JP7349849B2 - チェーン - Google Patents
チェーン Download PDFInfo
- Publication number
- JP7349849B2 JP7349849B2 JP2019156811A JP2019156811A JP7349849B2 JP 7349849 B2 JP7349849 B2 JP 7349849B2 JP 2019156811 A JP2019156811 A JP 2019156811A JP 2019156811 A JP2019156811 A JP 2019156811A JP 7349849 B2 JP7349849 B2 JP 7349849B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel wire
- stainless steel
- less
- duplex stainless
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
化学組成が、質量%で、
C:0.06%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:0.01~5.5%、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
Ni:1.5~8.0%、
Cr:20.0~28.0%、
Mo:0.05~4.5%、
N:0.06~0.35%、
Cu:0.05~1.5%、
Ti:0~1.0%、
Nb:0~1.0%、
Al:0~0.10%、
B:0~0.003%、
V:0~1.0%、
Sn:0~1.0%、
Co:0~0.5%、
W:0~0.5%、
Ca:0~0.05%、
Mg:0~0.1%、
Zr:0~0.5%、
REM:0~0.1%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で表されるMd30の値が-230~90℃であり、
金属組織中におけるフェライト相の体積率が35.0~65.0%である、二相ステンレス鋼線材。
Md30(℃)=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-13.7Cr-29(Ni+Cu)-18.5Mo-68Nb ・・・(i)
但し、上記(i)式中の各元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
Ti:0.01~1.0%、および
Nb:0.01~1.0%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)に記載の二相ステンレス鋼線材。
Al:0.01~0.10%、
B:0.0001~0.003%、
V:0.03~1.0%、および
Sn:0.001~1.0%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)または(2)に記載の二相ステンレス鋼線材。
Co:0.01~0.5%、
W:0.01~0.5%、
Ca:0.001~0.05%、
Mg:0.0002~0.1%、
Zr:0.03~0.5%、および
REM:0.03~0.1%、
から選択される一種以上を含有する、上記(1)~(3)のいずれかに記載の二相ステンレス鋼線材。
前記リンクは、二相系ステンレス鋼線からなり、母材および熱接合部を有し、
前記二相系ステンレス鋼線の化学組成は、質量%で、
C:0.06%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:0.01~5.5%、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
Ni:1.5~8.0%、
Cr:20.0~28.0%、
Mo:0.05~4.5%、
N:0.06~0.35%、
Cu:0.05~1.5%、
Ti:0~1.0%、
Nb:0~1.0%、
Al:0~0.10%、
B:0~0.003%、
V:0~1.0%、
Sn:0~1.0%、
Co:0~0.5%、
W:0~0.5%、
Ca:0~0.05%、
Mg:0~0.1%、
Zr:0~0.5%、
REM:0~0.1%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で表されるMd30の値が-230~90℃であり、
前記リンクの線径dは、3.0~19.0mmであり、
前記母材におけるフェライト相の体積率が、35.0~65.0%であり、
前記熱接合部におけるフェライト相の体積率が、35.0~80.0%であり、
前記熱接合部の幅Lが下記(ii)式を満足し、
前記母材の硬さと前記熱接合部の最小硬さの差が、HV0.3で130以下である、チェーン。
Md30(℃)=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-13.7Cr-29(Ni+Cu)-18.5Mo-68Nb ・・・(i)
1.0≦L(mm)≦d-2.0 ・・・(ii)
但し、上記式中の各元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとし、上記式中の各記号は、以下により定義される。
L(mm):熱接合部の幅
d(mm):リンク線径
本発明に係る二相ステンレス鋼線材は、オーステナイト相およびフェライト相を有する。
1-1.化学組成
各元素の限定理由は下記のとおりである。なお、以下の説明において含有量についての「%」は、「質量%」を意味する。
