JP7330313B2 - 演算装置および演算方法 - Google Patents

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Description

本開示は、演算装置および演算方法に関する。
従来、凸2次計画問題においては、現在の状態から近い未来である時刻までの間の制御対象の状態量を、予測モデルを用いて予測することで、最適な制御量を決定するモデル予測制御が公知である(たとえば、特許文献1)。モデル予測制御においては、制御対象の状態量とその目標値との差、および制御量とその目標値との差に基づき生成される評価関数が用いられ、制御量に対する有効制約を考慮しながらその評価関数を最小化する制御量を決定するための演算が行われる。
特開2016―100009号公報
従来の凸2次計画問題の最適解を求める演算装置においては、有効制約として設定された複数の不等式制約が1次独立の関係にない場合、最適解が満たすべき条件を含む連立1次方程式の次元が低下する。連立1次方程式の次元が低下すると、演算装置は、最適解を求めることができない。さらに、演算装置は、有効制約として設定された複数の不等式制約が1次独立の関係にないことを確認するために、各不等式制約における行列のランクを演算する必要があり、演算負荷が大きくなり得る。
本開示は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、演算負荷が大きくなることを極力抑えながら凸2次計画問題の最適解を求めることを可能とする演算装置および演算方法を提供することである。
本開示の演算装置は、凸2次計画問題の最適解を求める装置である。演算装置は、凸2次計画問題の評価関数、不等式制約の集合、および初期解を取得するインターフェースと、インターフェースによって取得された評価関数、不等式制約の集合、および初期解に基づき最適解を求めるプロセッサとを備える。プロセッサは、生成部と、探索部と、更新部とを備える。生成部は、不等式制約の集合と初期解とに基づき有効制約の集合を生成する。探索部は、有効制約の集合と評価関数とに基づき生成される連立1次方程式の解を求める。更新部は、探索部によって得られた解に基づき有効制約の集合を更新する。生成部は、追加判定部と、1次従属判定部と、有効制約追加部とを備える。追加判定部は、不等式制約の集合が有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約を含むか否かを判定する。1次従属判定部は、条件を満たす第1不等式制約が有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であるか否かを判定する。有効制約追加部は、1次従属判定部によって少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属でないと判定された第1不等式制約を、有効制約の集合に追加する。
本開示の演算方法は、コンピュータによる、凸2次計画問題の最適解を求める方法である。演算方法は、(a)凸2次計画問題における不等式制約の集合と初期解とに基づき有効制約の集合を生成するステップと、(b)有効制約の集合と凸2次計画問題における評価関数とに基づき生成される連立1次方程式の解を求めるステップと、(c)解を求めるステップによって得られた解に基づき有効制約の集合を更新するステップとを含む。(a)生成するステップは、(a1)不等式制約の集合が有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約を含むか否かを判定するステップと、(a2)条件を満たす第1不等式制約が有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であるか否かを判定するステップと、(a3)1次従属であるか否かを判定するステップによって少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属でないと判定された第1不等式制約を、有効制約の集合に追加するステップとを含む。
本開示の演算装置および演算方法は、演算負荷が大きくなることを極力抑えながら凸2次計画問題の最適解を求めることができる。
実施の形態に係る演算装置のハードウェア構成を示す図である。 線形制約の係数行列を示す図である。 実施の形態に係る演算装置の機能構成を示す図である。 実施の形態に係る生成部の機能構成を示す図である。 1次従属判定の一例を示す図である。 1次従属判定の一例を示す図である。 1次従属判定の一例を示す図である。 実施の形態に係る演算装置の演算処理を示すフローチャートである。 実施の形態に係る演算装置の生成処理を示すフローチャートである。 実施の形態に係る演算装置の探索処理を示すフローチャートである。 実施の形態に係る演算装置の更新処理を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、図中において、同一または相当する部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、実施の形態に係る演算装置1のハードウェア構成を示す図である。実施の形態に係る演算装置1は、最適化問題を解く必要がある装置に搭載されたコントロールユニットによって実現される。たとえば、演算装置1が車両に搭載されたコントロールユニットに実装された場合、演算装置1は、車両を目標経路に追従させるための最適化問題を解いたり、燃費を最適化させるための最適化問題を解いたりすることができる。演算装置1が工場の管制装置に実装された場合、演算装置1は、工場の運用を最適化させるための最適化問題を解くことができる。
図1に示されるように、演算装置1は、インターフェース(I/F)11と、プロセッサ12と、メモリ13とを備える。
インターフェース11は、凸2次計画問題などの種々の最適化問題を取得する。さらに、インターフェース11は、プロセッサ12による最適化問題の演算結果を制御対象などに出力する。
