JP7350241B1 - 電流開閉装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、プランジャ形リレーには電磁開閉器(マグネットスイッチ)もあるが、電磁開閉器は、電磁接触器にサーマルリレーを付加したものであり、金属接点の動作に関しては電磁接触器と同じであるから、特に断らない限り、この明細書においては、電磁接触器には電磁開閉器も含まれるものとする。
金属接点のオン時にチャタリングが発生すると、大きな突入・始動電流を、数回~10回程度の高速で開閉を繰り返すため金属接点間に発生するアークにより金属接点が溶融・蒸発し、その後接点金属の溶着・消耗等が発生する。接点溶着を起こした場合は、接点は開極制御不能、電流継続になり、システムに甚大な被害を与えることになる。
また、機械ラッチ式の電磁接触器には2種類あって、一方は、駆動コイルが1つのみで、可動鉄片がコイル電流の方向によって接点を閉状態又はコイル電流を逆方向にすると開状態になるが、駆動電流が停止しても接点はその状態を維持、すなわちラッチされるものである(1巻線ラッチング型)。
他方は、駆動コイルを2つ持っていて、接点を閉状態にするためのコイルと、接点を開状態にするためのコイルが別々に設けられており、個々にコイルに電流を流すことによって接点の開閉状態を変化させ、コイルへの電流を停止した後もその状態を維持することができるものである(2巻線ラッチング型)。
一方、上記特許文献1に記載の電磁接触器は、金属接点がオンしている間はコイルに電流を流し続ける必要があり、金属接点がオンの間はコイルを駆動する電源をオフすることができない。
また、駆動コイルを駆動する電源は半導体スイッチのゲートを駆動する電源としても使われているため、金属接点のオンの直後に駆動コイルの電源をオフするラッチ式電磁接触器を用いた電流開閉装置の半導体スイッチのゲート駆動制御回路は、上記特許文献1に記載のゲート駆動制御回路が使えないという問題がある。
さらには、1巻線ラッチング型の場合、接点を開極する場合は、コイル電流を逆方向にする必要があるため、やはり上記特許文献1に記載のゲート駆動制御回路が使えない。
またさらに、2巻線ラッチング形の機械ラッチ式電磁接触器を用いた電流開閉装置の場合は、接点の開閉状態を切り換える場合にそれぞれの駆動コイルの駆動電源を切り換えたとしても、各ダイオードを介して絶縁ゲート駆動回路の入力端子に電圧が入力されるため、絶縁ゲート駆動回路の出力によって双方向半導体スイッチのオン/オフを制御することができる。
図1は、本発明に係る電流開閉装置の第一実施形態の実施例を示すブロック図である。本発明に係る電流開閉装置は、双方向直流電源又は交流電源(以下単に「電源」という。)1と負荷4との間に挿入されて使用されるものであり、駆動コイル3と、駆動コイル3への駆動電源(図1中の点線で囲んだ部分であって、外部に設けられており、本発明の構成要件ではない。)の投入により電磁石の力により開閉動作を行う接点2を備えた機械ラッチ式電磁接触器(1巻線ラッチング形)と、接点2と並列に接続される逆直列接続した2個の半導体スイッチング素子5から成る双方向半導体スイッチと、各半導体スイッチング素子5の制御端子(ゲート)にオン又はオフのための制御電圧を出力する絶縁ゲート駆動回路7と、ダイオードブリッジ9と、定電圧ダイオード10とを備えている。
ダイオードブリッジ9の交流入力端子には、外部の駆動電源が接続される。また、ダイオードブリッジ9の直流出力端子は電流制限抵抗8(例えば400Ωで電流を約10mAに制限する。)を介して絶縁ゲート駆動回路7の入力端子に接続され、さらに、ダイオードブリッジ9の直流出力端子間には定電圧ダイオード10が接続されている。なお、電磁接触器の駆動コイル3への電流遮断はインダクタンスによる高電圧の逆起電力が生じるが、これにより絶縁ゲート駆動回路7への過大な電圧が印加されるのを防ぐために、定電圧ダイオード10(例えば6V用)を接続してこれを阻止する。
