JP7325809B2 - 錯体、錯体集積体、ガス吸着剤、ガス吸着方法およびガス脱離方法 - Google Patents
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Mは、周期律表1~3族および7~15族から選択される原子であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1~4の整数である。
R5は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、または炭素数2~5のアルキニル基から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
X1およびX2はそれぞれ独立に、下記一般式(5)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
X-はハロゲンアニオンである。)
R6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R6が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R7が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
q、rはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R8は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線aは、一般式(2)における酸素原子との結合位置を示し、
波線bは、一般式(2)における一方のFe原子との結合位置を示し、
波線cは、一般式(2)における他方のFe原子との結合位置を示す。)
R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R9が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R10が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく
s、tはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R11は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線dは、一般式(3)における酸素原子との結合位置を示し、
波線eは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線fは、一般式(3)における他方のCu原子との結合位置を示す。)
R12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R12が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R13が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
u、vはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R14およびR15は互いに結合し環を形成してもよく
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線gは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線hは、波線gで結合するCu原子と同一のCu原子との結合位置を示す。)
R16~R19は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R16が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R17が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R18が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R19が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
w、x、y、zはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R20およびR21は互いに結合し環を形成してもよく、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線iおよびjは、一般式(4)における一方のCo原子との結合位置を示し、
波線k、lは、一般式(4)における前記波線iおよびjで結合するCo原子と別のCo原子との結合位置を示す。)
[3] 前記一般式(1)において、前記R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記m、nはそれぞれ独立に0~2の整数であり、前記R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記pは、2または3であり、
前記一般式(2)において、前記R5は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、または炭素数2~5のアルキニル基から選択される基であり、
前記一般式(5)において、前記R6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記q、rはそれぞれ独立に0~2の整数であり、前記R8は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(6)において、前記R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記s、tはそれぞれ独立に0~2の整数であり、前記R11は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(7)において、前記R12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記u、vはそれぞれ独立に0~2の整数であり、前記R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
前記一般式(8)において、前記R16~R19は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記w、x、y、zはそれぞれ独立に0~2の整数であり、前記R20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基である、
[1]または[2]に記載の錯体。
[6] 下記一般式(1)~(4)のいずれかで表される錯体が、複数集積化した錯体集積体から構成される、ガス吸着剤。(但し、ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、ジエチルエーテルであり、錯体が下記一般式(1)で表される錯体であり、かつ一般式(1)においてMがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体である場合を除く。)
Mは、周期律表1~3族および7~15族から選択される原子であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1~4の整数である。)
R5は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、または炭素数2~5のアルキニル基から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
