JP7345156B2 - 二本鎖形成によって19fケミカルシフトの変化を生じさせる方法 - Google Patents
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Description
したがって、本発明の目的は、二本鎖形成を検出するための、生体内での計測に適した、高感度な検出手段を、提供することにある。
次の式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシド:
R基は、
フッ素原子;
1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基;
又は、
1個以上の水素原子が、フッ素原子、又は1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基、で置換された、単環式、二環式又は三環式のフルオロアリール基であり、
Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、-OH基、アミノ基、ニトロ基、メチル基、フッ化メチル基、エチル基、フッ化エチル基、及びC1~C3のアルキルスルファニル基からなる群から選択された基であり、
Yは、水素原子、糖(糖は、リボース、及びデオキシリボースを含む)、又はアルカノールアミンである)
を使用することによって、
式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸と、該修飾核酸と二本鎖形成可能な核酸との間に、二本鎖を形成させて、二本鎖形成の前後の比較において核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じさせる方法。
(2)
形成された二本鎖へ光照射して、修飾核酸中の式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドと、二本鎖形成した核酸中の光架橋可能な塩基とを光架橋させて、19Fケミカルシフトの変化を固定化する、(1)に記載の方法。
(3)
式IにおけるY基が、次の式Ya又は式Ybで表される基である、(1)~(2)のいずれかに記載の方法:
Ya:
R11は、水素原子又は水酸基であり、
R12は、水酸基であり、
R13は、水酸基である); 又は、
Yb:
R21は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、
Q1は、水素原子であり、
Q2は、水素原子である)。
(4)
C1~C4のフルオロアルキル基が、
-CnH2n+1-mFm
(ただし、nは1以上4以下の整数、mは1以上の整数、2n+1-mは0以上の整数である)
である、(1)~(3)のいずれかに記載の方法。
(5)
C1~C4のフルオロアルキル基が、
-CF3、-CH2-CF3、又は-C(CF3)3である、(1)~(3)のいずれかに記載の方法。
(6)
(1)~(5)のいずれかに記載の方法によって、核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じた、二本鎖核酸を製造する方法。
(7)
(1)~(5)のいずれかに記載の方法によって生じた19Fケミカルシフトの変化を核磁気共鳴法によって検出することによって、式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸と、該修飾核酸と二本鎖形成可能な核酸との間の二本鎖形成を、検出する方法。
(8)
次の式Iの化合物:
R基は、
フッ素原子;
1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基;
又は、
1個以上の水素原子が、フッ素原子、又は1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基、で置換された、単環式、二環式又は三環式のフルオロアリール基であり、
Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、-OH基、アミノ基、ニトロ基、メチル基、フッ化メチル基、エチル基、フッ化エチル基、及びC1~C3のアルキルスルファニル基からなる群から選択された基であり、
Yは、水素原子、糖(糖は、リボース、及びデオキシリボースを含む)、多糖類(多糖類は、核酸のポリリボース鎖、及びポリデオキシリボース鎖を含む)、ポリエーテル、ポリオール、アルカノールアミン、アミノ酸、ポリペプチド鎖(ポリペプチド鎖は、ペプチド核酸のポリペプチド鎖を含む)、又は水溶性合成高分子である)。
(9)
式IにおけるY基が、以下の(i)~(iv)に示される原子及び基からなる群から選択された基である、(8)に記載の化合物:
(i)水素原子;
(ii)次の式Yaで表される基:
R11は、水素原子又は水酸基であり、
R12は、-O-Q1基であり、
R13は、-O-Q2基であり、
Q1は、
水素原子;
Q1に結合するOと一体となって形成されるリン酸基;
Q1に結合するOと一体となって形成されるリン酸基によって形成されるリン酸ジエステル結合を介して連結されるヌクレオチド、核酸又はペプチド核酸; 及び
以下から選択される保護基:
トリチル基、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基、トリメトキシトリチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、アセチル基、ベンゾイル基;
からなる群から選択される基であり、
Q2は、
水素原子;
Q2に結合するOと一体となって形成されるリン酸基;
Q2に結合するOと一体となって形成されるリン酸基によって形成されるリン酸ジエステル結合を介して連結されるヌクレオチド、核酸又はペプチド核酸; 及び
以下から選択される保護基:
2-シアノエチル-N,N-ジアルキル(C1~C4)ホスホロアミダイト基、メチルホスホンアミダイト基、エチルホスホンアミダイト基、オキサザホスホリジン基、チオホスファイト基、-PH(=O)OHのTEA塩、-PH(=O)OHのDBU塩、-PH(=S)OHのTEA塩、-PH(=S)OHのDBU塩;
からなる群から選択される基である);
(iii)次の式Ybで表される基:
