JP7337824B2 - 抗cd33および抗cd7併用療法 - Google Patents

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Description

本発明は、血液悪性腫瘍の処置における細胞表面受容体CD7およびCD33への細胞阻害剤の二重標的化に関する。
急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukaemia)または急性骨髄性白血病(acute myeloid leukaemia)(AML)は、骨髄および末梢血中の骨髄芽球のクローン性増殖を含む不均一な血液悪性腫瘍である。AMLは成人急性白血病の症例の90%超を占め、劇症の臨床的経過をたどる依然として大部分が侵攻性の疾患である。治療レジメンの進歩と造血幹細胞移植(HSCT)成功の現在の理解にもかかわらず、AML患者の死亡率は依然として高い。AMLと診断されたすべての成人のうち、平均して5年以上生存するのは4分の1に過ぎない。65歳超の人々では、5年以上生存する見通しはさらにわずか12%にまで低下する(www.cancerresearchuk.org)。これは、乳癌、前立腺癌、腸癌など、過去数十年間にはるかにより多大な投資を受けてきた他の多くの高発生率癌に比べて実質的に低く、5年生存率はここでそれぞれ87%、85%、59%である(www.cancerresearchuk.org)。このことは、AMLにおける満たされていないニーズの程度と、新規治療薬へのより多大な投資に対する緊急の傾向を強調している。
現在のガイドラインでは、AMLの集中的な処置は、患者が臨床的および血液学的寛解に達したら、導入化学療法(アントラサイクリンとシタラビンの併用を含む)とその後の地固め療法から構成されることが推奨されている。導入療法の中心は、「7+3」または同様の「10+3」レジメンからなり、7日間または10日間のシタラビン持続注入と3日間のアントラサイクリンを併用する。それは、一般に、予後が中等度から良好で、処置関連死亡のリスクが低い患者に提供される。残念ながら、完全寛解(CR)では微小な残存病変が持続することが多く、処置を中止すれば再発はほぼ避けられない。したがって、導入療法に対して良好な応答を示したすべての患者には、第2の導入レジメンを施与するか、または地固め療法を継続して寛解の持続を達成するようにすべきである。
アントラサイクリンおよびシタラビンは、強力な細胞傷害性薬物の代謝拮抗薬クラスに属し、DNA複製を阻害することにより高い増殖指数(PI)を有する細胞を標的とするため、化学療法レジメンで一般的に使用される。衰弱性副作用は、悪性細胞に対して十分に選択性ではなく、従って、高いPIをもつ健常組織に対して実質的な損傷を示すため、これらの剤でよく起こる。一般的な副作用には、生命を脅かす感染症、悪心および嘔吐、脱毛、挫傷および出血合併症ならびに腫瘍崩壊症候群の高いリスクと関連する骨髄抑制がある(www.macmillan.org.uk)。これらの薬物に関連する毒性の程度は、特殊な地域病院の感染管理病棟内での入院を必要とする。患者は、1サイクルの処置後に骨髄が完全に回復するまで、平均4~5週間入院を続けなければならない。多くの患者は、より若い患者であっても、集中的な療法の最初の経過を生き延びることはない。
同種HSCTは、現時点ではこの疾患設定における治癒のための唯一の選択肢であるが、この処置に関連する死亡率および罹病率のリスクが高いこと、しばしば処置関連死亡率が40%にも及ぶことから、尚多くの疾患適応症のための最後の手段と考えられている。この処置の選択肢は、利用可能である適切なドナーに依存しており、ドナーを見つけて手順を生存した患者のうち、これらの患者の30~45%が再発し、多くは追加の移植を必要とする。
60歳を超える高齢患者集団における処置選択肢は最小限であり、最適なアプローチはまだ確立されていない。細胞遺伝学的に有害な高齢患者は、化学療法に応答しにくく、処置関連毒性の影響をより受けやすいことが多い。骨髄異形成症候群(MDS)を処置するために当初使用されていたアザシチジンなどの低メチル化剤は、高齢患者において、CRを達成するための導入化学療法に当該患者を橋渡しすることを含む何らかの利益を最近示した(非特許文献1)。
AMLは、標的療法に利用可能な提案された腫瘍抗原の多くが悪性細胞集団に対して非特異性であるため、処置するための問題となる疾患を表す。AMLで示される従来の治療的アプローチは、白血病芽球の表面に発現される単一の抗原を標的とすることを目的とする。これらの治療薬は「標的療法」とみなされる一方、それらが標的とする抗原はまた、健康な免疫系に必要な、一連の健康な造血幹細胞に対して高レベルで発現される。これらの療法によって実証された健常な細胞に対するこの程度のオンターゲットオフ組織毒性は、疾患設定におけるそれらの有用性を実質的に制限する。その結果、しばしば、臨床医は、選択肢を持たず、患者に最適以下の用量を投与し、療法単独の結果として相当数の患者が死亡することになる。
CD33は、この設定で広範に検討されているAML抗原であり、十分に確立され、検証されたAML標的であり、現在でも多くの既存の新規治療薬についての最適な抗原である。さらに、CD33は、十分な抗原密度および内部移行を示す、検証されたADC標的抗原であることも示されている。このことは、2000年に発売された市販のADC治療薬マイロターグによって、このADCがAMLにおいてCD33抗原を標的にしていることからも明らかである。
CD33は、AML細胞上でのこの抗原の広範な発現および初期のCD34+造血幹細胞上での認識された発現低下のために、AMLにおける多くの薬物開発者にとって好ましい標的である一方、CD33抗原はまた、健康な細胞集団において有力な骨髄性マーカーである。したがって、あらゆるCD33標的化処置で予想されるように、この抗原を標的とする療法はまた、健康な細胞集団に対して多くの標的外作用を有し、抗原を有するあらゆる骨髄細胞の有意である枯渇を引き起こす。これらの細胞は、健康な免疫系の必要条件であり、従って、枯渇は、患者が、特殊な感染制御室での入院が必要であるようにし、生命を脅かす感染に対して高い感受性を伴う。これに沿って、著名なADC製薬会社であるSeattle Geneticsは、2017年6月に、第3相試験(fiercebiotech.com)でプラセボと比較して致死性感染症を含めて、患者の死亡率がより高いことを見た後に、CD33を標的としたADCであるそれらの臨床的候補SGN-CD33Aを含むすべての試験を中止したと発表した。
CD7は、胸腺細胞および成熟T細胞と一般的に関連する抗原であり、初期リンパ系発生におけるT細胞相互作用およびT/B細胞相互作用において必須の役割を果たすと考えられている。この抗原は、現在のところ、健康なT細胞集団上でのこの抗原の広範な発現に起因すると想定される、治療的開発における一般的に標的された抗原を代表するものではない。
1980年代後半から、特定のAML細胞集団が、他の点ではリンパ系に限定された抗原であるCD7を、この疾患において特異的な方式で発現することが明らかになってきた。AMLにおけるこの抗原の発現は、いくつかのグループによって報告されており、AML症例の10~38%に認められ(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6;非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11)、より乏しい結果と関連することが示唆されている。
AMLのCD7+サブタイプは、白血球増加、化学療法に対する応答不良ならびに全生存および無病生存の不良と関連している(非特許文献12)。臨床的には、CD7+AML患者はより若年で、より頻繁に男性であり、中枢神経系浸潤の発生率がより高く、AMLのより良好に分化していないサブタイプと関連していることが多く、より不良な結果とさらに関連している(非特許文献13)。CD7+AML細胞の未熟性は、この集団におけるCD34の高発現によってさらに支持されている。Poetaら、1995による1件の研究では、CD7+白血病を有する患者はCD7-表現型を有する患者よりもCRが有意に低く(32%対74%)、このサブタイプの標準治療に対する再発および/または難治性性質の程度を示していることが見出された(非特許文献2)。
CD7は、FLT3-ITD+AMLサブグループの特徴と強く相関しており、その特徴であると考えられている。このサブタイプは、アポトーシスタンパク質の翻訳をダウンレギュレートするシグナルとなるFLT3チロシンキナーゼ受容体の調節解除によるより不良な臨床転帰と関連している。その結果、この受容体における脱調節は、AML細胞集団において化学療法で誘発された細胞死に対する抵抗性を誘導する(非特許文献4)。AMLの特に予後不良なサブタイプとして、FLT3 AMLサブグループは、キナーゼ阻害剤および単特異性ADCを含む多くの新しい治療薬が特にこの集団を標的とする、新規の創薬者が標的とする望ましい疾患クラスである。
AMLにおけるCD7の異常な発現を説明するために、いくつかの機序が記載されている。これらには、白血病細胞における疾患特異的不規則遺伝子発現(系統の非忠実性)、リンパ系および骨髄系の分化が可能な多能性前駆細胞の悪性形質転換、または正常な細胞分化中に異なる細胞系のマーカーを一時的に発現する可能性のあるまれな前駆細胞の増殖および成熟停止が含まれる(非特許文献13)。
過渡状態CD7発現は、骨髄系およびリンパ系の両方の起源の細胞を産生することができる初期前駆細胞のサブセットで報告されているが、成熟骨髄系の形質転換の間に失われる(非特許文献13)。これに沿って、1件の研究では、これら2つの抗原の最小かつ一過性の共発現が、発生中に失われた共発現を伴う、多能性幹細胞(CD33low/CD7+/-)、いくつかの骨髄前駆細胞(CD33high/CD7+/-)およびいくつかのT細胞前駆細胞(CD33+/-/CD7med)を含む、健康な造血細胞の特定のサブセットで同定されていることが見出された(非特許文献14)。したがって、この共発現パターンは、これら2つの抗原が一時的に一緒に見られる発生の特定の段階で捕獲され、悪性形質転換の間に共発現が増幅される、前駆細胞の特定のサブセットのクローン性増殖の結果であり得るのがもっともらしい。
ある種の前駆細胞サブセットでは、これらの2つの抗原に対して何らかの過渡状態共発現が明らかであり得る一方、各抗原の発現の程度が低い、ないし陰性であることは明らかである。CD33およびCD7は、初期造血発達のどの段階内でも高レベルの共発現を示さず、初期前駆細胞の選択された小サブ集団上での限定された発現を示し、前駆細胞プール全体には反映されない。
De Kouchkovsky,& Abdul-Hay,M.(2016)’Acute myeloid leukemia:a comprehensive review and 2016 update’.Blood Cancer Journal,6 1-10 Poeta,G.D.,et al.(1995)CD7 Expression in Acute Myeloid Leukemia.Leuk.Lymphoma,17,111-119 Rohrs,S.,et al.(2010)CD7 in acute myeloid leukemia:correlation with loss of wild-type CEBPA,consequence of epigenetic regulation,Journal of Hematology & Oncology,3 1-7 Rausei-Mills,V.,et al.(2008)Aberrant Expression of CD7 in Myeloblasts Is Highly Associated With De Novo Acute Myeloid Leukemias With FLT3/ITD Mutation,Am J Clin Pathol,129 624-629 Shimamoto,T.,et al.(1994)Clinical and Biological Characteristic of CD7+Acute Myeloid Leukaemia,Cancer Genet Cytogenet 73 69-74 Reading,C.L.,et al.(1993)Expression of unusual immunophenotype combinations in acute myelogenous leukemia,Blood 81 3083-3090 Ossenkoppele,G.J.,et al(2011)Review of the relevance of aberrant antigen expression by flow cytometry in myeloid neoplasms British Journal of Haematology Lo Coco,F.,et al.(1989)CD7 positive acute myeloid leukaemia:a subtype associated with cell immaturity,British Journal of Haematology 73 480-485 Kita,K.,et al.(1983)Clinical Importance of CD7 Expression in Acute Myelocytic Leukemia,Blood 81,2399-2405 Eto,T.,et al.(1992)Biological characteristics of CD7 positive acute myelogenous leukaemia,British lournal olHaernatology 82 508-511 Chang,H.(2004)Prognostic relevance of immunophenotyping in 379 patients with acute myeloid leukemia,Leukemia Research 28 43-48 Kahl,C.,et al.(2001)CD7+ and CD56+ Acute Myelogenous Leukemia is a Distinct Biologic and Clinical Disease Entity.Haematology and Blood Transfusion,40 112-119 Tien,H.and Wang,C.(1998)CD7 Positive Hematopoietic Progenitors and Acute Myeloid Leukemia and other Minimally Differentiated Leukemia,Leukemia and Lymphoma,3 93-98 Barcena,A.,et al.(1994)Tracing the Expression of CD7 and other Antigens during T- and Myeloid-cell Differentiation in the Human Fetal Liver and Thymus,Leukaemia and Lymphoma 17 1-11
従って、AMLを含む血液悪性腫瘍を処置するための改善された特異性を有するより効果的な療法が、依然として必要である。
第1の態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するためのCD33に結合する細胞阻害剤を提供し、CD33に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に結合する細胞阻害剤との併用投与用であるか;またはCD33に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に追加的に結合する。
関連局面において、本発明は、必要な個体におけるCD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置する方法を提供し、方法は、CD33に結合する細胞阻害剤を個体に投与することを含み、CD33に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に結合する細胞阻害剤との併用投与用であるか、またはCD33に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に追加的に結合する。細胞阻害剤が人工的に生成されることが好ましい。
別の関連する局面において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置のための医薬の製造に使用するためのCD33に結合する細胞阻害剤を提供し、CD33に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に結合する細胞阻害剤との併用処理用であるか、またはCD33に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に追加的に結合する。
一実施形態では、CD33に結合する前記細胞阻害剤は、CD33+細胞への前記第1の細胞阻害剤のCD33受容体媒介内部移行を誘導することが可能であり、任意に、CD33+細胞は、AML細胞である。
CD33に結合する前記細胞阻害剤は、CD33に特異的に結合し得る。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、抗体依存性細胞傷害性を媒介することができる抗CD33抗体またはその抗原結合部分である。細胞阻害剤が抗CD33抗体である場合、そのような抗体は完全長抗体であってもよい。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、抗CD33 CAR-Tである。細胞阻害剤は、免疫エフェクター細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞および/またはNK細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞であり得る。T細胞は、CD33+T細胞を含むことができる。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、細胞死滅部分およびCD33結合部分を含む。任意に、前記CD33結合部分は、抗体またはその抗原結合断片を含む。任意に、前記細胞死滅部分は、細胞毒素である。前記細胞毒素は、以下から選択され得る:i)ペプチド毒素、またはii)化学毒素。任意に、前記細胞阻害剤は、連結部分をさらに含む。前記連結部分は、好ましくは、細胞死滅部分とCD33結合部分との間にあるであろう。
さらなる態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するためのCD7に結合する細胞阻害剤を提供し、CD7に結合する細胞阻害剤は、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤と組み合わせて投与するためである;またはCD7に結合する前記阻害剤は、CD33に追加的に結合する。
関連局面において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍を、その処置を必要とする個体において処置する方法を提供し、この方法は、以下の投与を含む:CD7に結合する細胞阻害剤が、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤との併用投与用であるか、またはCD7に結合する細胞阻害剤は、CD33に追加的に結合することを含む。細胞阻害剤が人工的に生成されることが好ましい。
さらなる関連局面において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置のための医薬の製造に使用するためのCD7に結合する細胞阻害剤を提供し、CD7に結合する細胞阻害剤は、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤との併用投与用であるか;またはCD7に結合する前記阻害剤は、CD33に追加的に結合する。
一実施形態では、CD7に結合する前記細胞阻害剤は、前記第1の細胞阻害剤のCD7+細胞へのCD7受容体媒介性の内部移行を誘導することができ、場合によってはCD7+細胞は、AML細胞である。
CD7に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に特異的に結合し得る。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、抗体依存性細胞傷害性を媒介することができる抗CD7抗体またはその抗原結合部分である。細胞阻害剤が抗CD7抗体である場合、そのような抗体は、完全長抗体であり得る。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、抗CD7 CAR-Tである。細胞阻害剤は、免疫エフェクター細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞および/またはNK細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞であり得る。T細胞は、CD7+T細胞を含むことができる。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、細胞死滅部分およびCD7結合部分を含む。任意に、前記CD7結合部分は、抗体またはその抗原結合断片を含む。任意に、前記細胞死滅部分は、細胞毒素である。前記細胞毒素は、以下から選択され得る:i)ペプチド毒素、またはii)化学毒素。任意に、前記細胞阻害剤は、連結部分をさらに含む。前記連結部分は、好ましくは、細胞死滅部分とCD7結合部分との間にあるであろう。
