JP7350019B2 - 筋萎縮性側索硬化症(als)を治療するための組成物、及び治療のためにそれを使用する方法 - Google Patents

筋萎縮性側索硬化症(als)を治療するための組成物、及び治療のためにそれを使用する方法 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、2018年5月31日出願の米国仮特許出願第62/678,316号の優先権を主張するものであり、この特許出願の全内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
配列表の記載
本願の出願と同時に提出された、2019年5月29日作成の485バイトのASCIIファイル「77740SequenceListing.txt」を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
本発明は、その幾つかの実施形態において、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療するための組成物及び治療のためにそれを使用する方法に関する。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は多系統の神経変性障害であり、患者は呼吸、会話及び嚥下に関与する延髄筋と呼吸筋だけでなく、全ての骨格筋が関与する進行性麻痺を発症する。この疾患は通常、50歳以上の成人を襲い、有病率は70代の成人で最も高くなる。この疾患の原因はまだ完全には解明されていない。ミスフォールドタンパク質(主に孤発性の非遺伝性疾患のTDP43)及び遺伝性疾患のスーパーオキシドジスムターゼ1型(SOD1)等の他のタンパク質が中枢神経系(CNS)内に蓄積し、ミスフォールドタンパク質応答(小胞体(ER)ストレスとしても知られる)を引き起こすことが一般に認められている。ERストレスは、最初はタンパク質フォールディングを処理するシャペロンの産生の増加とタンパク質産生の抑制を誘導するが、ストレスが続くとアポトーシスを引き起こす(Walker 2011, Lautenschlaeger 2012, Verma 2013, Mori 2013)。
現在、ALSの治療用に2種類の薬物、即ち、Rilutek(登録商標)(リルゾール)とRadicava(登録商標)(エダラボン)がFDAによって承認されており、患者の生存期間が3ヶ月延長するという中程度の効果が推定されている。Nuedexta等の他の治療薬は症状の管理や患者の生活の質の向上に利用することができ、NuedextaはALS患者の情動調節障害(情動不安定)の治療用に承認されている。しかし、今日までALSの治癒は実現されていない。
Aktシグナル伝達プロセスの機能障害は主な加齢性神経変性疾患に共通している(Wu 2010)。最近報告された研究では、Aktと栄養因子のレベル、Akt経路の天然活性化因子、及びALS患者の疾患の進行率の間に密接な相関関係があることが示されており(Koh 2012、Yin 2012)、筋組織の総Aktレベルが高いALS患者は全生存率が高くなる。従って、効果的なAktシグナル伝達を回復させれば、細胞生存プロセスを誘発し、組織の変性を阻害することができる。
ペプチドLPPLPYP(配列番号1、Stressin-1及びIPL344としても知られている)は、様々な種類の細胞をアポトーシス促進性の圧力から保護し、Aktシグナル伝達システムを活性化する短い7個のアミノ酸のペプチドである。IPL344の構造はアダプタータンパク質の結合部位に類似しており、その作用機序は、そのようなタンパク質を模倣し、Aktと場合によっては他の経路を介して細胞保護プロセスを活性化することによるものと思われる。
国際公開第2006/021954号及び第2012/160563号には、炎症性疾患及び自己免疫疾患(ALS等)を治療するためのLPPLPYP(配列番号1)ペプチドの使用が開示されている。
本発明の幾つかの実施形態の様相によれば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療する方法であって、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチド2~5mg/kgを対象に静脈内(IV)投与して、対象のALSを治療することを含む方法が提供される。
本発明の幾つかの実施形態の様相によれば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療する方法であって、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチド1.7~5mg/kgを用量漸増的に対象に繰り返し静脈内(IV)投与して、対象のALSを治療することを含む方法が提供される。
本発明の幾つかの実施形態によれば、本方法は、ALS機能評価尺度(ALSFRS)、呼吸機能、筋力及び/又は認知機能によって対象をモニターすることを含む。
本発明の幾つかの実施形態の様相によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療するために使用するペプチドであって、2~5mg/kgの用量を対象に静脈内(IV)投与するペプチドが提供される。
本発明の幾つかの実施形態の様相によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療するために使用するペプチドであって、1.7~5mg/kgを用量漸増的に対象に繰り返し静脈内(IV)投与するペプチドが提供される。
本発明の幾つかの実施形態によれば、用量漸増は0.3~0.5mg/kgずつである。
本発明の幾つかの実施形態によれば、用量漸増を2~7日毎に行う。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ペプチドに関連する過敏症又は有害事象(AE)が生じた場合には用量漸増を停止する。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ALSはALS関連うつ病である。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ALSは急速進行性ALSである。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ALSは非緩徐進行性ALSである。
本発明の幾つかの実施形態の様相によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを5%含む組成物であって、pHが4.5~5.5の組成物が提供される。
本発明の幾つかの実施形態によれば、組成物はPBS及び/又はdPBSを含む。
本発明の幾つかの実施形態によれば、組成物は生理食塩水を含む。
本発明の幾つかの実施形態によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを5%含む組成物に前記ペプチドを処方し、組成物はpHが4.5~5.5である。
本発明の幾つかの実施形態によれば、組成物をガラスバイアルにパッケージする。
本発明の幾つかの実施形態によれば、組成物は復元可能である(extractable)。
本発明の幾つかの実施形態によれば、投与を毎日行う。
本発明の幾つかの実施形態によれば、投与をボーラス注射で行う。
本発明の幾つかの実施形態によれば、投与を静脈内注入で行う。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ペプチドを対象に毎日投与する。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ペプチドを対象にボーラス注射で投与する。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ペプチドを対象に静脈内注入で投与する。
本発明の幾つかの実施形態によれば、1.7~5mg/kgは2~5mg/kgである。
本発明の幾つかの実施形態によれば、2~5mg/kgは2.5~4.5mg/kgである。
本発明の幾つかの実施形態によれば、2~5mg/kgは3~4mg/kgである。
本発明の幾つかの実施形態によれば、対象は急速進行性ALS及び/又はALS関連うつ病を有する。
本発明の幾つかの実施形態の様相によれば、静脈内(IV)投与用に処方された、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを140~350mg含む単位剤形が提供される。
本発明の幾つかの実施形態によれば、140~350mgは140~315mgである。
本発明の幾つかの実施形態によれば、140~350mgは210~280mgである。
