本発明の態様の実施形態によれば、CPRデバイスに、1つ以上の可変特性が与えられ、結果、ユーザから患者への力の伝達が、デバイスの1つ以上の可変特性によって変化する。本発明の態様の実施形態はまた、デバイス態様に対応する方法態様、及び、コンピューティングデバイス上で実行されると方法を実行するコンピュータプログラム態様にも及ぶ。
一態様の一実施形態によれば、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスであって、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側とを備え、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上が、少なくとも部分的に非ニュートン流体から形成され、当該非ニュートン流体の粘度が、ユーザによってデバイスに加えられる力であって、デバイスを通じて患者へと伝達される力からのデバイスの力分布プロファイルを調整するように、エネルギーが加わることに応答して変化するように構成されている、CPRデバイスが提供される。
したがって、本発明の本態様の実施形態によれば、デバイスは、少なくとも部分的に、非ニュートン流体(NNF)、すなわち、応力とは無関係の一定の粘度を有しない流体から形成される。したがって、NNFの粘度は、NNFに加えられるエネルギーに応答して変化する。エネルギーは、力、応力及び/又は刺激である。例えば、エネルギーは、CPRの胸部圧迫の供与中にユーザによってユーザ側においてデバイスに加えられる力であり、NNFの粘度は、デバイスに加えられる力が変化するにつれて変化する。
CPRデバイスの少なくとも一部分を形成するNNFの可変粘度によって、エネルギーがNNFに加えられ、NNFの粘度が変化するときに変化する、デバイスの力分布プロファイルがもたらされることが分かる。力分布プロファイルは、デバイスによる力の分布と考えられ、デバイスが患者の胸部に位置付けられる場合、患者側、特に患者の胸部における患者に対する力の分布と考えられる。患者側が少なくとも部分的にNNFから形成される場合、デバイスから患者の胸部への力は、NNFの粘度が変化し、患者側の剛性が変化するにつれて変化することが理解されよう。同様に、ユーザ側が少なくとも部分的にNNFから形成される場合、ユーザ側において加えられる力からの、デバイスによって吸収される力、又は、デバイスを通じて伝達される力は、NNFの粘度が変化するにつれて変化し、したがって、デバイスから患者の胸部への力も変化する。したがって、デバイスの力分布プロファイルは、NNFの変化する粘度によって調整される。
力分布プロファイルを調整することによって、CPR供与の有効性が制御され、最大化される。すなわち、CPRの供与中に患者に加えられる胸部圧迫の有効性は、患者に対する最大の肯定的影響を有し、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザへの損傷を最小限に抑えるように、調整される。これは、デバイスが患者に伝達される力を適切に適合させ、制御することを可能にする、NNFの可変粘度に起因する。したがって、可変粘度を有するNNFは、例えば、患者へのCPRの供与中の胸部圧迫など、パックのユーザ側に力が加えられ、患者に伝達されるときに、患者の血行動態活性を調整する。すなわち、NNFによるデバイスの力分布プロファイルの調整によって、患者の血行動態活性が改善される。
デバイス内のNNFの位置に応じて、デバイスは、患者の胸部上に位置付けられるときに患者の胸部に適合し、及び/又は、ユーザの手の形状に適合する。例えば、患者側が(少なくとも部分的に)NNFから形成される場合、患者側は、NNFの粘度が低いとき、患者の胸部の形状に適合する。同様に、ユーザ側が(少なくとも部分的に)NNFから形成される場合、ユーザ側は、ユーザがデバイスに接触し、NNFの粘度が低いとき、ユーザの手の形状に適合する。したがって、デバイスと患者及び/又はユーザとの間の接触が増大される。患者側及びユーザ側の各々が、少なくとも部分的に、非ニュートン流体から形成される。
例えば、ユーザがCPR中に患者に胸部圧迫を供与するためにデバイスを押し付けるときなど、NNFにエネルギーが加えられるとき、NNFの粘度が変化する。例えば、デバイスの少なくとも一部分の剛性が増大し、デバイスを通じたエネルギーの伝達が増大されるように、粘度が増大する。すなわち、デバイスがより堅固になり、より大量の力がデバイスを通じて患者に伝達されるように、NNFの粘度が増大する。代替的に、NNFの粘度は、デバイスに力が加えられるときに低減する。NNFによるエネルギーへの応答は、NNFのタイプに依存する。
力が増大するにつれてNNFの粘度が増大する例を考えると、デバイスに力がほとんど又はまったく加えられないとき、NNFの粘度は低く、結果としてのデバイスの剛性も低いため、デバイスは(少なくとも部分的に)患者の胸部及び/又はユーザの手の形状に適合する。デバイスに加えられる力が増大すると、NNFの粘度は増大し、デバイスは(少なくとも部分的に)より剛性になる。したがって、粘度が低いままであった場合よりも多くの力がデバイスを通じて患者に伝達され、結果としての患者の胸部への圧迫は、デバイスの剛性が低いままであった場合よりも深くなる可能性が高い。したがって、NNFは、デバイスが、CPR供与の種々の段階において適合性であるとともに剛性であることを可能にする。したがって、少なくとも部分的にNNFから形成されるCPRデバイスは、他の様態では達成が困難である、適合性と剛性とのバランスを達成し、デバイスは、十分な圧迫効率をも有しながら、デバイスの使用の快適性を改善する。
