以下の詳細な説明および添付図面は、さまざまな例としての医療デバイス、医療デバイスを製造する方法、医用撮像方法、および介入医療処置を行う方法を記載し例示する。これらの例の説明および例示は、当業者が、本発明の実施形態による医療デバイスを製造して使用し、本発明の実施形態による医療デバイスを製造する方法を実施し、本発明の実施形態による医用撮像方法を実施し、本発明の実施形態による介入医療処置を行う方法を実施するのを可能にするために提供される。それらは、本発明または求められる保護の範囲をいかなるようにも限定するようには意図されていない。本発明は、さまざまな方法で実施または実行することができ、本明細書に記載し例示する例は、単に、これらのさまざまな方法の選択された例であり、網羅的であるとみなされない。
本明細書における「取り付けられた」という用語は、1つの部材が別の部材に、それら部材をそれらの取り付けられた形態で含む物品の意図された使用に従って行われる使用中に、それら部材が互いから完全に分離しないように固定されていることを指す。
本明細書における「KSI」という用語は、材料の引張強度の定量化のための単位の指標として使用され、数千ポンド/平方インチ、すなわちキロポンド/平方インチを指す。
本明細書における「栓」という用語は、別の部材の孔、空洞、通路または空隙内に配置されるのに好適なサイズおよび構成を有する部材を指す。この用語は、いかなる特定のサイズまたは構成も必須とせず、特定の栓のサイズおよび構成は、その栓が配置されるように意図されている孔、空洞、通路または空隙のサイズおよび構成によって決まる。
本明細書における「ステンレス鋼」という用語は、質量で最低10.5%クロム含入量を有する鋼合金を指す。
本明細書における「加工硬化ステンレス鋼」という用語および文法的に関連する用語は、冷間加工によって硬化したステンレス鋼を指す。
磁気的に影響を受けやすい材料は、従来の医用MRIスキャナで使用される1.5Tおよび3T磁場等、強力な磁場で偏向する可能性があるため、MRI機器および技法で使用するための医療デバイスを開発するときに、通常、避けられる。高周波(RF)誘導加熱の可能性もまた、MRI機器および技法でのこれらの材料の使用に対し難題を示す。さらに、これらの材料は、MRIスキャンにおいて、磁気共鳴画像に、視野ならびに視野内の関心のある組織および/または身体構造を不明瞭にする可能性がある視覚的アーチファクトを引き起こし、手技の全体的な価値を低下させる。
しかしながら、本発明者は、医療デバイスの製造で使用されるステンレス鋼要素の透磁率および任意選択的に他の物理的属性を制御することにより、ステンレス鋼マーカが、MRI画像における有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことができることを明らかにした。MRIスキャンの全体的な価値を低下させる代わりに、これらの視覚的アーチファクトは、種々の介入医療デバイスおよび方法の使用を可能にすることにより、スキャンの価値を劇的に向上させる。さらに、本発明者は、医療デバイスの製造に使用されるステンレス鋼要素の最大引張強度を制御することにより、MRI画像の有用性に悪影響を及ぼす視覚的アーチファクトとは対照的に、MRI画像に有用な視覚的アーチファクトを引き起こす透磁率を有するマーカを医療デバイスに組み込むことができ、それにより、医療デバイスが、MRI技法に対してより有効でありかつより望ましいものとなることを明らかにした。さらに、本発明者は、医療デバイスを製造する際に使用されるステンレス鋼要素に投入する加工の量、すなわち、ステンレス鋼に対して実施する冷間加工の程度を制御することにより、MRI機器および技法で有用である医療デバイスを製造する有用かつ効率的な方法が可能となることを明らかにした。さらには、医療デバイスの製造に使用されるステンレス鋼要素に投入する加工の量を制御することにより、有用な撮像方法および介入医療処置を行う方法が可能になる。
図1は、第1の医療デバイス例100を示す。この例では、医療デバイス100はガイドワイヤである。医療デバイスは、近位端112および遠位端114を有する本体部材110を含む。本体部材110は、マンドレル116および補強部材118を含む。マンドレル116および補強部材118の各々は、本体部材の近位端112から本体部材の遠位端114まで延在する。補強部材118は、内腔120を画定している。マンドレル116は、内腔120内に配置されている。本体部材110の軸方向長さに沿って、複数のマーカ122が配置されている。したがって、複数のマーカ122の各マーカは、補強部材118の周囲に周方向に配置されている。複数のマーカの各マーカは、本体部材110に取り付けられている。図示する実施形態では、複数のマーカ122は、第1のマーカ124、第2のマーカ126、第3のマーカ128および第4のマーカ130を含む。補強部材118および複数のマーカ122の上に、外側シース132が配置されている。
マンドレル116は、任意の好適なマンドレルを含むことができる。図示する実施形態では、マンドレル116は、ニッケルチタン合金から形成された細長い部材を含む。
補強部材118は、任意の好適な部材を含むことができる。図示する実施形態では、補強部材は、内部にマンドレル116を配置することができる内腔120を画定する管状部材を含む。また、補強部材118は、ポリアミドまたはポリイミド材料等、任意の好適な材料から形成することができる。
複数のマーカ122の各マーカは、加工硬化ステンレス鋼を含む。さらに、複数のマーカ122の各マーカは、医療デバイス100が撮像されるMRI手技の間に視覚的アーチファクトを引き起こす特性を有する。これらの視覚的アーチファクトを使用して、医療デバイス100が前進した体内管の部分等、MRI画像の他の部分に対する医療デバイス100の配置を確定することができる。本発明者は、特定の特性を有するマーカが視覚的アーチファクトを引き起こし、そうした視覚的アーチファクトが、特にこれに関して視覚的アーチファクトを有用にするサイズおよび形状を有することを明らかにした。たとえば、本発明者は、約100KSI~約225KSIの最大引張強度を有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。実際には、本発明者は、本明細書に記載する医療デバイスおよび方法がMRI機器および技法で有用であるために、マーカが、この範囲内の最大引張強度を有することが重大であることを明らかにした。この範囲外の最大引張強度を有するマーカは、MRIスキャンにおいてマーカによって引き起こされる視覚的アーチファクトが、スキャンの価値に対して最終的な悪影響を与えることになる、許容できない可能性を与える。たとえば、視覚的アーチファクトは、スキャンで生成された画像の他の部分を許容できない程度またはレベルまで不明瞭にするほど大きい可能性がある。この範囲外の最大引張強度を有するマーカは許容できない結果をもたらすが、本発明者は、より狭い範囲内の最大引張強度を有するマーカにより、約100KSI~約225KSIの最大引張強度を有するマーカと同じかまたはそれより良好な有用性を有する視覚的アーチファクトを引き起こすことができることを明らかにした。実際には、本発明者は、約150KSI~約200KSIの最大引張強度を有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約170KSI~約200KSIの最大引張強度を有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約187KSI~約191KSIの最大引張強度を有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約189KSIの最大引張強度を有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。
各マーカの質量もまた、MRIスキャン中にマーカによって引き起こされる視覚的アーチファクトに寄与する。しかしながら、実施形態による医療デバイスにおける各マーカの質量およびすべてのマーカの総質量を、取扱い、押しやすさおよびトルク伝達性等、医療デバイスに対する性能考慮事項と均衡させることが重要である。本発明者は、約0.05mg~約2.74mgの質量を有するマーカが、特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。この範囲外の質量を有するマーカは、マーカが上述した性能考慮事項に悪影響を与える可能性を増大させるが、本発明者は、より狭い範囲内の質量を有するマーカが、約0.05mg~約2.74mgの質量を有するマーカと同じかまたより良好な有用性を有する視覚的アーチファクトを引き起こすことができることを明らかにした。実際には、本発明者は、約0.1mg~約1.37mgの質量を有するマーカが、何らかの顕著な方法で医療デバイスの性能考慮事項に悪影響を与えることなく、特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。本発明者は、約0.15mg~約0.685mgの質量を有するマーカが、何らかの顕著な方法で医療デバイスの性能考慮事項に悪影響を与えることなく、特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約0.15mgの質量を有するマーカが、何らかの顕著な方法で医療デバイスの性能考慮事項に悪影響を与えることなく、特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。
いくつかの実施形態では、マーカは、最大引張強度および質量考慮事項の両方に基づいて医療デバイスに組み込まれる。実際には、本発明者は、約100KSI~約225KSIの最大引張強度と約0.34mg~約2.74mgの質量とを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約150KSI~約200KSIの最大引張強度と約0.69mg~約2.05mgの質量とを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約170KSI~約200KSIの最大引張強度と約0.69mg~約2.05mgの質量とを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約172KSI~約197KSIの最大引張強度と約0.69mg~約2.05mgの質量とを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約187KSI~約191KSIの最大引張強度と約0.69mg~約2.05mgの質量とを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約189KSIの最大引張強度と約1.37mgの質量とを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。
