JP7338496B2 - 電線物理量測定装置 - Google Patents

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本開示は、電線物理量測定装置に関する。
電線の温度や電線に流れる電流などの物理量を測定するため、電線に対して電線物理量測定装置が取り付けられることがある。電線物理量測定装置は、例えば、電線を囲むように配置されるカレントトランス部を有する。当該カレントトランス部を用いることで、電線に流れる電流に基づいて生じる磁界からの電磁誘導により、所定の電力を得たり、電線に流れる電流を測定したりすることができる(例えば、特許文献1)。
特開平6-58960号公報
本開示の目的は、発電効率を向上させるとともに、電流測定精度を向上させることができる技術を提供することである。
本開示の一態様によれば、
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部のうち少なくともいずれか一方に連結され、前記電線を把持するクランプと、
を備え、
前記第1収容部の少なくとも一部と、前記第2収容部の少なくとも一部とは、個別に開閉可能に構成されている
電線物理量測定装置が提供される。
本開示の他の態様によれば、
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記第1収容部に連結され、前記電線を把持するクランプと、
を備え、
前記クランプは、電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部を、前記第1収容部から独立して連結可能に構成されている
電線物理量測定装置が提供される。
本開示によれば、発電効率を向上させるとともに、電流測定精度を向上させることができる。
本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示す概略斜視図である。 本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示すブロック図である。 本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示す正面図である。 本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示す左側面図である。 本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示す底面図である。 図3のA-A線断面図である。 図3のB-B線断面図である。 図4のC-C線断面図である。 電源用カレントトランス部または電流測定用カレントトランス部を示す概略図である。 本開示の一実施形態の変形例に係る電線物理量測定装置を示す正面図である。 本開示の一実施形態の変形例に係る電線物理量測定装置を示す左側面図である。
[本開示の実施形態の説明]
<発明者の得た知見>
まず、発明者の得た知見について説明する。
電線物理量測定装置は、例えば、電力を発生させる電源用カレントトランス部と、電流を測定するための電流測定用カレントトランス部と、を有する(以下、カレントトランス部を「CT部」と略すことがある)。電源用CT部および電流測定用CT部のそれぞれは、例えば、磁性体を含み電線を囲むように環状に配置される一対の半割コアを有する。
電源用CT部の一対の半割コアと、電流測定用CT部の一対の半割コアとは、例えば、1つの共通の収容部に収容される。この場合、電線物理量測定装置を電線に取り付け、収容部を閉じる際に、電源用CT部の一対の半割コア同士が結合されるとともに、電流測定用CT部の一対の半割コア同士が結合される。
しかしながら、発明者等は、電源用CT部と電流測定用CT部とが共通の収容部に収容される場合に、以下のような新規課題が生じうることを見出した。
電源用CT部と電流測定用CT部とが共通の収容部に収容されていると、電源用CT部の一対の半割コアと、電流測定用CT部の一対の半割コアとを、独立して位置調整することができない。例えば、電源用CT部および電流測定用CT部のうち一方における一対の半割コア同士を基準として結合させると、他方における一対の半割コア同士を精度よく結合させることができない可能性がある。具体的には、他方における一対の半割コアの断面中心軸が互いにずれたり、他方における一対の半割コア同士の間に隙間が生じたりする可能性がある。このように電源用CT部および電流測定用CT部のうちの他方において一対の半割コア同士の結合不良が生じていると、電源用CT部の発電効率が低下したり、電流測定用CT部の電流測定精度が低下したりする可能性がある。
本開示は、発明者等が見出した上記新規課題に基づくものである。
<本開示の実施態様>
次に、本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の一態様に係る電線物理量測定装置は、
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部のうち少なくともいずれか一方に連結され、前記電線を把持するクランプと、
を備え、
前記第1収容部の少なくとも一部と、前記第2収容部の少なくとも一部とは、個別に開閉可能に構成されている。
この構成によれば、電源用CT部による発電効率を向上させるとともに、電流測定用による電流測定精度を向上させることができる。
[2]上記[1]に記載の電線物理量測定装置において、
前記クランプは、前記第1収容部と前記第2収容部との間に設けられている。
この構成によれば、クランプを介して第1収容部と第2収容部とをバランスよく電線に固定することができる。
[3]上記[2]に記載の電線物理量測定装置において、
前記電源用カレントトランス部および前記電流測定用カレントトランス部に接続され、前記電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて測定された前記電線の電流データを、前記電源用カレントトランス部からの前記電力により無線で外部に送信する無線部を備え、
前記第1収容部は、前記電源用カレントトランス部とともに前記無線部を収容し、
前記クランプは、前記第1収容部と前記第2収容部との間で前記電流測定用カレントトランス部と前記無線部とを接続する配線が挿通される配線挿通孔を有する。
この構成によれば、第2収容部内の電流測定用CT部と、第1収容部内の無線部とを、配線を介して安定的に接続することができる。
[4]上記[1]から[3]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記電源用カレントトランス部は、前記第1収容部内で前記クランプ寄りに配置されている。
この構成によれば、第1収容部により電源用CT部等を安定的に保持することができる。
[5]上記[1]から[4]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記電流測定用カレントトランス部は、前記第2収容部内で前記クランプ寄りに配置されている。
この構成によれば、第2収容部により電流測定用CT部等を安定的に保持することができる。
[6]上記[1]から[5]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記第1収容部は、前記電源用カレントトランス部の径方向の位置を調整する複数の調整ネジを有する。
この構成によれば、電源用CT部による発電効率を向上させることができる。
[7]上記[1]から[6]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記第2収容部は、前記電流測定用カレントトランス部の径方向の位置を調整する複数の調整ネジを有する。
この構成によれば、電流測定用CT部による電流測定精度を向上させることができる。
[8]上記[1]から[7]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記第1収容部のサイズと前記第2収容部のサイズとは、互いに異なる。
この構成によれば、電源用CT部のサイズおよび電流測定用CT部のサイズに合わせて、第1収容部のサイズと第2収容部のサイズとを任意に設定することができる。
[9]上記[1]から[7]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記第1収容部のサイズと前記第2収容部のサイズとは、互いに等しい。
この構成によれば、第1収容部と第2収容部との重量バランスを向上させることができる。
[10]本開示の他の態様に係る電線物理量測定装置は、
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記第1収容部に連結され、前記電線を把持するクランプと、
を備え、
前記クランプは、電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部を、前記第1収容部から独立して連結可能に構成されている。
この構成によれば、電源用CT部による発電効率を向上させることができるとともに、第2収容部をクランプに連結した場合に、電流測定用CT部による電流測定精度を向上させることができる。
