以下、図面を参照しながら本明細書で開示する技術の実施形態について詳細に説明する。
無線センサネットワークのように、端末台数が膨大になることが想定される無線通信システムでは、1台の基地局で多くの端末から送信されたデータを受信する必要がある。そのためには、各端末の送信フレームの衝突を回避する方法、あるいは衝突時に受信側で各フレームを分離する方法が重要となる。前者の衝突回避には、時分割又は周波数分割でフレームを送信する方法が挙げられ。また、後者の衝突フレームの分離は、スクランブルコードなどの符号多重により実現することが可能である。
LTE(Long Term Evolution)のような無線通信システムでは、端末はあらかじめ基地局とシグナリングを行い、基地局によって割り当てられた無線資源(時刻、周波数、及び符号)を用いてフレームを送信することで、上記を実現するようにしている。しかしながら、基地局と端末の受信可能範囲が異なる非対称な無線通信システムでは、図46に示すような、基地局から遠くに位置する端末は、基地局から端末へのダウンリンク(DL)通信が受信不可能なため、基地局からの無線資源の割り当てを受けることができないという問題がある。例えば、バッテリー駆動型の端末を長時間使用可能にするために、LPWA(Low Power, Wide Area)技術を用いて無線センサネットワークを構築する場合、各端末の受信可能範囲が狭くなり、非対称なシステムとなってしまう。
そこで、本明細書では、端末が、近隣の端末から送信される制御フレーム情報に基づいて、他端末との衝突を回避するとともに分離可能な無線資源を推定して、フレーム送信に使用する無線資源を自律的に決定する技術について、以下で提案する。
第1の実施例では、無線通信システム全体で時刻同期し、無線通信システム内の共通ランダム値として時刻を用いて送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定するシステムを想定する。
図1には、第1の実施例で想定している無線通信システムの一例を示している。図示の無線通信システムは、1台の基地局と、その基地局からの信号の受信可能範囲に存在する端末1及び端末2からなる。同図中、基地局と端末1の各々からの信号の受信可能範囲をそれぞれ点線で囲って示している。基地局及び各端末にはGPS機能が搭載されており、GPS信号を受信することで、時刻情報を取得して、それぞれ装置内の内部時計を同期する。
さらに、各端末は、時刻と自身の端末IDを用いて、データフレーム送信に使用する時刻、周波数、及び符号を事前に決められた規則に基づいて決定する。例えば、端末は、データフレームの送信を要求する時刻(分単位)と端末IDを入力して、データフレーム送信に使用する無線資源を決定する。このように、時刻と端末IDという基地局と端末で共通で保持するランダム値を事前に決められた規則に入力することで、各端末が異なる無線資源を用いてデータ送信が可能になる。
また、各端末は、基地局への端末ID新規登録(アクティベート)や端末IDが登録済みの場合は端末の生存確認のために、制御フレームを定期的に送信するようになっている。その結果、基地局と端末で共通なランダム値が定期的に変化する。したがって、データフレームに使用する無線資源も変化して、耐干渉やセキュリティにも強くなるという利点もある。さらに、基地局でも、各端末がデータフレーム送信に用いる無線資源を事前に把握することができるため、計算資源を効率的に利用することが可能となる。
IoT(Internet of Things)向けのユースケースでは、屋内や地中での利用が想定される。例えば、車両トラッキングにおける屋内駐車場や、農業における土壌環境のモニタリングなどである。この場合、端末側でGPS信号を受信できないため、基地局と端末間の共通ランダム値として時刻情報が使用できなくなるという問題がある。
そこで、本実施例では、無線通信システム内にGPS信号を受信できない端末が存在する場合であっても、近隣のGPS信号を受信できる端末の制御フレームを用いて時刻同期を行うことで、時刻と端末IDを用いた無線資源決定を行えるようにする。
図1に示した無線通信システムは、各端末がセンサ端末からなり、基地局が各端末からセンサデータを収集する無線センサネットワークを想定している。端末は、センサから取得したデータを格納したデータフレームを送信し、また、定期的に制御フレームを送信する。各端末には無線通信システム内での時刻同期のためにGPS機能が搭載されている。但し、設置されている場所によっては、GPS信号を受信できる端末と受信できない端末が存在する。図1に示す例では、端末1はGPS信号を受信できない端末であり、端末2はGPS信号を受信できる端末であるとする。一方、基地局は、各端末が送信した制御フレーム及びデータフレームを受信し、復調処理を行う。
図2には、第1の実施例に係る無線通信システムにおいて端末として動作する通信装置100の構成例を示している。通信装置100は、例えば無線センサネットワークにおいて、センサ端末として動作することが想定される。図示の通信装置100は、無線通信部101と、フレーム生成部102と、無線制御部103と、無線資源決定部104と、フレーム検出部105と、フレーム復調部106と、端末ID記憶部107と、内部時計108と、GPS受信部109と、センサ110と、記憶部111と、無線資源算出部112を備えている。
無線通信部101は、無線信号の送受信を行う。無線通信部101は、無線制御部103からの制御により、フレーム生成部102で生成されたフレームを無線信号に変換して、送信する。また、無線通信部101は、無線制御部103からの制御により、電波を受信して無線信号へと変換し、フレーム検出部105へ渡す。
フレーム生成部102は、無線資源決定部104が決定した符号を用いて、制御フレーム及びデータフレームを生成する。フレーム生成部102は、時刻情報を格納した制御フレームを生成する。また、通信装置100が無線センサネットワークにおいてセンサ端末として動作する場合には、フレーム生成部102は、後述するセンサ110が取得するセンサ端末外部又は内部の情報(センサデータ)を含むデータフレームを生成する。
無線制御部103は、内部時計108から現在時刻を取得し、無線資源決定部104から得られる送信時刻及び送信周波数で制御フレーム及びデータフレームを送信するように、無線通信部101を制御する。また、無線制御部103は、他の端末から制御フレームを受信する時刻及び周波数を記憶部111から取得し、該当する時刻及び周波数で受信処理を行うように、無線通信部101を制御する。
無線資源決定部104は、制御フレーム及びデータフレームを送信する時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を決定する。無線資源決定部104は、内部時計108によって計時される現在時刻と、端末ID記憶部107に記憶されている端末IDと、記憶部111に記憶されている初期値などの情報に基づいて、フレームを送信する時刻、周波数、及び符号を算出する。また、無線資源決定部104は、制御フレームとデータフレームで、異なる方法により時刻、周波数、及び符号を決定する。制御フレーム及びデータフレームの送信に用いる無線資源を決定する方法の詳細については、後述に譲る。
フレーム検出部105は、無線通信部101による受信信号から制御フレームを検出する。具体的には、フレーム検出部105は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部112から取得したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合にフレームを検出したと判定する。フレーム検出部105は、制御フレームの検出に成功した場合には、検出した時刻をフレーム復調部106へ渡す。
フレーム復調部106は、受信信号から制御フレームを復調する。具体的には、フレーム復調部106は、フレーム検出部105で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部112から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、フレーム復調部106は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRC(Cyclic Redundancy Code)を用いた誤り検出処理を行う。そして、フレーム復調部106は、制御フレームの復調に成功した場合には、制御フレームに含まれる時刻情報を内部時計108へ渡す。
端末ID記憶部107は、当該端末(通信装置100)に固有の識別子を記憶する。
内部時計108は、GPS受信部109又はフレーム復調部106から時刻情報を取得し、取得した時点からの経過時間を計測することで、現在時刻を算出する。
GPS受信部109は、GPS信号を受信して、時刻情報を取得して、内部時計108に渡す。
センサ110は、センサ端末としての通信装置100が、データフレームで通知する、センサ端末外部又は内部の情報を取得するセンサ素子からなる。センサ110は、例えば温度センサや加速度センサなどを含む。また、センサ端末の位置情報を取得したいというユースケースでは、GPS受信部109がセンサ110を兼ねてもよい。
記憶部111は、制御フレームの検出並びに復調に必要な無線資源情報を保持する。例えば、擬似乱数生成器を用いて無線資源を計算する場合には(後述)、擬似乱数生成器に投入する初期値を記憶部111に保持しておく。
無線資源算出部112は、フレーム検出部105において制御フレームを検出し、フレーム復調部106において制御フレームを復調する際に必要となる、SYNC符号及びスクランブル符号を算出する。擬似乱数生成器を用いてこれらの符号を計算する場合、無線資源算出部112は、記憶部111に保持されている初期値を擬似乱数生成器に投入して、これらの符号を算出する(後述)。
図3には、図1に示した無線通信システムにおいて、端末が制御フレーム及びデータフレームを送信するときに使用するフレームの構成例を示している。
フレームは、IDフィールドと、DATAフィールドと、CRCフィールドを含んでいる。
IDフィールドには、当該フレームの送信元の端末を識別する端末IDが格納される。
当該フレームが制御フレームの場合には、DATAフィールドには、当該フレームを送信する時刻が格納される。また、当該フレームがデータフレームの場合には、DATAフィールドにはセンサ部110から取得したセンサ端末外部又は内部の情報(センサデータ)が格納される。
CRCフィールドには、上記のIDフィールド及びDATAフィールドの各々に格納された値に対して計算したCRC値が格納される。当該フレームの受信側では、CRCフィールドに格納されたCRC値に基づいてフレーム受信に成功したかどうかを判定することができる。
上記のID、DATA、及びCRCを連結した系列に対して、誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)や順番の並べ替え(Interleave)処理を行う。
上記の処理を行った系列(Payload)と、フレーム検出に用いるSYNC符号とを連結した後、さらにスクランブル符号でビット毎に排他的論理和(XOR)をとって、フレームを生成する。
ここで使用されるSYNC符号並びにスクランブル符号は、無線資源決定部104が決定した符号である。制御フレームの場合は、全端末で共通のSYNC符号並びにスクランブル符号を使用する。一方、データフレームの場合は、事前に決められた規則に対し、制御フレームを送信した時刻と、端末ID記憶部107に記憶されている端末IDを入力することで得られた値を使用する。SYNC符号並びにスクランブル符号を決定する方法の詳細については、後述に譲る。
続いて、本実施例において制御フレーム及びデータフレームの送信に用いる無線資源決定方法について、説明する。
図4には、本実施例に係る無線通信システムにおける無線資源の概要を示している。同図中、横軸は時間軸であり、縦軸は周波数軸である。
時間は、タイムスロットと呼ぶ一定区間で区切られる。また、周波数は、送受信に使用されるチャネル毎に区切られる。制御フレーム及びデータフレームは、タイムスロット区間内で送信を行うものとする。また、制御フレームとデータフレームの衝突を避けるため、制御フレームとデータフレームが送信可能なタイムスロットは異なるようあらかじめ設定しておく。図4に示す例では、制御フレーム用のタイムスロット数をNCTSとし、データフレーム用のタイムスロット数をNDTSとする。そして、NCTS+NDTS個のタイムスロットを1周期とし、制御フレーム用とデータフレーム用のタイムスロットを繰り返す。
まず、制御フレームの送信に用いる無線資源決定方法について説明する。
図5には、制御フレームの送信時刻の決定に使用する擬似乱数生成器を示している。図示の擬似乱数生成器は、2つのM系列(Maximum length sequence)を用いたゴールド符号生成器である。M-Sequence1及びM-Sequence2の各M系列の初期値には、端末IDと当該端末内で制御フレーム送信要求が発生した時刻をそれぞれ設定する。そして、この疑似乱数生成器で生成した乱数系列xを用いて、以下の式(1)を用いて、制御フレームの送信時刻TCtxを決定する。
但し、上式(1)において、TCtxは制御フレームの送信開始時刻、LTSはタイムスロットの長さ、NCTSは(1周期内の)制御フレーム用のタイムスロット数、NDTSは(1周期内の)データフレーム用のタイムスロット数、Lperiodは1周期の長さ(すなわち、Lperiod=Lts×(NCTS+NDTS))、tは制御フレームの送信要求が発生した時刻、xは擬似乱数生成器(図5を参照のこと)で生成した乱数系列とする。
また、制御フレームの送信周波数も、制御フレームの送信時刻と同様に、図5に示した擬似乱数生成器を用いて決定する。送信周波数の決定に使用する疑似乱数生成器のM系列の生成多項式の組み合わせは、上記の送信時刻決定に使用するものと同じものであっても違うものであっても構わない。それぞれのM系列の初期値には、端末IDと当該端末内で制御フレーム送信要求が発生した時刻を設定する。そして、疑似乱数生成器で生成した乱数系列xを用いて、以下の式(2)を用いて送信周波数(送信チャネル)を決定する。
但し、上式(2)において、FCtsは制御フレームの送信チャネル、NCfreqは制御フレームで使用可能なチャネル数、FCoffsetは制御フレームの送信周波数のチャネルオフセットとする。
また、制御フレームに使用するSYNC符号及びスクランブル符号は、無線通信システム内で共通とする。図6及び図7には、SYNC符号及びスクランブル符号の生成に使用する擬似乱数生成器をそれぞれ示している。図6に示す擬似乱数生成器は、2つのM系列(M-Sequence3及びM-Sequence4)を用いたゴールド符号生成器であり、図7に示す擬似乱数生成器は、2つのM系列(M-Sequence5及びM-Sequence6)を用いたゴールド符号生成器である。SYNC符号はフレームのSYNC長に一致する長さを図6に示す擬似乱数生成器で得るものとし、スクランブル符号はフレーム長に一致する長さを図7に示す疑似乱数生成器で得るものとする。制御フレームでは、初期値1~4には、記憶部111で保持している事前に決められた無線通信システム内で共通の値を設定する。
続いて、データフレームの送信に用いる無線資源決定方法について説明する。
データフレームの送信時刻は、制御フレームと同様に、図5に示した擬似乱数生成器を用いて決定する。M-Sequence1及びM-Sequence2の各M系列の初期値には、端末IDと当該端末から制御フレームを送信した時刻をそれぞれ設定する。そして、この擬似乱数生成器で生成した乱数系列xを用いて、以下の式(3)を用いて、データフレームの送信時刻TDxtを決定する。
但し、上式(3)において、TDxtは、端末IDとはデータフレームの送信開始時刻、LTSはタイムスロットの長さ、NCTSは(1周期内の)制御フレーム用のタイムスロット数、NDTSは(1周期内の)データフレーム用のタイムスロット数、Lperiodは1周期の長さ(すなわち、Lperiod=Lts×(NCTS+NDTS))、Noffsetは制御フレームを送信してからデータフレームを送信するまでのオフセット値、tは制御フレームの送信要求が発生した時刻、xは擬似乱数生成器(図5を参照のこと)で生成した乱数系列とする。
