JP2007073907A - 電子デバイスの評価方法および電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】電子デバイスにおいて、下地導電膜の上部表面の平坦性および極薄のトンネル絶縁膜の膜厚を、一度に、低コスト・短時間・簡便・非破壊で、それぞれ定量的に評価することが必要である。
【解決手段】導電性基板10上にトンネル絶縁膜30および上部電極40をその順に設けてなる第1評価用テスト素子50を形成し、同じ導電性基板10上に下地導電膜20、上記トンネル絶縁膜30、および上部電極40をその順に設けてなるMIMキャパシタ構造の第2評価用テスト素子60を形成し、これら評価用テスト素子50,60のインピーダンスをそれぞれ測定する。この測定結果に基づいて、下地導電膜20の上部表面の平坦性を推定するとともに、評価用テスト素子50,60におけるトンネル絶縁膜の膜厚を算出する。
【選択図】図1

Description

この発明は、電子デバイスの評価方法および電子デバイスに係り、MIMキャパシタ構造を有する電子デバイスにおける下地導電膜の上部表面の平坦性、およびトンネル絶縁膜の膜厚の評価に関する。
導電性基板上に下地導電膜、トンネル絶縁膜、および上部電極を順に設けてなるMIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタ構造を有する非線形電子デバイスでは、膜厚が10Å〜数十Åの極薄のトンネル絶縁膜の膜特性がデバイス特性を大きく左右する。ここで、絶縁膜の膜特性とは主に、下地導電膜の上部表面の平坦性(粗さ)、およびトンネル絶縁膜の膜質(比誘電率、不純物濃度、ピンホール等)とその膜厚によって左右される(例えば特許文献1)。
下地導電膜の上部表面の平坦性(粗さ)の測定法としてはAFMがある。また、トンネル絶縁膜自体の特性評価方法としては、MIMキャパシタ構造での直流測定(IV特性、耐圧特性、TDDB特性)やMIS(Metal-Insulator-Transistor)キャパシタ構造でのCV測定がある。
特開平11−67860号公報
ただし、上記の測定法には、次の(1)〜(5)の問題がある。
(1)下地導電膜の上部表面の平坦性、およびトンネル絶縁膜の膜質の評価には、二種類以上の評価チップおよび評価装置が必要となる。
(2)上記の直流測定のうち、IV測定からは、MIMキャパシタの抵抗値は評価できるが、トンネル絶縁膜の誘電率や膜厚、ピンホールによるリークパスなどを区別して定量評価することは出来ない。
(3)上記の直流測定のうち、耐圧、TDDB測定からは、信頼性などが評価できるが、破壊測定である。
(4)MISキャパシタのCV測定では、SiO膜厚が約30Å以上であれば、膜中電荷量に相当するフラットバンド電圧や誘電率、膜厚を算出することが可能であるが、20Å以下ではトンネル電流が大きくなり、Si基板表面に多数キャリアを十分に蓄積することができなくなり、それらの値を評価できなくなる。
(5)10Å程度の極薄のトンネル絶縁膜の膜厚測定に至っては、簡易的には光学的エリプソメトリやX線反射率測定が用いられるが、各々絶縁膜の光学屈折率や膜密度が既知である必要がある、膜厚に比べて界面の影響が大きいなどのため、信頼性のある膜厚評価が困難であること。さらにTEM観察による膜厚確認でも、試料断面像を得るためのFIB加工時やEB観察時にトンネル絶縁膜が変質する、シュリンクするなどの影響は避けられず、真の膜厚を評価することが困難である。
以上のように、下地導電膜の上部表面の平坦性、および極薄のトンネル絶縁膜の膜厚の評価には、2つ以上の評価チップおよび評価装置が必要となってしまう。さらに、既存のIV特性やCV特性では、下地導電膜の上部表面の平坦性および極薄トンネル絶縁膜の膜厚を区別して定量評価することが出来ない。
