JP7330333B1 - ビスマレイミド樹脂組成物およびプリプレグ - Google Patents

ビスマレイミド樹脂組成物およびプリプレグ Download PDF

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Abstract

【課題】優れた耐熱性および電気特性を保持しつつ、密着性に優れる絶縁材料を生成し得るビスマレイミド樹脂組成物を提供する。【解決手段】一般式(I):TIFF0007330333000033.tif38164[一般式(I)中、mおよびnは、各々独立に、0~10の整数を表す]で表されるビスマレイミド樹脂と、イソシアヌレート環又はトリアジン環とビニルベンゼン部分を有する架橋剤とを含んで成り、質量比(ビスマレイミド樹脂:架橋剤)が55:45~98:2である、ビスマレイミド樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ビスマレイミド樹脂組成物およびプリプレグに関する。
近年、電子機器の小型化および高性能化が進み、多層プリント配線板においては、ビルドアップ層が複層化され、配線の微細化および高密度化が求められている。特に、高周波用途における電気信号の伝送損失を低減するために誘電正接の低い絶縁材料が求められている。
誘電特性の低い絶縁材料としては、ポリイミド樹脂、およびポリフェニレンエーテル樹脂などが使用される。例えば、特許文献1には、更なる誘電特性の低い材料として、脂肪族骨格を有する硬化性ポリイミド樹脂組成物が開示されている。
国際公開第2021/113415号
ところで、特許文献1に記載の硬化性ポリイミド樹脂組成物から得られる硬化物は、本発明者らが鋭意検討した結果、誘電特性が優れるものの、耐熱性および密着性(特に、銅箔との密着性)をさらに改善する余地があることが分かった。
本発明はかかる課題に鑑みて為されてものである。すなわち、本発明は、優れた耐熱性および電気特性(より具体的には、誘電正接が低い)を保持しつつ、密着性(より具体的には、銅箔密着性)に優れる絶縁材料(特に、プリント配線板等に適した絶縁材料)を生成し得るビスマレイミド樹脂組成物を提供することを主たる目的とする。また、本発明は、そのようなビスマレイミド樹脂組成物に由来するものを含むプリプレグを提供することを別の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、特定の化学構造を有するビスマレイミド樹脂(以下、「変性ビスマレイミド樹脂」とも称する)と特定の化学構造を有する架橋剤(以下、「スチリル基含有架橋剤」とも称する)とを特定の質量比で含んで成るビスマレイミド樹脂組成物の発明を完成するに至った。すなわち、本発明には、以下の実施形態が含まれる。
本発明の一実施形態に係るビスマレイミド樹脂組成物は、
一般式(I):
Figure 0007330333000001
[前記一般式(I)中、mおよびnは、各々独立に、0~10の整数を表す]
で表されるビスマレイミド樹脂と、化学式(II):
Figure 0007330333000002
[前記一般式(II)中、iおよびjは各々独立に0~3の整数を表し、XはCHまたはOを表し、XがCHを表すとき、iは0~2の整数を表し、jは0~2の整数を表し、XがOを表すとき、iは1~2の整数を表し、jは1~3の整数を表す]
で表される架橋剤または化学式(III):
Figure 0007330333000003
[前記一般式(III)中、iおよびjは各々独立に0~3の整数を表し、XはCHまたはOを表し、XがCHを表すとき、iは0~2の整数を表し、jは0~2の整数を表し、XがOを表すとき、iは1~2の整数を表し、jは1~3の整数を表す]
で表される架橋剤とを含んで成り、
質量比(前記ビスマレイミド樹脂:前記架橋剤)が55:45~98:2である。
本発明は、優れた耐熱性および電気特性を保持しつつ、密着性に優れる絶縁材料を生成し得る、ビスマレイミド樹脂組成物を提供することができる。
本明細書で言及する数値範囲は、「未満」、「より大きい」および「より小さい」のような特段の用語が付されない限り、下限値および上限値そのものも含むことを意図している。例えば、1~10といった数値範囲を例にとれば、その数値範囲は下限値「1」および上限値「10」を含むものとして解釈される。
以下、本発明の典型的な実施態様について具体的に説明する。
<第1実施形態:ビスマレイミド樹脂組成物>
第1実施形態に係るビスマレイミド樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」とも称する)は、ビスマレイミド樹脂(以下、「成分[A]」とも称する)と、架橋剤(以下、「成分[B]」とも称する)とを含んで成る。
(成分[A])
成分[A]としてのビスマレイミド樹脂は、
一般式(I):
Figure 0007330333000004
[一般式(I)中、mおよびnは、各々独立に、0~10の整数を表す]
で表される。このようなビスマレイミド樹脂を、以下、ビスマレイミド樹脂(I)とも称する。なお、化学式(I)中、-C13は、例えば、n-C13であり、-C17は、例えば、n-C17である。また、nが2~10の整数を表す場合、複数の-C13は互いに同一(例えば、すべてn-C13である)であっても異なってもよく、複数の-C17は互いに同一(例えば、すべてn-C17である)であっても異なってもよい。nが2~10の整数を表す場合、複数の-C17のシクロヘキサン環への結合位置は、互いに同一であっても異なってもよく、複数の-C13のシクロヘキサン環への結合位置は、互いに同一であっても異なってもよい。
ビスマレイミド樹脂(I)としては、例えば、化学式(I-1):
Figure 0007330333000005
[化学式(I-1)中、mおよびnは、各々独立に、1~10の整数を表す]
で表される樹脂(一般式(I)中、mおよびnが、各々独立に、1~10の整数を表す樹脂に相当する;このようなビスマレイミド樹脂(I)を、以下、ビスマレイミド樹脂(I-1)とも称する)、
化学式(I-2):
Figure 0007330333000006
[化学式(I-2)中、mおよびnは、各々独立に、1~10の整数を表す]
で表される樹脂(一般式(I)中、mおよびnが各々独立に1~10の整数を表し、-C13がn-C13であり、-C17がn-C17であり、繰り返し単位外において、N-アルキルマレイミド基(より具体的には、N-オクチルマレイミド基)が結合するシクロヘキサン環の炭素原子を基準(1位)として、n-C17の結合位置はシクロヘキサン環の2位であり、n-C13の結合位置はシクロヘキサン環の3位であり、繰り返し単位(m)内において、ポリマー鎖の結合が4,7メタノヒドリンダン環の2位および5位に結合しており、繰り返し単位(n)内において、ポリマー鎖が結合しているシクロヘキサン環の炭素原子を基準(反時計回りにそれぞれ1位、2位)として、n-C17の結合位置はシクロヘキサン環の3位であり、n-C13の結合位置はシクロヘキサン環の4位である樹脂に相当する;このようなビスマレイミド樹脂(I)を、以下、ビスマレイミド樹脂(I-2)とも称する)、
化学式(I-3):
Figure 0007330333000007
で表される樹脂(一般式(I)中、mおよびnが0を表し、-C13がn-C13であり、-C17がn-C17であり、2つのN-アルキルマレイミド基(より具体的には、N-オクチルマレイミド基)が結合するシクロヘキサン環の炭素原子を基準(時計回りにそれぞれ1位、2位)として、n-C17の結合位置はシクロヘキサン環の3位であり、n-C13の結合位置はシクロヘキサン環の4位である樹脂に相当する樹脂に相当する;このようなビスマレイミド樹脂(I)を、以下、ビスマレイミド樹脂(I-3)とも称する)、ならびに
化学式(I-4):
Figure 0007330333000008
[化学式(I-4)中、nは、1~10の整数を表す]
で表される樹脂(一般式(I)中、mが0を表し、nが1~10の整数を表し、-C13がn-C13であり、-C17がn-C17であり、繰り返し単位外において、N-アルキルマレイミド基(より具体的には、N-オクチルマレイミド基)が結合するシクロヘキサン環の炭素原子を基準(1位)として、n-C17の結合位置はシクロヘキサン環の2位であり、n-C13の結合位置はシクロヘキサン環の3位であり、繰り返し単位(n)内において、ポリマー鎖が結合しているシクロヘキサン環の炭素原子を基準(時計回りにそれぞれ1位、2位)として、n-C17の結合位置はシクロヘキサン環の3位であり、n-C13の結合位置はシクロヘキサン環の4位である樹脂に相当する;このようなビスマレイミド樹脂(I)を、以下ビスマレイミド樹脂(I-4)とも称する)が挙げられる。
なお、化学式(I-1)中、-C13は、例えば、n-C13であり、-C17は、例えば、n-C17である。
