JP7338503B2 - 水処理装置 - Google Patents

水処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7338503B2
JP7338503B2 JP2020028148A JP2020028148A JP7338503B2 JP 7338503 B2 JP7338503 B2 JP 7338503B2 JP 2020028148 A JP2020028148 A JP 2020028148A JP 2020028148 A JP2020028148 A JP 2020028148A JP 7338503 B2 JP7338503 B2 JP 7338503B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow fiber
fiber membrane
gas
layer
porous layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020028148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021130103A (ja
Inventor
禎仁 中原
貴永 安保
胤制 李
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2020028148A priority Critical patent/JP7338503B2/ja
Publication of JP2021130103A publication Critical patent/JP2021130103A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7338503B2 publication Critical patent/JP7338503B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Description

本発明は、水処理装置に関する。
工業廃水や生活廃水は、廃水中に含まれる有機物等を取り除く処理が施されてから、工業用水として再利用されるか、又は河川等に放流される。工業廃水等の処理方法としては、一般的に、被処理水を曝気して好気的な微生物又は菌に有機物等を分解させる活性汚泥処理法等が挙げられる。このような、活性汚泥処理法等に代表される生物学的水処理方法では、好気性微生物や、硝酸性窒素を除去するための脱窒細菌等が利用されている。また、近年では、活性汚泥処理法による処理と、分離膜モジュールによる膜ろ過とを組み合わせた膜分離活性汚泥(MBR)法による処理が行われるようになっている。
好気性微生物を利用して廃水を処理する場合、微生物の活性維持と処理能力向上のため、被処理水を空気又は酸素で曝気する必要がある。このように、被処理水を効率よく曝気する方法として、中空糸膜を用いた方法が採用されている。この中空糸膜は、廃水処理等の他、例えば、飲料水製造又は浄水処理等の様々な分野で利用されている。
また、最近では、中空糸膜を用いて廃水処理を行うにあたり、中空糸膜の外表面に、廃水中の微生物等に由来する微生物層(バイオフィルム)を形成させ、この状態で廃水処理を行う方法も提案されている。このように、中空糸膜の外表面に微生物層を形成させることで、中空糸膜の内面側から供給される酸素により、微生物層の膜厚方向で酸素勾配が形成される。これにより、微生物層の内層側において好気処理(BOD酸化、アンモニアの硝酸化)が進行するとともに、微生物層の外層側において硝酸の嫌気処理(BOD酸化、脱窒処理)が進行するので、ワンプロセスで各種の汚染物質を除去することが可能になり、従来の膜分離活性汚泥法のような、好気処理と嫌気処理とを別々の処理槽で行う方法に比べて省スペースの設備が実現できる。
上記のような、中空糸膜の表面に微生物層を形成させて廃水処理を行う方法においては、微生物層の内層側の好気性菌に高い酸素利用効率で酸素を供給することが要求される。また、長期にわたり廃水に空気を供給するために、中空糸膜の有効表面積を低下させないことが要求される。
特許文献1では、中空糸膜束を水平方向と鉛直方向とに配置して交差させた中空糸膜モジュールの使用を提案している。特許文献1の中空糸膜モジュールによれば、中空糸膜に微生物が付着しやすくなり、微生物層が形成されやすい。しかしながら、特許文献1の中空糸膜モジュールでは、中空糸膜が水平に配置されているため膜内に凝縮水(酸素、空気等に含まれる水分や廃水中の水分が膜の中で水として凝縮したもの)が蓄積しやすくなる。そのため、有効表面積が低下することにより、廃水の処理能力が低下するという問題がある。
特開2018-75538号公報
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、凝縮水を排出しやすく、微生物層が形成しやすい水処理装置であって、酸素利用効率が高く、各中空糸膜の有効表面積も十分に確保され、効率よく廃水処理を行うことができる水処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の態様を包含する。
[1] 中空糸膜モジュール、気体供給装置、及び気体貯留装置を含む水処理装置であって、
前記気体供給装置と前記中空糸膜モジュールとの間に気体貯留装置が配置され、
前記中空糸膜モジュールは複数の中空糸膜を有し、
前記気体供給装置は前記気体貯留装置に気体を供給する装置であり、
前記気体貯留装置は前記気体を圧縮して前記中空糸膜モジュールに供給する装置である、水処理装置。
[2] さらに前記気体を前記中空糸膜モジュールから除去する気体除去装置を備える、[1]に記載の水処理装置。
[3] 前記中空糸膜は、鉛直方向に対して角度が5°以上85°以下に配置されている、[1]又は[2]に記載の水処理装置。
[4] 前記中空糸膜は多孔質層と、非多孔質層とを有する複層構造を有する、[1]~[3]のいずれか一項に記載の水処理装置。
[5] 前記多孔質層が複数設けられ、前記非多孔質層が前記複数の多孔質層の間に配置されている、[4]に記載の水処理装置。
