JP7341445B1 - ごみ質算出装置およびごみ質算出方法 - Google Patents

ごみ質算出装置およびごみ質算出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ごみのかたまりを表すクラスタと、そのクラスタに含まれる画素数を用いて均一化の指標を表し、情報量理論で使われる相対エントロピーの概念を用いて、均一化指標を計算できるごみ質算出装置を提供する。【解決手段】ごみ質算出装置100は、ごみピット内のごみの画像の画素を、代表色のいずれかの色に抽出処理する代表色処理部111と、代表色抽出部111でいずれかの代表色が割り当てられた画素に対し、隣接する同色同士の画素集合体を形成処理する同色クラスタ処理部112と、同色クラスタ処理部112で形成された画素集合体の数と前記画像の画素数との相対エントロピーを算出する相対エントロピー算出部を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、ごみ質算出装置およびごみ質算出方法に関する。
近年、画像処理の技術が普及したことから、ピット画像からごみの攪拌度合いを認識することが可能となりつつある。
特許文献1は、ピット内に貯留されたごみの攪拌状態を検出するために、貯留されたごみで反射する光を受光して、偏光情報を取得し、偏光情報を含む偏光画像を生成し、偏光画像に基づいてごみの攪拌状態を判定する。偏光画像を用いることで透明な袋を現すことができる。
特許文献2は、ごみピット内に貯留される廃棄物を撮像した画像に対応付けられた教師データを生成し、教師データを用いた学習によってモデルを構築する。ごみピット内に貯留される廃棄物を撮像した新たな画像データをモデルへ入力して、新たな画像に対応する廃棄物の質を表す値を取得する。質が違うが色調が近い廃棄物や、質は同じであるが色調が異なる廃棄物が混在していても、廃棄物の質を推定できる。
特許文献3は、各分割エリアの明部分あるいは暗部分の抽出面積を算出し、全評価エリアに対するあるいは各評価エリアに対する分割エリアの明部分あるいは暗部分の抽出面積のばらつきを算出し、ばらつきにより混合度を評価する。
特許文献4は、ごみピット画像において基準色と同一色の色相の画素を抽出し、抽出された画素の連結成分を一つの領域とした同一色領域を抽出し、同一色領域の個数N及びそれらの面積Siの平均Sbを攪拌度パラメータとして算出し、攪拌度パラメータと閾値γnとを比較することで攪拌状態を判定する。
特許第6879899号 特許第6554148号 特許第6457137号 特開2015-143139号公報
しかしながら、「混合の状態」や「攪拌の状態」とはどのような状態を表すのか定義が定まっていない。このため、上記先行技術においても共通となる均一化の指標を設けることが重要である。
本開示では、ごみ(色)のかたまりを表すクラスタと、そのクラスタに含まれる画素数(ピクセル数)を用いて均一化の指標を表し、情報量理論で使われる相対エントロピーの概念を用いて、均一化指標を計算できるごみ質算出装置およびごみ質算出方法を提供する。
本開示のごみ質算出装置は、
撮像部で撮像されたごみピット内のごみの画像(例えば、静止画)の画素を、所定数(例えば、8色から32色)からなる代表色のいずれかの色に抽出処理(割り当て)する代表色処理部と、
前記代表色抽出部でいずれかの代表色が割り当てられた画素に対し、隣接する同色同士の画素集合体(同色領域、同色クラスタ)を形成処理する同色クラスタ処理部と、
前記同色クラスタ処理部で形成された画素集合体(同色クラスタ)の数と前記画像の画素数とのクラスタ相対エントロピーを算出する相対エントロピー算出部と、
を備える。
前記代表色処理部は、例えば、k平均法あるいは他のクラスタリング分類手法を用いて所定数の代表色を抽出処理してもよい。
前記代表色は、ごみピット内の画像でよく現れる色から選定される。例えば、指定袋制度を採用している自治体であれば特定の色の袋が多数存在する。袋が破れ散乱した紙の白色や、花木剪定枝(葉を含む)などの緑色、ごみピットに投入されて時間経過したごみの茶色系・グレー系の色などがある。
代表色は、予め設定された8色、16色、32色、64色などから設定され、ごみ処理施設の状況、曜日、収集ごみの状況などに対応して設定してもよい。
前記代表色処理部は、例えば、画像をデータ量の少ない16色ビットマップ画像に減色処理してもよい。