(成分[B])
成分[B]としての架橋剤は多官能スチレン型架橋剤であって、化学式(II):
Figure 0007330333000009
[一般式(II)中、iおよびjは各々独立に0~3の整数を表し、XはCHまたはOを表し、XがCHを表すとき、iは0~2の整数を表し、jは0~2の整数を表し、XがOを表すとき、iは1~2の整数を表し、jは1~3の整数を表し、3つのiは、互いに同一であっても、異なっていてもよく、3つのjは、互いに同一であっても、異なっていてもよい]
で表されるイソシアヌル酸骨格を有する架橋剤(以下、「架橋剤(II)」とも称する)または化学式(III):
Figure 0007330333000010
[一般式(III)中、iおよびjは各々独立に0~3の整数を表し、XはCHまたはOを表し、XがCHを表すとき、iは0~2の整数を表し、jは0~2の整数を表し、XがOを表すとき、iは1~2の整数を表し、jは1~3の整数を表し、3つのiは、互いに同一であっても、異なっていてもよく、3つのjは、互いに同一であっても、異なっていてもよい]
で表されるシアヌル酸骨格を有する架橋剤(以下、「架橋剤(III)」とも称する)である。
架橋剤(II)としては、例えば、化学式(II-1)~(II-10)で示される化合物が挙げられる(以下、それぞれを「架橋剤(II-1)」~「架橋剤(II-10)」とも称する)。
Figure 0007330333000011
架橋剤(II)は、樹脂組成物の電気特性を向上させる観点から、化学式(II)においてXがCHを表すことが好ましい。また、樹脂組成物の耐熱性を向上させる観点から、化学式(II)においてiが0~1の整数を表し、かつ、jが0~1を表すことが好ましく、iが0を表し、かつ、jが0を表すことがより好ましい。さらに、樹脂組成物の電気特性および耐熱性を向上させる観点から、化学式(II)においてXがCHを表し、iが0~1の整数を表し、かつ、jが0~1の整数を表すことが好ましく、XがCHであり、iが0を表し、かつ、jが0を表すことがより好ましい。
架橋剤(III)としては、例えば、化学式(III-1)~(III-10)で示される化合物が挙げられる(以下、それぞれを「架橋剤(III-1)」~「架橋剤(III-10)」とも称する)。
Figure 0007330333000012
架橋剤(III)は、樹脂組成物の電気特性を向上させる観点から、化学式(III)においてXがCHを表すことが好ましい。また、樹脂組成物の耐熱性を向上させる観点から、化学式(III)においてiが0~1の整数を表し、かつ、jが0~1の整数を表すことが好ましく、iが0を表し、かつ、jが0を表すことがより好ましい。さらに、樹脂組成物の電気特性および耐熱性を向上させる観点から、化学式(III)においてXがCHを表し、iが0~1の整数を表し、かつ、jが0~1の整数を表すことが好ましく、XがCHを表し、iが0を表し、かつ、jが0を表すことがより好ましい。
架橋剤(II)および架橋剤(III)はその構造中に3つのスチリル基を有する。3つのスチリル基の結合の位置関係は、各々独立に、スチリル基におけるビニル基に対してオルト位(o)、メタ位(m)、またはパラ位(p)の位置関係にあってよい。3つの結合位置は、互いに同一であっても、異なっていてもよい。例えば、架橋剤(II-1)としては、化学式(II-1-1)~(II-1-10)で示される化合物が挙げられる(以下、それぞれを「架橋剤(II-1-1)」~「架橋剤(II-1-10)」とも称する)。
Figure 0007330333000013
架橋剤(II)または架橋剤(III)は、樹脂組成物の耐熱性および電気特性を向上させる観点から、化学式(II)または化学式(III)の3つのスチリル基の結合の位置関係において、スチリル基におけるビニル基に対してパラ位(p)で結合しているスチリル基が少なくとも1つ含まれていること(例えば、化学式(II-1-3,5,6,8,9,10))が好ましく、パラ位(p)で結合しているスチリル基が少なくとも2つ含まれていること(例えば、化学式(II-1-6,9,10))がより好ましく、全てのスチリル基がパラ位(p)で結合していること(例えば、化学式(II-1-10))がさらに好ましい。また、架橋剤(II)または架橋剤(III)の樹脂組成物での溶解性を向上させる観点から、化学式(II)または化学式(III)の3つのスチリル基の結合の位置関係において、スチリル基におけるビニル基に対してメタ位(m)で結合しているスチリル基とパラ位(p)で結合しているスチリル基がそれぞれ含まれていること(例えば、化学式(II-1-5,8,9))が好ましい。
例えば、化学式(II-1)で表される架橋剤としては、化学式(II-1-10):
Figure 0007330333000014
で表される架橋剤が挙げられる。また、化学式(III-1)で表される架橋剤としては、化学式(III-1-1):
Figure 0007330333000015
で表される架橋剤が挙げられる。
―質量比―
質量比(ビスマレイミド樹脂(I):架橋剤(II)および(III))が55:45~98:2である。換言すると、ビスマレイミド樹脂(I)の含有量は、ビスマレイミド樹脂(I)と架橋剤(II)および架橋剤(III)との総質量100質量部に対して、55~98質量部であり、架橋剤(II)および架橋剤(III)の含有量は、当該総質量100質量部に対して2~45質量部である。ビスマレイミド樹脂(I)の含有量が55質量部未満であると(架橋剤(II)および架橋剤(III)の含有量が45質量部を超えると)、電気特性および密着性が低下する。一方、ビスマレイミド樹脂(I)の含有量が98質量部を超えると(架橋剤(II)および架橋剤(III)の含有量が2質量部未満であると)、耐熱性および密着性が低下する。
-質量比の決定方法-
質量比は、本実施形態に係る樹脂組成物を構成する成分Aおよび成分Bの添加量(原料状態の質量の比)で決定することができる。
また、質量比は樹脂組成物からも決定することができる。フーリエ変換赤外分光法(FT-IR)を用いて樹脂組成物のIRスペクトルデータを取得し、取得したIRスペクトルからビスマレイミド樹脂(I)のマレイミド基に対応するピークの面積(面積Aとも称する)と、架橋剤(II)および架橋剤(III)のビニル基に対応するピークの面積(面積Bと称する)とを算出する。算出した面積の比(面積A:面積B)を算出し、質量比を決定する。つまり、面積比(面積A:面積B)は、質量比(ビスマレイミド樹脂:架橋剤)に相当する。樹脂組成物に上記以外の成分が含まれる場合、カラムクロマトグラフィー等によりビスマレイミド樹脂(I)、架橋剤(II)および架橋剤(III)を分取した後に、分取したものをFT-IRで測定することにより質量比を決定する。
樹脂組成物の耐熱性を向上させる観点から、好ましくは質量比(ビスマレイミド樹脂(I):架橋剤(II)および(III))が60:40~90:10である。樹脂組成物の電気特性を向上させる観点から、好ましくは質量比(ビスマレイミド樹脂(I):架橋剤(II)および(III))が65:35~95:5である。樹脂組成物の密着性を向上させる観点から、好ましくは質量比(ビスマレイミド樹脂(I):架橋剤(II)および(III))が70:30~95:5である。樹脂組成物の耐熱性、電気特性および密着性を向上させる観点から、好ましくは質量比(ビスマレイミド樹脂(I):架橋剤(II)および(III))が70:30~90:10である。
(その他の成分)
本実施形態の樹脂組成物は、本発明の主たる効果を発揮できる範囲において成分[A]および成分[B]の他に任意の成分を必要に応じてさらに含んで成ってもよい。このような任意の成分としては、例えば、成分[A]以外の樹脂、成分[B]以外の架橋剤、相溶化剤、ラジカル開始剤、アニオン開始剤、難燃剤、無機充填剤、応力緩和剤、有機溶媒、およびシラン系カップリング剤が挙げられる。
-成分[A]以外の樹脂-
