JP7351563B2 - 電子ラッチ錠 - Google Patents

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Description

本明細書で開示される技術は、住宅、職場、公共施設等の施設においてロッカー扉等に使用される電子ラッチ錠に関する。
電子ラッチ錠に用いられるプランジャーの出没駆動源としてソレノイドを使用することは、よく知られている(たとえば、特許文献1)。ここで、たとえばロッカーについて、その内に押し込まれた荷物の復帰圧力でロッカーの扉が開放方向に押されると、これによって、ロックのため突き出し状態のプランジャーが引っ張られた状態になる。この状態で開錠しようとするときのソレノイドは、荷物の圧力に抗しながらプランジャーを吸引することになる。時には、ソレノイドの引き込み力が荷物の圧力に負けて開錠不能となる問題さえある。
一方、特許文献2が開示する電子ラッチ錠は、可逆モータによって回転しネジ構造によるネジ進行によって出没するプランジャーを有している。荷物の圧力に負けて開錠不能となる問題は依然として存在する。
特許3886498号公報 特開2001-248338号公報
上述した先行技術に係る電子ラッチ錠の目的は、円滑に開錠することにある。上例における荷物の圧力に負けて開錠不能であるときの電子ラッチ錠は、何れも手動による強制解除されるようになっている。この機能が必要であることは言うまでもないが、開錠の試みが一度失敗したからといって、直ちにこれを最終的な開錠不能とするなら、その電子ラッチ錠の使い勝手は良いとはいえない。そもそも荷物による圧力は、押し込み収納された荷物が弾性復帰しようとする力によって生じることがほとんどである。であれば、最初の開錠の試みにより、荷物の形態が当初のそれから変化し、その結果、開錠可能な状態になっている場合も考えられる。すなわち、手動開錠する前に、電子ラッチ錠自身で開錠する可能性が残っているのだ。
さらに、特に電池駆動の電子ラッチ錠は、いつだか分からないが必ず来る電池切れの中で使用されることになる。モータが駆動せずロッカー扉を開錠できないと、ロッカー内に入れた荷物などを取り出せない。駅ロッカーに預けた荷物を電車の発車直前に取り出そうとしたが、電池切れでロッカーを開錠できない場合を想像すれば、その不都合は容易に理解できるであろう。電池切れ自体は仕方のないことであるが、そのロッカーの電子ラッチ錠は電池切れで使用できない、若しくは電池の交換時期が近い、ことを管理者・使用者が認識できれば、先の不都合は大きく改善されるはずである。しかしながら、先に示した従来の電子ラッチ錠は、そのための手段を有しない。
本発明が解決しようとする最初の課題は、手動開錠する前に、少なくとも一度セルフ開錠する機会を得られるようにすることである。また、副次的課題として、電力供給源、特に電池の電圧が限界電圧以下になったこと、また、駆動可能であるも限界電圧未満になる時期が近いことを管理者・使用者に認識させることのできる電子ラッチ錠を提供することにある。
上述の課題を解決するため本発明は、次の構成上の特徴を有している。
(請求項1記載の発明の特徴)
請求項1の電子ラッチ錠は、ケーシングと、当該ケーシング内に配された可逆モータと、当該可逆モータのモータ軸に一体回転するように固定されたカム部材と、当該カム部材に直接的もしくは間接的に従動して開錠位置と施錠位置の間で揺動するロック部材と、当該ロック部材が少なくとも開錠位置にあることを検知する少なくとも1個の位置センサと、当該ケーシングの外部又は内部に配された、当該可逆モータを駆動させるための電力を供給する電力供給源と、当該位置センサの検知結果を通じて、当該可逆モータに対する電力供給を制御する駆動制御部と、外部から開錠信号を受信するための接続端子と、を有する電子ラッチ錠である。その上で当該駆動制御部は、外力により当該施錠位置に揺動させられていた当該ロック部材を、当該接続端子に開錠信号が入力されたことを契機に当該電力供給源に所定期間の電力供給(以下、「初期電力供給」という。)をさせて揺動させようとしたが当該位置センサが当該ロック部材の当該開錠位置到達を所定期間内に検知しない場合に、当該電力供給源に少なくとも1回追加的に所定期間の電力供給(以下、「追加電力供給」という。)をさせるように構成されてなる。以上が請求項1の電子ラッチ錠の特徴である。
(請求項2記載の発明の特徴)
請求項2の電子ラッチ錠は、請求項1の電子ラッチ錠の好ましい態様として、前記駆動制御部は、前記初期電力供給と前記追加電力供給の間、もしくは前記追加電力供給の後、前記初期電力供給及び前記追加電力供給における回転方向とは逆方向に前記可逆モータを回転させるための所定期間の電力供給(以下、「逆回転電力供給」という。)を、かつ、当該逆回転電力供給の所定期間終了後に、前記初期電力供給及び前記追加電力供給における回転方向と同方向に当該可逆モータを回転させるための所定期間の電力供給(以下、「再回転電力供給」という。)を、前記電力供給源にさせるように、構成されている。以上が請求項2の電子ラッチ錠の特徴である。
(請求項3記載の発明の特徴)
請求項3の電子ラッチ錠は、請求項1又は2の電子ラッチ錠の好ましい態様として、前記モータは、モータによって構成され、前記駆動制御部は、前記可逆モータをPWM(Pulse Width Modulation)制御するように、かつ、前記追加電力供給のデューティー比Dfを前記初期電力供給のデューティー比Dbより大きく(Df>Db)なるように、構成されてなることを特徴とする。
(請求項4記載の発明の特徴)
請求項4の電子ラッチ錠は、請求項1の電子ラッチ錠の好ましい態様として、前記駆動制御部が前記追加電力供給を指示するも前記位置センサが当該ロック部材の前記開錠位置到達を検知しない場合に、エラー信号を生成するための駆動監視部と、当該エラー信号を前記ケーシング外へ出力するためのエラー信号出力端子と、がさらに設けられてなることを特徴とする。
(請求項5記載の発明の特徴)
請求項5の電子ラッチ錠は、請求項4の電子ラッチ錠の好ましい態様として、前記電力供給源から供給される電力の供給電圧Eを監視する電圧監視部が設けられ、当該供給電圧Eが前記モータを駆動不可となる所定の限界電圧Eg未満(E<Eg)まで低下したことを当該電圧監視部が検知した場合、前記駆動監視部が前記エラー信号を生成するように構成されてなるものであることを特徴とする。
