JP7326508B1 - 橋梁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】腐食耐久性を向上させた橋梁構造を提供する。【解決手段】鋼製箱桁を用いた橋梁構造であって、前記鋼製箱桁は、NiおよびCrのいずれか一方または両方を含み、表面硬度がブリネル硬さ100HBW以上を有する表面層を外面側表層部0.1~10mmに有し、外面側表層部以外が炭素鋼である。表面層が金属部材であること、開断面鋼製箱桁の上部にずれ止めを設置し、床版に予め設けられたスリットに差し込まれた前記ずれ止めが、前記スリットに充填された固化材によって固定されていること、前記鋼製箱桁は、前記表面層を有し箱桁を構成する部材どうしの接合部が完全溶け込み溶接されており、内面から炭素鋼材用の溶接材料を用いて、溶接が外面の金属部面まで到達するように溶接接合され、炭素鋼部材断面以上の溶接断面が確保され、前記鋼製箱桁の接合部外面が耐食性の高い溶接材料で覆われていることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼製箱桁を用い、施工性と強度を確保して、外面の腐食耐久性を向上させた橋梁構造に関する。
橋梁で用いられている鋼製桁は、飛来塩分やSOx、湿潤環境など大気の影響を受け腐食が促進される環境に設置される場合も多い。このように腐食環境が厳しい場合はC5塗装系(非特許文献1)などの対策がとられる。しかし、長期の使用で塗装の劣化が起こり、細かい傷から膨れさびなどが発生するため、桁全体を塗装する、定期的な塗り替えを行う必要がある。また、塗装橋で定期的な塗り替えを行う場合、はがれた古い塗装の飛散対策や新規塗装をする際の化学物質の排出などが問題となっている。そこで、塗り替えの少ない、亜鉛メッキやアルミニウム・マグネシウム溶射などの金属溶射技術(非特許文献1)が提案されている。しかし、それらの技術は、表面剛度が小さく、長期にわたる橋梁での使用時に飛来物などによる傷を起因とする膨れさびの問題が避けられない。
また、非特許文献3に道路橋などは100年間の供用が規定されている。近年用いられている耐久性の高い防食法である、亜鉛・アルミニウム合金溶射に加え、ふっ素樹脂塗料の塗布を行った場合でも、供用期間中に3回程度の塗替えが必要となる。塗替えには、足場設置から既設塗膜の除去、再度の塗装が必要となり、維持管理コストがかかるうえ、多量の廃棄物が発生する。また、塗替工事においてCOの排出も問題となる。
そこで、特許文献1では、PC床版の一種である波形ウェブ橋の鋼板部にステンレスクラッド鋼を用いて外面にステンレス鋼板が来るように設置し、塗装を行わずに腐食耐久性の高い橋梁を提供している。
実用新案登録第3075396号公報
日本道路協会:鋼道路橋防食便覧、2014年3月 尾畑暢一、平田敏一、平本芳和:北陸自動車手取川橋補修工事について、川田技報、Vol.18、1999 日本道路協会:道路橋示方書・同解説、II鋼橋・鋼部材編(平成29年11月)
しかしながら、従来技術では、以下のような課題があった。
特許文献1の技術は、PC橋であるため、コンクリートとの接合を上部と下部で行う必要がある。つまり、設置後、PC鋼棒またはケーブルによりプレストレストによる圧縮力を付加する必要があることや専用機器や高い技量が必要になること、橋梁全体の重量が重くなること、施工時間がかかることや、ステンレスクラッド鋼を波形に加工するため、曲げ加工が多く弱点部を多く作りコストアップにつながること、コンクリート桁が塩害により劣化すること(非特許文献2)などの問題がある。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであって、鋼製箱桁を用い、施工性と強度を確保して、外面の腐食耐久性を向上させた橋梁構造を提供することを目的とする。