成分[A]以外の樹脂としては、例えば、ビスマレイミド樹脂(I)以外のビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド-トリアジン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、およびアクリル樹脂が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ビスマレイミド樹脂(I)以外のビスマレイミド樹脂としては、例えば脂肪族系ビスマレイミド化合物、芳香族系ビスマレイミド化合物等が挙げられる。脂肪族系ビスマレイミド化合物としては、例えば、N,N’-(2,2,4-トリメチルヘキサメチレン)ビスマレイミド、N,N’-デカメチレンビスマレイミド、N,N’-オクタメチレンビスマレイミド、N,N’-ヘプタメチレンビスマレイミド、N,N’-ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N’-ペンタメチレンビスマレイミド、N,N’-テトラメチレンビスマレイミド、N,N’-トリメチレンビスマレイミド、N,N’-エチレンビスマレイミド、N,N’-(オキシジメチレン)ビスマレイミド、1,13-ビスマレイミド-4,7,10-トリオキサトリデカン、および1,11-ビスマレイミド-3,6,9-トリオキサウンデカン等が挙げられる。芳香族系ビスマレイミド化合物としては、例えば、N,N’-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(1,3-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(1,4-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(1,2-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(1,5-ナフチレン)ビスマレイミド、N,N’-(4-クロロ-1,3-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(メチレンジ-p-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(4,4’-ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(スルホニルジ-p-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(オキシジ-p-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’-(ベンジリデンジ-p-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-[メチレンビス(3-クロロ-4-フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’-[メチレンビス(3-メチル-4-フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’-[メチレンビス(3-メトキシ-4-フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’-(チオジ-p-フェニレン)ビスマレイミド、N,N’-3,3’-ベンゾフェノンビスマレイミド、N,N’-[メチレンビス(3-メチル-5-エチル-4-フェニレン)]ビスマレイミド、N,N’-[テトラメチレンビス(オキシ-p-フェニレン)]ビスマレイミド、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル)]スルホン、1,4-フェニレンビス(4-マレイミドフェノキシ)、ビス[3-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3-フェニレンビス(4-マレイミドフェノキシ)、およびビス[4-(4-マレイミドフェニルチオ)フェニル]エーテル等が挙げられる。
ビスマレイミド-トリアジン樹脂は、マレイミド化合物およびシアン酸エステル化合物を主成分とし、プレポリマー化させた樹脂であれば特に限定されない。ビスマレイミド-トリアジン樹脂としては、例えば、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパンとビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミジフェニル)メタンとを加熱溶融し、重合反応させた樹脂、ならびにノボラック型シアン酸エステル樹脂とビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミジフェニル)メタンとを加熱溶融し、重合反応させた後、メチルエチルケトンに溶解させた樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、分子内にエポキシ基(より具体的には、グリシジル基、およびエポキシシクロヘキシル基等)を有する樹脂であり、硬化前(つまり、エポキシ基が開環重合する前)のエポキシ化合物を意味する。
エポキシ樹脂としては、例えば、多価フェノール(より具体的には、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、およびレゾルシノール等)または多価アルコール(より具体的には、グリセリンやポリエチレングリコール等)とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル類(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等);
ヒドロキシカルボン酸(より具体的には、p-ヒドロキシ安息香酸、およびβ-ヒドロキシナフトエ酸等)とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル類;
多価カルボン酸(より具体的にはフタル酸、およびテレフタル酸等)とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル類;
1,3,4,6-テトラグリシジルグリコールウリル等の分子内に2つ以上のエポキシ基を有するグリシジルグリコールウリル化合物;
3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の環状脂環式エポキシ樹脂;
トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン型エポキシ樹脂等の含窒素環状エポキシ樹脂;
エポキシ化フェノールノボラック樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);
エポキシ化クレゾールノボラック樹脂;
エポキシ化ポリオレフィン;
環式脂肪族エポキシ樹脂;
ウレタン変性エポキシ樹脂;ならびに
炭素-炭素二重結合およびグリシジル基を有する有機化合物と、SiH基を有するケイ素化合物とのヒドロシリル化付加反応によるエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物(例えば、特開2004-99751号公報、特開2006-282988号公報等に開示されたエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物)等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて使用してもよい。
フェノール樹脂としては、特に制限はなく、フェノールおよびケトン化合物を主成分とするものを用いることができる。例えば、ノボラック型フェノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂、およびトリスフェノールメタン型フェノール樹脂などが挙げられる。
ベンゾオキサジン樹脂としては、特に制限はなく、アミン類およびフェノール類、ホルムアルデヒドを主成分とするものを用いることができる。例えば、ビスフェノールA-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、ビスフェノールF-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂、フェノール-ジアミノジフェニルメタン型ベンゾオキサジン樹脂、およびトリスフェノールメタン-アニリン型ベンゾオキサジン樹脂等が挙げられる。
ベンゾシクロブテン樹脂は、2個以上のベンゾシクロブテン基が直接に結合、または有機基を介して間接的に結合しているものであれば特に制限はない。
成分[A]以外の樹脂の含有量は、特に制限はなく、ビスマレイミド樹脂(I)の総質量に対して、0~1000質量部、好ましくは10~800質量部、より好ましくは50~600質量部である。
―成分[B]以外の架橋剤―
成分[B]以外の架橋剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、モノ(C6~C20アルキル)ジアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、およびトリアリルトリメリテート、ビスビニルフェニルメタン、1,2-ビス(m-ビニルフェニル)エタン、
1,2-ビス(p-ビニルフェニル)エタン、1-(p-ビニルフェニル)-2-(m-ビニルフェニル)エタン、1,3-ビス(m-ビニルフェニルエチル)ベンゼン、
1,3-ビス(p-ビニルフェニルエチル)ベンゼン、1-(p-ビニルフェニルエチル)-3-(m-ビニルフェニルエチル)ベンゼン、1,4-ビス(m-ビニルフェニルエチル)ベンゼン、1,4-ビス(p-ビニルフェニルエチル)ベンゼン、1,6―(ビスビニルフェニル)ヘキサンおよび側鎖にビニル基を有するジビニルベンゼン重合体(オリゴマー)等が挙げられる。
