JP7339911B2 - 特徴情報生成装置、硬貨識別装置、特徴情報生成システム、特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラム - Google Patents
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Description
本発明は、特徴情報生成装置、硬貨識別装置、特徴情報生成システム、特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラムに関する。より詳しくは、硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成装置、特徴情報生成システム、特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラム、並びに、該特徴情報を用いて硬貨を識別する硬貨識別装置に関する。
従来、硬貨の画像を取得し、得られた硬貨の画像から抽出した特徴情報と、予め登録した特徴情報と、を比較し、その比較結果に基づき硬貨の識別を行う硬貨識別装置が知られている。ここで、予め登録した特徴情報は、識別の基準とされることから、「テンプレート」とも呼ばれる。硬貨の識別としては、例えば、金種(硬貨の種類)、真偽、正損(損傷の有無)等の判定が挙げられる。
テンプレートの作成方法については、従来から様々な手法が提案されている。例えば、特許文献1記載のテンプレート作成方法においては、硬貨等の対象物について、汚れレベルの異なる多数の画像データを統計的手法によって複数のグループに分割し、分割したグループごとにテンプレートを作成する。
硬貨の改鋳が発生した場合には、改鋳後ただちに硬貨識別装置による硬貨の識別が可能となるように、改鋳後の硬貨のテンプレートを迅速に準備し、市場に導入することが求められる。
ここで、特許文献1記載のテンプレート作成方法は、汚れレベルの異なる多数の画像データを用いることから、実際に入手した硬貨を用いてテンプレートを作成するものである。このように、実物の硬貨(実硬貨)からテンプレートを作成する方法の場合、改鋳直後には、未使用の新しい硬貨しか存在しないことから、汚損硬貨に対応したテンプレートを生成することができない。その結果、汚損の程度の小さい汚損硬貨しか適切に識別できないことになる。
ところで、市場で流通している硬貨の中には、2種類以上の金属又は合金から構成される硬貨(バイメタル硬貨)が存在し、例えば、中心部(コア部)と外縁部(リング部)とが異なる金属又は合金で構成された硬貨が知られている。このようなバイメタル硬貨の場合、経年劣化により、中心部と外縁部の接合部分(境界線)において汚損が生じやすく、具体的には、白く模様が浮き出たり、逆に模様が消失したりする現象が生じる。そのため、境界線における汚損が、正損以外の金種(硬貨の種類)、真偽等の判定に影響する可能性がある。したがって、特にバイメタル硬貨については、改鋳直後のように汚損硬貨の実物を入手できない状態であっても、汚損硬貨を適切に識別する方法が求められていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、汚損硬貨の実物を入手できない状態であっても、当該汚損硬貨に対応する硬貨を適切に識別するための特徴情報を生成することができる特徴情報生成装置、特徴情報生成システム、特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラム、並びに、該特徴情報を用いて硬貨を識別する硬貨識別装置を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成装置であって、第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する取得部と、前記実硬貨画像における前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、仮想境界線が付与された合成硬貨画像を生成し、前記合成硬貨画像に基づき前記特徴情報を生成する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、更に、前記仮想境界線の設定を受け付ける受付部を備え、前記制御部は、前記受付部が受け付けた前記仮想境界線の設定に基づき、前記実硬貨画像に前記仮想境界線を付与することを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記仮想境界線は、硬貨の識別に用いられないマスク領域であることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記仮想境界線の濃度は、前記実硬貨画像の濃度の平均値と同じであることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記合成硬貨画像は、前記仮想境界線として第1の仮想境界線が付与された第1の合成硬貨画像と、前記仮想境界線として前記第1の仮想境界線とは異なる第2の仮想境界線が付与された第2の合成硬貨画像と、を少なくとも含むことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線とは、線の濃度が異なることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線とは、線の太さが異なることを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記実硬貨とは、新貨であることを特徴とする。
