JP7328057B2 - 電動アクチュエータおよび診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動アクチュエータおよび診断装置に関する。
電動アクチュエータは、駆動装置となるモータの回転に応じて、出力機構を機械的に変位させる装置であり、様々な分野で利用されている。例えば、ボール弁等のロータリ式の調節弁の弁軸を操作する電動アクチュエータでは、バルブの弁体に連結された回転軸にモータの回転をギアその他の伝達機構を介して伝達して、この回転軸を回動させるとともに、回転軸の回転方向の機械的変位、すなわち回転角を、可変抵抗器から成るポテンショメータなどの位置センサによって検出し、その検出結果に基づいて回転軸の操作量を決定している(特許文献1参照)。
また、電動アクチュエータの駆動装置となるモータには、回転量または回転角度を制御する観点から、しばしばブラシレス直流モータ、ステッピングモータや交流モータが用いられる。また、ブラシレス直流モータには、ホール素子等の位置検出素子が設けられ、この位置検出素子によってモータの回転量または回転角度を検出している(例えば、特許文献2)。
また、回転軸の回転方向の機械的変位量を測定するための位置センサとしては、ポテンショメータに代表される接触式の絶対的位置センサの他に、測定対象の回転軸の回転方向の絶対的な位置を非接触で検出する非接触式の絶対的位置センサや、測定対象の回転軸の回転方向の相対的な位置を非接触で検出する非接触式の相対的位置センサが知られている。例えば、非接触式の絶対的位置センサとしては、回転軸の絶対的な角度位置に対応したコード信号を出力するアブソリュート型のロータリエンコーダが知られており、非接触式の相対的位置センサとしては、回転軸の回転角度に対応してパルスを出力するインクリメンタル型のロータリエンコーダが知られている(特許文献3参照)。
特開2011-74935号公報 特開2015-125038号公報 特開2010-286444号公報
ところで、電動アクチュエータは、定期的に点検および保守が行われるとしても、実際に不具合が生じたときには、作業員が現場に赴き、しばしばその不具合の原因を特定する作業から始めなければならず、その負担は小さくない。また、原因の特定や修理のために、電動アクチュエータのみならず、その電動アクチュエータを含むシステム全体の使用を臨時に中止しなければならないこともある。このようなシステムの使用中止を回避するとともに、点検・修理の負担を軽減することは、人手不足の問題を抱える中で、緊急の課題ともいえる。このような課題を解決する手段として、電動アクチュエータの故障診断を不具合が発生する前から適宜行うことが有効であると考えられる。
しかしながら、従来の電動アクチュエータにおいて、電動アクチュエータの故障診断を行っているものはない。そのため、使用中の電動アクチュエータに実際に不具合が生じた場合には、その対応に手間がかかっていた。
そこで、本発明は、電動アクチュエータの診断を可能とすることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る電動アクチュエータは、モータ(10)と、前記モータの回転を制御する制御回路(50)と、前記モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構(30)と、前記モータの回転を検出する第1のセンサ(HU,HV,HW)と、前記出力機構の機械的変位を検出する第2のセンサ(40)および第3のセンサ(41)と、前記第1のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第1の算出回路(711)と、前記第2のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第2の算出回路(712)と、前記第3のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第3の算出回路(713)と、前記第1の算出回路によって算出された前記出力機構の第1の変位量と、前記第2の算出回路によって算出された前記出力機構の第2の変位量と、前記第3の算出回路によって算出された前記出力機構の第3の変位量とを互いに比較する比較回路(72)と、前記比較回路によって前記第1の変位量と前記第2の変位量と前記第3の変位量とを比較した結果に基づいて前記第1のセンサ、前記第2のセンサおよび前記第3のセンサの状態を診断する診断回路(73)とを備える。
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいて、前記モータは、永久磁石(11m)を備えたロータ(11)と、前記制御回路と接続されて前記ロータと対向して配置された巻線(U,V,W)とを有するブラシレス直流モータであり、前記第1のセンサは、前記ロータの位置を検出するホールセンサ(HU,HV,HW)である。
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいて、前記第2のセンサ(40)および前記第3のセンサ(41)は、前記出力機構の位置に応じて出力される信号に基づいて前記機械的な変位量を検出する絶対的位置センサである。
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいて、前記第2のセンサは、前記出力機構の位置に応じて出力される信号に基づいて前記機械的な変位量を検出する絶対的位置センサであり、前記第3のセンサは、前記出力機構が前記複数の位置のそれぞれに対応する位置に到達したときにそれぞれ検知信号を出力する絶対的位置センサである。
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいて、前記第2のセンサおよび前記第3のセンサの少なくともひとつは、ポテンショメータ(40)である。
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいて、前記第2のセンサおよび前記第3のセンサの少なくともひとつは、前記出力機構の変移の方向に沿って設けられた互いに異なる複数の位置に対応して設けられ、前記出力機構が前記複数の位置のそれぞれに対応する位置に到達したときにそれぞれ検知信号を出力する複数の位置センサを含む。
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいて、前記第1の変位量と、前記第2の変位量と、前記第3の変位量とを他の装置に出力するインターフェース回路を含み、前記比較回路と前記診断回路とは、前記他の装置に設けられている。
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいて、前記比較回路によって前記第1の変位量と前記第2の変位量と前記第3の変位量とを比較した結果を他の装置に出力するインターフェース回路を含み、前記診断回路は、前記他の装置に設けられている。
