JP7331706B2 - X線撮影システム - Google Patents
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Description
また、特許文献1に記載のX線撮影装置では、撮影スイッチに対する1段目の押圧操作を行った後、例えばX線の照射範囲の調整やX線管装置と被検者との位置調整等の作業が行われる場合がある。そして、この作業に時間が費やされると、前記所定時間が経過して、撮影スイッチに対する2段目の押圧操作がされずに、陽極の回転が停止してしまう。この場合、撮影スイッチは、1段目の押圧操作が可能な状態にまで戻る。そして、あらためてX線撮影を行う際には、撮影スイッチを再度押圧操作する必要があり、結果、X線撮影を迅速に行うことができないという問題がある。
図1は、本発明のX線撮影システムの第1実施形態を示す概略外観図である。図2は、図1に示すX線撮影システムの主要部のブロック図である。図3は、図1に示すX線撮影システムにおける作動のタイミングを示すタイミングチャートである。図4は、図3に示すタイミングチャートで作動を実行するための制御プログラムを示すフローチャート(一例)である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の上側を「上(または上方)」、下側を「下(または下方)」と言う。
X線管装置2、光照射装置3および制御装置4は、撮影室RM1に配置されている。また、撮影室RM1には、X線管装置2と光照射装置3とを一括して支持する支持装置6と、X線撮影台7とが配置されている。支持装置6およびX線撮影台7は、X線撮影システム1を構成する装置の一部とすることができる。主操作装置5は、操作室RM2に配置されている。
以下、X線撮影システム1が備える各装置の構成について説明する。
陰極21と陽極22とは、対向配置された状態で、管球23内に収納されている。また、陰極21と陽極22との間には、制御装置4の高電圧発生回路44により、所定の大きさの電圧(管電圧)が印加される。
コリメータ31は、被検者HM2に対するX線Q1のX線照射範囲を規定することができる。コリメータ31は、例えば可視光照射部32と被検者HM2との間に配置され、鉛で構成された複数のシャッタ311を有する。このコリメータ31は、シャッタ311同士を接近、離間させることにより、シャッタ311同士の間隔を調整するよう構成されている。なお、各シャッタ311の移動は、手動式であってもよいし、自動式でもよい。
整流回路41は、例えば商用交流電源等の交流電源10から供給される交流電圧を整流する。交流電源10が商用交流電源の場合、交流電圧は、200Vである。
インバータ回路43は、制御回路46から入力される制御信号に応じて、昇圧チョッパ回路42から印加された電圧を高周波交流出力に変換して、高電圧発生回路44に出力する。
また、高電圧発生回路44は、陰極21を所定温度にまで加熱することができる。これにより、陰極21で電子が発生する。このように、高電圧発生回路44は、陰極21を加熱する加熱部としても機能する。そして、陰極21と陽極22との間に電圧を印加することにより、電子が陰極21から陽極22へと移動して、X線が照射される。
主電源操作部51は、X線管装置2、光照射装置3、制御装置4および主操作装置5がそれぞれ作動可能な状態に起動させる操作を行うことができる。主電源操作部51は、例えば、押圧操作されるボタンスイッチで構成されるのが好ましい。
撮影操作部53は、X線管装置2にX線Q1を照射させて、X線撮影をさせる操作を行うことができる。
なお、加熱操作部52および撮影操作部53に対する操作は、操作室RM2内で技師HM1によって行われる。
まず、X線撮影システム1は、初期状態となっている。ここで、「初期状態」とは、主操作装置5の主電源操作部51が操作されて、X線管装置2、光照射装置3、制御装置4および主操作装置5がそれぞれ作動可能な状態となっているが、X線Q1および可視光Q2が未だ照射されていない状態のことを言う。図3に示すように、初期状態での陽極22の初期回転数(第1回転数)NR1は、0Hzである。なお、X線撮影が可能な状態となる、すなわち、X線撮影に必要な陽極22の撮影可能回転数(第2回転数)NR2は、本実施形態では例えば180Hzであるが、これに限定されない。また、初期回転数NR1から撮影可能回転数NR2に達するまで時間ΔNRは、本実施形態では例えば2秒に設定されているが、これに限定されない。
そして、この初期状態のまま、技師HM1は、撮影室RM1内で、被検者HM2をX線撮影台7に対向して配置させた後、支持器4を動かして、X線管装置2および光照射装置3を被検者HM2に対してX線撮影が可能な位置にまで近づける。
この報知を確認した技師HM1は、操作室RM2に移動して、制御装置4の加熱操作部52を操作することができる。この操作により、陰極21を撮影可能温度TP2まで加熱し、この撮影可能温度TP2を維持する。なお、撮影可能温度TP2が維持される温度維持期間PD3は、回転数維持期間PD2よりも長いのが好ましい。
この報知を確認した技師HM1は、制御装置4の撮影操作部53を操作することができる。この操作により、X線撮影が行われる。
以上の操作により、X線撮影を迅速かつ円滑に行うことができる。
また、X線撮影システム1では、前述した特許文献1に記載のX線撮影装置で生じるような、回転が一旦停止した陽極22を再度回転させる操作を行うのを省略することができ、よって、より迅速なX線撮影が可能となる。
