JP7341783B2 - 積層造形物の製造システム、積層造形物の製造方法 - Google Patents

積層造形物の製造システム、積層造形物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層造形物の製造システム、積層造形物の製造方法に関する。
近年、3Dプリンタの生産手段としてのニーズが高まっており、特に金属材料での適用については航空機業界等で実用化に向けて研究開発が行われている。金属材料による3Dプリンタは、レーザやアーク等の熱源を用いて、金属粉体や金属ワイヤを溶融させ、溶融金属を積層させて造形物を造形する。
例えば特許文献1には、金型の形状を表現する形状データを生成する工程と、生成された形状データに基づいて、金型を等高線に沿った積層体に分割する工程と、得られた積層体の形状データに基づいて、溶加材を供給する溶接トーチの移動経路を作成する工程とを備える金型の製造方法が記載されている。
また、例えば特許文献2には、先端軸にトーチを有する溶接ヘッドが設けられた溶接ロボットを使用するとともに、アークを用いて溶加材を溶融および固化してなる積層造形物の形成を行うことが記載されている。
特許第3784539号公報 特開2019-98381号公報
ここで、アークを用いて溶加材を溶融および固化してなるビードを複数重ねることによって、積層造形物の製造を行う場合、数多くのビードを繰り返し形成することが必要となる。また、積層造形物に対しては様々な要求特性があるため、例えば一種類の溶加材を用いて積層造形物を製造した場合には、得られる積層造形物が、要求される特性を満たさなくなるおそれがあった。
本発明は、複数のビードを積層することによって積層造形物の製造を行う場合に、要求される特性に応じた積層造形物をより容易に得ることを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、第1直径を有する第1溶加材を用い、当該第1溶加材の溶融および固化してなる第1ビードを形成する第1形成装置と、前記第1直径よりも小さい第2直径を有する第2溶加材を用い、当該第2溶加材を溶融および固化してなる第2ビードを形成する第2形成装置と、母材上に、前記第1ビードと前記第2ビードとを積層してなる積層造形物を形成するよう、前記第1形成装置および前記第2形成装置の動作を制御する制御装置とを含む積層造形物の製造システムを提供する。
ここで、前記制御装置は、前記第1形成装置によって2つの第1ビードを並べて形成させた後、2つの当該第1ビードの間に、前記第2形成装置によって前記第2ビードを形成させること、としてもよい。
また、前記制御装置は、前記第2形成装置が前記第2ビードの形成で前記第2溶加材に供給する第2入熱量を、前記第1形成装置が前記第1ビードの形成で前記第1溶加材に供給する第1入熱量よりも高くすること、としてもよい。
また、前記制御装置は、前記第2ビードの形成において、前記母材に対し前記第2溶加材の先端が進退するように、前記第2形成装置を制御すること、としてもよい。
また、前記制御装置は、前記第2形成装置によって2つの前記第2ビードを並べて形成させた後、2つの当該第2ビードの間に、前記第1形成装置によって前記第1ビードを形成させること、としてもよい。
また、前記制御装置は、前記第2形成装置が前記第2ビードの形成で前記第2溶加材に供給する第2入熱量を、前記第1形成装置が前記第1ビードの形成で前記第1溶加材に供給する第1入熱量よりも低くすること、としてもよい。
また、前記第1形成装置は、前記第1溶加材を保持する第1トーチと、当該第1トーチを保持しながら運動する第1ロボットとを備え、前記第2形成装置は、前記第2溶加材を保持する第2トーチと、当該第2トーチを保持しながら運動する第2ロボットとを備えること、としてもよい。
また、前記第1形成装置は、前記第1トーチを介して前記第1溶加材に溶接電流を供給する第1電源を備えるとともに、前記第2形成装置は、前記第2トーチを介して前記第2溶加材に溶接電流を供給する第2電源を備えており、前記第1電源の特性と前記第2電源の特性とが異なること、としてもよい。
また、前記第1電源がパルス電源であり、前記第2電源がCMT(Cold Metal Transfer)電源であること、としてもよい。
また、本発明は、導電性を有する母材を準備する準備工程と、前記母材上に、第1直径を有する第1溶加材を用い且つ当該第1溶加材を溶融および固化してなる第1ビードと、当該第1直径よりも小さい第2直径を有する第2溶加材を用い且つ当該第2溶加材を溶融および固化してなる第2ビードとを形成することで、当該第1ビードと当該第2ビードとを積層してなる積層造形物を形成する形成工程とを有する積層造形物の製造方法を提供する。
ここで、前記形成工程は、前記第1溶加材を用い、複数の前記第1ビードを並べて形成する第1形成工程と、前記第2溶加材を用い、隣接する2つの前記第1ビードの間に存在する隙間を埋めるように前記第2ビードを形成する第2形成工程とを有すること、としてもよい。
また、前記第2形成工程で前記第2溶加材に供給する第2入熱量を、前記第1形成工程で前記第1溶加材に供給する第1入熱量よりも高くすること、としてもよい。
また、前記第2形成工程では、前記母材に対し前記第2溶加材の先端を進退させながら、前記第2ビードを形成すること、としてもよい。
また、前記形成工程は、前記第2溶加材を用い、複数の前記第2ビードを並べて形成する前側形成工程と、前記第1溶加材を用い、隣接する2つの前記第2ビードの間に存在する隙間を埋めるように前記第1ビードを形成する後側形成工程とを有すること、としてもよい。
また、前記後側形成工程で前記第1溶加材に供給する第1入熱量を、前記前側形成工程で前記第2溶加材に供給する第2入熱量よりも高くすること、としてもよい。
本発明によれば、複数のビードを積層することによって積層造形物の製造を行う場合に、要求される特性に応じた積層造形物をより容易に得ることができる。
本発明の実施の形態における金属積層造形システムの概略構成例を示した図である。 第1ロボット装置の概略構成を示した斜視図である。 (a)は第1ワイヤを、(b)は第2ワイヤを、それぞれ示す図である。 制御装置の機能構成例を示した図である。 計画作成装置のハードウェア構成例を示した図である。 計画作成装置の機能構成例を示した図である。 計画作成装置の動作例を示したフローチャートである。 制御装置の制御に基づく、第1積層装置および第2積層装置の動作例を示したフローチャートである。 具体例における構造体の形状を説明するための斜視図である。 (a)は三次元形状データの一例を、(b)は層形状データの一例を、それぞれ説明するための図である。 実施の形態1の具体例における振分済層形状データを、層毎の観点から説明するための図である。 実施の形態1の具体例における振分済層形状データを、ワイヤ径毎の観点から説明するための図である。 出力データのデータ構造を説明するための図である。 実施の形態1の具体例における複数のビードの形成順番を説明するための図である。 実施の形態1の具体例における積層計画を説明するための図である。 (a)、(b)は、実施の形態1の具体例における第1層状体の形成手順を説明するための斜視図である。 実施の形態1の具体例における第1層状体の断面構成を説明するための図である。 実施の形態1の具体例で得られる第1ブロックの構成を説明するための斜視図である。 (a)は第1ビードを形成する際の第1ワイヤの移動軌跡を、(b)は第2ビードを形成する際の第2ワイヤの移動軌跡を、それぞれ説明するための図である。 実施の形態2の具体例における振分済層形状データを、層毎の観点から説明するための図である。 実施の形態2の具体例における振分済層形状データを、ワイヤ径毎の観点から説明するための図である。 実施の形態2の具体例における複数のビードの形成順番を説明するための図である。 実施の形態2の具体例における積層計画を説明するための図である。 (a)、(b)は、実施の形態2の具体例における第1層状体の形成手順を説明するための斜視図である。 実施の形態2の具体例における第1層状体の断面構成を説明するための図である。 実施の形態2の具体例で得られる第1ブロックの構成を説明するための斜視図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で参照する図面における各部の大きさや厚さ等は、実際の寸法とは異なっている場合がある。
<実施の形態1>
[金属積層造形システム]
図1は、本発明の実施の形態における金属積層造形システム1の概略構成例を示した図である。
積層造形物の製造システムの一例としての金属積層造形システム1は、所謂アーク溶接の手法を用いて、母材110上に、複数のビードを積層してなる積層造形物120を形成することで、母材110と積層造形物120とを含む構造体100を製造する。なお、構造体100の詳細については後述する。
本実施の形態の金属積層造形システム1は、第1積層装置10と、第2積層装置20と、制御装置30と、計画作成装置40とを備えている。これらのうち、計画作成装置40は、複数のビードを順次積層することによって積層造形物120を形成するための計画(以下では、「積層計画」と称する)に関する、制御プログラム等の作成を行う。また、制御装置30は、計画作成装置40によって、メモリカード等のリムーバブルな記録媒体50もしくは通信ケーブル等を介して自身に設けられた内部記録媒体(図示せず)に書き込まれた制御プログラム等を、読み出して実行する。さらに、第1積層装置10および第2積層装置20は、制御装置30が上記制御プログラム等を実行することに伴い、協働して積層造形物120の形成を行う。換言すれば、制御装置30は、上記制御プログラム等を実行することにより、積層造形物120の形成で使用される、第1積層装置10および第2積層装置20の両者の動作を制御する。
また、金属積層造形システム1に設けられた計画作成装置40には、CAD(Computer Aided Design)装置2が接続されている。このCAD装置2は、コンピュータを用いて、造形物を三次元座標で表した設計を行うとともに、設計によって得られた三次元データ(以下では、「三次元CADデータ」と称する)を保持する機能を有している。なお、ここでは、CAD装置2が金属積層造形システム1の外部に設置されるものとして説明を行うが、金属積層造形システム1の内部にCAD装置2を設けてもかまわない。