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<本開示の一実施形態>
(1)電線物理量測定装置
本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置10について、図1~図9を用いて説明する。図1~図5は、それぞれ、本実施形態に係る電線物理量測定装置を示す概略斜視図、ブロック図、正面図、左側面図、底面図である。図6および図7は、それぞれ、図3のA-A線断面図、図3のB-B線断面図である。図8は、図4のC-C線断面図である。図9は、電源用カレントトランス部または電流測定用カレントトランス部を示す概略図である。なお、図2以外の図においては、各部同士を接続する配線を省略している。また、図3~図8において、電線100を省略している。また、図6および図7においては、各部を固定する固定部材を省略している。
なお、以下において、電線100または電線物理量測定装置10の「軸方向」とは、電線100、第1電線挿通孔311、第2電線挿通孔321または電線挿通孔710の中心軸に沿った方向のことをいい、場合によっては電線100または電線物理量測定装置10の長手方向と言い換えることができる。なお、電源用コア422または測定用コア522の「軸方向」とは、電源用コア422または測定用コア522が構成する弧の中心軸に沿った方向のことをいう。また、電源用コア422または測定用コア522の「断面中心軸」とは、電源用コア422または測定用コア522を構成する弧の周方向に直交する断面の中心に位置する軸のことをいう。また、電線100または電線物理量測定装置10の「径方向」とは、電線100、第1電線挿通孔311、第2電線挿通孔321または電線挿通孔710の軸方向に垂直な方向のことをいい、場合によっては電線100または電線物理量測定装置10の短手方向と言い換えることができる。また、電線100または電線物理量測定装置10の「周方向」とは、電線100の外周に沿った方向、第1電線挿通孔311、第2電線挿通孔321または電線挿通孔710の内周に沿った方向のことをいう。
また、各図において、「X方向」は、電線100の軸方向に垂直な方向かつ水平方向のことを意味し、第1収容部310から第2収容部320に向かう方向に見たときに、右方向を「+X方向」とする。また、「Y方向」は、電線100の軸方向かつ水平方向のことを意味し、第1収容部310から第2収容部320に向かう方向を「+Y方向」とする。また、「Z方向」は、鉛直方向を意味し、鉛直上方向を「+Z方向」とする。
図1~図9に示すように、本実施形態の電線物理量測定装置10は、例えば、電線100に取り付けられ、電線100の物理量を測定するよう構成されている。具体的には、電線物理量測定装置10は、例えば、電源用カレントトランス部(電源用CT部、発電用CT部)420と、電源部(電源用回路)440と、電流測定用カレントトランス部(電流測定用CT部)520と、電流測定部(電流測定用回路)540と、温度センサ部200と、無線部(送受信部、通信部)600と、第1収容部310と、第2収容部320と、クランプ(把持部)700と、を有している。
(電線)
本実施形態において、測定対象となる電線100は、例えば、いわゆる架空送電線として構成されている。具体的には、電線100は、例えば、鋼心アルミ撚線(ACSR)などである。この場合、電線100は、例えば、架線時の張力を負担する中心部と、中心部の外周を覆うように複数の素線が撚り合わせられて設けられ、送電時の電流を流す導体として構成される撚線層と、を有している。中心部を構成する素線は、例えば、アルミ覆鋼線(AC線)である。撚線層を構成する素線は、例えば、アルミニウム(Al)またはAl合金を含んでいる。
(電源用カレントトランス部)
図2、図6、図7および図9に示すように、電源用CT部420は、例えば、電線100を囲むように環状に配置される。電源用CT部420は、例えば、電線100に流れる電流に基づいて電線100の周囲に生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させるように構成されている。
具体的には、図9に示すように、本実施形態の電源用CT部420は、例えば、電源用コア422と、電源用コイル424と、を有している。電源用コア422は、例えば、電線100の外周を囲むように環状(円弧状、楕円弧状)に配置される。また、電源用コア422は、磁性体を含んでいる。電源用コア422を構成する磁性体としては、例えば、フェライトなどである。電源用コイル424は、電源用コア422の少なくとも一部に巻回されている。このような構成により、電線100に流れる電流によって電線100の周囲で電源用コア422に生じる磁束の変化に基づいて、電磁誘導により電源用コイル424に誘導電流を生じさせることができる。
本実施形態の電源用コア422は、例えば、軸方向に沿って半割りされている。ここでいう「軸方向に沿って半割りされている」とは、電源用コア422が構成する弧の中心軸を含む平面、または当該中心軸と平行な平面で2つに分断されていることをいう。ここでいう「平面」とは、1つに限らず、2つ以上の平面を組み合わせたものであってもよい。また、ここでいう「軸と平行な平面」は、電源用コア422が構成する弧の中心軸と完全に平行な平面に限らず、所定の誤差で中心軸に対して傾斜した平面であってもよい。以下、他の部材が「軸方向に沿って半割りされている」場合における定義も、上述の定義と同様である。
例えば、電源用コア422が軸方向に沿って半割りされた一対の電源用半割コアのうち、鉛直下側に配置される電源用半割コアを「電源用下部半割コア423d」とし、鉛直上側に配置される電源用半割コアを「電源用上部半割コア423u」とする。なお、第1収容部310内での電源用コア422の配置については、詳細を後述する。
(電源部)
図2に示すように、電源部440は、例えば、電源用CT部420に接続され、該電源用CT部420で発生した電力を、後述の無線部600に適した電力に変換して該無線部600に供給するよう構成されている。具体的には、電源部440は、例えば、電源用CT部420で発生した交流電力を無線部600に適した直流電力に変換するよう構成されている。また、電源部440は、例えば、電源用CT部420で発生した電圧を無線部600に適した電圧に変圧するよう構成されている。
(測定用カレントトランス部)
図2、図6、図7および図9に示すように、電流測定用CT部520は、例えば、電線100を囲むように環状に配置されている。電流測定用CT部520は、例えば、電線100に流れる電流に応じた誘導電圧を出力するよう構成されている。
具体的には、図9に示すように、本実施形態の電流測定用CT部520は、上述の電源用CT部420とほぼ同様に構成され、例えば、測定用コア522と、測定用コイル524と、を有している。このような構成により、電線100に流れる電流によって電線100の周囲で測定用コア522に生じる磁束の変化に基づいて、電磁誘導により測定用コイル524に誘起電圧を生じさせることができる。
本実施形態の測定用コア522は、電源用コア422と同様に、例えば、軸方向に沿って半割りされている。例えば、測定用コア522が軸方向に沿って半割りされた一対の測定用半割コアのうち、鉛直下側に配置される測定用半割コアを「測定用下部半割コア523d」とし、鉛直上側に配置される測定用半割コアを「測定用上部半割コア523u」とする。
図6および図7に示すように、本実施形態の測定用コア522は、例えば、大電流の測定が可能となるように、電源用コア422よりも大きい。具体的には、測定用コア522は、例えば、測定用コア522が構成する弧の軸方向に連結された少なくとも2つの単位コア(符号不図示)を有している。測定用コア522のうち1つの単位コアのサイズは、例えば、電源用コア422のサイズ以上である。
測定用コア522を構成する2つの単位コアは、例えば、弧の中心軸を互いに一致させて接着層(不図示)を介して接着された後に軸方向に沿って半割りされた痕跡を有している。具体的な痕跡としては、例えば、2つの単位コアおよび接着層は、同一面を構成する切断面(半割面)を有している。上述のような構成により、測定用下部半割コア523dおよび測定用上部半割コア523uを結合させる際に、2つの単位コアのそれぞれにおいて、断面中心軸を同時かつ容易に一致させ、その状態を安定的に維持することができる。
なお、第2収容部320内での測定用コア522の配置については、詳細を後述する。
(電流測定部)
図2に示すように、電流測定部540は、例えば、電流測定用CT部520に接続され、該電流測定用CT部520が出力した誘導電圧に基づいて電線100に流れる電流を測定するよう構成されている。以下、電流測定部540が測定した電線100の電流に係る情報を「電流データ」という。
(温度センサ部)
図1および図2に示すように、温度センサ部200は、例えば、電線100に接し、該電線100の温度を測定するよう構成されている。具体的には、温度センサ部200は、例えば、温度に応じた電圧を出力する熱電対を有している。以下、温度センサ部200が測定した電線100の温度に係る情報を「温度データ」という。