本発明の幾つかの実施形態の様相によれば、静脈内(IV)投与用に処方された、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを35~90mg含む単位剤形が提供される。
本発明の幾つかの実施形態によれば、35~90mgは35~80mgである。
本発明の幾つかの実施形態によれば、35~90mgは50~70mgである。
本発明の幾つかの実施形態によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを5%含む組成物に前記ペプチドを処方し、組成物はpHが4.5~5.5である。
本発明の幾つかの実施形態によれば、単位剤形をガラスバイアルにパッケージする。
本発明の幾つかの実施形態によれば、単位剤形は復元可能である。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ペプチドをPBS及び/又はdPBSを含む組成物に処方する。
本発明の幾つかの実施形態によれば、PBS及び/又はdPBSはカルシウムとマグネシウムを含む。
本発明の幾つかの実施形態によれば、ペプチドを生理食塩水を含む組成物に処方する。
特に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術および/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様のまたは等価な方法および材料を、本発明の実施形態の実践または試験に使用することができるが、例示的な方法および/または材料を下記に記載する。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。加えて、材料、方法、および実施例は単なる例示であり、必ずしも限定を意図するものではない。
本発明は、その幾つかの実施形態において、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療するための組成物及びその治療のために該組成物を使用する方法に関する。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は多系統の神経変性障害であり、患者は呼吸、会話及び嚥下に関与する延髄筋と呼吸筋だけでなく、全ての骨格筋が関与する進行性麻痺を発症する。
ペプチドLPPLPYP(配列番号1、IPL344及びStressin-1としても知られている)は、様々な種類の細胞をアポトーシス促進性の圧力から保護し、Aktシグナル伝達システムを活性化する短い7個のアミノ酸のペプチドであり、炎症性疾患及び自己免疫疾患(ALS等)の治療用に提案されている。
本発明者らは、困難な実験やスクリーニングを経て、ヒト患者におけるALSの治療のためにLPPLPYP(配列番号1)を使用する有効な新規の治療用量及びレジメン及び製剤を開発した。
従って、本発明の第1の様相によれば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療する方法であって、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチド2~5mg/kgを対象に静脈内(IV)投与して、対象のALSを治療することを含む方法が提供される。
本発明の他の様相によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療するために使用するペプチドであって、2~5mg/kgの用量で前記対象に静脈内(IV)投与する前記ペプチドが提供される。
本発明の他の様相によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療するための静脈内(IV)投与用薬剤の製造におけるペプチドの使用であって、前記ペプチドを2~5mg/kgの用量で前記薬剤を前記対象に投与する使用が提供される。
本発明の他の様相によれば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療する方法であって、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチド1.7~5mg/kgを用量漸増的に対象に繰り返し静脈内(IV)投与して、対象のALSを治療することを含む方法が提供される。
本発明の他の様相によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療するために使用するペプチドであって、1.7~5mg/kgを用量漸増的に前記対象に繰り返し静脈内(IV)投与する前記ペプチドが提供される。
本発明の他の様相によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療するための静脈内(IV)投与用薬剤の製造におけるペプチドの使用であって、前記ペプチドを1.7~5mg/kgで用量漸増的に前記薬剤を前記対象に繰り返し投与する使用が提供される。
本明細書で使用される「治療する」という用語は、病態(即ち、ALS)の発症を阻害、予防又は抑止すること、及び/又は病態の軽減、寛解、又は退行を引き起こすことを意味する。当業者であれば、本明細書で更に開示するように、様々な方法やアッセイを用いて病態の発症又は病態の軽減、寛解又は退行を評価できることを理解するであろう。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)はルー・ゲーリック病及び運動ニューロン疾患(MND)としても知られており、随意筋運動を制御する中枢神経系の神経細胞である運動ニューロンの変性に起因する進行性の致命的な神経変性疾患である。ALSは通常、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方が変性し、筋肉へのメッセージの送信を停止するため、全身の筋力低下と萎縮を引き起こす。筋肉は機能できずに徐々に弱まり、除神経によって線維束性収縮(攣縮)を発症し、最終的にはその除神経のために萎縮する。患者は最終的に全ての随意運動を開始及び制御する能力を失う可能性がある。膀胱括約筋と腸括約筋、及び眼球運動に関与する筋肉は通常は助かるが、必ずしもそうとは限らない。認知機能障害又は行動機能障害もこの疾患に関連しており、ALS患者の約半数が認知と行動に軽度の変化を経験し、10~15%が前頭側頭型認知症の徴候を示す。言語機能障害、高次脳機能障害、及び社会的認知と言語記憶の問題は、ALSで最も一般に報告されている認知症状である。
本明細書で使用される「ALS」という用語は、当技術分野で知られるALSの分類の全てを包含し、例えば、古典的なALS(通常は下位運動ニューロンと上位運動ニューロンの両方に影響を及ぼす)、原発性側索硬化症(PLS、通常は上位運動ニューロンにのみ影響を及ぼす)、進行性球麻痺(PBP又は延髄性発症、通常は嚥下、咀嚼及び会話が困難な状態で始まるALSの1種)、及び進行性筋萎縮症(PMA、通常は下位運動ニューロンにのみ影響を及ぼす)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態によれば、ALSは古典的なALSである。
「ALS」という用語は、孤発性ALS及び家族性(遺伝性)ALS、いずれかの進行速度(即ち、急速進行性、非緩徐進行性、又は緩徐進行性)のALS、及びいずれかの段階(例えば、ALSの発症前、発症時及び後期)のALSを包含する。
特定の実施形態によれば、ALSは孤発性ALSである。
特定の実施形態によれば、ALSは家族性ALSである。
特定の実施形態によれば、ALSは急速進行性ALSである。
本明細書で使用される「急速進行性ALS」という語句は、症状が継続的に進行し、1年未満で運動ニューロンの著しい変質が観察され、患者の診断からの生存期間が最大で4年のALSを意味する。特定の実施形態によれば、急速進行性ALSは1ヶ月の期間でALSFRS-Rポイントが0.65を超える変化を特徴とする。
特定の実施形態によれば、ALSは非緩徐進行性ALSである。
本明細書で使用される「非緩徐進行性ALS」という語句は、患者の診断からの生存期間が最大で5年のALSを意味する。特定の実施形態によれば、非緩徐進行性ALSは1ヶ月の期間でALSFRS-Rポイントが0.55を超える変化を特徴とする。
特定の実施形態によれば、ALSはALS関連うつ病である。
本明細書で使用される「ALS関連うつ病」という語句は、ALS発症後に始まるうつ及び/又は不安を意味する。特定の実施形態によれば、ALS関連うつ病はALSの作用機序の一部であり、例えば、情動調節障害と前頭葉型認知症に起因することがある。うつ病を診断及びモニターする方法は当技術分野で周知であり、ALSうつ病リスト(ADI-12)、ベックうつ病リスト(BDI)、及び病院不安抑うつ尺度(HADS)質問票が挙げられるが、これらに限定されない。
