JP5628515B2 - ガイドワイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、血管、尿管、胆管、気管等の人体の管状器官内に、カテーテル等のチューブを挿入する際に用いられるガイドワイヤに関する。
従来、血管、尿管、胆管、気管などの人体の管状器官における検査・治療のため、チューブ状のカテーテルを挿入して造影剤や制癌剤等の薬剤を投与したり、カテーテルを通して鉗子等によって組織の一部を採取したりすることが行われている。このカテーテルの挿入に際しては、管状器官内に比較的細くて柔軟なガイドワイヤを挿入し、その先端を目的箇所に到達させた後、このガイドワイヤの外周に沿ってカテーテルを挿入するようにしている。
上記ガイドワイヤは、血管等の複雑に屈曲した管状器官内に挿入される場合には、Ni−Ti系合金等の超弾性合金が好適に用いられている。
このようなガイドワイヤを、管状器官の分岐部において所望の分岐管を選択して挿入するために、ガイドワイヤの先端部が「J字形」や「への字形」等の屈曲形状に、予め屈曲付形されたものが流通しており、医師は、治療箇所や患者に合わせて、適当な屈曲形状のガイドワイヤを選択して使用している。
しかしながら、上記の場合、種々の屈曲形状のガイドワイヤを用意しておかなければならないので無駄が多く、しかも、管状器官の分岐部の形状は、治療箇所や患者によってそれぞれ異なるため、既存の屈曲形状のガイドワイヤをそのまま用いることができるとは限らない。そのため、医師が手術現場で、ガイドワイヤの先端部を治療箇所や患者に合わせて、分岐管に挿入しやすい角度となるように所定形状にくせ曲げして用いることが多い。しかし、Ni−Ti系の超弾性合金は、その先端部をくせ曲げしにくいという問題があった。
Ni−Ti系合金からなる芯線を用いたガイドワイヤの先端部をくせ曲げできるようにするため、下記特許文献1には、NiとTiを基本組成とする合金からなり、線状に加工して熱処理を施した後、全長の一部を冷間加工して塑性変形しやすくした部分を設けた芯線を有する医療用ガイドワイヤが開示されている。
また、下記特許文献2には、先端部及び基質部を有しNi−Ti系合金からなると共に、その焼鈍温度が先端部と基質部とで異なり、先端部に700℃以上の熱処理を施して、同先端部が37℃で超弾性特性を有し且つ80°以下における形状変形に対して可塑性を有する芯材に、合成樹脂を被覆してなるカテーテルガイドワイヤが開示されている。
一方、下記特許文献3には、本体部と、該本体部よりも細径の先端部と、該本体部と該先端部の間の移行部とからなる超弾性芯材と、該芯材の先端部に密着して設けられたX線造影性金属コイルと、該造影性金属コイルと該芯材の少なくとも一部を被覆して実質的に平滑な外表面を形成する合成樹脂製被覆部材と、該合成樹脂製被覆部材の少なくとも一部を覆う親水性潤滑層とからなるガイドワイヤが開示されている。
特開2001−9041号公報 特開平2−289267号公報 特開平10−146390号公報
上記特許文献1の医療用ガイドワイヤは、線状に加工して熱処理を施した後、芯線の一部に冷間加工を施すことにより転移を形成して、くせ曲げを可能としたものであるが、冷間加工を施す必要があるので、製造コストが増加すると共に、靱性に乏しくなり、割れや破断の可能性が高まる。
また、上記特許文献2のカテーテルガイドワイヤでは、基質部と先端部とで異なる熱処理を施すようになっているので、製造工程が煩雑でコストが増大するという不都合がある。また、先端部における塑性変形能は、先端部を高い温度で熱処理し、降伏点を下げることにより付与されているため、医師が先端を適当な屈曲形状に付形しても、カテーテル等の管にガイドワイヤを挿入したときに、その屈曲形状が伸ばされて元の形状に戻りやすく、先端部の屈曲形状を維持しにくいというデメリットがある。
更に、上記特許文献3のガイドワイヤでは、超弾性芯材の先端部に、X線造影性金属コイルが密着して設けられているので、ガイドワイヤ先端部が硬くなってしまって、管状器官内への挿入作業性に問題が生じる。
