本発明の開示は、「科学及び有用な技術の進歩を促進する」ために(第8節の第1条)、米国特許法の憲法上の目的の促進において提出されている。
本発明の第1の形態は、図4における符号10及び以下において概して指示されている。本発明の目的のために、以後において記載されているような本発明の様々な形態が、患者が有する1つまたはいくつかの歯科矯正異常を治療するために臨床医によって提供される複数のステップの歯科矯正治療の方法、レジメン、または計画を実施するために使用されることは、理解されるものである。本発明の歯科矯正ブラケット10は、適切な接着剤または他の手段を用いて、患者の歯11(図5)に解除可能に固定され、具体的には、前向き面12に固定される。歯科矯正ブラケット10は、その様々な形態において、以後において検討されており、アーチワイヤ90及び記載されている他の歯科矯正の器具との組み合わせで使用されるとき、変化する度合いのトルク及び/または他の力を提供するように動作可能であり、組み合わさって、患者の歯11が有する歯科矯正異常を矯正する。歯11に適用される力は、患者の歯11に個々に強制的に作用する複数の選択的なトルク表現の形態であり得る。患者の歯は歯根11Aと歯冠11Bとを備え、長手方向軸11Cを画定している。本特許出願の目的について、以後において使用されているような「トルク表現」という用語は、近心/遠心の方向に位置する軸であるX軸の周りでの患者の歯11の回転を提供する力として画定されている。具体的には、本発明の歯科矯正ブラケット10は、患者の歯列弓(図示せず)に概して対応する元の構成から離れる/外れるアーチワイヤ90の臨床的にあらかじめ画定された歪み、操作、曲げ、捩じり、及び/または他の回転なしで、図5において見られるような第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を達成するために、または、患者の歯科矯正治療の間に異なる大きさのアーチワイヤ90との同じアーチワイヤ90のしばしば繰り返しの交換を達成するために、用いられ得る。当然ながら、以後において記載されているように、他の力が他のデバイス及び手段によって患者の歯11に適用され得る。複数のステップの歯科矯正治療レジメンを通じた患者の治療は、以後において記載されているように、患者の歯11からブラケット基部20を取り外すことなく完了まで進めることができるが、ブラケット基部20において連続的な手法で解除可能に搭載される個々のブラケット本体40は、治療する臨床医の臨床的な判断に基づく治療期間の間、定期的に調節され得る、及び/または、臨床医が選択した複数の他のブラケット本体40と定期的に交換され得る。本発明10は新規の手段を提供し、それによって、臨床医は、記載されているように、ブラケット基部20及びブラケット本体挿入体100の品揃えと動作可能に嵌まり合って協働できる異なるブラケット本体40の品揃えを利用することで、患者の歯11の第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を達成し、それによって患者の治療時間を相当に短縮し、また優れた治療結果を達成する。本発明は、知られている治療する臨床医には最もなじみのある先行技術の器具または実施を利用することで、これまでは不可能であった手法で患者の快適性の増加も提供する。
歯11の移動は、空間において3つの平面に対して画定される。この点において、これらのそれぞれの平面における移動は、それぞれ符号13,14、15である第1の次元の移動、第2の次元の移動、及び第3の次元の移動として分類されている。図5において見られるように、第1の次元の移動13は、回転及び/または内外の移動として一般的に考えられる。これは、咬み合わせの見地から見られ得る移動を言っている。他方で、第2の次元の移動14は傾斜としばしば称され、頬舌または唇舌の見地から見られ得る。これは、咬合-歯肉方向における移動、または、頬舌もしくは唇舌の軸の周りでの傾斜を含む。一般的な問題として、前述の軸の周りでの回転は、典型的には、近心または遠心の方向における患者の歯11の歯根11Aまたは歯冠11Bの傾斜をもたらす。第2の次元の移動14は、それぞれの歯11の歯根を平行にさせるためと、所与の歯を上昇または下降させるためとに使用される。最後に、一般的に「トルク」と考えられる第3の次元の移動15は、近心-遠心の見地、または、頬舌の断面から見られ得る。第3の次元の移動15は、典型的には、近心-遠心の軸の周りの移動を言う。この具体的な移動は、適切な切歯、唇舌、または頬舌の傾きを達成しようとするときにしばしば重要である。第1の次元の移動、第2の次元の移動、及び第3の次元の移動は、繰り返しになるが、図5において最良に見られ、それぞれ符号13、14、及び15によって指示されている。
図4、図9、及び図10において見られるような本発明の第1の形態では、歯科矯正ブラケット10は、主本体21を有し、前向き面22と、後向き面23とを画定し、周囲の縁24をさらに有するブラケット基部20を備える。後向き面23は、適切な接着剤によって、患者の歯11の前向き面12に典型的には固定される(図示せず)。ブラケット基部20は、前向き面22と後向き面23との間に変化する厚さ寸法(図9)を有する後向き面23を有し、そのため、第1の縁部分26における第1の厚さ寸法28が、相対する第2の縁部分27における第2の厚さ寸法29と異なる。相対する縁部分26、27の間での異なる厚さ寸法28、29は、線形であり、ブラケット基部20の後向き面23を、好ましくは約6.5°から約8.5°までの間で、最も好ましくは約7.5°で、斜めにさせる。角形成は、所与の所定の歯科矯正治療レジメンの間に患者の歯11に発揮され得る所定の大きさのトルクを、治療提供者に選択及びカスタマイズさせることができる。ブラケット基部20の製作の間、ブラケット基部20の材料厚さは、臨床医によって必要と決定される場合、さらに変更され得る。ブラケット基部20の後面23の角形成は、特有である治療レジメンを有する患者についての歯科矯正異常に対処するためのより大きな柔軟性を臨床医に与える。さらに、患者の歯11に対するブラケット基部20の180°の回転(患者の歯11への取り付けの前)は、ブラケット基部20の角形成を反対にし、ブラケット基部20に対するブラケット本体40の利用可能な角度位置を材料的に変更し、治療法を決定するときに臨床医にとって利用可能な利用可能トルク選択肢をさらに広げる。
ここで図10を参照すると、本発明10の第1の形態、より明確には、ブラケット基部20の前向き面22が、概して符号30によって指示されている結合部分または結合領域を備えている。結合部分または結合領域30は、実質的に凹状に成形されているとして図10において示されている湾曲した鳩尾形のスロット31によって一部で画定されている。しかしながら、図示されているような本発明の形態は凹状に成形された鳩尾形のスロットを示しているが、湾曲した鳩尾形のスロット31が凸状の湾曲または実質的に平坦な形を取る本発明の形態が製作され得ることが、同じように実現可能である。そのため、本発明は、図示されているものに限定されるべきではない。そのため、凸状、凹状、及び/または潜在的に平面の配置のいずれかの湾曲した鳩尾形のスロットが本発明の製作において同じように用いられ得ることは、認められるべきである。記載されている結合部分30は、この最初に図示されているブラケット基部20を「万能の」基部にさせ、以後において記載されているように、複数のブラケット本体40と共に利用できる。
記載されているような配置において、ブラケット基部20は、受動的な結紮、能動的な結紮、または従来からの結ばれたブラケットを用いるブラケット本体40で用いられ得る。この特徴を考慮して、臨床医は、歯科矯正治療レジメンの実施の間に歯科矯正ブラケットを交換するとき、もはやブラケット基部20を取り外す必要がない。むしろ臨床医は、ブラケット本体40をブラケット基部20の結合部分30から取り外し、複数のステップの歯科矯正治療レジメンの実施において用いられる臨床医が選択した便益を達成する代わりのブラケット本体40を再び取り付けなければならないだけである。別の選択肢として、臨床医は、ブラケット基部20に対するブラケット本体40の配向を調節する必要があるだけであり得る。
先に検討されているように、ブラケット基部20は、歯科矯正治療の時間全体の間に歯11に固定されたままとなり、それによって治療を早め、治療レジメン全体を患者にとってはるかにより快適にすることができる。湾曲した鳩尾形のスロット31は、一対の離間した側壁32によって、少なくとも一部で画定されている。また、結合部分30が、ここでは符号33A及び33Bとしてそれぞれ特定され、湾曲した鳩尾形のスロット31の両側に位置付けられている両側を有する中央に位置付けられて高くされた領域33によって、少なくとも一部で画定されている。中央で高くされた領域33A及び33Bはそれぞれ、湾曲した鳩尾形のスロット31の湾曲した上方を向く面と同じ曲率を有する湾曲した上方を向く面34を有する。中央で高くされた領域33の各々は、内向きに延びるフランジ部分35を備える。フランジ部分35は、以後においてより詳細に検討されているように、移動可能なブラケット本体40とスライド可能に嵌まり合って捕獲して協働するための手段を提供する。また、中央で高くされた領域33の各々に形成され、湾曲した上方を向く面34を通じて下向きに延びるのは、符号36によって概して指示されている複数の係合領域である。係合領域36は、以後においてより詳細に記載されているように、ブラケット本体挿入体100の係合部分111、112と嵌まり合って受け入れて協働するような大きさに個々でされている。複数の係合領域36が、アーチワイヤスロット60の中に受け入れられ、以下で記載されているように個々のブラケット本体40によってさらに画定されるアーチワイヤ90に所与の大きさのトルクまたは他の力を付与するように、ブラケット基部20と移動可能に嵌まり合って協働するブラケット本体40の回転可能な配向を調節可能に位置決めするための従来の手段を提供する所定の空間的なパターンで配置されることは、図9及び図10を検討することから留意されている。弓形の側方の凹部37が、ブラケット基部20の各々の相対する側部26、27に画定されている。弓形の凹部37は、各々の凹部37の丸められた弧状部分がブラケット基部20の後面23の反対側で開放するように前向き面22とつながっている。弓形の凹部37は、以後において検討されているように、ブラケット本体挿入体100のフランジ部分113を担持する/フランジ部分113と係合するように構成されており、ブラケット基部20に画定された係合領域36の中での結石の蓄積を防止/低減するようにさらに構成されている。