上述のように、本発明の方法は特にALSを治療することに関する。治療は、ALS症状の検出後を含め、疾患のどの段階でも開始することができる。
ALSの検出は、体内で最初に損傷を受けた運動ニューロン(即ち、体内で最初に損傷を受けた筋肉)に応じて出現する種々の症状によって判断することができる。通常、ALS症状としては、通常は明らかな衰弱及び/又は筋萎縮である最初期の症状が挙げられる。他の症状としては、筋線維束性収縮(攣縮)、痙攣、又は患部筋肉の硬直、腕や脚に影響を及ぼす筋力低下、及び/又は不明瞭な鼻声が挙げられる。殆どのALS患者は腕又は脚に最初の症状を経験する。その他の患者は、明確に話すことや嚥下が困難なことに最初に気づく。他の症状としては、嚥下困難、舌の可動性の喪失、及び呼吸困難が挙げられる。
変性した神経系の部分、即ち、上位運動ニューロンと下位運動ニューロンによって症状を分類することもできる。上位運動ニューロン変性の症状としては、筋肉の緊張と硬直(痙縮)、及び過剰な催吐反射を含む過剰反射(反射亢進)が挙げられる。下位運動ニューロン変性の症状としては、筋力低下と萎縮、筋痙攣、及び皮下に見られる筋肉の束の間の攣縮(線維束性収縮)が挙げられる。ALSと診断されるには、患者は他の原因に起因し得ない上位及び/又は下位運動ニューロン損傷の徴候と症状を有する必要がある。
或いは、治療の開始は、疾患の進行段階、例えば、筋力低下と萎縮が体の様々な部分に広がり、患者の動きに問題が増えている場合[例えば、患者が筋肉の緊張と硬直(痙縮)、過剰反射(反射亢進)、筋力低下と萎縮、筋痙攣、及び/又は皮下に見られる筋肉の短時間の攣縮(線維束性収縮)を患っている場合]、嚥下に問題が増えている場合(嚥下障害)、会話又は言葉の形成に問題が増えている場合(構音障害)に行うことができる。
ALS進行をモニターする方法は当技術分野で周知であり、以下の実施例のセクションで更に説明する。そのような方法の非限定的な例として、医師による身体検査;体重;心電図(ECG);ALS機能評価尺度(ALSFRS又はALSFRS-R)スコア;例えば、肺活量(努力性肺活量又は安静時肺活量)で測定することができる呼吸機能;例えば、ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、握力測定、徒手筋力検査(MMT)、電気インピーダンスミオグラフィー(EIM)及び最大自発的等尺性収縮テスト(MVICT)によって測定することができる筋力;運動単位数推定法(MUNE);例えば、ALSうつ病リスト(ADI-12)、ベックうつ病リスト(BDI)及び病院不安抑うつ尺度(HADS)質問票によって測定することができる認知/行動機能;例えば、ALS評価質問票(ALSAQ-40)によって評価することができる生活の質;音声分析;及びAktレベル、Aktリン酸化及び/又はpAkt:tAkt比(国際公開第2012/160563号を参照、その内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)が挙げられる。
特定の実施形態によれば、ALS機能評価尺度(ALSFRS)、呼吸機能、筋力及び/又は認知機能によって対象をモニターする。
特定の実施形態によれば、筋力の評価は、ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、握力測定、徒手筋力検査(MMT)及び電気インピーダンスミオグラフィー(EIM)から成る群から選択される方法によって行うが、それぞれが本発明の別々の実施形態に対応する。
特定の実施形態によれば、筋力の評価は、ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)、握力測定、及び電気インピーダンスミオグラフィー(EIM)から成る群から選択される方法によって行うが、それぞれが本発明の別々の実施形態に対応する。
本明細書で使用される「対象」という用語は、疾患(即ち、ALS)と診断されたか、又は疾患(即ち、ALS)を発症するリスクがある、年齢及び性別を問わないヒト対象を意味する。
特定の実施形態によれば、対象は急速進行性ALS及び/又はALS関連うつ病を有する。
特定の実施形態によれば、対象は、ほぼ確実で明確なALSのエルエスコリアル基準を満たしている、即ち、対象は以下の徴候を示す。
1.臨床的、電気生理学的又は神経病理学的検査による下位運動ニューロン(LMN)変性の徴候、
2.臨床検査による上位運動ニューロン(UMN)変性の徴候、及び
3.ある領域内又は他の領域への徴候の進行的な広がりを示すと共に、
LMN変性及び/又はUMN変性の徴候を説明することが可能な他の疾患プロセスの電気生理学的証拠、及び
観察された臨床的及び電気生理学的徴候を説明することが可能な他の疾患プロセスの神経画像証拠がない。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療の前に、対象のALSFRS-Rスコアは20を超える。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療の前に、対象のALSFRS-Rスコアは42以下である。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療の前に、対象のALSFRS-Rスコアは26~42である。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療の前に、対象のALSFRS-Rスコアは20~42である。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療直前の3~12ヶ月に亘って、対象の疾患進行率は1ヶ月当たりのALSFRS-Rポイントが0.65を超える。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療直前の3~12ヶ月に亘って、対象の疾患進行率は1ヶ月当たりのALSFRS-Rポイントが0.55を超える。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療直前の4ヶ月以内で、対象の疾患進行率は1ヶ月当たりのALSFRS-Rポイントが0.55を超える。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療直前の3~12ヶ月以内で、対象はALSFRS-Rスコアが少なくとも3ポイント減少する。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療直前の4ヶ月以内で、対象はALSFRS-Rスコアが少なくとも3ポイント減少する。特定の実施形態によれば、対象は18~80歳である。
特定の実施形態によれば、対象は18~75歳、30~75歳、40~75歳、40~60歳、18~50歳又は30~50歳である。
特定の実施形態によれば、対象は18~75歳である。
特定の実施形態によれば、対象は体重が少なくとも50kgである。
特定の実施形態によれば、対象は体重が100kg以下である。
特定の実施形態によれば、対象はBMIが18.5~30kg/m又は18.5~25kg/mである。
特定の実施形態によれば、本発明の幾つかの実施形態による治療の前に少なくとも30日間、安定用量のリルゾール又はエダラボンで対象を治療する。
特定の実施形態によれば、対象は妊娠中又は授乳中の女性対象ではない。
特定の実施形態によれば、対象は精神障害を有さない。
特定の実施形態によれば、対象はALS発症前に始まった精神障害を有さない。
特定の実施形態によれば、精神障害は(ALSの前に診断された)うつ病及び/又は不安障害を含まない。
特定の実施形態によれば、対象は気管切開術、気管切開・侵襲的人工呼吸(TIMV)を用いていない。
特定の実施形態によれば、対象は活動性感染症に罹患していない。
特定の実施形態によれば、対象はHIVの病歴を有さず、HBV又はHCV血清学的検査陽性ではない。
特定の実施形態によれば、対象は癌を有さない。
本明細書で使用される「配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチド」という語句は、IPL344(LPPLPYP、配列番号1、別名Stressin-1)ペプチドを意味する(国際公開第2006/021954号及び第2012/160563号を参照、これらの内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する)。
一実施形態では、ペプチドは配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する。
特定の実施形態によれば、ペプチドは配列番号1に記載の通りである。
特定の実施形態によれば、ペプチドは配列番号1からなる。
本発明の他の特定の実施形態によれば、ペプチドは非タンパク質性部分に結合している。