この発明は、上記の事情を考慮したもので、下地導電膜の上部表面の平坦性および極薄のトンネル絶縁膜の膜厚を、一度に、低コスト・短時間・簡便・非破壊で、それぞれ定量的に評価することが可能な電子デバイスの評価方法および電子デバイスを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、導電性基板の上面に、トンネル絶縁膜および上部電極をその順に設けてなる第1の素子と、前記導電性基板の上面に、下地導電膜、前記トンネル絶縁膜、および上部電極をその順に設けてなるMIMキャパシタ構造の第2の素子において、インピーダンスをそれぞれ測定し、前記測定結果に基づいて、前記第1の素子におけるトンネル絶縁膜の等価抵抗と等価容量、および前記第2の素子におけるトンネル絶縁膜の等価抵抗と等価容量をそれぞれ算出し、前記算出した前記第1の素子の等価抵抗と前記算出した前記第2の素子の等価抵抗との対比により、前記下地導電膜の上部表面の平坦性を推定し、前記算出した前記第1の素子の等価容量に基づいてその第1の素子におけるトンネル絶縁膜の膜厚を算出し、前記算出した前記第2の素子の等価容量に基づいてその第2の素子におけるトンネル絶縁膜の膜厚を算出することを特徴とする電子デバイスの評価方法を備えている。
請求項2に係る発明は、導電性基板と、前記導電性基板の上面に、トンネル絶縁膜および上部電極をその順に設けてなる第1の素子と、前記導電性基板の上面に、下地導電膜、前記トンネル絶縁膜、および上部電極をその順に設けてなるMIMキャパシタ構造の第2の素子とを備え、前記下地導電膜の上部表面の平坦性、および前記トンネル絶縁膜の膜厚は、前記第1の素子および前記第2の素子のインピーダンスに基づいて求まることを特徴とする電子デバイスを備えている。
この発明によれば、下地導電膜の上部表面の平坦性および極薄のトンネル絶縁膜の膜厚を、低コスト・短時間・簡便・非破壊で、それぞれ評価することができる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、上部表面(上面)が十分に平坦で、かつ厚さ、抵抗率、誘電率が既知な導電性基板(例えばN型Si基板)10の上面の一部の領域に、リソグラフィあるいはマスク蒸着などにより下地導電膜20が形成(成膜)される。ここで、導電性基板10の上部表面(上面)の平均粗さ(Ra:Average Surface Roughness)は、AFMで測定した際に、後述するトンネル絶縁膜30の厚さの1/10以下であることが好ましい。また、下地導電膜20の成膜前に、導電性基板10の表面の自然酸化膜を、薬液処理あるいは逆スパッタなどにより除去することが好ましい。
続いて、導電性基板10および下地導電膜20が大気に触れない状態で、導電性基板10の上面の残りの領域および下地導電膜20の上部表面に、トンネル絶縁膜(バリアともいう)30が形成(成膜)される。導電性基板10および下地導電膜20が大気に触れた状態でも、トンネル絶縁膜30の成膜前に、導電性基板10および下地導電膜20の表面の自然酸化膜が薬液処理あるいは逆スパッタなどにより除去されるのであれば、問題はない。その後、トンネル絶縁膜30上に複数の上部電極40がマスク蒸着される。
こうして、1つの導電性基板10上に、トンネル絶縁膜30および2つの上部電極40を順に積層してなるMIS(Metal-Insulator-Transistor)キャパシタ構造の第1評価用テスト素子50が形成されるとともに、同トンネル絶縁膜30、下地導電膜20、および2つの上部電極40を順に積層してなるMIM(Metal-Insulator-Metal)キャパシタ構造の第2評価用テスト素子60が形成される。これら評価用テスト素子50,60の領域の面積は、互いに等しいことが好ましい。