図4及び図6~図8に示されているような歯科矯正ブラケット10は、ブラケット基部20に支えられる、または、ブラケット基部20と移動可能に嵌まり合って協働する移動可能なブラケット本体40を備える。この点においてブラケット本体40は、前向き面42と、反対側の後向き面43とによって少なくとも一部で画定される主本体41を有する。なおもさらには、ブラケット本体40は、所定の距離で一方が他方に対してさらに位置付けられている反対側の第1(近心)の側44と第2(遠心)の側45とによって画定されている。なおもさらには、ブラケット本体40は、上を向く面46と、反対側の下を向く面47とを備える。上を向く面46及び下を向く面47は、当技術分野でよく知られているタイウイングをそれぞれ画定する。図4及び図6~図8において見られるように、ブラケット本体40は、符号50によって概して指示され、当技術分野でよく知られている移動可能ゲートを搭載している。移動可能ゲート50は、ブラケット本体40によってさらに画定され、図面において示されているアーチワイヤスロット60に対して、第1の下位置または開位置52と、第2の上位置または閉/塞ぐ位置53との間で、画定された進行の経路51に沿って往復で進行または移動するように動作可能である。ブラケット本体40の前向き面42と移動可能に協働するゲート50は、以下において検討されているように、符号60によって概して指示されている横断して配置されたアーチワイヤスロットの中で、アーチワイヤ90を選択的に保持するように動作可能である。
横断した配置されたアーチワイヤスロット60は、ブラケット本体40の第1の近心側44に隣接して位置付けられている第1の端61と、第2の側45に隣接している反対側の第2の端または遠位端62とを有する。アーチワイヤスロット60は、天面または上面63と、反対側の底面または下面64とによって、少なくとも一部で画定されている。アーチワイヤスロット60を少なくとも一部で画定する天面/上面63と底面/下面64とは、一方が他方に対して実質的に平行に離間した関係で配置されている。天面/上面63と底面/下面64との間の高さ寸法18は、以後において記載されているように、アーチワイヤスロット60にアーチワイヤ90を受け入れさせることができる。なおもさらには、ブラケット本体40の主本体41は、天面/上面63と底面/下面64との間で延びる支持壁または凹状壁65(図11)を画定しており、移動可能ゲート50の後向き面55に対して概して平行に離間された関係でさらに配置されており、それらの間にアーチワイヤスロット深さ寸法17を有する。アーチワイヤスロット60は、符号67によって指示されている中心領域及び中心を有し、アーチワイヤスロット60は、ブラケット基部20に移動可能に結合されるとき、以下に記載されているように、鉛直平面と水平平面との両方において移動可能である。鉛直平面または水平平面のいずれかにおけるブラケット本体40の移動によるアーチワイヤスロット60の回転は、アーチワイヤスロット60の中心67の周りで維持される(図27、図28、図29参照)。
アーチワイヤスロット60は、直角であり得るが、必ずしも直角ではない可能性のある4つの角の角度によって画定される概して断面の四角の形を有する。角の角度のうちの少なくとも一部は、丸められてもよく、ブラケット本体40の強度を高める所与の曲率または半径を有し得る。本発明の1つの可及的な形態では、アーチワイヤスロット60の断面の形は平行四辺形の形態を取ることができ、本発明の別の可及的な形態では、アーチワイヤスロット60の断面の形は菱形の形態を取ることができる。この特許出願の目的について、平行四辺形の定義は、実質的に平行な辺の相対する対を有する構造または形を含み、平行な辺の相対する対は、各々が実質的に等しい長さのものである。他方で、菱形は、配向において実質的に平行である辺の相対する対を有する構造または形を含むが、辺の相対する対は異なる長さを各々有する。アーチワイヤスロット60の中心67は、図24~図26において見られるように、同じ高さのアーチワイヤスロットの列形成180で一列に並べられる。本発明のこの特徴は、歯科矯正の疾病を矯正するために本発明を用いている臨床医に相当の便益と利点とを提供する。図面において見られるような本発明の配置では、以下においてより完全に記載されているようなアーチワイヤスロット60は、以下に記載されているように、ブラケット本体挿入体100の使用によってなど、様々な他の構造を用いることで変化するある所定の断面の寸法を有することは、理解されるべきである。
ブラケット本体40は、ブラケット基部20の結合部分30と嵌まり合って移動可能に係合する相補的な実質的に均一の湾曲した面を画定する後向き面43を有する。先に記載したように、ブラケット基部20の結合部分30は、所定の形及び寸法を有する湾曲した鳩尾形のスロット31を画定しており、ブラケット本体40の後向き面43は、図面において見られるように、相補的な均一に湾曲した面80と、ブラケット基部20の結合部分30と移動可能に嵌まり合って係合する嵌合構造とをさらに備える。後向き面43を少なくとも一部で形成しているこの相補的な実質的に均一に湾曲した面80は、中央で高くされた領域33の湾曲した上方を向く面34と移動可能に嵌まり合って協働し、結合部分30の特徴をさらに形成する。ブラケット本体40は、前述の嵌合構造を少なくとも一部で形成しており、ブラケット本体40の実質的に均一に湾曲した後向き面80と一体に作られ、ブラケット基部20に形成されている湾曲した鳩尾形のスロット31の中での相補的にスライド可能に嵌まり合って係合可能な受け入れのための寸法にさらにされている湾曲した雄ピン部材81も備える。この特徴は、様々なブラケット本体40がブラケット基部20と嵌まり合って移動可能に協働することができる手段を提供する。この特徴は、臨床医によって選択される歯科矯正治療レジメンまたは計画を通じて、ブラケット基部20を歯11に取り付けられたままにすることもできる。理解されるべきであるように、ブラケット基部20に対するブラケット本体40の回転は、ブラケット基部20に形成されている湾曲した鳩尾形のスロット31に沿って雄ピン部材81を移動させるときに有効である。雄ピン部材81は、中央支持の柱またはシャフトの領域83を備える主本体82によって、少なくとも一部で画定されており、中央支持の柱またはシャフトの領域83は、中央で高くされた領域33を組み合わさってさらに形成するブラケット基部20のフランジ部分35同士の間に画定されている空間の中にさらに位置付けまたは受け入れられる。中央支持の部分またはシャフト83は遠位端を有し、遠位端と一体に作られているのは、拡大した横断して配置されるフランジ部分85である。フランジ部分85は、ブラケット基部20に画定されている湾曲した鳩尾形のスロット31の一部分を個々に形成している側壁32同士の間で測定されるような距離より小さい幅寸法を有する。さらに、同じフランジ部分85は、フランジ部分35と湾曲した鳩尾形のスロット31との間で測定されるような距離より小さい厚さ寸法を有する。その湾曲した構成において、拡大したフランジ85は相補的な湾曲した面86を有し、湾曲した面86は、湾曲した鳩尾形のスロット31に提供されている曲率と実質的に同様である曲率を有する。寸法的に設計されているように、雄ピン部材81は、湾曲した鳩尾形のスロット31に嵌まり合って嵌入する、または、湾曲した鳩尾形のスロット31に嵌まり合って協働し、湾曲した鳩尾形のスロット31に沿ってスライドし、それによって、ブラケット本体40を、ブラケット基部20に対して、湾曲した鳩尾形のスロット31の中において少なくとも部分的に回転可能に移動可能にさせる。また、この特徴は、ブラケット本体40が、ブラケット基部20から容易に位置的に調節できる、及び/または、ブラケット基部20から取り外しできる手段を提供し、治療する臨床医によって望まれる追加の臨床的な利点を達成するために、後で別の形態のブラケット本体40で置き換えることができる。
アーチワイヤスロット60の支持壁65から湾曲した雄ピン部材81の相補的な湾曲した面86までつながる中間を通る通路70が、ブラケット本体40に画定されている(図11、図14参照)。中間を通る通路70は、ブラケット本体挿入体100の中間係合部材118と解除可能に担持/係合される構成及び寸法とされている。横断貫通孔73が、相補的な湾曲した面86に離間して隣接する雄ピン部材81においてさらに画定されており、ブラケット本体40の上を向く側46からブラケット本体40の下を向く側47へと延びており、中間を通る通路70とさらに交差している。貫通孔73は保持ピン120を解除可能に担持している。保持ピン120は、貫通孔73において係合されるとき、ブラケット本体挿入体100をブラケット本体40に固定し、ブラケット本体40に対するブラケット本体挿入体100の移動を制限し、これは、ブラケット基部20に対するブラケット本体40の回転移動を可能にするが、保持ピン120を取り外すことなくブラケット本体40をブラケット基部20から取り外すことを防止する。保持ピン120は、保持ピン120が横断して延びる孔73を完全に通過することと、失われる、または、横断孔73の中での所望の位置から係合解除されることとを防止するために、径方向に拡大した端部分(図示されていない)または他の知られている特徴(図示されていない)を有してもよい。
ブラケット基部20が患者の歯11に適切に取り付けられ、ブラケット本体40がブラケット基部20に取り付けられるとき、横断して配置されたアーチワイヤスロット60はブラケット基部20に対する所与の所定の配向を有し、本発明で提供されているような配置は、それぞれ第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15であるとしてここでは指示されている個々のトルク表現を、横断して配置されたアーチワイヤスロット60の所定の配向に相当の影響を与えることなく容易に調節させることができる。これは、図6、図7、及び図8を参照して最良に見られる。これは、ブラケット基部20に対するブラケット本体40の部分的な回転がアーチワイヤスロット60の中心67を材料的に変位させない一方で、異なるトルク表現13、14、15が患者の歯11の一部分を移動及び矯正するために提供されるため、歯科矯正治療において相当の進歩である。これは、先に開示されている歯科矯正器具に対してかなり有意義な新規の利点である。
本発明10の新規の特徴のうちの別のことは、新しい歯科矯正アーチワイヤ90が、何十年と臨床医にとって普及していた実施である実質的な曲げ、意図的な歪み、または他の操作なしで、受動的な結紮ブラケット10に配置できる、または、受動的な結紮ブラケット10の中に実質的に包囲されるという事実に関する。さらに、患者の治療は、患者の歯11からブラケット基部20を取り外すことなく完了まで進めることができるが、ブラケット基部20において解除可能に搭載されるブラケット本体40は、治療する臨床医の臨床的な判断に基づく治療期間の間、位置的に調節され得る、及び/または、他のブラケット本体40と交換され得る。本発明10は、異なるブラケット本体挿入体100を含む様々な手段を利用することで、臨床医が、患者の歯11の第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を達成するために、アーチワイヤスロット60の断面の寸法17、18を容易に調節することができ、それによって患者の治療時間を相当に短縮することで優れた治療結果を達成し、知られている先行技術の器具または実施を利用することでは可能ではなかった手法で、患者の快適性を増加させることができる新規の手段を提供する。なおもさらには、本発明の調節可能な受動的な結紮ブラケット10は、アーチワイヤ90をさらに受け入れ、鉛直平面と水平平面との両方において移動可能であり、アーチワイヤ90を担持しているアーチワイヤスロット60の回転は、鉛直平面または水平平面のいずれにおいても、患者の歯11に第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15をそれぞれ同時に付与し、アーチワイヤ90の移動はアーチワイヤスロット60の中心67の周りで実質的に維持される。この特徴は、トルク表現13、14、15が歯11においてブラケット10によって表現されているが、図27~図29において最良に示されている。アーチワイヤスロット60は、各々のアーチワイヤスロット60の中心67を通過する水準線180に沿って維持される。