R21は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、
Q1は、式YaのQ1として記載された基であり、
Q2は、式YaのQ2として記載された基である); 及び
(iv)次の式Ycで表される基:
R31は、アミノ基の保護基、水素原子、又は、R31に結合するNHと一体となって形成されたペプチド結合によって結合されたポリペプチドを表し、
R32は、水酸基、又は、R32に結合するCOと一体となって形成されたペプチド結合によって結合されたポリペプチドを表し、
Lは、リンカー部、又は単結合である)。
(10)
C1~C4のフルオロアルキル基が、
-CnH2n+1-mFm
(ただし、nは1以上4以下の整数、mは1以上の整数、2n+1-mは0以上の整数である)
である、(8)~(9)のいずれかに記載の化合物。
(11)
C1~C4のフルオロアルキル基が、
-CF3、-CH2-CF3、又は-C(CF3)3である、(8)~(9)のいずれかに記載の化合物。
(12)
(8)~(11)のいずれかに記載の式Iの化合物からなる、二本鎖形成検出剤。
(13)
二本鎖形成の前後の比較において核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じさせる、(12)に記載の二本鎖形成検出剤。
(21)
次の式Iによって表される化合物:
を製造する方法であって、
次の式IIの化合物:
へ、次の式IIIの化合物:
を、有機溶媒と酸触媒の存在下でペヒマン縮合反応させて、次の式IVの化合物:
Rは、式IのRとして記載された基であり、
R1及びR2は、それぞれ独立して、式IのR1及びR2として記載された基である)
を得る工程、を含む製造方法。
本発明の方法によれば、
次の式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシド:
式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸と、該修飾核酸と二本鎖形成可能な核酸との間に、二本鎖を形成させて、二本鎖形成の前後の比較において核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じさせることができる。
式Iのフッ素含有人工ヌクレオシドにおいて、R基は、
フッ素原子;
1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基;
又は、
1個以上の水素原子が、フッ素原子、又は1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基、で置換された、単環式、二環式又は三環式のフルオロアリール基とすることができる。
-CnH2n+1-mFm
(ただし、nは1以上4以下の整数、mは1以上の整数、2n+1-mは0以上の整数である)
で表される基である。
式Iのフッ素含有人工ヌクレオシドにおいて、X基は、酸素原子又は硫黄原子とすることができ、好ましくは酸素原子とすることができる。
式Iのフッ素含有人工ヌクレオシドにおいて、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、-OH基、アミノ基、ニトロ基、メチル基、フッ化メチル基、エチル基、フッ化エチル基、及びC1~C3のアルキルスルファニル基からなる群から選択された基である。
好適な実施の態様において、式Iのフッ素含有人工ヌクレオシドは、次の式I’で表されるフッ素含有人工ヌクレオシドとすることができる:
好適な実施の態様において、式Iのフッ素含有人工ヌクレオシド中のY基は、水素原子、糖(糖は、リボース、及びデオキシリボースを含む)、又はアルカノールアミンとすることができる。
R11は、水素原子又は水酸基であり、
R12は、水酸基であり、
R13は、水酸基である。
R21は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、
Q1は、水素原子であり、
Q2は、水素原子である。
次の式:
次の式:
式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸と、該修飾核酸と二本鎖形成可能な核酸との間に、二本鎖を形成させると、この構造変化が核磁気共鳴法により測定される19Fケミカルシフトの変化が現れる。二本鎖形成可能な核酸としては、例えば、式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸に対して、相補的な塩基配列を有する核酸をあげることができるが、二本鎖形成可能であれば完全に相補的な塩基配列であることを要しない。式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドと二本鎖形成可能な核酸の配列中において、式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドに対して相補的な位置に配置される塩基は、特に制約はなく、任意の塩基を配置することができる。好適な実施の態様において、二本鎖形成可能な核酸として、式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドに対して相補的な位置に配置される塩基以外の全ての塩基が、式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸に対して、相補的な塩基配列を有する核酸をあげることができる。
生じた19Fケミカルシフトの変化は、核磁気共鳴法によって検出することができる。このために使用可能な手段、条件、装置等としては、公知の手段、条件、装置等を使用することができる。本発明によって生じる19Fケミカルシフトの変化は、従来技術による各種プローブでの19Fケミカルシフトの変化よりも、大きなものであるために、本発明は、高感度の19Fケミカルシフトイメージングを可能にするものとなっている。例えば、カリウムイオンを中心としてGuanine Quadruplex(グアニン四重鎖構造)として知られるDNAの高次構造をとらせることによって、DNAに結合させた19Fのケミカルシフトの変化を研究した報告があるが、従来のプローブによれば、この場合のΔppmは、0.15ppmとされており、本発明の19Fケミカルシフトの変化はこの77倍以上にあたる。本願の19Fケミカルシフトの変化は、例えば、2.0ppm以上、3.0ppm以上、4.0ppm以上、5.0ppm以上、6.0ppm以上、7.0ppm以上、8.0ppm以上であり、例えば、50ppm以下、40ppm以下、30ppm以下、20ppm以下、15ppm以下である。