上記課題を有利に解決する本発明にかかる橋梁構造は、鋼製箱桁を用いた橋梁構造であって、前記鋼製箱桁は、NiおよびCrのいずれか一方または両方を含み、表面硬度がブリネル硬さ100HBW以上を有する表面層を外面側表層部0.1~10mmに有し、外面側表層部以外が炭素鋼であることを特徴とする。
なお、本発明にかかる橋梁構造は、
(a)前記表面層が金属部材であること、
(b)前記鋼製箱桁が開断面鋼製箱桁であって、前記開断面鋼製箱桁の上部にずれ止めを設置し、床版に予め設けられたスリットに差し込まれた前記ずれ止めが、前記スリットに充填された固化材によって固定されていること、
(c)前記開断面鋼製箱桁の内側に固定された一般鋼材からなる上フランジに、前記ずれ止めを設け、予め前記ずれ止めが挿入できるように床版に前記スリットを設け、前記ずれ止めを前記スリットに挿入した状態で、前記上フランジ上面と前記床版下面を密着させ、前記スリットに固化材を充填したこと、
(d)前記床版がRC床版またはPC床版であること、
(e)前記鋼製箱桁は、前記表面層を有し前記鋼製箱桁を構成する部材どうしの接合部が、完全溶け込み溶接されており、内面から炭素鋼材用の溶接材料を用いて、溶接が外面側の前記表面層まで到達するように溶接接合され、炭素鋼部材断面以上の溶接断面が確保され、前記鋼製箱桁の前記接合部外面が前記表面層に相当する溶接材料で覆われていること、
(f)前記鋼製箱桁の内面に設置された補剛材やダイアフラム構造が溶接用鋼材であること、
(g)前記鋼製箱桁の下フランジとウェブとの接合は、(1)下フランジの両端を曲げ加工しウェブと角度を合わせ、下フランジから伸びた部材と上部から連続するウェブとが突合せ溶接されていること、(2)前記鋼製箱桁のウェブの下端を曲げ加工し下フランジと角度を合わせ、下フランジとウェブから延びた部材とが突合せ溶接されていること、のいずれかが施されていること、
(h)前記鋼製箱桁の端部に、前記端部の開口形状と同じ形状であり、前記鋼製箱桁の外面側表層部を構成する前記表面層に相当する材質の表面層を有する面材からなる蓋を設置したこと、
(i)前記鋼製箱桁を複数有する多主箱桁を用い、該鋼製箱桁間の開口部に、開口部形状と同じ形状であり、前記鋼製箱桁の外面側表層部を構成する前記表面層に相当する材質の表面層を有する面材からなる蓋を設置したこと、
などがより好ましい解決手段になり得るものと考えられる。
本発明によれば、鋼製箱桁を用いた橋梁構造を、外面側表層部は高耐食性かつ高硬度の表面層、たとえば、金属部材とし、外面側表層部以外は炭素鋼としたので、塗装不要で腐食耐久性に優れた長スパンの箱桁橋梁構造を提供することができる。さらに、飛来塩分量の高い沿岸地域で老朽化した橋梁を架け替える際に、下部構造を補強することなく架け替えることができる。橋梁自体は、塗装が全く不要で、金属光沢が長期に持続し景観性にも優れた耐久性の高い橋梁構造を提供することが可能となる。
開断面鋼製箱桁の上部にずれ止めを設置し、床版に予め設けられたスリットに差し込まれた前記ずれ止めが、スリットに充填された固化材によって固定されているようにすれば、または、開断面鋼製箱桁の内側に固定された一般鋼材からなる上フランジにずれ止めを設け、予めずれ止めが挿入できるように床版にスリットを設け、ずれ止めをスリットに挿入した状態で、上フランジ上面と床版下面を密着させ、スリットに固化材を充填したものとすれば、鋼材の端面を露出させることなく、床版と鋼製箱桁が一体化するとともに、腐食耐久性を高めることになるので好ましい。また、床版がRC床版またはPC床版であることが好ましい。