また、データフレームの送信周波数も、データフレームの送信時刻と同様に、擬似乱数生成器を用いて決定する。それぞれのM系列の初期値には、端末IDと端末内で制御フレーム送信要求が発生した時刻を設定する。そして、疑似乱数生成器で生成した乱数系列xを用いて、以下の式(4)用いて送信周波数(送信チャネル)を決定する。
但し、上式(4)において、FDtsはデータフレームの送信チャネル、NDfreqはデータフレームで使用可能なチャネル数、FDoffsetはデータフレームの送信周波数のチャネルオフセットとする。
また、データフレームに使用するSYNC符号及びスクランブル符号は、制御フレームと同様に、図6及び図7に示した擬似乱数生成器をそれぞれ用いて決定する。SYNC符号はフレームのSYNC長に一致する長さを図6に示す擬似乱数生成器で得るものとし、スクランブル符号はフレーム長に一致する長さを図7に示す疑似乱数生成器で得るものとする。データフレームでは、初期値1及び初期値3には端末IDを設定し、初期値2及び初期値4には制御フレームを送信した時刻を設定する。
図8には、第1の実施例に係る無線通信システムにおいて基地局として動作する通信装置200の構成例を示している。通信装置200は、例えば無線センサネットワークにおいて、各センサ端末からセンサデータを含むデータフレームを受信動作することが想定される。図示の通信装置200は、無線通信部201と、無線制御部202と、無線資源算出部203と、制御フレーム検出部204と、制御フレーム復調部205と、内部時計206と、GPS受信部207と、記憶部208と、データフレーム検出部209と、データフレーム復調部210を備えている。
無線通信部201は、無線信号の受信を行う。無線通信部201は、無線制御部202からの制御により、電波を受信して無線信号へと変換する。そして、無線制御部202からの指示が制御フレーム受信の場合には、受信信号を制御フレーム検出部204へ渡し、無線制御部202からの指示がデータフレーム受信の場合には、受信信号をデータフレーム検出部209に渡す。なお、無線通信部201は、無線信号の送信も行うようにしてもよいが、この点の詳細については説明を省略する。
無線制御部202は、内部時計206から現在時刻を取得し、無線資源算出部203から得られる受信時刻及び受信周波数で、制御フレーム及びデータフレームを受信するように、無線通信部201を制御する。制御フレームはどの端末IDの端末が送信してくるか分からないため、無線制御部202は、制御フレームの送信に使用され得るタイムスロット及び全周波数に対して受信処理するように、無線通信部201を制御する。一方、データフレームは制御フレームによってあらかじめ送信される端末の端末IDが分かっているので、無線制御部202は、無線資源算出部203があらかじめ決められた規則に基づいて算出した時刻及び周波数に対してのみ受信処理を実施するように、無線通信部201を制御する。また、基地局としての通信装置200がフレーム送信も行う場合には、無線制御部202は、無線通信部201における無線信号の送信動作も制御するが、この点の詳細については説明を省略する。
無線資源算出部203は、制御フレーム及び事前に端末IDが登録された端末のデータフレームが送信される時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を算出する。無線資源算出部203は、制御フレームとデータフレームで、異なる方法により時刻、周波数、及び符号を算出する(前述)。
制御フレーム検出部204は、無線通信部201による受信信号から制御フレームを検出する。具体的には、制御フレーム検出部204は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部203が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合に制御フレームを検出したと判定する。制御フレーム検出部204は、制御フレームの検出に成功した場合には、検出した時刻を制御フレーム復調部205へ渡す。
制御フレーム復調部205は、受信信号から制御フレームを復調する。具体的には、制御フレーム復調部205は、制御フレーム検出部204で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部203から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、制御フレーム復調部205は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。そして、制御フレーム復調部205は、制御フレームの復調に成功した場合には、制御フレームに含まれる端末IDを無線資源算出部203へ渡す。
GPS受信部207は、GPS信号を受信して、時刻情報を取得する。内部時計206は、GPS受信部207から時刻情報を取得し、取得した時点からの経過時間を計測することで、現在時刻を算出する。
記憶部208は、制御フレームの検出並びに復調に必要な無線資源情報を保持する。例えば、擬似乱数生成器(図6及び図7を参照のこと)を用いて無線資源を計算する場合には、擬似乱数生成器に投入する初期値を記憶部208に保持しておく。
データフレーム検出部209は、無線通信部201による受信信号からデータフレームを検出する。具体的には、データフレーム検出部209は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部2031が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合にデータフレームを検出したと判定する。データフレーム検出部209は、データフレームの検出に成功した場合には、検出した時刻をデータフレーム復調部210へ渡す。
データフレーム復調部210は、受信信号から制御フレームを復調する。具体的には、データフレーム復調部210は、データフレーム検出部209で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部203から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、データフレーム復調部210は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。そして、データフレーム復調部210は、データフレームの復調に成功した場合には、データフレームに含まれるセンサデータなどの受信データを上位層アプリケーションなどに通知する。
本実施例に係る無線通信システムでは、各端末はセンサデータを含むデータフレームを送信し、基地局は各端末からセンサデータを収集する。端末は、事前に制御フレームを送信して、データフレームの送信に用いる無線資源に関する情報を通知するようになっている。各端末は、基本的には、GPS信号を受信して取得される時刻情報に基づいて、データフレームの送信に用いる無線資源を決定する。
ここで、GPS信号を受信できない端末は、近隣端末から受信した制御フレームに記載されている時刻情報を取得して、自分がデータフレームの送信に用いる無線資源を決定することができる。また、基地局は、配下の端末から受信した制御フレームから、その端末がデータフレームの送信に用いる無線資源に関する情報を取得して、そのフレームからのデータフレームの受信処理を実施する無線資源を算出することができる。
図9には、図1に示した無線通信システムにおける通信シーケンス例を示している。但し、端末1及び端末2はそれぞれ図2に示した装置構成を備え、基地局は図8に示した装置構成を備えているものとする。また、ここでは、端末2はGPS信号を受信可能であるが、端末1はGPS信号を受信できないことを想定している。
GPS信号を受信可能な端末2は、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ921)、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を、上述した方法に従って決定する(SEQ922)。
そして、端末2は、算出したSYNC符号及びスクランブル符号を用いて制御フレームを生成して、決定した時刻と周波数を使用して制御フレームを送信する(SEQ923)。
端末2は、制御フレームをブロードキャストで送信する。したがって、端末2の制御フレームは、基地局と端末1の両方で受信される。
基地局は、端末2の制御フレームを受信すると、制御フレームを復調し、制御フレームに格納されている端末IDと当該制御フレームを受信した時刻を用いて、端末2がデータフレーム送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(SEQ931)。端末IDと当該制御フレームを受信した時刻は、基地局が制御フレームから取得する無線資源に関する情報に相当する。
その後、端末2は、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定して(SEQ924)、決定した時刻と周波数を使用してデータフレームを送信する(SEQ925)。
基地局は、端末2から受信した制御フレームから取得した情報に基づいて算出した時刻が到来すると、算出した周波数の無線信号を受信し、且つ、算出した符号を用いて端末2からのデータフレームの検出及び復調を行う(SEQ932)。
一方、GPS信号を受信できない端末1は、端末2の制御フレームを受信及び復調し、制御フレームに格納されている時刻情報を取得し(SEQ911)、取得した時刻情報に基づいて端末1内の内部時計108を同期する(SEQ912)。時刻情報は、端末1が近隣の端末2の制御フレームから取得する無線資源に関する情報に相当する。
以降、端末1は、GPS信号を受信可能な端末2と同様に、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ913)、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を上述した方法に従って決定して(SEQ914)、決定した時刻と周波数を使用して制御フレームをブロードキャストで送信する(SEQ915)。
基地局は、端末1の制御フレームを受信すると、制御フレームを復調し、制御フレームに格納されている端末IDと制御フレームを受信した時刻を用いて、端末1がデータフレーム送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(SEQ933)。端末IDと当該制御フレームを受信した時刻は、基地局が制御フレームから取得する無線資源に関する情報に相当する(同上)。
その後、端末1は、さらに、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定して(SEQ916)、決定した時刻と周波数を使用してデータフレームを送信する(SEQ917)。
基地局は、端末1から受信した制御フレームに基づいて算出した時刻が到来すると、算出した周波数の無線信号を受信し、且つ、算出した符号を用いて端末1からのデータフレームの検出及び復調を行う(SEQ934)。
図10には、端末において他端末の制御フレームから時刻情報を取得するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、端末は、図2に示した装置構成を備えているものとする。
まず、端末は、近隣端末からの制御フレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(ステップS1001)。当該端末の受信範囲内に位置する端末が制御フレームを送信する時刻及び周波数をあらかじめ知るのは困難である。このため、端末は、基本的には、制御フレームを送信可能な全時刻(全タイムスロット)及び周波数に対して受信処理を実施する。
次いで、端末は、ステップS1001で決定した制御フレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS1002)。
そして、制御フレームの受信時刻が到来すると(ステップS1002のYes)、端末は、ステップS1001で決定した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS1003)。
次いで、端末は、ステップS1001で決定した符号を用いて、制御フレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS1004)。そして、端末は、制御フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS1005)。
制御フレームの復調に成功した場合には(ステップS1005のYes)、端末は、制御フレームから取得した時刻情報を用いて、自端末の内部時計108を同期して(ステップS1006)、本処理を終了する。
また、制御フレームの復調に失敗した場合には(ステップS1005のNo)、端末は、自端末の内部時計108の同期を行うことなく、本処理を終了する。
図10に示した処理は、基本的にはGPS信号を受信できない端末が実施するものである。GPS信号を受信可能な端末は、GPS信号から時刻情報を取得することができるので、図10に示した処理を実施する必要がない。
また、端末は、図10に示した処理を常に実施する必要はない。例えば、端末は、図10に示した処理に一度成功して内部時計の同期が完了した場合は、ある程度の期間は実施しなくてもよい。
例えば、図9に示した通信シーケンス例において、端末1は、図10に示した処理手順を実施することによって、端末2から受信した制御フレームから、無線資源に関する情報として時刻情報を取得して、その時刻情報に基づいて自分がデータフレームの送信に用いる無線資源を決定することができるようになる。
図11には、端末において制御フレーム及びデータフレームを送信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。ここでは、端末は、制御フレーム1つに対してデータフレーム1つを送信することを前提とする。また、端末は、図2に示した装置構成を備えているものとする。
まず、端末は、上位層から制御フレームの送信要求を受けたか否かを判定する(ステップS1101)。
制御フレームの送信要求を受けた場合には(ステップS1101のYes)、端末は、制御フレームの送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を上述した方法に従って決定する(ステップS1102)。
次いで、端末は、ステップS1102で決定した符号を用いて、制御フレームを生成する(ステップS1103)。そして、端末は、ステップS1102で決定した制御フレームの送信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS1104)。
制御フレームの送信時刻が到来すると(ステップS1104のYes)、端末は、ステップS1102で決定した周波数を用いて、制御フレームを送信する(ステップS1105)。
次いで、端末は、データフレームの送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を上述した方法に従って決定する(ステップS1106)。
次いで、端末は、ステップS1106で決定した符号を用いて、データフレームを生成する(ステップS1107)。そして、端末は、ステップS1106で決定したデータフレームの送信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS1108)。
データフレームの送信時刻が到来すると(ステップS1108のYes)、端末は、ステップS1106で決定した周波数を用いて、データフレームを送信して(ステップS1109)、本処理を終了する。
例えば、図9に示した通信シーケンス例において、端末1及び端末2は、図11に示した処理手順を実施することによって、制御フレーム及びデータフレームを順次送信する。端末2は、受信したGPS信号から取得した時刻情報を、自分がデータフレームの送信に用いる無線資源に関する情報として、制御フレームで基地局や近隣の端末1に通知する。また、端末2は、GPS信号から取得した時刻情報に基づいて、上述した方法に従って、自分がデータフレームの送信に用いる無線資源を決定する。一方、GPS信号を受信できない端末1は、図10に示した処理手順に従って端末2の制御フレームから時刻情報を取得した後に、取得した時刻情報に基づいて自分がデータフレームの送信に用いる無線資源を決定することができ、図11に示した処理手順に従って制御フレーム及びデータフレームを順次送信する。