また、本発明は、硬貨識別装置であって、前記特徴情報生成装置と、前記特徴情報生成装置の前記制御部が生成した前記特徴情報を記憶する記憶部と、識別対象となる硬貨の画像から取得され得る特徴と、前記記憶部に記憶された前記特徴情報と、に基づき、前記識別対象の硬貨を識別する識別部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、硬貨識別装置であって、第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する識別対象の硬貨の画像である識別用硬貨画像を取得する取得部と、前記識別対象の硬貨と同種の参照用の硬貨の画像から生成した、参照用の特徴情報を記憶する記憶部と、前記識別用硬貨画像から前記識別対象の硬貨の特徴情報を抽出し、前記識別対象の硬貨の特徴情報と、前記参照用の特徴情報と、に基づき、前記識別対象の硬貨を識別する識別部と、を備え、前記識別対象の硬貨の特徴情報又は前記参照用の特徴情報は、前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、硬貨の識別に用いられないマスク領域が設定されたものであることを特徴とする。
また、本発明は、硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成システムであって、第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する取得部と、前記実硬貨画像における前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、仮想境界線が付与された合成硬貨画像を生成し、前記合成硬貨画像に基づき前記特徴情報を生成する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成方法であって、第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する画像取得ステップと、前記実硬貨画像における前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、仮想境界線が付与された合成硬貨画像を生成し、前記合成硬貨画像に基づき前記特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明は、硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成プログラムであって、第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する画像取得処理と、前記実硬貨画像における前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、仮想境界線が付与された合成硬貨画像を生成し、前記合成硬貨画像に基づき前記特徴情報を生成する特徴情報生成処理と、を特徴情報生成装置に実行させることを特徴とする。
本発明の特徴情報生成装置、特徴情報生成システム、特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラムによれば、汚損硬貨の実物を入手できない状態であっても、当該汚損硬貨に対応する硬貨を適切に識別するための特徴情報を生成することができる。また、本発明の硬貨識別装置によれば、汚損硬貨の実物を入手できない状態であっても、特徴情報を用いて当該汚損硬貨に対応する硬貨を適切に識別することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る特徴情報生成装置、硬貨識別装置、特徴情報生成システム、特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラムの実施形態を詳細に説明する。
<特徴情報生成装置・特徴情報生成方法>
本発明に係る特徴情報生成装置は、硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報(テンプレート)を生成するものである。なお、本発明において、硬貨とは、貨幣に限定されるものではなく、遊技機用のメダルであってもよい。硬貨の平面形状は特に限定されず、円形であってもよいし、多角形であってもよい。また、本発明において、識別とは、硬貨の種類を判定する金種判定であってもよいし、硬貨の真偽を判定する真偽判定であってもよいし、硬貨の正損(損傷の有無)を判定する正損判定であってもよいし、それら複数種類の判定を行うものであってもよい。
本発明に係る特徴情報生成装置は、硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報(テンプレート)を生成するものである。なお、本発明において、硬貨とは、貨幣に限定されるものではなく、遊技機用のメダルであってもよい。硬貨の平面形状は特に限定されず、円形であってもよいし、多角形であってもよい。また、本発明において、識別とは、硬貨の種類を判定する金種判定であってもよいし、硬貨の真偽を判定する真偽判定であってもよいし、硬貨の正損(損傷の有無)を判定する正損判定であってもよいし、それら複数種類の判定を行うものであってもよい。
本発明に係る特徴情報生成装置は、第1の材質で構成された第1の表面部と、上記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する硬貨の識別に用いる特徴情報を生成するものである。なお、第1の材質及び第2の材質はそれぞれ、金属(合金を含む)に限定されるものではなく、プラスチックであってもよい。以下では、上記の第1の表面部と第2の表面部とを有する硬貨を「バイカラー硬貨」ともいう。本発明における「バイカラー硬貨」は、表面及び裏面の少なくとも一方に、異なる材質で構成された領域を有していれば特に限定されず、例えば、第1の材質で構成された部分と、第2の材質で構成された部分と、を嵌合して一体化させたものであってもよいし、第1の材質で構成された本体部分の表面の一部を第2の材質で塗装したものであってもよい。バイカラー硬貨の具体例としては、図1に示したように、円形の中心部(コア部)11と、この中心部11を包囲する円環形の外縁部(リング部)12と、からなり、中心部11が、第1の材質で構成された第1の表面部に相当し、外縁部12が、第2の材質で構成された第2の表面部に相当するものが挙げられる。図1では、中心部11と外縁部12との境界にある境界線13を点線で示している。図1に示したバイカラー硬貨10の場合、境界線13は円環形であるが、本発明において、境界線13の形状は特に限定されず、例えば、六角形、八角形等の多角形や楕円形であってもよい。なお、本発明における「バイカラー硬貨」は、第1の表面部の色と第2の表面部の色とが異なるものに限定されず、同じものであってもよい。
