JP2021121334A - 歯科矯正ブラケット - Google Patents

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Abstract

【課題】患者の快適性を向上することを容易にし、治療する臨床医が、選択された患者治療計画またはプランの実施で効率的に利用する良い機会を得ることを可能にする歯科矯正ブラケットを提供する。【解決手段】歯科矯正ブラケット10は患者の歯の前側接合面に隣接して嵌合可能に、取り外し可能に位置する、後側接合面23を有するプラットフォームベース20を含み。患者の歯は多段階矯正治療計画を受け、プラットフォームベースは、治療を行う臨床医によって選択された多段階歯科矯正治療計画全体を通じて患者の歯に取り付けられたままである。【選択図】図1

Description

本発明は、歯科矯正ブラケットに関し、より詳細には、プラットフォームベースを含む歯科矯正ブラケットに関し、そのプラットフォームベースは、患者の歯に取り付けられ、さらに、臨床医によって確立された多段階歯科矯正治療計画またはプランの実施を容易にするために、異なる設計の複数(多数)のブラケット本体と嵌合可能に、動作可能に協働する。
特許文献1および特許文献2(それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)において、歯科矯正ブラケットが記載されており、アーチワイヤと組み合わせて使用される場合、アーチワイヤの臨床的に予め定められた操作なしに患者の歯の1次移動、2次移動および3次移動を提供し、アーチワイヤは横断配置アーチワイヤスロットに収容される。これらの係属中の米国特許出願に開示されている本発明の様々な形態は、これまで利用されてきた歯科矯正装置では不可能であった臨床上の利点を多くの患者に提供する。
概して、1次移動は一般的に歯の回転および歯のイン/アウト制御と考えられる。さらに、2次移動は近心および/または遠心の角度付け(angulation)または上昇(elevation)での歯根の「傾斜移動(tipping)」および/または歯位置の圧下と呼ばれることが多い。さらに、3次移動または「カップル(couples)」は、フレアまたは垂直配向から最終的な所望位置への歯の軸方向傾斜を生じさせる「トルク」を表出させる。臨床医らは理想的な歯の配置を達成するために最終的な所望の歯位置を達成すべく、イン/アウト、アップ/ダウン、傾斜移動、トルクを表出させるように円および矩形断面のアーチワイヤをごく初期の利用時から屈曲させる必要があった。この行動は長い期間と熟練した診療技術とを要するだけでなく、大半の臨床医は空間全面に印加される治療用の力を制御することがほぼ不可能であった。その結果、患者の治療期間は甚だしく長くなることが多く、適用される治療用の力が長期間にわたり患者の骨と組織に悪影響をもたらした。
理解すべきであるが、臨床医は、限定されないが、異常に対処するように設計された市販されている歯科矯正装置;すでに市販されている歯科矯正装置を使用した臨床医が経験した成功;臨床医が学び、次いで現在の患者負担および歯列矯正異常の治療経験に基づく新しい歯科矯正診療および装置を実施するのに必要な時間、を含む多くの要因に基づいて、定期的に再発する歯の異常のための好ましい歯科矯正治療計画またはプランを示した。
治療する臨床医を含む多くの個人は、人間性が主張して、患者の緊急のニーズ、治療時間の遅延、新しい治療および装置の利用における不確かな歯科矯正結果、および診療において時として何百人もの患者の治療プランを操作、変更することに付随する金銭上の影響のために、新しい治療を実施することが困難になることが多いことが分かる。これらの懸念および他の懸念は、新しい診療および装置の採用を遅らせる原因となることが多い。このような新しい治療や装置の導入の遅れは、臨床過誤とは関係ないが、実証された改善された歯科矯正治療技術の実施の遅れは、患者の最善の利益に関与しないことが多く、長期の患者の治療時間を確実にもたらすことが多い。
様々な歯列矯正疾患の治療において、治療する臨床医は、多段階治療計画またはプランを示すことが多い。これらの歯科矯正治療計画は、所与の治療期間内に治療計画を完了するために、多くの異なる設計の歯科矯正装置または歯科矯正ブラケットの利用を必要とすることが多い。歯科矯正治療期間中、臨床医は、患者の歯から所与の歯科矯正装置またはブラケットを取り出し、次にそれを別の装置と交換する必要があることが多い。この歯科矯正装置またはブラケットの交換は、臨床医への患者の訪問;歯から歯科矯正装置を取り外すこと;先の歯科矯正装置を新しい装置に交換することを必要とする。これらの歯列矯正臨床医への繰り返しの訪問は、患者にとって時間がかかることが多く、患者によって何らかの不快感が経験されることが多い。所与の歯科矯正治療計画またはプランでは、この事象は歯科矯正治療期間中に複数回発生することが多い。この歯科矯正ブラケットを患者の歯に配置し、次いで除去するプロセスは、時間がかかることが多く、患者および臨床医が求める歯科矯正治療目的を達成するために、患者の歯の所望の位置への移動を最終的に遅らせる。
これまでに利用されてきた多くの歯科矯正装置は、前述の係属中の米国特許出願に記載されているような歯科矯正装置を含み、多大な活躍で稼働している一方、上記段落に記載されているように、そのような先行技術の歯科矯正装置の利用に付随する多くの欠点が残っている。この場合もやはり、治療時間は延長されることが多く、臨床医は、患者にとって満足のいく持続的な治療結果を達成するために必要な所望の1次移動、2次移動および3次移動を達成することが困難であることが引き続き分かった。新しい歯科矯正ブラケットであって、上記の目的を達成し、患者の快適性を向上することをさらに容易にし、治療する臨床医が、すでに精通している(慣れ親しんだ)広範囲の歯科矯正装置の中から選択し、次いでそれらを選択された患者治療計画またはプランの実施で効率的に利用する良い機会を得ることを可能にする新しい歯科矯正ブラケットが本出願の主題である。
米国特許出願第13/745,638号明細書 米国特許出願第13/970,100号明細書
本発明の第1の態様は、歯科矯正ブラケットに関し、患者の歯の前側接合面に隣接して嵌合可能に、取り外し可能に配置される、後側接合面を有するプラットフォームベースを含み、患者の歯は、患者が有する歯列矯正異常を治療するために臨床医によって提供される多段階歯科矯正治療計画を受け、歯科矯正治療計画は、患者の歯が様々な程度のトルクおよび/または他の力を受けることを必要とし、合わせて歯列矯正異常を矯正し、プラットフォームベースは、治療を行う臨床医によって選択された多段階歯科矯正治療計画全体にわたって、患者の歯に取り付けられたままである。
本発明の別の態様は、歯科矯正ブラケットに関し、臨床医によって選択される歯科矯正治療計画をさらに必要とする患者の歯の前側接合面に取り外し可能に保持されたプラットフォームベースと;治療を行う臨床医による患者の歯科矯正治療計画を容易にするために、プラットフォームベースと個別に、嵌合可能に、連続して協働することが可能で、且つ、歯科矯正治療計画の間、患者の歯の前側接合面からプラットフォームベースを取り外すことがない、複数のブラケット本体と、を含む。
本発明のさらなる別の態様は、歯科矯正ブラケットに関し、歯科矯正ブラケットは、臨床医によって決定された多段階歯科矯正治療計画を受ける患者の歯に取り外し可能に取り付けられたプラットフォームベースであって、プラットフォームベースが歯科矯正治療計画の期間中、患者の歯に取り付けられたままであり、臨床医によって選択された歯科矯正治療計画が、臨床医が歯科矯正治療計画を受ける患者の歯に1次移動、2次移動および/または3次移動を付与することを必要とし得る、プラットフォームベースと;臨床医によって選択される複数のブラケット本体であって、歯科矯正治療計画の期間中の所定の選択された期間中に、プラットフォームベースと個別に、連続的に、取り外し可能に、嵌合可能に協働し、患者の歯の所望の移動を達成するために臨床医によって選択された1次移動、2次移動および/または3次移動を付与するよう、歯科矯正治療計画を受ける歯に臨床医が選択した量の力を伝達するのを個別におよび/またはまとめて(集合的に)容易にする、複数のブラケット本体と、を含む。
本発明のさらに別の態様は、歯科矯正ブラケットに関し、歯科矯正ブラケットは、患者の歯の前側接合面に隣接して嵌合可能に、取り外し可能に配置されるプラットフォームベースであって、患者の歯が多段階矯正治療計画を受け、プラットフォームベースが前側接合面および後側接合面を有する、プラットフォームベースと;プラットフォームベースの前側接合面と個別に、嵌合可能に、連続的に協働するように動作可能であり、多段階歯科矯正治療計画の個々の段階を実施する、複数のブラケット本体と;プラットフォームベースの後側接合面と一体形成され、患者の歯の前側接合面に対して並置された後側接合面をさらに有する、パッドであって、パッドが、様々な程度のトルクおよび他の力を付与するために歯科矯正治療計画を受ける患者の歯に対して所定の配向でプラットフォームベースと協働するそれぞれのブラケット本体を配置する所定の可変厚さ寸法およびトポグラフィ(形状;topography)を有し、合わせて患者の歯が有する歯列矯正異常を矯正するパッドと、を含む。
本発明のこれらの態様および他の態様については、以下により詳細に検討する。
本発明の好ましい実施形態を、以下の添付図面を参照して以下に説明する。
本発明の歯科矯正ブラケットの1つの形態の側方立面斜視図である。 各次の移動を示す患者の歯の簡略拡大図である。 図1に示す歯科矯正ブラケットの第1の形態の側方立面図である。 ゲート下の構造を示すためにゲートを取り除いた、図1に示す歯科矯正ブラケットの第1の形態の前側立面図である。 図1に示す歯科矯正ブラケットの特徴を形成するブラケット本体の部分斜視側方立面図である。 本発明において有用なプラットフォームベースの第1の形態の部分拡大斜視側方立面図である。 本発明において有用なブラケット本体インサートの第1の形態の拡大斜視側方立面図である。 本発明の歯科矯正ブラケットの第2の形態の前側立面図である。 本発明の特徴を形成する、プラットフォームベースの第2の形態の拡大斜視側方立面図である。 本発明の特徴を形成するプラットフォームベースの第2の形態の拡大側方立面図である。 図10から90度ずれ、本発明の特徴を形成するプラットフォームベースの第2の側方立面図である。 プラットフォームベースの一部を形成し、本発明の特徴であるパッドの1つの可能な形態の拡大側方立面図である。 プラットフォームベースの一部を形成する本発明の特徴である別の可能な形態のパッドの拡大側方立面図である。 本発明の特徴を形成するブラケット本体インサートの第2の形態の拡大斜視図である。 図8の線14−14に沿った歯科矯正ブラケットの第2の形態の部分縦横断面図である。 本発明の第2の形態の分解横断面図であり、本発明の特徴である第2のプラットフォームベースと嵌合可能に協働することが可能なブラケット本体の一形態を示す。 図10に示す第2のプラットフォームベースと動作可能に協働可能なブラケット本体の別の形態の分解縦横断面図である。 第2のプラットフォームベースと動作可能に協働することが可能であり、さらに本発明の特徴を形成する別のブラケット本体のさらに別の分解縦横断面図である。 本発明の特徴を形成する、第2のプラットフォームベースと嵌合可能に協働するブラケット本体のさらに別の分解縦横断面図である。 本発明の歯科矯正ブラケットの別の形態の拡大分解縦横断面図である。 本発明において有用なパッドの1つの形態の拡大後斜視図である。 本発明において有用なパッドの別の形態の拡大後斜視図である。 本発明の歯科矯正ブラケットの別の形態の拡大分解縦横断面図である。 本発明の別の可能な形態の分解側立面図である。 本発明の可能な形態のさらに別の分解側立面図である。 本発明において有用な可能なパッドのトポグラフィの拡大後斜視図である。 本発明のさらに別の形態の拡大分解斜視図である。 本発明の特徴を有する2つの可能な歯科矯正ブラケットの形態の側方立面図を示す。 アーチワイヤをともに使用した場合に、アーチワイヤにトルクを及ぼす3つの代替位置における本発明の側方立面図を示す。 本発明の歯科矯正ブラケットの一形態の拡大斜視図である。 図29に示す本発明の歯科矯正ブラケットの形態の第2の拡大斜視図である。 本発明において有用なブラケット本体の拡大後斜視図である。 本発明において有用なブラケット本体インサートの拡大前斜視図である。 本発明の一形態において有用なパッドの前斜視図である。 本発明において有用なプラットフォームの前平面図である。 本発明の1つの形態において有用なプラットフォームベースの拡大分解側方立面図である。 本発明の一形態で有用なプラットフォームベースのさらに別の形態の拡大分解側方立面図である。
本発明の第1の形態は、概して、図1以降に参照符号10で示される。本発明の目的のために、本発明の様々な形態は、以下に記載するように、患者が有する1つまたは複数の歯列矯正異常を治療するために臨床医によって提供される、多段階歯科矯正治療計画またはプランを実施するために使用されることが理解されよう。本発明の歯科矯正ブラケット10は、図2から分かるように、適切な接着剤または他の手段によって、患者の歯11に、特に、その前側接合面12に取り外し可能に取り付けられる。種々の形態の歯科矯正ブラケット10が以下で検討され、記載されるアーチワイヤや他の歯科矯正装置と組み合わせて使用される場合、歯科矯正ブラケット10はトルクおよび/または他の力の程度を変化させることができるように動作可能であり、組み合わさって患者の歯が有する歯列矯正異常を矯正する。歯11に印加される力は、患者の歯11に個別に強制的に作用する複数の選択的トルクエクスプレッションの形態であり得る。患者の歯は、歯根11Aと歯冠11Bとを含む。この特許出願の目的のために、以下に使用する「トルクエクスプレッション(torque expression)」という用語は、患者の歯11を近心/遠心方向に存在する軸であるX軸を中心に回転させる力として定義される。特に、本発明の歯科矯正ブラケット10は、患者の歯科矯正治療の間に、矩形アーチワイヤの、臨床的な所定の操作、屈曲、捻りおよび/またはその他の回転なしに、あるいは同じアーチワイヤを異なるサイズの他のアーチワイヤと頻繁に交換せずに、図2に見られる1次移動13、2次移動14および3次移動15をそれぞれ達成するために用いることができる。勿論、後述する他の装置および手段によって、他の力を患者の歯11に印加することができる。さらに、本出願で後に検討するように、多段階歯科矯正治療計画全体にわたる患者の治療は、以下に説明するように、プラットフォームベースを患者の歯から取り外すことなく完了まで進め得るが、プラットフォームベース上に連続的に取り外し可能に取り付けられた個々のブラケット本体は、治療を行う臨床医の臨床判断に基づいて治療期間中に複数の他の臨床医が選択したブラケット本体と定期的に交換し得る。本発明10は、記載するように、プラットフォームベースと動作可能に且つ嵌合可能に協働することができる様々なブラケット本体を使用することによって、臨床医が患者の歯11の1次移動、2次移動および3次移動を達成する新規な手段を提供し、それによって患者の治療時間を大幅に短縮し、さらに、優れた治療結果を達成する。本発明は、また、公知であり、治療を行う臨床医が最も精通している先行技術の装置または診療を利用することによって、これまで不可能であった方法で患者の快適性を高める。