特定の実施形態によれば、単離ペプチドと結合非タンパク質性部分は直接共有結合しているか、又はスペーサー又はリンカーを介して共有結合している。
本明細書で使用される「非タンパク質性部分」という語句は、上述のペプチドに結合しているペプチド結合したアミノ酸を含まない分子を意味する。特定の実施形態によれば、非タンパク質性部分は無毒性部分である。本教示に従って使用することができる非タンパク質性部分の例としては、薬物、化学物質、小分子、ポリヌクレオチド、検出可能部分、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ(スチレン-co-無水マレイン酸)(SMA)、及びジビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体(DIVEMA)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の特定の実施形態によれば、非タンパク質性部分はポリエチレングリコール(PEG)を含む。
本発明の幾つかの実施形態のペプチドは、当業者に知られているペプチド合成のいずれかの技術(例えば、固相技術や組換え技術が挙げられるが、これらに限定されない)によって合成することができる。
特定の実施形態によれば、固相によってペプチドを合成する。固相ペプチド合成に関しては、多くの技術の概要をJ. M. Stewart and J. D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis, W. H. Freeman Co. (San Francisco), 1963およびJ. Meienhofer, Hormonal Proteins and Peptides, vol. 2, p. 46, Academic Press (New York), 1973に見出すことができる。古典的な溶液合成に関しては、G. Schroder and K. Lupke, The Peptides, vol. 1, Academic Press (New York), 1965を参照。
一般に、このような方法は、1種以上のアミノ酸又は適切に保護されたアミノ酸を成長するペプチド鎖へ逐次付加することを含む。通常、最初のアミノ酸のアミノ基又はカルボキシル基の一方は適切な保護基で保護されている。次に、アミド結合を形成するのに適した条件下で、適切に保護された相補的(アミノ又はカルボキシル)基を有する配列中で次のアミノ酸を付加することによって、保護又は誘導体化されたアミノ酸を不活性固体支持体に結合するか、又は溶液中で利用することができる。次に、この新しく付加されたアミノ酸残基から保護基を除去した後、(適切に保護されている)次のアミノ酸を付加し、以下同様に続く。全ての所望のアミノ酸を適切な配列に連結した後、残った保護基(及び任意の固体支持体)を順次又は同時に除去して、最終的なペプチド化合物を得る。この一般的な手順に簡単な変更を加えることにより、例えば、保護されたトリペプチドを適切に保護されたジペプチドと(キラル中心をラセミ化しない条件下で)カップリングし、脱保護後にペンタペプチドを形成する等、成長する鎖に一度に2個以上のアミノ酸を付加することが可能である。ペプチド合成の更なる説明は米国特許第6,472,505号に開示されている。
本発明の幾つかの実施形態のペプチド化合物を調製する好ましい方法では固相ペプチド合成を行う。
大規模なペプチド合成はAndersson Biopolymers 2000; 55(3):227-50に記載されている。
本発明のペプチドはインビボで利用されるので、ペプチド、それを含む薬剤及び組成物は高純度であり、潜在的に有害な汚染物質を実質的に含まず、例えば、少なくともGMPグレード、少なくとも医薬品グレードである。所与の化合物を使用前に合成しなければならない点で、このような合成又は後続の精製によって、合成又は精製手順中に使用したかもしれない混入可能性がある有害な剤をいずれも実質的に含まない生成物を得ることが好ましい。
本発明の幾つかの実施形態のペプチドを生物にそれ自体で投与することもでき、適切な担体又は賦形剤と混合して医薬組成物として投与することもできる。
本明細書で使用される「医薬組成物」とは、本発明のペプチド(即ち、有効成分)と共に生理学的に適切な担体や賦形剤等の他の化学成分を含む調製物を意味する。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることである。
以下、互換的に使用することができる「生理学的に許容し得る担体」と「薬学的に許容し得る担体」という語句は、生物に対して大きな刺激を引き起こさず、投与された化合物の生物活性及び特性を無効にしない担体又は希釈剤を意味する。アジュバントはこれらの語句に含まれる。
本明細書における「賦形剤」という用語は、ペプチド(即ち、有効成分)の投与を更に容易にするために医薬組成物に添加される不活性物質を意味する。賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な種類の糖及びデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油及びポリエチレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。
薬物の処方と投与に関する技法は「Remington’s Pharmaceutical Sciences」Mack Publishing Co.(ペンシルバニア州イーストン)最新版に見出すことができるが、これを本明細書の一部を構成するものとして援用する。
特定の実施形態によれば、本発明の方法及び組成物で使用するペプチドは、ペプチドを2.5~8%、2.5~6%、2.5~5.5%、3~8%、3~6%、3~5.5%、4~8%、4~6%又は4.5~5.5%含む組成物に処方するが、それぞれが本発明の別々の実施形態に対応する。
特定の実施形態によれば、本発明の方法及び組成物で使用するペプチドは、ペプチドを5%含む組成物に処方する。
特定の実施形態によれば、ペプチドを含む組成物はpHが4を超える。
特定の実施形態によれば、ペプチドを含む組成物はpHが4.1~6、4.2~5.8、4.2~5.6、4.2~5.5、4.3~5.5、4.5~5.5、4.5~5、5~5.5、5.5~6又は4.3~4.4であり、それぞれが本発明の別々の実施形態に対応する。
特定の実施形態によれば、ペプチドを含む組成物はpHが4.5~5.5である。
従って、本発明の一様相によれば、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを5%含む組成物であって、pHが4.5~5.5の組成物が提供される。
特定の実施形態によれば、ペプチドを含む組成物はPBS及び/又はdPBSを含む。
本明細書で使用される「PBS(リン酸緩衝生理食塩水)」と「dPBS(ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水)」は、リン酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、及びある処方では、等張性浸透圧とイオン濃度を有する塩化カリウムとリン酸二水素カリウムを含む水性塩溶液を意味する。dPBSはPBSよりもリン酸濃度が低く、通常8.1mMのNaHPOを含み、PBSは10mMのNaHPOを含む。
特定の実施形態によれば、PBS及び/又はdPBSはカルシウムとマグネシウムを含む。
通常、PBS又はdPBSのカルシウム(CaCl)濃度とマグネシウム(MgCl)濃度はそれぞれ0.9mMと0.5mMである。
PBSとdPBSの製造は、当技術分野で周知であり、例えば、Sambrook, Fritsch, and Maniatis (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, volume 3, appendix B.12;およびDulbecco, R.; et al. (1954). J. Exp. Med. 99 (2): 167-182に開示された方法によって行うことができる。或いは又は更には、PBSとdPBSは、例えば、Gibco社、Sigma-Aldrich社、Biological industries社及びThermo Fisher Scientific社から市販されている。
特定の実施形態によれば、ペプチドを含む組成物は生理食塩水を含む。
適切な投与経路としては、例えば、筋肉内、皮下及び髄内注射が挙げられると共に、髄腔内、静脈内、直接脳室内、心臓内(例えば、右心室腔又は左心室腔及び共通冠動脈)への注射を挙げることができる。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を静脈内(IV)投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を、カニューレ、末梢挿入中心静脈カテーテル(PICC)ライン、又は中心静脈ポート又は中心静脈カテーテル(CVC)(例えば、ヒックマン)によって対象に投与する。