導電性基板10は、そのインピーダンスの位相(|θ|)が、|θ|<1°@1kHzで、抵抗値(Ω)がトンネル絶縁膜30の抵抗値の1/10以下と低いこと、かつ基板厚さと抵抗率・誘電率が既知であることが必要である。さらに、下地導電膜20のフェルミレベルと導電性基板10のフェルミレベルが互いに近くてその差が約0.2eV以内に収まるように、導電性基板材料を選ぶことが好ましい。例えば、導電性基板10および下地導電膜20の組み合わせとして、n−Si(Ef=4.1eV)とTa(Wf=4.2eV)の組み合わせ、P−Si(5.2eV)とITO膜(5.2eV)の組み合わせなどが考えられる。下地導電膜20は、Ta,PtMn,CoFeの積層膜構造、あるいはITO,PEDOTの積層膜構造としてもよい。
そして、評価用テスト素子50,60のそれぞれに対し、順に、図2に示すようなインピーダンス測定手段いわゆるインピーダンスメータ(LCRメータともいう)が接続される。
インピーダンスメータは、例えば可変電圧レベル−0.4V〜+0.4Vの直流電圧を出力する直流電源71、電圧レベルが0.1Vで可変周波数20kHz〜1MHzの交流電圧を出力する交流電源72を付属して備え、直流電源71の直流電圧に交流電源72の交流電圧を重畳してなる測定用電圧を、評価用テスト素子50の導電性基板10の下面と上部電極40との間、および評価用テスト素子60の導電性基板10の下面と上部電極40との間に順次に印加し、その印加時の電圧および電流を電圧計73および電流計74でそれぞれ計測する。これら計測結果の演算により、評価用テスト素子50のインピーダンスZと位相θ(およびリアクタンスL、キャパシタンスC、抵抗R)、および評価用テスト素子60のインピーダンスZと位相θ(およびリアクタンスL、キャパシタンスC、抵抗R)を測定することができる。これに伴い、評価用テスト素子50,60のインピーダンスZおよび位相θの周波数依存性を評価することができる。
このインピーダンスメータおよび上記評価用テスト素子50,60により、評価用の電子デバイスが構成される。
つぎに、トンネル絶縁膜30の等価抵抗rおよび等価容量cが算出される。図3に示すように、トンネル絶縁膜30の等価回路を抵抗rとキャパシタンスcの並列回路と仮定し、等価インピーダンスをZi(=Ri+jX1)と仮定する。同様に、導電性基板10の等価回路を抵抗rとキャパシタンスcの並列回路と仮定し、等価インピーダンスをZsと仮定する。導電性基板10の等価インピーダンスZsは、導電性基板10の抵抗率ρ(Ωcm)、誘電率ε、基板厚さd、下地導電膜20の面積S20、上部電極40の面積S、測定用周波数(上記測定用電圧の周波数)f=ω/2πより、以下のように算出できる。
Figure 2007073907
上記インピーダンスメータによる実測値が、
Figure 2007073907
であるから、[数1]式および[数2]式より、トンネル絶縁膜30の等価インピーダンスZi=Ri+jX1が求まる。
等価抵抗rと等価容量cは次式より求められる。
Figure 2007073907
求めたトンネル絶縁膜30の等価抵抗rは、小さいほどトンネルし易い、すなわちピンホールなどにより、リークパスが大きく絶縁膜の膜質が悪くなっていることを意味する。一方、トンネル絶縁膜30の等価容量cは、次式のように、比誘電率εと膜厚dの関数であるから、例えば比誘電率を一定と仮定し、トンネル絶縁膜30の誘電率の文献値などを使用すれば、膜厚dを算出することができる。トンネル絶縁膜30のトンネル抵抗に関しても同様に次式より得られる。
Figure 2007073907
上記のモデルは、評価用テスト素子50,60の両方に適用できる。但し、上述したように導電性基板10と下地導電膜20のフェルミレベルが近く、導電性基板10と下地導電膜20との間の接合がオーミック接合的になっている必要がある。
評価用テスト素子50より求めた等価抵抗rおよび等価容量cをr(50),c(50)と定義し、評価用テスト素子60より求めた等価抵抗rおよび等価容量cをr(60),c(60)と定義すると、等価抵抗r(50)と等価抵抗r(60)との対比(大小関係)により、下地導電膜20の上部表面の平坦性を推定することができる。