先に記載されているように、アーチワイヤスロット60は、3つの側部から構成されるアーチワイヤスロット60を形成するように、図4において最良に見られるブラケット本体挿入体100の前向き面106と、上面63と、下面64とによって一部で画定されており、移動可能ゲート50の後内側を向く面55によってなおもさらに一部で画定されている。移動可能ゲート50が閉位置(図6~図8)にあるとき、アーチワイヤスロット60は、ブラケット本体挿入体100の前面106と、上面63と、下面64と、移動可能ゲート50の後内側を向く面55とによって境界付けられた(断面において)4つの側部から構成される四角のアーチワイヤ通路60を形成する。四角のアーチワイヤ通路60は、直角である必要はないが、直角であり得る隣接する面106、63、64、及び55同士の間でそれらの面を結合する4つの角の角度をさらに有する。
受動的な結紮ブラケット10は、ブラケット本体40の前向き面42においてスライド可能に搭載され、前向き面42に対して移動可能とさせられる移動可能ゲート50をさらに利用または採用する。移動可能ゲート50は、臨床医によって摩擦で係合させられ得る前または外側を向く面54を有し、さらに、4つの側部から構成される四角のアーチワイヤスロットまたは通路60を少なくとも一部で形成し、本発明のアーチワイヤ90を実質的に包囲する反対側の後向き面55をさらに有する。図面で見られるように、移動可能ゲート50は、第1の塞がない位置または開位置52と第2の塞ぐ位置または閉位置53との間で移動の経路51に沿って進行するように動作可能である。第2の塞ぐ位置または閉位置53では、移動可能ゲート50は、本発明のアーチワイヤ90の一部分を少なくとも一部包囲する。さらに、ブラケット本体40がブラケット基部20に対する所与の配向へと移動されるとき、包囲されたアーチワイヤ90は、受動的な結紮ブラケット10が搭載される患者の歯11の第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15に作用するように力をブラケット本体40に付与するために動作可能である。しかしながら、アーチワイヤ90は、アーチワイヤスロット60の中で位置的に固定されず、アーチワイヤ90は、本受動的な結紮ブラケット装置及び方法の所望の歯の移動に作用するようにアーチワイヤスロット60の中で軸方向に移動可能なままである。
図面に示されているように、本発明に記載されているような歯科矯正ブラケット10は、アーチワイヤスロット60の中に受け入れられるアーチワイヤ90を受け入れてアーチワイヤ90と協働するように動作可能である。アーチワイヤ90は、新規の設計であり、平面状の相対する天面(上面91)及び底面(下面)92と、上面91及び下面92を一体に連結する、相対する凸状に湾曲した前面96及び後面97とによってさらに画定されており、実質的に丸い正方形または丸い長方形の断面をさらに形成している(図21参照)。図面において見られるような配置では、アーチワイヤ90は、横断して配置されたアーチワイヤスロット60の中に受け入れられ、アーチワイヤ90との組み合わせで作用する図示されているようなブラケット本体40は、選択の複数のトルク表現13~15をそれぞれ提供するように、水平平面または鉛直平面の両方に沿って調節可能であり、患者の口の中で臨床的に望ましい配向及び便益を達成する様態でそれぞれの歯11を移動させるように、患者の歯11に強制的に作用する。
ここで図21~図26を参照すると、アーチワイヤ90は、長手方向軸95によって一部で画定されている主本体94を有する。主本体94は、概して平面状の上を向く面91と、相対する概して平面状の下を向く面92とを有する。主本体94の厚さ寸法93が、概して平面状の上面91と下面92との間で、それらの2つの面91、92の間でそれらの面91、92に対して垂直に延びる線において測定される。なおもさらには、主本体94は、前の凸状に湾曲した面96と、反対側の凸状に湾曲した後向き面97とを、それらの間の一貫した直径99が、相対する凸状に湾曲した面96、97の間で延び、中心の長手方向軸95を通過する線に沿って測定される状態で、有している。2つの相対する凸状に湾曲した96、97は、両方の凸状に湾曲した面96、97が同じ中心95を共有するように長手方向軸95から測定されるような一貫した半径99Aを各々有する。主本体94は、平面状の上を向く面91、相対する平面状の下を向く面92、及び2つの相対する凸状に湾曲した96、97の周囲の縁に沿って相互連結部を画定する複数の角張った縁または領域98をさらに有する。平面状の上面91と、相対する平面状の下面92との間の所定の厚さ寸法93は、選択的な第2の次元の移動14及び第3の次元の移動15を患者の歯11に提供する一方で第1の次元の制御13を同時に維持するように、臨床医が所定の大きさの可変トルクを発揮するための便利な手段を提供する。選択的な大きさのトルクは、厚さ寸法93を変更することで達成される。任意の選択的なアーチワイヤ90の厚さ寸法93は、アーチワイヤ90の全長に沿って均一である。図22、図23において見られるようなアーチワイヤ90は、優れた歯の一列の並びを達成する患者の歯11の最終的な完成した移動を提供するように、非常に小さいが正確な大きさのトルクを発生させるために利用され得るある種類のアーチワイヤ構成を示している。図22及び図23において見られるように、拡大された正方形の構成を有する非常に断片的で単純な描写されたアーチワイヤスロット60が図示されており、移動可能ゲート50によって塞がれており、移動可能ゲート50の後面55だけが示されている。前を向く凸状の面96は、移動可能ゲート50の後向き面55に対して密に離間して並置された関係で位置決めされている。さらに、凸状に湾曲した後向き面97が、ブラケット本体挿入体100の前向き面106に対して隣接して並置された関係で位置付けられている。図面において見られるように、様々な角張った縁または領域98は、アーチワイヤスロット60の上面63と下面64との両方に係合するように動作可能である。この係合に拘わらず、前を向く凸状に湾曲した面96が移動可能ゲート50の後向き面55をなおも通過させることができることはなおも分かる。主本体94の厚さ寸法93が縮小されるため、アーチワイヤ90がブラケット本体40に付与できるトルクの大きさがなおも低減されることは、理解されるべきである。したがって、臨床医は、アーチワイヤ90の様々な厚さ93を選択することによって、細かい最終的な制御を提供するためや、優れた歯の一列の並びを達成するためや、これまでは不可能であった手法で位置決めするために、微細な選択的な大きさのトルクを送ることができる。
好ましい実施形態では、アーチワイヤ90は、2つの直径方向で相対する平面状の上面91と下面92との間に、おおよそ0.010mmからおおよそ0.025mmの間の厚さ寸法93を好ましくは有する。なおもさらには、好ましい実施形態では、アーチワイヤ90は、2つの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97の間で延び、アーチワイヤ90の中心95を通過する線において測定されるおおよそ0.0225mmから0.0300mmの間の直径寸法99を有する。
本発明10は、図17~図19を参照して最良に見られるブラケット本体挿入体100をさらに備える。ブラケット本体挿入体100は、アーチワイヤ90がアーチワイヤスロット60に受け入れられる前のときに、アーチワイヤスロット60の中に受け入れられる。ブラケット本体挿入体100は、第1の端101と、反対側の第2の端102とを有する。ブラケット本体挿入体100は、天面または上を向く面104と、反対側の底面または下を向く面105とによって画定される細長い主本体103をさらに有する。なおもさらには、主本体103の前向き面106は、アーチワイヤスロット60の後(前を向く)壁を形成し、反対側の後向き面107は、ブラケット本体40によって画定される支持壁または凹状壁65に並置された圧し掛かる関係で、または、支持壁または凹状壁65に対して圧し掛かる。ブラケット本体挿入体100は、天面104と底面105との間で測定されるような高さ寸法を有し、その高さ寸法は、平面状の上面63と下面64との間の高さ寸法18より小さく、アーチワイヤスロット60を少なくとも一部で画定する。主本体103の高さ寸法は、主本体103をアーチワイヤスロット60の中に受け入れさせることができ、ブラケット本体40によってさらに形成されている支持壁または凹状壁65に対して嵌まり合う受け入れでさらに圧し掛かる。ブラケット本体挿入体100の主本体103が、前向き面106と後向き面107との間で測定されるような実質的に一定の厚さ寸法を有し得る、または、変化する寸法をさらに有し得る(つまり、一方の端101から相対する端102へと斜めにされる)ことは、理解されるべきである。このようにして、ブラケット本体挿入体100は、患者の歯11に第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を提供する歯科矯正ブラケット10を、横断して配置されたアーチワイヤスロット60に受け入れられるアーチワイヤ90の臨床的に所定の操作なしで提供することをとりわけ含む、本発明の便益のうちの一部を提供するように、結果生じるアーチワイヤスロット60の断面寸法を選択的に調節するための便利な手段を提供する。
