JP7325902B2 - 判定帰還型等化器および受信機 - Google Patents

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Description

本発明は、判定帰還型等化器および判定帰還型等化器を備えた受信機に係り、特に厳しい伝搬路環境においても安定動作させるための技術に関する。
有線や無線で情報の伝送を行う場合、有線、無線に限らず伝搬路には何らかの特性が存在し、伝搬路変動の影響によって送信された信号を受信側が正しく得られなければ、データの歪やデータ誤りが生じる。そこで、伝搬路によって変化した信号をデータ処理に適した信号に戻す技術に適応等化器がある。
例えば、マルチパス遅延波が発生するような無線通信環境では、直接波と共に遅延波が受信され、受信信号に符号間干渉(ISI:Intersymbol interference)が発生し、通信環境が大きく劣化する。この符号間干渉の影響を低減する方法として適応等化器が用いられている。
伝搬路変動に対しても良好な等化特性が得られる適応等化器として、判定帰還型等化器や最尤系列推定(MLSE:Maximum Likelihood Sequence Estimation)等化器など非線形処理を行う適応等化器が知られている。両者を比較すると等化性能はMLSEの方が優れるが、考慮する遅延波の遅延時間長が長い場合や変調多値数が多い場合に、MLSEの演算量が増大してしまう。これに対し判定帰還型等化器はMLSE等化器より少ない演算量ですむ。そのためMLSE等化器と比較して演算量の少ない判定帰還型等化器は限られたハード資源の下での実装にむいており、マルチパス遅延波が発生するような無線通信等において広く使われている。
図6を用いて従来の判定帰還型等化器を説明すると、判定帰還型等化器200は主として入力部201と、FFフィルタ部202と、FBフィルタ部206と、加算器210と、判定部211と、誤差検出部212と、タップ係数制御部213とからなる。判定帰還型等化器200は、受信したシンボルを等化フィルタであるFFフィルタ部202とFBフィルタ部206とでフィルタリングすることにより等化したデータを得る。
FFフィルタ部202は受信信号を遅延素子203、203、・・・により1シンボル時間ずつ遅延させて、シンボル間隔で乗算器204、204、・・・の各タップ係数と乗算し、乗算結果をFF加算器205へ入力する。FF加算器205は各乗算結果を加算した総和をFFフィルタ部202の出力として加算器210に入力する。加算器210はFF加算器205からの出力を等化出力信号として判定部211に出力し、判定部211は、等化出力信号をある閾値によって判定し、「0」か「1」のデータとして、すなわち硬判定データとして出力する。判定部211は硬判定データを帰還信号としてFBフィルタ部206に入力し、遅延素子207、207によって1シンボル時間ずつ遅延させ、シンボル間隔で乗算器208、208、・・・のタップ係数と乗算し、乗算結果をFB加算器209へ入力する。FF加算器205とFB加算器209の出力を加算器210で加算した信号が等化結果であり、等化結果を判定部211で硬判定した判定出力信号を受信データとして出力する。
判定帰還型等化器200は判定部211で硬判定した判定出力信号と加算器210の出力である等化信号との誤差を誤差検出部212で求め、その誤差情報(判定出力信号と等化出力信号の差分)をタップ係数制御部213に伝送し、タップ係数制御部213は、誤差を軽減するようにFFフィルタ部202の各タップ係数およびFBフィルタ部206の各タップ係数を更新して、FFフィルタ部202とFBフィルタ部206の両方で符号間干渉を抑制する。
このように判定帰還型等化器は、判定出力信号を帰還させることによって符号間干渉(ISI)成分の抑制を行うものであるが、判定誤りの影響がループ内を巡って、等化状態に収束しない現象が起きる。帰還される判定出力信号が誤っている場合には、等化を正しく行うことができないため、その等化結果に基づく判定も誤ったものとなる。また、次シンボルの等化を行う際の帰還される判定出力信号は前シンボルのであるため、その判定出力信号が誤っていた場合には、次シンボル以降にも誤り伝搬が起こり、等化不能の状態に陥るという判定帰還型等化器特有の異常状態に陥る問題がある。