空間的考慮事項および他の考慮事項は、特定の医療デバイスにおける特定のマーカに対して好適な質量および最大引張強度の選択を誘導することができる。たとえば、本発明者は、約0.05mg~約2.74mgの範囲の下方部分、たとえば、約1mg未満の質量を有するが、約100KSI~約225KSIの範囲の上方部分、たとえば、約175KSIを超える最大引張強度を有するマーカの選択により、特に、大きいマーカを配置することが困難である可能性がある医療デバイスにおけるマーカに対して、特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことができることを明らかにした。たとえば、本発明者は、約0.15mgの質量および約189KSIの最大引張強度を有するマーカが、ガイドワイヤの遠位端またはカニューレの壁に配置された栓として有益な視覚的アーチファクトを引き起こすと考える。詳細に後述するように、マーカの全長もまた、MRIスキャン中にマーカによって引き起こされる視覚的アーチファクトに寄与する。この特定の例では、本発明者は、後述するように、約0.4mmの長さが、製造中に好都合に扱われるのには十分大きいが、血液中にディフェージングを引き起こすほど大きくはないマーカを提供することを明らかにした。逆に、本発明者は、約0.05mg~約2.74mgの範囲の上方部分、たとえば、約1mgを超える質量を有するが、約100KSI~約225KSIの範囲の下方部分、たとえば、約197KSI未満の最大引張強度を有するマーカの選択により、特に、小さいマーカを配置することが困難である可能性があるか、または、製造中に小さいマーカの取扱いが最も重要な関心事である医療デバイスにおけるマーカに対して、特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことができることを明らかにした。
密接に関連するマーカのグループを使用して、単一のマーカによって引き起こされるものと同様の視覚的アーチファクトを達成することができることに留意されたい。たとえば、所望の最大引張強度を有する3つのマーカを医療デバイスに、それらのマーカがMRIスキャン中にグループとして所望の視覚的アーチファクトを引き起こすように、医療デバイスに密接に関連するマーカのグループを形成する方法で、取り付けることができる。この種のグループでは、2つのマーカ、2つを超えるマーカ、3つのマーカ、複数のマーカ、4つのマーカ、5つのマーカおよび5つを超えるマーカを含む、任意の好適な数のマーカを使用することができる。また、マーカ負荷の所望の全体的な質量に対する寄与に基づいて、マーカを選択することができる。たとえば、約0.15mgの質量および約189KSIの最大引張強度を有するマーカを有することが望ましい上に列挙した例では、各々が約0.05mgの質量および約189KSIの最大引張強度を有する、3つの別個のマーカを含むマーカグループを、約0.15mgの質量および約189KSIの最大引張強度を有する単一のマーカの代わりとして使用することができる。マーカグループは、密接に関連するマーカのグループを形成する方法で医療デバイスに取り付けられるとき、MRIスキャンにおいて、単一のマーカによって引き起こされる視覚的アーチファクトと同様の視覚的アーチファクトを引き起こすことが予期される。これらの実施形態では、マーカグループにおける個々のマーカは、そのグループが、単一のマーカによって引き起こされる視覚的アーチファクトと同様の視覚的アーチファクトを引き起こすように互いに対して位置決めされることが重要である。マーカグループにおける個々のマーカが、十分に密接に関連付けられないように互いから過度に遠くに位置決めされる場合、そのグループによって引き起こされる視覚的アーチファクトは、別個の視覚的アーチファクトとなる可能性が高く、MRIスキャンで得られる画像の部分を不明瞭にする可能性がある。
各マーカの全長もまた、MRIスキャン中にマーカによって引き起こされる視覚的アーチファクトに寄与する。しかしながら、上記質量考慮事項と同様に、実施形態による医療デバイスにおける各マーカの長さおよびすべてのマーカの全長を、取扱い、押しやすさおよびトルク伝達性等、性能考慮事項と均衡させることが重要である。また、過度な長さのマーカにより、たとえば、血液のディフェージングがもたらされる可能性がある。本発明者は、約0.25mm~約2.0mmの長さを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約0.5mm~約1.5mmの長さを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約1.0mmの長さを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。さらに、本発明者は、約0.5mmの長さを有するマーカが、そのマーカを含む医療デバイスが撮像されるMRI手技の間に特に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすことを明らかにした。本発明者は、2.0mmを超える長さを有するマーカが、MRI手技の間に、特定の用途に対して有用であるには大きすぎる視覚的アーチファクトを引き起こす可能性があることを明らかにした。
複数のマーカ122の各マーカを、任意の好適な方法で本体部材に取り付けることができる。図示する実施形態では、マーカ124、126、128、130の各々は、ステンレス鋼に加工を施さない方法で、本体部材110に取り付けられている。言い換えれば、マーカ124、126、128、130の各々は、マーカにおけるステンレス鋼の最大引張強度を増大させない方法で、本体部材110に取り付けられている。この配置は、マーカが、最終的な所望の最大引張強度および透磁率を有する加工硬化ステンレス鋼を含む場合に好適であると考えられる。この配置が望ましい医療デバイスの場合、マーカの加工硬化ステンレス鋼に加工を施さない任意の好適な方法で、本体部材にマーカを取り付けることができる。図示する実施形態では、マーカ124、126、128、130の各々は、マーカと補強部材118との間に配置された接着剤により、本体部材110に取り付けられる。これらの実施形態では、医療デバイスに含めるのに好適であるとみなされる任意の接着剤を使用することができる。
複数のマーカ122の各マーカは、任意の好適な構成を有することができる。図示する実施形態では、各マーカ124、126、128、130は、マーカ内腔を画定する管状部材を含む。管状マーカは、医療デバイス100の本体部材110の一部の周囲に配置することができる。図1に示すように、管状マーカ124、126、128、130は、補強部材118の周囲に、各マーカ124、126、128、130が補強部材118の円周全体に延在するように配置することができる。別法として、実施形態による医療デバイスの本体部材の周囲に、部分的な円周を画定するマーカを、本体部材の円周の一部のみに延在するように配置することができる。
実施形態による医療デバイスにおいて、任意の好適な数のマーカを使用することができる。第1の医療デバイス例は4つのマーカ124、126、128、130を含むが、実施形態による医療デバイスは、特定の医療デバイスの意図された使用に対して好適であるとみなされる任意の数のマーカを含むことができることが理解されるべきである。実施形態による医療デバイスに含めるのに好適な数のマーカの例としては、1つのマーカ、2つのマーカ、2つを超えるマーカ、3つのマーカ、複数のマーカ、4つのマーカ、5つのマーカ、6つのマーカ、7つのマーカ、8つのマーカ、9つのマーカ、10のマーカおよび10を超えるマーカが挙げられる。さらに、2つ以上のマーカを含む実施形態では、マーカは、所望の距離、互いに間隔を空けて配置することができる。ただし、マーカは視覚的アーチファクトを引き起こし、医療デバイスにおけるそれらの有用性は、MRI手技におけるこの視覚的アーチファクトの生成に基づくため、オーバーラップするかまたは略オーバーラップする視覚的アーチファクトをもたらさない距離、マーカを互いから間隔を空けて配置することが重要である。医療デバイスにおいてマーカが互いに過度に近接した間隔で配置される場合、個々のマーカによって引き起こされる視覚的アーチファクトがオーバーラップするかまたは略オーバーラップするため、マーカの有用性が喪失する可能性がある。これが発生する場合、オーバーラップするかまたは略オーバーラップする視覚的アーチファクトの不明瞭にする性質は、それらの存在によって引き起こされるいかなる利益よりも勝る可能性がある。本発明者は、図1において医療デバイス100として示すガイドワイヤ等、第1のマーカおよび第2のマーカを有する医療デバイスにおいて、第2のマーカから第1のマーカを、約5cm~約100cmの距離、間隔を空けて配置することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、第1のマーカおよび第2のマーカを有する医療デバイスでは、第2のマーカから第1のマーカを約5cm~約10cmの距離、間隔を空けて配置することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、第1のマーカおよび第2のマーカを有する医療デバイスでは、第2のマーカから第1のマーカを、約10cmを超える距離、間隔を空けて配置することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、第1のマーカおよび第2のマーカを有する医療デバイスでは、第2のマーカから第1のマーカを、約10cmの距離、間隔を空けて配置することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、第1のマーカおよび第2のマーカを有する医療デバイスでは、第2のマーカから第1のマーカを、約5cmを超える距離、間隔を空けて配置することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、第1のマーカおよび第2のマーカを有する医療デバイスでは、第2のマーカから第1のマーカを、約5cmの距離、間隔を空けて配置することが有利であることを明らかにした。本発明者は、約5cm未満の距離、間隔を空けて配置されたマーカが、特定の用途に対して有用であるには互いに近すぎる視覚的アーチファクトを引き起こす可能性があることを明らかにした。