[6] 前記多孔質層がポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びフッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む材料からなる、[4]又は[5]に記載の水処理装置。
本発明に係る水処理装置によれば、気体供給装置の後に気体貯留装置を配置することにより、低コスト且つ省スペースで圧縮気体を中空糸膜モジュールに供給することができる。これにより、気体貯留装置から供給される圧縮気体により、中空糸膜中の凝縮水を押し出して排出しやすくなる。従って、微生物層が形成しやすくなり、酸素利用効率が高く、各中空糸膜の有効表面積も十分に確保され、効率よく廃水処理を行うことができる。
本発明に係る水処理装置の一実施形態を模式的に説明する図である。 本発明に係る水処理装置の中空糸膜モジュールにおける中空糸膜の複層構造の一例を説明する斜視図である。 本発明に係る水処理装置の他の実施形態を模式的に説明する図である。 本発明に係る水処理装置の他の実施形態を模式的に説明する図である。 本発明に係る水処理装置の他の実施形態を模式的に説明する図である。
以下、本発明に係る水処理装置の一実施形態を挙げ、図1~図5を適宜参照しながら詳述する。なお、以下の説明で用いる各図面は、その特徴をわかりやすくするために、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明に係る水処理装置100A~100D、及び水処理装置100A~100Dを用いた廃水処理方法は、例えば、工業廃水や生活廃水等に含まれる有機物等を取り除く処理に用いられるものである。各種汚染物が取り除かれた廃水は、例えば、必要に応じて追加処理を行い、工業用水として再利用されるか、もしくは河川等に放流される。
<<第1実施形態>>
<水処理装置>
以下、本発明に係る水処理装置の第1実施形態について詳述する。
図1に示す本実施形態の水処理装置100Aは、中空糸膜モジュール10A、気体供給装置11、気体貯留装置12を含んで構成されるものである。
以下、本実施形態の水処理装置100について詳述する。
図1に示すように、本実施形態の水処理装置100Aは、気体供給装置11と、気体貯留装置12と、中空糸膜モジュール10Aとを単体もしくは複数のユニットで含んで概略構成される。図示例の水処理装置100Aは、処理槽110の内部に中空糸膜モジュール10Aが収容されてなる。
処理槽110は、被処理水である廃水Wを収容するものであり、例えば、金属製の大型容器状とされた処理槽等、従来から当該分野で用いられているものを何ら制限無く採用できる。また、図1においては詳細な図示を省略しているが、処理槽110には、被処理水である廃水を内部に収容するための廃水導入管と、処理が完了した処理水を槽外に排出するための排出管が接続される。
そして、処理槽110内には中空糸膜モジュール10Aが収容され、この中空糸膜モジュール10Aが廃水Wに浸漬するように配置されている。また、中空糸膜モジュール10Aの第1のハウジング5aには気体供給ライン13が接続されている。
気体供給ライン13の上流には、気体供給装置11、気体貯留装置12が配置されており、気体貯留装置12は、気体供給装置11と中空糸膜モジュール10Aとの間に配置されている。
気体供給装置11から供給される気体を、気体貯留装置(気体圧縮装置ともいう)12に貯留し、気体貯留装置12で圧縮され圧力が高い気体(以下、圧縮気体ともいう)が気体供給ライン13を通じて中空糸膜モジュール10Aに供給される。
気体供給装置11は、気体を気体貯留装置12に供給できるものであれば特に限定されず、例えば、エアーポンプ(ブロワ)等が挙げられる。
気体供給装置11から気体貯留装置12へ供給される際の気体の圧力は、5~50kPaが好ましく、10~30kPaがより好ましい。
気体貯留装置12は、圧縮された気体を貯留できるものであれば特に限定されず、例えば、ガスボンベ、あるいは内部に空間を有する筐体が挙げられる。また、気体貯留装置12は、気体を圧縮する機構があることが好ましい。気体を圧縮する機構としては、コンプレッサーが挙げられる。
気体貯留装置12から供給される気体の圧力は、50~200kPaが好ましく、70~150kPaが好ましい。気体貯留装置12から供給される気体の圧力が上記範囲内であると、中空糸膜中の凝縮水を押し出して系外に排出しやすくなり、水処理装置をより長期に運転しやすくなる。
上記構成により、本実施形態の水処理装置100Aは、気体貯留装置12を使用することにより、大きなサイズの気体供給装置11を必要とせずに圧縮気体を中空糸膜モジュール10Aに供給することができる。これにより、低コスト、省スペースで廃水処理がしやすくなる。また、圧縮気体により中空糸膜中の凝縮水を排出しやすくなり、有効膜面積を高めやすくなるため優れた廃水処理効率が得られる。
また、中空糸膜モジュール10Aに備えられる中空糸膜は、表面に微生物層が形成されるものなので、好気処理及び嫌気処理を同時に進行させ、ワンプロセスで廃水処理を行うことができる。これにより、従来のような好気処理と嫌気処理を別々の処理槽で行っていた場合に比べ、装置が小型化され、省スペース性に優れたものとなる。
なお、処理槽110内において、中空糸膜モジュール10Aは、例えば、廃水Wの流れを邪魔しないように配置される図示略のフレーム部材等により、処理槽110の開口部側から収容されていればよい。
図1に示すように、本実施形態の水処理装置100Aにおける中空糸膜モジュール10Aは、廃水中の微生物又は菌に由来する微生物層が表面に形成される中空糸膜1Aを含み、廃水処理に用いられるものである。また、中空糸膜モジュール10Aにおいては、中空糸膜1Aが、多孔質層及び非多孔質層を含む複層構造とされていることが好ましい。
そして、本実施形態の水処理装置100Aにおける中空糸膜モジュール10Aは、中空糸膜が水平方向に配列され、長手方向の両端が一対のハウジング(一対の固定部)5に支持される。
図1に示す本実施形態の水処理装置100Aにおける中空糸膜モジュール10Aは、第1のハウジング5a、第2のハウジング5b、中空糸膜シート状物から構成される。