このような問題に対して、前記伝送信号を受信する入力と、少なくとも1つの処理パラメータに基づいて前記伝送信号を処理し、処理された信号を生成する適応信号処理手段と、該処理された信号及び予想される信号間の差分を検出する差分検出手段と、該差分に依存して新たなパラメータに向けて前記少なくとも1つの処理パラメータを調整する設定手段と、を有し、前記設定手段はリーケージ手段を有し、該リーケージ手段は、前記少なくとも1つの処理パラメータについて、ゼロとは異なるリーケージターゲット値を設定し、該リーケージターゲット値に向かう方向のリーケージ成分に基づいて前記少なくとも1つの処理パラメータを更に調整するようにした、前記適応信号処理手段は、複数のフィルタパラメータを使用する等化手段を有し、前記フィルタパラメータは、ディジタルインパルス応答フィルタのタップ各々を制御する伝送チャネルで歪んだ伝送信号を処理する受信機によって、等化フィルタのタップに固定係数を乗じてタップの発散を防止し、ロバスト性を高める技術が提案されている(特許文献1参照)。
特表2009-520313号公報
しかしながら、判定帰還型等化器は等化出力信号と判定出力信号の差分に基づき、例えばあるアルゴリズムでは、等化出力信号と判定出力信号との差の2乗平均値が最小となるようにタップ係数を適応的に更新するため、ノイズの大きい受信信号が入力されると、差分を検出できなくなり適応的に各タップ係数の更新をすることができない。
図2(a)は通常の状態の受信信号を示すコンスタレーション図である。通常であれば、判定帰還型等化器は、図2(a)のように理想値iの周りにノイズが拡がった信号を受信し、理想値iとの誤差値eが小さくなるように、各タップ係数を更新する。しかし、外乱等で雑音が支配的なレベルの大きな受信信号が入力されると図2(b)に示すようにコンスタレーション図から大きくはみ出して広がる。このような外乱による大きな信号を受けると、タップ係数を適応的に制御することができなくなり、大きな受信レベルが原因となりFFフィルタのタップ係数が著しく低下し、最終的には「0」に収束してしまう。そうなるとFFフィルタからの出力が「0」になってしまい、FFフィルタとしての機能は失われ、FBフィルタの影響が支配的になってしまう。すなわち受信信号を等化すべきFFフィルタが機能せず、誤った判定出力信号により生成された等化出力信号が帰還し、FBフィルタから誤った出力信号が生成され続ける。
FFフィルタのタップ係数が「0」のままであると、外乱の影響がおさまって通常の信号を受信できるようになったとしても、FFフィルタの出力も「0」のままとなりFFフィルタとしての機能が失われる。FBフィルタと判定器とで信号がループしていくなかで、FBフィルタの出力値は理想値に収束するため、タップ係数の更新が行われなくなってしまう。そうして、FBフィルタの出力と判定器から帰還する判定出力信号とが延々と循環し、一定の判定出力信号を出し続けて、等化器として動作しなくなるという問題があった。
特許文献1に記載の技術ではこのような外乱等によって、FFフィルタが機能しなくなり、FBフィルタが支配的となってタップ更新が行われなくなる判定帰還型等化器特有の異常状態を回避するものではなかった。
そこで本発明は、外乱によるノイズの入力があっても、FFフィルタの出力が「0」となってしまうことを防ぐことで、厳しい伝搬路環境においても安定的に動作する判定帰還型等化器および受信機を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、受信信号に対してタップ係数を乗算して波形等化を行うフィードフォワードフィルタ部と、フィードバック等化器として機能するフィードバックフィルタ部と、前記フィードフォワードフィルタ部の出力信号と前記フィードバックフィルタ部の出力信号とを加算した等化出力信号に基づき判定出力信号を出力する判定部と、前記判定出力信号と前記等化出力信号との誤差に基づき前記フィードフォワードフィルタ部のタップ係数と前記フィードバックフィルタ部のタップ係数の更新値を制御するタップ係数制御部と、前記タップ係数制御部から入力された前記フィードフォワードフィルタ部のタップ係数の更新値を、前記フィードフォワードフィルタ部の出力信号の電力値が一定値となるように正規化するタップ係数正規化部と、前記等化出力信号の電力値を前記判定部のコンスタレーション内に収まるように減衰させる減衰器と、前記判定出力信号を増幅させて前記フィードバックフィルタ部に伝送する増幅器と、前記減衰器と前記増幅器とを制御する電力調整部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、フィードフォワードフィルタ部の出力信号の電力値が一定値となるように前記FFフィルタのタップ係数の更新値を正規化する。そして電力調整部が、フィードフォワードフィルタ部の出力信号の電力値が一定値となるようにしたことで等化出力信号が判定部の判定範囲を越えてしまうことがないように、減衰器で等化出力信号の電力値を減衰して判定部のコンスタレーション内に収束させ、さらに増幅器によって前記判定部が出力した判定出力信号を増幅させてフィードバックフィルタ部に伝送する制御を行う。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の判定帰還型等化器を備えたことを特徴とする受信機である。