図2は、実施形態に係る特徴情報生成装置の構成を示す機能ブロック図である。図示したように、実施形態に係る特徴情報生成装置100は、取得部110と、制御部120と、受付部130と、を備える。制御部120は、画像切出部121と、エッジ抽出部122と、極座標変換部123と、合成画像作成部124と、から構成されている。
取得部110は、実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する。取得部110は、外部の画像センサユニットで取得された実硬貨画像を特徴情報生成装置100内に取り込む入力インターフェースであってもよいし、特徴情報生成装置100内に設けられた画像センサユニットであってもよい。入力インターフェースの種類は特に限定されず、例えば、USB端子、有線LAN端子等のコネクタであってもよいし、無線LAN、Bluetooth(登録商標)(ブルートゥース)等の規格に対応した通信機器であってもよい。取得部110は、実硬貨画像をグレースケール画像として認識し、所定の大きさの矩形画像として画像切出部121に出力する。グレースケール画像の階調は特に限定されず、例えば、256階調としてもよい。
以下、図3~6を用いて画像センサユニットについて説明する。
図3は、画像センサユニットの一例を示した側面模式図である。図4は、図3中の画像センサユニットの搬送面を示す平面模式図である。図5は、図3中の画像センサユニットから搬送路側カバーを取り外して内部構造を示した図である。図6は、図3中の画像センサユニットの断面模式図である。図3及び5中の矢印は、搬送路を上流側から下流側に向かって通過するバイカラー硬貨10の搬送方向を示している。図6中の実線矢印は、バイカラー硬貨10に照射される光の光路を示し、二点鎖線矢印は、バイカラー硬貨10で反射された光の光路を示している。
図3は、画像センサユニットの一例を示した側面模式図である。図4は、図3中の画像センサユニットの搬送面を示す平面模式図である。図5は、図3中の画像センサユニットから搬送路側カバーを取り外して内部構造を示した図である。図6は、図3中の画像センサユニットの断面模式図である。図3及び5中の矢印は、搬送路を上流側から下流側に向かって通過するバイカラー硬貨10の搬送方向を示している。図6中の実線矢印は、バイカラー硬貨10に照射される光の光路を示し、二点鎖線矢印は、バイカラー硬貨10で反射された光の光路を示している。
図3に示したように、バイカラー硬貨10は、搬送路の上下にそれぞれ設けられた搬送ベルト21a等で構成される搬送部21によって、一枚ずつ間隔を空けて搬送され、搬送路の上下にそれぞれ設けられた一対の画像センサユニット20a及び20bの撮像領域22a及び22bを通過する。搬送ベルト21aは、プーリー21b、モータ等を備える駆動装置によって駆動されている。
搬送路上流側の画像センサユニット20aと搬送路下流側の画像センサユニット20bとは、搬送面に対して線対称な構成を有し、一対の画像センサユニット20a及び20bによって、バイカラー硬貨10の表面及び裏面が撮像される。これにより、バイカラー硬貨10の両面の実硬貨画像を取得することができる。硬貨表裏取り揃え機構等によって搬送路を搬送されるバイカラー硬貨10の表裏が揃えられている場合には、一つの画像センサユニット20a又は20bのみが設けられてもよい。
画像センサユニット20a及び20bは、撮像領域22a又は22bに対応して設けられた円形の平面形状を有する透明部22と、撮像領域22a又は22bを照明する照明部23と、撮像領域22a又は22bを撮像する撮像部24とを有する。上記構成により、撮像領域22a又は22bを通過するバイカラー硬貨10を照明しつつ撮像することができる。
具体的には、透明部22側が開口した箱状の筐体26の内部に、照明部23及び撮像部24が設置され、筐体26の上部に、搬送路側カバー27が取り付けられる。搬送路側カバー27の中央に、上記透明部22が設けられている。透明部22の材質は、強度及び透明性に優れていることが望ましく、サファイヤガラスが好適に用いられる。
照明部23は、筐体26内の上部に設けられ、平面視において撮像部24(撮像領域22a又は22b)を囲むように配置された円環状照明である。照明部23は、円環状に配置された複数の発光素子23aと、発光素子23aの上に配置された円環状のプリズム(導光体)23bと、を含む。
照明部23は、硬貨面(透明部22の上面)に対する照射角度が0度を超えて45度以下の範囲内で光を照射するローアングル光源が用いられてもよい。図6に示したように、ローアングル光源が発した光については、硬貨面で正反射された成分が撮像部24に入射せず、硬貨面で拡散反射された成分が撮像部24に入射する。したがって、ローアングル光源による照明は、硬貨面の凹凸模様の検出に有利であるが、境界線13における汚損の影響を受けやすい。
発光素子23aとしては、発光ダイオード(LED)が好適である。発光素子23aが発した光は、プリズム23bに入射する。プリズム23bは、図6に示したように、発光素子23aの発光面に対向する下面(入光面)と、下面から入射した上方へ向かう光を透明部22の方向へ反射させる反射面と、透明部22に対向する出光面とを有する。照明部23には、プリズム23bの出光面と透明部22との間に、光を拡散させる機能を有する光拡散フィルムを設けてもよい。
撮像部24は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ等が配置された光電変換部24aと、撮像領域22a又は22bを通過するバイカラー硬貨10で反射された光を受光して光電変換部24aの受光面に結像させるレンズユニット24bとを含む。撮像部24は、撮像領域22a又は22bに直交する方向に配置されることが好ましい。
制御部120は、例えば、各種の処理を実現するためのプログラムと、該プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、該CPUによって制御される各種ハードウェア等によって構成され、CPU及びその他のハードウェアは、特徴情報生成装置100内に設けられている。