図12には、基地局において端末からの制御フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、基地局は、図8に示した装置構成を備えているものとする。
まず、基地局は、制御フレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(ステップS1201)。当該基地局の受信範囲内に位置する端末が制御フレームを送信する時刻及び周波数をあらかじめ知るのは困難である。このため、基地局は、基本的には、制御フレームを送信可能な全時刻(全タイムスロット)及び周波数に対して受信処理を実施する。
次いで、基地局は、ステップS1201で算出した制御フレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS1202)。
そして、制御フレームの受信時刻が到来すると(ステップS1202のYes)、基地局は、ステップS1201で算出した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS1203)。
次いで、基地局は、ステップS1201で算出した符号を用いて、制御フレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS1204)。そして、基地局は、制御フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS1205)。
制御フレームの復調に成功した場合には(ステップS1205のYes)、基地局は、制御フレームから、その制御フレームの送信元の端末がデータフレームの送信に用いる無線資源に関する情報として、端末IDと制御フレームの受信時刻を取得することができる。そして、基地局は、取得した端末IDと受信時刻を保持して(ステップS1206)、本処理を終了する。
また、制御フレームの復調に失敗した場合には(ステップS1205のNo)、基地局は、制御フレームから端末IDと受信時刻を取得することなく、本処理を終了する。
図13には、基地局において端末からのデータフレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、基地局は、図8に示した装置構成を備えているものとする。
まず、基地局は、端末の制御フレームから取得した端末IDと制御フレームの受信時刻に基づいて、データフレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(ステップS1301)。
次いで、基地局は、ステップS1301で算出したデータフレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS1302)。
そして、データフレームの受信時刻が到来すると(ステップS1302のYes)、基地局は、ステップS1301で算出した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS1303)。
次いで、基地局は、ステップS1301で算出した符号を用いて、データフレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS1304)。そして、基地局は、データフレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS1305)。
データフレームの復調に成功した場合には(ステップS1305のYes)、基地局は、データフレームから取得したセンサデータを上位層のアプリケーションに通知して(ステップS1306)、本処理を終了する。
また、データフレームの復調に失敗した場合には(ステップS1305のNo)、基地局は、データフレームからセンサデータを取得することなく、本処理を終了する。
例えば、図9に示した通信シーケンス例において、基地局は、図12に示した処理手順を実施することによって、配下の各端末(端末1及び端末2)から受信した制御フレームから、各端末がデータフレームの送信に用いる無線資源に関する情報として、端末IDと制御フレームの受信時刻を取得することができる。そして、基地局は、図13に示した処理手順を実施することによって、各端末の制御フレームから取得した端末IDと制御フレームの受信時刻に基づいて、上述した方法に従って、データフレームを受信することができる。
以上説明してきたように、本実施例によれば、端末は、自らGPS信号を受信できず時刻情報を取得できない場合であっても、近隣に位置する端末が送信する制御フレームから時刻情報を取得することで、時刻同期を可能とする。このようにして、非対称通信システムにおいても時刻同期を可能とし、他端末の送信するフレームと衝突を回避し分離可能な無線資源を自律的に選択することが可能である。
上述した第1の実施例では、無線通信システム内にGPS信号を受信できる端末が1台以上存在する必要がある。しかしながら、無線通信システム内のすべての端末がGPS信号を受信できない可能性もある。
そこで、第2の実施例では、基地局からDLビーコンフレームによって時刻情報を通知し、近隣の端末間で制御フレームを用いて時刻情報を共有することで、非対称通信システムにおいても時刻同期が可能となる方法について提案する。但し、第2の実施例においても、無線通信システム内の共通ランダム値として時刻を用いて送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定することを想定している。
図14には、第2の実施例で想定している無線通信システムの一例を示している。図示の無線通信システムは、1台の基地局と、その基地局からの信号の受信可能範囲に存在する端末1及び端末2からなる。同図中、基地局と端末1及び端末2からの信号の受信可能範囲をそれぞれ点線で囲って示している。
図14に示した無線通信システムは、各端末がセンサ端末からなり、基地局が各端末からセンサデータを収集する無線センサネットワークを想定している。端末は、センサから取得したデータを格納したデータフレームを送信し、また、定期的に制御フレームを送信する。一方、基地局は、各端末が送信した制御フレーム及びデータフレームを受信し、復調処理を行う。
また、基地局は、配下の端末に対して、時刻情報を格納したDLビーコンを定期的に送信する。但し、設置されている場所によっては、DLビーコンを受信できる端末と受信できない端末が存在する。図14に示す例では、端末1はDLビーコンを受信できない端末であり、端末2はDLビーコンを受信できる端末である。
図15には、第2の実施例に係る無線通信システムにおいて端末として動作する通信装置100の構成例を示している。通信装置100は、例えば無線センサネットワークにおいて、センサ端末として動作することが想定される。図示の通信装置100は、無線通信部101と、フレーム生成部102と、無線制御部103と、無線資源決定部104と、フレーム検出部105と、フレーム復調部106と、端末ID記憶部107と、内部時計108と、センサ110と、記憶部111と、無線資源算出部112を備えている。
無線通信部101は、無線制御部103からの制御により、フレーム生成部102で生成されたフレームを無線信号に変換して、送信する。また、無線通信部101は、無線制御部103からの制御により、電波を受信して無線信号へと変換し、フレーム検出部105へ渡す。
フレーム生成部102は、無線資源決定部104が決定した符号を用いて、制御フレーム及びデータフレームを生成する。フレーム生成部102は、時刻情報を格納した制御フレームを生成する。また、通信装置100が無線センサネットワークにおいてセンサ端末として動作する場合には、フレーム生成部102は、後述するセンサ110が取得するセンサ端末外部又は内部の情報(センサデータ)を含むデータフレームを生成する。
無線制御部103は、内部時計108から現在時刻を取得し、無線資源決定部104から得られる送信時刻及び送信周波数で制御フレーム及びデータフレームを送信するように、無線通信部101を制御する。また、無線制御部103は、他の端末から制御フレームを受信する時刻及び周波数を記憶部111から取得し、該当する時刻及び周波数で受信処理を行うように、無線通信部101を制御する。
無線資源決定部104は、制御フレーム及びデータフレームを送信する時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を決定する。無線資源決定部104は、内部時計108によって計時される現在時刻と、端末ID記憶部107に記憶されている端末IDに基づいて、フレームを送信する時刻、周波数、及び符号を算出する。また、無線資源決定部104は、制御フレームとデータフレームで、異なる方法により時刻、周波数、及び符号を決定する(前述)。
フレーム検出部105は、無線通信部101による受信信号から制御フレーム及びDLビーコンフレームを含むフレームを検出する。具体的には、フレーム検出部105は、広帯域信号から無線資源算出部112が算出した周波数の信号を取り出し、無線資源算出部112が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成して、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合にフレームを検出したと判定する。フレーム検出部105は、制御フレームやDLビーコンフレームの検出に成功した場合には、検出した時刻をフレーム復調部106へ渡す。
フレーム復調部106は、フレーム検出部105で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部112から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、フレーム復調部106は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。そして、フレーム復調部106は、制御フレームやDLビーコンフレームの復調に成功した場合には、復調したフレームに含まれる時刻情報を内部時計108へ渡す。
端末ID記憶部107は、当該端末(通信装置100)に固有の識別子を記憶する。
内部時計108は、フレーム復調部106から時刻情報を取得し、取得した時点からの経過時間を計測することで、現在時刻を算出する。なお、通信装置100がGPS受信部(図示しない)を含む場合には、内部時計108は、GPS信号から時刻情報を取得した時点からの経過時間を計測して、現在時刻を算出するようにしてもよい。
センサ110は、センサ端末としての通信装置100が、データフレームで通知する、センサ端末外部又は内部の情報を取得するセンサ素子からなる。センサ110は、例えば温度センサや加速度センサなどを含む。
記憶部111は、制御フレームの検出並びに復調に必要な無線資源情報を保持する。例えば、擬似乱数生成器(図6及び図7を参照のこと)を用いて無線資源を計算する場合には、擬似乱数生成器に投入する初期値を記憶部111に保持しておく。
無線資源算出部112は、フレーム検出部105において制御フレームを検出し、フレーム復調部106において制御フレームを復調する際に必要となる、SYNC符号及びスクランブル符号を算出する。擬似乱数生成器を用いてこれらの符号を計算する場合、無線資源算出部112は、記憶部111に保持されている初期値を擬似乱数生成器に投入して、これらの符号を算出する(前述)。
なお、本実施例では、端末はDLビーコンフレームから時刻情報を取得するので、GPS信号を受信するGPS受信部は必須でない。
図16には、第2の実施例に係る無線通信システムにおいて基地局として動作する通信装置200の構成例を示している。通信装置200は、例えば無線センサネットワークにおいて、各センサ端末からセンサデータを含むデータフレームを受信動作することが想定される。図示の通信装置200は、無線通信部201と、無線制御部202と、無線資源算出部203と、制御フレーム検出部204と、制御フレーム復調部205と、内部時計206と、GPS受信部207と、記憶部208と、データフレーム検出部209と、データフレーム復調部210と、無線資源決定部211と、フレーム生成部212を備えている。
無線通信部201は、無線信号の送受信を行う。DLビーコンフレームの送信時には、無線通信部201は、無線制御部202からの制御により、フレーム生成部212で生成されたDLビーコンフレームを無線信号に変換して、送信する。また、フレームの受信時には、無線通信部201は、無線制御部202からの制御により、電波を受信して無線信号へと変換し、無線制御部202からの指示が制御フレーム受信の場合には受信信号を制御フレーム検出部204へ渡し、無線制御部202からの指示がデータフレーム受信の場合には、受信信号をデータフレーム検出部209に渡す。
無線資源決定部211は、記憶部208に記憶されている情報に基づいて、DLビーコンフレームを送信する時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を決定する。
フレーム生成部212は、無線資源決定部211が決定した符号を用いて、時刻情報を格納したDLビーコンフレームを生成する。
無線制御部202は、内部時計206から現在時刻を取得し、無線資源決定部211から得られる送信時刻及び送信周波数でDLビーコンフレームを送信するように、無線通信部201を制御する。
また、無線制御部202は、内部時計206から現在時刻を取得し、無線資源算出部203から得られる受信時刻及び受信周波数で、制御フレーム及びデータフレームを受信するように、無線通信部201を制御する。制御フレームはどの端末IDの端末が送信してくるか分からないため、無線制御部202は、制御フレームの送信に使用され得るタイムスロット及び全周波数に対して受信処理するように、無線通信部201を制御する。一方、データフレームは制御フレームによってあらかじめ送信される端末の端末IDが分かっているので、無線制御部202は、無線資源算出部203があらかじめ決められた規則に基づいて算出した時刻及び周波数に対してのみ受信処理を実施するように、無線通信部201を制御する。
無線資源算出部203は、制御フレーム及び事前に端末IDが登録された端末のデータフレームが送信される時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を算出する。無線資源算出部203は、制御フレームとデータフレームで、異なる方法により時刻、周波数、及び符号を算出する(前述)。
制御フレーム検出部204は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部203が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合に制御フレームを検出したと判定する。制御フレーム検出部204は、制御フレームの検出に成功した場合には、検出した時刻を制御フレーム復調部205へ渡す。
制御フレーム復調部205は、制御フレーム検出部204で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部203から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、制御フレーム復調部205は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。そして、制御フレーム復調部205は、制御フレームの復調に成功した場合には、制御フレームに含まれる端末IDを無線資源算出部203へ渡す。
GPS受信部207は、GPS信号を受信して、時刻情報を取得する。内部時計206は、GPS受信部207から時刻情報を取得し、取得した時点からの経過時間を計測することで、現在時刻を算出する。
記憶部208は、制御フレームの検出並びに復調に必要な無線資源情報を保持する。例えば、擬似乱数生成器(図6及び図7を参照のこと)を用いて無線資源を計算する場合には、擬似乱数生成器に投入する初期値を記憶部208に保持しておく(同上)。