では次に、金属積層造形システム1を構成する第1積層装置10、第2積層装置20、制御装置30および計画作成装置40のそれぞれについて、説明を行う。
ここで、本実施の形態の金属積層造形システム1では、第1積層装置10および第2積層装置20として、ともに、ガスシールドアーク溶接方式を採用したロボット溶接装置を転用したものを用いている。
(第1積層装置)
第1形成装置の一例としての第1積層装置10は、所謂産業用ロボットで構成された第1ロボット装置11と、第1ロボット装置11に取り付けられ、溶接プロセスで使用される第1ワイヤ14の供給等を行う第1溶接トーチ12と、溶接プロセスで使用される電源装置である第1電源13とを備えている。なお、第1積層装置10は、この他に、シールドガスを供給するガス供給装置や第1ワイヤ14を供給するワイヤ供給装置等をさらに有しているのであるが、ここではその詳細な説明を省略する。
〔第1ロボット装置〕
図2は、第1積層装置10に設けられた第1ロボット装置11の概略構成を示した図である。以下では、図1に加えて図2も参照しつつ、第1ロボット装置11の構成について説明を行う。
第1ロボットの一例としての第1ロボット装置11は、一般的な6つの駆動軸を有する6軸の垂直多関節ロボットである。ただし、第1ロボット装置11は垂直多関節ロボットに限られるものではなく、他の構成であってもかまわない。また、第1ロボット装置11が垂直多関節ロボットを採用する場合であっても、その軸数は、6軸に限定されるものではなく、5軸以下であってもよいし、7軸以上であってもかまわない。
この第1ロボット装置11は、床等の設置対象に固定される基部11aと、基部11a上で鉛直方向に沿った第1駆動軸S1回りに旋回可能に設けられた旋回部11bと、水平方向に沿った第2駆動軸S2を介して一端部が旋回部11bと連結され、第2駆動軸S2回りに回転可能な下腕部11cとを備えている。また、第1ロボット装置11は、下腕部11cの他端部に第2駆動軸S2と平行な第3駆動軸S3を介して接続された上腕部11dと、上腕部11dに設けられ、第4駆動軸S4によりアーム軸線回りに回転可能な手首旋回部11eとを備えている。さらに、第1ロボット装置11は、手首旋回部11eに第5駆動軸S5を介して接続される手首曲げ部11fと、手首曲げ部11fの先端に第6駆動軸S6を介して接続される手首回転部11gとを備えている。この第1ロボット装置11では、これら下腕部11c、上腕部11d、手首旋回部11e、手首曲げ部11fおよび手首回転部11gが、多関節アームを構成している。
そして、多関節アームの最先端軸となる手首回転部11gには、所謂エンドエフェクタとして機能することで、第1溶接トーチ12を保持する保持部11hが取り付けられている。
〔第1溶接トーチ〕
第1トーチの一例としての第1溶接トーチ12は、アルゴンガスや炭酸ガス等のシールドガスが供給される略筒状のシールドノズルと、シールドノズルの内部に配置されたコンタクトチップ(ともに図示せず)とを有している。そして、コンタクトチップには、送給されてくる第1ワイヤ14が保持されるようになっている。この第1溶接トーチ12は、第1ワイヤ14を送給しつつ、シールドガスを流しながらアークを発生させて第1ワイヤ14を溶融および固化させることで、母材110上に複数のビード(以下では、「第1ビード」と称する)を形成且つ積層し、後述する第2溶接トーチ22とともに、積層造形物120の形成を行うようになっている。そして、ここでは、第1ワイヤ14自身が電極且つ溶加材となる「溶極式」を例として説明を行うが、「非溶極式」を採用することも可能である。
〔第1電源〕
第1電源13は、第1溶接トーチ12に設けられたコンタクトチップを介して、第1ワイヤ14に溶接電流を供給するための電源装置である。そして、第1電源13としては、直流電源および交流電源のどちらを用いてもよく、また、直流電源を用いる場合、その外部特性は、垂下特性、定電流特性および定電圧特性のいずれであってもよい。
〔第1ワイヤ〕
第1溶加材の一例としての第1ワイヤ14としては、ソリッドワイヤおよびフラックス入りワイヤのどちらも用いることができる。また、第1ワイヤ14としては、形成する積層造形物120の仕様に応じて、各種鉄鋼用(軟鋼用、高張力鋼用、低温用鋼用等)、各種ステンレス鋼用、各種アルミニウム合金(純アルミニウムを含む)用および各種チタン合金(純チタンを含む)用などから、適宜選択することができる。さらに、第1ワイヤ14のワイヤ径(直径)についても、適宜選択することが可能である。
(第2積層装置)
第2形成装置の一例としての第2積層装置20は、所謂産業用ロボットで構成された第2ロボット装置21と、第2ロボット装置21に取り付けられ、溶接プロセスで使用される第2ワイヤ24の供給等を行う第2溶接トーチ22と、溶接プロセスで使用される電源装置である第2電源23とを備えている。なお、第2積層装置20は、上述した第1積層装置10と同様に、この他に、シールドガスを供給するガス供給装置や第2ワイヤ24を供給するワイヤ供給装置等をさらに有しているのであるが、ここではその詳細な説明を省略する。
〔第2ロボット装置〕
第2ロボットの一例としての第2ロボット装置21は、上述した第1ロボット装置11と同様の構成を有しており、6軸の垂直多関節ロボットで構成されている(図2参照)。ただし、これに限られるものではなく、第2ロボット装置21が、第1ロボット装置11と異なる構造を有していてもかまわない。
〔第2溶接トーチ〕
第2トーチの一例としての第2溶接トーチ22は、上述した第1溶接トーチ12と同様の構成を有しており、アルゴンガスや炭酸ガス等のシールドガスが供給される略筒状のシールドノズルと、シールドノズルの内部に配置されたコンタクトチップ(ともに図示せず)とを有している。そして、コンタクトチップには、送給されてくる第2ワイヤ24が保持されるようになっている。この第2溶接トーチ22は、第2ワイヤ24を送給しつつ、シールドガスを流しながらアークを発生させて第2ワイヤ24を溶融および固化させることで、母材110上に複数のビード(以下では、「第2ビード」と称する)を形成且つ積層し、上述した第1溶接トーチ12とともに、積層造形物120の形成を行うようになっている。ただし、これに限られるものではなく、第2溶接トーチ22が、第1溶接トーチ12と異なる構造を有していてもかまわない。そして、ここでは、第1ワイヤ14自身が電極且つ溶加材となる「溶極式」を例として説明を行うが、「非溶極式」を採用することも可能である。また、一方を「溶極式」とし、他方を「非溶極式」としてもかまわない。
〔第2電源〕
第2電源23は、第2溶接トーチ22に設けられたコンタクトチップを介して、第2ワイヤ24に溶接電流を供給するための電源装置である。そして、第2電源23は、上述した第1電源13と同様の構成を有している。ただし、第2電源23としては、上述した第1電源13と同様に、直流電源および交流電源のどちらを用いてもよく、また、直流電源を用いる場合、その外部特性は、垂下特性、定電流特性および定電圧特性のいずれであってもよい。
〔第2ワイヤ〕
第2溶加材の一例としての第2ワイヤ24としては、ソリッドワイヤおよびフラックス入りワイヤのどちらも用いることができる。また、第2ワイヤ24としては、形成する積層造形物120の特性に応じて、各種鉄鋼用(軟鋼用、高張力鋼用、低温用鋼用等)、各種ステンレス鋼用、各種アルミニウム合金(純アルミニウムを含む)用および各種チタン合金(純チタンを含む)用などから、適宜選択することができる。さらに、第2ワイヤ24のワイヤ径(直径)についても、後述する第1ワイヤ14のワイヤ径との関係を満足する範囲内において、適宜選択することが可能である。
(第1ワイヤと第2ワイヤとの関係)
ではここで、第1積層装置10で用いられる第1ワイヤ14と、第2積層装置20で用いられる第2ワイヤ24との関係について説明しておく。
図3は、これら第1ワイヤ14および第2ワイヤ24を説明するための図であって、図3(a)は第1ワイヤ14を、図3(b)は第2ワイヤ24を、それぞれ示している。
図3(a)に示す第1ワイヤ14の直径を第1ワイヤ径φ1(第1直径の一例)とし、図3(b)に示す第2ワイヤ24の直径を第2ワイヤ径φ2(第2直径の一例)としたとき、本実施の形態では、これらがφ1>φ2の関係を満たすようになっている。すなわち、本実施の形態では、第2ワイヤ24の第2ワイヤ径φ2が、第1ワイヤ14の第1ワイヤ径φ1よりも小さくなるように、第1ワイヤ14および第2ワイヤ24の選択が行われている。
そして、本実施の形態における第1ワイヤ14および第2ワイヤ24は、直径の大小関係を除く各種特性(フラックスの有無や仕様)が共通となっているもの(例えば「軟鋼用のソリッドワイヤ」)を用いている。
(第1ロボット装置と第2ロボット装置との関係)
次に、第1積層装置10で用いられる第1ロボット装置11と、第2積層装置20で用いられる第2ロボット装置21との関係について説明しておく。
本実施の形態では、第1ロボット装置11および第2ロボット装置21として、上述したように、同一仕様のものを用いている。
ただし、これに限られるものではなく、例えば、相対的に細い第2ワイヤ24が使用される側となる第2ロボット装置21を、相対的に太い第1ワイヤ14が使用される側となる第1ロボット装置11よりも小型にする、というような設計を行ってもかまわない。
(第1溶接トーチと第2溶接トーチとの関係)
次に、第1積層装置10で用いられる第1溶接トーチ12と、第2積層装置20で用いられる第2溶接トーチ22との関係について説明しておく。
本実施の形態では、第1溶接トーチ12および第2溶接トーチ22として、上述したように、同一仕様のものを用いている。なお、コンタクトチップについては、第1溶接トーチ12で使用するものよりも、第2溶接トーチ22で使用するものの内径が小さくなっている。
ただし、これに限られるものではなく、例えば、相対的に細い第2ワイヤ24が使用される第2溶接トーチ22を、相対的に太い第1ワイヤ14が使用される第1溶接トーチ12よりも小型にする、というような設計を行ってもかまわない。
(第1電源と第2電源との関係)
続いて、第1積層装置10で用いられる第1電源13と、第2積層装置20で用いられる第2電源23との関係について説明しておく。
本実施の形態では、上述したように、第1電源13および第2電源23として、上述したように、同一仕様のものを用いている。
ただし、これに限られるものではなく、例えば相対的に細い第2ワイヤ24が使用される側となる第2電源23として定電圧電源を用い、相対的に太い第1ワイヤ14が使用される側となる第1電源13として定電流電源を用いる、というような設計を行ってもかまわない。