本願で先に検討するように、歯の移動は空間の3平面で定義される。これに関し、これらの各面での移動は、それぞれ1次移動13、2次移動14および3次移動15に分類される。図2から分かるように、1次移動13は一般的に回転および/またはインアウト移動とみなされる。これは咬合側から見ることのできる移動を指す。一方、2次移動14は傾斜移動と呼ばれることが多く、頬舌または唇舌側から見ることができる。これらは、咬合−歯肉方向への移動または頬舌若しくは唇舌軸を中心とした傾斜移動を含む。一般的な問題として、上記軸を中心とした回転は、通常、患者の歯11の歯根11Aまたは歯冠11Bの近心または遠心方向への傾斜移動を引き起こす。2次移動14は、それぞれの歯11の歯根を平行にするとともに、所定の歯を上昇または下降させるために使用される。最後に、「トルク」と一般に考えられる3次移動15は、近心−遠心側または頬舌断面から見ることができる。3次移動15は、通常、近心−遠心軸を中心にした移動を指す。この特定の移動は、適切な切歯または唇舌若しくは頬舌傾斜を達成しようとする際に重要となることが多い。この場合もやはり、1次移動、2時移動および3次移動は図2に最も詳しく示しており、参照符号13、14、15でそれぞれ示されている。
第1の形態
図1以降に示す本発明の第1の形態では、歯科矯正ブラケット10は、プラットフォームベース20を含み、プラットフォームベース20は本体21を有し、本体21は、前側接合面22、後側接合面23を画定し、さらに周囲縁部24を有する。前側接合面23は、通常、図示されていない適切な接着剤によって患者の歯11の前側接合面12に取り付けられる。プラットフォームベース20は、作製後に、十分な材料厚さを有する後側接合面23を有し、所定の矯正治療計画の間に患者の歯に及ぼすことが可能な臨床医に選択される所定量のトルクを提供するように変更することができる。プラットフォームベースの材料厚さは、プラットフォームベース20の作製中、先の歯科矯正装置で提供された材料の厚さよりも相対的に言って厚い。しかし、このさらなる材料は、製造業者が独自の治療計画を有する患者の歯列矯正異常に対処するために利用され得る特注の歯科矯正ブラケットを生み出すためにより大きな柔軟性を提供する。
次に図6を参照すると、本発明の第1の形態10、より具体的にはプラットフォームベース20の前側接合面22は、概して参照符号30で示される連結部または連結領域を含む。連結部または連結領域30は、図6に実質的に凹形状に示された湾曲ダブテール(蟻継ぎ、鳩尾;dovetail)形状スロット31によって部分的に画定される。しかし、本発明の形態は、凹状ダブテール形状スロットとして図示されているが、本発明の形態を作製し得、湾曲ダブテール形状スロット31が、凸状湾曲形状または実質的に平面形状を有することが等価に実行可能である。したがって、本発明は図示されるものに限定されるべきではない。したがって、凸状、凹状および/または潜在的に平坦な構成のいずれかの湾曲ダブテール形状スロットが、本発明の作製の際に等価に採用することができると認識されるべきである。上述の連結部30は、この第1の図示されたプラットフォームベース20を、後述するように様々なブラケット本体と共に使用され得る「万能」ベースとする。記載する構成では、プラットフォームベース20は、パッシブライゲーション(passive ligation)、アクティブライゲーション(active ligation)、または従来の連結ブラケットを使用するブラケット本体と共に用いることができる。この特徴を考慮して、臨床医は、歯科矯正治療計画の実施の間に、歯科矯正ブラケットを交換する際に、プラットフォームベース20を取り外す必要がない。むしろ、臨床医は、ブラケット本体を連結部30から外し、次いで、多段階歯科矯正治療計画の実施に採用される臨床医によって選択された利益を達成する代替のブラケット本体を再び取り付けるだけでよい。先に検討したように、プラットフォームベース20は、歯科矯正治療の全時間中に歯11上に取り付けられたままとすることが可能であり、それによって治療を迅速化し、患者にとって全体の治療計画をより快適なものにする。湾曲ダブテール形状スロット31は、一対の間隔をあけて配置された側壁32によって少なくとも部分的に画定される。さらに、連結部30は、本明細書では33Aおよび33Bとそれぞれ示される、対向側面を有する中央隆起領域33によって少なくとも部分的に画定され、中央隆起領域は湾曲ダブテール形状スロット31の対向側面に位置する。中央隆起領域33Aおよび33Bはそれぞれ湾曲ダブテール形状スロット31と同じ曲率の湾曲上側接合面34を有する。各中央隆起領域33は、内方に延在するフランジ部35を含み、フランジ部は、より詳細には後に検討するように、可動ブラケット本体を摺動可能で嵌合可能に捕捉し、可動ブラケット本体と協働するための手段を提供する。さらに、概して参照符号36で示される複数の係合領域が、各中央隆起領域33に形成され、湾曲上側接合面34を通って下方に延在する。係合領域は、以下でより詳細に説明するように、ブラケット本体インサート(挿入体)を嵌合可能に収容し、協働するように個別に寸法決めされている。図6の検討から言及されるように、複数の係合領域36は所定の空間パターンで配置されており、その空間パターンは、以下に説明するように個々のブラケット本体によってさらに画定されるアーチワイヤスロット内に収容されるアーチワイヤに所定量のトルクまたは他の力を付与するようにプラットフォームベース20と可動で嵌合可能に協働するブラケット本体の回転可能な配向を調整可能に位置決めするための簡便な手段を提供する。
例えば、図1〜図10に示す歯科矯正ブラケット10は、プラットフォームベース20上に支持される、またはプラットフォームベース20と可動で嵌合可能に協働する可動ブラケット本体40を含む。この点に関して、ブラケット本体40は、前側接合面42と、反対側の後側接合面43とによって少なくとも部分的に画定される本体41を有する。さらに、ブラケット本体は、対向する第1の(近心)側面44と第2の(遠心)側面45それぞれによって画定され、それらの側面は相互に所定の距離をおいてさらに配置される。さらに、ブラケット本体40は上側接合面46と反対側の下側接合面47を含む。上側接合面46と下側接合面47は、当該技術分野において周知のタイウィング(tie wing)をそれぞれ画定する。図1〜図10から分かるように、ブラケット本体40は、概して参照符号50で示され、当該技術分野において周知の可動ゲートを搭載する。可動ゲート50は、図示されるブラケット本体40によってさらに画定されるアーチワイヤスロットに対して、第1の下または開放位置52と第2の上または閉鎖位置53との間の、画定された移動経路51に沿って往復移動(travel)または移動(move)するように動作可能である。ブラケット本体40の前側接合面42と可動に協働するゲート50は、後に検討するように、概して参照符号60で示す横断配置アーチワイヤスロット内にアーチワイヤを選択的に保持するように動作可能である。横断配置アーチワイヤスロット60はブラケット本体40の第1の近心側面44に隣接する第1の端部61と、第2の側面45に隣接する反対側の第2の遠心端62とを有する。アーチワイヤスロット60は、上または上側接合面63と反対側の下または下側接合面64によって少なくとも部分的に画定される。アーチワイヤスロット60を少なくとも部分的に画定する上面と下面は実質的に平行で相互に間隔をおいて配置される。上面と下面との間に所定の空間距離をおくことで、アーチワイヤスロット60は後述するようにアーチワイヤを収容することが可能である。さらに、本体41は上面63と下面64との間を延在する支持または凹壁65(図3)を画定するが、より詳細には後述するように、結果として生じるアーチワイヤスロット60を画定していない。アーチワイヤスロット60は参照符号66で示す中央領域または中央部を有する。アーチワイヤスロット60は後述するように、プラットフォームベース20に可動に連結された後に、垂直面と水平面の両方において可動である。垂直面と水平面のいずれかにおけるブラケット本体40の移動によるアーチワイヤスロットの回転は、アーチワイヤスロット60の中央領域66を中心として維持される(図28A〜図28C参照)。本発明のこの特徴は、歯科矯正疾患を矯正するために本発明を採用する臨床医に大きな利点と恩恵を提供する。図示する本発明の構成では、より詳細に後述するように、アーチワイヤスロット60は後述するブラケット本体インサートの使用などの様々な他の構造手段によって可変となる所定の断面寸法を有すると理解すべきである。
説明する歯科矯正ブラケット10の第1の形態、より具体的には図1〜図7に示す本発明の第1の形態は、後側接合面43を有するブラケット本体40を含む。後側接合面43は、ブラケットベース21の連結部30と嵌合可能に、可動に係合する相補的で略均一の湾曲面を画定する。上述したように、ブラケットベース21の連結部30は所定の形状および寸法を有する湾曲ダブテール形状スロット31を画定し、ブラケット本体40は相補的で均一の湾曲面80と、図に示すようにプラットフォームベース20の連結部30に可動に、嵌合可能に係合する嵌合構造とをさらに含む。後側接合面43を少なくとも部分的に形成するこの相補的で略均一の湾曲面80は、中央隆起領域33の湾曲上側接合面34と可動に嵌合可能に協働し、中央隆起領域33は連結部30の特徴をさらに形成する。また、ブラケット本体40は湾曲雄ピン部材81を含み、湾曲雄ピン部材81は上記嵌合構造を少なくとも部分的に形成し、ブラケット本体40の略均一の湾曲後側接合面80と一体形成され、さらに、プラットフォームベース20に形成される湾曲ダブテール形状スロット31内に相補的に、摺動可能に、嵌合可能に、係合可能に収容される寸法とされる。この特徴は、様々なブラケット本体40がプラットフォームベース20と嵌合可能に可動に協働するように設計可能な手段を提供する。この特徴はまた、プラットフォームベース20が臨床医によって選択された歯科矯正治療計画またはプラン全体を通じて歯11に取り付けられたままであることを可能にする。理解すべきであるが、プラットフォームベース20に対するブラケット本体40の回転は、プラットフォームベース20に形成された湾曲ダブテール形状スロット31に沿って雄ピン部材81を移動させる際に有効である。雄ピン部材81は、本体82によって少なくとも部分的に画定され、本体82は中央支持ポストまたはシャフト領域83を含み、中央支持ポストまたはシャフト領域83は中央隆起領域33を共に形成するフランジ部35間に画定される空間内に配置あるいは収容される。中央支持部またはシャフト83は遠心端84を有する。拡張横断配置フランジ部85は、遠心端84と一体形成される。フランジ部85の幅寸法は、湾曲ダブテール形状スロット31の一部を個別に形成する側壁32間で測定される距離未満である。さらに、同じフランジ部85の厚さ寸法は、フランジ部35と湾曲ダブテール形状スロット31との間で測定される距離未満である。その湾曲構成では、拡張フランジ85は、湾曲ダブテール形状スロット31に設けられるものと略同様の曲率の相補湾曲面86を有する。寸法設計上、雄ピン部材81は湾曲ダブテール形状スロット31に嵌合可能に嵌着(interfit)し、または嵌合可能に協働し、および湾曲ダブテール形状スロット31に沿って摺動することによって、ブラケット本体40を湾曲ダブテール形状スロット31内で、または湾曲ダブテール形状スロット31に対して少なくとも部分的に回転可能とする。さらに、この特徴は、治療する臨床医の所望する臨床上のいくつかの追加の利点を実現するために、ブラケット本体40をプラットフォームベース20から容易に取り外し、その後、他の形態のブラケット本体と交換することができる手段を提供する。プラットフォームベース20が患者の歯11に適切に取り付けられると、横断配置アーチワイヤスロット60は、プラットフォームベース20に対して所与の所定の配向を有し、本発明で提供される構成により、横断配置アーチワイヤスロット60の所定の配向に大きな影響を及ぼすことなく、1次移動13、2次移動14および3次移動15として示される個々のトルクエクスプレッションを容易に調整することができる。これは、それぞれ図3および図28A、図28Bおよび図28Cを参照することによって最も詳しく分かる。これは、プラットフォームベース20に対するブラケット本体40の部分的な回転が、異なるトルクエクスプレッションが患者の歯11の部分の移動および矯正のために提供されている間、横断配置アーチワイヤスロット60を垂直方向に調整しないため、歯科矯正治療の大幅に進歩した点である。これは、以前に開示された歯科矯正装置よりも非常に重要かつ新規な利点である。
図示するように、本発明で説明する歯科矯正ブラケット10は、アーチワイヤスロット60内に収容されるアーチワイヤ90を収容してアーチワイヤ90と協働するように動作可能である。アーチワイヤ90は従来設計のものであり、さらに対向する上面91と下面92および上面と下面を接続する側壁93によって画定され、さらに実質的矩形状または正方形状断面を形成する。図示する構成では、アーチワイヤ90は横断配置アーチワイヤスロット60内に収容され、図示するように、アーチワイヤ90と組み合わさって機能するブラケット本体40は、患者の口腔内で臨床的に望ましい配向および恩恵を達成するような方法で患者の歯を移動するよう、患者の歯11に個別に強制的に作用する複数の選択的トルクエクスプレッション13〜15それぞれを提供するために、水平面と垂直面の両方に沿って調整可能である。本発明10は、ブラケット本体インサート100を含み、それは図7を参照すると最も詳しく分かる。ブラケット本体インサート100は、アーチワイヤ90がアーチワイヤスロット60に収容される前にアーチワイヤスロット60に収容される。ブラケット本体インサート100は第1の端部101と反対側の第2の端部102とを有する。ブラケット本体インサート100は、上または上側接合面104と反対側の下または下側接合面105とによって画定される細長本体103をさらに有する。さらに、本体103はアーチワイヤスロット60の後壁を形成する前側対向面106と、ブラケット本体40によって画定される支持または凹壁65上に並置された載置関係でまたは支持または凹壁65に当接して載置される後側接合面107と、によってさらに画定される。ブラケット本体インサート100の上面104と下面105との間で測定される高さ寸法は、アーチワイヤスロット60を少なくとも部分的に画定する上面63と下面64との間で測定される距離未満である。本体103の高さ寸法により、本体103をアーチワイヤスロット60内に収容することを可能にし、本体103は、さらにブラケット本体によって形成される支持または凹壁65と当接して嵌合収容され載置される。ブラケット本体インサート100の本体103は、前側接合面106と後側接合面107との間で測定されるように実質的に一定の厚さ寸法を有し得、またはさらに可変寸法を有し得ると理解するべきである。そのため、ブラケット本体インサート100は、本発明の利点の一部を提供するように、結果として生じるアーチワイヤスロット60の断面寸法を選択的に調整するための簡便な手段を提供し、本発明の利点の一部は、特に、横断配置アーチワイヤスロット60に収容されるアーチワイヤ90の臨床上の所定の操作を行わずに患者の歯11の1次移動13、2次移動14および3次移動15を提供する歯科矯正ブラケット10を提供することを含む。