本発明の一実施の形態に係る電動アクチュエータにおいて、前記インターフェース回路は、無線通信インターフェース回路およびネットワーク・インターフェース回路の少なくとも一つである。
本発明に係る診断装置は、モータと、前記モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構とを有する電動アクチュエータの診断装置であって、前記モータの回転を検出する第1のセンサ(HU,HV,HW)と、前記出力機構の機械的変位を検出する第2のセンサ(40)および第3のセンサ(41)と、前記第1のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第1の算出回路(711)と、前記第2のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第2の算出回路(712)と、前記第3のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第3の算出回路(713)と、前記第1の算出回路によって算出された前記出力機構の第1の変位量と、前記第2の算出回路によって算出された前記出力機構の第2の変位量と、前記第3の算出回路によって算出された前記出力機構の第3の変位量とを互いに比較する比較回路(72)と、前記比較回路によって前記第1の変位量と前記第2の変位量と前記第3の変位量とを比較した結果に基づいて故障箇所を診断する診断回路(73)とを備える。
本発明によれば、電動アクチュエータの診断が可能となる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータおよび診断装置の構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータにおけるモータおよびその駆動回路の構成例を示す図である。 図3Aは、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータにおけるモータの動作とホールセンサの関係を示す図である。 図3Bは、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータにおけるホールセンサの出力の例を説明する図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータにおけるモータの動作とホールセンサの出力との関係を示す図である。 図5は、角度位置センサの一例を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの診断に用いるステータスを説明する図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの診断装置のハードウェア構成を示す図である。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの診断の手順を説明するためのフローチャートである。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの診断の手順を説明するためのフローチャートである。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータの診断の他の手順を説明するためのフローチャートである。 図11は、本発明の第2の実施の形態に係る電動アクチュエータおよび診断装置の構成を示す図である。 図12は、端末装置のハードウェア構成を示す図である。 図13は、本発明の第3の実施の形態に係る電動アクチュエータおよび診断装置の構成を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る電動アクチュエータ100は、図1に示すように、モータ10と、モータ10の回転を伝達する伝達機構となる減速機20と、減速機20を介して伝達されるモータ10の回転に応じて軸線周りに回動する回転軸30と、回転軸30の回転角を測定する2つの角度センサ、すなわち、ポテンショメータ40および角度位置センサ41と、モータ10の回転を制御する制御回路50と、制御回路50からの制御信号に基づいてモータ10を回転させる駆動回路60と、モータ10の診断を行う診断装置70とを備えている。このうち、モータ10と、減速機20と、回転軸30の一部と、ポテンショメータ40と、角度位置センサ41と、制御回路50と、駆動回路60は、筐体80の中に収容されている。また、後述する診断の結果を含め、各種情報を表示する表示装置90が設けられている。表示装置90としては、例えば、液晶表示装置(LCD)等を用いることができる。
[電動アクチュエータの構成]
上述した構成要素のうち、モータ10は、本実施の形態においては、三相のブラシレス直流モータである。図2に駆動回路60とモータ10との構成例を示し、図3Aにモータ10の構成例を示す。モータ10は、モータ軸に直交する方向に分極した永久磁石11mを有するロータ11と、このロータ11の磁極と対向して配置された3つの巻線U、V、Wとからなる。また、図3Aに示すように、モータ10には、3つのホールセンサHU、HV、HWが、モータ軸を中心に互いに120°間隔をあけて設けられている。例えば、図3Aは、ロータ11の永久磁石11mによる磁界がV相のホールセンサHVの方向を向いている。このときの各ホールセンサから出力される信号は、図3Bに示すように、V相のホールセンサHVの信号が「H」レベルを示すのに対し、他の2相、すなわちU相とW相のホールセンサHU、HWの信号は、いずれも「L」レベルとなる。これらホールセンサHU、HV、HWの信号はロータ11の回転にともなって変化することから、一組のホールセンサHU、HV、HWは、モータ10の回転を検出する第1のセンサとして機能する。以下、一組のホールセンサHU、HV、HWを単に「一組のホールセンサH」ということがある。
一方、駆動回路60は、図2に示すように、巻線U、V、Wの各相に対応して並列に設けられた3対のMOSFET Quu、Qul;Qvu、Qvl;Qwu、Qwlを備えている。各対のMOSFETは、互いに直列に接続され、制御回路50がこれらのMOSFETを適宜オン/オフすることによって、モータ10の3つの巻線U,V,Wのうち通電する相、すなわち巻線と、その電流の方向、すなわちその巻線によって生じる磁界の方向を切り替えることができる。
なお、駆動回路60には、MOSFETのほかにトランジスタを用いてもよい。
制御回路50は、一組のホールセンサHから出力される信号に応じて、駆動回路60のMOSFETのオン/オフを切り替えて、通電する相とその通電する方向を切り替えることによって回転磁界を生成して、モータ10を回転させることができる。