また、3つのマーカを有する医療デバイスでは、第2のマーカから第1のマーカを、第1の距離、間隔を空けて配置することができ、第3のマーカから第2のマーカを、第2の距離、間隔を空けて配置することができる。第1の距離および第2の距離は、同じであり得るか、または異なり得る。本発明者は、特定の実施形態による医療デバイスにおけるマーカ間の規則的な間隔が、それらのマーカがMRIにおいてそれらが引き起こす視覚的アーチファクトを介して視覚化されるため、有利であり得ることを明らかにした。したがって、アーチファクトの規則的なパターンにより、これらの手技におけるマーカの有用性を向上させることができる。それにも関わらず、複数のマーカを含む特定の実施形態による医療デバイスにおけるいくつかまたはすべてのマーカの間の不規則な間隔を同様に使用することができる。たとえば、図示する実施形態では、第1のマーカ124および第2のマーカ126は、第1の距離140、互いに間隔を空けて配置され、第2のマーカ126および第3のマーカ128は、第2の距離150、互いに間隔を空けて配置され、第3のマーカ128および第4のマーカ130は、第3の距離160、互いに間隔を空けて配置される。第1の距離140、第2の距離150および第3の距離160の各々は、他の距離とは異なる。
外側シース132は任意の好適な構成を有することができる。たとえば、図示する実施形態では、外側シース132は、補強部材118および複数のマーカ122の上に延在するように、補強部材118の上に配置されたポリマーシースを含む。別法として、外側シース132は、コーティングまたは他の好適な構成を含むことができる。たとえば、外側シース132は、要素の上にジャケットを形成する、補強部材または別の要素に塗布されるポリマーコーティングを含むことができる。
図2は、第2の医療デバイス例200を示す。この例では、医療デバイス200は、セグメント化ガイドワイヤである。医療デバイス200は、近位端212および遠位端214を有する本体部材210を含む。本体部材210は、複数のロッド216および複数のコネクタ218を含む。複数のコネクタ218の各コネクタは、複数のロッド216のうちの一対の隣接するロッドの間に配置され、それを接続する。本体部材210の軸方向長さに沿って、複数のマーカ222が配置されている。複数のマーカ222の各マーカは、複数のロッド216のロッドのうちの1つの周囲に周方向に配置されている。したがって、複数のマーカ222の各マーカは、本体部材210に取り付けられている。図示する実施形態では、複数のマーカ222は、第1のマーカ224、第2のマーカ226、第3のマーカ228および第4のマーカ230を含む。複数のロッド216、複数のコネクタ218および複数のマーカ222の上に、外側シース232が配置されている。
複数のロッド216の各々は、有利には、ニチノールまたは別の合金等、金属を含む。しかしながら、重要なことには、複数のロッド216の各ロッドの軸方向長さは、そのロッドがMRI手技の間に共鳴しないように十分に短い。たとえば、1.5T MRIスキャナで使用されるように意図されている医療デバイスの場合、各ロッドは、10cm未満である軸方向長さを有するべきである。3.0T MRIスキャナで使用されるように意図されている医療デバイスの場合、各ロッドは、5cm未満である軸方向長さを有するべきである。複数のコネクタ218の各コネクタは、有利には、ポリマー材料等の非金属絶縁材料を含む。別法として、複数のコネクタ218の各コネクタは、非金属絶縁材料でコーティングされる材料を含むことができる。また別法として、いくつかの実施形態では、ロッドは、非金属絶縁材料でコーティングされている金属を含むことができ、コネクタは、金属、非金属材料、または非金属絶縁材料でコーティングされた金属を含むことができる。
図示する実施形態では、マーカ224、226、228、230の各々は、最終的な医療デバイス200において、マーカ224、226、228、230の各々が加工硬化ステンレス鋼を含むように、マーカが形成されるステンレス鋼に加工を施す方法で、本体部材210に取り付けられている。言い換えれば、マーカ224、226、228、230の各々は、マーカにおけるステンレス鋼の最大引張強度を増大させる方法で、本体部材210に取り付けられている。この配置は、マーカが、最終的な所望の最大引張強度および透磁率を有していないステンレス鋼から形成される場合、好適であると考えられる。この配置が望ましい医療デバイスの場合、マーカは、最終的な医療デバイスにおいて、マーカの各々が加工硬化ステンレス鋼を含むように、マーカのステンレス鋼に加工を施す任意の好適な方法で、本体部材に取り付けることができる。圧着、スエージング、打込み、プレス、ピン止めおよびディンプリングを含む、任意の冷間加工プロセスを使用することができる。図示する実施形態では、マーカ224、226、228、230の各々は、本体部材210の複数のロッド216のうちの1つに圧着されている。マーカ224、226、228、230に対する他の取付具が可能である。たとえば、マーカ224、226、228、230のうちの1つまたは複数を、ロッド216およびコネクタ218の接合部において本体部材210に取り付けることができる。
本実施形態の医療デバイス200は、マーカ224、226および228の間に規則的な間隔を含む。図2に示すように、第1のマーカ224および第2のマーカ226は、第1の距離240、互いに間隔を空けて配置され、第2のマーカ226および第3マーカ228は、第2の距離250、互いに間隔を空けて配置されている。第1の距離240は、第2の距離250と同じである。第3のマーカ228および第4のマーカ230は、第1の距離240および第2の距離250とは異なる第3の距離260、互いに間隔を空けて配置されている。図示する実施形態では、第3の距離260は、第1の距離240および第2の距離250より大きい。
第1の医療デバイス例100は、マーカ124、126、128、130、すなわち、個々のマーカ124、126、128、130のステンレス鋼に加工を施さない方法で医療デバイス100の本体部材110に取り付けられたマーカ124、126、128、130のみを含み、第2の医療デバイス例200は、マーカ224、226、228、230、すなわち、個々のマーカ224、226、228、230のステンレス鋼に加工を施さない方法で医療デバイス200の本体部材210に取り付けられたマーカ224、226、228、230のみを含むが、特定の実施形態による医療デバイスは、1つまたは複数のマーカ、すなわち、その1つのマーカまたは複数のマーカのステンレス鋼に加工を施さない方法で医療デバイスの本体部材に取り付けられた1つまたは複数のマーカを含み、1つまたは複数のマーカ、すなわちその1つのマーカまたは複数のマーカのステンレス鋼に加工を施す方法で医療デバイスの本体部材に取り付けられた1つまたは複数のマーカもまた含むことができることに留意されたい。言い換えれば、特定の実施形態による医療デバイスは、1つまたは複数のマーカ、すなわちその1つのマーカまたは複数のマーカのステンレス鋼の最大引張強度を増大させない方法で医療デバイスの本体部材に取り付けられた1つまたは複数のマーカを含み、1つまたは複数のマーカ、すなわちその1つのマーカまたは複数のマーカのステンレス鋼の最大引張強度を増大させる方法で医療デバイスの本体部材に取り付けられた1つまたは複数のマーカもまた含むことができる。たとえば、特定の実施形態による医療デバイスは、本体部材に付着した第1のマーカと、医療デバイスの同じ本体部材または別の本体部材に圧着された第2のマーカとを含むことができる。この構成は、複数の本体部材を含み、その各々が、MRI画像に有用な視覚的アーチファクトを引き起こすマーカの存在から利益を得ることができる、医療デバイスにおいて、有用であり得る。たとえば、外側シース部材内に摺動可能に配置された拡張器または他のコア部材等、細長い部材を有するカテーテルは、マーカのステンレス鋼に加工を加える方法でコア部材に取り付けられた1つまたは複数のマーカを含むことができ、マーカのステンレス鋼に加工を加えない方法で外側シース部材に取り付けられた1つまたは複数のマーカも含むことができる。当然ながら、逆の配置も可能である。たとえば、カテーテルは、マーカのステンレス鋼に加工を加えない方法でコア部材に取り付けられた1つまたは複数のマーカを含むことができ、マーカのステンレス鋼に加工を加える方法で外側シース部材に取り付けられた1つまたは複数のマーカも含むことができる。
図3は、実施形態による医療デバイスで使用されるのに好適なマーカ例300を示す。マーカは、外面312を有しマーカ内腔314を画定する短い管状部材310である。図示するマーカに対するマーカ内腔314は、実質的に円形の断面形状を画定している。しかしながら、実施形態による医療デバイスで使用されるマーカに対するマーカ内腔は、異なる断面形状を画定することができることに留意されたい。たとえば、マーカがマーカのステンレス鋼に加工を施す方法で本体部材に取り付けられている実施形態による医療デバイスでは、マーカ内腔は、実質的に卵形の断面形状または実質的に矩形の断面形状を画定することができる。これらの実施形態では、図3に示すマーカ300等、実質的に円形の断面形状を画定する内腔を有するマーカは、医療デバイスの本体部材に配置し、その後、マーカのステンレス鋼に加工を施す、本体部材にマーカを圧着するかまたはスエージングする等の技法を用いて本体部材に取り付けることができる。また、図示するマーカ300は、角度付きの管状部材を画定しているが、本発明の実施形態による医療デバイスにおいてマーカとして使用するために、他の管状構成が好適であることに留意されたい。たとえば、直線状、実質的に直線状および湾曲した管状部材を使用することができる。
図4、図5および図5Aは、第3の医療デバイス例400を示す。この例では、医療デバイス400は針である。医療デバイス400は、近位端412および遠位端414を有する本体部材410を含む。この実施形態では、本体部材は、内腔418および遠位先端部420を画定し遠位端414に切刃422があるカニューレ416である。本体部材410の近位端412にハブ部材424が配置されている。図5に最もよく示すように、マーカ450は、カニューレ416に、したがって本体部材410に取り付けられている。