上記二本鎖形成は、可逆的なものであり、この可逆的な二本鎖形成に伴って、19Fケミカルシフトもまた、可逆的に変化する。したがって、19Fケミカルシフトの変化による二本鎖形成の検出は、その可逆性を利用して、同じプローブ分子(二本鎖形成検出剤)によって、繰り返し行うことができる。
式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドは、その塩基アナログ部分として、ピラノカルバゾール構造を備える。このピラノカルバゾール構造が、光反応によって架橋を形成することができる。好適な実施の態様において、形成された二本鎖に光照射すると、修飾核酸と、これと二本鎖形成した核酸との間に、光架橋を形成することができ、形成された二本鎖の鎖間を光架橋(光クロスリンク)による共有結合によって固定することができる。これによって、19Fケミカルシフトの検出をより確実にすることができる。この光架橋の形成は、可逆的であるから、その可逆性を利用して、同じプローブ分子(二本鎖形成検出剤)によって、繰り返し行うことができる。
ピラノカルバゾール構造が光架橋を形成可能である相手方の塩基は、ピリミジン環を有する塩基である。一方で、ピラノカルバゾール構造は、プリン環を有する塩基とは光架橋を形成しない。すなわち、式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドのピラノカルバゾール構造は、天然の核酸塩基としては、シトシン、ウラシル、及びチミンに対して光架橋を形成し、一方で、グアニン及びアデニンに対しては光架橋を形成しないという、特異性を有している。
好適な実施の態様において、光架橋のために照射される光の波長は、例えば350~600nmの範囲、好ましくは400~600nmの範囲、さらに好ましくは400~550nmの範囲、さらに好ましくは400~500nmの範囲、さらに好ましくは400~450nmの範囲とすることができる。好適な実施の態様において、これらの範囲の波長にある単波長のレーザー光を使用することができる。このように可視光域の波長の光照射によって、光架橋を形成することができる。従来の光反応性架橋剤では、これらの範囲よりも短波長の光照射を必要としていた。従来の光反応性架橋剤よりも長波長の光照射によって光架橋を形成できることから、光照射による核酸や細胞への悪影響を最小限とすることができる点で、有利である。
好適な実施の態様において、光架橋反応を進行させるためには、一般に0~50℃、好ましくは0~40℃、さらに好ましくは0~30℃、さらに好ましくは0~20℃、さらに好ましくは0~10℃、さらに好ましくは0~5℃の範囲の温度で光照射を行う。
好適な実施の態様において、光架橋は、極めて迅速に進行する。例えば、光反応性の化合物として知られるソラレンであれば数時間を要する(350nm光照射)ような場合に、それよりもはるかに長波長の光照射によって、例えばわずか100秒間~1500秒間(400nm光照射)で光反応が進行して光架橋する。
好適な実施の態様において、光架橋は、光反応を利用しているために、pH、塩濃度などに特段の制約がなく、核酸類等の生体高分子が安定に存在可能なpH、塩濃度とした溶液中で、光照射によって行うことができる。
本発明は、次の式Iで表される新規な化合物にもある:
式Iの化合物中のR基として、式Iのフッ素含有人工ヌクレオシド中のR基を使用することができる。
式Iの化合物中のX基として、式Iのフッ素含有人工ヌクレオシド中のX基を使用することができる。
式Iの化合物中のR1及びR2として、式Iのフッ素含有人工ヌクレオシド中のR1及びR2を使用することができる。
好適な実施の態様において、式Iの化合物は、次の式I’で表される化合物とすることができる:
好適な実施の態様において、式Iの化合物中のY基は、水素原子、糖(糖は、リボース、及びデオキシリボースを含む)、多糖類(多糖類は、核酸のポリリボース鎖、及びポリデオキシリボース鎖を含む)、ポリエーテル、ポリオール、アルカノールアミン、アミノ酸、ポリペプチド鎖(ポリペプチド鎖は、ペプチド核酸のポリペプチド鎖を含む)、又は水溶性合成高分子とすることができる。
好適な実施の態様において、式Iの化合物中のY基は、次の式Yaで表される基とすることができる。この場合に、式Iの化合物は、次の式Vで表される化合物となる:
R11は、水素原子又は水酸基であり、
R12は、-O-Q1基であり、
R13は、-O-Q2基である。
水素原子;
Q1に結合するOと一体となって形成されるリン酸基;
Q1に結合するOと一体となって形成されるリン酸基によって形成されるリン酸ジエステル結合を介して連結されるヌクレオチド、核酸又はペプチド核酸; 及び
以下から選択される保護基:
トリチル基、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基、トリメトキシトリチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、アセチル基、ベンゾイル基;
からなる群から選択される基とすることができる。
水素原子;
Q2に結合するOと一体となって形成されるリン酸基;
Q2に結合するOと一体となって形成されるリン酸基によって形成されるリン酸ジエステル結合を介して連結されるヌクレオチド、核酸又はペプチド核酸; 及び
以下から選択される保護基:
2-シアノエチル-N,N-ジアルキル(C1~C4)ホスホロアミダイト基、メチルホスホンアミダイト基、エチルホスホンアミダイト基、オキサザホスホリジン基、チオホスファイト基、-PH(=O)OHのTEA塩、-PH(=O)OHのDBU塩、-PH(=S)OHのTEA塩、-PH(=S)OHのDBU塩;
からなる群から選択される基とすることができる。