プロセッサ12は、「コンピュータ」の一例である。プロセッサ12は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などで構成される。プロセッサ12は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの演算回路(Processing Circuitry)で構成されてもよい。プロセッサ12は、最適化問題を演算することで最適解を求める。
メモリ13は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)およびSRAM(Static Random Access Memory)などの揮発性メモリ、ROM(Read Only Memory)などの不揮発性メモリで構成される。メモリ13は、SSD(Solid State Drive)およびHDD(Hard Disk Drive)などを含む記憶装置であってもよい。メモリ13は、プロセッサ12が最適化問題を解くためのプログラムおよび演算データなどを記憶する。
演算装置1は、凸2次計画問題の最適解を求める装置であればよく、演算装置1の演算対象となる最適化問題は、特に限定されない。実施の形態では、演算装置1の演算対象となる最適化問題として、モデル予測制御の凸2次計画問題が例示される。
モデル予測制御は、現在の状態から近い未来である時刻Tまでの間の制御対象の状態量を、予測モデルfを用いて予測することで、最適な制御量を決定する手法である。モデル予測制御は、下記の式(1)および式(2)で表される。
Figure 0007330313000001
式(1)および式(2)において、xは状態変数、およびuは制御変数である。モデル予測制御では、状態変数xとその目標値との差、および制御変数uとその目標値との差などに基づき生成される評価関数lを最小化する制御変数の値が求められる。
なお、評価関数lを最大化する制御変数の値を求める最適化問題を扱う場合は、評価関数lに「-1」を乗算して評価関数lの符号を反転させることで、その最適化問題を、評価関数lを最小化する制御変数の値を求める最適化問題として扱うことができる。
さらに、実施の形態に係る最適化問題は、式(2)で表されるように上限制約を含むが、下限制約を含んでいてもよい。たとえば、下限制約を扱う場合は、下限制約の両辺に「-1」を乗算して下限制約の符号を反転させることで、その下限制約を、式(2)のように上限制約として扱うことができる。
以下では、制約を緩和する少なくとも1つのスラック変数を制御変数uに含めたモデル予測制御について、演算装置1が最適解を求めることを想定する。
各予測時刻t=nΔt(n=0、1、2、…、N)において、式(1)および式(2)に対して離散化が行われ、さらに、各予測時刻において、初期状態量および初期制御量を用いて式(1)および式(2)に対して線形化が行われると、式(3)~式(5)で表されるような凸2次計画問題が得られる。
Figure 0007330313000002
式(3)~式(5)において、T=NΔtである。Δxは、状態変数と初期状態量との差分である。Δuは、制御変数と初期制御量との差分である。Qおよびqは、評価関数に対して離散化および線形化を行った際の係数である。aは、予測制御モデルに対して離散化および線形化を行った際の定数項である。Fは、予測制御モデルに対して離散化および線形化を行った際の状態変数の係数である。Gは、予測制御モデルに対して離散化および線形化を行った際の制御変数の係数である。
離散化および線形化が行われる順番について、先に離散化が行われ、その後に線形化が行われてもよいし、先に線形化が行われ、その後に離散化が行われてもよい。あるいは、離散化と線形化とが並行して行われてもよい。
現在の状態量xを定数項とみなし、n=0、1、2、…、Nにおける状態変数xが式(4)の漸化式を用いて消去されることで、式(6)および式(7)で表されるような制御変数uのみを用いる凸2次計画問題が得られる。
Figure 0007330313000003
さらに、式(6)で表される凸2次計画問題の評価関数が下記の式(8)のように表され、式(7)で表される凸2次計画問題の不等式制約が下記の式(9)のように表されることで、実施の形態に係る演算装置1が最適化すべき凸2次計画問題が得られる。
Figure 0007330313000004
式(8)および式(9)において、Jは凸2次計画問題の評価関数、wは解ベクトル、wは転置された解ベクトル、Hはヘッセ行列、hは調整行ベクトル、Cは線形制約の係数行列、およびvは制約ベクトルである。
図2は、線形制約の係数行列Cを示す図である。図2に示されるように、係数行列Cは、m×nの行列である。m=不等式制約pの数×予測時刻ステップ数Nである。係数行列Cは、上の行から不等式制約pの数ずつ、予測時刻ステップn=1、2、…、Nに対応した制約が表されるように設定される。各不等式制約は、対応する予測時刻ステップまでの制御変数による線形結合で表されるため、係数行列Cの0でない要素は、(制御変数の数×予測時刻ステップn)番目までの要素に限定される。以下では、説明のために、各不等式制約に対して上の行から順に制約番号1、2、…を付番する。
制御変数がスラック変数を含む場合、予測時刻ステップnの不等式制約は、予測時刻ステップnまでのスラック変数を除く制御変数と、予測時刻ステップnのスラック変数とによる線形結合で表されるため、予測時刻ステップ(n-1)までのスラック変数係数は、0である。
図3は、実施の形態に係る演算装置1の機能構成を示す図である。以下では、凸2次計画問題の最適解を求める手法として、演算装置1が主有効制約法を用いる例を説明するが、演算装置1は、他の手法を用いて最適解を求めてもよい。
図3に示されるように、演算装置1は、主な機能として、生成部21と、探索部22と、更新部23とを備える。演算装置1が備える各機能部は、プロセッサ12がメモリ13に記憶されたプログラムを実行することで実現される。なお、演算装置1が備える各機能部は、複数のプロセッサ12と複数のメモリ13とが連携することで実現されてもよい。