請求項1に記載の判定帰還型等化器によれば、タップ係数正規化部がFFフィルタ部の加算器の総電力の和が一定値となるように前記FFフィルタのタップ係数の更新値を正規化するので、外乱等によってFFフィルタ部のタップ係数が著しく低下することがなく、厳しい伝搬路環境においても安定的に動作する。
請求項2に記載の受信機によれば、受信RF部等のハードウェアのトラブルがあり、判定帰還型等化器に大きなノイズが入力されたとしても、FFフィルタ部のタップ係数が著しく低下することがなく、等化器が動作しなくなることを防ぐことができ、冗長系に切り替わったときに安定動作に復帰することができる。
実施の形態1における判定帰還型等化器を示す概略構成ブロック図である。 判定帰還型等化器に入力される通常時の送信信号(a)と外乱時の送信信号(b)を示すコンスタレーション図である。 実施の形態1の判定帰還型等化器における、減衰前の等化出力信号と減衰後の等化出力信号を示すコンスタレーション図である。 実施の形態2における判定帰還型等化器を備えた受信機を示す概略構成ブロック図であり、通常の状態を示す図である。 実施の形態2における判定帰還型等化器を備えた受信機を示す概略構成ブロック図であり、冗長系に切り替えた状態を示す図である。 従来の判定帰還型等化器を示す概略構成ブロック図である。
以下、この発明の実施の形態について、図面を用いて詳しく説明する。
(実施の形態1)
この発明の実施の形態における判定帰還型等化器1は、例えば無線受信機において、受信部を通じて得られたアナログ信号のI、Q信号をそれぞれA/D変換器でデジタル信号とした複素入力信号r(n)=I+jQを等化処理する。
判定帰還型等化器1の概略構成ブロック図を図1に示す。判定帰還型等化器1は、図1に示すように、等化対象の信号が入力される入力部10と、FF(フィードフォワード)フィルタ部20と、FB(フィードバック)フィルタ部30と、加算器40と、判定部50と、誤差検出部60と、タップ係数制御部70と、タップ係数正規化部80と、電力調整部90と、減衰器91と、増幅器92とからなる。
FFフィルタ部20とFBフィルタ部30は共に、タップ係数可変のトランスバーサルフィルタを用いて構成される。
FFフィルタ部20は、センタータップおよびフィードフォワードタップを有し、判定帰還型等化器1においてフィードフォワード等化器として機能する。
FFフィルタ部20は、判定帰還型等化器1が等化対象とする受信信号を受けて等化処理を行う。FFフィルタ部20は複数の遅延素子21(21-1、21-2、21-3、21-4)と、複数の乗算器22(22-1、22-2、22-3、22-4、22-5)と、FF加算器23とからなる。
遅延素子21は受信信号の入力を受けて、受信信号を1シンボルずつ遅延させる。遅延素子21-1は受信信号を1シンボル遅延させた信号を出力し、遅延素子21-2は受信信号を2シンボル遅延させた信号を出力し、遅延素子21-3は受信信号を3シンボル遅延させた信号を出力し、遅延素子21―4は4シンボル遅延させた信号を出力する。
乗算器22は、受信信号または遅延素子21が出力した信号にタップ係数を乗算して出力する。信号入力から乗算器22までの経路のことを、一般にタップといい、本実施の形態のFFフィルタ部のタップ数は5になる。本実施の形態では、乗算器22-5までの経路がセンタータップとなり、他の乗算器22-1、22-2、22-3、22-4はフィードフォワードタップとなる。
FF加算器23は、乗算器22の出力の総和を算出し、加算器40へ出力する。
FBフィルタ部30は、フィードバックタップを有し、判定帰還型等化器1において後述する判定部50の判定出力信号が帰還されるフィードバック等化器として機能する。FBフィルタ部30は、複数の遅延素子31(31―1、31―2)と複数の乗算器32(32―1、32―2、32―3)とFB加算器33とからなる。遅延素子31、乗算器32およびFB加算器33の機能はそれぞれFFフィルタ部20の遅延素子21、乗算器22、FF加算器23と同様であるため説明を省略する。なお、本実施の形態のFBフィルタ部30のタップ数を3としているが、これに限らず、2以上であれば、伝搬路環境等を考慮して適したタップ数を設定してもよい。