X1およびX2はそれぞれ独立に、下記一般式(5)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
X-はハロゲンアニオンである。)
R6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R6が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R7が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
q、rはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R8は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線aは、一般式(2)における酸素原子との結合位置を示し、
波線bは、一般式(2)における一方のFe原子との結合位置を示し、
波線cは、一般式(2)における他方のFe原子との結合位置を示す。)
R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R9が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R10が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく
s、tはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R11は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線dは、一般式(3)における酸素原子との結合位置を示し、
波線eは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線fは、一般式(3)における他方のCu原子との結合位置を示す。)
R12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R12が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R13が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
u、vはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R14およびR15は互いに結合し環を形成してもよく
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線gは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線hは、波線gで結合するCu原子と同一のCu原子との結合位置を示す。)
R16~R19は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R16が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R17が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R18が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R19が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
w、x、y、zはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R20およびR21は互いに結合し環を形成してもよく、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線iおよびjは、一般式(4)における一方のCo原子との結合位置を示し、
波線k、lは、一般式(4)における前記波線iおよびjで結合するCo原子と別のCo原子との結合位置を示す。)
Riは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1~5のアルキル基であり、2つのRiは互いに結合し環を形成してもよく、Riiは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1~5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0~3の整数である、[6]に記載のガス吸着剤。
[錯体、錯体集積体]
本発明の錯体は、下記一般式(1)~(4)のいずれかで表される錯体である。なお、一般式(1)~(4)のいずれかで表される錯体を、本発明の錯体とも記す。
Mは、周期律表1~3族および7~15族から選択される原子であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1~4の整数である。
R5は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、または炭素数2~5のアルキニル基から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
X1およびX2はそれぞれ独立に、下記一般式(5)で表される配位子であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
X-はハロゲンアニオンである。)
R6およびR7は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R6が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R7が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
q、rはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R8は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線aは、一般式(2)における酸素原子との結合位置を示し、
波線bは、一般式(2)における一方のFe原子との結合位置を示し、
波線cは、一般式(2)における他方のFe原子との結合位置を示す。)
R9およびR10は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R9が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R10が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく
s、tはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R11は、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線dは、一般式(3)における酸素原子との結合位置を示し、
波線eは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線fは、一般式(3)における他方のCu原子との結合位置を示す。)
R12およびR13は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R12が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R13が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