さらなる態様において、本発明は、CD33に結合する細胞阻害剤と、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するためのCD7に結合する細胞阻害剤との組合せを提供する。
関連局面において、本発明は、CD33に結合する細胞阻害剤とCD7に結合する細胞阻害剤との組合せを投与することを含む、その処置を必要とする個体におけるCD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。細胞阻害剤が人工的に生成されることが好ましい。
さらなる関連局面において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置するための医薬の製造に使用するための、CD33に結合する細胞阻害剤とCD7に結合する細胞阻害剤との組合せを提供する。
一実施形態では、CD33に結合する前記細胞阻害剤は、前記第1の細胞阻害剤のCD33+細胞へのCD33受容体媒介性の内部移行を誘導することができ、場合によってはCD33+細胞は、AML細胞である。
組合せにおいて、CD33に結合する細胞阻害剤は、CD33に特異的に結合し得る。
一実施形態では、CD33に結合する前記細胞阻害剤は、抗体依存性細胞傷害性を媒介することができる抗CD33抗体またはその抗原結合部分である。細胞阻害剤が抗CD33抗体である場合、そのような抗体は完全長抗体であってもよい。
一実施形態では、CD33に結合する前記細胞阻害剤は、抗CD33 CAR-Tである。細胞阻害剤は、免疫エフェクター細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞および/またはNK細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞であり得る。T細胞は、CD33+T細胞を含むことができる。
一実施形態では、CD33に結合する前記細胞阻害剤は、細胞死滅部分およびCD33結合部分を含む。任意に、前記CD33結合部分は、抗体またはその抗原結合断片を含む。任意に、前記細胞死滅部分は、細胞毒素である。前記細胞毒素は、以下から選択され得る:i)ペプチド毒素、またはii)化学毒素。任意に、前記細胞阻害剤は、連結部分をさらに含む。前記連結部分は、細胞死滅部分とCD33結合部分との間にあってもよい。
一実施形態では、CD7に結合する前記細胞阻害剤は、前記第1の細胞阻害剤のCD7+細胞へのCD7受容体媒介内部移行を誘導することができ、任意にCD7+細胞は、AML細胞である。
CD7に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に特異的に結合し得る。
一実施形態では、CD7に結合する前記細胞阻害剤は、抗体依存性細胞傷害性を媒介することができる抗CD7抗体またはその抗原結合部分である。
一実施形態では、CD7に結合する前記細胞阻害剤は、抗CD7 CAR-Tである。細胞阻害剤は、免疫エフェクター細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞および/またはNK細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞であり得る。T細胞は、CD7+T細胞を含むことができる。
一実施形態では、CD7に結合する前記細胞阻害剤は、細胞死滅部分およびCD7結合部分を含む。任意に、前記CD7結合部分は、抗体またはその抗原結合断片を含む。任意に、前記細胞死滅部分は、細胞毒素である。前記細胞毒素は、以下から選択され得る:i)ペプチド毒素、またはii)化学毒素。任意に、CD7に結合する前記細胞阻害剤は、連結部分をさらに含む。前記連結部分は、好ましくは、細胞死滅部分とCD7結合部分との間にあるであろう。
さらなる態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するための、CD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤を提供する。
関連局面において、本発明は、CD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤の投与を含む、それを必要とする個体におけるCD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置する方法を提供する。細胞阻害剤が人工的に生成されることが好ましい。
さらなる関連局面において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置のための医薬の製造に使用するための、CD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤を提供する。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、前記細胞阻害剤のCD33+およびCD7+細胞へのCD33およびCD7受容体媒介内部移行を誘導することができ、場合によってはCD33+およびCD7+細胞は、AML細胞である。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、二重特異性抗体またはその抗原結合部分であり、任意に、前記二重特異性抗体またはその抗原結合部分は、抗体依存性細胞傷害性を媒介することができる。細胞阻害剤が二重特異性抗体である場合、そのような抗体は完全長抗体であり得る。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、二重特異性抗CD33抗CD7 CAR-Tである。細胞阻害剤は、免疫エフェクター細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞および/またはNK細胞を含むことができる。免疫エフェクター細胞は、T細胞であり得る。T細胞は、CD33+T細胞、CD7+T細胞、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
1つの実施形態において、前記細胞阻害剤は、i)細胞死滅部分;ii)CD7結合部分およびiii)CD33結合部分を含む。任意に、前記CD33結合部分は、抗体の抗原結合断片を含み、かつ/または前記CD7結合部分は、抗体の抗原結合断片を含む。任意に、前記細胞死滅部分は、細胞毒素である。前記細胞毒素は、以下から選択され得る:i)ペプチド毒素、またはii)化学毒素。任意に、前記細胞阻害剤は、連結部分をさらに含む。前記連結部分は、好ましくは、細胞死滅部分とCD33および/またはCD7結合部分との間にあるであろう。
本発明の特定の局面、実施形態または例と関連して記載された特徴、整数、特性、結合部分または群は、それと矛盾しない限り、本明細書に記載されたいずれかの他の局面、実施形態または例にも適用可能であると理解されるべきである。本明細書に開示された全ての特徴(添付した特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)、ならびに/または開示された任意の方法もしくはプロセスのステップの全ては、そのような特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本発明は、前述の如何なる実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、開示された任意の方法またはプロセスのステップの、本明細書に開示された特徴(添付した特許請求の範囲、要約書および図面のいずれをも含む)の任意の新規なものもしくは任意の新規な組み合わせ、またはそのように開示された任意の方法もしくはプロセスのステップの任意の新規なものもしくは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
本発明の実施形態は、以下、添付した図面を参照してさらに記載される:
図1は、RLUとして表されるαMFc-CL-MMAEの存在下での抗CD33の細胞傷害性プロファイルを示すグラフである。 図2は、抗CD33およびαMFc-CL-MMAE処理によるKasumi-3の生存百分率を示すグラフである。 図3は、RLUとして表されるαMFc-CL-MMAEの存在下での抗CD7の細胞傷害性プロファイルを示すグラフである。 図4は、抗CD7およびαMFc-CL-MMAE処理によるKasumi-3の生存百分率を示すグラフである。 図5は、RLUとして表されるαMFc-CL-MMAEの存在下での抗CD13の細胞傷害性プロファイルを示すグラフである。 図6は、αMFc-CL-MMAE処理の存在下での抗CD13によるKasumi-3の生存百分率を示すグラフである。 図7は、RLUとして表されるαMFc-CL-MMAEの存在下での抗CD33+抗CD7の細胞傷害性プロファイルを示すグラフである。 図8は、αMFc-CL-MMAE処理の存在下での抗CD33+抗CD7によるKasumi-3の生存百分率を示すグラフである。 図9は、RLUとして表されるαMFc-CL-MMAEの存在下での抗CD33+抗CD13の細胞傷害性プロファイルを示すグラフである。 図10は、αMFc-CL-MMAE処理の存在下での抗CD33+抗CD13によるKasumi-3の生存百分率を示すグラフである。 図11は、RLUとして表されるαMFc-CL-MMAEの存在下での抗CD33の細胞傷害性プロファイルを示すグラフである。 図12は、抗CD33およびαMFc-CL-MMAE処理によるHEL 92.1.7の生存百分率を示すグラフである。 図13は、RLUとして表されるαMFc-CL-MMAEの存在下での抗CD56の細胞傷害性プロファイルを示すグラフである。 図14は、抗CD56およびαMFc-CL-MMAE処理によるHEL 92.1.7の生存百分率を示すグラフである。 図15は、RLUとして表されるαMFc-CL-MMAEの存在下での抗CD33+抗CD56組み合わせの細胞傷害性プロファイルを示すグラフである。 図16は、αMFc-CL-MMAE処理の存在下での抗CD33+抗CD56併用によるHEL 92.1.7の生存百分率を示すグラフである。 図17は、ウェル当たり2×10細胞のKasumi-3細胞に対して、ウェル当たり6nMのMMAEの濃度に対する野生型BiFabおよび抗ヒトFab-MMAEの5ポイント用量応答を用いて行われた細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。細胞を、37℃、5%COで72時間処理した。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。IC50は、約0.1169nMであった。エラーバーは、三重反復の標準偏差を表す。 図18は、ウェルあたり2×10のKasumi-3について、直接結合したBiFab-MMAEの8ポイント用量応答を用いて実施した細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。細胞を、37℃、5%COで72時間処理した。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。IC50は、0.3211nmであった。エラーバーは、二重反復の標準偏差を表す。 図19Aは、13.2nMの抗マウスFc-MMAE抗体の存在下で、CD7およびCD33抗体の各々の5ポイント用量応答で処理したKasumi-3細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。抗体またはMMAE結合抗体を持たない対照ウェルを含めた。プレートを、37℃、5%COで96時間インキュベートした。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、三重反復の標準偏差を表す。A)抗CD7 ab213014。IC50は0.4485nMであった。 図19Bは、13.2nMの抗マウスFc-MMAE抗体の存在下で、CD7およびCD33抗体の各々の5ポイント用量応答で処理したKasumi-3細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。抗体またはMMAE結合抗体を持たない対照ウェルを含めた。プレートを、37℃、5%COで96時間インキュベートした。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、三重反復の標準偏差を表す。B)抗CD33 ab00283-1.1。IC50は0.323nMであった。 図19Cは、13.2nMの抗マウスFc-MMAE抗体の存在下で、CD7およびCD33抗体の各々の5ポイント用量応答で処理したKasumi-3細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。抗体またはMMAE結合抗体を持たない対照ウェルを含めた。プレートを、37℃、5%COで96時間インキュベートした。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、三重反復の標準偏差を表す。C)抗CD7+抗CD33。IC50は0.3661nMであった。 図20Aは、13.2nMの抗マウスFc-MMAEの存在下で、CD7およびCD33抗体の各々の5ポイント用量応答で処理したSET-2細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。抗体またはMMAE結合抗体を持たない対照ウェルを含めた。プレートを、37℃、5%COで96時間インキュベートした。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、三重反復の標準偏差を表す。A)抗CD7 ab213014。IC50は0.4817nMであった。 図20Bは、13.2nMの抗マウスFc-MMAEの存在下で、CD7およびCD33抗体の各々の5ポイント用量応答で処理したSET-2細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。抗体またはMMAE結合抗体を持たない対照ウェルを含めた。プレートを、37℃、5%COで96時間インキュベートした。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、三重反復の標準偏差を表す。B)抗CD33 ab00283-1.1。IC50は計算不能であった。 図20Cは、13.2nMの抗マウスFc-MMAEの存在下で、CD7およびCD33抗体の各々の5ポイント用量応答で処理したSET-2細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。抗体またはMMAE結合抗体を持たない対照ウェルを含めた。プレートを、37℃、5%COで96時間インキュベートした。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、三重反復の標準偏差を表す。C)抗CD7+抗CD33。IC50は0.206nMであった。 図21は、bi-Fabと一緒に標的化した場合のCD7とCD33の間の相乗的結合を、別々のFabと個別に比較して検討した蛍光標識細胞分取(FACS)実験の結果を表すグラフである。二重抗原陽性細胞株、Kasumi-3およびSET-2を、1nMのCD7/CD33 BiFab、CD7 Fab、CD33 Fabまたは両方のCD7 Fab+CD33で0℃で1時間処理した。二次抗Fab PE抗体を加え、細胞と共に氷上で45分間インキュベートし、過剰を除去した。細胞を二次抗体のみと共にインキュベートした対照試料も含めた(ブランク)。細胞上のPE標識は、FACS Calibur,BD Biosciencesを用いて検出した。エラーバーは、二重反復の標準偏差を表す。 図22は、白血病細胞株のパネル全体でのWT CD7/CD33 Bifabとその構成要素CD7およびCD33 Fabの結合を比較するFACS分析を表すグラフである。細胞は、1nMのCD7/CD33 BiFab、CD7 FabまたはCD33 Fabと共に、0℃で1時間インキュベートした。二次マウス抗Fab PE抗体を用いて、bi-FabおよびFab結合を検出した。細胞を二次抗体のみと共にインキュベートした対照試料も含めた(ブランク)。細胞上のPE標識は、FACS Calibur,BD Biosciencesを用いて検出した。エラーバーは、二重反復の標準偏差を表す。 図23Aは、BiFab-MMAE、CD7-MMAE、CD33-MMAEおよびCD7+CD33-MMAEの滴定で処理した、Kasumi-3細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。細胞を、37℃、5%COで96時間処理した。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは二重反復の標準偏差を表し、BiFab-MMAEのIC50値は以下の通りであった:A)0.3211nM。 図23Bは、BiFab-MMAE、CD7-MMAE、CD33-MMAEおよびCD7+CD33-MMAEの滴定で処理した、SET-2細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。細胞を、37℃、5%COで96時間処理した。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは二重反復の標準偏差を表し、BiFab-MMAEのIC50値は以下の通りであった:B)1.453nM。 図24は、BiFab-MMAEまたはゲムツズマブ-MMAEの滴定で処理した、Kasumi-3細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。細胞を、37℃、5%COで96時間処理した。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、二重反復の標準偏差を表し、BiFab-MMAEのIC50は0.3211nMであり、ゲムツズマブ-MMAEのIC50は0.8781nMであった。 図25は、10μlのBiFab-MMAEおよびゲムツズマブ-MMAEで処理した、SET-2細胞について実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。細胞を、37℃、5%COで96時間処理した。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionをウェルごとにピペットで加え、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、二重反復の標準偏差を表し、BiFab-MMAEのIC50は1.453nMであり、ゲムツズマブ-MMAEのIC50は計算不能であった。 図26は、CD7/CD33二重陽性サブ集団、HEL-92およびMOLM-16細胞株の特異的細胞死滅アッセイの結果を示すグラフであり、両方ともCD33+/CD7+細胞のサブ集団を含み、WT biFab-MMAEの滴定と共に0、0.03、0.1および0.3nMで37℃、5%COで72時間インキュベートした。インキュベーション後、細胞を回収し、別々の試料を、抗ヒトFab-PE、抗CD7-PE、抗CD33 FITC、抗CD7-PE+抗CD33 FITCと共に、または二次抗体なしで氷上で1時間インキュベートした。過剰な二次抗体を除去し、FACS Calibur,BD Biosciencesを用いて蛍光を検出した。CD33抗原のみの細胞およびCD7/CD33二重抗原細胞を表す2つの領域における事象について試料を分析した。 図27は、BiFab-MMAEの滴定で処理された、HNT-34細胞に対して実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。細胞を、37℃、5%COで96時間処理した。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、二重反復の標準偏差を表す。BiFab-MMAEのIC50は0.45nMであった。 図28は、BiFab-MMAEの滴定で処理された、UOC-M1細胞に対して実施された細胞死滅アッセイの結果を示すグラフである。細胞を、37℃、5%COで96時間処理した。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットした。エラーバーは、二重反復の標準偏差を表す。BiFab-MMAEのIC50は2.7nMであった。
本発明者らは、驚くべきことに、AML細胞上のCD7およびCD33の二重標的化が相乗的な治療効果を提供することを実証した。本発明者らは、この二重標的化がAML細胞死の誘導に対して有意な相乗効果をもたらすことを実証した。具体的には、本発明者らは、驚くべきことに、AML疾患細胞株におけるCD7およびCD33の二重標的化が、単一の標的化と比較して癌細胞死の20倍の増加をもたらすことを確認した。