温度センサ部200は、例えば、リード線280を介して後述の無線部600に接続されている。温度センサ部200およびリード線280は、例えば、結束バンド(不図示)等により、電線100に沿うように該電線100に対して固定されている。
(無線部)
無線部600は、例えば、所定の情報を通信するよう構成されている。本実施形態では、無線部600は、例えば、電線100の電流などの電線100の物理量に係る情報を無線で外部に送信するよう構成されている。
具体的には、図2に示すように、無線部600は、例えば、電流測定部540を介して電流測定用CT部520に接続され、電流測定用CT部520が出力した誘起電圧に基づいて測定された電線100の電流データを取得するよう構成されている。また、無線部600は、例えば、温度センサ部200に接続され、温度センサ部200が測定した電線100の温度データを取得するよう構成されている。また、無線部600は、例えば、電源部440を介して電源用CT部420に接続され、電源部440から供給される電力により、温度データおよび電流データ等の各種データを無線で外部に送信するよう構成されている。
本実施形態では、無線部600は、例えば、MCU(Micro Controller Unit)(不図示)を有している。無線部600が有するMCUは、例えば、各種データの送受信に係る所定のプログラムを実行するプロセッサと、プログラムおよび各種データを記憶するメモリと、送信周期の基準となる1つ以上のタイマと、上述の各部材に接続するI/Oポートと、を有している。MCUを構成する各部は、全てひとつの集積回路に組み込まれている。なお、無線部600は、MCUが有するメモリとは別に、例えば、FROM(Frash Read-Only Memory)等の外部メモリを有していてもよい。
また、図1~図8に示すように、無線部600は、例えば、アンテナ620を有し、アンテナ620を介して各種データを送受信するよう構成されている。
また、本実施形態では、無線部600は、例えば、いわゆるマルチホップ無線通信(バケツリレー方式)で各種データを伝送するよう構成されている。具体的には、例えば、複数の電線物理量測定装置10を有する送電設備監視システム(電力伝送システム)では、複数の電線物理量測定装置10が電線100の軸方向に沿って(Y方向に)所定の間隔で配置されている。複数の電線物理量測定装置10のうち、所定の電線物理量測定装置10の無線部600では、例えば、まず、隣り合う前段側(上流側)の電線物理量測定装置10からの各種データを受信する。所定の電線物理量測定装置10の無線部600において、前段側の電線物理量測定装置10から各種データを受信したら、該前段側の電線物理量測定装置10の各種データと、自身の各種データとを集約する。所定の電線物理量測定装置10の無線部600において各種データを集約したら、所定の電線物理量測定装置10を挟んで前段側の電線物理量測定装置10と反対側に隣り合う後段側(下流側)の電線物理量測定装置10に向けて、集約した各種データを送信する。このような各種データの集約と送信とを、複数の電線物理量測定装置10のそれぞれにおいて順次繰り返していく。集約した各種データが最後段の電線物理量測定装置10まで送信されたら、該最後段の電線物理量測定装置10は、例えば、集約した各種データをデータ集約伝送装置(不図示)に送信する。データ集約伝送装置は、例えば、電線100へ電力を供給する電力供給源としての電気事業者に向けて、集約した各種データを無線または有線で送信する。電気事業者は、各種データに基づいて、電線100への送電容量を制御する。このようにマルチホップ無線通信で各種データを伝送することで、個々の電線物理量測定装置10が有する無線部600に必要な電力を低減しつつ、複数の電線物理量測定装置10全体としての伝送距離を長くすることができる。
(本実施形態の各部の収容態様および連結態様)
次に、図1~図8を用い、本実施形態の各部の収容態様および連結態様について説明する。
図1~図8に示すように、本実施形態では、第1収容部310は、例えば、少なくとも電源用CT部420を電線100の外側に収容している。一方で、第2収容部320は、例えば、電流測定用CT部520を電線100の外側に収容している。ここでいう各部を「電線100の外側に収容している」とは、電線100の外周よりも径方向の外側の領域内に各部を収容していることを意味している。
また、クランプ700は、例えば、第1収容部310および第2収容部320のうち少なくともいずれか一方に連結され、電線100を把持している。これにより、第1収容部310および第2収容部320を電線100に固定することができる。
ここで、本実施形態では、例えば、第1収容部310の少なくとも一部と、第2収容部320の少なくとも一部とは、互いに分離され、個別に開閉可能に構成されている。これにより、第1収容部310内における電源用CT部420の電源用コア422と、第2収容部320内における電流測定用CT部520の測定用コア522とを、独立して位置調整することができる。
以下、第1収容部310、第2収容部320およびクランプ700について、詳細を説明する。
[第1収容部]
図1~図8に示すように、本実施形態の第1収容部310は、例えば、電源用CT部420だけでなく、電源部440、電流測定部540および無線部600も、電線100の外側に収容している。
第1収容部310は、例えば、磁性体を含まない金属からなっている。具体的には、本実施形態の第1収容部310は、例えば、AlまたはAl合金を含んでいる。これにより、第1収容部310に起因して電線100の周囲の磁界が遮蔽されることを抑制することができる。また、第1収容部310がAlまたはAl合金を含んでいることで、第1収容部310を軽量化することができる。
また、本実施形態の第1収容部310は、例えば、軸方向に沿って半割りされている。第1収容部310が軸方向に沿って半割りされた一対の第1半割部のうち、鉛直下側に配置される第1半割部を「第1下側半割部316」とし、鉛直上側に配置される第1半割部を「第1上側半割部318」とする。
図6および図7に示すように、第1下側半割部316は、例えば、電源用下部半割コア423dを収容している。一方で、第1上側半割部318は、例えば、電源用上部半割コア423uを収容している。第1上側半割部318は、例えば、第1下側半割部316に対して開閉可能に構成されている。第1下側半割部316および第1上側半割部318は、電線100を挟んで互いに対向するように配置される。互いに対向するように配置された第1下側半割部316および第1上側半割部318の内部では、電源用下部半割コア423dおよび電源用上部半割コア423uが断面中心軸を互いに一致させて結合される。
図1、図3~図5に示すように、本実施形態では、第1下側半割部316および第1上側半割部318は、例えば、少なくとも4点(4箇所)でネジ締結されている。具体的には、第1下側半割部316および第1上側半割部318のそれぞれは、例えば、4つの鍔部317を有している。第1下側半割部316のそれぞれの鍔部317は、第1下側半割部316の周方向の端部に設けられている。第1下側半割部316の4つの鍔部317は、例えば、中心軸に対して対称に配置されている。第1下側半割部316のそれぞれの鍔部317には、例えば、ヒンジボルト(符号不図示)が設けられている。一方で、第1上側半割部318のそれぞれの鍔部317は、第1上側半割部318の周方向の端部に設けられている。第1上側半割部318の4つの鍔部317は、例えば、中心軸に対して対称に配置され、第1下側半割部316の4つの鍔部317に対応する位置に設けられている。第1上側半割部318のそれぞれの鍔部317には、例えば、ナット(符号不図示)が設けられている。第1下側半割部316側のヒンジボルトと、第1上側半割部318側のナットとが締結されることで、第1下側半割部316および第1上側半割部318が開閉可能に連結される。このような構成により、電源用下部半割コア423dおよび電源用上部半割コア423uを精度よく結合させつつ、第1下側半割部316および第1上側半割部318を安定的に連結することができる。
図6および図7に示すように、本実施形態の第1収容部310は、例えば、二重筒構造を有している。具体的には、第1収容部310は、例えば、第1内筒312と、第1外筒314と、第1蓋部315と、を有している。第1内筒312は、例えば、第1電線挿通孔311を有している。第1電線挿通孔311内には、径方向に間隔をあけて、電線100が挿通される。第1外筒314は、第1内筒312の外周を囲むように設けられ、第1内筒312と自身との間に第1収容空間(符号不図示)を形成している。第1蓋部315は、第1外筒314の軸方向の両端部のそれぞれに設けられ(溶接され)、第1収容空間を塞いでいる。なお、本実施形態では、クランプ700側の第1内筒312の軸方向の端部と第1蓋部315とは繋がっているが、後述のように、クランプ700と反対側における第1内筒312の軸方向の端部と第1蓋部315とは繋がっていない。上述の第1収容空間内には、例えば、電源用CT部420、電源部440、電流測定部540および無線部600が収容されている。