u、vはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R14およびR15は互いに結合し環を形成してもよく
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線gは、一般式(3)における一方のCu原子との結合位置を示し、
波線hは、波線gで結合するCu原子と同一のCu原子との結合位置を示す。)
R16~R19は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R16が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R17が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R18が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R19が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
w、x、y、zはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R20およびR21は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R20およびR21は互いに結合し環を形成してもよく、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
波線iおよびjは、一般式(4)における一方のCo原子との結合位置を示し、
波線k、lは、一般式(4)における前記波線iおよびjで結合するCo原子と別のCo原子との結合位置を示す。)
なお、本発明において、「置換されていてもよいXX基」との記載があるが、該記載は、「XX基」を構成する水素原子が、置換されていてもよいことを意味する。
本発明の錯体は、具体的には、下記化学式(1-1)~(1-7)、(2-1)、(3-1)、または(4-1)で表されることが好ましい。これらの錯体は、安価な金属を中心に持つため好ましい。中でも、本発明の錯体は、化学式(1-1)~(1-7)のいずれかで表されることが構造の単純さの観点から好ましい。
RaおよびRbは、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、Raが複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、Rbが複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
A、Bはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
RcおよびRdは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、RcおよびRdは互いに結合し環を形成してもよく、Rzは、炭素数1~5のアルキル基である。)
一般式(α)における、各基の例示としては、前述の基が挙げられる。また、RaおよびRbの好適態様としては、前記R1およびR2の好適態様と同様であり、AおよびBの好適範囲は、前記m、nの好適範囲と同様であり、RcおよびRdの好適態様としては、前記R3およびR4の好適態様と同様である。
(I):化学式(α)で表される化合物等の、本発明の錯体において金属原子に配位する配位子に相当する化合物を用意する。該化合物の用意は、合成により行っても、購入することにより行ってもよい。
(II):ハロゲン化金属等の金属化合物と、前記配位子に相当する化合物とを、溶媒中で反応させ、錯体を合成する。
(III):(II)で得られた錯体を、必要に応じて精製する。
前記金属化合物としては、例えば、塩化ニッケル六水和物(NiCl2・6H2O)、塩化亜鉛(ZnCl2)、塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)、塩化銅(CuCl2)、塩化鉄四水和物(FeCl2・4H2O)、塩化鉄(FeCl3)が挙げられる。
本発明の錯体は、その分子が複数集積することにより、集積体を構成することが可能である。すなわち、本発明の錯体集積体は、前記錯体が複数集積化した、錯体集積体である。
本発明のガス吸着剤は、前記一般式(1)~(4)のいずれかで表される錯体が、複数集積化した錯体集積体から構成される。
本発明のガス吸着方法は、前記ガス吸着剤を用いてガス状分子を吸着する。ガス状分子としては、前述の物が好ましい。
〔製造例1〕
(化学式(L1)で表される化合物(配位子L1)の合成)
化学式(L1)で表される化合物は、下記スキームに従って合成した。
(2):180℃を保ったまま、(1)で得られた溶液に、ジエチルフェニルマロネート8.6mL(39.8mmol)を15分かけて滴下した。
(3):(2)の滴下終了後、180℃で1時間撹拌を行った。1時間後加熱をやめ自然放冷により、室温まで冷却したところ、褐色固体が析出した。
(4):(3)で得られた褐色固体をクロロホルム300mLで洗浄した後、6M塩酸100mLを加えたところ、固体の一部が溶解した。
(5):(4)で得られた溶解物と、固体との混合物に対して、ろ過操作を行い、ろ液を回収し、そのろ液に対して、5M水酸化ナトリウム水溶液150mLを加えたところ、配位子L1で表される化合物の白色粉末が析出した。
(6)ろ過操作により、白色粉末を回収し、乾燥させることにより配位子L1で表される化合物を得た(5.03g、15.5mmol、収率39%)。
(化学式(L2)で表される化合物(配位子L2)の合成)
化学式(L2)で表される化合物の合成手順(1)~(7)を下記に示す。
(2)o-フェニレンジアミン(5.8g、54mmol)を入れ、そのほとんどが溶けるまで撹拌した。
(3):250℃まで加熱し、ジエチルマロン酸ジエチル4mL(18mmol)を15分かけて滴下した。
(4):(3)の滴下終了後、250℃で8.5時間撹拌した。
(5):自然放冷により、190℃まで自然放冷後、粘性のある溶液を、水200mLの入ったビーカーに入れた。
(6):この混合液に対して、7.5M水酸化ナトリウム水溶液100mLを加えたところ、固体が析出した。
(7):ろ過操作により、析出した固体を回収し、ジエチルエーテルによる洗浄(20mL×3回、10mL×2回)と乾燥を行うことにより、配位子L2を含む赤紫がかった白色固体を得た(1.30g)。
得られた固体中に配位子L2が含まれていることは、ジメチルスルホキシド(C2H6SO)中で測定した1H NMRおよび質量スペクトルにより確認した。
[配位子L2のデータ]
1H NMR(ジメチルスルホキシド(C2H6SO)、500MHz、25℃、軽溶媒モード)δ7.49(br.2H)、7.43(br.2H)、7.12~7.04(br.m.4H)、1.68(m.4H)、0.72(t.3JHH=7Hz、6H)
質量スペクトル(ASAP)m/z305([M+H]+)
(化学式(L3)で表される化合物(配位子L3)の合成)
化学式(L3)で表される化合物の合成手順(1)~(7)を下記に示す。
(2):180℃を保ったまま、(1)で得られた溶液に、エチルマロン酸ジエチル3.4mL(18mmol)を15分かけて滴下した。
(3):(2)の滴下終了後、180℃で4時間撹拌した。
(4):自然放冷により、室温まで冷却したところ、褐色粉末が析出した。
(5):ろ過操作により、析出した褐色粉末を分離し、クロロホルムで洗浄(50mL×3回)した後、6M塩酸50mLを加えたところ、固体の一部が溶解した。
(6):ろ過操作を行い、ろ液を回収し、そのろ液に対して、5M水酸化ナトリウム水溶液100mLを加えたところ、白色粉末が析出した。