また、制御回路50は、目標角度θspとポテンショメータ40によって検出される回転軸30の回転角度θptとの偏差に応じて操作量を決定し、駆動回路60を動作させることによってモータ10の回転を制御する。より具体的には、制御回路50は、目標角度θspとポテンショメータ40によって検出される回転軸30の回転角度θptとの偏差に応じて操作量OAを決定し、駆動回路60にこの操作量OAに応じた駆動信号Dを与える。例えば、一般的な比例制御(P制御)の場合は、OA=α(θsp-θpt)(ただし、αは比例定数)よって算出される。制御回路50は、このようにして求められた操作量OAとモータ10の状態を表す一組のホールセンサHの信号とに基づいて、図2に示すような駆動回路60のMOSFETをオン/オフさせる駆動信号Dを生成して出力する。
なお、上述した比例制御は、モータ10または回転軸30の回転角度の制御の一例にすぎず、本発明においては、例えば、PD制御、PID制御の他、ニューラルネットワークモデルその他のモデルを用いたモデル制御など、どのような制御手法を用いていてもよい。
減速機20は、互いに組み合わされた複数のギアから構成されるが、チェーンやベルトを組み合わせた機構であってもよい。本実施の形態においては、減速機20は、モータ10の回転を所定の減速比Gで減速して回転軸30に伝達するものとする。
回転軸30は、剛性の高い金属等から形成された棒状の部材であり、一端が減速機20の出力端に連結されるとともに、筐体80にその軸線周りに回動可能に支持される。図示はしないが、回転軸30の他端は、バルブの弁体その他、操作対象要素に連結される。
本実施の形態に係る電動アクチュエータ100においては、出力機構である回転軸30の回転方向の機械的変位を検出するセンサとして、ポテンショメータ40と角度位置センサ41の2つの角度センサを備えている。
このうち角度位置センサ41は、回転軸30の回動範囲内に、任意の基準位置から互いに異なる複数の回転角に対応する位置にそれぞれ設けられた位置センサを備えている。回転軸30がいずれかの位置センサに対応する位置に到達したときに検知信号を出力するように構成されている。そのような角度位置センサ41の一構成例を図5に示す。
この構成例に係る角度位置センサ41は、電動アクチュエータ100の回転軸30に取り付けられて、回転軸30と一体になって回動するショートプレート401と、回転軸30の近傍に設けられた基板(図示せず。)と、この基板の表面のショートプレート401が回転軸30とともに回動する範囲内に設けられた複数の電極4_1~4_5とを備えている。この例は、電動アクチュエータ100をバルブの開閉に用いる場合を想定し、複数の電極4_1~4_5は、それぞれバルブの開度に応じた位置に設けられており、回転軸30が回動してショートプレート401が複数の電極4_1~4_5のいずれかと接触することによって、回転軸30の回転角が所定の大きさとなったことを示す検知信号θpsが出力される。
このような角度位置センサ41は、ポテンショメータと同じく、任意の基準位置からの絶対的な回転角を検出するアブソリュートセンサの一種であるが、ポテンショメータが連続的な回転角の変化を検出して出力するのに対し、角度位置センサ41は、ショートプレート401が複数の電極4_1~4_5のいずれかと接触したときのみに検知信号を出力するので、離散的な回転角の変化を検出して出力するセンサということができる。
上述したポテンショメータ40および角度位置センサ41は、それぞれ、本発明における「出力機構(回転軸30)の機械的変位を検出する第2のセンサおよび第3のセンサ」に相当する。
本実施の形態においては、角度センサとして、可変抵抗器から成るポテンショメータ40と、角度位置センサ41とを用いるものとするが、これらに代えて、回転軸30の絶対的な角度位置に対応したコード信号を出力するアブソリュート型のロータリエンコーダや、回転軸30の回転角度に対応してパルスを出力する、相対的位置センサであるインクリメンタル型のロータリエンコーダなどを用いてもよい。
[診断装置の構成]
診断装置70は、図1に示すように、算出回路71、比較回路72、診断回路73および出力回路74を備えている。
ここで算出回路71は、各センサの出力から回転軸30の機械的な変位量をそれぞれ計算する演算回路である。このような算出回路71は、各センサに対応して第1算出回路711、第2算出回路712、および第3算出回路713から構成される。
このうち第1算出回路711は、次のようにして、モータ10の一組のホールセンサHの出力から回転軸30の機械的な変位量(Δθh)を算出する。
図4に示すように、三相のブラシレス直流モータにおいて極対数1の場合には、各ホールセンサ信号のエッジの切り替えのパルスが60°ごとに発生し、モータ10のモータ軸が1回転すると合計6回発生する。したがって、各ホールセンサ信号のエッジの切り替えのパルスを計数して、モータの極対数をp、減速比をGとし、電動アクチュエータ100の回転軸30がΔθptだけ回転したときに発生したパルス数をnとすれば、一組のホールセンサHの信号の変化から算出した変位量Δθhは、次の式(1)で表すことができる。
Δθh=(60・n)/(p・G) (1)
以下、一組のホールセンサHの信号の変化に基づいて第1算出回路711によって算出された回転軸30の回転角の変位量Δθhを「第1の変位量Δθh」ということがある。
第2算出回路712は、ポテンショメータ40の出力θptから回転軸30の回転角の変位量Δθptを算出する。また、第3算出回路713は、角度位置センサ41の出力から回転軸30出力機構の機械的な変位量Δθpsを算出する。
以下、ポテンショメータ40の出力に基づいて第2算出回路712によって算出された回転軸30の回転角の変位量Δθptを「第2の変位量Δθpt」といい、角度位置センサ41の出力に基づいて第2算出回路712によって算出された回転軸30の回転角の変位量Δθpsを「第3の変位量Δθps」ということがある。
なお、説明の便宜上、図1には、第1算出回路711、第2算出回路712、第3算出回路713が独立して描かれているが、実装する場合は、第1~第3算出回路711、712、713を含む算出回路71を、1または複数の演算回路によって実現してもよい。
比較回路72は、第1算出回路711によって算出された第1の変位量Δθhと、第2算出回路712によって算出された第2の変位量Δθptと、第3算出回路713によって算出された第3の変位量Δθpsとを互いに比較する回路である。より具体的には、比較回路72は、第1の変位量Δθhと第2の変位量Δθptとを比較して、その差の大きさに応じた信号を診断回路73に出力する。また、第1の変位量Δθhと第3の変位量Δθpsとを比較して、その差の大きさに応じた信号を診断回路73に出力する。また、第2の変位量Δθptと第3の変位量Δθpsとを比較して、その差の大きさに応じた信号を診断回路73に出力する。