このように、第1収容部310が二重筒構造を有していることで、第1収容部310内への雨水の浸入を抑制することができる。また、電源部440、電流測定部540および無線部600を、電源用CT部420とともに第1収容部310内に収容することで、これらを接続する配線を短くすることができる。また、第2収容部320内の電流測定用CT部520が比較的重いため、比較的軽い電源用CT部420が収容される第1収容部310内に、電源部440、電流測定部540および無線部600を集約することで、第1収容部310と第2収容部320との重量バランスを向上させることができる。
なお、第1収容部310内のうち、電源用CT部420、電源部440、電流測定部540、および無線部600以外の隙間には、充填材(不図示)が充填されている。充填材は、例えば、シリコーンゴムなどである。これにより、第1収容部310内の防水性を向上させることができる。
図6および図7に示すように、本実施形態では、第1収容部310内には、例えば、電源用CT部420がクランプ700寄りに配置されている。具体的には、電源用CT部420は、例えば、第1収容部310内で、電源部440、電流測定部540および無線部600よりもクランプ700に近い位置に配置されている。上述のように、電源用CT部420が有する電源用コア422は、磁性体からなり、他の部材に比較して重くなっている。電源用CT部420をクランプ700に近づけることで、電源用コア422の重力に起因して第1収容部310に加わるトルクを小さくすることができる。
図4および図5に示すように、本実施形態では、第1収容部310の第1外筒314は、例えば、電源用CT部420の径方向の位置を調整する複数の調整ネジ314aを有している。調整ネジ314aは、例えば、複数設けられている。複数の調整ネジ314aは、例えば、第1収容部310の中心軸を中心として対称に配置されている。このような複数の調整ネジ314aを調整することで、電源用CT部420の径方向の位置を精度よく調整することができる。
図6に示すように、本実施形態では、第1収容部310の第1上側半割部318内には、電源部440が収容されている。電源部440を構成する回路基板は、例えば、第1上側半割部318の形状に倣って半円弧状に設けられている。
一方で、図6および図7に示すように、本実施形態では、第1収容部310の第1下側半割部316内には、電流測定部540および無線部600を構成する回路基板が収容されている。電流測定部540および無線部600を構成する回路基板は、例えば、第1下側半割部316の形状に倣って半円弧状に設けられている。
このように、第1上側半割部318内に電源部440を集約し、第1下側半割部316内に電流測定部540および無線部600を集約することで、第1上側半割部318および第1下側半割部316の間で(これらを跨いで)接続する配線を少なくすることができる。
図1、図3~図6に示すように、本実施形態では、第1収容部310の第1下側半割部316から外側に突出するように、無線部600のアンテナ620が設けられている。このように無線部600およびアンテナ620が第1下側半割部316に設けられていることで、地上の受信対象(例えば地上の作業員が所持するリーダ等)に対して各種データを安定的に送信することができる。
図6および図7に示すように、本実施形態では、第1電線挿通孔311のクランプ700と反対側の端部における直径は、例えば、第1電線挿通孔311のクランプ700側の端部における直径よりも大きい。これにより、たとえ電線100が撓んでいたとしても、第1内筒312のクランプ700と反対側の端部(または第1蓋部315)がクランプ700と接触することを抑制することができる。
図6および図7に示すように、本実施形態では、第1内筒312は、例えば、軸方向に分離された第1分離部312aを有している。具体的には、例えば、クランプ700と反対側における第1内筒312の軸方向の端部と第1蓋部315との間に、第1分離部312aが設けられている。第1分離部312aは、例えば、第1内筒312の軸方向の一部において第1内筒312の全周に亘って環状に設けられている。なお、第1分離部312aには、絶縁部材(例えば絶縁性樹脂、不図示)が嵌め込まれていてもよい。このような構造により、第1内筒312の軸方向の一方と他方(第1蓋部315)とは、互いに離間され、絶縁されている。これにより、電源用CT部420による発電効率の低下を抑制することができる。
図1、図3~図8に示すように、本実施形態では、第1外筒314は、例えば、リード線挿通管319を有している。リード線挿通管319内には、温度センサ部200に接続されるリード線280が挿通されている。リード線挿通管319は、例えば、Alなどの金属を含んでいる。これにより、リード線挿通管319によりリード線280と第1外筒314との交差部分を保護し、リード線280の過度な屈曲を抑制することができる。
[第2収容部]
図1~図8に示すように、第2収容部320は、例えば、上述のように、電流測定用CT部520を電線100の外側に収容している。
第2収容部320は、例えば、第1収容部310と同様の金属からなっている。これにより、第1収容部310を構成する金属による効果と同様の効果を、第2収容部320においても得ることができる。
また、本実施形態の第2収容部320は、例えば、軸方向に沿って半割りされている。第2収容部320が軸方向に沿って半割りされた一対の第2半割部のうち、鉛直下側に配置される第2半割部を「第2下側半割部326」とし、鉛直上側に配置される第2半割部を「第2上側半割部328」とする。
図6および図7に示すように、第2下側半割部326は、例えば、測定用下部半割コア523dを収容している。一方で、第2上側半割部328は、例えば、測定用上部半割コア523uを収容している。第2上側半割部328は、例えば、第2下側半割部326に対して開閉可能に構成されている。第2下側半割部326および第2上側半割部328は、電線100を挟んで互いに対向するように配置される。互いに対向するように配置された第2下側半割部326および第2上側半割部328の内部では、測定用下部半割コア523dおよび測定用上部半割コア523uが断面中心軸を互いに一致させて結合される。
図1、図3~図5に示すように、本実施形態では、第2下側半割部326および第2上側半割部328は、例えば、少なくとも4点でネジ締結されている。第2収容部320のネジ締結の態様は、第2収容部320の軸方向における鍔部327の位置が鍔部317の位置と若干異なる点を除いて、第1収容部310のネジ締結の態様と同様である。このような構成により、測定用下部半割コア523dおよび測定用上部半割コア523uを精度よく結合させつつ、第2下側半割部326および第2上側半割部328を安定的に連結することができる。
図6および図7に示すように、本実施形態の第2収容部320は、例えば、第1収容部310と同様に、二重筒構造を有している。具体的には、第2収容部320は、例えば、第2内筒322と、第2外筒324と、第2蓋部325と、を有している。第2内筒322は、例えば、第2電線挿通孔321を有している。第2電線挿通孔321内には、径方向に間隔をあけて、電線100が挿通される。第2外筒324は、第2内筒322の外周を囲むように設けられ、第2内筒322と自身との間に第2収容空間(符号不図示)を形成している。第2蓋部325は、第2外筒324の軸方向の両端部のそれぞれに設けられ(溶接され)、第2収容空間を塞いでいる。なお、本実施形態では、クランプ700側の第2内筒322の軸方向の端部と第2蓋部325とは繋がっているが、後述のように、クランプ700と反対側における第2内筒322の軸方向の端部と第2蓋部325とは繋がっていない。上述の第2収容空間内には、例えば、電流測定用CT部520が収容されている。
このように、第2収容部320が二重筒構造を有していることで、第2収容部320内への雨水の浸入を抑制することができる。
なお、第2収容部320内のうち、電流測定用CT部520以外の隙間には、第1収容部310と同様に、充填材(不図示)が充填されている。
図1、図3~図8に示すように、本実施形態では、第2収容部320のサイズは、第1収容部310のサイズと異なっている。具体的には、本実施形態の第2収容部320のサイズは、第1収容部310のサイズよりも大きい。すなわち、第2外筒324の直径は、第1外筒314の直径よりも大きい。なお、第2内筒322の直径は、第1内筒312の直径と同等である。これにより、第2収容部320の第2収容空間の容積は、第1収容空間の第1収容空間の容積よりも大きくなっている。その結果、電源用コア422よりも大きい測定用コア522を、第2収容部320内に安定的に収容することができる。
図6および図7に示すように、本実施形態では、第2収容部320内には、例えば、電流測定用CT部520がクランプ700寄りに配置されている。具体的には、電流測定用CT部520は、例えば、第2収容部320内で、配線などの他の部材よりもクランプ700に近い位置に配置されている。電流測定用CT部520をクランプ700に近づけることで、測定用コア522の重力に起因して第2収容部320に加わるトルクを小さくすることができる。