(請求項6記載の発明の特徴)
請求項6の電子ラッチ錠は、請求項の電子ラッチ錠の好ましい態様として、前記電力供給源は、電池により構成され、前記駆動監視部は、前記エラー信号を生成する前に予告エラー信号を生成するように構成され、当該予告エラー信号は前記供給電圧Eが前記限界電圧Egより僅かに高電圧である所定の準限界電圧Ej未満になった(Eg≦E<Ej)ことを前記電圧監視部が検知した際に生成されるように構成されてなることを特徴とする。
(請求項7記載の発明の特徴)
請求項7の電子ラッチ錠は、請求項1又は2の電子ラッチ錠の好ましい態様として、前記少なくとも1個の位置センサは、前記駆動制御部に電気的に接続されたホールセンサにより構成され、前記カム部材には、当該ホールセンサに検出させるための少なくとも1個の磁石片が設けられている、ことを特徴とする。
(請求項8記載の発明の特徴)
請求項8の電子ラッチ錠は、請求項の電子ラッチ錠の好ましい態様として、前記駆動制御部には、前記ホールセンサとは別の補助ホールセンサが電気的に接続され、当該カム部材には、前記磁石片とは別に、当該補助ホールセンサに検出させるための少なくとも1個の補助磁石片が設けられている。ここで前記駆動制御部は、前記駆動監視部がエラー信号を出力していないことを前提に、外力により前記施錠位置に揺動させられていた前記ロック部材を、当該接続端子に開錠信号が入力されたことを契機に揺動させた後、前記ホールセンサによる前記磁石片の近接検出の結果に基づき当該ロック部材の揺動を当該開錠位置で停止させるように、前記可逆モータを通電制御するように構成され、かつ、前記駆動監視部がエラー信号を出力しているときは、外力により前記施錠位置に揺動させられようとした前記ロック部材を、前記施錠位置に留まらせずに揺動させた後、当該補助ホールセンサによる当該補助磁石片の近接検出の結果に基づき前記施錠位置以外の任意の待機位置で停止させることで施錠不能となるように、前記可逆モータを通電制御するように構成されている。以上が請求項8の電子ラッチ錠の特徴である。
(請求項1記載の発明の効果)
請求項1の電子ラッチ錠によれば、初期電力供給させるも何らかの原因によりロック部材の開錠位置到達が検知されない場合、駆動制御部は、電力供給源に追加電力供給を少なくとも1回させる。初期電力供給により、電子ラッチ錠の置かれた環境(たとえば、ロッカー内の荷物状態)が変化する可能性が生まれ、その時点では開錠不可でも追加電力供給によりセルフ開錠され得る。手動開錠の必要性を低くする分、電子ラッチ錠の使い勝手がよくなる。
(請求項2記載の発明の効果)
請求項2の電子ラッチ錠によれば、初期電力供給の後、追加電力供給の前もしくは後に逆回転電力供給を行うことで電子ラッチ錠の置かれた前記環境の変化する可能性がより高まる。よって、逆回転電力供給の後に再回転電力供給によりセルフ開錠される確率が高まる。
(請求項3記載の発明の効果)
可逆モータをPWM(パルス幅変調)制御することで、単なる電圧制御に比べて制御しやすくなるし、消費電力の面でも有利となる。その上、追加電力供給のデューティー比Dfを前記初期電力供給のデューティー比Dbより大きく(Df>Db)なるようにすること、すなわち、追加電力供給を初期電力供給よりもトルクを大きくすることで、よりセルフ開錠を実現しやすくする。
(請求項4記載の発明の効果)
請求項4の電子ラッチ錠によれば、駆動制御部が電力供給部に追加電力供給させるも何らかの原因によりロック部材の開錠位置到達が検知されない場合に、駆動監視部はエラー信号を生成する。このエラー信号はエラー信号出力端子から取り出すことができるので、このエラー信号を活用すればロック部材の開錠位置未達を管理者・使用者が認識することができる。エラー信号は、これを別付けのLED点灯や外部制御コンピュータを介した警告表示などにより、その旨を使用者・管理者に知らせることができる。
(請求項5記載の発明の効果)
請求項5の電子ラッチ錠によれば、予め設定された所定の限界電圧Eg以下まで供給電圧Eが低下した場合に駆動監視部がエラー信号を生成する。電圧監視部という簡素な構成により、供給電圧を監視することができる。
(請求項6記載の発明の効果)
請求項6の電子ラッチ錠によれば、予告エラー信号を取り出し可能に生成することにより、電池切れによる開錠不可となる時期が近いことを管理者・使用者に認識させることができる。完全に開錠不可となる前にその予告をすることで、電子ラッチ錠、ひいては、それを搭載したロッカー等の信頼性を高めることができる。
(請求項7記載の発明の効果)
請求項7の電子ラッチ錠によれば、ホールセンサ(ホール素子、ホールIC)と磁石片の組み合わせは、シンプルながら正確な検出ができるし、機械的なセンサに比べ寿命が長いという特長がある。
(請求項8記載の発明の効果)
請求項8の電子ラッチ錠によれば、エラー信号が出力されていないときの駆動制御部は、開錠信号を待って可逆モータを駆動させて施錠状態にあるロック部材を開錠位置まで揺動させる(開錠状態にする)。ロック部材が開錠位置まで揺動到達したかどうかは、ホールセンサによる磁石片の磁力検出によって把握される。一方、エラー信号が出力されているときの駆動制御部は、可逆モータを駆動させてロック部材を待機位置で停止される。ロック部材の停止は、補助ホールセンサによる補助磁石片の磁力検出が契機となる。待機位置停止が確実に行われることで、エラー信号が出力されている際にロック部材が施錠位置に到達すること、すなわち、施錠不能となる。つまり、エラー状態なのにロック部材がロックすることを未然防止することができ、これが電子ラッチ錠ひいてはこれを搭載するロッカー等に対する使用者・管理者の信頼を醸成する。
