JP7336335B2 - 光学ローパスフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、透過波面精度に優れた光学部品に関する。
放送用カメラ等の撮影機器では、光量を減衰させたり赤外線又は紫外線などの波長を除去したり、高周波を取り除くローパスフィルタなどをイメージセンサーの手前に配置することが多い。近年、撮像機器は、4K、8K等の高画素化が進んでおり、ますます撮像機器に使用される光学部品にも高精度が要求されている。
例えば、特許文献1では、水晶、プラスチック及びガラス等の材料を接着剤で接着した後、加工時に生じる加工歪みを小さくすることで、光学部品の外周領域での透過波面精度を良好にする光学部品が示されている。
特開2005-183931号公報
しかし、特許文献1に示される水晶、ガラス等の材料を接着剤で接着する際に、接着剤の厚みや接着剤の収縮等の影響により、要求される透過波面精度が得られないことがあった。
本発明は、透過波面精度の優れた光学部品を提供することを目的とする。
第1観点の光学部品は、第1主面と該第1主面の反対側である第2主面とを有する第1基板と、第3主面と該第3主面の反対側である第4主面とを有する第2基板と、第2主面と第3主面とを接着する接着剤と、を備える。この光学部品は、第1主面及び第4主面の一方側から他方側に光を通して使用される。そして第1主面から第4主面の少なくとも一主面に凹み量dを有する凹み形状が形成される。
また別の観点の光学部品は、第1基板の第1主面又は第2主面に凹み形状が形成され、第2基板の第3主面又は第4主面に凹み形状が形成される。
さらに別の観点の光学部品は、さらに第1主面に接着剤で接着される第3基板と、第4主面に接着剤で接着される第4基板と、を備えてもよい。第3基板及び第4基板のそれぞれの厚さは、第1基板又は第2基板のそれぞれの厚さよりも厚いことが好ましい。
別の観点の光学部品は、第1基板及び第2基板はそれぞれ所定直径Dを有し、少なくとも一主面に設ける凹み量dとの関係は、d/D=2×10-06から7×10-06である。
第1基板又は第2基板は、水晶板又は白板ガラスであることが好ましい。そして光学部品は、光学ローパスフィルタを含むことが好ましい。
本発明の光学部品は、透過波面精度が優れている。
本実施形態の光学部品である光学ローパスフィルタ10が、撮像装置に使用された概念図である。 光学ローパスフィルタ10の正面図とその断面図である。 光学ローパスフィルタ10の製造工程を示したフローチャートである。 (a)は、接着剤ABで光学基板が接着された光学ローパスフィルタ10の概念図であり、この光学ローパスフィルタ10にレーザ光が入射した状態の模式図である。(b)は、光学ローパスフィルタ10の透過波面測定の結果を示している。 (a)は、接着剤ABで光学基板が接着された従来の光学ローパスフィルタ110の概念図であり、この光学ローパスフィルタ110にレーザ光が入射した状態の模式図である。(b)は、光学ローパスフィルタ110の透過波面測定の結果を示している。 透過波面測定器60の原理図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、説明に用いる各図はこれら発明を理解できる程度に概略的に示してあり、大きさ、角度又は厚み等は誇張して描いている。また説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の実施形態中で述べる形状、寸法、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。
<光学ローパスフィルタの適用事例>
本実施形態の光学部品は、例えば光学ローパスフィルタであり、デジタルカメラ等の撮像装置内で、固体撮像素子ISの前に配置されるものである。
図1は、本実施形態に係る光学ローパスフィルタ10が採用されたデジタルカメラの要部が、概略断面図として示されている。図1において、光学ローパスフィルタ10は、入射光を結像させる受光レンズ50と、結像した光学像を電気信号に変換して取り込む固体撮像素子ISとの間に配置されている。受光レンズ50は一枚でもよいし、複数のレンズ群であってもよい。また、固体撮像素子ISには、例えばCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary MOS)を使用することができる。また光学ローパスフィルタ10の入射側又は射出側には赤外線カットフィルタが配置される。特に図示しないが、位相差板と別の光学ローパスフィルタ10をさらに配置したりすることがある。