加算器40はFF加算器23とFB加算器33の各出力を加算し、判定部50および誤差検出部60に出力する。
判定部50は加算器40の出力をシンボル周期T毎に閾値で硬判定して、判定出力信号を出力する。判定出力信号は誤差検出部60に伝送されると共に、帰還データとしてFBフィルタ部30に伝送される。
誤差検出部60は判定部50が出力した判定出力信号と加算器40の出力(等化出力信号)との誤差を検出する。具体的には判定出力信号から等化出力信号を減算することで誤差値を求める。
タップ係数制御部70は、各タップの値と各タップ係数とを監視し、誤差検出部60が求めた誤差値に基づき、判定出力信号と等化出力信号との誤差が小さくなるように各タップ係数の更新を制御する部分である。具体的には、誤差検出部60から誤差値を得ると、FFフィルタ部20から各タップ入力信号を得て、FFフィルタ部20におけるタップ係数を適応的に算出し、算出した各タップ係数をFFフィルタ部20のタップ係数については、タップ係数正規化部80に、FBフィルタ部30のタップ係数についてはFBフィルタ部の各乗算器32に伝送される。
タップ係数制御部70のタップ係数更新アルゴリズムには、LMS(Least Mean Squares)やRLS(Recursive Least Squares)が用いられる。
タップ係数正規化部80は、タップ係数制御部70から入力されたFFフィルタ部20の各タップ係数を、FFフィルタ部20の出力の総電力の和が常に一定値となるように、すなわち各乗算器22の出力の電力値Pの総和が一定値となるように、FFフィルタ部20の各タップ係数を正規化する。一定値は定数を固定的に定めるものであればどのような値でもよいが、本実施の形態では処理の簡略化のために「1」を一定値とする。
タップ係数正規化部80の動作を詳しく説明すると、タップ係数正規化部80は、タップ係数制御部70からFFフィルタ部20の各タップ係数が入力されると、各タップ係数をFF加算器23の出力の電力値が1となるように、各タップ係数を増減させる。
タップ係数制御部70からFFフィルタ部20の各タップ入力値を得て、タップ係数制御部70から得たタップ係数では、FFフィルタ部20の各タップ係数の電力値の総和が「1」に満たない場合は、電力値の総和が「1」となるようにそれぞれのタップ係数に均等にタップ係数Kを上乗せして算出し、各乗算器22の出力の電力値P~Pの総和が「1」となるようにする。
タップ係数制御部70から得たタップ係数では、FFフィルタ部20の各タップ係数の電力値の総和が「1」を超える場合は、電力値の総和が「1」となるようにそれぞれのタップ係数に均等にタップ係数Kを差し引いて算出する。このようにタップ係数正規化部80は、FFフィルタ部20のタップの電力値の総和が常に「1」となるように、各タップ係数を均等に調整し、各乗算器22の出力の電力値P~Pの総和が「1」となるようにする。
例えば、外乱等によってタップ係数制御部70から入力されるFFフィルタ部の各タップ係数Kが「0」となると、タップ係数正規化部80は、センタータップの電力値が「1」となるタップ係数Kを乗算器22-5に伝送する。そして、その他のタップの電力値が「0」となるようにタップ係数K~Kは「0」と伝送する。この場合、センタータップの乗算器22-5の出力の電力値Pが「1」となり、他の乗算器22-1、22-2、22-3、22-4の出力の電力値はそれぞれ「0」となるため、FFフィルタ部20の各タップの電力値の総和が「1」となる。このようにタップ係数正規化部80は、タップ更新毎に、FF加算器23の出力の電力値が「1」となるようにFFフィルタ部20のタップ係数を制御する。
電力調整部90は減衰器91と増幅器92と接続される。電力調整部90は、減衰器91と増幅器92を制御して、加算器40の出力を、判定部50の閾値で判定できる電力値まで減衰し、判定後の判定出力信号をFBフィルタ部30に入力する前に減衰前の電力値にまで戻す制御を行う。判定帰還型等化器1ではFFフィルタ部のタップ係数の総電力の和が常に「1」となるようにタップ係数を更新していることから、等化出力信号が硬判定可能な範囲から外れてしまうことがある。すなわちFFフィルタ部20の出力とFBフィルタ部30の出力の加算された等化出力信号が、図3(a)に示すように、判定部50のコンスタレーション図の外側に広がってしまい、既知の理想値iから離れてしまう。そうならないために、減衰器91は等化出力信号の電力値を、判定部50で図3(b)に示すように硬判定可能な電力値にまで減衰する。硬判定後の判定出力信号は増幅器92で減衰前の電力値にまで戻される。減衰器91に減衰した係数の逆数を増幅器で乗することで元の電力値にまで戻され、FBフィルタ部30に入力される。
