JP7344403B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本開示は、主走査方向に移動するキャリッジに搭載されたインクヘッドを備えたインクジェット記録装置に関する。
インクジェット式プリンター等のインクジェット記録装置は、画像形成用のインクを記録媒体に向けて吐出するインクヘッドを備える。例えば、記録媒体が織物や編物等の繊維シートやプラスチックシートである場合、インクを記録媒体へ向けて吐出させる前・後に、当該記録媒体に対して前処理液・後処理液の施与が必要となる場合がある(例えば特許文献1)。前処理液は、例えば記録媒体へのインクの定着性やインク顔料の凝集性を向上させるための処理液である。後処理液は、例えば印刷された画像の堅牢性を高める処理液である。この場合、インクジェット記録装置には、インクヘッドに加えて、前処理液及び後処理液を吐出する処理ヘッドが備えられる。
記録媒体が広幅のものである場合、上記のインクヘッド及び各処理ヘッドは、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載される。記録処理に際しては、記録媒体は所定の搬送方向(副走査方向)に間欠送りされ、当該記録媒体の停止中にキャリッジが主走査方向に往復移動される。キャリッジの移動時、インクヘッド及び各処理ヘッドから各々インク及び処理液が吐出される。
特開2019-147307号公報
本開示の一の局面に係るインクジェット記録装置は、搬送部と、キャリッジと、一または複数のインクヘッド列と、処理ヘッドとを備える。前記搬送部は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する。前記キャリッジは、前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動する。前記一または複数のインクヘッド列は、前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載される。前記処理ヘッドは、前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する。前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含む。前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを備える。前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドが式1の関係を満たすように配置されている。|(B1-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式1)
また、本開示の他の局面に係るインクジェット記録装置は、搬送部と、キャリッジと、一または複数のインクヘッド列と、処理ヘッドとを備える。前記搬送部は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する。前記キャリッジは、前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動する。前記一または複数のインクヘッド列は、前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載される。前記処理ヘッドは、前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する。前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含む。前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドを備える。前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記後処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB2とした場合、前記後処理ヘッドが式2の関係を満たすように配置されている。|(B2-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式2)
図1は、本開示の一実施形態に係るインクジェット式プリンターの全体構成を示す斜視図である。 図2は、図1のII-II線の模式的な断面図である。 図3は、図1に示すキャリッジの拡大斜視図である。 図4は、本実施形態で採用されているシリアル印刷方式を示す模式図である。 図5Aは、キャリッジの往路及び復路での印刷状況を示す模式図である。 図5Bは、キャリッジの往路及び復路での印刷状況を示す模式図である。 図6は、図3に示すキャリッジにおけるインクヘッド及び処理ヘッドの配置を示す、実施例1に係るヘッド配置を概略的に示す平面図である。 図7は、記録媒体上の点Pにおける前処理液、インクおよび後処理液の着弾時間を説明するための模式図である。 図8は、実施例2に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図9は、実施例3に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図10は、実施例4に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図11は、実施例5に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図12は、実施例6に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図13は、実施例7に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図14は、実施例8に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図15は、実施例9に係るヘッド配置およびサブタンク配置を示すキャリッジの平面図である。 図16は、実施例10に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図17は、実施例11に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図18は、本開示と比較される比較例1に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。 図19は、本開示と比較される比較例2に係るヘッド配置を示すキャリッジの平面図である。
以下、図面を参照しつつ、本開示の一実施形態について説明する。本実施形態では、インクジェット記録装置の具体例として、広幅で長尺の記録媒体に画像形成用のインクを吐出するインクヘッドを備えたインクジェット式プリンターを例示する。本実施形態のインクジェット式プリンターは、織物や編物等の生地からなる記録媒体に、文字類や模様等の画像をインクジェット方式で印刷するデジタル捺染印刷に好適である。もちろん、本開示に係るインクジェット記録装置は、紙シートや樹脂シート等の記録媒体に各種のインクジェット画像を印刷する用途にも用いることができる。
[インクジェット式プリンターの全体構成]
図1は、本開示の一実施形態に係るインクジェット式プリンター1の全体構成を示す斜視図、図2は、図1のII-II線の模式的な断面図である。インクジェット式プリンター1は、広幅且つ長尺のワークW(記録媒体)にインクジェット方式で画像を印刷するプリンターであって、装置フレーム10と、この装置フレーム10に組み込まれたワーク搬送部20(搬送部)及びキャリッジ3とを含む。なお、本実施形態では、左右方向がワークWに対する印刷の際の主走査方向、後方から前方に向かう方向が副走査方向(ワークWの搬送方向F)である。
装置フレーム10は、インクジェット式プリンター1の各種構成部材を搭載するための骨組みを形成している。ワーク搬送部20は、インクジェット印刷処理が行われる印刷領域においてワークWが、後方から前方に向かう搬送方向Fに進行するように、当該ワークWを間欠送りする機構である。キャリッジ3は、インクヘッド4、前処理ヘッド5、後処理ヘッド6及びサブタンク7を搭載し、前記インクジェット印刷処理の際に左右方向に往復移動する。
装置フレーム10は、中央フレーム111、右フレーム112及び左フレーム113を含む。中央フレーム111は、インクジェット式プリンター1の各種構成部材を搭載するための骨組みを形成しており、ワーク搬送部20に応じた左右幅を有している。右フレーム112及び左フレーム113は、それぞれ中央フレーム111の右隣、左隣に立設されている。右フレーム112と左フレーム113との間が、ワークWに対して印刷処理が実行される印刷エリア12である。
右フレーム112は、メンテナンスエリア13を形成する。メンテナンスエリア13は、前記印刷処理が実行されないときキャリッジ3を退避させるエリアである。メンテナンスエリア13では、インクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6のノズル(吐出孔)のクリーニング処理、パージ処理等が行われ、またキャップが被嵌される。左フレーム113は、キャリッジ3の折り返しエリア14を形成する。折り返しエリア14は、前記印刷処理において右方から左方へ印刷エリア12を主走査したキャリッジ3が、逆方向の主走査を行う際に一時的に入る領域である。
装置フレーム10の上方側には、キャリッジ3に左右方向の往復移動を行わせるためのキャリッジガイド15が組み付けられている。キャリッジガイド15は、左右方向に長い平板状の部材であり、ワーク搬送部20の上方に配置されている。キャリッジガイド15には、タイミングベルト16(移動部材)が左右方向(主走査方向)に周回移動が可能に組み付けられている。タイミングベルト16は、無端ベルトであって、図略の駆動源によって、左方向又は右方向に周回移動するよう駆動される。
キャリッジガイド15には、キャリッジ3を保持している保持部材である上下一対のガイドレール17が、左右方向に平行に延在するように装備されている。キャリッジ3は、ガイドレール17と係合している。また、キャリッジ3は、タイミングベルト16に固定されている。キャリッジ3は、タイミングベルト16の左方向又は右方向の周回移動に伴って、ガイドレール17に案内されつつ、キャリッジガイド15に沿って左方向又は右方向に移動する。
図2を主に参照して、ワーク搬送部20は、印刷前のワークWを繰り出す送り出しローラー21と、印刷後のワークWを巻き取る巻き取りローラー22とを含む。送り出しローラー21は、装置フレーム10の後方下部に配置され、印刷前のワークWの巻回体である送り出しロールWAの巻き取り軸である。巻き取りローラー22は、装置フレーム10の前方下部に配置され、印刷処理後のワークWの巻回体である巻き取りロールWBの巻き取り軸である。巻き取りローラー22には、当該巻き取りローラー22を軸回りに回転駆動し、ワークWの巻き取り動作を実行させる第1モーターM1が付設されている。
送り出しローラー21と巻き取りローラー22との間であって印刷エリア12を通る経路が、ワークWの搬送経路となる。この搬送経路には、上流側から順に第1テンションローラー23、ワークガイド24、搬送ローラー25及びピンチローラー26、折り返しローラー27、第2テンションローラー28が配置されている。第1テンションローラー23は、搬送ローラー25の上流側において、ワークWに所定の張力を付与する。ワークガイド24は、ワークWの搬送方向を上方向から前方向に変更し、ワークWを印刷エリア12へ搬入させる。
搬送ローラー25は、印刷エリア12においてワークWを間欠送りする搬送力を発生するローラーである。搬送ローラー25は、第2モーターM2により軸回りに回転駆動され、ワークWがキャリッジ3に対向する印刷エリア12(画像形成位置)を通過するように、ワークWを前方向(所定の搬送方向F)に間欠的に搬送する。ピンチローラー26は、搬送ローラー25に対して上方から対向するように配置され、搬送ローラー25と搬送ニップ部を形成している。
折り返しローラー27は、印刷エリア12を通過したワークWの搬送方向を前方向から下方向に変更し、印刷処理後のワークWを巻き取りローラー22へ導く。第2テンションローラー28は、搬送ローラー25の下流側において、ワークWに所定の張力を付与する。印刷エリア12においてワークWの搬送経路の下方には、プラテン29が配置されている。
キャリッジ3は、ガイドレール17に片持ち支持された状態で、搬送方向Fと交差(本実施形態では直交)する主走査方向(本実施形態では左右方向)に往復移動する。キャリッジ3は、キャリッジフレーム30と、このキャリッジフレーム30に搭載されるインクヘッド4、前処理ヘッド5、後処理ヘッド6及びサブタンク7とを備える。キャリッジフレーム30は、ヘッド支持フレーム31及びバックフレーム32(係合部)を含む。
ヘッド支持フレーム31は、上掲のヘッド4~6を保持する水平板である。バックフレーム32は、ヘッド支持フレーム31の後端縁から上方に延びる垂直板である。上述したように、タイミングベルト16は、バックフレーム32に固定されている。また、ガイドレール17は、バックフレーム32に係合されている。すなわち、本実施形態では、バックフレーム32がガイドレール17に片持ち状態で保持される係合部である。ヘッド支持フレーム31は、その後端側が前記係合部に片持ち支持された水平板である。
なお、片持ち状態とは、キャリッジ3において、係合部(バックフレーム32)が、搬送方向Fにおいて、キャリッジ3の中央から上流側、若しくは下流側の片側のみに存在し、係合部が存在する側の反対側には、他の係合部が存在しない状態を表す。前記係合部は、保持部材であるガイドレール17に保持されている部分である。前記係合部は、さらに、搬送方向Fにおいて、インクヘッド4及び処理ヘッドが配置されている範囲以外に配置されていてもよい。すなわち、前記係合部は、搬送方向Fにおいて、インクヘッド4及び処理ヘッドが配置されている範囲に対して、上流側のみ、若しくは下流側のみに配置されていてもよい。
[キャリッジの詳細]
キャリッジ3について、さらに説明を加える。図3は、図1に示すキャリッジ3の拡大斜視図である。図3には、ワークWの搬送方向F(副走査方向)と、キャリッジ3の移動方向である主走査方向Sとが示されている。図3では、ワークWに対して画像形成用のインクを吐出する複数のインクヘッド4と、非発色性の処理液を吐出する前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6と、これらのヘッド4~6に前記インク及び前記処理液を供給する複数のサブタンク7とが、キャリッジ3に搭載されている例を示している。
インクヘッド4の各々は、例えばピエゾ素子を用いたピエゾ方式、加熱素子を用いたサーマル方式等の吐出方式でインク滴を吐出する多数のノズル(インク吐出孔)と、このノズルにインクを導くインク通路とを備える。インクとしては、例えば、水系の溶媒、顔料及び結着樹脂を含む水系顔料インクを用いることができる。本実施形態における複数のインクヘッド4は、互いに異なる6色のインクを各々吐出する第1~第6インクヘッド4A~4Fを含む。例えば、第1インクヘッド4Aはオレンジ(第2色)、第2インクヘッド4Bはグリーン(第2色)、第3インクヘッド4Cはイエロー(第1色)、第4インクヘッド4Dはレッド(第1色)、第5インクヘッド4Eはブルー(第1色)、第6インクヘッド4Fはブラックのインク(第2色)を各々吐出する。
各色のインクヘッド4A~4Fは、主走査方向Sに並ぶように、キャリッジ3のヘッド支持フレーム31に搭載されている。各色のインクヘッド4A~4Fは、それぞれ2個のヘッドを有している。例えば第1インクヘッド4Aは、搬送方向Fの上流側に配置された上流側ヘッド4A1と、この上流側ヘッド4A1よりも下流側であって、主走査方向Sの左方側にシフトした位置に配置された下流側ヘッド4A2とで構成されている。他の色のインクヘッド4B~4Fも同様である。これらインクヘッド4B~4Fの各上流側ヘッドは、上流側ヘッド4A1と搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに一列に並び、また各下流側ヘッドは、下流側ヘッド4A2と搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに一列に並んでいる。
このように配置することで、一つの色を吐出するインクヘッド4は、主走査方向Sにおいて、まとまって配置される。具体的には、キャリッジ3に搭載されている一つの色を吐出する全てのインクヘッド4は、主走査方向Sにおける互いの中間に他の色を吐出するインクヘッド4を挟まないように配置される。更に、キャリッジ3に搭載されている一つの色を吐出する全てのインクヘッド4を、主走査方向Sの所定の範囲内に配置し、その範囲内には、他の色を吐出するインクヘッド4を配置しないようにしてもよい。
2つのインクヘッド4の間で、着弾位置や吐出量などの印刷状態に差があった場合、その差は、2つのインクヘッド4が違う色を吐出する場合よりも、同じ色を吐出する場合の方が目立つ可能性が高い。同じ色を吐出するインクヘッド4が、主走査方向Sにおいて、まとめて配置されていれば、インクヘッド4の間に印刷状態に差があっても、印刷の画像品質を低下し難くできる。
前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、それぞれ、後述の非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドの一種である。前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、搬送方向Fにおいてインクヘッド4とは異なる位置に配置されている。前処理ヘッド5は、インクヘッド4に対して搬送方向Fの上流側に配置されている。図3では、1個の前処理ヘッド5がインクヘッド4の配列体の中央付近に配置されている例を示している。同様に、後処理ヘッド6は、インクヘッド4に対して搬送方向Fの下流側に配置されている。図3では、2個の後処理ヘッド6A、6B(複数の処理ヘッド)がインクヘッド4の配列体の中央付近において、主走査方向Sに並ぶように配置されている例を示している。インクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の、キャリッジ3への各種配置パターンについては、後述の実施例1~17にて詳細に説明する。