上記ジアルキル基となるR基とR’基は、それぞれC1~C4のアルキル基とすることができる。このような2-シアノエチル-N,N-ジアルキル(C1~C4)ホスホロアミダイト基として、例えば、2-シアノエチル-N,N-ジメチルホスホロアミダイト基、2-シアノエチル-N,N-ジエチルホスホロアミダイト基、2-シアノエチル-N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト基をあげることができる。
上記の構造において、水素原子がC1~C4のアルキル基によって置換された置換体も含む。
上記の構造において、水素原子がC1~C4のアルキル基によって置換された置換体も含む。
好適な実施の態様において、式Iの化合物中のY基は、次の式Ybで表される基とすることができる。この場合に、式Iの化合物は、次の式VIで表される化合物となる:
R21は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、
Q1は、上記の式Iの化合物中の式YaのQ1として記載された基であり、
Q2は、上記の式Iの化合物中の式YaのQ2として記載された基である。
好適な実施の態様において、式Iの化合物中のY基は、次の式Ycで表される基とすることができる。この場合に、式Iの化合物は、次の式VIIで表される化合物となる:
R31は、アミノ基の保護基、水素原子、又は、R31に結合するNHと一体となって形成されたペプチド結合によって結合されたポリペプチドを表し、
R32は、水酸基、又は、R32に結合するCOと一体となって形成されたペプチド結合によって結合されたポリペプチドを表し、
Lは、リンカー部、又は単結合である。
本発明は、上述した二本鎖形成の前後の比較において核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じさせる方法を含み、核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じた二本鎖核酸を製造する方法を含み、二本鎖形成を19Fケミカルシフトの変化によって検出する方法を含み、光架橋形成によって二本鎖を安定化して19Fケミカルシフトの変化によって検出する方法を含み、これらの方法に使用される二本鎖形成検出剤を含み、二本鎖形成検出プローブを含み、19F-NMR測定用二本鎖形成検出剤を含み、光架橋性19F-NMR測定用二本鎖形成検出剤を含み、これらを製造するために使用される合成中間体、修飾核酸製造用試薬を含む。
好適な実施の態様において、式Iの化合物は、リン酸ジエステル結合を介して核酸中に導入して、二本鎖形成検出剤として使用可能な修飾核酸を製造するために使用できる。すなわち、式Iの化合物は、修飾核酸製造用試薬とすることができる。修飾核酸製造用試薬とするためには、公知の核酸合成手段によって使用可能な試薬の形態とすればよく、例えばホスホロアミダイト法、及びH-ホスホネート法によって使用可能な修飾核酸合成用試薬(修飾核酸合成用モノマー)とすることができる。
式Iの化合物の製造は、次の式IIの化合物:
へ、次の式IIIの化合物:
を、有機溶媒と酸触媒の存在下でペヒマン縮合反応させて、次の式IVの化合物:
R基は、式Iの化合物のR基として記載された基であり、
R1及びR2は、それぞれ独立して、式Iの化合物のR1及びR2として記載された基である)
を得る工程、を含む方法によって、製造することができる。
好適な実施の態様において、式IIの化合物へ、式IIIの化合物を、ペヒマン縮合反応させて、式IVの化合物が合成される。ペヒマン縮合反応によって、環が形成されて、3環構造から4環構造となっている。好適な実施の態様において、ペヒマン縮合反応は、有機溶媒と酸触媒の存在下で、加熱して行われる。有機溶媒としては、好ましくはC1~C3のアルコール、さらに好ましくはエタノールが使用できる。酸触媒としては、好ましくは硫酸触媒が使用される。加熱の温度としては、例えば70℃以上、好ましくは80℃以上、さらに好ましくは85℃以上の温度へと加熱される。このペヒマン縮合反応によって、式IVの化合物を、極めて高い収率で、極めて短時間で合成することができ、これによって式Iの化合物を飛躍的に効率よく合成することができるものとなっている。
図1は、ヌクレオシドアナログ(TFPK)の合成のための合成経路(スキーム1)を示す。このスキーム1の合成経路に沿って、光応答性人工ヌクレオシドアナログ分子(ヌクレオシドアナログ、あるいは光反応性素子又は光架橋素子ということがある)(TFPK)を合成し、さらに修飾核酸合成モノマーを合成し、これを導入した修飾DNAを合成した。各工程の詳細は後述して説明する。
(f) Ethyl 4,4,4-Trifluoroacetoacetate,H2SO4,EtOH,90℃,24h,
(g) KOH,TDA-1,Chlorosugar,CH3CN,r.t.,8h
(h) NaOCH3,CH3OH,CHCl3,r.t.,10h.
(i) DMTrCl,DMAP,Pyridine,r.t.,24h.
(j) (iPr2N)2PO(CH2)2CN,tetrazole,CH3CN,r.t.,4h.
ナスフラスコに化合物1(1.00g,5.46mmol)、Ethyl 4,4,4-Trifluoroacetoacetate(878μL,6.01mmol)、EtOH(4mL)を入れ、氷上で攪拌した。そこに、conc.H2SO4(4mL)を滴下した。その後、90℃で24時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)で原料の消失を確認した。冷水を攪拌し、そこに反応溶液を滴下し沈殿物を生成させた。沈殿物を濾過し残渣を得たところでアセトンに溶解しクロロホルムを加え、再結晶を行った。再結晶で得られた化合物を濾過しクロロホルムで洗浄後、乾燥させ化合物7(163mg,0.541mmol,10%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 11.83(s, 1H), 8.43(s, 1H), 8.32(d, 1H, J = 7.72 Hz), 7.56-7.53 (m, 2H), 7.48(t, 1H, J = 7.54 Hz), 7.26(t, 1H, J = 7.42 Hz) SALDI-MS : Calc’d for C16H9F3NO2 [M + H]+ = 304.0580, Found 304.0584.