つぎにこの判定帰還型等化器1に外乱によるノイズが入力されたときの作用について説明する。
ノイズによる大きな信号が受信されると、タップ係数制御部70は適切なタップ係数を算出することができず、タップ係数K0~K5は「0」に近くなる。タップ係数正規化部80はFFフィルタ部のタップの総電力の和を「1」となるようにしているので、正しくない等化結果であっても、FFフィルタ部20の出力が「0」となることがなく、曲がりなりにも何らかのデータを出力していることになる。
外乱の影響がなくなり通常の信号が受信されるようになると、FFフィルタ部20およびFBフィルタ部30は受信した信号で等化処理を再開し、等化出力信号と判定出力信号の誤差を元に、タップ係数制御部70が各タップ係数K0~K7を算出し、タップ係数正規化部80がFFフィルタ部20のタップ係数K0~K4をFFフィルタ部20の電力値の総和が「1」となるように正規化する。
タップ係数正規化部80によって、FFフィルタ部20の電力値の総和が常に「1」となることで、等化出力信号の電力値が判定部50の判定範囲であるコンスタレーションからはみ出してしまうことがないように、電力調整部90が減衰器91を制御して、判定部50のコンスタレーションの範囲内におさまるように減衰する。FBフィルタ部30に帰還する判定出力信号は減衰した分だけ増幅器92によって増幅され元の電力値にまで戻されてからFBフィルタ部30に入力される。
このような判定帰還型等化器1によれば、タップ係数正規化部80がFFフィルタ部20のFF加算器23の出力の電力値が一定値となるようにFFフィルタ部20のタップ係数の更新値を正規化するので、外乱等によってFFフィルタ部20のタップ係数が著しく低下することがなく、FFフィルタ部20が等化不能に陥って、FBフィルタ部30が支配的に作動してしまうことがない。すなわち、外乱による影響が無くなって、通常の受信信号が受信できるようになれば、受信信号を元に等化処理を行い、等化出力信号と判定出力信号をもとにタップ係数を更新し、等化処理を継続することができる。結果として厳しい伝搬路環境においても安定的に動作する判定帰還型等化器を提供することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態の無線受信機100の概略構成ブロック図を図4に示す。
本実施の形態に係る無線受信機100は、アンテナ110と、分配器111と、2つの受信RF部120a、120bと、監視制御部130と、切替部140と、信号処理部150とからなる。
アンテナ110がRF送信信号を受信し、受信信号が分配器111を介して、第1の受信RF部120aと第2の受信RF部120bとに入力される。
受信RF部120aは、LNA121と、ミキサ122と、局部発振器123とからなり、受信したRF信号を、中間周波数(IF周波数)に、局部発振器123とミキサ122を使って変換する。受信RF部120bの構成は、第1の受信RF部120aの構成と同様であるので説明を省略する。
監視制御部130は、受信RF部120aと受信RF部120bおよび切替部140に接続される。
監視制御部130は受信RF部120aと受信RF部120bのハードウェアのトラブルや電源の異常等を監視し、受信RF部120a、120bのいずれかを使用しているときにトラブルがあると、切替部140を切り替え、もう一方に接続する。
切替部140は切替スイッチであり、監視制御部130からの出力を受けて、接点をもう一方の受信RF部側に切り替える。
受信RF部120a、120bの出力は共に切替部140に入力され、切替部140のスイッチが接続されている方の出力が、信号処理部150に入力される。すなわち、無線受信機100は2つの受信RF部120a、120bが冗長系に構成されている。アンテナ110が受信した信号が信号処理部150に伝送される経路において、受信RF部120aと受信RF部120bとが切替可能になっている。
信号処理部150は、受信RF部120a(120b)でIF周波数に変換された信号を処理する。信号処理部150は主として、IFアンプ151と、アナログ/デジタル変換器152と、判定帰還型等化器1と、復調器153とを備える。判定帰還型等化器1の構成は実施の形態1において図1で示したものと同一なので同一の符号を用いることで説明を省略する。