データフレーム検出部209は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部203が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合にデータフレームを検出したと判定する。データフレーム検出部209は、データフレームの検出に成功した場合には、検出した時刻をデータフレーム復調部210へ渡す。
データフレーム復調部210は、データフレーム検出部209で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部203から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、データフレーム復調部210は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。そして、データフレーム復調部210は、データフレームの復調に成功した場合には、データフレームに含まれるセンサデータなどの受信データを上位層アプリケーションなどに通知する。
図14に示した無線通信システムにおいて、基地局が送信するDLビーコンフレームは、図3に示したフレーム構成と同じである。但し、DLビーコンフレームでは、IDフィールドには基地局の識別子が格納され、DATAフィールドには基地局の内部時計206から取得した時刻情報が格納される。
続いて、本実施例においてDLビーコンフレームの送信に用いる無線資源決定方法について、説明する。なお、制御フレーム及びデータフレームの送信に用いる無線資源決定方法は第1の実施例と同様なので、ここでは詳細な説明を省略する。
図17には、本実施例に係る無線通信システムにおける無線資源の概要を示している。同図中、横軸は時間軸であり、縦軸は周波数軸である。
時間は、タイムスロットと呼ぶ一定区間で区切られる。また、周波数は、送受信に使用されるチャネル毎に区切られる。制御フレーム及びデータフレームは、タイムスロット区間内で送信を行うものとする。また、制御フレームとデータフレームの衝突を避けるため、制御フレームとデータフレームが送信可能なタイムスロットは異なるようあらかじめ設定しておく。また、DLビーコンフレームも、衝突を避けるため、制御フレーム及びデータフレームとは異なる周波数で送信するようあらかじめ設定しておく。
DLビーコンフレームの送信に用いる無線資源決定方法について、より具体的に説明する。
DLビーコンフレームの送信時刻及び送信周波数について言うと、タイムスロットの開始時刻毎に、送信可能な全周波数で、DLビーコンフレームを送信する。
また、DLビーコンフレームに使用するSYNC符号及びスクランブル符号は、無線通信システム内で共通とする。制御フレーム及びデータフレームと同じ、2つのM系列を用いたゴールド符号生成器からなる擬似乱数生成器(図6及び図7を参照のこと)を使用して、DLビーコンフレームに使用するSYNC符号及びスクランブル符号を生成する。また、DLビーコンフレームでは、初期値1~4には、記憶部208で保持している事前に決められた無線通信システム内での値を設定する。
本実施例に係る無線通信システムでは、各端末はセンサデータを含むデータフレームを送信し、基地局は各端末からセンサデータを収集する。端末は、事前に制御フレームを送信して、データフレームの送信に用いる無線資源に関する情報を通知するようになっている。基本的には、基地局がDLビーコンフレームによって時刻情報を通知し、各端末は、DLビーコンフレームから取得される時刻情報に基づいて、データフレームの送信に用いる無線資源を決定する。
ここで、DLビーコンフレームを受信できない端末は、近隣端末から受信した制御フレームに記載されている時刻情報を取得して、自分がデータフレームの送信に用いる無線資源を決定することができる。また、基地局は、配下の端末から受信した制御フレームから、その端末がデータフレームの送信に用いる無線資源に関する情報を取得して、そのフレームからのデータフレームの受信処理を実施する無線資源を算出することができる。
図18には、図14に示した無線通信システムにおける通信シーケンス例を示している。但し、端末1及び端末2はそれぞれ図15に示した装置構成を備え、基地局は図16に示した装置構成を備えているものとする。
基地局は、GPS信号を受信可能であり、GPS信号から取得した時刻情報から現在時刻を算出して、現在時刻を格納したDLビーコンフレームを、上述した無線資源を使用して送信する(SEQ1831)。
DLビーコンフレームはブロードキャストで送信されるため、基地局の近隣に位置する端末はすべて受信可能である。図14に示した無線通信システムでは、端末2は、基地局からのDLビーコンフレームを受信可能である。一方、端末1は、基地局から遠方に位置するため、DLビーコンフレームが届かない。
DLビーコンフレームを受信した端末2は、DLビーコンフレームを受信及び復調して、DLビーコンフレームに格納されている時刻情報を取得し(SEQ1821)、取得した時刻情報に基づいて端末2内の内部時計108を同期する(SEQ1822)。
その後、端末2は、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ1823)、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を、上述した方法に従って決定する(SEQ1824)。
そして、端末2は、算出したSYNC符号及びスクランブル符号を用いて制御フレームを生成して、決定した時刻と周波数を使用して制御フレームを送信する(SEQ1825)。端末2は制御フレームをブロードキャストで送信する。したがって、端末2の制御フレームは、基地局と端末1の両方で受信される。
基地局は、端末2の制御フレームを受信すると、制御フレームを復調し、制御フレームに格納されている端末IDと制御フレームを受信した時刻を用いて、端末2がデータフレーム送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(SEQ1832)。
その後、端末2は、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定して(SEQ1826)、決定した時刻と周波数を使用してデータフレームを送信する(SEQ1827)。
基地局は、端末2から受信した制御フレームに基づいて算出した時刻が到来すると、算出した周波数の無線信号を受信し、且つ、算出した符号を用いて端末2からのデータフレームの検出及び復調を行う(SEQ1833)。
一方、基地局からのDLビーコンフレームを受信できない端末1は、端末2の制御フレームを受信及び復調し、制御フレームに格納されている時刻情報を取得し(SEQ1811)、取得した時刻情報に基づいて端末1内の内部時計108を同期する(SEQ1812)。
以降、端末1は、DLビーコンフレームを受信可能な端末2と同様に、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ1813)、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定して(SEQ1814)、決定した時刻と周波数を使用して制御フレームをブロードキャストで送信する(SEQ1815)。
基地局は、端末1の制御フレームを受信すると、制御フレームを復調し、制御フレームに格納されている端末IDと制御フレームを受信した時刻を用いて、端末1がデータフレーム送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(SEQ1834)。
その後、端末1は、さらに、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定して(SEQ1816)、決定した時刻と周波数を使用してデータフレームを送信する(SEQ1817)。
基地局は、端末1から受信した制御フレームに基づいて算出した時刻が到来すると、算出した周波数の無線信号を受信し、且つ、算出した符号を用いて端末1からのデータフレームの検出及び復調を行う(SEQ1835)。
図19には、端末においてDLビーコンフレームから時刻情報を取得するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、端末は、図15に示した装置構成を備えているものとする。
まず、端末は、DLビーコンフレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(ステップS1901)。DLビーコンフレームは、タイムスロットの開始時刻毎に、送信可能な全周波数で送信されるので、端末は、任意に1つの時刻及び周波数を選択して、DLビーコンフレームの受信処理を実施するようにしてもよい。また、端末は、すべてに対して受信処理を実施するようにしてもよい。
次いで、端末は、ステップS1901で決定したDLビーコンフレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS1902)。
そして、DLビーコンフレームの受信時刻が到来すると(ステップS1902のYes)、端末は、ステップS1901で決定した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS1903)。
次いで、端末は、ステップS1901で決定した符号を用いて、DLビーコンフレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS1904)。そして、端末は、DLビーコンフレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS1905)。
DLビーコンフレームの復調に成功した場合には(ステップS1905のYes)、端末は、DLビーコンフレームから取得した時刻情報を用いて、自端末の内部時計108を同期して(ステップS1006)、本処理を終了する。
また、DLビーコンフレームの復調に失敗した場合には(ステップS1005のNo)、端末は、自端末の内部時計108の同期を行うことなく、本処理を終了する。
なお、端末は、図19に示した処理を常に実施する必要はない。例えば、端末は、図19に示した処理に一度成功して内部時計の同期が完了した場合は、ある程度の期間は実施しなくてもよい。
また、基地局からのDLビーコンフレームを受信可能な端末は、他端末の制御フレームから時刻情報を取得するための処理動作を実施する必要はない。したがって、端末は、DLビーコンフレームによる時刻情報取得処理を先に実施し、失敗した場合のみ、他端末の制御フレームによる時刻情報取得処理(図10を参照のこと)を実施するようにしてもよい。
図20には、基地局においてDLビーコンフレームを送信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、基地局は、上位層からDLビーコンフレームの送信要求を受けたか否かを判定する(ステップS2001)。
DLビーコンフレームの送信要求を受けた場合には(ステップS1101のYes)、基地局は、DLビーコンフレームの送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(ステップS2002)。
次いで、基地局は、ステップS2002で決定した符号を用いて、DLビーコンフレームを生成する(ステップS2003)。そして、基地局は、ステップS2002で決定したDLビーコンフレームの送信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS2004)。
DLビーコンフレームの送信時刻が到来すると(ステップS2004のYes)、基地局は、ステップS2002で決定した周波数を用いて、DLビーコンフレームを送信して(ステップS2005)、本処理を終了する。
なお、第2の実施例においても、端末は、図10に示した処理手順に従って制御フレームを受信できるとともに、図11に示した処理手順に従って制御フレーム及びデータフレームを送信することができる。また、基地局は、図12に示した処理手順に従って端末からの制御フレームを受信し、且つ、図13に示した処理手順に従って端末からのデータフレームを受信することができる。
例えば、図18に示した通信シーケンス例において、端末2は、図19に示した処理手順に従ってDLビーコンフレームから取得した時刻情報を、自分がデータフレームの送信に用いる無線資源に関する情報として、制御フレームで基地局や近隣の端末1に通知する。また、端末2は、DLビーコンフレームから取得した時刻情報に基づいて、上述した方法に従って、自分がデータフレームの送信に用いる無線資源を決定する。一方、DLビーコンフレームを受信できない端末1は、図10に示した処理手順に従って端末2の制御フレームから時刻情報を取得し、その時刻情報に基づいて自分がデータフレームの送信に用いる無線資源を決定して、図11に示した処理手順を実施して、制御フレーム及びデータフレームを順次送信することができる。
また、基地局は、図12に示した処理手順を実施することによって、配下の各端末(端末1及び端末2)から受信した制御フレームから、各端末がデータフレームの送信に用いる無線資源に関する情報として、端末IDと制御フレームの受信時刻を取得することができる。そして、基地局は、図13に示した処理手順を実施することによって、各端末の制御フレームから取得した端末IDと制御フレームの受信時刻に基づいて、上述した方法に従って、データフレームを受信することができる。
以上説明してきたように、第2の実施例では、無線通信システム内にGPS信号を受信できる端末が1台も存在しなくても、まず、基地局からのDL信号を受信可能な端末が、基地局が送信するDLビーコンフレームを用いて時刻同期を行う。続いて、遠方に位置して基地局からのDL信号を受信できない端末が、DLビーコンフレームを受信し時刻同期した端末が送信する制御フレームを用いて時刻同期を行うようにする。このようにして、非対称通信システムにおいても時刻同期を可能とし、他端末の送信するフレームと衝突を回避し分離可能な無線資源を自律的に選択することが可能である。
上述した第1及び第2の実施例では、データフレームの送信に用いる無線資源は、制御フレームの送信時刻を用いて決定するようになっている。このため、制御フレーム1つに対してデータフレームを1つ送信することを前提とする。
しかしながら、このような通信手順では、制御フレームの送信回数が多くなるという問題がある。また、基地局が制御フレームの受信に失敗した場合、データフレームの送信に使用する無線資源が分からないという欠点が存在する。
そこで、第3の実施例では、データフレームの送信に使用する無線資源の決定に、データフレーム送信要求時刻を使用することで、上記の欠点を解決する方法について提案する。
第3の実施例では、フレーム構成は第1の実施例と同様である。図21には、第3の実施例における制御フレームのDATA部分のフレーム構成例を示している。同図に示すDATA部分は、データフレーム初回送信要求時刻と、データフレーム送信周期と、時刻情報を格納している。
データフレーム初回送信要求時刻は、制御フレームを送信後、最初にデータフレームの送信を要求する時刻である。データフレーム初回送信要求時刻は、NCTS+NDTS個のタイムスロットを1周期とするタイムスロット周期の先頭タイムスロットの時刻を示す。
データフレーム送信周期は、データフレームの送信を要求する周期である。データフレーム送信周期は、NCTS+NDTS個のタイムスロットを1単位として示す。
時刻情報は、端末内の内部時計108が取得した現在時刻である。
続いて、本実施例においてデータフレームの送信に用いる無線資源決定方法について、説明する。
データフレームの送信時刻の決定には、第1の実施例と同様に、図5に示した擬似乱数生成器を用いて決定する。M-Sequence1及びM-Sequence2の各M系列の初期値には、端末IDと当該端末からデータフレーム送信要求時刻をそれぞれ設定する。データフレーム送信要求時刻Ttxは、以下の式(5)を用いて算出される。
但し、上式(5)において、Ttxはデータフレーム送信要求時刻、Tfirstはデータフレーム初回送信要求時刻、Lperiodは1周期の長さ(すなわち、Lperiod=Lts×(NCTS+NDTS))、Ntxperiodはデータフレーム送信周期(単位はタイムスロット周期)、nはデータフレームの送信回数(何回目のデータフレーム送信かを示す)とする。