(7)ろ過操作により、白色粉末を回収し、乾燥させることにより配位子L3を得た(3.66g、13mmol、収率74%)。
配位子L3が得られたことは、1H NMRおよび質量スペクトルにより確認した。
[配位子L3のデータ]
1H NMR(重ジメチルスルホキシド(C2D6SO)、500MHz、25℃)δ7.43(br.4H)、6.99(br.4H)、4.47(t.3JHH=7Hz 1H)、2.30(dq.3JHH=each 7Hz 2H)、0.85(t.3JHH=7Hz 3H)
質量スペクトル(ASAP)m/z277([M+H]+)
(化学式(1’-8)で表される錯体・錯体集積体の合成)
化学式(1’-8)で表される錯体は、下記スキームに従って合成した。
(1)200mLナスフラスコ中に、前記製造例1で得られた化学式(2)で表される化合物を820mg(2.52mmol)はかりとり、エタノール(EtOH)60mLを加えた。
(2)100mLナスフラスコ中に塩化ニッケル六水和物(NiCl2・6H2O)を600mg(2.52mmol)はかりとり、エタノール30mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で30分間撹拌したところ、紫色粉末が析出した。
(4)20分間静置した後、上澄み液を捨て、残った紫色粉末をエタノール10mLで洗浄した。
(5)エバポレーターを用いて乾燥後、得られた紫色粉末を回収した(780mg、1.71mmol)。
(6)回収した紫色粉末に対して、アセトニトリル(CH3CN)とジエチルエーテル(Et2O)混合溶媒(アセトニトリル:ジエチルエーテル=67.5mL:40.5mL)を加えた後、ろ過し、ろ液を冷蔵庫(10℃)で静置したところ、紫色単結晶が析出した。
(7)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、620mg、1.17mmol、収率47%であった。
上記スキームで得られた(C)は、化学式(1’-8)で表される錯体の単結晶、すなわち、錯体集積体であり、かつジエチルエーテルを吸着した状態である。
ジエチルエーテルを吸着した錯体集積体が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
なお、本製造例および後述の実施例における錯体(錯体集積体)の単結晶X線構造解析は、以下の条件で行った。
装置名:R-AXIS RAPID II
製造会社名:株式会社リガク(登録商標)
X線源:Mo-Kα、波長λ=0.71069Å
検出器:上記装置用の湾曲イメージングプレート
測定温度:-150℃
構造解析ソフトウェア:OlexSys Ltdの “Olex2”
[化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C25H26Cl2N4NiO(C21H16Cl2N4Ni・C4H10O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.7785(7)Å
b=14.6846(8)Å
c=15.8321(8)Å
α=90°
β=103.319(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=2438.5(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0514
(化学式(1-1)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(2)塩化亜鉛(ZnCl2)100mg(0.73mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、白色懸濁液が得られた。
(4)デカンテーションにより、大部分の上澄み液を取り除いた後、エバポレーターを用いて乾燥したところ、白色粉末が得られた(390mg)。
(5)白色粉末を、ジメチルスルホキシド17mLに溶かし、そこにメタノールを30mL加えた。
(6)空気中で少しずつメタノールを蒸発させたところ、化学式(1-1)で表される錯体の無色結晶(錯体集積体)が得られた。
(7)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、90mg、0.17mmol、収率23%であった。
[化学式(1-1)で表される錯体(錯体集積体)のデータ]
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のジメチルスルホキシドを含む
結晶としての組成:C23H22Cl2N4OSZn(C21H16Cl2N4Zn・C2H6OS)
単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=9.7816(4)Å
b=14.6338(5)Å
c=16.4294(7)Å
α=90°
β=92.520(6)°
γ=90°
単位格子体積:V=2349.46(16)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0349
(化学式(1-2)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(2)塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)200mg(0.84mmol)を、エタノール15mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、青色懸濁液が得られた。
(4)10分間静置した後、デカンテーションで上澄み液を捨て、残った紫色粉末をエタノール5mLで洗浄した。
(5)エバポレーターを用いて乾燥後、得られた青色粉末を回収した(450mg)。
(6)回収した青色粉末に対して、アセトニトリル(CH3CN)を50mL加えた後、70℃で約20分間撹拌することにより、青色粉末を完全に溶解させた。
(7)得られた青色溶液に対して、トルエン蒸気を拡散させたところ、化学式(1-2)で表される錯体の青色の単結晶(錯体集積体)が析出した。
(8)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、80mg、0.16mmol、収率19%であった。
化学式(1-2)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のアセトニトリルを含む
結晶としての組成:C23H19Cl2CoN5O(C21H16Cl2CoN4O・C2H3N)
結晶系:三斜晶系(triclinic system)
空間群:P-1(#2)
格子定数:
a=8.4104(8)Å
b=11.570(1)Å
c=13.2606(11)Å
α=113.257(8)°
β=90.106(6)°
γ=104.557(7)°
単位格子体積:V=1140.02(19)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0442
(化学式(1-3)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(2)塩化ニッケル六水和物(NiCl2・6H2O)100mg(0.42mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、赤紫色懸濁液が得られた。
(4)エバポレーターを用いて乾燥後、得られた紫色粉末を回収した。
(5)回収した紫色粉末に対して、アセトニトリル(CH3CN)35mLを加え、次いで70℃まで加熱することにより、紫色粉末を完全に溶解させた。
