JP7347182B2 - 中継装置 - Google Patents
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Description
[1.概要]
車両におけるイーサネット(商標登録)スイッチ(以下スイッチ)では、DoIPによる診断が用いられることがある。DoIPはL2ネットワークが前提であるため、車両内ネットワークドメインに中継する場合、車両外L2ネットワークにつながる装置(スイッチ等)がTCPコネクションを終端し、TCPペイロードのデータに従って中継する必要がある。このとき、スイッチはツールとECUそれぞれとTCPコネクションを確立し、さらにペイロードの解析結果を用いて中継処理を行うため、中継処理の処理負荷が非常に大きいという課題がある。
以下に、上記構成の詳細について説明する。
[2.第1実施形態]
[2-1.構成]
本開示の一態様の通信システム1は、例えば、主要部が乗用車等の車両に搭載され、車両内外の各通信装置間でフレームの中継を行うためのシステムである。
制御部11は、フレームの中継の全般を管理する。制御部11は、例えば集積回路やマイコン等によって構成される。メモリ12は、例えば揮発性のメモリであるが、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
シーケンスリングテーブル15は、中継するデータについての種々の情報を管理するためのテーブルである。シーケンスリングテーブル15の詳細については後述する。
[2-2-1.コネクションの確立、及び中継の概略処理]
次に、スイッチ10及びECU31が、ツール20を介してフレームのやり取りする処理の一例を、図4のシーケンス図を用いて説明する。なお、以下では、スイッチ10の制御部11が実行する構成を中心に説明する。また、スイッチ10及びECU32~34が、ツール20を介してフレームのやり取りする処理についても基本的に同様であるため省略する。
ここで、スイッチ10は、実データを中継する前の通信である事前通信によって、送信元に対する通信データ量と、宛先に対する通信データ量とに差が生じる場合がある。ここでは、この差を上述の初期オフセットとして求める。
スイッチ10は、宛先変換として、図5における「#」欄の「2」で示すように、コネクショントンネルコンフィグに従って、宛先アドレスをスイッチ10からECU31に変更し、送信元アドレスをツール20からスイッチ10に変更する。また、データ長を14000バイトから13940バイトに変更する。なお、シーケンスナンバ変換は、シーケンスナンバを補正する必要が生じた場合に実施される。
上記のS130~S180の処理は、ラージデータが分割された分割データを取り扱う場合、図6に示す処理に置き換えることができる。ただし、シーケンスナンバ、ACKナンバ等は、上述した内容とは異なるものを用いて説明する。
中継後データに分割データが含まれる場合、特に、この分割データが複数の分割データのうちの最初に受信される分割データである場合、スイッチ10は、中継前データに含まれる上位ヘッダを車内ヘッダに変更する。この結果、中継後データのデータ長は、中継前データと比較して、上位ヘッダと車内ヘッダとのデータ量の差分のxバイトだけ短くなる。
なお、シーケンスリングテーブル15には、ACKナンバが記述されるが、ACKナンバについては演算によって求めることが可能であるため、シーケンスリングテーブル15に記述されることは必須でない。
ECU31は、これらのフレームをスイッチ10から受信すると、その都度、ACKを返す。スイッチ10は、S410、S440、S470で、これらのACKをそれぞれ受信し、S420、S450、S480で、宛先変換、及びACKナンバ変換を行う。
ACKナンバ1456のACKを受信する。そして、S420で、スイッチ10は、宛先変換として、コネクショントンネルコンフィグに従って、宛先アドレスをスイッチ10からECU31に変更し、送信元アドレスをツール20からスイッチ10に変更する。また、ACKナンバ1456のACKについて、初期オフセット100及び累積オフセット4を1回分乗じた4を加算した1560に書き換える。