中空糸膜シート状物は、中空糸膜が略水平方向に配置され、全体として平型のシート状に構成される。
[中空糸膜]
本実施形態の水処理装置100Aにおける中空糸膜モジュール10Aに備えられる中空糸膜1Aは、図2に示す例においては、中心側から第1多孔質層(多孔質層)2、非多孔質層3及び第2多孔質層(多孔質層)4が順次積層された構造を有しており、第2多孔質層4の表面4aに、廃水中の微生物又は菌に由来する微生物層6が形成される。また、図示例の中空糸膜1Aは、2層の多孔質層(第1多孔質層2及び第2多孔質層4)の間に非多孔質層3が配置された3層構造とされている。
また、図示例の中空糸膜1Aは、最内層である多孔質層2の内面2b側が中空部7とされ、この中空部7に酸素を含む気体を供給することで、内面2b側から外層側の第2多孔質層4の表面4aに向けて酸素を透過させることが可能に構成されている。
(多孔質層)
中空糸膜1Aを構成する多孔質層は、少なくとも1層以上で設けられ、図2に示す例においては、第1多孔質層2及び第2多孔質層4の2層の多孔質層が、非多孔質層3を介して同心状に配置されている。また、図示を省略するが、第1多孔質層2及び第2多孔質層4は、それぞれ、複数の細孔を有する膜から構成されており、これら多孔質層2、4の全周にわたって細孔が形成されている。
本実施形態において、第1多孔質層2及び第2多孔質層4に形成される細孔とは、少なくとも内表面側から外表面までの連通孔を意味する。即ち、第1多孔質層2においては、内面2b側から外面2a側までの連通孔を意味し、第2多孔質層4においては、内面4b側から表面4a側までの連通孔を意味する。
また、本実施形態で説明する「細孔」とは、三次元的な構造を形成している膜基材の隙間の空間を表し、内面側から表面(外面)側に向けて酸素が透過する際の、酸素の通り道となる部分を意味する。
多孔質層は、例えば、溶融延伸法により形成される。溶融延伸法とは、まず、多孔質層の材料となる樹脂を融点以上の流動状態に加熱し、これを筒状に吐出する。次いで、吐出された流動状態にある樹脂を冷却することで非流動状態にし、形状を固定する。その後、形状が固定された樹脂に対して最適条件で延伸加工を施すことで、多孔質構造が形成される。
多孔質層の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、又はフッ素系樹脂の少なくとも何れかを含む材料からなることが、十分な酸素透過性を確保する観点から好ましい。多孔質層が上記の何れかを含む材料からなることで、上記のような多孔質構造に制御しながら形成することが可能になり、酸素透過性が高められるとともに、耐酸化劣化性、耐薬品性、耐熱性及び機械的耐久性を付与できる。また、製膜原液を調整する際の溶剤への溶解性も良好となる。
なお、第1多孔質層2及び第2多孔質層4の各膜厚は、特に限定されないが、多孔質層全体の合計膜厚、即ち、図示例における第1多孔質層2と第2多孔質層4との合計の平均膜厚Dnが10μm以上100μm以下となるような膜厚であることが好ましい。各多孔質層の合計の平均膜厚Dnが10μm以上であれば、中空糸膜1A全体における十分な機械的強度の確保に寄与できる。一方、各多孔質層の合計の平均膜厚Dnが100μm以下であれば、必要以上に膜の外径が大きくなることがないので、中空糸膜をモジュール化する際の膜の充填量が小さくなるのを防止できる。
また、上記の観点からは、各多孔質層の合計の平均膜厚Dnは、15μm以上90μm以下がより好ましく、20μm以上80μm以下が最も好ましい。
なお、本実施形態で説明する「平均膜厚」とは、中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、この画像を解析して当該層(膜)の膜厚を複数箇所(5箇所以上)で測定し、その平均値を求めたものである。
本実施形態において、中空糸膜1Aは、少なくとも、後述の微生物層6を除いた最外層に多孔質層が配置されていることが好ましい。このように、微生物層6を除いた最外層に多孔質層が配置されることで、十分な酸素透過性を確保することができる。図示例においては、第2多孔質層4が最外層とされ、その表面4aに後述の微生物層6が形成される。
また、微生物層6を除いた最外層に配置される多孔質層、即ち、図示例における第2多孔質層4は、表面4aが凹凸構造とされていることがより好ましい。第2多孔質層4の表面4aが凹凸構造であることで、廃水中に存在する微生物又は菌が付着しやすくなるので、後述の微生物層6が均一に形成される効果が得られる。なお、上記の凹凸構造は、例えば、図示略の複数の細孔に由来する凹凸構造であってもよい。
各多孔質層に形成される複数の細孔の平均細孔径は、0.01μm以上5μm以下であることが好ましい。各多孔質層における平均細孔径が0.01μm以上であれば、十分な酸素透過性が確保できる。また、各多孔質層における平均細孔径が5μm以下であれば、十分な膜強度が得られる。
また、上記の観点からは、各多孔質層における平均細孔径は、0.03μm以上4μm以下がより好ましく、0.04μm以上3μm以下が最も好ましい。
なお、本実施形態において説明する、各多孔質層に形成される複数の細孔の平均細孔径とは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて多孔質層の外表面部分を観察し、30個の細孔を無作為に選び、各細孔の最長径を測定して、これら30個の細孔の最長径を平均して求めた値である。
(非多孔質層)
本実施形態において、中空糸膜1Aは、非多孔質層3が少なくとも1層以上で設けられ、図示例においては、第1多孔質層2と第2多孔質層4との間に単層で設けられている。非多孔質層3は、多孔質層に比べて高めの機械的強度を有するので、この非多孔質層3は、中空糸膜1Aにおける支持体(補強材)としても機能する。
非多孔質層3の材質としても、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、又はシリコン系樹脂の少なくとも何れかを含む材料からなることが好ましい。非多孔質層3が上記の何れかを含む材料からなることで、十分な酸素透過性を確保しながら、中空糸膜1A全体の機械的強度をより高めることが可能になる。
