以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
以下の実施の形態では、テーマパーク等において、1または複数の着ぐるみによるショー、着ぐるみとユーザとの写真撮影などが行われている場合に、ユーザが保持しているグッズに応じて、着ぐるみの発光部等の演出方法を制御する例、および、着ぐるみを装着する演者(アクター)に当該グッズを保持しているユーザが近くにいることを通知する例を説明する。
グッズは、着ぐるみのキャラクタに関連するものがある。例えば、当該キャラクタのぬいぐるみ、当該キャラクタが印刷されたタオルなどの日用品、当該キャラクタをユーザに想起させる帽子(キャラクタがかぶっている特徴的な帽子など)・シャツ(キャラクタが印刷されたものを含む)などの衣服、当該キャラクタが使用する物品(武器、防具などの装備品等)、食品等である。グッズは、着ぐるみが登場するコンテンツに関連するものであり得る。例えば、当該キャラクタが登場するゲーム、アニメ、ライトノベル、マンガなどのタイトル等が表示されたものであり得る。以上のように、グッズは、ユーザの身体に装着させるものもあれば(帽子、シャツなど)、ユーザが手に保持するものもあり(棒、ボールなど)、ユーザが装着も保持もしないものもあり得る(お菓子など)。
ユーザは、テーマパーク等の内外でグッズを購入可能である。例えば、グッズは、テーマパーク等において過去に購入可能であったもの、または、ユーザが現にテーマパーク等に来訪している期間においてテーマパーク等に入場することで購入可能なもの、ECサイト等で購入可能なものである。
以上のようにユーザが保持する物品に応じて、着ぐるみに備わる演出部の演出(着ぐるみに装着させるLED等による発光)を制御することで、ユーザに対し、グッズを保持することで得られる体験を提供することができる。例えば、グッズを保有していないユーザが着ぐるみの周囲に位置する場合の当該着ぐるみの発光部の演出と比較して、着ぐるみのキャラクタに関連するグッズをユーザが保有している場合に、着ぐるみの演出部に特定の演出をすることで、グッズを保有するユーザが着ぐるみから得られる体験をより豊かなものにすることができる。また、着ぐるみを装着する演者の端末装置において、特定のグッズを保持するユーザが近くに位置している場合に(例えば、キャラクタと関連があるグッズ(当該キャラクタの好物など))当該演者の端末装置に通知をすることで、演者は、グッズを保持するユーザに向けて、特別な動きを提供することができる。
<1 演出制御システム全体の構成図>
以下、具体的に、演出制御システム1について説明する。
図1は、演出制御システム1の全体の構成を示す図である。
図1に示すように、演出制御システム1は、イベント会場3で行われるショー、イベント(以下、「イベント等」ともいう)の演出を制御するためのシステムである。演出制御システム1は、複数の着ぐるみ10と、無線制御装置20とにより構成される。
図示する例では、無線制御装置20を操作するオペレータ2が、イベント会場3における複数の着ぐるみ10による演出の内容を決定して、着ぐるみ10の演出部16による演出(発光パターンなど)を制御する。また、オペレータ2が、観客ユーザ4の反応を見ながら、無線制御装置20の演出を制御する。
イベント等は、例えば、ゲーム、漫画、アニメ、小説、ドラマ等のコンテンツの世界観を表現するものである。イベント等は、屋外または屋内で開催される。イベント等を構成する演出として、コンテンツに登場するキャラクタを表す着ぐるみ10が登場することが含まれる。着ぐるみ10は、演者が着ぐるみ10の内部から着ぐるみ10の手足等の可動部を動かせる構造を有する。例えば、演者が着ぐるみ10を装着した際に、演者の手足を、着ぐるみ10の手足の部分に挿入できる構造としている。着ぐるみ10が尻尾等を有する場合に、これらを演者が操作することができることとしてもよい。
イベント等の演出には、図示するように、複数の着ぐるみ10(着ぐるみ10A、10B、10C、10Dの4つの着ぐるみ10を図示している)が登場すること、複数の着ぐるみ10が自ら移動すること(つまり、着ぐるみ10を装着する演者によって歩行すること)、船や車両などの移動体に乗ることで移動すること等が含まれる。イベント等において複数の着ぐるみ10を登場させる場合、様々な外観の着ぐるみを登場させることとしてもよいし、略同一の外観の複数の着ぐるみを登場させることとしてもよい。例えば、コンテンツに登場する仮想的なキャラクタの外観を模した着ぐるみを、複数、登場させることとしてもよい。ここで、略同一の外観の複数の着ぐるみを登場させる場合に、各着ぐるみに装着させる演出部が、それぞれ異なることとしてもよい。また、仮想的なキャラクタの外観を模した着ぐるみと、当該キャラクタに関連のあるキャラクタの外観を模した着ぐるみ(例えば、当該キャラクタを進化または変形させたキャラクタ、または、当該キャラクタとの人間関係等があるキャラクタ、の外観を模した着ぐるみ)とをイベント等において登場させることとしてもよい。これらイベント等に登場させる複数の着ぐるみは、それぞれ、別個に管理されている。後述するが、演出制御システム1に含まれる1または複数の装置において、着ぐるみそれぞれについて、各きぐるみを識別する情報(着ぐるみID)を対応付けて管理している。各装置は、各着ぐるみを識別する情報と関連付けて、キャラクタの種類の情報、同種のキャラクタである場合の個体差を示す識別番号(例えば、キャラクタ「A」を表す複数の着ぐるみがある場合に、各キャラクタ「A」の着ぐるみについて識別番号「1」等のシリアルナンバーを付与する)、着ぐるみが制作された時期、着ぐるみのサイズ、着ぐるみに備わる演出部16の配置パターン、演出部16の性能などの情報を管理している。演出制御システム1は、イベント会場3等に設置されるカメラ等のセンシング結果に基づいて、パフォーマンスを行っている各着ぐるみを識別する情報を取得する(後述するセンシング結果データベース381において、着ぐるみを特定した結果を保持する例を説明している)。図1において図示しない処理サーバ30(後述する)は、着ぐるみを識別する情報に基づいて、各着ぐるみに演出を行わせるための指示を無線制御装置20等に送信する。
着ぐるみ10を用いた演出として、光による視覚的な演出と、音による聴覚的な演出とが含まれる。例えば、着ぐるみ10に、LEDなどの発光部材を装着させ、音楽にあわせて発光パターンを制御することが含まれる。図示する例では、着ぐるみ10に、発光部材としての演出部16(演出部16A、16B、16C、16D)が備え付けられている。例えば、着ぐるみ10の頭部、腕部、脚部、胴体部、尻尾部に、演出部16を備え付けることとしてもよい。
なお、光による演出の方法としては、LED(light emitting diode)による発光に限らず、レーザー光など直進性の高い光を照射することとしてもよい。また、光以外の演出の方法として、音による演出をする場合、BGMにあわせて着ぐるみ10がダンス等を行うこと、指向性の高いスピーカにより、特定の位置で聞こえる音声を提供することとしてもよい。
無線制御装置20は、複数の着ぐるみ10による演出を制御するための装置である。オペレータ2は、無線制御装置20を操作する。オペレータ2が、複数の着ぐるみ10のそれぞれと、演出パターンとを指定することで、複数の着ぐるみ10それぞれによる演出を制御する。
観客ユーザ4は、イベント会場3に来訪することにより、イベント会場3で開催されるイベント等を楽しむユーザである。イベント等は、イベント会場3への入退場に対して無料で開催されている場合もあれば、イベント会場3への入退場に対して制限を加えて有料で開催されている場合もある。例えば、イベント等が有料で開催される場合には、観客ユーザ4は、事前にイベント等のチケットを入手し、イベント会場3で受け付け処理を行うことにより、イベント会場3で開催されるイベント等を見ることができる。すなわち、演出制御システム1は、観客ユーザ4が来訪したことを記録するための受付システムを含むこととしてもよい。
観客ユーザ4は、グッズ5A、グッズ5B(以下、「グッズ5」と総称することもある)等を保持する。例えば、観客ユーザ4は、イベント会場3の周辺で購入可能な場所で、グッズ5A、グッズ5B等を購入する。グッズ5は、観客ユーザ4の身体の部位で保持される(手に把持される)ものであってもよいし、頭部や首、腕、足、胴体などユーザの身体に装着するものであってもよい。グッズ5は、他の装置と通信をすることができる通信部を有していてもよいし、通信部を有さないこととしてもよい。例えば、通信部は、アンテナ等により信号を送受信するものであってもよいし、発光源から発せられる光(赤外線など)を受信する受光部であってもよい。すなわち、グッズ5は、これら発光部、受光部などにより通信を行う構成を有しないこととしてもよいし、有していてもよい。
オペレータ2は、観客ユーザ4が保持するグッズ5A、グッズ5B等を確認しながら、複数の着ぐるみ10による演出の内容を決定して、着ぐるみ10の演出部16による演出を制御する。
また、観客ユーザ4は、端末装置40Aを保持している。観客ユーザ4は、自身の端末装置40Aを操作して、ゲームプログラムに基づくゲームを進行させることもできる。オペレータ2は、イベント会場3の周囲のユーザの情報をディスプレイ等で確認しつつ、着ぐるみ10の演出部16による演出、または、着ぐるみ10を装着する演者への通知を行う。例えば、オペレータの端末装置と、イベント会場3の周囲のユーザが保持する端末装置40Aとが、近距離無線通信等で通信することにより、ユーザの情報を、オペレータの端末装置のディスプレイに表示させることができる。