なお、以上の説明に用いているように、インクヘッド4及び後処理ヘッド6により構成されている、主走査方向Sに沿ったヘッドの連なりをヘッドの列、或いは単に列と称する。ヘッドの列には、前処理ヘッド5が含まれることもある。また、インクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6により構成されている、搬送方向Fに沿ったヘッドの連なりを、ヘッドの行、或いは単に行と称する。
前処理ヘッド5は、処理ヘッドの一種であって、ワークWに対して所定の前処理を施すための前処理液を吐出する。前処理液は、インクヘッド4からワークWの、まだインクヘッド4からインクが吐出されていない位置に、前処理ヘッド5から吐出される。前処理液は、ワークWに付着しても発色しない非発色性の処理液であって、例えばワークWへのインクの定着性やインク顔料の凝集性を高める機能等を発現する処理液である。このような前処理液としては、溶媒に結着性樹脂を配合した処理液、或いは、溶媒にプラス帯電するカチオン樹脂を配合した処理液等を用いることができる。
後処理ヘッド6は、処理ヘッドの一種であって、インクが付着したワークWに対して所定の後処理を施すための後処理液を吐出する。後処理液は、ワークWの、インクヘッド4からインクが吐出された後の位置に、後処理ヘッド6から吐出される。後処理液は、同様にワークWに付着しても発色しない非発色性の処理液であって、インクヘッド4によりワークW上に印画されたインク画像の定着性や堅牢性(擦れや削れに対する耐性)を高める機能を発現する処理液である。このような後処理液としては、シリコーン系の処理液等を用いることができる。なお、後処理液と前処理液とは異なる処理液である。具体的には、後処理液と前処理液とでは、含まれる成分が異なる。
ここで、非発色性の処理液とは、記録媒体に単独で印刷した場合に、人に肉眼では発色したと認識されないものを表す。ここでの色とは、黒、白及び灰色などの彩度が0のものも含める。非発色性の処理液は、基本的には、透明な液体であるが、例えば、1リットルの処理液を液体の状態で見ると、完全に透明ではなく、わずかに白色などに見えることもある。そのような色は、非常に薄いので、記録媒体に単独で印刷した場合に、人が肉眼で発色したとは認識できない。なお、処理液の種類によっては、記録媒体に単独で印刷した場合に、記録媒体に光沢が生じるなどの変化があることもあるが、そのような状態は、発色ではない。
本実施形態では、前処理液及び後処理液は、ワークWの略全面に吐出してもよいし、前処理液及び後処理液は、インクと同様に、印刷する画像に合わせて、選択的に吐出してもよい。
続いて、前処理液及び後処理液を選択的に吐出する場合について説明する。上述したように、画像に合わせて色を印刷する部分のワークWには、前処理液、インク、後処理液の順で吐出される。この場合、インクは、一色であったり、複数の色であったりする。色を印刷しない部分、すなわち、インクが吐出されない部分には、基本的には前処理液及び後処理液も吐出されない。なお、印刷する画像の画質や、ワークWの風合いなどを調整するために、前処理液及び後処理液の吐出の選択の一部を、インクの吐出とは異ならせてもよい。
ヘッド支持フレーム31のヘッドの配置箇所には、開口31Hが設けられている。インクヘッド4A~4F、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、各々の開口31Hに嵌め込まれるように、ヘッド支持フレーム31に組み付けられている。各開口31Hからは、各ヘッド4、5、6の下端面に配置されているノズルが露出している。
サブタンク7は、図略の保持フレームを介して、ヘッド4、5、6の上方側においてキャリッジ3に支持されている。サブタンク7は、ヘッド4、5、6の各々に対応して設けられる。各サブタンク7には、図略のインク及び処理液が収容されているカートリッジ又はメインタンクから、インク又は処理液が供給される。各サブタンク7は、前記インク又は処理液をヘッド4、5、6の各々に供給する。各サブタンク7とヘッド4、5、6とは、図3では図略の管路(図24に示すP1、P2、P3)によって接続される。
以上の通り、本実施形態に係るインクジェット式プリンター1は、インクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の3種類のヘッドが、一つのキャリッジ3に搭載されたオールインワン型のプリンターである。このインクジェット式プリンター1によれば、例えばデジタル捺染印刷における、生地にインクジェット印刷を行う印捺工程において、前処理液の吐出工程及び後処理液の吐出工程を一体的に実行させることができる。従って、捺染工程の簡素化、捺染装置のコンパクト化を図ることができる。
[印刷方式]
続いて、本実施形態に係るインクジェット式プリンター1が実行する印刷方式について説明する。インクジェット式プリンター1は、シリアル印刷方式でワークWに対して印刷処理を行う。図4は、前記シリアル印刷方式を示す模式図である。図4では、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6を省いて簡略的にキャリッジ3を描いている。
ワークWが幅広のサイズを有するものである場合、当該ワークWを連続的に送りながら印刷を行うことはできない。シリアル印刷方式は、各色のインクヘッド4を搭載したキャリッジ3の主走査方向Sへの往復移動と、ワークWの搬送方向Fへの間欠送りとを繰り返す印刷方式である。ここでは、インクヘッド4が搬送方向Fに所定の印刷幅Pwを持つものとする。印刷幅Pwは、インクヘッド4のインク吐出用ノズルの配列範囲に略等しい。
なお、図4及び次で説明する図5A、図5Bでは、各ヘッドの搬送方向Fの幅と、印刷幅Pwを略等しく描いている。実際は、印刷幅Pw及び吐出用ノズルの配列範囲よりも、各ヘッドの搬送方向Fの幅の方が大きい。
図4では、キャリッジ3が主走査方向Sにおける往路方向SAに移動し、印刷幅Pwの帯状画像G1の印刷が完了している状態を示している。この往路方向SAの主走査の際、ワークWの送りは停止される。帯状画像G1の印刷後、ワークWは印刷幅Pwに相当するピッチだけ搬送方向Fに送り出される。この際、キャリッジ3は、左端側の折り返しエリア14で待機する。ワークWの送り出し後、キャリッジ3はタイミングベルト16の反転移動に伴って、復路方向SBに折り返す。ワークWは停止状態である。そして、図4に示すように、キャリッジ3は復路方向SBに移動しつつ、帯状画像G1の上流側に、印刷幅Pwを持つ帯状画像G2を印刷する。以下、同様の動作が繰り返される。
図5A及び図Bは、キャリッジ3の往路及び復路での印刷状況を示す模式図である。ここでは、キャリッジ3に搭載されるインクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6を簡略的に示している。インクヘッド4は、互いに異なる第1色、第2色、第3色、第4色のインク吐出用の第1、第2、第3、第4インクヘッド4A、4B、4C、4Dを備え、これら第1~第4インクヘッド4A~4Dが主走査方向Sに一列に並んでいる。インクヘッド4に対して搬送方向Fの上流側に前処理ヘッド5が、下流側に後処理ヘッド6が各々配置されている。また、図4で説明した場合と同様に、往路の印刷と復路の印刷との間に、ワークWは搬送方向Fに送り出される。この際の搬送方向Fの移動距離は、搬送方向Fにおいて隣接するヘッド同士の間隔ピッチ(ヘッドピッチ)である。また、この移動距離は、各ヘッド4、5、6の印刷幅でもある。
図5Aは、キャリッジ3が主走査方向Sにおける往路方向SAに移動しながら、印刷動作を行っている状態(往路主走査)を示している。ワークW上の領域A4は、キャリッジ3の最上流側に搭載されている前処理ヘッド5が対峙する領域である。今回の往路主走査では、領域A4上には、前処理ヘッド5から吐出された前処理液によって、前処理層Lpreが形成される。
領域A3は、領域A4よりも1ヘッドピッチ分だけ下流側の領域であって、インクヘッド4が対峙する領域である。領域A3上には、前回の復路主走査によって、前処理層Lpreが主走査方向の全長に亘って既に形成されている。今回の往路主走査では、領域A3の前処理層Lpre上には、第1~第4インクヘッド4A~4Dの並び順に順次吐出される第1色~第4色のインクによって、第1、第2、第3、第4インク層LCA、LCB、LCC、LCDが形成される。なお、図5Aでは、理解を容易とするために第4~第1インク層LCD~LCAが順次積層されるように図示しているのであって、実際は積層されるわけではない。なお、前述の前処理層Lpre及び後述の後処理層Lposについても、ワークW上に形成されるわけではない。
領域A2は、領域A3よりも1ヘッドピッチ分だけ下流側の領域であって、キャリッジ3の最下流側に搭載されている後処理ヘッド6が対峙する領域である。領域A2上には、前回の往路主走査による前処理層Lpreと、前回の復路主走査による第1~第4インク層LCA~LCDとが、主走査方向の全長に亘って既に形成されている。今回の往路主走査では、領域A2の第1~第4インク層LCA~LCD上に、後処理ヘッド6から吐出された後処理液によって、後処理層Lposが形成される。
領域A1は、領域A2よりも1ヘッドピッチ分だけ下流側の領域であって、キャリッジ3が通過し、印刷処理が完了した領域である。すなわち、領域A1には、前処理層Lpre、第1~第4インク層LCA~LCD及び後処理層Lposが、主走査方向の全長に亘って形成されている。
図5Bは、図5Aの往路主走査を終えたあと、キャリッジ3が折り返して復路方向SBに移動しながら、復路主走査を行っている状態を示している。前記折り返しの移動の前に、ワークWは1ヘッドピッチ分だけ搬送方向Fに送り出されている。ワークW上の領域A5は、領域A4よりも1ヘッドピッチ分だけ上流側の領域であって、今回の復路主走査では、前処理ヘッド5が対峙する領域である。領域A5上には、前処理ヘッド5から吐出された前処理液によって、前処理層Lpreが形成される。
領域A4、領域A3には、それぞれ第1~第4インク層LCA~LCD、後処理層Lposが、既存の層上に形成される。具体的には、領域A4においては、前処理層Lpre上に第1~第4インク層LCA~LCDが形成される。領域A3においては、第1~第4インク層LCA~LCDの上に後処理層Lposが形成される。領域A2は、領域A1に続いて、印刷処理が完了した領域となる。
上述のような往路主走査及び復路主走査の双方において印刷処理が可能となるのは、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6を、インクヘッド4に対して搬送方向Fにシフトして配置しているからである。仮に、キャリッジ3において、前処理ヘッド5、インクヘッド4及び後処理ヘッド6が、この順で主走査方向Sに一列に並んでいる場合、前処理液及び後処理液を望ましい着弾順となるように吐出できる印刷処理は、往路又は復路主走査の一方でしか実現できない。双方向での印刷処理を可能とするには、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6のペアを、インクヘッド4の配列体の両サイドに配置せねばならない。この場合、キャリッジ3の主走査方向Sの幅が大型化してしまう。このような配置は本実施形態では不要となるので、キャリッジ3の主走査方向Sの幅を小型化することができる。
なお、インクヘッド4の列を複数列にすれば、ワークWに着弾させるインク量を多くすることができる。例えば、インクヘッド4の列が2列ある場合、次のように印刷できる。1列目のインクヘッド4によって、上述のように第1~第4インク層LCA~LCDを形成した後、ワークWを1ヘッドピッチ分だけ搬送方向Fに搬送し、2列目のインクヘッド4によって、第1~第4インク層LCA~LCDを形成する。このようにすることで、ワークWに、各色のインクを2層分印刷することができる。
[ヘッド配置の各種態様]
以下、キャリッジ3上におけるインクヘッド4、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の各種の配置例を、実施例1~11として例示する。なお、前述の図1乃至図5A、図5Bは、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6について、これらのヘッドの基本的な機能を説明することを目的としたものであり、本実施形態に係る前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の詳細な配置については、以下の図6以降で説明する。
<実施例1>
図6は、実施例1に係るヘッド配置を概略的に示す平面図である。図6は、図3に示すキャリッジ3におけるインクヘッド4及び前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6(複数の処理ヘッド)の配置を示した図でもある。キャリッジ3は、バックフレーム32(係合部)において、ガイドレール17によって片持ち状態で支持されている。バックフレーム32は、ヘッド支持フレーム31の搬送方向Fの上流側に配置されている。搬送方向Fにおいて、ヘッド支持フレーム31の、バックフレーム32が配置されている側を基端側311とし、ヘッド支持フレーム31の、基端側311の反対側を先端側312とする。既述の通り、キャリッジ3のヘッド支持フレーム31には、互いに異なる6色のインクを各々吐出する第1~第6インクヘッド4A~4F、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6が搭載されている。各色のインクヘッド4A~4Fは、各々2個(合計12個)の単位ヘッドを備えている。前処理ヘッド5は1個であるが、後処理ヘッド6は2個備えられている。
インクヘッド4を構成する第1~第6インクヘッド4A~4Fの群は、ヘッド支持フレーム31の搬送方向Fの中央領域において主走査方向Sに並ぶように配列されている。前処理ヘッド5は、主走査方向Sにおけるキャリッジ3の略中央部において、インクヘッド4よりも搬送方向Fの上流側であって、ヘッド支持フレーム31の基端側311に配置されている。一方、後処理ヘッド6は、主走査方向Sにおけるキャリッジ3の略中央部において、インクヘッド4よりも搬送方向Fの下流側であって、ヘッド支持フレーム31の先端側312に配置されている。前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、共にヘッド支持フレーム31の主走査方向Sの中央部付近に配置されている。
第1インクヘッド4Aは、上流側ヘッド4A1と、この上流側ヘッド4A1よりも下流側に配置される下流側ヘッド4A2とを含む。つまり、上流側ヘッド4A1と下流側ヘッド4A2とは、搬送方向Fに配列されている。上流側ヘッド4A1の配置位置は、ヘッド支持フレーム31の前記中央領域における基端側311寄りの位置である。下流側ヘッド4A2の配置位置は、ヘッド支持フレーム31の前記中央領域における先端側312寄りの位置である。上流側ヘッド4A1に対して下流側ヘッド4A2は、主走査方向Sの一方側(左側)にシフトした位置であって、搬送方向Fに一部が重複する位置に配置されている。もちろん、上流側ヘッド4A1及び下流側ヘッド4A2を主走査方向Sの同位置(搬送方向Fに直線的に並ぶ位置)に配列しても良い。しかし、本実施例の配置の方がキャリッジ3の搬送方向Fのサイズを小型化できる。
第2~第6インクヘッド4B~4Fも、上述の上流側ヘッド4A1及び下流側ヘッド4A2と同様な、上流側ヘッド4B1、4C1、4D1、4E1、4F1と、下流側ヘッド4B2、4C2、4D2、4E2、4F2を備えている。第1~第6インクヘッド4A~4Fの各上流側ヘッド4A1~4F1は、搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに所定間隔を置いて一列に並んでいる。また、各下流側ヘッド4A2~4F2も、搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに所定間隔を置いて一列に並んでいる。結果として、上流側ヘッド4A1~4F1の各配置ピッチの間に下流側ヘッド4A2~4F2の一部が各々入り込んだ、千鳥状の配置態様を形成している。
なお、上記のインクヘッド4の構成について換言すれば、インクヘッド4は、搬送方向Fに並ぶようにキャリッジ3に搭載される複数のインクヘッド列を有する。当該複数のインクヘッド列の各々は主走査方向Sに並ぶように配置され画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含む。図6に示す例では、複数のインクヘッド列は、第1インクヘッド列41と、第2インクヘッド列42とを有する。第1インクヘッド列41に含まれるインクヘッドは、上流側ヘッド4A1、4B1、4C1、4D1、4E1、4F1である。第2インクヘッド列42に含まれるインクヘッドは、下流側ヘッド4A2、4B2、4C2、4D2、4E2、4F2である。
前処理ヘッド5は、主走査方向Sにおいて隣り合う一対のインクヘッドの間に一部が入り込むように配置されている。具体的には、第3インクヘッド4Cの上流側ヘッド4C1と、第4インクヘッド4Dの上流側ヘッド4D1との間に、前処理ヘッド5の下流側部分が入り込む位置関係である。
後処理ヘッド6は、主走査方向Sに並んで配置された第1後処理ヘッド6A及び第2後処理ヘッド6Bを含む。図6では、第1、第2後処理ヘッド6A、6Bが、搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに所定間隔を置いて並んでいる例を示している。第1後処理ヘッド6Aは、第3インクヘッド4Cの下流側ヘッド4C2と、第4インクヘッド4Dの下流側ヘッド4D2との間に、その上流側部分が入り込むように配置されている。第2後処理ヘッド6Bは、下流側ヘッド4D2と下流側ヘッド4E2との間に、その上流側部分が入り込むように配置され、上流側ヘッド4D1と主走査方向Sにおいて同位置に配置されている。かかる配置によって、第1、第2後処理ヘッド6A、6Bは、下流側ヘッド4C2、4D2、4E2と搬送方向Fにおいて重複領域faを持つ配置関係とされている。