(制御装置)
図4は、制御装置30の機能構成例を示した図である。以下では、図1に加えて図4も参照しつつ、制御装置30の構成について説明を行う。
本実施の形態の制御装置30は、受付部301と、全体制御部302と、第1ロボット制御部303および第1溶接制御部304と、第2ロボット制御部305および第2溶接制御部306とを有している。
〔受付部〕
受付部301は、計画作成装置40から、記録媒体50を介して、第1積層装置10および第2積層装置20を連動して動作させるための制御プログラム等を含む出力データの入力を受け付ける。
〔全体制御部〕
全体制御部302は、受付部301が受け付けた制御プログラムにしたがい、第1積層装置10および第2積層装置20を連動して動作させるための全体的な制御を行う。また、全体制御部302は、このとき、第1積層装置10を構成する第1ロボット装置11および第1溶接トーチ12を連動して動作させ、且つ、第2積層装置20を構成する第2ロボット装置21および第2溶接トーチ22を連動して動作させるための制御を実行する。
〔第1ロボット制御部〕
第1ロボット制御部303は、全体制御部302による制御のもと、第1ロボット装置11を構成する各部を動作させることにより、第1ロボット装置11に保持された第1溶接トーチ12の位置制御および姿勢制御等を行う。
〔第1溶接制御部〕
第1溶接制御部304は、全体制御部302による制御のもと、第1溶接トーチ12に対する第1電源13を用いた給電動作、ワイヤ送給動作およびガス供給動作等に関する制御を行う。
〔第2ロボット制御部〕
第2ロボット制御部305は、全体制御部302による制御のもと、第2ロボット装置21を構成する各部を動作させることにより、第2ロボット装置21に保持された第2溶接トーチ22の位置制御および姿勢制御等を行う。
〔第2溶接制御部〕
第2溶接制御部306は、全体制御部302による制御のもと、第2溶接トーチ22に対する第2電源23を用いた給電動作、ワイヤ送給動作およびガス供給動作等に関する制御を行う。
(計画作成装置)
続いて、計画作成装置40の詳細について説明を行う。
〔ハードウェア構成〕
図5は、計画作成装置40のハードウェア構成例を示した図である。
本実施の形態の計画作成装置40は、例えば汎用のPC(Personal Computer)等により実現される。なお、具体的な説明は行わなかったが、上述した制御装置30も、以下に説明する計画作成装置40と同様のハードウェア構成を有している。
この計画作成装置40は、OSや各種アプリケーション等のプログラムを読み出して実行するCPU(Central Processing Unit)41と、CPU41が実行するプログラムやプログラムを実行する際に使用するデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)42と、プログラムを実行する際に一時的に生成されるデータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)43とを備えている。また、計画作成装置40は、各種プログラムや各種データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)44と、計画作成装置40の外部に設けられたCAD装置2や制御装置30等の機器との間でデータの送受信を行うNIC(Network Interface Card)45と、操作者からの入力を受け付ける入力装置46と、表示画面に画像を表示する表示装置47と、これらを接続するバス48とをさらに備えている。そして、計画作成装置40に設けられたCPU41が実行するプログラムは、予めROM42やHDD44に記憶させておく形態の他、例えばCD-ROM等の記憶媒体に格納してCPU41に提供したり、あるいは、ネットワーク(図示せず)を介してCPU41に提供したりすることも可能である。
〔機能構成〕
図6は、本実施の形態の計画作成装置40の機能構成例を示した図である。
本実施の形態の計画作成装置40は、取得部401と、変換部402と、切断部403と、振分部404と、作成部405と、付加部406と、出力部407とを有している。以下では、図1に加えて図6も参照しつつ、計画作成装置40の構成について説明を行う。
{取得部}
取得部401は、CAD装置2から、積層造形物120のもととなる造形物の三次元CADデータD3d(後述する図10(a)も参照)を取得する。
{変換部}
変換部402は、上記取得部401から、三次元CADデータD3dを受け取る。また、変換部402は、受け取った三次元CADデータD3dを、計画作成装置40での各種データ加工に用いられる内部データDiに変換する。
{切断部}
切断部403は、上記変換部402から、内部データDiを受け取る。また、切断部403は、受け取った内部データDiを、複数の層(例えばn層)の積層体となるように切断(スライス)することで、層形状データDs(具体的には、1層目の層形状データDs(1)~n層目の層形状データDs(n)を含むn層分のデータ:後述する図10(b)も参照)を作成する。
{振分部}
振分部404は、切断部403から層形状データDsを受け取る。また、振分部404は、受け取った層形状データDsに対し、層毎に、「第1ワイヤ14に対応する大径用」と「第2ワイヤ24に対応する小径用」とに振り分けを行うことで、振分済層形状データDd(具体的には、1層目の振分済層形状データDd(1)~n層目の振分済層形状データDd(n)を含むn層分のデータ:後述する図11および図12も参照)を作成する。
{作成部}
作成部405は、振分部404から振分済層形状データDdを受け取る。また、作成部405は、受け取った振分済層形状データDdに基づき、制御装置30が積層造形物120を製造する際に実行する制御プログラムDpと、この制御プログラムDpで使用される制御データDcとを作成する。
{付加部}
付加部406は、振分部404から振分済層形状データDdを受け取り、作成部405から、制御プログラムDpおよび制御データDcを受け取る。また、付加部406は、受け取った制御プログラムDpに、受け取った制御データDcと振分済層形状データDdとを付加することで、出力データDoを作成する。
{出力部}
出力部407は、付加部406から出力データDoを受け取る。また、出力部407は、受け取った出力データDoを、記録媒体50(図1参照)に書き込むことによって出力する。
[構造体]
ここで、本実施の形態の金属積層造形システム1によって製造される構造体100に関する説明を行っておく。
本実施の形態の構造体100は、積層対象となる母材110と、第1積層装置10が第1ワイヤ14を用いて形成した第1ビードおよび第2積層装置20が第2ワイヤ24を用いて形成した第2ビードを、混在させた状態で積層することで得られた積層造形物120とを備えている。
なお、本実施の形態では、母材110と積層造形物120とを含む構造体100が、最終的な製品となることがある。また、構造体100から母材110を取り除くことで得られた積層造形物120が、最終的な製品となることもある。さらに、いずれの場合においても、積層造形物120に切削加工を含む各種機械加工を施した加工物が、最終的な製品となることがある。
(母材)
母材110は、積層造形物120の土台となるものである。母材110には、所謂溶接プロセスによる積層造形物120の形成が可能な金属材を用いることができる。また、積層造形時の安定性の確保等を考慮すれば、積層造形物120として、図1に示すような板材を使用することが望ましい。
(積層造形物)
積層造形物120は、上述したように、第1ワイヤ14を溶融・固化してなる第1ビードと、第2ワイヤ24を溶融・固化してなる第2ビードとを含むものであって、これらを例えば鉛直方向上側に向かって順次積み重ねた構造を有している。なお、積層造形物120における第1ビードと第2ビードとの比率(体積比あるいは重量比)や、第1ビードおよび第2ビードの配列および積層順番等については、両者が混在しているのであれば、特に制限はない。
[金属積層造形システムの動作]
続いて、上述した図1等を参照しつつ、本実施の形態の金属積層造形システム1の動作について説明を行う。
本実施の形態の金属積層造形システム1では、まず、計画作成装置40が、積層造形物120の形成で使用する、制御プログラムDpおよび各種データ(振分済層形状データDdおよび制御データDc)を含む出力データDoの作成を行うとともに、作成した出力データDoを記録媒体50に書き込む。続いて、制御装置30が、記録媒体50から読み出した出力データDoに含まれる制御プログラムDpおよび各種データにしたがって動作する。より具体的に説明すると、制御装置30は、読み出した制御プログラムDpおよび各種データにしたがって、第1積層装置10および第2積層装置20の動作を制御する。そして、第1積層装置10に設けられた第1溶接トーチ12(第1ワイヤ14)を用いた、母材110上への第1ビードの形成と、第2積層装置20に設けられた第2溶接トーチ22(第2ワイヤ24)を用いた、母材110上への第2ビードの形成とを実行することにより、複数のビードを積層してなる積層造形物120の形成を行う。以上により、目的とする構造体100が得られる。
次に、上述した金属積層造形システム1の動作の詳細について説明を行う。ここでは、最初に計画作成装置40の動作について説明を行い、続いて制御装置30を介した第1積層装置10および第2積層装置20の動作について説明を行う。
(計画作成装置の動作)
図7は、計画作成装置40の動作例を示したフローチャートである。なお、ここでは、これから製造しようとする積層造形物120のもととなる造形物に関する三次元CADデータD3dが、既にCAD装置2によって作成されているものとする。
計画作成装置40の動作が開始されると、まず、取得部401が、CAD装置2から三次元CADデータD3dを取得する(ステップ10)。
次に、変換部402が、取得部401から受け取った三次元CADデータD3dを、内部データDiに変換する(ステップ20)。
続いて、切断部403が、変換部402から受け取った内部データDiを用いて、層形状データDsを作成する(ステップ30)。
さらに、振分部404が、切断部403から受け取った層形状データDsを用いて、振分済層形状データDdを作成する(ステップ40)。