また、基地局において制御フレームの受信に失敗した場合でもデータフレームの送信に用いる無線資源を算出できるように、制御フレームの送信周期は、以下の式(6)で算出される周期PCtxとする。
但し、上式(6)において、PCtxは制御フレーム送信周期(単位はタイムスロット周期とする)、NDtxは制御フレーム1つに対して連続して送信するデータフレーム数、Ntxperiodはデータフレーム送信周期(単位はタイムスロット周期)とする。
図22には、本実施例に係る無線通信システムにおいて、制御フレーム及びデータフレームを送信する様子を示している。但し、同図中の横軸は時間軸とする。
ここではNDtx=3であり、端末は、制御フレーム1つに対して3つのデータフレームを連続して送信する。
制御フレームのDATA部分には、データフレーム初回要求送信時刻として、制御フレームを送信した次のタイムスロット周期の先頭タイムスロットの時刻、及び、データフレーム送信周期Ntxperiod=3が記載される。したがって、制御フレームの送信周期PCtxは、上式(6)に従って、PCtx=9となる。
本実施例に係る無線通信システムにおいて実施される通信シーケンスについて詳細な説明は省略する。各端末は、GPS信号又は基地局からのDLビーコンフレームを受信して、時刻同期をとって、データフレームの送信に用いる無線資源を決定する。また、GPS信号又は基地局からのDLビーコンフレームを受信できない端末は、図10に示した処理手順に従って近隣の端末の制御フレームから時刻情報を取得することができる。いずれにせよ、端末は、同期を獲得した時刻情報に基づいて、制御フレーム1つに対して複数のデータフレームを連続して送信する。
また、基地局は、配下の各端末から受信した制御フレームから、各端末が複数のデータフレームの送信に用いる無線資源に関する情報として、端末IDと制御フレームの受信時刻とともに、データフレーム初回送信要求時刻及びデータフレーム送信周期の情報を取得して、複数のデータフレームの受信処理を実施することができる。
以上説明してきたように、第3の実施例では、基地局は、端末から送信される制御フレームを一度受信成功して、端末IDとデータフレームの送信時刻及び送信周期を取得した後は、端末から定期的に送信される制御フレームの受信に失敗しても、続けて送信されるデータフレームの送信要求時刻と端末IDが既知である。したがって、基地局は、データフレームの送信に使用される無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出することが可能となり、データフレームを受信及び復調することが可能となる。
上述した第1乃至第3の実施例では、送信フレームが他端末の送信フレームと衝突回避又は分離可能となる無線資源を選択する方法として、無線通信システム内で時刻同期を行い、時刻情報と端末IDから擬似乱数を用いて決定する方法について説明してきた。
これに対し、第4の実施例では、制御フレームによって(データフレームの送信に)使用する予定の無線資源を共有することで、時刻同期をしなくても、送信フレームが他端末の送信フレームと衝突回避又は分離可能となる無線資源を選択する方法について提案する。
図23には、本実施例において端末として動作する通信装置100の構成例を示している。通信装置100は、例えば無線センサネットワークにおいて、センサ端末として動作することが想定される。図示の通信装置100は、無線通信部101と、フレーム生成部102と、無線制御部103と、無線資源決定部104と、フレーム検出部105と、フレーム復調部106と、センサ110と、記憶部111を備えている。
無線通信部101は、無線制御部103からの制御により、フレーム生成部102で生成されたフレームを無線信号に変換して、送信する。また、無線通信部101は、無線制御部103からの制御により、電波を受信して無線信号へと変換し、フレーム検出部105へ渡す。
フレーム生成部102は、無線資源決定部104が決定した符号を用いて、制御フレーム及びデータフレームを生成する。フレーム生成部102は、使用する予定の無線資源を示す情報を格納した制御フレームを生成する。また、通信装置100が無線センサネットワークにおいてセンサ端末として動作する場合には、フレーム生成部102は、後述するセンサ110が取得するセンサ端末外部又は内部の情報(センサデータ)を含むデータフレームを生成する。
無線制御部103は、無線資源決定部104から得られる送信時刻及び送信周波数で制御フレーム及びデータフレームを送信するように、無線通信部101を制御する。また、無線制御部103は、近隣に位置する端末の制御フレームを受信する必要がある場合には、記憶部111から得られる制御フレームの送信周波数で受信処理するように、無線通信部101を制御する。
無線資源決定部104は、制御フレーム及びデータフレームを送信する時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を決定する。また、無線資源決定部104は、制御フレームとデータフレームで、異なる方法により時刻、周波数、及び符号を決定する。
フレーム検出部105は、無線通信部101による受信信号から制御フレームを含むフレームを検出する。具体的には、フレーム検出部105は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、記憶部111から取得したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成して、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合にフレームを検出したと判定する。フレーム検出部105は、制御フレームの検出に成功した場合には、検出した時刻をフレーム復調部106へ渡す。
フレーム復調部106は、フレーム検出部105で検出した時刻に基づいて、記憶部111から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、フレーム復調部106は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。また、フレーム復調部106は、制御フレームの復調に成功した場合には、制御フレームに含まれる無線資源情報を記憶部111に記憶する。
センサ110は、センサ端末としての通信装置100が、データフレームで通知する、センサ端末外部又は内部の情報を取得するセンサ素子からなる。センサ110は、例えば温度センサや加速度センサなどを含む。
記憶部111は、制御フレームの検出並びに復調に必要な無線資源情報を保持する。また、記憶部111は、データフレームの送信に使用可能な無線資源(時刻、周波数、及び符号)の情報と、制御フレームから取得した近隣端末が使用する無線資源情報とを併せて、無線資源が使用予定か否かを示すデータベースを保持している。
図24には、本実施例に係る端末100の記憶部111が保持する、SYNC符号及びスクランブル符号の生成に使用する初期値の組み合わせデータベースの構成例を示している。
SYNC符号及びスクランブル符号は、第1の実施例と同様に、図6及び図7に示した擬似乱数生成器を使用してそれぞれ生成する。基地局における処理量を鑑みて、これらの擬似乱数生成器に入力する初期値の組み合わせは無線通信システム内で共通とし、すべての端末及び基地局が図24に示すデータベースを保持している。
本実施例に係る無線通信システム内で使用する符号を表す際には、図24に示すデータベースの番号を使用するものとする。
図25には、本実施例に係る端末100の記憶部111が保持する、無線資源使用予定データベースの構成例を示している。同図において、横軸は時刻軸、縦軸は周波数軸、そして奥行き方向に符号軸が設定されている。無線資源使用予定データベースは、データフレームの送信に使用可能な無線資源(時刻、周波数、及び符号)の一覧である。図示の無線資源使用予定データベースは、タイムスロット、チャネル、及び符号化方式の組み合わせで、無線資源が使用する予定であるか否かを保持している表で構成される。図示の例では、近隣端末が使用する予定無線資源に対し「1」を、使用する予定がない無線資源に対し「0」の値を保持している。
時刻軸に関しては、無線通信システム内で時刻同期していないため、第1の実施例のようにタイムスロットによる管理はできない。したがって、ある一定間隔(例えば、1ミリ秒)で区切り、送信開始時刻に対し無線資源を使用すると判定する。
周波数軸に関しては、データフレーム送信に使用可能な周波数チャネル番号で管理する。
符号軸に関しては、先述した符号生成の初期値の組み合わせデータベース(図24を参照のこと)の番号で管理する。
第4の実施例では、フレーム構成は第1の実施例と同様である。図26には、第4の実施例における制御フレームのDATA部分のフレーム構成例を示している。同図に示すDATA部分は、Time、Length、Freq、Codeの各フィールドを有している。
Timeフィールドには、データフレームの送信開始時刻が格納される。このフィールドには、データフレームの送信開始時刻を表す情報として、この制御フレームを送信する時刻からの経過時間が記載される。
Lengthフィールドには、データフレームの時間長を表す情報が格納される。
Freqフィールドには、データフレームの送信周波数が格納される。このフィールドには、データフレームの送信周波数を表す情報として、送信に使用する周波数チャネル番号が記載される。
Codeフィールドには、データフレームの送信に用いる符号が格納される。このフィールドには、データフレームの送信に用いる符号を表す情報として、符号生成の初期値組み合わせデータベース(図24を参照のこと)の番号が記載される。
図27には、本実施例において基地局として動作する通信装置200の構成例を示している。通信装置200は、例えば無線センサネットワークにおいて、各センサ端末からセンサデータを含むデータフレームを受信動作することが想定される。図示の通信装置200は、無線通信部201と、無線制御部202と、無線資源算出部203と、制御フレーム検出部204と、制御フレーム復調部205と、記憶部208と、データフレーム検出部209と、データフレーム復調部210とを備えている。
無線通信部201は、無線信号の受信を行う。無線通信部201は、無線制御部202からの制御により、電波を受信して無線信号へと変換する。そして、無線制御部202からの指示が制御フレーム受信の場合には、受信信号を制御フレーム検出部204へ渡し、無線制御部202からの指示がデータフレーム受信の場合には、受信信号をデータフレーム検出部209に渡す。なお、無線通信部201は、無線信号の送信も行うようにしてもよいが、この点の詳細については説明を省略する。
無線制御部202は、記憶部208が保持している無線資源使用予定データベース(図25を参照のこと)を参照して、データフレームが送信される時刻及び周波数でデータフレームを受信するように、無線通信部201を制御する。制御フレームは任意の時刻及び周波数で送信されるため、常時、制御フレームの送信に使用され得るすべての周波数に対して受信処理を実施するように、無線制御部202は無線通信部201を制御する。
記憶部208は、制御フレームの検出並びに復調に必要な無線資源情報を保持する。また、端末として動作する通信装置100の記憶部111(図23を参照のこと)と同様に、記憶部208は、データフレームの送信に使用可能な無線資源(時刻、周波数、及び符号)の情報と、制御フレームから取得した近隣端末が使用する無線資源情報とを併せて、無線資源が使用予定か否かを示すデータベース(図25を参照のこと)を保持している。
無線資源算出部203は、制御フレーム及び事前に端末IDが登録された端末のデータフレームが送信される時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を算出する。無線資源算出部203は、制御フレームとデータフレームで、異なる方法により時刻、周波数、及び符号を算出する(前述)。
制御フレーム検出部204は、無線通信部201による受信信号から制御フレームを検出する。具体的には、制御フレーム検出部204は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部203が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合に制御フレームを検出したと判定する。制御フレーム検出部204は、制御フレームの検出に成功した場合には、検出した時刻を制御フレーム復調部205へ渡す。
制御フレーム復調部205は、受信信号から制御フレームを復調する。具体的には、制御フレーム復調部205は、制御フレーム検出部204で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部203から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、制御フレーム復調部205は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。そして、制御フレーム復調部205は、制御フレームの復調に成功した場合には、使用予定の無線資源情報(時刻、周波数、及び符号)を制御フレームから取り出して、記憶部208に記憶する。
データフレーム検出部209は、無線通信部201による受信信号からデータフレームを検出する。具体的には、データフレーム検出部209は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部203が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合にデータフレームを検出したと判定する。データフレーム検出部209は、データフレームの検出に成功した場合には、検出した時刻をデータフレーム復調部210へ渡す。
データフレーム復調部210は、受信信号から制御フレームを復調する。具体的には、データフレーム復調部210は、データフレーム検出部209で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部203から取得したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、データフレーム復調部210は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。そして、データフレーム復調部210は、データフレームの復調に成功した場合には、データフレームに含まれるセンサデータなどの受信データを上位層アプリケーションなどに通知する。
続いて、本実施例において制御フレーム及びデータフレームの送信に用いる無線資源決定方法について、説明する。
まず、制御フレームの送信に用いる無線資源決定方法について説明する。
制御フレームの送信時刻として、任意の時刻を選択する。
また、制御フレームの送信周波数として、制御フレームの送信に使用可能な周波数のうち、任意の周波数を選択する。例えば、ランダムに選択してもよい。
また、制御フレームのSYNC符号及びスクランブル符号は、無線通信システム内で共通とする。上述した第1の実施例と同様に、SYNC符号及びスクランブル符号の生成には、擬似乱数生成器を使用する。図6及び図7に示した擬似乱数生成器は、2つのM系列を用いたゴールド符号生成器であり、初期値1~4には、端末内の記憶部111で保持している事前に決められた無線通信システム内で共通の値を設定する。
続いて、データフレームの送信に用いる無線資源決定方法について説明する。
データフレームの送信に使用する時刻、周波数、及び符号は、無線資源使用予定データベース(図25を参照のこと)より、他端末が使用予定の無線資源と重複しないように決定する。
図28A及び図28Bには、端末として動作する通信装置100が、データフレームの送信に使用する無線資源を決定するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、符号番号のインデックスIdx_codeを1に設定し(ステップS2801)、チャネル番号のインデックスIdx_freqに0以上NDfreq未満のランダム値を設定し(ステップS2802)、Lcheckにデータフレームの送信に要する時間を設定する(ステップS2803)。NDfreqはデータフレームで使用可能なチャネル数である(前述)。また、Lcheckは無線資源が空いていると判定する長さ(時間)である。