搬送方向Fにおいて、各ヘッドの幅は、印刷幅Pw及び吐出用ノズルの配列範囲よりも大きい。このため、各列のヘッドの印刷範囲Pwと、隣の列のヘッドの印刷範囲Pwとの間の空かないように、各ヘッドは重複領域faを持つよう配置されている。
なお、特に説明しない限り、図6を含む各図では、主走査方向Sにおいて隣接するヘッド同士の間隔(各ヘッドの中心同士の間隔)は互いに同じである。同様に、搬送方向Fにおいて隣接するヘッド同士の間隔(各ヘッドの中心同士の間隔)は互いに同じである。
上述のヘッド配置とした結果、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、インクヘッド4の主走査方向Sにおける配置幅Hの範囲内に配置されている。インクヘッド4は、主走査方向Sにおいて、第1インクヘッド4Aの下流側ヘッド4A2~第6インクヘッド4Fの上流側ヘッド4F1間の配置幅Hを有している。前処理ヘッド5は、インクヘッド4の上流側において配置幅Hの範囲内に、後処理ヘッド6はインクヘッド4の下流側において配置幅Hの範囲内に、それぞれ配置されている。特に、実施例1では、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が、全ヘッドの配列体の主走査方向Sにおける略中央部に位置している。
以上説明した実施例1に係るヘッド配置によれば、キャリッジ3の小型化を図りつつ、必要なインク及び処理液の吐出量を多くすることができる。すなわち、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6が、搬送方向Fにおいてインクヘッド4と異なる位置に配置される。この構成により、必要なインクの吐出量を多くできるインクヘッド4A~4Fを主走査方向Sに配列しつつ、また往路主走査及び復路主走査の双方で印刷処理を可能としつつ、上記ヘッド4~6の搭載に必要なキャリッジの主走査方向幅を短くすることができる。さらに、後処理ヘッド6は、第1及び第2後処理ヘッド6A、6Bの複数で構成され、これらが主走査方向Sに並んで配置されている。このため、単体ヘッドでは後処理液の吐出量が不足する場合でも、複数の後処理ヘッド6A、6Bの配置により必要な量を吐出できる。
第1~第6インクヘッド4A~4Fは、それぞれ搬送方向F(複数の処理ヘッドの配列方向と交差する方向)に配列された上流側ヘッド4A1~4F1(第1インクヘッド列41)と下流側ヘッド4A2~4F2(第2インクヘッド列42)とを備える。このため、各色のインクの吐出量を増加させるため、若しくは、多色化を図るべくインクヘッド4の数を増やしても、キャリッジ3の主走査方向幅を大型化し難くできる。
前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、第1~第6インクヘッド4A~4Fの主走査方向Sにおける配置幅Hの範囲内に配置されている。このため、インクヘッド4に加えて前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6をキャリッジ3に搭載させる場合でも、当該キャリッジ3の主走査方向幅を拡張させる必要はない。つまり、キャリッジ3の主走査方向幅を大型化し難くできる。
前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、第1~第6インクヘッド4A~4Fの配列ピッチ間に一部が入り込むように配置されている。第1後処理ヘッド6Aに注目すれば、一対の下流側ヘッド4C2、4D2間に第1後処理ヘッド6Aの一部が入り込んでいる。このような千鳥状配置とすることで、搬送方向Fの異なる位置に配置されるインクヘッド4と処理ヘッド5、6とを、搬送方向Fに高密度に配置することができる。従って、キャリッジ3の搬送方向Fの幅の小型化を図ることができる。
実施例1のヘッド配置では、搬送方向Fにおいてインクヘッド4の上流側に1個の前処理ヘッド5が、下流側に2個の後処理ヘッド6A、6Bが各々配置されている。すなわち、前処理液、インク及び後処理液の吐出用ヘッドの3種類のヘッドを、一つのキャリッジ3に搭載したオールインワン型のインクジェット式プリンター1を提供することができる。また、前処理ヘッド5、インクヘッド4及び後処理ヘッド6が順次搬送方向Fに配置されているので、往路主走査及び復路主走査の双方において、前処理液、インク及び後処理液を、望ましい着弾順となるように吐出できる。
また、キャリッジ3は、ガイドレール17(保持部材)(図1)によって片持ち状態で保持されるバックフレーム32(係合部)を有する。キャリッジ3をタイミングベルト16に片持ち支持させることにより、構造を簡略化できる。また、片持ち支持させることにより、容易に当該キャリッジ3の下流側を開放させた構造とすることができ、インクヘッド4及び処理ヘッド5、6のメンテナンスを行い易くすることができる。
このように片持ち支持されるキャリッジ3において、前処理ヘッド5はヘッド支持フレーム31の基端側311(係合部に近い側)に、後処理ヘッド6は先端側312(係合部から遠い側)に、それぞれ配置されている。タイミングベルト16に固定されるバックフレーム32に近い基端側311と異なり、自由端である先端側312では位置精度が低下することが想定される。しかし、先端側312には、比較的吐出精度に高度なシビアさを求められない後処理ヘッド6が搭載されている。後処理液は、ワークW上に印画されたインク画像上をコーティングするものであるため、着弾位置ズレが生じたとしても、前処理液に同程度の着弾位置ズレが生じるよりは、画像品質に与える相対的な影響度を小さくできる。従って、片持ち支持されるキャリッジ3を使用する場合でも、画像の品質低下を起こしに難くできる。
<ヘッド配置における課題>
上記のように、インクヘッド4に加えて前処理液を吐出する前処理ヘッド5および後処理液を吐出する後処理ヘッド6がそれぞれキャリッジ3に搭載され、キャリッジ3の主走査方向への往復移動に伴って、前処理液、インクおよび後処理液が順にワークWに吐出される場合、主走査方向Sの画像位置によっては、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間やインクの着弾から後処理液の着弾までの時間にばらつきが生じ、結果として、ワークW上において画像品質のばらつきが生じやすいという問題があった。
例えば、インク顔料の凝集性を高める前処理液を用いる場合、前処理液着弾からインク着弾までの時間が長くなると、発色が濃くなる。また、例えば、堅牢性を高める後処理液を用いる場合、インク着弾から後処理液着弾までの時間が長くなると、発色が濃くなる。これらを用いて印刷すると場合、前処理液着弾から後処理液着弾までの時間が長くなると、発色が濃くなる。同じ色のインクが複数回着弾する場合、前処理液については、前処理液着弾から、その着弾後に最初に着弾するインクまでの時間が、発色濃度に与える影響が相対的に大きい。後処理液については、後処理液着弾から、その着弾前に最後に着弾したインクまでの時間が、発色濃度に与える影響が相対的に大きい。
本開示者らは、上記のような課題を解決するために、キャリッジ3上における前処理ヘッド5および後処理ヘッド6の配置を適切に設定することで、主走査方向Sにおける異なる画像位置間でも、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間のばらつきやインクの着弾から後処理液の着弾までの時間のばらつきをそれぞれ小さくすることが可能であることを新たに知見した。このような新たな着眼点に基づく、ヘッド配置の考え方およびその配置例(実施例)について、以下に説明する。
<ヘッド配置の考え方>
図7は、ワークW上の点Pにおける前処理液、インクおよび後処理液の着弾時間を説明するための模式図である。図7では、中央部に印刷エリア12が配置され、その左右両側にメンテナンスエリア13および折り返しエリア14が配置されている。前述のように、キャリッジ3がメンテナンスエリア13と折り返しエリア14との間を主走査方向Sに沿って移動することで、インクヘッド4、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6からワークWにインク、前処理液および後処理液がそれぞれ吐出される。なお、図7では、説明のために、キャリッジ3がメンテナンスエリア13および折り返しエリア14の両方に図示されている。以下では、インクヘッド4が複数のインクヘッド列を有し、ワークWが1ヘッドピッチ(搬送方向Fにおいて隣接するヘッド同士の間隔ピッチ)で間欠的に送られながら印刷が行われる場合を例にして説明する。
図7において、複数のインクヘッド列41、42に含まれる複数のインクヘッド及び処理ヘッド(前処理ヘッド5および後処理ヘッド6)のうち主走査方向Sの最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、一端側ヘッドから他端側ヘッドまでの主走査方向Sにおける距離がLC、前記一端側ヘッドから前処理ヘッド5までの主走査方向Sにおける距離がB1、前記一端側ヘッドから所定のインクヘッド(図7では、第4インクヘッド4Dの上流側ヘッド4D1)までの主走査方向Sにおける距離がK、前記一端側ヘッドから後処理ヘッド6までの主走査方向Sにおける距離がB2とそれぞれ定義される。図7に示される例では、一端側ヘッドは、第1インクヘッド4Aの下流側ヘッド4A2であり、他端側ヘッドは、第6インクヘッド4Fの上流側ヘッド4F1である。なお、距離LC、K、B1、B2は、各ヘッドの一部を基準に設定されればよいが、以後の説明では、上記の各距離が各ヘッドの主走査方向Sの中心を基準に設定される態様にて説明する。また、上記の一端側ヘッドおよび他端側ヘッドは逆であってもよい。
なお、ヘッドの主走査方向Sの中心は、基本的には、ヘッドを上から見ときの平面形状に対して、その平面形状の面積を二等分する、主走査方向Sと直交する仮想線を考えたときの、その仮想線の主走査方向Sにおける位置のことである。場合によっては、ヘッドを上から見て、ヘッドの吐出用ノズルを全て含んだ、凸多角形のうちで面積が最小の凸多角形に対して、その凸多角形の面積を二等分する、主走査方向Sと直交する仮想線を考えたときの、その仮想線の主走査方向Sにおける位置をヘッドの主走査方向Sの中心としてもよい。
まず、印刷エリア12内にあるワークW上の点Pに各液が着弾するタイミングについて説明する。なお、キャリッジ3の移動速度は一定であるため、以下の説明では、距離を用いて説明する。実際のタイミング(時間)は、各距離をキャリッジ3の移動速度で除することで算出可能である。なお、点Pは、印刷エリア12のうちメンテナンスエリア13側の端部から距離Aの位置にあると仮定する。
また、ここでは、液体は、ヘッドの主走査方向Sの中心から吐出されると考えている。各ヘッドが備えているノズルが、実際は、主走査方向Sに広がって分布していた場合は、その広がりも着弾タイミングに影響する。しかし、1つのヘッド内にあるノズルの主走査方向Sの位置の差は、異なるヘッドにあるノズルの主走査方向Sの位置の差より、小さい場合が多いので、ヘッドの主走査方向Sの中心から吐出すると考えて、ヘッドの配置による影響を見積もることができる。
また、説明を分かり易くするため、吐出のタイミングと、着弾のタイミングとが、同時であるかのように説明している。実際は、所定の位置に、所定のタイミングで着弾するように、吐出は、液体がヘッドからワークWまで飛翔する飛翔時間の分、着弾のタイミングよりも早く行われる。
キャリッジ3の片道の移動距離(メンテナンスエリア13から折り返しエリア14まで移動する距離)は、印刷に必要な最低限の距離LP+LCとし、キャリッジ3は、初期位置として、メンテナンスエリア13に配置されていると仮定する。この場合、キャリッジ3がメンテナンスエリア13から折り返しエリア14まで移動する第1移動動作(左方向への移動)において、前処理ヘッド5から吐出された前処理液が点Pに着弾するタイミングT1は、距離換算で以下の式Aで表すことができる。
T1=A+B1 (式A)
点Pに前処理液が着弾した後、キャリッジ3が折り返しエリア14からメンテナンスエリア13に移動する第2移動動作(右方向への移動)において、第1インクヘッド列41の各インクヘッドから点Pにインクが吐出される。また、キャリッジ3がメンテナンスエリア13から折り返しエリア14に更に移動する第3移動動作(左方向への移動)において、第2インクヘッド列42の各インクヘッドから点Pにインクが吐出される。
上記において、第4インクヘッド4Dの上流側ヘッド4D1からレッドのインク(1回目のインク、最初のインクともいう)が点Pに着弾するタイミングT2は、以下の式Bで表すことができる。
T2=(LP+LC)+(LP-A)+(LC-K) (式B)
上記の式Bの最初のカッコ内はキャリッジ3が第1移動動作においてメンテナンスエリア13から折り返しエリア14まで移動する時間に相当し、2つ目のカッコ内は、第2移動動作においてキャリッジ3の先端が点Pに到達するまでの時間に相当し、3つ目のカッコ内は、キャリッジ3が更に移動することで所定のインクヘッドが点Pに到達するまでの時間に相当する。
上記の式Aおよび式Bから、点Pにおける前処理液の着弾から最初のインクの着弾までの時間ΔTは、以下の式Cによって表すことができる。
ΔT=T2-T1=LP-2A+LC-(B1+K)+LP+LC (式C)
一方、キャリッジ3は、ワークWに対する印刷中、まず折り返しエリア14から移動する、すなわち、前記第1移動動作として右方向に移動することもある。この場合、上記と同様に、点Pに前処理液が着弾してから1回目(最初)のレッドのインクが着弾するまでの時間ΔTは、以下の式Dによって表すことができる。
ΔT=2A-LP-(LC-(B1+K))+(LP+LC) (式D)
ここで、印刷エリア12におけるワークW上のすべての点について検討するには、距離Aが0からLPまで変化すると考えることができるため、上記の式Cおよび式DからΔTが及ぶ範囲は、下記の式E、F、Gで表すことができる。
ΔTmin1≦ΔT≦ΔTmax1 (式E)
ΔTmin1=-LP-|LC-(B1+K)|+(LP+LC) (式F)
ΔTmax1=LP+|LC-(B1+K)|+(LP+LC) (式G)
次に、上記と同様の考え方で、第4インクヘッド4Dの下流側ヘッド4D2が吐出するレッドのインク(2回目のインク、最後のインクともいう)が点Pに着弾してから後処理液が着弾するまでの時間ΔTについて説明する。第1移動動作がメンテナンスエリア13から折り返しエリア14への左方向への移動の場合に、点Pに下流側ヘッド4D2のレッドのインクが着弾してから後処理液が着弾するまでの時間ΔTは、以下の式Hによって表すことができる。
ΔT=LP-2A+(LC-(K+B2))+(LP+LC) (式H)
なお、インクヘッド4のインクヘッド列が搬送方向Fに沿って偶数列ある場合には、式Cによって表される1回目のインクの着弾の後に、2回目のインクが着弾する。一方、インクヘッド4のインクヘッド列が搬送方向Fに沿って奇数列ある場合には、式Dによって表される1回目のインクの着弾の後に、2回目のインクが着弾する。
同様に、第1移動動作が折り返しエリア14からメンテナンスエリア13への右方向への移動の場合に、点Pに下流側ヘッド4D2のレッドのインクが着弾してから後処理液が着弾するまでの時間ΔTは、以下の式Iによって表すことができる。
ΔT=2A-LP-(LC-(K+B2))+(LP+LC) (式I)
なお、この場合、インクヘッド4のインクヘッド列が搬送方向Fに沿って偶数列ある場合には、式Dによって表される1回目のインクの着弾の後に、2回目のインクが着弾する。一方、インクヘッド4のインクヘッド列が搬送方向Fに沿って奇数列ある場合には、式Cによって表される1回目のインクの着弾の後に、2回目のインクが着弾する。
同様に、印刷エリア12におけるワークW上のすべての点について検討するには、距離Aが0からLPまで変化すると考えることができるため、上記の式Hおよび式IからΔTが及ぶ範囲は、下記の式J、K、Lで表すことができる。
ΔTmin2≦ΔT≦ΔTmax2 (式J)
ΔTmin2=-LP-|LC-(K+B2)|+(LP+LC) (式K)
ΔTmax2=LP+|LC-(K+B2)|+(LP+LC) (式L)
式E~式G、式J~式Lにおいて、すべてのインクヘッドの配置を含めるためには、Kが0以上LC以下の範囲に及ぶことから、LC-(B1+K)、LC-(K+B2)のそれぞれの絶対値が小さい場合、ΔTの時間ばらつきが大きな色が発生することを抑止することができる。すなわち、B1およびB2をそれぞれLC/2に近づけるほど、上記の時間ばらつきが大きな色が発生することを抑止することができる。この着弾タイミングだけを考えた場合、B1およびB2が、いずれもLC/2となることが最も望ましい。
そして、本開示者らは、鋭意実験および検討を重ねた結果、以下の式1が満たされる場合に、キャリッジ3の移動方向に関わらずワークW上での前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを小さくしつつ、安定した画像を形成することができることを知見した。
|(B1-LC/2)|/LC ≦ 1/4 ・・・(式1)
同様に、以下の式2が満たされる場合に、ワークW上でのインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくしつつ、安定した画像を形成することができることを知見した。
|(B2-LC/2)|/LC ≦ 1/4 ・・・(式2)
なお、前処理ヘッド5が複数配置される場合には、少なくとも一の前処理ヘッド5が式1を満たすように配置されることが望ましい。このように、少なくとも一の前処理ヘッド5が式1を満たすように配置されることで、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを小さくできることに加え、他の前処理ヘッド5から前処理液が更に吐出できるため、吐出可能な前処理液の液量を増すことができる。
なお、上記の複数の前処理ヘッド5のすべてが式1を満たすように配置されることが更に望ましい。この場合、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを更に小さくするとともに、吐出可能な処理液の液量を増すことができる。