<光学ローパスフィルタ10の構成>
図2は、光学ローパスフィルタ10の正面図とその断面図である。光学ローパスフィルタ10は、例えば、正面から見て円形で、その上下方向にオリエンテーションフラット19が形成されている。光学ローパスフィルタ10の直径D11は例えば40mmから50mmであり、オリエンテーションフラット19間の直径D12は例えば35mmから45mmである。光学ローパスフィルタ10は矩形形状であってもよいし、その大きさには特に制限はない。
光学ローパスフィルタ10は、例えば水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15、及び白色ガラス板16を有する。また光学ローパスフィルタ10の外側となる水晶波長板11の一方の主面11aには反射防止膜ARもしくは赤外線カット膜がスパッタリング又は真空蒸着で形成され、光学ローパスフィルタ10の外側となる白色ガラス板16の一方の主面16aにも反射防止膜ARもしくは赤外線カット膜が形成されてもよい。水晶波長板11及び白色ガラス板16は、水晶複屈折板12から水晶複屈折板15のそれぞれよりも厚みが厚く、例えば1.0mmから2.0mmである。また水晶複屈折板12から水晶複屈折板15のそれぞれの厚みは0.1mmから0.3mm程度である。透過波面精度を上げるためには、厚みが厚い光学基板(水晶波長板11及び白色ガラス板16)は、光学ローパスフィルタ10の両側に配置されることが好ましい。なお、水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15、及び白色ガラス板16は、それぞれ接着剤で接着される。それぞれの光学基板が接着された光学ローパスフィルタ10の厚さW11は、例えば3mmから5mmである。
<光学ローパスフィルタ10の製造方法>
図3は、光学ローパスフィルタ10の製造工程を示したフローチャートである。このフローチャートを使って光学ローパスフィルタ10の製造工程の概略を説明する。
まずステップS31にて、使用する水晶板もしくはガラス板等の光学基板(ブランク材料)が受け入れされる。これら光学基板は一般にポリッシュ研磨品である。なお、本実施形態では、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14及び水晶複屈折板15は、それら光学基板の中央領域が凹むように、研磨加工されている。
ステップS32にて、水晶波長板11及び白色ガラス板16が洗浄され、水晶波長板11及び白色ガラス板16に付着している異物が除去される。次にステップS33にて、真空蒸着もしくはスパッタリングにより、水晶波長板11及び白色ガラス板16のそれぞれ一方の主面に反射防止膜ARもしくは赤外線カット膜が形成される。
ステップS34にて、水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15、及び白色ガラス板16が洗浄され、これら光学基板に付着している異物が除去される。次にステップS35にて、紫外線により硬化する接着剤AB(図4,図5を参照。)が、水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15及び白色ガラス板16に塗布される。そしてこれら光学基板が貼り合わせられる。貼り合わせられた光学基板は、プレス装置にセットするためのキャリアに載置される。
ステップS36にて、キャリアに載置された光学基板が所定のプレス圧力で所定時間だけ加圧される。次にステップS37にて、加圧された光学基板に対して紫外線が照射され、接着剤が硬化される。そしてステップS38にて、完成した光学ローパスフィルタ10が検査される。例えば検査の一つとして透過波面精度があり、透過波面精度は透過波面測定器60(図6を参照)で測定される。
<接着剤による影響の透過波面精度>
次に図4及び図5を使って、接着剤ABによる透過波面精度の影響について説明する。図4(a)は、接着剤ABで各光学基板が接着された光学ローパスフィルタ10の概念図であり、この光学ローパスフィルタ10にレーザ光が入射した状態の模式図である。図4(b)は、光学ローパスフィルタ10の透過波面測定の結果を示している。図5(a)は、接着剤ABで各光学基板が接着された従来の光学ローパスフィルタ110の概念図であり、この光学ローパスフィルタ110にレーザ光が入射した状態の模式図である。図5(b)は、光学ローパスフィルタ110の透過波面測定の結果を示している。