Cは、強度を高める効果を有する。しかしながら、C含有量が0.06%を超えると、伸び、伸線加工性、曲げ加工性が低下する。このため、C含有量は0.06%以下とし、0.02%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、C含有量は0.01%以上とするのが好ましい。
Siは、脱酸効果を有する元素である。しかしながら、Si含有量が、1.0%を超えると、その効果は飽和するばかりか、伸線加工性、捻り加工性が低下する。このため、Si含有量は1.0%以下とする。一方、上記効果を得て、脱酸生成物を低減し、強度特性を確保するためには、Si含有量は0.05%以上とするのが好ましい。Si含有量は0.20%以上とするのがより好ましい。
Mnは、高価なNiの代替元素として有効である。また、Mnは、オーステナイト相生成元素であり、オーステナイト量を確保するために重要な元素である。ここで、オーステナイト相の生成が不十分であると、加工時のマルテンサイト相の生成が不十分となる場合がある。また、Mnは、加工性を高める効果を有する。このため、Mn含有量は、0.01%以上とする。Mn含有量は0.10%以上とするのが好ましく、1.0%以上とするのがより好ましい。
Pは不純物として、鋼に含有され、機械的特性および耐食性を低下させる。このため、P含有量は0.03%以下とする。Pは、極力低減するのが好ましい。
Sは不純物として、鋼に含有され、機械的特性および耐食性を低下させる。このため、S含有量は0.01%以下とする。Sは、極力低減するのが好ましい。
Niは、耐応力腐食割れ性と加工性とを確保する効果を有する。このため、Ni含有量は1.5%以上とする。Ni含有量は2.0%以上とするのが好ましい。しかしながら、Ni含有量が8.0%を超えると、Md30の値が低くなり、強度が低下する。このため、Ni含有量は8.0%以下とし、7.5%以下とするのが好ましい。
Crは、耐食性を向上させる効果を有する。このため、Cr含有量は20.0%以上とし、20.4%以上とするのが好ましい。しかしながら、Cr含有量が28.0%を超えると、Md30の値が低くなり、強度が低下する。このため、Cr含有量は28.0%以下とし、25.0%以下とするのが好ましい。
Moは、耐食性を向上させる効果を有する。このため、Mo含有量は0.05%以上とし、0.08%以上とするのが好ましい。しかしながら、Moが4.5%を超えると、その効果は飽和するばかりか、Md30の値が低くなり、強度が低下するおそれがある。このため、Mo含有量は4.5%以下とし、4.0%以下とするのがより好ましい。
Nは、強度を向上させる効果を有する。このため、N含有量は0.06%以上とし、0.10%以上とするのが好ましい。しかしながら、N含有量が0.35%を超えると、Md30の値が低くなり、強度が低下するおそれがある。加えて、製鋼プロセスで窒素のブローホールが生成して製造性を大幅に劣化させる。このため、N含有量は0.35%以下とし、0.30%以下とするのが好ましい。
Cuは、微細Cu析出物として、強度および伸びを向上させる効果を有する。このため、Cu含有量は0.05%以上とし、0.06%以上とするのが好ましい。しかしながら、Cuを、1.5%を超えて含有すると、Md30値が低くなり、強度が低下するおそれがある。このため、Cu含有量は1.5%以下とし、1.0%以下とするのが好ましい。
Tiは、炭窒化物を形成して結晶粒径を微細にして、鋼の強度を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Tiを過剰に含有させると、粗大介在物が生成し、強度が低下するおそれがある。このため、Ti含有量は1.0%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Ti含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.10%以上とするのがより好ましい。
Nbは、Tiと同様、炭窒化物を形成して結晶粒径を微細にして、鋼の強度を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Nbを過剰に含有させると、粗大介在物が生成し、強度が低下するおそれがある。このため、Nb含有量は1.0%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Nb含有量は0.01%以上とするのが好ましく、0.10%以上とするのがより好ましい。
Alは、脱酸効果を有する元素である。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Al含有量が0.10%を超えると靭性が劣化する。このため、Al含有量は0.10%以下とし、0.05%以下とするのが好ましい。一方、上記効果を得るためには、Al含有量は0.01%以上とするのが好ましい。
Bは、熱間加工性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、B含有量が0.003%を超えると靭性が劣化する。このため、B含有量は0.003%以下とする。一方、上記効果を得るためには、B含有量は0.0001%以上とするのが好ましい。
Vは、耐食性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、V含有量が1.0%を超えると、靭性が劣化する。このため、V含有量は1.0%以下とする。一方、上記効果を得るためには、V含有量は0.03%以上とするのが好ましい。
Snは、強度と耐食性とを向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Snを過剰に含有させると、加工性および製造性の低下につながる。加えて、耐食性向上効果も飽和する。このため、Sn含有量は1.0%以下とする。加工性と製造性とを考慮する場合、Sn含有量は0.8%以下とするのが好ましい。