(6)得られた紫色溶液に対して、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1-3)で表される錯体の紫色単結晶(錯体集積体)が析出した。
(7)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、22mg、0.043mmol、収率10%であった。
化学式(1-3)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C21H25Cl2N4NiO0.5(C19H20Cl2N4Ni・(C4H10O)0.5)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=12.7659(12)Å
b=10.7255(10)Å
c=17.3421(19)Å
α=90°
β=110.372(8)°
γ=90°
単位格子体積:V=2226.0(4)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0668
(化学式(1-4)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(2)塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)100mg(0.42mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌した。
(4)少量の不溶物をろ過で取り除いた後、ろ液に対して、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1-4)で表される錯体の青色単結晶(錯体集積体)が析出した。
(5)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、12mg、0.024mmol、収率6%であった。
化学式(1-4)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C21H25Cl2N4CoN4O0.5(C19H20Cl2CoN4・(C4H10O)0.5)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=12.9262(16)Å
b=10.7811(10)Å
c=17.2334(17)Å
α=90°
β=110.415(8)°
γ=90°
単位格子体積:V=2250.8(4)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0516
(化学式(1-5)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(2)塩化銅(CuCl2)100mg(0.74mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、褐色懸濁液となった。
(4)エバポレーターを用いて乾燥後、アセトニトリル(CH3CN)を50mL加えた後、60℃まで加熱した。
(5)ろ過により不溶物を取り除き、ろ液を室温で静置したところ、橙色微結晶が60mg(0.13mmol、18%)得られた。
(6)橙色微結晶をアセトニトリル50mLに溶かし、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1-5)で表される錯体の橙色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(1-5)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C21H25Cl2N4CuN4O0.5(C19H20Cl2CuN4・(C4H10O)0.5)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=12.9967(10)Å
b=10.7781(8)Å
c=16.9615(10)Å
α=90°
β=109.367(8)°
γ=90°
単位格子体積:V=2241.5(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0413
(化学式(1-6)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(2)塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)100mg(0.42mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、青緑色溶液が得られた。
(4)エバポレーターを用いて乾燥し、得られた青色粉末をテトラヒドロフランに溶解させた後、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1-6)で表される錯体の青色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(1-6)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のテトラヒドロフラン、および0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C23H29Cl2CoN4O1.5(C17H16Cl2CoN4O・(C4H8O)・(C4H10O)0.5)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:C2/c(#15)
格子定数:
a=24.447(3)Å
b=14.1114(19)Å
c=30.785(4)Å
α=90°
β=97.431(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=10531(2)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1652
(化学式(1-7)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(2)塩化銅(CuCl2)100mg(0.74mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、暗黄褐色懸濁液となった。
(4)ろ過により不溶物を取り除き、濾液に対して、ジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(1-7)で表される錯体の黄色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(1-7)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として0.5分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C21H25Cl2N4CuN4O1.5(C19H20Cl2CuN4O・(C4H10O)0.5)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=8.7021(10)Å
b=11.2382(15)Å
c=23.844(3)Å
α=90°
β=97.425(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=2312.3(5)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1191