この代表色処理部により、ごみピット内に存在する全ての色に焦点を当て画像処理を行うより、代表色に焦点を当てて画像処理を行うことで、効率的に実行できる。
前記同色クラスタ処理部は、第一代表色(第j代表色)の画素と、第一代表色以外の代表色(第k代表色,k≠j)の画素とを分けて、それぞれの同色クラスタを形成してもよい。
前記同色クラスタ処理部は、第j代表色の画素に対し二値画像を生成し、同色クラスタを形成してもよい。
同色クラスタは、画素数が2以上で構成されるが、相対エントロピー算出の際には、画素1つの場合も同色クラスタとして加算される。
前記相対エントロピー算出部は、前記ごみピット内のごみの画像を複数領域(セル)に分割し、分割した領域(セル)単位で、セル内の同色クラスタ数とセル内の全画素数から相対エントロピーを算出してもよい。
混合の「均一な状態」の画像処理上の定義として「画像中にごみの特定の色が小さなクラスタとなって均一に表れる状態」とする。
例えば、ある画像につき、代表色を発色する画素(以下、単に画素という。)から構成されるクラスタがM個あると仮定する。
j番目(j=1,2、・・・、M)のクラスタjが画素をN個有するとき、クラスタjに含まれる画素iの出現確率をQ=1/MNと定義する。「均一な状態」を「すべてのクラスタが1画素しかもたない状態」とすると、画素iの出現確率は
=1/Nとなる。ここでN=(=Σ j=1)はすべてのクラスタの画素数である。究極の「均一な状態」における出現確率Pの分布に対する、今の出現確率Qの分布の相対エントロピーは次式で表され、これをクラスタ相対エントロピー(CRE)と定義する。このCREは,現在の攪拌の状態が「均一な状態」からどれだけ乖離しているかを表す指標となる。
クラスタ相対エントロピー(CRE)は、以下の式で算出する。
前記ごみ質算出装置は、
前記相対エントロピー算出部で算出された相対エントロピー(セル単位のCREでもよい)が所定の混合閾値の場合に、ごみ混合を指示する(セル単位で混合を指示する)情報を出力する出力部を備えていてもよい。
前記ごみ質算出装置は、
ごみピット内のごみの画像を撮像する撮像部を備えていてもよい。
本開示のごみ質算出方法は、
ごみピット内のごみの画像(補正画像を含む)の画素を、所定数からなる代表色のいずれかの色に抽出処理(割り当て)する代表色処理ステップと、
前記代表色抽出ステップでいずれかの代表色が割り当てられた画素に対し、隣接する同色同士の画素集合体(同色領域、同色クラスタ)を形成処理する同色クラスタ処理ステップと、
前記同色クラスタ処理ステップで形成された画素集合体(同色クラスタ)の数と前記画像の画素数との相対エントロピーを算出する相対エントロピー算出ステップと、
を含む。
前記ごみ質算出方法は、
前記相対エントロピー算出ステップで算出された相対エントロピー(セル単位のCREでもよい)が所定の混合閾値の場合に、ごみ混合を指示する(セル単位で混合を指示する)情報を出力する出力ステップと、をさらに含んでいてもよい。
他の本開示のごみ質算出プログラムは、少なくとも1つのプロセッサーあるいは情報処理装置により、上記ごみ質算出方法を実現するプログラムである。
他の本開示のコンピュータ命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、前記コンピュータ命令がプロセッサーにより実行されることで、上記ごみ質算出プログラムのステップを実現するコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
他の開示のクレーン運転制御システムは、
上記ごみ質算出装置を備えていてもよい。
運転員は、セル単位のCREを見て、手動で混合操作を実行してもよい。
他の開示のクレーン運転制御システムは、
上記ごみ質算出装置の前記出力部から出力された混合を指示する旨の情報に応じて、クレーンおよびバケットを制御して、混合させたいセルのごみを、その場で若しくはその混合番地内の別の位置へ移動したり、別の混合番地へ移動したりして、ごみを落下させ、混合をするように制御するごみ混合制御部を備えていてもよい。
前記「ごみ質算出装置」の各要素は、メモリ、プロセッサー、ソフトウエアプログラムを有する情報処理装置(例えば、コンピュータ、サーバ)や、専用回路、ファームウエアなどで構成してもよい。情報処理装置は、オンプレミスまたはクラウドのいずか一方、あるいは両方の組み合わせであってもよい。