図4(a)の光学ローパスフィルタ10及び図5(a)の光学ローパスフィルタ110は、各光学基板と接着剤ABとが概念的に分離して描かれている。図4(b)及び図5(b)に示された光学ローパスフィルタの透過波面測定の結果は、透過波面測定器60で測定される。図6は、透過波面測定器60の原理図である。まず、図6を使って、透過波面測定器60の原理を説明する。
図6に示されるように、透過波面測定器60は、ヘリウムネオンレーザ光源61と、ハーフミラー63と、2つの参照平面ミラー65と、干渉縞を観察する撮像素子67と、撮像素子67で観察された干渉縞及び透過波面を表示するコンピュータ69とを有している。そして、ハーフミラー63と2つの参照平面ミラー65の一方との間に、被験物である実施形態の光学ローパスフィルタ10又は従来の光学ローパスフィルタ110が配置される。なお、接着剤ABで接着される前の個々の水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15、及び白色ガラス板16も被験物として配置されてもよい。
次に透過波面測定器60による測定について説明する。ヘリウムネオンレーザ光源61から波長λ=632.8nmのレーザ光L1が照射され、そのレーザ光L1がハーフミラー63でレーザ光L2とレーザ光L12とに分離される。そして、レーザ光L2は参照平面ミラー65に向かい参照平面ミラー65で反射される。反射されたレーザ光L3はハーフミラー63を通過してレーザ光L4として撮像素子67に入射する。一方、ハーフミラー63で分離されたレーザ光L12は、被験物を通過して参照平面ミラー65に向かい参照平面ミラー65で反射される。その反射されたレーザ光L13は再び被験物を通過してハーフミラー63に戻る。このハーフミラー63で反射されたレーザ光L14が撮像素子67に入射する。撮像素子67は、レーザ光L4とレーザ光L14との干渉縞を撮影するとともに、コンピュータ69がその干渉縞を計算することで、コンピュータ69はそのモニターに干渉縞や透過波面精度を表示する。
図5(a)に示される、従来の光学ローパスフィルタ110は、水晶波長板111、水晶複屈折板112、水晶複屈折板113、水晶複屈折板114、水晶複屈折板115、及び白色ガラス板116を有している。この従来の光学ローパスフィルタ110も図3で示された製造工程で製造される。そのステップS31で説明したように、水晶波長板111、水晶複屈折板112、水晶複屈折板113、水晶複屈折板114、水晶複屈折板115、及び白色ガラス板116は、平面にポリッシュ研磨されたものではあるが、透過波面測定器60で測定すると、それらの主面の中央領域が凹状であったり凸状であったりすることが観察された。これらの複数枚の光学基板を重ねれば、中央領域の凹状と凸状とが相殺されていると考えられるが、従来の光学ローパスフィルタ110は、中央領域が凸状を示す透過波面精度が観測される。このため、発明者はその原因を突き止めるため鋭意努力し、硬化した接着剤ABの中央領域が凸状になることを突き止めた。図3のステップS35からS37で説明したように、光学基板に塗布された接着剤ABは所定のプレス圧力で所定時間加圧されているが、接着剤ABが硬化されるまでに接着剤ABの中央領域が凸状になっていると考えられる。
図5(a)に示される従来の光学ローパスフィルタ110は、図5(b)で表示された透過波面のPV値(Peak to Valley)が、-1.740λであった。ここで、-1.740でのマイナスは波面が凹状、逆に言うと基板は凸状を意味する。従って、この数値1.74を光学ローパスフィルタ110の両面凹凸寸法に換算した形状で見ると、透過波面測定器60の光源波長が0.6328μm、基板112等の屈折率が1.52、空気の屈折率が1であるので、1.740*0.6328/(1.52-1)=2.117と見ることができるから、+2.117μm膨らんだ形状であることになる。この光学ローパスフィルタのPV値は、4Kもしくは8Kで要求されるデジタルカメラには不十分な規格である。一般に4Kもしくは8Kで要求されるデジタルカメラは、光学ローパスフィルタの透過波面のPV値が、±1.50λ以下であることが求められる。