制御部120では、画像切出部121、エッジ抽出部122、及び、極座標変換部123により、実硬貨画像から合成硬貨画像を生成するための前処理を行う。以下、前処理の具体的内容について図7~10を参照して説明するが、各図面は、処理内容を説明するための模式図であり、実際の処理結果を厳密に反映したものではない。
図7は、画像切出部121の処理概要を説明するための図である。画像切出部121は、取得部110から実硬貨画像110aを取得し、実硬貨画像110aに外接する正方形の領域内の画像のみを切り出し、得られた切出画像121aをエッジ抽出部122に出力する。図8は、画像切出部121が出力する切出画像121aの一例を示した図である。
具体的には、画像切出部121は、取得部110から取得した実硬貨画像110aを水平方向に走査して全画素の濃度(画素値)を累積し、水平方向ヒストグラム110bを生成する。また、実硬貨画像110aを垂直方向に走査して、同様の手順で垂直方向ヒストグラム110cを生成する。更に、画像切出部121は、水平方向ヒストグラム110b及び垂直方向ヒストグラム110cをそれぞれ走査し、累積した画素値の立上り座標と立下り座標を算出する。そして、算出された各座標に囲まれた領域(図7において、格子状の破線によって囲まれた領域)を切出画像121aとして切り出し、この切出画像121aをエッジ抽出部122に出力する。
図9は、エッジ抽出部122によるエッジ抽出処理(画像変換処理)の概要を説明するための図である。まず、エッジ抽出部122は、画像切出部121から取得した切出画像121aに対して、エッジ検出オペレータを用いたエッジ抽出処理をおこなうことにより濃度変化(エッジ強度)を算出し、エッジ画像122aを作成する。エッジ検出オペレータとしては、Sobel(ソーベル)オペレータ、Roberts(ロバーツ)オペレータ、Prewitt(プリヴィット)オペレータ等を使用することができる。エッジ画像122aを用いることにより、切出画像121aの明るさや色合い等の個体差に基づく影響を避けることができる。
次に、エッジ抽出部122は、エッジ画像(エッジ強度)122aを正規化することにより、正規化されたエッジ画像122bを作成し、この正規化されたエッジ画像122bを極座標変換部123に出力する。正規化されたエッジ画像122bの各画素値は、例えば、0~255の値をとり、0が黒(背景部分)に対応し、255が白(エッジ部分)に対応したグレースケール値をとる。エッジ強度の正規化をおこなうことで、実硬貨がエッジの出やすい新貨であった場合と、エッジの出にくい流通貨である場合との間で、エッジ強度の算出結果がばらつく可能性を抑制できるので、硬貨の新旧による影響を低減したエッジ画像を生成することができる。
図10は、極座標変換部123による極座標変換の概要を説明するための図である。極座標変換部123は、エッジ抽出部122から取得した正規化されたエッジ画像122bに対して、極座標変換を行う。具体的には、まず、極座標変換部123は、正規化されたエッジ画像122bの中心点を算出して、かかる中心点を極座標の原点とする。そして、回転角θ及び中心点からの距離Dにより各画素を特定し、各画素をD-θ空間に移動させることにより、極座標画像123aを作成し、この極座標画像123aを合成画像作成部124に出力する。
図11は、合成画像作成部124の処理内容を説明するための図である。合成画像作成部124は、上記した前処理により得られた極座標画像123a(極座標変換された実硬貨画像)に対して、第1の表面部と第2の表面部との境界に沿って仮想境界線130aを付与し、合成硬貨画像124aを生成する。本実施形態では、受付部130が受け付けた仮想境界線130aの設定に基づき、仮想境界線130aの付与がおこなわれる。なお、境界線13が、バイカラー硬貨10において物理的に存在する線状の境界(現実に存在する境界線)であるのに対し、仮想境界線130aが、硬貨画像に対して付与される画像であって物理的には存在しない(仮想上の境界線)点で、両者は異なる。
なお、本発明において、前処理の有無及び内容は特に限定されるものではなく、前処理は、硬貨を識別するための特徴情報(テンプレート)の形式に応じて適宜実施されればよい。すなわち、本発明において、制御部120が合成硬貨画像124aを生成する際に仮想境界線130aを付与する対象である「実硬貨画像」とは、取得部が取得した実硬貨画像110aそのものであってもよいし、極座標画像123aのように前処理(画像変換処理)が施された実硬貨画像であってもよい。
受付部130は、合成硬貨画像124aに付与する仮想境界線130aの設定を受け付ける。受付部130としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力装置が挙げられ、操作者からの入力により仮想境界線130aの設定を受け付ける。仮想境界線130aの設定としては、仮想境界線130aの位置、濃度、太さ等の設定パラメータが挙げられる。設定パラメータの値は、入力装置を介した金種の選択に応じて、記憶装置内の予め設定された情報を読み出して使用してもよいし、入力装置から直に入力又は選択したものを使用してもよい。
なお、受付部130を設けることなく、実硬貨画像を基に金種を判定し、判定された金種に応じて記憶装置内の予め設定された情報を読み出すことにより、設定パラメータの値を決定する方式を用いてもよい。また、仮想境界線130aの位置については、実硬貨画像から境界線13の位置を検出し、検出結果に基づき設定してもよい。仮想境界線130aの幅については、実硬貨画像における第1の表面部と第2の表面部との境界(境界線13)と少なくとも重畳していればよく、境界線13の近傍を含むように、境界線13よりも太くされてもよい。
上記制御部120は、合成硬貨画像124aに基づき、硬貨を識別するための特徴情報を生成する。具体的には、特徴情報は、合成画像作成部124で作成された合成硬貨画像124aを画像加工することなくそのまま使用するものであってもよいし、合成硬貨画像124aに含まれる特徴量を抽出したものであってもよい。また、合成硬貨画像124aの全体から、硬貨の識別に用いる部分のみを切り出して特徴情報を生成してもよく、例えば、模様の無い外周部分を除去して特徴情報を生成してもよい。