また、作成部405が、振分部404が作成した振分済層形状データDdを用いて、制御プログラムDpおよび制御データDcを作成する(ステップ50)。
また、付加部406が、振分部404から受け取った振分済層形状データDdと、作成部405から受け取った制御プログラムDpおよび制御データDcとを用いて、出力データDoを作成する(ステップ60)。
そして、出力部407が、付加部406から受け取った出力データDoを、記録媒体50に書き込むことによって出力する(ステップ70)。
以上により、計画作成装置40の動作が完了する。
(積層造形装置の動作)
図8は、制御装置30の制御に基づく、第1積層装置10および第2積層装置20の動作例を示したフローチャートである。なお、図8に示す手順に従ってこれらが動作を開始する前に、第1ロボット装置11よび第2ロボット装置21周辺のうちの予め定められた位置には、母材110が固定された状態で位置決めされているものとする(「準備工程」の一例)。
制御装置30が動作を開始すると、まず、受付部301が、記録媒体50から読み出された、出力データDoの入力を受け付ける(ステップ110)。
次に、全体制御部302は、ステップ110で受け取った出力データDoに含まれる制御プログラムDpを、同じくステップ110で受け取った出力データDoに含まれる各種データ(振分済層形状データDdおよび制御データDc)を参照しながら実行する。また、全体制御部302は、変数xを1に設定する(ステップ120)。
続いて、全体制御部302は、得たい積層造形物120のうちのx層目(最初は1層目)の層状体を形成するための指示(層形成指示)を作成する(ステップ130)。ここで、x層目の層状体は、第1ワイヤ14を用いた第1ビードのみによって形成される場合と、第2ワイヤ24を用いた第2ビードのみによって形成される場合と、これら第1ビードと第2ビードとを混在させた状態で形成される場合とが存在し得る。
次いで、全体制御部302は、第1積層装置10および第2積層装置20に、上記ステップ130で作成した、x層目の層形成指示を出力する(ステップ140)。より具体的に説明すると、このとき、全体制御部302は、第1ロボット制御部303および第1溶接制御部304を介して、第1積層装置10に対する指示を出力するとともに、第2ロボット制御部305および第2溶接制御部306を介して、第2積層装置20に対する指示を出力する。これに伴い、第1積層装置10に設けられた第1ロボット装置11、第1溶接トーチ12および第1電源13と、第2積層装置20に設けられた第2ロボット装置21、第2溶接トーチ22および第2電源23とは、x層目の層形成指示に基づいて協働して動作し、第1ビードおよび/または第2ビードの形成を行う。
それから、全体制御部302は、変数xが得たい積層造形物120の総層数nと等しくなったか否かを判断する(ステップ150)。
ステップ150で否定の判断(No)を行った場合、全体制御部302は、変数xをx+1に更新し(ステップ160)、ステップ130に戻って次の層に関する処理を続行する。
一方、ステップ150で肯定の判断(Yes)を行った場合、すなわち、第1ビードおよび第2ビードを含むn層のビードを積層することで、母材110上に対する積層造形物120の形成が完了すると、第1積層装置10および第2積層装置20の動作が完了する。
[実施の形態1の具体例]
では、図1に示す金属積層造形システム1を用いた構造体100の製造に関し、具体的な例を挙げて説明を行う。
(構造体の形状)
図9は、具体例における構造体100の形状を説明するための図である。
この例における構造体100は、上述したように母材110と積層造形物120とを有している。そして、積層造形物120は、第1ブロック120aと第2ブロック120bとを備えている。
この例において、母材110は、鋼板等からなる板状の部材であって、上方からみたときに矩形状を呈するようになっている。
また、第1ブロック120aおよび第2ブロック120bの両者は、同一形状となる直方体状を呈するようになっており、母材110における矩形状の面の上に、並べて配置されている。そして、母材110上において、第1ブロック120aの一面と第2ブロック120bの一面とが対向するようになっており、両者の間には溝130が形成されている。このようにして第1ブロック120aと第2ブロック120bとの間に形成される溝130は、例えば構造体100に水等の流体を流すための流路として機能させることが可能である。
(各種データ)
次に、このような積層造形物120の製造に用いられる、各種データに関する説明を行う。なお、この例における積層造形物120に関しては、第1ブロック120aおよび第2ブロック120bの両者をまとめて製造したり、第1ブロック120aを製造した後に第2ブロック120bを製造したり、第2ブロック120bを製造した後に第1ブロック120aを製造したりすることが可能である。ただし、ここでは、第1ブロック120aを製造した後に第2ブロック120bを製造する場合を例とするとともに、一方のブロック(ここでは第1ブロック120a)を製造する場合に用いられる各種データについて説明を行う。
図10(a)、(b)、図11乃至図13は、積層造形物120(第1ブロック120a)の製造に際して、計画作成装置40で用いられる各種データの概念を説明するための図である。なお、ここで説明する各種データは、実際には、バイナリ形式やアスキー形式等によって表現されるものであるが、ここでは、理解を助けるために模式的な表記を行っている。そして、これら図10(a)、(b)、図11および図12では、各データを斜視図として表記している。
〔三次元形状データ〕
図10(a)は、三次元CADデータD3dの一例を示している。
図10(a)に示す三次元CADデータD3dは、上述したように、CAD装置2が作成し、計画作成装置40の取得部401が取得する。なお、ここには記載していないが、計画作成装置40の変換部402が作成する内部データDiも、表現形式が異なるだけで、表現しようとする形状そのものは、三次元CADデータD3dと同じである。
〔層形状データ〕
図10(b)は、層形状データDsの一例を示している。
図10(b)に示す層形状データDsは、上述したように、計画作成装置40の切断部403が作成する。そして、この例では、層形状データDsが、1層目の層形状データDs(1)~4層目の層形状データDs(4)を含む4層構成(n=4)となっている。なお、以下の説明では、「x層目の層形状データDs(x)」のことを、「第x層形状データDs(x)」と呼ぶことにする。この例において、第1層形状データDs(1)~第4層形状データDs(4)は共通の形状を有しており、それぞれが直方体状を呈するようになっている。なお、ここでは、説明を簡略化するために層形状データDsを4層構成としているが、実際には、5層以上となることが多い。
〔振分済層形状データ〕
次に、振分済層形状データDdについて説明を行う。
図11および図12は、実施の形態1の具体例における振分済層形状データDdの一例を示している。ここで、図11は、実施の形態1の具体例における振分済層形状データDdを、層毎の観点から説明するための図である。また、図12は、実施の形態1の具体例における振分済層形状データDdを、ワイヤ径毎の観点から説明するための図である。なお、図11および図12は、分類手法を異ならせただけであって、振分済層形状データDdの内容については同一である。
図11および図12に示す振分済層形状データDdは、上述したように、計画作成装置40の振分部404が作成する。
最初に、図11を参照しながら、実施の形態1の具体例における振分済層形状データDdの説明を行う。
図11に示す例では、振分済層形状データDdが、1層目の振分済層形状データDd(1)~4層目の振分済層形状データDd(4)を含む4層構成となっている。なお、以下の説明においては、「x層目の振分済層形状データDd(x)」のことを、「第x振分済データDd(x)」と呼ぶことにする。
そして、第1振分済データDd(1)は、3つの「1層目の大径用データDdA(1)」と、2つの「1層目の小径用データDdB(1)」とを含んでいる。すなわち、第1振分済データDd(1)は、5つのデータで構成されている。ここで、「1層目の大径用データDdA(1)」は、相対的に太い第1ワイヤ14に対応するものとなっており、「1層目の小径用データDdB(1)」は相対的に細い第2ワイヤ24に対応するものとなっている。なお、以下の説明では、「x層目の大径用データDdA(x)」のことを、「第x大径用データDdA(x)」と呼び、「x層目の小径用データDdB(x)」のことを、「第x小径用データDdB(x)」と呼ぶことにする。
第1振分済データDd(1)において、第1大径用データDdA(1)と第2小径用データDdB(1)とは、交互に並び且つそれぞれが平行となるように配置されている。このとき、隣接する2つの第1大径用データDdA(1)の間には隙間が存在し、その隙間を埋める位置に、1つの第1小径用データDdB(1)が配置されている。そして、この例では、横方向の両端部に第1大径用データDdA(1)が配置されるようになっている。
また、第2振分済データDd(2)も、3つの第2大径用データDdA(2)と、2つの第2小径用データDdB(2)とを含んでおり、これらが交互に並べて配置され、且つ、両端部に第2大径用データDdA(2)が配置されるようになっている。
さらに、第3振分済データDd(3)も、3つの第3大径用データDdA(3)と、2つの第3小径用データDdB(3)とを含んでおり、これらが交互に並べて配置され、且つ、両端部に第3大径用データDdA(3)が配置されるようになっている。
さらにまた、第4振分済データDd(4)も、3つの第4大径用データDdA(4)と、2つの第4小径用データDdB(4)とを含んでおり、これらが交互に並べて配置され、且つ、両端部に第4大径用データDdA(4)が配置されるようになっている。なお、ここでは、説明を簡略化するために各層を5つのデータで構成しているが、実際には、6つ以上となることが多い。
次に、図12を参照しながら、実施の形態1の具体例における振分済層形状データDdの別の観点からの説明を行う。
図12に示す例では、振分済層形状データDdが、相対的に太い第1ワイヤ14に対応する大径用データDdAと、相対的に細い第2ワイヤ24に対応する小径用データDdBとを含んでいる。