Coは、耐摩耗性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Co含有量が0.5%を超えると、靭性が劣化する。このため、Co含有量は0.5%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Co含有量は0.01%以上とするのが好ましい。
Wは、耐摩耗性および耐食性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、W含有量が0.5%を超えると靭性が劣化する。このため、W含有量は0.5%以下とする。一方、上記効果を得るためには、W含有量は0.01%以上とするのが好ましい。
Caは、熱間加工性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Caを、0.05%を超えて含有させると、靭性が劣化する。このため、Ca含有量は0.05%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Ca含有量は、0.001%以上とするのが好ましい。
Mgは、耐食性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて、含有させてもよい。しかしながら、Mg含有量が0.1%を超えると、靭性が劣化する。このため、Mg含有量は0.1%以下とする。一方、上記効果を得るためには、Mg含有量は0.0002%以上とするのが好ましい。
Zrは、耐食性および熱間加工性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、Zr含有量が0.5%を超えると、上記効果が飽和する。このため、Zr含有量は0.5%以下とする。一方、上記効果、特に耐食性の向上効果を得るためには、Zr含有量は、0.03%以上とするのが好ましい。
REMは、熱間加工性を向上させる効果を有する。このため、必要に応じて含有させてもよい。しかしながら、REM含有量が、0.1%を超えると靭性が劣化する。このため、REM含有量は0.1%以下とする。一方、上記効果を得るためには、REM含有量は0.03%以上とするのが好ましい。
二相ステンレス鋼線材は、伸線加工され、二相系ステンレス鋼線となる。この伸線加工により、金属組織中のオーステナイト相の一部が加工誘起マルテンサイト相に変態する。上記加工誘起マルテンサイト相の生成量は、鋼線の強度および伸びの特性に影響を与えるとともに、チェーンの強度および伸びにも影響を与える。このため、本発明に係る二相ステンレス鋼線材においては、その後に生成する加工誘起マルテンサイト相の生成量を制御するため、下記のMd30の値を規定する。具体的には、Md30の値は-230~90℃とする。
但し、上記(i)式中の各元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
本発明における二相ステンレス鋼線材の金属組織は、フェライト相およびオーステナイト相を有する組織である。そして、溶接等の入熱により熱接合部の金属組織が変化しても、強度および耐食性を有する組織とするため、組織全体に対するフェライト相の体積率を規定する。具体的には、金属組織中におけるフェライト相の体積率を35.0~65.0%とする。
本発明に係る二相ステンレス鋼線材は、チェーンに用いることが好ましい。二相ステンレス鋼線材は、その後、伸線加工され、二相系ステンレス鋼線となる。この二相系ステンレス鋼線に、曲げ加工、熱接合等を施すことで、チェーンが製造される。
本発明に係る二相ステンレス鋼線材に、必要に応じて固溶化熱処理を行った後、伸線加工したものが、本発明に係る二相系ステンレス鋼線となる。本発明に係る二相系ステンレス鋼線は、チェーンに好適に用いることができる。二相ステンレス鋼線材を伸線加工することで、金属組織中のオーステナイト相が加工誘起マルテンサイト相に変態する。このため、二相系ステンレス鋼線は、フェライト相、オーステナイト相、および加工誘起マルテンサイト相を有する。また、これら相に加え、上述した不可避的析出相が含まれる場合がある。
本発明に係る二相系ステンレス鋼線は、切断、曲げ加工、溶接等による熱接合、およびバリ除去を施され、チェーンリンクの形状とされるとともに、当該リンクは、曲げ加工時に相互に複数連結され、一連のチェーンの形状とされる(図1参照。)。その後、研磨等、表面処理が施され、チェーンとなる。
但し、上記(i)式中の各元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとする。
本発明に係るリンクの線径d(以下、「リンク線径d」ともいう。)は、3.0~19.0mmとする。リンクは、熱接合の際、長手方向に垂直な端面同士を接合するが、リンク線径dが3.0mm未満であると、熱接合部の強度が低下して接合が困難になる。このため、リンク線径dは3.0mm以上とする。
母材は、通常、熱接合の影響を受ける熱影響部を含む。しかしながら、本発明で規定する母材は、母材のうち、熱接合の影響を受けない部分(「母材原質部」ともいう。)のことをいい、熱影響部を含まない。
母材におけるフェライト相の体積率は35.0~65.0%とする。母材におけるフェライト相体積率が35.0%未満であると、チェーン形状に成形後、フェライト相を十分に確保できない。このため、母材におけるフェライト相体積率は、35.0%以上とし、40.0%以上とするのが好ましい。