なお、非多孔質層3の膜厚は、特に限定されないが、1μm以上10μm以下であることが好ましい。非多孔質層3の平均膜厚が1μm以上であれば、製造時に欠陥が発生することなく、安定的に生産することが可能になる。また、非多孔質層3の平均膜厚が10μm以上であれば、実使用において影響があるような酸素透過性の低下を招くことはない。
また、上記の観点から、非多孔質層3の平均膜厚は、1.5μm以上8μm以下がより好ましく、2μm以上6μm以下が最も好ましい。
なお、非多孔質層を複数で設けた場合の合計の平均膜厚Dp(単層の場合は当該層のみの膜厚)も特に限定されないが、非多孔質層の膜厚が大きくなることは酸素透過抵抗が大きくなることを意味するため、可能な限り薄膜に形成されることが、十分な酸素透過率を確保する観点から好ましい。
(非多孔質層の合計の平均膜厚Dnと多孔質層の合計の平均膜厚Dpとの関係)
本実施形態において、非多孔質層の合計の平均膜厚Dn、及び、多孔質層の合計の平均膜厚Dpについては、特に限定されるものではない。一方、本実施形態においては、非多孔質層の合計の平均膜厚Dn、即ち、図示例における単層とされた非多孔質層3の平均膜厚Dnと、多孔質層の合計の平均膜厚Dp、即ち、図示例における第1多孔質層2と第2多孔質層4との合計の平均膜厚Dpとが、次式{0.01≦Dn/Dp≦1.0}で表される関係を満たすことがより好ましい。
非多孔質層の平均膜厚Dnと多孔質層の平均膜厚Dpとの関係が上記式で表される関係を満たすことで、多孔質層及び非多孔質層の全体膜厚に対する非多孔質層の膜厚の割合が小さくなる。従って、実使用に適した十分な機械的強度を確保しながら非多孔質層を薄膜化できるので、酸素透過性も十分に高められる。
また、上記の観点からは、非多孔質層の合計の平均膜厚Dnと多孔質層の合計の平均膜厚Dpとの関係は、次式{0.02≦Dn/Dp≦0.9}で表される関係がより好ましく、次式{0.03≦Dn/Dp≦0.8}で表される関係が最も好ましい。
(中空糸膜の形状)
本実施形態の水処理装置100Aにおける中空糸膜1Aの形状としては、特に限定されず、例えば、略円筒状に構成し、上記のように、細孔を有する第2多孔質層4が外表面に配置され、この第2多孔質層4を覆うように微生物層6が形成されるように構成することができる。ここで、本実施形態で説明する中空糸膜1Aの形状とは、微生物層6を除いた状態での形状、及び、第2多孔質層4の表面に微生物層6が形成された状態での形状の両方を含む。
なお、本実施形態で説明する「略円筒状」とは、長手方向に垂直な任意の断面の形状が、例えば、真円形、卵形、長円形、楕円形等のオーバル形である立体形状を意味する。
また、本実施形態で説明するように、第1多孔質層2と第2多孔質層4との間に非多孔質層3が配置されている場合、これらの界面においては、各多孔質層2、4からなる領域と、非多孔質層3からなる領域とが、互いに若干入り込んでいてもよい。
(中空糸膜の平均外径Do)
本実施形態においては、中空糸膜1Aの外径は特に限定されないが、微生物層6を除く平均外径Doで0.01mm以上3.0mm以下であることが好ましい。中空糸膜1Aの平均外径Doが3.0mm以下であることで、膜モジュール化する際に膜の充填量が小さくなるのを防止できる。また、中空糸膜1Aの平均外径Doが0.01mm以上であることで、中空部7の内径を十分に確保できるので、中空部7を流れる酸素の流量が圧力損失等によって低下するのを防止できる。
また、中空糸膜1Aの平均外径Doは、第2多孔質層4の表面4aに形成される微生物層6が剥がれ落ちない程度の表面積を確保できる寸法であることがより好ましい。
なお、本実施形態で説明する「中空糸膜の平均外径Do」とは、微生物層6が形成される前の中空糸膜1Aを長手方向に対して垂直な任意の面で切断したとき、その切断面の外縁を内接する最少の円の直径を意味する。また、この中空糸膜1Aの平均外径Doは、上記の切断面における任意の3箇所以上、10箇所以下測定し、その平均値として求めることができる。
(中空糸膜の平均内径Di)
本実施形態においては、中空糸膜1Aの平均内径Diは特に限定されないが、5μm以上1.0mm以下であることが好ましい。中空糸膜1Aの平均内径Diが1.0mm以下であることで、膜モジュール化する際に膜の充填量が小さくなるのを防止できる。また、中空糸膜1Aの平均内径Diが5μm以上であることで、中空部7の内径を十分に確保できるので、中空部7を流れる酸素の流量が圧力損失等によって低下するのを防止できる。
なお、本実施形態で説明する「中空糸膜の平均外径Di」とは、微生物層6が形成される前の中空糸膜1Aを長手方向に対して垂直な任意の面で切断したとき、その切断面の中空部7を内接する最少の円の直径を意味する。また、この中空糸膜1Aの平均内径Diは、上記の切断面における任意の3箇所以上、10箇所以下測定し、その平均値として求めることができる。
(中空糸膜の平均膜厚D)
なお、中空糸膜1Aの膜厚Dは、特に限定されないが、20μm以上200μm以下となるような膜厚であることが好ましい。中空糸膜1Aの平均膜厚Dが20μm以上であれば、中空糸膜1A全体における十分な機械的強度の確保に寄与できる。一方、中空糸膜1Aの平均膜厚Dが200μm以下であれば、必要以上に膜の外径が大きくなることがないので、中空糸膜をモジュール化する際の膜の充填量が小さくなるのを防止できる。
また、上記の観点からは、中空糸膜1Aの平均膜厚Dは、30μm以上180μm以下がより好ましく、40μm以上160μm以下が最も好ましい。
(微生物層)
本実施形態における微生物層6は、中空糸膜1Aを、例えば、中空糸膜モジュール10Aとして廃水処理に使用する際に、別の廃水処理場等で既に使用している活性汚泥を種として微生物又は菌を増殖処理し、所定濃度としたものに中空糸膜モジュール10Aを浸漬させることで、微生物又は菌に由来して形成されるものである。