ブラケット本体インサート100の第1の形態は、ブラケット本体インサートの第1の端部101と第2の端部102にそれぞれ位置する第1の係合部111と第2の係合部112それぞれをさらに含む。特に、第1の係合部111と第2の係合部112はブラケット本体40の第1の側面44と第2の側面45を超えて外方に延在し、臨床医(図示せず)が容易にブラケット本体インサート100を視覚的に識別し得る簡便な手段を提供することによって、より詳細には後で検討するようにブラケット本体インサート100を適切に位置決めする、あるいは他の方法で調整し得る。各係合部111、112はそれぞれ外側接合面113を有し、外側接合面113には窪みまたはキャビティ(空洞部)114が形成され、窪みまたはキャビティ114により、ブラケット本体インサート100をアーチワイヤスロット60から取り外すのに十分な力を簡便に発揮するために、臨床医は例えばピンセットなどのツール(工具)をその窪みに挿入できる。図7から分かるように、ブラケット本体インサート100の第1の形態はまた、ブラケット本体の第1の端部に対して垂直に下方に延在する第1の係合部材115を含む。第1の係合部材は、ブラケット本体40の第1の側面に形成された第1の通路71に摺動可能に収容されるような寸法である。さらに、ブラケット本体インサート100は第2の係合部材116を含み、第2の係合部材は第1の係合部材115よりも長さが短く、ブラケット本体40の第2の側面に形成される第2の通路72に収容される。第1の係合部材115は、ブラケットベース21に形成される複数の係合領域36のうちの1つに嵌合可能に収容されるように動作可能な遠心端117を有する。認識するように、ブラケット本体インサート100の本体がアーチワイヤスロット60内に適切に挿入されると、係合部材115の遠心端117は、プラットフォームベース20に個別に形成された複数の係合領域36のうちの1つに収容され、これにより、プラットフォームベース20に対して適切な回転可能な配向でブラケット本体40を固定的に回転可能に位置決めすることができる。さらに、図面から認識するように、ブラケット本体インサート100の本体103は様々な厚さ寸法で作製することができ、その結果、歯科矯正ブラケット10を供給することができる手段であって、患者の歯の移動に影響を及ぼす臨床医に選択されカスタマイズ可能なトルクエクスプレッションを有し得る手段を提供する。さらに、アーチワイヤスロット60内での本体103の方向を逆転させることによって、同じブラケット本体インサート100はプラットフォームベース20に対する5つの可能な異なる角度の配向でブラケット本体を適切に位置決めすることが可能であることが認識される。これは、同じ歯科矯正ブラケット20を使用する臨床医に複数の治療オプションを提供して患者の歯の調整不良を矯正する。これらの複数の配置または配向は、患者の歯への低、中または高トルクの印加を可能にし、治療を行う臨床医が患者に対して確立した臨床的利益を達成し得る。この特徴がプラットフォームベース20と組み合わされ、作製後に様々な厚さに機械加工されると、今までは利用できなかった複数の治療オプションが治療を行う臨床医にこれから利用可能になる。
したがって、最も広い態様の1つでは、本発明は、本願の様々な形態で示す歯科矯正ブラケットに関し、歯科矯正ブラケットはプラットフォームベース20を含み、プラットフォームベース20は臨床医によって決定された多段階歯科矯正治療計画またはプランを受ける患者の歯11に取り外し可能に取り付けられる。プラットフォームベース20は、歯科矯正治療計画の期間中、患者の歯11に取り付けられたままであり、臨床医によって選択された歯科矯正治療計画は、臨床医が、歯科矯正治療計画を受ける患者の歯11に、1次移動13、2次移動14および/または3次移動15をそれぞれ付与することを必要とし得る。本発明10は、複数のブラケット本体40の使用を可能にし、複数のブラケット本体40は臨床医によって選択され、歯科矯正治療計画の間の所定の選択期間中にプラットフォームベース20とさらに個別に、連続的に、取り外し可能に、可動に、嵌合可能に協働し、歯11に臨床医によって選択された量の力の伝達をさらに個別におよび/またはまとめて容易にし、歯11は1次移動13、2次移動14および/または3次移動15をそれぞれ付与するように歯科矯正治療計画を受ける歯であり、1次移動13、2次移動14および/または3次移動15は患者の歯11の臨床的に望ましい量の移動を達成するために臨床医によって選択される。図示する構成では、提供されたプラットフォームベース20は、作製後に、十分な材料厚さを有する後側または他の外側接合面23を有し、作製後に、選択された歯科矯正治療計画の間に患者の歯11に及ぼされ得る臨床医によって選択される所定の量のトルクを提供するように変更可能である。
本発明では、歯科矯正ブラケットのいくつかの形態は、上記のように、プラットフォームベース20の第1の形態を含み、プラットフォームベース20は臨床医によって選択された多段階歯科矯正治療計画を容易にするように、複数のブラケット本体と個別に、嵌合可能に、連続的に協働するように動作可能である。前の段落では、1つの可能なブラケット本体40について、かなり詳細に説明した。本発明の特徴の1つは、臨床医が歯科矯正装置を利用することを奨励する歯科矯正ブラケットまたは装置、および選択された歯科矯正治療計画の間に患者の治療を促進し、患者の不快感を回避するために、臨床医が精通している矯正治療方法に関する。この出願で先に述べたように、診療臨床医が直面する数多くの緊急の問題のために、新しい歯科矯正技術、診療および装置の採用および習得は、新しい技術を習得し、患者負担の競争的需要と患者のために既に確立されている既存の治療プランを上手く処理するのに時間を要するため、遅れることが多い。本発明は、歯科矯正臨床医が、歯科矯正臨床医に精通している歯科矯正装置および技術を使用し続け得る手段を提供し、既に確立されている矯正治療プランまたは計画を進め得るが、矯正治療プランまたは計画は、治療プランを迅速にするために患者の歯11から歯科矯正ブラケット全体を取り外す必要がもはやないため、迅速なものとなる。むしろ、臨床医は、治療プランまたは計画の間に患者の歯11に永久的に取り付けられたままであるプラットフォームベース20に取り外し可能に取り付けられる必要なブラケット本体を取り外し、次いで交換するだけでよい。
図示する構成では、本明細書で検討するいくつかのブラケット本体は、前述したようなプラットフォームベース20と嵌合可能に協働し、多段階歯科矯正治療計画の実施の間、プラットフォームベースに対して調整可能に可動である。さらに、臨床医によって決定されるように、本明細書で開示されるブラケット本体の少なくともいくつかは、多段階歯科矯正治療計画の間、プラットフォームベースと嵌合可能に協働し、可動ではない。さらに、ブラケット本体の少なくともいくつかは、開示されるように、プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、歯科矯正治療計画の間、プラットフォームベースに対して調整可能に可動および不可動であることを図1以降の検討から理解するべきである。そのようなことは、前述したブラケット本体インサート100の使用によって達成することが可能である。ブラケット本体インサート100は、前述したプラットフォームベース20と協働する場合に、1次移動13、2次移動14および3次移動15をそれぞれ達成するために、ブラケット本体40をプラットフォームベース20に対して所与の配向に配向または配置するのに効果的であることに注目すべきである。
第2の形態
本発明の歯科矯正ブラケットの第2の形態は、概して参照符号200で示され、図8以降に示されている。多くの点で、歯科矯正ブラケット200の第2の形態は、図1〜図7に先に開示されたものと同様の特徴を有する。歯科矯正ブラケットの第2の形態は、図2に示すように、概して参照符号201で示されるプラットフォームベースによって、患者の歯11の前側接合面12に対して選択的に移動するように支持されている。プラットフォームベースは、適切な接着剤または当該技術分野において公知の他の手段によって、患者の歯の前側接合面11に取り外し可能に固定される。プラットフォームベース201は、構造体20に関して上述したものと同様である。プラットフォームベース201は、外側または前側接合面203と、反対側の後側接合面204とを有する本体202を有する。さらに、プラットフォームベースは、概して参照符号205で示される周囲縁部を有する。次に図12Aおよび図12Bをそれぞれ参照すると、これらの図から、プラットフォームベース201の第2の形態は、2つのディスクリート(目立たない;discreet)部品で作製されていることが認識され、これらは、患者の歯11の前側接合面に対して並置関係で配置されるパッドまたはベース210と、パッドまたはベース210と一体形成された被覆プラットフォーム201であって、その上でブラケット本体が、後述するように可動に協働する、被覆プラットフォーム201とである。図12Aおよび図12Bにそれぞれ示されるように、パッド/ベース210の2つの可能な形態が作製され得、先に開示したように、これまで矯正することが困難または不可能であった所与の患者の歯列矯正異常に対処または歯列矯正異常を矯正する際に、多種多様なオプションを臨床医に与えるために、歯科矯正ブラケット200を作製後に機械加工するあるいは別の方法で形成することが可能となるよう、パッド/ベース210の2つの可能な形態は十分な材料厚さを提供する。図12Aおよび図12Bから分かるように、パッドまたはベース210は、第1の形態211および第2の形態212を含む2つの可能な形態を有することを理解するべきである。パッド/ベース210は、後述するように、通常は残りのプラットフォームと一体形成されており、作製時に、隣接するプラットフォームに固定される前側接合面213と、歯11の前側接合面に対して並置された外側または後側接合面214とを有する。図12Aの検討で認識されるように、第1の形態211では、余分な材料215がパッド/ベースの後側接合面上に作製および/または堆積され、それにより、組み立てられた歯科矯正ブラケット200が、その後、作製後に、機械加工されあるいは別の方法で調整され、それは、臨床医が、このような特注の作製を必要とする異常を有する患者に使用するために作製された特注の歯科矯正装置を保持することを可能にする。一方、図12Bを参照すると、第2の形態212では、余分な材料215を後側接合面214に堆積させてもよく、したがって、この場合もやはり、もう1つの異なる形状のパッド210をプラットフォームに取り付けることが可能となり、よって臨床医は、患者に影響を及ぼすより広い範囲の歯列矯正異常に対応することができる作製された一連の歯科矯正ブラケットを有することが可能となる。したがって、臨床医は、特定のトルクブラケットを創出することができ、作製後、フライス加工または他の機械加工を行うことができ、一連の歯科矯正ブラケットを作製することが可能になり、さらに患者が有する異常な(特有の)歯の輪郭(外形)に合った形状にすることができる。この発明の特徴は、従来利用されている歯科矯正ブラケットでは利用できていない。
次に図9を参照すると、プラットフォームベース201は、上述したように、その前側接合面203と一体形成された連結部230を含む。連結部230は、本発明の第1の形態に関して検討した連結部30と動作が同様である。この点に関して、図9以降に示されている連結部230は、湾曲ダブテール形状スロット231を含むかまたは画定し、以下に説明するようにブラケット本体と摺動可能に嵌合可能に連結するように動作可能である。湾曲ダブテール形状スロット231は、参照符号232で示された相互に間隔をおいて配置された角のある側壁によって部分的に画定される。さらに、前側接合面203は、湾曲上側接合面233によって部分的に画定され、以下に説明するようにブラケット本体と協働するように動作可能である。湾曲上側接合面234は、部分的に湾曲ダブテール形状スロット231を個別に形成する内側延在フランジ部235を部分的に画定する。本発明の第1の形態に示すものと同様に、複数の係合領域236が湾曲上側接合面234に形成され、湾曲上側接合面234を通って下向きに延在する。係合領域236は、先に説明したのと同様の方法で動作する。係合領域236は、プラットフォームベース201の反対側の周囲縁部205上に位置し、相互に実質的に整列されることは、図9に関して注目すべきである。本発明200のこの形態の動作については、以下により詳細に検討する。
次に図14を参照すると、歯科矯正ブラケット200の第2の形態はブラケット本体240を含み、ブラケット本体240は本発明の第1の形態[図1〜図7]に開示されているように、ブラケット本体40と幾分類似するように作動する。図14以降に示されているブラケット本体240は、前側接合面242と、反対側の後側接合面243とを有する本体241を有する。本体241はさらに、上側接合面244と、反対側の下側接合面245とを有する。上述したものと同様に、ブラケット本体240は、アーチワイヤスロット260へのアクセスを可能にする可動ゲート250を含む。アーチワイヤスロット260は、上側接合面261と、それと離間して配置された反対側の上側接合面262とによって部分的に画定される。支持または凹壁263は、それぞれ上側接合面261と下側接合面262との間に延在している。本体241、特に後側接合面243は、湾曲面280を有する。さらに、分かるように、本体はまた、後側接合面243と一体形成された湾曲雄ピン部材281によって部分的に画定される。湾曲雄ピン部材は、相補湾曲面283によって部分的に画定され、連結部230によって画定された湾曲ダブテール形状スロット231内に嵌着関係で嵌合可能に収容されるように動作可能である。図14以降に示すように、通路284が本体241内に形成され、支持または凹壁263間に湾曲雄ピン部材281を通って延在し、相補湾曲面283で終端する。通路284は、第1の端部285と、反対側の第2の端部286とを有する。図14から分かるように、通路284は、相補湾曲表面283から支持または凹壁263の方向に延在する拡張第1部分287と、第1の部分よりも小さい断面寸法を有し、さらに、第1の部分287から支持または凹壁263に延在する第2の部分288とを有することが認識される。この通路の機能については、以下でさらに詳しく検討する。