本発明者らは、AMLにおける異なる潜在的標的抗原の組み合わせの適用を検討するために、細胞生存アッセイのパネル(Promega CellTiter-Glo(登録商標))を実施した。各標的抗原組み合わせで2つの抗原を発現するAML細胞株を選択し、一次モノクローナル抗体の濃度を増加させながら、単独または組み合わせでインキュベートした。細胞傷害性ペイロード、MMAEに連結された規定された濃度の二次抗マウスFc抗体を、切断可能なリンカーと共に添加して、「ADC」効果を発揮した。内部移行後、二次抗体からのMMAEペイロードはリソソーム内で放出され、細胞死をもたらした。細胞の生存百分率を計算し、データセットからIC50値を導出した。
このアッセイは、CD7およびCD33抗原の両方がADC療法に必要な性質を有することを実証した。どちらの抗原も、抗体によって結合されると内部移行され、ペイロード放出のために抗体をリソソームに向かわせ、細胞死をもたらした。
単独で標的化した場合、CD7抗体およびCD33抗体の両方は、抗原陽性細胞に対して乏しい細胞毒性を誘発し、IC50はそれぞれ158.2nMおよび163.6nMであった。しかし、組み合わせでインキュベートした場合、効力の20倍の増加、8.2nMが記録された。このことは、2つの受容体をタンデムに標的とすることが急速な内部移行を駆動し、その結果、一定の用量でリソソームに到達するペイロードの程度がより大きくなることを示唆している。これは、試験した代替の組み合わせでは明らかではなかった。
CD7は、TおよびBリンパ球の前駆細胞、ナチュラルキラー細胞および樹状細胞上に発現する汎白血球性受容体であり(Hao,2001;Sempowki,1999)、T細胞活性化に付随的な役割を果たし(Lazarovits,1994;Stillwell,2011)、成熟CD4<+>細胞の表面に持続する(Cotta,2006;Lobac,1985)。CD7は、白血病およびリンパ腫処置のための細胞毒性分子の送達の標的として広く研究されている(Peipp,2002;Bremmer,2006;Franker,1997;Vallera,1996;Waurzyniak,1997)。
CD33は、シアル酸に結合する67kDaの細胞膜タンパク質であり、タンパク質のシアル酸結合Ig関連レクチン(SIGLEC)ファミリーの要素である。CD33は、骨髄細胞上に発現することが知られている。CD33の発現は、多くの悪性細胞についても報告されている。
一般的な骨髄性抗原であるCD33は、AML細胞の大部分上に発現している(De Propris,M.S.,et al.(2011)High CD33 expression levels in acute myeloid leukemia cells carrying the nucleophosmin(NPM1)mutation,haematological,96 1548-1551;Ehninger,A.,et al.(2014)Distribution and levels of cell surface expression of CD33 and CD123 in acute myeloid leukemia,Blood Cancer Journal,4 1-10)一方、一般的なTおよびNK細胞マーカーであるCD7は、予後不良の表現型を付与するAML細胞の化学療法抵抗性サブ集団(約22%に相当)上に異常に発現している(Poeta,G.D.,et al.(1995)CD7 Expression in Acute Myeloid Leukemia.Leuk.Lymphoma,17,111-119;Rohrs,S.,et al.(2010)CD7 in acute myeloid leukemia:correlation with loss of wild-type CEBPA,consequence of epigenetic regulation,Journal of Hematology & Oncology,3 1-7;Rausei-Mills,V.,et al.(2008)Aberrant Expression of CD7 in Myeloblasts Is Highly Associated With De Novo Acute Myeloid Leukemias With FLT3/ITD Mutation,Am J Clin Pathol,129 624-629;Shimamoto,T.,et al.(1994)Clinical and Biological Characteristic of CD7+Acute Myeloid Leukaemia,Cancer Genet Cytogenet 73 69-74;Reading,C.L.,et al.(1993)Expression of unusual immunophenotype combinations in acute myelogenous leukemia,Blood 81 3083-3090;Ossenkoppele,G.J.,et al(2011)Review of the relevance of aberrant antigen expression by flow cytometry in myeloid neoplasms British Journal of Haematology 153 421-436;Lo Coco,F.,et al.(1989)CD7 positive acute myeloid leukaemia:a subtype associated with cell immaturity,British Journal of Haematology 73 480-485;Kita,K.,et al.(1983)Clinical Importance of CD7 Expression in Acute Myelocytic Leukemia,Blood 81,2399-2405;Eto,T.,et al.(1992)Biological characteristics of CD7 positive acute myelogenous leukaemia,British lournal olHaernatology 82 508-511;Chang,H.(2004)Prognostic relevance of immunophenotyping in 379 patients with acute myeloid leukemia,Leukemia Research 28 43-48)。
AMLのCD7+サブタイプは、白血球増加、化学療法に対する応答不良ならびに全生存および無病生存の不良と関連している(Kahl,C.,et al.(2001)CD7+ and CD56+ Acute Myelogenous Leukemia is a Distinct Biologic and Clinical Disease Entity.Haematology and Blood Transfusion,40 112-119)。臨床的には、CD7 AML患者はより若年であり、より頻繁に男性であり、中枢神経系浸潤の発生率がより高く、AMLのより分化度の低いサブタイプと関連していることが多く、より不良な結果とさらに関連している(Tien,H.and Wang,C.(1998)CD7 Positive Hematopoietic Progenitors and Acute Myeloid Leukemia and other Minimally Differentiated Leukemia,Leukemia and Lymphoma,3 93-98)。CD7+AML細胞の未熟性は、この集団におけるCD34の高発現によってさらに支持されている。Poetaら、1995による1件の研究では、CD7+白血病を有する患者はCD7-表現型を有する患者よりもCRが有意に低く(32%対74%)、このサブタイプの標準治療に対する再発の程度および/または難治性の性質を示していることが見出された(Poeta,G.D.,et al.(1995)CD7 Expression in Acute Myeloid Leukemia.Leuk.Lymphoma,17,111-119)。
CD7は、FLT3-ITD+AMLサブグループの特徴と強く相関しており、その特徴であると考えられている。このサブタイプは、FLT3チロシンキナーゼ受容体の調節解除によるより乏しい臨床結果と関連しており、それは、アポトーシスタンパク質の翻訳をダウンレギュレートするシグナルとなり、その結果、AML細胞集団において化学療法誘発性細胞死に対する抵抗性を誘導する(Rausei-Mills,V.,et al.(2008)Aberrant Expression of CD7 in Myeloblasts Is Highly Associated With De Novo Acute Myeloid Leukemias With FLT3/ITD Mutation,Am J Clin Pathol,129 624-629)。AMLの特に予後不良なサブタイプとして、FLT3 AMLサブグループは、キナーゼ阻害剤および単特異性ADCを含む多くの新しい治療薬が特定的にこの集団を標的とする、新規の創薬者が標的とする望ましい疾患クラスである。
AMLにおけるCD7の異常な発現を説明するために、いくつかの機序が記載されている。これらには、白血病細胞における疾患特異的な不規則な遺伝子発現(血統不忠実)、リンパ球および骨髄の分化が可能な多能性前駆細胞の悪性形質転換、または正常な細胞分化中に異なる細胞系統のマーカーを一過性に発現し得るまれな前駆細胞の増殖および成熟停止(系統の乱交)が含まれる(Tien,H.and Wang,C.(1998)CD7 Positive Hematopoietic Progenitors and Acute Myeloid Leukemia and other Minimally Differentiated Leukemia,Leukemia and Lymphoma,3 93-98)。
一過性のCD7発現は、骨髄系およびリンパ系の両方の起源の細胞を産生することができる初期前駆細胞のサブセットにおいて報告されているが、成熟骨髄系およびリンパ系の形質転換の間に失われる(Tien,H.and Wang,C.(1998)CD7 Positive Hematopoietic Progenitors and Acute Myeloid Leukemia and other Minimally Differentiated Leukemia,Leukemia and Lymphoma,3 93-98)。これに沿って、1件の研究では、これら2つの抗原の低レベルでの共発現が、多能性幹細胞(CD33low/CD7+/-)、一部の骨髄前駆細胞(CD33high/CD7+/-)および一部のT細胞前駆細胞(CD33+/-/CD7med)を含む健康な造血細胞の特定のサブセットで確認されていたが、発生中に共発現が失われたことが見出された(Barcena,A.,et al.(1994)Tracing the Expression of CD7 and other Antigens during T- and Myeloid-cell Differentiation in the Human Fetal Liver and Thymus,Leukaemia and Lymphoma 17 1-11)。したがって、この共発現パターンは、これら2つの抗原が一過性に一緒に見られ、この発現が悪性形質転換の間に増幅される、発生の特定の段階で捕獲された前駆細胞の特定のサブセットのクローン性増殖の結果であり得る可能性がある。
有利なことに、ある種の前駆体サブセットにおいて、これらの2つの抗原に対して何らかの一過性の共発現が明らかであり得る一方、各抗原の発現の程度は低いないし陰性であることは明らかである。CD33およびCD7は、初期の造血発生のどの段階においても高レベルの共発現を示さず、初期前駆細胞の選択された小サブ集団上での限定された発現を示し、前駆細胞プール全体には反映されない。
この抗原の組合せは、白血病芽球の共発現パターンの忠実度に基づいて、可能なAMLの組合せのパネルから選択された。二重標的化の相乗作用は全く予想外であり、予測できなかった。
本発明は、AML細胞集団に限定される2つの細胞表面抗原、CD7およびCD33の疾患特異的共発現を同時に標的化し、2つの抗原のうちの1つのみを発現し得る健康な細胞に対する標的効果を回避する二重標的化治療アプローチを提供する。このように、提案された二重特異性ADCは、他のAML療法よりも選択性を改善したであろう。この選択性は、より高い、より有効な用量の治療薬を長期間にわたって送達することを可能にするであろう。
従って、本発明は、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤、ならびに、CD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置するための二重標的化療法において同時に、別々に、または連続的に投与することができる、CD7と特異的に結合する細胞阻害剤およびその治療組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤と、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤と、CD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置するためのその治療組成物との組み合わせを提供する。
本発明はまた、CD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置するための、CD33およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤を提供する。
第1の態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するための、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤を提供し、CD33に特異的に結合する前記細胞阻害剤は、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤と組み合わせて投与するために調製される。
さらなる態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するための、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤を提供し、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤は、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤と組み合わせて投与するために調製される。
さらなる態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するための、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤とCD7に特異的に結合する細胞阻害剤との組み合わせを提供する。
さらなる態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するための、CD33およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤を提供する。
別の態様では、本発明は、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤、およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤、およびCD7+CD33+血液悪性腫瘍の再発を防止または遅延させるための二重標的化療法において同時に、別々に、または連続的に投与することができるその治療組成物を提供する。さらなる態様において、本発明は、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤と、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤と、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の再発を防止または遅延させるためのその治療組成物との組み合わせを提供する。さらなる態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の再発を防止または遅延させるための、CD33およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤ならびにその治療組成物を提供する。
本明細書中に記載される細胞阻害剤およびその治療組成物は、医薬の製造において使用するためのものであり得る。本明細書で使用される「医薬」とは、医療処置に使用される物質(すなわち、薬剤)を指す。医薬は、例えば、養子細胞移入に使用するためのものであるT細胞産物であってもよい。
本明細書に記載される細胞阻害剤およびその治療組成物は、それを必要とする対象におけるCD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置する方法、またはそれを必要とする対象におけるCD7+CD33+血液悪性腫瘍の再発を防止もしくは遅延させるために使用され得る。
従って、それを必要とする対象におけるCD7+CD33+血液悪性腫瘍を処置するための方法は、以下:
i)CD33に特異的に結合する有効量の細胞阻害剤を対象に投与するステップ、
ii)CD7に特異的に結合する細胞阻害剤を対象に投与するステップ、
を含み、
ステップi)およびii)は、別個、同時または連続的であり、任意の順序である。
本明細書で使用されるように、CD7は、好ましくはヒトCD7であり、CD33は、好ましくはヒトCD33である。特定の実施形態において、細胞阻害剤は、細胞表面で発現されるCD7およびCD33に特異的に結合する。本明細書で使用される場合、「細胞表面で発現される」という表現は、CD7および/またはCD33タンパク質の少なくとも一部が細胞膜の細胞外側に曝露され、かつ本発明の細胞阻害剤にアクセス可能であるように、in vitroまたはin vivoで細胞の表面に発現される1以上のCD7および/またはCD33タンパク質(複数可)を意味する。
用語「CD7+CD33+血液悪性腫瘍」とは、悪性細胞(例えば、細胞表面上でCD33および/もしくはCD7を過剰発現する、ならびに/または、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤、もしくはCD7およびCD33に特異的に結合する細胞阻害剤での療法に許容されると考えられるレベルでCD33および/もしくはCD7を発現する血液悪性腫瘍)の表面上のCD7およびCD33の両方の発現を特徴とする血液悪性腫瘍を指す。
CD7+CD33+血液悪性腫瘍には、限定されるものではないが、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群、T細胞急性リンパ芽球性白血病、および芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)が含まれる。
好ましい実施形態では、CD7+CD33+血液悪性腫瘍はAMLである。
本発明の細胞阻害剤は、患者に静脈内または皮下投与することができる。
別の態様では、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の再発を防止または遅延させるための二重標的化療法において同時に、別々に、または連続的に投与することができる、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤、およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤、およびその治療組成物を提供する。さらなる態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の再発を防止または遅延させるための、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤と、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤と、その治療組成物との組み合わせを提供する。さらなる態様において、本発明は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の再発を防止または遅延させるための、CD33およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤およびその治療組成物を提供する。
本明細書中で使用される「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」および「処置(treatment)」という用語は、障害または症状の発生を防止するか、または病態を変えることを意図して行われる介入を含むものと解釈される。したがって、「処置する(treatment)」とは、目的が標的された障害または症状を防止または減速(軽減)することである治療的処置および予防的または防止的手段の両方を指す。したがって、「処置すること(treating)」という用語は、障害または症状の発生を処置および/または防止することを包含する。本明細書で使用される「療法」とは、疾患または障害の防止または処置を指す。療法は、予防的または治療的であり得る。