電子ラッチ錠の正面斜視図である。 電子ラッチ錠の背面斜視図である。 蓋体を外した電子ラッチ錠の正面図である。 蓋体を外した電子ラッチ錠の正面図である(隠れた部分を破線で表示)。 電子ラッチ錠の分解斜視図である。 ロック部材の斜視図である。 トリガーの斜視図である。 解除レバーの斜視図である。 カム部材の斜視図(a)(c)(f)、平面図(b)、正面図(d)、側面図(e)である。 蓋を外した電子ラッチ錠の施錠状態(ロック部材が施錠位置にある状態)を示す正面図である。 蓋を外した電子ラッチ錠の施錠と開錠の中間状態(ロック部材が施錠位置と開錠位置の間にある状態)を示す正面図である。 蓋を外した電子ラッチ錠の開錠状態(ロック部材が開錠位置にある状態)を示す正面図である 図10に示す電子ラッチ錠の部分拡大図である。 図11に示す電子ラッチ錠の部分拡大図である。 図12に示す電子ラッチ錠の部分拡大図(a)と待機状態を示す部分拡大図である(b)。 モータ制御部の概略構成を示すブロック図である。 モータ制御部の動作を示すフローチャートである。 通常運用時を示すPWM図である。 異常発生時を示すPWM図である。 本変形例に係るカム部材の斜視図(a)(b)(c)、正面図(d)である。 本変形例に係るモータ制御部の概略構成を示すブロック図である。 本変形例に係るモータ制御部の動作を示すフローチャートである。
各図を参照しながら、本実施形態の電子ラッチ錠について説明する。なお、本願では、図3に示す除隊を電子ラッチ錠の正面視の状態とする。
(電子ラッチ錠の概略構造)
図1乃至5を参照する。電子ラッチ錠1を外観構成するのは、蓋部3a付きケーシング3である。ケーシング3は、金属もしくは合成樹脂を素材とする、概ね薄型で一方の側面が開口する横長箱体である。ケーシング3の開放面は、ネジ3b,3bによって固定される蓋部3aにより閉鎖される。横長のケーシング3の一方の短辺側には、ケーシング3の外にある被ロック部材R(図10)を受け入れるための錠止め凹部が横向きU字状に形成されている。ケーシング3の内部には、可逆モータ(以下、適宜「モータ」と略称する)25、カム部材27,トリガー11、ロック部材5が主要部材として納められている。
(モータ周りの構造)
図3乃至9を参照する。ケーシング3の内部において、符号25で示すものは開錠駆動源となるモータである。モータ25に対する給電は、後述するモータ制御部29を介して図外から行われる。モータ25のモータ軸25a(図5)は、カム部材27のモータ軸孔27b(図9(f))に差し込まれ、側方に開口するピン孔に差し込まれたカム固定ピン27p(図5)によってカム部材27と一体回転するように固定される。
(カム部材の構造)
図3乃至5及び9を参照する。カム部材27は、モータ軸25aと同軸で円筒状のカム本体27aと、カム本体27aの外周面に沿って部分周回する傾斜カム路27dが設けられている。図9(b)が示すように本実施形態では、平面視4時の位置(始点27e)から9時の位置(終点27f)まで反時計回り180度強にわたって傾斜カム路27dが部分周回している。傾斜カム路27dの登り傾斜角度は、特に限定はないが、たとえば、20度~60度なら好適である。傾斜カム路27dの外周には、磁石片27mが取り付けられている。この磁石片27mをカム本体27aの外周に設けることもできるが、傾斜カム路27dの外周に取り付けた方が後述するホールセンサとの距離を短くできる、すなわち、検知精度が高めることができる。
(トリガーの構造)
図3乃至5及び7を参照する。トリガー11は、トリガー軸13によってケーシング13に揺動自在に支持される部材であって、トリガー軸13は、概ね縦長四角形のトリガー本体11aに設けられる。トリガー本体11のトリガー軸13の近傍からロック部材5方向(図3の右方向)に側方アーム11bが突き出している。側方アーム11bの先端部の正面視裏側には、回転ローラー17(図4に破線で表示)がピン孔11p(図7)に差し通されたローラー軸17aにより回転自在に設けられている。側方アーム11bとトリガー本体11aによって形成される略直角の端面は、押圧角部11eになっている。トリガー本体11aからカム部材27方向(図3の下方向)に従動アーム11cが突き出している。従動アーム11cは、カム部材27のカム本体27aの開放端近傍に達し、後述するように駆動モータ25の駆動により傾斜カム路27dと摺動接触可能な位置に配されている。
一方、トリガー本体11aの上部から上方(図3の上方向)に解除アーム11gが突き出していて、この解除アーム11gはケーシング3の開口3jから外に突出している。解除アーム11gは、電源消失などの理由によりモータ25を駆動できない場合に、ケーシング3の外において外力を付加してロック部材5を開錠位置に戻すための部材である。トリガー本体11aの側方アーム11bとは反対側の側方に三角突起11dが突き出し、解除レバー19と向き合う端面にレバー当接面11d´が形成されている。トリガー11aの下方から三角突起11dの突き出し方向と同方向にスイッチアーム11fが突出している。スイッチアーム11fの先端は、ケーシング3の内部に向かって(図3の紙面背面方向に)ほぼ直角に折り曲がっている(図7)。なお、トリガー11は、トリガー軸13に巻き付けられたトリガースプリング15(図5)によりロック部材5に向かう方向(図3の正面視時計回り方向)に揺動付勢されている。トリガー11がカム部材27とロック部材5の間に設けられる理由は、ロック部材5に加えられる開錠方向の外力を遮断することによりカム部材27ひいてはモータ25に当該外力が直接加わらないようにするためである。つまり、本実施形態のロック部材5は、トリガー11を介して間接的にカム部材27に従動揺動するようになっている。上述の外力の加わりに物理的問題が生じないと判断する、もしくは、他の外力遮断方法を講じるのであれば、トリガー11を省略することを妨げない。
(ロック部材の構造)
続いて図3乃至5及び6を参照する。ロック部材5は、変形四角形のロック部材本体5aと、ロック部材本体5aの下方に一体形成されたくの字状のフック部5bとを主要部位とする部材である。ロック部材本体5aのフック部5bの近傍には、軸孔5hが貫通形成され(図6)、軸孔5hを差し通したロック軸7により、ケーシング3に対し揺動自在に支持されている。フック部5bはケーシング3の鍵止め凹部3hの近傍に位置し、施錠位置まで揺動したときに、鍵止め凹部3hの底部との間に被ロック部材R(図10)を抱き込む空間を形成する位置に配されている。