ブラケット本体挿入体100は、ブラケット本体挿入体100の第1の端101及び第2の端102に位置付けられている第1及び第2のフランジ部分113を有する。具体的には、第1及び第2のフランジ部分113は、先に検討したように、ブラケット基部20に画定された側方の凹部37において係合するように、ブラケット本体40の第1の側44及び第2の側45を越えて外へと延び、後でさらに詳細に検討されているように、ブラケット本体挿入体100が適切に位置決めまたは調節され得るように、図示されていない臨床医がブラケット本体挿入体100を容易に視覚的に特定することができる便利な手段をさらに提供する。フランジ部分113の各々は、突起114を有する外側を向く面を有し、突起114は、ブラケット本体挿入体100をアーチワイヤスロット60から少なくとも部分的に取り外すように十分な力を都合よく発揮するために、限定されることはないが、ピンセットなどの工具を臨床医に使用させることができる。ブラケット本体挿入体100は、ブラケット本体挿入体100の第1の端101に隣接する後面107に対して、通常は下向きに延びる第1の係合部分111をさらに有する。第1の係合部分111は、アーチワイヤスロット60に隣接してブラケット本体40の第1の近心側44に形成される第1の通路71の中にスライド可能に受け入れられるような構成及び寸法とされている。なおもさらには、ブラケット本体挿入体100は、相対する第2の係合部分112を備え、第2の係合部分112は、さらに、アーチワイヤスロット60に隣接してブラケット本体40の第2の遠心側45に形成される第2の通路72に受け入れられる構成及び寸法とされている。第1の係合部分111は、ブラケット基部20に形成されている複数の係合領域36のうちの1つの中に嵌まり合って受け入れられるように動作可能である遠位端を有する。同様に、第2の係合部分112は、ブラケット基部20に形成されている複数の係合領域36のうちの1つの中に嵌まり合って係合されるように動作可能である遠位端を有する。
ブラケット本体挿入体100は、細長い主本体103の後面107から概して垂直に外向きに延び、第1の係合部分111と第2の係合部分112との間の概して中間において延びる一体的な細長い直線的な中間係合部材118さらに担持している。中間係合部材118は、ブラケット本体40に画定された通路70の中に軸方向で解除可能に受け入れられる構成及び寸法とされており、細長い主本体103の反対側に遠位端121を有し、ブラケット本体40の雄ピン部材81に画定された横断貫通孔73と一列に並ぶ細長い孔119(図18)をさらに画定している。中間係合部材118の細長い縁部分における摩擦隆条部110が、本発明の精度及び正確性を無効にする影響を有し、本歯科矯正ブラケット装置及び方法によって患者の歯11に発揮される正確な所定の力及びトルク結合の低下/悪影響を与える、ブラケット本体40とブラケット基部20との間の「遊び」または「ガタつき」を防止するために、ブラケット本体40をブラケット基部20に対して安定させている。
認められるように、ブラケット本体挿入体100の主本体103がアーチワイヤスロット60の中に挿入されるとき、中間係合部材118は中間通路70に受け入れられ、第1の係合部分111及び第2の係合部分112の遠位端は、ブラケット基部20に個々に形成されている複数の係合領域36のうちの1つの中に受け入れられ、それによって、ブラケット本体40をブラケット基部20に対して適切な回転可能な配向において固定して回転可能に位置決めするときに効果的である。さらに、フランジ部分113は、支持を提供し、歯石及び/または食べかすの蓄積/堆積を防止/抑制するために、ブラケット基部20の側方の凹部37に係合する。ブラケット本体40の主ピン部材81と、中間係合部材118に画定された細長い孔119とに通過させるようにする固定ピン120の横断貫通孔73への挿入は、ブラケット本体挿入体100と、ブラケット基部20に対するブラケット本体40の配向とを位置的に固定する。
中間係合部材118に画定された細長い孔119が、ブラケット本体挿入体100をアーチワイヤスロット60から部分的に引出し/取り外しさせることができ、第1の係合部分111及び第2の係合部分112をそれぞれブラケット基部20に画定されたそれぞれの係合領域36から効果的に係合解除させ、これは、それに応じて、横断貫通孔73に担持され、ブラケット本体挿入体100の中間係合部材118に画定された細長い孔119を通じてつながる保持ピン120を完全に取り外す必要なく、それぞれのブラケット本体40をそれぞれのブラケット基部20に対して回転可能に移動/調節させることもできることは、図から認められるものである。この特徴は、調節の容易性を提供し、アーチワイヤ90が壊れるなどの事象において、ブラケット本体40の不用意な係合解除及び可及的な紛失を防止する。
さらに、図面から認められるように、ブラケット本体挿入体100の主本体103は、異なる厚さ寸法において製作でき、結果的に、歯科矯正ブラケット10が供給でき、患者の歯11の移動に影響を与えるために臨床医が選択してカスタマイズ可能なトルク表現を有することができる手段を提供する。
なおもさらには、ブラケット本体挿入体100が、ブラケット本体40をブラケット基部20に対して複数の可及的に異なる角度配向で適切に位置決めすることができることは、認められるものである。これは、患者の歯11の不正咬合を矯正するために同じ歯科矯正ブラケット10を用いる臨床医に複数の治療の選択肢を提供する。これらの複数の位置または配向は、治療する臨床医が患者のために確立した臨床的な便益を達成するために、小さいトルク、中くらいのトルク、または大きいトルクを患者の歯11に適用することを構成できる。この特徴が、角度のある後面23を有するブラケット基部20と組み合わされるとき、これまでは利用不可能であって複数の治療の選択肢が、ここでは治療する臨床医に利用可能とさせられる。
最も広範な態様のうちの1つにおいて、本発明は、ブラケット基部20を備え、臨床医によって処方されるような複数ステップの歯科矯正治療の方法、レジメン、または計画を受ける患者の歯11にさらに解除可能に固定される歯科矯正ブラケットに関する。ブラケット基部20は、歯科矯正治療レジメンの期間の間、患者の歯11に固定されたままであり、臨床によって選択された歯科矯正治療レジメンは、臨床医が第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び/または第3の次元の移動15を、歯科矯正治療レジメンを受ける患者の歯11にそれぞれ付与することを必要とし得る。本発明10は、複数のブラケット本体40の使用を可能にし、それらブラケット本体40は、臨床医によって選択され、さらに、歯科矯正治療レジメンの期間の間の所定の選択された時間の期間の間、ブラケット基部20と個々に、連続的に、解除可能に、移動可能に、嵌まり合って協働し、また、患者の歯11の臨床的に望まれる大きさの移動を達成するために臨床医によって選択される第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を付与するように歯科矯正治療レジメンを受ける歯11に臨床医が選択した大きさの力を伝えることを個別及び/または集合的に容易にする。図面において見られるような配置では、提供されているようなブラケット基部20は、第1の縁部分26と、相対する第2の縁部分27との間に斜めにされた後面23を有し、そのため、選択される歯科矯正治療レジメンの間、患者の歯11に発揮され得る追加または低減した大きさのトルクを臨床医に提供する。
記載されているような歯科矯正ブラケットは第1の形態のブラケット基部20を備え、そのブラケット基部20は、臨床医によって選択された複数のステップの歯科矯正治療レジメンを容易にするように、複数のブラケット本体40と個々に嵌まり合って連続的に協働するように動作可能である。先の段落では、1つの可及的なブラケット本体40が、相当の詳細で記載されている。本発明の特徴のうちの1つは、患者の治療を早めるように、及び、選択される歯科矯正治療レジメンの間に患者の不快感を回避するように、臨床医にはおなじみの歯科矯正器具及び歯科矯正治療の方法を臨床医に利用するように促す歯科矯正ブラケットまたは器具に関する。本明細書において先に述べられているように、実施する臨床医が直面するいくつかの差し迫った課題のため、新しい歯科矯正の技術、実施、及び器具の採用及び習得は、新しい技術を習得し、延いては、患者の受け持ちの競合する要求、及び、患者のためにすでに確立されている既存の治療計画を「やり繰り」するために必要な時間のため、しばしば遅らされる。本発明は、臨床医におなじみの歯科矯正器具及び技術を臨床医が使用し続けることができ、すでに確立されているが、臨床医が治療計画を早めるために患者の歯11から歯科矯正ブラケット40全体を取り外す必要がないため、ここでは早められることになる歯科矯正治療の計画またはレジメンで臨床医が進めることができる手段を提供する。むしろ、臨床医は、レジメンの計画または療法の間に患者の歯11に永久的に固定されたままであるブラケット基部20において、解除可能及び調節可能に搭載される必要なブラケット本体40を取り外してから交換する必要があるだけである。
図面において見られるような配置では、検討されているようないくつかのブラケット本体40は、ここでは、先に記載されているものなどのブラケット基部20と嵌まり合って協働し、複数のステップの歯科矯正治療計画の実施の間、ブラケット基部20に対して調節可能に移動可能である。なおもさらには、臨床医によって決定されるように、本明細書で開示されているようなブラケット本体40のうちの少なくとも一部は、ブラケット基部20と嵌まり合って協働し、複数のステップの歯科矯正治療レジメンの間に不動である。なおもさらには、ブラケット本体40のうちの少なくとも一部は、開示されているようなブラケット基部20と嵌まり合って協働するとき、歯科矯正治療レジメンの間、ブラケット基部20に対して調節可能に移動可能及び移動不可能であることは、図の検討から理解されるべきである。このようなことは、先に検討されているようなブラケット本体挿入体100の使用によってもたらされ得る。ブラケット本体挿入体100が、第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15をそれぞれもたらす一方で、アーチワイヤスロット60の中心67の位置を実質的に維持するように、先に記載されたブラケット基部20と協働する場合、ブラケット本体40をブラケット基部20に対して所与の配向で調節可能に配向または位置決めするときに効果的であることは、留意されるべきである。
動作
本発明の記載されている実施形態の動作は、容易に明らかになると考えられており、この点において手短にまとめられる。本発明の広範な態様のうちの1つにおいて、本発明は、プラットフォーム基部20を備え、さらに患者の歯11の前面12に解除可能に保持される歯科矯正ブラケット10に関する。さらに、本発明10は、歯科矯正治療レジメンの間に患者の歯11の前向き面12からのプラットフォーム基部20の取り外しなしで、治療する臨床医によって患者のために選択されている歯科矯正治療の方法/レジメンを容易にするように、プラットフォーム基部20と個々に嵌まり合って連続的に協働する複数のブラケット本体40を備える。