CPRデバイスは、ユーザによってデバイスに加えられる力から、ターゲット力分布プロファイルを患者に与えるように、非ニュートン流体にエネルギーを加えることによって、非ニュートン流体の粘度を制御するように構成されているコントローラを備える。すなわち、デバイスの力分布プロファイルがコントローラによってターゲット力分布プロファイルを達成又は近似するように調整されるように、粘度が、ユーザによってデバイスに加えられる力とは無関係に、コントローラによって制御される。したがって、デバイスが、NNFの粘度がユーザによって加えられる圧力のみに応答して変化する受動的状態と、NNFがコントローラによって加えられるエネルギーにも応答して変化する能動的状態とを有することが分かる。コントローラは、プロセッサとして参照される。
コントローラは、患者における所望の血行動態活性を達成するか又は達成する可能性が高いターゲット力分布プロファイルに対応するデバイスの力分布プロファイルを与えるように、NNFの可変粘度を制御する。コントローラは、ターゲット力分布プロファイルを決定し、次いで、デバイスの力分布プロファイルが決定されているターゲット力分布プロファイルに一致するか又は少なくとも一致に向かうように、NNFにエネルギーを加える。したがって、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上が、少なくとも部分的に、コントローラによって動的に制御されるように構成されている可変粘度を有する非ニュートン流体から形成される。
デバイスは、デバイスに加えられる力の力データを取得するように構成されている力センサを備え、コントローラは、力データに従ってターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、デバイスに加えられる力の測定に従って非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。
力センサは、力センサデータとして、例えば、CPR胸部圧迫の供与中にユーザによってデバイスに加えられる力などの、CPRデバイスに加えられる力を測定する。力センサは、横力、縦力及び垂直(法線)力のうちの1つ以上を測定するように構成されている。力センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、デバイスに加えられる力を連続的に測定する。力センサは、力センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。力センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、力センサデータは、測定された力が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定された力が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
力センサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数の力センサが利用されてもよく、各力センサは、別の力センサと異なるタイプ又は同じタイプの力を測定する。力センサは、圧力センサと考えられてもよい。
コントローラは、最近取得された力センサデータを使用してターゲット力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、より最近のデータに基づいて、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザに対する損傷を最小限に抑えるように、デバイスに加えられる力に基づいてNNF流体の粘度を動的に制御する。例えば、力センサは、胸部圧迫中にデバイスに加えられる力を測定し、コントローラは、力が同様である可能性が高い後続の胸部圧迫が、患者に対して最大の肯定的影響を有するように、NNFの粘度を変化させる。たとえば、測定された力がコントローラによって相対的に低いと決定される場合、コントローラは、NNFに粘度を増大させるエネルギーを加え、結果、デバイスの剛性が増大され、より多くの力が患者に伝達される。逆に、測定された力がコントローラによって相対的に高いと決定される場合、コントローラは、NNFに粘度を低減するエネルギーを加え、結果、患者及び/又はユーザに対する傷害の危険性を最小限に抑えるように、デバイスの剛性が低減され、より少ない力が患者に伝達される。
デバイスは、患者の状態に関係する患者センサデータを収集するように構成されている患者センサと通信可能に結合される。デバイスは、患者センサから患者センサデータを受信するように構成されている。コントローラは、患者センサデータに従ってターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、患者センサデータが取得及び分析されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者の状態を示すデータに基づいて非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。患者センサデータは、患者の状態を表す、示す、及び/又は当該状態に関係するものと考えられる。