上記の活性汚泥は、廃水の種類によって様々な成分構成・割合が存在するが、廃水中に含まれるBOD(有機物)成分や栄養分(窒素、りん等)を食物とし、増殖を行ったものを用いることができる。そして、これに含まれる微生物又は菌に由来する層として、第2多孔質層4の表面4aに微生物層6が形成される。
本実施形態の水処理装置100Aにおける中空糸膜1Aは、上記の微生物層6が形成されることで、中空糸膜1Aの中空部7から第1多孔質層2、非多孔質層3及び第2多孔質層4を透過した酸素が微生物層6内で溶解拡散し、微生物層6の膜厚方向において酸素勾配(濃度)が形成され、内層側においては酸素に富んだ好気状態となる一方、外層側は酸素が減少した嫌気状態となる。これにより、微生物層6は、内層側に好気処理領域が形成され、外層側に嫌気処理領域が形成された状態となる。
そして、好気処理領域においては、好気処理(BOD酸化)によって廃水中に含まれるアンモニアの酸化が進行し、硝酸化される。さらに、嫌気処理領域においては、嫌気処理(BOD酸化)によって、好気処理領域で生じた硝酸が、嫌気バクテリアによって窒素として処理され、脱窒される。これにより、好気処理及び嫌気処理の両方をワンプロセスで行うことができるので、従来、好気処理と嫌気処理とを別々の処理槽で行っていた場合に比べ、省スペースの設備が実現できるとともに、処理効率も向上する。
なお、微生物層6の膜厚としては、特に限定されず、所定以上の厚み、又は所定の処理時間に達したところで空気によるバブリング洗浄等の操作を行い、最適な好気処理及び嫌気処理を行うことが可能な膜厚に調整すればよい。
(酸素透過性)
本実施形態において説明する、中空糸膜1Aの酸素透過性とは、中空糸膜全体における、酸素を透過させる性能を示す指標であり、例えば、単位膜面積あたりで1日(24hr)に透過する酸素の量(単位:g-O/m/day)で表すことができる。
(その他の層)
さらに、中空糸膜1Aは、上記の各多孔質層2、4、非多孔質層3(及び微生物層6)以外に、他の機能層が設けられていてもよい。このように、他の層を備える構成を採用する場合には、他の層を、高い酸素透過性を有する層とすることが、中空糸膜1A全体の酸素透過性を確保する観点から好ましい。
[一対のハウジング]
一対のハウジング(一対の固定部)5は、中空糸膜シート状物の各端部が挿入、固定される略中空状の部材であり、図1に示す例では、第1のハウジング5a及び第2のハウジング5bから構成される。即ち、上記の中空糸膜シート状物は、第1のハウジング5aと第2のハウジング5bとの間でシート状に保持される。
また、一対のハウジング5には、例えば、第1のハウジング5aに気体供給ライン13が接続され、酸素又は空気が第1のハウジング5aの内部に供給されるように構成されている。
そして、中空糸膜モジュール10Aは、気体貯留装置12から供給される酸素又は空気が、ハウジング5を介して複数の中空糸膜1Aの中空部7(図2を参照)内に送り込まれ、上記のように、第1多孔質層2、非多孔質層3及び第2多孔質層4を透過し、さらに微生物層6内を膜厚方向で溶解拡散するように構成される。
[中空糸膜モジュールのその他の形状]
図1等に示す例においては、平型シート状とされた中空糸膜モジュール10Aを示しているが、これには限定されず、例えば、中空糸膜モジュールを円筒形や角筒形等に構成することも可能である。
<廃水処理方法>
本実施形態の廃水処理方法は、図1に示すような水処理装置100Aを用いて廃水を処理する方法である。
具体的には、本実施形態の廃水処理方法は、まず、処理槽110内に被処理水となる廃水Wを導入する。この際、処理槽110内に配置された中空糸膜モジュール10Aが廃水W中に浸漬されるように、処理槽110内を廃水Wで満たす。
次いで、気体供給装置11から供給された気体を気体貯留装置12に貯留し、圧縮気体を気体供給ライン13を介して中空糸膜モジュール10Aに定期的に供給する。これにより、中空糸膜中の凝縮水を圧縮気体で押し出して、凝縮水排出ライン14を通して水処理装置100Aの系外に排出する。また、図1に示す中空糸膜1Aの中空部7から外側に向けて酸素又は空気を透過させる。本実施形態では、このような廃水処理の初期段階において、中空糸膜の外表面に、廃水W中に存在する微生物等を付着させ、これに由来する微生物層を形成させる。
その後、中空糸膜モジュール10Aへの酸素又は空気の供給を継続することにより、廃水Wの処理を行う。この際、上述したように、微生物層の膜厚方向における酸素の溶解拡散が進行し、好気処理領域及び嫌気処理領域が形成される。
そして、好気処理領域において、好気処理により、廃水中に含まれるアンモニアが硝酸化される。また、嫌気処理領域において、嫌気処理により、好気処理領域で生じた硝酸が窒素として処理され、脱窒される。本実施形態の廃水処理方法においては、上記のように、好気処理及び嫌気処理の両方をワンプロセスで行うことも可能になるので、これらを別々の処理槽で行っていた場合に比べ、処理効率が向上する。
次いで、所定の時間で上記の好気処理及び嫌気処理を行った後、例えば、図示略の散気装置等を用いたバブリング処理により、中空糸膜1Aから微生物層を剥離させる。
その後、図示略の分離膜等を用いることで、微生物層の剥離分を含むスラッジを回収し、廃水処理が完了する。
上記のプロセスによる廃水処理の後、廃水Wが浄化処理された処理水は、例えば、必要に応じて追加処理を行い、工業用水として再利用することができる他、下水道に排出するか、あるいは、河川等に放流される。
なお、中空糸膜1Aの内面側、即ち中空部から供給する気体(酸素又は空気)の圧力は、特に限定されないが、200kPa以下の圧力であることが好ましい。気体の圧力が200kPa以下であれば、廃水処理効果に与しない気体の過供給を防止できるとともに、この過供給によって部材が損傷するのを防止できる。また、凝縮水を系外に排出することができる。なお、上記の気体の圧力下限は、実使用に十分な廃水処理効果が得られる観点から、例えば、5kPa以上とすればよい。
また、中空糸膜モジュール10Aに向けて供給する気体としては、例えば、空気であってもよく、純酸素であることが好ましい。このように、純度の高い酸素を中空糸膜モジュール10Aに供給することで、微生物層に溶解拡散する酸素濃度が十分なものとなり、上述した好気処理及び嫌気処理を効率的に進行させ、より効果的な廃水処理が可能になる。