図4(a)に示される、本実施形態の光学ローパスフィルタ10は、2つの実施例を用意した。2つの実施例とも、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14及び水晶複屈折板15の少なくとも一方を中央領域が凹むように、研磨してある。また水晶波長板11及び白色ガラス板16は、平面にポリッシュ研磨されたものではあるが、透過波面測定器60で測定された結果では、厳密には中央領域が凸状に膨らんだ光学基板であった。本実施形態では、この2つの実施例の光学ローパスフィルタ10のPV値が、透過波面測定器60によって測定された。水晶波長板11及び白色ガラス板16は、他の光学基板と比べて厚い。そして水晶波長板11及び白色ガラス板16は、それぞれ一番外側に配置されている。透過波面精度を悪化させる要因として、光学基板の厚みムラが原因となる。光学基板の厚みムラは厚くなればなるほど、厚みムラが生じやすい。そこで、本実施形態では厚い基板を外側に配置させている。水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15、及び白色ガラス板16を貼り合わせる際、これらを両側から加圧して貼り合わせるため、外側の基板を厚いものにした方が、加圧が良好に行われる。また、厚い部材は薄い部材に比べて反りにくい。従って、厚い基板を外側に配置させた方が、貼り合わせ後の光学部品の厚みむらを防止し易いからである。
実施例1では、単純に水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15、及び白色ガラス板16の両面凹凸を合計すると、実施例1の光学ローパスフィルタ10は-0.623μm凹んだ形状であることになる。しかしながら、実施例1の光学ローパスフィルタ10では、図4(b)で表示された透過波面のPV値が、透過波面測定器60による測定で-0.953λであり、この数値を光学ローパスフィルタ10の両面凹凸寸法に換算した形状で見ると、透過波面測定器60の光源波長が0.6328μm、基板12等の屈折率が1.52、空気の屈折率が1であるので、0.953*0.6328/(1.52-1)=1.16と見ることができる。つまり、中央領域が凸状に+1.160μm膨らんだ形状である。すなわち、個々に光学基板の両面凹凸を合計した量と、光学ローパスフィルタ10としての両面凹凸量とに、1.783μm(すなわち、1.160-(-0.623)=1.783)の違いがある。
光学ローパスフィルタ10は、各光学基板以外に、接着剤ABの5層がある。つまり、接着剤ABは、水晶波長板11と水晶複屈折板12との間、水晶複屈折板12と水晶複屈折板13との間、水晶複屈折板13と水晶複屈折板14との間、水晶複屈折板14と水晶複屈折板15との間、水晶複屈折板15と白色ガラス板16との間にある。これら5層の接着剤ABが凸状に硬化して、1.783μmの凸の状態を作り出していると仮定できる。
光学ローパスフィルタ10の透過波面のPV値を0λ、すなわち両面凹凸量を0μmにするためには、1.783μm分を水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15、及び白色ガラス板16の両面が凹んだ状態にすればよい。1枚の光学基板で0.297μm凹ませればよい。別の言い方をすれば1枚の光学基板には2主面あるため、1主面当たりの凹み量dは、0.149μmがよいことになる。また各光学基板をさらに凹ませて、例えば光学ローパスフィルタの透過波面のPV値が-1.0λであっても4Kもしくは8Kのデジタルカメラの要求を十分に満たすことができる。この場合にはPV値1λは、光学部品の凹面形状で見ると、1*0.6328/(1.52-1)=1.217μmなる。凹凸面形状で見た値、3.00μm(1.783μm+1.217μm)を6枚の光学基板の両面が凹んだ状態にすればよいので、1枚の光学基板で0.50μm凹ませればよい。1主面当たりの凹み量dは、0.25μmがよいことになる。