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 11.64(s, 1H), 8.53(s, 1H), 8.25(d, 1H, J = 7.68 Hz), 7.53 (d, 1H, 8.00 Hz), 7.44(t, 1H, J = 7.56 Hz), 7.40(s, 1H), 7.24(t, 1H, J = 7.36 Hz), 6.26(s, 1H), 2.59(s, 3H) SALDI-MS : Calc’d for C16H11NNaO2 [M + Na]+ = 272.0681, Found 272.0682.
化合物7(163mg,0.541mmol)、KOH(117mg,4.87mmol)を加えN2置換した。CH3CN(25mL)、TDA-1(125μL)を加え攪拌した。30分後、Chlorosugar(525mg,1.35mmol)を添加し、室温で8時間攪拌した。TLC(CHCl3)で確認し反応停止させた。吸引濾過で沈殿物を除き、濾液をエバポレーターによって溶媒を除去した。カラムクロマトグラフィー(CHCl3)によって精製し、黄色粘性液体(333mg,0.509mmol,yield 94%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 8.49 (s, 1H), 8.40(d, 1H, 7.72 Hz), 8.05(s, 1H), 8.02(d, 1H, 4.24 Hz), 7.96(d, 2H, J = 8.16 Hz), 7.92-7.89(m, 1H), 7.88-7.84(m, 1H), 7.79(dd, 2H, 5.28 Hz), 7.28(d, 1H, 8.00 Hz), 7.36(d, 3H, 8.12 Hz), 7.23(d, 1H, 8.16 Hz), 7.26-7.21(m, 1H), 6.95(s, 1H), 5.86-5.82(m, 1H), 4.81-4.78(m, 1H), 4.59-4.56(m, 1H), 4.50-4.43(m, 1H), 3.14-3.06(m, 1H), 2.39(s, 6H) SALDI-MS : Calc’d for C37H28F3NNaO7 [M + Na]+ = 678.1710, Found 678.179.
化合物8(333g,0.509mmol)が入ったナスフラスコにMeOH(40mL)、CHCl3(30mL)を加えNaOMe(1.00g)添加し6時間室温で攪拌した。その後、エバポレーターによって溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=9:1)で精製した。精製後、乾燥し化合物9(278mg,0.663mmol,yield~100%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 8.47 (s, 1H), 8.40(d, 1H, 7.60 Hz), 8.08(s, 1H), 7.85(d, 1H, 8.32 Hz), 7.52(t, 1H, J = 7.70 Hz), 7.33(t, 1H, J = 7.36 Hz), 6.93(s, 1H), 6.73(dd, 1H, J = 7.46 Hz), 5.43(d, 1H, 4.48 Hz), 5.20(t, 1H, 5.02 Hz), 4.53-4.50(m, 1H), 3.91(dd, 1H, J = 5.38 Hz), 3.78(dd, 1H, J = 6.88 Hz), 3.74(s, 1H), 2.65-2.58(m, 1H), 1.06(t, 1H, J = 6.98 Hz) SALDI-MS : Calc’d for C21H16F3NNaO5 [M + Na]+ = 442..0873, Found 442.0878.
ナスフラスコに化合物9(278mg,0.663mmol)、DMAP(10.0mg,0.0663mmol)を加えN2置換後、Dry Pyridine(8ml)を氷浴上で加えた。DMTrCl(270mg,0.796mmol)を入れた。その後、室温で24時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)で原料の消失を確認後、反応溶液をエバポレーターで濃縮した。Tolueneで数回共沸させた。その後、カラムクロマトグラフィー(CHCl3:MeOH=19:1)により精製し白色粉末(178mg,0.247mmol,yield 37%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 8.50 (s, 1H), 8.41(d, 1H, 7.32 Hz), 8.32(s, 1H), 7.86(d, 1H, 87.92 Hz), 7.81(s, 1H), 7.41(t, 2H, J = 9.48 Hz), 7.34-7.20(m, 10H), 6.95(s, 1H), 6.92(d, 2H, J = 8.80 Hz), 6.83(t, 3H, 8.88 Hz), 5.50(t, 1H, 4.80 Hz), 4.56-4.52(m, 1H), 4.03(dd, 1H, J = 8.10 Hz), 3.74(s, 6H), 2.75-2.68(m, 1H), 2.28-2.21(m, 1H) SALDI-MS : Calc’d for C42H34F3NNaO7 [M + Na]+ = 744.218, Found 744.2191.