成分[B]以外の架橋剤の含有量は、特に制限はなく、架橋剤の総質量に対して、0~200質量部、好ましくは1~150質量部、より好ましくは5~100質量部である。
―相溶化剤―
相溶化剤としては、例えば、スチレン・ブタジエンブロックコポリマー、スチレン・イソプレンブロックコポリマー、1,2-ポリブタジエン、1,4-ポリブタジエン、マレイン変性ポリブタジエン、アクリル変性ポリブタジエン、およびエポキシ変性ポリブタジエン等が挙げられる。相溶化剤は、列記した相溶化剤からなる群より選択される1種以上であり得る。相溶化剤の含有量は、特に制限はなく、ビスマレイミド樹脂100質量部に対して、0~100質量部、好ましくは20~50質量部である。
―ラジカル開始剤―
ラジカル開始剤としては、本樹脂組成物を架橋するためにラジカルを発生することができる化合物であれば、特に限定されない。ラジカル開始剤としては、例えば、過酸化物(特に有機過酸化物)等が挙げられる。このような有機過酸化物としては、例えば、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキサイド)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキサイド)ヘキシン-3、およびα,α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。有機過酸化物は、列記した有機過酸化物からなる群より選択される1種以上であり得る。ラジカル開始剤の含有量は、特に制限はなく、ビスマレイミド樹脂(I)ならびに架橋剤(II)および架橋剤(III)の総質量100質量部に対して、0~10質量部、好ましくは0.05~5質量部、より好ましくは0.1~3質量部である。
―アニオン開始剤―
アニオン開始剤としては、一般に使用されるものであれば、特に制限なく使用可能であり、例えば、オニウム塩類やカーバメート類、アミン類、およびイミダゾール類等が挙げられる。
オニウム塩類としては、例えば、1,2-ジイソプロピル-3-(ビス(ジメチルアミノ)メチレン)グアニジウム 2-(3-ベンゾイルフェニル)プロピオナート、1,2-ジシクロヘキシル-4,4,5,5-テトラメチルビグアニジウム n-ブチルトリフェニルボレート等が挙げられ、カーバメート類としては、例えば、2-ニトロフェニルメチルピペリジン-1-カルボキシレート、1-(アントラキノン-2-イル)エチルイミダゾールカルボキシレート、1-(3-(2-ヒドロキシフェニル)-2-プロペノイル)ピペリジン、および9-アントラニルメチルジエチルカーバメート等が挙げられる。
アミン類としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、および1,3,4,6-テトラキス(3-アミノプロピル)グリコールウリル等が挙げられ、イミダゾール類としては、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、および2-フェニルイミダゾール等が挙げられる。
―難燃剤―
難燃剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸メレム、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、赤燐、芳香族リン酸エステル、ホスホン酸エステル、ホスフィン酸エステル、ホスフィンオキサイド、ホスファゼン、メラミンシアノレート、エチレンビスペンタブロモベンゼン、およびエチレンビステトラブロモフタルイミド等が挙げられる。難燃剤としては、列記した難燃剤からなる群より選択される1種以上であり得る。難燃剤の含有量は、特に制限はなく、ビスマレイミド樹脂100質量部に対して、0~100質量部、好ましくは1~80質量部、より好ましくは1~40質量部である。
―無機充填剤―
無機充填剤としては、特に限定されず、例えば、シリカ、窒化ホウ素、ワラストナイト、タルク、カオリン、クレー、マイカ、アルミナ、ジルコニア、およびチタニア等の金属酸化物、窒化物、珪化物、および硼化物等が挙げられる。無機充填剤は、これらからなる群から選ばれる1種以上を選択できる。特に樹脂組成物の低誘電率化のためには、無機充填材としてシリカ、窒化ホウ素等の低誘電率フィラーを使用することが好ましい。シリカとしては、例えば、粉砕シリカ、および溶融シリカ等が挙げられる。無機充填材の平均粒子径は5μm以下であることが好ましい。例えば、5μm以下の平均粒径を有するシリカ粒子等の無機充填剤を用いることによって、樹脂組成物を金属張積層板等に用いる場合に、金属箔との密着性が向上する。無機充填剤の含有量は、特に制限はなく、ビスマレイミド樹脂100質量部に対して、0~500質量部、好ましくは1~200質量部、より好ましくは5~100質量部である。
―応力緩和剤―
応力緩和剤としては、特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂粒子が挙げられる。応力緩和剤の平均粒子径は10μm以下であることが好ましい。このような平均粒径を有する応力緩和剤を用いることによって、樹脂組成物を金属張積層板等に用いる場合に、金属箔との密着性が向上する。応力緩和剤の含有量は、特に制限はなく、ビスマレイミド樹脂100質量部に対して、0~100質量部、好ましくは0~50質量部である。
―有機溶媒―
有機溶媒は、ビスマレイミド樹脂(I)ならびに架橋剤(II)および(III)を溶解または分散できるものであれば特に限定されない。有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;ジブチルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;ジメチルホルムアミド等のアミド溶媒;ベンゼン、トルエン、およびキシレン等の芳香族炭化水素溶媒;トリクロロエチレン等の塩素化炭化水素溶媒等が挙げられる。有機溶媒は、例えば、これらからなる群から選ばれる1種以上を選択できる。有機溶媒を含むビスマレイミド樹脂組成物は、後述するように、樹脂ワニスとして基材に含浸させてプリプレグを製造するために用いることができる。有機溶媒の含有量は、樹脂ワニスを基材に塗布または含浸させる作業に応じて調整すればよく、ビスマレイミド樹脂100質量部に対して、30~1000質量部、好ましくは100~500質量部である。
(ビスマレイミド樹脂組成物の製造方法)
本実施形態に係るビスマレイミド樹脂組成物の製造方法の一例を説明する。
本実施形態に係るビスマレイミド樹脂組成物の製造方法は、例えば、一般式(I)で表されるビスマレイミド樹脂と、一般式(II)で表される架橋剤または一般式(III)で表される架橋剤とを、質量比(ビスマレイミド樹脂(I):架橋剤(II)および架橋剤(III))55:45~98:2で混合する混合工程を含んで成る。
-混合工程-
混合工程は、さらに溶媒を用いて混合してもよい。溶媒としては、例えば、有機溶媒(既述した任意の成分としての有機溶媒と同義である)が挙げられる。混合は、撹拌機を用いて混合してもよい。攪拌は、通常、室温(25℃)常圧(1気圧)下で行われる。
<第2実施形態:プリプレグ>
本実施形態に係るプリプレグは、基材と、第1実施形態に係るビスマレイミド樹脂組成物またはその半硬化体とを含んで成る。
本明細書において「半硬化体」とは、樹脂組成物に熱や光などを加えることで硬化反応が一部進行し、かつ、完全硬化に至っていないものを意味する。樹脂組成物が完全硬化しているかどうかは、示差走査熱量計(DSC)にて残存発熱がないことで確認する。
(基材)
基材としては、例えば、繊維(より具体的には、ガラス繊維等の無機繊維、およびポリイミド繊維等の有機繊維等)の織布または不織布、および紙が挙げられる。ガラス繊維の材質は、通常のEガラスの他、Dガラス、Sガラス、NEガラス、およびクォーツガラス等が挙げられる。基材は、必要に応じて、カップリング剤によって表面処理を施してもよい。このようなカップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、およびチタネート系カップリング剤等が挙げられる。
基材の含有量は、プリプレグの総質量に対して、通常、20~80質量%であり、好ましくは25~70質量%である。
(プリプレグの製造方法)
プリプレグの製造方法の一例を説明する。
プリプレグの製造方法は、基材を樹脂組成物に含侵させて含浸物を作製するまたは塗布して塗布物を作製する含浸塗布工程と、含浸物を乾燥させてプリプレグを作製する乾燥工程とを含んで成る。
-含浸塗布工程-