図15から分かるように、ブラケット本体240の第2の形態は、従来の設計のアーチワイヤ290と協働するように動作可能である。このアーチワイヤ290の特性は、本発明の第1の形態に関して検討され、この構造に関するさらなる検討は保証されていない。ブラケット本体240は、概して参照符号300で示され、図13の検討によって最も詳しく理解されるブラケット本体インサートと協働するように同様に動作可能である。ブラケット本体インサート300は、それぞれ対向する第1の端部301および第2の端部302と、細長本体303とを有する。細長本体は、それぞれ上面304および下面305と、それぞれ前側接合面306および後側接合面307とを有する。ブラケット本体インサート100の第1の形態と同様に、ブラケット本体インサート300は、それぞれ第1の係合部311および第2の係合部312を有する。第1の係合位置および第2の係合位置はそれぞれ、窪み、キャビティ、または図示のリブ部材314が形成された外側接合面313を有し、窪み、キャビティ、または図示のリブ部材314は、アーチワイヤスロット260内にブラケット本体インサート300を移動させるために、ツールまたは臨床医の指さえもそれに係合し、ブラケット本体インサート300に力を及ぼすことを可能にする。この場合もやはり、ブラケット本体100の第1の形態と同様に、ブラケット本体300の第2の形態は、第1の係合部材315および第2の係合部材316をそれぞれ含み、第1の係合部材315および第2の係合部材316は連結部230に形成された個々の係合領域236と取り外し可能に協働するように動作可能である。図13を参照して最も詳しく分かるように、ブラケット本体インサート300は、中央ポスト(柱)またはシャフト320を含み、それは通路284内に収容されるように寸法決めされている。中央ポストまたはシャフト320は、遠心端321を有し、遠心端321には、拡張移動制限部材322が取り付けられている。図面から分かるように、この移動制限部材は、通路284の拡張第1部分287の内側直径寸法よりも小さい外側直径寸法を有する。移動制限部材322は、ブラケット本体インサート300の移動経路323を画定する。図14に示すように、移動経路は、ブラケット本体インサート300が支持または凹壁263に対して並置関係で載置された第1の位置324を含み、したがって支持または凹壁263はアーチワイヤスロット260を少なくとも部分的に画定する。さらに、ブラケット本体インサート300は、第1の位置324から図14の仮想線で示される第2の位置325まで可動であり、それは、第1の係合部材315および第2の係合部材316それぞれが連結部分230に形成される個々の係合領域236との係合または協働から外れて移動することを可能にする。ブラケット本体インサートは、係合領域236から係合解除されると、臨床医がアーチワイヤを収容する適切な位置にブラケット本体240を再配向することを可能にするために、ブラケット本体240をプラットフォームベース201に対して回転させることを可能にする。ブラケット本体インサート300は、適切に位置決めされると、第2の位置325から第1の位置324に戻され、第1の係合部材315および第2の係合部材316を、複数の係合領域236の1つ内で連結、嵌着および嵌合い関係で収容する。これにより、ブラケット本体240は、プラットフォームベース201に対して固定された配向で効果的に保持される。この構造は、ブラケット本体インサート300がブラケット本体240から取り外されることを防止し、患者の治療の間にこの部品(構成要素)の喪失をさらに防止する。さらに、この特徴により、臨床医が、もはや非常に小さい物体を手動で操作したり取り扱ったりする必要がなくなり、非常に小さい物体をアーチワイヤスロット260内に適切に配置する必要がなくなるので、臨床医の利便性が向上する。
プラットフォームベース201に対するブラケット本体240の異なる位置への回転を可能にするために、ブラケット本体インサート300がプラットフォームベース201から係合解除される場合に、中央ポスト/シャフト320と拡張移動制限部材322とが合わせて、臨床医が容易に決定できる触覚手段を提供するので、歯科矯正ブラケット200の第2の形態は本発明の第1の形態よりもさらに別の利点を提供する。
本発明200は、臨床医が最も詳しく精通している方法で診療することを可能にする歯科矯正ブラケットの完全なラインを作製し得る簡便な手段を提供する。それは、さらに、臨床医が、確立し成功した歯科矯正治療計画を引き続き使用し、従来型と考えられる歯科矯正ブラケットのスタイルを使用することを可能にする。図面から分かるように、本発明は、パッシブセルフライゲーションブラケット330、図示されているようなセルフライゲーションを支援する従来のツインブラケットで有用であり、弾性リガチャー(弾性結紮線)341が用いられ、ブラケット本体は、従来の設計のフック342と協働するようにさらに作製され得る。さらに、ブラケット本体は、多くの歯列矯正施術者が精通している従来のツインブラケット350の形態で製造され得る。さらに、従来の金属クリップ360(図18)を使用する従来のツインブラケットを、本発明の第1の形態および第2の形態に関して説明したのと同じプラットフォームベース20/201上で利用し得る。したがって、本発明は、治療を必要とする患者の歯11にプラットフォームベース20/201を設置し得、その後、臨床医は、非常に精通している様々な種類のブラケット本体を用いることができ、追加の訓練がほとんどまたはまったく必要ではなく、プラットフォームベース20/201の歯11からの除去を必要としない装置および技術を利用する歯科矯正治療計画を実施し得る便利な手段を提供する。これはもちろん、治療プランを迅速化し、患者の快適性を向上させる。
第3の形態
本発明の歯科矯正ブラケットの第3の形態は、概して参照符号300で示され、図19以降に示されている。歯科矯正ブラケットの第3の形態は、図2に示すように、概して参照符号301で示すプラットフォームベースによって、患者の歯11の前側接合面12に対して選択的に移動するように支持されている。プラットフォームベースは、適切な接着剤、または当該技術分野で知られている他の手段によって、患者の歯の前側接合面に取り外し可能に固定される。プラットフォームベース301は、構造体20に関して上述したものと幾分類似している。プラットフォームベース301は、外側または前側接合面303と、反対側の後側接合面304とを有する本体302を有する。さらに、プラットフォームベースは、概して参照符号305で示されている周囲縁部を有する。プラットフォームベース301の全体的な厚さ寸法は、上述した本発明の2つの前記形態よりも低減されている。これは、参照符号306の線で示されている。次に図19以降を参照すると、プラットフォームベース301の第3の形態は、本来、2つのディスクリート部分で作製されているこれらの図から認識され、これらは患者の歯11の前側接合面に対して並置関係で配置されたパッド/ベース310と、パッド310と略一体形成された被覆又は並置プラットフォーム301とであり、以下で説明するように、ブラケット本体はプラットフォーム301と可動に協働する。図面に示すように、パッド310の様々な形態が作製され得、先に開示したように、臨床医にこれまで矯正することが困難であったか、または不可能であった患者の歯列矯正異常に対処または歯列矯正異常を矯正するための多種多様なオプションを与えるために、パッド310を作製後、機械加工あるいは他の方法で形成することができるように十分な材料厚さを提供する。図19以降に示すように、パッド310は、第1の形態311と第2の形態312とを含む代替の形態を有することを理解すべきである。パッド310は、後述するように、プラットフォーム301と一体形成されており、作製時に、続いて隣接するプラットフォーム301に固定される前側接合面313と、歯11の前側接合面に対して並置された外側または後側接合面314とを有する。図面の検討によって認識するように、第1の形態311において、余分な材料が、パッド310の前側接合面313上にて様々な位置に作製および/または堆積され、したがって、パッド310をその後、作製後に機械加工あるいは他の方法で調整することが可能であり、次いでプラットフォーム301に取り付けられる。この製造技術により、臨床医は、そのような特注の装置を必要とする歯の異常を有する患者に使用するために作製された特注の歯科矯正装置を固定し得る。したがって、臨床医は、患者固有のトルクブラケットを創出することができ、作製後にフライス加工を行うことができ、一連の歯科矯正ブラケットを供給することができ、患者が歯に所定のトルクまたは他の力を保持している可能性のあるまたは印加している可能性のある異常な歯の輪郭に合うように成形することができる。この特徴は、従来、作製、供給された歯科矯正ブラケットでは利用できなかった。
パッド310は、本発明の第3の形態300で使用されるように、後側接合面314に、図25を参照して最も詳しく示されるキャビティ320を形成している。キャビティ320は、概して参照符号321で示される隆起周囲縁部によって部分的に画定される。周囲縁部321は、上側または第1の部分322と、概して参照符号323で示された反対側の第2のまたは下側部分とを有する。図面から分かるように、開口部または通路324は、周囲縁部321の下側または第2の部分323に形成される。図面から分かるように、キャビティ320は、参照符号325で概して示される複数のチャネルを画定し得る。当業者には認識されるが、接着剤326がキャビティ320内に堆積され、パッド310を患者の歯11の前側接合面12に取り外し可能に取り付けるように動作可能である。図面から理解されるように、キャビティ320に形成された複数の流路325は、周囲縁部321の下側部分323に形成されている開口部324に対して流体流動(流体連通)関係で連結される。その結果、パッド310が患者の歯の前側接合面と接触するように押圧されると、キャビティ320に予め堆積された過度の接着剤が開口324を通って流出し、その後患者の歯11上へのパッド310の取り付け後に臨床医によって除去することができる。図面から理解されるように、周囲縁部321の上側または第1の部分322は、図示されていない患者の歯茎に対して間隔をおいて配置され、開口324は、患者の歯11Bの歯冠に対して間隔をあけて配向される。開口部324の配向は、使用される接着剤が歯科矯正治療計画を受ける患者の組織と接触しないことを保証するために、この位置に配置する。
この場合もやはり、図19以降を参照すると、上述したように、プラットフォームベース301は、その前側接合面303と一体形成された連結部330を含むことが分かる。連結部330は、本発明の第1および第2の形態に関して説明したように、連結部30と動作が同様である。この点に関して、連結部330は、図示するように、湾曲ダブテール形状スロット331を含むか、または画定し、以下に説明するように、湾曲ダブテール形状スロット331は複数のブラケット本体と摺動可能に、嵌合可能に連結するように動作可能である。湾曲ダブテール形状スロット331は、参照符号332によって示されている相互に間隔をおいて配置される角のある側壁によって部分的に画定される。さらに、前側接合面303は、湾曲上側接合面333によって部分的に画定され、以下に説明するように湾曲上側接合面333はブラケット本体と協働するように個別に動作可能である。湾曲上側接合面334は、内側延在フランジ部335を部分的に画定し、内側延在フランジ部335は少なくとも部分的に湾曲ダブテール形状スロット331を個別に形成する。前述の本発明の形態で図示し説明したのと同様に、複数の係合領域336は湾曲上側接合面334の中に形成されており、湾曲上側接合面334を通って下方へまたは湾曲上側接合面334内に下方へ延在している。それぞれの係合領域336は、前述したものと同様の方法で動作する。プラットフォームベース301の反対側の周囲縁部305に配置された係合領域336は、相互に略同軸上に整列されていることに図19以降に関して注意すべきである。本発明のこの形態の動作は、以下でより詳細に説明される。この場合もやはり、プラットフォームベース301は低減された厚み部分306を有し、増加された材料量は通常、パッド310の前側接合面上に堆積され、その後、作製後にパッド310は、患者の適切な歯科矯正治療のために所望の量のトルクを提供するよう、プラットフォームベース301に取り付けられる前に機械加工され、あるいは他の方法で修正される。
さらに図19以降を参照すると、歯科矯正ブラケット300の第3の形態は、ブラケット本体340を含み、ブラケット本体340は本発明の第1の形態に開示されているようにブラケット本体40と同様の方法で作動する(図1〜図7)。ブラケット本体340は、図示のように、前側接合面342と、反対側の後側接合面343とを有する本体341を有する。本体341は、さらに、上側接合面344と、反対側の下側接合面345とを有する。上述したものと同様に、ブラケット本体340は、アーチワイヤスロット360へのアクセスを可能にする可動ゲート350を含む。アーチワイヤスロット360は、上側接合面361と、これに対して離間して配置された反対側の下側接合面362とによって部分的に画定される。支持または凹壁363は、上側接合面361と下側接合面362との間に延在している。本体341、特に後側接合面343は、湾曲面380を有する。さらに、分かるように、本体はまた湾曲雄ピン部材381によって部分的に画定され、湾曲雄ピン部材381はさらに後側接合面343と一体形成されている。湾曲雄ピン部材は、相補湾曲表面383によって少なくとも部分的に画定され、連結部330によって画定される湾曲ダブテール形状スロット331内に嵌着関係で嵌合可能に収容されるようにさらに動作可能である。図面から分かるように、通路384は本体341に形成され、支持凹壁363間に、湾曲雄ピン部材381を通って延在し、さらに相補湾曲面383で終端する。通路384は、第1の端部385と、反対側の第2の端部386とを有する。図面から分かるように、通路384は、相補湾曲面383から支持または凹壁363の方向に延在する拡張第1部分387と;第1部分よりも小さい断面寸法を有し、さらに第1部分387から支持凹壁363まで延在する第2部分388と、を有することが認識される。この通路の機能は、本発明の第2の形態で先に開示したものと同様である。
図面から分かるように、ブラケット本体340の第3の形態は、従来の設計のアーチワイヤ390と協働するように動作可能である。このアーチワイヤ390の特徴は、本発明の第1および第2の形態に関して検討されており、この要素の構造に関するさらなる検討は保証されていない。ブラケット本体340は、参照番号400で概して示されるブラケット本体インサートと協働するように同様に動作可能であり、本明細書に提供される図面において最も詳しく理解される。ブラケット本体インサート400は、反対側の第1端部および第2端部(図示せず)と、細長本体403とを有する。細長本体は、上面404および下面405それぞれと、前側接合面406および後側接合面407それぞれとを有する。ブラケット本体インサートの他の形態と同様に、上述したように、ブラケット本体インサート400は、図示されていない第1および第2の係合部を有する。第1および第2の係合部の各々は、窪み、キャビティ、または先に開示したようなリブ部材が形成された外側接合面を有し、それらは、ブラケット本体インサート400をアーチワイヤスロット360内に移動させるために、ツールまたは臨床医の指さえもそれらに係合することを可能にし、ブラケット本体インサート400に力を及ぼすことを可能にする。この場合もやはり、上述したように、ブラケット本体の第1および第2の形態と同様に、ブラケット本体インサート400の第3の形態は、図示されていない第1および第2の係合部材を含み、連結部330に形成されている個々の係合領域336と取り外し可能に協働するように動作可能である。図面に最も詳しく示されているように、ブラケット本体インサート400は、中央ポストまたはシャフト420を含み、中央ポストまたはシャフト420は本体341に形成された通路384内に収容されるように寸法決めされている。中央ポストまたはシャフト420は、遠心端421を有し、遠心端421には、拡張移動制限部材422が取り付けられている。図面から分かるように、この移動制限部材は、通路384の一部の内径寸法よりも小さい外径寸法を有する。移動制限部材422は、本発明の第1および第2の形態に関して先に検討されたものと同様の、図示しない移動経路を画定する。前述のものと同様に、ブラケット本体インサート400は、ブラケット本体インサート400が支持または凹壁363に対して並置関係で載置された第1の位置の間の移動経路(図示せず)に沿って可動であり、支持または凹壁363はしたがってアーチワイヤスロット360を少なくとも部分的に画定する。さらに、ブラケット本体インサート400は、この第1の位置から第2の位置(図示せず)まで可動であり、第2の位置は、上述したように、第1および第2の係合部材が、連結部330に形成されている個々の係合領域336との係合または協働から外れることを可能にする。ブラケット本体インサート400は、それぞれの係合領域336から外れると、臨床医がブラケット本体を上述したようにアーチワイヤ390を収容する適切な位置に再配向することを可能にするために、プラットフォームベース301に対してブラケット本体340を回転させることを可能にする。ブラケット本体インサート400は、適切に配置されると、第2の位置から第1の位置に戻され、第1および第2の係合部材を、複数の係合領域336の1つの中で、連結、嵌着および嵌合い関係に収容する。これにより、ブラケット本体340は、プラットフォームベース301に対して所定の固定された配向で効果的に保持される。上述したように、この構造は、ブラケット本体インサート400がブラケット本体340から取り外されるのを防止し、患者の治療中にこの構成要素の喪失をさらに防止する。さらに、この特徴により、臨床医は、もはや非常に小さな物体を手動で操作したり取り扱ったりする必要がなくなり、それをアーチワイヤスロット360内に適切に配置する必要がなくなるので、臨床医の利便性が向上する。