このような局面において、本発明の細胞阻害剤は、血液悪性腫瘍からの寛解において患者に投与され、その結果、基礎となる血液悪性腫瘍の再発を防止または遅延させる。
本明細書中で使用される、「患者」は、典型的には、血液悪性腫瘍、好ましくはCD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置を受けているか、または有すると診断されたヒトである。いくつかの実施形態では、細胞阻害剤は、CD7+CD33+血液悪性腫瘍から寛解している患者に投与され、それによって、血液悪性腫瘍の再発は防止されるかまたは遅延される。いくつかの実施形態では、患者は、血液悪性腫瘍の検出可能な細胞を欠いている。本明細書中で使用されるように、「検出可能な細胞の欠如」は、標準的な診断的または予後的方法によって決定される。AMLから寛解した患者は、典型的には、異常な臨床的特徴の消失、正常な血球数への回復、および芽球細胞が5%未満、好中球数が1.000~1,500を超え、血小板数が100,000を超え、白血病クローンが消失した、骨髄における正常な造血を示す。例えば、The Merck Manual,Sec.11,Ch.138(第17版、1997):Estey,2001,Cancer 92(5):1059-1073を参照。
いくつかの実施形態において、CD7+CD33+血液悪性腫瘍から寛解した患者は、骨髄移植を受けていない。他の実施形態では、CD7+CD33+血液悪性腫瘍から寛解した患者は、骨髄移植を受けている。骨髄移植は、自家または同種骨髄移植のいずれかとすることができる。
CD7+CD33+血液悪性腫瘍(例えば、AML)を処置し、CD7+CD33+血液悪性腫瘍(例えば、AML)の再発を遅延防止または遅延させる実施形態では、AML癌細胞死を誘導することおよび/またはAML癌細胞成長を阻害することを含む。
細胞阻害剤は、化合物(すなわち、細胞阻害剤(複数可))および1以上の他の成分を含む組成物(例えば、治療組成物)の一部であってもよい。組成物は、細胞阻害剤ならびに薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、希釈剤および/または担体を含む治療組成物であり得る。治療組成物は、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝剤、保存剤、適合性担体、アジュバントおよびサイトカインのような補足的免疫増強剤、ならびに任意に他の治療剤または化合物を常習的に含むことができる。
本明細書中で使用される「薬学的に許容される」とは、生物学的または他の点で不所望ではない物質を指し、すなわち、物質は、望ましくない生物学的効果を引き起こさず、またはそれが含まれる医薬組成物の他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、選択された化合物とともに個体に投与され得る。
賦形剤は、活性成分(例えば、ワクチン、細胞周期阻害剤、免疫抑制機構のモジュレーター、または免疫チェックポイント阻害剤(適宜))と共に処方される天然または合成物質であり、処方物を膨張させる目的で、または薬物の吸収もしくは溶解性を促進するなど、最終的な投薬形態の活性成分に治療的増強を与える目的で含まれる。賦形剤はまた、予期される貯蔵寿命にわたる変性の防止などのin vitro安定性を助けることに加えて、粉末流動性または非粘着特性を促進することなどによって、関連する活性物質の取り扱いを助けるために、製造プロセスにおいて有用であり得る。薬学的に許容可能な賦形剤は、当技術分野で周知である。従って、適切な賦形剤は、通常の当業者によって容易に同定可能である。一例として、適当な薬学的に許容される賦形剤は、水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノール等を含む。
アジュバントは、処方物中の他の剤の効果を修正する薬理学的および/または免疫学的剤である。薬学的に許容可能なアジュバントは、当技術分野で周知である。従って、適切なアジュバントは、通常の当業者によって容易に確認可能である。
希釈剤は希釈する剤である。薬学的に許容可能な希釈剤は、当技術分野で周知である。従って、適当な希釈剤は、通常の当業者によって容易に同定可能である。
担体は、使用される用量および濃度でレシピエントに対して無毒であり、処方物の他の成分と適合性である。用語「担体」は、有機または無機成分、天然または合成を示し、それらと活性成分を組み合わせて適用を容易にする。薬学的に許容可能な担体は、当技術分野で周知である。従って、適当な担体は、通常の当業者によって容易に確認可能である。
本明細書中で使用される用語「有効量」および「治療有効量」は、毒性、刺激、またはアレルギー応答のような過度の副作用なしに所望の治療応答をもたらすのに十分な活性治療剤の量を指す。特定の「有効量」は、明らかに、処置される特定の状態、患者の身体状態、処置される動物の種類、処置の期間、同時療法の性質(もしあれば)、ならびに使用される特定の製剤および化合物またはその誘導体の構造のような因子によって変化するであろう。この場合、(a)癌細胞成長(例えば、AML細胞)の阻害;および(b)癌細胞(例えば、AML細胞)の死滅の1つ以上をもたらしたが、これらに限定されない場合、量は治療的に有効であるとみなされるであろう。
患者に投与される細胞阻害剤およびその治療組成物の用量は、年齢および患者の大きさ、標的疾患、状態、投与経路などに依存して変化し得る。好ましい用量は、典型的には、体重または体表面積に従って計算される。
細胞阻害剤およびその治療組成物の投与方法には、限定されるものではないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、および経口経路が含まれる。細胞阻害剤およびその治療組成物は、任意の好都合な経路によって、例えば、注入またはボーラス注射によって、上皮または粘膜皮膚の内層(例えば、口腔粘膜、直腸および腸粘膜など)を介する吸収によって投与することができ、他の生物学的活性剤と一緒に投与することができる。投与は、全身的または局所的であってもよい。
好適には、本明細書に記載される二重標的化処置は、それを必要とする対象におけるCD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に利益をもたらすであろう。例えば、二重標的化療法は、それを必要とする対象におけるAMLの処置に対して相加または相乗効果を有し得る。二重標的化療法とは、例えば、応答の程度(例えば、アポトーシスまたは細胞生存率)、応答速度、疾患進行までの期間または生存期間によって測定されるように、その効果が、二重標的化療法の成分のうちの1つまたは他の成分をその従来の用量で投与することで達成可能なものよりも治療的に優れている場合に、「相加効果」、「相乗効果」または「相乗的処置」をもたらすものと定義される。例えば、二重標的化療法の効果は、効果が、CD33単独に特異的に結合する細胞阻害剤またはCD7単独に特異的に結合する細胞阻害剤で達成可能な効果よりも治療的に優れている場合、相加的である。例えば、併用処置の効果が併せて加えられた個々の処置の効果に取って代わる場合、併用治療の効果は相乗的であり得る。さらに、CD33単独に特異的に結合する細胞阻害剤またはCD7単独に特異的に結合する細胞阻害剤に応答しない(または応答が悪い)対象の群において有益な効果が得られた場合、組み合わせの効果は有益である(例えば、相加的または相乗的)。さらに、組み合わせ処置の効果は、成分の1つが従来の用量で投与され、他方の成分が減量された用量で投与された場合に利益(例えば相加効果または相乗効果)をもたらすものとして定義され、例えば、応答の程度、応答速度、疾患進行までの時間または生存期間は、組合せ処置の成分のいずれか1つの従来の量を投与することで達成可能なものと同等またはそれより良好である。特に、CD33に特異的に結合する従来の用量の細胞阻害剤またはCD7に特異的に結合する細胞阻害剤が、応答の程度、応答速度、疾患進行までの時間および生存データの1つ以上に有害なことなく、特に応答の持続時間に有害なことなく、しかし、各成分の従来の用量を使用した場合に生じる副作用よりも少ない、かつ/または煩わしくない副作用を伴って低下し得る場合に、有益性が存在するとみなされる。
CD33に特異的に結合する細胞阻害剤およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤は、対象への連続的(sequential)(連続的(consecutive))、分離的(前または後)および/または同時的(simultaneous)(同時的(concurrent))投与に適した形態で、任意の順序で提供され得る。例えば、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤を、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤との連続的、分離的および/または同時投与に適した形態で提供することができる(またはその逆)。
CD33に特異的に結合する細胞阻害剤とCD7に特異的に結合する細胞阻害剤を同時に投与する場合には、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤と、同時に投与されるCD7に特異的に結合する細胞阻害剤を、同時に投与される別々の組成物として投与してもよく、または両者を含む併用組成物として投与してもよい。
CD33に特異的に結合する細胞阻害剤は、CD7に特異的に結合する細胞阻害剤が対象中のCD33+CD7+AML細胞と接触するのと同じ点で、細胞阻害剤が対象中のCD33+CD7+AML細胞と接触するのを可能にする任意の方法で投与することができる。通常の当業者は、適切な投与レジメンを確認することができる。
CD33に特異的に結合する細胞阻害剤およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤の投与が連続的または別々である場合、第2の処方物の投与における遅延は、併用療法の有益な効果を失うほどではないはずである。
本発明の文脈では、「標的化」および「二重標的化」が、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤が、それら自体がそれらの存在が望まれる少なくとも1つの組織部位に優先的に局在するように働くことを示すために、本明細書で使用される。本発明において、細胞阻害剤は、CD33、CD7またはCD33およびCD7に特異的に結合し、それによって、当該対象への投与後に、対象の体内の少なくとも1つの所望部位に平均よりも大きな局在を提供する。本症例における標的化部分は、細胞表面受容体CD33に特異的に結合するように選択されるであろう。特定の病態(例えば、AML)を有する細胞においてCD33およびCD7が発現および/または過剰発現される場合、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤およびCD7に特異的に結合する細胞阻害剤は、このような疾患に罹患した細胞に対する複合体を標的とするのに役立ち得る。
本明細書中で使用される用語「細胞阻害剤」は、標的細胞の細胞死滅を誘導するか、または標的細胞の細胞成長を阻害する任意の剤を指す。本明細書中で使用されるように、「標的細胞の死滅」は、例えば、細胞生存率が低下するようなタンパク質合成の阻害、または標的細胞の除去もしくは死をもたらすアポトーシスの誘導に関する。細胞死滅およびアポトーシスを決定するアッセイは、当技術分野で周知である。細胞毒性アッセイは、薬理学的物質(例えば、LDH細胞毒性アッセイ、または生死細胞アッセイ)による処置後の集団における生細胞および死細胞の数を評価する。アポトーシスアッセイは、細胞死時に活性化されるマーカー(例えば、PS露出アッセイ、カスパーゼ活性化アッセイ、DNA断片化アッセイ、GSH/GSSG決定、LDH細胞毒性アッセイ、生死細胞アッセイ、または非カスパーゼプロテアーゼ活性化アッセイ)を測定することによって、細胞がどのように死滅しているかを評価する。
本明細書で使用される、「細胞成長を阻害する」(例えば、標的細胞を指す)とは、本開示による細胞阻害剤と接触していない同一細胞の成長と比較して、本発明による細胞阻害剤と接触した場合の標的細胞の成長または増殖のあらゆる測定可能な減少、例えば、細胞の成長の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%の阻害を指す。細胞の生存性または増殖を決定するアッセイは、当技術分野で周知である。細胞生存アッセイは、細胞活性のマーカー(例えば、ATPおよびADP判定アッセイ、細胞周期アッセイ、細胞増殖アッセイ、細胞生存アッセイ、LHD細胞毒性アッセイ、または生死細胞アッセイ)を測定することによって、細胞がどのように健康であるかを評価する。細胞増殖アッセイは、細胞集団の成長速度を評価するか、または成長している集団中の娘細胞を検出するために評価する(例えば、細胞周期アッセイ、細胞増殖アッセイ、細胞生存アッセイ、または老化アッセイ)。
本明細書で使用する、「CD33発現細胞」および「CD33+細胞」は、表面抗原としてCD33を有する細胞を指す。本明細書で使用する、「CD7発現細胞」および「CD7+細胞」は、表面抗原としてCD7を有する細胞を指す。本明細書で使用する、「CD33およびCD7発現細胞」および「CD33+CD7+細胞」は、表面抗原としてCD33およびCD7の両方を有する細胞を指す。
本明細書中で使用する「標的細胞」とは、標的分子CD7およびCD33の発現または過剰発現を特徴とする細胞または細胞型を指す。CD7およびCD33を発現する任意のタイプの細胞を、本発明の細胞阻害剤による処置のための標的細胞として想定することができる。ある実施形態において、細胞は、腫瘍細胞、例えばAML細胞のような血液悪性腫瘍由来の腫瘍細胞である。
特定の実施形態において、本明細書に記載される細胞阻害剤は、前記細胞阻害剤のCD33+細胞へのCD33受容体媒介性の内部移行、および/または前記細胞阻害剤のCD7+細胞へのCD7受容体媒介性の内部移行を誘導することができる。特定の実施形態において、細胞阻害剤は、CD33およびCD7の両方に特異的に結合し、細胞表面上のCD7およびCD33の両方の結合に際してCD7+CD33+細胞への剤の内部移行を誘導することができる細胞阻害剤である。
本明細書で使用する、「CD33受容体媒介性の内部移行」は、細胞表面上のCD33に結合するとCD33+細胞によって取り込まれる(すなわち、進入する)ことを指す。治療的適用のために、in vivoでの内部移行が考えられる。本明細書で使用する、「CD7受容体媒介性の内部移行」は、細胞表面上のCD7に結合するとCD7+細胞によって取り込まれる(すなわち、進入する)ことを指す。治療的適用のために、in vivoでの内部移行が考えられる。
治療的適用のためには、内部移行した細胞阻害剤の数は、CD33+CD7+細胞、特にAML細胞のようなCD7+CD33+血液癌細胞を死滅させるのに十分または適切であろう。細胞阻害剤の効力に依存して、いくつかの例において、単一分子の細胞内への取り込みは、剤が結合する標的細胞を死滅させるのに十分である。細胞阻害剤がCD33および/またはCD7受容体媒介内在化を誘導するかどうかは、当技術分野で周知の種々のアッセイによって決定することができる。in vitroでの内部移行のために、細胞を、培養培地に添加した関連する細胞阻害剤の存在下または非存在下で組織培養皿中でインキュベートし、所望の時点で顕微鏡分析のために処理することができる。細胞中の内部移行し、標識された細胞阻害剤の存在は、放射標識された細胞阻害剤が使用される場合、顕微鏡により、またはオートラジオグラフィーにより直接可視化することができる。あるいはまた、定量的生化学アッセイにおいて、CD33+CD7+細胞を含む細胞の集団を、放射標識試験細胞阻害剤とin vitroまたはin vivoで接触させ、細胞(in vivoで接触させた場合、適切な量の時間の後に細胞を単離する)をプロテアーゼで処理するか、または酸洗浄に供して、細胞表面上の内部移行していない細胞阻害剤を除去する。細胞を粉砕し、シンチレーションカウンターを通してホモジネートを通過させることにより、各バッチの細胞に関連するプロテアーゼ抵抗性、分当たりの放射能計数(cpm)の量を測定する。放射標識された細胞阻害剤の既知の比活性に基づいて、1細胞あたりの内部移行した細胞阻害分子の数を、グラウンドアップ細胞のシンチレーションカウントから推定することができる。細胞は、好ましくは培養皿またはフラスコ中の細胞培養培地に細胞を添加し、抗体を培地と十分に混合することなどにより、溶液形態でin vitroで細胞阻害剤と「接触」させて、細胞の細胞阻害剤への均一な曝露を確実にする。培養培地に添加する代わりに、細胞を、試験管中のPBSなどの等張溶液中で所望の期間にわたって試験細胞阻害剤と接触させることができる。in vivoでは、患者に投与する場合には後述する投与方法のような被験細胞阻害剤を投与する任意の適切な方法により、細胞を細胞阻害剤と接触させる。
特定の実施形態において、本発明の細胞阻害剤は、限定されるものではないが、抗体およびその断片、ADC、低分子薬物結合体(SMDC)、免疫毒素、ペプチドおよび非ペプチド結合体、イメージング剤、治療用ワクチン、ナノ粒子であってもよい。特定の実施において、細胞阻害剤は、抗体およびその断片である。
本明細書で使用される用語「抗体(単数)」または「抗体(複数)」は、既知の抗原、特に免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、免疫特異的に抗原に結合する結合部位を含む分子(すなわち、CD7またはCD33)に結合する分子または分子の活性断片を指す。本発明による免疫グロブリンは、任意のクラス(IgG、IgM、IgD、IgE、IgAおよびIgY)またはサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)または免疫グロブリン分子のサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4におけるIgG、またはIgA1およびIgA2におけるIgA)であり得る。
本発明の範囲内で、用語「抗体(単数)」または「抗体(複数)」は、モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、一本鎖、二重特異性、ヒトおよびヒト化抗体、ならびにその活性断片を含む。既知の抗原に結合する分子の活性断片の例としては、Fab、F(ab’)、F(ab’)、scFvおよびFv断片が挙げられ、これらには、Fab免疫グロブリン発現ライブラリーの産物ならびに上記の抗体および断片のいずれかのエピトープ結合断片が含まれる。
本明細書中で使用される用語「モノクローナル抗体」は、単一のクローニングから実験室で大量に生産され、1つの抗原のみを認識する抗体を指す。モノクローナル抗体は、典型的には、通常は短寿命の抗体産生B細胞を、癌細胞(ときに「不死」細胞と呼ばれる)のような速く成長する細胞に融合することによって作られる。得られたハイブリッド細胞、またはハイブリドーマは、急速に増殖し、大量の抗体を産生するクローンを作り出す。本発明の目的のために、「モノクローナル抗体」は、また、未だ完全なモノクローナル性に達していない母クローンによって産生される抗体を含むことも理解されるべきである。
本明細書中で使用される用語「キメラ抗体」は、マウス由来の可変領域、すなわち結合領域と、通常は組換えDNA技術によって調製される異なる供給源または種に由来する定常領域の少なくとも一部とを含むモノクローナル抗体を指す。マウス可変領域およびヒト定常領域を含むキメラ抗体は、例示的な実施形態である。このようなマウス/ヒトキメラ抗体は、マウス免疫グロブリン可変領域をコードするDNAセグメントおよびヒト免疫グロブリン定常領域をコードするDNAセグメントを含む発現免疫グロブリン遺伝子の産物である。本開示によって包含される「キメラ抗体」の他の形態は、クラスまたはサブクラスが元の抗体のものから改変または変更されたものである。このような「キメラ」抗体は、「クラススイッチ抗体」とも呼ばれる。キメラ抗体を産生するための方法は、現在当技術分野で周知の従来の組換えDNAおよび遺伝子トランスフェクション技術を含む。例えば、Morrison,S.L.,et al.,Proc.Natl.Acad Sci.USA 81(1984)6851-6855;米国特許第5,202,238号および米国特許第5,204,244号を参照のこと。