まず、演算装置1は、インターフェース11を介して式(8)で表される凸2次計画問題の評価関数J、式(9)で表される線形制約である不等式制約の集合、および初期解w0inを取得する。
生成部21は、インターフェース11によって取得された不等式制約の集合と初期解w0inとに基づき、有効制約の集合および実行可能初期解wを生成する。
探索部22は、最適化問題の評価関数J、生成部21によって生成された有効制約の集合、および解wを取得する。探索部22は、取得した有効制約の集合と評価関数Jとに基づき、凸2次計画問題の最適解を求めるための連立1次方程式を生成する。具体的には、探索部22は、有効制約のみを制約とする評価関数Jの最小化問題を解くための連立1次方程式を生成する。探索部22は、連立1次方程式の解yを求める。
更新部23は、生成部21によって生成された有効制約の集合および探索部22によって得られた解yを取得する。更新部23は、探索部22によって得られた解yに基づき有効制約の集合および解を更新し、有効制約の集合および最適解wを出力する。
図4を参照しながら、生成部21について具体的に説明する。図4は、実施の形態に係る生成部21の機能構成を示す図である。図4に示されるように、生成部21は、初期解生成部111と、最大制約追加部112と、追加判定部113と、1次従属判定部114と、有効制約追加部115とを備える。
初期解生成部111は、初期解w0inが式(9)で表される不等式制約の集合を満たす場合は、初期解w0inを実行可能初期解wとする。初期解生成部111は、初期解w0inが不等式制約の集合を満たさず、初期解w0inが実行不可能な解である場合は、下記の式(10)を用いて、不等式制約の集合を満たすような実行可能初期解wを生成する。
Figure 0007330313000005
式(10)において、添え字s[i]は、不等式制約に対応するスラック変数s(≧0)の解wにおける要素番号を表す。初期解生成部111は、式(10)において、スラック変数sをより大きな値に更新することで、式(9)の不等式制約の集合を満たすような実行可能初期解wを生成する。
最大制約追加部112は、各予測時刻において、不等式制約の集合のうち、最も大きなスラック変数値に更新した不等式制約を、最も制約値から外れる不等式制約(以下、「第3不等式制約」とも称する。)とする。最大制約追加部112は、第3不等式制約を、他の不等式制約よりも優先的に有効制約の集合に追加する。これにより、演算装置1は、以下で説明する追加判定部113、1次従属判定部114、および有効制約追加部115による処理を経て有効制約に追加される不等式制約よりも優先的に、最も制約値から外れる第3不等式制約を有効制約の集合に追加することができる。
不等式制約の集合のうち、第3不等式制約以外の他の不等式制約は、制約番号の小さい不等式制約から順に、追加判定部113、1次従属判定部114、および有効制約追加部115による処理が施される。
追加判定部113は、不等式制約の集合において有効制約の集合に追加する条件を満たす不等式制約(以下、「第1不等式制約」とも称する。)があるか否かを判定する。具体的には、追加判定部113は、下記の式(11)を用いて、実行可能初期解wにおいて、各不等式制約が有効制約であるための条件を満たすか否かを判定する。式(11)において、tolは、判定閾値であって小さな正の数である。
Figure 0007330313000006
不等式制約の集合のうち、式(11)の条件を満たす第1不等式制約は、有効制約の集合に追加される候補となる。
1次従属判定部114は、追加判定部113によって式(11)の条件を満たすと判定された第1不等式制約と、有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの不等式制約(以下、「第2不等式制約」とも称する。)とが1次従属であるか否かを判定する。すなわち、1次従属判定部114は、有効制約の集合に追加される候補となる第1不等式制約と、現在の有効制約として設定されている各第2不等式制約とが1次従属であるか否かを判定する。
具体的には、1次従属判定部114は、線形制約の係数行列Cにおいて、有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素(制御変数)の集合(以下、「第1集合」とも称する。)を特定する。さらに、1次従属判定部114は、現在の有効制約として設定されている少なくとも1つの第2不等式制約に含まれる係数が0でない要素(制御変数)の集合(以下、「第2集合」とも称する。)を特定する。1次従属判定部114は、第2集合が第1集合の部分集合であり、かつ、少なくとも1つの第2不等式制約に含まれる係数が0でない要素の数が、第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素の数以上である場合に、第1不等式制約と少なくとも1つの第2不等式制約とが1次従属であると判定する。
有効制約追加部115は、1次従属判定部114によって少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属でないと判定された第1不等式制約を、有効制約の集合に追加する。これにより、演算装置1は、有効制約として設定された複数の不等式制約を1次独立の関係に保つことができる。
図2に示されるように、モデル予測制御において生成される不等式制約の係数行列Cは、各制約に対応する予測時刻まで、係数が0でない制御変数が存在する。すなわち、予測時刻順に不等式制約を並べた場合、係数が0でない制御変数の数が後半の制約ほど多くなる。1次従属判定部114は、第1不等式制約と少なくとも1つの第2不等式制約とが1次従属であるか否かを判定する際に、第1集合および第2集合の各々を必ずしも具体的に求める必要はない。1次従属判定部114は、係数行列Cの0でない要素が各不等式制約に対応する予測時刻以前の制御変数に相当する要素のみに存在するという特徴を利用することで、以下のように1次従属フラグを用いて1次従属の有無を判定することができる。