「情報処理装置」は、例えば、汎用コンピュータ、オンプレミスサーバ、クラウドサーバなど1つあるいは2つ以上で構成されていてもよい。
(作用効果)
(1)ごみ(色)のかたまりを表すクラスタと、そのクラスタに含まれる画素数(ピクセル数)を用いて均一化の指標を定義できる。情報量理論で使われる相対エントロピーの概念を用いることで、均一化指標を計算できる。
実施形態1のクレーン運転制御システムについて説明する図である。 実施形態1のごみ質算出装置について説明する図である。 実施形態1の動作を示すフローチャートである。 実施例のごみピット画像の一例を示す図である。 図4Aにおける同色クラスタ抽出の一例を示す図である。 平均CREと合計ピクセル数の推移を示す図である。 図4Aの状態から所定の混合後のごみピット画像の一例を示す図である。 図4DのセルごとのCREの値の一例を示す図である。
以下に本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。
図1に、ごみ質算出装置100、クレーン運転制御システム600およびごみピット1の側面視の一例を示す。図2に、ごみ質算出装置100の各要素の機能を示す。
図1は、ごみピット1の内部を側面視で示している。図1の右側にごみ収集車9が入場し、投入扉12からごみを投入エリア11に送り込む。投入エリアのごみDは、クレーン22およびバケット23により、ごみピット1の攪拌エリア15に搬送される。攪拌エリア15は床平面で所定サイズに分画された混合番地が設定されており、本実施形態1では混合番地と後述するCRE算出に係るセルが一致している。撹拌エリア15において、ごみが堆積された状態を示す(D1:堆積ごみ)。
(クレーン運転制御部)
クレーン運転制御システム600は、任意の混合番地の範囲内あるいは番地をまたがって、クレーン22を移動させ、バケット23でごみを掴んで持ち上げ、その場で若しくはその混合番地内の別の位置へ移動したり、別の混合番地へ移動することにより、ごみを落下させるように制御する。
また、クレーン運転制御システム600は、複数の混合番地において、ごみを移動させるようにクレーン22とバケット23を制御する。クレーン運転制御システム600は、自動運転制御部601を有する。また、自動運転にかわり、操作員は、手動運転に切りかえることができる。また、クレーン運転制御システム600は、クレーン22とバケット23を制御して、任意の混合番地のごみを掴んで移動させ、焼却炉40の投入ホッパ41にごみを送り込む制御をする。
クレーン運転制御システム600は、ごみ質算出装置100の出力部130から出力された混合を指示する旨の情報に応じて、クレーンおよびバケットを制御して、混合させたいセルのごみを、その場で若しくはその混合番地内の別の位置へ移動したり、別の混合番地へ移動することにより、ごみを落下させ、混合をするように制御するごみ混合制御部602を備えていてもよい。
撮像部31は、ごみピット1内(例えば、攪拌エリア15)のごみをその上方から撮像する。撮像部31は、例えば、ごみピット1内の柱、壁、天井などに固定設置可能であり、本実施形態ではクレーンガータ21よりも下方の壁に設置する。撮像部31は、例えば、動画または静止画を撮像するCCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラであってもよい。動画撮像の場合には静止画が切り出されてもよい。画像は、その撮像時刻も紐付けられてメモリ(例えば、撮像部内部あるいは装置100、システム600のメモリ)に保存される。撮像部31は、定期的にまたは所定のタイミング、例えばCREを算出するタイミングでごみを撮像してもよい。
また、撮像部31は一つであるが、これに制限されず、撮像部が複数設置されていてもよい。複数の撮像部で攪拌エリア15を分けて撮像してもよく(一部重複して撮像してもよく)、攪拌エリア全体を複数の撮像部のそれぞれが別の角度から撮像してもよい。複数の撮像部で撮像した画像は、例えば、攪拌エリア全体が1枚の画像になるように合成処理部(不図示)で処理されてもよい。撮像部31で撮像した画像はRGB画像であってもよい。