ロック部材本体5aには、回転ローラー17を転がり接触させるためのローラー当接面5cが緩やかなカーブ状に形成されている。ロック部材5は、トリガー部材11の正面視裏側に位置しており、ロック部材本体5aの上部には、側方アーム11bの下端面と摺動可能に接触する案内ピン5eが正面視手前方向に突き出している。一方、ローラー当接面5cの輪郭線と連続する輪郭線で形成される係合凹部5dが、ロック部材本体5aの中央に向かって食い込むように形成されている。なお、ロック部材5は、ロック軸7に巻き付けられたロックスプリング9(図5)により開錠位置に向かって(図3の時計回り方向)付勢されている。
(解除レバーの構造)
解除レバー19は、直線状に並ぶ解除アーム19aと押圧アーム19bを、両者の間でやや膨らんだフランジ部19cを有している。フランジ部19cには軸孔19hが貫通形成され、そこに差し入れられたレバー軸21によりケーシング3内に位置するように蓋体3aの内側に揺動自在に支持されている。解除レバー19は、レバー軸21に巻き付けられたレバースプリング23(図5)により、トリガー11のレバー当接面11d´から離れる方向に付勢されている。解除アーム19aは、ケーシング3の側面に貫通形成された開口3kを抜け、外部操作できるように外に突き出している。解除レバー19は、トリガー11の解除アーム11gと同じ目的で儲けられている。解除アーム11gが存在するのに、併せて解除レバー19を設けた理由は、電子ラッチ錠1の取り付け環境の違いに柔軟に対応するためと、万が一、一方の操作に妨げがあっても他方の操作により解除可能とするためである。
(モータ制御部の構造)
図3、4、16及び17を参照する。モータ制御部29は、基板本体29aに取り付けられたワンチップマイコン29b等の電子部品群や位置センサとしてのホールセンサ(ホール素子、ホールIC)29c、外部から電力や開錠信号を受けるための接続端子29d,出力端子29eなどから構成されている。ホールセンサ29cは、基板本体29aのカム部材27側において、カム部材27の磁石片27mの磁力を効率よく検知できる位置に配されている。なお、位置センサとして本実施形態はホールセンサを採用したのは、磁石の磁力を検出する精度の高さや長期的使用に適した物理的構造による。図示は省略するが、たとえば光センサのような高額的センサやマイクロスイッチのような機械的センサなど、方式・形式の異なるセンサを排除する意図はない。
さらに、外部管理装置(たとえば、管理コンピュータ、図示を省略)と管理端子33を介して電気的に接続可能なスイッチ(マイクロスイッチ)31aをスイッチユニット31に取り付けてある(図3、4)。スイッチユニット31は、正面視トリガー11の左側に配してある。スイッチ31aはアクチュエーター31bを備え、アクチュエーター31bとスイッチアーム11fとが、ロック部材5が施錠状態にあるときのトリガー11の揺動に伴ってオン操作とその解除ができる相対位置に両者が配されている。管理端子33は、外部から電気的接続できるようにケーシング3の開口3m(図2)を介して外部に露出している。
ワンチップマイコン29bの中には、駆動制御部30a、駆動監視部30b及び電圧監視部30cがプログラム的に設けられている。駆動制御部30aは、主としてホールセンサ(位置センサ)29cの検知結果を通じて、モータであるモータ25に対する電力供給をPWM制御、すなわち、オンとオフを繰り返し切り替えることで制御する部門である。駆動監視部30bは、駆動制御部30aが所定期間電力供給させるもホールセンサ29cがロック部材5の開錠位置到達を検知しない場合に、エラー信号・準エラー信号を生成する機能を有している。電圧監視部30cは、電力供給源35から供給される電力の供給電圧Eを監視する役目を担っている。なお、本実施形態における電力供給源35は電池(一次電池、二次電池)であり、その場合の供給電圧Eは、たとえば6Vが好適である。商用電源を排除する趣旨ではないが、電池を採用したのは商用電源を調達しにくい場合(たとえば、電源がない、電源はあるが配線不便・不可)にスタンドアローンで電子ラッチ錠(を搭載したロッカー等)を使用可能とするためである。
(モータ制御部の作用)
図10乃至19を参照する。図10は図13に、図11は図14に、そして、図12は図15(a)に対応している。図10及び13は施錠位置を、図11及び14は施錠と開錠の間の位置を、そして、図12及び15(a)は開錠位置を、それぞれ示す。順番が逆になるが、図12及び15(a)が示す開錠位置から説明を始める。
開錠位置にあるロック部材5は、ロックスプリング9の付勢により、錠止め凹部3hを開放している。ここで、錠止め凹部3h内に被ロック部材Rが侵入して被ロック部材5を押圧すると、この押圧力を受けた被ロック部材5は、ロックスプリング9(図5)の付勢力に逆らいながら反時計回り方向に揺動する。この揺動とトリガースプリング15(図5)の付勢力によるトリガー11の時計回り方向の揺動に伴い、図15(a)に破線で示す回転ローラー17がローラー当接面5cと転がり接触しながら時計回り方向に移動し、ローラー当接面5cを乗り越えて係合凹部5dと係合停止する(図13)。この係合停止によりロック部材5は施錠位置に到達し、フック部5bが錠止め凹部3hの中に被ロック部材Rを抱き込んだ状態で閉鎖する。さらに、案内ピン5eが側方アーム11bの下端に沿って摺動し、揺動したトリガー11の押圧角部11eに当接する。こうしてロック部材5とトリガー11は、回転ローラー17と押圧角部11eにより、互いにそれ以上の揺動が制限される。この際に
スイッチアーム11fは、スイッチ31aのアクチュエーター31bを押圧し、ロック部材5が施錠位置にあることを示すオン操作状態になる。スイッチ31aは、管理端子33に外部管理装置(図示を省略)が電気的に接続されているとき、その外部管理装置にオン操作を認識させることになる。
次は、図10乃至19を参照する。プログラムがスタートすると電圧監視部30cは、電力供給源35の供給電圧Eがモータ25をトルク的に駆動不可となる所定の限界電圧(本実施形態では3V)Eg未満(E<Eg)まで低下していないか継続監視する(図17、S1)。S1で供給電圧Eが限界電圧Eg未満まで低下したことを検知した電圧監視部30cは、その検知結果を駆動監視部30bに伝達する(S1のYes)。限界電圧Egとは、負荷がかかっている状態のモータ25が駆動不可となる電圧である。前述のように本実施形態における供給電圧Eは6Vに設定してあるが、モータ25の定格や負荷の状態に合わせて適宜変更してよい。