次いで、無線資源使用予定データベースを参照して、符号番号がIdx_code、チャネル番号がIdx_freq+FDoffsetである符号及び周波数に対して、制御フレーム送信予定時刻からLth1以上Lth2以内にLcheck以上未使用な状態にあるか否かを判定する(ステップS2804)。FDoffsetはデータフレームの送信周波数のチャネルオフセット、Lth1及びLth2はそれぞれデータフレームの送信を希望する送信時刻の範囲を示す閾値である。Lth1及びLth2は、無線通信システム内で共通でも、端末毎に異なっていてもよい。
該当する符号及び周波数が制御フレーム送信予定時刻からLth1以上Lth2以内にLcheck以上未使用な状態にある場合には(ステップS2804のYes)、データフレームの送信に使用する無線資源のうち符号番号をIdx_codeに、周波数のチャネル番号をIdx_freq+FDoffsetに、送信開始時刻を現在時刻からLth1以上Lth2以内でLcheck以上未使用となる最も早い時刻に決定して(ステップS2815)、本処理を終了する。
一方、該当する符号及び周波数が制御フレーム送信予定時刻からLth1以上Lth2以内にLcheck以上未使用な状態にない場合には(ステップS2804のNo)、まだすべての周波数チャネルに対して無線資源の空き状況のチェックを終了していなければ(ステップS2805のNo)、チャネル番号を1つ大きい番号に変更して(ステップS2806)、ステップS2804に戻り、同様の無線資源の空き状況のチェックを実施する。
すべての周波数チャネルに対して無線資源の空き状況のチェックを行ったが空いている無線資源を見つけられなかった場合には(ステップS2805のYes)、まだすべての符号番号に対して無線資源の空き状況のチェックを終了していなければ(ステップS2807のNo)、符号番号を1つ大きい番号に変更し(ステップS2808)、チャネル番号を1つ大きい番号に変更して(ステップS2809)、ステップS2804に戻り、同様の無線資源の空き状況のチェックを実施する。
さらにすべての符号番号に対して無線資源の空き状況のチェックを行ったが空いている無線資源を見つけられなかった場合には(ステップS2807のYes)、無線資源が空いていると判定する長さLcheckを2分の1に設定する(ステップS2810)。
ここで、新たに設定したLcheckがLth3以上であるか否かを判定する(ステップS2811)。LcheckがLth3以上であれば(ステップS2811のYes)、符号番号を1つ大きい番号に変更し(ステップS2812)、チャネル番号を1つ大きい番号に変更して(ステップS2813)、ステップS2804に戻って、新たに設定したLcheckを用いてすべての周波数チャネル及び符号に対して、同様の無線資源の空き状況のチェックを実施する。
ここで、Lth3は、データフレームを送信するにあたり、最低でも衝突を回避したい時間の長さである。例えば、データフレームのうち4分の1以上衝突していなければよい場合には、Lth3にデータフレームの送信に要する時間の4分の1の値を設定しておく。
一方、LcheckがLth3以下の場合には(ステップS2811のNo)、無線資源の空き状況のチェックは終了とし、データフレームの送信に使用できる無線資源は存在しないと判定して(ステップS2814)、本処理を終了する。
本実施例に係る無線通信システムでは、各端末はセンサデータを含むデータフレームを送信し、基地局は各端末からセンサデータを収集する。端末は、事前に制御フレーム(図26を参照のこと)を送信して、データフレームの送信開始時刻、データフレームの時間長、データフレームの送信周波数、データフレームの送信に用いる符号を含む、データフレームの送信に用いる無線資源に関する情報を通知するようになっている。したがって、基地局は、端末から受信した制御フレームに記載されている無線資源に基づいて、データフレームの受信処理を実施することができる。また、端末は、他の端末から受信した制御フレームに記載されている無線資源と重複しないように、自分がデータフレームの送信に用いる無線資源を決定するようにする。
図29には、本実施例に係る無線通信システムにおける通信シーケンス例を示している。但し、端末1及び端末2はそれぞれ図23に示した装置構成を備え、基地局は図27に示した装置構成を備えているものとする。
端末2は、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ2921)、無線資源使用予定データベース(図25を参照のこと)を参照して、図28A及び図28Bに示した処理手順に従って、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(SEQ2922)。
次いで、端末2は、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(SEQ2923)。上述したように、端末2は、任意の送信時刻、及び、制御フレームの送信に使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択するとともに、擬似乱数生成器を使用して符号を決定する。そして、端末2は、決定した無線資源を使用して、制御フレームを送信する(SEQ2924)。
端末2は制御フレームをブロードキャストで送信する。したがって、端末2が送信した制御フレームは、基地局と端末1の両方で受信される。
端末2の制御フレームを受信した基地局は、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている端末2が使用するデータフレームの送信開始時刻、時間長、周波数、及び符号の情報を取得し(SEQ2931)、自局の記憶部208で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ2932)。
また、端末2の制御フレームを受信した端末1も、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている端末が使用するデータフレームの送信開始時刻、時間長、周波数、及び符号の情報を取得し(SEQ2911)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ2912)。
その後、端末2は、決定したデータフレーム送信開始時刻が到来すると、上記で決定した周波数及び符号を用いて、データフレームを送信する(SEQ2925)。
基地局は、端末2からの制御フレームから取得したデータフレームの送信開始時刻、時間長、周波数、及び符号を使用して、端末2からのデータフレームの受信処理を実施する(SEQ2933)。
また、端末1は、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ2913)、無線資源使用予定データベースを参照して、図28A及び図28Bに示した処理手順に従って、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(SEQ2914)。
次いで、端末1は、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(SEQ2915)。上述したように、端末1は、任意の送信時刻、及び、制御フレームの送信に使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択するとともに、擬似乱数生成器を使用して符号を決定する。そして、端末1は、決定した無線資源を使用して、制御フレームを送信する(SEQ2916)。
端末1は制御フレームをブロードキャストで送信する。したがって、端末1の制御フレームは、基地局と端末2の両方で受信される。
端末1の制御フレームを受信した基地局は、制御フレームを受信及び復調し、制御フレームに格納されている端末が使用するデータフレームの送信開始時刻、時間長、周波数、及び符号の情報を取得し(SEQ2934)、自局の記憶部208で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ2935)。
また、端末1の制御フレームを受信した端末2も、制御フレームを受信及び復調し、制御フレームに格納されている端末が使用するデータフレームの送信開始時刻、時間長、周波数、及び符号の情報を取得し(SEQ2926)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ2927)。
その後、端末1は、決定したデータフレーム送信開始時刻が到来すると、上記で決定した周波数及び符号を用いて、データフレームを送信する(SEQ2917)。
基地局は、端末2からの制御フレームから取得したデータフレームの送信開始時刻、時間長、周波数、及び符号を使用して、端末2からのデータフレームの受信処理を実施する(SEQ2936)。
図30には、端末において、他端末における使用予定の無線資源情報を取得するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、端末は、他端末からの制御フレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(ステップS3001)。他端末が制御フレームを送信する時刻及び周波数をあらかじめ知るのは困難である。このため、基本的には、制御フレームを送信可能な全時刻(全タイムスロット)及び周波数に対して受信処理を実施する。
次いで、端末は、ステップS3001で算出した制御フレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS3002)。
そして、制御フレームの受信時刻が到来すると(ステップS3002のYes)、端末は、ステップS3001で算出した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS3003)。
次いで、端末は、ステップS3001で算出した符号を用いて、制御フレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS3004)。そして、端末は、制御フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS3005)。
制御フレームの復調に成功した場合には(ステップS3005のYes)、端末は、制御フレームから取得した使用予定の無線資源情報を用いて、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新して(ステップS3006)、本処理を終了する。
また、端末は、制御フレームの復調に失敗した場合には(ステップS3005のNo)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新することなく、本処理を終了する。
例えば、図29に示した通信シーケンスにおいて、端末1及び端末2は、図30に示した処理手順に従って、他の端末からの制御フレームを受信処理して、無線資源使用予定データベースを更新するものとする。
図31には、端末において制御フレーム及びデータフレームを送信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。ここでは、端末は、制御フレーム1つに対してデータフレーム1つを送信することを前提とする。また、図23に示した装置構成を備えているものとする。
まず、端末は、上位層から制御フレームの送信要求を受けたか否かを判定する(ステップS3101)。
制御フレームの送信要求を受けた場合には(ステップS3101のYes)、端末は、図28A及び図28Bに示した処理手順に従って、データフレームの送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(ステップS3102)。
次いで、端末は、制御フレームの送信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(ステップS3103)。上述したように、端末は、任意の送信時刻、及び、制御フレームの送信に使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択するとともに、擬似乱数生成器を使用して符号を決定する。
次いで、端末は、ステップS3103で決定した符号を用いて、制御フレームを生成する(ステップS3104)。そして、端末は、ステップS3102で決定した制御フレームの送信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS3105)。
制御フレームの送信時刻が到来すると(ステップS3105のYes)、端末は、ステップS3103で算出した周波数を用いて、制御フレームを送信する(ステップS3106)。
次いで、端末は、ステップS3102で決定した符号を用いて、データフレームを生成する(ステップS3107)。そして、端末は、ステップS3102で決定したデータフレームの送信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS3108)。
データフレームの送信時刻が到来すると(ステップS3108のYes)、端末は、ステップS3102で決定した周波数を用いて、データフレームを送信して(ステップS3109)、本処理を終了する。
例えば、図29に示した通信シーケンスにおいて、端末1及び端末2は、図31に示した処理手順に従って、制御フレーム及びデータフレームの送信処理を実施するものとする。
図32には、基地局において端末からの制御フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、基地局は、図27に示した装置構成を備えているものとする。
まず、基地局は、制御フレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(ステップS3201)。当該基地局の受信範囲内に位置する端末が制御フレームを送信する時刻及び周波数をあらかじめ知るのは困難である。このため、基地局は、基本的には常時、制御フレームを送信可能な全時刻(全タイムスロット)及び周波数に対して受信処理を実施する。
次いで、基地局は、ステップS3201で算出した制御フレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS3202)。
そして、制御フレームの受信時刻が到来すると(ステップS3202のYes)、基地局は、ステップS3201で算出した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS3203)。
次いで、基地局は、ステップS3201で算出した符号を用いて、制御フレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS3204)。そして、基地局は、制御フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS3205)。
制御フレームの復調に成功した場合には(ステップS3205のYes)、基地局は、制御フレームから取得した使用予定の無線資源情報を用いて、自局の記憶部208で管理する無線資源使用予定データベースを更新して(ステップS3206)、本処理を終了する。
また、基地局は、制御フレームの復調に失敗した場合には(ステップS3205のNo)、自局の記憶部208で管理する無線資源使用予定データベースを更新することなく、本処理を終了する。
例えば、図29に示した通信シーケンスにおいて、基地局は、図32に示した処理手順に従って、端末からの制御フレームを受信処理して、無線資源使用予定データベースを更新するものとする。
図33には、基地局において端末からのデータフレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、基地局は、図27に示した装置構成を備えているものとする。
まず、基地局は、自局内の記憶部208で管理している無線資源使用予定データベースより、受信処理が必要な無線資源(時刻、周波数、及び符号)を取得する(ステップS3301)。
次いで、基地局は、ステップS3301で取得したデータフレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS3302)。