さらに、中空糸膜モジュール10Aに向けて供給する気体としては、例えば、大気中の空気を分離又は濃縮する処理により、成分構成比を変更したものであってもよい。このように、廃水処理に、大気中の空気の成分構成比を変更したものを用いた場合には、上記同様、酸素を用いる場合に比べてランニングコストが低減されるとともに、処理する廃水の特性に合わせた処理を行うことが可能になる。
本発明の廃水処理方法では、中空糸膜の表面に、廃水中の微生物又は菌に由来する微生物層を形成させる工程行った後、続いて中空糸膜の中空部に酸素を含む気体を供給する工程を行ってもよいし、中空糸膜の中空部に酸素を含む気体を供給する工程を行った後、続いて中空糸膜の表面に、廃水中の微生物又は菌に由来する微生物層を形成させる工程を行ってもよい。
<<第2実施形態>>
以下、本発明に係る水処理装置の第2実施形態について詳述する。
なお、以下の説明においては、第1実施形態の水処理装置100Aと共通する構成については、同じ符号を用いて説明するとともに、その詳細な説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の水処理装置100Bにおける中空糸膜モジュール10Bは、中空糸膜が水平方向と鉛直方向と配置され、これらが交差するように配置したものであり、その他の層構造や各種寸法等は、第1実施形態の中空糸膜モジュール10Aと同様である。
中空糸膜シート状物は、中空糸膜が複数束ねられて中空糸膜束を形成し、隣接する中空糸膜束と一定間隔離れて配置されている。中空糸膜束は交差するように配置されている。交差される部分は、微生物層を形成しやすい点から、中空糸膜の長さ方向の中央部付近が好ましい。中空糸膜束の両端部が、詳細を後述するハウジング5内に挿入されて開口しており、全体として平型のシート状に構成される。
本実施形態の水処理装置100Bによれば、第1実施形態の水処理装置100Aの場合と同様、気体貯留装置12を使用することにより、大きなサイズの気体供給装置11を必要とせずに圧縮気体を中空糸膜モジュール10Bに供給することができる。これにより、低コスト、省スペースで廃水処理がしやすくなる。また、圧縮気体により中空糸膜中の凝縮水を排出しやすくなり、有効膜面積を高めやすくなるため優れた廃水処理効率が得られる。さらに、中空糸膜が交差することにより微生物又は菌が付着しやすくなるとともに、中空糸膜モジュール10C全体を大きくすることなく中空糸膜の有効表面積を大きくすることができる。そのため、省スペースかを図りつつ、より優れた廃水処理効率が得られる。
<<第3実施形態>>
以下、本発明に係る水処理装置の第3実施形態について詳述する。
図4に示すように、本実施形態の水処理装置100Cにおける中空糸膜モジュール10Cは、中空糸膜1Cが斜め方向に交差するように配置したものであり、その他の層構造や各種寸法等は、第1実施形態の中空糸膜モジュール10Aと同様である。
中空糸膜シート状物は、中空糸膜が複数束ねられて中空糸膜束を形成し、隣接する中空糸膜束と一定間隔離れて配置されている。中空糸膜束はそれぞれ、中空糸膜束の中心を通る長さ方向の線が鉛直方向に対して特定の範囲内の角度となるように配列されている。中空糸膜束は交差するように配置されている。交差される部分は、微生物層を形成しやすい点から、中空糸膜の長さ方向の中央部付近が好ましい。中空糸膜束の両端部が、詳細を後述するハウジング5内に挿入されて開口しており、全体として平型のシート状に構成される。
中空糸膜の鉛直方向に対する角度は、5°以上85°以下であり、10°以上70°以下が好ましく、20°以上50°以下がより好ましく、20°以上30°以下がさらに好ましい。
前記角度が上記下限値未満であると、水の流れと中空糸膜の方向が略平行になるため微生物が中空糸膜に付着しにくく、微生物層の形成が不十分になりやすい。
前記角度が上記上限値超であると、凝縮水の排出が困難になり、中空糸膜の有効表面積が低下しやすくなり、微生物層の形成が不十分になりやすい。
なお、本明細書における「角度」は、図1に示すように、中空糸膜束の中心部分を通る長さ方向に沿った線と、第1のハウジング5aに挿入されている部分から鉛直方向に引いた線とが交わる点における角度θであって、中空糸膜束の角度θを複数箇所(5箇所以上)で測定し、その平均値を求めたものである。
本実施形態の水処理装置100Cによれば、第1実施形態の水処理装置100Aの場合と同様、気体貯留装置12を使用することにより、大きなサイズの気体供給装置11を必要とせずに圧縮気体を中空糸膜モジュール10Cに供給することができる。これにより、低コスト、省スペースで廃水処理がしやすくなる。また、圧縮気体により中空糸膜中の凝縮水を排出しやすくなり、有効膜面積を高めやすくなるため優れた廃水処理効率が得られる。さらに、中空糸膜が斜めに交差することにより凝縮水をより排出しやすくなるとともに、微生物又は菌が付着しやすくなる。これにより、中空糸膜モジュール10C全体を大きくすることなく中空糸膜の有効表面積を大きくすることができる。そのため、省スペースかを図りつつ、より優れた廃水処理効率が得られる。
<<第4実施形態>>
以下、本発明に係る水処理装置の第4実施形態について詳述する。
図5に示すように、本実施形態の水処理装置100Dは、気体貯留装置12と中空糸膜モジュール10Dとの間の気体供給ライン13上に、気体の流れる方向を切り替えるコック16を有する。コック16は気体排出ライン17に連結され、気体排出ライン17の先には気体除去装置18が連結されている。その他の層構造や各種寸法等は、第1実施形態の水処理装置100Aと同様である。
微生物層の嫌気性菌及び好気性菌の増殖に偏りが生じ、廃水処理効率が低下した場合には、コック16を切り替え、気体除去装置18を稼働させることにより、中空糸膜モジュール10D内から気体を除去して微生物層に酸素が供給されないようにする。これにより、嫌気性菌を増殖しやすくするとともに、嫌気性菌を増殖しにくくすることで、微生物層における嫌気性菌と好気性菌とのバランスを調節する。