患者センサは、患者センサデータとして、患者の状態を示す患者のパラメータ又は兆候を測定する。例えば、患者センサは、患者の以下のパラメータ、すなわち、心拍、血圧、水和、油性及び弾性などの皮膚状態、冠動脈かん流圧(CPP)、脳への血液の供与、身体を巡る注入されている治療の供与、内出血又は外出血の検出及び分析、皮下軟部組織及び骨の損傷の検出、並びに、血行動態挙動のうちの1つ以上を示すセンサデータを取得する。したがって、患者の血行動態活性は、患者センサによって監視されるべき患者の状態である。
患者センサは、心筋及び隣接する血管系の活動をイメージング及び決定するための標準的な超音波イメージング又はUWB(超広帯域)レーダを含む。患者センサは、患者の血圧を測定するための超音波イメージングを含む。付加的に又は代替的に、患者センサは、CPRデバイス上の圧力プロファイルに対する変化を介して検出される、例えば、肋骨などの骨の損傷を決定するための1つ以上の圧力センサを含む。患者センサは、血行動態挙動を測定し、当該挙動から循環系を巡る注入されている治療の供与を予測する。患者センサは、患者の皮膚の水和を決定するための静電容量測定、患者の皮膚の油性及び発赤を決定するための光センサ、並びに/又は、患者の皮膚の弾性を決定するための振動センサを含む。患者センサは、患者の画像をキャプチャするように構成されているカメラを含み、コントローラは、キャプチャされた画像を分析することによって患者の状態を決定するように構成されている。カメラは、個々のフレーム又は連続する複数のフレームをキャプチャする。
患者センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、患者パラメータ又は兆候を連続的に測定する。患者センサは、患者センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。患者センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、患者センサデータは、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、最近取得された患者センサデータを使用してターゲット力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者の現在の状態に基づいて、患者にとって最も有益になる力分布プロファイルを供与するように、患者の状態に基づいてNNF流体の粘度を動的に制御する。
患者センサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数の患者センサが利用されてもよく、各患者センサは、別の患者センサと異なる又は同じである患者のパラメータ又は兆候を測定する。
デバイスは、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータを収集するように構成されているユーザセンサと通信可能に結合される。デバイスは、ユーザセンサからユーザセンサデータを受信するように構成されている。コントローラは、ユーザセンサデータに従ってターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、ユーザセンサデータが取得及び分析されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、ユーザの状態を示すデータに基づいて非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。ユーザセンサデータは、ユーザの状態を表す、示す、及び/又は当該状態に関係するものと考えられる。
ユーザセンサは、ユーザセンサデータとして、ユーザの状態を示すユーザのパラメータ又は兆候を測定する。例えば、ユーザセンサは、ユーザの以下のパラメータ、すなわち、心拍、血圧、皮膚状態、身体の動き、感情状態、呼吸速度、身体形状、及び身体位置のうちの1つ以上を示すセンサデータを取得する。
ユーザセンサは、ユーザによって装着され、身体の動き、形状及び/又は位置付けを決定するために使用されるウェアラブルセンサを含む。ユーザセンサは、心臓不整脈及び/又は血圧を決定するためのセンサを有するスマートデバイスを含む。ユーザセンサは、ユーザの画像をキャプチャし、ユーザの状態を決定するためのカメラを備える。例えば、状態は、取得された画像内で呼吸速度及び/又は顔の表情の不快感を分析することによって決定される。カメラは、個々のフレーム又は連続する複数のフレームをキャプチャする。ユーザセンサは、ユーザの皮膚の水和を決定するための静電容量測定、ユーザの皮膚の油性及び発赤を決定するための光センサ、並びに/又は、ユーザの皮膚の弾性を決定するための振動センサを含む。ユーザセンサは、ユーザの手がユーザ側に接触するときにユーザの心拍を決定するためにデバイスのユーザ側に位置付けられた圧力センサ又は光センサを含む。ユーザセンサは、ユーザの音響データをキャプチャするように構成されているマイクロフォン含み、コントローラは、キャプチャされた音響データを分析して患者の状態を決定するように構成されている。ユーザセンサは、ユーザの心拍を測定するように構成されている心拍センサを含む。
ユーザセンサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、ユーザパラメータ又は兆候を連続的に測定する。ユーザセンサは、ユーザセンサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。ユーザセンサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、ユーザセンサデータは、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、最近取得されたユーザセンサデータを使用してターゲット力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、ユーザの現在の状態に基づいて、患者及び/又はユーザにとって最も有益になる力分布プロファイルを供与するように、ユーザの状態に基づいてNNF流体の粘度を動的に制御する。
ユーザセンサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のユーザセンサが利用されてもよく、各ユーザセンサは、別のユーザセンサと異なる又は同じであるユーザのパラメータ又は兆候を測定する。
デバイスは、患者に関する情報を記憶するように構成されているメモリと通信可能に結合される。デバイスは、メモリから患者に関する情報を取得するように構成されている。コントローラは、患者に関する情報に従ってターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。
患者に関する情報は、患者の年齢、患者の健康状態、患者のバイタルサイン、患者の医療診断、及び、患者へのCPRの過去の供与に関係する履歴患者データのうちの1つ以上を含む。したがって、患者に関する情報が取得及び分析されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者に関する情報に基づいて非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。
メモリは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のメモリが利用されてもよく、各メモリは、別のメモリに記憶されている情報と異なる又は同じである、患者に関する情報を記憶する。
デバイスは、ユーザに関する情報を記憶するように構成されているメモリと通信可能に結合される。デバイスは、メモリからユーザに関する情報を取得するように構成されている。コントローラは、ユーザに関する情報に従ってターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。
ユーザに関する情報は、ユーザの年齢、ユーザの身元、ユーザの健康状態、ユーザのバイタルサイン、ユーザの医療診断、CPRの過去の供与に関係する履歴ユーザデータ、ユーザの身体寸法、ユーザの体重、ユーザの医師免状、ユーザの医学訓練、及びユーザの健康レベルのうちの1つ以上を含む。したがって、ユーザに関する情報が取得及び分析されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、ユーザに関する情報に基づいて非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。
メモリは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のメモリが利用されてもよく、各メモリは、別のメモリに記憶されている情報と異なる又は同じである、ユーザに関する情報を記憶する。さらに、患者に関する情報は、ユーザに関する情報と同じメモリ又は異なるメモリに記憶される。
非ニュートン流体から形成されている患者側及びユーザ側のうちの1つ以上が、複数の流体セクションに分離される。コントローラは、複数の流体セクションのうちの1つの流体セクションの非ニュートン流体の粘度を、複数の流体セクションのうちの他の流体セクションのうちの1つ以上とは無関係に制御するように構成されている。したがって、デバイスは、他のセクション又はセル内のNNFとは無関係に制御されるNNFを各々が含む複数のセクション又はセルを含む。したがって、流体セクションは、NNFから形成されている患者側及びユーザ側のうちの1つ以上にわたる画素化制御を可能にする。各セクションにおける圧縮力が個別に制御され、コントローラは、複数の流体セクションに従ってターゲット力分布プロファイルを決定する。
非ニュートン流体は、せん断増粘流体、せん断減粘流体、及びレオペクシー流体のうちの1つである。流体のタイプ又は流体のせん断増粘動態は、CPR中に存在する力の範囲に対して設計及び最適化される。
胸部の最適な圧迫深度に必要な特定の力は、個人間の差に起因して患者間で異なるが、範囲が、異なる群(例えば、成人、子ども、幼児、男性、女性など)について特定されている。例えば、男性及び女性に必要な力はそれぞれ、320N±80N及び270N±70Nの範囲内である。したがって、デバイスが使用されることを意図されている患者群、及び、患者群に対する所望の力に基づいて、NNFのタイプが決定される。
非ニュートン流体から形成される患者側及びユーザ側のうちの1つ以上は複数の流体セクションに分離され、複数の流体セクションのうちの1つの流体セクションの非ニュートン流体は、複数の流体セクションのうちの他の流体セクションのうちの1つ以上の非ニュートン流体とは異なってもよい。
コントローラによって加えられるエネルギーは、非ニュートン流体に加えられる電場、非ニュートン流体に加えられる超音波、非ニュートン流体に加えられる磁場、及び、非ニュートン流体に加えられる振動のうちの1つ以上である。したがって、上記の刺激のうちの1つ以上を使用して、NNFの粘度が制御される。使用される刺激のタイプは、NNFの特性及び/又はCPRデバイスの用途によって決定される。例えば、ユーザによってデバイスに加えられる力とは無関係にNNFの剛性を調節するために、超音波トランスデューサが使用される。デバイスは、複数の流体セクションを備え、1つの流体セクションにおいてNNFを制御するのに使用されるエネルギーは、別の流体セクションにおいてNNFを制御するのに使用されるエネルギーと同じであるか、又は、異なる。流体セクションのうちの1つ以上が各々、超音波トランスデューサを提供される。