本実施形態に係る特徴情報生成装置によれば、制御部120による処理により、実硬貨画像に対して仮想境界線130aが付与された合成硬貨画像124aに基づき特徴情報(テンプレート)が生成される。仮想境界線130aによれば、第1の表面部と第2の表面部との境界にある境界線13近傍の識別への影響を抑制することができる。よって、バイカラー硬貨のように表面の材質が異なる部分を有する硬貨について、汚損硬貨を実際に入手できない場合であっても、硬貨を適切に識別可能な特徴情報(テンプレート)を作成することができる。
また、受付部130が受け付けた仮想境界線130aの設定に基づき、実硬貨画像に仮想境界線130aを付与する方式によれば、仮想境界線130aの設定処理を簡単に行うことができる。
また、仮想境界線130aは、硬貨の識別に用いられないマスク領域であってもよい。仮想境界線130aをマスク領域とすることで、確実かつ簡単な方法によって、境界線13近傍の識別への影響を抑制することができる。なお、マスク領域は、仮想境界線130a以外に設定されてもよく、例えば、硬貨の製造年が刻印された部分に設定してもよい。すなわち、仮想境界線130aは、マスク領域の少なくとも一部であってもよい。
また、制御部120は、1枚の合成硬貨画像124aに基づき特徴情報を生成してもよいし、互いに異なる仮想境界線130aが付与された複数枚の合成硬貨画像124aに基づき特徴情報を生成してもよい。1枚の合成硬貨画像124aに基づき特徴情報を生成する場合の好ましい実施態様として、仮想境界線130aの濃度(明度を表す画素値)を、実硬貨画像の濃度の平均値と同じにするものが挙げられる。例えば、特許第4563741号に記載された識別対象の実硬貨と特徴情報(テンプレート)との画像照合方法では、テンプレートから、実硬貨画像の濃度の平均値を閾値として、正の濃度を有する画素に基づくテンプレート画像(正のテンプレート)と負の濃度を有する画素に基づくテンプレート画像(負のテンプレート)とを生成し、この正及び負のテンプレートを、識別対象の実硬貨と特徴情報との相関結果を示す画像に対する比較に用いる。このような方式では、仮想境界線130aの濃度を実硬貨画像の濃度の平均値と同じに設定すれば、仮想境界線130aが硬貨の識別に用いられないマスク領域となり、仮想境界線130aを付与した部分が照合結果に影響することを防止できる。これにより、境界線13近傍の識別への影響を抑制することができる。
また、複数枚の合成硬貨画像124aに基づき特徴情報を生成する場合、合成硬貨画像124aは、仮想境界線130aとして第1の仮想境界線が付与された第1の合成硬貨画像と、仮想境界線130aとして上記第1の仮想境界線とは異なる第2の仮想境界線が付与された第2の合成硬貨画像と、を少なくとも含むことが好ましい。複数の仮想境界線130aを基にすることで、境界線13における汚損の程度が異なる複数の実硬貨画像を疑似的に再現することができるので、境界線13近傍の識別への影響を抑制することができる。
第1の仮想境界線と第2の仮想境界線の組み合わせとしては特に限定されないが、例えば、第1の仮想境界線の濃度(明度を表す画素値)と第2の仮想境界線の濃度を異ならせた態様や、第1の仮想境界線の太さ(幅)と第2の仮想境界線の太さを異ならせた態様や、第1の仮想境界線の濃度及び太さと第2の仮想境界線の濃度及び太さを異ならせた態様が挙げられる。実硬貨における第1の表面部と第2の表面部との境界の構造に基づき、境界線13で生じる汚損の度合い(濃淡)の変動幅が大きくなると想定される場合には、線の濃度を異ならせた複数の仮想境界線130aを用いて特徴情報(テンプレート)を生成する方法が有効である。仮想境界線130aの濃度は、例えば、実硬貨の境界線13において想定される汚損の度合い(濃淡)に応じて設定することができる。また、実硬貨における第1の表面部と第2の表面部との境界の構造に基づき、境界線13で生じる汚損領域の面積の変動幅が大きくなると想定される場合には、線の太さを異ならせた複数の仮想境界線130aを用いて特徴情報(テンプレート)を生成する方法が有効である。仮想境界線130aの太さは、例えば、実硬貨の境界線13において想定される汚損領域の面積に応じて設定することができる。なお、仮想境界線130aの濃度や太さは、1つの境界線13内で一定であってもよいし、異なっていてもよく、例えば、仮想境界線130aの濃度を線の幅方向中央から線の外縁に向かって段階的に変化(グラデーション)させてもよいし、境界線13の一部で仮想境界線130aの幅が変化したり途切れたりしていてもよい。仮想境界線130aの濃度や太さを設定する方法としては特に限定されず、例えば、識別対象の硬貨と類似する他の金種のバイカラー硬貨の画像から算出してもよいし、境界線13の変動データを作成して用いてもよい。
境界線13の変動幅の情報を与えるために、濃度や太さが互いに異なる多様な仮想境界線130aを設定し、この多様な仮想境界線130aが付与された複数枚の合成硬貨画像124aに基づいて特徴情報(テンプレート)を生成すれば、境界線13の濃度や太さが変化しても硬貨の識別を適切に行うことが可能なテンプレートが得られる。すなわち、制御部120の処理によって、複数枚の合成硬貨画像124aの作成が行われ、認識すべき特徴が抽出されることによって、境界線13の変動に対してロバストな1つのテンプレートを作成することができる。また、境界線13の周囲の模様についても無視することなく識別に活用することが可能となる。複数枚の合成硬貨画像124aに基づくテンプレートの作成方法は特に限定されず、例えば、複数枚の合成硬貨画像124aを学習データとして機械学習によってテンプレートを作成する方法を用いてもよい。
また、本発明において、合成硬貨画像124aの生成に用いられる実硬貨画像は、新貨である実硬貨の画像が好適に用いられる。新貨発行の直後のように、実硬貨として境界線13における汚損が生じていない新貨しか入手できない場合に、仮想境界線130aを付与して境界線13の影響を抑制する方法が特に有効である。一方、合成硬貨画像124aの生成に用いられる実硬貨画像は、流通貨である実硬貨の画像であってもよい。硬貨の種類によって、新貨において境界線13がより鮮明に現れるものと、流通貨において境界線13がより鮮明に現れるものと、があり、境界線13が生じていない流通貨しか入手できない場合に、仮想境界線130aを付与して境界線13の影響を抑制したテンプレートを生成することが求められることがある。