具体的には、1次従属判定部114は、現在の有効制約として設定されている各第2不等式制約について、制約番号の小さい順に、係数が0でなく、かつ、未だ1次従属フラグが成立していない要素に対して、1次従属フラグを成立させる。1次従属判定部114は、少なくとも1つの第2不等式制約に含まれる係数が0でない要素のうち、第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素の全てに対して1次従属フラグが成立しているか否かを判定する。ここで、1次従属フラグが成立している場合、第2集合が第1集合の部分集合であるという条件を満たす第2不等式制約の数が、第1不等式制約の次元と同数存在する。このような場合、1次従属判定部114は、第1不等式制約と第2不等式制約とが1次従属であると判定することができる。
図5~図7を参照しながら、1次従属判定の一例を説明する。図5~図7は、1次従属判定の一例を示す図である。図5~図7では、線形制約の係数行列Cが不等式制約A、不等式制約B、および不等式制約Cを含む例を想定する。
図5に示されるように、演算装置1は、不等式制約Aを「第1不等式制約」として有効制約に追加するか否かを判定する場合、現在の有効制約として設定されている各第2不等式制約について、制約番号の小さい順に、係数が0でなく、かつ、未だ1次従属フラグが成立していない要素に対して、1次従属フラグを成立させる。ところが、不等式制約Aの制約番号よりも小さい制約番号に対応する不等式制約は存在しない。すなわち、不等式制約Aよりも前に有効制約として設定されている第2不等式制約は存在しないため、演算装置1は、不等式制約Aを有効制約として設定する。
図6に示されるように、演算装置1は、不等式制約Bを「第1不等式制約」として有効制約に追加するか否かを判定する場合、現在の有効制約として設定されている少なくとも1つの第2不等式制約について、制約番号の小さい順に、係数が0でなく、かつ、未だ1次従属フラグが成立していない要素に対して、1次従属フラグを成立させる。現在の有効制約として設定されている第2不等式制約は、不等式制約Aのみであるため、演算装置1は、不等式制約Aについて、係数が0でない要素に対して1次従属フラグを成立させる。
不等式制約Aは、xに対応する係数の要素が「1」であり、yに対応する係数の要素が「0」であり、zに対応する係数の要素が「0」である。すなわち、不等式制約Aは、「第2集合」として、xに対応する要素「1」を含む。図5に示されるように、演算装置1は、不等式制約Aについて、xに対応する要素「1」に対して1次従属フラグを成立させる。
不等式制約Bは、xに対応する係数の要素が「1」であり、yに対応する係数の要素が「0」であり、zに対応する係数の要素が「1」である。すなわち、不等式制約Bは、「第1集合」として、xに対応する要素「1」とzに対応する要素が「1」とを含む。
演算装置1は、第2集合が第1集合の部分集合であり、かつ、第2不等式制約(不等式制約A)に含まれる係数が0でない要素の数(この例では1)が、第1不等式制約(不等式制約B)に含まれる係数が0でない要素の数(この例では2)以上でないため、第1不等式制約(不等式制約B)と第2不等式制約(不等式制約A)とが1次従属でない、すなわち1次独立であると判定する。よって、演算装置1は、不等式制約Bを有効制約の集合に追加する。
図7に示されるように、演算装置1は、不等式制約Cを「第1不等式制約」として有効制約に追加するか否かを判定する場合、現在の有効制約として設定されている各第2不等式制約について、制約番号の小さい順に、係数が0でなく、かつ、未だ1次従属フラグが成立していない要素に対して、1次従属フラグを成立させる。現在の有効制約として設定されている第2不等式制約は、不等式制約Aおよび不等式制約Bであるため、演算装置1は、図5に示されるように、最初に不等式制約Aについて、係数が0でない要素に対して1次従属フラグを成立させる。次に、演算装置1は、図6に示されるように、不等式制約Bについて、係数が0でなく、かつ、未だ1次従属フラグが成立していない要素に対して1次従属フラグを成立させる。
不等式制約Aは、xに対応する要素「1」を含む。図5に示されるように、演算装置1は、不等式制約Aについて、xに対応する要素「1」に対して1次従属フラグを成立させる。
不等式制約Bは、xに対応する要素「1」とzに対応する要素が「1」とを含む。xに対応する要素「1」については、既に不等式制約Aにおいて1次従属フラグが成立しているため、図6に示されるように、演算装置1は、不等式制約Bについて、Zに対応する要素「1」に対してのみ1次従属フラグを成立させる。よって、有効制約として設定されている第2不等式制約(不等式制約A、不等式制約B)に含まれる係数が0でない要素の集合(第2集合)は、xに対応する要素とzに対応する要素とを含む。
不等式制約Cは、xに対応する係数の要素が「3」であり、yに対応する係数の要素が「0」であり、zに対応する係数の要素が「1」である。すなわち、不等式制約Cは、「第1集合」として、xに対応する要素「3」とzに対応する要素が「1」とを含む。
演算装置1は、第2集合が第1集合の部分集合であり、かつ、第2不等式制約(不等式制約A、不等式制約B)に含まれる係数が0でない要素の数(この例では2)が、第1不等式制約(不等式制約C)に含まれる係数が0でない要素の数(この例では2)以上であるため、第1不等式制約(不等式制約C)と第2不等式制約(不等式制約A、不等式制約B)とが1次従属であると判定する。よって、演算装置1は、不等式制約Cを有効制約の集合に追加しない。
このように、演算装置1は、1次従属フラグを用いることで、式(11)で表される有効制約であるための条件を満たす第1不等式制約と、有効制約として設定されている第2不等式制約とが1次従属であるか否かを判定することができる。
図2に示されるように、制約番号の小さい不等式制約ほど、対応する予測時刻が現在に近く、不等式制約の0でない要素の数が少ない。よって、演算装置1は、制約番号の小さい順、すなわち不等式制約の0でない要素の数が少ない順に、1次従属の有無を判定することで、未だ1次従属フラグが成立していない要素を容易に見つけることができる。
