JP7347182B2 - 中継装置 - Google Patents

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Description

本開示は、複数の通信装置間で送受信されるコネクション型通信によるフレームを中継するように構成された中継装置に関する。
下記特許文献1には、中継装置がコネクション型通信によるフレームを中継する際に、中継装置は、それぞれの通信装置との間でコネクション型通信によるコネクションを確立し、その後、フレームを中継する技術が開示されている。
特開2016-062192号公報
ところで、中継装置では、コネクション型通信で用いられるプロトコル(以下、接続プロトロル)よりも上層のプロトコル(以下、上層プロトコル)による記述を含むフレームを中継するよう要求される場合がある。しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、中継装置は、フレームのうちのヘッダ部分だけでなく、ペイロード部分まで解析しなければフレームの中継先を特定することができないことが一般的であり、中継装置による処理負荷が大きくなるという課題が見出された。
また、1フレームに収めることができるデータ量の上限値が、上層プロトコルのほうが接続プロトコルよりも小さい場合があり、上層プロトコルで分割して送受信されるラージデータを中継することが、中継装置で想定されていないという課題が見出された。
本開示の1つの局面は、コネクション型通信で用いられるプロトコルよりも上層のプロトコルによる記述を含むフレームを中継する際に、中継装置による処理負荷を軽減できるようにし、かつラージデータを良好に中継できるようにすることにある。
本開示の一態様は、複数の通信装置(20、31~34)に接続される複数の通信ポート(P0~P4)を備え、複数の通信装置間で送受信されるコネクション型通信によるフレームを中継するように構成された中継装置(10)である。なお、コネクション型通信を行うプロトコルを接続プロトコル、接続プロトコルよりも上層のプロトコルを上層プロトコルとする。また、上層プロトコルで分割して送受信されるデータをラージデータ、ラージデータを分割したデータを分割データとする。
中継装置は、データ判定部(S115)と、書換部(S140、S170、S320、S350、S380、S420、S450、S480)と、送信部(S150、S180、S230、S260)と、を備える。データ判定部は、フレーム送信元の通信装置が接続された通信ポートから受信フレームを受信し、受信フレームのヘッダ部分を参照して受信フレームが分割データであるか否かを判定するように構成される。
書換部は、受信フレームが分割データである場合に、受信フレームのヘッダ部分に含まれるラージデータの合計データ量を示すデータ合計長と、受信した複数の分割データのデータ量とを比較しつつ、受信フレームのヘッダ部分を予め設定された条件に従って書き換えた送信フレームを生成するように構成される。送信部は、送信フレームを送信先の通信装置が接続された通信ポートから送信する。
このような構成によれば、ラージデータを分割した分割データを中継する際に、ペイロードを解析することなく、合計データ量と分割データのデータ量とを比較してラージデータの受信が終了したか否かを認識できる。よって、コネクション型通信で用いられるプロトコルよりも上層のプロトコルによる記述を含むフレームを中継する際に、中継装置による処理負荷を軽減できるようにし、かつラージデータを良好に中継できるようにすることができる。
通信システムの構成を示すブロック図である。 フレーム構成の一例を示す説明図である。 コネクショントンネルテーブルの一例を示す説明図である。 ツールからスイッチを介してECUにフレーム送信する際のコネクションを確立する処理の一例を示すシーケンス図である。 データ管理テーブルの一例を示す説明図である。 コネクションを確立後に、ECUからスイッチを介してツールにフレーム送信する処理の一例を示すシーケンス図である。 中継前後のフレーム構成の一例を示す説明図である。 シーケンスリングテーブルの一例を示す説明図である。 シーケンスリングテーブルの模式図である。 ACKの一部がスイッチにて受信されない場合の処理の一例を示すシーケンス図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.概要]
車両におけるイーサネット(商標登録)スイッチ(以下スイッチ)では、DoIPによる診断が用いられることがある。DoIPはL2ネットワークが前提であるため、車両内ネットワークドメインに中継する場合、車両外L2ネットワークにつながる装置(スイッチ等)がTCPコネクションを終端し、TCPペイロードのデータに従って中継する必要がある。このとき、スイッチはツールとECUそれぞれとTCPコネクションを確立し、さらにペイロードの解析結果を用いて中継処理を行うため、中継処理の処理負荷が非常に大きいという課題がある。
このため、本開示では、スイッチにおけるコネクション管理を不要とする仮想コネクションを行う。つまり、スイッチでは、接続先装置と論理アドレスとが紐づけられたコネクショントンネルテーブルが準備され、ツールからのTCPデータがスイッチにて受信された後、TCP受信処理を行うことなく、コネクショントンネルテーブルに従い中継先ECUに直接転送を行う。
このとき、問題点として、事前通信の有無によりシーケンスナンバやACKナンバにオフセットが生じること、或いは、中継前後に上位レイヤのヘッダサイズが違うことによりシーケンスナンバやACKナンバに累積的なオフセットが生じることが挙げられる。しかし、本開示では、このオフセットを演算し、シーケンスナンバやACKナンバの整合をとる。この構成により、スイッチは単純なフレーム変換及び中継処理だけをするにもかかわらず、ECUやツールからは、スイッチとコネクションを確立しているように見せかける仮想コネクションを実現することができる。よって、スイッチの処理負荷を大幅に低減できる。