本発明に係るチェーンは、図1に示されるような、熱接合により影響を受ける熱接合部の金属組織、および幅等を規定する。なお、熱接合部2は、熱接合により高温で金属組織が変化し、蓚酸電解等の金属組織エッチングにより母材と異なる金属組織が観察される部分のことをいう。
本発明に係るチェーンは、熱接合部におけるフェライト相の体積率を35.0~80.0%とする。上記熱接合部におけるフェライト相の体積率が35.0未満であると、熱接合部における伸びが劣化する。このため、熱接合部におけるフェライト相の体積率は、35.0%以上とし、40.0%以上とするのが好ましい。
本発明に係るチェーンでは、図2に示すような熱接合部の接合面に垂直な方向、すなわちチェーン素材である二相系ステンレス鋼線の長手方向の熱接合部の幅(以下、「熱接合部幅」と記載する。)を規定する。具体的には、熱接合部の幅Lは、下記(ii)式を満足するのが好ましい。
但し、上記式(ii)中の記号は、以下により定義される。
L(mm):熱接合部の幅
d(mm):リンク線径
本発明に係るチェーンでは、良好な強度を得るため、母材の硬さと熱接合部の最小硬さ(以下、単に「熱接合部最小硬さ」と記載する。)との差を規定する。具体的には、母材の硬さと熱接合部最小硬さの差が、HV0.3で130以下とする。
以下に、本発明に係る二相ステンレス鋼線材、二相系ステンレス鋼線、およびチェーンの好ましい製造方法について説明する。本発明に係る二相ステンレス鋼線材、二相系ステンレス鋼線、およびチェーンは、製造方法によらず、上述の構成を有していれば、その効果を得られるが、例えば、以下のような製造方法により、安定して得ることができる。
上記化学組成を有する鋼を鋳造して、ビレットを作製するのが好ましい。続いて、ビレットを1000~1300℃の温度範囲に加熱するのが好ましい。ここで、加熱する際、ビレットを加熱炉に入れ、加熱するが、炉内でビレットを保持する時間(「在炉時間」ともいう。)は、200分以下であるのがよい。
得られた二相系ステンレス鋼線について、切断するのが好ましい。切断された鋼線は、長手方向に垂直な断面である両端の端面を曲げ加工によりつき合せ、両端面を溶接等により、熱接合するのが好ましい。熱接合の手段は、特に限定されず、溶接、固相接合等、特に限定されないが、溶融温度以下で行う熱接合が好ましい。
図2に示すような熱接合部2を組織観察する。熱接合部2の組織観察は、蓚酸電解等の金属組織エッチングにより行い、組織観察から、フェライト相の割合を測定した。また、上述した方法により、熱接合部の幅も測定した。なお、母材のフェライト相は、上述のようにフェライトスコープで測定した。
得られたチェーンについて、引張試験を行い、強度を調査した。引張試験は、JIS F 2106 に準拠し、10リンクのチェーンで実施した。強度については、リンクの母材部で破断したものについては、チェーンとして良好な強度を有していると評価した。一方、溶接金属で破断したものについては、チェーンとして、良好な強度を有していないと評価した。表2中においては、リンクの母材で破断した例を○と記載し、溶接金属で破断した例を×と記載した。
得られたチェーンの耐食性を評価するために、塩水噴霧試験を実施した。塩水噴霧試験は、JISZ 2371:2013に準拠し実施した。具体的には、得られたチェーンを脱脂洗浄した後塩水噴霧試験を168時間実施し、錆の発生の有無を調査した。表2中においては、発錆が無かったものを◎と記載し、点状の錆が有ったものを△と記載し、流れ錆が有ったものを×と記載した。
母材と熱接合部最小硬さは、以下の手順で測定した。具体的には、図2(b)に示すように、リンクの線径の中心線3を通り、リンクにより形成される環状の面に平行な面を観察面(A-A断面)とした。続いて、観察面を鏡面研磨し、組織観察することで、上述したエッチング等で熱接合部を特定した。
2 熱接合部
3 リンクの線径の中心線
4 観察面
5 熱接合部の中央近傍
6 始点
6´ 始点
Claims (1)
- 相互に連結された複数のリンクからなるチェーンであって、
前記リンクは、二相系ステンレス鋼線からなり、母材および熱接合部を有し、
前記二相系ステンレス鋼線の化学組成は、質量%で、
C:0.06%以下、
Si:1.0%以下、
Mn:0.01~5.5%、
P:0.03%以下、
S:0.01%以下、
Ni:1.5~8.0%、
Cr:20.0~28.0%、
Mo:0.05~4.5%、
N:0.06~0.35%、
Cu:0.05~1.5%、
Ti:0~1.0%、
Nb:0~1.0%、
Al:0~0.10%、
B:0~0.003%、
V:0~1.0%、
Sn:0~1.0%、
Co:0~0.5%、
W:0~0.5%、
Ca:0~0.05%、
Mg:0~0.1%、
Zr:0~0.5%、
REM:0~0.1%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で表されるMd30の値が-230~90℃であり、
前記リンクの線径dは、3.0~19.0mmであり、
前記母材におけるフェライト相の体積率が、35.0~65.0%であり、
前記熱接合部におけるフェライト相の体積率が、35.0~80.0%であり、
前記熱接合部の幅Lが下記(ii)式を満足し、
前記母材の硬さと前記熱接合部の最小硬さの差が、HV0.3で130以下である、チェーン。
Md30(℃)=551-462(C+N)-9.2Si-8.1Mn-13.7Cr-29(Ni+Cu)-18.5Mo-68Nb ・・・(i)
1.0≦L(mm)≦d-2.0 ・・・(ii)
但し、上記式中の各元素記号は、鋼中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表し、含有されない場合はゼロとし、上記式中の各記号は、以下により定義される。