また、トンネル絶縁膜30の膜厚dの変化は、等価容量c(50)および等価容量c(60)の値と、上記[数4]式とにより、算出することができる。例えば、下地導電膜20の上部表面の平坦性が、導電性基板10の上面の平坦性よりも荒くなると、r(50)>>r(60)となり、トンネル絶縁膜30のトンネル抵抗が一桁以上減少する傾向が現れる。この時、トンネル絶縁膜30の膜厚dは、数〜数10%減少していることが検出される。
以上のように、下地導電膜20の上部表面の平坦性(粗さ)は、r(60)/r(50)の値から推定できる。すなわち、r(60)/r(50)の値が小さいほど、下地導電膜20の上部表面の粗さが大きくなっていると推定することができる。また、トンネル絶縁膜30の膜厚dは演算により直接的に定量化することができる。
このように、MIMキャパシタ構造を有する電子デバイスの作製において重要となる、10Å〜数十Åの極薄のトンネル絶縁膜30の膜厚dおよび下地導電膜20の上部表面の平坦性を、同一の導電性基板10上に形成した2つの評価用テスト素子50,60のインピーダンスを測定するだけで、一度に、低コスト・短時間・簡便・非破壊、且つ定量的に評価することができる。この評価は、MIMキャパシタ構造を利用した全ての非線形電子デバイス(MRAM、ELなど)の製造プロセスに適用できる。
具体的な資料を用いた評価用の電子デバイスの例を図4に示している。
まず、導電性基板10として、例えばレジストでウエハ半分の領域を覆ったN型(1Ωcm)Si基板(シリコン基板)が用意される。このN型Si基板の上面に、膜厚が3.0(nm)あるいは30(nm)の下地導電膜20たとえばTa(タンタル)がスパッタ成膜される。
次に、N型Si基板のレジストが有機溶媒で剥離された後、N型Si基板が絶縁膜形成装置たとえばスパッタ装置内に設置され、N型Si基板上およびTa上の自然酸化膜がAr逆スパッタ(30W,Ar=30sccm,0.5Pa,180s)により除去される。そして、N型Si基板の上面およびTaの上部表面に、膜厚1.5(nm)のAlが成膜され、そのAl膜が同スパッタ装置の別チャンバーにてラジカル酸化されることにより、トンネル絶縁膜30であるところのAlOx(アルミナ)絶縁膜が膜厚1.9(nm)にて形成される。ここで、Ar逆スパッタによる表面荒れがN型Si基板上に起きていないことをAFMにより確認した。
また、別途、N型Si基板上に、膜厚が3.0(nm)および30(nm)の下地導電膜20たとえばTaがスパッタ成膜される。上記Ar逆スパッタした後のTa膜の上部表面の粗さRaを測定した結果、Ra=0.12(nm)@Ta=3.0(nm)、Ra=0.36(nm)@Ta=30(nm)であった。Ta膜の膜厚を3.0(nm)と30(nm)とに変えることにより、意図的に表面粗さを変えている。
そして、AlOx絶縁膜上に、上部電極40として面積S=φ60(μm)で厚さが400(nm)のAl電極がマスク蒸着される。
評価について説明する。
トンネル絶縁膜30であるAlOx絶縁膜の膜厚が1.9(nm)の場合の測定用周波数fと測定結果であるインピーダンスZとの関係を、下地導電膜20であるTa膜が無い場合、同Ta膜の膜厚が3.0(nm)の場合、同Ta膜の膜厚が30(nm)の場合をパラメータとして、図5に示している。Ta膜の無い評価用テスト素子50に対する測定結果を□印で示し、Ta膜の膜厚が3.0(nm)の評価用テスト素子60に対する測定結果を黒塗り△印で示し、Ta膜の膜厚が30(nm)の評価用テスト素子60に対する測定結果を黒塗り○印で示している。
同様に、トンネル絶縁膜30であるAlOx絶縁膜の膜厚が1.9(nm)の場合の測定用周波数fと測定結果である位相θとの関係を、Ta膜が無い場合、同Ta膜の膜厚が3.0(nm)の場合、同Ta膜の膜厚が30(nm)の場合をパラメータとして、図6に示している。Ta膜の無い評価用テスト素子50に対する測定結果を□印で示し、Ta膜の膜厚が3.0(nm)の評価用テスト素子60に対する測定結果を黒塗り△印で示し、Ta膜の膜厚が30(nm)の評価用テスト素子60に対する測定結果を黒塗り○印で示している。