また、別の問題点として、1フレームに収めることができるデータ量の上限値が、上位レイヤのほうが下位レイヤよりも小さい場合があることが挙げられる。詳細には、下位レイヤであるTCPでは、1フレームで送信できるデータ量のデータであっても、上位レイヤであるDoIPでは、予め複数のフレームに分割しておくことを要する場合がある。このように、上位レイヤで分割して送受信されるラージデータを中継することが、スイッチで想定されていない場合、結局、ペイロードを解析して中継を行う必要がある。
このため、本開示のスイッチでは、ラージデータの合計データ量(以下、データ合計長)をヘッダ部分に含む受信フレームを受信し、このヘッダ部分を参照して、受信フレームが分割データであるか否かを判定する。そして、受信装置は、データ合計長と、受信した複数の分割データのデータ量とを比較しつつ、分割データの終点を認識し、受信フレームのヘッダ部分を予め設定された条件に従って書き換えた送信フレームを生成する。
このような構成によって、ラージデータを良好に中継できるようにする。
以下に、上記構成の詳細について説明する。
[2.第1実施形態]
[2-1.構成]
本開示の一態様の通信システム1は、例えば、主要部が乗用車等の車両に搭載され、車両内外の各通信装置間でフレームの中継を行うためのシステムである。
図1に示す通信システム1は、中継装置であるスイッチ10を備える。また、通信システム1は、ツール20と、ECU(Electronic Control Unit)31と、ECU32と、ECU33と、ECU34と、を備えてもよい。また、スイッチ10は、通信ポートP0、P1、P2、P3、P4を備えてもよい。
ツール20は、通信線40に接続される。また、ECU31は、通信線41に接続され、ECU32は、通信線42に接続される。また、ECU33は、通信線43に接続され、ECU34は、通信線44に接続される。なお、ツール20、ECU31、ECU32、ECU33、ECU34は、通信線40~44及びスイッチ10を介して互いに通信を行う通信装置を構成する。
5本の通信線40~44は、順に、通信ポートP0~P4に接続される。つまり、ツール20は通信線40を介して通信ポートP0に接続される。また、ECU31は通信線41を介して通信ポートP1に接続され、ECU32は通信線42を介して通信ポートP2に接続される。また、ECU33は通信線43を介して通信ポートP3に接続され、ECU34は通信線44を介して通信ポートP4に接続される。なお、通信ポートP0~P4は、フレームの送受信を行うトランシーバとして機能する。
スイッチ10は、ゲートウェイであるイーサネット(登録商標)スイッチとして構成される。スイッチ10は、例えば、DoIP(Diagnostics over Internet Protocol)、イーサネット及びTCP(Transmission Control Protocol)等のプロトコルを利用して通信する。スイッチ10は、通信線40~44間でフレームをフィルタリングしつつ中継する。
スイッチ10は、例えば、半導体デバイス等の回路を備えるハードウェアとして構成される。スイッチ10は、制御部11と、メモリ12と、をさらに備える。
制御部11は、フレームの中継の全般を管理する。制御部11は、例えば集積回路やマイコン等によって構成される。メモリ12は、例えば揮発性のメモリであるが、書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。
制御部11は、例えば、予め準備されたフィルタリングルールに従って、受信したフレームを中継するか破棄するかを選択して実施する。なお、スイッチ10の動作は、制御部11によって実現される動作である。以下では、制御部11が実行する処理をスイッチ10が実行する処理として記述する。
また、フィルタリングルールとは、受信したフレームに含まれるアドレス、フレームの形式、フレームのデータ長、フレームの種別等のフレームの特性に応じて、該フレームを中継するか破棄するか等の処理を決定するためのルールである。
ここで、TCPでは分割することなく送受信できるが、DoIPでは複数のフレームに分割して送受信される分割前のデータをラージデータと称する。また、ラージデータを複数に分割したそれぞれのデータを分割データと称する。スイッチ10が受信したフレームが分割データであるか否かについては、制御部11がフィルタリング時にフレームの種別を認識することで判定できるように構成される。
また、通信システム1において通信されるフレームは、例えば図2に示すようなフレームである。このフレームは、OSI参照モデルでの第5層以上のプロトコルを取り扱うアプリケーションによって生成され、OSI参照モデルでの第4層のプロトコルであるTCPで通信をするためのTCPヘッダを含む。本実施形態では、第5層以上のプロトコルとして、上述のDoIP、或いは診断用に準備された専用プロトコルを用いる。
また、このフレームは、MACヘッダ、IPヘッダ、TCPヘッダ、上位ヘッダを含むヘッダ部と、実データであるペイロード部とを含む。ペイロード部は、例えば、4バイトから4Gバイトの範囲内に設定される。
ヘッダ部を構成する各ヘッダには、それぞれ、プリアンブル、宛先アドレス、送信元アドレス、タイプ等が含まれる。また、TCPヘッダには、これらのアドレス等に加えて、シーケンスナンバ、ACKナンバ、各種フラグを含む。また、上位ヘッダには、アプリケーションに応じたデータが含まれる。
例えば、上位ヘッダには、アプリケーションで利用される宛先アドレスである論理アドレスが含まれる。なお、論理アドレスには、アプリケーションで利用される送信元アドレスが含まれてもよい。また、上位ヘッダには、データ合計長が含まれる。
データ合計長とは、受信したフレームがラージデータである場合、このラージデータを構成するデータの合計量を示し、換言すれば、それぞれの分割データの合計量を示す。それぞれの分割データは複数のフレームのペイロード部に含まれる。
メモリ12は、コネクショントンネルテーブル13、シーケンスナンバ管理テーブル14、シーケンスリングテーブル15を記録するように構成される。また、メモリ12には、データ合計長記録部17を備える。
コネクショントンネルテーブル13では、図3に示すように、論理アドレスと、TCPコネクションにて利用される宛先アドレスであるIPアドレス又はMACアドレスとが対応付けられている。図3に示す例では、論理アドレス01に対してECU31のIPアドレス又はMACアドレスが対応付けられている。また、論理アドレス02に対して、ECU32のIPアドレス又はMACアドレスが対応付けられている。