鋼製箱桁は、上記表面層を有し鋼製箱桁を構成する部材どうしの接合部が完全溶け込み溶接されており、内面から炭素鋼材用の溶接材料を用いて、溶接が外面側の表面層まで到達するように溶接接合され、炭素鋼部材断面以上の溶接断面が確保され、前記鋼製箱桁の前記接合部外面が前記表面層に相当する溶接材料で覆われていれば、外面の腐食耐久性を高め、鋼部材同士を完全に接合できるので好ましい。
鋼製箱桁の内面に設置された補剛材やダイアフラム構造が溶接用鋼材であれば、強度とコストを両立した構造となるので好ましい。
鋼製箱桁の下フランジの両端またはウェブの下端を曲げ加工しそれぞれウェブまたは下フランジと角度を合わせ、下フランジまたはウェブから伸びた部材と上部から連続するウェブまたは下フランジとがそれぞれ突合せ溶接されていれば、鋼材の端面が露出することなく、ウェブと下フランジが完全に一体化するので好ましい。
鋼製箱桁の端部の開口部や多主箱桁の箱桁間の開口部に、開口形状と同じ形状であり、鋼製箱桁の外面側表層部を構成する表面層に相当する材質の表面層を有する面材からなる蓋を設置したものとすれば、湿気等を含んだ外気が開口部から入ることなく、腐食耐久性が向上するので好ましい。
本発明の一実施形態にかかる橋梁構造の構成を示す模式図であって、(a)は全体構成を示す部分切り欠き斜視図であり、(b)は(a)に示すA-A部断面図である。 上記実施形態にかかる部材どうしの溶接方法を示すB-B部断面図であって、(a)は開先形状を示し、(b)は母材部の溶接状況を示し、(c)はステンレス鋼のバタリングを示し、(d)は仕上げ工程を示す。 (a)は上記実施形態にかかる箱桁の角部構造を示す断面図であり、(b)は突合せ溶接を示すD部拡大断面図である。 上記実施形態にかかる内部補剛構造を示す模式断面図であって、(a)は桁の長手方向視の部材配置を示し、(b)は同じ方向から見た溶接部を示す。 上記実施形態にかかる桁端面の密閉構造を示す模式斜視図である。 本発明の他の実施形態にかかる橋梁構造の構成を示す模式断面図である。 一般的な鋼鈑桁橋を示す部分切り欠き斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構造や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図7に一般的な鋼鈑桁橋100を示す。鋼鈑桁橋100は、鋼桁110の上部に床版120を載せる。鋼桁110は、ウェブ111、上フランジ112、下フランジ113および垂直補剛材114などの鋼材で構成される。鋼桁110は床版120をささえているので、さびにより板厚の減少が生じないように外気と接する鋼材のすべての面に塗装を行うか、耐候性鋼材など安定化さびの発生による防食が可能な鋼材を用いる必要がある。耐候性鋼を用いれば塗装の必要がなくなるが、飛来塩分量の多い地域では安定化さびが生じにくいため、使用することに難がある。
本実施形態は、図1に示すように、鋼製箱桁の一例として開断面鋼製箱桁10を用いた橋梁構造1である。この橋梁構造1は、橋脚2の上に支承3を介して鋼製箱桁(開断面鋼製箱桁10)を載置している。開断面鋼製箱桁10の外面側を腐食耐久性の高いNiおよびCrのいずれか一方または両方を含有した高耐食性かつ高硬度の表面層となるように設置することで、腐食耐久性が高い鋼桁を提供する。上部はPCプレキャスト床版4を用いるのが好ましい。この材質構成は、開断面鋼製箱桁に替えて、閉断面鋼製箱桁にも適用できる。また、図6に示すような複数の鋼製箱桁から構成される多主箱桁にも適用でき、鋼製箱桁の外気にさらされる面を上記材質構成とすることが好ましい。