含浸塗布工程では、基材を樹脂組成物に含侵させて含浸物を作製するまたは塗布して塗布物を作製する。樹脂組成物は、第1実施形態に係るビスマレイミド樹脂組成物である。樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶媒を添加して均一に溶解または分散させて樹脂ワニスとしてもよい。また、樹脂組成物は、溶融させた状態で、基材に含浸または塗布してもよい。
塗布方法および含浸方法は特に限定されず、例えば、樹脂組成物の溶解液または分散液をスプレー、刷毛、およびバーコーター等を用いて塗布する方法、ならびに樹脂組成物の溶解液または分散液に基材を浸漬する方法(ディッピング)が挙げられる。塗布または含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。あるいは、樹脂濃度の異なる複数の溶解液または分散液を用いて、塗布または含浸を繰り返すことも可能である。
-乾燥工程-
乾燥工程は、塗布物または含浸物を乾燥させてプリプレグを作製する。乾燥は、例えば、自然乾燥でもよく、加熱乾燥であってもよい。加熱乾燥の条件は、例えば、加熱温度50~300℃(特に、100~250℃)、加熱時間1分~10時間(特に、30分~5時間)である。加熱乾燥では、塗布または含浸させた樹脂組成物を硬化(半硬化)させてもよい。
プリプレグは、樹脂組成物を基材に含浸した後、加熱乾燥して硬化(特に半硬化)したものであることが好ましい。
プリプレグの樹脂組成(より具体的には、樹脂組成物、その半硬化物または硬化物の組成)ならびにその含有量は、例えば、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)、核磁気共鳴分析(H-NMRおよび13C-NMR)、フーリエ変換型赤外吸収スペクトル分析(FT-IR)、および熱分解ガスクロマトグラフィーによる熱分解物の定量分析にて分析することができる。
(プリプレグの用途)
第1実施形態に係る樹脂組成物は、優れた電気特性(低い誘電正接)を保持しつつ、(金属等の材料に対する)密着性に優れる絶縁材料(硬化物)を提供することができる。さらに、第1実施形態に係る樹脂組成物は、優れた絶縁性(低い比誘電率)および耐久水性を有する硬化物を提供することができる。このような樹脂組成物を用いることによって、耐吸水性に優れ、かつ、比誘電率および誘電正接の低いプリプレグおよび金属張積層板、ならびに優れた高周波特性を有するプリント配線板を得ることができる。つまり、これらの第2実施形態に係るプリプレグの用途は、第1実施形態に係るビスマレイミド樹脂組成物の用途ともいえる。
―積層板―
本実施形態に係るプリプレグは、積層板を提供することができる。積層板は、例えば、複数枚のプリプレグを積層してなる。積層板の製造方法は、複数枚のプリプレグを積層して積層体を作製する積層工程と、積層体を成形して積層板を作製する成形工程とを含んで成る。
積層板の製造方法では、積層工程と成形工程とを並行して(例えば、同時に)進行させてもよい。得られた積層板と別のプリプレグとを組み合わせて、より厚い積層板を製造することもできる。
成形工程は、例えば、熱プレス機(熱処理機)を用いて、加熱および/または加圧の条件下で実行することができる。加熱および加圧条件は、例えば、加熱温度50~300℃(特に、80~250℃)、圧力0.1~50MPa(特に、0.5~10MPa)、熱および/または圧力の印加時間1分~10時間程度(特に、30分~5時間程度)である。
成形工程は、プリプレグとして樹脂組成物の半硬化体を用いる場合、加熱加圧処理により硬化反応を進行させて完全に硬化させてもよい。
―金属張積層板―
本実施形態に係るプリプレグは、金属張積層板を提供することができる。金属張積層板は、例えば、プリプレグまたはその積層板の表面に金属箔を備える。金属張積層板は、例えば、プリプレグまたはその積層板と金属箔とを重ね合わせ加熱加圧成形して製造することができる。加熱および加圧の条件は、例えば、積層板の製造方法の成形工程における加熱加圧成形の条件と同義である。
金属箔としては、特に限定されず、例えば、電解銅箔および圧延銅箔等の銅箔;アルミニウム箔;ならびにこれらの金属箔を重ね合わせた複合箔等が挙げられる。これらの金属箔の中でも、銅箔が好ましい。金属箔の厚みは特に限定されず、通常、5~105μm程度である。金属張積層板は、プリプレグと金属箔とをそれぞれ所望の枚数重ね合わせ、加熱加圧成形しても得ることができる。
-接着剤-
本実施形態に係るプリプレグは、接着剤を提供することができる。接着剤は、例えば、樹脂組成物を成分として含んで成る。接着剤は、例えば、金属、無機材料および樹脂材料からなる群より選択される2つの材料間の接着剤として用いることができる。接着剤は、特に、金属と、金属、無機材料および樹脂材料からなる群より選択される材料との間の接着に用いられることが好ましい。
金属としては、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、錫、鉄、銀、金およびこれらの金属の任意に組み合わせた合金等が挙げられる。金属は、これらの中でも、銅が好ましい。また、金属の形態としては、例えば、これらの金属からなる板、箔、およびめっき膜が挙げられる。
無機材料としては、例えば、シリコン、セラミック、フィラーとして使用されるカーボン、無機塩、およびガラス等が挙げられる。具体的には、シリコン、炭化ケイ素、シリカ、ガラス、珪藻土、珪酸カルシウム、タルク、硝子ビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、アルミノケイ酸塩、およびマイカ等のケイ素化合物;アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、および酸化チタン等の酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、および塩基性炭酸マグネシウム等の水酸化物;炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、および炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム、および石膏等の硫酸塩;チタン酸バリウム等のチタン酸塩;窒化アルミ、および窒化ケイ素等の窒化物;鱗片状黒鉛(天然黒鉛)、膨張黒鉛、および膨張化黒鉛(合成黒鉛)等のグラファイト類;活性炭類;炭素繊維類;ならびにカーボンブラック等が挙げられる。
無機材料は、これらの中でも、シリコン、セラミック(より具体的には、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、およびチタン酸バリウム等)、ガラスならびに無機塩が好ましい。
樹脂材料としては、例えば、ナイロン、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、および液晶樹脂等が挙げられる。樹脂材料は、これら単独であってもよく、またはこれらを混合したり、互いに変性したりして、組み合わせたものであってもよい。
樹脂材料は、これらの中でも、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、オレフィン樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、フッ素含有樹脂、ポリエーテル樹脂、液晶樹脂、シリコーン樹脂およびポリイミド樹脂が好ましい。
接着剤を用いて材料を接着する方法としては、例えば、公知の方法が挙げられる。具体的には、(1)金属、無機材料または樹脂材料からなる材料の表面に接着剤を塗布し、塗布した接着剤の一部または全体に他の材料を圧着して接着(硬化)する方法、ならびに(2)半硬化した接着剤をシート状に形成したものを金属、無機材料または樹脂材料からなる材料の表面に張り付け、接着剤の他方の面の一部または全体に他の材料(より具体的には、金属、無機材料または樹脂材料からなる材料等)を圧着して接着(硬化)する方法が挙げられる。
接着剤の硬化方法としては、公知の方法により行うことができる。例えば、熱プレス機を用いて加熱および加圧する方法、ならびに最初に塗布した接着剤を乾燥させた後、熱処理する方法等が挙げられる。加熱および加圧の条件としては、例えば、加熱温度50~300℃(特に、80~250℃)、圧力0.1~50MPa(特に、0.5~10MPa)、熱および/または圧力の印加時間1分~10時間程度(特に、30分~5時間程度)であることが好ましい。
第1実施形態に係る樹脂組成物またはその半硬化体を含んで成る接着剤を用いることにより、上述したように2つの材料(特に材質の異なる2つの材料)を接着させることができる。このため、このような接着剤は各種電気または電子部品、半導体ウェハ、プリント配線板、およびフレキシブル金属張積層板等の電子デバイスに好適に利用することができる。
-プリント配線板-