なお、コネクション型通信を行うプロトコルを接続プロトコル、接続プロトコルよりも上層のプロトコルを上層プロトコルとする。TCPは、本開示での接続プロトコルに、DoIPは、本開示での上層プロトコルに相当する。また、コネクショントンネルテーブル13での論理アドレスは、本開示での第1アドレスに、コネクショントンネルテーブル13でのIPアドレス又はMACアドレスは、本開示での第2アドレスに相当する。
シーケンスナンバ管理テーブル14は、中継するフレームの内容が一時的に記述されるテーブルである。シーケンスナンバ管理テーブル14の詳細については後述する。
シーケンスリングテーブル15は、中継するデータについての種々の情報を管理するためのテーブルである。シーケンスリングテーブル15の詳細については後述する。
データ合計長記録部17は、上位ヘッダにデータ合計長が含まれる場合、このデータ合計長が記録される。記録されたデータ合計長は、該当のラージデータの中継が完了するまでは保持され、受信済みの分割データのデータ量との比較のために利用される。記録されたデータ合計長は、該当のラージデータの中継が完了すると削除され、或いは、上書き可能となる。
ツール20は、通信線40に対して着脱自在に構成され、車両の点検時等、必要に応じて通信線40を介してスイッチ10に接続される。ツール20は、通信線40を介してスイッチ10に接続された際に、予め設定された1又は複数のECU31~34と通信を行うことで、これらのECU31~34のメモリに記録されたダイアグ等の情報を読み出し、読み出した情報に基づいて車両診断を行う装置である。また、ツール20は、ECU31~34にフレームを送信することによって、ECU31~34内に格納されたプログラムを書き換える機能も有する。
ECU31~34は、エンジン、エアコン、オーディオ、ミリ波レーダ、Lidar等の、車両の構成要素を制御する機能を有する電子制御装置であり、加えて、上述のフレームを通信する通信機能を有する。
[2-2.処理]
[2-2-1.コネクションの確立、及び中継の概略処理]
次に、スイッチ10及びECU31が、ツール20を介してフレームのやり取りする処理の一例を、図4のシーケンス図を用いて説明する。なお、以下では、スイッチ10の制御部11が実行する構成を中心に説明する。また、スイッチ10及びECU32~34が、ツール20を介してフレームのやり取りする処理についても基本的に同様であるため省略する。
まず、ツール20がECU31に対してフレームを送信しようとすると、ツール20及びスイッチ10は、S110で、フレームをツール20とスイッチ10との間でやり取りするための手続きを実施する。ここでは、まず、ツール20とスイッチ10との間でTCPコネクションを確立するためのハンドシェイクが実施される。
つまり、スイッチ10は、ECU31に代わってハンドシェイクを行う代理ハンドシェイクを実施する。ここでのハンドシェイクは、TCP SYN、TCP ACK SYN、TCP ACKを実施する3wayハンドシェイクが採用される。
次に、ツール20は、スイッチ10との間でTCPコネクションが確立されると、スイッチ10に、コネクショントンネル通信の開始要求を送信する。この開始要求には、上位ヘッダの内容として、上述の論理アドレスが含まれる。なお、コネクショントンネル通信は、フレームのうちの各ヘッダ部分を認識し、ヘッダ部分の一部を書き換えて、ペイロードを変化させることなく、フレームを中継する通信を示す。
次に、スイッチ10は、S115で、コネクショントンネル通信の開始要求を受信し、S120で、コネクショントンネルコンフィグ、すなわち、コネクショントンネル通信のための設定を行う。後に詳述するが、ツール20は、TCPで利用される宛先アドレスと、上位ヘッダに含まれる論理アドレスとが異なるフレームをスイッチ10に送信する。
具体的には、TCPでの宛先アドレスは、スイッチ10であり、論理アドレスは、ECU31等である。このため、スイッチ10は、フレームの中継時に、TCPでの宛先アドレスを、スイッチ10からECU31等に書き換える必要がある。
本実施形態の構成では、コネクショントンネルテーブル13が準備されているので、上位ヘッダに含まれる論理アドレスに対応する宛先アドレスを、コネクショントンネルテーブル13を参照することで特定できる。つまり、コネクショントンネルコンフィグでは、コネクショントンネルテーブル13を参照することで、TCPコネクション確立中に次のフレームを受けたときに、簡素な処理でTCPでの宛先アドレスを、スイッチ10からECU31等に書き換えできるように設定する。
換言すれば、スイッチ10は、フレーム送信元の通信装置が接続されたポートP0~P4からフレームを受信し、このフレームのヘッダ部分である上位ヘッダを参照してフレームの種別を判定する。ここで、フレームの種別の判定は、フレームを受信する都度実施されてもよいが、本実施形態では、TCPコネクションを確立するときだけ実施し、TCPコネクション確立中には、フレームの種別の判定を省略する構成として説明する。
フレームの種別の判定を省略する場合、TCPコネクション確立中のフレームの種別は、TCPコネクションを確立するときに認識したフレームの種別と同じであるとみなして以下の処理を進める。フレームの種別の判定を省略する構成は、スイッチ及びツール20間の通信だけでなく、スイッチ10及びECU31~34間の通信でも同様に適用される。
なお、以下では、受信したフレームの種別がDoIP等の予め設定されたプロトコルによるフレームである場合の作動について説明する。予め設定されたプロトコルでない場合には、TCPによる通常の中継、すなわち、ペイロードを解析した上で中継を行うとよい。
スイッチ10は、コネクショントンネルコンフィグが完了すると、コネクショントンネル通信の開始要求に対する応答をツール20に送信する。すると、ツール20は、宛先となるECU31~34に送信すべき実データを含むフレームの送信を開始する。