箱桁のウェブ11は、PC床版4の内部に挿入できるように延長し(11A)、PC床版4の下面部にあたる位置に普通鋼の上フランジ12をウェブ11の内側に固定する。上フランジ12上面にはスタッドなどのずれ止め部材を設置しておく。これらずれ止めと延長したウェブ11Aがコンクリート床版4内に挿入できるように、床版4にスリット6を設けておく。床版4を上フランジ12に密着させて、設置した後、このスリッ6に上部から固化材を流し込み、コンクリート床版4と開断面鋼製箱桁10とを一体化する。ウェブ11への上フランジ12の固定は、ボルト添接でもよいし溶接接合でもよい。また、床版4と上フランジ12との間に隙間を設けて、隙間及びずれ止め周辺に固化材を流し込んでもよい。ここで、固化材とは、コンクリート、モルタル等の固化後に一定の(圧縮)強度を発現する材料をいい、複数種の固化材を併用することもできる。
床版4としては、PCプレキャスト床版が、施工性に優れる。一般的なPC床版を用いても良く、型枠設置が可能であれば、RC床版を用いても良い。また、床版4の道路面には、アスファルト7が敷設される。
図1(b)にA-A部断面図で示すように開断面鋼製箱桁10の外面側の高耐食性かつ高硬度の表面層は、外面側表層部の0.1~10mmとする。下限未満では、耐食性の向上効果が小さすぎる。また、上限を超えると高合金であるためコスト高となってしまう。好ましくは、0.5mm以上の厚みとする。外面側OSに用いる表面層は、めっきや溶射のほか、金属部材22をクラッド材として構成することができる。外面側OSに用いる金属部材22と内面側ISの炭素鋼21とを、クラッド鋼とすることで拡散接合によって一体化できるので好ましい。成分傾斜材としてもよい。金属部材22としては、ステンレス鋼、Ni基合金およびCr系合金があげられる。純Niや純Crも用いることができる。ステンレス鋼は、Cr含有量10.5質量%以上、炭素含有量1.2質量%以下の鋼と定義される。高耐食用途では、SUS304やSUS316に代表されるように、CrおよびNiを含有するステンレス鋼が好ましい。表面層は、ステンレス鋼以上の耐食性を有することが好ましい。表面層は、表面硬度がブリネル硬さ100HBW以上とする。これにより飛来物の衝撃によっても母材まで届くキズの発生を防止できる。
橋梁構造で用いられる鋼材には、15t程度の冷間曲げ加工で割れが発生しない性能が求められる(非特許文献3、6頁)場合がある。ステンレス鋼クラッド厚板は、たとえば、9mm厚みのSM400Bを母材とし、3mm厚みのSUS316Lを合わせ材として、JIS G0575に規定する粒界腐食試験後の1t曲げで割れが観察されず、本実施形態の材料として、好適である。
また、橋梁構造には、いわゆる、十字継手溶接を必要とする場合がある。金属部材22面および母材21(炭素鋼)面に溶接して、金属部材22と母材21との界面が剥離しない性能を必要とする。上記ステンレス鋼クラッド厚板はこの条件を満足するので好適である。
本実施形態でもちいる鋼桁は、運搬上の制約などから、一定の長さまでの桁を工場で製作し、それらの桁同士を現場で組み合わせる必要がある。通常は、添接板と高力ボルトを用いた継手が用いられる。その方法では、腐食上の弱点となるため、図1(a)の溶接部10Aに示すように、部材同士を鋼桁の長手方向に突合せ溶接とすることで、防食性を確保でき、美観も高い構造が期待できる。突合せ溶接を行う場合は,構造性能を保ちながら、外面の防食性を確保するため、図2にB-B部断面図で示すような手順とすることが好ましい。先ず、(a)内面IS側の母材21面側が広くなるような開先加工を施し(図2(a))、(b)内面IS側から母材21の溶接を行う(図2(b))。このとき、内面ISから炭素鋼材用の溶接材料21Aを用いて、溶接が外面OS側の前記表面層22まで到達するように溶接接合される(図2(b)のC部)。