まず、光照射操作部33が操作された場合には(ステップS101)、制御装置4に内蔵されているタイマ(図示せず)が作動する(ステップS102)。また、このタイマ作動に伴って、可視光照射部32により可視光Q2が照射されるとともに(ステップS103)、回転駆動部24により陽極22が撮影可能回転数NR2で回転する(ステップS104)。なお、ステップS103とステップS104との順番は、入れ替わっていてもよい。
次いで、撮影操作部53が操作されたか否かを判断する(ステップS107)。ステップS107での判断の結果、撮影操作部53が操作されたと判断した場合には、X線撮影を行う(ステップS108)。そして、可視光照射部32の作動を停止して、可視光Q2を消灯させるとともに(ステップS109)、回転駆動部24の作動を停止して、陽極22の回転を停止させる(ステップS110)。なお、ステップS109とステップS110との順番は、入れ替わっていてもよい。
以上の制御プログラムにより、X線撮影システム1は、図3に示すタイミングチャートで作動可能となる。
図5は、本発明のX線撮影システム(第2実施形態)おける作動のタイミングを示すタイミングチャートである。図6は、図5に示すタイミングチャートで作動を実行するための制御プログラムを示すフローチャート(一例)である。
以下、これらの図を参照して本発明のX線撮影システムの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、タイミングチャートが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図6に示すように、制御プログラムでは、ステップS112とステップS113との間に、ステップS201が実行される。ステップS201は、光照射操作部33が操作されたか否かを判断するステップである。
以上の制御プログラムにより、X線撮影システム1は、図5に示すタイミングチャートで作動可能となる。
図7は、本発明のX線撮影システム(第3実施形態)おける作動のタイミングを示すタイミングチャートである。図8は、図7に示すタイミングチャートで作動を実行するための制御プログラムを示すフローチャート(一例)である。
以下、これらの図を参照して本発明のX線撮影システムの第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、タイミングチャートが異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
そこで、X線撮影システム1では、X線撮影後、再度撮影操作部23を操作するたびに陽極22の回転が継続されるよう、図7に示すタイミングチャートでの作動が可能に構成されている。これにより、技師HM1は、陽極22の回転の有無を気にせず、撮影操作部53に対する操作を行うことができる。
なお、回転数維持期間PD2のリセットは、撮影操作部53が操作され、さらに光照射操作部33が撮影操作部53よりも先に操作された場合にも行われてもよい。
図8に示すように、制御プログラムでは、ステップS109とステップS110との間に、ステップS301が実行される。ステップS301は、撮影操作部53が操作されたか否かを判断するステップである。
以上の制御プログラムにより、X線撮影システム1は、図7に示すタイミングチャートで作動可能となる。
また、X線撮影システム1では、初期温度TP1および撮影可能温度TP2をそれぞれ任意に設定することができる。
また、X線撮影システム1では、照射状態維持期間PD1、回転数維持期間PD2および温度維持期間PD3の長さをそれぞれ任意に設定することができる。
また、X線撮影システム1では、図3に示すように180Hzで回転している陽極22を停止させている、すなわち、回転数を0Hzまで減少させているが、これに限定されず、回転数を0Hzに至らない程度(例えば60Hz)に減少させてもよい。
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
陰極と、陽極と、該陽極を回転させる回転駆動部とを有し、前記陽極が回転している状態で、前記陰極から発生した電子が前記陽極に照射されることにより、撮影対象物に対してX線を照射して、X線撮影を可能するX線管装置と、
前記撮影対象物に対する前記X線のX線照射範囲を規定するコリメータと、前記撮影対象物に対して可視光を照射した光照射状態として、前記X線照射範囲を可視化させる可視光照射部と、該可視光照射部を前記光照射状態にさせる操作を行う光照射操作部とを有する光照射装置と、
前記X線管装置および前記光照射装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記光照射操作部が操作された際、前記回転駆動部により、前記X線撮影が可能な状態となる撮影可能回転数で前記陽極を回転させる。
前記制御装置は、前記光照射状態を維持する照射状態維持期間よりも、前記撮影可能回転数を維持する回転数維持期間を長く設定する。
前記制御装置は、前記照射状態維持期間の終了後から前記回転数維持期間の終了前までの間に、前記光照射操作部が操作された場合には、前記回転数維持期間の開始をし直す。
前記X線管装置は、前記陰極を加熱する加熱部を有する。
前記加熱部に対して、前記X線撮影が可能な撮影可能温度に前記陰極を加熱させる操作を行う加熱操作部を有する主操作装置を備える。