スイッチ10は、S120でフレームを受信し、図5に示すシーケンスナンバ管理テーブル14にて、データを管理する。すなわち、スイッチ10は、フレームのヘッダ部に従って、シーケンスナンバ管理テーブル14のうちの、送信元アドレス、宛先アドレス、TCPフラグ、データ長(len)を記述する。また、スイッチ10は、適宜演算等を行うことで、フレームを受信したポートP0~P4(SRCポート)、フレームの送信先が接続されたポートP0~P4(DISTポート)、シーケンスナンバ(SeqNum)、ACKナンバ(AckNum)等を記述する。
ここでは、スイッチ10は、ツール20からフレームを受信し、例えば、図5における「#」欄の「1」で示すように、宛先アドレスはスイッチ10であり、送信元アドレスはツール20であり、データ長(len)は14000バイトである等の記述を行う。
続いて、S125で、スイッチ10は、宛先となるECU31~34との間で上述した代理ハンドシェイクと同様の代理ハンドシェイクを実施する。なお、本実施形態では、宛先がECU31である場合について述べる。この処理により、スイッチ10は、ツール20とECU31との双方の間でTCPコネクションを確立した状態、換言すれば、コネクショントンネルが実行可能な状態になる。
続いて、S130で、スイッチ10は、シーケンスナンバオフセットを演算する。シーケンスナンバオフセットには、初期オフセット及び累積オフセットが含まれる。
ここで、スイッチ10は、実データを中継する前の通信である事前通信によって、送信元に対する通信データ量と、宛先に対する通信データ量とに差が生じる場合がある。ここでは、この差を上述の初期オフセットとして求める。
例えば、送信元に対する事前通信による通信データ量から宛先に対する事前通信による通信データ量を減算したときの差が+4バイトであれば、この差を初期オフセットとする。この場合、スイッチ10は、送信元にフレームを送信する際に、シーケンスナンバ、ACKナンバに20を加算し、宛先にフレームを送信する際に、シーケンスナンバ、ACKナンバから4を減算する。
また、ポートP0~P4によって通信プロトコルが異なる場合等、送信元からのフレームと宛先へのフレームとでデータ長が異なる場合には、データ長の差を上述の累積オフセットとして求める。ここでは、送信元からのフレームのデータ長が14000バイトであるのに対して、宛先へのフレームのデータ長が60バイト少なくなるため、宛先へのフレームのデータ長を13940バイトと記述するよう設定する。なお、初期オフセットは、フレームの送信回数によらず一定であるが、累積オフセットは、フレームの送信回数に比例して増加するため、フレーム送信の度に加減算される。
続いて、S140で、スイッチ10は、宛先変換、及びシーケンスナンバ変換を行う。
スイッチ10は、宛先変換として、図5における「#」欄の「2」で示すように、コネクショントンネルコンフィグに従って、宛先アドレスをスイッチ10からECU31に変更し、送信元アドレスをツール20からスイッチ10に変更する。また、データ長を14000バイトから13940バイトに変更する。なお、シーケンスナンバ変換は、シーケンスナンバを補正する必要が生じた場合に実施される。
続いて、S150で、スイッチ10は、宛先変換、及びシーケンスナンバ変換が行われたフレームをECU31に送信する。ECU31は、このフレームを受けると、スイッチ10にACKを返す。すると、S160で、スイッチ10は、このACKを受信する。
このときスイッチ10が受信するフレームは、図5における「#」欄の「3」で示すように、宛先アドレスはスイッチ10であり、送信元アドレスはECU31であり、ACKナンバは13940である。
続いて、S170で、スイッチ10は、宛先変換、及びACKナンバ変換を行う。スイッチ10は、宛先変換として、図5における「#」欄の「4」で示すように、コネクショントンネルコンフィグに従って、宛先アドレスをスイッチ10からツール20に変更し、送信元アドレスをECU31からスイッチ10に変更する。また、ACKナンバを13940から14000に変更する。
つまり、ECU31は、データ長が13940バイトのフレームを受けたため、ACKナンバを13940で送信したが、ツール20はデータ長が14000バイトのフレーム送信したため、受信するACKのACKナンバが13940のままでは齟齬が生じる。この齟齬を解消するために、スイッチ10は、ACKナンバを13940から14000に変更する。なお、ACKナンバの補正量は、S130にて求められたデータ長の差と同様である。
続いて、S180で、スイッチ10は、宛先変換、及びACKナンバ変換が行われたACKをツール20に送信する。このようにして、ツール20からECU31へのフレーム送信が実施される。
[2-2-2.ラージデータの中継処理]
上記のS130~S180の処理は、ラージデータが分割された分割データを取り扱う場合、図6に示す処理に置き換えることができる。ただし、シーケンスナンバ、ACKナンバ等は、上述した内容とは異なるものを用いて説明する。
ここで、図7に示すように、ツール20からスイッチ10に送られるフレームを中継前データとし、スイッチ10からECU31に送られるフレームを中継後データとする。
中継後データに分割データが含まれる場合、特に、この分割データが複数の分割データのうちの最初に受信される分割データである場合、スイッチ10は、中継前データに含まれる上位ヘッダを車内ヘッダに変更する。この結果、中継後データのデータ長は、中継前データと比較して、上位ヘッダと車内ヘッダとのデータ量の差分のxバイトだけ短くなる。
上位ヘッダと車内ヘッダとのデータ量の差は、例えば4バイトである。車内ヘッダには、例えば、宛先アドレス、送信元アドレス、及びデータ長が含まれる。なお、中継後データに分割データが含まれる場合であって、この分割データが複数の分割データのうちの最初の分割データを除く分割データである場合、スイッチ10は、中継後データで車内ヘッダを省略する。
上記のように、ECU31からツール20に分割データを含むフレームを送信する場合、シーケンスリングテーブル15を利用する。シーケンスリングテーブル15は、図8に示すように、中継するフレーム毎に、先頭フラグ、終了フラグ、前回送信インデックス、ACKインデックス、受信シーケンスナンバ、送信シーケンスナンバ、シーケンスナンバオフセット、送信ACKナンバ、受信ACKナンバが記述されるテーブルである。また、シーケンスリングテーブル15は、リング型のテーブルであり、最も古い記述が順次上書きされる。