レーザ距離計32は、ごみピット1内で堆積ごみD1までの距離を検出する。レーザ距離計32は、ごみピット1内の上方部に固定または移動可能に設置され、例えば、クレーンガータ21にクレーン進行方向に移動可能に設置され、クレーン22と共に移動してもよく、別々に移動してもよく、クレーン22近傍に設置されていてもよい。垂直下方に固定設置される場合に、レーザ距離計32がその検出角度を変えて検出できるように角度調整可能に構成されていてもよい。
本実施例1では、クレーンガータ21に固定され、図1において左右に検出角度を変えて下方のごみ(測定点P)までの距離を検出できる。図1の紙面垂直方向にクレーンガータ21が移動することで、攪拌エリア15全体のごみまでの距離を検出できる。
測定点Pの座標(X-Y平面座標)は、レーザ距離計32の位置および検出角度(測定点角度θ)に基づいて算出できる。レーザ距離計32の位置はクレーンガータ21の位置座標と、クレーンガータ21とレーザ距離計32との相対位置から導ける。
測定点Pの座標と検出された距離A、測定点角度θ、検出時刻は紐づけられてメモリ(例えば、レーザ距離計内部あるいは装置100、システム600の記憶部)に保存される。
撮像部31の撮像時刻とレーザ距離計32の距離検出時刻とは、完全に一致していなくともよい。レーザ距離計32の検出時刻とほぼ対応した画像を撮像する構成でもよい。少なくともいずれか一方あるいは両方が処理(距離検出、撮像)している際に、クレーンによる攪拌が行われていないことが好ましい。
攪拌のためにクレーンを自動運転している所定のタイミングあるいは焼却炉40にごみを投入しているタイミングで、画像の撮像および距離の検出をしてもよい。
図2にごみ質算出装置100の機能を示す。
測定点ごみ高さ算出部101は、距離A、測定点角度θ、およびレーザ距離計32からごみピット1の底面までの基準距離Bに基づいて、測定点ごみ堆積高さZを算出する。基準距離Bはレーザ距離計32から垂直下方向の床(ここでは攪拌エリア15の床)までの距離である。
Z=B-A×cosθ (1)
三次元ごみ高さ算出部102は、ごみピット1内の平面座標(X-Y)と測定点ごみ堆積高さZの情報とに基づいて、ごみの三次元高さ情報Wを算出する。
三次元高さ情報Wは、撮像時刻と検出時刻の情報を含んでいてもよい。
三次元ごみ高さ算出部102は、所定のタイミングで、三次元高さ情報Wを算出する。
本実施形態において、「所定のタイミング」は、一定間隔でもよく、決まった時刻でもよく、作業員の命令操作に基づいたタイミングでもよい。
画像変換部103は、撮像部31の設置情報(例えば、ごみピット内の設置された位置座標、撮像角度、レンズの画角など)に基づいて、撮像部31で撮像された画像を上空視点画像に変換する。本実施例1では撮像部31は、攪拌エリア15のごみを斜め上方からの所定角度で撮像しているため、その撮像画像を上空視点画像に変換している。
画像補正部104は、ごみの三次元高さ情報Wに基づいて、前記上空視点画像の全ての区域が同一高さ平面上になるように補正する。ここで得られた画像を補正画像とする。
これにより、同一高さの平面画像が得られる。補正画像は、記憶部110へ保存れる。
代表色処理部111は、撮像部31で撮像されたごみピット内のごみの画像(例えば、静止画あるいは上記補正画像)の画素を、例えば、16色からなる代表色のいずれかの色に抽出処理(割り当て)し、16色以外の色はクラスタ形成から除外する。
代表色処理部111は、補正画像から、k平均法を用いて所定数の代表色での抽出処理をする。代表色処理部111は、例えば、画像をデータ量の少ない16色ビットマップ画像に減色処理する。
同色クラスタ処理部112は、代表色抽出部111でいずれかの代表色が割り当てられた画素に対し、隣接する同色同士の同色クラスタを形成する。
同色クラスタ処理部112は、第j代表色の画素と、第i代表色以外の代表色の画素とを分けて、それぞれの同色クラスタを形成する。ここで、画素が1つ以上の代表色のいずれかに合致する場合を「1」、それ以外の場合を「0」とした二値画像に変換してもよい。
同色クラスタ処理部112は、第j代表色の画素に対し二値画像を生成し、同色クラスタを形成する。同色クラスタは、画素数が2以上で構成されるが、相対エントロピー算出の際には、画素1つの場合も同色クラスタとして加算される。
相対エントロピー算出部113は、同色クラスタ処理部112で形成された同色クラスタの数と画像の画素数との相対エントロピーを算出する。
相対エントロピー算出部113は、ごみピット内のごみの画像あるいは補正画像を複数領域(セル)に分割し、分割した領域(セル)単位で、相対エントロピーを算出する。
