JP2023167279A - 電線物理量測定装置 - Google Patents

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侑史 梅村
Yuji Umemura
治 酒井
Osamu Sakai
隆一 佐々木
Ryuichi Sasaki
雅樹 三田
Masaki Mita
栄治 東
Eiji Azuma
成美 岩間
Shigemi Iwama
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Abstract

【課題】電線物理量測定装置を小型化する。【解決手段】電線物理量測定装置は、電線を囲むように配置され、電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、電線を囲むように配置され、電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、電源用カレントトランス部および電流測定用カレントトランス部に接続され、電流測定用カレントトランス部が出力した誘起電圧に基づいて測定された電線の電流データを、電源用カレントトランス部からの電力により無線で外部に送信する無線部と、電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、第1収容部および第2収容部の間で、第1収容部および第2収容部を連結しつつ、電線を把持するクランプと、クランプの鉛直下に設けられ、少なくとも無線部を収容する下側収容部と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、電線物理量測定装置に関する。
電線の温度や電線に流れる電流などの物理量を測定するため、電線に対して電線物理量測定装置が取り付けられることがある。電線物理量測定装置は、例えば、電線を囲むように配置されるカレントトランス部を有する。当該カレントトランス部を用いることで、電線に流れる電流に基づいて生じる磁界からの電磁誘導により、所定の電力を得たり、電線に流れる電流を測定したりすることができる(例えば、特許文献1)。
特開2021-124320号公報
本開示の目的は、電線物理量測定装置を小型化することである。
本開示の一態様によれば、
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部および前記電流測定用カレントトランス部に接続され、前記電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて測定された前記電線の電流データを、前記電源用カレントトランス部からの前記電力により無線で外部に送信する無線部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部の間で、前記第1収容部および前記第2収容部を連結しつつ、前記電線を把持するクランプと、
前記クランプの鉛直下に設けられ、少なくとも前記無線部を収容する下側収容部と、
を備える
電線物理量測定装置が提供される。
本開示によれば、電線物理量測定装置を小型化することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示す左側面図である。 図2は、本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示す正面図である。 図3は、本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示す平面図である。 図4は、図2のA-A’線断面図である。 図5は、図2のB-B’線断面図である。 図6は、図5のC-C’線断面図である。 図7は、本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置を示すブロック図である。 図8は、電源用カレントトランス部または電流測定用カレントトランス部を示す概略図である。
[本開示の実施形態の説明]
<発明者の得た知見>
まず、発明者の得た知見について説明する。
電線物理量測定装置は、例えば、電力を発生させる電源用カレントトランス部と、電流を測定するための電流測定用カレントトランス部と、を有することがある(以下、カレントトランス部を「CT部」と略すことがある)。
これまで、発明者等は、例えば、特許文献1に記載された装置を採用していた。特許文献1の構成では、電源用CT部と、電流測定用CT部とが、電線を把持するクランプを挟んで配置された第1収容部および第2収容部に、それぞれ収容されていた。
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、以下の課題が生じていた。
(i)特許文献1の構成では、測定された電流などの物理情報を無線で外部に送信する無線部が、電源用CT部とともに第1収容部内に収容されていた。このため、第1収容部のサイズが大きくなっていた。その結果、電線の軸方向における電線物理量測定装置全体としての長さが長くなっていた。
(ii)特許文献1の構成では、第2収容部内の電流測定用CT部からクランプを通って第1収容部内の無線部に向けて、配線を接続していた。このため、配線が長くなる傾向にあった。その結果、配線の引き回しが複雑になっていた。
また、電線物理量測定装置が電線に対して直接取り付けられるため、電線における高電圧および大電流に基づいて、配線において静電誘導または電磁誘導が引き起こされ、電流測定時のノイズが発生する場合があった。上述のように電流測定用CT部と無線部との間の配線が長い状況下では、当該ノイズの影響が大きくなる傾向にあった。
(iii)特許文献1の構成では、半割された第1収容部内に、電源用CT部と、無線部の回路基板とが収容されていた。当該半割された第1収容部内の防水性を確保するため、電源用CT部および無線部の回路基板を除く収容空間内には、充填材が充填されていた。しかしながら、無線部の回路基板への配線接続のため、第1収容部内における収容空間が広くなっていた。このため、収容空間を埋める充填材の量が増加し、第1収容部の重量が重くなっていた。その結果、電線物理量測定装置全体としての重量が重くなっていた。
(iv)特許文献1の構成では、電源用CT部を収容する第1収容部が電線を囲むように構成されていたため、第1収容部の形状が円環状(ドーナツ状)となっていた。このため、第1収容部内に配置された無線部の回路基板の形状が、汎用的な四角形ではなく、第1収容部の形状に合わせた円環状となっていた。その結果、無線部の回路基板の設計が複雑となり、当該無線部に係るコストが増加する傾向にあった。