本実施形態に係るプリプレグは、プリント配線板を提供することができる。プリント配線板は、例えば、複数の絶縁層と該絶縁層間に配置された導体層とを有しており、絶縁層が上記樹脂組成物から得られる硬化物と基材とで形成されている。
プリント配線板は、例えば、プリプレグと、上述の金属張積層板に回路(導体パターン)およびスルーホールが形成された内層板とを重ね合わせ、プリプレグの表面に金属箔を積層させた後、加熱および加圧成形して製造することができる。プリント配線板は、さらに、表面の導電性金属箔に回路(導体パターン)およびスルーホールを形成して、多層プリント配線板としてもよい。
なお、本明細書において、用語「含む」または「有する」には、「から本質的になる」、「から実質的になる」および「からなる」の概念を含むものとする。
以下、本発明について実施例を用いてより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。また、特に明記しない限り、実施例における%は質量基準である。
表1~表3には、各実施例および比較例におけるビスマレイミド樹脂、架橋剤、およびラジカル開始剤の含有量(単位:質量部)ならびにそれらの評価結果が表されている。
<実施例1>
[1.ビスマレイミド樹脂組成物の調製]
実施例1について、以下詳細に説明する。
(1-1.各成分の準備)
以下に示すように、ビスマレイミド樹脂組成物を調製するための原料を準備した。
・ビスマレイミド樹脂
ビスマレイミド樹脂(Designer Molecules Inc.製「BMI-2500」化学式(I-1)で表される樹脂)
ビスマレイミド樹脂(Designer Molecules Inc.製「BMI-689」、化学式(I-3)で表される樹脂)
ビスマレイミド樹脂(Designer Molecules Inc.製「BMI-3000J」化学式(I-4)で表される樹脂)
ビスマレイミド樹脂(大和化成工業株式会社製「BMI-1000」化学式(I-X):
Figure 0007330333000016
で表される化合物)
・架橋剤
架橋剤(四国化成工業株式会社製)「架橋剤(II)」:化学式(II-1-10):
Figure 0007330333000017
で表される架橋剤
架橋剤(四国化成工業株式会社製)「架橋剤(III)」:化学式(III-1-1):
Figure 0007330333000018
で表される架橋剤
(なお、これら2つの架橋剤は、特開昭62-45579号およびUS2019/0055270に準拠して本願発明者らが合成した。H-NMR(日本電子(JEOL)株式会社製「JNM-ECZS」、400MHz、内部標準試料:テトラメチルシラン、溶媒:CDCl)を用いてこれら2つの架橋剤が合成されていることをそれぞれ確認した。)
架橋剤(東京化成工業株式会社製)「TAIC」トリアリルイソシアヌレート:化学式(II-X):
Figure 0007330333000019
で表される架橋剤
・ラジカル光開始剤
日油株式会社製「パーブチルP」:α、α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン
(1-2.ビスマレイミド樹脂組成物の調製)
ビスマレイミド樹脂(Designer Molecules Inc.製「BMI-2500」化学式(I-1)で表される樹脂)95質量部と、架橋剤(四国化成工業株式会社製「架橋剤(II)」化学式(II-1-10)で表される架橋剤)5質量部と、溶媒としてトルエンを混合し、80℃に加温した送風オーブン内にて均一な溶液になるまで攪拌した。続いて、ラジカル開始剤(日油株式会社製「パーブチルP」α、α’-ジ(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン)1質量部を溶液に加え、80℃の送風オーブン内にて均一な溶液になるまで攪拌した。これにより、実施例1のビスマレイミド樹脂組成物を調製した。
[2.評価方法]
(2-1.ガラス転移温度Tgの測定方法および耐熱性の評価)
-測定試料の作製-
実施例1の樹脂組成物をアルミニウム製カップに注いだ後、80℃に加温した送風オーブン内で恒量になるまでトルエンを留去した。その後、120℃で0.5時間、150℃で0.5時間、および200℃で1時間の条件で熱処理を行うことにより実施例1の樹脂組成物を硬化して得られる硬化物1を得た。
-ガラス転移温度の測定(動的粘弾性測定(DMA))-
動的粘弾性測定装置(DMA)(株式会社UBM社製「Rheosol-G5000」)を用いて、実施例1の硬化物から切り出した縦20mm×横5mm×厚み1.2mmの試験片を固体ねじり治具にセットし、昇温速度5℃/分、周波数1Hz、ひずみ量0.08%にて、50~250℃の温度範囲について動的粘弾性測定を行った。この際、ガラス転移温度(単位:℃)は、損失弾性率のピークトップ温度とした。以下、動的粘弾性測定(DMA)によって得たガラス転移温度をガラス転移温度(DMA)とも称する。
(耐熱性の評価基準)
◎(非常に良い) :樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DMA)が170℃以上である
○(良い) :樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DMA)が160℃以上170℃未満である
△(悪い) :樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DMA)が160℃未満である
-ガラス転移温度の測定(示差走査熱量計(DSC))-
ガラス転移温度(DMA)の測定ができなかった実施例または比較例に対してDSCによるガラス転移温度の測定を実施した。ここで、DMAによるガラス転移温度の測定ができなかったとは、本明細書において、上記手法でのDMA測定において損失弾性率のピークトップが観測できなかったことをいう。以下、示差走査熱量計(DSC)によって得たガラス転移温度をガラス転移温度(DSC)とも称する。
示差走査熱量計(DSC)(株式会社日立ハイテクサイエンス製「DSC7020」)を用いて、実施例(例えば、後述の実施例8~9等)の硬化物から切り出した小片のガラス転移温度(DSC)を測定した。温度プロファイルは-30℃から250℃まで昇温速度10℃/分で加熱するものであった。
得られた測定結果から下記評価基準に基づいて実施例の樹脂組成物の硬化物の耐熱性を評価した。測定結果および評価結果を表1に示す。なお、DSCによるガラス転移温度の測定は、DMAによるガラス転移温度ができなかった実施例または比較例に対して実施し、DSCにて測定したガラス転移温度は表1において括弧書きで示した。
(耐熱性の評価基準)
◎(非常に良い) :樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DSC)が当該樹脂組成物に含まれるビスマレイミド樹脂と同一種のビスマレイミド樹脂100質量部および当該樹脂組成物に含まれるラジカル開始剤と同一種のラジカル開始剤1質量部からなる樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DSC)と比較して20℃以上の増加を示す
○(良い) :樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DSC)が当該樹脂組成物(実施例1のビスマレイミド樹脂組成物)に含まれるビスマレイミド樹脂と同一種のビスマレイミド樹脂100質量部および当該樹脂組成物に含まれるラジカル開始剤と同一種のラジカル開始剤1質量部からなる樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DSC)と比較して10℃以上20℃未満の増加を示す
△(悪い) :樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DSC)が当該樹脂組成物(実施例1のビスマレイミド樹脂組成物)に含まれるビスマレイミド樹脂と同一種のビスマレイミド樹脂100質量部および当該樹脂組成物に含まれるラジカル開始剤と同一種のラジカル開始剤1質量部からなる樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(DSC)と比較して10℃未満の増加を示す、または低下する
×(非常に悪い) :樹脂組成物の均質な硬化物を作製できず、硬化物から測定試料を切り出せない(すなわち、測定結果が「N.D.」である)
-(未測定) :測定を実施しなかった
(2-2.誘電正接Dの測定方法および電気特性の評価)
2-1と同様にして実施例1の樹脂組成物の硬化物1を作製した。測定試料の誘電正接Dは、ネットワークアナライザ―(Agilent Tecnologies製 E8361A)を用い、空洞共振法により、測定周波数(10GHz)で誘電特性の測定を行った。得られた測定値(誘電正接)から下記評価基準に基づいて実施例1の樹脂組成物の硬化物1の電気特性を評価した。測定結果および評価結果を表1に示す。