例えば、比較回路72は、電動アクチュエータ100の回転軸30が、図5に示す位置Paから位置Pmまで回転して、角度位置センサ41によって第3の変位量Δθpsが検出されたとする。このとき一組のホールセンサHの信号の変化から算出された第1の変位量Δθhと、ポテンショメータ40の出力θptから算出された第2の変位量Δθptとを比較して、次の式(2)によって、2つの変位量の差の割合AEh-pt[%]を算出する。同様に、第1の変位量Δθhと第3の変位量Δθpsとの差の割合AEh-ps、および第2の変位量Δθptと第3の変位量Δθpsとの差の割合AEps-ptをそれぞれ次の式(3)および(4)によって算出する。(以下、2つの変位量の差の割合を「開度エラーの割合」ということがある。)
AEh-pt =((Δθh-Δθpt)/Δθpt)・100 (2)
AEh-ps =((Δθh -Δθps)/Δθps)・100 (3)
AEps-pt=((Δθps-Δθpt)/Δθpt)・100 (4)
さらに、比較回路72は、開度エラーの割合AEh-pt、AEh-ps、AEps-ptのそれぞれを予め定めたしきい値と比較し、しきい値を超えているか否かを示す信号を、第1の変位量Δθhと第2の変位量Δθptと第3の変位量Δθpsとの比較結果として、診断回路73に出力する。
診断回路73は、比較回路72によって第1の変位量Δθhと第2の変位量Δθptと第3の変位量Δθpsとを比較した結果に基づいて、一組のホールセンサH、ポテンショメータ40、および角度位置センサ41の状態を診断する。ここで「変位量を比較した結果」は、例えば、比較対象とされた2つのセンサの組み合わせのそれぞれについて、開度エラーの割合、言い換えれば、2つのセンサがそれぞれ検出した変位量のずれ(差)の割合の大小を表す情報である。開度エラーの割合がしきい値を超えているか否かを示す情報は、「変位量を比較した結果」の一例である。
診断回路73は、各センサによって検出された変位量を比較した結果の組み合わせと診断内容とを関連づけて記憶している。このような関連づけの例を図6に示す。
図6において、左欄の「ホールセンサ⇔ポテンショメータ」、「ホールセンサ⇔角度位置センサ」および、「ポテンショメータ⇔角度位置センサ」は、それぞれ第1の変位量Δθhと第2の変位量Δθptとの開度エラーの割合AEh-pt、第1の変位量Δθhと第3の変位量Δθpsとの開度エラーの割合AEh-ps、第2の変位量Δθptと第3の変位量Δθpsとの開度エラーの割合AEps-ptに対応する。また、「H」は、各開度エラーの割合がしきい値を超えており、「L」は超えていないことを示している。
要するに、本実施の形態においては、一組のホールセンサ(第1のセンサ)、ポテンショメータ(第2のセンサ)、および角度位置センサ(第3のセンサ)の3つのセンサそれぞれの出力から変位量を算出していることから、比較するセンサの組み合わせは3C2=3通りある。したがって、1回の診断にあたっては、これら3通りのセンサの組み合わせごとに開度エラーの割合の大小の組み合わせが算出される。これら3通りのセンサの組み合わせごとに算出された開度エラーの割合の大小の組み合わせを「ステータス」と呼ぶことにする。
本実施の形態においては、第1~第3のセンサから比較対象とされた2つのセンサの組み合わせに対して、開度エラーの割合がしきい値を超えているか否かによって開度エラーの割合の大小を「H/L」の2値で表しているため、全部で2^3=8通りのステータスが存在する。そして、電動アクチュエータの診断の観点を加味すると、図6に示すように、各ステータスに応じて次のような診断を行うことができる。
[ステータス1] ホールセンサ、ポテンショメータ、角度位置センサの2つ以上が異常であるが、異常のあるセンサを特定することはできない。
[ステータス2] 角度位置センサが異常。したがって、「ホールセンサ⇔角度位置センサ」および「ポテンショメータ⇔角度位置センサ」のいずれかの診断は実施しなくても良いので診断時間が短縮できる。
[ステータス3] ポテンショメータが異常。したがって、「ホールセンサ⇔ポテンショメータ」および「ポテンショメータ⇔角度位置センサ」のいずれかの診断は実施しなくても良いので診断時間が短縮できる。
[ステータス4] 論理的に発生することはないステータス。
[ステータス5] ホールセンサが異常。したがって、「ホールセンサ⇔角度位置センサ」および「ホールセンサ⇔角度位置センサ」のいずれかの診断は実施しなくても良いので診断時間が短縮できる。
[ステータス6] 論理的に発生することはないステータス。
[ステータス7] 論理的に発生することはないステータス。
[ステータス8] ホールセンサ、ポテンショメータ、角度位置センサのすべてが正常。
診断回路73は、上述したステータスと診断結果との関係を記憶しており、比較回路72の比較結果によって定まるステータスに応じて診断を行うことができる。それによって、故障個所を特定することが可能となる。
この診断回路73による診断の結果は、出力回路74から外部に出力され、例えば、表示装置90に表示される。また、いずれかのセンサに故障もしくは何らかの異常がある状態と診断されたときには、メンテナンスを促すメッセージを、異常があると診断されたセンサを特定する情報とともに、表示装置90に表示するように構成してもよい。
上述した診断装置70のハードウェア構成の例を図7に示す。診断装置70は、バス704を介して互いに通信可能に接続された演算装置701、メモリ702、I/F回路703を含むコンピュータと、このコンピュータにインストールされたコンピュータプログラムとから構成することができる。比較回路72が用いるしきい値や、診断回路73が用いる、図6に示すようなステータス表は、メモリ702に記憶させることができる。コンピュータを構成する各種ハードウェア資源がコンピュータプログラムにしたがって協働することにより、このコンピュータが上述した算出回路71、比較回路72、診断回路73、出力回路74の機能を実現する。
[診断装置の動作]
次に、診断装置70の動作について、図8、図9を参照して説明する。
全体的な動作としては、図8に示すように、まず、一組のホールセンサHの出力から算出される回転軸30の機械的な変位量Δθhとポテンショメータ40の出力から算出される変位量Δθptとを比較して、開度エラーの割合AEh-ptがしきい値を超えているか否かを判断する(ステップS10)。次に、一組のホールセンサHの出力から算出される回転軸30の機械的な変位量Δθhと角度位置センサ41の出力から算出される変位量Δθpsとを比較して、開度エラーの割合AEh-psがしきい値を超えているか否かを判断する(ステップS20)。次に、ポテンショメータ40の出力から算出される変位量Δθptと角度位置センサ41の出力から算出される変位量Δθpsとを比較して、開度エラーの割合AEps-ptがしきい値を超えているか否かを判断する(ステップS30)。そして、2つのセンサの組み合わせごとの判断結果、すなわち、ステータスに応じて診断を行い、故障個所を特定する(S40)。