(化学式(2-1)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(1)配位子L1160mg(0.49mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化鉄四水和物(FeCl2・4H2O)100mg(0.50mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で5時間撹拌したところ、黄褐色懸濁液が得られた。
(4)10分間静置した後、デカンテーションで上澄み液を捨て、エバポレーターを用いて乾燥したところ、黄褐色粉末90mgが残った。
(5)黄褐色粉末に対して、アセトニトリル40mLを加え、70℃まで加熱した後、ろ過で不溶物を取り除き、ろ液を室温で静置したところ、化学式(2-1)で表される錯体の黄色の単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
(1)配位子L1200mg(0.61mmol)を、エタノール(EtOH)15mLに溶解させた。
(2)塩化鉄(FeCl3)100mg(0.62mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で30分間撹拌した。
(4)ろ過により少量の不溶物を取り除いた後、冷蔵庫(10℃)で静置したところ、化学式(2-1)で表される錯体の黄色の単結晶(錯体集積体)が析出した。
(5)析出した単結晶を回収し、乾燥後、収量を測定したところ、25mg、0.024mmol、収率8%であった。
どちらの合成法においても、化学式(2-1)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として2分子のエタノールを含む
結晶としての組成:C48H42Cl3Fe2N8O5(C44H30Cl3Fe2N8O3・(C2H6O)2
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.9236(4)Å
b=22.8160(8)Å
c=18.8797(8)Å
α=90°
β=100.955(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=4619.7(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0587
化学式(2-1)で表される錯体が、合成法1、2のいずれでも得られたことは、単結晶X線構造解析の測定結果が、合成法1および2の場合で同じ空間群となったことより確認した。
(化学式(3-1)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(1)配位子L1360mg(1.11mmol)を、エタノール(EtOH)20mLに溶解させた。
(2)塩化銅(CuCl2)150mg(1.12mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で30分間撹拌したところ、橙色粉末が析出した。
(4)10分間静置した後、デカンテーションで上澄み液を捨て、残った橙色粉末を0℃において、エタノール5mLで洗浄した。
(5)エバポレーターを用いて乾燥後、得られた橙色粉末を回収した(370mg)。
(6)回収した橙色粉末に対して、アセトニトリル(CH3CN)を45mL加えた後、60℃で撹拌することにより、橙色粉末を完全に溶解させた(緑色溶液となる)。
(7)緑色溶液を室温で静置したところ、化学式(3-1)で表される錯体の緑色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(3-1)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として1分子のエタノールおよび2分子のアセトニトリルを含む
結晶としての組成:C48H42Cl4Cu2N10O2(C42H30Cl4Cu2N8O・(C2H3N)2・(C2H6O))
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=11,8127(9)Å
b=18.5385(15)Å
c=21.5547(14)Å
α=90°
β=105.417(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=4550.4(6)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1143
(化学式(4-1)で表される錯体・錯体集積体の合成)
(2)塩化コバルト六水和物(CoCl2・6H2O)100mg(0.42mmol)を、エタノール10mLに溶かした。
(3)(2)を(1)に加えた後、55℃で1時間撹拌したところ、青緑色溶液が得られた。
(4)エバポレーターを用いて乾燥し、得られた青色粉末をテトラヒドロフランに溶解させた後、-30℃でジエチルエーテル蒸気を拡散させたところ、化学式(4-1)で表される錯体の青色単結晶(錯体集積体)が痕跡量析出した。
化学式(4-1)で表される錯体(錯体集積体)が得られたことは、単結晶X線構造解析により確認した。
錯体1分子当たり、結晶化溶媒として6分子のジエチルエーテルを含む
結晶としての組成:C21H25Cl2N4CuN4O0.5(C34H30Cl4Co2N8・(C4H8O)6)
結晶系:三斜晶系(triclinic system)
空間群:P-1(#2)
格子定数:
a=11.108(4)Å
b=12.193(5)Å
c=12.927(5)Å
α=64.311(9)°
β=84.268(8)°
γ=82.689(10)°
単位格子体積:V=1563.0(10)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1568
化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)について、ガス脱離、ガス吸着について評価するために、以下の実験を行った。
(化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)からのジエチルエーテル脱離方法)
製造例4で得られた化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)50mgを真空検体乾燥機に入れ、ULVAC(登録商標)社製真空ポンプG-50DA(到達圧力1.3Pa)を用いて、100℃で14時間、減圧乾燥させた。
その結果、ジエチルエーテルを含む単結晶が、ジエチルエーテルを含まない化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)へと変換されていることが、単結晶X線構造解析により確認された。
結晶としての組成:C21H16Cl2N4Ni
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/n(#14)
a = 16.270(6)Å
b = 13.049(5)Å
c = 19.811(8)Å
α = 90°
β = 107.132(8)o
γ = 90°
単位格子体積:V=4019(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1966
ジエチルエーテル分子を含まない単結晶のデータについては、R因子(信頼度因子)の値からみてデータの質にやや難点があるものと思われるものの、構造は確認できた。
前記ジエチルエーテルを含まない化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)を用いて、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、プロピオンアルデヒド、酢酸エチル、酢酸に対する吸着実験を行った。