詳細には、図9に示すように、例えば、シーケンスリングテーブル15が、14の領域でフレームを管理する場合、ACKインデックスの位置から前回送信インデックスまでの間を除く領域を上書き可能に設定する。図9に示す例では、領域10から順に新たなフレームについての情報が記述される。
ただし、前回送信インデックスは、スイッチ10が最後に送信元から受信したフレームの位置を示し、ACKインデックスは、スイッチ10が最後に受信したACKの位置を示す。前回送信インデックス及びACKインデックスは、フレームの中継が正常に行われている場合には、図8に示すテーブルにて上から下に移動する。前回送信インデックスにACKインデックスが追い付いて、前回送信インデックス及びACKインデックスが同じフレームの位置にある場合、スイッチ10が中継したフレームのACKの全てを受信したことを示す。
また反対に、ACKインデックスに前回送信インデックスが追い付く場合、シーケンスリングテーブル15が満杯の状態であるため、スイッチ10はフレームの中継を中止する。
なお、シーケンスリングテーブル15には、ACKナンバが記述されるが、ACKナンバについては演算によって求めることが可能であるため、シーケンスリングテーブル15に記述されることは必須でない。
図6に示すラージデータを中継する処理では、スイッチ10は、S310、S340、S370のそれぞれで、ツール20から送信された3つのフレームを順次受信する。そして、スイッチ10は、フレームを受信する度に、S320、S350、S380で、フレーム毎に、宛先変換、及びシーケンスナンバ変換を行う。
スイッチ10は、S310で、シーケンスナンバ100、データ長1460のフレームを受信し、S320で、シーケンスナンバオフセットを考慮して、フレームを、シーケンスナンバ0、データ長1456に書き換える。つまり、シーケンスナンバから初期オフセット100を減算し、データ長からデータ長の差である4を減算する。
また、スイッチ10は、この際、宛先変換を実施する。すなわち、スイッチ10は、コネクショントンネルコンフィグに従って、宛先アドレスをスイッチ10からツール20に変更し、送信元アドレスをECU31からスイッチ10に変更する。
このとき、スイッチ10は、受信フレームにDoIPヘッダが存在し、かつ、分割データの受信中でないことを根拠に、先頭の分割データを受信したことを認識する。なお、分割データの受信中とは、先頭フラグが付されているラージデータの受信が完了していない状態であることを示し、シーケンスリングテーブル15及びデータ合計長記録部17を参照してスイッチ10が認識できる。
スイッチ10は、先頭の分割データを受信すると、データ合計長記録部17にデータ合計長を記録する。データ合計長は、DoIPヘッダに含まれ、ここでは、4380バイトである。
また、スイッチ10は、フレームの受信中に、分割データのデータ量の累積値を演算し、この累積値をメモリ12にて保持し、この累積値とデータ合計長記録部17に記録されたデータ合計長とを比較する。スイッチ10は、データ量の累積値とデータ合計長とが一致すると、ラージデータの受信が完了したと認識する。なお、スイッチ10は、S340及びS380では、分割データの受信中であると認識する。
また、スイッチ10が、S340で、シーケンスナンバ1560、データ長1460のフレームを受信すると、S350では、このフレームを、シーケンスナンバ1456、データ長1456に書き換える。つまり、シーケンスナンバから初期オフセット100と累積オフセット4との和である104を減算し、データ長からデータ長の差である4を減算する。
同様に、スイッチ10が、S370で、シーケンスナンバ3020、データ長1460のフレームを受信すると、S380では、このフレームを、シーケンスナンバ2912、データ長1456に書き換える。つまり、シーケンスナンバから初期オフセット100と累積オフセット4を2回分乗じた値との和である108を減算し、データ長からデータ長の差である4を減算する。また、スイッチ10は、S380でのフレームの受信によって、データ量の累積値とデータ合計長とが一致するため、ラージデータの受信が完了したと認識する。
また、スイッチ10は、S320、S350、S380で、上述のようにフレームを書き換え、加えて、書換前後の情報をシーケンスリングテーブル15に記述する。すなわち、スイッチ10は、S320で、シーケンスリングテーブル15にて、受信シーケンスナンバに書換前のシーケンスナンバ100を、送信シーケンスナンバにシーケンスナンバ0をそれぞれ記述する。また、シーケンスリングテーブル15にて、シーケンスナンバオフセットに初期オフセット100及び累積オフセット4を加算した104を、送信ACKナンバに送信フレームのシーケンスナンバ1560を、受信ACKナンバに受信フレームのシーケンスナンバ1456をそれぞれ記述する。
このとき、前回送信インデックスは、当該フレームの位置に設定され、ACKインデックスは初期位置に設定される。初期位置は、当該フレームの直前の位置、図8に示す例では、シーケンスリングテーブル15の最下段である。
また、スイッチ10は、受信フレームがラージデータのうちの先頭の分割データである場合、該当フレームの位置に先頭フラグを立てる。ここでは、図8に示すように、S320にて受信したフレームに先頭フラグを立てる。
スイッチ10は、S350、S380で、S320と同様にしてシーケンスリングテーブル15を記述する。このとき、前回送信インデックスは、新たに記述されたフレームの位置に設定され、ACKインデックス及び先頭フラグは更新されない。
また、スイッチ10は、S380で、ラージデータの受信が完了した旨を認識する。すなわち、スイッチ10は、ラージデータのデータ合計長である4380バイト分のデータが受信されたか否かをシーケンスナンバを用いて認識し、データ合計長と受信したデータのデータ長とが一致すると、ラージデータの受信が完了したと認識する。そして、該当フレームの位置に終了フラグを立てる。
そして、S330、S360、S390で、スイッチ10は、宛先変換、及びシーケンスナンバ変換が行われたフレームをECU31に送信する。