なお、ステップS10~S30はいずれを先に実行してもよく、これらの実行順序はここに示すものには限定されない。
図8に示したサブルーチンS10~S30の、変位量を比較する手順について、S10を例に、図9を参照して説明する。
まず、モータ10を回転させて回転軸30を回動させる(ステップS101)。診断タイミングが到来していなければ(ステップS102:NO)、回転軸30の回動を続ける(ステップS101)。診断タイミングが到来すれば(ステップS102:YES)、算出回路71は、一組のホールセンサHの出力から算出される回転軸30の機械的な変位量Δθhとポテンショメータ40の出力から算出される変位量Δθptとを算出して、その結果を比較回路72に出力する(ステップS103)。ここで「診断タイミングが到来する」とは、例えば、角度位置センサ41から検知信号が出力されることをいう。仮に角度位置センサ41に代えて、アブソリュート型やインクリメンタル型の連続的な出力が得られるセンサを採用している場合は、任意のタイミングで診断を開始してもよい。
比較回路72は、変位量Δθhと変位量θptから上述した式(2)に基づき、開度エラーの割合AEh-ptを算出し(ステップS104)、これをしきい値と比較して、開度エラーの割合AEh-ptが正常範囲内かどうかを判断する(ステップ105)。開度エラーの割合AEh-ptが正常範囲内であれば(ステップ105:YES)、一組のホールセンサHの出力から算出される変位量Δθhとポテンショメータ40の出力から算出される変位量Δθptとの比較結果は正常であるとして、判断結果「L」を診断回路73に出力する(ステップ106a)。
一方、開度エラーの割合AEh-ptが正常範囲内になければ(ステップ105:NO)、一組のホールセンサHの出力から算出される変位量Δθhとポテンショメータ40の出力から算出される変位量Δθptとの比較結果は異常であるとして、判断結果「H」を診断回路73に出力する(ステップS106b)。この時点では、一組のホールセンサHとポテンショメータ40の何れかに異常が生じていることが疑われるが、どちらに異常が生じているのかは、一組のホールセンサHの出力から算出される変位量Δθhと角度位置センサ41の出力から算出される変位量Δθpsとの比較の結果、およびポテンショメータ40の出力から算出される変位量Δθptと角度位置センサ41の出力から算出される変位量Δθpsとの比較の結果を踏まえることによって特定することができる。
一組のホールセンサHの出力から算出される変位量Δθhと角度位置センサ41の出力から算出される変位量Δθpsとの比較(ステップS20)、およびポテンショメータ40の出力から算出される変位量Δθptと角度位置センサ41の出力から算出される変位量Δθpsとの比較(ステップS30)も、図9に示したステップS10の手順に準じて行うことができるので、詳細な説明は省略する。
なお、各センサの出力から算出された変位量および/または変位量の比較結果、すなわち、開度エラーの割合もしくは開度エラーの割合が正常範囲内であったか否かを時系列でメモリ702に記憶しておき、これらをトレンドデータとして出力回路74を介して外部に出力してもよい。
[第1の実施の形態の変形例]
本実施の形態に係る電動アクチュエータ100の診断装置70においては、図9に示したように、各センサの出力から算出した変位量を比較することによって故障個所を特定したが、本発明における「出力機構の機械的な変位量」として、出力機構の機械的な変位の時間的な変化量、すなわち、各センサの出力から算出される速度または角速度を比較するようにしてもよい。
図8に示したサブルーチンS10、すなわち一組のホールセンサHの出力から算出される変位量とポテンショメータ40の出力から算出される変位量とを比較する場合において、それぞれ角速度を算出して比較する例を図10に示す。
まず、モータ10を回転させて回転軸30を回動させる(ステップS111)。診断タイミングが到来していなければ(ステップS112:NO)、回転軸30の回動を続ける(ステップS111)。診断タイミングが到来すれば(ステップS112:YES)、算出回路71は、一組のホールセンサHの出力から算出される回転軸30の機械的な変位量Δθhとポテンショメータ40の出力から算出される変位量Δθptとを算出するとともに(ステップS113)、その間の時間tを測定し(ステップS114)、下記の式(5)および(6)に従って、角速度ωhとωptを求める(ステップS115)。
例えば、三相のブラシレス直流モータにおいて極対数1の場合には、各ホールセンサ信号のエッジの切り替えのパルスが60°ごとに発生し、モータ10のモータ軸が1回転すると合計6回発生する。したがって、モータの極対数をp、減速比をGとし、電動アクチュエータ100の回転軸30がΔθptだけ回転したときに発生したパルス数をn、回動時間をtとすれば、第1算出回路711は、一組のホールセンサHの信号の変化から算出した角速度ωhを次の式(5)から算出することができる。
ωh=(2π/(360・t))((60・n)/(p・G)) (5)
また、第2算出回路712は、上記のωhの算出対象となった電動アクチュエータ100の動作によって回転軸30が回転し、ポテンショメータ40の出力から算出される回転軸30の回転角の変位量Δθptから、その時の角速度ωptを次の式(6)に基づいて算出する。
ωpt=(2π・Δθpt)/(360・t) (6)
比較回路72は、一組のホールセンサHの信号の変化から第1算出回路711によって算出された回転軸30の角速度ωhと、ポテンショメータ40の出力から第2算出回路712によって算出された角速度ωptとを比較して、次の式(7)によって表される角速度エラーの割合ωEh-pt[%]を算出して(ステップS116)、予め定められたしきい値と比較することによって、角速度エラーの割合ωEh-ptが正常範囲内か否かを判断する(ステップS117)。
ωEh-pt=(ωh-ωpt)/ωpt・100 (7)
開度エラーの割合AEh-ptが正常範囲内であれば(ステップS117:YES)、一組のホールセンサHの出力から算出される角速度ωhと、ポテンショメータ40の出力から算出される角速度ωptとの比較結果は正常であるとして、判断結果「L」を診断回路73に出力する(ステップS118a)。また、角速度エラーの割合ωEh-ptが正常範囲内になければ(ステップS117:NO)、一組のホールセンサHの出力から算出される角速度ωhとポテンショメータ40の出力から算出される角速度ωptとの比較結果は異常であるとして、判断結果「H」を診断回路73に出力する(ステップS118b)。