(電気特性の評価基準)
◎(非常に良い) :樹脂組成物の硬化物の誘電正接が0.0025以下である
○(良い) :樹脂組成物の硬化物の誘電正接が0.0025より大きく0.0030未満である
△(悪い) :樹脂組成物の硬化物の誘電正接が0.0030以上である
×(非常に悪い) :樹脂組成物の均質な硬化物を作製できず、硬化物から測定試料を切り出せない(すなわち、測定結果が「N.D.」である)
-(未測定) :測定を実施しなかった
(2-3.銅箔ピール強度の測定方法および密着性の評価)
-測定試料の作製-
2-1と同様にして作製した実施例1の樹脂組成物を銅箔(JX金属社製、「BHM-102F-HA-V2」、厚さ:18μm)の上に塗布し、ガラスエポキシ基板の上に配置した後に圧力6.8MPa、温度150℃で30分および200℃で60分間プレスを行って試験片を得た。
-ピール強度の測定方法-
ピール強度の測定は、JIS C6481に準拠した方法で実施された。詳しくは、銅層とガラスエポキシ基板との界面を1cm幅で剥離して、試験片から銅層の一端をつかみ具でつかみ、卓上万能試験機(株式会社島津製作所製「オートグラフ AG-X PLUS」)を用いて積層方向に対して垂直な方向に引き剥がしたときの強度(銅箔ピール強度(単位:N/cm))を測定した。引き剥がしは、引張り速度:50mm/分、室温(25℃)下の条件で実行された。得られた測定値(銅箔ピール強度)から下記評価基準に基づいて実施例1の樹脂組成物の硬化物1の密着性を評価した。測定結果および評価結果を表1に示す。
(密着性の評価基準)
◎(非常に良い) :樹脂組成物の硬化物の銅箔ピール強度が3.5N/cm以上である
○(良い) :樹脂組成物の硬化物の銅箔ピール強度が2.5N/cm以上3.5N/cm未満である
△(悪い) :樹脂組成物の硬化物の銅箔ピール強度が2.5N/cm未満である
-(未測定) :測定を実施しなかった
(2-4.150℃ゲルタイムの測定方法および速硬化性の評価)
実施例1の樹脂組成物を測定装置(株式会社井元製作所製「IMC-A0E2」)の温度150℃の熱板上にセットし、樹脂組成物を硬化させた。硬化開始からゲル化するまでの時間を測定した。得られた測定値(150℃ゲルタイム)から下記評価基準に基づいて樹脂組成物の速硬化性を評価した。測定結果および評価結果を表1に示す。
(速硬化性の評価基準)
◎(非常に良い) :樹脂組成物の150℃ゲルタイムが60秒未満である
○(良い) :樹脂組成物の150℃ゲルタイムが60秒以上90秒未満である
△(悪い) :樹脂組成物の150℃ゲルタイムが90秒以上である
-(未測定) :測定を実施しなかった
(2-5.総合評価)
耐熱性、電気特性および密着性の評価結果から下記評価基準に基づいて実施例1の樹脂組成物およびその硬化物を総合的に評価した。評価結果を表1に示す。
(総合評価の評価基準)
◎(非常に良い) :3つの評価結果(耐熱性、電気特性および密着性の評価結果)が何れも◎(非常に良い)である
○(良い) :3つの評価結果に△(悪い)または×(非常に悪い)がなく、少なくとも1つが○(良い)である
△(悪い) :3つの評価結果に×(非常に悪い)がなく、少なくとも1つが△(悪い)である
×(非常に悪い) :3つの評価結果のうち少なくとも1つが×(非常に悪い)である
<実施例2~9および比較例1~13>
ビスマレイミド樹脂および架橋剤を表1~表3に示す組成および含有量にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2~9の樹脂組成物および比較例1~13の樹脂組成物並びにその硬化物2~9および硬化物C1~C13をそれぞれ作製した。
実施例1と同様にして耐熱性、電気特性、および密着性を評価し、さらに必要に応じて速硬化性を評価した。評価結果を表1~表3に示す。
[3.結果]
(実施例1~9および比較例1~13:耐熱性、電気特性、および密着性)
表1に示すように、実施例1~9の樹脂組成物は、化学式(I-1)、(I-3)および(I-4)で表されるビスマレイミド樹脂のいずれかと、化学式(II)または(III)で表される架橋剤とを含んで成り、前記ビスマレイミド樹脂と前記架橋剤との比(質量比)は、55:45~98:2であった。このように、実施例1~9の樹脂組成物は、請求項1に係る発明の範囲に包含される樹脂組成物であった。
表1に示すように、実施例1~9の樹脂組成物は、総合評価結果が○(良い)または◎(非常に良い)であった。
表2~3に示すように、比較例1~13の樹脂組成物は、請求項1に係る発明の範囲に包含される樹脂組成物ではなかった。詳しくは、比較例1~3、10、12の樹脂組成物は、ビスマレイミド樹脂と架橋剤との比(質量比)は、55:45~98:2ではなかった。比較例4~6、11、13の樹脂組成物は、架橋剤が化学式(II)または(III)で表される架橋剤ではなかった。比較例7~9の樹脂組成物は、ビスマレイミド樹脂が化学式(I)で表されるビスマレイミド樹脂ではなかった。
表2~3に示すように、比較例1~13の樹脂組成物は、総合評価結果が△(悪い)または×(非常に悪い)であった。
請求項1に係る発明の範囲に包含される実施例1~9の樹脂組成物は、請求項1に係る発明の範囲に包含されない比較例1~13の樹脂組成物に比べ、優れた耐熱性、電気特性、および密着性を兼ね備えていることが明らかである。
(実施例2~4ならびに実施例1および5~7:耐熱性、電気特性、および密着性)
表1に示すように、ビスマレイミド樹脂と架橋剤との比(質量比)が70:30~90:10である実施例2~4の樹脂組成物では、当該質量比が70:30~90:10ではない実施例1および5~7に比べ、総合評価結果がより優れていたため、より優れた耐熱性、電気特性、および密着性を兼ね備えていることが明らかである。
(実施例1~6ならびに比較例1および4~9:含有量に対するピール強度の変化)
表2に示すように、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)を含み架橋剤を含まない比較例1の樹脂組成物の硬化物では、ピール強度が1.94N/cmであった。
また、表1に示すように、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II);より具体的には、化学式(II-1-10)で表される架橋剤)との比(質量比)が55:45~98:2である実施例1~6の樹脂組成物の硬化物では、比較例1の樹脂組成物の硬化物に比べて1.5倍以上高いピール強度を示していた。これにより、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II);より具体的には、化学式(II-1-10)で表される架橋剤)とを組み合わせた樹脂組成物の硬化物の密着性の向上効果が確認された。また、樹脂組成物における前記架橋剤(架橋剤(II);より具体的には、化学式(II-1-10)で表される架橋剤)の含有量を減少(すなわち、前記ビスマレイミド樹脂の含有量を増加)するにつれて、ピール強度が増加することが確認された。これらの結果から、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II);より具体的には、化学式(II-1-10)で表される架橋剤)との組み合わせにおいて、それらが構成する樹脂組成物の硬化物における密着性が、樹脂組成物を構成するビスマレイミド樹脂の含有量および架橋剤の含有量と線形性を有することが分かった。
これに対して、表3に示すように、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II-X)で表される架橋剤(TAIC)との比(質量比)が70:30~90:10である比較例4~6の樹脂組成物の硬化物では、比較例1の樹脂組成物の硬化物に比べて優れたピール強度を示した。ただし、ビスマレイミド樹脂と架橋剤との比(質量比)が同じである実施例2~4の樹脂組成物の硬化物のピール強度と比較して劣っていた。これらの結果から、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II))とを組み合わせた樹脂組成物の硬化物の特異的な密着性の向上効果が確認できた。
さらに、表3に示すように、化学式(I-X)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-1000)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II))との比(質量比)が70:30~90:10である比較例7~9の樹脂組成物では、ビスマレイミド樹脂および架橋剤の含有量の増加および減少と、ピール強度の増減との関連性(より具体的には、線形性)が見出されなかった。