或いは、例えば、患者の組織領域に直接医薬組成物を注射することによって、全身的ではなく局所的に医薬組成物を投与することができる。
本発明の幾つかの実施形態の組成物は、当技術分野で周知のプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、水簸、乳化、カプセル化、捕捉又は凍結乾燥プロセスによって製造することができる。
従って、本発明の幾つかの実施形態に従って使用する医薬組成物は、薬学的に使用可能な調製物への有効成分の処理を容易にする賦形剤及び助剤を含む1種以上の生理学的に許容し得る担体を使用して従来の方法で処方することができる。
適切な処方は選択した投与経路によって異なる。
注射の場合、医薬組成物のペプチドは、水溶液、好ましくはハンクス液、リンゲル液、又は生理食塩緩衝液等の生理学的に適合性のある緩衝液に処方することができる。
特定の実施形態によれば、本明細書に記載のペプチド、それを含む薬剤又は組成物は、例えば、ボーラス注射又は連続注入による非経口(例えば、静脈内)投与用に処方する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物は、ボーラス注射によって投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物は、静脈内注入によって投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物は、電子注入ポンプを使用して数分以内で、例えば、1~5分間に亘って投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物は、電子注入ポンプを使用して20~400mL/時、100~350mL/時、100~300mL/時、150~350mL/時、150~300mL/時又は100~200mL/時の流速で投与する。
特定の実施形態によれば、静脈内注入は高速点滴静脈内注入であり、例えば、30分間未満に亘って、例えば、10分間未満に亘って、例えば、約5分間に亘って行う。
他の特定の実施形態によれば、静脈内注入は低速点滴静脈内注入であり、例えば、30分間を超える時間に亘って行う。
特定の実施形態によれば、組成物を油性又は水性媒体の懸濁液、溶液又は乳濁液とすることができる。
非経口投与用の組成物には水溶性形態の有効製剤の水溶液が含まれる。更に、ペプチドの懸濁液は適切な油性又は水性の注射懸濁液として調製することができる。適切な親油性溶媒又は媒体としては、ゴマ油等の脂肪油、又はオレイン酸エチル、トリグリセリド又はリポソーム等の合成脂肪酸エステルが挙げられる。水性注射懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール又はデキストラン等の懸濁液の粘度を高める物質を含むことができる。必要に応じて、懸濁液は、ペプチドの溶解度を高めて高濃度溶液の調製を可能にする適切な安定剤又は薬剤を含むこともできる。
或いは、有効組成物を粉末形態とし、使用前に適切な媒体(例えば、無菌でパイロジェンを含まない水性溶液)で構成することができる。
従って、他の特定の実施形態によれば、組成物は復元可能である(即ち、凍結乾燥している)。
組成物は懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤等の配合剤を含むこともできる。
本明細書に開示のペプチドを含む製剤は、単位剤形として、例えば、アンプルで又は必要に応じて防腐剤を添加した複数回投与容器で提供することができる。このような形態では、本明細書で更に開示するようにペプチドの有効濃度(例えば、2~5mg/kg、2.5~4.5mg/kg、又は3~4mg/kg)を得るため、適切な量のペプチドを含む単位用量(例えば、単回投与用)に調製物を細分する。単位剤形はパッケージ製剤とすることができ、パッケージは個別量の製剤を含む(例えば、ガラスバイアル)。
従って、本発明の一様相によれば、静脈内(IV)投与用に処方された、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを140~350mg含む単位剤形が提供される。
特定の実施形態によれば、単位剤形はペプチドを140~315mg含む。
特定の実施形態によれば、単位剤形はペプチドを210~280mg含む。
対象に投与する製剤の単位用量の量は、対象の体重に応じて変更又は調整することができる。従って、本発明が包含する単位剤形は、より少量のペプチドを含む単位用量も含み、本明細書で更に開示するように、ペプチドの有効濃度(例えば、2~5mg/kg、2.5~4.5mg/kg、又は3~4mg/kg)を得るように対象の体重に応じて2~4の単位用量を対象に投与する。
従って、本発明の他の様相によれば、静脈内(IV)投与用に処方された、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドを35~90mg含む単位剤形が提供される。
特定の実施形態によれば、単位剤形はペプチドを35~80mg含む。
特定の実施形態によれば、単位剤形はペプチドを50~70mg含む。
本発明の幾つかの実施形態の状況での使用に適した組成物は、本発明のペプチドを用途の実現に有効な量で含む組成物を包含する。より具体的には、治療有効量とは、障害(即ち、ALS)の症状を予防、緩和又は改善するか、又は治療対象の生存期間を延長するのに有効なペプチドの量を意味する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を2~5mg/kgのペプチド用量で投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を2.2~4.5mg/kgのペプチド用量で投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を2.5~4.5mg/kgのペプチド用量で投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を2.7~4.5mg/kgのペプチド用量で投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を2.5~4mg/kgのペプチド用量で投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を2.2~3.5mg/kgのペプチド用量で投与する。
特定の実施形態によれば、ペプチド、それを含む薬剤又は組成物を3~4mg/kgのペプチド用量で投与する。
投与する組成物の量は、当然のことながら、治療対象、苦痛の重症度、投与方法、処方する医師の判断等に依存する。
治療する病態の重症度と応答性に応じて、投薬は単回投与又は複数回投与とすることができ、治療の過程は数日間~数週間、或いは治癒がもたらされるか又は病状が減少するまで続く。
特定の実施形態によれば、投与を毎日行う。
特定の実施形態によれば、投与を用量漸増的に繰り返して行う。
特定の実施形態によれば、用量漸増は各段階で0.2~1mg/kg、0.2~0.5mg/kg、0.3~1mg/kg、0.3~0.5mg/kg又は0.5~1mg/kgずつである。
特定の実施形態によれば、用量漸増は0.3~0.5mg/kgずつである。
特定の実施形態によれば、用量漸増を2~60日毎、2~30日毎、2~14日毎、2~10日毎、2~7日毎又は3~4日毎に行う。
特定の実施形態によれば、用量漸増を2~7日毎に行う。
特定の実施形態によれば、用量が5mg/kgに達した際に用量漸増を停止する。
他の特定の実施形態によれば、ペプチド、薬剤又は組成物に関連する過敏症又は有害事象(AE)が生じた場合には用量漸増を停止する。
過敏症及びAEに関する特定の実施形態、及びこれらに直面した際の行動様式については以下の実施例1~2に記載されているが、これは本セクションの不可欠な部分を構成するものとして理解すべきである。
特定の実施形態によれば、ペプチド、薬剤又は組成物に関連するAEが生じた場合(例えば、毒性がグレード3以上であるAEが生じた場合)、AEを伴わなかった以前の投与用量まで用量を減らす。
特定の実施形態によれば、ペプチド、薬剤又は組成物に関連する過敏症が生じた場合[例えば、洞性頻脈、激しい呼吸又は(静脈に沿うか他の場所の)発疹によって明らかな場合]、ペプチド、薬剤又は組成物を脱感作手順によって投与する。
特定の実施形態によれば、最後の投与用量での低速点滴静脈内注入によって脱感作を行う。