実施例2では、単純に水晶波長板11、水晶複屈折板12、水晶複屈折板13、水晶複屈折板14、水晶複屈折板15、及び白色ガラス板16の両面凹凸を合計すると、実施例の光学ローパスフィルタ10は-0.658μm凹んだ形状であることになる。しかしながら、実施例2の光学ローパスフィルタ10では、図4(b)で表示された透過波面のPV値が、-1.302λであり、この数値を光学ローパスフィルタ10の両面凹凸寸法に換算した形状で見ると、透過波面測定器60の光源波長が0.6328μm、基板12等の屈折率が1.52、空気の屈折率が1であるので、1.302*0.6328/(1.52-1)=1.584と見ることができる。つまり中央領域が凸状に+1.584μmに膨らんだ形状である。すなわち、個々に光学基板の両面凹凸を合計した量と、光学ローパスフィルタ10としての両面凹凸量とに、2.243μmの違いがある。
上述したように光学ローパスフィルタ10は、層の接着剤ABが凸状に硬化していると考えられ、2.243μmの凸の状態を作り出していると仮定できる。
光学ローパスフィルタ10の透過波面のPV値を0λ、すなわち両面凹凸量を0μmにするためには、2.243μm分を各光学基板の両面が凹んだ状態にすればよい。1枚の光学基板で0.374μm凹ませればよい。別言すれば1主面当たりの凹み量dは、0.187μmが好ましいことになる。また各光学基板をさらに凹ませて、例えば光学ローパスフィルタの透過波面のPV値が-1.0λであっても4Kもしくは8Kのデジタルカメラの要求を十分に満たすことができる。この場合には、上記同様、1λは方面形状でみると、1.217μmなので、凹面形状3.46μm(2.243μm+1.217μm)を6枚の光学基板の両面が凹んだ状態にすればよいので、1枚の光学基板で0.576μm凹ませればよい。つまり、1主面当たりの凹み量d、0.288μmが好ましいことになる。
図2を使って説明した通り、光学ローパスフィルタ10の直径D11は例えば40mmから50mmである。また、実施例1又は実施例2で示した通り、1主面当たりの凹み量dは、0.149μmから0.288μmであることが好ましい。このため一主面に凹み量dを直径との比率で計算すると、以下の範囲が好ましい。
d/D11=2×10-06から7×10-06
以上、本発明の最適な実施形態について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施形態に様々な変更・変形を加えて実施することができる。例えば実施例では6枚の光学基板を使用したが、4枚でもよく8枚でもよい。光学基板の枚数が少なくなるほど接着剤ABの層は減ることになる。光学基板の枚数が増えるほど接着剤ABの層も増えることになる。そのため、1主面当たりの凹み量は、光学基板の枚数に大きく影響を受けないと考えられる。
10 … 光学ローパスフィルタ(光学部品)
11 … 水晶波長板、 12~15 … 水晶複屈折板
16 … 白色ガラス板
50 … 受光レンズ
60 … 透過波面測定器、 61 … ヘリウムネオンレーザ光源
63 … ハーフミラー、 65 … 参照平面ミラー、 67 … 撮像素子
AB … 接着剤
IS … 固体撮像素子

Claims (3)

  1. 第1主面と該第1主面の反対側である第2主面とを有する第1基板と、
    第3主面と該第3主面の反対側である第4主面とを有する第2基板と、
    前記第2主面と前記第3主面とを接着する接着剤と、を備え、
    前記第1主面及び第4主面の一方側から他方側に光を通して使用され、
    透過波面のPV値が±1.50λ以下の光学ローパスフィルタであって、
    前記第1主面から前記第4主面の少なくとも一主面に凹み量dを有し、
    前記第1基板及び前記第2基板はそれぞれ所定直径Dを有し、
    前記凹み量dは、前記所定直径Dに対し、前記一主面当たり、
    d/D=2×10-06から7×10-06である
    光学ローパスフィルタ。
    なお、λは、透過波面測定器の光源の波長632.8nmである。
  2. 前記第1基板の前記第1主面又は前記第2主面に凹み形状が形成され、
    前記第2基板の前記第3主面又は前記第4主面に凹み形状が形成される請求項1に記載の光学ローパスフィルタ。
  3. さらに前記第1主面に接着剤で接着される第3基板と、
    前記第4主面に接着剤で接着される第4基板と、を備え、
    前記第3基板及び前記第4基板のそれぞれの厚さは、前記第1基板又は前記第2基板のそれぞれの厚さよりも厚い請求項1又は請求項2に記載の光学ローパスフィルタ。
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