また、絶縁ゲート駆動回路7としては、フォトボル出力フォトカプラ(以下「フォトボル」という。)が利用できる。フォトボルは、赤外LEDとフォトダイオードアレイを備え、入力側に約10mAの電流で内部の赤外LEDを発光させて、出力部のフォトダイオードアレイに絶縁された出力最大7V程度の開放電圧を発生させるもので、東芝デバイス&ストレージ株式会社製のTLP3906などがある。
なお、SW1がオフされると(SW2もオフ)、絶縁ゲート駆動回路7の入力は0となるので絶縁ゲート駆動回路7の出力も0となり、半導体スイッチング素子5はオフとなるが、接点2がラッチされてオンを持続しているので問題はない。
一方、接点2を開極させるとき(リセット時)は、SW2を短時間(約20ms)オン(その後オフ)してリセット電源(負電圧:一例として-5V)を駆動コイル3に印加する。その後SW2をオフしても接点2はラッチされ、開極状態が維持される。
なお、SW2がオフされると(SW1もオフ)、絶縁ゲート駆動回路7の入力は0となるので絶縁ゲート駆動回路7の出力も0となり、半導体スイッチング素子5はオフとなるが、接点2はSW2のオンから約10ms後に開極し、その時点で半導体スイッチング素子5はまだオン状態であるから、接点2の開極時にアークは発生しない。
セット電源がオンされると、ほぼ瞬間的(1ms以下)に半導体スイッチング素子(MOSFET)5がオンになり、双方向半導体スイッチに電流が流れる。同時に駆動コイル3にも駆動電流が流れるが、接点2が閉極するまでには約10msかかる。電磁駆動のプランジャが始動するには時間が必要で、約10ms要するからである。
接点2が閉極した時にはMOSFET5がオンしているので、接点2にアークは発生しない。
接点2が閉極すると、接点2に回路の主電流が流れるから、接点2よりも抵抗の大きい双方向半導体スイッチには電流は殆ど流れなくなる。接点2が閉極した後、約10ms後にセット電源がオフされると、MOSFET5のゲート電圧はゼロになり、MOSFET5はオフになるが、接点2はラッチされて閉状態を維持しているため、接点2に電流は流れ続ける。
また、リセット電源がオンされるとほぼ瞬間的に半導体スイッチング素子(MOSFET)5がオンになるが、この時、接点2は上述のとおり機械的な遅れによりまだ閉極状態にあるので、回路の主電流は接点2に流れ、接点2と半導体スイッチのオン抵抗の差により、双方向半導体スイッチには電流が殆ど流れない。
しかし、10ms後に接点2が開極した時にはMOSFET5がオンしているので、主電流は半導体スイッチに転流し、接点2にアークは発生しない。アークの発生には、ほぼ電流によらず最低でも10V程度のアーク電圧が必要だからである。接点2が開極した後、約10ms後にリセット電源がオフされると、MOSFET5のゲート電圧はゼロになり、MOSFET5はオフになり、主電流は遮断される。
すなわち、主電流が遮断されるタイミングは、リセット電源のオフのタイミングで、半導体スイッチのオフによってなされるのである。
この効果により、電磁駆動の接点スイッチの欠点であった投入/遮断のタイミングの遅れ及びジッターを並列接続の半導体スイッチによって制御することが可能となる。
図1に示す逆直列接続した2個のMSFET5から成る双方向半導体スイッチを、第2のダイオードブリッジ12と一又は複数(図4では便宜上1個にしているが、2個以上でも構わない。)のMOSFET5から成る双方向半導体スイッチで置き換えたものであって、ダイオードブリッジ12の交流入力端子を接点2に並列に接続するとともに、MOSFET5を図のようにダイオードブリッジ12の直流出力端子に並列接続したものである。なお、MOSFET5を複数個並列にするのは、大電流を扱う場合に1個あたりの分担を減らして発熱を抑えるためであり、扱う電流量によっては1個でも構わないことは言うまでもない。