限界電圧Eg未満まで低下したとの検知結果を受けた駆動監視部30bは、エラー信号を生成して出力端子29eに所定期間出力してからスタート時に戻る(S13、図19(9))。ここで出力端子29eに告知装置37を接続しておき、エラー信号Seを媒体(たとえば、LEDによる可視的告知、スピーカーによる聴覚的告知、いずれも図示を省略)に変換すれば、管理者・使用者に電池切れと対処必要性を認識させることができる。ここで、エラー信号Seの出力期間は、告知装置37が管理者・使用者に対する告知作用を発揮するに十分な期間であることが少なくとも必要で、これに終期を設けてもよいし、設けずに電池切れまでとしてもよい(後述する予告エラー信号Snでも同じ)。
S1で供給電圧Eが限界電圧Eg以上であること(E≧Eg)を検知した電圧監視部30cは(S1のNo)、供給電圧Eが準限界電圧Ej未満(E<Ej)になっていないかを確認する(S3)。準限界電圧Ejとは、限界電圧Egより僅かに高電圧な所定の電圧のことである。つまり、負荷がかかった状態のモータ5を回転させられる電圧ではあるが、このまま使用継続すると近いうちに限界電圧Eg未満まで低下してモータ25を回転させられなくなる(開錠できなくなる)電圧である。本実施形態の準限界電圧Ejは、3.5Vに設定した。前述したように3V未満まで低下するとモータ25は回転不能となるので、完全に電池切れになる前に予告するための電圧幅は0.5Vとなる。
S3で供給電圧Eが準限界電圧Ej未満まで低下していることを検知した電圧監視部30cは、その検知結果を駆動監視部30bに伝達する(S3のYes)。準限界電圧Ej未満まで低下したとの検知結果を受けた駆動監視部30bは、予告エラー信号Snを生成し出力端子29eに所定期間出力してスタート時に戻る(S15、図19(8))。予告エラー信号Snは、供給電圧Eが近く限界電圧Eg未満になることを管理者・使用者に認識させ、早めの電池交換などを促すための信号である。処理フローでは電圧監視部30cの監視は限界電圧Egを先行確認することになるが(S1、S3)、エラー信号Seが準エラー信号Snより先に出力されることはない。つまり、駆動監視部30bは、S13のエラー信号Seを生成する前に予告エラー信号Snを生成することになる。なお、予告エラー信号Snは間欠信号にすると、エラー信号Seと区別しやすくなる点で好ましい。
S3において供給電圧Eが準限界電圧Ej以上であることを確認した電圧監視部30cは(S3のNo)、接続端子29dを介して入力される開錠信号Skを待ち続け(S5のNo)、開錠信号Skを受信したら駆動制御部30aを介してモータ25に電力供給して駆動させる(S5のYes、S7、図18(1)(2))。こうした初期における電力供給(初期電力供給)のデユーティ比Dbは、消費電力との兼ね合いから40%と設定したが、これは必要に応じて、100%を含め適宜設定してよい。本実施形態における電力供給源35は電池であることから、消費電力を考慮すると20~50%の範囲が好ましい。
モータ25が駆動するとカム部材27が回転し、これに伴い磁石片27mも回転する。カム部材27が回転すると、回転してきた傾斜カム路27dにトリガー11の従動アーム11cが当接する。さらなる回転により従動アーム11cは傾斜カム路27dに摺動案内され、トリガースプリング15(図5)の付勢力に逆らいながら反時計回り方向に揺動する。
トリガー11の反時計回りの揺動により、トリガー11の回転ローラー17とロック部材5の係合凹部5dとの係合が外れ、トリガースプリング15及びロックスプリング9(図5)の付勢力、さらに、ロック部材5の案内ピン5eとトリガー11の押圧凹部11eとの相互押圧が相まってロック部材5を時計回り方向に揺動させる。このトリガー11の揺動に伴い、モータ制御部29の制御とは無関係であるが、トリガー11のスイッチアーム11fによるマイクロスイッチ31aのアクチュエーター31bのオン操作が解除される(図11及び14)。
S7におけるモータ25の駆動後、駆動監視部30bは、ホールセンサ29cが磁石片27mの磁力を所定期間(本実施形態では2秒に設定。所定時間は、適宜、増減してよい。以下、同じ)内に検知したら(S17)、その旨を駆動制御部30aに伝達する(S9のYes)。磁力検知の伝達を受けたということはロック部材5が開錠位置にあることだから、ここで駆動制御部30aは、給電を中止してモータ25の回転を停止させスタートに戻る(S11、図18)。
上述したS7乃至S11の処理を信号面から見ると、次のようになる。図18の(3)は、モータ25の駆動前(停止状態)の磁石片27mは、その磁力がホールセンサ29cにより検知可能位置に停止していたことを示している。その後、駆動制御部30aを介したモータ25の駆動により一時的に検知不能となるが(図18(3))、さらなる駆動により再び検知される(図18(4))。磁力検知によりモータ25は停止する(図18(5))。
S9に戻る。駆動監視部30bは、ホールセンサ29cが磁石片27mの磁力を検出しない状態が設定時間である2秒続いたところで(S9のYes)、駆動制御部30aを介して電力供給しモータ25をS7のモータ駆動と同方向に再駆動させる(S17のYes、S19、図18(1))。再駆動の意図は、磁石片27mの磁力が検出されないのは、たとえば何らかの理由による機械的不都合だったり、電子ラッチ錠1が搭載されたロッカーの扉(図示を省略)に荷物の端が引っかかったりすることが想定されるが、これを再駆動により解除・解消する試みにある。追加する電力供給(追加電力供給)のデユーティ比Dfは、先に述べたデユーティ比Dbと同じく40%としてもよいが、好ましくは、より大きく、たとえば60~100%に設定するとよい(本実施形態では80%に設定した)。 デユーティ比Dfの設定値は、デユーティ比Dbのそれに応じて変更可能であることは言うまでもない。本実施形態での追加電力供給は1回とした(初期電力供給を含めて2回の電力供給)が、2回もしくは3回以上とすることを妨げないことを付言しておく。