したがって、本発明の目的は、芯線がNi−Ti系の超弾性合金から形成されていても、その先端部を所望形状に確実にくせ曲げすることができると共に、コストの増大を抑え、更に、割れや破断の可能性が少なく、先端部が柔軟なうえ、屈曲形状の維持能力に富んだ、ガイドワイヤを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のガイドワイヤは、少なくとも先端部がNi−Ti系の超弾性合金からなる芯線と、前記芯線の先端部外周に配置されたPt系合金又はWからなるコイルとを備えたガイドワイヤであって、前記芯線の先端部は、初期形状で直線状に伸びると共に、その最先端から所定長さの部分の線径D1が0.02〜0.10mmとされ、前記コイルの線径D2が、0.057〜0.0778mmとされ、前記芯線の最先端から所定長さの部分の外周と、前記コイル内周との間には、0.01〜0.08mmの隙間C1が形成され、前記コイルの、前記芯線の最先端から所定長さの部分の外周に配置された部分の隣接するコイル線材どうしの隙間C2は、0.03〜0.08mmとされ、前記芯線及び前記コイルの外周には、厚さTが0.01〜0.1mmのポリウレタン系の合成樹脂からなる樹脂層が被覆されており、該樹脂層は、前記コイルの内周に入り込まず、前記コイルの内部に空隙が形成されていることを特徴とする。
本発明のガイドワイヤにおいては、前記コイルは、その先端部を前記芯線の最先端部に固着され、その基端部を前記芯線の線径D1が0.02〜0.10mmとされた部分よりも太い基部側に固着されており、前記芯線の線径D1が0.02〜0.10mmとされた部分の軸方向長さは、1〜30mmとされていることが好ましい。
本発明によれば、芯線の最先端から所定長さの部分の線径D1が0.02〜0.10mmとされており、その部分に、芯線外周とコイル内周との間に0.01〜0.08mmの隙間C1を設けて、コイル線材どうしの隙間C2が0.03〜0.08mmとされたコイルが配置されているので、その部分をくせ曲げすることにより、Pt系合金又はWからなるコイルが変形すると共に、芯線にも確実に歪みが加わり、曲げ形状を付与することが可能となり、ガイドワイヤの先端部を任意の形状、方向にくせ曲げすることができる。
この場合、芯線の最先端から所定長さの部分の線径D1が、0.02mm未満では、芯線として十分な剛性が得られにくくなり、0.10mmを超えると、先端部が硬くなりすぎてしまう。また、前記コイル線材どうしの隙間C2が、0.03mm未満では、くせ曲げしたときに隣接するコイル線材どうしが干渉して、2次元的な曲げ形状を効果的に付与しにくくなり、0.08mmを超えると、コイル線材間の隙間の割合が多く、X線が透過しやすくなり、X線透視下での視認性が悪くなってしまう。
そして、本発明のガイドワイヤにおいては、Ni−Ti系の超弾性合金からなる芯線を用いたガイドワイヤであっても、芯線の先端部に2次加工を施したり熱処理をしたりすることなく、先端部をくせ曲げすることが可能になるので、使いやすいガイドワイヤを提供できると共に、製造コストの低減を図ることができる。
本発明のガイドワイヤの一実施形態を示しており、(a)は全体を断面にして示す説明図、(b)は樹脂層を断面にして示す説明図である。 同ガイドワイヤの先端部を、くせ曲げした状態を示す説明図である。 各種寸法のガイドワイヤの、くせ曲げ性能の試験方法を示す説明図である。 同くせ曲げ性能試験において、コイル線材間の隙間が所定値よりも小さい場合の状態を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明のガイドワイヤの一実施形態について説明する。
この実施形態におけるガイドワイヤ10は、図1(a),(b)に示すように、芯線20と、この芯線20の先端部外周に配置されたコイル30と、芯線20及びコイル30の外周に被覆された樹脂層40とを備えている。