図5に最もよく示すように、カニューレ416は、反対に位置する内面428および外面430を有する壁426を含む。壁厚さは、内面428と外面430との間に延在している。マーカ450無しで医療デバイス400の遠位端を示す図5Aに最もよく示すように、通路432が、壁426の厚さ全体を通って内面428から外面430まで延在している。別法として、通路は、内面428から外面430に向かって、または外面430から内面428に向かって、壁426の厚さを通って部分的にのみ延在することができる。
この実施形態では、マーカ450は、通路432内に配置された栓である。また、図5に最もよく示すように、マーカ450は、内面428および外面430と同一平面である。また、この実施形態では、マーカ450は、最終的な医療デバイス400においてマーカ450が加工硬化ステンレス鋼を含むようにマーカのステンレス鋼に加工を施す方法で、本体部材410に取り付けられている。この実施形態では、マーカ450は、通路432内に押し込まれている。壁426とマーカ450との間の摩擦嵌合と、通路432内にマーカ450を押し込むために必要な力とは、マーカ450のステンレス鋼に対する所望の最大引張強度と本体部材410への取付とを達成するために十分であり得る。望ましい場合は、追加の固定を使用することができる。たとえば、マーカ450を通路432内に固定するために、壁426にマーカ450をレーザ溶接することができる。
他の医療デバイス実施形態では、既知の最大引張強度を有する冷間加工ステンレス鋼の1つまたは複数のフィラメントが、医療デバイス内に配置される。たとえば、ガイドワイヤの一部等、医療デバイスに含まれるドーピングマトリックス内に、複数のフィラメントを埋め込むことができる。別の例では、1つまたは複数のフィラメントは、ガイドワイヤまたはコーティングされたガイドワイヤ等、医療デバイスの一部に沿って敷設され、その後、ポリマーによって覆われ、ガイドワイヤまたはコーティングされたガイドワイヤとポリマーコーティングとの間に1つのフィラメントまたは複数のフィラメントを挟挿する。これらの実施形態では、フィラメントは、医療デバイスの一部に沿って軸方向に配置するか、または、医療デバイスの一部の周囲にらせん状に巻き付けることができる。これらの実施形態では、フィラメントは、約10cm以下の長さおよび約25ミクロン以下の直径を有するフィラメント等、比較的小径の比較的短いフィラメントであり得る。ステンレス鋼から作製されるとき、これは、約0.4mgの質量を有するフィラメントを提供する。約200KSI未満等、本明細書に記載するような適切かつ望ましい最大引張強度を有するステンレス鋼から形成される場合、これらのフィラメントは、本明細書に記載するような有効なアーチファクト発生マーカとしての役割を果たすことができる。これらの実施形態では、複数のフィラメントが同じ医療デバイス内で使用される場合、フィラメントの各対の間に間隙が形成されるように、医療デバイスにおいてフィラメントを互いから間隔を空けて配置し、それにより、フィラメント間の導電経路の形成を回避することが重要であると考えられる。これらの実施形態では、少なくとも1000分の数インチの間隙が好適であると考えられる。フィラメントを含むすべての実施形態において、フィラメントは、丸い断面輪郭、または、正方形もしくは矩形の断面輪郭等、平坦な断面輪郭を有することができる。
本明細書では、さまざまな、医療デバイスを製造する方法、撮像方法、および介入医療処置を行う方法について記載する。本明細書に記載する方法は、一連の行為として示し記載するが、いくつかの行為は、これらの方法に従って、異なる順序で、かつ/または本明細書に記載する他の行為と同時に行われる場合があるため、指示する場合を除き、行為の順序によって限定されない。
図6は、医療デバイスを製造する方法例1000の概略図である。最初のステップ1002は、近位端および遠位端を有する本体部材を有する医療デバイス先行体を選択することを含む。別のステップ1004は、焼鈍ステンレス鋼から形成されたマーカストック部材を選択することを含む。別のステップ1006は、マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から分離して、焼鈍ステンレス鋼を含むマーカを形成することを含む。別のステップ1008は、マーカのステンレス鋼に加工を施す方法で本体部材にマーカを取り付けることを含み、その結果、取付ステップ1008が完了すると、マーカは加工硬化ステンレス鋼を含む。言い換えれば、ステップ1008は、マーカのステンレス鋼の最大引張強度を増大させる方法で、本体部材にマーカを取り付けることを含む。
医療デバイス先行体を選択するステップ1002は、医療デバイス、または、磁気共鳴画像法で医療デバイスを使用する目的でマーカを取り付けることが望ましい医療デバイスを特定することにより、達成することができる。医療デバイスは、任意の好適な医療デバイス、または、こうした医療デバイスに対する先行体であり得る。好適な医療デバイスの例としては、ガイドワイヤ、カテーテル、針、シース、スネアおよび他の好適な介入医療デバイスが挙げられる。また、このステップにおいて、ステント、フレーム、弁、フィルタ、閉鎖器および他のデバイス等の植込み型医療デバイスを同様に選択することができる。
マーカストック部材を選択するステップ1004は、ステップ1002において特定された医療デバイス用のマーカとして、後続するステップで変更する、使用に好適な寸法を有する焼鈍ステンレス鋼のマーカストック部材を特定することにより、達成することができる。この方法例におけるこのステップに対して、取付ステップ1008において完了した冷間加工が、所望の視覚的アーチファクトを引き起こすために必要な加工を施すため、ステンレス鋼が焼鈍されていることが重要である。マーカストック部材の好適なタイプの例としては、ロッド、リボン、バーおよび管状部材が挙げられる。医療デバイスを製造する特定の方法において選択されるマーカストック部材の具体的なタイプは、製造されている医療デバイスの性質を含む、さまざまな考慮事項によって決まる。たとえば、製造されている医療デバイスが、ロッド、ストラットまたは他の細長い部材等、細長い部材を含む場合、管状マーカストック部材は、マーカストック部材から形成されたマーカが、医療デバイスのロッド部材または他の細長い部材の周囲に周方向に配置されるのを可能にするように選択することができる。同様に、製造されている医療デバイスが、壁部材に通路を含む場合、たとえば、マーカストック部材から形成されたマーカが、栓として医療デバイスの通路に配置されるのを可能にするように、ロッドマーカストック部材を選択することができる。
マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から分離するステップ1006は、レーザ切断または他の好適な技法による等、マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から切断することにより、達成することができる。この方法例におけるこのステップに対して、分離は、マーカストック部材の残りの部分から分離されているマーカストック部材の部分のステンレス鋼に対して加工を施さない方法で行われることが重要である。この理由で、レーザ切断および同様の技法が好適であると考えられ、同じ理由で、圧着、折曲げおよび他の冷間加工技法は、好適であると考えられない。
マーカのステンレス鋼に加工を施す方法で本体部材にマーカを取り付けるステップ1008は、分離ステップ1006において形成されたマーカを冷間加工する任意の好適な方法で達成することができ、その結果、マーカのステンレス鋼は、取り付けるステップ1008が完了すると、加工硬化ステンレス鋼を含む。好適な冷間加工技法の例としては、圧着、スエージング、打込み、プレス、ピン止めおよびディンプリングが挙げられる。医療デバイスを製造する特定の方法に対して選択される技法は、製造されている医療デバイスの性質およびステップ1006において形成されたマーカの性質を含む、さまざまな考慮事項によって決まる。この特定の方法に対して、たとえば、ステップ1006において形成されたマーカが、内腔を画定する管状部材、または、C字型部材等、部分的な円周を画定する部材であり、製造されている医療デバイスが、ロッド、ストラットまたは他の細長い部材等、細長い部材を含む場合、医療デバイスの細長い部材の周囲に周方向にマーカを配置し、細長い部材にマーカを圧着することにより、医療デバイス先行体の本体部材にマーカを取り付けることができる。また、ステップ1006において形成されるマーカが、ロッド、栓または他の非内腔画定部材であり、製造されている医療デバイスが、壁部材または通路を画定する他の部分を含む場合、マーカを通路内に押し入れる、打ち込むまたは他の方法で押し込むことにより、通路内にマーカを押し込むことにより、医療デバイス先行体の本体部材にマーカを取り付けることができる。
特定の実施形態による方法においてステップ1008に対していかなる技法が選択されても、本体部材にマーカを取り付けるステップ1008は、ステップ1008が完了するとマーカのステンレス鋼が約100KSI~約225KSIの最大引張強度を有するように行われることが、重要であると考えられる。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が約150KSI~約200KSIの最大引張強度を有するまでステップ1008を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が約170KSI~約200KSIの最大引張強度を有するまでステップ1008を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有するまでステップ1008を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が約187KSI~約191KSIの最大引張強度を有するまでステップ1008を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が約189KSIの最大引張強度を有するまでステップ1008を実施することが有利であることを明らかにした。