本明細書で使用される用語「ヒト化抗体」または「抗体のヒト化版」とは、親免疫グロブリンのものと比較して異なる特異性の免疫グロブリンのCDRを含むようにフレームワークまたは「相補性決定領域」(CDR)が改変された抗体を指す。いくつかの例示的な実施形態では、VHおよびVLのCDRをヒト抗体のフレームワーク領域に移植して、「ヒト化抗体」を調製する。例えば、Riechmann,L.,et al.,Nature 332(1988)323-327;およびNeuberger,M.S.,et al.,Nature 314(1985)268-270を参照のこと。重鎖および軽鎖可変フレームワーク領域は、同一の、または異なるヒト抗体配列に由来し得る。ヒト抗体配列は、天然に存在するヒト抗体の配列であり得る。ヒト重鎖および軽鎖可変フレームワーク領域は、例えば、Lefranc,M.-P.,Current Protocols in Immunology(2000)-Appendix 1P A.1P.1-A.1P.37に列挙され、例えば、IMGT、国際ImMunoGeneTics情報システム(登録商標)(http://imgt.cines.fr)またはhttp://vbase.mrc-cpe.cam.ac.ukを介してアクセス可能である。任意に、フレームワーク領域は、さらなる突然変異によって修飾され得る。例示的CDRは、キメラ抗体について上述した抗原を認識する配列を表すものに対応する。いくつかの実施形態において、このようなヒト化版は、ヒト定常領域でキメラ化される。本明細書中で使用される用語「ヒト化抗体」はまた、特にC1q結合および/またはFcR結合に関して、例えば「クラススイッチング」、すなわちFc部分の変化または突然変異(例えば、IgG1からIgG4および/またはIgG1/IgG4突然変異)によって、開示に従って特性を生成するために定常領域において修飾されるこのような抗体を含む。
本明細書中で使用される用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖系免疫グロブリン配列に由来する可変および定常領域を有する抗体を含むことを意図している。ヒト抗体は、最新技術で周知である(van Dijk,M.A.およびvan de Winkel,J.G.,Curr.Opin.Chem.Biol.5(2001)368-374)。ヒト抗体はまた、免疫化に際して、内因性免疫グロブリン産生がなくても完全なレパートリーまたはヒト抗体の選択を産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス)において産生することができる。このような生殖系突然変異マウスにおけるヒト生殖系免疫グロブリン遺伝子アレイの伝達は、抗原負荷時のヒト抗体の産生をもたらす(例えば、Jakobovits,A.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90(1993)2551-2555;Jakobovits,A.,et al.,Nature 362(1993)255-258;Brueggemann,M.D.,et al.,Year Immunol.7(1993)33-40を参照)。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーにおいても産生することができる(Hoogenboom,H.R.およびWinter,G.,J.Mol.Biol.227(1992)381-388;Marks,J.D.,et al.,J.Mol.Biol.222(1991)581-597)。Cole,A.,et al.およびBoerner,P.,et al.の技術は、ヒトモノクローナル抗体の調製にも利用可能である(Cole,A.,et al.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Liss,A.R.(1985)p.77;およびBoerner,P.,et al.,J.Immunol.147(1991)86-95)。既に言及したように、本開示によれば、本明細書で使用される用語「ヒト抗体」はまた、例えば「クラススイッチング」、すなわちFc部分の変化または突然変異(例えば、IgG1からIgG4および/またはIgG1/IgG4突然変異)によって、例えばC1q結合および/またはFcR結合に関して、開示に従って特性を生成するために定常領域において修飾されるこのような抗体を含む。
本明細書中で使用される「一本鎖抗体」は、一本鎖Fv分子(scFv)を指し、VHドメインおよびVLドメインは、2つのドメインが結合して抗原結合部位(Bird et al.,1988,Science 242:423-426,Huston et al.,1988,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85:5879-5883)または二重特異性一本鎖Fv(国際公開第03/11161号)を形成できるようにするペプチドリンカーによって連結される。
本明細書で使用される用語「抗体断片」は、完全長抗体の一部を指し、用語「抗原結合断片」は、その可変ドメイン、または少なくともその抗原結合部位、例えばCDRを指す。抗体断片の例としては、二重特異性抗体、一本鎖抗体分子、および抗体断片から形成される多特異性抗体が挙げられる。scFv抗体は、例えば、Huston,J.S.,Methods in Enzymol.203(1991)46-88に記載されている。抗体断片は、多くの当技術分野で既知の技術によって、本発明の抗体から誘導することができる。例えば、精製されたモノクローナル抗体は、ペプシンのような酵素で切断し、HPLCゲルろ過に供することができる。次いで、Fab断片を含む適当な画分を、膜ろ過等により収集し、濃縮することができる。抗体の活性断片の単離のための一般的な技術のさらなる説明については、例えば、Khaw,B.A.et al.J.Nucl.Med.23:1011-1019(1982);Rousseaux et al.Methods Enzymology,121:663-69,Academic Press,1986を参照のこと。
本明細書で使用される用語「二重特異性抗体」は、2つ(以上)の異なる抗原に結合する抗体を指す。二重特異性抗体は、典型的には、少なくとも2つの異なる可変ドメインを含み、各可変ドメインは、別々の抗原に特異的に結合することが可能である。特定の局面において、本発明の二重特異性抗体は、ヒト抗体である。本明細書で使用される表現「二重特異性抗原結合分子」は、少なくとも第1の抗原結合ドメインおよび第2の抗原結合ドメインを含むタンパク質、ポリペプチドまたは分子複合体を意味する。二重特異性抗原結合分子内の各抗原結合ドメインは、単独で、または1以上の追加のCDRと組み合わせて、特定の抗原に特異的に結合する少なくとも1つのCDRを含む。本発明との関連では、第1の抗原結合ドメインは第1の抗原(例えば、CD7)と特異的に結合し、第2の抗原結合ドメインは第2の別個の抗原(例えば、CD33)と特異的に結合する。ある局面において、二重特異性分子は、ヒトCD7およびヒトCD33に同時に結合することができる。
特定の実施形態では、CD7およびCD33に特異的に結合する細胞阻害剤は、二重特異性抗体であり、そのような抗体は、「抗CD7×CD33」または「抗CD7/抗CD33」などと称され得る。
任意の二重特異性抗体フォーマットまたは技術を用いて、本発明の二重特異性抗原結合分子を作製することができる。本発明の文脈において使用することができる具体的な例示的な二重特異性フォーマットには、限定するものではないが、例えば、scFvベースまたは二重特異性抗体二重特異性フォーマット、IgG-scFv融合、二重可変ドメイン(DVD)-lg、Quadroma、ノブ-イン-ホール、共通軽鎖(例えば、ノブ-イン-ホール等を有する共通軽鎖)、CrossMab、CrossFab、(SEED)体、ロイシンジッパー、Duobody、lgG1/lgG2、二重作用Fab(DAF)-lgG、Mab2二重特異性フォーマット(例えば、Klein et al.2012,imAbs 4:6,1-1 1、および前述のフォーマットのレビューのためにそこで引用される引用文献を参照)、およびFabベース二重特異性フォーマットが含まれる。特定の実施形態において、二重特異性抗体は、Fabベースの抗CD7×CD33二重特異性である。
本明細書中で使用される用語「特異性の」および「特異的に」は、CD7またはCD33以外の生体分子(または生体分子が二重特異性分子である場合はCD7およびCD33の両方)が抗体に有意に結合しないことを示すために交換可能に使用される。いくつかの実施形態において、CD7またはCD33以外の生体分子への結合のレベルは、ELISAまたは親和性決定によって無視できる(例えば、決定可能ではない)。
「無視できる結合」によって、CD7またはCD33への結合よりも少なくとも約85%、特に少なくとも約90%、より特に少なくとも約95%、さらに特に少なくとも約98%、しかし特に少なくとも約99%および最大100%少ない結合を意味する。
ペプチドまたはエピトープに対する抗体の結合親和性は、表面プラズモン共鳴技術(BIAcore(登録商標)、GE-Healthcare Uppsala、スウェーデン)のような標準的な結合アッセイで測定することができる。本明細書中で使用される用語「表面プラズモン共鳴」は、例えばBIAcoreシステム(Pharmacia Biosensor AB,Uppsala,SwedenおよびPiscataway,N.J.)を用いて、バイオセンサーマトリックス内のタンパク質濃度の変化の検出によるリアルタイム生体特異的相互作用の分析を可能にする光学現象を指す。さらなる記述については、Jonsson,U.,et al.(1993)Ann.Biol.Clin.51:19-26;Jonsson,U.,et al.(1991)Biotechniques 11:620-627;Johnsson,B.,et al.(1995)J.Mol.Recognit.8:125-131;およびJohnnson,B.,et al.(1991)Anal.Biochem.198:268-277を参照のこと。
1つの実施形態において、本発明の細胞阻害剤は、抗体依存性細胞毒性を媒介することができる。好適には、このような実施形態では、細胞阻害剤は、抗体、例えば完全にヒト、ヒト化された抗体もしくはキメラ抗体、または二重特異性抗体である。抗体依存性細胞傷害性(ADCC)は、モノクローナル抗体の抗腫瘍活性に寄与し得る免疫エフェクター細胞媒介機構である(Weiner GJ.Monoclonal antibody mechanisms of action in cancer.Immunol Res.2007,39(l-3):271-8)。抗腫瘍効果に対するADCCの関連性は、前臨床モデル、例えばマウス腫瘍モデルで実証されている(e.g.Clynes RA,Towers TL,Presta LG,Ravetch JV.Inhibitory Fc receptors modulate in vivo cytoxicity against tumor targets.Nat Med.2000 Apr;6(4):443-6)。臨床試験からのデータは、治療抗体の臨床的有効性に対するADCCの関連性を支持している(例えば、Weng WK,Levy R Two immunoglobulin G fragment C receptor polymorphisms independently predict response to rituximab in patients with follicular lymphoma.J Clin Oncol.2003 Nov l;21(21):3940-7.Epub、2003年9月15日)。モノクローナル抗体の免疫細胞上のFc受容体との相互作用が、ADCCに寄与する。抗体のFcは、Fc受容体に対する増強された親和性を示すように修飾することができる(例えば、Presta LG Engineering of therapeutic antibodies to minimize immunogenicity and optimize function.Adv Drug Deliv Rev.2006年8月7日;58(5-6):640-56.Epub、2006年5月23日)。Fc受容体へのこのような増強された親和性は、ADCC活性の増大をもたらし、患者における抗腫瘍効果の増大につながる可能性がある。
別の実施形態では、本発明の細胞阻害剤は、キメラ抗原T細胞受容体タンパク質(CAR)を発現する免疫応答性細胞であり、キメラT細胞受容体タンパク質は、CD7またはCD33に特異的に結合する。1つの実施形態では、免疫応答性細胞は二重特異性であり、キメラ抗原T細胞受容体タンパク質(CAR)は、キメラT細胞受容体タンパク質がCD7およびキメラ抗原T細胞受容体タンパク質(CAR)に特異的に結合し、キメラT細胞受容体タンパク質はCD33に特異的に結合する。CARを発現する免疫応答性細胞は、T細胞、造血幹細胞、ナチュラルキラー細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞および単球系列の細胞からなる群から選択され得る。特定の実施形態では、免疫応答性細胞はT細胞である。
いくつかの実施形態において、免疫応答性細胞は、対象に対して自己である。別の実施形態では、免疫応答性細胞は、対象に対して自己ではない。特定の実施形態では、免疫応答性細胞はT細胞であり、処置される対象に対して自己である。
いくつかの実施形態において、細胞阻害剤(例えば、CD33に特異的に結合する細胞阻害剤および/もしくはCD7に特異的に結合する細胞阻害剤、またはCD7およびCD33に特異的に結合する細胞阻害剤)は、結合部分(すなわち、CD33結合部分、CD7結合部分、またはCD7およびCD33結合部分)ならびに細胞死滅部分を含む。特定の実施形態において、細胞結合部分は、抗体またはその抗原結合断片、アプタマー、ペプチドまたは非ペプチド小分子である。特定の実施形態において、細胞結合部分は、抗体またはその抗原結合断片である。一実施形態では、細胞阻害剤は、結合部分および細胞死滅部分を含み、結合部分は、抗CD7抗体またはその結合部分である。一実施形態では、細胞阻害剤は、結合部分および細胞死滅部分を含み、結合部分は、抗CD33抗体またはその結合部分である。一実施形態では、細胞阻害剤は、結合部分および細胞死滅部分を含み、結合部分は、抗CD7抗CD33二重特異性抗体またはその結合部分である。
いくつかの実施形態において、細胞阻害剤は、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤、すなわち、腫瘍細胞を死滅させ、または阻害する化合物を含む。このような剤は、チューブリン結合、DNA結合、プロテアソームおよび/またはトポイソメラーゼ阻害を含む機構によって、その細胞毒性および細胞増殖抑制作用を付与し得る。
細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、例えば、ペプチド毒素、低分子毒素または放射性同位体であり得る。
1つの実施形態において、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、チューブリン阻害剤;またはDNA相互作用剤であってもよい。チューブリン阻害剤は、チューブリン重合を調節する。DNA相互作用剤は、細胞DNAを標的とする。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、チューブリン阻害剤である。一実施形態では、チューブリン阻害剤は、(a)アウリスタチン;および(b)メイタンシン誘導体からなる群から選択される。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、アウリスタチンである。アウリスタチンには、天然に存在する化合物ドラスタチン-10の合成誘導体が含まれる。アウリスタチンは、抗腫瘍性/細胞増殖抑制性偽ペプチドのファミリーである。ドラスタチンは、天然の生合成産物中に同定された4つの異常なアミノ酸(Dolavaine、Dolaisoleuine、DolaproineおよびDolaphenine)の組み込みのために、構造的に独特である。さらに、このクラスの天然産物は、Pettitら(米国特許第4,978,744号)による全合成研究によって定義される多数の非対称中心を有する。構造活性の関係から、DolaisoleuineおよびDolaproine残基は抗腫瘍活性に必要であると思われる(米国特許第5,635,483号および米国特許第5,780,588号)。一実施形態では、アウリスタチンは、以下からなる群から選択される:アウリスタチンE(AE);モノメチルアウリスタチンE(MMAE);アウリスタチンF(MMAF);vcMMAE;およびvcMMAF。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、メイタンシンまたはメイタンシンの構造類似体である。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、メイタンシンである。メイタンシンには、構造的に複雑な抗有糸分裂ポリペプチドが含まれる。メイタンシンは、腫瘍細胞のアポトーシスに導く微小管集合の強力な阻害剤である。一実施形態において、メイタンシンは、Mertansine(DM1);およびDM3またはDM4のようなメイタンシンの構造類似体からなる群から選択される。好ましくは、薬物はmertansine(DM1)である。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、DNA相互作用剤である。一実施形態では、DNA相互作用剤は、(a)カリケアマイシン、(b)デュオカルマイシンおよび(c)ピロロベンゾジアゼピン(PBD)からなる群から選択される。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、カリケアマイシンである。カリケアマイシンは、二本鎖DNA切断を引き起こし、細胞死をもたらす強力な細胞傷害剤である。カリケアマイシンは、天然に存在するエンジイン系抗生物質である(A.L.Smith et al,J.Med.Chem.,1996,39,11,2103-2117)。カリケアマイシンは、土壌微生物Micromonosporaechinospora中に見出された。一実施形態では、カリケアマイシンは、カリケアマイシンガンマ1である。一実施形態では、薬物は、デュオカルマイシンである。デュオカルマイシンは強力な抗腫瘍性抗生物質であり、DNA二本鎖の副溝に配列選択的に結合し、アデニンのN3をアルキル化することにより、その生物学的効果を発揮する(D.Boger,Pure & Appl.Chem.,1994,66,4,837-844)。一実施形態では、デュオカルマイシンは、デュオカルマイシンA;デュオカルマイシンB1;デュオカルマイシンB2;デュオカルマイシンC1;デュオカルマイシンC2;デュオカルマイシンD;デュオカルマイシンSA;シクロプロピルベンゾインドール(CBI)デュオカルマイシン;センタナマイシン;ラケルマイシン(CC-1065);アドゼレシン;ビゼレシン;およびカルゼレシンからなる群から選択される。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、ピロロベンゾジアゼピンである。ピロロベンゾジアゼピン(PBD)は、天然に存在する抗腫瘍性抗生物質のクラスである。ピロロベンゾジアゼピン類はStreptomycesにみられる。PBDは、プリン-グアニン-プリン単位で特異的に副溝のDNAに共有結合することにより、その抗腫瘍活性を発揮する。それらは、アミナール結合を介してグアミンのN2に挿入され、それらの形状のために、それらは、DNAらせんに最小限の破壊を引き起こす。DNA-PBD付加体の形成は核酸合成を阻害し、DNAらせんに切除依存性の一本鎖および二本鎖切断を引き起こすと考えられている。合成誘導体として、2つのPBD単位がフレキシブルなポリメチレンテザーを介して一緒に結合することにより、PBD二量体は、きわめて致死的な病変を生じる対向するDNA鎖を架橋することができる。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、フレキシブルな性ポリメチレンテザーを介して結合した2つのピロロベンゾジアゼピン単位の合成誘導体である。一実施形態では、ピロロベンゾジアゼピンは、アントラマイシン(およびその二量体);マゼラマイシン(およびその二量体);トマイマイシン(およびその二量体);プロトラカルシン(およびその二量体);チカマイシン(およびその二量体);ネオスラマイシンA(およびその二量体);ネオスラマイシンB(およびその二量体);DC-81(およびその二量体);シビロマイシン(およびその二量体);ポロスラマイシンA(およびその二量体);ポロスラマイシンB(およびその二量体);シバノマイシン(およびその二量体);アブベイマイシン(およびその二量体);SG2000;およびSG2285からなる群から選択される。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、アルキル化を介してDNA鎖間架橋を標的とする薬物である。アルキル化を介してDNA鎖間架橋を標的とする薬物は、DNA標的マスタード;グアニン特異性アルキル化剤;およびアデニン特異性アルキル化剤から選択される。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、DNA標的マスタードである。例えば、DNA標的マスタードは、オリゴピロール;オリゴイミダゾール;ビス-(ベンズイミダゾール)担体;ポリベンズアミド担体;および9-アニリノアクリジン-4-カルボキサミド担体からなる群から選択され得る。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、ネトロプシン;ディスタマイシン;レキシトロプシン;タリムスチン;ジブロモタリムスチン;PNU157977;およびMEN 10710からなる群から選択される。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、ビス-(ベンズイミダゾール)担体である。好適には、薬物は、Hoechst 33258である。