同様に、後処理ヘッド6が複数配置される場合には、少なくとも一の後処理ヘッド6が式2を満たすように配置されることが望ましい。このように、少なくとも一の後処理ヘッド6が式2を満たすように配置されることで、インクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくできることに加え、他の後処理ヘッド6から後処理液が更に吐出できるため、吐出可能な後処理液の液量を増すことができる。
なお、上記の複数の後処理ヘッド6のすべてが式2を満たすように配置されることが更に望ましい。この場合、インクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを更に小さくするとともに、吐出可能な後処理液の液量を増すことができる。
なお、実施例1として、キャリッジ3に前処理ヘッド5と後処理ヘッド6の両方の処理ヘッドが搭載されたものについて説明したが、キャリッジ3に搭載される処理ヘッドは、前処理ヘッド5のみ、若しくは後処理ヘッド6のみでもよい。インクヘッド4と、処理ヘッドとして前処理ヘッド5のみとが搭載されたキャリッジ3において、式1が満たされれば、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間のばらつきを小さくできる。インクヘッド4と、処理ヘッドとして後処理ヘッド6のみとが搭載されたキャリッジ3において、式2が満たされれば、インクの着弾から前処理液の着弾までの時間のばらつきを小さくできる。
次に、上記の式1、式2で規定される前処理ヘッド5および後処理ヘッド6の配置のうち、更に望ましい配置について説明する。式E~式Gについて検討すると、当該ΔTの範囲は、第1~第6インクヘッド4A~4F間で異なる。すなわち、ΔTの範囲は、Kの大きさによって異なる。図7に示される例では、B1>LC/2の場合、Kの値が大きいほどΔTのばらつき範囲は大きくなる。換言すれば、インクヘッド4のうち第6インクヘッド4Fのブラック色のインクにおいて、最も時間ばらつきが大きくなる。また、第1移動動作がメンテナンスエリア13から折り返しエリア14への左方向への移動の場合は、A=LPの位置においてΔTのばらつき時間は最小となり、第1移動動作が折り返しエリア14からメンテナンスエリア13への右方向への移動の場合は、A=LPの位置でΔTのばらつき時間は最大となる。
上記の例では、前処理液の着弾から1回目のブラックのインクの着弾までの時間ばらつきが大きいため、2回目のブラックのインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきも同様に大きくなると、ブラック色の画像が他の色の画像と比較して画像品質におけるばらつきが顕著となり、肉眼での画像に影響が出やすくなる。このため、Kの値が大きなブラックのインクを吐出する第6インクヘッド4Fにおいては、2回目のブラックのインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくすることが望ましい。具体的に、B2が小さくなるように、後処理ヘッド6を配置することが望ましい。
本開示者らは、上記と同様の検討を、各インクヘッド4に対して検討した結果、同じ色のインクを吐出するインクヘッドを含む複数のインクヘッド列がキャリッジ3に搭載され、インクヘッド4が色毎に主走査方向にまとまって配置されている場合において、所定の色のインクにおいて前処理液の着弾から1回目のインクの着弾までの時間ばらつきが大きい上に、更に、2回目のインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきが大きくなることを抑止するためには、(B1+B2-LC)/LCの絶対値を小さく設定することが効果的であり、以下の式3が満たされることが望ましく、式4が満たされることが更に望ましいことを知見した。
|(B1+B2-LC)/LC| ≦ 1/2 ・・・(式3)
|(B1+B2-LC)/LC| ≦ 1/3 ・・・(式4)
上記のような考え方に基づけば、図6の実施例1に示される、2つのインクヘッド列を有するヘッド配置では、第1インクヘッド4Aの下流側ヘッド4A2から第6インクヘッド4Fの上流側ヘッド4F1までの主走査方向Sにおける距離LC=11、下流側ヘッド4A2から前処理ヘッド5までの主走査方向Sにおける距離B1=6、下流側ヘッド4A2から各後処理ヘッド6までの主走査方向Sにおける距離B2=5または7とされている。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.045であり、上記の式1を満たしている。また、|(B2-LC/2)|/LC=0.045または0.136であり、いずれも上記の式2を満たしている。したがって、前処理液の着弾から第1インクヘッド列41が吐出するインクの着弾までの時間ばらつき、第2インクヘッド列42が吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきをそれぞれ小さくできる。この結果、ワークWに対して、前処理液、インクおよび後処理液を安定して順次着弾させることが可能であり、ワークW上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。また、|(B1+B2-LC)/LC|=0または0.18であり、いずれも上記の式3、式4を満たしている。したがって、同じ色のインクを吐出するインクヘッドを含む複数のインクヘッド列がキャリッジ3に搭載されている場合において、所定の色のインクにおいて前処理液の着弾から1回目のインクの着弾までの時間ばらつきが大きい上に、更に、2回目のインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきが大きくなることを抑止することができる。
なお、前述のように、後処理ヘッド6の第1後処理ヘッド6Aおよび第2後処理ヘッド6Bのうちの一方の後処理ヘッド6は、上記の式1乃至4を満たさない位置に配置されてもよいが、図6のようにいずれの後処理ヘッド6も上記の式1乃至4を満たすことが最も望ましい。
<実施例2>
更に、図8は、実施例2に係るヘッド配置を示すキャリッジ3Aの平面図である。実施例2においても、インクヘッド4が第1インクヘッド列41および第2インクヘッド列42を有し、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が全ヘッドの配列体の主走査方向Sにおける略中央部に位置している。当該ヘッド配置では、LC=11、B1=6、B2=5とされている。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.045であり、上記の式1を満たしている。また、|(B2-LC/2)|/LC=0.045であり、上記の式2を満たしている。したがって、前処理液の着弾から第1インクヘッド列41が吐出するインクの着弾までの時間ばらつき、第2インクヘッド列42が吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきをそれぞれ小さくできる。また、|(B1+B2-LC)/LC|=0であり、いずれも上記の式3、式4を満たしている。したがって、同じ色のインクを吐出するインクヘッドを含む複数のインクヘッド列がキャリッジ3に搭載されている場合において、所定の色のインクにおいて前処理液の着弾から1回目のインクの着弾までの時間ばらつきが大きい上に、更に、2回目のインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきが大きくなることを抑止することができる。
<実施例3>
更に、図9は、実施例3に係るヘッド配置を示すキャリッジ3Bの平面図である。実施例3では、インクヘッド列は一列である。また、当該実施例3においても、前処理ヘッド5および後処理ヘッド6が、全ヘッドの配列体の主走査方向Sにおける略中央部に位置している。図9のヘッド配置では、LC=6、B1=3、B2=3とされている。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0であり、上記の式1を満たしている。また、|(B2-LC/2)|/LC=0であり、上記の式2を満たしている。また、|(B1+B2-LC)/LC|=0であり、上記の式3、式4を満たしている。したがって、上記の実施例1、2と同様の効果を奏することができる。
以下に、その他の実施例を基に、望ましいヘッド配置について、更に説明する。
<実施例4>
図10は、実施例4に係るヘッド配置を備えたキャリッジ3Dを概略的に示す平面図である。実施例4では、各々の単位ヘッドの数が増加している点で実施例1と相違している。すなわち、インクヘッド4は、各々が互いに異なる6色のインクを吐出する第1~第6インクヘッド4A~4Fを備えている点で実施例1と同じであるが、各色のインクヘッド4A~4Fは、各々3個(合計18個)の単位ヘッドを備えている。換言すれば、インクヘッド4は、第1インクヘッド列41、第2インクヘッド列42および第3インクヘッド列43を含む、3列(奇数列)のインクヘッド列を有している。インクヘッド4の搬送方向Fの上流側に配置される前処理ヘッド5は2個の単位ヘッド、下流側に配置される後処理ヘッド6は3個の単位ヘッドを各々備えている。なお、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6が、インクヘッド4の主走査方向Sの配置幅の範囲内に各々配置されている点は実施例1と同じである。
第1インクヘッド4Aは、前記単位ヘッドとして、上流側ヘッド4AA、中央ヘッド4AB及び下流側ヘッド4ACを備えている。上流側ヘッド4AAは、第1インクヘッド4Aのうちキャリッジ3Aの搬送方向Fの最も上流側に配置されている。下流側ヘッド4ACは、上流側ヘッド4AAと主走査方向Sの同位置において、上流側ヘッド4AAの下流側に配置されている。中央ヘッド4ABは、上流側ヘッド4AA及び下流側ヘッド4ACに対して主走査方向Sにおいて右側にシフトした位置であって、搬送方向Fにおいて上流側ヘッド4AAよりも下流側且つ下流側ヘッド4ACよりも上流側に配置されている。上流側ヘッド4AA及び下流側ヘッド4ACに対して中央ヘッド4ABは、それぞれ搬送方向Fに一部が重複する位置に配置されている。
第2~第6インクヘッド4B~4Fも、上述の上流側ヘッド4AA、中央ヘッド4AB及び下流側ヘッド4ACと同様な、上流側ヘッド4BA、4CA、4DA、4EA、4FAと、中央ヘッド4BB、4CB、4DB、4EB、4FBと、下流側ヘッド4BC、4CC、4DC、4EC、4FCを備えている。第1~第6インクヘッド4A~4Fの各上流側ヘッド4AA~4FA、中央ヘッド4BB~4FB及び下流側ヘッド4BC~4FCは、搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに所定間隔を置いて一列に並んでいる。また、インクヘッド4は、色毎に主走査方向にまとまって配置されている。
前処理ヘッド5は、搬送方向Fにおいて同位置で、主走査方向Sに間隔をおいて並ぶように配置された第1前処理ヘッド5A及び第2前処理ヘッド5Bを含む。第1前処理ヘッド5Aは、第3インクヘッド4Cの上流側ヘッド4CAと、第4インクヘッド4Dの上流側ヘッド4DAとの間に、その下流側の一部が入り込むように配置されている。第2前処理ヘッド5Bは、第4インクヘッド4Dの上流側ヘッド4DAと、第5インクヘッド4Eの上流側ヘッド4EAとの間に、その下流側の一部が入り込むように配置されている。
後処理ヘッド6は、搬送方向Fにおいて同位置で、主走査方向Sに間隔をおいて並ぶように配置された第1後処理ヘッド6A、第2後処理ヘッド6B及び第3後処理ヘッド6Cを含む。第1後処理ヘッド6Aは、第2インクヘッド4Bの下流側ヘッド4BCと、第3インクヘッド4Cの下流側ヘッド4CCとの間に、その上流側の一部が入り込むように配置されている。第2後処理ヘッド6Bは、第3インクヘッド4Cの下流側ヘッド4CCと、第4インクヘッド4Dの下流側ヘッド4DCとの間に、その上流側の一部が入り込むように配置されている。第3後処理ヘッド6Cは、第4インクヘッド4Dの下流側ヘッド4DCと、第5インクヘッド4Eの下流側ヘッド4ECとの間に、その上流側の一部が入り込むように配置されている。
図10のヘッド配置では、第1インクヘッド4Aの上流側ヘッド4AAまたは下流側ヘッド4ACを一端側ヘッドとして、LC=11、B1=5、7、B2=3、5、7とされている。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.045、0.136であり、いずれも上記の式1を満たしている。また、|(B2-LC/2)|/LC=0.227、0.045、0.136であり、いずれも上記の式2を満たしている。また、B1=5の場合、各B2の値に対して、|(B1+B2-LC)/LC|=0.273、0.091、0.091であり、いずれも上記の式3、式4を満たしている。更に、B1=7の場合、各B2の値に対して、|(B1+B2-LC)/LC|=0.091、0.091、0.272であり、いずれも上記の式3、式4を満たしている。したがって、上記の実施例1、2と同様の効果を奏することができる。
また、当該実施例4に係るヘッド配置によれば、実施例1と同様の利点を享受できる。すなわち、キャリッジ3Dの小型化を図りつつ、必要なインク及び処理液の吐出量を多くできる。とりわけ、実施例4では前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の双方が複数個の単位ヘッドを備える構成であるので、十分な前処理液及び後処理液の吐出量を十分に多くできる。第1~第6インクヘッド4A~4Fもまた、3列配置の単位ヘッドを備えるので、インクの吐出量も十分に多くできる。
<実施例5>
図11は、実施例5に係るヘッド配置を備えたキャリッジ3Eを概略的に示す平面図である。実施例5では、実施例1(図6)と同様に、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6が、配置幅Hの中央領域HCに配置される例を示す。ただし、実施例5は、後記のように実施例1との間でインクヘッド4の配置において相違する。
キャリッジ3Eのヘッド支持フレーム31には、互いに異なる6色のインクを各々吐出する第1~第6インクヘッド4A~4F、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6が搭載されている。第1~第6インクヘッド4A~4Fは、実施例1と同様の2列配置の単位ヘッドを備えている。但し、第1インクヘッド4Aにおいて下流側ヘッド4A2が上流側ヘッド4A1の右側に配置されるというように、各インクヘッド4A~4Fの下流側ヘッドのシフト方向が実施例1と逆になっている。前処理ヘッド5は1個、後処理ヘッド6は第1、第2後処理ヘッド6A、6Bの2個が各々備えられている。
前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、第1~第6インクヘッド4A~4Fの主走査方向Sにおける配置幅Hの中央領域HCに配置されている。第1~第6インクヘッド4A~4Fの配列体の搬送方向Fの上流側に前処理ヘッド5が、下流側に後処理ヘッド6が各々配置される点は、上掲の実施例1と同じである。前処理ヘッド5は、第3インクヘッド4Cの下流側ヘッド4C2と主走査方向Sにおいて同位置で、且つ、搬送方向Fの上流側に配置されている。前処理ヘッド5は、第3、第4インクヘッド4C、4Dの上流側ヘッド4C1、4D1の間に、その下流側の一部が入り込むように配置されている。
第1、第2後処理ヘッド6A、6Bは、搬送方向Fにおいて同位置で主走査方向Sに所定間隔を置いて並んでいる。第1後処理ヘッド6Aは、第2インクヘッド4Bの下流側ヘッド4B2と、第3インクヘッド4Cの下流側ヘッド4C2との間に、その上流側部分が入り込むように配置されている。第2後処理ヘッド6Bは、下流側ヘッド4C2と第4インクヘッド4Dの下流側ヘッド4D2との間に、その上流側部分が入り込むように配置されている。
このような実施例5におけるヘッド配置では、第1インクヘッド4Aの上流側ヘッド4A1から第6インクヘッド4Fの下流側ヘッドまでの主走査方向Sにおける距離LC=11、上流側ヘッド4A1から前処理ヘッド5までの主走査方向Sにおける距離B1=5、上流側ヘッド4A1から各後処理ヘッド6までの主走査方向Sにおける距離B2=4または6とされている。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.045であり、上記の式1を満たしている。また、|(B2-LC/2)|/LC=0.136または0.045であり、いずれも上記の式2を満たしている。したがって、前処理液の着弾から第1インクヘッド列41が吐出するインクの着弾までの時間ばらつき、第2インクヘッド列42が吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきをそれぞれ小さくできる。この結果、ワークWに対して、前処理液、インクおよび後処理液を安定して順次着弾させることが可能であり、ワークW上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。また、|(B1+B2-LC)/LC|=0.18または0であり、いずれも上記の式3、式4を満たしている。したがって、同じ色のインクを吐出するインクヘッドを含む複数のインクヘッド列がキャリッジ3に搭載されている場合において、所定の色のインクにおいて前処理液の着弾から1回目のインクの着弾までの時間ばらつきが大きい上に、更に、2回目のインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきが大きくなることを抑止することができる。
