との接触抵抗Rc_GOを算出した。
図3よりRc_cuが21.84kΩである。図4よりRc_GOが207.94kΩである。カンチレバーはダイヤモンドでコートしたため、ρカンチレバーは0.005Ω・cmであった。銅の電気抵抗率ρCuは1.7×10-6Ω・cmであった。上記の値を式(1)に代入して算出されたGOの電気抵抗率は、ρGO=0.043Ω・cmであった。
102 コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバー
103 試料台
201a 酸化グラフェン膜
201b 銅基板
202 コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバー
Claims (8)
- 金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法であって、
(I)コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて前記金属基板及び前記金属基板上に形成さ
れた薄膜を含む積層体の電流-電圧特性を測定する工程、及び
(II)コンダクティブ原子間力顕微鏡を用いて前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定する工程、を含み、
前記(I)工程で得られた電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子
間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体との接触抵抗をRc_TFとし、
前記(II)工程で得られた電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗をRc_mとし、
下記式(1)より前記薄膜の電気抵抗率を算出する、金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法。
ρTH=(ρa+ρm)Rc_TF/Rc_m-ρa 式(1)
(式(1)中、ρaは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーの電気抵抗率、ρmは前記金属基板の電気抵抗率、ρTHは前記薄膜の電気抵抗率を表す。) - 前記薄膜の厚みが1nm以上100nm以下である、請求項1記載の金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法。
- 前記薄膜が、グラフェンまたは酸化グラフェンからなる、請求項1又は2記載の金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法。
- 前記金属基板が、銅、鉄、アルミニウム及びそれらの合金からなる群より選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法。
- 金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を備える電子部品の製造方法であって、金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体を準備する工程、
金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体を準備する工程、
請求項1~4のいずれか1項に記載の金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率の測定方法により前記金属基板上に形成された薄膜の電気抵抗率を測定する工程、及び
前記工程により測定された薄膜の電気抵抗率が所定の基準値を満たすか否かを判定する判定工程、
を含む、電子部品の製造方法。 - 前記電子部品がコネクタである、請求項5に記載の電子部品の製造方法。
- 金属基板上に薄膜を形成する薄膜形成部、及び
前記金属基板上に形成された薄膜の導電性を評価する導電性評価部、を備え、
前記導電性評価部が以下の(A)~(C)を含むことを特徴とする、電子部品の製造装置。
(A)前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性及び前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性を測定するコンダクティブ原子間力顕微鏡
(B)下記式(1)より前記薄膜の電気抵抗率を算出する電気抵抗率算出部
ρTH=(ρa+ρm)Rc_TF/Rc_m-ρa 式(1)
(式(1)中、Rc_TFは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡による前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体の電流-電圧特性測定結果の電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板及び前記金属基板上に形成された薄膜を含む積層体との接触抵抗;Rc_mは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡による前記金属基板と同じ種類の金属基板の電流-電圧特性の測定結果の前記電流-電圧曲線の傾きから得られる、前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーと前記金属基板との接触抵抗;ρaは前記コンダクティブ原子間力顕微鏡のカンチレバーの電気抵抗率;ρmは前記金属基板の電気抵抗率;ρTHは前記薄膜の電気抵抗率を表す。)
(C)前記電気抵抗率算出部(B)により算出された前記薄膜の電気抵抗率が所定の基準値を満たすか否かを判定する判定部 - 前記電子部品がコネクタである、請求項7に記載の電子部品の製造装置。
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