再稼働後、再び設定時間である2秒以内に磁石片27mの磁力がホールセンサ29cによって検知されるのを待つ(S21、23)。磁石片27mの磁力が検知されたら(S23のYes)、それは開錠を示すものだから、S11へ戻り駆動制御部30aを介して給電を遮断しモータ25を停止させる。一方、2秒間待ってもホールセンサ29cが磁石片mの磁力を検知しなかった場合(S23のNo)、ここで必須ではないが好ましい駆動制御部30aは、モータ25を所定時間(本実施形態では2秒間。増減可能)、逆回転電力供給を行いS7のモータ駆動と逆方向に駆動させるように設定されている(S25)。逆方向駆動の意図は、先のS19の再駆動と同じであるが、逆方向駆動という先の再駆動とは異なる条件を付与することにより、先に述べた不都合、特に荷物の引っかかりを解除・解消する可能性を高める点にある。S25の逆回転後の駆動制御部30aは、S21と同様に所定時間到達を待ち(S27)、S23と同様にホールセンサ29cが磁石片27mの磁力を検出したらS11へ進んでモータ25の駆動を停止させる(S29、再回転電力供給)。S29において磁石片27mの磁力検出ができなかったときの駆動制御部30aは、S13へ進んで駆動監視部30bにエラー信号Seを生成させる(図19(7))。
(本実施形態特有の効果)
電子ラッチ錠1によれば、まずは、モータ25をPWM(パルス幅変調)制御することで単なる電圧制御に比べて制御しやすくなるし、消費電力の面でも有利となる。その上、追加電力供給のデューティー比Dfを、初期電力供給のデューティー比Dbより大きく(Df>Db)、具体的には、前者の比を80%として、後者の比の40%の倍とした。これにより、追加電力供給のトルクは初期電力供給のそれよりも大きくなり、これによって、よりセルフ開錠を実現しやすくなり、使い勝手が向上した。モータ25の逆回転により、よりセルフ開錠の可能性が高まり、さらなる使い勝手の向上に貢献する。
次いで、電力供給源35の不都合による開錠不能をエラー信号Seによって管理者・使用者に認識させる。供給電圧Eの放電による電圧低下を予告エラー信号Eyの生成・出力とエラー信号の生成・出力という二段階方式により、管理者・使用者に電力供給源35の電圧低下の発生・到来を認識させる。これにより管理者は電池の交換などにより、開錠不能による使用者の不都合を有効に回避することができる。よって、電子ラッチ錠1は、住宅、職場、公共施設等の施設においてロッカー扉等に使用するのに大変使い勝手がよい。
(本実施形態の変形例)
次に、本実施形態の変形例(以下、適宜「本変形例」という)について説明する。本変形例の電子ラッチ錠とこれまで説明した本実施形態の電子ラッチ錠との間の機械的構造の違いは、一部を除きほとんどない。主として違うのは、制御部分である。よって、重複を避けるため以下の説明では、この一部の機械的構造と制御部分を中心に行う。機械的構造において共通する部分については、図20以下において本実施形態の説明で使用した部材番号等をそのまま用いるにとどめ、その部分についての説明は本実施形態のそれらにゆだね、可能な範囲で省略する。また、必要に応じて本実施形態で示した図面を引用する。
(カム部材の変形例)
図20に示すように、本変形例に係るカム部材57は、カム本体57aとカム傾斜路57d、さらに、貫通孔であるピン孔57hを備えている。図9をも参照しながら説明する。本変形例に係るカム部材57の外観構成と、カム機能については、カム部材27のそれらと同じであるから、それらの説明は省略する。本変形例のカム部材57が本実施形態のカム部材27と違う点は、前者の磁石片の数が2個であるのに対し、後者の磁石片の数が1個である点のみである。
(磁石片の構造と作用)
カム部材57にはロック部材5が開錠位置にあることを検知させるための磁石片57m1(図9の27mに該当)が1個設けられているところ、カム部材57には磁石片57m1と補助磁石片57m2の2個設けられている。磁石片57m1は磁石片27mとほぼ同じ位置となるカム傾斜路57dの外側に設けられ、後述するホールセンサ59c1にロック部材5(図21)が開錠位置に存在もしくは近接することを検知させる機能については本実施形態の磁石片27mのそれと異ならない。図20に示すように磁石片57m1は楕円形であり、図9に示す磁石片27mは四角形であるが、形状の違いは作用的に差異を生じさせない。後述する補助磁石片57m2の形状についても同じである。
(補助磁石片の構造と作用)
補助磁石片57m2は、カム傾斜路57dの外周の、磁石片57m1と周方向に並び終点57fのモータ25寄りに設けられている。もっとも、磁石片57m1とともに補助磁石片57m2を設ける位置は、後述するホールセンサ59c1と補助ホールセンサ59c2との相対関係に左右されるものであるから、上記位置以外の位置に配置することを妨げない。補助磁石片57m2は、磁石片57m1と構造的に同じである。補助磁石片57m2は、ロック部材5が施錠位置と異なる所定の待機位置、すなわち、開錠位置を含む施錠不能位置にある、若しくは近接していることを後述する補助ホールセンサ59c2に検出させるためのものである。
(モータ制御部の構造)
図21を参照する。図21に示す駆動制御部30aは、先のモータ制御部29(図16)と一部を除き基本構造と作用効果は同じである。異なるのは、駆動監視部30bには、磁石片57m1に対応するホールセンサ59c1とは別に、補助磁石片57m2に対応する補助ホールセンサ59c2が外付けされている点である。ホールセンサ59c1及び補助ホールセンサ59c2は、基板本体29aのカム部材57側において、カム部材57の磁石片57m1及び補助磁石片57m2のそれぞれの磁力を効率よく検出できる位置に配されている。
(モータ制御部の作用)
図20乃至22を参照する。開錠位置にあるロック部材5は、ロックスプリング9の時計回り方向の付勢により、錠止め凹部3hを開放している(図15(a)に示す状態と同じ状態)。ここで、開放状態にある、たとえばコインロッカーの扉(図示を省略)が人の手(外力)により閉鎖方向に揺動させられる。これに伴い扉に設けられている被ロック部材Rが錠止め凹部3h内に侵入してロック部材5を押圧すると、この押圧力を受けたロック部材5は、ロックスプリング9(図5)の付勢力に逆らいながら反時計回り方向に揺動する。本実施形態の作用と作用を奏するため詳細を省略するが、最終的にロック部材5は施錠位置に到達し、フック部5bが錠止め凹部3hの中に被ロック部材Rを抱き込んだ状態で閉鎖し、それ以上の揺動が制限される(図10)。