図4および図5に示すように、本実施形態では、第2収容部320の第2外筒324は、例えば、電流測定用CT部520の径方向の位置を調整する複数の調整ネジ324aを有している。第2外筒324における調整ネジ324aの配置は、第2外筒324の軸方向の位置が異なる点を除いて、第1外筒314における調整ネジ314aの配置と同様である。このような複数の調整ネジ324aを調整することで、電流測定用CT部520の径方向の位置を精度よく調整することができる。
図6および図7に示すように、本実施形態では、第2電線挿通孔321のクランプ700と反対側の端部における直径は、例えば、第2電線挿通孔321のクランプ700側の端部における直径よりも大きい。これにより、たとえ電線100が撓んでいたとしても、第2内筒322のクランプ700と反対側の端部(または第2蓋部325)がクランプ700と接触することを抑制することができる。
図6および図7に示すように、本実施形態では、第2内筒322は、例えば、軸方向に分離された第2分離部322aを有している。具体的には、例えば、クランプ700と反対側における第2内筒322の軸方向の端部と第2蓋部325との間に、第2分離部322aが設けられている。第2分離部322aは、例えば、第2内筒322の軸方向の一部において第2内筒322の全周に亘って環状に設けられている。なお、第2分離部322aには、絶縁部材(例えば絶縁性樹脂、不図示)が嵌め込まれていてもよい。このような構造により、第2内筒322の軸方向の一方と他方(第2蓋部325)とは、互いに離間され、絶縁されている。これにより、電流測定用CT部520による電流測定精度の低下を抑制することができる。
(クランプ)
図1、図3~図8に示すように、本実施形態のクランプ700は、例えば、第1収容部310と第2収容部320との間に設けられ、第1収容部310および第2収容部320のそれぞれに連結されている。クランプ700は、第1収容部310と第2収容部320との間で電線100を把持し、第1収容部310および第2収容部320を電線100に固定している。
クランプ700は、例えば、電線100の撚線層を構成する金属と同じ金属からなっている。具体的には、クランプ700は、例えば、AlまたはAl合金を含んでいる。これにより、クランプ700と電線100との接触に起因して、電食が生じることを抑制することができる。
クランプ700は、例えば、クランプ下部720と、クランプ上部740と、を有している。クランプ下部720は、例えば、電線100の鉛直下側に配置される。クランプ下部720は、例えば、鉛直上側の中央部に、電線100が嵌合する凹部(符号不図示)を有している。一方で、クランプ上部740は、例えば、電線100の鉛直上側に配置される。クランプ上部740は、例えば、鉛直下側の中央部に、電線100が嵌合する凹部(符号不図示)を有している。クランプ下部720およびクランプ上部740は、例えば、電線100を挟んで互いに対向して配置される。クランプ下部720の凹部と、クランプ上部740の凹部とにより、電線挿通孔710が形成される。クランプ下部720およびクランプ上部740は、例えば、電線挿通孔710内に電線100を挿通させた状態で、互いにネジ締結される。このようにして、クランプ700により電線100を把持することができる。
本実施形態では、クランプ下部720に対して、第1収容部310の第1下側半割部316と、第2収容部320の第2下側半割部326とが(例えばネジ締結により)連結されている。これにより、クランプ700により、第1収容部310の第1下側半割部316と、第2収容部320の第2下側半割部326とを電線100に固定することができる。
一方で、本実施形態では、クランプ上部740と、第1収容部310の第1上側半割部318と、第2収容部320の第2上側半割部328とは、連結されておらず、互いに分離されている。これにより、第1収容部310の第1上側半割部318と、第2収容部320の第2上側半割部328とは、個別に開閉可能になっている。
また、本実施形態では、クランプ700は、例えば、電線100を把持したときに第1内筒312および第2内筒322のそれぞれと電線100との間に所定の間隔があくように、第1収容部310および第2収容部320を連結している。具体的には、クランプ700の電線挿通孔710の直径は、例えば、第1電線挿通孔311の直径および第2電線挿通孔321の直径よりも小さく、電線100の外径に近い。また、クランプ下部720と、第1下側半割部316と、第2下側半割部326とは、電線挿通孔710、第1電線挿通孔311および第2電線挿通孔321が互いの軸を一致させた状態で、連結されている。このような構成により、クランプ700が電線100を把持したときに、第1電線挿通孔311および第2電線挿通孔321のそれぞれの内側と、電線100との間に、所定の間隔を確保することができる。
ここで、クランプ700が電線100を把持することで、クランプ700側における、第1内筒312の軸方向の一端および第2内筒322の軸方向の一端は、クランプ700を介して電線100に接する。これにより、第1収容部310および第2収容部320は、クランプ700を介して電線100に対して電気的に接続される。その結果、クランプ700、第1収容部310および第2収容部320は、電線100と等電位となる。
一方で、クランプ700と反対側における、第1内筒312の軸方向の他端および第2内筒322の軸方向の他端は、上述の構成により、電線100から径方向に離間し、すなわち絶縁されている。これにより、第1内筒312の軸方向の両端、および第2内筒322の軸方向の両端が電線100に電気的に接続されることを抑制することができる。その結果、電線100を流れる電流の迂回路(閉回路)が形成されることを抑制することができる。
また、図6および図8に示すように、本実施形態では、クランプ下部720は、例えば、所定の配線(不図示)が挿通される配線挿通孔721を有している。配線挿通孔721は、例えば、クランプ700の電線挿通孔710の軸方向に沿ってクランプ下部720を貫通している。第1収容部310と第2収容部320との間で、クランプ700の配線挿通孔721内に所定の配線を挿通させることで、第2収容部320内の電流測定用CT部520と、第1収容部310内の電流測定部540および無線部600とを、配線を介して安定的に接続することができる。
なお、第1収容部310の第1下側半割部316と第2収容部320の第2下側半割部326とに連結されたクランプ下部720が、上述の配線挿通孔721を有していることで、第1上側半割部318または第2上側半割部328のいずれかの開閉時に、第1上側半割部318または第2上側半割部328に対して配線が干渉することを抑制することができる。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)第1収容部310の少なくとも一部と、第2収容部320の少なくとも一部とは、互いに分離され、個別に開閉可能に構成されている。これにより、第1収容部310内における電源用CT部420の電源用コア422と、第2収容部320内における電流測定用CT部520の測定用コア522とを、独立して位置調整することができる。具体的には、電源用CT部420の一対の半割コアの断面中心軸を精度よく互いに一致させることができるとともに、電流測定用CT部520の一対の半割コアの断面中心軸を精度よく互いに一致させることができる。また、電源用CT部420の一対の半割コア同士の間において隙間の発生を抑制することができるとともに、電流測定用CT部520の一対の半割コア同士の間において隙間の発生を抑制することができる。このようにして、電源用CT部420の一対の半割コアを精度よく結合させるとともに、電流測定用CT部520の一対の半割コアを精度よく結合させることができる。その結果、電源用CT部420による発電効率を向上させるとともに、電流測定用CT部520による電流測定精度を向上させることが可能となる。
(b)クランプ700は、第1収容部310と第2収容部320との間に設けられ、第1収容部310および第2収容部320の間で電線100を把持している。すなわち、第1収容部310の重心と、第2収容部320の重心との間に、クランプ700の把持点(支持点)を位置させることができる。これにより、クランプ700を介して第1収容部310と第2収容部320とをバランスよく電線100に固定することができる。すなわち、電線物理量測定装置10の構造を重量バランスがとれた構造とし、機構的に安定化させることができる。具体的には、例えば、電線100が振動したとしても、電線物理量測定装置10の姿勢を過度に傾斜させることなく、安定的に維持することができる。
(c)電源用CT部420は、第1収容部310内でクランプ700寄りに配置されている。電源用CT部420が有する電源用コア422は、他の部材に比較して重くなっている。電源用CT部420をクランプ700に近づけることで、電源用コア422の重力に起因して第1収容部310に加わるトルクを小さくすることができる。これにより、第1収容部310により電源用CT部420等を安定的に保持することができる。