第3の形態300は、本発明の第1および第2の形態で上述した構造と同様に、臨床医が最も精通した方法で診療することを可能にする歯科矯正ブラケットの完全なラインを作製し得る簡便な手段を提供する。それは、さらに、臨床医が、確立し成功した歯科矯正治療計画を引き続き使用し、現在比較的従来型と考えられている歯科矯正ブラケットのスタイルをさらに使用することを可能にする。提供される図面から分かるように、本発明の第3の形態300は、図示されているようなセルフライゲーションを支援する、パッシブセルフライゲーションブラケット500、従来のツインブラケット600において有用であり、弾性リガチャー610が使用され、ブラケット本体は、図示されていないフックおよび他の従来の歯科矯正装置と協働するようにさらに作製され得る。結果として、本発明は、治療を必要とする患者の歯11にプラットフォームベース20/201/301を設置することができ、その後、臨床医が非常に精通した様々な異なるブラケットであって、追加の訓練がほとんどまたはまったく必要ない装置および技術を使用した歯科矯正治療計画を実施することができるブラケットを使用する簡便な手段を提供する。さらに、本発明の第3の形態300は、プラットフォームベース301を歯11から取り外す必要がない。これは、もちろん、選択された治療計画を迅速化し、さらに、歯科矯正治療を受ける患者の快適性を向上させる。
第4の形態
本発明の第4の形態500は、図26から始まる図面に最も詳しく示されている。本発明の第4の形態500は、先に開示した他の形態と全く同様の方法で動作する。しかし、第4の形態は、様々な歯列矯正異常の治療における歯科矯正ブラケットの動作を強化する他の新規な特徴を有する。図面に最も詳しく示すように、歯科矯正ブラケット500は、パッド511によって部分的に画定されるプラットフォームベース510を含む。パッド511は本体512を有する。本体は、前側接合面513と後側接合面514とによって画定される。パッド511の後側接合面は、前述の歯科矯正治療計画を受ける患者の歯11に取り付けられる。本体512は、さらに、周囲縁部515を有する。先に述べたようにおよび図面から分かるように、罫書き(引っ掻き)配向線516は、前側接合面513に沿って延在し、臨床医に対して簡便な視覚的基準点を提供するので、臨床医はパッド511を患者の歯11の前側接合面12に適切に位置決めすることができる。図面から分かるように、パッド511は、プラットフォームクレードル(受け台;cradle)520を含み、プラットフォームクレードル520はその前側接合面513と一体形成されている。プラットフォームクレードルは、複数の有角(角度が付いた)前側接合面521によって画定される所定の形状を有する。さらにまた、図面から分かるように、少なくとも1つの連結部材522は、複数の有角前側接合面521のうちの1つに取り付けられ、有角前側接合面521に対して前方外方に延在している。連結部材は、所定の形状およびサイズを有する。さらにまた、図面から分かるように、通路533は、パッド511の後側接合面514に形成され、周囲縁部515に連通している。通路533は、パッドが臨床医によって患者の歯11の前側接合面12に取り付けられたときに過剰量の接着剤を放出するために採用される。これは、本発明の先の形態の1つに関して検討された。
歯科矯正ブラケット500は、概して参照符号530で示されるプラットフォームを含む。プラットフォームは、前側接合面532と、反対側の後側接合面533とを有する本体531を有する。図面の検討によって、後側接合面533は、パッド511およびプラットフォーム530が作製後に互いに取り付けられる場合に、後側接合面533がプラットフォームクレードル520と嵌合可能に協働することが可能な相補形状を有することを理解すべきである。図面に示すように、現在の配置(構成)は、歯科矯正ブラケット500が、通常の患者の歯11に用いられる場合にニュートラルトルクを有するように作製されることを可能にする。
本明細書で提供される図面から分かるように、プラットフォーム530は連結部540を含み、これは本出願で先に説明したものと幾分類似した設計である。したがって、簡潔にするために、本発明の第4の形態500に関する構造の本質的な特徴のみが本明細書に記載されており、残りの構造は、先に開示したように、本発明の第4の形態において同じままである。特に、連結部540は、上述したように、湾曲ダブテール形状スロット541を含み、湾曲ダブテール形状スロット541は後述するように個々のブラケット本体を嵌合可能に、可動に収容するように動作可能である。さらに、連結部540は、湾曲上側接合面542を有し、さらに、内方に延在するフランジ部543によって少なくとも部分的に画定される。同様に、上述したように、連結部540は係合領域544を含み、以下に説明するようにブラケット本体インサートをこれと協働させ、さらに臨床医がブラケット本体を一旦患者の歯11上に適切に位置決めすると、プラットフォームベース510に対して調整可能にブラケット本体が位置決めされることを可能にする。この場合もやはり、係合領域544が連結部540の両側に形成されまたは配置され、以下に説明するブラケット本体インサートと協働する。本発明500のこの形態では、図面から分かるように、通路545が、本体531の前側接合面532から後側接合面533まで延在している。この通路545は、連結部材522と相補的な形状を有し、連結部材522は複数の有角前側接合面521の少なくとも1つに対して前方外方に延在し、有角前側接合面521はプラットフォームクレードル520を画定する。連結部材522は、通路545内に収容される。連結部材522は、その後、組立工程中に溶接によってプラットフォーム530に固定される。連結部材522および通路545は、プラットフォームをパッド511に対して適切かつ便利に配向し、次いで、従来の技術を用いて、機械オペレータによって所定の位置にしっかりと溶接または取り付ける簡便な手段を提供する。パッド511およびプラットフォーム530であるこれらの特定の部品は非常に小さく、したがって、通路545内の連結部材522のこの配置は、パッド511およびプラットフォーム530が溶接前に適切に配向され、あるいは他の方法で一緒に取り付けられることを保証することを理解すべきである。
本発明の第4の形態500は、概して参照符号550で示されている複数のブラケット本体を含み、ブラケット本体は以下に簡単にだけ説明するが、これは、本出願でかなり詳細に先に検討したブラケット本体の特徴が、本発明のこの形態と実質的に同一であることが理解されるためである。ブラケット本体550は、本明細書で概して従来設計されたツイン歯科矯正ブラケットとして示されている第1の形態551と;本明細書でパッシブセルフライゲーションを実施するブラケット本体として図示された第2の形態552と、を含み、上述したように可動ゲート556をさらに含む。ブラケット本体550の各々は本体553を含み、本体553は前側または外側接合面554および反対側の後側接合面555によって画定され、後側接合面555はプラットフォーム530と嵌合可能に可動に協働する。これに関して、ブラケット本体の各々は、アーチワイヤスロット560を含み、アーチワイヤスロット560は上述した従来の設計のアーチワイヤ566を収容するように動作可能である。さらに、それぞれのブラケット本体550は湾曲雄ピン部材561を有し、湾曲雄ピン部材561は、プラットフォーム530の連結部540によって画定された湾曲ダブテール形状スロット541内で摺動可能かつ嵌合可能に収容される寸法である。本発明の先の形態に記載されたものと同様に、通路562は、それぞれのブラケット本体550に形成され、アーチワイヤスロット560と後側接合面555との間に延在している。これは、図31を参照することによって最も詳しく理解される。図28A〜図28Cから分かるように、ブラケット本体は、組み立てられた場合に、アーチワイヤスロット560内に収容されるアーチワイヤ566に高トルク563(図28A)、ニュートラルトルク564(図28B)、低トルク565(図28C)を実現するために、プラットフォーム530に対して所与の所定位置に可動である。前述の図面から分かるように、アーチワイヤ566に高トルク563、ニュートラルトルク564および低トルク565を実現または付与するためのブラケット本体550の移動は、アーチワイヤスロット560が移動全体を通して略同じ平面内に留まるように起こる。本出願で前述したように、これはこれまで採用されてきた歯科矯正ブラケットには利用できなかった本発明の新規な特徴である。この場合もやはり、図28A、図28B、図28Cを参照すると、本発明の発明概念の1つは、患者の複数の歯11のうちの1つの前側接合面12に取り外し可能に保持されるプラットフォームベース510を含む歯科矯正ブラケット500に関し、患者の歯11の少なくともいくつかは、臨床医によって略同時に実施される歯科矯正治療計画を必要とし、プラットフォームベース510が歯科矯正治療計画の間に患者の歯の前側接合面に取り付けられたままである。歯科矯正ブラケットは、さらに、歯科矯正治療計画を容易にするために、プラットフォームベース510と個別に、嵌合可能に、連続して協働し、プラットフォームベース510に対して部分的に回転することが可能な複数のブラケット体550を含む。それぞれのブラケット本体550は、患者の隣接する歯に配置された隣接するブラケット本体550に対して所与の垂直位置を有する。これは、それぞれ図28A、図28B、図28Cの画像を集合的に見ることによって最も詳しく推測される。さらに、これらの同じ図から分かるように、各ブラケット本体550は、中央領域567を有するアーチワイヤスロット560を画定し、所与の基準線568に沿ってさらに配向される。所与の基準線568は、アーチワイヤスロット560の中央領域567と、さらに歯科矯正治療計画を受けている患者の他の隣接する歯11に配置された他のブラケット本体550の他のアーチワイヤスロット560の中央領域567との間に延在する。歯科矯正ブラケット500はさらに、それぞれのブラケット本体550のアーチワイヤスロット560の間に延在し、アーチワイヤスロット560内に収容されるアーチワイヤ566を含み、それぞれのブラケット本体550は、歯科矯正治療計画を受ける患者のそれぞれの歯11の前側接合面12に取り外し可能に配置される。図28A、図28Bおよび図28Cに示すブラケット本体550の部分的な回転は、臨床医が、アーチワイヤスロット560内に配置されたアーチワイヤ566を強制的に係合することによって(配置されたアーチワイヤ566をアーチワイヤスロット560内に強制的に係合することによって)、患者のそれぞれの歯11に所定量のトルクを付与することを可能にする。理解すべきであるが、患者の歯11に及ぼされる所定量のトルクの調整、および/またはプラットフォームベース510に取り外し可能に可動に係合するブラケット本体550の交換は、アーチワイヤスロット560の中央領域567が、所定の基準線568に沿って、および、患者の隣接する歯11に配置されたブラケット本体550のアーチワイヤスロット560に対して実質的に同じ垂直位置において配向されながら行われる。この非常に新規な特徴は、例えば、3次移動または制御15を表出することを含む歯科矯正治療計画を直ちに開始するために、臨床医が複数の歯11のトルクを調整し、非屈曲アーチワイヤ566をブラケット本体550に挿入することを可能にする。この特定の特徴は、かなりの患者の治療時間を節約し、患者のそれぞれの歯11に印加される治療のための力の制御の向上をさらに提供する。
本発明の他の形態と同様に、本発明の第4の形態500は、ブラケット本体インサート580を含み、図面における図26および図32によって最も詳しく示されている。ブラケット本体インサート580は、上述した本発明の先の形態と同様に作用する。ブラケット本体インサート580は、第1の端部581および第2の端部582をそれぞれ有し、アーチワイヤスロット560内に収容されるように寸法決めされた細長本体583をさらに含む。細長本体583は、アーチワイヤスロット560の少なくとも一部を形成する前側接合面584と、反対側の後側接合面585とを有する。図面から分かるように、ブラケット本体インサート580は、第1の係合部材591および第2の係合部材592をそれぞれ含み、それらは両端の第1の端部581および第2の端部582それぞれに対して後方外方に延在している。係合部材591および592は、連結部540に形成されるそれぞれの係合領域544内に嵌合可能に収容されるように寸法決めされる。前述したように、それぞれの第1の係合部材591および第2の係合部材592を、係合領域544を形成するそれぞれの通路内の個々の収容部に移動させるためのブラケット本体インサート580の選択的な移動は、ブラケット本体550が、アーチワイヤスロット560内に収容された付随するアーチワイヤ566に高トルク563、ニュートラルトルク564または低トルク565をそれぞれ付与するように所与の所定の位置に配置されることを可能にする。本発明の形態500では、図面に最も詳しく示されているように、ブラケット本体インサート580は、細長本体583の後側接合面に取り付けられ、それに対して後方外方に延在する保持部材593を含む。保持部材593は、通路562内に収容されるように寸法決めされており、通路562はアーチワイヤスロット560からブラケット本体550の後側接合面555まで延在している。図面から分かるように、保持部材593の遠心端594には、長手方向に延在するスロット595が形成されている。通路562内に保持部材593を収容した後、ツールまたは他の器具が利用されて、保持部材593の遠心端594に力を及ぼし、それによって遠心端594の外径寸法を増大させる。遠心端594の、その外径寸法を増大させる拡大は、保持部材593を通路562に摩擦係合させる。この摩擦係合は、より小さな断面寸法のアーチワイヤ566がアーチワイヤスロット560内で用いられる場合に、ブラケット本体インサート580のアーチワイヤスロット560内への早期の移動を実質的に妨げる。しかし、連結部540の係合領域544からの、第1の係合部材591および第2の係合部材592の係合解除に影響を与えるよう、ブラケット本体インサート580の第1の端部581および第2の端部582に力を及ぼしてブラケット本体インサート580をアーチワイヤスロット560内に一時的に移動させるために、発生した摩擦は臨床医がそのことについてツールまたは彼らの指を使用することを防ぐには十分ではない。したがって、臨床医は、ブラケット本体インサート580をアーチワイヤスロット560内に効果的に移動させ、ブラケット本体550を連結部540に対して回転移動させ得;次いで、この場合もやはり、第1の係合部材591および第2の係合部材592がブラケット本体580を適切な、臨床医が選択した高トルク位置563、ニュートラルトルク位置564または低トルク位置565にそれぞれ取り外し可能に配向する完全着座位置内にブラケット本体インサート580を押し戻す。保持部材593の拡張遠心端594は、ブラケット本体インサート580がアーチワイヤスロット560から取り外されるのを防止するが、ブラケット本体550の回転が達成可能なようブラケット本体インサートの十分な移動を可能にする。