そこで、発明者等は、電線物理量測定装置において無線部を収容する態様を改良することで、上記新規課題を解決する構成を見出した。
本開示は、発明者等が見出した上記新規課題に基づくものである。
<本開示の実施態様>
次に、本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の一態様に係る電線物理量測定装置は、
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部および前記電流測定用カレントトランス部に接続され、前記電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて測定された前記電線の電流データを、前記電源用カレントトランス部からの前記電力により無線で外部に送信する無線部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部の間で、前記第1収容部および前記第2収容部を連結しつつ、前記電線を把持するクランプと、
前記クランプの鉛直下に設けられ、少なくとも前記無線部を収容する下側収容部と、
を備える。
この構成によれば、電線物理量測定装置を小型化することができる。
[2]上記[1]に記載の電線物理量測定装置において、
前記下側収容部内には、樹脂を含む充填剤が充填されていない。
この構成によれば、電線物理量測定装置を軽量化することができる。
[3]上記[1]または[2]に記載の電線物理量測定装置において、
前記下側収容部の内部形状は、直方体である。
この構成によれば、下側収容部内に収容する無線部を構成する回路基板の形状を、汎用的な四角形とすることができる。
[4]上記[1]から[3]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記下側収容部は、
前記第1収容部および前記第2収容部の間で、前記クランプの鉛直下に連結された筐体と、
前記無線部を載置した状態で、前記電線と交差する方向にスライドさせ、前記筐体内に前記無線部を収容可能なスライド部と、
を有する。
この構成によれば、下側収容部の筐体内に、無線部を容易に収容することができる。
[5]上記[1]から[4]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記クランプは、前記電線を把持したときに、前記第1収容部および前記第2収容部が前記電線に接触しないように、前記第1収容部および前記第2収容部を連結している。
この構成によれば、電線を流れる電流の迂回路(閉回路)が形成されることを抑制することができる。
[6]上記[1]から[5]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記下側収容部は、前記第1収容部および前記第2収容部の鉛直下に設けられておらず、
前記下側収容部が有する少なくとも一部の角部は、前記第1収容部および前記第2収容部よりも外側に突出していない。
この構成によれば、下側収容部の角部に起因した放電を抑制することができる。
[7]上記[1]から[6]のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置において、
前記クランプは、
前記電線の鉛直上に配置されるクランプ上部と、
前記下側収容部と連結され、前記電線を挟んで前記クランプ上部と対向するように配置されるクランプ下部と、
を有し、
前記クランプ下部は、当該クランプ下部と前記クランプ上部とを締結するボルトを、前記クランプの側方から挿入可能なボルト挿入孔を有する。
この構成によれば、ボルトを下側収容部に干渉させることなく、クランプ下部のボルト挿入孔内にボルトを容易に挿入することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示の一実施形態を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<本開示の一実施形態>
(1)電線物理量測定装置
本開示の一実施形態に係る電線物理量測定装置10について、図1~図8を参照して説明する。なお、各図において、各部同士を接続する配線を省略している。図1、図2、図4および図8以外の図面において、電線100を省略している。図5においては、鍔部317および鍔部327を省略している。
以下において、電線100または電線物理量測定装置10の「軸方向」とは、電線100、電線挿通孔710の中心軸に沿った方向のことをいい、場合によっては電線100または電線物理量測定装置10の長手方向と言い換えることができる。電源用コア422または測定用コア522の「軸方向」とは、電源用コア422または測定用コア522が構成する弧の中心軸に沿った方向のことをいう。また、電線100または電線物理量測定装置10の「径方向」とは、電線100、または電線挿通孔710の軸方向に垂直な方向のことをいい、場合によっては電線100または電線物理量測定装置10の短手方向と言い換えることができる。また、電線100または電線物理量測定装置10の「周方向」とは、電線100の外周に沿った方向、または電線挿通孔710の内周に沿った方向のことをいう。
図1~図8に示すように、本実施形態の電線物理量測定装置10は、例えば、電線100に取り付けられ、電線100の物理量を測定するよう構成されている。具体的には、電線物理量測定装置10は、例えば、電源用カレントトランス部(電源用CT部、発電用CT部)420と、電源部(電源用回路)440と、電流測定用カレントトランス部(電流測定用CT部)520と、電流測定部(電流測定用回路)540と、温度センサ部200と、無線部(送受信部、通信部)600と、第1収容部310と、第2収容部320と、クランプ(把持部)700と、下側収容部800と、を有している。
以下、各部の収容態様および連結態様以外の構成について、説明する。
(電線)
本実施形態において、測定対象となる電線100は、例えば、いわゆる架空送電線として構成されている。具体的には、電線100は、例えば、鋼心アルミ撚線(ACSR)である。この場合、電線100は、例えば、架線時の張力を負担する中心部と、中心部の外周を覆うように複数の素線が撚り合わせられて設けられ、送電時の電流を流す導体として構成される撚線層と、を有している。中心部を構成する素線は、例えば、アルミ覆鋼線(AC線)である。撚線層を構成する素線は、例えば、アルミニウム(Al)またはAl合金を含んでいる。
(電源用カレントトランス部)