本発明に係る特徴情報生成装置は、特徴情報(テンプレート)を生成するための専用装置であってもよいし、汎用のコンピュータに特徴情報を生成させるためのプログラムを組み込んだものであってもよい。本発明に係る特徴情報生成装置の好ましい態様としては、硬貨識別装置の製造メーカ内部に設置される装置であって、市場に設置される硬貨処理機とは独立した装置であるものが挙げられる。
<硬貨識別装置>
硬貨識別装置が、市場に設置される硬貨処理機が取得した硬貨画像又はその特徴情報を通信手段により取得し、硬貨の識別をおこなうものである場合には、本発明に係る特徴情報生成装置を硬貨識別装置の一部としてもよい。このようなクラウドサーバー型の硬貨識別装置によれば、特徴情報(テンプレート)の生成から硬貨の識別までを一貫して実行することが可能である。
硬貨識別装置が、市場に設置される硬貨処理機が取得した硬貨画像又はその特徴情報を通信手段により取得し、硬貨の識別をおこなうものである場合には、本発明に係る特徴情報生成装置を硬貨識別装置の一部としてもよい。このようなクラウドサーバー型の硬貨識別装置によれば、特徴情報(テンプレート)の生成から硬貨の識別までを一貫して実行することが可能である。
図12は、実施形態に係るクラウドサーバー型硬貨識別装置の構成を示す機能ブロック図である。実施形態に係るクラウドサーバー型硬貨識別装置200は、上記の特徴情報生成装置100と、記憶部210と、識別部220と、を備える。クラウドサーバー型硬貨識別装置200は、市場に設置される硬貨処理機300が取得した硬貨画像又はその特徴情報を、通信手段を通じて受信する。そして、予め特徴情報生成装置100にて作成し記憶部210に格納した特徴情報(テンプレート)と、取得した硬貨画像又はその特徴情報と、が識別部220にて比較される。識別部220が出力する識別結果は、通信手段を通じて硬貨処理機300に送信される。
記憶部210は、特徴情報生成装置100の制御部120が生成した特徴情報を記憶する。記憶部210のハードウェア構成は特に限定されず、フラッシュメモリ、DRAM、HDD等の記憶媒体を用いることができる。
識別部220は、識別対象となる硬貨の画像から取得され得る特徴(以下、「検出特徴」ともいう)と、記憶部210に記憶された特徴情報(テンプレート)と、に基づき、識別対象の硬貨を識別する。
識別部220による硬貨の識別方法については特に限定されず、従来公知の画像照合方法を用いることができる。例えば、上述したように、実硬貨画像の濃度の平均値と同じ濃度の仮想境界線130aが付与された特徴情報を用いる場合には、特許第4563741号に記載された識別対象の実硬貨とテンプレートとの画像照合方法のように、仮想境界線130aの濃度を閾値として、テンプレートから正のテンプレート(エッジがある領域の画像に対応)と負のテンプレート(エッジが無い領域の画像に対応)とを生成し、この正及び負のテンプレートを、識別対象の実硬貨と特徴情報との相関結果を示す画像に対する比較に用いる。比較の結果、(A+)エッジが出るべきところに出ていることを示す画像、(A-)エッジが出るべきところに出ていないことを示す画像、(B+)エッジが出るべきでないところに出ていることを示す画像、(B-)エッジが出るべきでないところに出ていないことを示す画像の4種の画像が得られ、それら4種の画像の画素値を判別式に代入して照合値を求めることによって識別の結果が得られる。
また、識別部220による硬貨の識別方法としては、検出特徴に含まれるエッジの特徴とテンプレートに含まれるエッジの特徴とを比較する方法を用いてもよい。エッジの特徴は、例えば、線の方向性を抽出するフィルタ等によって抽出することができる。
更に、識別部220による識別内容についても特に限定されず、金種判定、真偽判定、正損判定のいずれであってもよく、それら複数種類の判定の組み合わせであってもよい。
上述した硬貨識別装置は、本発明に係る特徴情報生成装置により生成される特徴情報(テンプレート)、すなわち境界線13に沿って、硬貨の識別に用いられないマスク領域が設定されたテンプレートに基づき、硬貨の識別を行うものである。これに対して、テンプレートにマスク領域を設定する代わりに、識別対象の硬貨の画像にマスク領域を設定することによっても、境界線13近傍の識別への影響を抑制することができる。以上のように、本発明においては、識別対象の硬貨の画像又は参照用の特徴情報(テンプレート)のいずれかにおいて、境界線13に沿ってマスク領域が設定されればよい。したがって、本発明に係る硬貨識別装置の一態様としては、第1の材質で構成された第1の表面部と、上記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する識別対象の硬貨の画像である識別用硬貨画像を取得する取得部と、上記識別対象の硬貨と同種の参照用の硬貨の画像から生成した、参照用の特徴情報を記憶する記憶部と、上記識別用硬貨画像から上記識別対象の硬貨の特徴情報を抽出し、上記識別対象の硬貨の特徴情報と、上記参照用の特徴情報と、に基づき、上記識別対象の硬貨を識別する識別部と、を備え、上記識別対象の硬貨の特徴情報又は上記参照用の特徴情報は、上記第1の表面部と上記第2の表面部との境界に沿って、硬貨の識別に用いられないマスク領域が設定されたものである態様が挙げられる。
上記の態様によれば、識別対象の硬貨の特徴情報又は参照用の特徴情報(テンプレート)において、第1の表面部と第2の表面部との境界にマスク領域が設定されることにより、確実かつ簡単な方法によって、第1の表面部と第2の表面部との境界の影響を抑制することができる。よって、バイメタル硬貨等の表面の材質が異なる部分を有する硬貨について、汚損硬貨を実際に入手できない場合であっても、硬貨を適切に識別できる。
<特徴情報生成システム>
上記実施形態における特徴情報生成装置100の機能を異なる装置に分散してなる特徴情報生成システムも本発明の一態様である。具体的には、取得部110と制御部120とを別々の装置に設け、通信手段を通じて両者を接続した構成としてもよい。例えば、取得部110が、市場に設置される硬貨処理機であり、制御部120が、特徴情報(テンプレート)を生成するための専用装置であってもよい。