また、電流測定用CT部520は、第2収容部320内でクランプ700寄りに配置されている。電流測定用CT部520をクランプ700に近づけることで、測定用コア522の重力に起因して第2収容部320に加わるトルクを小さくすることができる。これにより、第2収容部320により電流測定用CT部520等を安定的に保持することができる。
(d)第1収容部310の第1外筒314は、電源用CT部420の径方向の位置を調整する複数の調整ネジ314aを有している。このような複数の調整ネジ314aを調整することで、電源用CT部420の径方向の位置を精度よく調整することができる。これにより、電源用CT部420の一対の半割コアを容易かつ精度よく結合させることができる。また、複数の調整ネジ314aを調整することで、電源用CT部420の電源用コア422の弧の中心軸と、電線100の軸とを容易に一致させることができる。これらの結果、電源用CT部420による発電効率を向上させることができる。
また、第2収容部320の第2外筒324は、電流測定用CT部520の径方向の位置を調整する複数の調整ネジ324aを有している。このような複数の調整ネジ324aを調整することで、電流測定用CT部520の径方向の位置を精度よく調整することができる。これにより、電流測定用CT部520の一対の半割コアを容易かつ精度よく結合させることができる。また、複数の調整ネジ324aを調整することで、電流測定用CT部520の測定用コア522の弧の中心軸と、電線100の軸とを容易に一致させることができる。これらの結果、電流測定用CT部520による電流測定精度を向上させることができる。
(e)第1収容部310の少なくとも一部と第2収容部320の少なくとも一部とを分離することで、第1収容部310のサイズと、第2収容部320のサイズとを互いに異ならせることができる。これにより、電源用CT部420のサイズおよび電流測定用CT部520のサイズに合わせて、第1収容部310のサイズと第2収容部320のサイズとを任意に設定することができる。
本実施形態では、例えば、測定用コア522が大電流の測定が可能となるように電源用コア422よりも大きいため、第2収容部320のサイズは、第1収容部310のサイズよりも大きくなっている。これにより、電源用コア422よりも大きい測定用コア522を、第2収容部320内に安定的に収容することができる。
(f)クランプ700は、配線挿通孔721を有している。第1収容部310と第2収容部320との間で、クランプ700の配線挿通孔721内に所定の配線を挿通させることで、第2収容部320内の電流測定用CT部520と、第1収容部310内の電流測定部540および無線部600とを、配線を介して安定的に接続することができる。
また、磁性体を含まない金属からなるクランプ700によって、配線挿通孔721内に挿通される配線を遮蔽することができる。これにより、配線挿通孔721内に挿通される配線に対する電線100からの電磁界の影響を抑制することができる。
これらの結果、第2収容部320内の電流測定用CT部520が出力した誘起電圧に基づく信号を、第1収容部310内の電流測定部540および無線部600に向けて、安定的に伝送することができる。
(g)第1電線挿通孔311のクランプ700と反対側の端部における直径は、第1電線挿通孔311のクランプ700側の端部における直径よりも大きい。これにより、たとえ電線100が撓んでいたとしても、第1内筒312のクランプ700と反対側の端部(または第1蓋部315)がクランプ700と接触することを抑制することができる。すなわち、第1内筒312の軸方向の両端が電線100に電気的に接続されることを抑制することができる。その結果、第1収容部310において、電線100を流れる電流の迂回路が形成されることを抑制することができる。
また、第2電線挿通孔321のクランプ700と反対側の端部における直径は、第2電線挿通孔321のクランプ700側の端部における直径よりも大きい。これにより、第1収容部310と同様に、第2収容部320においても、電線100を流れる電流の迂回路が形成されることを抑制することができる。
(3)本開示の一実施形態の変形例
上述の実施形態は、必要に応じて、以下に示す変形例のように変更することができる。以下、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図10および図11を用い、変形例に係る電線物理量測定装置12について説明する。図10および図11は、それぞれ、本実施形態の変形例に係る電線物理量測定装置を示す正面図および左側面図である。
変形例の電線物理量測定装置12では、第2収容部320に係る連結態様が、上述の実施形態と異なっている。
図10および図11に示すように、変形例の電線物理量測定装置12では、通常時のクランプ700には、例えば、電流測定用CT部520を電線100の外側に収容する第2収容部320が連結されていない。その一方で、クランプ700は、例えば、第2収容部320を第1収容部310から独立して連結可能に構成されている。
なお、言い換えれば、上述の実施形態におけるクランプ700が第2収容部320を取り外し可能に連結していると考えてもよい。
具体的には、クランプ700のクランプ下部720は、例えば、第2収容部320の第2下側半割部326がネジ締結(不図示)により連結可能になっている。一方で、第1収容部310は、第2収容部320に対するネジ締結部を有さず、第2収容部320が連結されないようになっている。これにより、第2収容部320を、第1収容部310から独立してクランプ700に連結することができる。
また、クランプ下部720は、例えば、配線挿通孔721を有している。これにより、クランプ700に第2収容部320が連結されたときに、第1収容部310と第2収容部320との間で、クランプ700の配線挿通孔721内に所定の配線を挿通させ、第2収容部320内の電流測定用CT部520と、第1収容部310内の電流測定部540および無線部600とを、配線を介して安定的に接続することができる。
(効果)
(a)本変形例によれば、クランプ700は、第2収容部320を第1収容部310から独立して連結可能に構成されている。これにより、第1収容部310の少なくとも一部と、第2収容部320の少なくとも一部とを、互いに分離した状態で、個別に開閉することができる。その結果、電源用CT部420による発電効率を向上させることができるとともに、第2収容部320をクランプ700に連結した場合に、電流測定用CT部520による電流測定精度を向上させることが可能となる。
(b)通常時のクランプ700には、電流測定用CT部520を収容する第2収容部320が連結されていない。これにより、電線100の電流を測定することが不要な箇所に、電線物理量測定装置12を好適に設置することができる。その結果、最小限の部品で電線物理量測定装置12を構成し、電線物理量測定装置12のコストを低減することができる。
一方で、電線物理量測定装置12を設置した後に、電線100の電流を測定することが必要となったときに、電流測定用CT部520を収容する第2収容部320をクランプ700に連結することができる。すなわち、本変形例では、電線物理量測定の必要性に応じて、連結態様を適宜選択することが可能となる。
(c)本変形例の電線物理量測定装置12は、電流測定可能な上述の実施形態の電線物理量測定装置10と共通の部品を有している。これにより、電線物理量測定装置10および電線物理量測定装置12を含むシステム全体としての製造コストを低減することができる。
<本開示の他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、第1下側半割部316と第2下側半割部326とがクランプ700を介して連結され、第1上側半割部318と第2上側半割部328とが互いに分離されている場合について説明したが、この場合に限られない。第1下側半割部316および第1上側半割部318のうち少なくともいずれかと、第2下側半割部326および第2上側半割部328のうち少なくともいずれかとが、互いに分離され、個別に開閉可能に構成されていればよい。具体的には、例えば、第1上側半割部318と第2上側半割部328とがクランプ700を介して連結され、第1下側半割部316と第2下側半割部326とが互いに分離されていてもよい。ただし、上述の実施形態のように、第1下側半割部316と第2下側半割部326とがクランプ700を介して連結されていたほうが、電線物理量測定装置10を電線100に取り付ける作業を容易に行うことができる。
上述の実施形態では、電源用コア422、測定用コア522、第1収容部310および第2収容部320がそれぞれ軸方向に沿って半割り(2つに分割)されている場合について説明したが、この場合に限られない。電源用コア422、測定用コア522、第1収容部310および第2収容部320がそれぞれ軸方向に沿って3つ以上に分割されていてもよい。ただし、上述の実施形態のように、これらがそれぞれ半割りされていたほうが、電線物理量測定装置10を電線100に取り付ける作業を容易に行うことができる。