図5のように、ジエチルエーテルを含まない化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)を50mg用意して(図5の中央、正方形で記載)、そこにテトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、プロピオンアルデヒド、酢酸エチル、または酢酸の蒸気を室温で約一晩拡散させるだけで、各ガス(分子)が吸着された。
結晶としての組成:C25H24Cl2N4NiO(C21H16Cl2N4Ni・C4H8O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.176(4)Å
b=14.316(6)Å
c=15.892(6)Å
α=90°
β=92.844(9)°
γ=90°
単位格子体積:V=2312.2(16)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.2402
このデータに問題ないことは、別途、化学式(1’-8)で表される錯体をアセトニトリルとテトラヒドロフランの混合溶液中から結晶化させることにより得たデータ(下記)と比較することで確認できた。
結晶としての組成:C25H24Cl2N4NiO(C21H16Cl2N4Ni・C4H8O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.2373(12)Å
b=14.3632(14)Å
c=16.0660(16)Å
α=90°
β=92.969(6)°
γ=90°
単位格子体積:V=2359.2(4)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.0625
結晶としての組成:C24H22Cl2N4NiO(C21H16Cl2N4Ni・C3H6O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=9.929(2)Å
b=14.250(3)Å
c=16.130(3)Å
α=90°
β=93.218(6)°
γ=90°
単位格子体積:V=2278.6(8)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1352
結晶としての組成:C22H17Cl5N4Ni(C21H16Cl2N4Ni・CHCl3)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=9.943(5)Å
b=14.346(7)Å
c=15.952(8)Å
α=90°
β=92.665(13)°
γ=90°
単位格子体積:V=2273(2)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1560
結晶としての組成:C22H18Cl4N4Ni(C21H16Cl2N4Ni・CH2Cl2)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.2836(19)Å
b=13.956(3)Å
c=15.800(3)Å
α=90°
β=95.881(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=2255.7(8)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1022
結晶としての組成:C23H20Cl4N4Ni(C21H16Cl2N4Ni・C2H4Cl2)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.465(4)Å
b=14.072(6)Å
c=15.908(7)Å
α=90°
β=97.946(12)°
γ=90°
単位格子体積:V=2320.2(18)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.2073
結晶としての組成:C24H22Cl2N4NiO(C21H16Cl2N4Ni・C3H6O)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=10.161(8)Å
b=14.346(10)Å
c=16.094(11)Å
α=90°
β=95.564(16)°
γ=90°
単位格子体積:V=2335(3)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1500
結晶としての組成:C25H24Cl2N4NiO2(C21H16Cl2N4Ni・C4H8O2)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=19.314(5)Å
b=15.906(4)Å
c=16.039(4)Å
α=90°
β=90.134(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=4927(2)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.2167
結晶としての組成:C23H20Cl2N4NiO2(C21H16Cl2N4Ni・C2H4O2)
結晶系:単斜晶系(monoclinic system)
空間群:P21/c(#14)
格子定数:
a=9.872(2)Å
b=15.119(3)Å
c=16.205(3)Å
α=90°
β=106.477(7)°
γ=90°
単位格子体積:V=2319.4(8)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1146
ジエチルエーテルを含む製造例4で得られた化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)を50mg用意して、そこにアンモニアの蒸気を、室温で約一晩拡散させたところ、結晶の色が紫色から白色へと変化し、質量が8mg増加した。得られたサンプルは単結晶性が低く、単結晶構造解析はできなかったが、X線回折測定では、回折によるシグナルの変化が観測された。これらの結果より、アンモニアの吸着にも成功していると考えた(図6参照)。
X線回折測定はリガク製多目的X線回折装置 SmartLab 2080A202を用いて以下のように行った。
前記ガス吸着実験-1により得られた、ガス状分子を吸着した化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)から、ガス状分子の脱離を行った。
前記ガス吸着実験-1と同様の方法により得たアセトンを含む化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)56mgを真空検体乾燥機に入れ、ULVAC(登録商標)社製真空ポンプG-50DA(到達圧力1.3Pa)を用いて、100℃で2時間、減圧乾燥させた。
ガス脱離実験-1-1と同様の実験を、ガス吸着実験-1と同様の方法により得たジクロロメタンを含む化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)61mgを用いて行なった。
ガス脱離実験-1-1と同様の実験を、ガス吸着実験-1と同様の方法により得た酢酸エチルを含む化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)60mgを用いて行なった。
酢酸エチルを含まない化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)は、ジエチルエーテルを含まない化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)(単結晶)とは異なる結晶学的パラメータを持っていた。