受信RF部120a(120b)から信号処理部150に入力された信号は、IFアンプ151にて、信号を増幅され、アナログ/デジタル変換器152にてアナログ信号がデジタル信号に変換され、判定帰還型等化器1に入力され、判定帰還型等化器1は符号間干渉等の等化処理を行い等化出力信号を復調器153に出力する。復調器153は等化出力信号をベースバンド信号に復調して出力する。
すなわち、この実施の形態における無線受信機100は、受信RF部を冗長系に構成した無線受信機であって、本発明に係る判定帰還型等化器と、受信RF部の動作不良を監視する監視制御部とを備え、一方の受信RF部に動作不良が起きた場合は、もう一方の受信RF部に回路を切り替える。
この無線受信機100の作用について説明する。
図4に示すように、無線受信機100はアンテナ110で受信した信号は受信RF部120a、120bそれぞれ入力される。無線受信機100は、通常は切替部140が受信RF部120aに接続されている。
ここで、受信RF部120aにハードウェアのトラブルや電源異常といった外乱が起きると、信号処理部150に外乱のノイズのみが入力され、判定帰還型等化器1にもノイズがはいってくる。この際に判定帰還型等化器1はFFフィルタ部のタップ係数は、ノイズにより通常の信号からかい離した等化出力信号と判定出力信号との誤差に基いてタップ係数Kを更新するが、FFフィルタ部のFFの総電力が「1」となっているので、何らかの等化出力信号を出力しており、FBフィルタ部が支配的となっていない。
監視制御部130が、受信RF部120aの異常を検知すると、切替部140の接続を冗長系の受信RF部120bに切り替えて、図5に示すように受信RF部120bの出力信号が信号処理部150に入力される。
正常に動作している受信RF部120bは外乱の影響のない信号を信号処理部150に入力するので、信号処理部150の判定帰還型等化器1は、判定出力信号と等化出力信号との誤差に基いて、この誤差を小さくするようにタップ係数を更新していくことができる。次第に等化出力信号は等化処理されたものに復帰する。
このような構成の無線受信機100によれば、ハード的なトラブルによる外乱で、信号処理部150の判定帰還型等化器1が等化不能に陥っても、判定帰還型等化器1のFFフィルタ部20のFF加算器の総電力の和が常に「1」となっているため、タップ係数が0になってしまうことがない。そして正常に機能する冗長系に切り替えることで、通常の信号が入力されることで、FFフィルタ部20、FBフィルタ部30の各タップ係数を制御して等化不能状態から復帰することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の形態1の判定帰還型等化器1は、FFフィルタ部20のタップ数が5と、FBフィルタ部30のタップ数が3としたが、複数であればこの数に限らない。また、各遅延素子21、31の遅延数を1シンボルとしたが、それぞれ1/2シンボルずつ遅延させるものでもよい。
1 判定帰還型等化器
20 FFフィルタ部
30 FBフィルタ部
40 加算器
50 判定部
60 誤差検出部
70 タップ係数制御部
80 タップ係数正規化部
90 電力調整部
91 減衰器
92 増幅器
100 無線受信機
120a 受信RF部
120b 受信RF部
130 監視制御部
150 信号処理部

Claims (2)

  1. 受信信号に対してタップ係数を乗算して波形等化を行うフィードフォワードフィルタ部と、
    フィードバック等化器として機能するフィードバックフィルタ部と、
    前記フィードフォワードフィルタ部の出力信号と前記フィードバックフィルタ部の出力信号とを加算した等化出力信号に基づき判定出力信号を出力する判定部と、
    前記判定出力信号と前記等化出力信号との誤差に基づき前記フィードフォワードフィルタ部のタップ係数と前記フィードバックフィルタ部のタップ係数の更新値を制御するタップ係数制御部と、
    前記タップ係数制御部から入力された前記フィードフォワードフィルタ部のタップ係数の更新値を、前記フィードフォワードフィルタ部の出力信号の電力値が一定値となるように正規化するタップ係数正規化部と、
    前記等化出力信号の電力値を前記判定部のコンスタレーション内に収まるように減衰させる減衰器と、
    前記判定出力信号を増幅させて前記フィードバックフィルタ部に伝送する増幅器と、
    前記減衰器と前記増幅器とを制御する電力調整部と、
    を備えたことを特徴とする判定帰還型等化器。
  2. 請求項1に記載の判定帰還型等化器を備えたことを特徴とする受信機。
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