ステップ1008が適切な程度まで実施されたか否かを判断するために、マーカの最大引張強度を任意の好適な方法で確定することができる。たとえば、HVビッカース硬さまたは他の好適な硬さの確定等、硬さの確定を行うことができ、その後、既知の変換係数を用いて、最大引張強度への相関を行うことができる。この手法を用いて、実施形態による医療デバイスおよび方法においてマーカの最大引張強度を評価することができる。マーカの最大引張強度を確定するために、医療デバイスからマーカを除去しなければならない場合、その除去は、マーカのステンレス鋼に追加の加工を投入しない方法で行うべきであることに留意されたい。すなわち、除去は、それ自体がマーカの最大引張強度を増大させない方法で行うべきである。
図7は、医療デバイスを製造する別の方法例1100の概略図である。初期ステップ1102は、近位端および遠位端を有する本体部材を有する医療デバイス先行体を選択することを含む。別のステップ1104は、ステンレス鋼から形成されたマーカストック部材を選択することを含む。別のステップ1106は、マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から分離してマーカを形成することを含む。別のステップ1108は、マーカに対して所望の最終最大引張強度を特定することを含む。別のステップ1110は、マーカが、ステップ1108において特定された最終最大引張強度と実質的に同じであるマーカ最大引張強度を有するまで、マーカを冷間加工することを含む。別のステップ1112は、マーカのステンレス鋼に実質的な加工を施さない方法で本体部材にマーカを取り付けることを含み、その結果、取付ステップ1112が完了すると、マーカの最大引張強度は、実質的に、ステップ1108において特定された最大引張強度である。
医療デバイス先行体を選択するステップ1102は、医療デバイス、または磁気共鳴画像法で医療デバイスを使用する目的でマーカを取り付けることが望ましい医療デバイスを特定することにより達成することができる。医療デバイスは、任意の好適な医療デバイス、またはこうした医療デバイスに対する先行体であり得る。好適な医療デバイスの例としては、ガイドワイヤ、カテーテル、針、シース、スネアまたは他の好適な介入医療デバイスが挙げられる。また、このステップにおいて、ステント、フレーム、弁、フィルタ、閉塞器および他のデバイス等、植込み型医療デバイスを同様に選択することができる。医療デバイス先行体は、フレーム、ワイヤ、ロッド、シースおよび他の好適な構造的部材等、医療デバイスを製造する方法において完成した医療デバイスに先立つことができる任意の構造的部材を含むことができる。
マーカストック部材を選択するステップ1104は、ステップ1102において特定された医療デバイス用のマーカとして、後続するステップで変更する、使用に好適な寸法を有するステンレス鋼のマーカストック部材を特定することにより、達成することができる。この方法例におけるこのステップに対して、後続するステップ1110において完了した冷間加工が、所望の視覚的アーチファクトを引き起こすために必要な加工を施すため、ステンレス鋼は焼鈍されたものであり得る。しかしながら、重要なことには、この方法例におけるこのステップに対して、ステンレス鋼が、冷間加工を介する加工の投入が、後続するステップにおいて所望の最終最大引張強度を達成するのを可能にする、最大引張強度を有する限り、ステンレス鋼を非焼鈍とすることができる。マーカストック部材の好適なタイプの例としては、ロッド、リボン、バーおよび管状部材が挙げられる。医療デバイスを製造する特定の方法において選択されるマーカストック部材の具体的なタイプは、製造されている医療デバイスの性質を含む、さまざまな考慮事項によって決まる。たとえば、製造されている医療デバイスが、ロッド、ストラットまたは他の細長い部材等、細長い部材を含む場合、管状マーカストック部材は、マーカストック部材から形成されたマーカが、医療デバイスのロッド部材または他の細長い部材の周囲に周方向に配置されるのを可能にするように選択することができる。同様に、製造されている医療デバイスが、壁部材に通路を含む場合、たとえば、マーカストック部材から形成されたマーカが、医療デバイスの通路に配置されるのを可能にするように、ロッドマーカストック部材を選択することができる。好適なマーカストック部材タイプおよび寸法の例としては、医療デバイスを製造する第1の方法例に対して上述したものが挙げられる。
マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から分離するステップ1106は、レーザ切断または他の好適な技法による等、マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から切断することにより、達成することができる。この方法例におけるこのステップに対して、分離は、マーカストック部材の残りの部分から分離されているマーカストック部材の部分のステンレス鋼に対して加工を施す方法で行うことができる。この理由で、レーザ切断および同様の技法が好適であると考えられ、同じ理由で、圧着、折曲げおよび他の冷間加工技法もまた、好適であると考えられる。しかしながら、重要なことには、このステップに対して選択される技法が、マーカストック部材の残りの部分から分離されているマーカストック部材の部分のステンレス鋼に加工を施す場合、マーカストック部材の残りの部分から分離されているマーカストック部材の部分は、後続するステップ1110が、最終最大引張強度を達成することに向かってマーカに加工を施すことができるように、特定された最終最大引張強度未満である最大引張強度を有するべきである。
マーカ用の所望の最終最大引張強度を特定するステップ1108において、選択される最終最大引張強度は、マーカストック部材の開始最大引張強度を超え、ステップ1110においてマーカに対して実施される冷間加工によって達成可能であればよい。また、本明細書に記載するように、選択される最終最大引張強度は、約100KSI~約225KSIであることが重要であると考えられる。本発明者は、約150KSI~約200KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約170KSI~約200KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約172KSI~約197KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約187KSI~約191KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約189KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。
マーカが、ステップ1108において特定された最終最大引張強度と実質的に同じマーカ最大引張強度を有するまで、マーカを冷間加工するステップ1110は、任意の好適な冷間加工技法を使用して達成することができる。好適な冷間加工技法の例としては、圧着、スエージング、打込み、折曲げ、曲げ、フォーミング、圧延、ローレット切り、冷間鍛造、仕上げ打ち、リベット打ち、スタッキング、コイニング、ピーニング、打抜き、突切り、深絞り、延伸およびディンプリングが挙げられる。特定の実施形態による方法においてステップ1110に対していかなる技法が選択されても、マーカを冷間加工するステップ1110は、ステップ1110が完了するとマーカのステンレス鋼が約100KSI~約225KSIの最大引張強度を有するように実施されることが重要であると考えられる。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約150KSI~約200KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1110を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約170KSI~約200KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1110を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1110を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約187KSI~約191KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1110を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約189KSIの最大引張強度を有するまでステップ1110を実施することが有利であることを明らかにした。
マーカのステンレス鋼に実質的な加工を施さない方法で本体部材にマーカを取り付けるステップ1112は、マーカをそれ以上冷間加工しない任意の好適な取付技法を用いて達成することができる。好適な技法の例としては、医療デバイス先行体の本体部材に接着剤でマーカを接着すること、本体部材にマーカを溶接すること、接合、マーカの周囲にポリマーをリフローすること、ポッティングおよび他の同様の技法が挙げられる。
図8は、医療デバイスを製造する別の方法例1200の概略図である。初期ステップ1202は、近位端および遠位端を有する本体部材を有する医療デバイス先行体を選択することを含む。別のステップ1204は、開始最大引張強度を有するステンレス鋼から形成されたマーカストック部材を選択することを含む。別のステップ1206は、マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から分離してマーカを形成することを含む。別のステップ1208は、マーカ用の所望の最終最大引張強度を特定することを含む。別のステップ1210は、マーカが、開始最大引張強度を超えるが、ステップ1208において特定された最終最大引張強度未満であるマーカ最大引張強度を有するまで、マーカを冷間加工することを含む。別のステップ1212は、取付ステップ1212が完了するとマーカの最大引張強度が実質的にステップ1208において特定された最大引張強度であるように、マーカのステンレス鋼に加工を施す方法で、本体部材にマーカを取り付けることを含む。