図2は、演出制御システム1の全体の構成を示す図である。図2の例では、複数の着ぐるみ10の一部として、着ぐるみ10Aを示している。観客ユーザ4の端末装置40Aは、処理サーバ30、ゲームサーバ9と通信する。本実施形態において、各装置(端末装置、サーバ等)を情報処理装置として把握することもできる。すなわち、各装置の集合体を1つの「情報処理装置」として把握することができ、演出制御システム1を複数の装置の集合体として形成してもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係る演出制御システム1を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又は演出制御システム1に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
処理サーバ30は、端末装置40Aと通信することにより、着ぐるみ10の周囲のユーザの情報を取得する。処理サーバ30は、着ぐるみ10の演出内容を決定し、無線制御装置20へ送信する。
ゲームサーバ9は、端末装置40Aで動作するゲームプログラムに基づくゲームを提供するための装置である。ゲームサーバ9は、各プレイヤーの情報を保持する。
着ぐるみ10Aは、無線受信機12と、入力装置13と、出力装置14と、記憶部15と、演出部16と、制御部19とを含む。
着ぐるみ10Aを装着する演者は、着ぐるみ10Aの内部に備わる端末装置50Aを操作可能である。
無線受信機12は、着ぐるみ10Aが他の無線機器と通信するため、アンテナを介して信号を受信するための変復調処理などを行う。無線受信機12は、無線信号を送信する構成を有していてもよい。無線受信機12は、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。無線受信機12は、着ぐるみ10Aが送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部19等へ与える。
入力装置13は、着ぐるみ10Aを装着する演者からの操作を受け付けるための装置であり、例えば物理的なボタンである。
出力装置14は、着ぐるみ10Aを装着する演者、または、観客ユーザ4に対して情報を出力するための装置である。例えば、ディスプレイ、スピーカ等により構成される。例えば、無線制御装置20の制御により着ぐるみ10Aの演出パターンが変更された場合に、着ぐるみ10Aの演者に対し、演出パターンが変更された旨を示す音声をスピーカから出力する。また、例えば、着ぐるみ10Aの周囲の観客ユーザ4に対し、ディスプレイにより所定の情報を提示する。
記憶部15は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等により構成され、着ぐるみ10Aが使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部15は、演出部16により演出をするための各種設定を記憶する。記憶部15は、例えば、演出部16を構成する発光部の発光パターンの設定を記憶する。着ぐるみ10Aは、無線制御装置20から発光パターンの指定を受信する都度、発光パターンの設定を更新する。
制御部19は、記憶部15に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、着ぐるみ10Aの動作を制御する。制御部19は、例えばプロセッサである。
なお、図示していないが、着ぐるみ10Aは、電池等の電力供給源を保持しており、制御部19、演出部16等に電力を供給する。例えば、着ぐるみ10Aを装着する演者が所定の操作を行うことにより、これら演出部16等へ電力を供給するモードを切り替え可能であるとしてもよい。例えば、イベント等の演出が始まる前では、省電力モードとし、イベント等の演出が始まることにあわせて省電力モードを解除するよう、演者が操作することができるようにしてもよい。また、無線制御装置20の制御により、演者の操作によらずとも着ぐるみ10Aの電力の供給を制御できることとしてもよい。例えば、着ぐるみ10Aが、無線制御装置20から信号を受信したことに応答して、電力の消費モードを切り替えることとしてもよい。
無線制御装置20は、無線送信機22と、操作卓23と、ディスプレイ24と、記憶部25と、制御部29とを含む。
無線送信機22は、無線制御装置20が他の無線機器と通信するため、アンテナを介して信号を送信するための変復調処理などを行う。無線送信機22は、無線信号を受信する構成を有していてもよい。無線送信機22は、チューナー、RSSI算出回路、CRC算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。無線送信機22は、無線制御装置20が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部29等へ与える。
操作卓23は、オペレータ2からの操作を受け付けるための装置である。詳細は後述するが、操作卓23は、複数の着ぐるみ10のそれぞれの演出パターンを制御するための操作を受け付ける。例えば、無線制御装置20が無線信号の送信に使用できる無線チャネルについて、複数の着ぐるみ10のそれぞれに無線チャネルを割り当てる場合に、オペレータ2が無線チャネルの範囲を特定することで、どの着ぐるみ10の演出パターンを制御するかをオペレータ2が指定することができる。
ディスプレイ24は、オペレータ2に対し、情報を提示するための装置である。
記憶部25は、着ぐるみ10の演出部16により演出をするための演出パターンを記憶する。例えば、演出部16が発光部により構成される場合、記憶部25は、演出パターンとして、発光部を発光させるタイミングを規定した情報を記憶する。
制御部29は、記憶部25に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、無線制御装置20の動作を制御する。制御部29は、例えばプロセッサである。制御部29は、操作卓23に対するオペレータ2の入力操作に応答して、複数の着ぐるみ10それぞれの演出を制御するための無線信号を生成し、着ぐるみ10それぞれに送信する処理を行う。制御部29は、ディスプレイ24に表示する内容に基づき映像信号を生成し、生成した映像信号に基づきディスプレイ24に映像を表示させる。
処理サーバ30は、通信部32と、ストレージ33と、メモリ35と、プロセッサ39とを備える。通信部32は、処理サーバ30が他の装置と通信するための変復調処理などを行う。ストレージ33は、処理サーバ30においてデータベース等を保持するための記憶領域として使用される。メモリ35は、処理サーバ30がプログラムに基づき処理を行うための一時的な記憶領域として使用される。プロセッサ39は、メモリ35等からプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、処理サーバ30の動作を制御する。
図3は、無線制御装置20が複数の着ぐるみ10の演出パターンを制御するための構成の詳細を示す図である。
着ぐるみ10と無線制御装置20とは、無線信号による制御を可能とするために、所定の通信プロトコルに対応した装置構成を有している。本実施形態では、着ぐるみ10を11体登場させる(着ぐるみ10A、10B、・・・10K)こととする。
無線制御装置20は、着ぐるみ10それぞれに対応して、複数の無線送信機22(無線送信機22A、22B、・・・22K)を有している。本実施形態では、無線制御装置20は、最大で512チャネルを使用することができるものとし、そのうち363チャネルを使用する。
着ぐるみ10Aは、無線受信機12Aと、演出部16Aとを含む。演出部16Aは、複数の発光部(発光部16A1、16A2、・・・)を含む。各発光部は、複数の単色発光部材により構成される。例えば、各発光部は、3色(RGB)を混合することで任意の色を表現できるよう、赤色を発光するLEDと、青色を発光するLEDと、緑色を発光するLEDとにより構成されることとしてもよい。図示する例では、着ぐるみ10Aは、演出部16Aとして、11系統の発光部(発光部16A1、A2、・・・A11)を備える。各発光部は、3つの発光部材を備えることとし、それぞれの発光部材に対応して3チャネルを割り当てている。したがって、着ぐるみ10Aには、33チャネル(11系統の発光部、および、各発光部に3チャネル)が割り当てられている(第1チャネル~第33チャネル)。
同様に、着ぐるみ10Bは、無線受信機12Bと、演出部16Bとを備える。演出部16Bは、11系統の発光部を備える。着ぐるみ10Aの場合と同様に、着ぐるみ10Bには、33チャネルが割り当てられている(第34チャネル~第66チャネル)。同様に、着ぐるみ10Kには、33チャネルが割り当てられている(第331チャネル~第363チャネル)。無線受信機12は、無線制御装置20から送信される無線信号を受信して、自機に割り当てられているチャネルの信号を取得する。