次に図36を参照すると、別の代替パッドが示されており、参照符号600で示されている。この場合もやはり、このパッド600は、他の記載されたパッドについて上述したものと同様の方法で動作し、すなわち、それは、前側接合面601と後側接合面602とを有し、患者の歯11の前側接合面12に取り外し可能に連結される。この特定の変形例では、パッド600は付加的な材料603を含み、付加的な材料603は前側接合面601上に堆積され、その後、特別な治療を必要とする患者の歯列矯正異常に対処するために臨床医が特注製造されたブラケットを注文することを可能にするよう、作製後に、任意のトポグラフィに機械加工することが可能である。さらにまた、図面に示されるように、代替のプラットフォーム610が図示されており、前側接合面611と後側接合面612とを有する。別のプラットフォーム610は、この場合もやはり、上述したように、ダブテール形状スロットまたはチャネル613と、係合領域614とを有する。この特定の代替の形態では、代替のプラットフォーム610の後側接合面612は、臨床医が、特別なニーズを有する患者の歯列矯正異常に対処するために所定量のトルクを選択することを可能にする構成(配置)を達成するよう、代替のパッド600の前側接合面601に溶接等によってこの場合も取り付けられる。
操作
本発明の記載された実施形態の動作は容易に明らかであると考えられ、この段階では簡単に要約される。その最も広い態様の1つでは、本発明は、プラットフォームベース20を含み、さらに患者の歯11の前側接合面12に取り外し可能に保持される、歯科矯正ブラケット10に関する。さらに、本発明10は、先に開示したような複数のブラケット本体40を含み、ブラケット本体40は、歯科矯正治療計画の間に患者の歯11の前側接合面12からプラットフォームベース20を取り除くことなく、治療する臨床医によって患者のために選択される歯科矯正治療計画を容易にするために、プラットフォームベース20と個別に、嵌合可能に、連続的に協働することが可能である。
先に開示されたように、本発明の一形態では、歯科矯正ブラケット10は、作製後に、十分な材料厚さを有する後側または外側接合面23を有し、その材料厚さは、歯科矯正治療計画の間に患者の歯11に及ぼされ得る選択された所定量のトルクを臨床医に提供するよう、変更することができる。理解すべきであるが、臨床医によって選択されるトルクの量は、ニュートラルであるか、または臨床医によって決定されるさらに他の所与の量であり得る。理解すべきであるが、プラットフォームベース20と協働する個々のブラケット本体40は、歯科矯正治療計画の間に、プラットフォームベース20に対して不動または調整可能に可動である。それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体230、ツインブラケット本体、パッシブセルフライゲーションブラケット本体330、アクティブセルフライゲーションブラケット本体340、およびニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生し得るプラットフォームベース20に対して不動または調整可能に可動なブラケット本体をさらに含む。さらに、プラットフォームベース20と嵌合可能に協働するブラケット本体のいくつかは、フック342および/または他の歯科矯正装置を有し、歯科矯正治療計画を受ける患者の歯11にニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生する。
図18以降に示すように、本発明の他の形態では、歯科矯正ブラケット300は、プラットフォームベース301を含み、プラットフォームベース301は患者の歯11の前側接合面12に隣接して嵌合可能、取り外し可能に配置される。患者の歯11は、多段階歯科矯正治療計画を受ける。プラットフォームベース301は、前側接合面303と後側接合面304とを有する。図18以降に示すような歯科矯正ブラケットは、プラットフォームベース301の前側接合面303と個別に、嵌合可能に、連続的に協働するように動作可能な複数のブラケット本体340を含み、ブラケット本体340は多段階矯正治療計画の個別の段階を実施する。歯科矯正ブラケット300は、図18以降に示すように、プラットフォームベース301の後側接合面304と一体形成されたパッド310をさらに含み、患者の歯11の前側接合面12に対して並置された後側接合面314をさらに有する。パッド310は、所定の可変厚さの寸法およびトポグラフィを有し、パッド310はそれぞれのブラケット本体340を配置し、ブラケット本体340は患者の歯が有する歯列矯正異常を共に矯正する様々な程度のトルクおよび他の力を付与するよう、歯科矯正治療計画を受ける患者の歯11に対して所定の配向でプラットフォームベース301と協働する。
図18以降に示され、上述したように、歯科矯正ブラケット300は、プラットフォームベース301の後側接合面304と一体形成された、前側接合面313を有するパッド310を含む。パッド310の後側接合面314には、少なくとも1つのキャビティ320が形成され、キャビティ320はパッド310を患者の歯11の前側接合面12に取り外し可能に保持する接着剤326の供給源を収容する。理解すべきであるが、パッド310は、周囲縁部321によって少なくとも部分的に画定され、周囲縁部321には開口324が形成されている。パッドの後側接合面に形成されたキャビティ320は、パッド310の周囲縁部321に形成された開口部324に対して流体流動関係で連結されている。理解すべきであるが、パッドが患者の歯11の前側接合面12に対して並置関係で配置され押圧される場合、キャビティ320内に収容された過度の量の接着剤326は、開口324を通って流体流動的に移動し得る。図示する構成では、パッド310の周囲縁部321は、患者の歯茎に対して間隔をあけて配置される上または第1の周囲縁部322と、患者の歯11の歯冠に対して間隔をあけて配置される反対側の下または第2の周囲縁部323とを有する。パッド310の周囲縁部に形成された開口部324は、パッド310の下または第2の周囲縁部323に形成されている。パッド310は、所定の異なる厚さ寸法およびトポグラフィを有する複数の形態を含み、プラットフォームベース301に取り付けられる場合に所定のトルク量または他の力を患者の歯11に及ぼすようにさらに動作可能であることを理解すべきである。これに関して、歯科矯正治療計画を実施する臨床医は、所望の歯科矯正治療目的を達成するために、所定の量のトルクおよび他の力を患者の歯11に付与するパッド310を選択することを理解すべきである。上述した本発明の先の形態の場合と同様に、臨床医によって選択される多段階歯科矯正治療計画は、個々の特有の歯列矯正異常を有する患者の複数の歯11の治療を含む。本発明では、同一のプラットフォームベース301が患者の歯11のそれぞれに用いられ、歯科矯正治療計画全体の間に患者の歯に取り付けられたままである。この場合もやはり、本発明は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを備えたブラケット本体;およびフックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、ニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、を含むブラケット本体を利用するように動作可能である。
したがって、本発明はこれまで可能ではなかった臨床医に治療オプションを提供することが分かるであろう。本発明の歯科矯正ブラケットは、プラットフォームベース20に取り外し可能、嵌合可能に取り付けられることが可能であり、治療計画全体を通じて患者の歯11に取り付けられたままである複数のブラケット本体を用いることによって、臨床医が患者の所与の治療計画を進めることを可能にする。この新しい歯科矯正ブラケットは、臨床医に利用可能な治療オプションを大幅に向上し、これまで利用可能であったものを超えて患者の治療速度を進め、複数の治療段階を含む歯科矯正治療計画の間に患者の快適性をさらに高める。前述の利点に加えて、製造業者は、同一のプラットフォームベースを利用し、これまで便利に対処できなかった患者の歯の異常に有用となるように作製後に変更可能な同様のパッドをさらに用いる複数のブラケット本体のタイプを作製することが可能であるので、コスト削減の向上を実感するだろう。
本発明のこれらの態様および他の態様については、以下により詳細に検討する。
(本発明の開示)
(項目1)
患者の歯の前側接合面に隣接して嵌合可能に取り外し可能に配置される後側接合面を有するプラットフォームベースを含み、前記患者の歯は、前記患者が有する歯列矯正異常を治療するための臨床医によって提供される多段階歯科矯正治療計画を受け、前記歯科矯正治療計画は、前記患者の歯が様々な程度のトルクおよび他の力を受けることを必要とし、合わせて前記歯列矯正異常を矯正し、前記プラットフォームベースは、前記治療を行う臨床医によって選択された前記多段階歯科矯正治療計画全体を通して、前記患者の歯に取り付けられたままである、歯科矯正ブラケット。
(項目2)
前記プラットフォームベースは、前記多段階歯科矯正治療計画を容易にするように、複数のブラケット本体と個別に、嵌合可能に、連続して協働するように動作可能である、項目1に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目3)
前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記多段階歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動である、項目2に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目4)
前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記多段階歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して不動である、項目2に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目5)
前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動および不動の両方である、項目2に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目6)
前記プラットフォームベースと協働する前記複数のブラケット本体は、前記多段階歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、前記それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;前記プラットフォームベースに対して実質的に不動または調整可能に可動であり、ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生するブラケット本体;並びに、フックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯にニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、をさらに含む、項目2に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目7)
前記多段階歯科矯正治療計画は、個別に固有の歯列矯正異常を有する、患者の複数の歯の治療を含み、同一のプラットフォームベースが、前記多段階歯科矯正治療計画を受ける前記患者の各歯の前記前側接合面に個別に取り付けられる、項目2に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目8)
前記プラットフォームベースは、前記多段階歯科矯正治療計画の間に、前記患者のそれぞれの歯に及ぼされることが可能な、臨床医によって選択された所定量のニュートラルトルクを提供するために製作可能な十分な材料厚さを有する後側接合面を有する、項目2記載の前記歯科矯正ブラケット。
(項目9)
前記ブラケットベースの材料厚さは、作製後の前記ブラケットベースの機械加工を可能にするように選択される、項目8に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目10)
歯科矯正ブラケットであって、
臨床医によって選択される歯科矯正治療計画を必要とする患者の歯の前側接合面に取り外し可能に保持されるプラットフォームベースと、
前記治療を行う臨床医による患者の前記歯科矯正治療計画を容易にするように、前記歯科矯正治療計画の間に、前記患者の歯の前記前側接合面から前記プラットフォームベースを取り外すことなく、前記プラットフォームベースと個別に、嵌合可能に、連続して協働することが可能な複数のブラケット本体と、
を含む、歯科矯正ブラケット。
(項目11)
前記プラットフォームベースは、作製後に、前記歯科矯正治療計画の間、前記患者の歯に及ぼされることが可能な、臨床医によって選択された所定量のトルクを提供するために変更可能な十分な材料厚さを有する後側接合面を有する、項目10に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目12)
前記臨床医によって選択された所定量のトルクがニュートラルである、項目11に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目13)
前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動である、項目10に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目14)
前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して不動である、項目10に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目15)