患者の歯11の不正咬合を受動的な結紮歯科矯正装置システムで治療するための方法は、患者の歯11を検査し、患者の歯列弓(図示せず)に沿って歯科矯正治療を必要とする各々の個々の歯11の現在の場所及び現在の配向を特定するステップと、患者の歯列弓に沿って各々の個々の歯11の所望の場所及び所望の配向を決定するステップと、各々の個々の歯11を、特定された現在の場所及び特定された現在の配向から、患者の歯列弓に沿う決定された所望の場所及び決定された所望の配向へと移動及び再配向するために必要な第1の次元の力13、第2の次元の力14、及び第3の次元の力15を決定するステップと、現在の場所及び現在の配向から、患者の歯列弓に沿う決定された所望の場所及び決定された所望の配向への各々の個々の歯11の決定された所望の移動及び再配向を達成するために、各々の個々の歯11について、適切なブラケット基部20、適切なブラケット本体40、及び適切なブラケット本体挿入体100を選択するステップと、選択された適切なブラケット基部20を、特定された個々の歯11の前向き面12に取り付け、直に隣接する歯における直に隣接するブラケット本体と中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の列形成を達成するために、選択された適切なブラケット基部20を一列に並べるステップと、選択された適切なブラケット本体40を各々の取り付けられたブラケット基部20に取り付け、それぞれの歯11の所望の移動を達成しつつ、中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の列形成を維持するために、あらかじめ決定された第1の次元の力13、第2の次元の力14、及び第3の次元の力15を発揮するように、取り付けられたブラケット基部20に対して各々の選択されたブラケット本体40を配向するステップと、選択されたブラケット本体挿入体100を、ブラケット基部20に取り付けられてブラケット基部20に対して配向された各々のブラケット本体40へと設置し、所望のブラケット本体40の配向及び中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の列形成を確立するようにブラケット基部20に対してブラケット本体40を解除可能に位置的に固定及び位置的に維持するために、保持ピン120をブラケット本体挿入体100及びブラケット本体40において画定された貫通孔73に挿入するステップと、個々のブラケット基部20に取り付けられたそれぞれのブラケット本体40によって画定された一列に並べられた中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の中に動作可能に受け入れられるように第1の適切なアーチワイヤ90を選択し、歯の治療を受ける患者の歯11の各々の所望の移動及び所望の配向を達成するために、あらかじめ決定された第1の次元の力13、第2の次元の力14、及び第3の次元の力15を発揮するステップであって、アーチワイヤ90は、患者の歯列弓と形が同様である元の構成を有する、ステップと、選択された第1の適切なアーチワイヤ90を、各々のブラケット本体40によって画定されたそれぞれの中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60へと、患者の歯列弓と実質的に同様である第1のアーチワイヤの元の構成からの第1のアーチワイヤ90の材料的な変形、曲げ、または捩じれなしで配置するステップと、移動可能ゲート50を各々の選択されたブラケット本体40にスライド可能に取り付け、中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60が移動可能ゲート50によって実質的に閉じられ、アーチワイヤ90が中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の中で動作可能に配向され、さらに、中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60に対して軸方向のみに移動可能となるように、移動可能ゲート50を所定位置へと付勢するステップであって、アーチワイヤ90は、各々の個々の歯11への第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を、歯科矯正治療を受ける任意の隣接する歯11において同じ第1の次元の移動13、同じ第2の次元の移動14、または同じ第3の次元の移動15を同時に発揮することなく発揮する、ステップと、各々の歯11の現在の場所及び現在の配向から、各々の歯11の所望の場所及び所望の配向に向かう、患者の歯11の各々の第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を監視するステップと、歯科矯正治療を受ける患者の歯11の各々が、所望の第1の次元の移動13、所望の第2の次元の移動14、及び所望の第3の次元の移動15において、中間の場所、中間の配向、及び、第1のアーチワイヤ90が第1の次元の力13、第2の次元の力14、及び第3の次元の力15をそれぞれの歯11にもはや発揮しない、中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の中に動作可能に受け入れられるアーチワイヤ90に対する中立位置へといつ移動したかを決定するステップと、選択された第1のアーチワイヤ90を、ブラケット本体40の各々によって画定されたそれぞれの中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60から取り外すステップと、各々の個々の歯11の所望の移動及び所望の配向を達成するように、それぞれのブラケット基部20に解除可能に取り付けられるブラケット本体40の各々によって個々に画定された中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の中に動作可能に受け入れられるように第2の適切なアーチワイヤ90を選択するステップと、選択された第2の適切なアーチワイヤ90を、各々のブラケット本体40によって画定される中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60へと配置し、中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の中で担持されて包囲される選択された第2のアーチワイヤ90が中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の中において軸方向のみにおいて移動可能となるように中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60が移動可能ゲート50によって少なくとも部分的に塞がれるように移動可能ゲート50を所定位置へと付勢するステップであって、選択された第2のアーチワイヤ90は、各々の個々の歯11における臨床医が選択した第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び/または第3の次元の移動15を、患者の任意の隣接する歯11における同じ第1の次元の移動13、同じ第2の次元の移動14、及び同じ第3の次元の移動15を発揮することなく発揮する、ステップと、中間の場所及び中間の配向から、各々の歯についての所望の最終的な場所及び所望の最終的な配向に向かう、患者の歯11の各々の第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を監視するステップと、各々の個々の歯11が、所望の第1の次元の移動13、所望の第2の次元の移動14、及び所望の第3の次元の移動15において、アーチワイヤスロット60の中の選択された第2のアーチワイヤ90に対する中立位置へと、ならびに、所望の最終的な場所及び所望の最終的な配向へといつ移動したかを決定するステップと、選択された第2のアーチワイヤ90、それぞれのブラケット本体挿入体100、ブラケット本体40、及びブラケット基部20を患者の歯11から取り外すステップとを含む。
方法は、ブラケット本体挿入体100をアーチワイヤスロット60から少なくとも部分的に取り外すことで、それぞれのブラケット基部20に対するブラケット本体40の配向を調節するステップと、それぞれのブラケット本体40をそれぞれのブラケット基部20に対して新しい第2の所望の配向へと枢動させるステップと、新しい第2の所望の配向においてブラケット本体40をブラケット基部20に位置的に固定するためにブラケット本体挿入体100を再設置するステップと、アーチワイヤ90をアーチワイヤスロット60へと挿入するステップとをさらに含む。
本発明の方法は、臨床医によって選択される歯科矯正治療レジメンを必要とする患者の歯11の前向き面12への解除可能な取り付けのために構成されるブラケット基部20と、歯科矯正治療レジメンの間に患者の歯11の前向き面12からブラケット基部20を取り外すことなく、治療する臨床医による患者のための歯科矯正治療レジメンを容易にするように、ブラケット基部20と個々に嵌まり合って連続的に協働できる複数のブラケット本体40であって、複数のブラケット本体40の各々は、前面の部分42に3つの側部から構成されるアーチワイヤスロット60を画定し、アーチワイヤスロット60は、2つの離間された平行な側壁63、64、スロット開口、及び、スロット開口と反対側の基礎壁65を有する、複数のブラケット本体40と、各々のブラケット本体40のアーチワイヤスロット60の中において、基礎壁65に隣接して解除可能に担持されるブラケット本体挿入体100であって、それぞれのブラケット本体40をそれぞれのブラケット基部20に対して所望の角度配向で位置的に固定するために、外向きに延び、それぞれのブラケット基部20と摩擦でつながる係合部分111、112を各々が有し、さらにアーチワイヤスロット60の後ろ部分を形成する前向き面106を有するブラケット本体挿入体100と、複数のブラケット本体40の各々によって画定されるアーチワイヤスロット60の中での解除可能な同時の係合のためのアーチワイヤ90であって、アーチワイヤ90は、患者の歯列弓に対して密に離間した関係で、歯列弓に沿って位置決めされる第1の元の構成を有し、アーチワイヤ90は、実質的に均一な円形-正方形または円形-長方形の断面の形を有しており、実質的に均一な断面の形は、2つだけの直径方向で相対する径方向に凸状に湾曲した面96、97、及び、2つだけの直径方向で相対する平面状の表面91、92を有する、アーチワイヤ90と、を備える、不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置を利用する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、ブラケット基部20は、前向き面22と後向き面23とをそれらの間に厚さ寸法28、29を伴って有し、ブラケット基部20の第1の縁部分26における厚さ寸法28は、ブラケット基部20の離間した第2の縁部分27における厚さ寸法29と異なり、第1の縁部分26から第2の縁部分27までのブラケット基部20の異なる厚さ寸法28、29は、直線的であり、おおよそ6.5°から8.5°の間の角形成となる。