グアニン特異性アルキル化剤は、特定のヌクレオシド位置で反応する高度に位置特異性のアルキル化剤である。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、G-N2アルキル化剤;A-N3アルキル化剤;マイトマイシン;カルメチゾール類似体;エクテインアシジン類似体からなる群から選択されるグアニン特異性アルキル化剤である。一実施形態では、マイトマイシンは:マイトマイシンA;マイトマイシンC;ポルフィロマイシン;およびKW-2149から選択される。一実施形態では、カルメチゾール類似体は、ビス-(ヒドロキシメチル)ピロリジジン;およびNSC 602668から選択される。一実施形態では、エクテイナシジン類似体は、エクテイナシジン743である。
アデニン特異性アルキル化剤は、ポリピリミジン配列中のアデニンのN3で反応する位置特異性かつ配列特異性の副溝アルキル化剤である。
シクロプロパインドロンおよびデュオカマイシンは、アデニン特異性アルキル化剤として定義され得る。一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、シクロプロパインドロン類似体である。好適には、薬物は、以下から選択される:アドゼレシン;およびカルゼレシン。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、ベンズ[e]インドロンである。好適には、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、以下から選択される:CBI-TMI;およびイソ-CBI。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、ビゼレシンである。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、海洋性抗腫瘍薬である。海洋性抗腫瘍薬は、抗腫瘍薬開発の領域において発展途上の分野であった(I.Bhatnagaret al,Mar.Drugs 2010,8,P2702-2720およびT.L.Simmons et al,Mol.Cancer Ther.2005,4(2),P333-342)。海綿、海綿と微生物の共生関係、ゴルゴニアン、放線菌、および軟サンゴを含む海洋生物は、潜在的な抗癌剤について広く探索されてきた。
一実施形態では、細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤は、シタラビン、Ara-C;トラベクテジン(ET-743);およびエリブリンメシラートから選択される。一実施形態では、エリブリンメシラートは、(E7389);ソブリドチン(TZT 1027);乳酸スクアラミン;セマドチンプリナブリン(NPI-2358);プリチデプシン;エリシデプシン;Zalypsis;タシドチン、シンタドチン;(ILX-651);ディスコデルモリド;HT1286;LAF389;カハラリドF;KRN7000;ブリオスタチン1;ヘミアステリン(E7974);マリゾミブ;サリノスポラミドA;NPI-0052);LY355703;CRYPTO 52;デプシペプチド(NSC630176);エクテイナサイジン743;シンタドチン;カハラリドF;スクアラミン;デヒドロジデムニンB;ジデムニンB;セマドチン;ソブリドチン;E7389;NVP-LAQ824;ディスコデルモリド;HTI-286;LAF-389;KRN-7000(アゲラスフィン誘導体);キュラシンA;DMMC;サリノスポラミドA;ラウリマリド;ビチレブアミド;ジアゾナミド;エロイテロビン;サルコジクチン;ペロルシドA;サリチルハリミドAおよびB;チオコラリン;アシジデミン;バリオリン;ラメラリンD;ジクチオデンドリン;ES-285(スピスロシン);およびハリコンドリンBから選択される。
以下の細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤もまた、本発明に含まれる:アマニタ属の担子菌類、例えば、Green Deathcap mashroom;Tubulysins;Cytolysins;dolyslabelanins;Epothilone A、B、C、D、E、F。Epothilonesによって産生されるアマトキシン(α-アマニチン)二環式オクタペプチドは、非タキサンチューブリン重合剤のクラスを構成し、粘液細菌Sorangiumcellulosumの天然発酵によって得られる。これらの部分は、微小管の安定化に関連し、G2/M転移で有糸分裂停止をもたらす強力な細胞毒性活性を有する。エポチロンは、癌細胞株のパネルを通して強力な細胞毒性を示し、しばしばパクリタキセルよりも強力な効力を示している(X.:Pivot et al,European Oncology,2008;4(2),P42-45)。一実施形態では、薬物はアマトキシンである。一実施形態では、薬物はチューブリシンである。一実施形態では、薬物はサイトリシンである。一実施形態では、薬物はドラベラニンである。一実施形態では、薬物はエポチロンである。
以下の細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤も本発明に包含される。一実施形態では、薬物は、ドキソルビシン;エピルビシン;エソルビシン;デトルビシン;モルホリノ-ドキソルビシン;メトトレキサート;メソプテリン;ブレオマイシン;ジクロロメトトレキサート;5-フルオロウラシル;シトシン-β-D-アラビノフラノシド;タキソール;アンギジン;メルファラン;ビンブラスチン;フォモプシンA;リボソーム不活性化タンパク質(RIP);ダウノルビシン;ビンカアルカロイド;イダルビシン;メルファラン;シスプラチン;リシン;サポリン;アントラサイクリン;インドリノ-ベンゾジアゼピン;6-メルカプトプリン;アクチノマイシン;ロイシン;ロイロシデイン;カルミノマイシン;アミノプテリン;タリソマイシン;ポドフィロトキシン;エトポシド;ヘアピンポリアミド;エトポシドリン酸塩;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビンデシン;タキソテールレチノイン酸;N8-アセチルスペルミジン;カンプトテシン;エスペラマイシン;およびエンジインから選択される。
一実施形態では、細胞阻害剤は、結合部分および細胞死滅部分を含み、結合部分は、抗CD7抗体またはその結合部分であり、細胞死滅部分は、ペプチド毒素、例えば、MMAEなどのアウリスタチンである。一実施形態では、細胞阻害剤は、結合部分および細胞死滅部分を含み、結合部分は、抗CD33抗体またはその結合部分であり、細胞死滅部分は、ペプチド毒素、例えば、MMAEなどのアウリスタチンである。一実施形態では、細胞阻害剤は、結合部分および細胞死滅部分を含み、結合部分は、抗CD7抗CD33二重特異性抗体またはその結合部分であり、細胞死滅部分は、ペプチド毒素、例えば、MMAEなどのアウリスタチンである。
特定の実施形態では、細胞阻害剤は、細胞死滅部分に結合される結合部分を含む。このような結合体は、通常の当業者に公知のin vitro方法によって調製することができる。細胞傷害剤または細胞増殖抑制剤をタンパク質、特に抗体に結合させる技術は、周知である。(例えば、Alley et ah,Current Opinion in Chemical Biology 2010 14:1-9;Senter,Cancer J.,2008,14(3):154-169を参照のこと。)
特定の実施形態では、連結基を用いて、結合部分および細胞死滅部分を結合する。
リンカーは、細胞内条件下で切断可能であり得、その結果、リンカーを切断すると、細胞内環境における結合部分から細胞死滅部分が放出される。切断可能なリンカーは、例えば、リソソームまたはエンドソームプロテアーゼを含む細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチジルリンカーであり得る。切断剤には、カテプシンBおよびDならびにプラスミンが含まれ得る(例えば、Dubowchik and Walker,Pharm.Therapeutics 83:67-123,1999参照)。最も典型的なのは、NTB-A発現細胞中に存在する酵素によって切断可能なペプチジルリンカーである。例えば、癌組織で高度に発現されるチオール依存性プロテアーゼカテプシン-Bによって切断可能なペプチジルリンカーを、使用することができる(例えば、Phe-LeuまたはVal-Citペプチドを含むリンカー)。
切断可能なリンカーは、pH感受性、すなわち、特定のpH値での加水分解に対して感受性であり得る。典型的には、pH感受性リンカーは、酸性条件下で加水分解可能である。例えば、リソソーム中で加水分解可能な酸不安定性リンカー(例えば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス-アコニットアミド、オルトエステル、アセタール、ケタールなど)を、用いることができる。
他のリンカーは、還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。切断可能なリンカーはまた、マロネートリンカー(Johnson et al,Anticancer Res.15:1387-93,1995)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lau et al,Bioorg-Med-Chem.3:1299-1304,1995)、または3’-N-アミド類似体(Lau et al,Bioorg-Med-Chem.3:1305-12,1995)であり得る。
いくつかの実施形態において、リンカーは、プロテアーゼ切断可能なリンカー、例えばバリン-シトルリンであり得、リソソーム中のカテプシンBによって切断され得る。
また、リンカーは、非切断性リンカー、例えば、治療剤に直接結合し、結合部分のタンパク質分解的分解によって放出されるマレイミド-アルキレンまたはマレイミド-アリールリンカーであってもよい。
特定の実施形態において、細胞阻害剤は、結合部分と細胞死滅部分とを含み、それは、別々に投与され、かつin vivoで結合して細胞阻害剤を一括して形成する。例えば、細胞結合部分をまず投与し、細胞阻害剤を、細胞結合部分にin vivoで結合するのと同時に、または好ましくはその後に投与する。細胞結合部分および細胞阻害剤を相互親和性を伴って提供するのに適した特異的結合対は、当技術分野で周知である(例えば、アビジンまたはストレプトアビジンを有するビオチン、抗原を有する抗体結合ドメイン)。
本明細書の記載および特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」および「含有する(contain)」という用語ならびにそれらの変化形は、「限定されるものではないが含む」を意味し、それらは他の部分、添加剤、成分、整数またはステップを除外することを意図しない(および除外しない)。本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、単数形は、文脈が他のことを要求していない限り複数形を含む。特に、不定冠詞が使用される場合は、本明細書は、文脈が他のことを要求していない限り単数形および複数形を意図していると理解されたい。
本発明の特定の態様、実施形態または例と結び付けて記載される特徴、整数、特性、化合物、化学的部分または群は、矛盾していない限り、本明細書に記載した任意の他の態様、実施形態または例に適用できると理解されたい。本明細書に開示された全ての特徴(添付した特許請求の範囲、要約書および図面をすべて含む)、ならびに/または開示された任意の方法もしくはプロセスの全てのステップは、そのような特徴および/またはステップの少なくとも一部が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組合せてもよい。本発明は、前述の如何なる実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(添付した特許請求の範囲、要約書および図面をすべて含む)に開示された特徴のあらゆる新規なもの、もしくはあらゆる新規な組み合わせ、または、そのように開示したあらゆる方法もしくはプロセスのステップのあらゆる新規なもの、もしくはあらゆる新規な組み合わせに及ぶ。
読者の注意は、本出願に関連して本明細書と同時に、またはそれ以前に提出され、かつ本明細書で公衆の査察を受けることができる全ての論文および文書に向けられており、そのような全ての論文および文書の内容は、参考として本明細書に組み込まれている。
実施例1:Kasumi-3細胞株における5種類のモノクローナル抗体(単独および併用)のIC50の測定
実験条件
Figure 0007337824000001
試験する試料の数
5抗体または組合せ*8濃度*1細胞株*3(3つ1組)=120
陰性対照(MMAEに結合した抗Fc)*1濃度*1細胞株*3(3つ1組)=3
3陽性対照(一次抗体)*1濃度*1細胞株*3(3つ1組)=9
対照(免疫処置を行わなかった細胞)*1細胞群*3(3つ1組)=3
合計=135検定
2.材料:
i.Kasumi-3:ATCC(登録商標)CRL-2725(商標)
ii.RPMI-1640培地:ATCC(登録商標)30-2001(商標)
iii.ウシ胎児血清(FBS):ATCC(登録商標)30-2020(商標)
iv.ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS):Gibco(商標)
v.モノクローナル抗体:o抗CD33抗体o 抗CD7抗体o 抗CD13抗体
vi.二次抗体
- 切断可能なリンカーを有する抗マウスIgG Fc-MMAE抗体(αMFc-CL-MMAE):Moradec
vii.非付着性培養フラスコ
viii.CellTiter-Glo(登録商標)ルミネセント細胞生存率アッセイ:Promega
ix.96ウェルプレート(組織グレード白色)
3.方法:
3.1 細胞培養
Kasumi-3細胞を、5%COインキュベーター中で37℃で完全成長培地(20% FBSを含むRPMI-1640)と共に懸濁液中に維持した。細胞密度は、3×10~3×10細胞/mlの間で維持され、培地は、2~3日の間隔で変更した。
3.2 CellTiter-Glo(登録商標)ルミネセント細胞生存率アッセイを用いた細胞毒性検出
i 新たに分裂したKasumi-3細胞を、100μl培養培地中のウェル当たり20,000細胞の密度で培養培地中の96ウェル白色プレートに播種した。
ii.一次モノクローナル抗体(CD33、CD7およびCD13)を培養培地で希釈し、プレートに加えて所望の濃度範囲(0.0001~1000nM)を得た。
iii.次いで、細胞を、一次抗体の存在下で5~10分間インキュベートした。
iv.一方、二次抗体(αMFc-CL-MMAE)は、培養培地で希釈した。一次抗体と共にインキュベートした後、αMFc-CL-MMAEをウェルに加えて、ウェル当たり13.2nMを得た。
v.ブランク、対照、陰性対照および陽性対照などの条件も、各アッセイプレートに含めた。抗CD33、抗CD7、抗CD13、抗CD33+抗CD7、抗CD33+抗CD7併用および抗CD33+抗CD13併用によるKasumi-3のプレートレイアウトについては、それぞれ表1~5を参照する。
・ブランク=培養培地のみ
・対照=処理していない細胞
・陰性対照=13.2nMのαMFc-CL-MMAEで処理した細胞
・陽性対照=0.1nMの一次抗体で処理した細胞。
vi.プレートを72時間インキュベートした。
vii.72時間のインキュベーション後、100μlのCellTiter-Glo試薬を各ウェルに添加した。
viii.内容物を軌道シェーカー上で2分間混合して、細胞溶解を誘導し、室温で10分間インキュベートした。
ix.発光強度は、Promega GloMax(登録商標)Explorer機器を用いて測定した。
3.3 データ解析
ブランクの平均読み取り値は、他のすべての読み取り値から差し引いた。ブランクは培養培地のみを含み、アッセイプレートの背景として表された。その後、データを統計的に分析し(一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較検定)、GraphPad Prism 7.02ソフトウェアを用いてプロットした。ルミネセンス強度はy軸上の相対的ルミネセンス単位(RLU)として表され、種々の条件および一次抗体濃度は、x軸上に表された。
対照(処理していない)を100%生存とし、細胞の生存率(%生存率)を算出した。他の細胞の生存率は、対照に正常化した。データは、非線形回帰曲線を用いてGraphPad Prism 7.02ソフトウェアでプロットした。IC50は、二次抗体薬物結合体(αMFc-CL-MMAE)の存在下で50%の細胞毒性作用を誘導する関連する一次抗体の濃度と定義される。これは、非線形回帰曲線フィッティングにより分析した%生存率曲線を用いて算出した。
4.結果
4.1 Kasumi-3細胞に対する抗CD33抗体の細胞毒性プロファイル
- 抗CD33処理のためのルミネセンス強度についての未加工のデータおよびブランク減算後のデータを、それぞれ表6および7に示す。表7のグラフ表示を、図1に示す。図1は、13.2nMのαMFc-CL-MMAE存在下で、0.01nMを超える抗CD33抗体の濃度で、一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定(*p<0.02;**p<0.005;***p<0.0003、<0.0001;±SEM)を用いて分析した場合に、Kasumi-3細胞生存率の統計的に有意な低下が観察されたことを示す。定量は、平均値(±標準誤差平均値[SEM])で表す。
- 一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較検定を、表7のデータに実施した。αMFc-CL-MMAEの存在下で、0.01、0.1、1、10、100および1000nMの抗CD33抗体で、未処理細胞と比較して、Kasumi-3生存率の統計的に有意な低下が観察された(*p<0.02;**p<0.005;***p<0.001)。
- %生存率のデータを表8に示し、図2にグラフで示した。図2は、抗CD33およびαMFc-CL-MMAE処理についての非線形回帰曲線を示す。IC50=163.6nMが観測された。
- 非線形回帰曲線から163.6nMのIC50を得た。
4.2 Kasumi-3細胞に対する抗CD7抗体の細胞毒性プロファイル
- 抗CD7処置のためのルミネセンス強度についての未加工のデータおよびブランク減算後のデータを、それぞれ表9および10に示す。表12のグラフ表示を、図3に示す。図3は、13.2nMのαMFc-CL-MMAE存在下で、10、100および1000nMの抗CD7抗体で、一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定(***p<0.0006;±SEM)を用いて分析した場合に、Kasumi-3細胞生存率の統計的に有意な低下が観察されたことを示す。定量は、平均値(±標準誤差平均値[SEM])で表す。
- 一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較検定を、表10のデータに実施した。未処理細胞と比較した場合、αMFc-CL-MMAEの存在下で、10、100および1000nMの抗CD7抗体により、Kasumi-3生存率の統計的に有意な低下が観察された(***p<0.0001)。
- %生存率のデータを表11に示し、図4にグラフで示した。
- 非線形回帰曲線から158.2nMのIC50を得た。
4.3 Kasumi-3細胞に対する抗CD13抗体の細胞毒性プロファイル
- 抗CD13処理のためのルミネセンス強度についての未加工のデータおよびブランク減算後のデータを、それぞれ表12および13に示す。表13のグラフ表示を図5に示す。図5は、13.2nMのαMFc-CL-MMAE存在下で、すべての濃度の抗CD13抗体で、一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定(***p<0.0006;±SEM)を用いて分析した場合に、Kasumi-3細胞生存率の統計的に有意な低下が観察されたことを示す。定量は、平均値(±標準誤差平均値[SEM])で表す。
- 表13のデータについて、一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較検定を実施した。αMFc-CL-MMAEの存在下で、全ての濃度(0.0001~1000nM)の抗CD13抗体で、未処理細胞と比較して、Kasumi-3生存率の統計的に有意な低下が観察された(***p<0.0006)。
- %生存率のデータを表14に示し、図6にグラフで示した。図6は、抗CD13処理についての非線形回帰曲線を示す。IC50=1.356nMが認められた。
- 非線形回帰曲線から1.356nMのIC50を得た。