そして、大径用データDdAは、1層目に対応する3つの第1大径用データDdA(1)と、2層目に対応する3つの第2大径用データDdA(2)と、3層目に対応する3つの第3大径用データDdA(3)と、4層目に対応する3つの第4大径用データDdA(4)とを含んでいる。
一方、小径用データDdBは、1層目に対応する2つの第1小径用データDdB(1)と、2層目に対応する2つの第2小径用データDdB(2)と、3層目に対応する2つの第3小径用データDdB(3)と、4層目に対応する2つの第4小径用データDdB(4)とを含んでいる。
〔出力データ〕
図13は、出力データDoのデータ構造を説明するための図である。
図13に示す出力データDoは、上述したように、出力部407が作成する。
そして、この例では、出力データDoが、作成部405によって作成される制御プログラムDpと、振分部404によって作成される振分済層形状データDdと、作成部405によって作成される制御データDcとを含んでいる。また、振分済層形状データDdは、上述したように、相対的に太い第1ワイヤ14に対応する大径用データDdAと、相対的に細い第2ワイヤ24に対応する小径用データDdBとを含んでいる。さらに、制御データDcは、相対的に太いワイヤ14を使用する第1積層装置10で用いられる第1制御データDc1と、相対的に細い第2ワイヤ24を使用する第2積層装置20で用いられる第2制御データDc2とを含んでいる。
なお、以下の説明では、第1積層装置10および第1ワイヤ14に関連する第1制御データDc1および大径用データDdAを、まとめて「第1データD1」と呼び、また、第2積層装置20および第2ワイヤ24に関連する第2制御データDc2および小径用データDdBを、まとめて「第2データD2」と呼ぶことにする。
(積層計画)
では、実施の形態1の具体例における積層計画について説明を行う。
図14は、実施の形態1の具体例における複数のビードの形成順番を説明するための図である。ここで、図14は、積層造形物120における第1ブロック120aの断面を示しており、括弧内に示す数字が、それぞれのビードの形成順番を示している。
また、図15は、上述した形成順番を含む、実施の形態1の具体例における積層計画を説明するための図である。
この積層計画は、上述したように、計画作成装置40が作成し、記録媒体50を介して、制御装置30に伝達される。
図15に示す「積層計画」は、上述した「形成順番」(図には「順番」と記載)と、各順番で使用する「使用装置」と、各順番で使用する「制御データDc」および「振分済層形状データDd」と、各順番での形成対象となる「形成層」とを含んでいる。なお、この例では、図14に示したように、第1ブロック120aが、母材110上に積層される第1層状体1201と、第1層状体1201上に積層される第2層状体1202と、第2層状体1202上に積層される第3層状体1203と、第3層状体1203上に積層される第4層状体1204とによって構成されるものとする。この例において、第1ブロック120aは、第1層状体1201、第2層状体1202、第3層状体1203および第4層状体1204の順番で製造される。ここで、第1層状体1201~第4層状体1204は、上述した第1振分済データDd(1)~第4振分済データDd(4)のそれぞれに対応している。
なお、図15および上述した図13からも明らかなように、第1積層装置10は、第1制御データDc1および大径用データDdAを含む第1データD1に基づいて動作する。また、同様に、第2積層装置20は、第2制御データDc2および小径用データDdBを含む第2データD2に基づいて動作する。換言すれば、制御装置30は、第1データD1を用いて第1積層装置10の動作を制御するとともに、第2データD2を用いて第2積層装置20の動作を制御する。このとき、第1積層装置10では、第1制御データDc1を用いて第1ロボット装置11の動作が制御され、大径用データDdA(各種溶接条件)を用いて第1溶接トーチ12の動作が制御される。また、このとき、第2積層装置20では、第2制御データDc2を用いて第2ロボット装置21の動作が制御され、小径用データDdB(各種溶接条件)を用いて第2溶接トーチ22の動作が制御される。
(第1層状体の形成)
次に、この例における第1層状体1201の形成について、より具体的に説明を行う。
図16は、実施の形態1の具体例における第1層状体1201の形成手順を説明するための斜視図である。ここで、図16(a)は、第1層状体1201の形成における前半部分の手順を示しており、図16(b)は、第1層状体1201の形成における後半部分の手順を示している。以下では、図16に加え、上述した図14および図15も参照しながら説明を行う。
〔第1工程〕
最初に、形成順番(1)に対応する第1工程が実行される。
第1工程では、第1積層装置10が、第1制御データDc1および第1大径用データDdA(1)に基づき、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて、母材110上に1つ目の第1ビード121(例えば図16(a)において左側)を形成していく。
〔第2工程〕
第1工程が終了すると、次に、形成順番(2)に対応する第2工程が実行される。
第2工程では、第1積層装置10が、第1制御データDc1および第1大径用データDdA(1)に基づき、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて、母材110上に2つ目の第1ビード121(例えば図16(a)において中側)を形成していく。このとき、1つ目の第1ビード121と、2つ目の第1ビード121との間に所定の隙間が生じるように、予め積層計画を作成しておく。
〔第3工程〕
第2工程が終了すると、続いて、形成順番(3)に対応する第3工程が実行される。
第3工程では、第1積層装置10が、第1制御データDc1および第1大径用データDdA(1)に基づき、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて、母材110上に3つ目の第1ビード121(例えば図16(a)において右側)を形成していく。このとき、2つ目の第1ビード121と、3つ目の第1ビード121との間に所定の隙間が生じるように、予め積層計画を作成しておく。
以上により、第1層状体1201の形成において、第1積層装置10を使用する前半部分が終了する。その結果、図16(a)に示すように、母材110上には、3つの第1ビード121が、横方向に、略平行となるように隙間を空けて並べて配列される。なお、この例における第1工程~第3工程が、「第1形成工程」に対応している。
〔第4工程〕
第3工程が終了すると、次いで、形成順番(4)に対応する第4工程が実行される。
第4工程では、第2積層装置20が、第2制御データDc2および第1小径用データDdB(1)に基づき、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて、1つ目の第1ビード121と2つ目の第1ビード121との間に存在する隙間に沿って、1つ目の第2ビード122(図16(b)において左側)を形成していく。このとき、1つ目の第1ビード121と2つ目の第1ビード121との間を、1つ目の第2ビード122で埋めていくように、予め積層計画を作成しておく。
〔第5工程〕
第4工程が終了すると、こんどは、形成順番(5)に対応する第5工程が実行される。
第5工程では、第2積層装置20が、第2制御データDc2および第1小径用データDdB(1)に基づき、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて、2つ目の第1ビード121と3つ目の第1ビード121との間に存在する隙間に沿って、2つ目の第2ビード122(図16(b)において右側)を形成していく。このとき、2つ目の第1ビード121と3つ目の第1ビード121との間を、2つ目の第2ビード122で埋めていくように、予め積層計画を作成しておく。
以上により、第1層状体1201の形成において、第2積層装置20を使用する後半部分が終了する。その結果、図16(b)に示すように、母材110上には、3つの第1ビード121と2つの第2ビード122とが交互に並べて配列された第1層状体1201が形成された状態となる。なお、この例における第4工程~第5工程が、「第2形成工程」に対応している。
なお、図16では、各第1ビード121および各第2ビード122を理想的に表現していたが、実際は、通常の溶接時と同じく、各ビードの断面は角柱状とはならない。
図17は、実施の形態1の具体例における第1層状体1201の断面構成を説明するための図である。
このように、実際の第1層状体1201の断面形状は、ビードの垂れ等が生じることに伴い、ある程度変形した状態となる。なお、ここには表記していないが、実際には、母材110、各第1ビード121および各第2ビード122が互いに隣接する領域には、所謂溶込みが生じ得ることになる。
また、詳細は説明しないが、その後、第1層状体1201の製造と同様の手順にて、第2層状体1202~第4層状体1204の製造が順次行われる。その結果、母材110上に、第1層状体1201~第4層状体1204を含む第1ブロック120aが形成されることになる。なお、この例では、第1層状体1201~第4層状体1204を含む第1ブロック120aの製造工程が、「形成工程」に対応している。
なお、この例では、上記第1層状体1201の形成に続いて、それぞれが上記形成順番(1)~(5)に対応する、形成順番(6)~(10)によって第2層状体1202が形成され、形成順番(11)~(15)によって第3層状体1203が形成され、形成順番(16)~(20)によって第4層状体1204が形成される。
(得られる第1ブロックの構成)
図18は、実施の形態1の具体例で得られる第1ブロック120aの構成を説明するための斜視図である。
上述したように、第1ブロック120aは、第1層状体1201~第4層状体1204を積層して構成される。そして、第1層状体1201~第4層状体1204のそれぞれは、第1積層装置10が第1ワイヤ14を用いて形成した第1ビード121と、第2積層装置20が第2ワイヤ24を用いて形成した第2ビード122とを、混在させた状態となっている。
特に、この例では、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて形成される2つの第1ビード121の間に、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて形成される1つの第2ビード122を配置するようにしている。これにより、どちらか一方の径のワイヤを用いて層形成を行った場合と比較して、隣接するビード間に存在する隙間を埋めやすく(充填しやすく)することができる。これにより、得られる第1ブロック120a(積層造形物120)における巣(空隙)の発生を抑制することができる。