ECU31は、これらのフレームをスイッチ10から受信すると、その都度、ACKを返す。スイッチ10は、S410、S440、S470で、これらのACKをそれぞれ受信し、S420、S450、S480で、宛先変換、及びACKナンバ変換を行う。
詳細には、スイッチ10は、S410で、シーケンスナンバ0のフレームに対する、
ACKナンバ1456のACKを受信する。そして、S420で、スイッチ10は、宛先変換として、コネクショントンネルコンフィグに従って、宛先アドレスをスイッチ10からECU31に変更し、送信元アドレスをツール20からスイッチ10に変更する。また、ACKナンバ1456のACKについて、初期オフセット100及び累積オフセット4を1回分乗じた4を加算した1560に書き換える。
また、スイッチ10は、S440で、シーケンスナンバ1457のフレームに対する、ACKナンバ2912のACKを受信する。そして、S450で、このACKについて、初期オフセット100及び累積オフセット4を2回分乗じた8を加算した3020に書き換える。
また、スイッチ10は、S470で、シーケンスナンバ2913のフレームに対する、ACKナンバ4368のACKを受信する。そして、S480で、このACKについて、初期オフセット100及び累積オフセット4を3回分乗じた12を加算した4480に書き換える。
また、スイッチ10は、S420、S450、S480で、上述した宛先変換、及びACKナンバ変換に加えて、シーケンスリングテーブル15の更新をする。
詳細には、スイッチ10は、S420で、シーケンスリングテーブル15における、S410にて受信したACKナンバ1456に対応する記述の位置に、ACKインデックスを移動させる。また、スイッチ10は、S450で、シーケンスリングテーブル15における、S440にて受信したACKナンバ2912に対応する記述の位置に、ACKインデックスを移動させる。また、スイッチ10は、S480で、シーケンスリングテーブル15における、S470にて受信したACKナンバ4368に対応する記述の位置に、ACKインデックスを移動させる。
続いて、S430、S460、S490で、スイッチ10は、宛先変換、及びACKナンバ変換が行われたACKをツール20に送信する。このようにして、ツール20からECU31へのフレーム送信が実施される。
続いて、スイッチ10は、終了フラグにACKインデックスが追いついたか否かを監視する。そして、本実施形態の場合、S490で終了フラグにACKインデックスが追いついたことが認識される。すると、S510で、スイッチ10は、終了フラグにACKインデックスが追いついた旨を表すDiagnostic message positive ackをツール20に送信する。続いて、S520で、スイッチ10は、ECU31とツール20間でのシーケンスナンバオフセットの値を更新し、本処理を終了する。
[2-2-3.スイッチ10がACK受信できない場合の処理]
次に、ECU31にて送信されるACKの一部がスイッチ10にて受信されない場合の例を、図10のシーケンス図を用いて説明する。この例では、スイッチ10がS410で受信されるべきACKナンバ1456のフレームとスイッチ10がS440で受信されるべきACKナンバ2912のフレームとを受信できない場合を示す。
図10に示すように、スイッチ10は、S310~S390の処理を正常に実施し、ECU31は、スイッチ10からのフレームを正常に受信する。そして、ECU31は、それぞれACKを送信するが、スイッチ10は、S410及びS440で受信されるべきACKである、ACKナンバ1456及び2912のACKを受信できない。
ただし、スイッチ10は、S470で、ACKナンバ4368のACKを受信する。すると、スイッチ10は、S480で、宛先変換、及びACKナンバ変換に加えてACKナンバ4368に対応するフレームの位置にACKインデックスを移動させる。続いて、スイッチ10は、S490で、ACKナンバ4480のACKをツール20に送信する。
上記の説明では、ツール20は、S430及びS460で受信すべきACKナンバ1560及び3020のACKを受信していないが、これらよりも大きいACKナンバ4480のACKを受信できているので、それ以前のフレームは送信できていると判定する。このため、フレームの再送は実施されない。この場合、前回送信インデックスにACKインデックスが追い付いた状態となり、換言すれば全てのフレームの送信が完了した状態となる。ただし、ツール20は、ACKナンバ3020のACKを受信できていて、それよりも大きなACKナンバ4480のACKを受信できない場合、このフレームを再送すべきと判定し、該当するフレーム(受信シーケンスナンバが3020のフレーム)のみが再送される。
[2-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(2a)本開示の一態様は、複数のツール20及びECU31~34に接続される複数の通信ポートP0~P4を備え、複数のツール20及びECU31~34間で送受信されるコネクション型通信によるフレームを中継するように構成されたスイッチ10である。なお、コネクション型通信を行うプロトコルを接続プロトコル、接続プロトコルよりも上層のプロトコルを上層プロトコルとする。また、上層プロトコルで分割して送受信されるデータをラージデータ、ラージデータを分割したデータを分割データとする。
スイッチ10は、フレーム送信元のツール20及びECU31~34が接続された通信ポートから受信フレームを受信し、受信フレームのヘッダ部分を参照して受信フレームが分割データであるか否かを判定するように構成される。また、スイッチ10は、受信フレームが分割データである場合に、受信フレームのヘッダ部分に含まれるラージデータの合計データ量を示すデータ合計長と、受信した複数の分割データのデータ量とを比較しつつ、分割データの終点を認識する。そして、受信フレームのヘッダ部分を予め設定された条件に従って書き換えた送信フレームを生成するように構成される。スイッチ10は、送信フレームを送信先のツール20及びECU31~34が接続された通信ポートから送信する。