前記芯線20は、一定径にて所定長さで伸びる基部21と、この基部21から先端に向かって次第に縮径されたテーパ部23と、同テーパ部23先端から所定長さで伸びる縮径部25とを有している。
上記芯線20は、生体適合性に富むと共に超弾性を有する、Ni−Ti、Ni−Ti−X(X=Fe,Cu,V,Co,Cr,Mn,Nb等)などのNi−Ti系の超弾性合金から形成されている。
この実施形態における芯線20は、ダイス穴からの引き抜き加工や押し出し加工等により、基端から先端にかけて連続的に一体形成され(テーパ部23及び縮径部25は、その後の機械加工やエッチング等により縮径される)、各部は同一材質となっているが、少なくとも先端部が上記Ni−Ti系の超弾性合金であれば足り、それ以外の部分はステンレス,Ni,W等から形成されていてもよい。
図1に示すように、この実施形態では、縮径部25の外周及び縮径部25の基端から伸びるテーパ部23の先端側外周に、コイル30が配置されており、この部分が芯線20の先端部aをなしている。
そして、この芯線20の先端部aは、初期形状で直線状に伸びると共に、その最先端から所定長さの部分bの線径D1が0.02〜0.10mmとされている。この実施形態では、前記縮径部25が、最先端から縮径部25の基端に至るまで一定径かつ上記線径D1で、ガイドワイヤ軸心に沿って平行な直線状に伸びており、同縮径部25が本発明の「最先端から所定長さの部分」をなしている。
また、芯線20の最先端から所定長さの部分bは、その線径D1が0.02〜0.10mmであればよく、この部分bを線径D1の範囲内でテーパ状に縮径させたり段状に縮径させたりした形状としてもよい。
先端部aの、最先端から所定長さの部分bの線径D1が、0.02mm未満では、芯線20の剛性が十分に得られにくくなり、0.10mmを超えると、先端部が硬くなり過ぎる。
更に、先端部aの、線径D1が0.02〜0.10mmとされた部分の軸方向長さL、すなわち、最先端から所定長さの部分bの軸方向長さL(縮径部25の最先端から基端までの軸方向長さL)は、1〜30mmとされ、5〜20mmであることがより好ましい。
上記部分の軸方向長さLが、1mm未満では、先端部aのくせ曲げ可能な範囲が少なくなり、30mmを超えると、線径が細い部分が長くなり芯線20の剛性が低下する。
上記芯線20の先端部aの外周に配置されるコイル30は、Pt系合金又はWからなり、線径D2のコイル線材32を巻回して形成されている。このコイル線材32の線径D2は、0.057〜0.0778mmであることがより好ましい。
コイル線材32の線径D2が、0.057mm未満では、コイル線径D2が細いため、芯線20の先端部aの超弾性に対抗しにくくなって、先端部aをくせ曲げしづらくなり、0.0778mmを超えると、コイル線径D2が太いため、コイル30全体が硬くなって、芯線20の先端部aの柔軟性が低下する。
上記コイル30は、芯線20の先端部aの外周に配置されるが、このとき、コイル30の、芯線20の最先端から所定長さの部分b(縮径部25)における、隣接するコイル線材32,32どうしの隙間C2が、0.03〜0.08mmとなるように、コイル30が形成されている。この実施形態のコイル30は、先端部から基端部にかけて、同一の隙間C2を設けて、コイル線材32が巻回して形成されている。
隣接するコイル線材32,32どうしの隙間C2が、0.03mm未満では、芯線20の先端部aをくせ曲げしたときに、隣接するコイル線材32,32どうしが干渉して、2次元的な曲げ形状を効果的に付与しにくくなり、0.08mmを超えると、コイル線材間の隙間の割合が多く、X線が透過しやすくなり、X線透視下での視認性が悪くなってしまう。
なお、2次元的な曲げ形状とは、図2に示すように、ガイドワイヤ10の先端部が先端部以外の部分に対して平面的に屈曲し、紙面表側又は裏側には屈曲しないこと、すなわち、先端部の軸心が、先端部以外の部分の軸心に対して、同一平面上で曲がることを意味する。