せん断増粘流体(STF)は、せん断力が加わることに基づいてその特性が変化する非ニュートン流体である。せん断増粘流体は、低レベルの力においては柔軟で適合性であるが、高いレベルの力が加わると、剛性になり、より固体のように振る舞う。STFの形成は、粘度、臨界せん断速度、貯蔵弾性率、及び/又は損失弾性率を含む、流体の特性を調整するために調節される。STFの特性は、例えば、電場、磁場及び/又は振動を使用して動的に変化される。
レオペクシー流体は、より多くのせん断力が加えられるにつれて粘度が経時的に増大する非ニュートン流体である。これは、例えば、デバイスがユーザ及び患者に経時的に適合し、たとえ力が除去されても、そのカスタマイズされた形状を維持することを可能にする。非ニュートン流体の粘度は、経時的に変化するように構成されており、結果、第1の時点における非ニュートン流体の粘度は、第1の時点の後に発生する第2の時点における非ニュートン流体の粘度とは異なる。
せん断減粘流体は、せん断歪みの下で流体の粘度が低減する非ニュートン流体である。過圧をもたらす可能性が高い力が加わるときに、流体の粘度、したがって、デバイスの剛性が低減するため、これは、例えば、過圧の危険性を低減する。
デバイスは、アクチュエータを備え、コントローラは、非ニュートン流体に力を加え、非ニュートン流体の粘度を制御するようにアクチュエータを動作させるように構成されている。アクチュエータは、ソフトアクチュエータであってもよい。アクチュエータは、NNFに対して圧力を加え、圧力を解放するために拡張及び収縮するように、コントローラによって作動及び停止される。デバイスは、異なる位置において異なる圧力をNNFに加えるように、独立して制御される複数のアクチュエータを備える。非ニュートン流体から形成されている患者側及びユーザ側のうちの1つ以上が、複数の流体セクションに分離され、流体セクションのうちの1つ以上の各々にアクチュエータが設けられる。
デバイスは、複数の時点におけるデバイスの加速度を測定することによって加速度を取得するように構成されている加速度計を備える。コントローラは、加速度データから、デバイスに力が加わるときにデバイスが動く距離を決定し、当該距離に従って非ニュートン流体の粘度を制御するように構成されている。したがって、力が加わるときにデバイスが動く距離を決定し、したがって、胸部圧迫の深度を決定するために、加速度が測定及び分析される。次いで、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、CPR供与中に加えられる胸部圧迫の決定された圧迫深度及びターゲット圧迫深度に従って非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。
コントローラは、最近取得された加速度データ、したがって、最近決定された圧迫深度を使用してターゲット力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、より最近のデータに基づいて、患者に供与される後続の胸部圧迫の有効性を最大化するように、圧迫深度に基づいてNNF流体の粘度を動的に制御する。
CPR中で、且つユーザによって患者の胸部に力が加えられている間に、圧迫サイクルは、胸部に力が加えられていない状態で開始し、最大圧迫深度に達するまで加えられる力が増大されながら継続し、次いで、力が解放されると、開始点に戻る。したがって、圧迫サイクルは、加速度データから決定される。例えば、圧迫サイクルを実施するのにかかっている時間は、経時的な加速度の変化を観察することによって決定される。すなわち、加速度の増大及び変化が使用されて、圧迫サイクルが開始するとき、最大圧迫深度に達するとき、及び、圧迫サイクルが終了するときが決定される。圧迫深度は、例えば、加速度計データを二重積分して、圧迫サイクルの最上位置と最下位置との間で移動した距離、したがって、最大圧迫深度を決定することによって決定される。
加速度計は、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、デバイスの加速度を連続的に測定する。加速度計は、加速度データを取得し、そのデータをコントローラに提供する。加速度データのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、加速度データは、測定された加速度が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定された加速度が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
デバイスは、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データを取得するように構成されているカメラと通信可能に結合される。デバイスは、カメラから画像データを受信するように構成されている。コントローラは、画像データを使用して患者の胸部に対するデバイスの位置を決定し、患者の胸部に対するデバイスの位置に従ってターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、画像データが取得及び分析されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者の胸部に対するデバイスの位置が特定される画像データに従って非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。