(変形例)
なお、上述した実施の形態1では、第1ワイヤ14を用いた第1積層装置10での溶接条件と、上述した説明では、第2ワイヤ24を用いた第2積層装置20での溶接条件とに関し、具体的な説明を行わなかった。ただし、例えば以下に説明する関係を採用することが可能である。
まず、各ビードを形成する際の入熱量については、第2ワイヤ24に対する入熱量である第2入熱量H2(J/cm)を、第1ワイヤ14に対する入熱量である第1入熱量H1(J/cm)よりも高く(H1<H2)することができる。第1ワイヤ14および第2ワイヤ24として同系統の材料を含むものを用いる場合に、このような関係を採用すると、第2ワイヤ24を用いて第2ビード122を形成する際に生じる溶融池の粘度を、第1ワイヤ14を用いて第1ビード121を形成する際に生じる溶融池の粘度よりも低くすることが可能となる。これにより、第2ビード122には、第1ビード121と比べて、重力に起因するビードの垂れが生じやすくなる。その結果、隣接する2つの第1ビード121の間に存在する隙間を、1つの第2ビード122で埋めていくことがより容易となり、空隙等も生じにくくなる。
また、第1積層装置10で用いる第1電源13としてパルス電源を採用し、第2積層装置20で用いる第2電源23としてCMT(Cold Metal Transfer)電源を採用することができる。このような構成を採用すると、第1積層装置10で用いられる相対的に太い第1ワイヤ14を、パルス電源を用いて溶接することにより、第1ビード121を高効率に形成することができる。また、第2積層装置20で用いられる相対的に細い第2ワイヤ24を、CMT電源を用いて溶接することにより、第2ビード122を高精度に形成することができる。
また、第1積層装置10で用いる第1ワイヤ14の運棒法と、第2積層装置20で用いる第2ワイヤ24の運棒法とを異ならせることができる。
図19は、第1ビード121および第2ビード122を形成する際の各ワイヤの移動軌跡を説明するための図である。ここで、図19(a)は、第1ビード121を形成する際の第1ワイヤ14の移動軌跡を示しており、図19(b)は、第2ビード122を形成する際の第2ワイヤ24の移動軌跡を示している。
最初に、図19(a)を参照しつつ、第1積層装置10(第1溶接トーチ12)を用いた、第1ワイヤ14の挙動について説明を行う。ただし、ここでは、第1層状体1201を形成する場合を例とする。
第1積層装置10の場合、第1ワイヤ14の先端部は、水平方向には、母材110の被積層面(この場合は上面)に沿って移動する。また、第1ワイヤ14が一定速度で送給される。そして、発生したアークによって第1ワイヤ14が順次溶融していくことから、第1ワイヤ14の先端部は、母材110の被積層面に対し、略平行となる移動軌跡Lwに沿って移動していくこととなる。
なお、詳細については説明を省略するが、第2層状体1202~第4層状体1204の形成においても、第1ワイヤ14の先端部は、この場合と同様の挙動(移動軌跡)を示すことになる。
次に、図19(b)を参照しつつ、第2積層装置20(第2溶接トーチ22)を用いた、第2ワイヤ24の挙動について説明を行う。ただし、ここでは、第1層状体1201を形成する場合を例とする。
第2積層装置20の場合、第2ワイヤ24の先端部は、水平方向には、母材110の被積層面(この場合は上面)に沿って移動する。ただし、こちらの場合、第2ワイヤ24が周期的に加減速された状態で送給される。そして、発生したアークによって第2ワイヤ24が順次溶融していくことから、第2ワイヤ24の先端部は、母材110の被積層面に対し、周期的に進退することでジグザグ状となる移動軌跡Lwに沿って移動していくことになる。
ここで、相対的に太い第1ワイヤ14に対し、図19(a)に示すような運棒法を採用して第1ビード121を形成した場合、得られる第1ビード121の上面は、略凸状となりやすい。これに対し、相対的に細い第2ワイヤ24に対し、図19(b)に示すような運棒法を採用して第2ビード122を形成した場合、得られる第2ビード122の上面は、略凹状となりやすい。
その結果、例えば母材110上に形成される第1層状体1201における上面が、図17に示す状態と比べて、平面により近づくことになる。また、第1層状体1201の上に形成される第2層状体1202~第4層状体1204のそれぞれにおける上面も、平面により近づく。したがって、得られる第1ブロック120aの上面(=第4層状体1204の上面)も、平面により近づくこととなり、得られる第1ブロック120aの外観形状を、目的とするものにより近づけることが可能になる。
また、本実施の形態では、第1層状体1201~第4層状体1204のそれぞれを形成する際に、まず、第1積層装置10を用いて3つの第1ビード121を形成し、続いて、第2積層装置20を用いて2つの第2ビード122を形成するようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、第1層状体1201~第4層状体1204のそれぞれについて、まず、第1積層装置10を用いて1つ目の第1ビード121および2つ目の第1ビード121を形成し、続いて、第2積層装置20を用いて1つめの第2ビード122を形成し、それから、第1積層装置10を用いて3つ目の第1ビード121を形成し、最後に、第2積層装置20を用いて2つ目の第2ビード122を形成する、という手順を採用してもよい。また、層毎(例えば奇数層および偶数層)に、層状体の形成手順を異ならせるようにしてもかまわない。
<実施の形態2>
実施の形態1では、各層状体の形成に際して、まず、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて複数の第1ビード121を形成し、続いて、形成した複数の第1ビード121の間の隙間を埋めるように、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて第2ビード122を形成するようにしていた。これに対し、本実施の形態では、まず、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて複数の第2ビード122を形成し、続いて、形成した複数の第2ビード122の間の隙間を埋めるように、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて第1ビード121を形成するようにしたものである。ここで、本実施の形態では、実施の形態1と同じ構成を有する金属積層造形システム1を用いている。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
[実施の形態2の具体例]
では、図1に示す金属積層造形システム1を用いた構造体100の製造に関し、具体的な例を挙げて説明を行う。ただし、ここでは、実施の形態1と同じく、図9に示す構造体100のうち、母材110上に、積層造形物120の一部を構成する第1ブロック120aを形成する場合を例として説明を行う。
(各種データ)
この例の場合、三次元CADデータD3dおよび層形状データDsは、実施の形態1と同じである(図10(a)、(b)参照)。そのため、これらについては、その詳細な説明を省略する。
〔振分済層形状データ〕
次に、振分済層形状データDdについて説明を行う。
図20および図21は、実施の形態2の具体例における振分済層形状データDdの一例を示している。ここで、図20は、実施の形態2の具体例における振分済層形状データDdを、層毎の観点から説明するための図である。また、図21は、実施の形態2の具体例における振分済層形状データDdを、ワイヤ径毎の観点から説明するための図である。なお、図20および図21は、分類手法を異ならせただけであって、振分済データDdの内容については同一である。
図20および図21に示す振分済層形状データDdは、上述したように、計画作成装置40の振分部404が作成する。
最初に、図20を参照しながら、実施の形態2の具体例における振分済層形状データDdの説明を行う。
図20に示す例では、振分済層形状データDdが、実施の形態1と同じく、第1振分済データDd(1)~第4振分済データDd(4)を含む4層構成となっている。
ただし、第1振分済データDd(1)は、実施の形態1とは異なり、3つの第1大径用データDdA(1)と、4つの第1小径用データDdB(1)とを含んでいる。
第1振分済データDd(1)において、3つの第1大径用データDdA(1)は、横方向に並び且つそれぞれが平行となるように配置されている。また、第1振分済データDd(1)において、4つの第1小径用データDdB(1)は、並べて配置された3つの第1大径用データDdA(1)の両端部に位置するように。2つずつに分けて配置されている。そして、一端側および他端側のそれぞれにおいて、2つの第1小径用データDdB(1)は、縦方向に積み重なった状態で配置されている。
また、第2振分済データDd(2)も、3つの第2大径用データDdA(2)と、4つの第2小径用データDdB(2)とを含んでおり、3つの第2大径用データDdA(2)が横方向に並べて配置されるとともに、その両端部に2つの第2小径用データDdB(2)が、2つずつ縦方向に並べて配置されている。
さらに、第3振分済データDd(3)も、3つの第3大径用データDdA(3)と、4つの第3小径用データDdB(3)とを含んでおり、3つの第3大径用データDdA(3)が横方向に並べて配置されるとともに、その両端部に2つの第3小径用データDdB(3)が、2つずつ縦方向に並べて配置されている。
さらにまた、第4振分済データDd(4)も、3つの第4大径用データDdA(4)と、4つの第4小径用データDdB(4)とを含んでおり、3つの第4大径用データDdA(4)が横方向に並べて配置されるとともに、その両端部に2つの第4小径用データDdB(4)が、2つずつ縦方向に並べて配置されている。
次に、図21を参照しながら、実施の形態2の具体例における振分済層形状データDdの別の観点からの説明を行う。
図21に示す例では、振分済層形状データDdが、相対的に太い第1ワイヤ14に対応する大径用データDdAと、相対的に細い第2ワイヤ24に対応する小径用データDdBとを含んでいる。