また、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、配置幅Hの中央領域HCに配置されるだけでなく、前処理ヘッド5の配置中心と、第1、第2後処理ヘッド6A、6Bの配列中心とが、主走査方向Sにおいて一致するよう配置されている。本実施例では、前処理ヘッド5は1個だけであるので、前処理ヘッド5の主走査方向Sの中心が配置中心C1となる。後処理ヘッド6は、第1後処理ヘッド6Aと第2後処理ヘッド6Bとの間の中間点が配列中心C2となる。これら配置中心C1と配列中心C2とが、主走査方向Sの同位置となるように、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6がヘッド支持フレーム31上に配置されている。
図4に基づき説明した通り、本実施形態では、キャリッジ3が往路主走査と復路主走査とを繰り返して、ワークWへ前処理液、インク及び後処理液を順次着弾させる。このような双方向主走査が採用される場合において実施例5のヘッド配置を採用することで、各主走査位置における、ワークWへの前処理液の着弾からインクの着弾までの時間のばらつき、並びに、インクの着弾から後処理液の着弾までの時間のばらつきを特に小さくすることができる。
この場合、中央領域HCとは、配置幅Hの範囲の中央に位置する、幅が配置幅Hの半分の領域であることが望ましく、さらに、3分の1の領域であることが望ましい。処理ヘッドが中央領域HCに配置されているとは、処理ヘッドの配列中心が中央領域HCに配置されていると共に、処理ヘッドの配置中心の半数以上が中央領域HCに配置されていることを意味する。さらに、処理ヘッドの配置中心の全てが中央領域HCに配置されていてもよい。
<実施例6>
実施例6、及びこれに続く実施例7では、処理ヘッド5、6の発熱対策を施したヘッド配置を例示する。一般に、ジェット方式で液体を吐出するヘッドは、電気を使用して液体を加圧するため発熱する。インクヘッド4は、必要な色ドットの形成時のみに吐出動作を行う。これに対し、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、全色のドットに対応して前処理液及び後処理液の吐出動作を要する。従って、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、インクヘッド4の各々よりも高温化し易い。このため、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の高温化を想定したヘッド配置を行うことが望ましい。
図12は、実施例6に係るヘッド配置を備えたキャリッジ3Fを概略的に示す平面図である。キャリッジ3Fは、ガイドレール17(保持部材)(図1)にてバックフレーム32(係合部)が片持ち状態で保持されている。ヘッド支持フレーム31には、第1~第6インクヘッド4A~4Fを備えたインクヘッド4と、一つの前処理ヘッド5と、第1、第2後処理ヘッド6A、6Bを備えた後処理ヘッド6とが搭載されている。これらのヘッド配置は、図6に示した実施例1と同一であるので、ここでは説明を省く。
このような実施例6におけるヘッド配置では、LC=11であり、B1=6であり、B2=5、7である。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.045であり、上記の式1を満たしている。また、|(B2-LC/2)|/LC=0.045または0.136であり、いずれも上記の式2を満たしている。また、|(B1+B2-LC)/LC|=0または0.18であり、いずれも上記の式3、式4を満たしている。
また、本実施例では、前処理ヘッド5は一つの単位ヘッドで、後処理ヘッド6は二つの単位ヘッド(第1、第2後処理ヘッド6A、6B)で、それぞれ構成されている。これら前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6のうち、単位ヘッドの個数が少ない前処理ヘッド5が、ヘッド支持フレーム31の基端側311に配置されている。単位ヘッドの個数が多い後処理ヘッド6については、先端側312に配置されている。換言すると、ヘッド支持フレーム31の搬送方向Fの上流側端縁が、ガイドレール17で保持される側とされている。
上述の通り、処理ヘッド5、6は吐出動作によって発熱する。図12に模式的に示すように、高温化した前処理ヘッド5は、熱haを放散する。第1、第2後処理ヘッド6A、6Bも同様である。この熱haによってキャリッジ3Fのヘッド支持フレーム31は加温され、当該ヘッド支持フレーム31及びその保持構造体であるバックフレーム32や、バックフレーム32とタイミングベルト16との固定金具等に熱変形を招来し得る。この熱変形は、片持ち状態で保持されるキャリッジ3Fでは、インクヘッド4から吐出されるインクの着弾精度に影響を与え得る。
しかし、実施例6のキャリッジ3Fでは、ヘッド支持フレーム31の片持ち保持される側である基端側311に、単位ヘッドの個数が少ない前処理ヘッド5を配置している。これにより、熱変形による影響(着弾精度の低下)を小さくすることができる。仮に、単位ヘッドの個数が多い後処理ヘッド6を基端側311に配置した場合、バックフレーム32は2個の単位ヘッドから熱haの放散を受け、より高温化して熱変形し易くなる。
また、実施例6のキャリッジ3Fでは、前処理ヘッド5は、インクヘッド4及び処理ヘッド5、6のヘッド配列体HA(ヘッド配置領域)における主走査方向Sの端を除く位置に配置されている。キャリッジ3Fに搭載されるヘッド4,5,6のうち、処理ヘッドである前処理ヘッド5はバックフレーム32(係合部)に最も近い側に配置されるヘッドである。このような前処理ヘッド5が、ヘッド配列体HAの端である配置端313を除く位置に配置されている。
キャリッジ3Fは徒らにサイズを大きくできないので、ヘッド配列体の主走査方向Sの配置端313は、もしそこにヘッドを配置すると、そのヘッドはキャリッジ3F(ヘッド支持フレーム31)の主走査方向Sの角部に最も近いヘッドになる。配置端313付近は、片持ち支持されるバックフレーム32の近傍でもあるため、その付近で熱変形が生じると、ヘッド支持フレーム31の高さ方向や水平方向の歪みや位置ずれを誘発し得る。このことは、キャリッジ3Fに搭載されたヘッド4,5,6の着弾位置精度を低下させる。従って、配置端313の領域には高温化する処理ヘッド(前処理ヘッド5および後処理ヘッド6)を配置しないことで、上記の熱変形の問題を発生し難くすることができる。
本実施例では、2列あるインクヘッド4の列(第1インクヘッド列41、第2インクヘッド列42)のうちで、係合部側に配置されているヘッド4の列が、図12において右側にずれた位置にある千鳥配置となっている。さらに、係合部側にヘッド数の少ない処理ヘッドである前処理ヘッド5を配置し、前処理ヘッド5を千鳥配置となる配置位置の中央に配置している。このように配置することで、配置端313に処理ヘッドを配置しないようにヘッドを配置できる。
図12に示すキャリッジ3Fのヘッド配置を参照して、好ましいインクヘッドの配置例を更に説明する。キャリッジ3Fにおいて、高温化する前処理ヘッド5は、その一部がインクヘッド4と隣接するように配置されている。具体的には前処理ヘッド5は、主走査方向Sにおいて第3、第4インクヘッド4C、4Dの上流側ヘッド4C1、4D1と隣接し、搬送方向Fにおいて第4インクヘッド4Dの下流側ヘッド4D2と隣接している。また、第1後処理ヘッド6Aは、主走査方向Sにおいて第3、第4インクヘッド4C、4Dの下流側ヘッド4C2、4D2と隣接し、搬送方向Fにおいて上流側ヘッド4C1と隣接している。第2後処理ヘッド6Bは、主走査方向Sにおいて第4、第5インクヘッド4D、4Eの下流側ヘッド4D2、4E2と隣接し、搬送方向Fにおいて上流側ヘッド4D1と隣接している。他方、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6は、第1、第2、第6インクヘッド4A、4B、4Fには隣接していない。
上記のヘッド配置では、例えばイエロー、レッド、ブルーのインクを各々吐出する第3、第4、第5インクヘッド4C、4D、4E(第1色のインクを吐出する第1インクヘッド)の方が、オレンジ、グリーン、ブラックのインクを各々吐出する第1、第2、第6インクヘッド4A、4B、4F(第2色のインクを吐出する第2インクヘッド)よりも、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6と隣接する単位ヘッド数が多い。つまり、第3、第4、第5インクヘッド4C、4D、4Eが、他のインクヘッド4A、4B、4Fに比べて高温化し易いインクヘッドである。
インクの粘度が温度変化に伴って大きく変化すると、インクヘッドからのインク吐出特性(吐出量等)も変化する。インクの種類により、温度による粘度変化特性は異なる。従って、本実施例の場合、高温化し易い第3、第4、第5インクヘッド4C、4D、4Eから吐出させるインクとして、第1、第2、第6インクヘッド4A、4B、4Fから吐出させるインクよりも、温度による粘度変化の小さいインクが吐出される。これにより、第3、第4、第5インクヘッド4C、4D、4Eが前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6で加温されたとしても、これらインクヘッド4C、4D、4Eから吐出されるインクの吐出量や吐出速度の温度変化を小さくすることができる。
この場合、各インクについてインクヘッド4に隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数は、あるインクを吐出するインクヘッド4の中で、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数が最大のもので評価してもよい。第1、第2、第6インクヘッド4A、4B、4Fでは、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の最大は0である。第3インクヘッド4Cでは、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の最大は2、第4インクヘッド4Dでは、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の最大は3である。第5インクヘッド4Eでは、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の最大は1である。
また、各インクについてインクヘッド4に隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数は、あるインクを吐出するインクヘッド4の中で、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の平均で評価してもよい。第1、第2、第6インクヘッド4A、4B、4Fでは、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の平均は0である。第3インクヘッド4Cでは、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の平均は1.5、第4インクヘッド4Dでは、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の平均は2.5である。第5インクヘッド4Eでは、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の平均は0.5である。
これらを組み合わせた評価として、例えば、最初に隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の最大で評価し、その評価で差がなかったインクについて、隣接する処理ヘッドの単位ヘッド数の平均で評価してもよい。
また、各インクを吐出するインクヘッド4が高温化し易い順を評価し、高温化し易い順に、粘度の温度変化の少ないインクを吐出してもよい。
<実施例7>
実施例7では、同色のインクを吐出する複数の同色インクヘッド間における、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の高温化対策を考慮した実施例を示す。上述の実施例では、各色の第1~第6インクヘッド4A~4Fが、それぞれ2個又は3個の単位ヘッドを備える例を示した。これらの単位ヘッド間で、前処理ヘッド5又は後処理ヘッド6に隣接する個数の差が大きいと、インクの吐出特性が当該単位ヘッド間で大きく相違する不具合が生じる。本実施例では、前記隣接する個数の差を少なくするヘッド配置例を示す。
図13は、実施例7に係るヘッド配置を備えたキャリッジ3Gを概略的に示す平面図である。キャリッジ3Gは、第1~第6インクヘッド4A~4Fが備える2個の単位ヘッド(同色インクヘッド)の各々が、主走査方向S及び搬送方向Fにおいて前処理ヘッド5又は後処理ヘッド6に隣接する個数をカウントしたとき、それらのカウント数の最大値と最小値との差が1以下となるヘッド配置を有している。
キャリッジ3Gのヘッド配置のうちインクヘッド4の配置は、先に図12に示したキャリッジ3Fのヘッド配置と同じである。一方、前処理ヘッド5は、第3インクヘッド4Cの上流側ヘッド4C1を挟んで主走査方向Sに並んで配置された第1、第2前処理ヘッド5A、5Bを含む。後処理ヘッド6は、下流側ヘッド4C2を挟んで主走査方向Sに並んで配置された第1、第2後処理ヘッド6A、6Bを含む。
このような実施例7におけるヘッド配置では、第1インクヘッド4Aの下流側ヘッドを一端側ヘッドとして、前述のLC=11であり、B1=4、6であり、B2=3、5である。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.136、0.045であり、上記の式1を満たしている。また、|(B2-LC/2)|/LC=0.227または0.045であり、いずれも上記の式2を満たしている。したがって、前処理液の着弾から第1インクヘッド列41が吐出するインクの着弾までの時間ばらつき、第2インクヘッド列42が吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきをそれぞれ小さくできる。この結果、ワークWに対して、前処理液、インクおよび後処理液を安定して順次着弾させることが可能であり、ワークW上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。なお、B1=4の場合、|(B1+B2-LC)/LC|=0.364または0.181であり、一方が上記の式3、式4を満たしていないが、他方が式3、式4を満たしている。また、B1=6の場合には、|(B1+B2-LC)/LC|=0.181または0であり、いずれも上記の式3、式4を満たしている。したがって、同じ色のインクを吐出するインクヘッドを含む複数のインクヘッド列がキャリッジ3に搭載されている場合において、所定の色のインクにおいて前処理液の着弾から1回目のインクの着弾までの時間ばらつきが大きい上に、更に、2回目のインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきが大きくなることを抑止することができる。
キャリッジ3Gの第2インクヘッド4Bでは、上流側ヘッド4B1及び下流側ヘッド4B2に対して主走査方向Sおよび搬送方向Fにおいて隣接する処理ヘッド5,6のカウント数はそれぞれ2個および1個で、その差は「1」である。第3インクヘッド4Cでは、上流側ヘッド4C1及び下流側ヘッド4C2の前記カウント数はいずれも3個で、その差は「0」である。第4インクヘッド4Dでは、上流側ヘッド4D1の前記カウント数は1個、下流側ヘッド4D2の前記カウント数は2個で、その差は「1」である。その余のインクヘッド4A、4E、4Fは、いずれもカウント数は0個である。従って、第1~第6インクヘッド4A~4Fの全てについて最大値と最小値との差は1以下であり、上掲の要件を満たしている。
以上の通り、実施例7では、第1~第6インクヘッド4A~4Fの上流側ヘッド4A1~4F1と下流側ヘッド4A2~4F2の各々が処理ヘッド5,6に隣接するカウント数の最大値と最小値との差を1以下とする。これにより、複数の同色インクヘッド間でインク吐出量に大きな差異が生じないようにすることができる。
<実施例8>
図14は、実施例8に係るヘッド配置を備えたキャリッジ3Hを概略的に示す平面図である。実施例8では、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6をヘッド支持フレーム31上に分散的に配置するのではなく、なるべく塊状に配置することで、前処理液及び後処理液とインクとの接触を低減できる例を示す。
実施例8では、次の(A)~(C)の要件を満たすヘッド配置を例示している。
(A)前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6のうち、単位ヘッド個数の多い方の個数をm個、少ない方の個数をn個とするとき、m=n+奇数、の要件を満たし、
(B)主走査方向Sにおける一又は複数の前処理ヘッド5の配置又は配列中心と、一又は複数の後処理ヘッド6の配置又は配列中心とが、主走査方向Sにおいて一致し、且つ、
(C)前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6の配置又は配列中心と、インクヘッド4のうちの一のインクヘッドの配置位置とが、主走査方向Sにおいて一致する。
図8に示すキャリッジ3Hは、インクヘッド4、1個の前処理ヘッド5及び第1、第2後処理ヘッド6A、6Bを有する後処理ヘッド6を備える。ヘッド配置は、図12他と同じである。このため、実施例8におけるヘッド配置も、前述の式1乃至式4の関係を満たし、同様の効果を奏することができる。また、この例の場合、後処理ヘッド6がm=2個、前処理ヘッド5がn=1である。よって、上記要件(A)のm=n+奇数を満たす。また、前処理ヘッド5の配置中心と後処理ヘッド6の配列中心は、共に図中の中心Cであり、上記要件(B)も満たす。さらに、中心Cと、第4インクヘッド4Dの下流側ヘッド4D2の配置位置とが一致しており、上記要件(C)も満たしている。
実施例8のヘッド配置によれば、前処理ヘッド5と後処理ヘッド6とが、ある程度まとまった状態でキャリッジ3Hに搭載することができる。これにより、第1~第6インクヘッド4A~4Fのうち、前処理ヘッド5又は後処理ヘッド6に近い位置に配置されるインクヘッドの数を減らすことができる。従って、前処理液及び後処理液とインクとの、キャリッジ上での接触が生じる可能性を小さくすることができる。