図5から分かるように、AlOx絶縁膜の容量性が高いほど、インピーダンスZが測定用周波数fの変化に対して直線性を示す。インピーダンスZの減少が始まるポイントの測定用周波数値は、AlOx絶縁膜がただの抵抗体に近づくほど、高周波数側にシフトしている。
また、図6のように、位相θは、−90°に近い値を示している。位相θが−90°に近づき始める測定用周波数値は、AlOx絶縁膜がただの抵抗体に近づくほど、高周波数側にシフトしている。
AlOx絶縁膜の膜厚が1.9(nm)の場合の測定用周波数fと上記[数3]式で算出される等価抵抗rとの関係を、Ta膜が無い場合、Ta膜の膜厚が3.0(nm)の場合、Ta膜の膜厚が30(nm)の場合をパラメータとして、図7に示している。Ta膜の無い評価用テスト素子50に対する算出結果を□印で示し、Ta膜の膜厚が3.0(nm)の評価用テスト素子60に対する算出結果を黒塗り△印で示し、Ta膜の膜厚が30(nm)の評価用テスト素子60に対する算出結果を黒塗り○印で示している。
同様に、AlOx絶縁膜の膜厚が1.9(nm)の場合の測定用周波数fと上記[数3]式で算出される等価容量cとの関係を、Ta膜が無い場合、Ta膜の膜厚が3.0(nm)の場合、Ta膜の膜厚が30(nm)の場合をパラメータとして、図8に示している。Ta膜の無い評価用テスト素子50に対する算出結果を□印で示し、Ta膜の膜厚が3.0(nm)の評価用テスト素子60に対する算出結果を黒塗り△印で示し、Ta膜の膜厚が30(nm)の評価用テスト素子60に対する算出結果を黒塗り○印で示している。
なお、等価抵抗rおよび等価容量cの算出に際しては、上記[数1]式にN型Si基板の抵抗率ρ=1(Ωcm)、誘電率ε=11.8、基板厚さd=725(nm)、下地導電膜20の面積S20=6.25(cm2)、上部電極40の面積S=φ60(μm)を代入して得られる等価抵抗r=2.6E3(Ω)および等価容量c=9.0E-11(F)を利用している。
AlOx絶縁膜の膜厚dが1.9(nm)の場合のAlOx絶縁膜のトンネル抵抗率ρを、Ta膜が無い場合、Ta膜の膜厚が3.0(nm)の場合、Ta膜の膜厚が30(nm)の場合をパラメータとして、図9に示している。
AlOx絶縁膜の膜厚dの目標値が1.9(nm)であるとき、Ta膜が無い場合、Ta膜の膜厚が3.0(nm)の場合、Ta膜の膜厚が30(nm)の場合をパラメータとして、AlOx絶縁膜の実際の膜厚dがどのように変化するかを図10に示している。
この図9および図10から明らかなように、Ta膜の膜厚が3.0(nm)から30(nm)に増加すると、つまりTa膜の上部表面(上面)の平均粗さRaが0.12(nm)から0.36(nm)に3倍に増加すると、AlOx絶縁膜の実効膜厚は1.9(nm)から1.5(nm)に減少し、AlOx絶縁膜のトンネル抵抗率ρが、3E8(Ωcm)から7E6(Ωcm)まで一桁以上減少することが分かる。
要するに、Ta膜の上部表面の平坦性が悪化すると、リークパスが増大することにより、AlOx絶縁膜のトンネル抵抗率ρが顕著に減少し、その時のAlOx絶縁膜の膜厚dは、実効的に20%程度減少していることが分かる。
図3に示した等価回路のモデルに基づき、かつ等価抵抗r=2.7E3(Ω)および等価容量c=8.6E-11(F)のN型Si基板を使用して、インピーダンスZを計算した結果を図11に示している。実測値を良く再現しており、図3に示した等価回路のモデルが妥当であることが分かる。
以上のように、導電性基板10上に評価用テスト素子50,60を形成してなる評価用の1つの電子デバイスを用意し、評価用テスト素子50,60のインピーダンスをそれぞれ測定することにより、下地導電膜20の上部表面の平坦性および極薄のトンネル絶縁膜30の膜厚(誘電率、ピンホールによるリークパスなどの膜質を含む)を、一度に、低コスト・短時間・簡便・非破壊で、それぞれ定量的に評価することができる。そして、この評価を、MIMキャパシタ構造を有する非線形電子素子の評価に適用できる。