前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動および不動の両方である、項目10に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目16)
前記プラットフォームベースと協働する前記ブラケット本体は、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、前記それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生するブラケット本体;並びに、フックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯にニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、をさらに含む、項目10に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目17)
前記プラットフォームベースは、作製後に一緒に取り付けられるパッドとプラットフォームとを含み、前記パッドは、前記プラットフォームに対して並置される前側接合面と、前記患者の歯に取り外し可能に取り付けられる後側接合面とを有し、前記プラットフォームは所与の形状を有する後側接合面を有し、前記パッドの前記前側接合面は、前記プラットフォームの前記後側接合面と嵌合可能に協働する相補形状を有する、項目10に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目18)
前記プラットフォームは前側接合面を有し、前記プラットフォームの前記前側接合面と前記後側接合面との間には少なくとも1つの通路が延在し、前記パッドの前記前側接合面は、前記前側接合面から外方に延在し、前記プラットフォームに形成された前記少なくとも1つの通路内に収容されるように寸法決めされた少なくとも1つの連結部材を画定し、前記連結部材は、前記プラットフォームを前記パッドに対して適切に配向し、さらに、前記少なくとも1つの通路内の前記連結部材を前記プラットフォームに溶接することにより、前記プラットフォームを前記パッドに取り付けることを可能にする、項目17に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目19)
前記それぞれのブラケット本体と協働するように動作可能であり、前記歯科矯正治療計画の間、前記それぞれのブラケット本体を前記患者の歯に対して所定の配向にさらに取り外し可能に固定するブラケット本体インサートをさらに含み、前記それぞれのブラケット本体は、アーチワイヤスロットを画定する前側接合面と、前記プラットフォームベースと可動に協働する反対側の後側接合面とをそれぞれ有し、前記ブラケット本体インサートは、前記アーチワイヤスロット内に収容されるよう適合可能に寸法決めされ、通路が前記アーチワイヤスロットから前記それぞれのブラケット本体の前記後側接合面まで前記それぞれのブラケット本体を通って延在し、前記ブラケット本体インサートは、遠心端を有する保持部材をさらに含み、前記保持部材は、前記ブラケット本体に対して外方に延在し、さらに前記アーチワイヤスロットから前記それぞれのブラケット本体の前記後側接合面まで延在する前記通路で収容されるように寸法決めされ、前記保持部材の前記遠心端は、前記ブラケット本体インサートの前記アーチワイヤスロットに対する制限された移動を可能にするように寸法決めされているが、前記通路からの前記保持部材の外れ、および前記アーチワイヤスロットからの前記ブラケット本体インサートの外れを防止し、前記ブラケット本体インサートの前記アーチワイヤスロットに対する前記制限された移動は、前記患者の前記歯科矯正治療計画を容易にするために、臨床医が前記プラットフォームベースに対する前記それぞれのブラケット本体の相対位置を調整することを可能にする、項目10に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目20)
前記保持部材の前記遠心端は、前記それぞれのブラケット本体の組み立て後に増加することが可能である外径寸法を有し、前記歯科矯正治療計画の間、前記ブラケット本体インサートの前記アーチワイヤスロット内への早期の移動を妨げるように、前記アーチワイヤスロットから前記それぞれのブラケット本体の前記後側接合面に延在する前記通路に摩擦係合し、さらに、前記ブラケット本体インサートの前記アーチワイヤスロットからの離脱を防止する、項目19に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目21)
臨床医によって決められた多段階歯科矯正治療計画を受ける患者の歯に取り外し可能に取り付けられるプラットフォームベースであって、前記プラットフォームベースは前記歯科矯正治療計画の期間中に前記患者の歯に取り付けられたままであり、前記臨床医によって選択された前記歯科矯正治療計画は、前記臨床医が前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯に1次移動、2次移動および/または3次移動を付与することを要求し得る、プラットフォームベースと、
前記臨床医によって選択され、前記歯科矯正治療計画の期間の間の、所定の選択された期間中に、前記プラットフォームベースと個別に、連続的に、取り外し可能に、嵌合可能に協働する複数のブラケット本体であって、前記患者の歯の所望の移動を達成するために前記臨床医によって選択された前記1次移動、2次移動および/または3次移動を付与するよう、前記歯科矯正治療計画を受ける前記歯に臨床医が選択した量の力の伝達を個別におよび/またはまとめて容易にする、複数のブラケット本体とを含む、歯科矯正ブラケット。
(項目22)
前記プラットフォームベースと協働する前記ブラケット本体は、前記歯科矯正治療計画の間に、前記プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、前記それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;前記プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生するブラケット本体;並びに、フックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯にニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、をさらに含む、項目21に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目23)
前記プラットフォームベースは、作製後に、前記歯科矯正治療計画の間、前記患者の歯に及ぼされることが可能な、臨床医によって選択された所定量のトルクを提供するために変更可能な十分な材料厚さを有する後側接合面を有する、項目22に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目24)
患者の歯の前側接合面に隣接して嵌合可能に、取り外し可能に配置されるプラットフォームベースであって、前記患者の歯が多段階矯正治療計画を受け、前記プラットフォームベースが前側接合面および後側接合面を有する、プラットフォームベースと、
前記プラットフォームベースの前記前側接合面と個別に、嵌合可能に、連続的に協働するように動作可能であり、前記多段階歯科矯正治療計画の個々の段階を実施する複数のブラケット本体と、
前記プラットフォームベースの前記後側接合面と一体形成され、前記患者の歯の前記前側接合面に対して並置される後側接合面をさらに有するパッドであって、前記パッドは、様々な程度のトルクおよび他の力を付与するように歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯に対して所定の配向で前記プラットフォームベースと協働する前記それぞれのブラケット本体を配置する所定の可変厚さ寸法およびトポグラフィを有し、合わせて前記患者の歯が有する歯列矯正異常を矯正するパッドと、
を含む、歯科矯正ブラケット。
(項目25)
前記パッドは、前記プラットフォームベースの前記後側接合面に一体形成された前側接合面を有し、前記パッドの前記後側接合面は、当該後側接合面に形成された少なくとも1つのキャビティを有し、前記少なくとも1つのキャビティは前記患者の歯の前記前側接合面上に前記パッドを取り外し可能に保持する接着剤源を収容する、項目24に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目26)
前記パッドは、開口部を有する周囲縁部によって少なくとも部分的に画定され、前記パッドの前記後側接合面に形成された前記キャビティは、前記パッドの前記周囲縁部に形成された前記開口部と流体流動連通して連結され、前記パッドが前記患者の歯の前記前側接合面に対して並置関係で配置される場合に、前記キャビティ内に収容される過剰量の接着剤は、前記開口部を通って流体流動的に移動し得る、項目25に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目27)
前記パッドの前記周囲縁部は、患者の歯茎に対して間隔をおいて配置される上側周囲縁部と、前記患者の歯の歯冠に対して間隔を置いて配置される反対側の下側周囲縁部とを有し、前記パッドの前記周囲縁部に形成された前記開口部は、前記パッドの前記下側周囲縁部に形成されている、項目26に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目28)
前記パッドは、所定の異なる厚さ寸法とトポフラフィとを有した、前記プラットフォームベースに取り付けられた場合に所定の量のトルクまたは他の力を前記患者の歯に及ぼすように動作可能である複数のパッドを含み、前記歯科矯正治療計画を実施する臨床医は、所望の歯科矯正治療目的を達成するために、所定量のトルクおよび他の力を前記患者の歯に付与する前記パッドを選択する、項目27に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目29)
前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動および不動である、項目28に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目30)
前記多段階歯科矯正治療計画は、個別に固有の歯列矯正異常を有する患者の複数の歯の治療を含み、同一のプラットフォームベースが前記患者の歯のそれぞれに用いられ、前記歯科矯正治療計画全体の間に前記患者の歯に取り付けられたままである、項目29に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目31)
前記それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生するブラケット本体;並びに、フックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、ニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、をさらに含む、項目30に記載の歯科矯正ブラケット。
(項目32)
患者の複数の歯のうちの1つの前側接合面上に取り外し可能に保持されるプラットフォームベースであって、前記患者の複数の歯の少なくともいくつかが、臨床医によって実質的に同時に実施される歯科矯正治療計画を必要とし、前記プラットフォームベースが、前記歯科矯正治療計画の間、前記患者の歯の前記前側接合面に取り付けられたままである、プラットフォームベースと、
前記歯科矯正治療計画を容易にするために、前記プラットフォームベースに対して個別に、嵌合可能に、連続して協働し、部分的に回転することが可能な複数のブラケット本体であって、前記それぞれのブラケット本体が、それぞれ、前記患者の隣接する歯に配置される隣接ブラケット本体に対して垂直位置を有し、各ブラケット本体は中央領域を有するアーチワイヤスロットを画定し、さらに所与の基準線に沿って配向され、前記基準線が、前記アーチワイヤスロットの前記中央領域と、前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の他の隣接する歯に配置される他のブラケット本体の他のアーチワイヤスロットの中央領域との間に延在する、複数のブラケット本体と、
前記歯科矯正治療計画を受ける前記それぞれの患者の歯の前記前側接合面に取り外し可能に配置される前記各ブラケット本体それぞれの前記アーチワイヤスロット間に延在し、前記各ブラケット本体それぞれのアーチワイヤスロット内に収容される、アーチワイヤであって、前記アーチワイヤスロット内に配置される前記アーチワイヤを強制的に係合させることによって、前記ブラケット本体の部分的な回転が、臨床医が前記患者のそれぞれの歯に所定量のトルクを付与することを可能にし、前記所定量のトルクの調整および/または前記プラットフォームベースに取り外し可能に係合する前記ブラケット本体の交換が、前記アーチワイヤスロットの中央領域が前記所定の基準線に沿って、かつ前記患者の隣接する歯に配置される前記ブラケット本体の前記アーチワイヤスロットに対して実質的に同じ垂直位置に、実質的に配向されたままである間に行われる、アーチワイヤと、
を含む、歯科矯正ブラケット。

Claims (32)

  1. 患者の歯の前側接合面に隣接して嵌合可能に取り外し可能に配置される後側接合面を有するプラットフォームベースを含み、前記患者の歯は、前記患者が有する歯列矯正異常を治療するための臨床医によって提供される多段階歯科矯正治療計画を受け、前記歯科矯正治療計画は、前記患者の歯が様々な程度のトルクおよび他の力を受けることを必要とし、合わせて前記歯列矯正異常を矯正し、前記プラットフォームベースは、前記治療を行う臨床医によって選択された前記多段階歯科矯正治療計画全体を通して、前記患者の歯に取り付けられたままである、歯科矯正ブラケット。
  2. 前記プラットフォームベースは、前記多段階歯科矯正治療計画を容易にするように、複数のブラケット本体と個別に、嵌合可能に、連続して協働するように動作可能である、請求項1に記載の歯科矯正ブラケット。
  3. 前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記多段階歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動である、請求項2に記載の歯科矯正ブラケット。
  4. 前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記多段階歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して不動である、請求項2に記載の歯科矯正ブラケット。
  5. 前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動および不動の両方である、請求項2に記載の歯科矯正ブラケット。