<実施例9>
実施例9では、キャリッジ上のヘッド4,5,6と、これらにインク又は処理液を供給するサブタンクとの好ましい配置関係について例示する。図15は、実施例9に係るヘッド配置を備えたキャリッジ3I及びサブタンク配置を示す平面図である。キャリッジ3Iは、第1~第6インクヘッド4A~4Fを有するインクヘッド4、1個の前処理ヘッド5及び第1、第2後処理ヘッド6A、6Bを有する後処理ヘッド6を備える。これらのヘッド配置は、図12他と同じである。このため、実施例9におけるヘッド配置も、前述の式1乃至式4の関係を満たし、同様の効果を奏することができる。
キャリッジ3Iにはサブタンク7も搭載されている。サブタンク7は、インク用サブタンク7A~7F、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72(いずれも処理液用サブタンク)を含む。これらのサブタンク7には、図略のメインタンクからインク、前処理液及び後処理液が各々供給される。インク用サブタンク7A~7Fは、第1~第6インクヘッド4A~4Fの各々に前記インクを供給する。例えば、第1インクヘッド4Aの上流側ヘッド4A1にはインク用サブタンク7Aの第1タンク7A1から、下流側ヘッド4A2には第2タンク7A2から、管路P1を介して第1色のインクが供給される。第2~第6インクヘッド4B~4Fについても、同様して第2色~第6色のインクが各々供給される構造である。
インク用サブタンク7の主走査方向Sにおける配置順は、それぞれのインク用サブタンク7がインクを供給しているインクヘッド4の主走査方向Sにおける配置順と同じである。なお、同色のインクを吐出する複数のインクヘッド4に対して、1つのインク用サブタンク7からインクを供給してもよい。その場合、インク用サブタンク7を共有するインクヘッド4は、主走査方向Sにおいて、まとまった位置に配置してもよい。さらに、同じインクを吐出するインクヘッド4は、主走査方向Sにおいて、まとめて配置するのがよく、主走査方向Sにおいて、各色のインク用サブタンク7の配置の順番を、各色のインクヘッド4の配置の順番を同じにしてもよい。
前処理液用サブタンク71は、管路P2を介して前処理ヘッド5に前処理液を供給する。後処理液用サブタンク72は、第1タンク72A及び第2タンク72Bを含む。第1、第2タンク72A、72Bは、それぞれ管路P3を介して、第1、第2後処理ヘッド6A、6Bに後処理液を供給する。
インク用サブタンク7A~7Fは、主走査方向Sに並ぶようにキャリッジ3Iに搭載されている。処理液用サブタンク71、72は、搬送方向Fにおいてインク用サブタンク7A~7Fとは異なる位置に配置されている。また、処理液用サブタンク71、72は、主走査方向Sに並んで配置されている。具体的には、前処理液用サブタンク71と、後処理液用サブタンク72の第1、第2タンク72A、72Bとが、インク用サブタンク7A~7Fの搬送方向F下流側において、主走査方向Sに一列に並んでいる。なお、前処理液用サブタンク71だけを、インク用サブタンク7A~7Fの上流側に配置しても良い。
主走査方向Sに往復移動するキャリッジ3Iに搭載されたサブタンク7の液体には、その主走査方向Sの加速度が作用する。サブタンク7と各ヘッド4,5,6とは管路P1,P2,P3で接続されるが、サブタンク7がキャリッジ3I上で広く分布していると、主走査方向Sにおける管路P1~P3の配置範囲も大きくなる。これら管路P1~P3にもインク又は処理液が充填されているので、前記加速度の影響を受けてヘッド4,5,6の吐出部分においてメニスカス破壊を起こすことがある。
しかし、実施例9の構成によれば、インク用サブタンク7A~7Fは、第1~第6インクヘッド4A~4Fと同様に主走査方向Sに並ぶようにキャリッジ3Iに搭載される。このため、インク用サブタンク7A~7Fをキャリッジ3Iのヘッド支持フレーム31上の比較的狭い範囲に配置させることが可能となる。同様に、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72についても、キャリッジ3Iのヘッド支持フレーム31上の比較的狭い範囲に配置させることができる。
さらに、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72を、搬送方向Fにおいて、インク用サブタンク7A~7Fとは別の位置に配置しているので、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72と、前処理液用サブタンク71及び後処理液用サブタンク72のそれぞれが処理液を供給する処理ヘッドとの主走査方向Sにおける位置の差を少なく配置できる。これにより、前処理液用サブタンク71、管路P及び前処理ヘッド5の中に繋がって存在する前処理液の主走査方向Sの分布範囲を小さくでき、前記加速度の影響を受け難くすることができる。同様に、繋がって存在する後処理液の主走査方向Sにおける分布範囲を小さくでき、前記加速度の影響を受け難くすることができる。
同様に、インク用サブタンク7A~7Fと、インク用サブタンク7A~7Fのそれぞれがインクを供給するインクヘッド4との主走査方向Sにおける位置の差を少なく配置できる。これにより、繋がって存在するインクの主走査方向Sにおける分布範囲を小さくでき、前記加速度の影響を受け難くすることができる。
<実施例10>
更に、図16は、実施例10に係るヘッド配置を示すキャリッジ3Jの平面図である。実施例10においても、インクヘッド4が第1インクヘッド列41および第2インクヘッド列42を有する。本実施例では、後処理ヘッド6が全ヘッドの配列体の主走査方向Sにおける略中央部に位置する一方、前処理ヘッド5は、前記配列体の一端部(図16では左端部)に位置している。この場合、第1インクヘッド4Aの下流側ヘッドおよび前処理ヘッド5が、一端側ヘッドに相当する。
当該ヘッド配置では、LC=11、B1=0、B2=5とされている。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.5であり、上記の式1を満たしていない。一方、|(B2-LC/2)|/LC=0.045であり、上記の式2を満たしている。このようなヘッド配置は、前処理液の機能上、前処理液の着弾から第1インクヘッド列41が吐出するインクの着弾までの時間ばらつきの要求には裕度がある一方、第2インクヘッド列42が吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくすべき場合に好適である。
<実施例11>
更に、図17は、実施例11に係るヘッド配置を示すキャリッジ3Kの平面図である。実施例11においても、インクヘッド4が第1インクヘッド列41および第2インクヘッド列42を有する。本実施例では、後処理ヘッド6が全ヘッドの配列体の主走査方向Sにおける略中央部に位置する一方、前処理ヘッド5は、前記配列体の他端部(図17では右端部)に位置している。この場合、第1インクヘッド4Aの下流側ヘッドが、一端側ヘッドに相当する。
当該ヘッド配置では、LC=11、B1=10、B2=5とされている。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.409であり、上記の式1を満たしていない。一方、|(B2-LC/2)|/LC=0.045であり、上記の式2を満たしている。このようなヘッド配置も、実施例10と同様に、前処理液の機能上、前処理液の着弾から第1インクヘッド列41が吐出するインクの着弾までの時間ばらつきの要求には裕度がある一方、第2インクヘッド列42が吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくすべき場合に好適である。
なお、上記の実施例10、11とは逆に、前処理ヘッド5の配置が式1を満たす一方、後処理ヘッド6の配置が式2を満たさない態様でもよい。この場合、後処理液の機能上、第2インクヘッド列42が吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきの要求には裕度がある一方、前処理液の着弾から第1インクヘッド列41が吐出するインクの着弾までの時間ばらつきを小さくすべき場合に好適である。
<インクジェット記録方法について>
上記のように、各実施例において説明されたインクジェット式プリンター1は、搬送方向Fにおける所定の位置においてキャリッジ3に搭載される一のインクヘッド列または搬送方向Fに並ぶようにキャリッジ3に搭載される複数のインクヘッド列と、前処理ヘッドと、後処理ヘッドとを有している。当該一または複数のインクヘッド列の各々は主走査方向Sに並ぶように配置され画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含む。前処理ヘッド5は、搬送方向Fにおいて前記一または複数のインクヘッド列の上流側に配置され非発色性の前処理液を吐出する。後処理ヘッド6は、搬送方向Fにおいて前記一または複数のインクヘッド列の下流側に配置され非発色性の後処理液を吐出する。
そして、上記のインクジェット式プリンター1における一のインクジェット記録方法は、複数のインクヘッド4および処理ヘッド(前処理ヘッド5および後処理ヘッド6)のうち主走査方向Sの最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの主走査方向Sにおける距離をLC、前記一端側ヘッドから前処理ヘッド5までの主走査方向Sにおける距離をB1とした場合、|(B1-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式1)の関係を満たすように前処理ヘッド5を配置することと、キャリッジ3を主走査方向Sに移動させながら、ワークW上の所定の記録領域に対して、前処理ヘッド5から前処理液を吐出することと、ワークWを搬送方向Fに所定の送りピッチで送り、キャリッジ3を主走査方向Sに移動させながら、前処理液の吐出を受けた前記記録領域に対して、インクヘッド4からインクを吐出することと、を備える。
このような方法によれば、前処理液およびインクの吐出用ヘッドを、一つのキャリッジ3に搭載したインクジェット式プリンター1によって、ワークWに対して効率的に画像を形成することができる。また、前処理ヘッド5およびインクヘッド4が順次搬送方向Fに配置されるので、前処理液およびインクを、記録媒体に望ましい着弾順となるように吐出できる。更に、前処理ヘッド5が式1を満たすように適切に配置されることによって、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを小さくできる。この結果、ワークW上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。
なお、上述の方法において、キャリッジ3に搭載されている処理ヘッドは、前処理ヘッド5だけでもよい。また、上述の方法では、後処理液を塗布せずに記録を終了してもよいし、キャリッジ3による印刷が終わった後に後処理液を塗布してもよい。後者の場合、後処理液は、例えば、ワークWの略全面に、スプレー、ローラーでの転写及び後処理液への浸漬などにより塗布される。
また、上記のインクジェット式プリンター1における他のインクジェット記録方法は、|(B2-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式2)の関係を満たすように後処理ヘッド6を配置することと、キャリッジ3を主走査方向Sに移動させながら、前記ワークWの所定の記録領域に対して、インクヘッド4からインクを吐出することと、ワークWを前記送りピッチで搬送方向Fに送り、キャリッジ3を主走査方向Sに移動させながら、インクの吐出を受けた前記記録領域に対して、後処理ヘッド6から後処理液を吐出することと、を備える。
このような方法においても、インク及び後処理液の吐出用ヘッドを、一つのキャリッジに搭載したインクジェット式プリンター1によって、ワークWに対して効率的に画像を形成することができる。また、インクヘッド4及び後処理ヘッド6が順次搬送方向に配置されるので、インク及び後処理液を、ワークWに望ましい着弾順となるように吐出できる。更に、後処理ヘッド6が式2を満たすように適切に配置されることによって、インクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくできる。この結果、ワークW上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。
なお、上述の方法において、キャリッジ3に搭載されている処理ヘッドは、後処理ヘッド6だけでもよい。また、上述の方法では、前処理液を塗布せずに記録を終了してもよいし、キャリッジ3による印刷をする前に前処理液を塗布してもよい。後者の場合、前処理液は、例えば、ワークWの略全面に、スプレー、ローラーでの転写及び前処理液への浸漬などにより塗布される。
また、上記のインクジェット式プリンター1における他のインクジェット記録方法は、キャリッジ3に前処理ヘッド5および後処理ヘッド6を、式1及び式2を満足するように配置することと、キャリッジ3を主走査方向Sに移動させながら、ワークW上の所定の記録領域に対して、前処理ヘッド5から前処理液を吐出することと、ワークWを搬送方向Fに所定の送りピッチで送り、キャリッジ3を主走査方向Sに移動させながら、前処理液の吐出を受けた前記記録領域に対して、インクヘッド4からインクを吐出することと、前処理液の吐出を受けた前記記録領域に対して、インクヘッド4からインクを吐出することと、ワークWを前記送りピッチで更に搬送方向Fに送り、キャリッジ3を主走査方向Sに移動させながら、インクの吐出を受けた前記記録領域に対して、後処理ヘッド6から後処理液を吐出することと、を備える。
このような方法によれば、前処理液、インク及び後処理液の吐出用ヘッドの3種類のヘッドを、一つのキャリッジ3に搭載したオールインワン型のインクジェット式プリンター1によって、ワークWに対して効率的に画像を形成することができる。また、前処理ヘッド5、インクヘッド4及び後処理ヘッド6が順次搬送方向Fに配置されるので、前処理液、インク及び後処理液を、記録媒体に望ましい着弾順となるように吐出できる。更に、前処理ヘッド5及び後処理ヘッド6が式1及び式2を満たすように適切に配置されることによって、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつき及びインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくできる。この結果、ワークW上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。
<比較例について>
図18は、本開示と比較される比較例1に係るヘッド配置を示すキャリッジ3Z1の平面図である。このような比較例1におけるヘッド配置では、LC=13であり、B1=0であり、B2=13である。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.409であり、上記の式1を満たしていない。また、|(B2-LC/2)|/LC=0.682であり、上記の式2を満たしていない。
同様に、図19は、本開示と比較される比較例2に係るヘッド配置を示すキャリッジ3Z2の平面図である。このような比較例2におけるヘッド配置では、LC=7であり、B1=0であり、B2=7である。この場合、|(B1-LC/2)|/LC=0.5であり、上記の式1を満たしていない。また、|(B2-LC/2)|/LC=0.5であり、上記の式2を満たしていない。
比較例1、2のようなヘッド配置では、前処理液の着弾から第1インクヘッド列41が吐出するインクの着弾までの時間ばらつきが大きくなるとともに、第2インクヘッド列42が吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきも大きくなるため、ワークWに形成される画像にもばらつきが生じやすくなる。
[本開示のまとめ]
本開示の一の局面に係るインクジェット記録装置は、搬送部と、キャリッジと、一または複数のインクヘッド列と、処理ヘッドとを備える。前記搬送部は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する。前記キャリッジは、前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動する。前記一または複数のインクヘッド列は、前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載されている。前記処理ヘッドは、前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する。前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含む。前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを備える。前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドが式1の関係を満たすように配置されている。|(B1-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式1)
本構成によれば、前処理液及びインクの吐出用ヘッドを、一つのキャリッジに搭載したインクジェット記録装置を提供することができる。また、前処理ヘッド及びインクヘッドが順次搬送方向に配置されるので、前処理液及びインクを、記録媒体に望ましい着弾順となるように吐出できる。更に、前処理ヘッドが式1を満たすように適切に配置されることによって、キャリッジの移動方向に関わらず前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを小さくできる。この結果、記録媒体に対して、前処理液及びインクを順次着弾させることで、記録媒体上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。
上記の構成において、前記前処理ヘッドが前記主走査方向に並んで複数配置され、当該複数の前処理ヘッドのうちの少なくとも一の前処理ヘッドが前記式1の関係を満たすように配置されていてもよい。