4.4 Kasumi-3細胞に対する抗CD33+抗CD7抗体の細胞毒性プロファイル
- 抗CD33+抗CD7併用処理のためのルミネセンス強度についての未加工のデータおよびブランク減算後のデータを、それぞれ表15および16に示す。図7に表16のグラフ表示を示す。図7は、13.2nMのαMFc-CL-MMAE存在下で、1、10、100および1000nMの抗CD33+抗CD7組み合わせにより、一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定(***p<0.0007;±SEM)を用いて分析した場合に、Kasumi-3細胞生存率の統計的に有意な低下が観察されたことを示す。定量は、平均値(±標準誤差平均値[SEM])で表す。
- 図22のデータについて、一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較検定を実施した。αMFc-CL-MMAE存在下での抗CD33+抗CD7併用の1nMより高い濃度では、未処理細胞と比較してKasumi-3生存率の統計的に有意な低下が観察された(***p<0.0007)。
- %生存率のデータを表17に示し、図8にグラフで示した。図8は、抗CD33+抗CD7処理についての非線形回帰曲線を示す。IC50=8.196nmが観察された。
- 非線形回帰曲線から8.196nMのIC50を得た。
4.5 Kasumi-3細胞に対する抗CD33+抗CD13抗体の細胞毒性プロファイル
- 抗CD33+抗CD13処置のためのルミネセンス強度についての未加工のデータおよびブランク減算後のデータを、それぞれ表18および19に示す。表19のグラフ表示を、図9に示す。図9は、13.2nMのαMFc-CL-MMAE存在下で、一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定(***p<0.0001;±SEM)を用いて分析した場合、すべての濃度の抗CD33+抗CD13組み合わせによりKasumi-3細胞生存率の統計的に有意な低下が観察されたことを示す。定量は、平均値(±標準誤差平均値[SEM])で表す。
- 一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定を、表19のデータについて実施した。未処理細胞と比較した場合、αMFc-CL-MMAEの存在下で、抗CD33+抗CD13組み合わせの全ての濃度で、Kasumi-3生存率の統計的に有意な低下が観察された(***p<0.0001)。
- %生存率のデータを表20に示し、図10にグラフで示した。図10は、抗CD33+抗CD13処理についての非線形回帰曲線を示す。IC50=9.378nMが観察された。
- 非線形回帰曲線から9.378nMのIC50を得た。
5.結論:
- αMFc-CL-MMAE存在下で抗CD33抗体で処理した場合のKasumi-3細胞は、0.01、0.1、1、10、100および1000nM濃度で細胞生存率の統計的に有意な低下を示した(*<0.02;**p<0.005;***<0.001)。IC50=163.6nMを、%生存率曲線から計算した。
- αMFc-CL-MMAE存在下で抗CD7抗体で処理した場合のKasumi-3細胞は、10、100および1000nM濃度で細胞生存率の統計的に有意な低下を示した(***p<0.0001)。IC50=158.2nMを、%生存率曲線から計算した。
- αMFc-CL-MMAEの存在下で抗CD13抗体で処理した場合、Kasumi-3細胞は、全ての濃度で統計的に有意な細胞生存率の低下を示した(***p<0.0006)。IC50=1.356nMを、%生存率曲線から計算した。
- αMFc-CL-MMAE存在下で抗CD33抗体と抗CD7抗体の併用で処理した場合のKasumi-3細胞は、1、10、100および1000nM濃度で細胞生存率の統計的に有意な低下を示した(***p<0.0007)。IC50=8.196nMを、%生存率曲線から計算した。
- αMFc-CL-MMAE存在下で抗CD33および抗CD13抗体の併用で処理した場合のKasumi-3細胞は、すべての濃度で細胞生存率の統計的に有意な低下を示した(***p<0.0001)。IC50=9.378nMを%、生存率曲線から計算した。
これらの結果を、以下の表Bに要約する:
Figure 0007337824000002
6.要約:
- 二次抗体-薬物結合体αMFc-CL-MMAE単独で処理した場合のKasumi-3細胞(陰性対照)は、最小の毒性を示した。
- 0.1nM濃度での一次抗体(抗CD7)は、Kasumi-3細胞に対して毒性を示さなかった。一次抗体の中濃度0.1nMを、陽性対照として試験するために選択した。
- しかし、αMFc-CL-MMAEのない抗CD33および抗CD13抗体は、0.1nM濃度でKasumi-3細胞に対して有意な毒性を示した。
- 抗CD33、抗CD7、抗CD13および組み合わせの存在下で、αMFc-CL-MMAEでKasumi-3細胞を処理した場合、用量依存的な細胞生存率の低下が観察された。このことは、一次抗体が過剰発現した細胞表面マーカーに結合する特異性を示唆している。
- Kasumi-3細胞を抗CD7および抗CD33抗体の両方の存在下でαMFc-CL-MMAEで処理した場合、細胞生存率の予想外で相乗的な減少が観察された。
実施例2:二重抗原細胞株HEL 92.1.7における3種のモノクローナル抗体(単独および併用)のIC50の測定
実験条件
Figure 0007337824000003
試験する試料の数
- 3抗体または組合せ*8濃度*1細胞株*3(3つ1組)=72
- 陰性対照(MMAEに結合した抗Fc)*1濃度*1細胞株*3(3つ1組)=3
- 2陽性対照(一次抗体)*1濃度*1細胞株*3(3つ1組)=6
- 対照(免疫処理を行わなかった細胞)*1細胞群*3(3つ1組)=3
合計=84検定
2.材料:
i.HEL 92.1.7:ATCC(登録商標)TIB-180
ii.RPMI-1640培地:ATCC(登録商標)30-2001(商標)
iii.ウシ胎児血清(FBS):ATCC(登録商標)30-2020(商標)
iv.ダルベッコのリン酸緩衝生理食塩水(DPBS):Gibco(商標)
v.モノクローナル抗体:
- 抗CD33抗体
- 抗CD56抗体
vi.二次抗体
切断可能なリンカー(αMFc-CL-MMAE)を有する抗マウスIgG Fc-MMAE抗体:Moradec
vii.非付着性培養フラスコ
viii.CellTiter-Glo(登録商標)ルミネセント細胞生存率アッセイ:Promega
ix.96ウェルプレート(組織グレード白色)
3.方法:
3.1 細胞培養
HEL 92.1.7細胞を、5%COインキュベーター中で37℃で完全成長培地(10%FBSを有するRPMI-1640)を有する懸濁液中で維持した。2~3日の間隔で培地を交換しながら、細胞密度を1×10~1×10細胞/mlに維持した。
3.2 CellTiter-Glo(登録商標)ルミネセント細胞生存率アッセイを用いた細胞毒性検出
i.新たに分割したHEL 92.1.7細胞を、96ウェル白色プレート中に培養培地中に100μl培養培地中ウェル当たり5000細胞の密度で播種した。
ii.一次モノクローナル抗体(CD33、CD56)を培養培地で希釈し、プレートに加えて所望の濃度範囲(0.0001~1000nM)を得た。
iii.次いで、細胞を、一次抗体の存在下で5~10分間インキュベートした。
iv.一方、二次抗体(αMFc-CL-MMAE)は、培養培地で希釈した。一次抗体と共にインキュベートした後、αMFc-CL-MMAEをウェルに加えて、ウェル当たり13.2nMを得た。
v.ブランク、対照、陰性対照および陽性対照などの条件も、各アッセイプレートに含めた。それぞれ抗CD33、抗CD56および抗CD33+抗CD56組み合わせによるHEL 92.1.7のプレートレイアウトについては、表21、22および23を参照のこと。
・ブランク=培養培地のみ
・対照=処理していない細胞
・陰性対照=13.2nMのαMFc-CL-MMAEで処理した細胞
・陽性対照=0.1nM一次抗体で処理した細胞
vi.プレートを、72時間インキュベートした。
vii.72時間のインキュベーション後、100μlのCellTiter-Glo試薬を、各ウェルに添加した。
viii.内容物を軌道シェーカー上で2分間混合して細胞溶解を誘導し、室温で10分間インキュベートした。
ix.ルミネセンス強度は、Promega GloMax(登録商標)Explorer機器を用いて測定した。
3.3 データ解析
- ブランクの平均読み取りは、他のすべての読み取りから差し引いた。ブランクは培養培地のみを含み、アッセイプレートの背景として表された。その後、データを統計的に分析し(一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較検定)、GraphPad Prism 7.02ソフトウェアを用いてプロットした。ルミネセンス強度は、y軸上の相対的ルミネセンス単位(RLU)として表され、種々の条件および一次抗体濃度は、x軸上に表された。
- 対照(処理していない)を100%生存性とし、細胞の生存百分率(%生存率)を算出した。他の細胞の生存百分率は、対照に正常化した。データは、非線形回帰曲線を用いてGraphPad Prism 7.02ソフトウェアでプロットした。IC50は、二次抗体薬物結合体(αMFc-CL-MMAE)の存在下で50%の細胞毒性作用を誘導する関連する一次抗体(CD33、CD56単独またはCD33+CD56の併用)の濃度と定義される。これは、非線形回帰曲線フィッティングにより分析した%生存率曲線を用いて算出した。
4.結果:
4.1 HEL 92.1.7に対する抗CD33抗体の細胞毒性プロファイル
- 抗CD33処理についてのルミネセンス強度についての未加工のデータおよびブランク減算後のデータを、それぞれ表24および25に示す。表25のグラフ表示を、図11に示す。図11は、13.2nMのαMFc-CL-MMAE存在下で、10、100および1000nMの抗CD33抗体で、一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定(*p<0.05;**p<0.01;****p<0.0001;±SEM)を用いて分析した場合に、HEL 92.1.7細胞生存率の統計的に有意な低下が観察されたことを示す。定量は、平均値(±標準誤差平均値[SEM])で表す。
- 一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較試験を、表25のデータに関して実施した。HEL 92.1.7生存率の統計的に有意な低下が、未処理細胞と比較した場合、αMFc-CL-MMAEの存在下で、10、100および1000nMの抗CD33抗体で観察された(*p<0.05;**p<0.01;****p<0.0001)。
- %生存率のデータを表26に示し、図12にグラフで表した。図12は、抗CD33およびαMFc-CL-MMAE処理についての非線形回帰曲線を示す。IC50=915.7nMが、観察された。
- 非線形回帰曲線から915.7nMのIC50を得た。
4.2 HEL 92.1.7に対する抗CD56抗体の細胞毒性プロファイル
- 抗CD56処理についてのルミネセンス強度についての未加工のデータおよびブランク減算後のデータを、それぞれ表27および28に示す。図13に表28のグラフ表示を示す。図13は、13.2nMのαMFc-CL-MMAE存在下で、0.1、1、10、100および1000nMの抗CD33抗体で、一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定(*p<0.05;****p<0.0001;±SEM)を用いて分析した場合に、HEL 92.1.7細胞生存率の統計的に有意な低下が観察されたことを示す。定量は、平均値(±標準誤差平均値[SEM])で表す。
- 一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較検定を、図40のデータに実施した。未処理細胞と比較した場合、αMFc-CL-MMAEの存在下で、0.1、1、10、100および1000nMの抗CD56抗体により、HEL 92.1.7生存率の統計的に有意な低下が観察された(*p<0.05;****p<0.0001)。
- %生存率のデータを表29に示し、図14にグラフで示す。図14は、抗CD56およびαMFc-CL-MMAE処理についての非線形回帰曲線を示す。IC50=15.82nMが観測された。
- 非線形回帰曲線から15.82nMのIC50を得た。
4.3 HEL 92.1.7に対する抗CD33抗体および抗CD56抗体併用時の細胞毒性プロファイル
- 抗CD33および抗CD56併用処理のルミネセンス強度について、未加工のデータおよびブランク減算後のデータを、それぞれ表30および31に示す。図15に、表31のグラフ表示を示す。図15は、13.2nMのαMFc-CL-MMAE存在下で、1、10、100および1000nMの抗CD33+抗CD56抗体併用により、一元配置分散分析、続いてダネット事後多重比較検定(*p<0.05;***p<0.001;****p<0.0001;±SEM)を用いて分析した場合に、HEL 92.1.7細胞生存率の統計的に有意な低下が観察されたことを示す。定量は、平均値(±標準誤差平均値[SEM])で表す。
- 一元配置分散分析、続いて事後ダネット多重比較検定を、表31のデータに関して実施した。HEL 92.1.7生存率の統計的に有意な低下が、αMFc-CL-MMAEの存在下で、未処理細胞と比較して、1、10、100および1000nMの抗CD56抗体で観察された(*p<0.05;***p<0.001;****p<0.0001)。
- %生存率のデータを表32に示し、図16にグラフで示す。図16は、抗CD33+抗CD56併用処理の非線形回帰曲線を示す。IC50=16.95nMが観測された。
- 非線形回帰曲線から16.95nMのIC50を得た。
5.結論:
- αMFc-CL-MMAE存在下で抗CD33抗体で処理した場合のHEL 92.1.7細胞は、10、100および1000nM濃度で細胞生存率の統計的に有意な低下を示した(*p<0.05;**p<0.01;****p<0.0001)。IC50=915.7nMを、%生存率曲線から計算した。
- αMFc-CL-MMAE存在下で抗CD56抗体で処理した場合のHEL 92.1.7細胞は、0.1、1、10、100および1000nM濃度で細胞生存率の統計的に有意な低下を示した(*p<0.05;****p<0.0001)。IC50=15.82nMを、%生存率曲線から計算した。
-αMFc-CL-MMAE存在下で抗CD33および抗CD56抗体の併用で処理した場合のHEL 92.1.7細胞は、1、10、100および1000nM濃度で細胞生存率の統計的に有意な低下を示した(*p<0.05;***p<0.001;****p<0.0001)。IC50=16.95nMを、%生存率曲線から計算した。
これらの結果を、以下の表Dに要約する:
Figure 0007337824000004
6.要約:
- 二次抗体-薬物結合体αMFc-CL-MMAE単独(陰性対照)で処理した場合のHEL 92.1.7細胞は、最小毒性を示した。
- 0.1nM濃度の一次抗体(抗CD33、抗CD56および併用)は、HEL 92.1.7細胞に対して毒性を示さなかった。一次抗体の中濃度0.1nMを、陽性対照として試験するために選択した。
- HEL 92.1.7細胞を抗CD33、抗CD56および組合せ一次抗体の存在下でαMFc-CL-MMAEで処理した場合、細胞生存率の用量依存的減少が観察された。このことは、一次抗体が過剰発現した細胞表面マーカーに結合する特異性を示唆している。
- αMFc-CL-MMAE存在下で抗CD56抗体で処理した場合のHEL 92.1.7細胞株は、抗CD33(915.7nM)および併用(16.95nM)処理と比較した場合、低いIC50(15.82nM)を示した。これは、CD33マーカーと比較した場合、細胞表面上のHEL 92.1.7上のCD56マーカーの発現がより高いためであり得る。
実施例3:Kasumi-3に対するBiFabを用いた二次細胞死滅アッセイの繰り返し
Kasumi-3細胞株に対してBiFabを用いた二次細胞死滅アッセイを繰り返すための実験を行った。
試薬
KASUMI-3細胞 DSMZ ACC 714
RPMI-1640培地 Gibco,Life Technologies 21875034
GlutaMAX(商標)サプリメント Gibco,Life Technologies 35050061
ウシ胎児血清、加熱不活性化 Gibco,Life Technologies 10500064
抗ヒトIgG Fab-MMAE抗体 Moradec LLC AH-122AE
96ウェル透明平底マイクロプレート Corning cat #3997
セルタイター96(登録商標)AQueous One Solution Assay Promega G3580
野生型BiFab(WT Bifab) ADCBio SON-150-20 7D-33N(Bi-Fab)
成長培地
RPMI-1640培地
10%ウシ胎児血清
1%GlutaMAXサプリメント
方法
Kasumi-3細胞を回収し、計数し、ウェル当たり100μlの成長培地中で2×10細胞で96ウェルプレートに播種した。WT Bifabの5ポイント用量応答を、最終アッセイ濃度の50倍の成長培地で調製した。2μlのWT Bifab滴定を、播種細胞上にピペットし、各濃度を3つのウェルにわたってアッセイした。細胞を室温で10分間インキュベートして、Bifabが結合できるようにした。一方、抗ヒトIgG Fab-MMAE抗体を成長培地で希釈して、製造業者のプロトコルに記載されているように、ウェル当たり6nMのMMAEの最終アッセイ濃度を得た。希釈したMMAE抗体2μlを、ウェルごとにピペットした。BifabまたはMMAE結合抗体を含まない対照ウェルを、含めた。プレートを、37℃、5%COで72時間インキュベートした。72時間後に、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットし、図17に示した。
結果
図17にプロットしたOD492~690nmは、細胞をbi-Fab/抗ヒトFab-MMAE複合体で96時間処理した後に残った生存Kasumi-3細胞の尺度である。bi-Fabの濃度の増加は、生存細胞の低下に反映される細胞死滅の増加をもたらした。CD7/CD33 bi-Fabの非存在下での抗ヒトFab-MMAEによるKasumi-3細胞の処理は、細胞死滅を引き起こさない。
結論
CD7/CD33 bi-Fab/抗ヒトFab-MMAE複合体がCD7/CD33二重抗原陽性細胞に結合する結果、複合体の内部移行および生存細胞数の減少によって反映されるそれに続く細胞死滅がもたらされる。
実施例4:直接結合BiFabを用いた細胞死滅アッセイの繰り返し
直接結合BiFabを用いて細胞死滅アッセイを繰り返すように実験を行った。
試薬
KASUMI-3細胞 DSMZ ACC 714
RPMI-1640培地 Gibco,Life Technologies 21875034
グルタマックス(商標)サプリメント Gibco,Life Technologies 35050061
ウシ胎児血清、加熱不活性化 Gibco,Life Technologies 10500064
ペニシリン-ストレプトマイシン(10,000U/mL) Gibco,Life Technologies 15140122
96ウェル透明平底マイクロプレート Corning cat #3997
CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Assay Promega G3580
野生型BiFab(WT Bifab)-MMAE ADCBio SON-150-27_BIFAB-MMAE
成長培地
RPMI-1640培地
10%ウシ胎児血清
1%GlutaMAXサプリメント
1%ペニシリン-ストレプトマイシン
方法
Kasumi-3細胞を回収し、計数し、90μl成長培地当たり2×10細胞で再懸濁した。Bifab-MMAEの8ポイント用量応答を、最終アッセイ濃度の10倍で成長培地中に調製した。WT Bifab-MMAE滴定の10μlを96ウェルプレートにピペットし、各濃度を重複ウェルにわたって試験した。90μlの細胞をウェル中にピペットし、プレートを37℃、5%COで96時間インキュベートした。インキュベート後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを添加し、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットし、図18に示した。
結果
図18にプロットしたOD492~690nmは、抗CD7/CD33 bi-Fab-MMAE結合体で細胞を96時間処理した後に残存する生存Kasumi-3細胞の尺度である。bi-Fab-MMAEの濃度の増加は、生存細胞の低下に反映される細胞死滅の増加をもたらした。
結論
CD7/CD33 bi-Fab-MMAEがCD7/CD33二重抗原陽性細胞に結合する結果、複合体の内部移行およびその後の生存細胞数の減少によって反映される細胞死滅がもたらされる。
実施例5:市販の抗体および抗マウスFc-MMAEを用いた細胞死滅アッセイの繰り返し