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置は、アーチワイヤスロット60の基礎壁65からブラケット本体40の相対する後面63へとつながる、ブラケット本体40において画定される中間通路70と、後面63に隣接しつつ離間されて、アーチワイヤスロット60に対して垂直に、ブラケット本体40に画定される横断して延びる貫通孔73であって、中間通路70と交差し、保持ピン120を解除可能に担持するように構成される横断貫通孔73とをさらに備え、ブラケット本体挿入体100は、第1の端101、第2の端102、上部104、下部105、前向き面106、後向き面107を伴う細長い主本体103と、ブラケット本体40によって画定される中間通路70の中に軸方向で受け入れられるように構成される係合部材118とを有し、係合部材118は、第1の端101と第2の端102との間の中間で、後向き面107から概して垂直に延び、係合部材118は、主本体103から離間させられる遠位端121をさらに有し、上部104と下部105との間、及び、遠位端121と主本体123との間でつながる細長い孔119を画定し、係合部材118がブラケット本体40によって画定される中間通路70の中に係合させられるとき、細長い孔119は、ブラケット本体40に画定された横断貫通孔73と一列に並べられ、係合部材118は、中間通路70の周囲面と摩擦でつながる摩擦突起部110を、係合部材118と摩擦突起部110との間の「移動」を排除するようにそれ自体において担持し、係合部材118において画定される細長い孔119は、それ自体を通じて延びる保持ピン120と協働して、ブラケット本体40を、それぞれのブラケット基部20に対して回転可能に移動させることができるように、ブラケット本体40に対するブラケット本体挿入体100の限定された軸方向の移動を可能にして、治療している臨床医が、患者の歯科矯正治療レジメンを容易にするように、それぞれのブラケット基部20に対するそれぞれのブラケット本体40の相対位置を調節することを許容する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、ブラケット本体挿入体100は、歯科矯正治療レジメンの間、それぞれのブラケット本体40を、ブラケット基部20及び患者の歯11に対して所定の配向で固定するようにそれぞれのブラケット本体40と動作可能に協働するような構成及び寸法とされ、それぞれのブラケット本体40は、アーチワイヤスロット60を画定する前向き面42と、ブラケット基部20と移動可能に係合するように協働する反対側の後向き面43とを各々有し、各々のブラケット本体40は、アーチワイヤスロット60に隣接する第1の縁部分44において第1の通路71を画定し、第1の通路71は、アーチワイヤスロット60の基礎壁65からブラケット本体40の後向き面43へとつながり、各々のブラケット本体40は、第2の縁部分45において、アーチワイヤスロット60に隣接して第2の通路72さらにさらに画定し、第2の通路72は、アーチワイヤスロット60の基礎壁65からブラケット本体40の後向き面43へとつながり、ブラケット本体挿入体100は、第1の端部分101、第2の端部分102、後向き面106、及び前向き面107を伴う細長い主本体103を有し、第1の端部分101及び第2の端部分102に隣接する細長い主本体103の後向き面106に対して通常は下向きに延びる第1の係合部分111及び第2の係合部分112をさらに有し、各々の係合部分111、112は、ブラケット本体40の第1の縁部分44及び第2の縁部分45において画定される第1の通路71及び第2の通路72の中にスライド可能に受け入れられるような構成及び寸法とされ、各々の係合部分111、112は、細長い主本体103と反対側にあり、ブラケット基部20の前面22に形成される離間して配列された複数の係合領域36のうちの1つの中に嵌まり合って受け入れられるように動作可能である遠位端をさらに有し、各々のブラケット本体挿入体100は、ブラケット本体40に対して外向きに延び、ブラケット本体挿入体100がブラケット本体40とブラケット基部20との両方と係合させられるときに、離間して配列された複数の係合領域36に隣接するブラケット基部20の側方部分26、27において画定される側方凹部37の中に受け入れられる寸法とされるフランジ部分113を、細長い主本体103の各々の端部分101、102にさらに有し、第1の係合部分111、第2の係合部分112、及びフランジ部分113は、それぞれのブラケット本体40及びアーチワイヤスロット60に対するブラケット本体挿入体100の限定された移動だけを可能にするように構成され、ブラケット本体40に対するブラケット本体挿入体100の限定された移動は、患者の歯科矯正治療レジメンを容易にするように、臨床医がブラケット基部20に対するそれぞれのブラケット本体40の相対位置を調節することを許容する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、ブラケット本体40のうちの少なくとも一部は、ブラケット基部20と嵌まり合って協働するとき、歯科矯正治療レジメンの間、ブラケット基部20に対して調節可能に移動可能または移動不可能である。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、ブラケット基部20と嵌まり合って協働するブラケット本体40は、歯科矯正治療レジメンの間、ブラケット基部に対して移動不可能または調節可能に移動可能であり、それぞれのブラケット本体40は、従来のブラケット本体と、双ブラケット本体と、受動的な結紮ブラケット本体と、能動的な結紮ブラケット本体と、ブラケット基部20に対して移動不可能または調節可能に移動可能のいずれかであり、中立の、大きい、及び/または小さいトルクを発生させるブラケット本体と、歯科矯正治療レジメンを受ける患者の歯11に中立の、小さい、及び/または大きいトルクを発生させるフック及び/または他の歯科矯正器具を有するブラケット本体40と、をさらに備える。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置は、臨床医によって処方される複数ステップの歯科矯正治療レジメンを受ける患者の歯11への解除可能な取り付けのために構成されるブラケット基部20であって、ブラケット基部20は歯科矯正治療レジメンの期間の間に患者の歯11に固定されて留まり、臨床医によって選択される歯科矯正治療レジメンは、臨床医が、第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び/または第3の次元の移動15を、歯科矯正治療レジメンを受ける患者の歯11へ付与することを必要とし得る、ブラケット基部20と、臨床医によって選択され、歯科矯正治療レジメンの期間の間の所定の選択された時間の期間の間、ブラケット基部20と個々に、連続的に、解除可能に、嵌まり合って協働し、それぞれの歯11の所望の移動を達成するために臨床医によって選択される第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を付与するように歯科矯正治療レジメンを受ける各々の歯11に臨床医が選択した大きさの力を伝えることを個別及び/または集合的に容易にする複数のブラケット本体40と、をさらに備える。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、ブラケット基部20と協働するブラケット本体40は、歯科矯正治療レジメンの間、ブラケット基部20に対して移動不可能または調節可能に移動可能であり、それぞれのブラケット本体40は、従来のブラケット本体と、双ブラケット本体と、受動的な結紮ブラケット本体と、能動的な結紮ブラケット本体と、プラットフォーム基部20に対して移動不可能または調節可能に移動可能のいずれかであり、中立の、大きい、及び/または小さいトルクを発生させるブラケット本体と、歯科矯正治療レジメンを受ける患者の歯11に中立の、小さい、及び/または大きいトルクを発生させるフック及び/または他の歯科矯正器具を有するブラケット本体40と、をさらに備える。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置は、患者の歯11の前向き面12に隣接して嵌まり合って解除可能に位置決めされるように構成されるブラケット基部20であって、患者の歯11は複数のステップの歯科矯正治療レジメンを受け、ブラケット基部20は前向き面22と後向き面23とをそれらの間に厚さ寸法28、29を伴って有し、ブラケット基部20の第1の縁部分26における厚さ寸法28はブラケット基部20の離間した第2の縁部分27における厚さ寸法29と異なる、ブラケット基部20と、ブラケット基部20の前向き面22と個々に嵌まり合って連続的に協働するように動作可能で、複数のステップの歯科矯正治療レジメンの個々のステップを実施する複数のブラケット本体40とを備え、ブラケット基部20の後向き面23は、患者の歯11の前向き面12に対して並置させられ、ブラケット基部20は、所定の変化する厚さ寸法28、29と、変化する度合いのトルク及び他の力を付与するように歯科矯正治療レジメンを受ける患者の歯11に対する配向においてブラケット基部20と協働するそれぞれのブラケット本体40を位置付け、患者の歯11が持つ歯科矯正異常を組み合わせで矯正するトポグラフィと、を有する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、複数ステップの歯科矯正治療レジメンは、個々の特有の歯科矯正異常を有する患者の複数の歯11の治療を含み、同じブラケット基部20が、患者の歯11の各々に用いられ、歯科矯正治療レジメン全体の間にそれぞれの歯11に固定されたままである。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置は、患者の複数の歯11のうちの1つの前向き面12に接着剤で解除可能に保持されるように構成されるブラケット基部20であって、患者の歯11のうちの少なくとも一部は、臨床医によって実質的に同時に実施される歯科矯正治療レジメンを必要とし、ブラケット基部20は、歯科矯正治療レジメンの間に患者の歯11の前向き面12に固定されたままである、ブラケット基部20と、歯科矯正治療レジメンを容易にするように、ブラケット基部20と個々に嵌まり合って連続的に協働でき、ブラケット基部20に対して部分的に回転できる複数のブラケット本体40であって、各々のブラケット本体40は、前面部分42に3つの側部から構成されるアーチワイヤスロット60を画定し、各々のアーチワイヤスロット60は、2つの離間された平行な側壁63、64、スロット開口、及び、スロット開口と反対側の基礎壁65を有し、3つの側部から構成される各々のアーチワイヤスロット60は、中心領域及び中心67をさらに有し、アーチワイヤスロット60の中心領域と、歯科矯正治療レジメンを受けている患者の他の隣接する歯11に位置付けられるなおも他のブラケット本体40の他のアーチワイヤスロットの中心領域との間で延びる所与の参照の線に沿ってさらに配向される、複数のブラケット本体40と、それぞれのブラケット本体40の各々のアーチワイヤスロット60の間で延び、アーチワイヤスロット60の中に受け入れられ、歯科矯正治療レジメンをさらに受けるそれぞれの患者の歯11の前向き面12に解除可能に位置決めされるアーチワイヤ90であって、それぞれのブラケット基部20に対するブラケット本体40の部分的な回転は、臨床医が、アーチワイヤスロット60の中に実質的に包囲されるアーチワイヤ90を強制的に係合することで、所定の大きさのトルクを患者のそれぞれの歯11に付与することを許容し、ブラケット基部20と解除可能に係合するブラケット本体40の所定の大きさのトルクの調節及び/または交換は、各々のブラケット本体アーチワイヤスロット60の中心領域が、所定の参照の線に沿って実質的に配向されて留まり、患者の隣接する歯11に位置付けられるブラケット本体40のアーチワイヤスロット60に対して実質的に同じ鉛直位置に留まる間に行われる、アーチワイヤ90と、を備える。