図4、図5、図7および図8に示すように、電源用CT部420は、例えば、電線100を囲むように環状に配置される。電源用CT部420は、例えば、電線100に流れる電流に基づいて電線100の周囲に生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させるように構成されている。
具体的には、図8に示すように、本実施形態の電源用CT部420は、例えば、電源用コア422と、電源用コイル424と、を有している。電源用コア422は、例えば、電線100の外周を囲むように環状(円弧状、楕円弧状)に配置される。また、電源用コア422は、フェライトなどの磁性体を含んでいる。電源用コイル424は、電源用コア422の少なくとも一部に巻回されている。このような構成により、電線100に流れる電流によって電線100の周囲で電源用コア422に生じる磁束の変化に基づいて、電磁誘導により電源用コイル424に誘導電流を生じさせることができる。
本実施形態の電源用コア422は、例えば、軸方向に沿って半割りされている。ここでいう「軸方向に沿って半割りされている」とは、電源用コア422が構成する弧の中心軸を含む平面、または当該中心軸と平行な平面で2つに分断されていることをいう。以下、他の部材が「軸方向に沿って半割りされている」場合における定義も、上述の定義と同様である。
(電源部)
図7に示すように、電源部440は、例えば、電源用CT部420に接続され、該電源用CT部420で発生した電力を、後述の無線部600に適した電力に変換して該無線部600に供給するよう構成されている。具体的には、電源部440は、例えば、電源用CT部420で発生した交流電力を無線部600に適した直流電力に変換するよう構成されている。また、電源部440は、例えば、電源用CT部420で発生した電圧を無線部600に適した電圧に変圧するよう構成されている。
(測定用カレントトランス部)
図4、図5、図7および図8に示すように、電流測定用CT部520は、例えば、電線100を囲むように環状に配置されている。電流測定用CT部520は、例えば、電線100に流れる電流に応じた誘導電圧を出力するよう構成されている。
具体的には、図8に示すように、本実施形態の電流測定用CT部520は、上述の電源用CT部420とほぼ同様に構成され、例えば、測定用コア522と、測定用コイル524と、を有している。このような構成により、電線100に流れる電流によって電線100の周囲で測定用コア522に生じる磁束の変化に基づいて、電磁誘導により測定用コイル524に誘起電圧を生じさせることができる。
本実施形態の測定用コア522は、電源用コア422と同様に、例えば、軸方向に沿って半割りされている。
図4および図5に示すように、本実施形態の測定用コア522は、例えば、電源用コア422よりも大きい。このように相対的に大きい測定用コア522を用いることにより、大電流を測定することができる。
(電流測定部)
図7に示すように、電流測定部540は、例えば、電流測定用CT部520に接続され、該電流測定用CT部520が出力した誘導電圧に基づいて電線100に流れる電流を測定するよう構成されている。以下、電流測定部540が測定した電線100の電流に係る情報を「電流データ」という。
(温度センサ部)
図1および図7に示すように、温度センサ部200は、例えば、電線100に接し、該電線100の温度を測定するよう構成されている。具体的には、温度センサ部200は、例えば、温度に応じた電圧を出力する熱電対を有している。以下、温度センサ部200が測定した電線100の温度に係る情報を「温度データ」という。
温度センサ部200は、例えば、リード線280により後述の無線部600に接続されている。温度センサ部200およびリード線280は、例えば、結束バンド(不図示)等により、電線100に沿うように該電線100に対して固定されている。
(無線部)
無線部600は、例えば、所定の情報を通信するよう構成されている。本実施形態では、無線部600は、例えば、電線100の電流などの電線100の物理量に係る情報を無線で外部に送信するよう構成されている。
具体的には、図7に示すように、無線部600は、例えば、電流測定部540により電流測定用CT部520に接続され、電流測定用CT部520が出力した誘起電圧に基づいて測定された電線100の電流データを取得するよう構成されている。また、無線部600は、例えば、温度センサ部200に接続され、温度センサ部200が測定した電線100の温度データを取得するよう構成されている。また、無線部600は、例えば、電源部440により電源用CT部420に接続され、電源部440から供給される電力により、温度データおよび電流データ等の各種データを無線で外部に送信するよう構成されている。
また、図1~図8に示すように、無線部600は、例えば、アンテナ620を有し、アンテナ620により各種データを送受信するよう構成されている。
また、本実施形態では、無線部600は、例えば、いわゆるマルチホップ無線通信(バケツリレー方式)で各種データを伝送するよう構成されている。具体的には、例えば、送電設備監視システム(電力伝送システム)では、複数の電線物理量測定装置10が電線100の軸方向に沿って所定の間隔で配置されている。送電設備監視システムにおいて、前段の電線物理量測定装置10からの各種データの集約と、後段の電線物理量測定装置10への各種データの送信とを、順次繰り返していく。送電設備監視システムは、最終的に集約された各種データをデータ集約伝送装置(不図示)に送信する。データ集約伝送装置は、例えば、電線100へ電力を供給する電気事業者に向けて送信する。電気事業者は、各種データに基づいて、電線100への送電容量を制御する。このようにマルチホップ無線通信で各種データを伝送することで、個々の電線物理量測定装置10が有する無線部600に必要な電力を低減しつつ、複数の電線物理量測定装置10全体としての伝送距離を長くすることができる。
(2)本実施形態の各部の収容態様および連結態様
次に、図1~図8を参照して、本実施形態の各部の収容態様および連結態様について説明する。
[第1収容部]
図1~図8に示すように、第1収容部310は、例えば、電線100の径方向の外領域に、電源用CT部420を収容している。ただし、本実施形態の第1収容部310は、上述の特許文献1と異なり、電源部440、電流測定部540および無線部600を収容していない。