医療デバイス先行体を選択するステップ1202は、医療デバイス、または、磁気共鳴画像法で医療デバイスを使用する目的でマーカを取り付けることが望ましい医療デバイスを特定することにより、達成することができる。医療デバイスは、任意の好適な医療デバイス、または、こうした医療デバイスに対する先行体であり得る。好適な医療デバイスの例としては、ガイドワイヤ、カテーテル、針、シース、スネアおよび他の好適な介入医療デバイスが挙げられる。また、このステップにおいて、ステント、フレーム、弁、フィルタ、閉鎖器および他のデバイス等の植込み型医療デバイスを同様に選択することができる。
マーカストック部材を選択するステップ1204は、ステップ1202において特定された医療デバイス用のマーカとして、後続するステップで変更する、使用に好適な寸法を有するステンレス鋼のマーカストック部材を特定することにより、達成することができる。この方法例におけるこのステップに対して、後続するステップ1210および1212において完了した冷間加工が、所望の視覚的アーチファクトを引き起こすために必要な加工を施すため、ステンレス鋼は焼鈍されたものであり得る。しかしながら、重要なことには、この方法例におけるこのステップに対して、ステンレス鋼が、冷間加工を介する加工の投入が、後続するステップにおいて所望の最終最大引張強度を達成するのを可能にする、最大引張強度を有する限り、ステンレス鋼を非焼鈍とすることができる。選択されるマーカストック部材は、開始最大引張強度を有する。マーカストック部材の好適なタイプの例としては、ロッド、リボン、バーおよび管状部材が挙げられる。医療デバイスを製造する特定の方法において選択されるマーカストック部材の具体的なタイプは、製造されている医療デバイスの性質を含む、さまざまな考慮事項によって決まる。たとえば、製造されている医療デバイスが、ロッド、ストラットまたは他の細長い部材等、細長い部材を含む場合、管状マーカストック部材は、マーカストック部材から形成されたマーカが、医療デバイスのロッド部材または他の細長い部材の周囲に周方向に配置されるのを可能にするように選択することができる。同様に、製造されている医療デバイスが、壁部材に通路を含む場合、たとえば、マーカストック部材から形成されたマーカが、医療デバイスの通路に配置されるのを可能にするように、ロッドマーカストック部材を選択することができる。好適なマーカストック部材タイプおよび寸法の例としては、医療デバイスを製造する第1の方法例に対して上述したものが挙げられる。
マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から分離するステップ1206は、レーザ切断または他の好適な技法による等、マーカストック部材の一部をマーカストック部材の残りの部分から切断することにより、達成することができる。この方法例におけるこのステップに対して、分離は、マーカストック部材の残りの部分から分離されているマーカストック部材の部分のステンレス鋼に対して加工を施す方法で行うことができる。この理由で、レーザ切断および同様の技法が好適であると考えられ、同じ理由で、圧着、折曲げおよび他の冷間加工技法もまた、好適であると考えられる。しかしながら、重要なことには、このステップに対して選択される技法が、マーカストック部材の残りの部分から分離されているマーカストック部材の部分のステンレス鋼に加工を施す場合、マーカストック部材の残りの部分から分離されているマーカストック部材の部分は、後続するステップ1210および1212が、最終最大引張強度を達成することに向かってマーカに加工を施すことができるように、特定された最終最大引張強度未満である最大引張強度を有するべきである。
マーカ用の所望の最終最大引張強度を特定するステップ1208において、選択される最終最大引張強度は、マーカストック部材の開始最大引張強度を超え、ステップ1210および1212においてマーカに対して実施される冷間加工によって達成可能であればよい。また、本明細書に記載するように、選択される最終最大引張強度は、約100KSI~約225KSIであることが重要であると考えられる。本発明者は、約150KSI~約200KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約170KSI~約200KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約172KSI~約197KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約187KSI~約191KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約189KSIの最終最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。
マーカが、マーカストック部材の開始最大引張強度を超えるがステップ1208において特定された最終最大引張強度未満であるマーカ最大引張強度を有するまで、マーカを冷間加工するステップ1210は、任意の好適な冷間加工技法を使用して達成することができる。好適な冷間加工技法の例としては、圧着、スエージング、打込み、折曲げ、曲げ、フォーミング、圧延、ローレット切り、冷間鍛造、仕上げ打ち、リベット打ち、スタッキング、コイニング、ピーニング、打抜き、突切り、深絞り、延伸およびディンプリングが挙げられる。特定の実施形態による方法においてステップ1210に対していかなる技法が選択されても、マーカを冷間加工するステップ1210は、ステップ1210が完了するとマーカのステンレス鋼がステップ1208において特定された最終最大引張強度未満である最大引張強度を有するように実施されることが重要であると考えられる。マーカのステンレス鋼の最大引張強度に対するステップ1212の影響を考慮すると不可欠ではないが、ステップ1210は、マーカのステンレス鋼が約100KSI~約225KSIの最大引張強度を有するように実施することができる。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約150KSI~約200KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1210を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約170KSI~約200KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1210を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1210を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が、約187KSI~約191KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1210を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、特に、ステップ1208において特定された最終最大引張強度が約189KSIである方法において、マーカのステンレス鋼が約187KSI~約191KSI最大引張強度を有するまでこのステップ1210を実施することが有利であることを明らかにした。
マーカのステンレス鋼に加工を施す方法で本体部材にマーカを取り付けるステップ1212は、取り付けるステップ1212が完了するとマーカにおけるステンレス鋼が実質的にステップ1208において特定された最大引張強度である最大引張強度を有するように、分離ステップ1206において形成されたマーカを冷間加工する任意の好適な方法で達成することができる。好適な冷間加工技法の例としては、圧着、スエージングおよび打込みが挙げられる。医療デバイスを製造する特定の方法に対して選択される技法は、製造されている医療デバイスの性質およびステップ1206において形成されたマーカの性質を含む、さまざまな考慮事項によって決まる。たとえば、ステップ1206において形成されたマーカが、内腔を確定する管状部材であり、製造されている医療デバイスが、ロッド、ストラットまたは他の細長い部材等の細長い部材を含む場合、医療デバイスの細長い部材の周囲に周方向にマーカを配置し、細長い部材にマーカを圧着することにより、医療デバイス先行体の本体部材にマーカを取り付けることができる。また、ステップ1206において形成されたマーカが、ロッド、栓または他の非内腔画定部材であり、製造されている医療デバイスが、壁部材または通路を画定する他の部分を含む場合、マーカを通路内に押し入れる、打ち込むまたは他の方法で押し込むことにより、通路内にマーカを押し込むことにより、本体部材にマーカを取り付けることができる。
特定の実施形態による方法においてステップ1212に対していかなる技法が選択されても、本体部材にマーカを取り付けるステップ1212は、ステップ1212が完了するとマーカのステンレス鋼が約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有するように実施されることが重要であると考えられる。本発明者は、マーカのステンレス鋼が約187KSI~約191KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1212を実施することが有利であることを明らかにした。さらに、本発明者は、マーカのステンレス鋼が約189KSIの最大引張強度を有するまでこのステップ1212を実施することが有利であることを明らかにした。
ステップ1212においてマーカのステンレス鋼に対して実施された加工の程度は、ステップ1210においてマーカのステンレス鋼に対して実施された加工の程度と、ステップ1208において特定された最終最大引張強度とによって決まる。ステップ1210および1212の両方においてマーカのステンレス鋼に対して実施された全加工は、ステップ1204において選択されたマーカストック部材の最大引張強度と、ステップ1208において特定された最終最大引張強度とによって決まる。焼鈍ステンレス鋼を含むマーカストック部材が選択される特定の実施形態による方法では、本発明者は、ステップ1210において最終最大引張強度を達成するために必要な冷間加工の大部分を実施し、ステップ1212において完了する必要な冷間加工をわずかに残すことが有利であることを明らかにした。たとえば、ステップ1204において選択されたマーカストック部材が、約75KSIの最大引張強度を有する焼鈍304ステンレス鋼を含む場合、マーカのステンレス鋼が少なくとも129KSIの最大引張強度を有するまでステップ1210を実施することが有利であると考えられる。さらに、マーカのステンレス鋼が少なくとも150KSIの最大引張強度を有するまでステップ1210を実施することが有利であると考えられる。さらに、マーカのステンレス鋼が少なくとも170KSIの最大引張強度を有するまでステップ1210を実施することが有利であると考えられる。さらに、ステップ1208において特定された最終最大引張強度が約187KSI~約191KSIである方法において、マーカのステンレス鋼が少なくとも180KSIの最大引張強度を有するまでステップ1210を実施することが有利であると考えられる。これらの同じ方法に対して、マーカのステンレス鋼が少なくとも185KSIの最大引張強度を有するまでステップ1210を実施することも有利であると考えられる。