第1不等式制約と有効制約として設定されている第2不等式制約とが1次従属であるか否かを判定する場合、一般的には特異値分解などの数値演算手法を用いる必要がある。しかしながら、このような数値演算手法は、演算負荷が大きくなり得るため、リアルタイムで制御変数を決定しなければならない演算周期の短いモデル予測制御に適用することが困難である。
この点、実施の形態に係る演算装置1は、係数行列Cの0でない要素が各不等式制約に対応する予測時刻以前の制御変数に相当する要素のみに存在するという特徴を利用することで、第1不等式制約および第2不等式制約の各々について係数が0であるか否かで1次従属フラグを成立させる。演算装置1は、このような1次従属フラグを用いて1次従属判定を行うことで、演算負荷が大きくなることを極力抑えながら凸2次計画問題の最適解を求めることができる。
図8は、実施の形態に係る演算装置の演算処理を示すフローチャートである。演算装置1の演算処理は、プロセッサ12がメモリ13に記憶されたプログラムを実行することで実現される。なお、演算装置1の演算処理は、複数のプロセッサ12と複数のメモリ13とが連携することで実現されてもよい。
図8に示されるように、演算装置1は、生成処理を実行する(S1)。生成処理は、図2の生成部21が実行する処理に対応する。演算装置1は、生成処理を実行することで、インターフェース11によって取得された不等式制約の集合と初期解w0inとに基づき、有効制約の集合および実行可能初期解wを生成する。
演算装置1は、探索処理を実行する(S2)。探索処理は、図2の探索部22が実行する処理に対応する。演算装置1は、探索処理を実行することで、有効制約の集合と評価関数Jとに基づき、凸2次計画問題の最適解を求めるための連立1次方程式を生成するとともに、連立1次方程式の解yを求める。
演算装置1は、更新処理を実行する(S3)。更新処理は、図2の更新部23が実行する処理に対応する。演算装置1は、更新処理を実行することで、S2の処理によって得られた解yに基づき有効制約の集合および解を更新し、有効制約の集合および最適解を出力する。
図9は、実施の形態に係る演算装置1の生成処理を示すフローチャートである。図9に示される各処理は、図8の生成処理(S1)に含まれる。なお、図9において、S11の処理は、図4の初期解生成部111が実行する処理に対応する。S12およびS13の処理は、図4の最大制約追加部112が実行する処理に対応する。S14の処理は、図4の追加判定部113が実行する処理に対応する。S15およびS16の処理は、図4の1次従属判定部114が実行する処理に対応する。S17の処理は、図4の有効制約追加部115が実行する処理に対応する。
図9に示されるように、演算装置1は、初期解w0inが式(9)で表される不等式制約の集合を満たすか否かに応じて、実行可能初期解wを生成する(S11)。このとき、演算装置1は、初期解w0inが不等式制約の集合を満たさない場合、式(10)において、スラック変数sをより大きな値に更新することで、式(9)の不等式制約の集合を満たすような実行可能初期解wを生成する。
演算装置1は、不等式制約の集合のうち、最も大きなスラック変数値に更新した不等式制約を、最も制約値から外れる第3不等式制約として決定する(S12)。
演算装置1は、決定した第3不等式制約を、他の不等式制約よりも優先的に有効制約の集合に追加する(S13)。これにより、演算装置1は、以下で説明するS14~S17の処理を経て有効制約に追加される不等式制約よりも優先的に、最も制約値から外れる第3不等式制約を有効制約の集合に追加することができる。
演算装置1は、第3不等式制約以外の他の不等式制約について、制約番号の小さい不等式制約から順に、S14~S17の処理を実行する。
演算装置1は、不等式制約の集合において有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約があるか否かを判定する(S14)。演算装置1は、有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約がない場合(S14でNO)、S18の処理に移行する。
演算装置1は、有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約がある場合(S14でYES)、有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの第2不等式制約について、制約番号の小さい順に、係数が0でなく、かつ、未だ1次従属フラグが成立していない要素に対して、1次従属フラグを成立させる(S15)。
演算装置1は、図5~図7を参照しながら説明したように、1次従属フラグに基づき、有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約と、現在の有効制約として設定されている少なくとも1つの第2不等式制約とが1次従属であるか否かを判定する(S16)。演算装置1は、第1不等式制約と第2不等式制約とが1次従属である場合(S16でYES)、S17の処理をスキップしてS18の処理に移行する。
演算装置1は、第1不等式制約と第2不等式制約とが1次従属でない場合、すなわち第1不等式制約と第2不等式制約とが1次独立である場合(S16でNO)、第2不等式制約と1次従属でないと判定された第1不等式制約を有効制約の集合に追加する(S17)。
演算装置1は、不等式制約の集合に含まれる全ての不等式制約について有効制約への追加判定を行ったか否かを判定する(S18)。演算装置1は、全ての不等式制約について有効制約への追加判定を行っていない場合(S18でNO)、S14の処理に戻る。
演算装置1は、全ての不等式制約について有効制約への追加判定を行った場合(S18でYES)、生成処理を終了する。
図10は、実施の形態に係る演算装置1の探索処理を示すフローチャートである。図10に示される各処理は、図8の探索処理(S2)に含まれる。