上記実施形態における特徴情報生成装置100の機能を異なる装置に分散してなる特徴情報生成システムも本発明の一態様である。具体的には、取得部110と制御部120とを別々の装置に設け、通信手段を通じて両者を接続した構成としてもよい。例えば、取得部110が、市場に設置される硬貨処理機であり、制御部120が、特徴情報(テンプレート)を生成するための専用装置であってもよい。
取得部110が、市場に設置される硬貨処理機である場合には、硬貨処理機で取得した実硬貨画像を用いて特徴情報(テンプレート)を更新することも可能である。
図13は、実施形態に係る特徴情報生成システムの構成を示す機能ブロック図である。実施形態に係る特徴情報生成システムは、クラウドサーバー型の硬貨識別装置200Aと、特徴情報生成装置100の取得部110として機能する硬貨処理機110Aと、を備える。硬貨識別装置200Aは、制御部120と、受付部130と、記憶部210と、識別部220と、を備える。制御部120は、画像切出部121と、エッジ抽出部122と、極座標変換部123と、合成画像作成部124と、から構成されている。硬貨識別装置200Aは、市場に設置される硬貨処理機110Aが取得した硬貨画像又はその特徴情報を、通信手段を通じて受信する。そして、記憶部210に格納した特徴情報(テンプレート)と、取得した硬貨画像又はその特徴情報と、が識別部220にて比較される。識別部220が出力する識別結果は、通信手段を通じて硬貨処理機110Aに送信される。テンプレートは、硬貨処理機110Aが取得した硬貨画像又はその特徴情報と、受付部130にて受け付けた仮想境界線130aの設定を基に作成され、硬貨処理機110Aが取得する新たな硬貨画像を用いて更新処理が行われてもよい。
<特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラム>
上記実施形態における取得部110が行う画像取得ステップと、制御部120が行う特徴情報生成ステップと、を含む特徴情報生成方法も本発明の一態様である。また、上記実施形態における取得部110が行う画像取得処理と、制御部120が行う特徴情報生成処理と、を特徴情報生成装置に実行させる特徴情報生成プログラムも本発明の一態様である。なお、特徴情報生成プログラムは、特徴情報生成装置に予め導入されてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、又は、ネットワークを介して、操作者(利用者)に提供されてもよい。
上記実施形態における取得部110が行う画像取得ステップと、制御部120が行う特徴情報生成ステップと、を含む特徴情報生成方法も本発明の一態様である。また、上記実施形態における取得部110が行う画像取得処理と、制御部120が行う特徴情報生成処理と、を特徴情報生成装置に実行させる特徴情報生成プログラムも本発明の一態様である。なお、特徴情報生成プログラムは、特徴情報生成装置に予め導入されてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、又は、ネットワークを介して、操作者(利用者)に提供されてもよい。
なお、本発明に係る特徴情報生成装置、特徴情報生成システム、特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラムは、バイカラー硬貨を識別するための特徴情報を生成するものであるが、バイカラー硬貨とそれ以外の硬貨とを識別し、バイカラー硬貨に仮想境界線を付与し、バイカラー硬貨以外の硬貨には仮想境界線を付与しない処理を行うものであってもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。また、各実施形態の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよいし、変更されてもよい。
なお、上記実施形態では、第1の材質で構成された第1の表面部と、上記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有するバイカラー硬貨の識別に用いる特徴情報を生成する場合について説明したが、上記した特徴情報の生成技術は、第1の材質で構成された2以上の部分を嵌合して一体化させた硬貨に対しても適用可能である。例えば、第1の材質で構成された中心部(コア部)と、第1の材質で構成された外縁部(リング部)と、からなる硬貨の識別に用いる特徴情報を生成する場合に、上記した特徴情報の生成技術を用いてもよい。
以上のように、本発明に係る特徴情報生成装置、特徴情報生成システム、特徴情報生成方法及び特徴情報生成プログラムは、汚損硬貨の実物を入手できない状態であっても、当該汚損硬貨に対応する硬貨を適切に識別するための特徴情報を生成することができることから、硬貨の識別に有用な技術である。また、本発明に係る硬貨識別装置は、汚損硬貨の実物を入手できない状態であっても、特徴情報を用いて当該汚損硬貨に対応する硬貨を適切に識別することができることから、硬貨の識別に有用な技術である。
10:バイカラー硬貨
11:中心部(コア部)
12:外縁部(リング部)
13:境界線
20a、20b:画像センサユニット
21:搬送部
21a:搬送ベルト
21b:プーリー
22:透明部
22a、22b:撮像領域
23:照明部
23a:発光素子
23b:プリズム(導光体)
24:撮像部
24a:光電変換部
24b:レンズユニット
26:筐体
27:搬送路側カバー
100:特徴情報生成装置
110:取得部
110A:硬貨処理機(取得部)
110a:実硬貨画像
110b:水平方向ヒストグラム
110c:垂直方向ヒストグラム
120:制御部
121:画像切出部
121a:切出画像
122:エッジ抽出部
122a:エッジ画像
122b:正規化されたエッジ画像
123:極座標変換部
123a:極座標画像
124:合成画像作成部
124a:合成硬貨画像
130:受付部
130a:仮想境界線
200、200A:硬貨識別装置
210:記憶部
220:識別部
300:硬貨処理機
11:中心部(コア部)