これは、駆動電源のオン時、絶縁ゲート駆動回路7からゲート電圧パルスで双方向半導体スイッチがオンされるが、その後、遅れて接点2がオンされると、接点2のオン電圧からの双方向半導体スイッチへの回り込み電流が発生することがある。このダイオードブリッジ12の順方向電圧は2Vから3V程度が有るため、この回り込み電流を完全に阻止することができる。
その他の点は図1の実施例と同じであるので、説明を省略する。
図1に示す第一実施形態の実施例と異なる点は、電磁接触器の駆動コイル3が、第一実施形態では1巻線ラッチング形であるのに対し、第二実施形態では2巻線ラッチング形である点である。2巻線ラッチング形の電磁接触器は、駆動コイル3がセット用コイル(閉極用コイル)3aとリセット用コイル(開極用コイル)3bとに分かれて別個に設けられており、駆動電源もセット用電源とリセット用電源が個別に設けられている。1巻線ラッチング形の場合もセット用電源とリセット用電源が個別に設けられているが、電流の向きが異なるだけであり、同じ駆動コイル3に対して供給される。
したがって、第一実施形態のように、絶縁ゲート駆動回路7への入力電圧の極性がセット時とリセット時では変化しないので、ダイオードブリッジ9は不要であり、代わりに2個の逆流防止用ダイオード9(セット用とリセット用)を備えている。
すなわち、セット電源又はリセット電源のプラス側が各ダイオードのアノードに接続され、かつ各ダイオードのカソードが電流制限抵抗8を介して絶縁ゲート駆動回路7の入力端子に接続され、さらに、定電圧ダイオード10のカソードが各ダイオード9のカソードに接続され、定電圧ダイオード10のアノードがセット電源又はリセット電源のアース側に接続されている。それ以外は第一実施形態と同じであるので、説明は省略する。
また、この第二実施形態に対しても、第一実施形態と同様の変形例(図4)が存在するが、図4の場合と同じ説明になるので、省略する。
なお、SW1がオフされると(SW2もオフ)、絶縁ゲート駆動回路7の入力は0となるので絶縁ゲート駆動回路7の出力も0となり、半導体スイッチング素子5はオフとなるが、接点2がラッチされてオンを持続しているので問題はない。
一方、接点2を開極させるとき(リセット時)は、SW2を短時間(約20ms)オン(その後オフ)してリセット電源(正電圧:一例として+5V)を駆動コイル3bに印加する。その後SW2をオフしても接点2はラッチされ、開極状態が維持される。
その他は1巻線ラッチング形の電磁接触器の駆動電源の場合と同じであるので、説明は省略する。
2:(電磁接触器の)金属接点
3:(電磁接触器の)駆動コイル
4:負荷
5:半導体スイッチング素子(MOSFET)
6:ゲート抵抗
7:絶縁ゲート駆動回路(フォトボル)
8:電流制限抵抗
9:ダイオードブリッジ
10:定電圧ダイオード
11:ハイブリッド化ユニット
12:第2のダイオードブリッジ
Claims (5)
- 双方向直流電源又は交流電源と負荷との間に挿入されて使用される電流開閉装置であって、該電流開閉装置は、
1巻線ラッチング形の機械ラッチ式電磁接触器と、該電磁接触器の金属接点(以下「接点」という。)と並列に接続される逆直列接続した2個の半導体スイッチング素子から成る双方向半導体スイッチと、
前記各半導体スイッチング素子の制御端子にオン又はオフのための制御電圧を出力する絶縁ゲート駆動回路と、
ダイオードブリッジと、
定電圧ダイオードとを備え、
前記ダイオードブリッジの交流入力端子には、前記電磁接触器の駆動コイルに対して正又は負の電圧を供給して前記接点を閉極又は開極させるために設けられた外部の駆動電源が接続されるとともに、前記ダイオードブリッジの直流出力端子は電流制限抵抗を介して前記絶縁ゲート駆動回路の入力端子に接続され、さらに、前記ダイオードブリッジの直流出力端子間には過電圧保護のための前記定電圧ダイオードが接続されたことを特徴とする電流開閉装置。 - 双方向直流電源又は交流電源と負荷との間に挿入されて使用される電流開閉装置であって、該電流開閉装置は、