上述の実施形態では、クランプ700が第1収容部310と第2収容部320との間に設けられている場合について説明したが、この場合に限られない。クランプ700が第1収容部310および第2収容部320のうち少なくともいずれか一方に連結されていれば、クランプ700が第1収容部310と第2収容部320との間に設けられていなくてもよい。具体的には、クランプ700、第1収容部310の一部および第2収容部320の一部がこの順で連結されていたり、クランプ700、第2収容部320の一部および第1収容部310の一部がこの順で連結されていたりしてもよい。なお、これらの場合であっても、第1収容部310の少なくとも一部と第2収容部320の少なくとも一部は互いに分離されている必要がある。
上述の実施形態では、クランプ700が配線挿通孔721を有している場合について説明したが、この場合に限られない。クランプ700の外側において、第1収容部310と第2収容部320との間で電流測定用CT部520と電流測定部540および無線部600とを接続することができれば、クランプ700は、必ずしも配線挿通孔721を有していなくてもよい。ただし、電磁界からの配線の遮蔽性を得るには、上述の実施形態が好ましい。
上述の実施形態では、第1収容部310のサイズと第2収容部320のサイズとが互いに異なる場合について説明したが、この場合に限られない。第1収容部310のサイズと第2収容部320のサイズとを互いに等しくしてもよい。これにより、第1収容部310と第2収容部320との重量バランスを向上させることができる。また、第1収容部310と第2収容部320とを共通の部品で構成することができ、これらの製造コストを低減することができる。
上述の実施形態では、第2収容部320のサイズが第1収容部310のサイズよりも大きい場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、電源用コア422が測定用コア522よりも大きい場合には、第1収容部310のサイズが第2収容部320のサイズよりも大きくなっていてもよい。
上述の実施形態では、温度センサ部200が熱電対を有している場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、温度センサ部200は、温度に応じて抵抗が変化するサーミスタを有していてもよい。
上述の実施形態では、クランプ700が上下2分割されている場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、クランプ700は、断面C字状に構成されていてもよい。
上述の実施形態では、クランプ700のクランプ下部720が第1下側半割部316および第2下側半割部326にネジ締結により連結されている場合について説明したが、この場合に限られない。クランプ700のクランプ下部720は、第1下側半割部316および第2下側半割部326に溶接により連結されていてもよい(ただし変形例除く)。
上述の実施形態では、電線物理量測定装置10が、電線100の物理量として電線100に流れる電流および電線100の温度を測定するよう構成されている場合について説明したが、この場合に限られない。電線物理量測定装置10は、電線100に流れる電流および電線100の温度以外の他の物理量も測定するよう構成されていてもよい。他の物理量としては、例えば、電線100の振動、電線100の弛度などが挙げられる。
上述の実施形態では、無線部600がバケツリレー方式で各種データを伝送するよう構成されている場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、無線部600が長距離伝送可能に構成されていれば、無線部600は、データ集約伝送装置または電気事業者に対して各種データを直接送信するよう構成されていてもよい。
<本開示の好ましい態様>
以下、本開示の好ましい態様を付記する。
(付記1)
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部のうち少なくともいずれか一方に連結され、前記電線を把持するクランプと、
を備え、
前記第1収容部の少なくとも一部と、前記第2収容部の少なくとも一部とは、個別に開閉可能に構成されている
電線物理量測定装置。
(付記2)
前記クランプは、前記第1収容部と前記第2収容部との間に設けられている
付記1に記載の電線物理量測定装置。
(付記3)
前記電源用カレントトランス部および前記電流測定用カレントトランス部に接続され、前記電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて測定された前記電線の電流データを、前記電源用カレントトランス部からの前記電力により無線で外部に送信する無線部を備え、
前記第1収容部は、前記電源用カレントトランス部とともに前記無線部を収容し、
前記クランプは、前記第1収容部と前記第2収容部との間で前記電流測定用カレントトランス部と前記無線部とを接続する配線が挿通される配線挿通孔を有する
付記2に記載の電線物理量測定装置。
(付記4)
前記電源用カレントトランス部は、前記第1収容部内で前記クランプ寄りに配置されている
付記1から付記3のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記5)
前記電流測定用カレントトランス部は、前記第2収容部内で前記クランプ寄りに配置されている
付記1から付記4のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記6)
前記第1収容部は、前記電源用カレントトランス部の径方向の位置を調整する複数の調整ネジを有する
付記1から付記5のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記7)
前記第2収容部は、前記電流測定用カレントトランス部の径方向の位置を調整する複数の調整ネジを有する
付記1から付記6のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記8)
前記第1収容部のサイズと前記第2収容部のサイズとは、互いに異なる
付記1から付記7のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記9)
前記第1収容部のサイズと前記第2収容部のサイズとは、互いに等しい
付記1から付記7のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記10)
前記第1収容部は、前記電線が挿通される第1電線挿通孔を有し、
前記第1電線挿通孔の前記クランプと反対側の端部における直径は、前記第1電線挿通孔の前記クランプ側の端部における直径よりも大きい
付記1から付記9のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記11)
前記第2収容部は、前記電線が挿通される第2電線挿通孔を有し、
前記第2電線挿通孔の前記クランプと反対側の端部における直径は、前記第2電線挿通孔の前記クランプ側の端部における直径よりも大きい
付記1から付記10のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記12)
前記電源用カレントトランス部は、磁性体を含み前記電線を囲むように環状に配置される一対の電源用半割コアを有し、
前記電流測定用カレントトランス部は、磁性体を含み前記電線を囲むように環状に配置される一対の測定用半割コアを有し、
前記第1収容部は、前記一対の電源用半割コアをそれぞれ収容する一対の第1半割部を有し、
前記第2収容部は、前記一対の測定用半割コアをそれぞれ収容する一対の第2半割部を有し、
前記第1収容部の少なくとも一方の第1半割部と、前記第2収容部の少なくとも一方の第2半割部とは、互いに分離されている
付記1から付記11のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記13)
前記一対の第1半割部は、少なくとも4箇所でネジ締結されている
付記12に記載の電線物理量測定装置。
(付記14)
前記一対の第2半割部は、少なくとも4箇所でネジ締結されている
付記12又は付記13に記載の電線物理量測定装置。
(付記15)
前記一対の測定用半割コアは、少なくとも2つの単位コアを有し、
前記2つの単位コアは、弧の中心軸を互いに一致させて接着層を介して接着された後に軸方向に沿って半割りされた痕跡を有する
付記12から付記14のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記16)
前記第1収容部は、
前記電線が挿通される第1内筒と、
前記第1内筒の外周を囲むように設けられ、前記第1内筒と自身との間に前記電源用カレントトランス部を収容する第1外筒と、
を有し、
前記第1内筒は、軸方向に分離された第1分離部を有する
付記1から付記15のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記17)
前記第2収容部は、
前記電線が挿通される第2内筒と、
前記第2内筒の外周を囲むように設けられ、前記第2内筒と自身との間に前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2外筒と、
を有し、