12:外縁部(リング部)
13:境界線
20a、20b:画像センサユニット
21:搬送部
21a:搬送ベルト
21b:プーリー
22:透明部
22a、22b:撮像領域
23:照明部
23a:発光素子
23b:プリズム(導光体)
24:撮像部
24a:光電変換部
24b:レンズユニット
26:筐体
27:搬送路側カバー
100:特徴情報生成装置
110:取得部
110A:硬貨処理機(取得部)
110a:実硬貨画像
110b:水平方向ヒストグラム
110c:垂直方向ヒストグラム
120:制御部
121:画像切出部
121a:切出画像
122:エッジ抽出部
122a:エッジ画像
122b:正規化されたエッジ画像
123:極座標変換部
123a:極座標画像
124:合成画像作成部
124a:合成硬貨画像
130:受付部
130a:仮想境界線
200、200A:硬貨識別装置
210:記憶部
220:識別部
300:硬貨処理機
Claims (13)
- 硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成装置であって、
第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する取得部と、
前記実硬貨画像における前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、仮想境界線が付与された合成硬貨画像を生成し、前記合成硬貨画像に基づき前記特徴情報を生成する制御部と、
を備えることを特徴とする特徴情報生成装置。 - 更に、前記仮想境界線の設定を受け付ける受付部を備え、
前記制御部は、前記受付部が受け付けた前記仮想境界線の設定に基づき、前記実硬貨画像に前記仮想境界線を付与する
ことを特徴とする請求項1記載の特徴情報生成装置。 - 前記仮想境界線は、硬貨の識別に用いられないマスク領域である
ことを特徴とする請求項1又は2記載の特徴情報生成装置。 - 前記仮想境界線の濃度は、前記実硬貨画像の濃度の平均値と同じである
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の特徴情報生成装置。 - 前記合成硬貨画像は、前記仮想境界線として第1の仮想境界線が付与された第1の合成硬貨画像と、前記仮想境界線として前記第1の仮想境界線とは異なる第2の仮想境界線が付与された第2の合成硬貨画像と、を少なくとも含む
ことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の特徴情報生成装置。 - 前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線とは、線の濃度が異なる
ことを特徴とする請求項5記載の特徴情報生成装置。 - 前記第1の仮想境界線と、前記第2の仮想境界線とは、線の太さが異なる
ことを特徴とする請求項5又は6記載の特徴情報生成装置。 - 前記実硬貨とは、新貨である
ことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の特徴情報生成装置。 - 請求項1~8のいずれかに記載の特徴情報生成装置と、
前記特徴情報生成装置の前記制御部が生成した前記特徴情報を記憶する記憶部と、
識別対象となる硬貨の画像から取得され得る特徴と、前記記憶部に記憶された前記特徴情報と、に基づき、前記識別対象の硬貨を識別する識別部と、
を備えることを特徴とする硬貨識別装置。 - 第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する識別対象の硬貨の画像である識別用硬貨画像を取得する取得部と、
前記識別対象の硬貨と同種の参照用の硬貨の画像から生成した、参照用の特徴情報を記憶する記憶部と、
前記識別用硬貨画像から前記識別対象の硬貨の特徴情報を抽出し、前記識別対象の硬貨の特徴情報と、前記参照用の特徴情報と、に基づき、前記識別対象の硬貨を識別する識別部と、
を備え、
前記識別対象の硬貨の特徴情報又は前記参照用の特徴情報は、前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、硬貨の識別に用いられないマスク領域が設定されたものである
ことを特徴とする硬貨識別装置。 - 硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成システムであって、
第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する取得部と、
前記実硬貨画像における前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、仮想境界線が付与された合成硬貨画像を生成し、前記合成硬貨画像に基づき前記特徴情報を生成する制御部と、
を備えることを特徴とする特徴情報生成システム。 - 硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成方法であって、
第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する画像取得ステップと、
前記実硬貨画像における前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、仮想境界線が付与された合成硬貨画像を生成し、前記合成硬貨画像に基づき前記特徴情報を生成する特徴情報生成ステップと、
を含むことを特徴とする特徴情報生成方法。 - 硬貨の画像から、硬貨を識別するための特徴情報を生成する特徴情報生成プログラムであって、
第1の材質で構成された第1の表面部と、前記第1の材質とは異なる第2の材質で構成された第2の表面部と、を有する実硬貨の画像である実硬貨画像を取得する画像取得処理と、
前記実硬貨画像における前記第1の表面部と前記第2の表面部との境界に沿って、仮想境界線が付与された合成硬貨画像を生成し、前記合成硬貨画像に基づき前記特徴情報を生成する特徴情報生成処理と、
を特徴情報生成装置に実行させることを特徴とする特徴情報生成プログラム。
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