このような構成によれば、ラージデータを分割した分割データを中継する際に、合計データ量と分割データのデータ量とを比較してラージデータの受信が終了したか否かを認識できる。よって、コネクション型通信で用いられるプロトコルよりも上層のプロトコルによる記述を含むフレームを中継する際に、スイッチ10による処理負荷を軽減できるようにし、かつラージデータを良好に中継できるようにすることができる。
(2b)本開示の一態様は、先頭フラグ及び終了フラグを記録可能なシーケンスリングテーブル15をさらに備える。スイッチ10は、ラージデータの受信を開始するとシーケンスリングテーブル15にて先頭フラグを立てるとともに、ラージデータの受信が完了するとシーケンスリングテーブル15にて終了フラグを立てる。
このような構成によれば、先頭フラグ及び終了フラグを記録可能なシーケンスリングテーブル15を用いてラージデータの受信が完了したか否かを管理することができる。
(2c)本開示の一態様では、シーケンスリングテーブル15は、リング型の記録領域として構成される。
このような構成によれば、先頭フラグ及び終了フラグの間の記録領域を上書き可能な領域として設定することができる。
(2d)本開示の一態様では、コネクショントンネルテーブル13を記録するように構成されたメモリ12をさらに備える。コネクショントンネルテーブル13では、送信先の通信装置のアドレスについて、上層プロトコルでのアドレスを表す論理アドレスと、接続プロトコルでのアドレスを表すMACアドレス又はIPアドレスとが対応付けられている。
また、受信フレームのヘッダ部分には、接続プロトコルで当該スイッチ10を宛先とする宛先アドレス(例えばMACアドレス)と、上層プロトコルで送信先の通信装置を宛先とする上層アドレス(例えば上位ヘッダでの論理アドレス)とを含む。
そして、スイッチ10は、論理アドレスに対応するMACアドレス又はIPアドレスをコネクショントンネルテーブル13から抽出し、受信フレームにおける宛先アドレスを、論理アドレスに対応するMACアドレス又はIPアドレスに変換するように構成される。
このような構成によれば、受信フレームの上層アドレスを参照して宛先アドレスを送信先の通信装置に変更できるので、受信フレームの解析負荷を低減することができる。
(2e)本開示の一態様では、当該スイッチ10は、ツール20及びECU31~34との間で、それぞれシーケンスナンバ及びACKナンバを交換するコネクション型通信でのフレームを通信するように構成される。スイッチ10は、ツール20及びECU31~34との間で通信されるデータ量に差が生じる場合、受信フレームに含まれるシーケンスナンバ及びACKナンバのうちの少なくとも一方を該データ量の差に応じて補正しつつ、送信フレームを生成する。
このような構成によれば、スイッチ10とツール20及びECU31~34のそれぞれとの間で通信されるデータ量が異なり、データ量に差が生じる場合であっても、シーケンスナンバ及びACKナンバを良好に補正しつつ中継を行うことができる。
(2f)本開示の一態様では、スイッチ10は、データ量に差が生じる場合として、コネクション型通信よりも上層の上層プロトコルにおけるヘッダの変更又は削除により、コネクション型通信による接続プロトコルでのフレームサイズに変更がある場合に、シーケンスナンバ及びACKナンバを補正しつつ、送信フレームを生成する。
このような構成によれば、上層プロトコルでシーケンスナンバ及びACKナンバを良好に補正しつつ中継を行うことができる。
(2g)本開示の一態様では、スイッチ10は、ツール20及びECU31~34との間でハンドシェイクによるコネクション確立を代理で行うように構成される。
このような構成によれば、各通信装置は、スイッチ10とのコネクションを確立するだけで、宛先又は送信元との間でコネクション型通信を行うことができる。
(2h)本開示の一態様では、過去の送受信シーケンスナンバ、ACKナンバ、前回送信インデックス、ACKインデックスが記述されたリング型のシーケンスリングテーブル15を記録するように構成されたメモリ12をさらに備える。スイッチ10は、シーケンスリングテーブル15を参照することでデータ量の差を認識し、送信フレームを生成する際に、シーケンスリングテーブル15を書き換える。
このような構成によれば、シーケンスリングテーブル15を用いてスイッチ10とツール20及びECU31~34との間のデータ量の差を管理することができる。また、前回送信インデックス及びACKインデックスを移動させることで、どのフレームがECU31~34に送信されたかやどのフレームが再送信必要かを判定することができる。そのため、ツール20とECU31~34間の通信信頼性を向上させることができる。
(2i)本開示の一態様では、接続プロトコルとしてTCPが採用され、上層プロトコルとしてDoIPが採用されてもよい。
このような構成によれば、TCP及びDoIPの間でプロトコル変換する構成において、良好にデータの中継をすることができる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(3a)上記実施形態では、スイッチ10に接続される通信線の本数が5である場合を例示するが、これに限定されるものではない。例えば、通信線の本数は、2以上であればどのような数でもよい。
(3b)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
(3c)上述したスイッチ10等の中継装置の他、当該中継装置を構成要素とするシステム、当該中継装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、中継方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
[7.実施形態の構成と本開示の構成との対応関係]
上記実施形態においてスイッチ10は本開示での中継装置に相当し、上記実施形態においてツール20及びECU31~34は本開示での通信装置に相当する。また、上記実施形態においてメモリ12は本開示での転送先記録部及びナンバ記録部に相当し、上記実施形態においてコネクショントンネルテーブル13は本開示での転送先情報に相当する。また、上記実施形態においてシーケンスリングテーブル15は本開示でのシーケンステーブルに相当する。