そして、大径用データDdAは、1層目に対応する3つの第1大径用データDdA(1)と、2層目に対応する3つの第2大径用データDdA(2)と、3層目に対応する3つの第3大径用データDdA(3)と、4層目に対応する3つの第4大径用データDdA(4)とを含んでいる。
一方、小径用データDdBは、1層目に対応する4つの第1小径用データDdB(1)と、2層目に対応する4つの第2小径用データDdB(2)と、3層目に対応する4つの第3小径用データDdB(3)と、4層目に対応する4つの第4小径用データDdB(4)とを含んでいる。
なお、出力データDoのデータ構造については、実施の形態1で説明したものと同じである(図13参照)。
(積層計画)
では、実施の形態2の具体例における積層計画について説明を行う。
図22は、実施の形態2の具体例における複数のビードの形成順番を説明するための図である。ここで、図22は、積層造形物120における第1ブロック120aの断面を示しており、括弧内に示す数字が、それぞれのビードの形成順番を示している。
また、図23は、上述した形成順番を含む、実施の形態2の具体例における積層計画を説明するための図である。この例においても、第1ブロック120aは、第1層状体1201、第2層状体1202、第3層状体1203および第4層状体1204の順番で製造される。そして、第1層状体1201~第4層状体1204は、上述した第1振分済データDd(1)~第4振分済データDd(4)のそれぞれに対応している。
(第1層状体の形成)
次に、この例における第1層状体1201の形成について、より具体的に説明を行う。
図24は、実施の形態2の具体例における第1層状体1201の形成手順を説明するための斜視図である。ここで、図24(a)は、第1層状体1201の形成における前半部分の手順を示しており、図24(b)は、第1層状体1201の形成における後半部分の手順を示している。以下では、図24に加え、上述した図22および図23も参照しながら説明を行う。
〔第1工程〕
最初に、形成順番(1)に対応する第1工程が実行される。
第1工程では、第2積層装置20が、第2制御データDc2および第1小径用データDdB(1)に基づき、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて、母材110上に1つ目の第2ビード122(例えば図24(a)において左側且つ下側)を形成していく。
〔第2工程〕
第1工程が終了すると、次に、形成順番(2)に対応する第2工程が実行される。
第2工程では、第2積層装置20が、第2制御データDc2および第1小径用データDdB(1)に基づき、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて、母材110上に2つ目の第2ビード122(例えば図24(a)において右側且つ下側)を形成していく。このとき、1つ目の第2ビード122と2つ目の第2ビード122との間に大きな隙間が生じるように、予め積層計画を作成しておく。
〔第3工程〕
第2工程が終了すると、続いて、形成順番(3)に対応する第3工程が実行される。
第3工程では、第2積層装置20が、第2制御データDc2および第1小径用データDdB(1)に基づき、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて、1つ目の第2ビード122上に3つ目の第2ビード122(例えば図24(a)において左側且つ上側)を形成していく。このとき、3つ目の第2ビード122が1つ目の第2ビードの上に積み重なるように、予め積層計画を作成しておく。
〔第4工程〕
第3工程が終了すると、次いで、形成順番(4)に対応する第4工程が実行される。
第4工程では、第2積層装置20が、第2制御データDc2および第1小径用データDdB(1)に基づき、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて、2つ目の第2ビード122上に4つ目の第2ビード122(例えば図24(a)において右側且つ上側)を形成していく。このとき、4つ目の第2ビード122が2つ目の第2ビードの上に積み重なるように、予め積層計画を作成しておく。
以上により、第1層状体1201の形成において、第2積層装置20を使用する前半部分が終了する。その結果、図24(a)に示すように、母材110上には、2つの第2ビード122が、横方向に、略平行となるように隙間を空けて並べて配列され、また、それぞれにおいて、2つの第2ビード122が、縦方向に、略平行となるように隙間を空けずに並べて配列される。なお、この例における第1工程~第4工程が、「前側形成工程」に対応している。
〔第5工程〕
第4工程が終了すると、今度は、形成順番(5)に対応する第5工程が実行される。
第5工程では、第1積層装置10が、第1制御データDc1および第1大径用データDdA(1)に基づき、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて、母材110上に1つ目の第1ビード121(例えば図24(b)において左側)を形成していく。このとき、1つ目の第1ビード121が、1つ目および2つ目の第2ビード122によって形成される第1の側壁に沿うように、予め積層計画を作成しておく。
〔第6工程〕
第5工程が終了すると、次に、形成順番(6)に対応する第6工程が実行される。
第6工程では、第1積層装置10が、第1制御データDc1および第1大径用データDdA(1)に基づき、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて、母材110上に2つ目の第1ビード121(例えば図24(b)において中側)を形成していく。このとき、2つ目の第1ビード121が、1つ目の第1ビード121に沿うように、予め積層計画を作成しておく。
〔第7工程〕
第6工程が終了すると、続いて、形成順番(7)に対応する第7工程が実行される。
第7工程では、第1積層装置10が、第1制御データDc1および第1大径用データDdA(1)に基づき、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて、母材110上に3つ目の第1ビード121(例えば図24(b)において右側)を形成していく。このとき、3つ目の第1ビード121が、2つ目および4つ目の第2ビード122によって形成される第2の側壁と、2つ目の第1ビード121とに沿うように、予め積層計画を作成しておく。
以上により、第1層状体1201の形成において、第1積層装置10を使用する後半部分が終了する。その結果、図24(b)に示すように、母材110上には、3つの第1ビード121と4つの第2ビード122とが並べて配列された第1層状体1201が形成された状態となる。なお、この例における第5工程~第7工程が、「後側形成工程」に対応している。
なお、図24では、各第1ビード121および各第2ビード122を理想的に表現していたが、実際は、通常の溶接時と同じく、各ビードの断面は角柱状とはならない。
図25は、実施の形態2の具体例における第1層状体1201の断面構成を説明するための図である。
このように、実際の第1層状体1201の断面形状は、ビードの垂れ等が生じることに伴い、ある程度変形した状態となる。なお、ここには表記していないが、実際には、母材110、各第1ビード121および各第2ビード122が互いに隣接する領域には、所謂溶込みが生じ得ることになる。
また、詳細は説明しないが、その後、第1層状体1201の製造と同様の手順にて、第2層状体1202~第4層状体1204の製造が順次行われる。その結果、母材110上に、第1層状体1201~第4層状体1204を含む第1ブロック120aが形成されることになる。なお、この例では、第1層状体1201~第4層状体1204を含む第1ブロック120aの製造工程が、「形成工程」に対応している。
なお、この例では、上記第1層状体1201の形成に続いて、それぞれが上記形成順番(1)~(7)に対応する、形成順番(8)~(14)によって第2層状体1202が形成され、形成順番(15)~(21)によって第3層状体1203が形成され、形成順番(22)~(28)によって第4層状体1204が形成される。
(得られる第1ブロックの構成)
図26は、実施の形態2の具体例で得られる第1ブロック120aの構成を説明するための斜視図である。
この例でも、実施の形態1と同様に、第1ブロック120aは、第1層状体1201~第4層状体1204を積層して構成される。そして、第1層状体1201~第4層状体1204のそれぞれは、第1積層装置10が第1ワイヤ14を用いて形成した第1ビード121と、第2積層装置20が第2ワイヤ24を用いて形成した第2ビード122とを、混在させた状態となっている。
特に、この例では、相対的に細い第2ワイヤ24を用いて形成される4つの第2ビード122による側壁(第1側壁および第2側壁)の間に、相対的に太い第1ワイヤ14を用いて形成される複数(ここでは3つ)の第1ビード121を配置するようにしている。これにより、例えば相対的に細い第2ワイヤ24を用いてすべての層形成を行った場合と比較して、生産効率を向上させることができる。また、第1ブロック120aにおける第1側壁および第2側壁が、相対的に細い第2ワイヤ24を用いた第2ビード122によって形成されるため、外観の凹凸が少なくなる分、これらの部位における見栄えがよくなる。特に、第1側壁または第2側壁を溝130の形成箇所に設ければ、これらを第1ビード121で形成した場合と比較して、流体の流路抵抗の増加を抑制することが容易になる。
(変形例)
なお、上述した実施の形態2でも、第1ワイヤ14を用いた第1積層装置10での溶接条件と、第2ワイヤ24を用いた第2積層装置20での溶接条件とに関し、具体的な説明を行わなかった。ただし、例えば以下に説明する関係を採用することが可能である。
まず、各ビードを形成する際の入熱量については、実施の形態1とは逆に、第2入熱量H2(J/cm)を、第1入熱量H1(J/cm)よりも低く(H1>H2)することができる。第1ワイヤ14および第2ワイヤ24として同系統の材料を含むものを用いる場合に、このような関係を採用すると、第2ワイヤ24を用いて第2ビード122を形成する際に生じる溶融池の粘度を、第1ワイヤ14を用いて第1ビード121を形成する際に生じる溶融池の粘度よりも高くすることが可能となる。これにより、第2ビード122には、第1ビード121と比べて、重力に起因するビードの垂れが生じにくくなる。その結果、複数の第2ビード122を用いて形成される2つの側壁の変形を抑制することができるようになり、得られる第1ブロック120aの外観形状を、目的とするものにより近づけることが可能になる。