無線制御装置20において、操作卓23と、複数の無線送信機22それぞれとを、デイジーチェインにより接続する。操作卓23、複数の無線送信機22のそれぞれには、信号の入力を受け付けるコネクタと、信号を出力するコネクタとがあり、各コネクタをケーブルで接続する。
無線制御装置20は、512チャネルに対応した8ビットのコードを記憶部25に記憶させる。オペレータ2が操作卓23に対して操作をすることにより、記憶部25に記憶される8ビットのコードが更新される。無線制御装置20の制御部29は、記憶部25に記憶される8ビットのコードをもとに送信信号を生成する。送信信号は、例えば、スタートビットとストップビットとを含む。無線制御装置20は、記憶部25に記憶されるコードに基づいて、逐次、複数の着ぐるみ10に対して無線信号を送信する。
無線制御装置20は、512チャネルの信号を送信し終える前に、次の信号を送信することとしてもよい。本実施形態では、512チャネルのうち、11体の着ぐるみ10を制御するために363チャネルを使用することとしているため、363チャネルの信号を送信し終えたことに応答して、次の信号を送信することとしてもよい。
また、複数の着ぐるみ10の個体数が増減することに応じて、無線制御装置20から着ぐるみ10へ送信する信号の周期を変更することとしてもよい。例えば、イベント会場3に登場する着ぐるみ10の数が11体から5体に減少する場合、着ぐるみ10の演出に必要なチャネルの数は165チャネル(例えば、第1チャネル~第165チャネル)となる。無線制御装置20は、オペレータ2の操作に応じて、無線信号を着ぐるみ10へ送信する周期を変更することとしてもよい。これにより、オペレータ2の操作に応じて着ぐるみ10の演出パターンを切り替える場合に、より短い期間で切り替えることができる。
<動作>
図4は、無線制御装置20が着ぐるみ10の演出パターンを制御する処理を示すフローチャートである。以下の例では、オペレータ2が、随時、無線制御装置20を操作して、各着ぐるみ10の演出を制御する。オペレータ2は、イベント会場3の観客ユーザ4、当該観客ユーザが保持するグッズ5A、観客ユーザ4が着ぐるみ10による演出を体感したうえでの反応(驚きなど)を確認しつつ、各着ぐるみ10の演出内容(発光パターンなど)を決めて、無線制御装置20を操作して、各着ぐるみの演出部16に演出をさせる。
ステップS405において、無線制御装置20は、オペレータ2から、操作卓23を介して、各着ぐるみ10に対応する情報と、演出部16を構成するLEDの演出パターンとの指定を受け付ける。無線制御装置20は、ユーザの指定に応じて、複数の着ぐるみ10の無線受信機12へ送信する無線信号を生成するためのコードを更新する。
ステップS409において、無線制御装置20は、各着ぐるみ10の演出パターンの指定に応じて、無線信号を生成する。無線制御装置20は、記憶部25に記憶されるコードに基づいて、363チャネルの信号を生成する。
ステップS413において、無線制御装置20は、各無線送信機22(22A、22B、・・・)により、無線受信機12(12A、12B、・・・)へ、各着ぐるみ10の演出パターンを示す無線信号を送信する。
ステップS455において、各着ぐるみ10は、無線受信機12により、対応するチャネルの無線信号を受信する。
ステップS457において、各着ぐるみ10は、無線信号に示される演出パターンに応じて、演出部16の発光部(LED)を発光させる。
例えば、無線制御装置20が、演出パターンとして、特定の着ぐるみ10の発光部を点滅させる演出を行う場合、特定の着ぐるみ10に対応するチャネルにおいて、特定の着ぐるみ10の発光部を発光させる無線信号と、当該発光部を発光させない無線信号とを交互に生成して当該着ぐるみ10に送信する。着ぐるみ10は、無線信号に基づいて、発光部を発光させること及び発光させないことにより、発光部を点滅させることとしてもよい。
また、着ぐるみ10において、演出パターンごとに発光部の発光パターンを保持する場合、無線制御装置20は、演出パターンを識別する情報を着ぐるみ10へ送信することとしてもよい。これにより、着ぐるみ10は、演出パターンを識別する情報に基づいて演出部16による演出を行うことができ、各発光部の発光を制御することができる。
<小括>
以上の第1の実施の形態によると、オペレータ2は、イベント会場3における着ぐるみ10の演出に対して観客ユーザ4が見せる反応(身体の動き、表情に現れる感情)を確認しつつ、着ぐるみ10の演出パターンを制御すること、着ぐるみ10を装着する演者の端末装置50に、演出に関する指示を送信することができる。
また、イベント会場3の近くにいる観客ユーザ4を検出することで、観客ユーザ4のゲームプレイの状況に応じた情報をオペレータ2、着ぐるみ10を装着する演者に通知することができ、観客ユーザ4のゲームプレイの状況に応じた演出を行うことができる。例えば、イベント会場3の近くにいる観客ユーザ4を検出する方法として、観客ユーザ4から、イベント会場へのチェックインを受け付けることがあり得る。例えば、観客ユーザ4がイベント会場3に入場する際に、端末装置40Aで動作するゲームプログラムにおいてユーザのアカウントを表す二次元コードを生成して端末装置40Aに表示させる。イベント会場3の受付を担当するスタッフの端末で当該二次元コードを読み込むことにより、観客ユーザ4のゲームアカウントの情報を特定することができる。この他に、観客ユーザ4が、イベント会場3におけるイベントを見るために事前にテーマパーク等のウェブサイトでチケットを購入することがあり得る。当該ウェブサイトにおいて、観客ユーザ4がチケットを購入する際に、当該ウェブサイトにログインするためのアカウントの情報を必要とし、観客ユーザ4の端末装置40で当該チケットを二次元コード等により電子的に表示する(ディスプレイに表示させる)こととしてもよい。イベント会場3における入退場を管理するスタッフが、観客ユーザ4の端末装置40に表示されるチケットの情報および二次元コードを、当該スタッフ用の端末で読み取ることにより、イベント会場3の近くにいる観客ユーザ4の情報を処理サーバ30等が管理することができる。無線制御装置20は、チェックインの結果に基づき、チェックインを行ったゲームアカウントのゲーム進行状況(プレイヤーのレベル、操作キャラクタ、保有しているキャラクタ、保有しているゲームアイテムの情報等)をディスプレイ24に表示することができる。また、無線制御装置20は、チェックインを行ったゲームアカウントのゲーム進行状況の情報を、着ぐるみ10を装着する演者の端末装置50Aに通知することができる。
この他に、無線制御装置20は、イベント会場3の近くにいる観客ユーザ4のゲームアカウントの情報に基づき、ゲームの進行状況に応じて各着ぐるみ10の演出パターンを、オペレータ2の操作によらず決定してもよく、ゲームの進行状況に応じた演出内容の指示を演者の端末装置50Aに通知することとしてもよい。これらの処理については別の実施の形態で説明する。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、(i)複数の着ぐるみ10それぞれの位置に応じて無線制御装置20が着ぐるみ10による演出パターンを制御する例を説明する。これにより、オペレータ2の操作によらずとも、イベント等の演出を制御することができ得る。
(ii)また、イベント等を見る観客ユーザ4の位置に応じて着ぐるみ10による演出パターンを制御する例を説明する。以上のように構成することで、イベント等の会場における観客ユーザの反応に応じて、演出を制御することができる。
(iii)また、無線制御装置20が演出を制御する対象として、着ぐるみ10の他に、イベント会場3の周囲にある建物、イベント会場3の周囲を飛行する飛行体がある例を説明する。
(iv)着ぐるみ10の周囲に、特定のグッズ(グッズ4Aなど)を保持している観客ユーザ4が位置していることを検出して、着ぐるみ10の演出部16に特定の演出を行わせること、また、着ぐるみ10を装着する演者の端末装置50Aに当該観客ユーザ4に関する情報を通知する例を説明する。この例において、観客ユーザ4が、特定のグッズで、グッズを動かす(着ぐるみ10にアイテムを与えるかのように身体を振る動作、着ぐるみ10に対して物体を投げるかのように身体を振る動作など)動作をしたことを処理サーバ30等で検出し、当該検出に応じて、着ぐるみ10の演出等をする例を説明する。
(v)着ぐるみ10の周囲に、特定の情報に関連付けられる観客ユーザ4(例えば、ゲームサーバ9のゲームアカウントを有している観客ユーザ4、着ぐるみ10に関連するキャラクタアイテム等をECサイト等で購入している観客ユーザ4)が位置していることを検出して、着ぐるみ10の演出部16に特定の演出を行わせること、また、着ぐるみ10を装着する演者の端末装置50Aに当該観客ユーザ4に関する情報を通知する例を説明する。この例において、観客ユーザ4が、端末装置40Aで、プログラムに基づき動作をし、観客ユーザ4から所定の入力操作(ゲームアイテムを使用する操作など)を受け付けたことを処理サーバ30等が検出することにより、着ぐるみ10の演出等をする例を説明する。
(vi)以上のように、着ぐるみ10の演出部16による演出を行うこと、着ぐるみ10の演者に情報を通知する例の他に、観客ユーザ4に対し、着ぐるみ10に関する情報を通知する例についても説明する。例えば、着ぐるみ10による演出の履歴をデータベースとして蓄積することにより、観客ユーザ4に対し、イベント会場3の着ぐるみ10が、特定の着ぐるみ10であること(観客ユーザ4が過去に見たことがある着ぐるみ10であること)を通知する。また、観客ユーザ4に対し、観客ユーザ4が過去に見た着ぐるみ10を装着していた演者であることを通知する。これにより、観客ユーザ4が、テーマパーク等で着ぐるみ10による演出をより豊かに体験することができる。
(vii)複数の着ぐるみ10のそれぞれについて、複数の観客ユーザ4を割り当てて、観客ユーザ4に対し、割り当てられている着ぐるみ10の情報を通知する例を説明する。これにより、観客ユーザ4が、テーマパーク等で着ぐるみ10による演出をより豊かに体験することができ、テーマパーク側も、着ぐるみ10それぞれの周囲に集まるであろう観客ユーザの動きを予測して、イベント会場3における演出を円滑に行うことができる。その結果、観客ユーザ4の体験をより豊かにすることができる。
図5は、第2の実施の形態における演出制御システムの全体の構成を示す図である。
図5に示すように、イベント会場3の周囲に、建造物60が配置されている。建造物60は、演出部61を備える。演出部61は、例えば、発光部、ディスプレイ、スピーカ等により構成される。また、イベント会場3の上空に、飛行体55が飛行している。飛行体55は、例えば1または複数のドローンである。飛行体55は、レーザー光を照射する発光部等を備える。飛行体55は、カメラを備え、イベント会場3の着ぐるみ10、および、着ぐるみ10の周囲の観客ユーザ4を上空から撮影する。
処理サーバ30は、これらイベント会場3においてセンシングする各装置(飛行体55、カメラ70など)のセンシング結果を取得する。処理サーバ30は、センシング結果に基づき、特定のグッズ(例えば、テーマパーク等の内部で過去または現在において販売されたグッズ)を保持する観客ユーザ4を検出する。処理サーバ30は、センシング結果に基づき、特定のグッズを認識し、認識したグッズの種類、当該グッズを購入可能な時期等に基づいて、着ぐるみ10の演出内容を決定し、無線制御装置20により演出を行わせること、また、着ぐるみ10を装着する演者の端末装置50に通知する内容を決定し、決定した内容を端末装置50へ通知することとしてもよい。
例えば、端末装置50において、着ぐるみ10の周囲の観客ユーザ4が保持するグッズの種類(どのキャラクタのグッズであるか等)、グッズを購入可能な時期(テーマパーク等で開催中のイベントに関連するグッズであるか等)の情報を演者に対し表示することとしてもよい。
処理サーバ30は、観客ユーザ4を特定することにより、当該観客ユーザ4がイベント会場3およびイベント会場3を有する施設等に来訪した履歴を取得して、端末装置50に対し、観客ユーザ4が、着ぐるみ10による演出が行われる場所(イベント会場3などの場所)、施設へ来訪した履歴、または、着ぐるみ10による演出が行われるイベントへ来訪した履歴についての情報を表示させることとしてもよい。これにより、演者は、観客ユーザ4がどの程度キャラクタ等に愛着を抱いているかを把握したうえで、着ぐるみ10による動きのパフォーマンスを提供することができる。
処理サーバ30は、端末装置50に対し、観客ユーザ4が、端末装置40A等において動作するプログラム(ゲームプログラムなど)における観客ユーザ4の操作の履歴に基づく情報(例えば、ゲームプログラムに基づくゲームにおいてユーザが操作に応じてゲームを進行させている状況)を通知することとしてもよい。これにより、演者は、着ぐるみ10のキャラクタ等が登場するプログラムにおける観客ユーザ4の進行状況(どこまでプレイヤーレベルを上げたか、どこまでキャラクタレベルを上げたか、どのキャラクタを使用しているか)を把握したうえで、着ぐるみ10による動きのパフォーマンスを提供することができる。
また、観客ユーザ4の端末装置40Aと、着ぐるみ10を装着する演者の端末装置50とが、近距離無線通信等により通信接続することにより、観客ユーザ4の情報を、端末装置50へ通知することとしてもよい。例えば、端末装置40Aまたは端末装置50がビーコン信号を送出することにより、近くの他の端末装置を検出することができる。
無線制御装置20は、建造物60の演出部61による演出を制御することができる。すなわち、建造物60の演出部61は、実施の形態1で説明したような無線受信機12等と同等の構成を有することにより、無線制御装置20から送信される無線信号に応じて、発光部の発光等を行う。
無線制御装置20は、飛行体55の演出部による演出を制御することができる。例えば、無線制御装置20は、飛行体55からイベント会場3へのレーザー光の照射などの演出を制御する。
第2の実施の形態において、演出制御システムは、複数の着ぐるみ10の位置と、観客ユーザ4の位置と、イベント等を見物する観客ユーザ4の反応等を検出する検出装置を備える。
着ぐるみ10および観客ユーザ4の位置は、カメラの撮影画像または位置情報センサにより取得することとしてもよい。
例えば、着ぐるみ10のそれぞれにGPS(Global Positioning System,)センサを搭載することにより、着ぐるみ10の位置を特定することとしてもよい。また、観客ユーザ4の端末に位置情報センサが搭載される場合、これら端末の位置情報センサの出力に基づいて、観客ユーザ4の位置を特定することとしてもよい。
例えば、建造物60に、カメラ70が設置される。カメラ70は、イベント会場3における複数の着ぐるみ10の位置を検出することができる。なお、飛行体55が有する図示しないカメラによってイベント会場3を撮影し、撮影した画像を解析することにより、複数の着ぐるみ10の位置を検出することとしてもよい。
また、カメラ70は、観客ユーザ4を撮影することにより、撮影エリアに含まれる特定の観客ユーザ4の位置を検出することや、不特定多数の観客ユーザ4の人数を検出することができることとしてもよい。これにより、イベント会場3において観客ユーザ4が集まる位置を検出することができる。例えば、観客ユーザ4が集まる位置は、イベント等において観客ユーザ4の関心が高い位置ともいえるため、イベント等の構成において観客ユーザ4の反応が高い演出の内容をイベント中に、またはイベント後において特定することができる。
イベント等を見物する観客ユーザ4の反応は、カメラの撮影画像または音声に基づいて検出することとしてもよい。
カメラ70等によって観客ユーザ4を撮影することにより、イベント等を見物する観客ユーザ4の反応を検出することができる。例えば、カメラ70等の撮影画像に基づいて、観客ユーザ4の目線、観客ユーザ4の感情を判定することができ、イベント等の演出における観客ユーザ4の反応が高い内容を特定することができ得る。なお、飛行体55が有する図示しないカメラによってイベント会場3を含む一帯を撮影することにより、観客ユーザ4の反応を検出することとしてもよい。また、観客ユーザ4の反応を検出する方法としては、撮影画像による例の他に、観客ユーザ4の音声を検出することにより実現してもよい。例えば、イベント会場3の周囲一帯にマイク等を設置することにより、観客ユーザ4の歓声等を検出し得る。
<機能的構成>
図6は、観客ユーザ4の端末装置40のブロック図である。図6に示すように、端末装置40は、複数のアンテナ(アンテナ411、アンテナ412)と、各アンテナに対応する無線通信部(第1無線通信部421、第2無線通信部422)と、操作受付部430(タッチ・センシティブ・デバイス431およびディスプレイ432を含む)と、音声処理部440と、マイク441と、スピーカ442と、位置情報センサ450と、カメラ460と、記憶部480と、制御部490と、を含む。端末装置40は、図6では特に図示していない機能及び構成(例えば、電力を保持するためのバッテリ、バッテリから各回路への電力の供給を制御する電力供給回路など)も有している。図6に示すように、端末装置40に含まれる各ブロックは、バス等により電気的に接続される。
アンテナ411は、端末装置40が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ411は、空間から電波を受信して受信信号を第1無線通信部421へ与える。
アンテナ412は、端末装置40が発する信号を電波として放射する。また、アンテナ412は、空間から電波を受信して受信信号を第2無線通信部422へ与える。
第1無線通信部421は、端末装置40が他の無線機器と通信するため、アンテナ411を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第2無線通信部422は、端末装置40が他の無線機器と通信するため、アンテナ412を介して信号を送受信するための変復調処理などを行う。第1無線通信部421と第2無線通信部422とは、チューナー、RSSI(Received Signal Strength Indicator)算出回路、CRC(Cyclic Redundancy Check)算出回路、高周波回路などを含む通信モジュールである。第1無線通信部421と第2無線通信部422とは、端末装置40が送受信する無線信号の変復調や周波数変換を行い、受信信号を制御部490へ与える。
操作受付部430は、ユーザの入力操作を受け付けるための機構を有する。具体的には、操作受付部430は、タッチスクリーンとして構成され、タッチ・センシティブ・デバイス431と、ディスプレイ432とを含む。タッチ・センシティブ・デバイス431は、端末装置40のユーザの入力操作を受け付ける。タッチ・センシティブ・デバイス431は、例えば静電容量方式のタッチパネルを用いることによって、タッチパネルに対するユーザの接触位置を検出する。タッチ・センシティブ・デバイス431は、タッチパネルにより検出したユーザの接触位置を示す信号を入力操作として制御部490へ出力する。
ディスプレイ432は、制御部490の制御に応じて、画像、動画、テキストなどのデータを表示する。ディスプレイ432は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイによって実現される。
音声処理部440は、音声信号の変復調を行う。音声処理部440は、マイク441から与えられる信号を変調して、変調後の信号を制御部490へ与える。また、音声処理部440は、音声信号をスピーカ442へ与える。音声処理部440は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク441は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部440へ与える。スピーカ442は、音声処理部440から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置40の外部へ出力する。
位置情報センサ450は、端末装置40の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される端末装置40の現在位置を検出する。例えば、ゲームプログラム481に基づくゲームにおいて、フレンド登録しているユーザの位置を参照可能にしている場合、端末装置40は、ユーザの近くにいるフレンドの一覧をディスプレイ432に表示することができる。
カメラ460は、受光素子により光を受光して、撮影画像として出力するためのデバイスである。カメラ460は、例えば、カメラ460から撮影対象までの距離を検出できる深度カメラである。
記憶部480は、例えばフラッシュメモリ等により構成され、端末装置40が使用するデータおよびプログラムを記憶する。ある局面において、記憶部480は、ゲームプログラム481と、ゲームデータ482とを記憶する。端末装置40は、ゲームプログラム481を読み込んで実行することにより、観客ユーザ4に対し、ゲームを提供する。ゲームデータ482は、ゲームで使用する各種データであり、観客ユーザ4のゲームアカウントの情報、プレイヤーレベル、操作対象のキャラクタ、保有しているキャラクタその他の情報を含む。
制御部490は、記憶部480に記憶されるプログラムを読み込んで、プログラムに含まれる命令を実行することにより、端末装置40の動作を制御する。制御部490は、例えばアプリケーションプロセッサである。制御部490は、プログラムに従って動作することにより、入力操作受付部491と、送受信部492と、データ処理部493と、報知制御部494としての機能を発揮する。
入力操作受付部491は、タッチ・センシティブ・デバイス431等の入力装置に対するユーザの入力操作を受け付ける処理を行う。入力操作受付部491は、タッチ・センシティブ・デバイス431に対してユーザが指などを接触させた座標の情報に基づき、ユーザの操作がフリック操作であるか、タップ操作であるか、ドラッグ(スワイプ)操作であるか等の操作の種別を判定する。
送受信部492は、端末装置40が、処理サーバ30、ゲームコントローラ等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
データ処理部493は、端末装置40が入力を受け付けたデータに対し、プログラムに従って演算を行い、演算結果をメモリ等に出力する処理を行う。
報知制御部494は、表示画像をディスプレイ432に表示させる処理、音声をスピーカ442に出力させる処理、振動をカメラ460に発生させる処理を行う。
<処理サーバ30の構成>
図7は、処理サーバ30の機能的な構成を示す図である。図7に示すように、処理サーバ30は、通信部301と、記憶部302と、制御部303としての機能を発揮する。
通信部301は、処理サーバ30が、端末装置40等の外部の装置と通信するための処理を行う。
記憶部302は、処理サーバ30が使用するデータ及びプログラムを記憶する。記憶部302は、センシング結果データベース381と、通知履歴382と、イベントスケジュール383と、アトラクション稼働状況384等を記憶する。
センシング結果データベース381は、イベント会場3において着ぐるみ10、観客ユーザ4、観客ユーザ4が保持するグッズ5等をセンシングするための各種カメラ等のセンシング結果を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
通知履歴382は、着ぐるみ10、演者の端末装置50へ通知を行った履歴、および、これら通知に対する観客ユーザ4の反応を保持するためのデータベースである。詳細は後述する。
イベントスケジュール383は、イベント会場3などにおいてイベントが行われるスケジュールを示し、着ぐるみ10による演出が行われるスケジュールを含む。
アトラクション稼働状況384は、イベント会場3などがあるテーマパーク等において、入場可能なアトラクション、ショーなどの稼働状況(稼働しているか)、混雑状況(待ち時間など)の情報を含む。
制御部303は、処理サーバ30のプロセッサがプログラムに従って処理を行うことにより、各種モジュールとして示す機能を発揮する。
操作内容取得モジュール3041は、ユーザの操作内容を取得する。操作内容取得モジュール3041は、例えば、端末装置40における観客ユーザ4の操作内容、端末装置50における演者の操作内容、無線制御装置20のオペレータ2の操作内容を取得する。
受信制御モジュール3042は、処理サーバ30が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
送信制御モジュール3043は、処理サーバ30が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
ユーザ認証モジュール3044は、着ぐるみ10の周囲にいるユーザを特定する。ユーザ認証モジュール3044は、例えば、センシング結果データベース381に示されるセンシング結果(イベント会場3の撮影結果など)に基づき、画像認識により人物(観客ユーザ4)を認識する。ユーザ認証モジュール3044は、イベント会場3の周囲の端末装置40から、ユーザのゲームアカウントの情報を取得する等により、ユーザを特定する。
ユーザ認証モジュール3044は、センシング結果データベース381に基づいて、ユーザがグッズを保持している場合に、グッズを保持して所定の動作をしていることを検出する。例えば、後述するグッズ認証モジュール3045で特定されるグッズの情報(ユーザが保持しているグッズの種類、グッズの販売時期等の情報)と、グッズを保持した状態でのユーザの動作(グッズを保持した腕や手を振る動作、グッズを保持してユーザが所定のポーズをする動作)とが予め対応付けられて処理サーバ30に記憶されている。ユーザ認証モジュール3044は、センシング結果データベース381に基づいて、グッズを保持しているユーザが、特定のグッズで所定の動作をしたことを検出する。当該検出結果は、後述するアクター通知モジュール3047によって、演者の端末装置50に通知することとしてもよい。また、後述する着ぐるみ演出指示モジュール3046は、当該検出結果に基づいて、着ぐるみ10の演出部16による演出のパターンを決定し、無線制御装置20を介して演出部16に演出を行わせることとしてもよい。これにより、観客ユーザ4がグッズを保持した状態で特定の動作をすることにより、着ぐるみ10による演出が変化することとなるため、観客ユーザ4の体験がより豊かになりうる。
ユーザ認証モジュール3044は、端末装置40と通信すること、また、センシング結果データベース381に基づいて、特定の情報(例えば、ゲームサーバ9が提供するゲームのゲームアカウントの情報など)に関連付けられる観客ユーザ4が所定の操作を行ったこと(例えば、ゲームプログラム481に基づくゲームにおいて、特定のゲームアイテムを使用する操作、特定のゲームキャラクタに対する操作を行ったこと等)を検出する。当該検出結果に基づいて、上記のように着ぐるみ演出指示モジュール3046、アクター通知モジュール3047の処理により着ぐるみ10の演出を行わせることとしてもよい。
グッズ認証モジュール3045は、イベント会場3の周囲にいるユーザが保持するグッズを特定する。グッズ認証モジュール3045は、例えば、センシング結果データベース381に示されるセンシング結果に基づき、画像認識によりグッズを認識する。グッズ認証モジュール3045は、グッズの外観、グッズの販売時期等を関連付けたグッズのデータベースと照合することにより、認識したグッズの種類、販売時期等を特定する。
着ぐるみ演出指示モジュール3046は、着ぐるみ10の演出部16による演出の内容を決定し、演出部16に演出を実行させる。着ぐるみ演出指示モジュール3046は、無線制御装置20に対し、着ぐるみ10の演出の内容を示す信号を送信することにより、無線制御装置20に、着ぐるみ10の演出部16に、演出の内容に対応する演出を実行させる。
アクター通知モジュール3047は、着ぐるみ10の演者の端末装置50に対し、情報を通知する。
<データ構造>
第2の実施の形態にかかる無線制御装置20等が記憶する各種データのデータ構造について説明する。
図8は、センシング結果データベース381、通知履歴382のデータ構造を示す図である。図示するように、センシング結果データベース381において、着ぐるみの位置の履歴と、ユーザの位置の履歴と、グッズを特定した履歴とを保持する。
例えば、処理サーバ30は、ストレージ33において、センシング結果データベース381と、通知履歴382とを記憶する。
図示するように、センシング結果データベース381の各レコードは、項目「センサID」と、項目「日時」と、項目「センシングデータ」と、項目「ユーザ特定結果」と、項目「グッズ特定結果」と、項目「着ぐるみ特定結果」とを含む。
項目「センサID」は、飛行体55に搭載されるカメラ、建造物60に設置されるカメラ70など、着ぐるみ10が演出を行う場(イベント会場3)をセンシングするセンサ装置(2次元の撮影画像を得るカメラ、検出対象物までの距離を計測して点群データを得るためのカメラなどを含む)それぞれを識別するための情報である。
項目「日時」は、センサ装置によりセンシングを行ったタイミングを示す。
項目「センシングデータ」は、センサ装置によりセンシングされた結果であるセンシングデータを示す。
項目「ユーザ特定結果」は、センシングデータに対し、画像認識など所定の処理を行うことにより、ユーザを特定した結果を示す。ユーザを特定した結果には、ユーザを識別するためのユーザ名、ユーザの位置(イベント会場3におけるユーザが位置する座標など)、ユーザの反応(撮影画像に含まれるユーザの表情(目、口もとなど表情筋の動き)に基づいて、喜んでいるなどの感情を判定することができる)などが含まれる。予め、ユーザが個人情報として顔の撮影画像を、イベント会場3を含む敷地内で使用することに同意している場合などにおいて、センシングデータに含まれるユーザの顔に基づいて、ユーザ名を特定することとしてもよい。
例えば、テーマパーク等の入場チケットにおいて、本人の認証として顔の撮影画像を登録する場合に、テーマパーク等において、ユーザにテーマパーク内の情報を提供するために、顔の撮影画像のデータを利用することにユーザが同意していることがあり得る。この場合、処理サーバ30は、センシングデータに基づいて、予め登録されているユーザの情報を特定することができる。
また、項目「センサID」に示されるセンサ装置が配置される場所およびセンシングの範囲が予め定められている場合に、センシングデータにおいてユーザを検出した範囲に基づいて、テーマパーク等におけるユーザの位置を特定することができうる。また、例えば、センサ装置が配置される位置の緯度および経度により、センシングデータに含まれるユーザの位置を定義することとしてもよい。
項目「グッズ特定結果」は、センシングデータに対し、画像認識などの処理を行うことにより、グッズを特定した結果を示す。グッズを特定した結果には、グッズを保持しているユーザを特定する情報と、グッズの種類、販売時期等を特定する情報とが含まれる。
項目「着ぐるみ特定結果」は、センシングデータに対し、画像認識などの処理を行うことにより、着ぐるみを特定した結果を示す。着ぐるみを特定した結果には、着ぐるみが示すキャラクタを示す情報が含まれる。例えば、処理サーバ30は、着ぐるみの外観と、キャラクタ名とを対応付けたデータベースを参照することにより、センシングデータに基づき着ぐるみが示すキャラクタを特定することができる。また、予め、イベントスケジュール383において、イベントが行われる場所と、当該イベントにおいて登場する着ぐるみそれぞれを特定する情報(同一のキャラクタの着ぐるみそれぞれについて、固有の情報が対応付けられていることもある)と、当該着ぐるみを装着する演者を特定する情報(演者の名前、演者を識別するコードなど)が対応付けられている場合に、処理サーバ30は、イベントスケジュール383を参照し、イベント会場3においてイベントが行われるタイミングにおいてパフォーマンスを行う着ぐるみの情報を取得することにより、着ぐるみを特定してもよい。以上のように、着ぐるみを特定した結果には、着ぐるみそれぞれを特定するための情報と、着ぐるみの位置の情報と、着ぐるみを装着するアクターの情報が含まれる。
通知履歴382の各レコードは、項目「日時」と、項目「着ぐるみへの演出指示内容」と、項目「アクターの端末への通知内容」と、項目「反応(感情)」とを含む。
項目「日時」は、処理サーバ30が着ぐるみ10の演出部16への演出指示を行ったタイミング、または、処理サーバ30が着ぐるみ10を装着する演者の端末装置50へ通知を行ったタイミングを示す。
項目「着ぐるみへの演出指示内容」は、処理サーバ30が着ぐるみ10の演出部16の演出パターンを指示した内容を示す。
項目「アクターの端末への通知内容」は、処理サーバ30が端末装置50へ送信した通知の内容を示す。通知の内容は、演者に対して、どのようなパフォーマンスをすべきかの指示内容を含む。
項目「反応(感情)」は、観客ユーザ4の反応を示す。観客ユーザ4の反応としては、観客ユーザ4の反応が良好であることを示す反応「Good」、観客ユーザ4の反応が通常であることを示す反応「Normal」、観客ユーザ4の反応が低調であることを示す反応「Bad」等を設定することとしてもよい。例えば、カメラの撮影画像に基づいて、観客ユーザ4の感情を判定することができる。また、イベント会場3における音声の検出結果(観客ユーザ4の歓声の大きさなど)に基づいて、観客ユーザ4の反応を判定することができる。すなわち、無線制御装置20は、撮影画像または音声データに基づいて、観客ユーザ4の感情を判定することとしてもよい。
図9は、ゲームサーバ9が記憶するユーザ情報181、フレンドリスト184のデータ構造を示す図である。
図9に示すように、ユーザ情報981のレコードのそれぞれは、ユーザを識別する情報それぞれについて、項目「ユーザ識別情報(ユーザID)」と、項目「ユーザ名」と、項目「ユーザレベル」と、項目「保有キャラクタ」と、項目「保有アイテム」と、項目「ゲームプレイ履歴」と、項目「ゲームプレイ時間」と、項目「有償仮想通貨」等を含む。ユーザ情報981において、ユーザのスタミナ値の現在値および最大値を管理することとしてもよい。
項目「ユーザ識別情報(ユーザID)」は、ユーザそれぞれを識別する情報である。
項目「ユーザ名」は、ユーザが設定した名称である。
項目「ユーザレベル」は、ユーザがゲームプレイを繰り返すことにより、ゲームキャラクタ等のレベルとは別に上昇するパラメータである。
項目「保有キャラクタ」は、ユーザが保有しているゲームキャラクタの情報を示す。例えば、ゲームにおいてユーザの情報と関連付けられることで操作対象となるキャラクタが適宜追加されていく場合に、ユーザが操作可能なキャラクタの情報を示す。項目「保有キャラクタ」において、例えば、当該キャラクタのレベル、装備アイテム等の情報も含まれる。
項目「保有アイテム」は、ユーザが保有しているゲームアイテムの情報を示す。
項目「ゲームプレイ履歴」は、ユーザがゲームをプレイした履歴を示す。例えば、ユーザがゲームを進行させる場合に、ユーザが保有している複数のキャラクタのうち、操作対象としているキャラクタを使用している履歴の情報を含む。例えば、ユーザが、プレイヤーキャラクタとして、操作対象のキャラクタとともに戦闘をした回数、クエストとも称されるゲーム単位をクリアした回数等の情報を含む。処理サーバ30は、これら観客ユーザ4のゲームプレイ履歴を参照することにより、観客ユーザ4が、ゲームをどれだけ継続してプレイしているかを評価することができる。
項目「ゲームプレイ時間」は、ユーザがゲームをプレイした時間を示す。例えば、ユーザが、操作対象とするキャラクタとともにゲームを進行させた履歴を含む。処理サーバ30は、ゲームサーバ9から、観客ユーザ4のゲームアカウントに対応するゲームデータを受信することにより、当該観客ユーザ4が、あるキャラクタについて操作対象として指定し、ゲームプレイを行った時間の累計を取得することができ、観客ユーザ4が特に愛着を感じているであろうゲームキャラクタの候補を抽出することができる。
項目「有償仮想通貨」は、ユーザに有償で付与された仮想通貨についてユーザが保有している量を示す。例えば、端末装置10は、購入処理により、有償仮想通貨を購入する処理を受け付けることで、有償仮想通貨をユーザに付与する。
フレンドリスト984のレコードのそれぞれは、項目「ユーザ1」と、項目「ユーザ2」と、項目「フレンド登録日」と、項目「マルチプレイ履歴」と、項目「メッセージ送受信履歴」等を含む。
項目「ユーザ1」は、互いにフレンドとして登録しているユーザのうちの一方のユーザを示す。
項目「ユーザ2」は、互いにフレンドとして登録しているユーザのうちの他方のユーザを示す。
項目「フレンド登録日」は、ユーザ同士がフレンドとして登録された日時を示す。
項目「マルチプレイ履歴」は、フレンドとして登録しているユーザ同士がマルチプレイを行った履歴を示す。例えば、履歴として、マルチプレイによりプレイしたゲーム単位を特定する情報、プレイした日時、プレイの結果(ゲームクリアしたか否か、クリアタイム等)の情報を含む。
項目「メッセージ送受信履歴」は、フレンドとして登録しているユーザ同士が送受信したメッセージの履歴を示す。
なお、フレンド登録の方法としては、一方のユーザが他のユーザに対しフレンド登録の申請をし、他のユーザが承認した場合に、フレンドリストに登録されることとしてもよい。また、一方のユーザが他のユーザの承認がなくともリストに追加できる(フォローする)こととしてもよい。この場合、双方のユーザが互いにフォローしあうことで、相互フォローの状態となる。
また、フレンド登録の方法としては、複数のユーザが、ともに、イベント会場3の位置していること(例えば、イベント会場3に、ゲームアカウントによりチェックインしていること)を条件としてフレンドリストに登録されることとしてもよい。これにより、イベント会場3においてともに着ぐるみ10による演出を体験したユーザ同士でフレンド登録することができる。
<動作>
(1)着ぐるみ10の演出部16による演出を制御する例
以下、観客ユーザ4がグッズ5を保持していること、観客ユーザ4の入力操作を受け付けることに応じて着ぐるみ10に演出をさせる例について説明する。
(1-1)グッズ5に応じて着ぐるみ10に演出をさせる例
図10は、グッズ5を保持している観客ユーザ4を検出することにより、着ぐるみ10の演出を制御する場合の各装置の動作を示すフローチャートである。
ステップS1301において、処理サーバ30は、着ぐるみ10の位置の情報、イベント会場3のセンシング結果(撮影画像)を取得してセンシング結果データベース381を更新する。
ステップS1033において、処理サーバ30は、センシング結果データベース381に基づいて、イベント会場3のセンシング結果を解析することにより、特定のグッズ5を保持している観客ユーザ4(何らかのグッズを手に把持している、身体に装着している観客ユーザ4、または、予め定められた種類のグッズ)を検出する。処理サーバ30は、当該グッズ5を保持するユーザの動き(グッズを手に把持して腕を振るなどの動作)を検出する。
ステップS1035において、処理サーバ30は、検出されるユーザの近くの着ぐるみ10を、センシング結果データベース381に基づいて特定する。処理サーバ30は、特定した着ぐるみ10の演出内容を、グッズ5の種類、グッズ5の販売時期等により決定する。例えば、着ぐるみ10の演出部16による演出のパターンが複数用意されている場合に、グッズ5の種類、グッズ5の販売時期等により演出のパターンを対応付けて保持することにより、センシング結果データベース381に基づき特定したグッズ5に応じた演出を観客ユーザ4に提供することができる。
ステップS1037において、処理サーバ30は、特定された着ぐるみ10が、ステップS1035で決定された演出内容で演出するよう無線制御装置20へ指示を送信する。処理サーバ30は、無線制御装置20への指示内容に基づいて、通知履歴382を更新する。
ステップS1021において、無線制御装置20は、処理サーバ30の指示に基づき、各着ぐるみ10の演出パターンの指定に応じて、無線送信信号を生成する。
ステップS1023において、無線制御装置20は、各無線送信機22により、無線受信機12へ、各着ぐるみ10の演出パターンを示す無線信号を送信する。
以上のように、観客ユーザ4は、グッズ5を保持していることにより、グッズ5を保持していない場合とは異なる演出を楽しむことができうる。また、観客ユーザ4がグッズ5を購入した時期に応じて、処理サーバ30が着ぐるみ10の演出部16による演出パターンを決定する。これにより、観客ユーザ4が過去に購入したグッズがあることで、当該グッズがない場合と比較して異なる演出を楽しむことができうる。
(1-2)観客ユーザ4の入力操作に応じて着ぐるみ10に演出をさせる例
図11は、観客ユーザ4の入力操作を端末装置40が受け付けることにより、着ぐるみ10の演出を制御する場合の各装置の動作を示すフローチャートである。例えば、端末装置40が、端末装置40で動作するプログラム(ゲームプログラムなど)において、観客ユーザ4から、キャラクタにアイテムを与えるための入力操作を受け付けることにより、当該与えられるアイテムに応じた演出を着ぐるみ10の演出部16により実行することができる。
ステップS1131において、処理サーバ30は、着ぐるみ10の位置の情報、イベント会場3のセンシング結果(撮影画像)を取得してセンシング結果データベース381を更新する。
ステップS1133において、処理サーバ30は、センシング結果データベース381に基づいて、イベント会場3のセンシング結果を解析することにより、着ぐるみ10の周囲の観客ユーザ4を特定し、当該観客ユーザ4の端末装置40へ、特定したことを示す通知を行う。
ステップS1141において、端末装置40は、観客ユーザ4の周囲の着ぐるみ10を検出したことを観客ユーザ4に提示する。端末装置40は、ゲームプログラムなどのプログラムを実行することにより、観客ユーザ4から、着ぐるみ10を指定する操作、アイテムを指定する操作等の入力操作を受け付ける。
ステップS1135において、処理サーバ30は、観客ユーザ4の入力操作の内容に応じて、観客ユーザ4の周囲の着ぐるみ10の演出を決定する。例えば、処理サーバ30は、ステップS1141において観客ユーザ4が指定したゲームアイテムの種類に応じて、着ぐるみ10の演出パターンを決定する。
ステップS1137において、処理サーバ30は、ステップS1131等で特定された着ぐるみ10が、ステップS1135において決定された演出内容で演出するよう無線制御装置20へ指示を送信する。
(1-3)観客ユーザ4の入力操作の内容を演者の端末装置50に通知することで、演者に特定のパフォーマンスをさせる動機を提供する例
図12は、観客ユーザ4の情報を演者に通知する場合の各装置の動作例を示す図である。
ステップS1251において、端末装置50は、例えばWiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信により、着ぐるみ10の周囲の観客ユーザ4の端末40を検出する。
ステップS1241において、端末装置40は、演者の端末装置50と近距離無線通信により接続する。端末装置40は、ゲームプレイの履歴、使用キャラクタの履歴などユーザに関連付けられる情報を演者の端末装置50へ送信する。
ステップS1253において、端末装置50は、観客ユーザ4側の端末装置40から受信した、観客ユーザ4に関連付けられる情報を演者の端末装置40のディスプレイ432に提示する。例えば、観客ユーザ4に関連付けられる情報として、観客ユーザ4がゲームプログラム等のプログラムを利用していた実績の情報(ユーザ情報981)が含まれる。例えば、端末装置50は、ユーザ情報981に示される各情報に基づく通知内容(例えば、「特定のユーザ名のユーザが着ぐるみ10の近くに位置している」、「着ぐるみ10が示すキャラクタをゲームにおける操作キャラクタとして使用している」、などがある)を表示する。
ステップS1255において、端末装置50は、観客ユーザ4に関連付けられる情報(ユーザ情報981)に基づき、着ぐるみ10の演出部16による演出内容を決定する。
ステップS1257において、端末装置50は、着ぐるみ10が、決定された演出内容で演出するよう無線制御装置20へ指示を送信する。
(2)観客ユーザ4に情報を通知する例
以下、観客ユーザ4に着ぐるみ10に関する情報を通知することにより、観客ユーザ4が着ぐるみ10による演出を体験することを、より豊かにする例について説明する。
(2-1)観客ユーザ4に、着ぐるみ10の個体差を通知する例
図13は、観客ユーザ4に、複数の着ぐるみ10の個体差を表現して通知する場合の各装置の動作例を示す図である。
ステップS1331において、処理サーバ30は、センシング結果に基づき(センシング結果データベース381)、着ぐるみ10の周囲の観客ユーザ4の情報を取得する。処理サーバ30は、センシング結果データベース381に基づき、観客ユーザ4と着ぐるみ10とが近づいた履歴、および、観客ユーザ4と演者とが近づいた履歴を取得する。
ステップS1333において、処理サーバ30は、観客ユーザ4が過去に近づいたことがある着ぐるみ10または演者である場合に、センシング結果データベース381を参照して、着ぐるみ10の情報および過去に近づいた履歴を観客ユーザ4の端末装置40へ通知する。
ステップS1341において、端末装置40は、過去に近づいたことがある着ぐるみ10または演者の情報を観客ユーザ4に提示する。イベント会場3において複数の着ぐるみ10がある場合、どの着ぐるみ10と過去に近づいたことがあるか(例えば、着ぐるみ10が示すキャラクタ名)を観客ユーザ4に提示する。例えば、特定のキャラクタに対応する着ぐるみ10が複数ある場合に、端末装置40は、当該キャラクタに対応する着ぐるみ10と過去に近づいた履歴の情報を表示する。また、端末装置40は、着ぐるみ10それぞれの識別情報(着ぐるみID)に基づいて、各着ぐるみの個体に関連付けられる情報をユーザに提示する。例えば、端末装置40は、着ぐるみID、着ぐるみに示されるキャラクタの種類、着ぐるみの個体差を表す識別番号(シリアルナンバー等)、着ぐるみに対応するキャラクタに設定されるパラメータ(身長、体重の設定など)を表示してユーザが確認可能としてもよい。各着ぐるみ10は、このようなキャラクタに設定されるパラメータ(身長、体重、戦闘力など)を反映させて大きさなどが設計されていることとしてもよい。つまり、大きいサイズのキャラクタとして設定されている場合、着ぐるみ10のサイズもまた相対的に大きくなりえる。これにより、同一の種類のキャラクタについて複数の着ぐるみ10が登場する場合に、観客ユーザ4は、同一種類のキャラクタの着ぐるみであるにもかかわらず個体差があるかのように、イベントを体験することができる。
以上のように、観客ユーザ4にとっては、イベント会場3の複数の着ぐるみ10のうち、当該観客ユーザ4と過去に関連がある着ぐるみ10が存在することを認識することができ、イベント会場3が設置されるテーマパーク等における観客ユーザ4の体験がよりいっそう豊かになる。
(2-2)複数の着ぐるみ10のそれぞれに、観客ユーザ4を割り当てる例
処理サーバ30は、センシング結果データベース381に基づいて、イベント会場3の複数の着ぐるみ10に対し、イベント会場3の複数の観客ユーザ4を割り当てて(マッチングして)もよい。上記のように、各観客ユーザ4の端末装置40に対し、複数の着ぐるみ10のうち、どの着ぐるみ10が当該観客ユーザ4に割り当てられたかを通知する。例えば、観客ユーザ4が、割り当てられた着ぐるみ10に接近することにより、処理サーバ30が、ゲームサーバ9と通信し、ゲームサーバ9で提供されるゲームにおける特典(ゲームアイテムなど)を付与したり、着ぐるみ10の演出部16により特別な演出をすることとしてもよい。これにより、イベント会場3に多数の観客ユーザ4が集まっている場合に、複数の着ぐるみ10のそれぞれに、観客ユーザ4を割り当てることができ、混雑の発生を未然に防止しつつ、ユーザそれぞれに対しての特別な体験を提供しうる。
(3)着ぐるみ10の演者に情報を通知する例
(3-1)演者に、グッズを保持する観客ユーザ4がいることを通知する例
図14は、演者に、着ぐるみ10の周囲の観客ユーザ4のうちグッズを保持する観客ユーザ4の情報を通知する場合の各装置の動作例を示す図である。
ステップS1435において、処理サーバ30は、センシング結果データベース381に基づいて、検出されるユーザの近くの着ぐるみを特定し、特定した着ぐるみの演者の端末装置50に、観客ユーザ4の情報と、グッズ5に関する情報(グッズの種類、グッズの発売時期など)を送信する。
ステップS1451において、端末装置50は、処理サーバ30の指示に基づき、観客ユーザ4の情報、グッズ5に関する情報を演者に提示する(これらの各情報を端末装置50のディスプレイに表示する)。
以上のように、演者は、着ぐるみ10の観客ユーザ4のうち、当該顧客ユーザが保持するグッズの情報を参照しながら、着ぐるみ10による演出を行うことができる。
(3-2)演者に、観客ユーザ4のゲームプレイの進行状況を通知する例
この他に、処理サーバ30は、ゲームサーバ9と通信することにより、観客ユーザ4のゲームプレイの進行状況を取得して、当該ゲームプレイの進行状況の情報を演者の端末装置50に通知する。
これにより、演者は、着ぐるみ10の周囲の各観客ユーザ4のゲームプレイの進行状況を把握したうえで、パフォーマンスを行うことができる。
<変形例>
(1)観客ユーザ4の端末において、観客ユーザ4の端末の位置と、着ぐるみ10の位置とが所定の条件を満たす場合に、観客ユーザ4の端末において特定の処理を実行できるようにしてもよい。例えば、観客ユーザ4の端末において、着ぐるみ10の位置を、無線制御装置20から取得してもよい。また、観客ユーザ4の端末のカメラで撮影し、撮影画像に含まれる着ぐるみ10を検出することとしてもよい。これにより、観客ユーザ4の端末の位置と、着ぐるみ10の位置とが、例えば一定距離内にあるときに、観客ユーザ4の端末で動作するアプリケーションにおいて、特定の機能をユーザが利用可能であるとしてもよい。例えば、観客ユーザ4の端末で動作するアプリケーションがゲームプログラムである場合に、観客ユーザ4の端末のカメラで撮影する撮影画像に着ぐるみ10が含まれていることにより、着ぐるみ10のキャラクタに対応するゲームコンテンツをユーザが獲得可能であることとしてもよい。
また、ゲームプログラムにおいて、バトルなどの特定の機能が利用可能であるとしてもよい。例えば、観客ユーザ4の端末のカメラで撮影する撮影画像に着ぐるみ10が含まれていることにより、着ぐるみ10のキャラクタに対応するゲームキャラクタとゲームプログラムにおいて対戦が可能であるとする。このとき、当該ゲームキャラクタとは、イベント会場3において着ぐるみ10を検出している複数のユーザで戦闘に参加できることとしてもよい。例えば、着ぐるみ10の位置と、観客ユーザ4の端末のうち着ぐるみ10を検出している端末の位置とに基づいて、戦闘に参加できるユーザの総数をゲームプログラムにおいて管理することとしてもよい。
以上の各実施形態で説明したように、各実施形態によると、処理サーバ30は、センシング結果に基づき、イベント会場3のイベント等を見物する観客ユーザ4の反応を観察しつつ、また、イベント会場3における複数の着ぐるみ10を観察しつつ、随時、各着ぐるみ10の演出パターンを決定することができるため、ショー、イベントのエンタテインメント性をよりいっそう向上させることができる。
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
一実施形態によると、制御部(39)を備える情報処理装置(30、20)が提供される。制御部が、着ぐるみ(10)の周囲に、特定のグッズ(5)を保持しているユーザ(4)、または、特定の情報に関連付けられるユーザが位置していることを検出する検出手段(3044、3045、S1033)、当該検出に応答して、着ぐるみの演出部(16)に特定の演出を行わせる、または、着ぐるみを装着するアクターに特定の情報に関連付けられるユーザに関する情報を通知する演出制御手段(3046、3047)、として機能する。
(付記2)
検出手段が検出をすることは、ユーザが特定のグッズで第1の動作をしたことを検出することを含み(3044、3045)、演出制御手段が、第1の動作を検出したことに応答して、演出部に特定の演出を行わせる、または、着ぐるみを装着するアクターにユーザに関する情報を通知する(3046、3047)、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
検出手段が特定の情報に関連付けられるユーザが位置していることを検出することは、ユーザの端末(40)において動作するプログラム(481、482)が当該ユーザから所定の操作を受け付けたことを検出することを含み(3044)、演出制御手段が、所定の操作を受け付けたことを検出することに応答して、特定の演出または通知することを行わせる(3046、3047)、付記1に記載の情報処理装置。
(付記4)
特定のグッズは、他の装置と通信するための通信部を有しない、付記1に記載の情報処理装置。
(付記5)
制御部が、さらに、検出手段により検出するユーザに対し、着ぐるみが特定の着ぐるみであることを通知する通知手段(S1333、S1341)、として機能する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記6)
通知手段は、着ぐるみの周囲のユーザを検出した履歴に基づいて(381)、ユーザに対し特定の着ぐるみであることを通知する、付記5に記載の情報処理装置。
(付記7)
複数の着ぐるみにより、ユーザに対し演出を行うものであり、通知手段は、複数の着ぐるみの周囲の複数のユーザそれぞれについて、複数の着ぐるみのうち、当該ユーザに関連付ける着ぐるみを決定し、決定した着ぐるみの情報を特定の着ぐるみであるとして各ユーザの端末(40)に通知する、付記5に記載の情報処理装置。
(付記8)
検出手段は、着ぐるみの周囲のセンサのセンシング結果を取得して、センシング結果に基づき、特定のグッズを保持するユーザを検出する(3044、3045、381)、付記1に記載の情報処理装置。
(付記9)
演出制御手段がアクターに通知をすることには、ユーザの端末から送信される所定の信号を、ユーザの端末の周囲の着ぐるみのアクターの端末に受信させることが含まれる(S1241、S1141)、付記1に記載の情報処理装置。
(付記10)
検出手段は、着ぐるみの周囲のセンサのセンシング結果を取得して、センシング結果に基づきユーザを認識し(381、3044)、演出制御手段は、認識されたユーザの位置をアクターの端末に通知する(381、3047)、付記1に記載の情報処理装置。
(付記11)
検出手段は、特定のグッズを検出することにより、特定のグッズを保持しているユーザを検出し、特定のグッズは、着ぐるみによる演出が行われる場所または施設において購入可能であるもの、または、過去に購入可能であったものが含まれる、付記1に記載の情報処理装置。
(付記12)
演出制御手段は、検出される特定のグッズの種類、特定のグッズを購入可能な時期の少なくともいずれかに基づいて、着ぐるみの演出部による演出の内容を決定する、付記11に記載の情報処理装置。
(付記13)
演出制御手段は、検出される特定のグッズの種類、特定のグッズを購入可能な時期の少なくともいずれかの情報を、アクターに通知する(S1451)、付記11に記載の情報処理装置。
(付記14)
演出制御手段は、アクターの端末に、ユーザが、着ぐるみによる演出が行われる場所または施設へ来訪した履歴、または、着ぐるみによる演出が行われるイベントへ来訪した履歴についての情報を通知する(381)、付記1に記載の情報処理装置。
(付記15)
演出制御手段は、ユーザの端末において動作するプログラムにおけるユーザの操作の履歴を、アクターの端末に通知する(3044、3047)、付記1に記載の情報処理装置。