演算装置1は、生成処理によって生成された有効制約の集合と評価関数Jとに基づき、凸2次計画問題の最適解を求めるための連立1次方程式を生成する(S21)。演算装置1は、有効制約のみを制約とする評価関数Jの最小化問題を解くための連立1次方程式を生成する。有効制約のみを制約とする評価関数Jの最小化問題は、下記の式(12)および式(13)で表される。
Figure 0007330313000007
演算装置1は、KKT(Karush-Kuhn-Tucker Condition)条件を含む連立1次方程式を下記の式(14)のように生成する。
Figure 0007330313000008
式(14)において、添え字のkは、演算装置1の演算反復回数に対応する。インターフェース11が最適化問題を取得し、その後、生成部21が演算した条件を用いて初めて探索部22が演算を行う場合、k=0になる。実行可能初期解Wの添え字はk=0を表す。すなわち解Wの添え字のkは、演算装置1の演算反復回数に対応する。yは、式(12)および式(13)で表される演算反復回数がkにおける最小化問題の解である。λは、各制約に対応するラグランジュ乗数である。
演算装置1は、数値解法を用いて、(式14)の解yを求める(S22)。連立1次方程式の解を求める方法としては、ガウスの消去法のような直接解法と、CG法(conjugate gradient method)およびGMRES法(Gen-eralized Minimal RESidual method)などの反復法を用いる手法とが知られている。なお、演算装置1は、これらの数値解法を実行する前に、数値的な収束性および安定性を高めるために、連立1次方程式に対して前処理を施してもよい。その後、演算装置1は、探索処理を終了する。
図11は、実施の形態に係る演算装置1の更新処理を示すフローチャートである。図11に示される各処理は、図8の更新処理(S3)に含まれる。
演算装置1は、探索処理によって得られた解yに基づき有効制約の集合および解を更新する(S31)。演算装置1は、有効制約の集合に追加または除去すべき制約を以下により決定し、解Wの更新を行う。
有効制約の集合に追加すべき制約がある場合、演算装置1は、次のようにして、有効制約の集合および解wk+1を決定する。具体的には、演算装置1は、探索処理によって得られた解yが式(9)で表される不等式制約の集合を1つ以上満たさない場合、下記の式(15)を用いて、解wk+1を決定する。
Figure 0007330313000009
式(15)において、αは、0<α<1、かつ、解wk+1が不等式制約の集合を満たす条件のもと、最も大きい値に設定される。さらに、演算装置1は、解wk+1に関して新たに等式制約を満たす制約を有効制約の集合に追加することで、更新された有効制約の集合を生成する。
一方、有効制約の集合に除去すべき制約がある場合、演算装置1は、次のようにして、有効制約の集合および解wk+1を決定する。具体的には、演算装置1は、探索処理によって得られた解yが式(9)で表される不等式制約の集合を全て満たす場合、下記の式(16)を用いて、解wk+1を決定する。
Figure 0007330313000010
演算装置1は、探索部22によって得られた解yについて、ラグランジュ乗数λ<0を満たすものが存在する場合、その中で最も絶対値の大きなものに対応する制約を有効制約の集合から取り除くことで、更新された有効制約の集合を生成する。
演算装置1は、有効制約の集合が更新されたか否かを判定する(S32)。具体的には、演算装置1は、有効制約の集合に不等式制約が追加されず、かつ、有効制約の集合から不等式制約が除去されていない場合(S32でNO)、最適解として解wk+1を出力して演算を終了する。
演算装置1は、有効制約の集合が更新された場合(S32でYES)、有効制約の更新回数が予め設定された上限値に達しているかを判定する(S33)。
演算装置1は、有効制約の更新回数が上限値に達している場合(S33でYES)、演算を終了する。演算装置1は、有効制約の更新回数が上限値に達していない場合(S33でNO)、更新した有効制約の集合、および、解wk+1を用いて、再びS2の探索処理を実行する。
このように、実施の形態に係る演算装置1は、生成部21によって生成された有効制約についての制約条件のもと、探索部22によって評価関数Jを最小化する解を探索する。演算装置1は、得られた解から更新部23によって有効制約の集合を更新し、更新された有効制約についての制約条件のもと、探索部22によって評価関数を最小化する解を探索する処理を繰り返す。演算装置1は、式(9)で表される全ての不等式制約を満たした上で、評価関数Jを最小化する最適解を求める。
従来の凸2次計画問題の最適解を求める演算装置においては、有効制約として設定された複数の不等式制約が1次独立の関係にない場合、最適解が満たすべき条件を含む連立1次方程式の次元が低下するため、最適解を求めることができないという課題があった。
これに対して、実施の形態に係る演算装置1は、追加判定部113によって、有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約があると判定した場合でも、1次従属判定部114によって、第1不等式制約と有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの第2不等式制約とが1次従属であると判定された場合は、有効制約追加部115によって、第1不等式制約を有効制約の集合に追加しない。これにより、演算装置1は、有効制約として設定された複数の不等式制約を1次独立の関係に保つことができ、探索部22によって、最適解を得られないという課題を解決することができる。それ以後、演算装置1は、更新部23によって有効制約の集合を更新するが、有効制約の集合に追加される不等式制約の決定方法から、有効制約として設定された不等式制約と1次従属となる不等式制約が追加されることは理論上ない。その結果として、演算装置1は、凸2次計画問題の最適解を求めることができる。