第1収容部310は、例えば、磁性体を含まない金属からなっている。具体的には、本実施形態の第1収容部310は、例えば、AlまたはAl合金を含んでいる。これにより、第1収容部310に起因して電線100の周囲の磁界が遮蔽されることを抑制することができる。また、第1収容部310がAlまたはAl合金を含んでいることで、第1収容部310を軽量化することができる。
第1収容部310は、例えば、二重筒構造を有し、軸方向に沿って半割りされている。第1収容部310における半割された上部が、電源用コア422の上部を収容し、第1収容部310における半割された下部が、電源用コア422の下部を収容している。第1収容部310の上部および下部は、開閉可能に構成されている。第1収容部310の上部および下部が閉じたときに、電源用コア422の上部及び下部が接合し、電源用コア422が円環状に形成されるようになっている。
なお、第1収容部310内のうち、電源用CT部420以外の隙間には、充填材(不図示)が充填されている。充填材は、樹脂を含み、例えば、シリコーンゴムである。これにより、第1収容部310内の防水性を向上させることができる。
図1~図3に示すように、第1収容部310において半割された上部および下部は、例えば、2箇所でネジ締結されている。具体的には、第1収容部310において半割された上部および下部は、例えば、上部および下部のそれぞれの周方向の端部に、鍔部317を有している。第1収容部310の下部における鍔部317には、例えば、ヒンジボルト(符号不図示)が設けられている。一方で、第1収容部310の上部における鍔部317には、例えば、ナット(符号不図示)が設けられている。第1収容部310の下部におけるヒンジボルトと、第1収容部310の上部におけるナットとが締結されることで、第1収容部310の上部および下部が開閉可能に連結される。
図4に示すように、第1収容部310の二重筒構造のうちの内筒の内側には、第1収容部310の内周面から径方向に間隔をあけて、電線100が挿通される。言い換えれば、第1収容部310は、電線100に接触しないよう配置される。この点については、クランプ700に関して後述する。
[第2収容部]
図1~図8に示すように、第2収容部320は、例えば、電線100の径方向の外領域に、電流測定用CT部520を収容している。
第2収容部320は、例えば、第1収容部310と同様の金属からなっている。これにより、第1収容部310を構成する金属による効果と同様の効果を、第2収容部320においても得ることができる。
また、本実施形態の第2収容部320は、第1収容部310と同様に、例えば、二重筒構造を有し、軸方向に沿って半割りされている。第2収容部320における半割された上部が、測定用コア522の上部を収容し、第2収容部320における半割された下部が、測定用コア522の下部を収容している。第2収容部320の上部および下部は、開閉可能に構成されている。第2収容部320の上部および下部が閉じたときに、測定用コア522の上部及び下部が接合し、測定用コア522が円環状に形成されるようになっている。
なお、第2収容部320内のうち、電流測定用CT部520以外の隙間には、第1収容部310と同様に、充填材(不図示)が充填されている。
図1および図3に示すように、本実施形態では、第2収容部320は、例えば、4箇所でネジ締結されている。具体的には、第2収容部320において半割された上部および下部は、例えば、上部および下部のそれぞれの周方向の端部に、鍔部327を有している。第2収容部320のそれぞれの鍔部327の締結態様は、第2収容部320の鍔部327の位置が第1収容部310の鍔部317の位置と異なる点を除いて、第1収容部310の鍔部317の締結態様と同様である。
第2収容部320において半割された上部は、例えば、第1収容部310において半割された上部とは個別に開閉可能に構成されている。これにより、第1収容部310内における電源用CT部420の電源用コア422と、第2収容部320内における電流測定用CT部520の測定用コア522とを、独立して位置調整することができる。このようにして、電源用コア422と測定用コア522とをそれぞれ精度よく結合させることができる。その結果、電源用CT部420による発電効率を向上させるとともに、電流測定用CT部520による電流測定精度を向上させることが可能となる。
図4に示すように、第2収容部320の二重筒構造のうちの内筒の内側には、第2収容部320の内周面から径方向に間隔をあけて、電線100が挿通される。言い換えれば、第2収容部320は、電線100に接触しないよう配置される。この点については、クランプ700に関して後述する。
図1、図3~図5に示すように、本実施形態の第2収容部320の軸方向の長さは、第1収容部310の軸方向の長さよりも大きい。これにより、電源用コア422よりも大きい測定用コア522を、第2収容部320内に安定的に収容することができる。
[クランプ]
図1~図5に示すように、本実施形態のクランプ700は、例えば、第1収容部310および第2収容部320の間で、第1収容部310および第2収容部320を連結している。クランプ700は、第1収容部310と第2収容部320との間で電線100を把持し、第1収容部310および第2収容部320を電線100に固定している。
クランプ700は、例えば、電線100の撚線層を構成する金属と同じ金属からなっている。具体的には、クランプ700は、例えば、AlまたはAl合金を含んでいる。これにより、クランプ700と電線100との接触に起因して、電食が生じることを抑制することができる。
クランプ700は、例えば、2つに分離されており、クランプ下部720と、クランプ上部740と、を有している。
クランプ上部740は、例えば、電線100の鉛直上に配置される。クランプ上部740は、例えば、鉛直下の中央部に、電線100が嵌合する凹部(符号不図示)を有している。
一方で、クランプ下部720は、例えば、電線100の鉛直下に配置される。クランプ下部720は、例えば、鉛直上の中央部に、電線100が嵌合する凹部(符号不図示)を有している。
クランプ下部720およびクランプ上部740は、例えば、電線100を挟んで互いに対向して配置される。クランプ下部720の凹部と、クランプ上部740の凹部とにより、電線挿通孔710が形成される。クランプ下部720およびクランプ上部740は、例えば、電線挿通孔710内に電線100を挿通させた状態で、ボルト792およびナット794により互いに締結される。このようにして、クランプ700により電線100を把持することができる。