カメラは、画像データとして、所与の期間にわたる、特定の時点における、又は所与の期間にわたる複数の時点における画像を連続的にキャプチャする。カメラは、個々のフレーム又は連続する複数のフレームをキャプチャする。カメラは、画像データを取得し、そのデータをコントローラに提供する。画像データのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。コントローラは、画像データを取得し、画像処理を実施して、デバイス、患者、及び、患者の胸部に対するデバイスの位置を識別する。ターゲット力分布プロファイルは、少なくとも部分的に、デバイスの位置によって決定される。例えば、患者の胸部上の特定の位置は、より多くの力がデバイスを通じて患者に伝達されることを必要とし、特定の位置は、必要とする力がより少ない。
カメラは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。各々が異なる角度から画像データを取得するように構成されている複数のカメラが利用されてもよい。
コントローラは、最近取得された画像データを使用してターゲット力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、デバイスのより最近の位置に基づいて、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、患者の胸部に対するデバイスの識別された位置に基づいてNNF流体の粘度を動的に制御する。例えば、コントローラは、胸部圧迫中にデバイスの位置を決定し、コントローラは、後続の胸部圧迫が、決定された位置において患者に対して最大の肯定的影響を有するように、NNFの粘度を変化させる。たとえば、デバイスが患者の胸部上でより強固な骨のある位置に位置付けられていると決定される場合、コントローラは、NNFに粘度を増大させるエネルギーを加え、結果、デバイスの剛性が増大され、より多くの力が患者に伝達される。逆に、デバイスが、患者の胸部のより脆弱である位置に位置付けられていると決定される場合、コントローラは、NNFに粘度を低減するエネルギーを加え、結果、患者に対する傷害の危険性を最小限に抑えるように、デバイスの剛性が低減され、より少ない力が患者に伝達される。
デバイスは、デバイスの患者側に配置された複数の圧力センサを備え、各圧力センサは、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータを取得するように構成されている。コントローラは、取得された圧力センサデータを使用して患者の胸部に対するデバイスの位置を決定し、患者の胸部に対するデバイスの位置に従ってターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、圧力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、デバイスに対する圧力の測定に従って非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。
圧力センサは、圧力センサデータとして、CPRデバイスの患者側の圧力を測定する。圧力センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、患者側の圧力を連続的に測定する。圧力センサのすべてが同時にアクティブでなくてもよく、圧力センサは、1つ以上の群に分割されてもよく、各群が、圧迫サイクルの異なる時点又は異なる部分における圧力を測定する。圧力センサは、圧力センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。圧力センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、圧力センサデータは、測定された圧力が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定された圧力が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、圧力センサデータを取得し、圧力センサデータの分析を実施して、患者の胸部に対するデバイスの位置を識別する。例えば、センサ上のより高い圧力読み値は、デバイスが、太陽神経叢及び肋骨などの骨構造上に位置付けられていることを示し、より低い圧力読み値は、肋骨と横隔膜の縁部との間の間隙などの軟組織上の位置を示す。ターゲット力分布プロファイルは、少なくとも部分的に、デバイスの位置によって決定される。例えば、患者の胸部上の特定の位置は、より多くの力がデバイスを通じて患者に伝達されることを必要とし、特定の位置は、必要とする力がより少ない。
非ニュートン流体から形成されている患者側及びユーザ側のうちの1つ以上が、複数の流体セクションに分離される。複数の流体セクションのうちの1つ以上が各々、圧力センサを提供される。コントローラは、複数の流体セクションのうちの1つの流体セクションの非ニュートン流体の粘度を、その流体セクションにおいて測定される圧力に基づいて、複数の流体セクションのうちの他の流体セクションのうちの1つ以上とは無関係に制御するように構成されている。