さらに、演算装置1に入力された不等式制約の集合のうち、有効制約として設定された不等式制約と1次従属となる不等式制約が存在し、その不等式制約を有効制約の集合に追加する場合、演算装置1は、追加する不等式制約のうちで物理的に最も厳しい制約のみを有効制約に追加しなければ最適解が得られない。
この点、演算装置1は、最大制約追加部112によって、各予測時刻において、最も制約値から外れる第3不等式制約を、他の不等式制約よりも優先的に有効制約の集合に追加する。さらに、演算装置1は、追加判定部113によって有効制約である条件を満たすと判定された第1不等式制約について、1次従属判定部114によって、最も制約値から外れる第3不等式制約を含む有効制約と1次従属であるか否かを判定し、有効制約と1次従属となる第1不等式制約を有効制約に追加しない。すなわち、演算装置1は、最も制約値から外れる第3不等式制約を有効制約の集合に追加した後に、有効制約である条件を満たすと判定された第1不等式制約のうち、第3不等式制約と1次従属となる第1不等式制約を有効制約の集合に追加しない。これにより、演算装置1は、物理的に最も厳しい不等式制約のみを有効制約の集合に追加することができる。
以上のように、本開示は、凸2次計画問題の最適解を求める演算装置1に関する。演算装置1は、凸2次計画問題の評価関数J、不等式制約の集合、および初期解w0inを取得するインターフェース11と、インターフェース11によって取得された評価関数J、不等式制約の集合、および初期解w0inに基づき最適解を求めるプロセッサ12とを備える。プロセッサ12は、生成部21と、探索部22と、更新部23とを備える。生成部21は、不等式制約の集合と初期解w0inとに基づき有効制約の集合を生成する。探索部22は、有効制約の集合と評価関数Jとに基づき生成される連立1次方程式の解を求める。更新部23は、探索部22によって得られた解に基づき有効制約の集合を更新する。生成部21は、追加判定部113と、1次従属判定部114と、有効制約追加部115とを備える。追加判定部113は、不等式制約の集合が有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約を含むか否かを判定する。1次従属判定部114は、条件を満たす第1不等式制約が有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であるか否かを判定する。有効制約追加部115は、1次従属判定部114によって少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属でないと判定された第1不等式制約を、有効制約の集合に追加する。
このような構成によれば、演算装置1は、有効制約として設定された少なくとも1つの第2不等式制約を1次独立の関係に保つことができ、演算負荷が大きくなることを極力抑えながら凸2次計画問題の最適解を求めることができる。
好ましくは、1次従属判定部114は、少なくとも1つの第2不等式制約の各々に含まれる係数が0でない要素が、第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素の部分集合である場合、かつ、少なくとも1つの第2不等式制約に含まれる係数が0でない要素の数が、第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素の数以上である場合に、第1不等式制約が少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であると判定する。
このような構成によれば、演算装置1は、モデル予測制御で得られる不等式制約において、0でない要素が各不等式制約に対応する予測時刻以前の制御変数に相当する要素のみに存在するという特徴を利用することで、第1不等式制約と少なくとも1つの第2不等式制約とが1次従属であるか否かの判定を、関係する不等式制約の係数が0であるか否かのみで行うことができる。これにより、演算装置1は、一般的な数値演算による判定手法と比べて演算負荷を抑えることができる。
好ましくは、1次従属判定部114は、少なくとも1つの第2不等式制約の制約番号の順に、係数が0でなく、かつ、1次従属フラグが成立していない要素に対して、1次従属フラグを成立させ、第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素の全てに対して1次従属フラグが成立している場合に、第1不等式制約が少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であると判定する。
このような構成によれば、演算装置1は、1次従属フラグを用いることで、第1不等式制約と少なくとも1つの第2不等式制約とが1次従属であるか否かを判定することができる。さらに、演算装置1は、1次従属フラグの生成を、関係する不等式制約の係数が0であるか否かのみで行うことができる。これにより、演算装置1は、一般的な数値演算による判定手法と比べて演算負荷を抑えることができる。
好ましくは、生成部21は、初期解w0inにおいて、不等式制約の集合のうち、各予測時刻において最も制約値から外れる第3不等式制約を、他の不等式制約よりも優先的に有効制約の集合に追加する。
このような構成によれば、演算装置1は、不等式制約の集合のうち、物理的に最も厳しい不等式制約のみを有効制約の集合に追加することができる。さらに、演算装置1は、最も制約値から外れる第3不等式制約を有効制約の集合に追加した後に、有効制約である条件を満たすと判定された第1不等式制約のうち、第3不等式制約と1次従属となる第1不等式制約を有効制約の集合に追加しないため、物理的に最も厳しい不等式制約のみを有効制約の集合に追加することができる。これにより、演算装置1は、適切に、凸2次計画問題の最適解を求めることができる。