ナスフラスコ中の化合物10(50.0mg,0.0693mmol)にCH2Cl2(1.50mL)をN2下で加えた。その後、0.25M Tetrazole(278μL,0.0762mmol)、(iPr2N)2PO(CH2)2CN(43.9μL,0.134mmol)を滴下し室温1時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)で反応を確認し、攪拌を停止させた。反応溶液を分析漏斗に移し、NaClaqで数回洗浄した。そしてNa2SO4で有機層を乾燥させ、エバポレーターによって溶媒を除去し化合物11(21mg,0.0232mmol,33.5%)を得た。
オリゴ合成機を用いて次の配列(5’-TGCAXCCGT-3’,X=TFPK)を合成した。反応終了後、28%アンモニア水(1mL)を用いて、30min切り出しを行い(2回)、その後65℃で4h脱保護を行った。その後、スピードバックで溶媒を留去し、精製水100μLに溶かし、HPLCによって精製を行った。その後MALDI-TOF-MSによる解析を行い目的物の同定を行った。図2にTFPKを含むオリゴ核酸のMSスペクトルを示す。
Calc’d for [M + H]+ = 2866.500, Found 2866.252.
[光架橋反応]
100μM ODN1(5’-TGCAXCCGT-3’,X=TFPK)、100μM ODN2(5’-ACGGGTGCA-3’)、50μM deoxyuridine、100mM NaClを含む50mMカコジル酸buffer(pH7.4)をアニーリングし、4℃で静置した。その後、UV-LED(OmniCure,LX405-S)を用いて400nmの光照射を4℃で1200sec行った。
架橋サンプル50μLをHPLCで解析した。解析には50mMギ酸アンモニウムとアセトニトリルを用い、分析開始時ギ酸アンモニウム98%、30分時点でギ酸アンモニウム70%、アセトニトリル30%になるように直線的に溶媒比率を変化させた。流速1.0mL/min、カラム温度60℃、検出波長は260nmで分析を行った。この結果を図3A及び図3Bに示す。図3Aは光照射前(光照射時間0sec)におけるHPLCクロマトグラムである。図3Bは光照射後(光照射時間1200sec)におけるHPLCクロマトグラムである。図4に、光架橋産物のMSスペクトルを示す。
Calc’d for [M + H]+ = 5629.008, Found = 5633.398
TFPKを含むオリゴ核酸が、一本鎖状態から二本鎖状態へと変化した場合の19F-NMRシグナルの変化を検討するために、19F-NMR測定を行った。
48.4μMTFPK-ODN(5’-TGCATFPKCCGT-3’)を含む10mMTris-HCl溶液を調整し(10%D2O)、NMR測定を行った。その際に一本鎖状態であるTFPK由来の19F MRシグナルが-63.7ppmに検出された。一方、TFPK-ODNとその相補鎖(5’-ACGGGTGCA-3’)を混合し、二本鎖を形成させた際には-75.3ppmにシグナルが検出された。
この結果より、TFPK-ODNが一本鎖状態と二本鎖状態で19F MRシグナルが11.6ppmという、これまで報告されている例よりも圧倒的に大きな変化を示すことが明らかとなった。また、400nmの光照射を1200秒行い、光架橋反応させた際にも-75.3ppm付近に確認された。
図5に、DNA鎖状態の変化に伴うTFPK由来の19F-MRシグナルの変化を示す。
上記の19F-NMR測定(1)の結果から確認された-63.7ppmから-75.3ppmへの大きな変化が、一本鎖から二本鎖への変化によるものかどうかをさらに検証するために、TFPK-ODNに対し、相補鎖の等量比を変化させた際の19F-NMR測定を行った。
TFPK-ODNを932μM含む10mM Tris-HCl溶液を調整し(10%D2O)、NMR測定を行った。一本鎖状態由来の-63.7ppmにシグナルが確認された。
次に相補鎖の等量比を0.25、0.5、1と変化させた際に、-75.3ppmにシグナルが確認でき、相補鎖の等量比が上がるに従い、-63.7ppmのシグナル強度が減少し、-75.3ppmのシグナルが増加していった。二本鎖を形成しているDNAの割合が増加するに従い、-75.3ppmのシグナル強度が増加していることから、二本鎖形成により、19F-NMRシグナルが変化していることが確認された。また、TFPK-ODNに対して相補鎖が0.5等量のサンプルでは、一本鎖と二本鎖の形成の割合はおおよそ等しいにも関わらず、19F-MRシグナルの強度は-75.3ppmの方が、強く検出された。この結果より、一本鎖状態と二本鎖状態での検出感度が大きく異なり、二本鎖形成時により強く19F-NMRシグナルが検出されることがわかった。
図6に、DNA等量比を変化させた際の19F-NMR測定結果を示す。
温度を変化させた際のDNA状態の変化を19F-NMR測定により調べた。
50μM dsODN(TTPK-ODNと相補鎖)を含む10mM Tris-HCl溶液を調整し(10%D2O)、NMR測定を行った。25℃条件下ではDNAは二本鎖を形成しており、-75.3ppmに強いピークが確認された。一方、80℃に加熱した際にはDNAが解離しており、-63.1ppmのピーク強度が増加していることが確認された。-75.3ppmと-63.1ppmのピークの面積比と比較したところ、25℃条件下では、48:1だったのに対し、25℃では16:1と変化しており、加熱に伴うDNAの解離により-63.1ppmのピークが増加していることが確認された。
図7に、加熱によるDNA二本鎖状態変化時の19F-NMR測定結果を示す。
図8は、ヌクレオシドアナログ(TFPD)の合成のための合成経路(スキーム2)を示す。このスキーム1の合成経路に沿って、光応答性人工ヌクレオシドアナログ分子(ヌクレオシドアナログ、あるいは光反応性素子又は光架橋素子ということがある)(TFPD)を合成し、さらに修飾核酸合成モノマーを合成し、これを導入した修飾DNAを合成した。各工程の詳細は後述して説明する。
(p) Ethyl 4,4,4-Trifluoroacetoacetate,H2SO4,EtOH,90℃,24h.