コントローラは、患者の胸部に対するデバイスのターゲット位置を決定する。コントローラは、ターゲット位置をデバイスの位置と比較して、ターゲット位置とデバイスの位置との間の差を決定するように構成されている。コントローラは、上記差に従って、上記差を最小化するように、ターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。すなわち、力がデバイスに加えられるときにデバイスをターゲット位置へと動かすか、又は、動かす可能性が高いターゲット力分布が決定される。
デバイスは、デバイスの患者側に配置された複数の圧力センサを備え、各々が、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータを取得するように構成されている。コントローラは、複数の時点において圧力センサデータを監視するように構成されている。コントローラは、複数の時点のうちの第1の時点よりも遅い、複数の時点のうちの第2の時点における圧力センサデータの変化を決定する。コントローラは、圧力センサデータの変化に従ってターゲット力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、圧力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者側におけるデバイスに対する圧力の測定に従って非ニュートン流体の粘度を制御するように構成される。
所定の閾値を超える圧力センサデータの変化が、患者の胸部に対する損傷を示す。すなわち、CPRデバイスの患者側上の圧力センサの圧力プロファイルに対する変化によって、例えば、患者の肋骨などの骨の損傷が検出される。
コントローラは、最近取得された圧力センサデータを使用してターゲット力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、デバイスの患者側においてより最近検出された圧力に基づいてNNF流体の粘度を動的に制御する。例えば、圧力センサは、患者側の圧力を測定し、コントローラは、測定された圧力に基づいて患者の胸部上のデバイスの位置を決定する。代替的に又は付加的に、コントローラは、測定された圧力を使用して、例えば、骨折などの患者に対する損傷を決定する。コントローラは、このとき、デバイスの位置及び/又は患者に対する損傷に適したターゲット力分布プロファイルを満たすように、NNFの粘度を変化させる。たとえば、測定された圧力が、患者に対する損傷がないことを決定づける場合、コントローラは、相対的に高い粘度をもたらすエネルギーをNNFに加え、結果、デバイスの剛性が増大され、より多くの力が患者に伝達される。逆に、測定された力から患者に対する損傷が決定される場合、コントローラは、NNFに粘度を低減するエネルギーを加え、結果、患者に対するさらなる傷害の危険性を最小限に抑えるように、デバイスの剛性が低減され、より少ない力が患者に伝達される。
コントローラは、例えば、力センサ、患者センサ及びユーザセンサなどの複数のセンサからの情報に基づいて、ターゲット力分布プロファイルを決定し、NNFの可変粘度を制御する。例えば、複数のセンサからのセンサデータがコンパイルされて、ユーザ及び/若しくは患者の状態、並びに、胸部圧迫の品質及び/若しくは力が決定される。代替的に、最近取得されたセンサデータが使用されて、ターゲット力分布プロファイルが決定され、したがって、データのタイプにかかわらず、NNFの粘度が制御される。代替的に、いくつかのセンサは、他のセンサよりも正確で、信頼性があり、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザの状態をよく示すことが知られており、そのため、センサデータを分析し、ターゲット力分布プロファイルを決定するときに、これらのセンサからのセンサデータが、選好して重み付けされる。代替的に又は付加的に、センサはランク付けされ、ターゲット力分布プロファイルがそれについて決定されるセンサデータは、同位に又はより高くランク付けされたセンサからのより最近のデータが取得されるときにのみ置き換えられる。センサデータは、CPRの供与中に取得され、NNFの粘度は、取得されたデータに基づいて制御され、結果、粘度はCPRの供与中に動的に制御される。
本発明は、デバイス態様に対応する方法態様に及ぶ。
別の態様の一実施形態によれば、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスの制御方法であって、デバイスが、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側とを備え、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上が、少なくとも部分的に非ニュートン流体から形成され、当該非ニュートン流体の粘度が、ユーザによってデバイスに加えられる力であって、デバイスを通じて患者へと伝達される力からのデバイスの力分布プロファイルを調整するように、エネルギーが加わることに応答して変化するように構成されており、方法が、以下のデータタイプ、すなわち、デバイスに加えられる力の力データ、患者の状態に関係する患者センサデータ、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータ、患者に関する情報、ユーザに関する情報、複数の時点におけるデバイスの加速度の加速度データ、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データ、及び、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータのうちの1つ以上を取得するステップと、取得されているデータタイプのうちの1つ以上に従って、ユーザによってデバイスに加えられる力から、ターゲット力分布プロファイルを患者に与えるように、非ニュートン流体にエネルギーを加えることによって、非ニュートン流体の粘度を制御するステップとを有する、制御方法が提供される。