L(mm):熱接合部の幅
d(mm):リンク線径
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019156811A JP7349849B2 (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | チェーン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019156811A JP7349849B2 (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | チェーン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021031757A JP2021031757A (ja) | 2021-03-01 |
JP7349849B2 true JP7349849B2 (ja) | 2023-09-25 |
Family
ID=74675569
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019156811A Active JP7349849B2 (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | チェーン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7349849B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022239883A1 (ko) * | 2021-05-11 | 2022-11-17 | 한국재료연구원 | 고강도 및 저합금형 듀플렉스 스테인리스강 및 그 제조 방법 |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007262460A (ja) | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 熱間圧延線材 |
JP2012512960A (ja) | 2008-12-19 | 2012-06-07 | オウトクンプ オサケイティオ ユルキネン | フェライト−オーステナイト系ステンレス鋼 |
JP2015218378A (ja) | 2014-05-20 | 2015-12-07 | 日本精線株式会社 | 磁気特性に優れた二相系のステンレス鋼線及びこれを用いた磁性金網製品 |
WO2015190422A1 (ja) | 2014-06-11 | 2015-12-17 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 高強度複相ステンレス鋼線材、高強度複相ステンレス鋼線とその製造方法、ならびにばね部品 |
JP2017101326A (ja) | 2015-11-20 | 2017-06-08 | 日本精線株式会社 | 磁気特性に優れた二相系のステンレス鋼線、及び篩用、ネットコンベア用又はフィルタ用の磁性金網製品 |
JP2017179427A (ja) | 2016-03-29 | 2017-10-05 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 二相ステンレス鋼の溶接継手、二相ステンレス鋼の溶接方法および二相ステンレス鋼の溶接継手の製造方法 |
JP2018119174A (ja) | 2017-01-24 | 2018-08-02 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 耐熱ボルト用二相ステンレス鋼線、および、該二相ステンレス鋼線を用いた耐熱ボルト部品 |
JP3218197U (ja) | 2018-07-17 | 2018-09-27 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | チェーンリンク |
JP2019123905A (ja) | 2018-01-16 | 2019-07-25 | 鈴木住電ステンレス株式会社 | プレストレストコンクリート用緊張材用の二相ステンレス鋼線材、二相ステンレス鋼線及びプレストレストコンクリート用緊張材 |
-
2019
- 2019-08-29 JP JP2019156811A patent/JP7349849B2/ja active Active
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007262460A (ja) | 2006-03-28 | 2007-10-11 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 熱間圧延線材 |
JP2012512960A (ja) | 2008-12-19 | 2012-06-07 | オウトクンプ オサケイティオ ユルキネン | フェライト−オーステナイト系ステンレス鋼 |
JP2015218378A (ja) | 2014-05-20 | 2015-12-07 | 日本精線株式会社 | 磁気特性に優れた二相系のステンレス鋼線及びこれを用いた磁性金網製品 |
WO2015190422A1 (ja) | 2014-06-11 | 2015-12-17 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 高強度複相ステンレス鋼線材、高強度複相ステンレス鋼線とその製造方法、ならびにばね部品 |