気体除去装置18は、中空糸膜モジュール10D内から気体を除去できるものであればよく、例えば真空ポンプ、アスピレータのようなものであってもよい。
本実施形態の水処理装置100Dによれば、第1実施形態の水処理装置100Aの場合と同様、気体貯留装置12を使用することにより、大きなサイズの気体供給装置11を必要とせずに圧縮気体を中空糸膜モジュール10Dに供給することができる。これにより、低コスト、省スペースで廃水処理がしやすくなる。また、圧縮気体により中空糸膜中の凝縮水を排出しやすくなり、有効膜面積を高めやすくなるため優れた廃水処理効率が得られる。さらに、気体除去装置18を備えることにより、微生物層の嫌気性菌及び好気性菌のバランスを調節することができ、微生物層を形成しやすくなり、より優れた廃水処理効率が得られる。
<作用効果>
以上説明したように、本発明に係る第1実施形態の水処理装置100A~100Dによれば、気体供給装置と気体貯留装置を備えることにより圧縮気体を中空糸膜モジュールに供給することができる。気体貯留装置を備えることにより気体供給装置は大きいサイズのものを必要としないため、低コスト且つ省スペースで中空糸膜モジュールに圧縮気体を供給することができる。中空糸膜モジュールに圧縮気体を供給することにより、中空糸膜中の凝縮水を押し出して排出することができるため、有効膜面積を高めやすくなり、微生物層が形成しやすく、効率よく廃水処理を行うことが可能になる。
また、従来は個別の装置で行っていた好気処理及び嫌気処理の両方を微生物層のみで実施できるので、省スペース性に優れ、装置全体を小型化できるので、例えば、廃水の簡易処理が必要な用途や、狭いスペースでの廃水処理が必要な用途においても非常に好適である。
また、本実施形態の廃水処理方法によれば、上記の水処理装置100A~100Dを用い、中空糸膜の表面に微生物層を形成させる工程、及び中空糸膜の内面側の中空部から酸素を含む気体を供給する工程を行うことで廃水Wを処理する方法を採用している。これにより、上記同様、効率よく廃水処理を行うことが可能になる。さらに、従来は別のプロセスで行っていた好気処理及び嫌気処理の両方を、微生物層におけるワンプロセスで実施できるので、処理効率に優れるとともに、装置の省スペース化も可能となる。
本発明の中空糸膜モジュール、水処理装置は、中空糸膜の有効表面積を十分に確保できるとともに均一な酸素透過性を有し、廃水処理効率に優れたものなので、例えば、生活廃水や工業廃水の処理に好適である。
1A・・・中空糸膜
2・・・第1多孔質層
2a・・・外面
2b・・・内面
3・・・非多孔質層
4・・・第2多孔質層
4a・・・表面
4b・・・内面
5・・・一対のハウジング
5a・・・第1のハウジング
5b・・・第2のハウジング
5c・・・取水口
6・・・微生物層
7・・・中空部
10A、10B、10C、10D・・・中空糸膜モジュール
11・・・気体供給装置
12・・・気体貯留装置
13・・・気体供給ライン
14・・・凝縮水排出ライン
16・・・コック
17・・・気体排出ライン
18・・・気体除去装置
5・・・一対のハウジング
5a・・・第1のハウジング
5b・・・第2のハウジング
100・・・水処理装置
110・・・処理槽
W・・・廃水

Claims (6)

  1. 中空糸膜モジュール、気体供給装置気体貯留装置、及び気体除去装置を含む水処理装置であって、
    前記気体供給装置と前記中空糸膜モジュールとの間に気体貯留装置が配置され、
    前記中空糸膜モジュールは複数の中空糸膜を有し、
    前記気体供給装置は前記気体貯留装置に気体を供給する装置であり、
    前記気体貯留装置は前記気体を圧縮して前記中空糸膜モジュールに供給する装置であり、
    前記気体除去装置は、前記気体を前記中空糸膜モジュールから除去する装置である、水処理装置。
  2. 前記中空糸膜は、鉛直方向に対して角度が5°以上85°以下に配置されている、請求項に記載の水処理装置。
  3. 中空糸膜モジュール、気体供給装置、及び気体貯留装置を含む水処理装置であって、
    前記気体供給装置と前記中空糸膜モジュールとの間に気体貯留装置が配置され、
    前記中空糸膜モジュールは複数の中空糸膜を有し、前記中空糸膜は、鉛直方向に対して角度が5°以上85°以下に配置されており、
    前記気体供給装置は前記気体貯留装置に気体を供給する装置であり、
    前記気体貯留装置は前記気体を圧縮して前記中空糸膜モジュールに供給する装置である、水処理装置。
  4. 前記中空糸膜は多孔質層と、非多孔質層とを有する複層構造を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の水処理装置。
  5. 前記多孔質層が複数設けられ、前記非多孔質層が前記複数の多孔質層の間に配置されている、請求項4に記載の水処理装置。
  6. 前記多孔質層がポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びフッ素系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種を含む材料からなる、請求項4又は5に記載の水処理装置。
JP2020028148A 2020-02-21 2020-02-21 水処理装置 Active JP7338503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020028148A JP7338503B2 (ja) 2020-02-21 2020-02-21 水処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020028148A JP7338503B2 (ja) 2020-02-21 2020-02-21 水処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021130103A JP2021130103A (ja) 2021-09-09
JP7338503B2 true JP7338503B2 (ja) 2023-09-05

Family