(c)外面OS側から表面層に用いたステンレス鋼22と同等以上の耐食性を有する溶接材料22Aにより隙間が発生しないようにバタリング溶接を行う(図2(c))。(d)溶接部表面を仕上げる(図2(d))。このようにすることで、鋼製箱桁10どうしの接合部が完全溶け込み溶接され、内面から炭素鋼材用の溶接材料21Aを用いて、溶接が外面側の金属部材22まで到達するように溶接接合され、炭素鋼部材断面以上の溶接断面が確保され、鋼製箱桁10の接合部外面が金属部材22に相当する溶接材料22Aで覆われるように構成でき、施工性・耐食性が高く、コストパフォーマンスに優れた突合せ溶接が得られる。なお、バタリング22Aに代えて、耐食機能を有する樹脂材料で充填被覆することも可能である。
本実施形態で用いる開断面鋼製箱桁10の下フランジ13の幅側両端を曲げて(図3(a))、角部13Aとし、ウェブ11の途中(D部)で突合せ溶接とするか、または、開断面鋼製箱桁10のウェブ11の下端を曲げて角度13Aとし、下フランジ13の途中で突合せ溶接することが好ましい。図3(b)にD部拡大図に例示すように、突合せ溶接の手順は上記と同様とする。そうすることで、鋼材の端面が露出することなく、耐食性を保持できる構造が提供できる。
本実施形態にかかる桁内面の補剛構造を図4に示す。図4(a)は、桁内面のダイアフラムや補剛材などの構造の一例を示す。この構造には一般構造用炭素鋼材23(溶接用鋼材)を用いることができる。図4(b)に、溶接接合の一例を点線で示す。この溶接は、炭素鋼材用溶接材料21Aを用いることができる。内部補剛構造を一般構造用炭素鋼材23とすることで、施工性も高く品質が安定し、構造的に強固な桁構造が安価に提供できる。
本実施形態にかかる桁端面の密閉構造を図5に示す。桁端部に端部開口部を覆うように防食性の高いステンレス鋼部材からなる蓋15を設置することが好ましい。そうすることで、桁内部が密閉空間となり、内部腐食を防止できる構造が提供できる。ステンレス鋼部材は、1mm以上の薄板とし、桁の外面を覆うようにして、桁との間に隙間ができないように、ステンレス鋼用溶接材料22Aで隅肉溶接15Aにより、桁の外面に溶接接合することが好ましい。上部の床版との接合は、床版に浅いスリットを設け、蓋15の上端を、そのスリットに差し込むことで密着性を高めることができる。また、そのスリットにシーリング材を施工することでさらに密閉性を上げることができる。なお、蓋15として、ステンレス鋼板に代えて、ステンレス鋼クラッドや繊維強化プラスチック(FRP)等の鋼製箱桁の外面側表層部と同等以上の耐食性を持つ表面層を有する面材を用いることができる。
本発明の他の実施形態にかかる多主箱桁を用いた橋梁構造を模式断面図で図6に示す。上記実施形態と同様、外気にさらされる箱桁8の各面の鋼材は、外面側表層部に腐食耐久性の高いNiおよびCrのいずれか一方または両方を含有した高耐食性かつ高硬度の表面層となるように設置する。隣接する箱桁の下フランジと下フランジとの間の開口部には、蓋15として、外面側表層部に腐食耐久性の高いNiおよびCrのいずれか一方または両方を含有した高耐食性かつ高硬度の表面層となるような面材を設置してもよいし、ステンレス鋼部材や繊維強化プラスチック(FRP)等の鋼製箱桁の外面側表層部と同等以上の耐食性を持つ表面層を有する面材を設置してもよい。そのようにして密閉された内側の、箱桁8の面や横桁9、縦桁などは一般構造用炭素鋼材23などで構成することができる。
本発明の橋梁構造によれば、鋼製箱桁、特に、開断面鋼製箱桁を用い、施工性と強度を確保して、外面の腐食耐久性を向上させた橋梁構造を提供することができるので産業上有用である。
1 開断面箱桁橋(橋梁構造)