クラスタ相対エントロピー(CRE)は、以下の式で算出する。
出力部130は、相対エントロピー算出部113で算出された相対エントロピー(セル単位のCRE)が所定の混合閾値の場合に、セル単位で混合を指示する情報を出力する。
出力部130は、例えば、混合を指示する旨の情報をモニターへ表示、印刷、記憶媒体へ保存、外部装置へ送信することであってもよい。
図3に動作フローを示す。
(S1)撮像部31で撮像された画像を処理し補正画像を生成する。
(S2)補正画像からk平均法で代表色を抽出処理し、すべての色からごみを示す16色に絞り、他の色はクラスタ形成から除外する。
(S3)補正画像を256色から16色に減色処理する。
(S4)16色に減色処理した補正画像から、二値画像の生成をする。
(S5)同色クラスタを形成する。
(S6)代表色jは16色として、同色クラスタ数M(j=1から16)、全ピクセル数N、同色クラスタごとのピクセル数Nを演算する。
(S7)画像を所定の矩形状に分割したセルごとに、クラスタ相対エントロピー(CRE)を算出する。
(S8)セルごとのCRE値が混合閾値より大きいセルを定め、相対エントロピー算出部113で実行される。
(S9)CRE値が混合閾値より大きいセルについて混合する指示を含む情報を出力し、その情報は、クレーン運転制御システム600へ送られる。
(S10)ごみ混合制御部602は、そのセルを優先的に混合し、その混合は自動操作で実行されてもよく、運転員の手動操作で実行されてもよい。
所定の混合が実行された後で、ステップS1へ戻り、ピット内の画像を撮像して処理を繰り返す。
すべてのセルで、CRE値が混合閾値より小さくなるまで、この処理を繰り返してもよい。
(実施例)
図4Aは、ごみピット内の画像を補正した補正画像の一例である。補正画像は、上記測定点ごみ高さ算出部101、三次元ごみ高さ算出部102、画像変換部103、画像補正部104の各処理を経て得られる。
図4Bは、第一代表色で形成されたクラスタの画像を示す。この画像において、第一代表色のクラスタ数(M)は1212個、第一代表色のクラスタのピクセル数(N)は281455個、クラスタ相対エントロピー(CRE)は3.32であった。他色の代表色でのクラスタ数、そのクラスタのピクセル数、CRE値も算出される。
図4Cは、任意日における1時間ごとのクラスタ相対エントロピー(CRE)の平均の変化を示す。クラスタ相対エントロピー(CRE)は0時から翌日の0時にかけて右下がりとなっている。また午前中よりも午後のほうがクラスタ相対エントロピー(CRE)が小さい傾向がみられるため、午前から午後にかけて混合が進んでいる様子が確認できる。
図4Dの補正画像は、図4Aの補正画像よりも混合が進んだ状態を示している。
ごみピット内の補正画像を所定の矩形のセルに分割して、1つずつのセル画像に対してクラスタ相対エントロピーを算出する。ごみ質の均一化が進んだ場所とそうでない場所が明確になりピット内の混合すべき場所(混合が進んでいない場所)を示す。図4Eに、図4Dの補正画像をセル分割した画像についてクラスタ相対エントロピー(CRE)を算出した結果を示す。図4Eにおいて、CRE=0のセルが複数あるが右上と中央最下は明らかにごみではないものが写り込んでおり、外れ値である。クラスタ相対エントロピー(CRE)が最も高いセルは左上の6.2であり大きいクラスタが含まれるセル領域である。
本実施例から以下のことが確認できる。
(1)ごみピット内のごみの混合状態の度合いを数値化できるため、指標として使用できる。
(2)上記のように指標として使用できるため、混合度合いの低い部分を明確にできる。
(3)ごみピット高度管理システム(3次元モデル)の3次元メッシュの各セルに持たせる情報の一つとして使用できる。
(4)上記特許文献との違いを付記する。
上記特許文献1ではごみ質の攪拌状態の確認は偏光画像を用いるのに対し、本開示ではクラスタ(ごみのかたまり)と画素数(ピクセル数)を用いる点で異なる。上記特許文献2では教師データの生成・モデルの構築が必要であるが、本開示では、教師データの生成・モデルの構築が必要なく、代表色を決定すればよい。上記特許文献3では、混合状態の数値化として面積率やばらつきを利用しているが、ごみの性状やごみ質の把握まではできていない。本開示では、分割エリアの明部分・暗部分でばらつきを算出するのではなく分割エリアに含まれるクラスタ(ごみのかたまり)と画素数(ピクセル数)でばらつきを算出する。上記特許文献4では、ごみ質の攪拌状態の確認は、クラスタの個数と面積を用いるが、本開示ではクラスタ(ごみのかたまり)と画素数(ピクセル数)を用いる点で異なる。