本実施形態では、クランプ下部720は、例えば、後述の下側収容部800と連結されている。さらに、本実施形態では、クランプ下部720に対して、第1収容部310の下部と、第2収容部320の下部と、下側収容部800と、が溶接により連結されている。このように、当該クランプ700により、第1収容部310と、第2収容部320と、下側収容部800とを電線100に固定することができる。
図5および図6に示すように、本実施形態では、クランプ下部720は、例えば、ボルト792を挿入するボルト挿入孔728を有している。ボルト挿入孔728は、当該クランプ下部720とクランプ上部740とを締結するボルト792を、クランプ700の側方から挿入可能に構成されている。具体的には、ボルト挿入孔728は、例えば、第1収容部310および第2収容部320の間でクランプ下部720の側方端部まで貫通している。このようにして、ボルト792をクランプ700の側方から挿入することができる。
一方で、本実施形態では、クランプ上部740と、第1収容部310の上部と、第2収容部320の上部とは、連結されておらず、互いに分離されている。これにより、上述のように、第1収容部310の上部と、第2収容部320の上部とが、個別に開閉可能になっている。
図4に示すように、本実施形態では、クランプ700は、例えば、電線100を把持したときに、第1収容部310および第2収容部320のそれぞれと電線100とが接触しないように、第1収容部310および第2収容部320を連結している。具体的には、クランプ700の電線挿通孔710の内径は、例えば、第1収容部310および第2収容部320のそれぞれの内径よりも小さく、電線100の外径に近い。
ここで、クランプ700が電線100を把持することで、第1収容部310および第2収容部320は、クランプ700により電線100に対して電気的に接続される。これにより、クランプ700、第1収容部310および第2収容部320は、電線100と等電位となる。
一方で、第1収容部310および第2収容部320は、上述の構成により、電線100から径方向に離間している。これにより、第1収容部310および第2収容部320が、クランプ700以外の経路で、電線100に電気的に接続されることを抑制することができる。その結果、電線100を流れる電流の迂回路(閉回路)が形成されることを抑制することができる。
[下側収容部]
図1、図2、図4~7に示すように、本実施形態では、下側収容部800は、例えば、クランプ700の鉛直下に設けられている。本実施形態では、下側収容部800は、例えば、上述のように、クランプ下部720に連結されている。
下側収容部800は、少なくとも無線部600を収容している。さらに、本実施形態では、下側収容部800は、例えば、電源部440、電流測定部540および無線部600を収容している。これにより、特許文献1の構成と比較して、第1収容部310のサイズを小さくすることができる。
本実施形態では、下側収容部800の内部形状、すなわち、下側収容部800内の収容空間の形状は、例えば、直方体である。これにより、電源部440、電流測定部540および無線部600を構成する回路基板の形状を、汎用的な四角形とすることができる。
本実施形態では、下側収容部800の外部形状も実質的に直方体に近い形状を有し、複数(例えば8か所)の角部800cを有している。一方で、下側収容部800は、クランプ700の鉛直下のみに設けられ、第1収容部310および第2収容部320の鉛直下には設けられていない。これにより、下側収容部800が有する少なくとも一部の角部800c(例えば、鉛直上の4つの角部800c)が、第1収容部310および第2収容部320よりも外側に突出しておらず、すなわち、一部の角部800cが第1収容部310および第2収容部320の外周よりも内側に隠れている。その結果、下側収容部800の角部800cに起因した放電を抑制することができる。
本実施形態では、下側収容部800内には、樹脂を含む充填材が充填されていない。これにより、電線物理量測定装置10を軽量化することができる。
具体的構成としては、下側収容部800は、例えば、筐体820と、金属ケース860と、スライド部840と、を有している。
筐体820は、例えば、第1収容部310および第2収容部320の間で、クランプ700の鉛直下に溶接により連結されている。筐体820は、電線100の軸方向に沿った断面がC字状である直方体として構成され、内部に収容空間を形成している。筐体820は、例えば、第1収容部310および第2収容部320の間で、電線100と交差する水平方向に開いた開口822と、鉛直下方向に開いた開口824と、を有している。
金属ケース860は、例えば、直方体の箱として構成され、電源部440、電流測定部540および無線部600を構成する回路基板を収容している。金属ケース860内の電源部440、電流測定部540および無線部600には、第1収容部310および第2収容部320からの配線(符号不図示)と、温度センサ部200からのリード線280と、が接続されている。無線部600には、アンテナ620からの配線が接続されている。金属ケース860内には充填材が充填されておらず、上述の配線が挿通される穴のみが樹脂で封止されている。これにより、金属ケース860内の防水性が確保されている。
スライド部840は、例えば、無線部600などを収容した金属ケース860を載置した状態で、電線100と交差する方向(水平方向)にスライドさせ、筐体820の開口822から筐体820内に金属ケース860を収容可能に構成されている。これにより、金属ケース860を筐体820内に容易に収容することができる。
スライド部840は、電線100の軸方向に見たときに、L字状に構成されている。これにより、スライド部840が筐体820の奥までスライドしたときに、スライド部840の縦画部を構成する側壁によって、筐体820の開口822を塞ぐことができる。その結果、金属ケース860と、筐体820およびスライド部840とで構成される二重構造により、防水性を向上させることができる。
図1、図2および図4に示すように、スライド部840から鉛直下方向に突出するように、無線部600のアンテナ620が設けられている。このようにアンテナ620が鉛直下方向に設けられていることで、地上の受信対象(例えば地上の作業員が所持するリーダ等)に対して各種データを安定的に送信することができる。また、上述のように、筐体820が鉛直下方向に開いた開口824を有していることで、スライド部840がスライドしたときに、筐体820への無線部600の干渉を抑制することができる。
本実施形態の電線物理量測定装置10を電線100に取り付ける際には、例えば、スライド部840を筐体820内に挿入した後に、クランプ700により電線100を把持する。これにより、地上から高い設置個所での作業を簡略化することができる。