また、上記実施形態においてTCPプロトコルによる通信は本開示でのコネクション型通信に相当し、上記実施形態においてスイッチ10が実行する構成のうちのS115の構成は本開示でのデータ判定部に相当する。上記実施形態においてS140、S170、S320、S350、S380、S420、S450、S480の構成は本開示での書換部に相当する。
また、上記実施形態においてS150、S180、S230、S260の構成は本開示での送信部に相当し、上記実施形態においてS110、S125の構成は本開示での代理部に相当する。
1~4…通信システム、10…スイッチ、11…制御部、12…メモリ、13…コネクショントンネルテーブル、13…コネクショントンネルテーブル、14…シーケンスナンバ管理テーブル、15…シーケンスリングテーブル、17…データ合計長記録部、20…ツール、31~34…ECU、40~44…通信線。

Claims (10)

  1. 複数の通信装置(20、31~34)に接続される複数の通信ポート(P0~P4)を備え、前記複数の通信装置間で送受信されるコネクション型通信によるフレームを中継するように構成された中継装置(10)であって、
    前記コネクション型通信を行うプロトコルを接続プロトコル、前記接続プロトコルよりも上層のプロトコルを上層プロトコルとし、また、前記上層プロトコルで分割して送受信されるデータをラージデータ、該ラージデータを分割したデータを分割データとして、
    フレーム送信元の通信装置が接続された通信ポートから受信フレームを受信し、該受信フレームのヘッダ部分を参照して該受信フレームが前記分割データであるか否かを判定するように構成されたデータ判定部(S115)と、
    該受信フレームが前記分割データである場合に、該受信フレームのヘッダ部分に含まれる前記ラージデータの合計データ量を示すデータ合計長と、受信した複数の前記分割データのデータ量とを比較しつつ、該受信フレームのヘッダ部分を予め設定された条件に従って書き換えた送信フレームを生成するように構成された書換部(S140、S170、S320、S350、S380、S420、S450、S480)と、
    前記送信フレームを送信先の通信装置が接続された通信ポートから送信する送信部(S150、S180、S230、S260)と、
    を備える中継装置。
  2. 請求項1に記載の中継装置であって、
    先頭フラグ及び終了フラグを記録可能な管理テーブルをさらに備え、
    前記書換部は、前記ラージデータの受信を開始すると前記管理テーブルにて前記先頭フラグを立てるとともに、前記ラージデータの受信が完了すると前記管理テーブルにて前記終了フラグを立てる
    ように構成された中継装置。
  3. 請求項2に記載の中継装置であって、
    前記管理テーブルは、リング型の記録領域として構成される
    中継装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の中継装置であって、
    前記送信先の通信装置のアドレスについて、前記上層プロトコルでのアドレスを表す第1アドレスと、前記接続プロトコルでのアドレスを表す第2アドレスとを対応付けた転送先情報(13)を記録するように構成された転送先記録部(12)、をさらに備え、
    前記受信フレームのヘッダ部分には、前記接続プロトコルで当該中継装置を宛先とする宛先アドレスと、前記上層プロトコルで前記送信先の通信装置を宛先とする上層アドレスとを含み、
    前記書換部は、前記転送先情報に従って、前記上層アドレスと一致する前記第1アドレスから該第1アドレスに対応する前記第2アドレスを抽出し、前記受信フレームにおける前記宛先アドレスを、抽出した前記第2アドレスに変換する
    ように構成された中継装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の中継装置であって、
    当該中継装置は、前記複数の通信装置との間で、それぞれシーケンスナンバ及びACKナンバを交換するコネクション型通信でのフレームを通信するように構成され、
    前記書換部は、前記複数の通信装置との間で通信されるデータ量に差が生じる場合、前記受信フレームに含まれるシーケンスナンバ及びACKナンバのうちの少なくとも一方を前記差に応じて補正しつつ、前記送信フレームを生成する
    ように構成された中継装置。
  6. 請求項5に記載の中継装置であって、
    前記書換部は、前記データ量に差が生じる場合として、中継対象外の事前通信がある場合に、前記事前通信のデータ量に応じて、前記補正をしつつ、前記送信フレームを生成する
    ように構成された中継装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の中継装置であって、
    前記書換部は、前記データ量に差が生じる場合として、前記コネクション型通信よりも上層の上層プロトコルにおけるヘッダの変更又は削除により、前記コネクション型通信による接続プロトコルでのフレームサイズに変更がある場合に、前記受信フレームと前記送信フレームとのデータサイズの差を演算し、前記補正をしつつ、前記送信フレームを生成する
    ように構成された中継装置。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の中継装置であって、
    過去の送受信シーケンスナンバ、ACKナンバ、送信インデックス、ACKインデックスが記述されたシーケンステーブル(15)を記録するように構成されたナンバ記録部(12)、をさらに備え、
    前記書換部は、前記シーケンステーブルを参照することで前記データ量の差を認識し、前記送信フレームを生成する際に、前記シーケンステーブルを書き換える
    ように構成された中継装置。
  9. 請求項1から請求項8の何れか1項に記載の中継装置であって、
    前記複数の通信装置との間でハンドシェイクによるコネクション確立を代理で行うように構成された代理部(S110、S125)、
    をさらに備える中継装置。
  10. 請求項1から請求項9の何れか1項に記載の中継装置であって、
    前記接続プロトコルとしてTCPが採用され、前記上層プロトコルとしてDoIPが採用された中継装置。
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