2巻線ラッチング形の機械ラッチ式電磁接触器と、該電磁接触器の接点と並列に接続される逆直列接続した2個の半導体スイッチング素子から成る双方向半導体スイッチと、
前記各半導体スイッチング素子の制御端子にオン又はオフのための制御電圧を出力する絶縁ゲート駆動回路と、
2個の逆流防止用ダイオードと、
過電圧保護のための定電圧ダイオードとを備え、
前記電磁接触器の2つの駆動コイルのうちの前記接点を閉極させるための駆動コイルと前記駆動コイルのうちの前記接点を開極させるための駆動コイルにそれぞれ別個独立に電源を供給するために設けられた外部の駆動電源のプラス側が前記各ダイオードのアノードに接続され、かつ前記各ダイオードのカソードが電流制限抵抗を介して前記絶縁ゲート駆動回路の入力端子に接続され、さらに、前記定電圧ダイオードのカソードが前記各ダイオードのカソードに接続され、前記定電圧ダイオードのアノードが前記駆動電源のアース側に接続されたことを特徴とする電流開閉装置。 - 前記逆直列接続した2個の半導体スイッチング素子から成る双方向半導体スイッチを、第2のダイオードブリッジと一又は複数の半導体スイッチング素子から成る双方向半導体スイッチで置き換えたものであって、
前記第2のダイオードブリッジの交流入力端子を前記接点に並列に接続するとともに、
前記半導体スイッチング素子を前記第2のダイオードブリッジの直流出力端子に並列接続したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電流開閉装置。 - 請求項1に記載の電流開閉装置の前記電磁接触器の前記接点に並列に接続して使用されるハイブリッド化ユニットであって、該ハイブリッド化ユニットは、
前記接点と並列に接続される逆直列接続した2個の半導体スイッチング素子から成る双方向半導体スイッチと、
前記各半導体スイッチング素子の制御端子にオン又はオフのための制御電圧を出力する絶縁ゲート駆動回路と、ダイオードブリッジと、定電圧ダイオードとを備え、
前記ダイオードブリッジの交流入力端子には、前記電磁接触器の駆動コイルに対して正又は負の電圧を供給して前記接点を閉極又は開極させるために設けられた外部の駆動電源が接続されるとともに、前記ダイオードブリッジの直流出力端子は電流制限抵抗を介して前記絶縁ゲート駆動回路の入力端子に接続され、さらに、前記ダイオードブリッジの直流出力端子間には過電圧保護のための前記定電圧ダイオードが接続されたことを特徴とするハイブリッド化ユニット。 - 請求項2に記載の電流開閉装置の前記電磁接触器の前記接点に並列に接続して使用されるハイブリッド化ユニットであって、該ハイブリッド化ユニットは、
前記接点と並列に接続される逆直列接続した2個の半導体スイッチング素子から成る双方向半導体スイッチと、
前記各半導体スイッチング素子の制御端子にオン又はオフのための制御電圧を出力する絶縁ゲート駆動回路と、2個の逆流防止用ダイオードと、過電圧保護のための定電圧ダイオードとを備え、
前記電磁接触器の2つの駆動コイルのうちの前記接点を閉極させるための駆動コイルと前記駆動コイルのうちの前記接点を開極させるための駆動コイルにそれぞれ別個独立に電源を供給するために設けられた外部の駆動電源のプラス側が前記各ダイオードのアノードに接続され、かつ前記各ダイオードのカソードが電流制限抵抗を介して前記絶縁ゲート駆動回路の入力端子に接続され、さらに、前記定電圧ダイオードのカソードが前記各ダイオードのカソードに接続され、前記定電圧ダイオードのアノードが前記駆動電源のアース側に接続されたことを特徴とするハイブリッド化ユニット。
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