例えば、金属が各々CoFe,FeNiなどの磁性材料、絶縁物が極薄アルミナ膜の場合には、TMR(Tunnel Magnet-resistance)効果を利用したMTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子となり、ハードディスク磁気ヘッドやMRAMなどの不揮発性磁気記憶装置の作製装置のプロセス適正化に使用できる。また、電極が各々、ITO導電膜、Alの金属膜やCa,Alの金属膜、絶縁物が有機発光材料や無機発光材料の場合には、EL素子構造となり、EL素子電極の平坦性や発光層の成膜プロセス改善に適用できる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
この発明の一実施形態の構成を示す図。 一実施形態におけるインピーダンス測定手段の構成を示す図。 一実施形態におけるトンネル絶縁膜の等価回路を示す図。 一実施形態における評価用の電子デバイスの具体的な構成を示す図。 一実施形態における測定用周波数fとインピーダンスZとの関係を示す図。 一実施形態における測定用周波数fと位相θとの関係を示す図。 一実施形態における測定用周波数fと等価抵抗rとの関係を示す図。 一実施形態における測定用周波数fと等価容量cとの関係を示す図。 一実施形態におけるAlOx絶縁膜のトンネル抵抗率ρを示す図。 一実施形態におけるAlOx絶縁膜の実際の膜厚dを示す図。 一実施形態におけるインピーダンスZの計算結果を示す図。
符号の説明
10…導電性基板(N型Si基板)、20…下地導電膜(Ta)、30…トンネル絶縁膜(AlOx)、40…上部電極(Al)、71…直流電源、72…交流電源、73…電圧計、74…電流計、r…トンネル絶縁膜の等価抵抗、c…トンネル絶縁膜の等価容量、r…導電性基板の等価抵抗、c…導電性基板の等価容量

Claims (2)

  1. 導電性基板の上面に、トンネル絶縁膜および上部電極をその順に設けてなる第1の素子と、前記導電性基板の上面に、下地導電膜、前記トンネル絶縁膜、および上部電極をその順に設けてなるMIMキャパシタ構造の第2の素子において、インピーダンスをそれぞれ測定し、
    前記測定結果に基づいて、前記第1の素子におけるトンネル絶縁膜の等価抵抗と等価容量、および前記第2の素子におけるトンネル絶縁膜の等価抵抗と等価容量をそれぞれ算出し、
    前記算出した前記第1の素子の等価抵抗と前記算出した前記第2の素子の等価抵抗との対比により、前記下地導電膜の上部表面の平坦性を推定し、
    前記算出した前記第1の素子の等価容量に基づいてその第1の素子におけるトンネル絶縁膜の膜厚を算出し、
    前記算出した前記第2の素子の等価容量に基づいてその第2の素子におけるトンネル絶縁膜の膜厚を算出することを特徴とする電子デバイスの評価方法。
  2. 導電性基板と、
    前記導電性基板の上面に、トンネル絶縁膜および上部電極をその順に設けてなる第1の素子と、
    前記導電性基板の上面に、下地導電膜、前記トンネル絶縁膜、および上部電極をその順に設けてなるMIMキャパシタ構造の第2の素子とを備え、
    前記下地導電膜の上部表面の平坦性、および前記トンネル絶縁膜の膜厚は、前記第1の素子および前記第2の素子のインピーダンスに基づいて求まることを特徴とする電子デバイス。
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US11062876B2 (en) 2018-03-22 2021-07-13 Tohoku University Evaluation method and evaluation apparatus for electronic device

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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