一組のホールセンサHの出力から算出される角速度ωhと角度位置センサ41の出力から算出される角速度ωpsとを比較し、角速度エラーの割合ωEh-psをしきい値と比較する手順(図8に示すステップS20)、およびポテンショメータ40の出力から算出される角速度ωptと角度位置センサ41の出力から算出される角速度ωpsとを比較し、角速度エラーの割合ωEps-ptをしきい値と比較する手順(ステップS30)も、図10に示したステップS10の手順に準じて行うことができるので、詳細な説明は省略する。
なお、ωps、ωEh-ps、ωEps-ptは、次の式により算出される。
ωps=(2π・Δθps)/(360・t) (8)
ωEh-ps=(ωh-ωps)/ωps・100 (9)
ωEps-pt=(ωps-ωpt)/ωpt・100 (10)
診断回路73は、以上のようにして求めた角速度エラーの割合ωEh-pt、ωEh-ps、およびωEps-ptのステータスに基づいて故障個所を特定し(図8のS40)、その旨を出力して処理を終了する。
[第1の実施の形態の効果]
本実施の形態に係る電動アクチュエータ100によれば、診断装置70を備えることによって、電動アクチュエータの診断を行うことができる。
具体的には、異なる複数のセンサの出力からそれぞれ算出される回転軸の変位量を比較して、複数の比較結果に基づいて診断を行うので、故障箇所を特定することが可能となる。したがって、電動アクチュエータを停止させなくても、故障箇所を特定することができ、メンテナンスの作業負担を軽減することができる。
また、各センサの出力から算出された変位量(変位量の時間的変化、すなわち速度または角速度を含む。)および/または変位量の比較結果、すなわち、開度エラーの割合もしくは開度エラーの割合が正常範囲内であったか否かの時系列データからこれらのトレンドをモニタすることにより、バルブの故障診断などの予防保全に適用できる。
また、本実施の形態に係る電動アクチュエータを弁の開閉に用いた場合には、次のような効果を得ることができる。
本実施の形態に係る電動アクチュエータを弁の開閉に用いた場合には、モータ10に備えられた一組のホールセンサHの信号から算出される回転軸30の回転角の変化Δθhまたは角速度ωhと、ポテンショメータ40の出力から算出される回転軸30の回転角の変化Δθptまたは角速度ωptと、角度位置センサ41の出力から算出される回転軸30の回転角の変化Δθpsまたは角速度ωpsとの差(Δθh-Δθpt),(Δθh -Δθps),(Δθps-Δθpt)、または(ωh-ωpt),(ωh -ωps),(ωps-ωpt)を容易に把握することができる。したがって、回転軸30の変位量(Δθh-Δθpt),(Δθh -Δθps),(Δθps-Δθpt)、または角速度の差(ωh-ωpt),(ωh -ωps),(ωps-ωpt)の当初の設計値からの乖離幅に応じて、ホールセンサH、ポテンショメータ40および角度位置センサ41の劣化状態を容易に把握することができる。したがって、回転角の変化の差(Δθh-Δθpt),(Δθh -Δθps),(Δθps-Δθpt)、または角速度の差(ωh-ωpt),(ωh -ωps),(ωps-ωpt)の当初の設計値からの乖離幅が大きくなって劣化が進んだ場合には、故障発生する前に適切な対応をとることができ、極めて効果的な予知保全を実現することが可能となる。これにより、保証期間を超える長期使用を想定した場合でも、一定の信頼性を提供することが可能となる。また、角度センサや制御回路など、電動アクチュエータの既存構成を用いて劣化指標を容易に計算でき、回路規模さらには製品コストの増大を必要とすることなく、電動アクチュエータの信頼性を高めることが可能となる。
その際には、比較回路72が、モータ10に備えられた一組のホールセンサHの信号から算出される回転軸30の変位量Δθhまたは角速度ωhと、ポテンショメータ40の出力から算出される回転軸30の変位量Δθptまたは角速度ωptと、角度位置センサ41の出力から算出される回転軸30の回転角の変化Δθpsまたは角速度ωpsとから、変位量の差(Δθh-Δθpt),(Δθh -Δθps),(Δθps-Δθpt)、または角速度の差(ωh-ωpt),(ωh -ωps),(ωps-ωpt)の当初の設計値からの乖離幅を計算して、データ通信により上位装置へ順次通知してもよい。
さらには、比較回路72が、変位量の差(Δθh-Δθpt),(Δθh -Δθps),(Δθps-Δθpt)、または角速度の差(ωh-ωpt),(ωh -ωps),(ωps-ωpt)をメモリ702に時系列データとして順次保存しておき、この時系列データから生成した近似関数に基づき将来の変位量の差(Δθh-Δθpt),(Δθh -Δθps),(Δθps-Δθpt)、または角速度の差(ωh-ωpt),(ωh -ωps),(ωps-ωpt)の当初の設計値からの乖離幅を推定し、この推定値が正常範囲Eから離脱する時期を注意点として予測するようにしてもよい。これにより、モータ、ポテンショメータ40および角度位置センサ41の劣化時期すなわち交換時期を予測することができる。
また、変位量の差(Δθh-Δθpt),(Δθh -Δθps),(Δθps-Δθpt)、または角速度の差(ωh-ωpt),(ωh -ωps),(ωps-ωpt)の経時変化を、診断回路73や上位装置でモニタすることにより、モータ、ポテンショメータ40および角度位置センサ41の劣化時期すなわち交換時期を予測でき、流量制御バルブや風量調整ダンパーなどの予知保全に極めて有用である。また、変位量の差(Δθh-Δθpt),(Δθh -Δθps),(Δθps-Δθpt)、または角速度の差(ωh-ωpt),(ωh -ωps),(ωps-ωpt)を計算する時には、その所要時間は、ポテンショメータ40で開度を検出するという、極めて短い時間で済むため、アプリケーションによっては、通常の運転動作中であっても回転角の変化の差または角速度の差を算出することができる。したがって、回転角の変化の差または角速度の差を定期的に算出することにより、ホールIC、ポテンショメータ40および角度位置センサ41の劣化状態の変化をいち早く検出でき、迅速な対応をとることが可能となる。
[第2の実施の形態]
上述した第1の実施の形態においては、電動アクチュエータ100内に診断装置70が設けられた例を説明したが、診断装置70を構成する各種回路を複数の装置に分散させて構成することも可能である。本発明の第2の実施の形態に係る診断装置は、診断回路73を電動アクチュエータとは別の装置である端末装置に設ける例である。
図11に、本発明の第2の実施の形態に係る診断装置の構成例を示す。この例では、電動アクチュエータ100Bには、算出回路71と、比較回路72と、無線通信インターフェース回路(無線I/F)75とを含む測定装置70Bが設けられる。このうち測定装置70Bに設けられた無線通信インターフェース回路75は、無線通信により各種データを出力することを可能にする。