図9は、医療デバイスを製造する別の方法例1300の概略図である。初期ステップ1302は、近位端および遠位端、第1の面、第2の面、厚さを有し、第1の面から第2の面に向かって延在する通路を画定する本体部材を有する医療デバイス先行体を選択することを含む。別のステップ1304は、焼鈍ステンレス鋼の栓を選択することを含む。別のステップ1306は、栓を冷間加工してマーカを形成することを含む。別のステップ1308は、通路内にマーカを押し込むことを含む。任意選択的な追加のステップは、本体部材にマーカをレーザ溶接することによる等、本体部材にマーカを動かないように固定することを含む。別の任意選択的な追加のステップは、マーカの表面を研削して、本体部材の第1の面と同一平面にすることを含む。別の任意選択的なステップは、マーカの別の面を研削して、本耐部材の第2の面と同一平面にすることを含む。別の任意選択的な追加のステップは、マーカの1つまたは複数の表面を研磨することを含む。
通路へのアクセスを提供するために、第1の面が通路への第1の開口部を画定する医療デバイス先行体を選択するべきである。これらの方法では、通路は、部分的にのみ厚さを通って延在することができる。いくつかの実施形態による方法では、第2の面が通路への第2の開口部を画定する医療デバイス先行体を選択することができる。これらの方法では、通路は、厚さ全体を通って、第1の面から第2の面まで延在する。
図10は、医療デバイスを製造する別の方法例1400の概略図である。最初のステップ1402は、近位端および遠位端、第1の面、第2の面、厚さを有し、第1の面から第2の面に向かって延在する通路を画定する本体部材を有する医療デバイス先行体を選択することを含む。別のステップ1404は、焼鈍ステンレス鋼の栓を選択することを含む。別のステップ1406は、栓を冷間加工して、約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有するマーカを形成することを含む。別のステップ1408は、通路内にマーカを押し込むことを含む。
図11は、医療デバイスを製造する別の方法例1500の概略図である。最初のステップ1502は、焼鈍ステンレス鋼を含むマーカストック部材からマーカストックの一部を分離することを含む。別のステップ1504は、その部分またはマーカストックを冷間加工して、約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有するマーカを形成することを含む。別のステップ1506は、医療デバイス先行体の本体部材にマーカを取り付けて、前記医療デバイスを形成することを含む。
図12は、撮像方法例2000の概略図である。最初のステップ2002は、近位端および遠位端を有する本体部材を有し、本体部材に取り付けられたマーカを備える医療デバイスを選択することを含む。マーカは、加工硬化ステンレス鋼から形成される。別のステップ2004は、患者の体内管内の第1の位置まで、マーカが体内管内の第2の位置に配置されるまで、医療デバイスの遠位端を前進させることを含む。別のステップ2006は、磁気共鳴スキャナを用いて体内管内の第1の位置および第2の位置を含む体内管の部分をスキャンすることを含む。別のステップ2008は、画像が、体内管の上記部分内にマーカの存在を示すアーチファクトを含むように、体内管の上記部分の磁気共鳴画像を得ることを含む。このステップ2008に対して、単一の静止画像を得ることができる。また、任意選択的に、動きを示すシネとしてグループ化することができる複数の磁気共鳴画像を得るために、このステップ2008を任意の所望の回数繰り返すことができる。別のステップ2010は、体内管から医療デバイスを引き抜くことを含む。
医療デバイスを選択するステップ2002において、マーカのステンレス鋼は、約100KSI~約225KSIの最大引張強度を有することが重要であると考えられる。本発明者は、約150KSI~約200KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約170KSI~約200KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約172KSI~約197KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約187KSI~約191KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約189KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。
図13は、別の撮像方法例2100の概略図である。最初のステップ2102は、近位端および遠位端を有する本体部材を有し、本体部材に取り付けられたステンレス鋼マーカを備える、医療デバイスを選択することを含む。マーカは、約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有する。別のステップ2104は、患者の体内管内の第1の位置まで、マーカが体内管内の第2の位置に配置されるまで、医療デバイスの遠位端を前進させることを含む。別のステップ2106は、磁気共鳴スキャナを用いて体内管内の第1の位置および第2の位置を含む体内管の部分をスキャンすることを含む。別のステップ2108は、画像が、体内管の上記部分内にマーカの存在を示すアーチファクトを含むように、体内管の上記部分の磁気共鳴画像を得ることを含む。別のステップ2110は、体内管から医療デバイスを引き抜くことを含む。
図14は、介入医療処置を行う方法例3000の概略図である。最初のステップ3002は、近位端および遠位端を有する本体部材を有し、本体部材に取り付けられたマーカを備える医療デバイスを選択することを含む。マーカは、加工硬化ステンレス鋼から形成される。別のステップ3004は、患者の体内管内の第1の位置まで、マーカが体内管内の第2の位置に配置されるまで、医療デバイスの遠位端を前進させることを含む。別のステップ3006は、マーカが体内管内の第2の位置に配置されている間に、第2の位置を示す体内管の部分の磁気共鳴画像を得ることを含む。別のステップ3008は、体内管の上記部分の磁気共鳴画像を得るステップ3006中に、画像においてマーカの存在によって生成されるアーチファクトを視認することを含む。別のステップ3010は、体内管に対するアーチファクトの位置に基づき医療デバイスを操作することを含む。別のステップ3012は、体内管から医療デバイスを引き抜くことを含む。
医療デバイスを選択するステップ3002において、マーカのステンレス鋼は、約100KSI~約225KSIの最大引張強度を有することが重要であると考えられる。本発明者は、約150KSI~約200KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約170KSI~約200KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約172KSI~約197KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約187KSI~約191KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約189KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。
医療デバイスを操作するステップ3010は、介入医療処置を行う方法3000の所望の臨床転帰を達成するかまたはその達成に寄与する方法で実施される。したがって、医療デバイスを操作するステップ3010の性質は、医療デバイスの性質および所望の臨床転帰によって決まる。このステップに対して実施することができる好適な行為の例としては、限定されないが、体内管内で医療デバイスを軸方向に前進させること、体内管内で医療デバイスを回転させること、体内管内で医療デバイスを半径方向に拡張すること、および、医療デバイスの一部を軸方向に引き抜いて、医療デバイスの別の部分、または医療デバイスに関連する第2の医療デバイスが体内管内で半径方向に拡張するのを可能にすることが挙げられる。
図15は、介入医療処置を行う別の方法例3100の概略図である。最初のステップ3102は、近位端および遠位端を有する本体部材を有し、本体部材に取り付けられたステンレス鋼マーカを備える医療デバイスを選択することを含む。マーカは、約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有する。別のステップ3104は、患者の体内管内の第1の位置まで、マーカが体内管内の第2の位置に配置されるまで、医療デバイスの遠位端を前進させることを含む。別のステップ3106は、マーカが体内管内の第2の位置に配置されている間に、第2の位置を含む体内管の部分の磁気共鳴画像を得ることを含む。別のステップ3108は、体内管の上記部分の磁気共鳴画像を得るステップ3106中に、画像においてマーカの存在によって生成されるアーチファクトを視認することを含む。別のステップ3110は、体内管に対するアーチファクトの位置に基づき医療デバイスを操作することを含む。別のステップ3112は、体内管から医療デバイスを引き抜くことを含む。
医療デバイスを操作するステップ3110は、介入医療処置を行う方法3100の所望の臨床転帰を達成するかまたはその達成に寄与する方法で実施される。したがって、医療デバイスを操作するステップ3110の性質は、医療デバイスの性質および所望の臨床転帰によって決まる。このステップに対して実施することができる好適な行為の例としては、限定されないが、体内管内で医療デバイスを軸方向に前進させること、体内管内で医療デバイスを回転させること、体内管内で医療デバイスを半径方向に拡張すること、および、医療デバイスの一部を軸方向に引き抜いて、医療デバイスの別の部分、または医療デバイスに関連する第2の医療デバイスが体内管内で半径方向に拡張するのを可能にすることが挙げられる。