(実施例1~6および比較例4~6:含有量に対するガラス転移温度の変化)
表2に示すように、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)を含み架橋剤を含まない比較例1の樹脂組成物の硬化物では、ガラス転移温度が145℃であった。
また、表1に示すように、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II))との比(質量比)が55:45~98:2である実施例1~6の樹脂組成物の硬化物では、比較例1の樹脂組成物の硬化物に比べて15℃以上高いガラス転移温度を示しており、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II))とを組み合わせることによる耐熱性の向上効果が確認された。また、樹脂組成物における前記架橋剤(架橋剤(II))の含有量を増加(すなわち、前記ビスマレイミド樹脂の含有量を減少)するにつれて、ガラス転移温度が増加することが確認された。これらの結果から、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II))との組み合わせにおいて、それらが構成する樹脂組成物の硬化物における耐熱性が、樹脂組成物を構成するビスマレイミド樹脂の含有量および架橋剤の含有量と線形性を有することが分かった。
これに対して、表3に示すように、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II-X)で表される架橋剤(TAIC)との比(質量比)が70:30~90:10である比較例4~6の樹脂組成物の硬化物では、比較例1の樹脂組成物の硬化物とほぼ同程度のガラス転移温度を示し、ビスマレイミド樹脂と架橋剤との比(質量比)が同じである実施例2~4の樹脂組成物のガラス転移温度と比較して劣っていた。これらの結果から、化学式(I-1)で表されるビスマレイミド樹脂(BMI-2500)と化学式(II)で表される架橋剤(架橋剤(II))とを組み合わせることによる特異的な耐熱性の向上効果が確認された。
Figure 0007330333000020
Figure 0007330333000021
Figure 0007330333000022
本開示に係るビスマレイミド樹脂組成物およびプリプレグの態様は、以下を含む。
<1>
一般式(I):
[化1]
Figure 0007330333000023
[前記一般式(I)中、mおよびnは、各々独立に、0~10の整数を表す]
で表されるビスマレイミド樹脂と、化学式(II):
[化2]
Figure 0007330333000024
[前記一般式(II)中、iおよびjは各々独立に0~3の整数を表し、XはCHまたはOを表し、XがCHを表すとき、iは0~2の整数を表し、jは0~2の整数を表し、XがOを表すとき、iは1~2の整数を表し、jが1~3の整数を表す]
で表される架橋剤または化学式(III):
[化3]
Figure 0007330333000025
[前記一般式(III)中、iおよびjは各々独立に0~3の整数を表し、XはCHまたはOを表し、XがCHを表すとき、iは0~2の整数を表し、jは0~2の整数を表し、XがOを表すとき、iが1~2の整数を表し、jが1~3の整数を表す]
で表される架橋剤とを含んで成り、
質量比(前記ビスマレイミド樹脂:前記架橋剤)が55:45~98:2である、ビスマレイミド樹脂組成物。
<2>
さらにラジカル開始剤を含んで成る、<1>に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<3>
前記一般式(I)中、mおよびnは、各々独立に、1~10の整数を表す、<1>または<2>に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<4>
前記一般式(I)中、mは0を表し、nは1~10の整数を表す、<1>または<2>に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<5>
前記一般式(I)中、mおよびnは、0を表す、<1>または<2>に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<6>
前記一般式(II)および前記一般式(III)中、XはCHを表し、iおよびjは0を表す、<1>~<5>のいずれか1つに記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<7>
前記架橋剤が化学式(II-1-10):
[化4]
Figure 0007330333000026
で表される架橋剤または化学式(III-1-1):
[化5]
Figure 0007330333000027
で表される架橋剤である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<8>
前記質量比が70:30~90:10である、<1>~<7>のいずれか1つに記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<9>
プリント配線基板用である、<1>~<8>のいずれか1つに記載のビスマレイミド樹脂組成物。
<10>
基材と、
<1>~<9>のいずれか1つに記載のビスマレイミド樹脂組成物または該ビスマレイミド樹脂組成物の半硬化体とを含んで成る、プリプレグ。
本発明のビスマレイミド樹脂組成物は、例えば、プリント配線基板用の絶縁材料として利用することが可能である。プリント配線基板用の絶縁材料以外にもプリプレグの原料としても利用可能である。

Claims (10)

  1. 一般式(I):
    Figure 0007330333000028
    [前記一般式(I)中、mおよびnは、各々独立に、0~10の整数を表す]
    で表されるビスマレイミド樹脂と、化学式(II):
    Figure 0007330333000029
    [前記一般式(II)中、iおよびjは各々独立に0~3の整数を表し、XはCHまたはOを表し、XがCHを表すとき、iは0~2の整数を表し、jは0~2の整数を表し、XがOを表すとき、iが1~2の整数を表し、jが1~3の整数を表す]
    で表される架橋剤または化学式(III):
    Figure 0007330333000030
    [前記一般式(III)中、iおよびjは各々独立に0~3の整数を表し、XはCHまたはOを表し、XがCHを表すとき、iが0~2の整数を表し、jが0~2の整数を表し、XがOを表すとき、iが1~2の整数を表し、jが1~3の整数を表す]
    で表される架橋剤とを含んで成り、
    質量比(前記ビスマレイミド樹脂:前記架橋剤)が55:45~98:2である、ビスマレイミド樹脂組成物。
  2. さらにラジカル開始剤を含んで成る、請求項1に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  3. 前記一般式(I)中、mおよびnは、各々独立に、1~10の整数を表す、請求項1に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  4. 前記一般式(I)中、mは0を表し、nは1~10の整数を表す、請求項1に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  5. 前記一般式(I)中、mおよびnは、0を表す、請求項1に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  6. 前記一般式(II)および前記一般式(III)中、XはCHを表し、iおよびjは0を表す、請求項1または2に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  7. 前記架橋剤が化学式(II-1-10):
    Figure 0007330333000031
    で表される架橋剤または化学式(III-1-1):
    Figure 0007330333000032
    で表される架橋剤である、請求項1または2に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  8. 前記質量比が70:30~90:10である、請求項1に記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  9. プリント配線基板用である、請求項1または2記載のビスマレイミド樹脂組成物。
  10. 基材と、
    請求項1または2に記載のビスマレイミド樹脂組成物または該ビスマレイミド樹脂組成物の半硬化体とを含んで成る、プリプレグ。
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