そして、このガイドワイヤ10は、芯線20の最先端から所定長さの部分b(縮径部25)の線径D1が0.02〜0.10mmとされ、その部分に、芯線20外周とコイル30内周との間に0.01〜0.08mmの隙間C1を設けて、コイル線材32,32どうしの隙間C2が0.03〜0.08mmとされたコイル30が配置されていることにより、芯線20の最先端から所定長さの部分bに適度な力を作用させて、くせ曲げすることにより、Pt系合金又はWからなるコイル30が変形すると共に、芯線20にも確実に歪みが加わり、曲げ形状を付与することが可能となり、図2に示すように、ガイドワイヤ10の先端部を任意の形状、方向にくせ曲げすることができる。
なお、この実施形態のコイル30は、先端から基端にかけて同一の隙間C2を設けて巻回されているが、上記のように、芯線20の最先端から所定長さの部分bにおいて、隙間C2が確保されていればよく、その他の部分が、コイル線材32,32どうしが密着して巻かれていたり、隙間C2の範囲外の隙間で巻かれていたりしてもよい。
上記コイル30は、その内周に芯線20の先端部aが挿通されて、その先端部が芯線20の最先端部外周に配置され、基端部が芯線20のテーパ部23外周に配置される。そして、コイル30の先端部は、ロウ材等からなる丸い頭部34を介して芯線20の最先端部に固着され、基端部は、同じくロウ材等からなる接合部36を介してテーパ部23に固着される。このようにこの実施形態では、コイル30の基端部は、芯線20の、線径D1が0.02〜0.10mmとされた部分(最先端から所定長さの部分b)よりも太い、基部側に固着されている。
また、コイル30は、図1(a)の部分拡大図に示すように、その内周と、芯線20の最先端から所定長さの部分b(縮径部25)の外周との間に、0.01〜0.08mmの隙間C1が形成されるように配置されている。
前記隙間C1が0.01未満だと、芯線20の先端部aの外周にコイル30が密着しやすくなり、くせ曲げするときにコイル30と芯線20とが干渉して曲げにくくなり、0.08mmを超えると、先端部a外周からコイル30が離れすぎて、芯線20に歪みを付与しにくくなる。
上記芯線20及び芯線20の先端部aの外周に装着されたコイル30の外周には、厚さTが0.01〜0.1mmの、ポリウレタン系の合成樹脂からなる樹脂層40が被覆されている。この実施形態では、芯線20の全体を覆うように樹脂層40が被覆されて、その肉厚はほぼ一定となっているが、本発明における樹脂層40の厚さTは、芯線20の最先端から所定長さの部分bに相当する位置における厚さを意味する(図1(a)部分拡大図参照)。なお、樹脂層40は、コイル30外周に被覆されるが、コイル30内周には入り込まず、コイル30内に空隙が形成されており、上述のコイル内周と芯線外周との隙間C1が保持されるようになっている。
上記のように、芯線20及びコイル30外周に、0.01〜0.1mmの厚さTの比較的硬質のポリウレタン系の合成樹脂からなる樹脂層40が被覆されているので、コイル30を曲げ形状に保形しやすくなり、芯線20の超弾性に打ち勝って、ガイドワイヤ10の先端部をくせ曲げしやすくすることができる。
前記樹脂層40の厚さTが0.1mmを超えると、樹脂層40が厚くなりすぎて、ガイドワイヤ10の先端部の柔軟性が損なわれるので好ましくない。なお、樹脂層40を芯線20及びコイル30外周に被覆しない場合でも、先端部aを所定の曲げ形状に保形することが可能である。
また、樹脂層40の外周には、滑り性、血栓付着防止性を付与するため、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体等の親水性樹脂がコーティングされていることが好ましい。