一方で、例えば、クランプ700により電線100を把持した後に、スライド部840を筐体820内に挿入してもよい。これにより、クランプ700が電線100を把持する力が、下側収容部800に加わることを抑制することができる。
(3)本実施形態のまとめ
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態では、クランプ700は、第1収容部310および第2収容部320の間で、第1収容部310および第2収容部320を連結している。クランプ700は、第1収容部310と第2収容部320との間で電線100を把持している。クランプ700の鉛直下に設けられた下側収容部800内に、少なくとも無線部600が収容されている。これにより、第1収容部310内に電源用CT部420のみを収容することができ、第1収容部310のサイズを小さくすることができる。その結果、電線100の軸方向における電線物理量測定装置10全体としての長さを短くすることが可能となる。
(b)本実施形態では、第1収容部310内の電源用CT部420、および第2収容部320内の電流測定用CT部520から、第1収容部310と第2収容部320との間における下側収容部800内の無線部600などの各部に向けて、配線が接続されている。これにより、電源用CT部420および電流測定用CT部520と、無線部600などと、を接続する配線を短くすることができる。これにより、配線の引き回しを容易に行うことができる。
電流測定用CT部520と無線部600などとを接続する配線を短くすることで、電線における高電圧および大電流に基づいた、配線における静電誘導および電磁誘導を抑制することができる。これにより、電流測定時のノイズの発生を抑制することができる。その結果、電流を安定的に測定することが可能となる。
(c)本実施形態では、半割された第1収容部310ではなく、クランプ700の鉛直下に設けられた下側収容部800内に、無線部600などを収容することで、密閉された収容空間(例えば、予め密閉された金属ケース860)内に、無線部600などを収容することができる。これにより、下側収容部800の防水性を確保しつつ、下側収容部800内への樹脂を含む充填材の充填を不要とすることができる。
さらに、第1収容部310内に無線部600などの回路基板を収容していないことで、第1収容部310内の電源用CT部420以外の隙間を縮小し、第1収容部310のサイズを電源用CT部420の収容に必要な最小限の大きさとすることができる。これにより、第1収容部310内に充填する充填材の量を少なくすることができる。
これらにより、特許文献1の構成と比較して、電線物理量測定装置10全体としての充填材の量を少なくすることができる。その結果、電線物理量測定装置10を軽量化することが可能となる。
(d)本実施形態では、上述のように、下側収容部800内に充填材を充填しないことで、下側収容部800における充填材に起因した透湿を抑制することができる。
ここで、特許文献1の構成では、第1収容部310が半割され、第1収容部310内には充填材が充填されていた。半割された第1収容部310の接合が不充分な場合には、第1収容部310において、半割された接合部から水分が浸入し、当該水分が充填材を通って無線部600などの回路基板まで伝播するおそれがあった。
これに対し、本実施形態では、半割された第1収容部310ではなく、クランプ700の鉛直下に設けられた下側収容部800内に、充填材を充填することなく、無線部600などを収容することで、充填材を通って伝播する透湿を抑制することができる。その結果、下側収容部800内の防水性を向上させることが可能となる。
(e)本実施形態では、下側収容部800内に、充填材を充填することなく、無線部600などを収容することで、無線部600などの回路基板に配線を接続する際に、はんだ付けではなく、コネクタを使用することができる。
ここで、特許文献1の構成では、第1収容部310内に充填剤が充填されていたため、無線部600などの回路基板に配線を接続するコネクタ内において、金属製の端子間に絶縁性の充填材が介在する可能性があった。このため、第1収容部310内における回路基板には、多くの配線がはんだ付けされていた。
これに対し、本実施形態では、下側収容部800内に、充填材を充填することなく、無線部600などを収容することで、無線部600などの回路基板に配線を接続するために、汎用的なコネクタを使用しても、コネクタ内の金属製の端子間に絶縁性の充填材が介在することを抑制することができる。これにより、コネクタを使用し、回路基板に対して配線を安定的に接続することができる。また、充填材によってコネクタが接着されないので、メンテナンス時にコネクタを容易に脱着させることができる。
(f)本実施形態では、下側収容部800の内部形状は、直方体である。これにより、下側収容部800内に収容する無線部600などを構成する回路基板の形状を、汎用的な四角形とすることができる。回路基板の形状を四角形とすることで、汎用的に市販されている回路基板を使用することができ、回路基板を容易に設計することができる。その結果、無線部600などに係るコストを低減することが可能となる。
(g)本実施形態の下側収容部800では、筐体820は、第1収容部310および第2収容部320の間で、クランプ700の鉛直下に連結されている。スライド部840は、無線部600などを収容した金属ケース860を載置した状態で、電線100と交差する方向にスライドさせ、筐体820の開口822から筐体820内に金属ケース860を収容可能に構成されている。これにより、金属ケース860を筐体820内に容易に収容することができる。
スライド部840が、クランプ700の鉛直下に設けられた筐体820内にスライド可能に構成されていることで、クランプ700の強い把持力が加わらない位置で、スライド部840により金属ケース860を筐体820内に収容することができる。これにより、金属ケース860内における無線部600などの回路基板が、クランプ700の把持力の影響(変形や歪み)を受けることを抑制することができる。その結果、下側収容部800内に、無線部600などを安定的に収容することができる。
さらに、スライド部840を用いることで、筐体820内に金属ケース860を収容するだけでなく、筐体820内から金属ケース860を容易に搬出することもできる。これにより、電線物理量測定装置10のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