本構成によれば、前処理ヘッドが複数配置されている場合でも、そのうちの少なくとも一の前処理ヘッドが式1を満たすように配置されることで、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを小さくできる。また、他の前処理ヘッドから前処理液が更に吐出できるため、吐出可能な処理液の液量を増すことができる。
上記の構成において、前記複数の前処理ヘッドのすべてが前記式1の関係を満たすようにそれぞれ配置されていてもよい。
本構成によれば、複数の前処理ヘッドが、いずれも式1を満たすように配置されていることで、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを更に小さくするとともに、吐出可能な処理液の液量を増すことができる。
上記の構成において、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後吐出液を吐出する後処理ヘッドを更に備え、前記インクヘッド列は、前記搬送方向に並ぶように複数配置され、当該複数列のインクヘッド列のうちの一のインクヘッド列は、所定の色のインクを吐出する一のインクヘッドを有し、前記複数列のインクヘッド列のうちの他のインクヘッド列は、前記一のインクヘッドに隣接して配置され前記所定の色のインクを吐出する他のインクヘッドを有し、前記一端側ヘッドから前記後処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB2とした場合、前記前処理ヘッドおよび前記後処理ヘッドが次の式の関係を満たすように配置されていてもよい。|(B1+B2-LC)/LC|≦1/2
本構成によれば、前処理液、インク及び後処理液の吐出用ヘッドの3種類のヘッドを、一つのキャリッジに搭載したオールインワン型のインクジェット記録装置を提供することができる。また、前処理ヘッド、インクヘッド及び後処理ヘッドが順次搬送方向に配置されるので、前処理液、インク及および後処理液を、記録媒体に望ましい着弾順となるように吐出できる。更に、複数のインクヘッド列のインクヘッドから所定の吐出対象域に同じ色のインクが吐出される構成において、前処理液の着弾から搬送方向上流側のインクヘッドが吐出するインクの着弾までの時間ばらつきと、搬送方向下流側のインクヘッドが吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきとの両方ともが大きくなることを起きにくくできる。
また、本開示の他の局面に係るインクジェット記録装置は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、を備え、前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドを備え、前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記後処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB2とした場合、前記後処理ヘッドが式2の関係を満たすように配置されている、インクジェット記録装置。|(B2-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式2)
本構成によれば、インク及び後処理液の吐出用ヘッドを、一つのキャリッジに搭載したインクジェット記録装置を提供することができる。また、インクヘッド及び後処理ヘッドが順次搬送方向に配置されるので、インク及び後処理液を、記録媒体に望ましい着弾順となるように吐出できる。更に、後処理ヘッドが式2を満たすように適切に配置されることによって、キャリッジの移動方向に関わらずインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくできる。この結果、記録媒体上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。
上記の構成において、前記後処理ヘッドが、前記主走査方向に並んで複数配置され、当該複数の後処理ヘッドのうちの少なくとも一の後処理ヘッドが前記式2の関係を満たすように配置されていてもよい。
本構成によれば、後処理ヘッドが複数配置されている場合でも、そのうちの少なくとも一の後処理ヘッドが式2を満たすように配置されることで、インクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくできる。また、他の後処理ヘッドから後処理液が更に吐出できるため、吐出可能な処理液の液量を増すことができる。
上記の構成において、前記複数の後処理ヘッドのすべてが前記式2の関係を満たすようにそれぞれ配置されていてもよい。
本構成によれば、複数の後処理ヘッドが、いずれも式2を満たすように配置されていることで、インクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを更に小さくするとともに、吐出可能な処理液の液量を増すことができる。
上記の構成において、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前吐出液を吐出する前処理ヘッドを更に備え、前記インクヘッド列は、前記搬送方向に並ぶように複数配置され、当該複数列のインクヘッド列のうちの一のインクヘッド列は、所定の色のインクを吐出する一のインクヘッドを有し、前記複数列のインクヘッド列のうちの他のインクヘッド列は、前記一のインクヘッドに隣接して配置され前記所定の色のインクを吐出する他のインクヘッドを有し、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドおよび前記後処理ヘッドが次の式の関係を満たすように配置されていてもよい。|(B1+B2-LC)/LC|≦1/2
本構成によれば、複数のインクヘッド列のインクヘッドから所定の吐出対象域に同じ色のインクが吐出される構成において、前処理液の着弾から搬送方向上流側のインクヘッドが吐出するインクの着弾までの時間ばらつきと、搬送方向下流側のインクヘッドが吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきとを、いずれも大きくなることを抑止することができる。
上記の構成において、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前吐出液を吐出する前処理ヘッドを更に備え、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドが次の式の関係を満たすように配置されていてもよい。|(B1-LC/2)|/LC≦1/4
本構成によれば、前処理ヘッドが上記の式を満たすように適切に配置されることによって、更に、前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを小さくできる。
上記の構成において、前記インクヘッド列は、前記搬送方向に並ぶように複数配置され、当該複数列のインクヘッド列のうちの一のインクヘッド列は、所定の色のインクを吐出する一のインクヘッドを有し、前記複数列のインクヘッド列のうちの他のインクヘッド列は、前記一のインクヘッドに隣接して配置され前記所定の色のインクを吐出する他のインクヘッドを有し、前記前処理ヘッドおよび前記後処理ヘッドが次の式の関係を満たすように配置されていてもよい。|(B1+B2-LC)/LC|≦1/3
本構成によれば、複数のインクヘッド列のインクヘッドから所定の吐出対象域に同じ色のインクが吐出される構成において、前処理液の着弾から搬送方向上流側のインクヘッドが吐出するインクの着弾までの時間ばらつきと、搬送方向下流側のインクヘッドが吐出するインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきとを、いずれも大きくなることを抑止することができる。
上記の構成において、前記処理ヘッドは、前記複数のインクヘッドの前記主走査方向における配置幅の範囲内に配置されていてもよい。
このインクジェット記録装置によれば、処理ヘッドがキャリッジに搭載される場合でも、当該キャリッジの主走査方向幅を拡張させる必要はない。従って、キャリッジの主走査方向幅の小型化を図ることができる。
上記の構成において、前記処理ヘッドは、一の前記インクヘッド列に含まれる前記複数のインクヘッドのうちの前記主走査方向において隣り合う一対のインクヘッドの間に一部が入り込むように配置されていてもよい。
このインクジェット記録装置によれば、搬送方向(副走査方向)の異なる位置に配置されるインクヘッドと処理ヘッドとを、搬送方向に高密度に配置することができる。従って、キャリッジの前記搬送方向の幅の小型化を図ることができる。
上記の構成において、前記処理ヘッドは、前記主走査方向及び前記搬送方向において一部が前記インクヘッドと隣接するように配置され、前記複数のインクヘッドは、同色のインクを吐出する複数の同色インクヘッドを含み、前記同色インクヘッドの各々について、前記処理ヘッドのうち前記主走査方向及び前記搬送方向において隣接する処理ヘッドの個数をカウントしたとき、それらのカウント数の最大値と最小値との差が1以下であってもよい。
一般に、ジェット方式で液体を吐出するヘッドは、電気を使用して液体を加圧するため発熱する。とりわけ、必要な色ドットの形成時のみに吐出動作を行うインクヘッドとは異なり、全色のドットに対応して吐出動作を要する処理ヘッドは、より高温化し易い。このような処理ヘッドに隣接するインクヘッドは高温化し易く、処理ヘッドに隣接していないインクヘッドに比べてインク吐出量に差異が生じるおそれがある。上記の通り、同色インクヘッドの各々が前記処理ヘッドに隣接するカウント数の最大値と最小値との差を1以下とすることで、複数の同色インクヘッド間でインク吐出量に大きな差異が生じ難くなる。
上記の構成において、前記処理ヘッドは、前記主走査方向及び前記搬送方向において一部が前記インクヘッドと隣接するように配置され、前記複数のインクヘッドは、少なくとも第1色のインクを吐出する第1インクヘッドと、第2色のインクを吐出する第2インクヘッドと、を含み、前記第1インクヘッドの方が、前記隣接する前記処理ヘッドの個数が前記第2インクヘッドよりも多い場合に、前記第1色のインクとして、前記第2色のインクよりも温度による粘度変化の小さいインクを吐出してもよい。
このインクジェット記録装置によれば、隣接する処理ヘッドの個数が多い第1インクヘッドは、温度による粘度変化の小さいインクを吐出する。従って、前記第1インクヘッドが前記処理ヘッドで加温されたとしても、前記第1色のインクの吐出量や吐出速度の温度変化を小さくできる。
上記の構成において、前記処理ヘッドは、前記インクヘッド列の前記主走査方向における配置幅の中央領域に配置されていてもよい。
若しくは、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドと、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドと、を備え、前記主走査方向における一又は複数の前記前処理ヘッドの配置又は配列中心と、一又は複数の前記後処理ヘッドの配置又は配列中心とが、前記主走査方向において一致するように前記前処理ヘッド及び前記後処理ヘッドが配置されていてもよい。
これらのインクジェット記録装置によれば、各主走査位置における、記録媒体への前処理液の着弾からインクの着弾までの時間のばらつき、並びに、インクの着弾から後処理液の着弾までの時間のばらつきを特に少なくすることができる。
上記のインクジェット記録装置において、前記前処理ヘッド及び前記後処理ヘッドのうち、ヘッド個数の多い方の個数をm個、少ない方の個数をn個とするとき、m=n+奇数、の要件を満たし、前記前処理ヘッド及び前記後処理ヘッドの配置又は配列中心と、前記複数のインクヘッドのうちの一のインクヘッドの配置位置とが、前記主走査方向において一致していてもよい。
このインクジェット記録装置によれば、前処理ヘッドと後処理ヘッドとが、ある程度まとまった状態でキャリッジに搭載することができる。これにより、複数のインクヘッドのうち、処理ヘッドに近い位置に配置されるインクヘッドの数を減らすことができる。従って、前処理液及び後処理液とインクとの、キャリッジ上での接触が生じる可能性を低くできる。
上記のインクジェット記録装置において、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドと、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドと、を備え、前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材をさらに備え、前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、前記搬送方向において、前記前処理ヘッドは前記後処理ヘッドよりも前記係合部側に配置されていてもよい。
このインクジェット記録装置によれば、キャリッジを保持部材に片持ち支持させることにより、簡単な構造でキャリッジを支持できる。また、片持ち支持にすることで、キャリッジの片側を開放させた構造とすることが容易になり、インクヘッドや処理ヘッドのメンテナンスを行い易くすることができる。キャリッジを片持ち支持する場合、キャリッジの前記係合部から遠い側では、高さ方向の精度が低下することが想定される。しかし、前記係合部から遠い側には、比較的吐出精度への要求に裕度がある後処理ヘッドが搭載されるので、画像品質に大きな影響を与え難い。
上記のインクジェット記録装置において、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドと、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドと、を備え、前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材をさらに備え、前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、前記前処理ヘッド及び前記後処理ヘッドのうち、ヘッド個数の少ない方が前記キャリッジの前記係合部側に配置されていてもよい。
上述の通り、処理ヘッドは吐出動作によって発熱する。このため、前記処理ヘッドを搭載しているキャリッジは加温され、当該キャリッジ及びその保持構造体に熱変形を招来し得る。前記キャリッジが片持ち保持される態様では、前記熱変形はインクの着弾精度に影響を与えることがある。上記の構成によれば、前記基端部側に配置される処理ヘッドの数を減らし、熱変形による影響を小さくできる。
上記のインクジェット記録装置において、前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材をさらに備え、前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、前記インクヘッドおよび前記処理ヘッドのヘッド配列体において、前記キャリッジの前記係合部に最も近い側に配置されるヘッドは、前記処理ヘッドであり、当該処理ヘッドは、前記ヘッド配列体における前記主走査方向の端を除く位置に配置されていてもよい。
このインクジェット記録装置によれば、前記ヘッド配列体(ヘッド配置領域)において、前記係合部に最も近い側に配置されるヘッドは、前記処理ヘッドであり、その処理ヘッドは、前記ヘッド配列体における前記主走査方向の端には配置されない。一般に、前記主走査方向の端は、キャリッジの端部(角部)に最も近くなる。キャリッジの端部であって前記基端部の付近で熱変形が生じると、当該キャリッジに搭載されたヘッドの位置精度が低下する。上記構成によれば、このような問題を発生し難くできる。
上記のインクジェット記録装置において、前記複数のインクヘッドの各々に前記インクを供給する複数のインク用サブタンクと、前記処理ヘッドに前記処理液を供給する処理液用サブタンクと、をさらに備え、前記複数のインク用サブタンクは、前記主走査方向に並ぶように前記キャリッジに搭載され、前記処理液用サブタンクは、前記キャリッジの、前記搬送方向において前記複数のインク用サブタンクとは異なる位置に搭載されていてもよい。
上記の構成によれば、前記インク用サブタンクと前記処理ヘッド用サブタンクとは、前記搬送方向において異なる位置に配置されているので、前記キャリッジ上で、サブタンクを比較的狭い範囲に配置することができる。また、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載されたサブタンクの液体には、主走査方向の加速度が作用する。前記サブタンクとヘッドとは所定の管路で接続されるが、前記サブタンクがキャリッジ上で広く分布していると、主走査方向における前記管路の配置範囲も大きくなるので、前記加速度の影響が大きくなり、ヘッドの吐出部分においてメニスカス破壊を起こすことがある。上記の構成によれば、前記管路の前記主走査方向における配置範囲を比較的狭くすることが可能となる。
また、本開示の他の局面に係るインクジェット記録方法は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、を備え、前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを備えるインクジェット記録装置のインクジェット記録方法であって、前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドを|(B1-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式1)の関係を満たすように配置することと、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら、前記記録媒体上の所定の記録領域に対して、前記前処理ヘッドから前記前処理液を吐出することと、前記記録媒体を前記搬送方向に送り、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら、前記前処理液の吐出を受けた前記記録領域に対して、前記インクヘッドから前記インクを吐出することと、を備える。