図16は、介入医療処置を行う別の方法例3200の概略図である。最初のステップ3202は、近位端および遠位端を有する本体部材を有し、本体部材に取り付けられたマーカを備える、医療デバイスを選択することを含む。マーカは、加工硬化ステンレス鋼から形成される。別のステップ3204は、患者の体内管内の第1の位置まで、マーカが体内管内の第2の位置に配置されるまで、医療デバイスの遠位端を前進させることを含む。別のステップ3206は、マーカが体内管内の第2の位置に配置されている間に、第2の位置を含む体内管の部分の磁気共鳴画像を得ることを含む。別のステップ3208は、体内管の上記部分の磁気共鳴画像を得るステップ3206中に、画像においてマーカの存在によって生成されるアーチファクトに少なくとも部分的に基づき、体内管内における医療デバイスの一部の位置を求めることを含む。別のステップ3210は、体内管内で医療デバイスを操作することを含む。別のステップ3212は、体内管から医療デバイスを引き抜くことを含む。
医療デバイスを選択するステップ3202において、マーカのステンレス鋼は、約100KSI~約225KSIの最大引張強度を有することが重要であると考えられる。本発明者は、約150KSI~約200KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約170KSI~約200KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約172KSI~約197KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約187KSI~約191KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。さらに、本発明者は、約189KSIの最大引張強度が有利であり得ることを明らかにした。
医療デバイスを操作するステップ3210は、介入医療処置を行う方法3200の所望の臨床転帰を達成するかまたはその達成に寄与する方法で実施される。したがって、医療デバイスを操作するステップ3210の性質は、医療デバイスの性質および所望の臨床転帰によって決まる。このステップに対して実施することができる好適な行為の例としては、限定されないが、体内管内で医療デバイスを軸方向に前進させること、体内管内で医療デバイスを回転させること、体内管内で医療デバイスを半径方向に拡張すること、および、医療デバイスの一部を軸方向に引き抜いて、医療デバイスの別の部分、または医療デバイスに関連する第2の医療デバイスが体内管内で半径方向に拡張するのを可能にすることが挙げられる。
図17は、介入医療処置を行う別の方法例3300の概略図である。最初のステップ3302は、近位端および遠位端を有する本体部材を有し、本体部材に取り付けられたステンレス鋼マーカを備える医療デバイスを選択することを含む。マーカは、約172KSI~約197KSIの最大引張強度を有する。別のステップ3304は、患者の体内管内の第1の位置まで、マーカが体内管内の第2の位置に配置されるまで、医療デバイスの遠位端を前進させることを含む。別のステップ3306は、マーカが体内管内の第2の位置に配置されている間に、第2の位置を含む体内管の部分の磁気共鳴画像を得ることを含む。別のステップ3308は、体内管の上記部分の磁気共鳴画像を得るステップ3306中に、画像においてマーカの存在によって生成されるアーチファクトに少なくとも部分的に基づき、体内管内における医療デバイスの一部の位置を求めることを含む。別のステップ3310は、体内管内で医療デバイスを操作することを含む。別のステップ3312は、体内管から医療デバイスを引き抜くことを含む。
医療デバイスを操作するステップ3310は、介入医療処置を行う方法3300の所望の臨床転帰を達成するかまたはその達成に寄与する方法で実施される。したがって、医療デバイスを操作するステップ3310の性質は、医療デバイスの性質および所望の臨床転帰によって決まる。このステップに対して実施することができる好適な行為の例としては、限定されないが、体内管内で医療デバイスを軸方向に前進させること、体内管内で医療デバイスを回転させること、体内管内で医療デバイスを半径方向に拡張すること、および、医療デバイスの一部を軸方向に引き抜いて、医療デバイスの別の部分、または医療デバイスに関連する第2の医療デバイスが体内管内で半径方向に拡張するのを可能にすることが挙げられる。
すべての実施形態において、必要なマーカまたはマーカストックのステンレス鋼に対して、任意の好適なステンレス鋼を使用することができる。本発明者は、本明細書に記載するさまざまな医療デバイスおよび方法のマーカおよびマーカストックで使用するために、オーステナイト系ステンレス鋼が特に適切であることを明らかにした。さらに、本発明者は、本明細書に記載するさまざまな医療デバイスおよび方法のマーカおよびマーカストックで使用するために、オーステナイト系クロム-ニッケル合金を含むステンレス鋼が特に適切であることを明らかにした。さらに、本発明者は、本明細書に記載するさまざまな医療デバイスおよび方法のマーカおよびマーカストックで使用するために、SAE International300シリーズのステンレス鋼を含むステンレス鋼が特に適切であることを明らかにした。特定の実施形態では、マーカまたはマーカストックで使用されるステンレス鋼は、SAE Type301ステンレス鋼、SAE Type302ステンレス鋼、SAE Type303ステンレス鋼、SAE Type304ステンレス鋼、SAE Type304Lステンレス鋼、SAE Type304LNステンレス鋼、SAE Type308ステンレス鋼、SAE Type309ステンレス鋼、SAE Type310ステンレス鋼、SAE Type310Sステンレス鋼、SAE Type316ステンレス鋼、SAE Type316Lステンレス鋼、SAE Type316Tiステンレス鋼またはSAE Type321ステンレス鋼を含む。本発明者は、本明細書に記載するさまざまな医療デバイスおよび方法のマーカおよびマーカストックで使用するために、SAE Type304ステンレス鋼が特に有利であることを明らかにした。必要なマーカまたはマーカストックのステンレス鋼に対して、フェライト系ステンレス鋼等の他のステンレス鋼もまた使用することができる。
実施例1-最大引張強度およびアーチファクトサイズ
方法:各々が、既知の寸法および最大引張強度を有するステンレス鋼管状部材を備える、7つのマーカストック部材を、1mm長管状マーカにレーザ切断した。そして、ニチノールロッドに各マーカを、ロッドの上にマーカを周方向に配置することにより取り付けた。そして、ASTM撮像ファントム内にロッドおよびマーカアセンブリを配置した。以下の2つのシーケンスで、1.5T Siemens Aera Scannerにおいてサンプルをスキャンした。
GRE-フリップ角:25 スライス厚さ8mm、TR/TE:100/10ms(調査スキャン)
Trufi-フリップ角:70 スライス厚さ8mm、TR/TE:3.4/1.6ms(臨床)
3つのすべての撮像面、すなわち、矢状面、冠状面および横断面において、MR画像を取得した。各面に対して、画像アーチファクトサイズを計算した。
結果:
以下の表1に、ステンレス鋼マーカの寸法、重量および画像アーチファクトサイズを報告する。
厳密に同じ質量を有するが異なるUTSを有する2つのマーカ、すなわち、サンプルE(197UTS、1.16mg)およびサンプルF(172UTS、1.16mg)を比較すると、画像アーチファクトサイズに対するUTSの影響は明確に観察される。ともに同じ寸法および重量を有するが、UTSは異なる。最大UTS値を有するサンプルEに対して、画像アーチファクトサイズは相対的に著しく高い。
サンプルE(197UTS、1.16mg)およびサンプルD(197UTS、1.06mg)を比較することにより、画像アーチファクトサイズに対する質量の影響を求めることができる。ともに同じUTSを有するが、サンプルEは、サンプルDよりわずかに大きい質量を有し、すなわち、1.16mg対1.06mgである。全体的に、画像アーチファクトサイズはサンプルEの方が大きい。
特に、サンプルF(172UTS、1.16mg)およびサンプルA(189UTS、0.76mg)を比較すると、画像アーチファクトに対する質量の影響が明らかである。サンプルFは、サンプルAと比較して低いUTSを有するが、サンプルFは、サンプルAより著しく高い質量、したがって大きい画像アーチファクトサイズを有する。
実施例2-最大引張強度およびアーチファクトサイズ
方法:176KSIの最大引張強度を有する冷間加工304ステンレス鋼管を備えるマーカストック部材から、1mm管状マーカを切断することにより、一組の未焼鈍マーカを準備した。
焼鈍マーカを準備するために、最初に、176KSIの最大引張強度を有する冷間加工304ステンレス鋼管を備えるマーカストック部材を、アルゴン充填ステンレス鋼熱処理容器内に収容して、炉内で1900°Fで2時間、焼鈍した。これにより、75KSIで推定された最大引張強度を有する同じ寸法の光沢のある軟質チューブが生成された。そして、焼鈍マーカストック部材から、1mm長の管状マーカを切り出した。
ニチノールロッド上に未焼鈍マーカの組からのマーカを配置し、ロッドにマーカを接着することにより、未焼鈍マーカ/ロッドアセンブリを準備した。
焼鈍マーカの組からのマーカをニチノールロッドに配置し、ロッドにマーカを接着することにより、焼鈍マーカ/ロッドアセンブリを準備した。
そして、MRI下でマーカ/ロッドアセンブリを並んでスキャンした。各々が同じ長さの焼鈍マーカおよび未焼鈍マーカを比較する、スキャンの間の長さが異なる3回のスキャンからの画像を、図18A、図18Bおよび図18Cに示す。図18A、図18Bおよび図18Cの各々において、冷間加工した、未焼鈍マーカと焼鈍マーカとの間のアーチファクトのサイズの差が明らかである。
当業者であれば、本開示の全体的な教示を鑑みて、記載し例示する例に対するさまざまな変更形態および代替形態を展開することができることを理解するであろう。したがって、開示した要素およびステップの特定の配置は、添付の特許請求の範囲およびそのありとあらゆる均等物の完全な範囲が与えられる本発明の範囲に関して、限定するものではなく単に例示するものとして意図されている。