詳細には、スイッチ10は、S420で、シーケンスリングテーブル15における、S410にて受信したACKナンバ1456に対応する記述の位置に、ACKインデックスを移動させる。また、スイッチ10は、S450で、シーケンスリングテーブル15における、S440にて受信したACKナンバ2912に対応する記述の位置に、ACKインデックスを移動させる。また、スイッチ10は、S480で、シーケンスリングテーブル15における、S470にて受信したACKナンバ4368に対応する記述の位置に、ACKインデックスを移動させる。
次に、ECU31にて送信されるACKの一部がスイッチ10にて受信されない場合の例を、図10のシーケンス図を用いて説明する。この例では、スイッチ10がS410で受信されるべきACKナンバ1456のフレームとスイッチ10がS440で受信されるべきACKナンバ2912のフレームとを受信できない場合を示す。
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2a)本開示の一態様は、複数のツール20及びECU31~34に接続される複数の通信ポートP0~P4を備え、複数のツール20及びECU31~34間で送受信されるコネクション型通信によるフレームを中継するように構成されたスイッチ10である。なお、コネクション型通信を行うプロトコルを接続プロトコル、接続プロトコルよりも上層のプロトコルを上層プロトコルとする。また、上層プロトコルで分割して送受信されるデータをラージデータ、ラージデータを分割したデータを分割データとする。
(2c)本開示の一態様では、シーケンスリングテーブル15は、リング型の記録領域として構成される。
(2d)本開示の一態様では、コネクショントンネルテーブル13を記録するように構成されたメモリ12をさらに備える。コネクショントンネルテーブル13では、送信先の通信装置のアドレスについて、上層プロトコルでのアドレスを表す論理アドレスと、接続プロトコルでのアドレスを表すMACアドレス又はIPアドレスとが対応付けられている。
(2e)本開示の一態様では、当該スイッチ10は、ツール20及びECU31~34との間で、それぞれシーケンスナンバ及びACKナンバを交換するコネクション型通信でのフレームを通信するように構成される。スイッチ10は、ツール20及びECU31~34との間で通信されるデータ量に差が生じる場合、受信フレームに含まれるシーケンスナンバ及びACKナンバのうちの少なくとも一方を該データ量の差に応じて補正しつつ、送信フレームを生成する。
(2g)本開示の一態様では、スイッチ10は、ツール20及びECU31~34との間でハンドシェイクによるコネクション確立を代理で行うように構成される。
(2h)本開示の一態様では、過去の送受信シーケンスナンバ、ACKナンバ、前回送信インデックス、ACKインデックスが記述されたリング型のシーケンスリングテーブル15を記録するように構成されたメモリ12をさらに備える。スイッチ10は、シーケンスリングテーブル15を参照することでデータ量の差を認識し、送信フレームを生成する際に、シーケンスリングテーブル15を書き換える。
このような構成によれば、TCP及びDoIPの間でプロトコル変換する構成において、良好にデータの中継をすることができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
上記実施形態においてスイッチ10は本開示での中継装置に相当し、上記実施形態においてツール20及びECU31~34は本開示での通信装置に相当する。また、上記実施形態においてメモリ12は本開示での転送先記録部及びナンバ記録部に相当し、上記実施形態においてコネクショントンネルテーブル13は本開示での転送先情報に相当する。また、上記実施形態においてシーケンスリングテーブル15は本開示でのシーケンステーブルに相当する。
Claims (10)
- 複数の通信装置(20、31~34)に接続される複数の通信ポート(P0~P4)を備え、前記複数の通信装置間で送受信されるコネクション型通信によるフレームを中継するように構成された中継装置(10)であって、
前記コネクション型通信を行うプロトコルを接続プロトコル、前記接続プロトコルよりも上層のプロトコルを上層プロトコルとし、また、前記上層プロトコルで分割して送受信されるデータをラージデータ、該ラージデータを分割したデータを分割データとして、
フレーム送信元の通信装置が接続された通信ポートから受信フレームを受信し、該受信フレームのヘッダ部分を参照して該受信フレームが前記分割データであるか否かを判定するように構成されたデータ判定部(S115)と、