そして、データフレームの受信時刻が到来すると(ステップS3302のYes)、基地局は、ステップS3301で取得した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS3303)。
次いで、基地局は、ステップS3301で取得した符号を用いて、データフレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS3304)。そして、基地局は、データフレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS3305)。
データフレームの復調に成功した場合には(ステップS3305のYes)、基地局は、データフレームから取得したセンサデータを上位層のアプリケーションに通知して(ステップS3306)、本処理を終了する。
また、データフレームの復調に失敗した場合には(ステップS3305のNo)、基地局は、データフレームからセンサデータを取得することなく、本処理を終了する。
例えば、図29に示した通信シーケンスにおいて、基地局は、図33に示した処理手順に従って、端末1及び端末2からのデータフレームをそれぞれ受信処理するものとする。
以上説明してきたように、本実施例によれば、無線通信システム内の各端末は、各々が使用する予定の無線資源に関する情報を共有することで、時刻同期をしなくても、送信フレームが他端末の送信フレームと衝突回避又は分離可能となる無線資源を選択可能となる。また、基地局においても、データフレームの受信処理を実施すべき無線資源をあらかじめ把握することができるので、計算資源を効率的に利用することが可能となる。
基地局及び端末は、自身の受信可能範囲外に位置する端末が使用する無線資源を把握することができない。このため、上述した第4の実施例では、各端末が送信するフレームの衝突が発生し又は分離不可能となる可能性がある。
そこで、第5の実施例では、制御フレームを用いて無線資源使用予定データベースを共有することで、基地局及び端末は、自身の受信可能範囲外に位置する端末が使用する無線資源を把握可能とする方法について提案する。
第5の実施例では、フレーム構成は第4の実施例と同様である。図34には、第5の実施例における制御フレームのDATA部分のフレーム構成例を示している。同図に示すDATA部分は、Code、Time、Length、Databaseの各フィールドを有している。
Codeフィールドには、この制御フレームで送信する無線資源使用予定データベースの符号を一意に表す符号番号が記載される。
Timeフィールドには、この制御フレームで送信する無線資源使用予定データベースの先頭時刻が格納される。このフィールドには、この制御フレームを送信する時刻からの経過時間が記載される。
Lengthフィールドには、この制御フレームで送信する無線資源使用予定データベースの時間長を表す情報が格納される。
Databaseフィールドには、無線資源使用予定データベースが格納される。無線資源使用予定データベースが大きく、1つの制御フレームで送信できない場合には、複数の制御フレームに分けて送信するようにしてもよい。
図35には、第5の実施例で想定している無線通信システムの一例を示している。図示の無線通信システムは、1台の基地局と、その基地局からの信号の受信可能範囲に存在する端末1、端末2及び端末3からなる。同図中、基地局と端末1、端末2及び端末3からの信号の受信可能範囲をそれぞれ点線で囲って示している。
図35に示す無線通信システムの構成例では、端末3は端末1の受信可能範囲外に位置するが、端末2は端末1の受信可能範囲内に位置する。また、端末3は端末2の受信可能範囲内に位置する。したがって、端末2は、端末3から受信した制御フレームから、端末3が使用を予定する無線資源情報を取得することができる。さらに、端末1は、端末2から受信した制御フレームから、端末3が使用を予定する無線資源情報を取得することができる。また、端末3も、同様に、端末2から受信した制御フレームから、端末1が使用を予定する無線資源情報を取得することができる。
図36及び図37には、図35に示した無線通信システムにおける通信シーケンス例を示している。但し、端末1、端末2及び端末3はそれぞれ図23に示した装置構成を備え、基地局は図27に示した装置構成を備えているものとする。
端末3は、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ3631)、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定するとともに(SEQ3632)、無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ3633)。
次いで、端末3は、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(SEQ3634)。端末3は、任意の送信時刻、及び、制御フレームの送信に使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択するとともに、擬似乱数生成器を使用して符号を決定する。そして、端末3は、決定した無線資源を使用して、更新した後の無線資源使用予定データベースを含んだ制御フレームを送信する(SEQ3635)。
端末3は制御フレームをブロードキャストで送信する。したがって、端末3が送信した制御フレームは、受信可能範囲内に位置する基地局と端末2で受信されるが、受信可能範囲外となる遠方に位置する端末1には届かない。
端末3の制御フレームを受信した基地局は、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている無線資源情報を取得し(SEQ3641)、自局の記憶部208で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ3642)。
また、端末3の制御フレームを受信した端末2も、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている無線資源情報を取得し(SEQ3621)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ3622)。
その後、端末3は、決定したデータフレーム送信開始時刻が到来すると、上記で決定した周波数及び符号を用いて、データフレームを送信する。また、基地局は、無線資源使用予定データベースに基づいて、端末3からのデータフレームの受信処理を実施する(図36では図示を省略)。
また、端末2は、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ3623)、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定するとともに(SEQ3624)、無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ3625)。
次いで、端末2は、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(SEQ3626)。端末2は、任意の送信時刻、及び、制御フレームの送信に使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択するとともに、擬似乱数生成器を使用して符号を決定する。そして、端末2は、決定した無線資源を使用して、更新した後の無線資源使用予定データベースを含んだ制御フレームを送信する(SEQ3627)。
端末2は制御フレームをブロードキャストで送信する。したがって、端末2が送信した制御フレームは、受信可能範囲内に位置する基地局、端末1及び端末3で受信される。
端末2の制御フレームを受信した基地局は、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている無線資源情報を取得し(SEQ3643)、自局の記憶部208で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ3644)。
また、端末2の制御フレームを受信した端末1は、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている無線資源情報を取得し(SEQ3611)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ3612)。
また、端末2の制御フレームを受信した端末3も、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている無線資源情報を取得し(SEQ3636)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ3637)。
その後、端末2は、決定したデータフレーム送信開始時刻が到来すると、上記で決定した周波数及び符号を用いて、データフレームを送信する。また、基地局は、無線資源使用予定データベースに基づいて、端末3からのデータフレームの受信処理を実施する(図36では図示を省略)。
以上説明してきたように、本実施例によれば、無線通信システム内の基地局及び各端末は、無線資源使用予定データベースを共有することで、各々の受信可能範囲外に位置する端末が使用する無線資源も把握することが可能となる。
上述した第5の実施例では、無線通信システム内で無線資源使用予定データベースを順次共有していく過程で、更新タイミングによっては端末間で不整合が発生する場合が考えられる。
そこで、第6の実施例では、基地局が送信するDLビーコンフレームを用いて、無線資源使用予定データベースを共有することで、端末間で不整合が発生した場合でも短い時間で修復可能にする方法について提案する。
第6の実施例に係る無線通信システムで動作する端末は、第4の実施例と同様、すなわち図23に示した装置構成でよい。但し、フレーム検出部105及びフレーム復調部106は、他端末が送信する制御フレームに加えて、基地局が送信するDLビーコンフレームの検出並びに復調処理も行うものとする。
図38には、第6の実施例に係る無線通信システムにおいて基地局として動作する通信装置200の構成例を示している。通信装置200は、例えば無線センサネットワークにおいて、各センサ端末からセンサデータを含むデータフレームを受信動作することが想定される。図示の通信装置200は、無線通信部201と、無線制御部202と、無線資源算出部203と、制御フレーム検出部204と、制御フレーム復調部205と、記憶部208と、データフレーム検出部209と、データフレーム復調部210と、無線資源決定部211と、フレーム生成部212を備えている。
無線通信部201は、無線信号の送受信を行う。送信時には、無線通信部201は、無線制御部202からの制御により、フレーム生成部212で生成されたフレームを無線信号に変換して、送信する。また、無線通信部201は、無線制御部202からの制御により、電波を受信して無線信号へと変換し、無線制御部202からの指示が制御フレーム受信の場合には受信信号を制御フレーム検出部204へ渡し、無線制御部202からの指示がデータフレーム受信の場合には、受信信号をデータフレーム検出部209に渡す。
フレーム生成部212は、無線資源決定部211が決定した符号を用いて、DLビーコンフレームを生成する。無線資源決定部211は、記憶部208に記憶されている情報に基づいて、DLビーコンフレームを送信する時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を決定する。
無線制御部202は、無線資源決定部211から得られる受信時刻及び受信周波数で、制御フレーム及びデータフレームを受信するように、無線通信部201を制御する。
また、無線制御部202は、無線資源決定部211から得られる送信時刻及び送信周波数でDLビーコンフレームを送信するように、無線通信部201を制御する。
無線資源決定部211は、記憶部208に記憶されている無線資源使用予定データベースに基づいて、DLビーコンフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定するとともに、無線通信システム内の各端末から制御フレームやデータフレームが送信される時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を算出する。
無線資源算出部203は、制御フレーム及び事前に端末IDが登録された端末のデータフレームが送信される時刻、周波数、及び符号(SYNC符号、スクランブル符号)を算出する。無線資源算出部203は、制御フレームとデータフレームで、異なる方法により時刻、周波数、及び符号を算出する(前述)。
制御フレーム検出部204は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部203が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合に制御フレームを検出したと判定する。制御フレーム検出部204は、制御フレームの検出に成功した場合には、検出した時刻を制御フレーム復調部205へ渡す。
制御フレーム復調部205は、制御フレーム検出部204で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部203が算出したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、制御フレーム復調部205は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。
データフレーム検出部209は、広帯域信号から対象となる周波数の信号を取り出し、無線資源算出部203が算出したSYNC符号とスクランブル符号から既知系列を生成し、その既知系列と受信信号の相関値を計算し、相関値が一定以上の値となる場合にデータフレームを検出したと判定する。データフレーム検出部209は、データフレームの検出に成功した場合には、検出した時刻をデータフレーム復調部210へ渡す。
データフレーム復調部210は、データフレーム検出部209で検出した時刻に基づいて、無線資源算出部203が算出したスクランブル符号でスクランブルを解除する。その後、データフレーム復調部210は、受信フレームのペイロード部を取り出して、誤り訂正符号の復号化処理、並びにCRCを用いた誤り検出処理を行う。そして、データフレーム復調部210は、データフレームの復調に成功した場合には、データフレームに含まれるセンサデータなどの受信データを上位層アプリケーションなどに通知する。
続いて、本実施例においてDLビーコンフレームの送信に用いる無線資源決定方法について、説明する。
時刻に関しては、基地局は、定期的に任意の時刻にDLビーコンフレームを送信する。
また、周波数として、基地局は、DLビーコンフレームを送信可能なすべての周波数で送信する。
また、DLビーコンフレームの送信に用いるSYNC符号及びスクランブル符号は、無線通信システム内で共通とする。SYNC符号及びスクランブル符号の生成には、制御フレーム及びデータフレームと同じく、2つのM系列を用いたゴールド符号生成器からなる擬似乱数生成器(図6及び図7を参照のこと)を使用する。DLビーコンフレームでは、初期値1~4には、記憶部208で保持している事前に決められた無線通信システム内での値を設定する。
第6の実施例では、フレーム構成は第5の実施例と同様である。また、DLビーコンフレームのDATA部分の構成は、第5の実施例における制御フレームと同様である。また、DLビーコンフレームのIDフィールドには、送信元となる基地局の識別子が格納される。
図39には、第6の実施例におけるDLビーコンフレームのDATA部分のフレーム構成例を示している。同図に示すDATA部分は、SYNC Time、Code、Time、Length、Databaseの各フィールドを有している。
SYNC Timeフィールドには、このDLビーコンフレームに格納された無線資源使用予定データベースと同期した時刻の情報が記載される。
Codeフィールドには、この制御フレームで送信する無線資源使用予定データベースの符号を一意に表す符号番号が記載される。
Timeフィールドには、この制御フレームで送信する無線資源使用予定データベースの先頭時刻が格納される。このフィールドには、この制御フレームを送信する時刻からの経過時間が記載される。