上記構造からなるガイドワイヤ10は、例えば、次のように製造される。まず、Ni−Ti系の合金材料を溶融し、これを所定径のダイスから引き抜いたり、或いは、押し出したりすることにより、所定線径の線材を形成する。この線材を直線状に引き伸ばした状態で、所定条件で熱処理を行って、直線状となるように形状記憶処理を施す。その後、適宜機械加工やエッチング加工を施して、基部21、テーパ部23、縮径部25からなる芯線20を形成する。次いで、芯線20の先端部aの外周に上記のようにコイル30装着した後、芯線20及びコイル30の外周に樹脂層40を被覆することにより、ガイドワイヤ10が製造される。
そして、このガイドワイヤ10は、芯線20の最先端から所定長さの部分b(縮径部25)の線径D1が0.02〜0.10mmとされ、その部分に、芯線20外周とコイル30内周との間に0.01〜0.08mmの隙間C1を設けて、コイル線材32,32どうしの隙間C2が0.03〜0.08mmとされたコイル30が配置されていることにより、芯線20の最先端から所定長さの部分bに適度な力を作用させて、くせ曲げすることにより、Pt系合金又はWからなるコイル30が変形すると共に、芯線20にも確実に歪みが加わり、曲げ形状を付与することが可能となり、図2に示すように、ガイドワイヤ10の先端部を任意の形状、方向にくせ曲げすることができる。
なお、くせ曲げの際には、ガイドワイヤ10の先端部に、円柱状の棒や円筒状のパイプ等からなる治具を押し当てつつ、治具をしごくようにして往復移動させることにより、ガイドワイヤ10の先端部を効率的にくせ曲げすることができる。
上記のように、このガイドワイヤ10によれば、Ni−Ti系の超弾性合金からなる芯線20が用いられていても、その先端部を確実にくせ曲げすることができるので、手術現場等において、治療箇所や患者に対応して先端部の形状を適宜変更することができ、その利便性を高めることができる。
また、コイル30が芯線20の先端部aに所定の隙間C1を介して配置されているので、特許文献3のように芯線外周にコイルが密着巻きされた場合と比べて、ガイドワイヤ先端部が硬くなるのをなるべく抑制して、ある程度の柔軟性を維持しつつ形状維持性を持たせることができ、ガイドワイヤ10の挿入作業性の低下を防止することができる。
更に、芯線20の先端部aに、冷間加工等のような2次加工を施したり(特許文献1)、形状記憶処理とは別の熱処理を施したり(特許文献2)する必要がなく、先端部をくせ曲げすることができるので、ガイドワイヤ10の製造コストの低減を図ることができる。
また、この実施形態においては、前記コイルの線径D2が、0.057〜0.0778mmとされているので、コイル線径D2を細すぎず太すぎず適度な太さに保持することができ、ガイドワイヤ10の先端部をくせ曲げしやすくすると共に、ガイドワイヤ10の先端部の柔軟性も確保することができる。
更に、この実施形態においては、前記コイル30は、その先端部を芯線20の最先端部に固着され、基端部を芯線20の線径D1が0.02〜0.10mmとされた部分よりも太い基部側に固着され、芯線20の線径D1が0.02〜0.10mmとされた部分の軸方向長さLが、1〜30mmとされているので、ガイドワイヤ10の先端部のくせ曲げできる長さを適当に確保することができ、ガイドワイヤ10の先端部を所望の方向及び形状にくせ曲げしやすくすることができる。
(試料の作製)
Ni−Ti系合金を用いて所定径の線材を作製し、それを直線状に引き伸ばして、510°Cで60秒間保持することにより、直線状となるように形状記憶処理を施した後、縮径部25の線径D1が、下記表1に示す数値となるように切削したものを、23本作製した。
また、下記表1に示すコイル線径D2のコイル線材32を、隣接するものどうしが下記表1の隙間C2となるように巻回して、23個のコイル30を作製した。
これらのコイル30を芯線20の先端部aの外周に装着して、その両端部を頭部34及び接合部36を介して芯線20に固着し、その後、ポリウレタンを被覆した。その結果、下記表1に示す各種寸法、すなわち、D1(縮径部25の線径)、D2(コイル30の線径)、C2(コイル線材32,32どうしの隙間)、C1(縮径部25の外周と、コイル30の内周との隙間)、T(樹脂層40の縮径部25における厚さ)とした、試料1〜23を作製した。