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置は、患者の歯列弓に対して密に離間した関係で、歯列弓に沿って位置決めされる第1の元の構成を有するアーチワイヤ90であって、アーチワイヤ90は、実質的に均一な円形-正方形または円形-長方形の断面の形を有し、実質的に均一な断面の形は、2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した面96、97、及び、2つだけの直径方向で相対する平面状の面91、92を有する、アーチワイヤ90と、第1の歯科矯正ブラケット10及び第2の歯科矯正ブラケット10であって、第1の歯科矯正ブラケット10及び第2の歯科矯正ブラケット10の各々は、ブラケット本体40、及び、ブラケット本体40の後側43に位置付けられるブラケット基部20を有し、患者の歯11の前向き面12に解除可能に固定されるように適合される後面23をさらに有し、ブラケット本体40は、ブラケット本体40において画定されるアーチワイヤスロット60への開口を画定する前外側を向く面42をさらに有し、アーチワイヤスロット60は、アーチワイヤ90を受け入れるような大きさとされ、ブラケット本体40の前外側を向く部分42は、移動可能ゲート50をスライド可能に担持するように構成され、移動可能ゲート50は、前向き面54と、相対する後向き面55とを有し、アーチワイヤスロット60の開放に対する開位置52と、アーチワイヤスロット60の開放に対する閉位置との間でさらにスライド可能に移動可能であり、移動可能ゲート50がアーチワイヤスロット60の開放に対する閉位置に位置付けられるとき、移動可能ゲート50の後向き面55とアーチワイヤスロット60とは、必ずしも直角ではない4つの角度によって画定される断面の四角形を有する4つの側部から構成されるアーチワイヤ通路60を画定し、四角のアーチワイヤ通路60は、患者の歯11に対する第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び/または第3の次元の移動15をもたらすように、所定の力13、14、15をブラケット本体40に適用するためにアーチワイヤ90を包囲してアーチワイヤ90と協働し、アーチワイヤ90は、四角のアーチワイヤ通路60の中で、ブラケット本体40及びブラケット基部20に対して、軸方向に移動可能であり、移動可能ゲート50の前向き面55は、ブラケット本体40の前外側を向く面42によって画定される平面に実質的に沿って位置し、移動可能ゲート50の前向き面54における隆条部56が、それぞれのブラケット本体40に対する移動可能ゲート50の正確な角度配向を維持し、第1のブラケット基部20は、患者の第1の歯11の前面12に解除可能に固定され、第1のブラケット本体40は、第1の所定の力を第1の歯11に向かわせ、第1の歯11の結果生じる移動をもたらすように、そのそれぞれのブラケット基部20に対するそのそれぞれの四角のアーチワイヤ通路60の第1の角度配向を有し、第2のブラケット基部20は、患者の第2の歯11の前面12に解除可能に固定され、第2のブラケット本体基部40は、第2の所定の力を第2の歯11に向かわせ、第2の歯11の結果生じる移動をもたらすように、そのそれぞれのブラケット基部20に対するそのそれぞれの四角のアーチワイヤ通路60のための第2の角度配向を有し、第1の角度配向は第2の角度配向と異なり、第1のブラケット本体40及び第2のブラケット本体40は、中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の列形成と一列に並び、アーチワイヤ90は、力を第1の歯11または第2の歯11に付与するように第1の元の構成と異なる形を取るために、それぞれのブラケット本体40において画定されるそれぞれのアーチワイヤスロット60の中での配置の前に意図的に歪められることがない、第1の歯科矯正ブラケット10及び第2の歯科矯正ブラケット10とを備える。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、4つの側部から構成されるアーチワイヤ通路60の断面の四角形は平行四辺形である。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、4つの側部から構成されるアーチワイヤ通路60の断面の四角形は菱形である。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、第1のブラケット基部20と第2のブラケット基部20とは、歯11から隣接する歯11へと実質的に水平で一列に並べられる。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、第1の歯科矯正ブラケット10のブラケット基部20は、第1の歯11の長手方向軸11Cに少なくとも一部基づいて、第1の歯11において一列に並べられ、第2の歯科矯正ブラケット10のブラケット基部20は、第2の歯11の長手方向軸11Cに少なくとも一部基づいて、第2の歯11において一列に並べられる。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、移動可能ゲート50の前向き面54に形成される隆条部56は、周囲の縁に隣接しつつ離間されて位置決めされ、隆条部56は、移動可能ゲート50が閉位置にあるとき、アーチワイヤ通路60の正確な断面の四角形を維持するように移動可能ゲート50をブラケット本体40に対して正確な所与の配向で維持するために、それぞれのブラケット本体40とスライド可能に係合する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ通路60の断面の四角形は、アーチワイヤスロット60の平行で内側を向く離間した上面61及び下面62と、アーチワイヤスロット60の上を向く面61と下を向く面62との間で延びるブラケット本体挿入体100の前向き面106と、移動可能ゲート50の後向き面55とによって画定され、アーチワイヤスロット60の上内側を向く面61と、アーチワイヤスロット60の下内側を向く面62と、ブラケット本体挿入体100の前向き面106と、移動可能ゲート50の後内側を向く面55とは、第1の歯科矯正ブラケット10及び第2の歯科矯正ブラケット10において同じ空間的関係で配向される。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、ブラケット本体挿入体100の前向き面106は、それぞれの移動可能ゲート50が開放しているアーチワイヤスロット60に対して閉位置にあるとき、移動可能ゲート50の後内側を向く面55と平行になる。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、ブラケット本体挿入体100の前向き面106は、それぞれの移動可能ゲート50が開放しているアーチワイヤスロット60に対して閉位置にあるとき、移動可能ゲート50の後内側を向く面55と平行にならない。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ通路60の四角の断面の形の一部分を画定する4つの角の角度のうちの少なくとも1つが、所与の半径を有する丸められた角を有する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ90の実質的に均一な断面の形が上を向く面91と下を向く面92とを有し、上を向く面91と下を向く面92とは、離間されて平行であり、2つの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97の間で延びてそれら湾曲した面96、97を連結する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ90が、2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97の間に所定の直径99を有し、所定の直径99は、アーチワイヤ90が四角のアーチワイヤ通路60の中にあり、それぞれのブラケット本体40と協働するときに、第1の歯11及び第2の歯11の一貫した第1の次元の移動制御を維持するために選択され、2つだけの相対する平行な平面状の非湾曲の面91、92の間のアーチワイヤ90の厚さ寸法93は、患者の第1の歯11及び第2の歯11への第2の次元の移動14または第3の次元の移動15を向かわせるために、それぞれのブラケット本体40への力の適用を制御する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ通路60は、上内側を向く面63と下内側を向く面64との間に高さ寸法18を有し、アーチワイヤ90は、2つだけの相対する平行な平面状の非湾曲の面91、92の間に厚さ寸法93を有し、厚さ寸法93は、アーチワイヤ通路60の高さ寸法18の約50%より大きく、厚さ寸法93は、アーチワイヤ90の2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97がそれぞれの歯11の第1の次元の制御13を維持する一方で、それぞれの歯11への第2の次元の移動14または第3の次元の移動15を向かわせるように、ある大きさのトルク力をそれぞれのブラケット本体40に付与する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ90の2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97の各々は、1つだけの接触の点において、アーチワイヤ通路60の内面106、55に各々接触する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ90の2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97は、単一の共有される中心を有する円弧である。