100 ごみ質算出装置
101 測定点ごみ高さ算出部
102 三次元ごみ高さ算出部
103 画像変換部
104 画像補正部
110 記憶部
111 代表色処理部
112 同色クラスタ処理部
113 相対エントロピー算出部
130 出力部
600 クレーン運転制御システム
601 自動運転制御部
602 ごみ混合制御部

Claims (7)

  1. ごみピット内のごみの画像の画素を、所定数からなる代表色のいずれかの色に抽出処理する代表色処理部と、
    前記代表色処理部でいずれかの代表色が割り当てられた画素に対し、隣接する同色同士の画素集合体を形成処理する同色クラスタ処理部と、
    前記同色クラスタ処理部で形成された画素集合体の数と前記画像の画素数とのクラスタ相対エントロピーを算出する相対エントロピー算出部と、
    を備え、
    究極の「均一な状態」における出現確率P の分布に対する、今の出現確率Q の分布の相対エントロピーをクラスタ相対エントロピー(CRE)として下記式で示される、ごみ質算出装置。

    ここで、Mはある画像につき代表色を発色する画素から構成されるクラスタの数、j番目(j=1,2,…,M)のクラスタjが画素をN 個有するとき、クラスタjに含まれる画素iの出現確率をQ =1/(MN )と定義され、究極の「均一な状態」は「すべてのクラスタが1画素しかもたない状態」であり、画素iの出現確率はP =1/Nとなる。N(=Σ j=1 )はすべてのクラスタの画素数である。
  2. 前記相対エントロピー算出部で算出されたクラスタ相対エントロピーが所定の混合閾値より大きい場合に、ごみ混合を指示する情報を出力する出力部を、さらに備える、請求項1に記載のごみ質算出装置。
  3. ごみピット内のごみの画像の画素を、所定数からなる代表色のいずれかの色に抽出処理する代表色処理ステップと、
    前記代表色処理ステップでいずれかの代表色が割り当てられた画素に対し、隣接する同色同士の画素集合体を形成処理する同色クラスタ処理ステップと、
    前記同色クラスタ処理ステップで形成された画素集合体の数と前記画像の画素数とのクラスタ相対エントロピーを算出する相対エントロピー算出ステップと、
    を含み、
    究極の「均一な状態」における出現確率P の分布に対する、今の出現確率Q の分布の相対エントロピーをクラスタ相対エントロピー(CRE)として下記式で示される、ごみ質算出方法。

    ここで、Mはある画像につき代表色を発色する画素から構成されるクラスタの数、j番目(j=1,2,…,M)のクラスタjが画素をN 個有するとき、クラスタjに含まれる画素iの出現確率をQ =1/(MN )と定義され、究極の「均一な状態」は「すべてのクラスタが1画素しかもたない状態」であり、画素iの出現確率はP =1/Nとなる。N(=Σ j=1 )はすべてのクラスタの画素数である。
  4. 前記相対エントロピー算出ステップで算出されたクラスタ相対エントロピーが所定の混合閾値より大きい場合に、ごみ混合を指示する情報を出力する出力ステップと、をさらに含む、請求項3に記載のごみ質算出方法。
  5. ごみ質算出プログラムであって、
    少なくとも1つのプロセッサーあるいは情報処理装置により、請求項3または4に記載のごみ質算出方法を実現するプログラム。
  6. 請求項1または2に記載のごみ質算出装置を備える、
    クレーン運転制御システム。
  7. 請求項2に記載のごみ質算出装置を備えるクレーン運転制御システムであって、
    前記ごみ質算出装置の力部から出力されたごみ混合を指示する情報に応じて、クレーンおよびバケットを制御して、ごみピット内の混合させたい、前記ごみピット内のごみを複数に分割した領域であるセルのごみを、その位置ごみを掴んで落下させ、若しくはそのセル内の別の位置へ移動したり、別のセルへ移動したりして、ごみを落下させ、混合をするように制御するごみ混合制御部を備える、
    レーン運転制御システム。
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