(h)本実施形態では、クランプ700は、電線100を把持したときに、第1収容部310および第2収容部320のそれぞれと電線100とが接触しないように、第1収容部310および第2収容部320を連結している。すなわち、第1収容部310および第2収容部320は、上述の構成により、電線100から径方向に離間している。これにより、第1収容部310および第2収容部320が、クランプ700以外の経路で、電線100に電気的に接続されることを抑制することができる。その結果、電線100を流れる電流の迂回路(閉回路)が形成されることを抑制することができる。
また、クランプ700だけにより電線100を把持することにより、強い把持力が必要な把持点を1つにすることができる。これにより、電線物理量測定装置10を電線100に装着する作業を簡略化することができる。
(i)本実施形態では、下側収容部800は、第1収容部310および第2収容部320の鉛直下には設けられていない。下側収容部800が有する少なくとも一部の角部800cは、第1収容部310および第2収容部320よりも外側に突出してしていない。
ここで、本実施形態では、上述のように、下側収容部800が複数の角部800cを有している。電線物理量測定装置10が高電圧箇所に取り付けられた場合には、下側収容部800の角部800cにおいて、放電が生じやすい。一方で、第1収容部310および第2収容部320のそれぞれは、上述のように、曲率が大きな円筒状に構成されているため、第1収容部310および第2収容部320では、放電が生じにくい。
そこで、本実施形態では、下側収容部800が、第1収容部310および第2収容部320の鉛直下には設けられていないことで、下側収容部800が有する少なくとも一部の角部800cを、円筒状の第1収容部310および第2収容部320の外周よりも内側に隠すことができる。これにより、円筒状の第1収容部310および第2収容部320により、電界シールド効果を得ることができる。その結果、下側収容部800の角部800cに起因した放電を抑制することが可能となる。
(j)本実施形態では、クランプ下部720は、当該クランプ下部720とクランプ上部740とを締結するボルト792を、クランプ700の側方から挿入可能なボルト挿入孔728を有している。これにより、ボルト792を下側収容部800に干渉させることなく、クランプ下部720のボルト挿入孔728内にボルト792を容易に挿入することができる。その結果、クランプ700により電線100を安定的に把持させることが可能となる。
また、クランプ700の鉛直下からボルト792を挿入することで、ボルト792に締結するナット794をクランプ700の鉛直上に配置することができる。これにより、ナット794の落下を未然に抑制することができる。
<本開示の他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について具体的に説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、温度センサ部200が熱電対を有している場合について説明したが、本開示はこの場合に限られない。例えば、温度センサ部200は、温度に応じて抵抗が変化するサーミスタを有していてもよい。
上述の実施形態では、クランプ下部720のボルト挿入孔728が、第1収容部310および第2収容部320の間でクランプ下部720の側方端部まで貫通している場合について説明したが、本開示はこの場合に限られない。ボルト挿入孔728は、例えば、電線100と交差する方向に貫通せずに延在する長穴であってもよい。
上述の実施形態では、クランプ下部720のボルト挿入孔728にボルト792が挿入されることで、クランプ700が締結される場合について説明したが、本開示はこの場合に限られない。クランプ下部720にヒンジボルトが設けられ、ヒンジボルトによりクランプ700が締結されてもよい。
上述の実施形態では、クランプ700が上下2分割されている場合について説明したが、本開示はこの場合に限られない。例えば、クランプ700は、断面C字状に構成されていてもよい。
上述の実施形態では、下側収容部800の金属ケース860内に、無線部600などの回路基板を収容する場合について説明したが、本開示はこの場合に限られない。下側収容部800の筐体820内の防水性が確保できるのであれば、無線部600などの回路基板は、金属ケース860に収容されていなくてもよい。
上述の実施形態では、電線物理量測定装置10が、電線100の物理量として電線100に流れる電流および電線100の温度を測定するよう構成されている場合について説明したが、本開示はこの場合に限られない。電線物理量測定装置10は、電線100に流れる電流および電線100の温度以外の他の物理量も測定するよう構成されていてもよい。他の物理量としては、例えば、電線100の振動、電線100の弛度などが挙げられる。
上述の実施形態では、無線部600がバケツリレー方式で各種データを伝送するよう構成されている場合について説明したが、本開示はこの場合に限られない。例えば、無線部600が長距離伝送可能に構成されていれば、無線部600は、データ集約伝送装置または電気事業者に対して各種データを直接送信するよう構成されていてもよい。
<付記>
以下、本開示の態様を付記する。
(付記1)
電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部および前記電流測定用カレントトランス部に接続され、前記電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて測定された前記電線の電流データを、前記電源用カレントトランス部からの前記電力により無線で外部に送信する無線部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部の間で、前記第1収容部および前記第2収容部を連結しつつ、前記電線を把持するクランプと、
前記クランプの鉛直下に設けられ、少なくとも前記無線部を収容する下側収容部と、
を備える
電線物理量測定装置。
(付記2)
前記下側収容部内には、樹脂を含む充填剤が充填されていない
付記1に記載の電線物理量測定装置。
(付記3)
前記下側収容部の内部形状は、直方体である
付記1または付記2に記載の電線物理量測定装置。
(付記4)
前記下側収容部は、
前記第1収容部および前記第2収容部の間で、前記クランプの鉛直下に連結された筐体と、
少なくとも前記無線部を載置した状態で、前記電線と交差する方向にスライドさせ、前記筐体内に前記無線部を収容可能なスライド部と、
を有する