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置は、患者の歯列弓に対して密に離間した関係で、歯列弓に沿って位置決めされる第1の元の構成を有するアーチワイヤ90であって、アーチワイヤ90は、その全長に沿って、実質的に均一な円形-正方形または円形-長方形の断面の形を有し、実質的に均一な断面の形は、2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97、及び、2つだけの相対する平行な概して平面状の面91、92を有し、2つだけの相対する平行な概して平面状の面91、92は、2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97の間で延びてそれら湾曲した面96、97とつながる、アーチワイヤ90と、第1の歯科矯正ブラケット10及び第2の歯科矯正ブラケット10であって、第1の歯科矯正ブラケット10及び第2の歯科矯正ブラケット10の各々は、ブラケット本体40、及び、ブラケット本体40の後側43に位置付けられるブラケット基部20を有し、患者11の歯の前向き面12に解除可能に固定されるように適合される後面23をさらに有し、各々のブラケット本体40は、ブラケット本体40において画定されるアーチワイヤスロット60への開口を画定する前外側を向く面42をさらに有し、アーチワイヤスロット60は、ブラケット本体挿入体100及びアーチワイヤ90を受け入れるような大きさとされ、ブラケット本体40の前外側を向く部分42は、移動可能ゲート50をスライド可能に担持するように構成され、移動可能ゲート50は、前向き面54と、相対する後向き面55とを有し、アーチワイヤスロット60の開放に対する開位置52と、アーチワイヤスロット60の開放に対する閉位置との間でさらにスライド可能に移動可能であり、移動可能ゲート50がアーチワイヤスロット60の開放に対する閉位置に位置付けられるとき、移動可能ゲート50の後向き面55と、ブラケット本体挿入体100の前面106と、アーチワイヤスロット60の上面63及び下面64とは、必ずしも直角ではない4つの角度によって画定される断面の四角形を有するアーチワイヤ通路60を画定し、四角のアーチワイヤ通路60は、患者の歯11に対する第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び/または第3の次元の移動15をもたらすように、所定の力をブラケット本体40に適用するためにアーチワイヤ90を包囲してアーチワイヤ90と協働し、アーチワイヤ90は、四角のアーチワイヤ通路60の中で、ブラケット本体40に対して、軸方向に移動可能であり、移動可能ゲート50の前向き面55は、ブラケット本体40の前外側を向く面42によって画定される平面に実質的に沿って位置し、移動可能ゲート50の前向き面54における隆条部56が、ブラケット本体40に対する移動可能ゲート50の正確な角度配向を維持し、第1の歯科矯正ブラケット10は、患者の第1の歯11の前向き面12に解除可能に固定され、第1の歯科矯正ブラケット10は、第1の所定の力を第1の歯11に向かわせ、第1の歯11の結果生じる移動をもたらすように、第1の歯科矯正ブラケットのそれぞれのブラケット基部20に対する第1の歯科矯正ブラケットのそれぞれの四角のアーチワイヤ通路60の第1の角度配向を有し、第2の歯科矯正ブラケット10は、患者の第2の歯11の前向き面12に解除可能に固定され、第2の歯科矯正ブラケット10は、第2の所定の力を第2の歯11に向かわせ、第2の歯11の結果生じる移動をもたらすように、第2の歯科矯正ブラケットのそれぞれのブラケット基部20に対する第2の歯科矯正ブラケットのそれぞれの四角のアーチワイヤ通路60の第2の角度配向を有し、第1の角度配向は第2の角度配向と異なり、第1の歯科矯正ブラケット10及び第2の歯科矯正ブラケット10は、中心の同じ高さのアーチワイヤスロット60の列形成と一列に並び、アーチワイヤ90は、所定の力を第1の歯11及び第2の歯12に付与するように第1の元の構成と異なる形を取るために意図的に歪められることがない、第1の歯科矯正ブラケット及び第2の歯科矯正ブラケットと、を備える。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ90の2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状の面96、97は、単一の共有される中心95を有する円弧である。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ90は、単一の所定の直径寸法99と単一の所定の厚さ寸法93とを有する細長い弾性の主本体94を有し、弾性の主本体94の単一の所定の直径寸法99は、アーチワイヤ90の弾性の主本体94が受け入れられ、歯科矯正治療レジメン全体を通じて四角のアーチワイヤ通路60の中に包囲されるとき、患者の歯11の一貫した第1の次元の移動15の制御を維持し、アーチワイヤ90の所定の均一な厚さ寸法93は、臨床医の選択可能で制御可能な患者の歯11の第2の次元の移動14及び第3の次元の移動15を、選択された歯科矯正治療レジメンの間、臨床医によるアーチワイヤ90の任意の意図的な歪み、曲げ、捩じり、または変形なしで達成するように、受動的な結紮歯科矯正ブラケット本体40への所与のトルク結合の適用を容易にし、アーチワイヤ90を包囲する四角のアーチワイヤ通路60は、四角のアーチワイヤ通路60の中心領域における包囲されたアーチワイヤ90の配向を維持し、それによって、患者の歯11の臨床医が選択した第1の次元の移動13、第2の次元の移動14、及び第3の次元の移動15を達成し、アーチワイヤ90は、四角のアーチワイヤ通路60の深さ寸法17より小さい所定の一定の直径寸法99と、四角のアーチワイヤ通路60の高さ寸法18の少なくとも55パーセントである所定の一定の厚さ寸法93とを有する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置は、患者の歯列弓と密に離間した関係で、歯列弓に沿って位置決めされる第2の構成を有する第2のアーチワイヤ90をさらに備え、第2のアーチワイヤ90は、その全長に沿って、実質的に均一な円形-正方形または円形-長方形の断面の形を有し、実質的に均一な断面の形は、2つだけの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状の面96、97を有し、上を向く面91と、相対する下を向く面92とをさらに有し、上を向く面91と相対する下を向く面92とは、離間され、平行であり、2つの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97の間で延びてそれら湾曲した面96、97を連結し、第2のアーチワイヤ90の上を向く面91と相対する下を向く面92との間の厚さ寸法93が第1のアーチワイヤ90の厚さ寸法と異なる。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置は、患者の歯列弓に密に隣接した近さで配置されるように構成される細長い本体94であって、長手方向軸95における中心95、ならびに、2つだけの相対する直径方向で離間された径方向に湾曲した凸状面96、97、及び、2つだけの相対する直径方向で離間された平面状の面91、92を有する断面構成を有する細長い本体94と、一方の径方向に湾曲した凸状面96から、直径方向で反対側の径方向に湾曲した凸状面97へと延び、中心95を通過する任意の線に沿って測定される細長い本体94の単一の一貫した直径寸法99と、一方の平面状の面91から、直径方向で反対側の平面状の面92へと延び、2つの直径方向で相対する離れた平面状の面91、92に対して垂直である任意の線に沿って測定される細長い本体94の単一の一貫した厚さ寸法93とを有するアーチワイヤ90を備える。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ90は、約0.0225mmから約0.0300mmまでの範囲にある直径寸法99を有する。
不正咬合を治療するための歯科矯正ブラケット装置では、アーチワイヤ90は、約0.010mmから約0.020mmまでの範囲にある厚さ寸法を有する。
患者の歯の不正咬合を受動的な結紮歯科矯正装置システムで治療するための方法では、アーチワイヤ90は、中心95を通過する線に沿って測定され、2つの直径方向で相対する径方向に凸状の湾曲面96、97の間で延び、約0.0225mmから約0.0300mmまでの範囲にある直径寸法99と、2つの直径方向で相対する概して平面状の上面91及び下面92の間で垂直に延びる線に沿って測定される、約0.010mmから約0.020mmまでの範囲にある厚さ寸法93とを有する。
患者の歯11の不正咬合を受動的な結紮歯科矯正装置システムで治療するための方法では、アーチワイヤ90は、中心95を通過する線に沿って測定される、2つの直径方向で相対する径方向に湾曲した凸状面96、97の間で延びる、約0.0275mmの直径寸法99を有する。
患者の歯の不正咬合を受動的な結紮歯科矯正装置システムで治療するための方法では、アーチワイヤ90は、2つの直径方向で相対する概して平面状の上面91及び下面92の間で垂直に延びる線に沿って測定される、約0.014mmから約0.018mmまでの範囲にある厚さ寸法93を有する。
患者の歯11の不正咬合を受動的な結紮歯科矯正装置システムで治療するための方法では、ブラケット本体挿入体100は、ブラケット本体挿入体100及びブラケット本体40において画定され、ブラケット本体挿入体100及びブラケット本体40において一列に並べられる横断孔73を通じて延びる保持ピン120によって、ブラケット本体40及びブラケット基部20に対して調節可能に固定される。
そのため、これまでは臨床医ができなかった治療の選択肢を本発明が提供することが分かる。この歯科矯正ブラケットのおかげで、臨床医は、ブラケット基部20に解除可能に嵌まり合って固定でき、治療レジメンを通じて患者の歯11に固定されたままである複数のブラケット本体を採用することで、患者のための所与の治療計画で進めることができる。この新しい歯科矯正ブラケット10は、臨床医にとって利用可能な治療の選択肢を大いに高め、患者の治療の速さをこれまで可能であった治療の速さを超えて促進し、複数の治療ステップを含み得る歯科矯正治療レジメンの間、患者の快適性をさらに増加させる。前述の利点に加えて、製造者は、これまでは対処できなかった歯の異常を有する患者に有用となるように潜在的に後での製作で変更され得る、同じブラケット基部を利用する複数のブラケット本体の種類をこれらの同じ製造者がここでは製作できるため、コスト節約の拡大を享受することになる。
特許法に従って、本発明は、構造的及び系統的な特徴に関して多かれ少なかれ特定の言語で記載されている。しかしながら、本明細書で開示されている手段が本発明を有効にする好ましい形態を含むため、本発明が図示及び記載された特定の特徴に限定されないことは、理解されるものである。そのため、本発明は、均等論に従って適切に解釈される添付の請求項の適切な範囲内での形態または変更のいずれかで請求される。