  6. 前記プラットフォームベースと協働する前記複数のブラケット本体は、前記多段階歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、前記それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;前記プラットフォームベースに対して実質的に不動または調整可能に可動であり、ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生するブラケット本体;並びに、フックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯にニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、をさらに含む、請求項2に記載の歯科矯正ブラケット。
  7. 前記多段階歯科矯正治療計画は、個別に固有の歯列矯正異常を有する、患者の複数の歯の治療を含み、同一のプラットフォームベースが、前記多段階歯科矯正治療計画を受ける前記患者の各歯の前記前側接合面に個別に取り付けられる、請求項2に記載の歯科矯正ブラケット。
  8. 前記プラットフォームベースは、前記多段階歯科矯正治療計画の間に、前記患者のそれぞれの歯に及ぼされることが可能な、臨床医によって選択された所定量のニュートラルトルクを提供するために製作可能な十分な材料厚さを有する後側接合面を有する、請求項2記載の前記歯科矯正ブラケット。
  9. 前記ブラケットベースの材料厚さは、作製後の前記ブラケットベースの機械加工を可能にするように選択される、請求項8に記載の歯科矯正ブラケット。
  10. 歯科矯正ブラケットであって、
    臨床医によって選択される歯科矯正治療計画を必要とする患者の歯の前側接合面に取り外し可能に保持されるプラットフォームベースと、
    前記治療を行う臨床医による患者の前記歯科矯正治療計画を容易にするように、前記歯科矯正治療計画の間に、前記患者の歯の前記前側接合面から前記プラットフォームベースを取り外すことなく、前記プラットフォームベースと個別に、嵌合可能に、連続して協働することが可能な複数のブラケット本体と、
    を含む、歯科矯正ブラケット。
  11. 前記プラットフォームベースは、作製後に、前記歯科矯正治療計画の間、前記患者の歯に及ぼされることが可能な、臨床医によって選択された所定量のトルクを提供するために変更可能な十分な材料厚さを有する後側接合面を有する、請求項10に記載の歯科矯正ブラケット。
  12. 前記臨床医によって選択された所定量のトルクがニュートラルである、請求項11に記載の歯科矯正ブラケット。
  13. 前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動である、請求項10に記載の歯科矯正ブラケット。
  14. 前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して不動である、請求項10に記載の歯科矯正ブラケット。
  15. 前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動および不動の両方である、請求項10に記載の歯科矯正ブラケット。
  16. 前記プラットフォームベースと協働する前記ブラケット本体は、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、前記それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生するブラケット本体;並びに、フックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯にニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、をさらに含む、請求項10に記載の歯科矯正ブラケット。
  17. 前記プラットフォームベースは、作製後に一緒に取り付けられるパッドとプラットフォームとを含み、前記パッドは、前記プラットフォームに対して並置される前側接合面と、前記患者の歯に取り外し可能に取り付けられる後側接合面とを有し、前記プラットフォームは所与の形状を有する後側接合面を有し、前記パッドの前記前側接合面は、前記プラットフォームの前記後側接合面と嵌合可能に協働する相補形状を有する、請求項10に記載の歯科矯正ブラケット。
  18. 前記プラットフォームは前側接合面を有し、前記プラットフォームの前記前側接合面と前記後側接合面との間には少なくとも1つの通路が延在し、前記パッドの前記前側接合面は、前記前側接合面から外方に延在し、前記プラットフォームに形成された前記少なくとも1つの通路内に収容されるように寸法決めされた少なくとも1つの連結部材を画定し、前記連結部材は、前記プラットフォームを前記パッドに対して適切に配向し、さらに、前記少なくとも1つの通路内の前記連結部材を前記プラットフォームに溶接することにより、前記プラットフォームを前記パッドに取り付けることを可能にする、請求項17に記載の歯科矯正ブラケット。
  19. 前記それぞれのブラケット本体と協働するように動作可能であり、前記歯科矯正治療計画の間、前記それぞれのブラケット本体を前記患者の歯に対して所定の配向にさらに取り外し可能に固定するブラケット本体インサートをさらに含み、前記それぞれのブラケット本体は、アーチワイヤスロットを画定する前側接合面と、前記プラットフォームベースと可動に協働する反対側の後側接合面とをそれぞれ有し、前記ブラケット本体インサートは、前記アーチワイヤスロット内に収容されるよう適合可能に寸法決めされ、通路が前記アーチワイヤスロットから前記それぞれのブラケット本体の前記後側接合面まで前記それぞれのブラケット本体を通って延在し、前記ブラケット本体インサートは、遠心端を有する保持部材をさらに含み、前記保持部材は、前記ブラケット本体に対して外方に延在し、さらに前記アーチワイヤスロットから前記それぞれのブラケット本体の前記後側接合面まで延在する前記通路で収容されるように寸法決めされ、前記保持部材の前記遠心端は、前記ブラケット本体インサートの前記アーチワイヤスロットに対する制限された移動を可能にするように寸法決めされているが、前記通路からの前記保持部材の外れ、および前記アーチワイヤスロットからの前記ブラケット本体インサートの外れを防止し、前記ブラケット本体インサートの前記アーチワイヤスロットに対する前記制限された移動は、前記患者の前記歯科矯正治療計画を容易にするために、臨床医が前記プラットフォームベースに対する前記それぞれのブラケット本体の相対位置を調整することを可能にする、請求項10に記載の歯科矯正ブラケット。
  20. 前記保持部材の前記遠心端は、前記それぞれのブラケット本体の組み立て後に増加することが可能である外径寸法を有し、前記歯科矯正治療計画の間、前記ブラケット本体インサートの前記アーチワイヤスロット内への早期の移動を妨げるように、前記アーチワイヤスロットから前記それぞれのブラケット本体の前記後側接合面に延在する前記通路に摩擦係合し、さらに、前記ブラケット本体インサートの前記アーチワイヤスロットからの離脱を防止する、請求項19に記載の歯科矯正ブラケット。
  21. 臨床医によって決められた多段階歯科矯正治療計画を受ける患者の歯に取り外し可能に取り付けられるプラットフォームベースであって、前記プラットフォームベースは前記歯科矯正治療計画の期間中に前記患者の歯に取り付けられたままであり、前記臨床医によって選択された前記歯科矯正治療計画は、前記臨床医が前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯に1次移動、2次移動および/または3次移動を付与することを要求し得る、プラットフォームベースと、
    前記臨床医によって選択され、前記歯科矯正治療計画の期間の間の、所定の選択された期間中に、前記プラットフォームベースと個別に、連続的に、取り外し可能に、嵌合可能に協働する複数のブラケット本体であって、前記患者の歯の所望の移動を達成するために前記臨床医によって選択された前記1次移動、2次移動および/または3次移動を付与するよう、前記歯科矯正治療計画を受ける前記歯に臨床医が選択した量の力の伝達を個別におよび/またはまとめて容易にする、複数のブラケット本体とを含む、歯科矯正ブラケット。
  22. 前記プラットフォームベースと協働する前記ブラケット本体は、前記歯科矯正治療計画の間に、前記プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、前記それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;前記プラットフォームベースに対して不動または調整可能に可動であり、ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生するブラケット本体;並びに、フックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯にニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、をさらに含む、請求項21に記載の歯科矯正ブラケット。
  23. 前記プラットフォームベースは、作製後に、前記歯科矯正治療計画の間、前記患者の歯に及ぼされることが可能な、臨床医によって選択された所定量のトルクを提供するために変更可能な十分な材料厚さを有する後側接合面を有する、請求項22に記載の歯科矯正ブラケット。
  24. 患者の歯の前側接合面に隣接して嵌合可能に、取り外し可能に配置されるプラットフォームベースであって、前記患者の歯が多段階矯正治療計画を受け、前記プラットフォームベースが前側接合面および後側接合面を有する、プラットフォームベースと、
    前記プラットフォームベースの前記前側接合面と個別に、嵌合可能に、連続的に協働するように動作可能であり、前記多段階歯科矯正治療計画の個々の段階を実施する複数のブラケット本体と、
    前記プラットフォームベースの前記後側接合面と一体形成され、前記患者の歯の前記前側接合面に対して並置される後側接合面をさらに有するパッドであって、前記パッドは、様々な程度のトルクおよび他の力を付与するように歯科矯正治療計画を受ける前記患者の歯に対して所定の配向で前記プラットフォームベースと協働する前記それぞれのブラケット本体を配置する所定の可変厚さ寸法およびトポグラフィを有し、合わせて前記患者の歯が有する歯列矯正異常を矯正するパッドと、
    を含む、歯科矯正ブラケット。
  25. 前記パッドは、前記プラットフォームベースの前記後側接合面に一体形成された前側接合面を有し、前記パッドの前記後側接合面は、当該後側接合面に形成された少なくとも1つのキャビティを有し、前記少なくとも1つのキャビティは前記患者の歯の前記前側接合面上に前記パッドを取り外し可能に保持する接着剤源を収容する、請求項24に記載の歯科矯正ブラケット。
  26. 前記パッドは、開口部を有する周囲縁部によって少なくとも部分的に画定され、前記パッドの前記後側接合面に形成された前記キャビティは、前記パッドの前記周囲縁部に形成された前記開口部と流体流動連通して連結され、前記パッドが前記患者の歯の前記前側接合面に対して並置関係で配置される場合に、前記キャビティ内に収容される過剰量の接着剤は、前記開口部を通って流体流動的に移動し得る、請求項25に記載の歯科矯正ブラケット。
  27. 前記パッドの前記周囲縁部は、患者の歯茎に対して間隔をおいて配置される上側周囲縁部と、前記患者の歯の歯冠に対して間隔を置いて配置される反対側の下側周囲縁部とを有し、前記パッドの前記周囲縁部に形成された前記開口部は、前記パッドの前記下側周囲縁部に形成されている、請求項26に記載の歯科矯正ブラケット。
  28. 前記パッドは、所定の異なる厚さ寸法とトポフラフィとを有した、前記プラットフォームベースに取り付けられた場合に所定の量のトルクまたは他の力を前記患者の歯に及ぼすように動作可能である複数のパッドを含み、前記歯科矯正治療計画を実施する臨床医は、所望の歯科矯正治療目的を達成するために、所定量のトルクおよび他の力を前記患者の歯に付与する前記パッドを選択する、請求項27に記載の歯科矯正ブラケット。
  29. 前記複数のブラケット本体の少なくともいくつかは、前記プラットフォームベースと嵌合可能に協働する場合に、前記歯科矯正治療計画の間、前記プラットフォームベースに対して調整可能に可動および不動である、請求項28に記載の歯科矯正ブラケット。
  30. 前記多段階歯科矯正治療計画は、個別に固有の歯列矯正異常を有する患者の複数の歯の治療を含み、同一のプラットフォームベースが前記患者の歯のそれぞれに用いられ、前記歯科矯正治療計画全体の間に前記患者の歯に取り付けられたままである、請求項29に記載の歯科矯正ブラケット。
  31. 前記それぞれのブラケット本体は、従来のブラケット本体;ツインブラケット本体;パッシブセルフライゲーションブラケット本体;アクティブセルフライゲーションブラケット本体;ニュートラルトルク、高トルクおよび/または低トルクを発生するブラケット本体;並びに、フックおよび/または他の歯科矯正装置を有し、ニュートラルトルク、低トルクおよび/または高トルクを発生するブラケット本体、をさらに含む、請求項30に記載の歯科矯正ブラケット。
  32. 患者の複数の歯のうちの1つの前側接合面上に取り外し可能に保持されるプラットフォームベースであって、前記患者の複数の歯の少なくともいくつかが、臨床医によって実質的に同時に実施される歯科矯正治療計画を必要とし、前記プラットフォームベースが、前記歯科矯正治療計画の間、前記患者の歯の前記前側接合面に取り付けられたままである、プラットフォームベースと、
    前記歯科矯正治療計画を容易にするために、前記プラットフォームベースに対して個別に、嵌合可能に、連続して協働し、部分的に回転することが可能な複数のブラケット本体であって、前記それぞれのブラケット本体が、それぞれ、前記患者の隣接する歯に配置される隣接ブラケット本体に対して垂直位置を有し、各ブラケット本体は中央領域を有するアーチワイヤスロットを画定し、さらに所与の基準線に沿って配向され、前記基準線が、前記アーチワイヤスロットの前記中央領域と、前記歯科矯正治療計画を受ける前記患者の他の隣接する歯に配置される他のブラケット本体の他のアーチワイヤスロットの中央領域との間に延在する、複数のブラケット本体と、
    前記歯科矯正治療計画を受ける前記それぞれの患者の歯の前記前側接合面に取り外し可能に配置される前記各ブラケット本体それぞれの前記アーチワイヤスロット間に延在し、前記各ブラケット本体それぞれのアーチワイヤスロット内に収容される、アーチワイヤであって、前記アーチワイヤスロット内に配置される前記アーチワイヤを強制的に係合させることによって、前記ブラケット本体の部分的な回転が、臨床医が前記患者のそれぞれの歯に所定量のトルクを付与することを可能にし、前記所定量のトルクの調整および/または前記プラットフォームベースに取り外し可能に係合する前記ブラケット本体の交換が、前記アーチワイヤスロットの中央領域が前記所定の基準線に沿って、かつ前記患者の隣接する歯に配置される前記ブラケット本体の前記アーチワイヤスロットに対して実質的に同じ垂直位置に、実質的に配向されたままである間に行われる、アーチワイヤと、
    を含む、歯科矯正ブラケット。
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