ID=77551814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020028148A Active JP7338503B2 (ja) 2020-02-21 2020-02-21 水処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7338503B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024116342A1 (ja) * 2022-11-30 2024-06-06 三菱ケミカル株式会社 中空糸膜、中空糸膜モジュール、廃水処理装置及び廃水処理方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005042133A1 (ja) 2003-10-30 2005-05-12 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールユニット、及び水処理方法
JP2019076893A (ja) 2017-10-20 2019-05-23 三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社 中空糸膜、中空糸膜モジュール、廃水処理装置、及び廃水処理方法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4024330B2 (ja) * 1996-09-10 2007-12-19 水道機工株式会社 単一槽による硝化・脱窒処理方法および装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005042133A1 (ja) 2003-10-30 2005-05-12 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. 中空糸膜モジュール、中空糸膜モジュールユニット、及び水処理方法
JP2019076893A (ja) 2017-10-20 2019-05-23 三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社 中空糸膜、中空糸膜モジュール、廃水処理装置、及び廃水処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021130103A (ja) 2021-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1371409B1 (en) Separating film, separating film element, separating film module, sewage and waste water treatment device, and separating film manufacturing method
US8758619B2 (en) Process of treating water using a gas permeable membrane-supported biofilm apparatus
US8557112B2 (en) Fine bubble diffusing pipe, fine bubble diffusing apparatus, and submerged membrane separation apparatus
JP3851864B2 (ja) 多孔質複層中空糸および該多孔質複層中空糸を備えた濾過モジュール
TWI424969B (zh) 浸漬型膜分離裝置及其運轉方法
JP4185509B2 (ja) 多孔質複層中空糸の製造方法
JP2019076893A (ja) 中空糸膜、中空糸膜モジュール、廃水処理装置、及び廃水処理方法
WO2014192432A1 (ja) 濾過モジュール及び濾過装置
JP4200157B2 (ja) 多孔質複層中空糸および該多孔質複層中空糸を備えた濾過モジュール
JP7338503B2 (ja) 水処理装置
WO2014192433A1 (ja) 濾過装置及びこれを用いた浸漬式濾過方法
JPWO2008062788A1 (ja) 浸漬濾過用中空糸膜、これを用いた浸漬濾過用中空糸膜モジュール、浸漬濾過装置、及び浸漬濾過方法
JP7359382B2 (ja) 中空糸膜、中空糸膜モジュール、廃水処理装置及び廃水処理方法
WO2003043941A1 (fr) Appareil et procede de traitement des eaux usees organiques
JP2021133349A (ja) 廃水処理装置及び廃水処理方法
JP7310643B2 (ja) 廃水処理用膜モジュール、廃水処理装置及び廃水処理方法
WO2018051630A1 (ja) 膜分離活性汚泥処理システム
CN113329808A (zh) 用于从流体中去除溶解氧的膜、膜接触器、装置和方法
JPH0647399A (ja) 浄水処理方法
JP2021133342A (ja) 中空糸膜エレメント、中空糸膜モジュール、廃水処理装置及び廃水処理方法
JP2022147224A (ja) 中空糸膜、中空糸膜モジュール、廃水処理装置及び廃水処理方法
JP2024085958A (ja) 液体処理装置及び処理方法
JP2022147165A (ja) 中空糸膜、中空糸膜モジュール、廃水処理装置及び廃水処理方法
WO2024116342A1 (ja) 中空糸膜、中空糸膜モジュール、廃水処理装置及び廃水処理方法
JPH1177044A (ja) 廃水処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230704

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230807

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7338503

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151