今、ロック部材5は、外力により施錠位置に揺動させられていて(たとえば、使用者によりロッカーの扉が閉められた状態)、これを使用者開錠しようとする状態である。ここで電源オンによりプログラムがスタートすると駆動制御部30aは、駆動監視部30bが生成するエラー信号の有無を確認する(S51)。エラー信号を確認した駆動制御部30aは、エラー信号出力端子29eにエラー信号を出力し告知装置37(本変形例では、発光素子)を点灯させつつ(S53)モータ25を通電駆動する(S55)。通電駆動後、補助磁石片57m2の磁力を補助ホールセンサ59c2が検出したら(S57)、駆動制御部30aは通電を遮断してモータ25の駆動を停止してプログラムを終了する(S59)。
モータ25の停止位置、すなわちロック部材5の停止位置は、施錠位置(図10)以外の任意の待機位置となるように設定する。待機位置は施錠できない位置、すなわち施錠位置以外であれば任意の位置を選択できるが、たとえば図15(b)に示す位置が好ましい。なぜなら、同図においてトリガー11の従動アーム11cがカム部材27の傾斜カム路27dに接触している、つまり、揺動アーム11が傾斜カム路27dに揺動阻止されているからである。告知装置37は、プログラム終了後も(電源が確保できる限り)継続駆動させることが好ましい。何らかの事情によりエラー信号が生成された電子ラッチ錠1が、そのままで再び使用されないように使用者や管理者に報知するためである。この設定は、たとえば、プログラム的に調整する、補助磁石片57m2の磁力検知からどれほど遅らせるかをカム部材57の回転速度との兼ね合いから調整する、さらに補助磁石片57m2と補助ホールセンサ59c2との相対位置を工夫することで調整可能である。
一方、S51においてエラー信号を確認しなかった駆動制御部30aは、接続端子29dを介した開錠信号の受信を繰り返し待つ(S61)。開錠信号を受信したときの駆動制御部30aは、モータ25に給電して駆動させる(S63)。この駆動に伴う各部材の作用効果は、本実施形態の電子ラッチ錠1の作用効果と同じである。一方、駆動制御部30aがモータ25に給電駆動し所定時間(たとえば、3秒。設定により長短可能)内にホールセンサ59c1が磁石片57m1の磁力を検出したら(S65)、モータ25への通電を止めて停止させる(S67)。この停止によりロック部材5が、施錠位置から離れ(すなわち、ロックの解除)開錠位置で停止することになる(図12)。
他方、S65において、上記の所定時間を経過してもホールセンサ59c1が磁石片57m1の磁力を検出しないときは、S71へ進む。ここで所定時間が経過してしまう原因として考えられるのは、たとえば、S51で既にチェックはされているものの、その後の事情変化により開閉を実行するためには十分な電圧が得られなくなった、電子ラッチ錠1が取り付けられている、たとえばロッカーの扉(図示を省略)に荷物の一部が噛み込んで開けなくなった、等の事情の発生・存在である。
S71へ進んだ駆動制御部30aは、必須ではないが好ましい態様として所定時間(たとえば、2~3秒)、モータ25を逆転させる(S71)。モータ25の逆転により、先の例にある扉に噛み込んだ荷物の一部が外れ、正常使用が可能になる場合があるからである。不要と考えるなら、S71は省略可能である。S71で逆転させたモータ25を、今度は正転(開錠方向の回転)させる(S73)。すなわち、再駆動、リトライである。再駆動の後、駆動制御部30aは、所定時間(たとえば、3秒)内にホールセンサ59c1が磁石片57m1の磁力を検出したらモータ25への通電を停止しスタートに戻る(S75,S77)。S77は先のS67と同様内容のステップである。
一方、S75において先の所定時間を経過してしまった場合の駆動制御部30aは、駆動監視部50aに開錠エラー信号を生成させて出力端子29eを介して告知装置(発光素子)37を稼働させる(S79、S81)。この場合、S71とS73において再駆動した後のエラーなので、開錠できる可能性が極めて低い。よって、S81の後は、モータ25への通電を停止し(S83)、プログラムを終了する。告知装置37を介して使用者・管理者に報知し、開錠レバー13g(図10~15)を手動操作による開錠を試みることになる。
(ホールセンサの仕様)
これまで説明したように本変形例では、磁石片57m1とホールセンサ59c1がペアになり、補助磁石片57m2と補助ホールセンサ59c2が他のペアになっている(図21)。この場合、磁石片57m1の両極性のうち、何れの極性がホールセンサ59c1と検出可能に対向するものであっても構わない。すなわち、ホールセンサ59c2に対向する磁石片57m1の極性はN極であってもS極であってもよい。この点は、補助磁石片57m2と補助ホールセンサ59c2のペアについても同じである。
一方、上記したホールセンサ59c1とホールセンサ59c2という2個のホールセンサを、1個の交番検知用ホールセンサ(図示を省略)で代替することができる。この場合、交番検知用ホールセンサに対向する磁石片57m1の極性はS、同じく補助磁石片57m2の極性はN(または、これらの逆)とするため、すなわち交番検知可能となるように互いに逆極性に設置することが必要である。交番検知用ホールセンサを代替部材として用いることは、部品点数を1個とすることができる点で有利となる。
1 電子ラッチ錠
3 ケーシング
3a 蓋体
3b 蓋ネジ
3h 錠止め凹部
3j 開口
3k 開口
3m 開口
5 ロック部材
5a カム本体
5b 鍵止めフック
5c ローラー当接面
5d 係合凹部
5e 案内ピン
5h 軸孔
7 ロック軸
9 ロックスプリング
11 トリガー
11a トリガー本体
11b 側方アーム
11c 従動アーム
11d レバー当接面
11e 押圧凹部
11f スイッチアーム
11g 解除アーム
11h 軸孔
11p ピン孔
13 トリガー軸
15 トリガースプリング
17 回転ローラー
17a ローラー軸
19 解除レバー
19a 解除アーム
19b 押圧アーム
19h 軸孔
21 レバー軸
23 レバースプリング
25 モータ
25a モータ軸
27,57カム部材
27a カム本体
27b モータ軸孔
27c ピン孔