一方、端末装置200には、無線通信インターフェース回路(無線I/F)2003と診断回路73と出力回路74と表示装置90とが設けられている。この端末装置200は、図12に示すように、バス2004を介して互いに通信可能に接続された演算装置2001、メモリ2002、無線通信インターフェース回路2003、I/O装置2005を含むコンピュータと、このコンピュータにインストールされたコンピュータプログラムとから構成することができる。
このうち、無線通信インターフェース回路2003は、例えば、電動アクチュエータ100B側の測定装置70Bの無線通信インターフェース回路75と、例えば、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格に則った通信方式に則って無線で接続する。また、I/O装置2005は、タッチパネル等の入力装置やLCD等の表示装置90を含む。このような端末装置200は、例えば、現場の担当者が使用する持ち運び可能なモバイル端末装置である。
上述した構成を有することにより、端末装置200は、無線通信インターフェース回路2003を介して、電動アクチュエータ100B側の測定装置70Bの無線通信インターフェース回路75と無線通信を行い、比較回路72によって取得された比較結果等の出力データを受信して、これを診断回路73に入力するように構成されている。そして、端末装置200に構成された診断回路73は、電動アクチュエータ100B側の測定装置70Bから出力された出力データに基づき、診断を行う。その診断の結果は、出力回路74を介して表示装置90に表示される。
以上の機能は、端末装置200のコンピュータを構成する各種ハードウェア資源がコンピュータプログラムにしたがって協働することにより実現される。
このように比較回路72と診断回路73とを、それぞれ電動アクチュエータ100Bと端末装置200とに分けて設けることによって、電動アクチュエータ100Bと端末装置200とは、一体となって診断装置を構成することとなる。その結果、電動アクチュエータ100B側の測定装置70Bを構成する演算装置の負荷を軽減することができる。
また、保守担当者等が使用する端末装置200において診断が行えるので、保守作業の効率が向上することが期待できる。
なお、本実施の形態において、電動アクチュエータ100B側の測定装置70Bと端末装置200とは無線通信により互いに接続されるものとして説明したが、有線で接続されるように構成してもよい。
[第3の実施の形態]
上述した第2の実施の形態においては、診断装置を構成する比較回路72と診断回路73をそれぞれ電動アクチュエータ100Bと端末装置200とに分離して設けたが、本発明の第3の実施の形態においては、図13に示すように、電動アクチュエータ100CがネットワークNWを介して上位装置300に接続されている場合において、診断装置を構成する比較回路72と診断回路73のうち、比較回路72を電動アクチュエータ100C側の測定装置70Cに設け、診断回路73を、上位装置300に設ける例である。
電動アクチュエータ100C側の測定装置70Cには、ネットワーク・インターフェース回路(NW I/F)76が設けられ、測定装置70Cは、このネットワーク・インターフェース回路76を介して、Ethernet(登録商標)等のネットワークNWに接続可能に構成されている。
一方、上位装置300も、ネットワーク・インターフェース回路3003を備えており、ネットワークNWを介して、電動アクチュエータ100Cの測定装置70Cと通信可能に構成されている。この上位装置300も、演算装置やメモリ、各種I/F回路やI/O装置から構成されたコンピュータであり、これらのハードウェア資源と上位装置300にインストールされたコンピュータプログラムとが協働することによって、診断回路73の機能を実現する。
電動アクチュエータ100Cに設けられた測定装置70Cと上位装置300とは、それぞれネットワーク・インターフェース回路76、3003を介してネットワークNWに接続可能な構成をとることによって、各センサの出力から算出された変位量を比較回路72によって比較した結果を、出力データとして、測定装置70Cから上位装置300にネットワークNWを介して送信することができる。
一方、上位装置300は、測定装置70Cから出力される出力データを受信で、これを診断回路73に入力するように構成されており、診断回路73は、ネットワークNWを介して受信したデータに基づき、診断を行う。
このように比較回路72と診断回路73とを、それぞれ電動アクチュエータ100Cと上位装置300とに分けて設けることによって、電動アクチュエータ側の測定装置70Cを構成する演算装置の負荷を軽減することができる。
また、中央監視装置を構成する上位装置300で診断を行うので、現場に行かなくても、電動アクチュエータ100Cの診断を行うことができる。
[実施の形態のその他の変形例]
上述した実施の形態の他にも、様々な変形例が考えられる。
[変形例1]
上記の第1~第3の実施の形態においては、モータの回転を検出する第1のセンサとして、ブラシレス直流モータ10に備えられたホールセンサHU、HV、HWを用いたが、ホールセンサに代えて、モータ10のロータ11に設けられたロータリエンコーダなど相対的位置センサを用いてもよい。
この場合、モータ10は、ブラシレス直流モータ以外のモータ、例えば、ステッピングモータや交流モータなど、ホールセンサを備えていないモータを使用することができる。
[変形例2]
上記の第1~第3の実施の形態においては、診断回路73は、比較回路72から出力される比較結果に基づいて診断を行う例について説明したが、比較回路72による比較結果をメモリ702等の記憶装置に記憶させておき、診断回路73は、この記憶装置に記憶された比較結果に基づいて診断するようにしてもよい。このように記憶装置を設けることによって、比較結果のトレンドに基づいて診断を行うことが可能となる。
[変形例3]
上記の第2および第3の実施の形態においては、電動アクチュエータ100B,100C側の測定装置に算出回路71および比較回路72を設ける例について説明したが、診断装置を構成する各回路のうちいずれの回路を電動アクチュエータ側に設けるのかは任意である。例えば、電動アクチュエータ側には、算出回路71とインターフェース回路のみを設け、比較回路72および診断回路73を端末装置200や上位装置300に設けるようにしてもよい。または、電動アクチュエータ側にはインターフェース回路のみを設ける一方、端末装置200や上位装置300に算出回路71、比較回路72、診断回路73を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、電動アクチュエータの診断装置を例に説明したが、本発明は、電動アクチュエータのみならず、相対的位置センサあるいはアブソリュート位置センサなどの位置センサを使用した全ての製品に適用できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