市販の抗体および抗マウスFc-MMAEを用いて細胞死滅アッセイを繰り返すように実験を行った。
試薬
KASUMI-3細胞 DSMZ ACC 714
SET-2細胞 DSMZ ACC 608
RPMI-1640培地 Gibco,Life Technologies 21875034
GlutaMAX(商標)サプリメント Gibco,Life Technologies 35050061
ウシ胎児血清、加熱不活性化 Gibco,Life Technologies 10500064
抗マウスIgG Fc-MMAE抗体 Moradec LLC AM-102AE
96ウェル透明平底マイクロプレート Corning cat #3997
CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Assay Promega G3580
CD7に対するマウスモノクローナル[124-1D1] AbCam ab213014
マウス抗CD33[hP67.6(ゲムツズマブ)] 絶対抗体Ab00283-1.1;
成長培地
RPMI-1640培地
10%ウシ胎児血清
1%GlutaMAXサプリメント
方法
Kasumi-3細胞(図19)およびSET-2細胞(図20)を回収し、計数し、それぞれの細胞株について80μlの成長培地当たり2×10細胞で再懸濁した。CD7およびCD33抗体の各々の5ポイント用量応答を、最終アッセイ濃度の10倍の成長培地で調製した。10μlの抗体滴定および10μlの成長培地を96ウェルプレートにピペットし、CD7またはCD33抗体の各濃度を3つのウェルにわたって試験した。CD7抗体およびCD33抗体の両方の10μlの抗体組み合わせについて、同じ濃度で、ウェルに加えた。細胞80μlをウェルにピペットし、プレートおよび細胞を室温で10分間インキュベートして、抗体が結合できるようにした。抗マウスFc-MMAE抗体を成長培地で希釈して、製造業者のプロトコルに記載されるように、ウェル当たり13.2nMのMMAEの最終アッセイ濃度を得た。希釈したMMAE抗体2μlを、ウェルごとにピペットした。抗体またはMMAE結合抗体を持たない対照ウェルを含めた。プレートを、37℃、5%COで96時間インキュベートした。96時間後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを、およびプレートを、37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットし、図19および20に示した。
結果
図19および20にプロットしたOD 492~690nmは、抗マウスFc-MMAEに結合した抗CD7単独、抗CD33単独、または抗CD7+抗CD33抗体を用いて細胞を96時間処理した後に残った、生存可能なKasumi-3細胞(図19)およびSET-2(図20)の尺度である。細胞死滅の増加は、抗CD7および抗CD33/抗マウスFc-MMAE複合体の濃度の増加に伴って観察された。抗マウスFc-MMAE単独では、いかなる細胞死滅も引き起こさなかった。
結論
抗マウスFc-MMAEと複合した抗CD7抗体および抗CD33抗体が二重抗原陽性細胞に結合する結果、抗原内部移行を介して細胞死滅が起こる。Kasumi-3およびSET-2細胞において、抗CD7および抗CD33抗体の両方の添加は、抗CD7抗体単独の添加よりも強力な細胞死滅をもたらした。
実施例6:結合アッセイにおいて標的CD7とCD33との間に相乗作用が存在するかどうかの確認
結合アッセイにおいて標的CD7とCD33との間に相乗作用が存在するかどうかを確認するために実験を行った。
試薬
Kasumi-3細胞 DSMZ ACC 714
SET-2細胞 DSMZ ACC 608
MOLM-16細胞 DSMZ ACC 555
ALL-SIL細胞 DSMZ ACC 511
ジャーカット細胞 DSMZ ACC 282
HEL-92 DSMZ ACC 11
SHI-1 DSMZ ACC 645
MV4-11 DSMZ ACC 102
THP-1 DSMZ ACC 16
DND-39 DSMZ ACC 525
Ramos DSMZ ACC 603
ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS) Gibco,Life Technologies 14190144
ウシ血清アルブミン(BSA)画分V 7.5%溶液 Gibco,Life Technologies 15260037
ファルコン5mL丸底ポリスチレンFACSチューブ Falcon 352054
マウス抗ヒトIgG Fab二次抗体、PE Invitrogen MA110377
CD7 Monofab SON-150-24 CD7 Fab ADCBio
CD7 Monofab SON-150-24 CD33 Fab ADCBio
WT CD7/CD33 Bifab SON-150-20 7D-33N (Bi-Fab)ADCBio
方法
Kasumi-3、SET-2、MOLM-16、ALL-SIL、Jurkat、HEL-92、SHI-1、MV4-11、THP-1、DND-39およびRamos細胞を回収し、計数した。各細胞株の3×10個の細胞を、5分間1000rpmで遠心分離することによってペレット化した。上清を流し落とし、細胞を10mlのPBSに再懸濁した。細胞懸濁液の1mlアリコートを5mlのFACSチューブに移した。チューブに蓋をし、細胞を1000rpmで5分間、4℃で遠心分離することによって再ペレット化した。上清を注ぎ出し、細胞を100μlの1nMのWT CD7/CD33 Bifab、CD7 monofabもしくはCD33 monofab、または1nMの各CD7およびCD33 monofabの組み合わせに再懸濁し、氷冷PBS/1%BSA中で調製した。各抗体条件を、2つ1組で試験した。細胞を二次抗体のみと共にインキュベートした対照試料も、含めた。細胞を氷上で1時間インキュベートして、Fabを結合させた。インキュベーション後、各FACSチューブに氷冷PBS4mlを添加することによって、結合していないFabを除去した。細胞を、1000rpmで5分間、4℃で遠心分離することによってペレット化した。上清を流し出し、チューブを組織に反転させて可能な限り多くのPBSを除去した。一方、二次マウス抗Fab PE抗体をPBS/1%BSA中で調製し、製造プロトコルに記載されているように最終濃度を6.6μgとした。細胞を、さらに45分間氷上でインキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、前述のように遠心分離することにより、余分な二次抗体を除去した。上清を注ぎ出し、細胞ペレットを300μlのPBSに再懸濁した。細胞上のPE標識は、FACS Calibur,BD Biosciencesを用いてFL2で検出した。各fab条件のGeomeanをプロットし、図21および22に示した。
結果
二次抗ヒトFab-PE抗体FACS分析を用いて、白血病細胞株に対するCD7/CD33 bi-Fab、CD7 Fab、CD33 FabまたはCD7+CD33 Fabの結合を検出した。図21および22のグラフは、細胞に結合した各Fabアームの1nMについて測定した蛍光のGeomeanを示す。
結論
FACS解析は、二重抗原陽性細胞株Kasumi-3およびSET-2について、単独または組み合わせでインキュベートした場合、bi-Fabの多くが個々のFabアームよりも細胞に結合することを図21に示す。対照的に、図22にプロットしたFACSデータは、細胞が1つの抗原のみを発現する場合を示し、bi-Fabは、CD7+ve/CD33-ve細胞中のCD7 FabおよびCD7-ve/CD33+ve細胞株中のCD33 Fabと同程度に結合する。例外は、MOLM-16およびHEL-92細胞株であり、その後、CD33のみおよびCD7/CD33二重陽性細胞の亜集団を含むことが示された。
実施例7:細胞死滅検定:CD7、CD33、CD7+CD33およびBifabで処理した二重抗原陽性細胞株
CD7、CD33、CD7+CD33およびBifabで処理した二重抗原陽性細胞株を評価するために、細胞死滅実験を行った。
試薬
KASUMI-3細胞 DSMZ ACC 714
SET-2細胞 DSMZ ACC 608
RPMI-1640培地 Gibco,Life Technologies 21875034
GlutaMAX(商標)サプリメント Gibco,Life Technologies 35050061
ウシ胎児血清、加熱不活性化 Gibco,Life Technologies 10500064
ペニシリン-ストレプトマイシン(10,000U/mL) Gibco,Life Technologies 15140122
96ウェル透明平底マイクロプレート Corning cat #3997
CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Assay Promega G3580
野生型BiFab(WT Bifab)-MMAE ADCBio SON-150-27_BIFAB-MMAE
ゲムツズマブ-MMAE
成長培地
RPMI-1640培地
10%ウシ胎児血清
1%GlutaMAXサプリメント
1%ペニシリン-ストレプトマイシン
方法
Kasumi-3細胞およびSET-2細胞を回収し、計数し、各細胞株の90μlの成長培地当たり2×104細胞で再懸濁した。Bifab-MMAE、CD7-MMAE、CD33-MMAE、CD7-MMAE+CD33-MMAEまたはゲムツズマブ-MMAEの7ポイント用量応答を、それぞれ、最終アッセイ濃度の10倍で成長培地中に調製した。10μlの各滴定を、96ウェルプレートに別々にピペットし、各濃度を2つ1組のウェルにわたって試験した。90μlの細胞をウェル中にピペットし、プレートを37℃、5%COで96時間インキュベートした。インキュベーション後、CellTiter 96 AQueous One Solutionを加え、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットし、図23~25に示した。
結果
図23~25にプロットしたOD492~690nmは、指示されたbi-Fab、Fabまたは抗体MMAE結合体による細胞の96時間処理後に残存する生存Kasumi-3(図23Aおよび24)ならびにSET-2(図23Bおよび25)細胞の尺度である。細胞生存率の低下は、MMAE結合体による内部移行および細胞死滅を反映する。Kasumi-3細胞についての結果は、CD7/CD33 biFab-MMAEおよびゲムツズマブ-MMAEは強力な細胞死滅をもたらすが、試験された濃度では、個々のFab-MMAE結合体では細胞死滅は見られなかったことを示す。SET-2細胞についての結果は、bi-Fab-MMAE結合体での処理のみが細胞死滅をもたらしたことを示す。
結論
以前のデータは、個々のCD7およびCD33 FabsがKasumi-3およびSET-2細胞に結合できることを示したが、これらのFabsのMMAE結合体では細胞死滅は観察されなかった。対照的に、CD7/CD33 bi-Fabは、Kasumi-3およびSET-2細胞の両方において強力な細胞死滅を引き起こす。
実施例7:CD7/CD33二重陽性サブ集団の特異的細胞死滅
CD7/CD33二重陽性サブ集団を評価するために、細胞死滅実験を行った。
試薬
HEL-92 DSMZ ACC 11
MOLM-16 DSMZ ACC 555
RPMI-1640培地 Gibco,Life Technologies 21875034
GlutaMAX(商標)サプリメント Gibco,Life Technologies 35050061
ウシ胎児血清、加熱不活性化 Gibco,Life Technologies 10500064
ペニシリン-ストレプトマイシン(10,000U/mL) Gibco,Life Technologies 15140122
Costar 24 Well Clear TCプレート SLS 3526
グレイナー96 Vウェルマイクロプレートポリスチレン SLS G651101
野生型BiFab(WT Bifab)-MMAE ADCBio SON-150-27_BIFAB-MMAE
ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(PBS) Gibco,Life Technologies 14190144
ウシ血清アルブミン(BSA)画分V 7.5%溶液 Gibco,Life Technologies 15260037
ファルコン5mL丸底ポリスチレンFACSチューブ Falcon352054
CD33モノクローナル抗体(P67.6)、FITC Thermofisher 11-0337-42
CD7モノクローナル(eBio124-1D1(124-1D1))-PE Thermofisher 12-0079-42
マウス抗ヒトIgG Fab二次PE Thermofisher MA110377
成長培地
RPMI-1640培地
10%ウシ胎児血清
1%GlutaMAXサプリメント
1%ペニシリン-ストレプトマイシン
方法
HEL-92およびMOLM-16細胞を回収し、1.5mlのRPMI成長培地中で1ウェル当たり300,000細胞で24ウェルプレートに播種した。WT bi-Fab滴定は、最高最終濃度0.3nMで、最終アッセイ濃度の10倍の成長培地中で調製した。bi-Fab滴定の150μlをウェルごとにピペットし、その結果、双方の細胞株を各濃度のbi-Fabで試験した。細胞を、37℃、5%COで72時間インキュベートした。インキュベーション後、各試験ウェルからの細胞を回収し、4℃で5分間1000rpmでペレット化した。細胞を、300μlの氷冷PBS/1%BSAに再懸濁した。
次いで、各試料を、試料当たり約50,000細胞の6つの等しい試料に分割し、抗ヒトFab-PE、抗CD7-PE、抗CD33 FITC、抗CD7-PE+抗CD33 FITCまたは二次抗体なしのいずれかの結合について分析するべきものとした。50μlの試料を、二次抗体インキュベーションのためにV底96ウェルプレートのウェルにピペットし、氷上で1時間インキュベートした。細胞を氷冷PBSで1回洗浄し、ペレット化し、FACSチューブ中の300μlのPBSに再懸濁し、FACS Calibur,BD Biosciencesを用いて蛍光分析した。
CD33抗原のみの細胞とCD7/CD33二重抗原細胞を表す2つの領域における事象について、試料を分析した。WT bi-Fab-MMAEが各領域の事象の数に及ぼす影響をプロットし、図26に示した。
結果
HEL-92およびMOLM-16細胞株に対する抗CD7-PEおよび抗CD33-FITC抗体の結合のFACS分析は、CD7およびCD33またはCD33のみを発現するこれらの細胞株内にサブ集団が存在することを示した。bi-Fab-MMAEの増加する濃度を処理した細胞株の試料を、その後、抗CD7-PEおよび抗CD33 FITCで処理した。CD33のみおよびCD7/CD33細胞サブ集団をゲートし、各試料について各ゲートした領域内の細胞の数を、FACSによって記録した。bi-Fab-MMAEの濃度の増加に伴う細胞の消失百分率を計算し、データを図26に示すようにプロットした。
結論
細胞の試料をCD7/CD33-biFab-MMAEで処理した後のこれらのサブ集団のFACS分析は、bi-Fab-MMAEがCD7/CD33サブ集団のみを特異的に死滅させることができることを示した。
実施例8:さらなるCD7/CD33二重陽性AML系にわたるWT bi-Fab-MMAEの細胞死滅解析
さらなるCD7/CD33二重陽性AML系にわたるWT bi-Fab-MMAEの細胞死滅を分析するために、実験を行った。
試薬
UOC-M1 ACC 775
HNT-34 ACC 600
RPMI-1640培地 Gibco,Life Technologies 21875034
GlutaMAX(商標)サプリメント Gibco,Life Technologies 35050061
ウシ胎児血清、加熱不活性化 Gibco,Life Technologies 10500064
ペニシリン-ストレプトマイシン(10,000U/mL) Gibco,Life Technologies 15140122
96ウェル透明平底マイクロプレート Corning cat #3997
CellTiter 96(登録商標)AQueous One Solution Assay Promega G3580
野生型BiFab(WT Bifab)-MMAE ADCBio SON-150-27_BIFAB-MMAE
成長培地
RPMI-1640培地
10%ウシ胎児血清
1%GlutaMAXサプリメント
1%ペニシリン-ストレプトマイシン
方法
UOC-M1およびHNT-34細胞を回収し、計数し、90μlの成長培地当たり2×10細胞で再懸濁した。Bifab-MMAEの8ポイント用量応答を、最終アッセイ濃縮液の10倍で成長培地中で調製した。WT Bifab-MMAE滴定の10μlを96ウェルプレートにピペットして、各濃度が2つ1組のウェルにわたって試験されるようにした。90μlの細胞をウェル中にピペットし、プレートを37℃、5%COで96時間インキュベートした。
96時間のインキュベート後、10μlのCellTiter 96 AQueous One Solutionをウェル当たりピペットし、プレートを37℃、5%COでさらに3時間インキュベートした。吸光度は、492および690nmで読み取った。OD492nmからOD690nmを差し引き、データをGraphPad PRISMソフトウェアを用いてプロットし、図27および28に示した。
結果
図18にプロットしたOD 492~690nmは、抗CD7/CD33 bi-Fab-MMAE結合体で細胞を96時間処理した後に残存する生存HNT-34(図27)およびUOC-M1(図28)細胞の尺度である。bi-Fab-MMAEの濃度の増加は、生存細胞の低下に反映される細胞死滅の増加をもたらした。
結論
CD7/CD33 bi-Fab-MMAEがCD7/CD33二重抗原陽性細胞に結合する結果、複合体の内部移行および生存細胞の数の減少によって反映されるその後の細胞死滅がもたらされる。
前述の実施形態は、特許請求の範囲によって与えられる保護の範囲を限定することを意図したものではなく、むしろ、発明がどのように実用化され得るかの例を記述することを意図したものである。
データの表

Claims (13)

  1. CD33およびCD7に二重特異的に結合して、CD7+CD33+血液悪性腫瘍の処置に使用するための細胞阻害剤であって、CD33およびCD7に結合する二重特異性抗体またはその抗原結合部分を含む、前記細胞阻害剤。
  2. 前記細胞阻害剤が、CD33+およびCD7+細胞への前記細胞阻害剤のCD33およびCD7受容体媒介内部移行を誘導することができる、請求項1に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  3. 前記CD33+およびCD7+細胞がAML細胞である、請求項2に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  4. 記二重特異性抗体またはその抗原結合部分が抗体依存性細胞傷害性を媒介することができる、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  5. 前記細胞阻害剤が免疫エフェクター細胞を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  6. 前記細胞阻害剤がT細胞および/またはNK細胞を含む、請求項5に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  7. 細胞阻害細胞がT細胞である、請求項6に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  8. 前記免疫エフェクター細胞が二重特異性抗CD33抗CD7 CAR-Tである、請求項5に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  9. 前記T細胞がCD33+T細胞、CD7+T細胞、またはそれらの組み合わせを含む、請求項7に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  10. 前記細胞阻害剤が、細胞死滅部分を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  11. 前記CD33結合部分が抗体の抗原結合断片を含む、請求項10に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  12. 前記CD7結合部分が抗体の抗原結合断片を含み、前記細胞死滅部分が細胞毒素である、請求項10または請求項11に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
  13. 前記細胞阻害剤が、連結部分をさらに含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の使用のためのCD33およびCD7に二重特異的に結合する細胞阻害剤。
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