27d 傾斜カム路
27h ピン孔
27m 磁石片
27p カム固定ピン
29 モータ制御部
29a 基板本体
29b ワンチップマイコン
29c ホールセンサ(位置センサ)
29d 接続端子
29e 出力端子
30a 駆動制御部
30b 駆動監視部
30c 電圧監視部
31 スイッチユニット
31a スイッチ(マイクロスイッチ)
31b アクチュエーター
33 外部管理端子
35 電力供給源
37 告知装置
57m1 磁石片
57m2 補助磁石片
Db 初期電力供給のデューティー比
Df 追加電力供給のデューティー比
E 供給電圧
Eg 限界電圧
Ej 準限界電圧
R 被ロック部材
Se エラー信号
Sk 開錠信号
Sn 予告信号



















Claims (8)

  1. ケーシングと、
    当該ケーシング内に配された可逆モータと、
    当該可逆モータのモータ軸に一体回転するように固定されたカム部材と、
    当該カム部材に直接的もしくは間接的に従動して開錠位置と施錠位置の間で揺動するロック部材と、
    当該ロック部材が少なくとも開錠位置にあることを検知する少なくとも1個の位置センサと、
    当該ケーシングの外部又は内部に配された、当該可逆モータを駆動させるための電力を供給する電力供給源と、
    当該位置センサの検知結果を通じて、当該可逆モータに対する電力供給を制御する駆動制御部と、
    外部から開錠信号を受信するための接続端子と、
    を有する電子ラッチ錠であって、
    当該駆動制御部は、外力により当該施錠位置に揺動させられていた当該ロック部材を、当該接続端子に開錠信号が入力されたことを契機に当該電力供給源に所定期間の電力供給(以下、「初期電力供給」という。)をさせて揺動させようとしたが当該位置センサが当該ロック部材の当該開錠位置到達を所定期間内に検知しない場合に、当該電力供給源に少なくとも1回追加的に所定期間の電力供給(以下、「追加電力供給」という。)をさせるように構成されてなる、
    ことを特徴とする電子ラッチ錠。
  2. 前記駆動制御部は、
    前記初期電力供給と前記追加電力供給の間、もしくは前記追加電力供給の後、前記初期電力供給及び前記追加電力供給における回転方向とは逆方向に前記可逆モータを回転させるための所定期間の電力供給(以下、「逆回転電力供給」という。)を、かつ、
    当該逆回転電力供給の所定期間終了後に、前記初期電力供給及び前記追加電力供給における回転方向と同方向に当該可逆モータを回転させるための所定期間の電力供給(以下、「再回転電力供給」という。)を、
    前記電力供給源にさせるように、構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載の電子ラッチ錠。
  3. 前記駆動制御部は、
    前記可逆モータをPWM(Pulse Width Modulation)制御するように、かつ、
    前記追加電力供給のデューティー比Dfを前記初期電力供給のデューティー比Dbより大きく(Df>Db)なるように、構成されてなる、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の電子ラッチ錠。
  4. 前記駆動制御部が前記追加電力供給を指示するも前記位置センサが前記ロック部材の前記開錠位置到達を検知しない場合に、エラー信号を生成するための駆動監視部と、
    当該エラー信号を前記ケーシング外へ出力するためのエラー信号出力端子と、がさらに設けられてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の電子ラッチ錠。
  5. 前記電力供給源から供給される電力の供給電圧Eを監視する電圧監視部が設けられ、
    当該供給電圧Eが前記可逆モータを駆動不可となる所定の限界電圧Eg未満(E<Eg)まで低下したことを当該電圧監視部が検知した場合、前記駆動監視部が前記エラー信号を生成するように構成されてなる、
    ことを特徴とする請求項4記載の電子ラッチ錠。
  6. 前記電力供給源は、電池により構成され、
    前記駆動監視部は、前記エラー信号を生成する前に予告エラー信号を生成するように構成され、
    当該予告エラー信号は前記供給電圧Eが前記限界電圧Egより僅かに高電圧である所定の準限界電圧Ej未満になった(Eg≦E<Ej)ことを前記電圧監視部が検知した際に生成されるように構成されてなる、
    ことを特徴とする請求項記載の電子ラッチ錠。
  7. 前記少なくとも1個の位置センサは、前記駆動制御部に電気的に接続されたホールセンサにより構成され、
    前記カム部材には、当該ホールセンサに検出させるための少なくとも1個の磁石片が設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の電子ラッチ錠。
  8. 前記駆動制御部には、前記ホールセンサとは別の補助ホールセンサが電気的に接続され、
    当該カム部材には、前記磁石片とは別に、当該補助ホールセンサに検出させるための少なくとも1個の補助磁石片が設けられ、
    前記駆動制御部は、前記駆動監視部がエラー信号を出力していないことを前提に、外力により前記施錠位置に揺動させられていた(すなわち、施錠状態にある)前記ロック部材を、当該接続端子に開錠信号が入力されたことを契機に揺動させた後、前記ホールセンサによる前記磁石片の近接検出の結果に基づき当該ロック部材の揺動を当該開錠位置で停止させるように、前記可逆モータを通電制御するように構成され、かつ、
    前記駆動監視部がエラー信号を出力しているときは、外力により前記施錠位置に揺動させられようとした前記ロック部材を、前記施錠位置に留まらせずに揺動させた後、当該補助ホールセンサによる当該補助磁石片の近接検出の結果に基づき前記施錠位置以外の任意の待機位置で停止させることで施錠不能となるように、前記可逆モータを通電制御するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項記載の電子ラッチ錠。
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