該受信フレームが前記分割データである場合に、該受信フレームのヘッダ部分に含まれる前記ラージデータの合計データ量を示すデータ合計長と、受信した複数の前記分割データのデータ量とを比較しつつ、該受信フレームのヘッダ部分を予め設定された条件に従って書き換えた送信フレームを生成するように構成された書換部(S140、S170、S320、S350、S380、S420、S450、S480)と、
前記送信フレームを送信先の通信装置が接続された通信ポートから送信する送信部(S150、S180、S230、S260)と、
を備える中継装置。 - 請求項1に記載の中継装置であって、
先頭フラグ及び終了フラグを記録可能な管理テーブルをさらに備え、
前記書換部は、前記ラージデータの受信を開始すると前記管理テーブルにて前記先頭フラグを立てるとともに、前記ラージデータの受信が完了すると前記管理テーブルにて前記終了フラグを立てる
ように構成された中継装置。 - 請求項2に記載の中継装置であって、
前記管理テーブルは、リング型の記録領域として構成される
中継装置。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の中継装置であって、
前記送信先の通信装置のアドレスについて、前記上層プロトコルでのアドレスを表す第1アドレスと、前記接続プロトコルでのアドレスを表す第2アドレスとを対応付けた転送先情報(13)を記録するように構成された転送先記録部(12)、をさらに備え、
前記受信フレームのヘッダ部分には、前記接続プロトコルで当該中継装置を宛先とする宛先アドレスと、前記上層プロトコルで前記送信先の通信装置を宛先とする上層アドレスとを含み、
前記書換部は、前記転送先情報に従って、前記上層アドレスと一致する前記第1アドレスから該第1アドレスに対応する前記第2アドレスを抽出し、前記受信フレームにおける前記宛先アドレスを、抽出した前記第2アドレスに変換する
ように構成された中継装置。 - 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の中継装置であって、
当該中継装置は、前記複数の通信装置との間で、それぞれシーケンスナンバ及びACKナンバを交換するコネクション型通信でのフレームを通信するように構成され、
前記書換部は、前記複数の通信装置との間で通信されるデータ量に差が生じる場合、前記受信フレームに含まれるシーケンスナンバ及びACKナンバのうちの少なくとも一方を前記差に応じて補正しつつ、前記送信フレームを生成する
ように構成された中継装置。 - 請求項5に記載の中継装置であって、
前記書換部は、前記データ量に差が生じる場合として、中継対象外の事前通信がある場合に、前記事前通信のデータ量に応じて、前記補正をしつつ、前記送信フレームを生成する
ように構成された中継装置。 - 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の中継装置であって、
前記書換部は、前記データ量に差が生じる場合として、前記コネクション型通信よりも上層の上層プロトコルにおけるヘッダの変更又は削除により、前記コネクション型通信による接続プロトコルでのフレームサイズに変更がある場合に、前記受信フレームと前記送信フレームとのデータサイズの差を演算し、前記補正をしつつ、前記送信フレームを生成する
ように構成された中継装置。 - 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の中継装置であって、
過去の送受信シーケンスナンバ、ACKナンバ、送信インデックス、ACKインデックスが記述されたシーケンステーブル(15)を記録するように構成されたナンバ記録部(12)、をさらに備え、
前記書換部は、前記シーケンステーブルを参照することで前記データ量の差を認識し、前記送信フレームを生成する際に、前記シーケンステーブルを書き換える
ように構成された中継装置。 - 請求項1から請求項8の何れか1項に記載の中継装置であって、
前記複数の通信装置との間でハンドシェイクによるコネクション確立を代理で行うように構成された代理部(S110、S125)、
をさらに備える中継装置。 - 請求項1から請求項9の何れか1項に記載の中継装置であって、
前記接続プロトコルとしてTCPが採用され、前記上層プロトコルとしてDoIPが採用された中継装置。
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