本方法によれば、前処理液及びインクの吐出用ヘッドが、一つのキャリッジに搭載されたインクジェット記録装置によって、記録媒体に対して効率的に画像を形成することができる。特に、前処理ヘッド及びインクヘッドが順次搬送方向に配置されるので、前処理液及びインクを、記録媒体に望ましい着弾順となるように吐出できる。更に、前処理ヘッドが式1を満たすように適切に配置されることで、キャリッジの移動方向に関わらず前処理液の着弾からインクの着弾までの時間ばらつきを小さくできる。この結果、記録媒体上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。
更に、本開示の他の局面に係るインクジェット記録方法は、記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、を備え、前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドを備えるインクジェット記録装置のインクジェット記録方法であって、前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記後処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB2とした場合、前記後処理ヘッドを|(B2-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式2)の関係を満たすように配置することと、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら、前記記録媒体上の所定の記録領域に対して、前記インクヘッドから前記インクを吐出することと、前記記録媒体を更に前記搬送方向に送り、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら、前記インクの吐出を受けた前記記録領域に対して、前記後処理ヘッドから前記後処理液を吐出することと、を備える。
本方法によれば、インク及び後処理液の吐出用ヘッドが、一つのキャリッジに搭載されたインクジェット記録装置によって、記録媒体に対して効率的に画像を形成することができる。特に、インクヘッド及び後処理ヘッドが順次搬送方向に配置されるので、インク及び後処理液を、記録媒体に望ましい着弾順となるように吐出できる。更に、後処理ヘッドが式2を満たすように適切に配置されることで、キャリッジの移動方向に関わらずインクの着弾から後処理液の着弾までの時間ばらつきを小さくできる。この結果、記録媒体上において画像品質のばらつきが生じ難くなる。
本開示によれば、インクヘッドおよび処理ヘッドが搭載され主走査方向に移動するキャリッジを備え、インクの着弾と処理液の着弾との間時間ばらつきを小さくできるインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することができる。
1 インクジェット式プリンター(インクヘッド式記録装置)
16 タイミングベルト(移動部材)
17 ガイドレール(保持部材)
20 ワーク搬送部(搬送部)
3、3A~3J キャリッジ
31 ヘッド支持フレーム
32 バックフレーム(係合部)
4 インクヘッド
41 第1インクヘッド列(インクヘッド列)
42 第2インクヘッド列(インクヘッド列)
43 第3インクヘッド列(インクヘッド列)
4A~4F 第1~第6インクヘッド
4A1~4F1 上流側ヘッド
4A2~4F2 下流側ヘッド
5 前処理ヘッド(処理ヘッド)
6 後処理ヘッド(処理ヘッド)
7 サブタンク
7A~7F インク用サブタンク
71 前処理液用サブタンク
72 後処理液用サブタンク
F 搬送方向
S 主走査方向
W ワーク(記録媒体)

Claims (16)

  1. 記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、
    前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、
    を備え、
    前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを備え、
    前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドが式1の関係を満たすように配置され、
    |(B1-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式1)
    前記処理ヘッドは、前記主走査方向及び前記搬送方向において一部が前記インクヘッドと隣接するように配置され、
    前記複数のインクヘッドは、同色のインクを吐出する複数の同色インクヘッドを含み、
    前記同色インクヘッドの各々について、前記処理ヘッドのうち前記主走査方向及び前記搬送方向において隣接する処理ヘッドの個数をカウントしたとき、それらのカウント数の最大値と最小値との差が1以下である、インクジェット記録装置。
  2. 記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、
    前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、
    を備え、
    前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを備え、
    前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドが式1の関係を満たすように配置され、
    |(B1-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式1)
    前記処理ヘッドは、前記主走査方向及び前記搬送方向において一部が前記インクヘッドと隣接するように配置され、
    前記複数のインクヘッドは、少なくとも第1色のインクを吐出する第1インクヘッドと、第2色のインクを吐出する第2インクヘッドと、を含み、
    前記第1インクヘッドの方が、前記隣接する前記処理ヘッドの個数が前記第2インクヘッドよりも多い場合に、前記第1色のインクとして、前記第2色のインクよりも温度による粘度変化の小さいインクを吐出する、インクジェット記録装置。
  3. 記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、
    前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、
    を備え、
    前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、
    前記処理ヘッドとして、
    前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドと、
    前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドと、
    を備え、
    前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドが式1の関係を満たすように配置され、
    |(B1-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式1)
    前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材をさらに備え、
    前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、
    前記搬送方向において、前記前処理ヘッドは前記後処理ヘッドよりも前記係合部側に配置されている、インクジェット記録装置。
  4. 記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、
    前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、
    を備え、
    前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを備え、
    前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドが式1の関係を満たすように配置され、
    |(B1-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式1)
    前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材をさらに備え、
    前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、
    前記インクヘッドおよび前記処理ヘッドのヘッド配列体において、前記キャリッジの前記係合部に最も近い側に配置されるヘッドは、前記処理ヘッドであり、当該処理ヘッドは、前記ヘッド配列体における前記主走査方向の端を除く位置に配置されている、インクジェット記録装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記前処理ヘッドが前記主走査方向に並んで複数配置され、当該複数の前処理ヘッドのうちの少なくとも一の前処理ヘッドが前記式1の関係を満たすように配置されている、インクジェット記録装置。
  6. 請求項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記複数の前処理ヘッドのすべてが前記式1の関係を満たすようにそれぞれ配置されている、インクジェット記録装置。
  7. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後吐出液を吐出する後処理ヘッドを更に備え、
    前記インクヘッド列は、前記搬送方向に並ぶように複数配置され、
    当該複数列のインクヘッド列のうちの一のインクヘッド列は、所定の色のインクを吐出する一のインクヘッドを有し、
    前記複数列のインクヘッド列のうちの他のインクヘッド列は、前記一のインクヘッドに隣接して配置され前記所定の色のインクを吐出する他のインクヘッドを有し、
    前記一端側ヘッドから前記後処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB2とした場合、前記前処理ヘッドおよび前記後処理ヘッドが次の式の関係を満たすように配置されている、インクジェット記録装置。
    |(B1+B2-LC)/LC|≦1/2
  8. 請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記処理ヘッドは、前記複数のインクヘッドの前記主走査方向における配置幅の範囲内に配置されている、インクジェット記録装置。
  9. 記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、
    前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、
    を備え、
    前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドを備え、
    前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記後処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB2とした場合、前記後処理ヘッドが式2の関係を満たすように配置され、
    |(B2-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式2)
    前記後処理ヘッドが、前記主走査方向に並んで複数配置され、当該複数の後処理ヘッドのうちの少なくとも一の後処理ヘッドが前記式2の関係を満たすように配置されている、インクジェット記録装置。
  10. 記録媒体を所定の搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向と交差する主走査方向に往復移動するキャリッジと、
    前記搬送方向における所定の位置において前記キャリッジに搭載された、一または複数のインクヘッド列と、
    前記キャリッジに搭載され非発色性の処理液を吐出する処理ヘッドと、
    を備え、
    前記一または複数のインクヘッド列の各々は、前記主走査方向に並ぶように配置された、画像形成用のインクをそれぞれ吐出する複数のインクヘッドを含み、
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して下流側に配置された、前記処理液である後処理液を吐出する後処理ヘッドを備え、
    前記複数のインクヘッドおよび前記処理ヘッドのうち前記主走査方向の最も一端側に配置されるヘッドを一端側ヘッド、最も他端側に配置されるヘッドを他端側ヘッドとし、前記一端側ヘッドから前記他端側ヘッドまでの前記主走査方向における距離をLC、前記一端側ヘッドから前記後処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB2とした場合、前記後処理ヘッドが式2の関係を満たすように配置され、
    |(B2-LC/2)|/LC≦1/4・・・(式2)
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを更に備え、
    前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドが次の式の関係を満たすように配置され、
    |(B1-LC/2)|/LC≦1/4
    前記インクヘッド列は、前記搬送方向に並ぶように複数配置され、
    当該複数列のインクヘッド列のうちの一のインクヘッド列は、所定の色のインクを吐出する一のインクヘッドを有し、
    前記複数列のインクヘッド列のうちの他のインクヘッド列は、前記一のインクヘッドに隣接して配置され前記所定の色のインクを吐出する他のインクヘッドを有し、
    前記前処理ヘッドおよび前記後処理ヘッドが次の式の関係を満たすように配置されている、インクジェット記録装置。
    |(B1+B2-LC)/LC|≦1/3
  11. 請求項に記載のインクジェット記録装置において、
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを更に備え、
    前記インクヘッド列は、前記搬送方向に並ぶように複数配置され、
    当該複数列のインクヘッド列のうちの一のインクヘッド列は、所定の色のインクを吐出する一のインクヘッドを有し、
    前記複数列のインクヘッド列のうちの他のインクヘッド列は、前記一のインクヘッドに隣接して配置され前記所定の色のインクを吐出する他のインクヘッドを有し、
    前記一端側ヘッドから前記前処理ヘッドまでの前記主走査方向における距離をB1とした場合、前記前処理ヘッドおよび前記後処理ヘッドが次の式の関係を満たすように配置されている、インクジェット記録装置。
    |(B1+B2-LC)/LC|≦1/2
  12. 請求項または10に記載のインクジェット記録装置において、
    前記処理ヘッドは、前記複数のインクヘッドの前記主走査方向における配置幅の範囲内に配置されている、インクジェット記録装置。
  13. 請求項または10に記載のインクジェット記録装置において、
    前記処理ヘッドは、前記主走査方向及び前記搬送方向において一部が前記インクヘッドと隣接するように配置され、
    前記複数のインクヘッドは、同色のインクを吐出する複数の同色インクヘッドを含み、
    前記同色インクヘッドの各々について、前記処理ヘッドのうち前記主走査方向及び前記搬送方向において隣接する処理ヘッドの個数をカウントしたとき、それらのカウント数の最大値と最小値との差が1以下である、インクジェット記録装置。
  14. 請求項または10に記載のインクジェット記録装置において、
    前記処理ヘッドは、前記主走査方向及び前記搬送方向において一部が前記インクヘッドと隣接するように配置され、
    前記複数のインクヘッドは、少なくとも第1色のインクを吐出する第1インクヘッドと、第2色のインクを吐出する第2インクヘッドと、を含み、
    前記第1インクヘッドの方が、前記隣接する前記処理ヘッドの個数が前記第2インクヘッドよりも多い場合に、前記第1色のインクとして、前記第2色のインクよりも温度による粘度変化の小さいインクを吐出する、インクジェット記録装置。
  15. 請求項または10に記載のインクジェット記録装置において、
    前記処理ヘッドとして、前記搬送方向において前記一または複数のインクヘッド列に対して上流側に配置された、前記処理液である前処理液を吐出する前処理ヘッドを備え、
    前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材をさらに備え、
    前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、
    前記搬送方向において、前記前処理ヘッドは前記後処理ヘッドよりも前記係合部側に配置されている、インクジェット記録装置。
  16. 請求項または10に記載のインクジェット記録装置において、
    前記キャリッジを前記主走査方向に往復移動が可能な状態で保持する保持部材をさらに備え、
    前記キャリッジは係合部を含み、当該係合部によって前記保持部材に片持ち状態で保持されており、
    前記インクヘッドおよび前記処理ヘッドのヘッド配列体において、前記キャリッジの前記係合部に最も近い側に配置されるヘッドは、前記処理ヘッドであり、当該処理ヘッドは、前記ヘッド配列体における前記主走査方向の端を除く位置に配置されている、インクジェット記録装置。
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