特定の実施形態によれば、脱感作の後に用量漸増を継続する。
本発明の幾つかの実施形態のペプチド及び組成物は、必要に応じて、ペプチドを含む1種以上の単位剤形を含むことが可能なFDA承認キット等のパック又はディスペンサーデバイスとして提供することができる。パックは、例えば、ブリスターパック等の金属又はプラスチック箔を含むことができる。特定の実施形態によれば、組成物をガラスバイアルにパッケージしてペプチドがバイアルに付着するのを防ぐ。パック又はディスペンサーデバイスには投与用説明書を添付することができる。また、パック又はディスペンサーには、医薬品の製造、使用又は販売を規制する政府機関によって定められた形式の容器に関連する通知を添付することもでき、この通知は、組成物の形態やヒト又は動物への投与に関する機関による承認を反映している。このような通知は、例えば、処方薬に関して米国食品医薬品局によって承認された標識、又は承認された製品の添付文書に関するものとすることができる。上で更に詳述したように、適合性のある医薬担体で処方した本発明の調製物を含む組成物を調製し、適切な容器に入れ、示された病態の治療用に標識することもできる。
本発明は対象への他の治療薬の投与を更に企図する。投与することができる薬物の例としては、酸化剤、非ハロゲン活性化酸素化合物、非酸素活性化ハロゲン化合物、N-ハロ化合物、リルゾール及びエダラボンが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「約」という用語は±10%を意味する。
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」およびその活用形は、「限定されるものではないが、含む(including but not limited to)」を意味する。
「からなる」という用語は、「含み、限定される」ことを意味する。
「から実質的になる」という用語は、組成物、方法または構造が追加の成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。但しこれは、追加の成分、工程および/または部分が、請求項に記載の組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限られる。
本明細書において、単数形を表す「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに他を示さない限り、複数をも対象とする。例えば、「化合物(a compound)」または「少なくとも1種の化合物」には、複数の化合物が含まれ、それらの混合物をも含み得る。
本願全体を通して、本発明のさまざまな実施形態は、範囲形式にて示され得る。範囲形式での記載は、単に利便性および簡潔さのためであり、本発明の範囲の柔軟性を欠く制限ではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、可能な下位の範囲の全部、およびその範囲内の個々の数値を特異的に開示していると考えるべきである。例えば、1~6といった範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6等の部分範囲のみならず、その範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5および6も具体的に開示するものとする。これは、範囲の大きさに関わらず適用される。
本明細書において数値範囲を示す場合、それは常に示す範囲内の任意の引用数(分数または整数)を含むことを意図する。第1の指示数と第2の指示数「との間の範囲」という表現と、第1の指示数「から」第2の指示数「までの範囲」という表現は、本明細書で代替可能に使用され、第1の指示数および第2の指示数と、それらの間の分数および整数の全部を含むことを意図する。
本明細書で使用する「方法」という用語は、所定の課題を達成するための様式、手段、技術および手順を意味し、化学、薬理学、生物学、生化学および医療の各分野の従事者に既知のもの、または既知の様式、手段、技術および手順から従事者が容易に開発できるものが含まれるが、これらに限定されない。
特定の配列表を参照する場合、そのような参照は、例えば、配列決定エラー、クローニングエラー、又は塩基置換、塩基欠失又は塩基付加をもたらす他の変化に起因する小さな配列変異を含むものとして、その相補的配列に実質的に対応する配列も包含すると理解すべきであるが、そのような変異の頻度は、50個のヌクレオチド中1個未満、或いは100個のヌクレオチド中1個未満、或いは200個のヌクレオチド中1個未満、或いは500個のヌクレオチド中1個未満、或いは1000個のヌクレオチド中1個未満、或いは5000個のヌクレオチド中1個未満、或いは10000個のヌクレオチド中1個未満であるものとする。
明確さのために別個の実施形態に関連して記載した本発明の所定の特徴はまた、1つの実施形態において、これら特徴を組み合わせて提供され得ることを理解されたい。逆に、簡潔さのために1つの実施形態に関連して記載した本発明の複数の特徴はまた、別々に、または任意の好適な部分的な組み合わせ、または適当な他の記載された実施形態に対しても提供され得る。さまざまな実施形態に関連して記載される所定の特徴は、その要素なしでは特定の実施形態が動作不能でない限り、その実施形態の必須要件であると捉えてはならない。
上述したように、本明細書に記載され、特許請求の範囲に請求される本発明のさまざまな実施形態および態様は、以下の実施例によって実験的に支持されるものである。
ここで、上記の記載と共に本発明を限定することなく説明する以下の実施例に参照する。
一般に、本明細書で使用される命名法や本発明で利用される実験手順には、分子、生化学、微生物学及び組換えDNA技術が含まれる。そのような技術は文献で十分に説明されている。例えば、"Molecular Cloning: A laboratory Manual" Sambrook et al., (1989); "Current Protocols in Molecular Biology" Volumes I-III Ausubel, R. M., ed. (1994); Ausubel et al., "Current Protocols in Molecular Biology", John Wiley and Sons, Baltimore, Maryland (1989); Perbal, "A Practical Guide to Molecular Cloning", John Wiley & Sons, New York (1988); Watson et al., "Recombinant DNA", Scientific American Books, New York; Birren et al. (eds) "Genome Analysis: A Laboratory Manual Series", Vols. 1-4, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York (1998);米国特許第4,666,828号、第4,683,202号、第4,801,531号、第5,192,659号及び第5,272,057号に記載の方法、"Cell Biology: A Laboratory Handbook", Volumes I-III Cellis, J. E., ed. (1994); "Culture of Animal Cells - A Manual of Basic Technique" by Freshney, Wiley-Liss, N. Y. (1994), Third Edition; "Current Protocols in Immunology" Volumes I-III Coligan J. E., ed. (1994); Stites et al. (eds), "Basic and Clinical Immunology" (8th Edition), Appleton & Lange, Norwalk, CT (1994); Mishell and Shiigi (eds), "Selected Methods in Cellular Immunology", W. H. Freeman and Co., New York (1980)、利用可能なイムノアッセイは特許及び科学文献に広く記載されている(例えば、米国特許第3,791,932号、第3,839,153号、第3,850,752号、第3,850,578号、第3,853,987号、第3,867,517号、第3,879,262号、第3,901,654号、第3,935,074号、第3,984,533号、第3,996,345号、第4,034,074号、第4,098,876号、第4,879,219号、第5,011,771号及び第5,281,521号参照)、"Oligonucleotide