2 橋脚
3 支承
4 床版(PCプレキャスト床版)
5 PC鋼棒
6 スリット
7 アスファルト
8 箱桁
9 横桁
10 開断面鋼製箱桁
10A 桁の溶接部
11 ウェブ
11A 延長したウェブ
12 上フランジ
13 下フランジ
13A 角部(下フランジの板曲げ)
14 補剛材
15 蓋(ステンレス鋼薄板)
15A ステンレス鋼用溶接材料による隅肉溶接
20 クラッド鋼
21 母材(一般構造用炭素鋼)
21A 母材溶接(炭素鋼用溶接材料)
22 表面層となる高耐食性金属部材(ステンレス鋼)
22A バタリング(ステンレス鋼用溶接材料)
23 一般構造用炭素鋼材(溶接用鋼材)
100 鋼鈑桁橋
110 鋼桁
111 ウェブ
112 上フランジ
113 下フランジ
114 垂直補剛材
120 床版
IS 内面
OS 外面

Claims (8)

  1. 鋼製箱桁を用いた橋梁構造であって、
    前記鋼製箱桁は、NiおよびCrのいずれか一方または両方を含み、表面硬度がブリネル硬さ100HBW以上を有する表面層を外気にさらされる面の外面側表層部0.1~10mmに有し、外面側表層部以外が炭素鋼であり、
    (A)前記鋼製箱桁の下フランジとウェブとの接合は、
    (1)下フランジの両端を曲げ加工しウェブと角度を合わせ、下フランジから伸びた部材と上部から連続するウェブとが突合せ溶接されていること、および
    (2)前記鋼製箱桁のウェブの下端を曲げ加工し下フランジと角度を合わせ、下フランジとウェブから延びた部材とが突合せ溶接されていること、
    のいずれかが施されていること、ならびに、
    (B)前記鋼製箱桁を複数有する多主箱桁を用い、該鋼製箱桁間の開口部に、開口部形状と同じ形状であり、前記鋼製箱桁の外面側表層部を構成する前記表面層に相当する材質の表面層を有する面材からなる蓋を設置したこと、
    のいずれか一方または両方である、橋梁構造。
  2. 前記表面層が金属部材である、請求項1に記載の橋梁構造。
  3. 前記鋼製箱桁が開断面鋼製箱桁であって、
    前記開断面鋼製箱桁の上部にずれ止めを設置し、
    床版に予め設けられたスリットに差し込まれた前記ずれ止めが、前記スリットに充填された固化材によって固定されている、請求項1または2に記載の橋梁構造。
  4. 前記開断面鋼製箱桁の内側に固定された一般鋼材からなる上フランジに、前記ずれ止めを設け、
    予め前記ずれ止めが挿入できるように床版に前記スリットを設け、
    前記ずれ止めを前記スリットに挿入した状態で、前記上フランジ上面と前記床版下面を密着させ、前記スリットに固化材を充填した、請求項3に記載の橋梁構造。
  5. 前記床版がRC床版またはPC床版である、請求項3または4に記載の橋梁構造。
  6. 前記鋼製箱桁は、前記表面層を有し前記鋼製箱桁を構成する部材どうしの接合部が、完全溶け込み溶接されており、内面から炭素鋼材用の溶接材料を用いて、溶接が外面側の前記表面層まで到達するように溶接接合され、炭素鋼部材断面以上の溶接断面が確保され、前記鋼製箱桁の前記接合部外面が前記表面層に相当する溶接材料で覆われている、請求項1~5のいずれか1項に記載の橋梁構造。
  7. 前記鋼製箱桁の内面に設置された補剛材やダイアフラム構造が溶接用鋼材である、請求項1~6のいずれか1項に記載の橋梁構造。
  8. 前記鋼製箱桁の端部に、前記端部の開口形状と同じ形状であり、前記鋼製箱桁の外面側表層部を構成する前記表面層に相当する材質の表面層を有する面材からなる蓋を設置した、請求項1~のいずれか1項に記載の橋梁構造。
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