本発明は、電動アクチュエータの維持管理に利用することができる。
100、100B、100C…電動アクチュエータ、10…モータ、20…減速機、30…回転軸、40…ポテンショメータ、41…角度位置センサ、50…制御回路、60…駆動回路、70…診断装置、71…算出回路、72…比較回路、73…診断回路、74…出力回路、75…無線通信インターフェース回路、76…ネットワーク・インターフェース回路、80…筐体、90…表示装置、200…端末装置、2003…無線通信インターフェース回路、300…上位装置、3003…ネットワーク・インターフェース回路、HU、HV、HW…ホールセンサ。

Claims (10)

  1. モータと、
    前記モータの回転を制御する制御回路と、
    前記モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構と、
    前記モータの回転を検出する第1のセンサと、
    前記出力機構の機械的変位を検出する第2のセンサおよび第3のセンサと、
    前記第1のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第1の算出回路と、
    前記第2のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第2の算出回路と、
    前記第3のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第3の算出回路と、
    前記第1の算出回路によって算出された前記出力機構の第1の変位量と、前記第2の算出回路によって算出された前記出力機構の第2の変位量と、前記第3の算出回路によって算出された前記出力機構の第3の変位量とを互いに比較する比較回路と、
    前記比較回路によって前記第1の変位量と前記第2の変位量と前記第3の変位量とを比較した結果に基づいて前記第1のセンサ、前記第2のセンサおよび前記第3のセンサの状態を診断する診断回路と
    を備え
    前記第2のセンサおよび前記第3のセンサは、それぞれ前記出力機構の同一の機械的変位を互いに異なる方法で検出する、
    電動アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載された電動アクチュエータにおいて、
    前記モータは、永久磁石を備えたロータと、前記制御回路と接続されて前記ロータと対向して配置された巻線とを有するブラシレス直流モータであり、
    前記第1のセンサは、前記ロータの位置を検出するホールセンサである、
    電動アクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載された電動アクチュエータにおいて、
    前記第2のセンサおよび前記第3のセンサは、前記出力機構の位置に応じて出力される信号に基づいて前記機械的な変位量を検出する絶対的位置センサである、
    電動アクチュエータ。
  4. 請求項1または2に記載された電動アクチュエータにおいて、
    前記第2のセンサは、前記出力機構の位置に応じて出力される信号に基づいて前記機械的な変位量を検出する絶対的位置センサであり、
    前記第3のセンサは、前記出力機構が前記複数の位置のそれぞれに対応する位置に到達したときにそれぞれ検知信号を出力する絶対的位置センサである、
    電動アクチュエータ。
  5. 請求項3または4に記載された電動アクチュエータにおいて、
    前記第2のセンサおよび前記第3のセンサの少なくともひとつは、ポテンショメータである、
    電動アクチュエータ。
  6. 請求項3または4に記載された電動アクチュエータにおいて、
    前記第2のセンサおよび前記第3のセンサの少なくともひとつは、前記出力機構の変移の方向に沿って設けられた互いに異なる複数の位置に対応して設けられ、前記出力機構が前記複数の位置のそれぞれに対応する位置に到達したときにそれぞれ検知信号を検知信号を出力する複数の位置センサを含む、
    電動アクチュエータ。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載された電動アクチュエータにおいて、
    前記第1の変位量と、前記第2の変位量と、前記第3の変位量とを他の装置に出力するインターフェース回路を含み、
    前記比較回路と前記診断回路とは、前記他の装置に設けられている、
    電動アクチュエータ。
  8. 請求項1~6のいずれか一項に記載された電動アクチュエータにおいて、
    前記比較回路によって前記第1の変位量と前記第2の変位量と前記第3の変位量とを比較した結果を他の装置に出力するインターフェース回路を含み、
    前記診断回路は、前記他の装置に設けられている、
    電動アクチュエータ。
  9. 請求項7または請求項8に記載された電動アクチュエータにおいて、
    前記インターフェース回路は、無線通信インターフェース回路およびネットワーク・インターフェース回路の少なくとも一つである、
    電動アクチュエータ。
  10. モータと、前記モータの回転に応じて機械的に変位する出力機構とを有する電動アクチュエータの診断装置であって、
    前記モータの回転を検出する第1のセンサと、
    前記出力機構の機械的変位量を検出する第2のセンサおよび第3のセンサと、
    前記第1のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第1の算出回路と、
    前記第2のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第2の算出回路と、
    前記第3のセンサの出力から前記出力機構の機械的な変位量を算出する第3の算出回路と、
    前記第1の算出回路によって算出された前記出力機構の第1の変位量と、前記第2の算出回路によって算出された前記出力機構の第2の変位量と、前記第3の算出回路によって算出された前記出力機構の第3の変位量とを互いに比較する比較回路と、
    前記比較回路によって前記第1の変位量と前記第2の変位量と前記第3の変位量とを比較した結果に基づいて故障箇所を診断する診断回路と
    を備え
    前記第2のセンサおよび前記第3のセンサは、それぞれ前記出力機構の同一の機械的変位を互いに異なる方法で検出する
    診断装置。
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JP2019088074A (ja) 2017-11-06 2019-06-06 株式会社デンソー シフトレンジ制御装置

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