(q) NaH,NaI,Ethyl bromoacetate,DMF,r.t.,8h
(r) [1].NaOH,THF/MeOH/H2O,r.t.,5h.
[2].D-Threoninol,EDCI,HOBt,DMF,r.t.,24h.
(x) DMTrCl,DMAP,Pyridine,r.t.,24h.
(y) (iPr2N)2PO(CH2)2CN,tetrazole,CH3CN,r.t.,4h.
氷上に置いたナスフラスコに化合物7(300mg,0.99mmol)、NaI(442mg,2.00mmol)、NaH(122mg,2.00mmol)を入れ、真空後N2置換した。そこに、DMFを10mLをゆっくり滴下し加えた。20分の攪拌後、Ethyl bromoacetate(266μL,2.40mmol)を加え、室温8時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)で原料の消失を確認した。MeOHを少量加え反応を停止させた後、エバポレーターで溶媒を除去した。溶媒を除去後、AcOEtを入れ、分液を行なった。有機層をNa2SO4によって脱水後、エバポレーターによって溶媒を除去した。除去後、カラムクロマトグラフィー(CHCl3)によって精製を行なった。分取した化合物を乾燥させ化合物16(126mg,0.323mmol,32%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 8.51(s, 1H), 8.40(d, 1H, 7.68 Hz), 7.84(s, 1H), 7.55 (d, 1H, 7.24 Hz), 7.34(t, 1H, J = 7.78 Hz), 6.91(s, 1H), 5.47(s, 2H), 4.17-4.14(m, 2H), 2.58(s, 3H) ESI-FT-ICR MS : Calc’d for C20H15F3NO4 [M + H]+ = 390.0948, Found 390.0944.
ナスフラスコに化合物16(126mg,0.323mmol)、THF(9mL)/MeOH(6mL)/H2O(3mL)混合溶媒を加えた。そこに、NaOH(38.0mg,0.969mmol)加え、室温5時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)で原料の消失を確認した。0.1Mに調整したHClaqを反応溶液中に加えpH2になるようにした。AcOEtを入れ、分液を行なった。有機層をNa2SO4によって脱水後、エバポレーターによって溶媒を除去し真空乾燥した。真空乾燥後の化合物(106mg)にDMF(10mL)、D-Threoninol(61.6mg,0.586mmol)、HOBt(79.2mg,0.586mmol)を加えN2下で室温20分攪拌した。その後、EDCI(112mg,0.586mmol)を加え室温24時間攪拌した。TLC(CHCl3:MeOH=9:1)で原料の消失を確認した。MeOHを少量加え反応を停止させた後、エバポレーターで溶媒を除去した。溶媒を除去後、AcOEtを入れ、分液を行なった。有機層をNa2SO4によって脱水後、エバポレーターによって溶媒を除去した。真空乾燥させ、化合物17(82mg,0.183mmol,57%)を得た。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 8.48(s, 1H), 8.39(d, 1H, 7.72 Hz), 8.03(d, 1H, 8.88 Hz), 7.77 (s, 1H), 7.61(d, 1H, J = 8.16 Hz), 7.53(t, 1H, J = 7.30 Hz) 7.30(t, 1H, 7.42 Hz), 6.89(s, 1H), 5.21(d, 2H, 3.92 Hz), 4.73(d, 1H, 4.60 Hz), 4.65(t, 1H, 5.48 Hz), 3.93-3.40(m, 1H), 3.66-3.62(m, 1H), 3.54-3.49(m, 1H), 3.42-3.38(m, 1H), 1.03(d, 3H, 6.40 Hz) SALDI-FT-ICR MS : Calc’d for C22H19F3N2NaO5 [M + H]+ = 471.1138, Found 471.1135.