Synthesis" Gait, M. J., ed. (1984); "Nucleic Acid Hybridization" Hames, B. D., and Higgins S. J., eds. (1985); "Transcription and Translation" Hames, B. D., and Higgins S. J., Eds. (1984); "Animal Cell Culture" Freshney, R. I., ed. (1986); "Immobilized Cells and Enzymes" IRL Press, (1986); "A Practical Guide to Molecular Cloning" Perbal, B., (1984) and "Methods in Enzymology" Vol. 1-317, Academic Press; "PCR Protocols: A Guide To Methods And Applications", Academic Press, San Diego, CA (1990); Marshak et al., "Strategies for Protein Purification and Characterization - A Laboratory Course Manual" CSHL Press (1996)。これら文献の全てを本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。他の一般的な参考文献はこの文書全体で提供される。そこに記載の手順は、当技術分野で周知であると考えられており、読者の便宜のために提供される。そこに含まれる全ての情報を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
実施例1
材料と方法
IPL344の処方と投薬:IPL344、7個のアミノ酸から成る合成ペプチド[LPPLPYP(配列番号1)、本明細書に記載のものは塩基性ペプチドである]を水溶液に処方する[ペプチドをdPBS(Ca++とMg++含有)に溶解、濃度は50mg/mL(即ち、5%塩基ペプチド、酢酸塩と不純物を含まない)]。ペプチド濃度は280nmでの吸光度(A280、Thermo Fisher Scientific社)から求め、そこからHPLCによって原薬(DS)放出時に同定された不純物を差し引いた値とした。
医薬品(DP)はガラスバイアルで供給し(バイアル1個当たり1.4~1.5mL(復元可能))、5±3℃で保存する。単回使用のガラスバイアルに充填されたDPの安定性研究から、DPが5±3℃で最大18ヶ月間保存できることが示されている。
IPL344は1日1回静脈内(IV)投与し、投与はカニューレ、末梢挿入中心カテーテル(PICC)ライン、又は中心静脈ポート又は中心静脈カテーテル(CVC)(例えば、ヒックマンポート)によって行うか、ボーラスとして電子注入ポンプを使用して行うか、又は50mLの生理食塩水で希釈した薬剤の高速注入によって行う。
用量制限毒性(DLT):DLTは、任意の投与で発生するIPL344薬物関連の有害事象(CTCAEバージョンv.4.03を使用)であり、一対象当たりグレード3以上と定義されるが、以下は除外される。
・過敏症のグレード3の有害事象(洞性頻脈、激しい呼吸、又は静脈や他の場所に沿った発疹で定義される)。
・一過性(発症から6時間以内に回復)のグレード3の試験薬物関連有害事象。
DLTは、毒性について明確且つ十分に実証された別の説明がない限り、IPL344に関連するものと見なす。
用量調整、注入遅延、及び投与見逃し:各対象の治療の範囲内で用量の増加又は減少が許可される(例えば、以下の表3に詳述されている)。例えば、対象がDLT又は過敏症反応を経験した場合に用量調整が許可される。
投与を見逃した場合、通常は遅延が1日であれば、当初の予定訪問に従って手順を行う。予定訪問時に注射又は注入を行うことができない場合は、できるだけ早く投与を行う。
有害事象(AE):FDAでは、AEを「薬物関連と見なされるか否かにかかわらず、ヒトでの薬物の使用に関連する有害な医学的出来事」と定義している(米国保健社会福祉省、2012年12月)。IPL344の最初の投与前に存在する病状は既存の病状と見なし、病歴として記録する。新しい病態、事象又は既存の病態の悪化は、初回の投与に因るAEと見なされる。
以下の表1~2に示すように、各AEを重篤度、重症度、及び治療との関連性に関して評価する。AEはCTCAEバージョンv4.03でコード化されている。
重篤な有害事象(SAE):SAEとは、IPPL344との関連性に関わらず、いかなるIPPL344用量でも発生する重大な危険性又は副作用を示唆するAEであって、以下の結果のいずれか(但し、これらに限定されない)をもたらすものである。
・死亡(原因に関わらず)
・生命を脅かす有害事象又は疑わしい副作用
・参加者が入院している場合、又は臨床AEに関連する既存の入院の延長(医療施設での最低1泊の滞在を含む参加者の入院)
・持続的又は重大な障害/無能力又は通常の生活機能を実行する能力の実質的な崩壊
・先天性異常又は先天性欠損症
死亡には至らず、生命を脅かすこともなく、又は入院も必要としないような重要な医学的事象であっても、適切な医学的判断に基づき、参加者が危険に晒され、上述の結果の内の1個を防ぐために医学的又は外科的介入が必要であるとみなされるものは、重篤と判断され得る。
バイタルサイン:バイタルサインとしては、血圧、心拍数、口腔温度、呼吸数及びパルスオキシメトリ測定値が挙げられる。バイタルサインは、指定された通り(例えば、評価スケジュール(以下の表3))に測定することができる。このような測定値は、投与前、及び投与から15~20分後、1時間後及び4時間後に得る。自宅での訪問診療の場合、測定値は投与前と投与から15~20分後及び1時間後に得る。
身体検査:一般的な歩行状態を含む身体検査は、指定された通り(例えば、評価スケジュール(以下の表3))に治験医師によって行われる。身体検査には、外見、目、耳、鼻、頭、喉、首、胸、肺、心臓、腹部、四肢、皮膚及び筋骨格系が含まれる。治験責任者/医師によって関連性が見出された場合には追加の検査を行う。
心電図(ECG):12誘導ECGは指定された通り(例えば、評価スケジュール(以下の表3))に記録する。治療期間中、IPL344の用量漸増投与の前、及び投与から15~20分後、1時間後及び4時間後にECGを得る。
検査室評価:全ての日常的な臨床検査室評価はセンターの地元の検査室で行う。安全性検査室試験は指定された通り(例えば、評価スケジュール(以下の表3))に行い、以下の事項が含まれる。
1.血液学的評価:赤血球数、ヘモグロビン(HGB)、ヘマトクリット(HCT)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、平均赤血球容積(MCV)、白血球(WBC)数とバラつき、血小板数及びPT/INR。
2.生化学的評価:総タンパク質、アルブミン、総ビリルビン、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、γグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)、アルカリホスファターゼ、グルコース、ナトリウム、カリウム、BUN及びクレアチニン及び電解質:カルシウム、カリウム、ナトリウム及び塩化物。
3.抗薬物抗体:将来の検査のための採血。
4.尿検査(尿試験紙):タンパク質、グルコース、比重、ケトン、ウロビリノーゲン、ビリルビン、pH、血液(ヘモグロビン)及び白血球。
部位の正常範囲値の正常範囲外にある全ての重要な臨床検査結果は、値が正常に戻るまで、又は病因が決定されて病態が安定していると見なされるまで臨床的に示されるように検査が繰り返される。治験責任者/医師によって決定された、臨床的に重要であると考えられる異常な臨床検査結果はAEとして報告される。検査所見の異常は以下の場合を除いてAEとは見なされない。
・介入が必要である。
・用量の変更が必要である(減少、中止、中断)。
・他の治療/療法が必要である。
・他の診断又は病状に関連する。
・所見の臨床的重要性を考慮した後の治験責任者の決定。
血清妊娠検査:出産の可能性のある女性は、指定された通り(例えば、評価スケジュール(以下の表3))に市販のキットを使用して血清妊娠検査を行う。
体重/身長:対象はジャケット等のかさばる服を着ず、靴を履かない。チェアスケール(シェケルの多機能車椅子スケール)を使用した体重評価。
併用薬:治療中に服用する薬物(例えば、処方薬、市販薬、ハーブ系サプリメント、及び健康食品店の製品)は医師によって見直される。処方薬又は市販薬は訪問毎にチェックし、好ましくは一般名で記録する。