JP2017101326A (ja) | 2015-11-20 | 2017-06-08 | 日本精線株式会社 | 磁気特性に優れた二相系のステンレス鋼線、及び篩用、ネットコンベア用又はフィルタ用の磁性金網製品 |
JP2017179427A (ja) | 2016-03-29 | 2017-10-05 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 二相ステンレス鋼の溶接継手、二相ステンレス鋼の溶接方法および二相ステンレス鋼の溶接継手の製造方法 |
JP2018119174A (ja) | 2017-01-24 | 2018-08-02 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | 耐熱ボルト用二相ステンレス鋼線、および、該二相ステンレス鋼線を用いた耐熱ボルト部品 |
JP2019123905A (ja) | 2018-01-16 | 2019-07-25 | 鈴木住電ステンレス株式会社 | プレストレストコンクリート用緊張材用の二相ステンレス鋼線材、二相ステンレス鋼線及びプレストレストコンクリート用緊張材 |
JP3218197U (ja) | 2018-07-17 | 2018-09-27 | 新日鐵住金ステンレス株式会社 | チェーンリンク |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021031757A (ja) | 2021-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100484983B1 (ko) | 용접부의 내이차가공 취성 및 고온피로특성이 우수한페라이트계 스테인레스강 | |
JP6777824B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼及びその製造方法 | |
JP2013147705A (ja) | フェライト系ステンレス鋼線材、及び鋼線、並びに、それらの製造方法 | |
KR101841379B1 (ko) | 페라이트계 스테인리스 열연 어닐링 강판, 그 제조 방법 및 페라이트계 스테인리스 냉연 어닐링 강판 | |
JP2016180172A (ja) | 二相系ステンレス鋼線およびねじ製品ならびに二相系ステンレス鋼線の製造方法 | |
JP5088455B2 (ja) | 二相ステンレス鋼 | |
JP2019178405A (ja) | 鋼線材の製造方法 | |
JP6725007B2 (ja) | 線材 | |
JP2023139306A (ja) | マルテンサイト系ステンレス継目無鋼管 | |
JP7349849B2 (ja) | チェーン | |
JP6520465B2 (ja) | マルテンサイト系ステンレス鋼管の製造方法 | |
JP7393625B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼溶接継手 | |
JP7393627B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼溶接継手 | |
JP2018178144A (ja) | 優れた熱間加工性を有する析出硬化型ステンレス鋼 | |
WO2006062053A1 (ja) | 低炭素快削鋼 | |
JP2022157621A (ja) | ボルト及びボルトの製造方法 | |
JP6958391B2 (ja) | 鋼管 | |
JP6987651B2 (ja) | 熱間加工性に優れ、サブゼロ処理を要しない高硬度析出硬化型ステンレス鋼 | |
JP2017128775A (ja) | ステンレス鋼およびステンレス鋼管 | |
KR20210098525A (ko) | 페라이트계 스테인리스 강판 및 그의 제조 방법 | |
JPH0698499B2 (ja) | ステンレス鋼の溶接方法およびステンレス鋼溶接体 | |
JP6630870B1 (ja) | 鋼管および鋼管の製造方法 | |
JP2020015969A (ja) | スポット溶接部の強度と耐食性に優れたフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼板及びその製造方法 | |
JPH11229034A (ja) | フェライト系ステンレス鋼管の加工方法 | |
JP7009666B1 (ja) | 加工性、耐食性に優れる溶接管用Ni-Cr-Mo系合金 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220617 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230613 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230627 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20230808 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230822 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230912 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7349849 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |