JP7329401B2 - レーザ加工位置決定方法、レーザ加工位置決定プログラム及びレーザ加工プログラム作成装置 - Google Patents

レーザ加工位置決定方法、レーザ加工位置決定プログラム及びレーザ加工プログラム作成装置 Download PDF

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Description

本発明は、レーザ加工位置決定方法、レーザ加工位置決定プログラム及びレーザ加工プログラム作成装置に関する。
穴又はノッチを有する鋼材を形成する際には、レーザ加工により鋼材にピアスと呼ばれる貫通孔が形成される。続いて、ピアスから穴又はノッチの縁まで、レーザ加工機のヘッドを予め決められた方向に直線移動させて、アプローチと呼ばれる直線の切断部がレーザ加工により形成される。ピアス及びアプローチの形成後は、穴又はノッチの縁から穴又はノッチの形状に応じたレーザ加工が行われて、鋼材に穴又はノッチが形成される。
ピアス及びアプローチを形成した部分は、穴又はノッチが形成された製品側に残らないようにする必要がある。このため、ピアス及びアプローチは、穴又はノッチのレーザ加工により鋼材から切り落とされる穴又はノッチの内側に形成される。ピアス及びアプローチを形成した部分は製品側に残らないので、ピアス及びアプローチのレーザ加工は、レーザビームの出力を開始してから出力が安定するまでの期間を利用して行うことができる。
ところで、折り曲げによって曲面のコーナ部が形成されるパイプ又は軽量形鋼では、コーナ部に跨がって穴又はノッチが形成されることがある。パイプとしては、例えば、角パイプ、長角パイプが挙げられる。また、軽量形鋼としては、例えば、軽量山形鋼、軽量不等辺山形鋼、軽量溝形鋼、リップ溝形鋼が挙げられる。
パイプ又は軽量形鋼のコーナ部に跨がる穴又はノッチを形成する場合は、加工用のレーザビームが、パイプ又は軽量形鋼を回転させながら曲面のコーナ部に照射される。即ち、曲面のコーナ部にもレーザビームが照射される。このため、パイプ又は軽量形鋼のコーナ部に跨がる穴又はノッチを形成する場合は、コーナ部もピアスを形成する位置の設定対象となる。
なお、コーナ部に跨がる穴又はノッチは、圧延等で形成される形鋼においても形成されることがある。形鋼としては、例えば、山形鋼、不等辺山形鋼、溝形鋼が挙げられる。コーナ部を挟んで隣り合う2つの面に跨がる穴又はノッチを形成する形鋼は、例えば特許文献1に記載されている。この特許文献1では、形鋼の2つの面に跨がる穴又はノッチを、面毎に工程を分けてレーザ加工により形成する加工方法が提案されている。
特開2014-106761号公報
特許文献1の加工方法では、面毎にレーザ加工を行うので、ウェブの貫通方向にフランジが延在し、あるいは、フランジの貫通方向にウェブが延在するコーナ部に、ピアスの位置が設定されることはない。ところが、形鋼でも、パイプ又は軽量形鋼と同じく回転させながらコーナ部に跨がる穴又はノッチを形成する際には、レーザビームがコーナ部に照射される。したがって、形鋼のコーナ部もピアスを形成する位置の設定対象となり得る。
そして、パイプ、軽量形鋼及び形鋼のいずれにおいても、コーナ部にピアスを開けようとすると、コーナ部に照射されたレーザビーム及びアシストガスの一部が、コーナ部の表面で反射されて分散する。レーザビーム及びアシストガスが分散すると、コーナ部のピアスの貫通方向にレーザビーム及びアシストガスが十分な強さで照射されなくなる。レーザビーム及びアシストガスが貫通方向に十分な強さで照射されないと、コーナ部にピアスを安定して形成することができなくなる。
なお、以上の説明では、軽量形鋼及び形鋼のコーナ部に跨がる穴又はノッチを形成する場合の問題を指摘した。しかし、同様の問題は、製品の外形を軽量形鋼及び形鋼のコーナ部に跨がって形成する場合にも同様に発生する。
本発明の目的は、2つの面に挟まれたコーナ部に跨がる穴、ノッチ、外形等の加工部を加工対象の材料に形成する際に、ピアスを安定して形成できるようにすることにある。
上記目的を達成するため本発明の第1の態様に係るレーザ加工位置決定方法は、
所定の板厚の面を複数有し2つの前記面がコーナ部を挟んで隣り合う加工対象の材料の、前記複数の面を平面状に展開した図面上において、前記コーナ部に跨がる形状の加工部が形成される前記材料の加工範囲を定義する図面データを準備する準備ステップと、
前記材料に前記加工部を形成する際に切り落とす部分に、前記加工部の形成前に形成する、前記材料を前記板厚の方向に貫通するピアス、及び、前記ピアスから前記加工部の加工開始点まで前記材料を切断する所定長さのアプローチの位置を、前記加工部の形状に応じて決定し前記図面上にそれぞれ定義する定義ステップと、
前記図面データにおいて前記図面の前記コーナ部に対応するエリアの中に定義されている前記ピアスの位置を前記エリアの外に定義し直し、かつ、前記定義し直した前記ピアスの位置に応じて前記アプローチの位置を定義し直す再定義ステップと、
を含む。
また、上記目的を達成するため本発明の第2の態様に係るレーザ加工位置決定プログラムは、
コンピュータに、
所定の板厚の面を複数有し2つの前記面がコーナ部を挟んで隣り合う加工対象の材料の、前記複数の面を平面状に展開した図面上において、前記コーナ部に跨がる形状の加工部が形成される前記材料の加工範囲を定義する図面データを読み込む読み込みステップと、
前記材料に前記加工部を形成する際に切り落とす部分に、前記加工部の形成前に形成する、前記材料を前記板厚の方向に貫通するピアス、及び、前記ピアスから前記加工部の加工開始点まで前記材料を切断する所定長さのアプローチの位置を、前記加工部の形状に応じて決定し前記図面上にそれぞれ定義する定義ステップと、
前記図面データにおいて前記図面の前記コーナ部に対応するエリアの中に定義されている前記ピアスの位置を前記エリアの外に定義し直し、かつ、前記定義し直した前記ピアスの位置に応じて前記アプローチの位置を定義し直す再定義ステップと、
を実行させる。
さらに、上記目的を達成するため本発明の第3の態様に係るレーザ加工プログラム作成装置は、
所定の板厚の面を複数有し2つの前記面がコーナ部を挟んで隣り合う加工対象の材料の、前記複数の面を平面状に展開した図面上において、前記コーナ部に跨がる形状の加工部が形成される前記材料の加工範囲を定義する図面データを記憶する図面データ記憶部と、
前記材料に前記加工部を形成する際に切り落とす部分に、前記加工部の形成前に形成する、前記材料を前記板厚の方向に貫通するピアス、及び、前記ピアスから前記加工部の加工開始点まで前記材料を切断する所定長さのアプローチの位置を、前記加工部の形状に応じて決定し前記図面上にそれぞれ定義する位置定義データを生成する位置定義部と、
前記図面データにおいて前記図面の前記コーナ部に対応するエリアの中に定義されている前記ピアスの位置を前記エリアの外に定義し直し、かつ、前記定義し直した前記ピアスの位置に応じて前記アプローチの位置を定義し直す位置再定義データを生成する位置再定義部と、
を備える。
本発明によれば、2つの面に挟まれたコーナ部に跨がる穴、ノッチ、外形等の加工部を加工対象の材料に形成する際に、ピアスを安定して形成できるようにすることができる。
本発明の一実施形態に係るレーザ加工システムの全体構成を示すブロック図である。 図1のレーザ加工システムによる加工対象の材料を示し、(a)は角パイプの端面平面図、(b)は長角パイプの端面平面図である。 図1のレーザ加工システムによる加工対象の材料を示し、(a)は軽量山形鋼の端面平面図、(b)は軽量不等辺山形鋼の端面平面図、(c)は軽量溝形鋼の端面平面図、(d)はリップ溝形鋼の端面平面図である。 コーナ部に跨がる穴を形成した図2(a)の角パイプの斜視図である。 図4の角パイプの展開図である。 図5の角パイプのコーナ部に図1のレーザ加工機のレーザヘッドからレーザビームを照射する場合の説明図である。 コーナ部に跨がる穴及びノッチを図3(c)の軽量溝形鋼に形成する場合のピアスを形成する位置の設定例を示す展開図である。 図1のレーザ加工システムによる加工対象の材料を示し、(a)は山形鋼の端面平面図、(b)は不等辺山形鋼の端面平面図、(c)は溝形鋼の端面平面図である。 図4の角パイプのコーナ部に設定されたピアスの形成位置を穴の加工開始点の変更によりコーナ部外に移動する場合の説明図である。 図4の角パイプのコーナ部に設定されたピアスの形成位置をアプローチの長さの短縮によりコーナ部外に移動する場合の説明図である。 図4の角パイプのコーナ部に設定されたピアスの形成位置をアプローチの向きの変更によりコーナ部外に移動する場合の説明図である。 図4の角パイプに形成したピアスが穴周辺部と干渉する状態を示す説明図である。 図4の角パイプに形成したピアスが隣接する部品と干渉する状態を示す説明図である。 コーナ部又は干渉が起きる位置に割付けられたピアスの形成位置を移動する際に適用する間接的な再定義方法の優先順位を設定するために図1の割付けデータ作成装置の表示部に表示される画像の説明図である。 図1の割付けデータ作成装置がプログラムに基づいて実行する干渉チェックの処理手順を示すフローチャートである。 図1の割付けデータ作成装置がプログラムに基づいて実行する図15の回避処理の具体的な処理手順を示すフローチャートである。 図4の角パイプのコーナ部に設定されたピアスの形成位置をアプローチの長さの短縮ではコーナ部外に移動できない場合の説明図である。 図4の角パイプのコーナ部に設定されたピアスの形成位置をアプローチの長さの延長によりコーナ部外に移動する場合の説明図である。 図4のピアスの形成位置を角パイプのコーナ部の中から外に移動する際のアプローチの延長方法の一例を示す説明図である。 図4のピアスの形成位置を角パイプのコーナ部の中から外に移動する際のアプローチの延長方法の別例を示す説明図である。 図4のピアスの形成位置を角パイプのコーナ部の中から外に移動する際のアプローチの延長方法の別例を示す説明図である。 アプローチの延長により図4の角パイプのコーナ部の中から外にピアスの形成位置を移動する処理の手順を示し、(a)は1回目の処理におけるアプローチ延長手順の説明図、(b)は2回目の処理におけるアプローチ延長手順の説明図である。 図1のCAM装置において実行されるレーザ加工位置決定方法の手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一あるいは同等の部位、又は構成要素には、同一の符号を付している。
以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものである。この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置、機能等を下記のものに特定するものでない。
図1は本発明の一実施形態に係るレーザ加工システムの全体構成を示すブロック図である。図1に示す本実施形態のレーザ加工システムは、CAD装置10、CAM装置20、NC装置30及びレーザ加工機40を有している。
CAD装置10は、鋼材を加工して生成しようとする製品の形状データを作成して、記録媒体に保持する。即ち、CAD装置10は、製品形状データ作成部11を含む。CAD装置10は、コンピュータプログラムを実行させることによって、製品形状データ作成部11の機能を実現することができる。製品形状データ作成部11は、製品形状データを、3次元(3D)CADモデルとして作成することができる。
また、CAD装置10は、製品形状データに基づいて、加工後に製品となる鋼材を平面状に展開した図面データを作成する。CAD装置10が作成する図面データは、例えば、鋼材の展開図のデータでもよく、鋼材の平面、側面、正面の各図を含む三面図のデータでもよい。本実施形態では、CAD装置10が鋼材の図面データとして展開図のデータを作成する場合について説明する。CAD装置10が作成する展開図データについては後述する。CAD装置10が作成した製品形状データ及び展開図データは、例えば、CAM装置20からの要求に応じてCAD装置10から出力され、CAM装置20に入力される。
CAM装置20は、CAD装置10から入力される製品形状データ及び展開図データを読み込む。そして、読み込んだ製品形状データ及び展開図データに基づいて、鋼材に対して、製品形状データが示す製品形状に加工するための加工範囲及び加工順を決定する。即ち、CAM装置20は、加工範囲・加工順決定部21を含む。CAM装置20は、コンピュータプログラムを実行させることによって、加工範囲・加工順決定部21の機能を実現することができる。
CAM装置20は、鋼材に対する加工範囲及び加工順を加工範囲・加工順決定部21が決定したら、鋼材に対してレーザビームによってどのように加工するかの割付けを示す割付けデータを生成する。加工の割付けは、レーザビームによる加工の軌跡を表す。割付けデータは、複数の割付けをどのような順とするかの情報を含む。即ち、CAM装置20は、割付けデータ作成装置22を含む。CAM装置20は、コンピュータプログラムを実行させることによって、割付けデータ作成装置22の機能を実現することができる。
CAM装置20は、割付けデータに基づいて鋼材を加工するための加工プログラムを生成する。加工プログラムとは、機械制御コードであるNCデータである。CAM装置20は、本発明の一実施形態に係るレーザ加工プログラム作成装置を構成する。CAM装置20は、生成した加工プログラムをNC装置30に転送する。NC装置30は、加工プログラムに基づいてレーザ加工機40における鋼材の加工を制御する。
CAD装置10とCAM装置20とは、図1に示すように別々に構成されていてもよいし、CAD装置10とCAM装置20とが一体的に構成されていてもよい。
CAM装置20が作成する展開図データは、例えば、図2(a),(b)の端面平面図に示す角パイプP1及び長角パイプP2の展開図データを含むことができる。また、CAM装置20が作成する展開図データは、例えば、図3(a)~(d)の端面平面図に示す軽量山形鋼A1、軽量不等辺山形鋼A2、軽量溝形鋼C1、リップ溝形鋼C2の展開図データを含むことができる。図2のパイプP1,P2及び図3の軽量形鋼A1,A2,C1,C2では、いずれも、加工対象の材料に該当する。所定の板厚の材料の曲げ加工により形成されている。パイプP1,P2及び軽量形鋼A1,A2,C1,C2では、いずれも、互いの向きが90度異なる2つの面S1,S1が、曲面のコーナ部R1を挟んで隣り合っている。
図2のパイプP1,P2及び図3の軽量形鋼A1,A2,C1,C2を材料とする製品には、コーナ部R1に跨がる穴又はノッチが形成される場合がある。例えば、図4の斜視図には、正方形状の端面を有する角パイプP1の4つの面S11~S14のうち1つの面S11に、両隣のコーナ部R11,R14に跨がる矩形状の穴H1を形成した製品PD1を示している。
レーザ加工機40を用いて製品PD1を製造する際には、図1の製品形状データ作成部11で作成された製品PD1の製品形状データが、CAD装置10からCAM装置20に入力される。そして、穴H1を形成した角パイプP1の展開図データがCAM装置20で作成される。作成された展開図データは、CAM装置20の図面データ記憶部に記憶される。図面データ記憶部は、例えば、CAM装置20に内蔵された不揮発性のメモリで構成することができる。
図5は展開図データによって示される角パイプP1の展開図AD1である。展開図AD1上では、角パイプP1の面S11~S14と平面状に展開したコーナ部R11~R14とが上下方向において交互に配置されている。角パイプP1の穴H1は、面S11とその上下に位置するコーナ部R11,R14とに跨がって、上下方向を長尺とする矩形状を呈している。展開図AD1上の平面状に展開したコーナ部R11~R14の部分が、請求項中のエリアに相当している。
レーザ加工機40で角パイプP1に穴H1を形成する際には、穴H1の内側の部分をレーザ加工によって角パイプP1から切り落とすために、角パイプP1から切り落とす前の穴H1の内側の部分に、ピアスPI1及びアプローチAP1が形成される。ピアスPI1はレーザ加工を開始するために、角パイプP1を板厚の方向に貫通するように形成される。アプローチAP1は、ピアスPI1から穴H1の加工開始点HS1までの所定長に亘り、レーザビームで角パイプP1を直線状に切断するために形成される。ピアスPI1及びアプローチAP1の形成には、レーザ加工機40の立ち上げから出力が安定するまでの期間のレーザビームを利用するのが一般的である。
CAM装置20で作成された角パイプP1の展開図データは、ピアスPI1、アプローチAP1及び穴H1を角パイプP1に形成する際の角パイプP1の加工範囲及び加工順を加工範囲・加工順決定部21が決定するのに用いられる。加工範囲・加工順決定部21が決定する加工範囲には、例えば、穴H1を形成する際の角パイプP1の加工範囲を面S11とコーナ部R11,R14とすることが含まれる。また、加工範囲・加工順決定部21が決定する加工順には、例えば、ピアスPI1、アプローチAP1及び穴H1の順に角パイプP1へのレーザ加工を行うことが含まれる。
加工範囲・加工順決定部21が決定した角パイプP1の加工範囲及び加工順は、レーザ加工機40で角パイプP1にピアスPI1、アプローチAP1及び穴H1を形成する際の割付けデータを割付けデータ作成装置22が作成するのに用いられる。割付けデータ作成装置22が作成する割付けデータには、例えば、ピアスPI1、アプローチAP1及び穴H1の順でレーザ加工を行う際の、加工開始点HS1を通るレーザビームの移動軌跡のデータが含まれる。
ここで、穴H1に対するアプローチAP1の方向は、穴H1の形状がCAM装置20にあらかじめ登録された定型の形状に当てはまる場合は、その形状に対応してCAM装置20に登録されたデフォルトの方向に設定される。例えば、図5に示す縦長の矩形状の穴H1に対するアプローチAP1のデフォルトの方向は、上方向とすることができる。
アプローチAP1の方向を上方向にすると、アプローチAP1はやがて穴H1の上辺に到達する。したがって、割付けデータ作成装置22が作成する割付けデータにおける穴H1の加工開始点HS1の位置は、必然的に、穴H1の上辺上に設定される。そして、割付けデータにおいて、ピアスPI1の位置が、加工開始点HS1を基準に定義される。具体的には、角パイプP1の展開図AD1において、加工開始点HS1から穴H1の内側に下ろした上辺の垂線上の、加工開始点HS1から一定距離離れた箇所に、ピアスPI1の位置が定義される。
なお、加工開始点HS1及びピアスPI1間を結ぶアプローチAP1の長さは、例えば、レーザ加工機40の出力が安定するのに要する期間と、図6の説明図に示すレーザヘッド41のレーザ加工機40による移動速度とを考慮して決定することができる。
このように、割付けデータでは、角パイプP1のコーナ部R11に跨がる穴H1の上辺上の加工開始点HS1からアプローチAP1の長さだけ穴H1の内側に離れた位置に、ピアスPI1の位置が定義される。このため、ピアスPI1がコーナ部R11上の位置に割付けられる可能性がある。
曲げ加工によって形成された曲面で構成された角パイプP1のコーナ部R11上にピアスPI1を形成する場合は、図6の説明図に示すように、レーザ加工機40による角パイプP1の回転を、コーナ部R11がレーザヘッド41に正対する角度で停止させる。そして、レーザヘッド41からレーザビーム及びアシストガスをコーナ部R11に向けて照射させる。
ところが、コーナ部R11は、図5の展開図AD1上では平面であっても、実際の角パイプP1では曲面である。このため、コーナ部R11に向けて照射したレーザビーム及びアシストガスの一部は、図6に示すように、コーナ部R11の表面で反射されてコーナ部R11に連なる2つの面S11,S14に沿って分散される。よって、コーナ部R11のピアスPI1の貫通方向にレーザビームが十分な強さで照射されなくなる。したがって、コーナ部R11にピアスPI1を安定して形成することが困難になる。
また、角パイプP1の回転機構が、レーザヘッド41にコーナ部R11が正対する角度で角パイプP1の回転を正確に停止させるのは、結構難しい。これも、コーナ部R11のピアスPI1の貫通方向にレーザビームが十分な強さで照射されず、コーナ部R11にピアスを安定して形成することを困難にする原因となる。
このように、レーザビームの照射位置が定まりにくい角パイプP1のコーナ部R11にピアスを安定して形成するのは難しい。
なお、割付けデータにおいてピアスがコーナ部R1上の位置に割付けられる可能性は、角パイプP1に限らず、図2(b)の長角パイプP2、あるいは、図3(a)~(d)の軽量山形鋼A1、軽量不等辺山形鋼A2、軽量溝形鋼C1、リップ溝形鋼C2にもある。
図7はCAM装置20が作成する展開図データによって示される、図3(c)の軽量溝形鋼C1の展開図である。軽量溝形鋼C1の展開図AD2では、ウェブW11の上下に、平面状に展開したコーナ部R21,R22を挟んでウェブW11と隣り合うフランジF11,F12が配置されている。この軽量溝形鋼C1の両端面には、2つのコーナ部R21,R22に跨がる外形O1,O2がそれぞれ形成されている。
レーザ加工機40で軽量溝形鋼C1に外形O1,O2を形成する際には、外形O1,O2の形成で発生する不要部分を軽量溝形鋼C1から切り落とすために、切り落とす前の不要部分にピアス及びアプローチが形成される。このとき、割付けデータ作成装置22が作成する割付けデータにおいて、ピアスの位置は、コーナ部R21,R22に跨がる外形O1,O2の加工開始点を基準に定義される。このため、割付けデータにおいて、外形O1,O2に対応するピアスPI2,PI3がコーナ部R21,R22上の位置に割付けられる可能性がある。
また、展開図AD2の軽量溝形鋼C1のフランジF11,F12には、ノッチN11,N12がそれぞれ形成されている。さらに、軽量溝形鋼C1のウェブW11には、穴H21,H22が形成されている。これらをレーザ加工機40で軽量溝形鋼C1に形成する際にも、ノッチN11,N12又は穴H21,H22の形成で発生する不要部分を軽量溝形鋼C1から切り落とすために、切り落とす前の不要部分にピアス及びアプローチが形成される。
このとき、割付けデータ作成装置22が作成する割付けデータにおいて、ピアスの位置は、ノッチN11,N12及び穴H21,H22の加工開始点を基準に定義される。このため、コーナ部R21に跨がるノッチN11及びコーナ部R21,R22に跨がる穴H22に対応するピアスPI4,PI5は、割付けデータにおいて、図7に示すように、コーナ部R21,R22上の位置に割付けられる可能性がある。
そして、軽量溝形鋼C1のコーナ部R21,R22は、角パイプP1のコーナ部R1と同様に、曲げ加工によって形成された曲面で構成されている。このため、角パイプP1のコーナ部R1上にピアスPI1を形成する場合と同じく、外形O1,O2、ノッチN11、及び、穴H22にそれぞれ対応するピアスPI2~PI5をコーナ部R21,R22上に安定して形成することは困難である。
なお、圧延等で形成される形鋼に、コーナ部に跨がる穴、ノッチ、外形等の加工部を形成する場合でも、そのためのピアスが、割付けデータ作成装置22が作成する割付けデータにおいて、形鋼のコーナ部上の位置に割付けられる可能性がある。形鋼においてもそうなる可能性があるのは、パイプ又は軽量形鋼と同様の理由による。
ここで、圧延等で形成される形鋼は、曲げ加工によって形成される図2のパイプP1,P2及び図3の軽量形鋼A1,A2,C1,C2の曲面のコーナ部R1と異なり、エッジの立ったコーナ部を有している。例えば、図8(a)~(c)の端面平面図に示す山形鋼A3、不等辺山形鋼A4及び溝形鋼C3では、エッジの立ったコーナ部R2を挟んで、互いの向きが90度異なる2つの面S2,S2が隣り合っている。これらの形鋼A3,A4,C3も、加工対象の材料に該当する。
コーナ部R2が曲面でなくエッジが立った形状である形鋼A3,A4,C3でも、レーザ加工機40で形鋼A3,A4,C3を回転させてコーナ部R2にレーザ加工でピアスを形成しようとすると、安定してピアスを形成することができない。その原因は、図2のパイプP1,P2及び図3の軽量形鋼A1,A2,C1,C2の場合と同じく、形鋼A3,A4,C3のコーナ部R2ではレーザビームの照射位置が定まりにくいからである。
特に、エッジの立った形鋼A3,A4,C3のコーナ部R2は、パイプP1,P2及び軽量形鋼A1,A2,C1,C2のコーナ部R1よりも、レーザ加工機40による回転中にレーザヘッド41に正対する期間が短い。このため、形鋼A3,A4,C3の回転機構が、レーザヘッド41にコーナ部R2が正対する角度で形鋼A3,A4,C3の回転を正確に停止させるのは、コーナ部R1をレーザヘッド41に正対させることよりもさらに難しい。
そこで、パイプP1,P2、軽量形鋼A1,A2,C1,C2、形鋼A3,A4,C3を問わず、割付けデータにおいて、鋼材のコーナ部上の位置にピアスが割付けられた場合に、割付けデータ作成装置22は、ピアスの位置を再定義する処理を行う。以下、図5に示す角パイプP1のコーナ部R1に割付けられたピアスPI1の位置を再定義する場合について説明する。
上述したように、割付けデータにおいてピアスPI1の位置を定義するのに関係するのは、穴H1の加工開始点HS1とアプローチAP1の長さである。このため、コーナ部R1に割付けられたピアスPI1の位置を再定義する方法として、穴H1の加工開始点HS1又はアプローチAP1の長さを変更してピアスPI1の位置を再定義する、間接的な再定義方法が考えられる。
図9の説明図では、図5の加工開始点HS1を、穴H1の上辺上の位置から、穴H1の右側辺上のコーナ部R11,R14に跨がっていない位置に変更して、ピアスPI1の位置を再定義する場合を示している。加工開始点HS1の変更により、穴H1に対するアプローチAP1の方向は、必然的に、穴H1の右側辺に向かう右方向に変わる。したがって、穴H1の加工開始点HS1を変更してピアスPI1の位置を再定義するこの方法は、穴H1に対するアプローチAP1の方向を変更してピアスPI1の位置を再定義する方法と考えることもできる。
加工開始点HS1を穴H1の上辺上でずらしても、ピアスPI1はコーナ部R14上に配置されてしまう。しかし、加工開始点HS1を穴H1の上辺から右側辺のコーナ部R11,R14に跨がっていない位置に変更してピアスPI1の位置を再定義すれば、割付けデータにおいて、コーナ部R11,R14から外れた位置にピアスPI1を割付けることができる。
図9では、穴H1の右側辺に加工開始点HS1を配置して穴H1に対するアプローチAP1の方向を右方向としたが、穴H1の左側辺に加工開始点HS1を配置して穴H1に対するアプローチAP1の方向を左方向としてもよい。
また、穴H1の加工開始点HS1の変更、即ち、アプローチAP1の方向の変更は、例えば、CAM装置20に対して設定する穴H1の形状を、あらかじめ登録された定型の形状、即ち、縦長の矩形状から、非定型の形状に変えることで、実行することができる。非定型の形状は、例えば、穴H1の縦横の寸法情報等の入力によって設定することができる。
次に、図10の説明図では、図5のアプローチAP1の長さを短縮して、ピアスPI1の位置を再定義する場合を示している。この再定義方法は、角パイプP1の穴H1が、コーナ部R14を越えて面S14にまで跨がっている場合に有効である。即ち、アプローチAP1を適宜な長さに短縮してピアスPI1の位置を再定義すると、再定義後のピアスPI1の位置が、割付けデータにおいて最初に定義された位置よりも、穴H1の上辺に近づく。このため、ピアスPI1の位置を穴H1の上辺により近い位置に移動させて、割付けデータにおいて、コーナ部R14を外れた面S14内にピアスPI1を割付けることができる。
アプローチAP1の長さを短縮してピアスPI1の位置を再定義する方法は、穴H1に対するアプローチAP1の向きが下向きである場合でも、穴H1がコーナ部R11を越えて面S12にまで跨がっていれば、適用することができる。即ち、アプローチAP1の向きが上向きである場合と同様に、アプローチAP1の短縮によりピアスPI1を、コーナ部R11を外れた面S12内に配置することができる。
上述したように、アプローチAP1の長さを短縮すると、再定義されたピアスPI1の位置は、割付けデータにおいて最初に定義された位置よりも、穴H1の加工開始点HS1が存在する辺に近づく。同じことは、アプローチAP1の長さの短縮だけでなく、加工開始点HS1から穴H1の内側にアプローチAP1を延出させる方向の変更、即ち、加工開始点HS1からピアスPI1へのアプローチAP1によるアプローチ角度の変更によっても実現可能である。
図11の説明図では、加工開始点HS1から穴H1の内側へのアプローチAP1の延出方向を変更して、ピアスPI1の位置を再定義する場合を示している。なお、図11では、穴H1の上辺と鋭角に交わる延出方向のアプローチAP1を実線で示し、穴H1の上辺と鈍角に交わる延出方向のアプローチAP1を破線で示している。
この再定義方法も、アプローチAP1の長さを短縮する図10の再定義方法と同じく、角パイプP1の穴H1が、コーナ部R14を越えて面S14にまで跨がっている場合に有効である。
即ち、この再定義方法では、加工開始点HS1が存在する穴H1の上辺に対するアプローチAP1の延出方向を、図11に示すように、上辺と直交する方向から鋭角又は鈍角に交わる方向に変更する。すると、再定義後のピアスPI1の位置が、割付けデータにおいて最初に定義された位置よりも、穴H1の上辺に近づく。このため、ピアスPI1の位置を穴H1の上辺により近い位置に移動させて、割付けデータにおいて、コーナ部R14を外れた面S14内にピアスPI1を割付けることができる。
アプローチAP1の延出方向を変更してピアスPI1の位置を再定義する方法は、穴H1に対するアプローチAP1の向きが下向きである場合でも、穴H1がコーナ部R11を越えて面S12にまで跨がっていれば、適用することができる。即ち、アプローチAP1の向きが上向きである場合と同様に、アプローチAP1の延出方向の変更によりピアスPI1を、コーナ部R11を外れた面S12内に配置することができる。
なお、上述したピアスPI1の位置の間接的な再定義方法は、コーナ部R11,R14に割付けられたピアスPI1の位置が干渉を起こす位置である場合に、干渉を回避する目的で実行することもできる。
ここで、干渉とは、割付けデータにおいて割付けられたピアスPI1の位置が、穴H1の外側となって、穴H1の形成後にも製品の面S11上に残ってしまうことである。
例えば、図12の説明図では、割付けデータにおいて割付けられた面S31上の位置に形成したピアスPI31が、面S31及びコーナ部R31に跨がる穴H31の形成後に、製品PD31の面S31上に残る場合を示している。なお、図12中の符号AP31及びHS31は、アプローチ及び穴H31の加工開始点をそれぞれ示す。
同様のことは、例えば図13の説明図に示すように、コーナ部R41と、コーナ部R41を挟んで隣り合う面S41及び面S42とに跨がる外形O41を、製品PD41に形成する場合にも、起こる可能性がある。図13では、割付けデータにおいて、製品PD41の外形O41の加工開始点OS41を、コーナ部R41と面S42との境界上の辺に設定した場合を示している。また、図13では、割付けデータにおいて、製品PD41の外形O42の加工開始点OS42を、コーナ部R41と面S41との境界上の辺に設定した場合も示している。
図13に示すように、割付けデータにおいて、加工開始点NS41を基準に定義した面S41上の位置に、割付けられたピアスPI41を形成すると、製品PD41用に形成したピアスPI41が、同じ鋼材から作成する隣の製品PD42上に残る場合がある。同様に、加工開始点NS42を基準に定義した面S42上の位置に、割付けられたピアスPI42を形成すると、製品PD41用に形成したピアスPI42が、同じ鋼材から作成する隣の製品PD43上に残る場合がある。
なお、図示は省略するが、面とコーナ部とに跨がる外形を製品に形成する場合にも、割付けデータにおいて割付けられた位置にピアスを形成すると、製品自身又は同じ鋼材から作成する隣の製品に、形成したピアスが残る場合がある。
そこで、割付けデータ作成装置22が、面S31,S41上の干渉を起こす位置に割付けられたピアスPI31,PI41,PI42の位置を、上述した間接的な再定義方法の実行により、干渉を回避する位置に再定義するようにしてもよい。
なお、コーナ部R11,R14のピアスPI1又は干渉を起こす位置のピアスPI31,PI41,PI42の位置を、間接的な再定義方法で別の位置に再定義する場合、図9~図11の3つの再定義方法を、優先順位の高いものから順に適用してもよい。適用する再定義方法の優先順位は、例えば、図14の説明図に示す、割付けデータ作成装置22の表示部に表示される画像22S上で、設定することができる。また、各再定義方法におけるパラメータも、この画像上で設定することができる。
例えば、図14では、適用する再定義方法の優先順位が、図9の穴H1に対するアプローチAP1の方向変更を1番、図10のアプローチAP1の長さの短縮を2番、図11のアプローチAP1によるアプローチ角度の変更を3番に設定した場合を示している。再定義方法の優先順位は、図14に示す例では、少なくとも4番まで設定できる。図14に示すように、「何も処理しない」の優先順位が設定されると、「何も処理しない」よりも優先順位が高い再定義方法だけが、回避処理において実行される。
また、図14では、図10のアプローチAP1の長さの最小値が2.0mm、図11のアプローチ角度の最大値が±60゜にそれぞれ設定された場合を示している。
割付けデータ作成装置22は、コーナ部R11,R14のピアスPI1又は干渉を起こす位置のピアスPI31,PI41,PI42の位置を間接的な再定義方法で別の位置に再定義する処理を、内蔵の不揮発性メモリのプログラムにしたがって実行する。図15は、このプログラムにしたがって割付けデータ作成装置22が行う干渉チェックの処理手順を示すフローチャートである。
割付けデータ作成装置22は、まず、生成した割付けデータに示されている加工の割付け内容が、外形の加工であるか否かを確認する(ステップS1)。外形の加工である場合は(ステップS1でYES)、後述するステップS5に処理を移行し、外形の加工でない場合は(ステップS1でNO)、割付けデータ作成装置22は、加工の割付け内容が穴又はノッチの加工であるか否かを確認する(ステップS3)。穴又はノッチの加工でない場合は(ステップS3でNO)、一連の処理を終了する。また、穴又はノッチの加工である場合は、後述するステップS7に処理を移行する。
ステップS5では、割付けデータ作成装置22は、割付けデータによって割付けられたピアスの位置が、同じ材料から製造される別の製品、即ち、隣接部品と干渉しない位置であるか否かを確認する。隣接部品と干渉しない位置ではない場合は(ステップS5でNO)、後述するステップS11に処理を移行する。隣接部品と干渉しない位置である場合は(ステップS5でYES)、ステップS7に処理を移行する。
ステップS7では、割付けデータ作成装置22は、割付けデータによって割付けられたピアスの位置が、自己干渉のない位置であるか否かを確認する。ピアスの位置が自己干渉のない位置であるとは、ピアスの位置が、ステップS1で確認した外形の加工後の製品に残る位置でないことを意味する。自己干渉のない位置ではない場合は(ステップS7でNO)、ステップS11に処理を移行する。
また、自己干渉のない位置である場合は(ステップS7でYES)、割付けデータ作成装置22は、ステップS1で確認した外形の加工開始点が、外形を形成する材料のコーナ部内に存在しないか否かを確認する(ステップS9)。加工開始点が材料のコーナ部内に存在しない場合は(ステップS9でYES)、一連の処理を終了する。また、加工開始点が材料のコーナ部内に存在する場合は(ステップS9でNO)、ステップS11に処理を移行する。
ステップS11では、割付けデータ作成装置22は、回避処理を行う。回避処理は、割付けデータにおいて、コーナ部R11,R14のピアスPI1又は干渉を起こす位置のピアスPI31,PI41,PI42の位置を、間接的な再定義方法で、コーナ部R11,R14又は干渉を起こす位置以外の位置に再定義する処理である。図16は、割付けデータ作成装置22が行う回避処理の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
割付けデータ作成装置22は、適用する再定義方法の優先順位の1番が、「何も処理しない」でないか否かを確認する(ステップS21)。優先順位の1番が「何も処理しない」である場合は(ステップS21でNO)、後述するステップS39に処理を移行する。また、優先順位の1番が、「何も処理しない」でない場合は(ステップS21でYES)、割付けデータ作成装置22は、優先順位が1番の再定義方法で、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせないか確認する(ステップS23)。
優先順位が1番の再定義方法で、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせる場合は(ステップS23でNO)、割付けデータ作成装置22は、その再定義方法を実行する(ステップS25)。そして、一連の処理を終了する。一方、優先順位が1番の再定義方法では、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせない場合は(ステップS23でYES)、後述するステップS27に処理を移行する。
ステップS27では、割付けデータ作成装置22は、適用する再定義方法の優先順位の2番が、「何も処理しない」でないか否かを確認する。優先順位の2番が「何も処理しない」である場合は(ステップS27でNO)、ステップS39に処理を移行する。また、優先順位の2番が、「何も処理しない」でない場合は(ステップS27でYES)、割付けデータ作成装置22は、優先順位が2番の再定義方法で、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせないか確認する(ステップS29)。
優先順位が2番の再定義方法で、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせる場合は(ステップS29でNO)、割付けデータ作成装置22は、その再定義方法を実行する(ステップS31)。そして、一連の処理を終了する。一方、優先順位が2番の再定義方法では、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせない場合は(ステップS29でNO)、後述するステップS33に処理を移行する。
ステップS33では、割付けデータ作成装置22は、適用する再定義方法の優先順位の3番が、「何も処理しない」でないか否かを確認する。優先順位の3番が「何も処理しない」である場合は(ステップS33でNO)、ステップS39に処理を移行する。また、優先順位の3番が、「何も処理しない」でない場合は(ステップS33でYES)、割付けデータ作成装置22は、優先順位が3番の再定義方法で、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせないか確認する(ステップS35)。
優先順位が3番の再定義方法で、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせる場合は(ステップS35でNO)、割付けデータ作成装置22は、その再定義方法を実行する(ステップS37)。そして、一連の処理を終了する。一方、優先順位が3番の再定義方法では、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42をなくせない場合は(ステップS35でNO)、一連の処理を終了する。
ステップS39では、割付けデータ作成装置22は、設定された優先順位で再定義方法を適用しても、コーナ部R11,R14及び干渉位置のピアスPI1,PI31,PI41,PI42を、それ以外の位置に再定義できないことを通知する。この通知は、例えば、CAM装置20の表示部におけるウォーニング表示によって行うことができる。
以上に説明した図9~図11の間接的な再定義方法は、レーザ加工機40の立ち上げから出力が安定するまでの期間のレーザビームを利用してピアスPI1及びアプローチAP1を形成する場合に採用すると、特に有効である。即ち、図9~図11の各方法でピアスPI1の位置を再定義すると、アプローチAP1の長さは、短縮されるか元の長さのままとなる。このため、ピアスPI1の位置を再定義しても、出力が安定するまでのレーザビームを利用したピアスPI1及びアプローチAP1の形成を効率よく継続することができる。
但し、図10及び図11の再定義方法では、例えば、図17の説明図に示すように、穴H1が面S12,S14に跨がっていない場合に、コーナ部R11,R14上に定義されたピアスPI1の位置をコーナ部R11,R14の外に再定義することができない。ピアスPI1の位置を再定義できる範囲が、面S12,S14に跨がっていない穴H1の内側の部分に限られるからである。
したがって、図10及び図11の再定義方法では、コーナ部R11,R14上のピアスPI1の位置をコーナ部R11,R14の外に再定義できない場合は、例えば、CAM装置20においてウォーニング表示を行うことが考えられる。このウォーニング表示により、ピアスPI1がコーナ部R11~R14内に配置されていることをユーザに通知することができる。
あるいは、割付けデータ作成装置22が、上述した間接的な再定義方法とは異なる方法でピアスPI1の位置を再定義することも考えられる。上述した間接的な再定義方法の他に、ピアスPI1の位置を再定義する方法としては、直接的な再定義方法が考えられる。
ピアスPI1の位置の直接的な再定義方法では、例えば、図18の説明図に示すように、割付けデータにおいて、最初の定義ではコーナ部R11,R14上に割付けられたピアスPI1の位置を、コーナ部R11,R14外の面S11内の位置に再定義する。
図19A(a)の説明図に示す例では、割付けデータ作成装置22が作成した割付けデータにおいて、縦長の矩形状の穴H51の加工開始点HS51が、穴H51の下辺の中央に割付けられている。また、図19A(a)の例では、面S51とその下方のコーナ部R51に跨がる穴H51のピアスPI51及びアプローチAP51が、割付けデータにおいて、コーナ部R51上に割付けられている。
この場合は、面S51とコーナ部R51との境界から寸法Dだけ穴H51の上辺側の面S51上に仮想的に引いた、水平な再定義線RL51上に、ピアスPI51の位置が再定義される。再定義されたピアスPI51の位置は、図19A(b)の説明図に示すように、穴H51の上辺に向けたアプローチAP51の延長線上に配置される。ピアスPI51の位置の再定義に伴い、アプローチAP51は、図19A(c)の説明図に示すように、再定義されたピアスPI51と加工開始点HS51とを接続する長さに延長される。
図19B(a)の説明図に示す例では、穴H51が左下隅に凹部RC51を有している。凹部RC51は横長の矩形状で、割付けデータにおいて、凹部RC51の輪郭と穴H51の下辺との接合点に加工開始点HS51が割付けられている。また、図19B(a)の例では、凹部RC51を含む穴H51の下部がコーナ部R51に跨がっている。そして、穴H51のピアスPI51及びアプローチAP51が、割付けデータにおいて、コーナ部R51上に割付けられている。
この場合も、図19A(b)と同じ再定義線RL51上に、ピアスPI51の位置が再定義される。再定義されたピアスPI51の位置は、図19B(b)の説明図に示すように、最初に定義されたコーナ部R51上のピアスPI51の位置を通る再定義線RL51からの垂線上に配置される。ピアスPI51の位置の再定義に伴い、アプローチAP51は、図19B(c)の説明図に示すように、再定義されたピアスPI51と加工開始点HS51とを接続する向きの直線に変更される。
図19C(a)の説明図に示す例では、左下隅に凹部RC51を有する図19B(a)の穴H51の加工開始点HS51が、割付けデータにおいて、図19C(a)に示すように、凹部RC51の右上角に割付けられている。また、図19C(a)の例では、凹部RC51を含む穴H51の下部がコーナ部R51に跨がっている。そして、穴H51のピアスPI51及びアプローチAP51が、割付けデータにおいて、コーナ部R51上に割付けられている。
この場合も、図19A(b),図19B(b)と同じ再定義線RL51上に、ピアスPI51の位置が再定義される。再定義されたピアスPI51の位置は、図19C(b)の説明図に示すように、最初に定義されたコーナ部R51上のピアスPI51の位置を通る再定義線RL51からの垂線上に配置される。ピアスPI51の位置の再定義に伴い、アプローチAP51は、図19C(c)の説明図に示すように、再定義されたピアスPI51と加工開始点HS51とを接続する向きの直線に変更される。
上述したピアスPI1,PI51の直接的な再定義方法では、割付けデータにおいてコーナ部R11,R14,R51に定義されたピアスPI1,PI51の位置を、専ら、穴H1,H51の加工開始点HS1,HS51から遠ざかる位置に再定義している。そのため、アプローチAP1,AP51の長さは、ピアスPI1,PI51の位置を再定義することで専ら延長される。したがって、ピアスPI1,PI51の位置を再定義したことで、レーザビームの出力が安定する前に、ピアスPI1,PI51及びアプローチAP1,AP51の形成が終わって穴H1,H51の形成が始まるようになるのを、防ぐことができる。
なお、ピアスPI1,PI51の位置の直接的な再定義方法では、再定義に伴ってアプローチAP1,AP51の長さが専ら延長される。このため、アプローチAP1の移動又は長さの短縮によりピアスPI1の位置を再定義する間接的な再定義方法に比べて、再定義されたピアスPI1,PI51の位置が、干渉を起こす可能性が高くなる。
そこで、直接的な再定義方法によって、コーナ部上のピアスの位置をコーナ部の外に再定義した後には、割付けデータ作成装置22が、再定義された位置のピアスについて、ピアスを形成する前に干渉チェックを行うことが望ましい。
図20(a)の説明図では、面S61及びコーナ部R61に跨がる穴H61の加工開始点HS61を基準に定義したピアスPI61の位置を、直接的な再定義方法によってコーナ部R61上からコーナ部R61の外の面S61上に再定義した場合の例を示している。この例では、面S61上に再定義されたピアスPI61の位置が穴H61の外側となって、穴H61の形成後に面S61上に残ってしまう。
ピアスPI61の干渉チェックでは、まず、直接的な再定義方法によって再定義されたピアスPI61の位置が穴H61の外側となるか否かを確認する。そして、再定義されたピアスPI61の位置が穴H61の外側となる場合は、面S61とコーナ部R61との境界から、ピアスPI61の位置が再定義される仮想的な再定義線RL61までの、寸法Dを徐々に減らす。そして、再定義されたピアスPI61の位置が穴H61の外側となるか否かを再確認する。以上の手順を繰り返すことで、穴H61の内側で、かつ、面S61上となる位置に、ピアスPI61の位置を再定義することができる。なお、以上の手順を繰り返す回数について、上限回数を設定してもよい。その場合、上限回数は任意の回数に設定することができる。また、以上の手順を繰り返す際の寸法Dを減らすピッチは、等ピッチであってもなくてもよい。
図20(b)の説明図では、再定義当初は2.0mmであった寸法Dを0.1mmまで減らした段階で、再定義されたピアスPI61の位置が、穴H61の内側で、かつ、面S61上となった状態を示している。図20(b)の位置にピアスPI61が再定義されると、面S61に対するピアスPI61の干渉を回避することができる。
なお、ノッチ又は外形を形成するためのピアスが製品自身又は他の製品と干渉する場合も、上述した干渉チェックと同様に、ピアスの位置をノッチ又は外形の加工開始点に徐々に近付ける処理を繰り返すことで、ピアスの干渉を回避することができる。
以上の手順を経て、割付けデータ作成装置22による割付けデータが得られたら、その割付けデータに基づいて、図1のCAM装置20が加工プログラムを作成し、NC装置30が加工プログラムに基づいてレーザ加工機40における鋼材の加工を制御する。これにより、CAD装置10が作成した製品形状データに対応する製品を、レーザ加工機40のレーザ加工等を経て製造することができる。
そして、CAM装置20が、CAD装置10からの製品形状データに基づく製品の展開図データの作成から加工プログラムの作成までの処理を実行することで、レーザ加工位置決定方法が実行される。以下、本実施形態のCAM装置20で実行されるレーザ加工位置決定方法の一例を、図21のフローチャートを参照して説明する。
図21に示すように、本実施形態のレーザ加工位置決定方法は、準備、定義、判定、再定義、干渉回避の各ステップ(ステップS41~S45)を含んでいる。
このうち、ステップS41の準備ステップは、CAM装置20が、例えば、図4の角パイプP1を平面状に展開した図5の展開図AD1の展開図データを作成し、角パイプP1に加工部として形成する穴H1の加工範囲を定義するために準備するステップである。この準備ステップでは、CAM装置20は、展開図データの出力をCAD装置10に要求する。そして、要求に応じたCAD装置10から入力される展開図データを読み込む。したがって、ステップS41の準備ステップは、CAD装置10が作成した展開図AD1の展開図データを読み込む読み込みステップでもある。
CAM装置20は、読み込んだ展開図データ上で、角パイプP1に加工部として形成する穴H1の加工範囲を定義することができる。穴H1の加工範囲は、角パイプP1の面S11とコーナ部R11,R14とに跨がる範囲とされる。なお、CAM装置20は、作成した展開図データを、例えば、内蔵の不揮発性メモリで構成した図面データ記憶部に記憶させることができる。
次に、ステップS42の定義ステップは、CAM装置20が、穴H1を形成する際に角パイプP1から切り落とす部分に、その部分の切り落とし前に形成する、ピアスPI1及びアプローチAP1の位置をそれぞれ定義するステップである。なお、CAM装置20は、展開図データの展開図AD1上におけるピアスPI1及びアプローチAP1の位置を定義することができる。この定義ステップでは、CAM装置20により、位置定義データが生成される。
続いて、ステップS43の判定ステップは、CAM装置20が、展開図データにおいてコーナ部R11,R14内に定義されたピアスPI11の位置を、間接的な再定義方法でコーナ部R11,R14外に再定義できるか否かを判定するステップである。間接的な再定義方法でコーナ部R11,R14外に再定義できる位置のピアスPI11は、間接的な再定義方法で位置を再定義する。間接的な再定義方法による再定義では、ピアスPI11の位置が、アプローチAP1の短縮又は穴H1の加工開始点HS1の変更によって再定義される。
次に、ステップS44の再定義ステップは、CAM装置20が、展開図データにおいてコーナ部R11,R14内に定義されたピアスPI11の位置を、直接的な再定義方法により、コーナ部R11,R14の外の位置に定義し直すステップである。直接的な再定義方法による再定義は、間接的な再定義方法ではコーナ部R11,R14外に再定義できない位置のピアスPI11を対象に行う。直接的な再定義方法による再定義では、ピアスPI11の位置が先に再定義され、再定義されたピアスPI11の位置に合わせて、アプローチAP1の長さが後から必要に応じて変更される。この再定義ステップでは、CAM装置20により、位置再定義データが生成される。
続いて、ステップS45の干渉回避ステップは、第1及び第2干渉回避ステップとを含んでいる。第1干渉回避ステップは、CAM装置20が、割付けデータにおいて定義したピアス及びアプローチの位置を、製品の材料に穴、ノッチ、外形等の加工部を形成して製造される製品中の他の部分との干渉が回避される位置に定義し直すステップである。また、第2干渉回避ステップは、CAM装置20が、割付けデータにおいて定義したピアス及びアプローチの位置を、穴、ノッチ、外形等の加工部を形成して製造する製品とは別の製品の製造に使用する部分との干渉が回避される位置に定義し直すステップである。この再定義ステップでは、CAM装置20により、第1干渉回避データ及び第2干渉回避データが生成される。
以上の説明からも明らかなように、本実施形態では、CAM装置20が請求項中の位置定義部、位置再定義部、判定部、第1干渉回避部及び第2干渉回避部に相当している。また、CAM装置20は、内蔵の不揮発性メモリに記憶されたレーザ加工位置決定プログラムにしたがって処理を行うことで、図21のフローチャートに示すレーザ加工位置決定方法を実行する。
以上に説明した本実施形態では、コーナ部R51に跨がる穴H51の加工開始点HS51を基準に定義されたピアスPI51の位置が、コーナ部R51上である場合に、CAM装置20が、ピアスPI51の位置を先に再定義する。ここで、CAM装置20は、ピアスPI51の位置を、コーナ部R51を外れた面S51上に再定義する。そして、CAM装置20は、再定義したピアスPI1の位置に合わせて、アプローチAP1の長さを後から変更する。このため、コーナ部R51上に割り付けられたピアスPI51の位置を、コーナ部R51を外れてピアスPI51が安定して形成される面S51上に確実に移動させることができる。
なお、ピアスの位置の間接的な再定義方法の実行前に干渉チェックを行い、コーナ部に割付けられたピアスの位置の間接的な再定義方法を、干渉チェックで見つかった干渉するピアス回避処理を兼ねて実施する構成は、省略してもよい。また、図21のフローチャートに示すレーザ加工位置決定方法において、ステップS5の干渉回避ステップは省略してもよい。
10 CAD装置
11 製品形状データ作成部
20 CAM装置(図面データ記憶部、位置定義部、位置再定義部、判定部、第1干渉回避部、第2干渉回避部)
21 加工範囲・加工順決定部
22 データ作成装置
22S 画像
30 NC装置
40 レーザ加工機
41 レーザヘッド
A1 軽量山形鋼(軽量形鋼)
A2 軽量不等辺山形鋼(軽量形鋼)
A3 山形鋼(形鋼)
A4 不等辺山形鋼(形鋼)
AP1,AP31,AP51 アプローチ
C1 軽量溝形鋼(軽量形鋼)
C2 リップ溝形鋼(軽量形鋼)
C3 溝形鋼(形鋼)
D 寸法
F11,F12 フランジ
H1,H21,H22,H31,H51,H61 穴
HS1,HS31,HS51,HS61 加工開始点
N11,N12 ノッチ
O1,O2,O41,O42 外形
OS41,OS42 加工開始点
P1 角パイプ(パイプ)
P2 長角パイプ(パイプ)
PD1,PD31,PD41~PD43 製品
PI1~PI5,PI11,PI31,PI41,PI42,PI51,PI61 ピアス
R1,R2,R11~R14,R21,R22,R31,R41,R51,R61 コーナ部
RC51 凹部
RL51,RL61 再定義線
S1,S2,S2,S11~S14,S31,S41,S42,S51,S61 面
W11 ウェブ

Claims (12)

  1. 所定の板厚の面を複数有し2つの前記面がコーナ部を挟んで隣り合う加工対象の材料の、前記複数の面を平面状に展開した図面上において、前記コーナ部に跨がる形状の加工部が形成される前記材料の加工範囲を定義する図面データを準備する準備ステップと、
    前記材料に前記加工部を形成する際に切り落とす部分に、前記加工部の形成前に形成する、前記材料を前記板厚の方向に貫通するピアス、及び、前記ピアスから前記加工部の加工開始点まで前記材料を切断する所定長さのアプローチの位置を、前記加工部の形状に応じて決定し前記図面上にそれぞれ定義する定義ステップと、
    前記図面データにおいて前記図面の前記コーナ部に対応するエリアの中に定義されている前記ピアスの位置を前記エリアの外に定義し直し、かつ、前記定義し直した前記ピアスの位置に応じて前記アプローチの位置を定義し直す再定義ステップと、
    を含むレーザ加工位置決定方法。
  2. 前記図面データにおいて前記エリアの中に定義されている前記ピアスの位置を、前記アプローチの短縮前記加工開始点の変更、又は、前記ピアスから前記加工開始点に対する前記アプローチの向きの変更によって前記エリアの外に移動できるか否かを判定する判定ステップをさらに含み、前記判定ステップにおいて、前記アプローチの短縮、前記加工開始点の位置の変更、及び、前記ピアスから前記加工開始点に対する前記アプローチの向きの変更のいずれによっても前記ピアスの位置を前記エリアの外に移動できないと判定した場合に、前記再定義ステップにおいて、前記ピアスが前記エリアの外に位置するように、前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直す請求項1に記載のレーザ加工位置決定方法。
  3. 前記図面データにおいて、前記ピアス及び前記アプローチの位置が、前記材料に前記加工部を形成して製造される製品中の他の部分と干渉する場合に、前記他の部分との干渉が回避される位置に前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直す第1干渉回避ステップをさらに含む請求項1又は2に記載のレーザ加工位置決定方法。
  4. 前記図面データにおいて、前記ピアス及び前記アプローチの位置が、前記材料の、前記加工部を形成して製造する製品とは別の製品の製造に使用する部分と干渉する場合に、前記別の製品の製造に使用する部分との干渉が回避される位置に前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直す第2干渉回避ステップをさらに含む請求項1~3のうちいずれか1項に記載のレーザ加工位置決定方法。
  5. コンピュータに、
    所定の板厚の面を複数有し2つの前記面がコーナ部を挟んで隣り合う加工対象の材料の、前記複数の面を平面状に展開した図面上において、前記コーナ部に跨がる形状の加工部が形成される前記材料の加工範囲を定義する図面データを読み込む読み込みステップと、 前記材料に前記加工部を形成する際に切り落とす部分に、前記加工部の形成前に形成する、前記材料を前記板厚の方向に貫通するピアス、及び、前記ピアスから前記加工部の加工開始点まで前記材料を切断する所定長さのアプローチの位置を、前記加工部の形状に応じて決定し前記図面上にそれぞれ定義する定義ステップと、
    前記図面データにおいて前記図面の前記コーナ部に対応するエリアの中に定義されている前記ピアスの位置を前記エリアの外に定義し直し、かつ、前記定義し直した前記ピアスの位置に応じて前記アプローチの位置を定義し直す再定義ステップと、
    を実行させるレーザ加工位置決定プログラム。
  6. コンピュータに、
    前記図面データにおいて前記エリアの中に定義されている前記ピアスの位置を、前記アプローチの短縮前記加工開始点の変更、又は、前記ピアスから前記加工開始点に対する前記アプローチの向きの変更によって前記エリアの外に移動できるか否かを判定する判定ステップをさらに実行させ、
    前記判定ステップにおいて、前記アプローチの短縮、前記加工開始点の位置の変更、及び、前記ピアスから前記加工開始点に対する前記アプローチの向きの変更のいずれによっても前記ピアスの位置を前記エリアの外に移動できないと判定した場合に、前記再定義ステップにおいて、前記ピアスが前記エリアの外に位置するように、前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直させる、
    請求項5に記載のレーザ加工位置決定プログラム。
  7. コンピュータに、
    前記図面データにおいて、前記ピアス及び前記アプローチの位置が、前記材料に前記加工部を形成して製造される製品中の他の部分と干渉する場合に、前記他の部分との干渉が回避される位置に前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直す第1干渉回避ステップをさらに実行させる、
    請求項5又は6に記載のレーザ加工位置決定プログラム。
  8. コンピュータに、
    前記図面データにおいて、前記ピアス及び前記アプローチの位置が、前記材料の、前記加工部を形成して製造する製品とは別の製品の製造に使用する部分と干渉する場合に、前記別の製品の製造に使用する部分との干渉が回避される位置に前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直す第2干渉回避ステップをさらに実行させる、
    請求項5~7のうちいずれか1項に記載のレーザ加工位置決定プログラム。
  9. 所定の板厚の面を複数有し2つの前記面がコーナ部を挟んで隣り合う加工対象の材料の、前記複数の面を平面状に展開した図面上において、前記コーナ部に跨がる形状の加工部が形成される前記材料の加工範囲を定義する図面データを記憶する図面データ記憶部と、 前記材料に前記加工部を形成する際に切り落とす部分に、前記加工部の形成前に形成する、前記材料を前記板厚の方向に貫通するピアス、及び、前記ピアスから前記加工部の加工開始点まで前記材料を切断する所定長さのアプローチの位置を、前記加工部の形状に応じて決定し前記図面上にそれぞれ定義する位置定義データを生成する位置定義部と、
    前記図面データにおいて前記図面の前記コーナ部に対応するエリアの中に定義されている前記ピアスの位置を前記エリアの外に定義し直し、かつ、前記定義し直した前記ピアスの位置に応じて前記アプローチの位置を定義し直す位置再定義データを生成する位置再定義部と、
    を備えるレーザ加工プログラム作成装置。
  10. 前記図面データにおいて前記エリアの中に定義されている前記ピアスの位置を、前記アプローチの短縮前記加工開始点の変更、又は、前記ピアスから前記加工開始点に対する前記アプローチの向きの変更によって前記エリアの外に移動できるか否かを判定する判定部をさらに備え、前記判定部が、前記アプローチの短縮、前記加工開始点の位置の変更、及び、前記ピアスから前記加工開始点に対する前記アプローチの向きの変更のいずれによっても前記ピアスの位置を前記エリアの外に移動できないと判定した場合に、前記ピアスが前記エリアの外に位置するように、前記位置再定義部は前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直す前記位置再定義データを生成する請求項9に記載のレーザ加工プログラム作成装置。
  11. 前記図面データにおいて、前記ピアス及び前記アプローチの位置が、前記材料に前記加工部を形成して製造される製品中の他の部分と干渉する場合に、前記他の部分との干渉が回避される位置に前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直す第1干渉回避データを生成する第1干渉回避部をさらに備える請求項9又は10に記載のレーザ加工プログラム作成装置。
  12. 前記図面データにおいて、前記ピアス及び前記アプローチの位置が、前記材料の、前記加工部を形成して製造する製品とは別の製品の製造に使用する部分と干渉する場合に、前記別の製品の製造に使用する部分との干渉が回避される位置に前記ピアス及び前記アプローチの各位置をそれぞれ定義し直す第2干渉回避データを生成する第2干渉回避部をさらに備える請求項9~11のうちいずれか1項に記載のレーザ加工プログラム作成装置。
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