また、本実施の形態では、複数の第2ビード122を積層することで2つの側壁を形成した後に、両側壁の間を複数の第1ビード121で埋める、という手順を採用していたが、これに限られるものではない。例えば、複数の第2ビード122を積層することで例えば矩形状を呈する枠を形成した後に、この枠の内側を複数の第1ビード121で埋める、という手順を採用してもかまわない。この場合、例えば、最上層となる第4層状体1204の上に、複数の第2ビード122を並べて形成することもでき、このような構成を採用すれば、第1ブロック120aの外周面を、すべて第2ビード122で覆うことが可能になる。
また、本実施の形態では、第1層状体1201~第4層状体1204のそれぞれを形成する際に、まず、第2積層装置20を用いて4つの第2ビード122を形成し、続いて、第1積層装置10を用いて3つの第1ビード121を形成するようにしていたが、これに限られるものではない。例えば、第1層状体1201~第4層状体1204のそれぞれについて、まず、第1積層装置10を用いて3つの第1ビード121を形成し、続いて、第2積層装置20を用いて4つの第2ビード122を形成する、という手順を採用してもよい。この場合は、並べて形成された3つの第1ビード121の外周面を、4つの第2ビード122を用いて覆うことになる。換言すれば、3つの第1ビード121に対し、4つの第2ビード122を用いて化粧ビードを施す、ということになる。また、この場合は、第1層状体1201~第4層状体1204をこの順で作成せずに、まず、第1積層装置10を用いてすべての第1ビード121の形成を行い、続いて、複数の第1ビード121によって形成された直方体状の塊の外周面に対し、第2積層装置20を用いてすべての第2ビード122の形成を行う、という手順を採用することもできる。
<その他>
なお、上述した各実施の形態では、第1ワイヤ14を用いる第1積層装置10と、第2ワイヤ24を用いる第2積層装置20とを用いて、積層造形物120の形成を行っていた。ただし、これに限られるものではなく、例えば1台のロボット装置(例えば第1ロボット装置11)に対し、2つの溶接トーチ(第1溶接トーチ12および第2溶接トーチ22)を付け替え自在とし、ロボット装置に装着する溶接トーチを交換しながら、積層造形物120の形成を行うようにしてもかまわない。
また、上述した各実施の形態では、母材110に対する積層造形物120の形成において、第1積層装置10が動作しているときには第2積層装置20を停止させ、第2積層装置20が動作しているときには第1積層装置10を停止させるようにしていた。すなわち、第1積層装置10および第2積層装置20のいずれか一方を、選択的に動作させるようにしていた。ただし、これに限られるものではなく、例えば第1ロボット装置11と第2ロボット装置21とが動作的に干渉しない範囲において、また、第1ワイヤ14に流す溶接電流と第2ワイヤ24に流す溶接電流とが不具合を生じさせない範囲において、第1積層装置10および第2積層装置20を並行して動作させるようにしてもかまわない。
また、上述した各実施の形態では、x層目の層状体を、第1ビード121および第2ビード122を混在させた状態で形成していたが、これに限られるものではない。例えば、奇数番目の層状体(ここでは第1層状体1201および第3層状体1203)を第1ビード121のみで形成するとともに、偶数番目の層状体(ここでは第2層状体1202および第4層状体1204)を第2ビード122のみで形成する、といった構成を採用してもかまわない。
また、上述した各実施の形態では、それぞれにおける第1層状体1201~第4層状体1204の構成を共通なものとしていたが、これに限られるものではない、例えば、奇数番目の層状体(ここでは第1層状体1201および第3層状体1203)を実施の形態1に記載した構造とするとともに、偶数番目の層状体(ここでは第2層状体1202および第4層状体1204)を実施の形態2に記載した構造とする、といった構成を採用してもかまわない。
また、上述した各実施の形態では、第1ブロック120aの外周面に、第1ビード121および第2ビード122の両者が露出するようになっていたが、これに限られるものではない。例えば、第1ブロック120aの外周面のすべてを、第1ビード121または第2ビード122のいずれかのみによって覆うようにしてもかまわない。
また、上述した各実施の形態では、第1ブロック120aを構成する各第1ビード121および各第2ビード122をすべて直線状に形成していたが、これに限られるものではない。例えば、曲線状、階段状あるいはループ状など、適宜選択してかまわない。
また、上述した各実施の形態では、第1ビード121が第2ビード122よりも太い(断面積が大きい)ものとして説明を行っていたが、これに限られるものではない。例えば、各種溶接条件の選定によっては、第1ビード121と第2ビード122とが略同じ太さ(断面積)となったり、第1ビード121が第2ビード122よりも細く(断面積が小さく)なったりすることもあり得る。
1…金属積層造形システム、2…CAD装置、10…第1積層装置、11…第1ロボット装置、12…第1溶接トーチ、13…第1電源、14…第1ワイヤ、20…第2積層装置、21…第2ロボット装置、22…第2溶接トーチ、23…第2電源、24…第2ワイヤ、30…制御装置、40…計画作成装置、50…記録媒体、100…構造体、110…母材、120…積層造形物、120a…第1ブロック、120b…第2ブロック、121…第1ビード、122…第2ビード、130…溝、D3d…三次元CADデータ、Di…内部データ、Ds…層形状データ、Dd…振分済層形状データ、Dc…制御データ、Dp…制御プログラム、Do…出力データ、φ1…第1ワイヤ径、φ2…第2ワイヤ径

Claims (8)

  1. 第1直径を有する第1溶加材を用い、当該第1溶加材の溶融および固化してなる第1ビードを形成する第1形成装置と、
    前記第1直径よりも小さい第2直径を有する第2溶加材を用い、当該第2溶加材を溶融および固化してなる第2ビードを形成する第2形成装置と、
    母材上に、前記第1ビードと前記第2ビードとを積層してなる積層造形物を形成するよう、前記第1形成装置および前記第2形成装置の動作を制御する制御装置と
    を含み、
    前記第1形成装置は、前記第1溶加材を保持する第1トーチを介して当該第1溶加材に溶接電流を供給するパルス電源である第1電源を備え、
    前記第2形成装置は、前記第2溶加材を保持する第2トーチを介して当該第2溶加材に溶接電流を供給するCMT(Cold Metal Transfer)電源である第2電源を備える、積層造形物の製造システム。
  2. 第1ロボットを備え、当該第1ロボットにより、第1直径を有する第1溶加材を用い、当該第1溶加材の溶融および固化してなる第1ビードを形成する第1形成装置と、
    第2ロボットを備え、当該第2ロボットにより、前記第1直径よりも小さい第2直径を有する第2溶加材を用い、当該第2溶加材を溶融および固化してなる第2ビードを形成する第2形成装置と、
    母材上に、前記第1ビードと前記第2ビードとを積層してなる積層造形物を形成するよう、前記第1形成装置および前記第2形成装置を並行して動作させる制御を行う制御装置と
    を含み、
    前記第1ロボットは、前記第1溶加材を保持する第1トーチと、当該第1トーチを保持しながら運動し、
    前記第2ロボットは、前記第2溶加材を保持する第2トーチと、当該第2トーチを保持しながら運動し、
    前記制御装置は、前記積層造形物のもととなる造形物の三次元データを複数の層に切断した層形状データを、前記第1形成装置に対応する層形状データと、前記第2形成装置に対応する層形状データとに振り分けた振分済層形状データに基づいて、当該第1形成装置および当該第2形成装置の動作を制御する、積層造形物の製造システム。
  3. 前記制御装置は、前記第1形成装置によって2つの第1ビードを並べて形成させた後、2つの当該第1ビードの間に、前記第2形成装置によって前記第2ビードを形成させることを特徴とする請求項1または2記載の積層造形物の製造システム。
  4. 前記制御装置は、前記第2形成装置が前記第2ビードの形成で前記第2溶加材に供給する第2入熱量を、前記第1形成装置が前記第1ビードの形成で前記第1溶加材に供給する第1入熱量よりも高くすることを特徴とする請求項3記載の積層造形物の製造システム。
  5. 前記制御装置は、前記第2ビードの形成において、前記母材に対し前記第2溶加材の先端が進退するように、前記第2形成装置を制御することを特徴とする請求項3または4記載の積層造形物の製造システム。
  6. 前記制御装置は、前記第2形成装置によって2つの前記第2ビードを並べて形成させた後、2つの当該第2ビードの間に、前記第1形成装置によって前記第1ビードを形成させることを特徴とする請求項1または2記載の積層造形物の製造システム。
  7. 前記制御装置は、前記第2形成装置が前記第2ビードの形成で前記第2溶加材に供給する第2入熱量を、前記第1形成装置が前記第1ビードの形成で前記第1溶加材に供給する第1入熱量よりも低くすることを特徴とする請求項6記載の積層造形物の製造システム。
  8. 導電性を有する母材を準備する準備工程と、
    前記母材上に、第1直径を有する第1溶加材を用い且つ当該第1溶加材を溶融および固化してなる第1ビードと、当該第1直径よりも小さい第2直径を有する第2溶加材を用い且つ当該第2溶加材を溶融および固化してなる第2ビードとを形成することで、当該第1ビードと当該第2ビードとを積層してなる積層造形物を形成する形成工程と
    を有し、
    前記第1ビードを形成する際、前記第1溶加材を保持する第1トーチを介して当該第1溶加材に溶接電流を供給するパルス電源である第1電源を使用し、
    前記第2ビードを形成する際、前記第2溶加材を保持する第2トーチを介して当該第2溶加材に溶接電流を供給するCMT(Cold Metal Transfer)電源である第2電源を使用する、積層造形物の製造方法。
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