結晶としての組成:C21H16Cl2N4Ni
結晶系:斜方晶系(orthorhombic system)
空間群:Pca21(#29)
a = 15.814(3)Å
b = 13.274(3)Å
c = 19.276(4)Å
α = 90°
β = 90°
γ = 90°
単位格子体積:V=4046.3(14)Å3
R因子:R1(I>2σ(I))=0.1416
前記ガス吸着実験-1およびガス脱離実験-1の結果より、化学式(1’-8)で表される錯体は、単結晶状態を保ちつつ、アセトン、ジクロロメタン、および酢酸エチルを、可逆的に吸脱着できることが明らかとなった。
前記ガス吸着実験-1およびガス脱離実験-1の結果より、化学式(1’-8)で表される錯体(錯体集積体)は、アセトン、ジクロロメタンおよび酢酸エチルを、可逆的に吸脱着できることが明らかとなった。前記ガス吸着実験-1と同様の実験およびガス脱離実験-1を行なったときの質量の変化は、アセトンの場合、50mg(図7の0)→56mg(図7の吸着1)→47mg(図7の脱離1)、ジクロロメタンの場合、50mg(図7の0)→56mg(図7の吸着1)→49mg(図7の脱離1)、酢酸エチルの場合、50mg→60mg→48mgであったことから、質量をパラメータとすることで、簡便に、化学式(1’-8)で表されるニッケル錯体のリサイクル能力を評価できると考えた。
(化学式(1-1)で表される錯体(錯体集積体)からのジメチルスルホキシド脱離方法-1)
実施例1で得られた化学式(1-1)で表される錯体(錯体集積体)50mgを真空検体乾燥機に入れ、ULVAC(登録商標)社製真空ポンプG-50DA(到達圧力1.3Pa)を用いて、180℃で6時間、減圧乾燥させた。
(化学式(1-1)で表される錯体(錯体集積体)からのジメチルスルホキシド脱離方法-2)
減圧乾燥の条件を150℃で2時間に変更した以外は、化学式(1-1)で表される錯体(錯体集積体)からのジメチルスルホキシド脱離方法-1と同様に行った。
この場合も、質量が36mgまで減少したことから、この条件においてもジメチルスルホキシドは脱離できると考えた。
Claims (12)
- 下記一般式(1)で表される錯体。
Mは、周期律表1~3族および7~15族から選択される原子であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1~4の整数である。
但し、「Mがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体」および「Mがニッケル原子、コバルト原子、銅原子、または亜鉛原子であり、mおよびnが0であり、R3およびR4が共に水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2である錯体」を含まない。) - 前記一般式(1)において、前記Mは、周期律表3族および8~12族から選択される原子である、請求項1に記載の錯体。
- 前記一般式(1)において、前記R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記m、nはそれぞれ独立に0~2の整数であり、前記R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、前記pは、2または3である、
請求項1または2に記載の錯体。 - 請求項1~4のいずれか一項に記載の錯体が複数集積化した、錯体集積体。
- 下記一般式(1)で表される錯体が、複数集積化した錯体集積体から構成される、ガス吸着剤。(但し、ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、ジエチルエーテルであり、錯体が下記一般式(1)で表される錯体であり、かつ一般式(1)においてMがニッケル原子であり、mおよびnが0であり、R3がフェニル基であり、R4が水素原子であり、Xが塩素原子であり、pが2であるニッケル錯体である場合を除く。)
Mは、周期律表1~3族および7~15族から選択される原子であり、
R1およびR2は、それぞれ独立に、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R1が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、R2が複数存在する場合には、互いに結合し環を形成してもよく、
m、nはそれぞれ独立に0~4の整数であり、
R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~5のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、炭素数1~5のアルコキシ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいビニル基、ホルミル基、-CO-Rz基、カルボキシ基、-COO-Rz基、-O-CO-Rz基、ニトロ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいスルホ基、炭素数1~5のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、シアノ基、炭素数2~5のアルケニル基、炭素数2~5のアルキニル基、またはハロゲン原子から選択される基であり、R3およびR4は互いに結合し環を形成してもよく、
Rzは、炭素数1~5のアルキル基であり、
Xはそれぞれ独立にハロゲン原子であり、
pは、1~4の整数である。) - ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、Ri-O-Ri、NRii 3、CHnX4-n、1~3個のハロゲン原子で置換されたエタン、Rii-CO-Rii、Rii-S-Rii、Rii-SO-Rii、RiiCOORii、および二酸化炭素から選択される少なくとも1種であり、
Riは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1~5のアルキル基であり、2つのRiは互いに結合し環を形成してもよく、Riiは、それぞれ独立に、水素原子、または炭素数1~5のアルキル基であり、Xはハロゲン原子であり、nは0~3の整数である、請求項6に記載のガス吸着剤。 - ガス吸着剤が吸着するガス状分子が、水、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アンモニア、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトン、プロピオンアルデヒド、酢酸、および酢酸エチルから選択される少なくとも1種である、請求項6に記載のガス吸着剤。
- 請求項6~8のいずれか一項に記載のガス吸着剤を用いてガス状分子を吸着する、ガス吸着方法。
- 請求項6~8のいずれか一項に記載のガス吸着剤に吸着されたガス状分子を、加熱することにより脱離する、ガス脱離方法。
- 請求項6~8のいずれか一項に記載のガス吸着剤に吸着されたガス状分子を、減圧乾燥させることにより脱離する、ガス脱離方法。
- 前記減圧乾燥が、圧力が0.1Pa~10000Pa、温度が55℃~300℃、時間が35分~24時間の条件下で行われる、請求項11に記載のガス脱離方法。
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European Polymer Journal,2015年,71,p.85-98 |
Transition Metal Chemistry,1988年,Vol.13 No.6,p.423-425 |
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