薬物動態(PK):PK研究用の血液試料は事前に指定された時点で採取する。例えば、IPL344の投与前(時間=0)と投与の5分後、10分後、20分後、30分後、45分後、60分後及び120分後に採取する。各対象から約3.0~4.0mLの全血試料をKEDTA抗凝固剤含有の血漿チューブに採取し、湿った氷上に置く。冷蔵(2~8℃)遠心分離によって試料を30分以内に更に処理して血漿とし、上清を4個のバイアル(4個のアリコートで約0.5mL)に移し、更に分析するまで-20℃で保存する。
ALSFRS-Rスコアによって評価される体力:筋萎縮性側索硬化症機能評価尺度(ALSFRS)は、ALS患者が日常生活動作(ADL)を行う際の身体機能を測定する検証済みの質問票ベースの尺度である。ALSFRS-Rは、医師が作成した対象の機能障害程度の推定値を提供するが、これを連続的に評価して治療又は疾患の進行に対する応答を客観的に評価することができる。尺度の構成要素は、粗大運動課題、微細運動課題、延髄機能及び呼吸機能を含む4種の因子又は領域に分類される。ALSFRS-Rには、12個の共通課題(会話、唾液分泌、嚥下、手書き、食材を切って調理する能力、着衣と衛生、寝返り、歩行、階段上り、呼吸困難、起座呼吸、及び呼吸不全)の内の1個を行う際の対象の機能障害のレベルに関する印象を評価するために試験者に尋ねる12個の質問が含まれている。各課題は0=不可能から4=通常の能力までの5段階で評価する。個々の項目のスコアが合計され、0=最低から48=最高のスコアが報告される。
呼吸機能:安静時肺活量(SVC)によって評価する:肺活量(VC)では1回の呼吸で弱く吐き出した空気の量を測定する。
筋力:以下によって評価する
(a)ハンドヘルドダイナモメトリー(HHD)/握力測定は、高度な専用強度測定デバイス(例えば、ハンドグリップやハンドヘルドダイナモメーター)を使用した筋力試験の方法である。ハンドグリップダイナモメーターにおいて、ダイナモメーターの湾曲したハンドルは拳を作るときの手のパターンを模倣する。ハンドルはしなやかであり、それに対する圧力を受け入れる。ハンドグリップには、握りの強さを示すモニターが取り付けられている。
必要に応じて又は或いは、以下によって評価する。
(b)手動筋肉試験(MMT):手動筋肉試験は、重力と手動に関連する効果的な動きに基づいて、個々の筋肉と筋肉群の機能と強度を評価するための手順である。MMTでは以下の基準:筋肉が重力に逆らってレバーアームを動かすことができる(3/5~5/5)、重力なしで動かすことができる(2/5)、又は触知可能な収縮を示す(1/5)に従って、筋力をスコア化する。
認知機能:ALSうつ病リスト(ADI-12)、ベックうつ病リスト(BDI)、及び/又は病院不安抑うつ尺度(HADS)に従った質問票を使用して、うつ病及び/又は不安を評価して認知機能を評価する。
統計分析:統計分析はSAS(登録商標)v9.4以降(SAS Institute、米国ノースカロライナ州ケアリー)を使用して行う。連続変数の記述統計は、平均、標準偏差、及び/又は平均、最小、最大及び観測数の標準誤差を使用して提供する。離散データの記述統計は、頻度(n)と百分率(%)を使用して提供する。関連すると思われる場合には95%両側信頼区間を提供する。ベースライン値は、最初の治験薬投与前の最後の有効な値として定義する。安全性パラメータのベースラインは、各投与期間の薬物投与前でそれに最も近い最後の利用可能で評価可能なパラメータ値として定義する。再チェック値をベースラインに使用する場合、計画されたベースラインと同じ条件(例えば、絶食条件)で収集する。サンプルサイズは8~15名の参加者を含む。
安全性分析:安全性集団は、時期尚早に離脱した参加者を含む、IPL344の投与を少なくとも1回受けた参加者(曝露集団)に基づく。AEは器官分類と推奨用語によって分類し、AEを経験している参加者の数と割合によってまとめる。SAEは、治験薬に関連するAEと関連しないAEであり、用量によって表形式で表示し、CTCスコアは用量で表す。毒性スコアは、グレード、用量レベルによって提示し、投与から1時間以内に発生した所見とその他の所見に関して個別に表にする。IPL344のDLTと最大耐用量(MTD)を評価して提示する。身体検査、血液検査と尿検査、及びバイタルサインは用量によって表形式で表示する。
PK分析:薬物動態分析は、薬物投与に関連して大きな逸脱(例えば、IPL344の不完全な注入)がない参加者に対して行う。全ての時点ではないが一部の時点で血漿試料データが欠落している参加者が分析に含まれる。
母集団PK分析の後にベイズフィッティングアルゴリズムが続き、各対象のPK特性を推定し、個々の完全なPK曲線を再構築する。このような個々のPK曲線を使用して、その後の非コンパートメント分析(NCA)分析を行い、その分析からTmax、Cmax、T1/2、CL、λz、及びAUC(0-t)を決定する。
AUC0-t:時間0から線形台形法で計算された最後の定量化可能濃度(Ct)の時間(t)までの血漿中濃度-時間曲線下の面積。
max:観察された最大血漿中濃度。
max:最大血漿中濃度に達するまでの観察時間。
λz:LN変換された血漿中濃度対時間曲線の末端線形部分の回帰直線の負勾配から計算された末端相指数速度定数。
1/2:ln(2)/λzとして計算された見かけの末端指数半減期。
各用量を投与した後の個々の血漿中IPL344濃度の経時的プロファイルは、各用量の全ての患者を含む対象の数値によって示す。各用量レベルで得られた平均(SD)血漿中濃度もプロットする。実際のサンプリング時間をPK分析に使用する(実際のサンプリング時間が利用できない場合には、理論時間を代わりに使用する)。
上述のように計算した薬物動態パラメータ(AUC、Tmax、Cmax、及びT1/2)を各用量についての要約統計量(例えば、観測数、算術平均と幾何平均、SD、変動係数(CV%)、中央値、最小値、及び最大値)と共に表にする。
Figure 0007350019000004
実施例2
IPL344治療プロトコル
本発明の幾つかの実施形態のALS治療用IPL344の静脈内(IV)投与のためのプロトコルを以下の表4に要約する。
本発明をその特定の実施形態との関連で説明したが、多数の代替、修正および変種が当業者には明らかであろう。したがって、そのような代替、修正および変種の全ては、添付の特許請求の範囲の趣旨および広い範囲内に含まれることを意図するものである。
本明細書で言及した全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許および特許出願のそれぞれについて具体的且つ個別の参照により本明細書に組み込む場合と同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。加えて、本願におけるいかなる参考文献の引用または特定は、このような参考文献が本発明の先行技術として使用できることの容認として解釈されるべきではない。また、各節の表題が使用される範囲において、必ずしも限定として解釈されるべきではない。
更に、本願の優先権書類の全内容を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。
配列番号1: 合成ぺプチド

Claims (6)

  1. ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(dPBS)と、配列番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチドとを含む、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療を必要とするヒト対象においてALSを治療するために使用する組成物であって、前記組成物は、2~5mg/kgの用量の前記ペプチドを前記ヒト対象にボーラス静脈内(IV)注射するためのものであり、前記組成物は50mg/mlの濃度で処方された前記ペプチドを含む、組成物
  2. 前記用量は3~4mg/kgである、請求項1に記載の組成物
  3. 前記ペプチドは配列番号1に記載のアミノ酸配列からなる、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記ALSはALS関連うつ病である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物
  5. 前記ALSは急速進行性ALSである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物
  6. 前記ALSは非緩徐進行性ALSである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物
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