前記主操作装置は、前記X線管装置に前記X線撮影をさせる操作を行う撮影操作部を有する。
前記制御装置は、前記照射状態維持期間の終了後から前記回転数維持期間の終了前までの間に、前記光照射操作部および前記撮影操作部のうちの一方の操作部が他方の操作部よりも先に操作された場合には、前記回転数維持期間の開始をし直す。
前記加熱操作部は、前記撮影操作部を兼ねる。
前記制御装置は、前記光照射操作部が操作された場合に、前記加熱操作部に対する操作を可能とする。
前記制御装置は、前記加熱操作部に対する操作が可能である旨と、前記撮影操作部に対する操作が可能である旨のうちの少なくとも一方を報知する報知部を有する。
2 X線管装置
21 陰極(フィラメント)
22 陽極(ターゲット)
23 管球
24 回転駆動部
3 光照射装置(可視光照射装置)
31 コリメータ
311 シャッタ
32 可視光照射部
33 光照射操作部
4 制御装置
41 整流回路
42 昇圧チョッパ回路
43 インバータ回路
44 高電圧発生回路
45 スタータ回路
46 制御回路
47 報知部
5 主操作装置
51 主電源操作部
52 加熱操作部
53 撮影操作部
6 支持装置
7 X線撮影台
71 検出部
10 交流電源
HM1 技師
HM2 被検者
NR1 初期回転数(第1回転数)
NR2 撮影可能回転数(第2回転数)
PD1 照射状態維持期間
PD2 回転数維持期間
PD3 温度維持期間
Q1 X線
Q2 可視光
RM1 撮影室
RM2 操作室
S101~S114、S201、S301 ステップ
TP1 初期温度(第1温度)
TP2 撮影可能温度(第2温度)
ΔTP、ΔNR 時間
WD 窓
WL 壁
Claims (10)
- 陰極と、陽極と、該陽極を回転させる回転駆動部とを有し、前記陽極が回転している状態で、前記陰極から発生した電子が前記陽極に照射されることにより、撮影対象物に対してX線を照射して、X線撮影を可能するX線管装置と、
前記撮影対象物に対する前記X線のX線照射範囲を規定するコリメータと、前記撮影対象物に対して可視光を照射した光照射状態として、前記X線照射範囲を可視化させる可視光照射部と、該可視光照射部を前記光照射状態にさせる操作を行う光照射操作部とを有する光照射装置と、
前記X線管装置および前記光照射装置の作動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記光照射操作部が操作された際、前記回転駆動部により、前記X線撮影が可能な状態となる撮影可能回転数で前記陽極を回転させるX線撮影システム。 - 前記制御装置は、前記光照射状態を維持する照射状態維持期間よりも、前記撮影可能回転数を維持する回転数維持期間を長く設定する請求項1に記載のX線撮影システム。
- 前記制御装置は、前記照射状態維持期間の終了後から前記回転数維持期間の終了前までの間に、前記光照射操作部が操作された場合には、前記回転数維持期間の開始をし直す請求項2に記載のX線撮影システム。
- 前記X線管装置は、前記陰極を加熱する加熱部を有する請求項1~3のいずれか1項に記載のX線撮影システム。
- 前記加熱部に対して、前記X線撮影が可能な撮影可能温度に前記陰極を加熱させる操作を行う加熱操作部を有する主操作装置を備える請求項4に記載のX線撮影システム。
- 前記主操作装置は、前記X線管装置に前記X線撮影をさせる操作を行う撮影操作部を有する請求項5に記載のX線撮影システム。
- 陰極と、陽極と、該陰極を加熱する加熱部と、該陽極を回転させる回転駆動部とを有し、前記陽極が回転している状態で、前記陰極から発生した電子が前記陽極に照射されることにより、撮影対象物に対してX線を照射して、X線撮影を可能するX線管装置と、
前記撮影対象物に対する前記X線のX線照射範囲を規定するコリメータと、前記撮影対象物に対して可視光を照射した光照射状態として、前記X線照射範囲を可視化させる可視光照射部と、該可視光照射部を前記光照射状態にさせる操作を行う光照射操作部とを有する光照射装置と、
前記X線管装置および前記光照射装置の作動を制御する制御装置と、
前記加熱部に対して、前記X線撮影が可能な撮影可能温度に前記陰極を加熱させる操作を行う加熱操作部を有する主操作装置と、を備え、
前記主操作装置は、前記X線管装置に前記X線撮影をさせる操作を行う撮影操作部を有し、
前記制御装置は、前記光照射操作部が操作された際、前記回転駆動部により、前記X線撮影が可能な状態となる撮影可能回転数で前記陽極を回転させ、前記光照射状態を維持する照射状態維持期間よりも、前記撮影可能回転数を維持する回転数維持期間を長く設定し、前記照射状態維持期間の終了後から前記回転数維持期間の終了前までの間に、前記光照射操作部および前記撮影操作部のうちの一方の操作部が他方の操作部よりも先に操作された場合には、前記回転数維持期間の開始をし直すX線撮影システム。 - 前記加熱操作部は、前記撮影操作部を兼ねる請求項6または7に記載のX線撮影システム。
- 前記制御装置は、前記光照射操作部が操作された場合に、前記加熱操作部に対する操作を可能とする請求項5または7に記載のX線撮影システム。
- 前記制御装置は、前記加熱操作部に対する操作が可能である旨と、前記撮影操作部に対する操作が可能である旨のうちの少なくとも一方を報知する報知部を有する請求項6または7に記載のX線撮影システム。
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