Lengthフィールドには、この制御フレームで送信する無線資源使用予定データベースの時間長を表す情報が格納される。
Databaseフィールドには、無線資源使用予定データベースが格納される。無線資源使用予定データベースが大きく、1つのDLビーコンフレームで送信できない場合には、複数のDLビーコンフレームに分けて送信するようにしてもよい。
図40には、本実施例に係る無線通信システムにおける通信シーケンス例を示している。ここでは、図14に示したような無線通信システムの構成を想定している。但し、端末1及び端末2はそれぞれ図23に示した装置構成を備え、基地局は図38に示した装置構成を備えているものとする。
基地局は、定期的に任意の時刻に、送信可能なすべての周波数で、無線資源使用予定データベースを格納したDLビーコンフレーム(図39を参照のこと)を送信する(SEQ4031)。基地局が送信したDLビーコンフレームは、受信可能範囲内に位置する基地局と端末2で受信されるが、受信可能範囲外となる遠方に位置する端末1には届かない。
端末2は、基地局から受信したDLビーコンフレームより、無線資源情報を取得すると(SEQ4021)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを上書きするとともに(SEQ4022)、DLビーコンフレームに格納されている時刻情報に基づいて、同期時刻を更新する(SEQ4023)。
その後、端末2は、上位層から制御フレームの送信要求を受けると(SEQ4024)、無線資源使用予定データベースを参照して、例えば図28A及び図28Bに示した処理手順に従って、データフレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定して(SEQ4025)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ4026)。
次いで、端末2は、制御フレームの送信に使用する無線資源(時刻、周波数、及び符号)を決定する(SEQ4027)。上述したように、端末2は、任意の送信時刻、及び、制御フレームの送信に使用可能な周波数の中から任意の周波数を選択するとともに、擬似乱数生成器を使用して符号を決定する。そして、端末2は、決定した無線資源を使用して、無線資源使用予定データベースを格納した制御フレームを送信する(SEQ4028)。
端末2は制御フレームをブロードキャストで送信する。したがって、端末2が送信した制御フレームは、基地局と端末1の両方で受信される。
端末2の制御フレームを受信した基地局は、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている端末2が使用するデータフレームの送信開始時刻、周波数、及び符号の情報を取得し(SEQ4031)、自局の記憶部208で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ4032)。
また、端末2の制御フレームを受信した端末1も、制御フレームを受信及び復調し、その制御フレームに格納されている端末が使用するデータフレームの送信開始時刻、周波数、及び符号の情報を取得し(SEQ4011)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを更新する(SEQ4012)。
その後、端末2は、決定したデータフレーム送信開始時刻が到来すると、上記で決定した周波数及び符号を用いて、データフレームを送信する。また、基地局は、無線資源使用予定データベースに基づいて、端末3からのデータフレームの受信処理を実施する(図40では図示を省略)。
また、図40では図示を省略したが、端末1も、上位層からの制御フレームの送信要求に応じて、データフレームの送信に使用する無線資源の決定、無線資源使用予定データベースの更新、及び制御フレームの送信資源に使用する無線資源の決定と制御フレームの送信を行なった後に、決定した無線資源を用いてデータフレームを送信するものとする。
図41には、端末において基地局から受信したDLビーコンフレームを用いて無線資源使用予定データベースの同期をとるための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、端末は図23に示した装置構成を備えているものとする。
まず、端末は、DLビーコンフレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(ステップS4101)。基地局は、DLビーコンフレームを、定期的に、使用可能なすべての周波数で送信する(前述)。したがって、端末は、ある一定期間、任意の1つの周波数を選択して受信処理を実施してもよいし、すべての周波数に対して受信処理を実施してもよい。
次いで、端末は、ステップS4101で算出したDLビーコンフレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS4102)。
そして、DLビーコンフレームの受信時刻が到来すると(ステップS4102のYes)、端末は、ステップS4101で算出した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS4103)。
次いで、端末は、ステップS4101で算出した符号を用いて、DLビーコンフレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS4104)。そして、端末は、DLビーコンフレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS4105)。
DLビーコンフレームの復調に成功した場合には(ステップS3205のYes)、端末は、DLビーコンフレームから取得した使用予定の無線資源情報を用いて、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを上書きし(ステップS4106)、さらに同期時刻を更新して(ステップS4107)、本処理を終了する。
また、端末は、DLビーコンフレームの復調に失敗した場合には(ステップS4105のNo)、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースの上書き及び時刻同期の更新を行うことなく、本処理を終了する。
例えば、図40に示した通信シーケンスにおいて、端末2は、図41に示した処理手順に従って、基地局から受信したDLビーコンフレームを用いて無線資源使用予定データベースの同期処理を実施するものとする。
図42には、端末において他端末からの制御フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。
まず、制御フレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(ステップS4201)。当該端末の受信範囲内に位置する他端末が制御フレームを送信する時刻及び周波数をあらかじめ知るのは困難である。このため、基本的には、端末は常時、制御フレームを送信可能な全時刻(全タイムスロット)及び周波数に対して受信処理を実施する。
次いで、ステップS4201で算出した制御フレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS4202)。そして、制御フレームの受信時刻が到来すると(ステップS4202のYes)、端末は、ステップS4201で算出した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS4203)。
次いで、端末は、ステップS4201で算出した符号を用いて、制御フレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS4204)。そして、端末は、制御フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS4205)。
端末は、制御フレームの復調に成功した場合には(ステップS4205のYes)、続いて、制御フレームから取得した同期時刻が、自身の無線資源使用予定データベースの同期時刻より新しいか否かを判定する(ステップS4206)。
そして、制御フレームから取得した同期時刻が、自身の無線資源使用予定データベースの同期時刻より新しい場合には(ステップS4206のYes)、制御フレームから取得した使用予定の無線資源情報を用いて、無線資源使用予定データベースを上書きし(ステップS4207)、さらに同期時刻を更新して(ステップS4209)、本処理を終了する。
また、制御フレームから取得した同期時刻が、自身の無線資源使用予定データベースの同期時刻より古い場合には(ステップS4206のNo)、制御フレームから取得した使用予定の無線資源情報を用いて、無線資源使用予定データベースを更新するが(ステップS4208)、同期時刻を更新することなく、本処理を終了する。
なお、ここで言う「更新」とは、端末自身が持つ(新しい)無線資源使用予定データベースでは未使用となっており、制御フレームから取得した(古い)無線資源使用予定データベースでは使用予定となっている無線資源に対し、自身が持つ無線資源予定データベースを使用予定に変更する処理を指す。端末は、他端末の制御フレームから取得した古い無線資源使用予定データベースに基づいて使用予定に変更することで、衝突を極力回避するようにする。一方、ここで言う「上書き」とは、上記の「更新」処理に加え、端末自身が持つ(古い)無線資源使用予定データベースでは使用予定となっており、制御フレームから取得した(新しい)無線資源使用予定データベースでは未使用となっている無線資源に対し、端末自身が持つ無線資源使用予定データベースを未使用に戻す処理も行うことを指す。新しい情報に基づいて未使用に戻しても、衝突が発生する可能性はなく、且つ、無線資源を解放して有効利用できるからである。
また、制御フレームの復調に失敗した場合には(ステップS4205のNo)、端末は、自局の記憶部111で管理する無線資源使用予定データベースを上書き又は更新、及び同期時刻の更新を行うことなく、本処理を終了する。
例えば、図40に示した通信シーケンスにおいて、端末1は、図42に示した処理手順に従って、端末2から受信した制御フレームを用いて無線資源使用予定データベースの同期処理を実施するものとする。
基地局においてDLビーコンフレームを送信するための処理手順は、上述した第2の実施例と同様なので(図20を参照のこと)、ここでは詳細な説明を省略する。
以上説明してきたように、本実施例によれば、無線通信システム内のすべての端末の制御フレーム並びにデータフレームを受信可能であり、データフレームの受信処理を実施する基地局が保持する無線資源使用予定データベースをマスターとして、基地局から送信されるDLビーコンフレームを用いて無線通信システム内で共有するようにすることで、端末間で無線資源情報の不整合が発生した場合でも、ビーコン送信周期程度の短い時間で不整合を修復することが可能となる。
上述した第4の実施例では、端末は次に送信するデータフレームで使用する無線資源を、制御フレームで通知する。このため、制御フレーム1つに対してデータフレーム1つを送信することが前提となる。
しかしながら、このような通信手順では、制御フレームの送信回数が多くなるという問題がある。また、基地局が制御フレームの受信に失敗した場合、データフレームの送信に使用する無線資源が分からないという欠点が存在する。
そこで、第7の実施例では、端末から定期的に送信されるデータフレームの無線資源を前もって予約することで、制御フレームの送信回数を削減する方法について提案する。
第7の実施例では、フレームの構成は第4の実施例と同様である。図43には、第7の実施例における制御フレームのDATA部分のフレーム構成例を示している。同図に示すDATA部分は、Time、Length、Freq、Code、Period、Ndataの各フィールドを有している。
Timeフィールドには、データフレームの送信開始時刻が格納される。このフィールドには、データフレームの送信開始時刻を表す情報として、この制御フレームを送信する時刻からの経過時間が記載される。また、Lengthフィールドには、データフレームの時間長を表す情報が格納される。また、Freqフィールドには、データフレームの送信周波数を一意に表す周波数チャネル番号が格納される。また、Codeフィールドには、データフレームの送信に用いる符号を一意に表す符号番号が格納される。
Periodフィールドには、データフレームの送信周期を表す情報が格納される。また、Ndataフィールドには、当該制御フレームで通知する無線資源(周波数、符号)を使用してデータフレームを送信する回数を表す情報が格納される。
図44には、本実施例に係る無線資源使用予定データベースの構成例を示している。同図において、横軸は時刻軸、縦軸は周波数軸、そして奥行き方向に符号軸が設定されている。無線資源使用予定データベースは、データフレームの送信に使用可能な無線資源(時刻、周波数、及び符号)の一覧であり、使用する予定がない無線資源に対し「0」の値を保持している点では第4の実施例と同様であるが、端末が使用する艇である無線資源に対し、該当する端末IDを保持する点で、第4の実施例とは相違する。
図45には、基地局において端末からの制御フレームを受信するための処理手順をフローチャートの形式で示している。但し、基地局は、図27に示した装置構成を備えているものとする。
まず、基地局は、制御フレームの受信に用いる無線資源(時刻、周波数、及び符号)を算出する(ステップS4501)。当該基地局の受信範囲内に位置する端末が制御フレームを送信する時刻及び周波数をあらかじめ知るのは困難である。このため、基地局は、基本的には、制御フレームを送信可能な全時刻(全タイムスロット)及び周波数に対して受信処理を実施する。
次いで、基地局は、ステップS4501で算出した制御フレームの受信時刻が到来したか否かを判定する(ステップS4502)。
そして、制御フレームの受信時刻が到来すると(ステップS4502のYes)、基地局は、ステップS4501で算出した周波数に対して、無線信号の受信処理を実施する(ステップS4503)。
次いで、基地局は、ステップS4501で算出した符号を用いて、制御フレームの検出及び復調処理を実施する(ステップS4504)。そして、基地局は、制御フレームの復調に成功したか否かを判定する(ステップS4505)。
制御フレームの復調に成功した場合には(ステップS4505のYes)、さらに基地局は、制御フレームから取得したデータフレームの送信開始時刻以降で、該当端末が使用予定となっている無線資源が存在するか否かを判定する(ステップS4506)。
そして、制御フレームから取得したデータフレームの送信開始時刻以降で、該当端末が使用予定となっている無線資源が存在する場合には(ステップS4506のYes)、基地局は、該当する無線資源を未使用に変更する(ステップS4507)。一方、制御フレームから取得したデータフレームの送信開始時刻以降で、該当端末が使用予定となっている無線資源が存在しない場合には(ステップS4506のNo)、基地局は、該当する無線資源を未使用に変更しない。
次いで、基地局は、制御フレームから取得した使用予定の無線資源情報を用いて、無線資源使用予定データベースを更新して(ステップS4508)、本処理を終了する。
また、制御フレームの復調に失敗した場合には(ステップS4505のNo)、基地局は、無線資源の変更や無線資源使用予定データベースの更新を行うことなく、本処理を終了する。
以上説明してきたように、本実施例によれば、端末は、制御フレームで通知した回数だけデータフレームを送信し終えるまで、使用する無線資源を制御フレームで通知する必要はなくなる。すなわち、端末から定期的に送信されるデータフレームの無線資源を前もって予約することで、制御フレームの送信回数を削減することが可能となる。端末は、近隣端末から受信した制御フレームの無線資源情報により、自身が使用する無線資源を変更したくなった場合には、即時に制御フレームで通知し、変更することも可能である。
また、第1乃至第7の実施例についてまとめると、基地局と端末の受信可能範囲が異なる非対称な無線通信システムにおいて、近隣端末が送信する制御フレームを用いて、データフレームの送信に使用する無線資源を決定するために必要な情報を取得することで、DL通信が不可能な場所に位置する端末も、他端末が送信するデータフレームとの衝突回避又は分離可能となる無線資源を自律的に選択することが可能となる。