(試験方法)
上記各試料1〜23について、図3に示す方法で永久変形量を測定した。すなわち、図3(a)に示すように、各試料1〜23の先端部を、直径1.2mmの円柱に巻き付けた後、5mm程度スライドさせた。
そして、図3(b)に示すように、先端部以外の部分に対する先端部の変形角度が70°以上となると共に、その変形角度が保持されたものを、くせ曲げが可能なものと評価し(表1で「○」と示す)、変形角度が70°未満だったり、巻き付け途中に破断したり、曲げ形状が維持できず元に戻ってしまったりしたものを、くせ曲げが不可能なものと評価した(表1で「×」と示す)。その結果を上記表1にまとめて示す。
(試験結果)
上記表1に示すように、試料2,3は、コイル30の線径D2が共に0.050mmと細すぎで、十分にくせ曲げすることができず、試料7は、縮径部25の線径D1が、0.110mmと太すぎで、くせ曲げ時に破断してしまった。
試料8,9は、コイル線材32,32どうしの隙間C2が狭すぎで、3次元形状となって、所望のくせ曲げ形状とならず、試料13は、同隙間Cが広すぎで、X線透視下での視認性が不良となった。
3次元形状に屈曲する理由としては、図4に示すように、コイル30が屈曲したときに、内側に位置するコイル線材32同士がぶつかってしまって行き場を失い、それらがはじき出されて、ガイワイヤの軸心に対して位置ずれするため、3次元形状に曲ってしまうものと考えられる。
試料14は、縮径部25外周とコイル30内周との隙間C1がなく(0.00mm)、くせ曲げ後に保形できず、試料18は、同隙間C1が0.10mmと広すぎで、十分にくせ曲げすることができなかった。
試料23は、樹脂層40の厚さTが0.15mmと厚すぎで、十分にくせ曲げすることができなかった。
上記試料以外の試料(3〜6,10〜12,15〜17,19〜22)は、いずれも、縮径部25の線径D1が0.02〜0.10mm、コイル30の線径D2が0.057〜0.778mm、コイル線材32,32どうしの隙間C2が0.03〜0.08mm、縮径部25外周とコイル30内周との隙間C1が0.01〜0.08mm、樹脂層40の厚さTが0.01〜0.1mmの範囲を満たしており、確実にくせ曲げ可能であることを確認することができた。
10 ガイドワイヤ
20 芯線
30 コイル
32 コイル線材
40 樹脂層

Claims (2)

  1. 少なくとも先端部がNi−Ti系の超弾性合金からなる芯線と、前記芯線の先端部外周に配置されたPt系合金又はWからなるコイルとを備えたガイドワイヤであって、
    前記芯線の先端部は、初期形状で直線状に伸びると共に、その最先端から所定長さの部分の線径D1が0.02〜0.10mmとされ、
    前記コイルの線径D2が、0.057〜0.0778mmとされ、
    前記芯線の最先端から所定長さの部分の外周と、前記コイル内周との間には、0.01〜0.08mmの隙間C1が形成され、
    前記コイルの、前記芯線の最先端から所定長さの部分の外周に配置された部分の隣接するコイル線材どうしの隙間C2は、0.03〜0.08mmとされ、
    前記芯線及び前記コイルの外周には、厚さTが0.01〜0.1mmのポリウレタン系の合成樹脂からなる樹脂層が被覆されており、前記コイルの内部に空隙が形成されていることを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記コイルは、その先端部を前記芯線の最先端部に固着され、その基端部を前記芯線の線径D1が0.02〜0.10mmとされた部分よりも太い基部側に固着されており、前記芯線の線径D1が0.02〜0.10mmとされた部分の軸方向長さは、1〜30mmとされている請求項記載のガイドワイヤ。
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