TFPDを含む修飾核酸を合成して、TFPDを含む修飾核酸と同様に予備的な実験を行って19F-NMR測定したところ、二本鎖形成によるケミカルシフトが確認された。
Claims (12)
- 次の式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシド:
R基は、
フッ素原子;
1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基;
又は、
1個以上の水素原子が、フッ素原子、又は1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基、で置換された、単環式、二環式又は三環式のフルオロアリール基であり、
Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、-OH基、アミノ基、ニトロ基、メチル基、フッ化メチル基、エチル基、フッ化エチル基、及びC1~C3のアルキルスルファニル基からなる群から選択された基であり、
Yは、水素原子、糖(糖は、リボース、及びデオキシリボースを含む)、又はアルカノールアミンである)
を使用することによって、
式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸と、該修飾核酸と二本鎖形成可能な核酸との間に、二本鎖を形成させて、二本鎖形成の前後の比較において核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じさせる方法。 - 形成された二本鎖へ光照射して、修飾核酸中の式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドと、二本鎖形成した核酸中の光架橋可能な塩基とを光架橋させて、19Fケミカルシフトの変化を固定化する、請求項1に記載の方法。
- 式IにおけるY基が、次の式Ya又は式Ybで表される基である、請求項1~2のいずれかに記載の方法:
Ya:
R11は、水素原子又は水酸基であり、
R12は、水酸基であり、
R13は、水酸基である); 又は、
Yb:
R21は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、
Q1は、水素原子であり、
Q2は、水素原子である)。 - C1~C4のフルオロアルキル基が、
-CnH2n+1-mFm
(ただし、nは1以上4以下の整数、mは1以上の整数、2n+1-mは0以上の整数である)
である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。 - C1~C4のフルオロアルキル基が、
-CF3、-CH2-CF3、又は-C(CF3)3である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。 - 請求項1~5のいずれかに記載の方法によって、核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じた、二本鎖核酸を製造する方法。
- 請求項1~5のいずれかに記載の方法によって生じた19Fケミカルシフトの変化を核磁気共鳴法によって検出することによって、式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸と、該修飾核酸と二本鎖形成可能な核酸との間の二本鎖形成を、検出する方法。
- 次の式Iの化合物:
R基は、
フッ素原子;
1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基;
又は、
1個以上の水素原子が、フッ素原子、又は1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたC1~C4のフルオロアルキル基、で置換された、単環式、二環式又は三環式のフルオロアリール基であり、
Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、-OH基、アミノ基、ニトロ基、メチル基、フッ化メチル基、エチル基、フッ化エチル基、及びC1~C3のアルキルスルファニル基からなる群から選択された基であり、
Yは、水素原子、糖(糖は、リボース、及びデオキシリボースを含む)、多糖類(多糖類は、核酸のポリリボース鎖、及びポリデオキシリボース鎖を含む)、ポリエーテル、ポリオール、アルカノールアミン、アミノ酸、ポリペプチド鎖(ポリペプチド鎖は、ペプチド核酸のポリペプチド鎖を含む)、又は水溶性合成高分子である)
からなる、二本鎖形成検出剤であって、
二本鎖形成を検出される二本鎖が、
式Iによって表されるフッ素含有人工ヌクレオシドを塩基配列中に導入した修飾核酸と、該修飾核酸と二本鎖形成可能な核酸との間において形成される二本鎖である、二本鎖形成検出剤。 - 二本鎖形成の前後の比較において核磁気共鳴法によって検出可能な19Fケミカルシフトの変化を生じさせる、請求項8に記載の二本鎖形成検出剤。
- 式IにおけるY基が、以下の(i)~(iv)に示される原子及び基からなる群から選択された基である、請求項8~9のいずれかに記載の二本鎖形成検出剤:
(i)水素原子;
(ii)次の式Yaで表される基:
R11は、水素原子又は水酸基であり、
R12は、-O-Q1基であり、
R13は、-O-Q2基であり、
Q1は、
水素原子;
Q1に結合するOと一体となって形成されるリン酸基;
Q1に結合するOと一体となって形成されるリン酸基によって形成されるリン酸ジエステル結合を介して連結されるヌクレオチド、核酸又はペプチド核酸; 及び
以下から選択される保護基:
トリチル基、モノメトキシトリチル基、ジメトキシトリチル基、トリメトキシトリチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基、アセチル基、ベンゾイル基;
からなる群から選択される基であり、
Q2は、
水素原子;
Q2に結合するOと一体となって形成されるリン酸基;
Q2に結合するOと一体となって形成されるリン酸基によって形成されるリン酸ジエステル結合を介して連結されるヌクレオチド、核酸又はペプチド核酸; 及び
以下から選択される保護基:
2-シアノエチル-N,N-ジアルキル(C1~C4)ホスホロアミダイト基、メチルホスホンアミダイト基、エチルホスホンアミダイト基、オキサザホスホリジン基、チオホスファイト基、-PH(=O)OHのTEA塩、-PH(=O)OHのDBU塩、-PH(=S)OHのTEA塩、-PH(=S)OHのDBU塩;
からなる群から選択される基である);
(iii)次の式Ybで表される基:
R21は、水素原子、メチル基、又はエチル基を表し、
Q1は、式YaのQ1として記載された基であり、
Q2は、式YaのQ2として記載された基である); 及び
(iv)次の式Ycで表される基:
R31は、アミノ基の保護基、水素原子、又は、R31に結合するNHと一体となって形成されたペプチド結合によって結合されたポリペプチドを表し、
R32は、水酸基、又は、R32に結合するCOと一体となって形成されたペプチド結合によって結合されたポリペプチドを表し、
Lは、リンカー部、又は単結合である)。 - C1~C4のフルオロアルキル基が、
-CnH2n+1-mFm
(ただし、nは1以上4以下の整数、mは1以上の整数、2n+1-mは0以上の整数である)
である、請求項8~10のいずれかに記載の二本鎖形成検出剤。 - C1~C4のフルオロアルキル基が、
-CF3、-CH2-CF3、又は-C(CF3)3である、請求項8~10のいずれかに記載の二本鎖形成検出剤。
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