付記1から付記3のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記5)
前記下側収容部は、少なくとも前記無線部を収容する金属ケースを有し、
前記スライド部は、前記金属ケースを載置した状態で、前記筐体内にスライドしたときに、前記筐体の開口を塞ぐように構成されている
付記4に記載の電線物理量測定装置。
(付記6)
前記クランプは、前記電線を把持したときに、前記第1収容部および前記第2収容部が前記電線に接触しないように、前記第1収容部および前記第2収容部を連結している
付記1から付記5のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記7)
前記下側収容部は、前記第1収容部および前記第2収容部の鉛直下に設けられておらず、
前記下側収容部が有する少なくとも一部の角部は、前記第1収容部および前記第2収容部よりも外側に突出していない
付記1から付記6のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記8)
前記クランプは、
前記電線の鉛直上に配置されるクランプ上部と、
前記下側収容部と連結され、前記電線を挟んで前記クランプ上部と対向するように配置されるクランプ下部と、
を有し、
前記クランプ下部は、当該クランプ下部と前記クランプ上部とを締結するボルトを、前記クランプの側方から挿入可能なボルト挿入孔を有する
付記1から付記7のいずれか1つに記載の電線物理量測定装置。
(付記9)
電力を伝送する電線と、
前記電線へ電力を供給する電力供給源と、
前記電線の軸方向に沿って所定の間隔で配置され、それぞれ前記電線の物理量を測定し、測定した前記電線の物理量データをマルチホップ無線通信で伝送する複数の電線物理量測定装置と、
前記複数の電線物理量測定装置から伝送された前記電線の物理量データを集約し、集約した前記電線の物理量データを前記電力供給源に伝送するデータ集約伝送装置と、
を有し、
前記電力供給源は、前記電線の物理量データに基づいて前記電線への送電容量を制御し、
前記複数の電線物理量測定装置のそれぞれは、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
前記電源用カレントトランス部および前記電流測定用カレントトランス部に接続され、前記電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて測定された前記電線の電流データを、前記電源用カレントトランス部からの前記電力により無線で外部に送信する無線部と、
前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
前記第1収容部および前記第2収容部の間で、前記第1収容部および前記第2収容部を連結しつつ、前記電線を把持するクランプと、
前記クランプの鉛直下に設けられ、少なくとも前記無線部を収容する下側収容部と、
を備える
電力伝送システム。
10 電線物理量測定装置
100 電線
200 温度センサ部
280 リード線
310 第1収容部
317 鍔部
320 第2収容部
327 鍔部
420 電源用CT部
422 電源用コア
424 電源用コイル
440 電源部
520 電流測定用CT部
522 測定用コア
524 測定用コイル
540 電流測定部
600 無線部
620 アンテナ
700 クランプ
710 電線挿通孔
720 クランプ下部
728 ボルト挿入孔
740 クランプ上部
792 ボルト
794 ナット
800 下側収容部
800c 角部
820 筐体
822 開口
824 開口
840 スライド部
860 金属ケース

Claims (7)

  1. 電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に基づいて生じる磁界から電磁誘導により電力を発生させる電源用カレントトランス部と、
    前記電線を囲むように配置され、前記電線に流れる電流に応じた誘起電圧を出力する電流測定用カレントトランス部と、
    前記電源用カレントトランス部および前記電流測定用カレントトランス部に接続され、前記電流測定用カレントトランス部が出力した前記誘起電圧に基づいて測定された前記電線の電流データを、前記電源用カレントトランス部からの前記電力により無線で外部に送信する無線部と、
    前記電源用カレントトランス部を収容する第1収容部と、
    前記電流測定用カレントトランス部を収容する第2収容部と、
    前記第1収容部および前記第2収容部の間で、前記第1収容部および前記第2収容部を連結しつつ、前記電線を把持するクランプと、
    前記クランプの鉛直下に設けられ、少なくとも前記無線部を収容する下側収容部と、
    を備える
    電線物理量測定装置。
  2. 前記下側収容部内には、樹脂を含む充填剤が充填されていない
    請求項1に記載の電線物理量測定装置。
  3. 前記下側収容部の内部形状は、直方体である
    請求項1または請求項2に記載の電線物理量測定装置。
  4. 前記下側収容部は、
    前記第1収容部および前記第2収容部の間で、前記クランプの鉛直下に連結された筐体と、
    前記無線部を載置した状態で、前記電線と交差する方向にスライドさせ、前記筐体内に前記無線部を収容可能なスライド部と、
    を有する
    請求項1または請求項2に記載の電線物理量測定装置。
  5. 前記クランプは、前記電線を把持したときに、前記第1収容部および前記第2収容部が前記電線に接触しないように、前記第1収容部および前記第2収容部を連結している
    請求項1または請求項2に記載の電線物理量測定装置。
  6. 前記下側収容部は、前記第1収容部および前記第2収容部の鉛直下に設けられておらず、
    前記下側収容部が有する少なくとも一部の角部は、前記第1収容部および前記第2収容部よりも外側に突出していない
    請求項1または請求項2に記載の電線物理量測定装置。
  7. 前記クランプは、
    前記電線の鉛直上に配置されるクランプ上部と、
    前記下側収容部と連結され、前記電線を挟んで前記クランプ上部と対向するように配置されるクランプ下部と、
    を有し、
    前記クランプ下部は、当該クランプ下部と前記クランプ上部とを締結するボルトを、前記クランプの側方から挿入可能なボルト挿入孔を有する
    請求項1または請求項2に記載の電線物理量測定装置。
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