本開示は、コンピュータ(プロセッサ12)による、凸2次計画問題の最適解を求める方法である。演算方法は、凸2次計画問題における不等式制約の集合と初期解w0inとに基づき有効制約の集合を生成するステップ(S1)と、有効制約の集合と凸2次計画問題における評価関数Jとに基づき生成される連立1次方程式の解を求めるステップ(S2)と、解を求めるステップ(S2)によって得られた解に基づき有効制約の集合を更新するステップ(S3)とを含む。生成するステップ(S1)は、不等式制約の集合が有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約を含むか否かを判定するステップ(S14)と、条件を満たす第1不等式制約が有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であるか否かを判定するステップ(S16)と、判定するステップ(S16)によって少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属でないと判定された第1不等式制約を、有効制約の集合に追加するステップ(S17)とを含む。
このような方法によれば、演算装置1のプロセッサ12(コンピュータ)は、有効制約として設定された少なくとも1つの第2不等式制約を1次独立の関係に保つことができ、演算負荷が大きくなることを極力抑えながら凸2次計画問題の最適解を求めることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 演算装置、11 インターフェース、12 プロセッサ、13 メモリ、21 生成部、22 探索部、23 更新部、111 初期解生成部、112 最大制約追加部、113 追加判定部、114 1次従属判定部、115 有効制約追加部。

Claims (5)

  1. 凸2次計画問題の最適解を求める演算装置であって、
    前記凸2次計画問題の評価関数、不等式制約の集合、および初期解を取得するインターフェースと、
    前記インターフェースによって取得された前記評価関数、前記不等式制約の集合、および前記初期解に基づき前記最適解を求めるプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    前記不等式制約の集合と前記初期解とに基づき有効制約の集合を生成する生成部と、
    前記有効制約の集合と前記評価関数とに基づき生成される連立1次方程式の解を求める探索部と、
    前記探索部によって得られた前記解に基づき前記有効制約の集合を更新する更新部とを備え、
    前記生成部は、
    前記不等式制約の集合が前記有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約を含むか否かを判定する追加判定部と、
    前記条件を満たす前記第1不等式制約が前記有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であるか否かを判定する1次従属判定部と、
    前記1次従属判定部によって前記少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属でないと判定された前記第1不等式制約を、前記有効制約の集合に追加する有効制約追加部とを備える、演算装置。
  2. 前記1次従属判定部は、前記少なくとも1つの第2不等式制約の各々に含まれる係数が0でない要素が、前記第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素の部分集合である場合、かつ、前記少なくとも1つの第2不等式制約に含まれる係数が0でない要素の数が、前記第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素の数以上である場合に、前記第1不等式制約が前記少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であると判定する、請求項1に記載の演算装置。
  3. 前記1次従属判定部は、
    前記少なくとも1つの第2不等式制約の制約番号の順に、係数が0でなく、かつ、1次従属フラグが成立していない要素に対して、前記1次従属フラグを成立させ、
    前記第1不等式制約に含まれる係数が0でない要素の全てに対して前記1次従属フラグが成立している場合に、前記第1不等式制約が前記少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であると判定する、請求項1に記載の演算装置。
  4. 前記生成部は、
    前記不等式制約における制約を緩和するスラック変数をより大きな値に更新することで、前記不等式制約の集合を満たす前記初期解を生成し、
    記不等式制約の集合のうち、最も大きな値の前記スラック変数に更新した前記不等式制約を、他の不等式制約よりも優先的に前記有効制約の集合に追加する、請求項1に記載の演算装置。
  5. コンピュータによる、凸2次計画問題の最適解を求める演算方法であって、
    前記凸2次計画問題における不等式制約の集合と初期解とに基づき有効制約の集合を生成するステップと、
    前記有効制約の集合と前記凸2次計画問題における評価関数とに基づき生成される連立1次方程式の解を求めるステップと、
    前記解を求めるステップによって得られた前記解に基づき前記有効制約の集合を更新するステップとを含み、
    前記生成するステップは、
    前記不等式制約の集合が前記有効制約の集合に追加する条件を満たす第1不等式制約を含むか否かを判定するステップと、
    前記条件を満たす前記第1不等式制約が前記有効制約の集合に含まれる少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属であるか否かを判定するステップと、
    前記1次従属であるか否かを判定するステップによって前記少なくとも1つの第2不等式制約と1次従属でないと判定された前記第1不等式制約を、前記有効制約の集合に追加するステップとを含む、演算方法。
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