前記第2内筒は、軸方向に分離された第2分離部を有する
付記1から付記16のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記18)
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記第1収容部に連結され、前記電線を把持するクランプと、
を備え、
前記クランプは、電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部を、前記第1収容部から独立して連結可能に構成されている
電線物理量測定装置。
(付記19)
電力を伝送する電線と、
前記電線へ電力を供給する電力供給源と、
前記電線の軸方向に沿って所定の間隔で配置され、それぞれ前記電線の物理量を測定し、測定した前記電線の物理量データをバケツリレー方式で伝送する複数の電線物理量測定装置と、
前記複数の電線物理量測定装置から伝送された前記電線の物理量データを集約し、集約した前記電線の物理量データを前記電力供給源に伝送するデータ集約伝送装置と、
を有し、
前記電力供給源は、前記電線の物理量データに基づいて前記電線への送電容量を制御し、
前記複数の電線物理量測定装置のそれぞれは、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部のうち少なくともいずれか一方に連結され、前記電線を把持するクランプと、
を備え、
前記第1収容部の少なくとも一部と、前記第2収容部の少なくとも一部とは、個別に開閉可能に構成されている
電力伝送システム。
10 電線物理量測定装置
12 電線物理量測定装置
100 電線
200 温度センサ部
280 リード線
310 第1収容部
311 第1電線挿通孔
312 第1内筒
312a 第1分離部
314 第1外筒
314a 調整ネジ
315 第1蓋部
316 第1下側半割部
317 鍔部
318 第1上側半割部
319 リード線挿通管
320 第2収容部
321 第2電線挿通孔
322 第2内筒
322a 第2分離部
324 第2外筒
324a 調整ネジ
325 第2蓋部
326 第2下側半割部
327 鍔部
328 第2上側半割部
420 電源用CT部
422 電源用コア
423d 電源用下部半割コア
423u 電源用上部半割コア
424 電源用コイル
440 電源部
520 電流測定用CT部
522 測定用コア
523d 測定用下部半割コア
523u 測定用上部半割コア
524 測定用コイル
540 電流測定部
600 無線部
620 アンテナ
700 クランプ
710 電線挿通孔
720 クランプ下部
721 配線挿通孔
740 クランプ上部

Claims (13)

  1. 電線を囲むように配置された電源用コアを有し、前記電線に流れる電流によって前記電源用コアに生じる磁束の変化に基づいて、電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
    前記電線を囲むように配置された測定用コアを有し前記測定用コアに生じる磁束の変化に基づいて、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
    前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
    前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
    前記第1収容部と前記第2収容部との間に設けられ、前記第1収容部および前記第2収容部の両方に連結され、前記電線を把持するクランプと、
    を備え、
    前記第1収容部の少なくとも一部と、前記第2収容部の少なくとも一部とは、個別に開閉可能に構成され
    前記電源用コアと前記測定用コアとは、前記クランプが前記電線を把持した状態で、互いに独立して位置調整可能に構成されている
    電線物理量測定装置。
  2. 前記電源用カレントトランス部および前記電流測定用カレントトランス部に接続され、前記電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて測定された前記電線の電流データを、前記電源用カレントトランス部からの前記電力により無線で外部に送信する無線部を備え、
    前記第1収容部は、前記電源用カレントトランス部とともに前記無線部を収容し、
    前記クランプは、前記第1収容部と前記第2収容部との間で前記電流測定用カレントトランス部と前記無線部とを接続する配線が挿通される配線挿通孔を有する
    請求項に記載の電線物理量測定装置。
  3. 前記電源用カレントトランス部は、前記第1収容部内で前記クランプ寄りに配置されている
    請求項1または請求項2に記載の電線物理量測定装置。
  4. 前記電流測定用カレントトランス部は、前記第2収容部内で前記クランプ寄りに配置されている
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電線物理量測定装置。
  5. 前記第1収容部は、前記電源用カレントトランス部の径方向の位置を調整する複数の調整ネジを有する
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電線物理量測定装置。
  6. 前記第2収容部は、前記電流測定用カレントトランス部の径方向の位置を調整する複数の調整ネジを有する
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電線物理量測定装置。
  7. 前記第1収容部のサイズと前記第2収容部のサイズとは、互いに異なる
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電線物理量測定装置。
  8. 前記第1収容部のサイズと前記第2収容部のサイズとは、互いに等しい
    請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電線物理量測定装置。
  9. 前記電流測定用カレントトランス部に接続され、該電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて前記電線に流れる電流を測定する電流測定部を備え、
    前記第1収容部は、前記電源用カレントトランス部とともに前記電流測定部を収容している
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電線物理量測定装置。
  10. 前記第1収容部は、
    前記電線が挿通される第1内筒と、
    前記第1内筒の外周を囲むように設けられ、前記第1内筒と自身との間に前記電源用カレントトランス部を収容する第1外筒と、
    を有し、
    前記第1内筒は、軸方向に分離された第1分離部を有する
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電線物理量測定装置。
  11. 前記第2収容部は、
    前記電線が挿通される第2内筒と、
    前記第2内筒の外周を囲むように設けられ、前記第2内筒と自身との間に前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2外筒と、
    を有し、
    前記第2内筒は、軸方向に分離された第2分離部を有する
    請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電線物理量測定装置。
  12. 電線を囲むように配置された電源用コアを有し、前記電線に流れる電流によって前記電源用コアに生じる磁束の変化に基づいて、電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
    前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
    前記第1収容部に連結され、前記電線を把持するクランプと、
    を備え、
    前記クランプは、電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部を、当該クランプを挟んで前記第1収容部と反対の位置に、前記第1収容部から独立して連結可能に構成され
    前記第1収容部の少なくとも一部は、前記第2収容部の少なくとも一部とは個別に開閉可能に構成され、
    前記電源用コアは、前記クランプが前記電線を把持した状態で、前記電流測定用カレントトランス部から独立して位置調整可能に構成されている
    電線物理量測定装置。
  13. 前記第1収容部は、
    前記電線が挿通される第1内筒と、
    前記第1内筒の外周を囲むように設けられ、前記第1内筒と自身との間に前記電源用カレントトランス部を収容する第1外筒と、
    を有し、
    前記第1内筒は、軸方向に分離された第1分離部を有する
    請求項12に記載の電線物理量測定装置。
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