したがって、一態様の一実施形態によれば、CPRデバイスの可変粘度を制御する方法も提供される。可変粘度は、CPRデバイスから及び/又はCPRデバイスを備えるシステムの要素から取得される1つ以上のデータタイプに基づいて制御される。
デバイス態様の特徴及び部分特徴は方法態様に適用され、逆も真である。
本発明は、コンピューティングデバイス上で実行されると、本発明の方法態様のいずれか又はその任意の組み合わせによる制御方法を実行するコンピュータプログラム態様に及ぶ。
別の態様の一実施形態によれば、コンピューティングデバイス上で実行されると、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスの制御方法を実行するコンピュータプログラムであって、デバイスが、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側とを備え、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上が、少なくとも部分的に非ニュートン流体から形成され、当該非ニュートン流体の粘度が、ユーザによってデバイスに加えられる力であって、デバイスを通じて患者へと伝達される力からのデバイスの力分布プロファイルを調整するように、エネルギーが加わることに応答して変化するように構成されており、方法が、以下のデータタイプ、すなわち、デバイスに加えられる力の力データ、患者の状態に関係する患者センサデータ、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータ、患者に関する情報、ユーザに関する情報、複数の時点におけるデバイスの加速度の加速度データ、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データ、及び、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータのうちの1つ以上を取得するステップと、取得されているデータタイプのうちの1つ以上に従って、ユーザによってデバイスに加えられる力から、ターゲット力分布プロファイルを患者に与えるように、非ニュートン流体にエネルギーを加えることによって、非ニュートン流体の粘度を制御するステップとを有する、コンピュータプログラムが提供される。
別の態様の一実施形態によれば、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスであって、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側とを備え、患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面が、ユーザによってデバイスに加えられる力であって、デバイスを通じて患者へと伝達される力からの、患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面における横方向力分布プロファイルを調整するように制御されるように構成されている可変接触特性を有する材料から少なくとも部分的に形成されている、CPRデバイスが提供される。
したがって、本発明の本態様の実施形態によれば、デバイスの表面は、少なくとも部分的に、可変接触特性を有する材料、すなわち、変化する接触特性を有する材料から形成される。接触特性は、患者側及び/又はユーザ側における横方向力分布プロファイルが、例えば、胸部圧迫の力など、ユーザ側に加えられる力に応答して調整されるように、制御される。例えば、接触特性は、患者側におけるデバイスの横力が、横力を増減させることによって調整されるように、制御される。
CPRデバイスの少なくとも一部分を形成する材料の可変接触特性によって、ユーザによってデバイスに力が加えられるときに制御される、当該材料を含む表面におけるデバイスの横方向力分布プロファイルがもたらされることが分かる。横方向力分布プロファイルは、デバイスによる横力の分布と考えられ、デバイスが患者の胸部に位置付けられ、患者側が少なくとも部分的に可変接触特性を有する材料から形成される場合、患者側における患者に対する横力の分布と考えられる。同様に、ユーザの手がデバイスのユーザ側と係合し、ユーザ側が少なくとも部分的に可変接触特性を有する材料から形成される場合、横方向力分布プロファイルは、ユーザ側におけるユーザの手に対する横力の分布と考えられる。横力は、デバイスの表面又はデバイスが接触している表面に平行である力と考えられる。横力は、外側矢状面上の任意の方向にある。
横方向力分布プロファイルを調整することによって、CPR供与の有効性が制御され、最大化される。すなわち、CPRの供与中に患者に加えられる胸部圧迫の有効性は、患者に対する最大の影響を有し、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザへの損傷を最小限に抑えるように、調整される。したがって、可変接触特性を有する材料は、デバイスのユーザ側に力が加えられるときに、患者の血行動態活性を調整する。例えば、可変接触特性を有する材料を制御することによって、例えば、胸部圧迫がより効果的である患者の胸部上の位置にデバイスを位置付けるように、デバイスの位置が変更又は維持される。したがって、可変接触特性を有する材料によるデバイスの横方向力分布プロファイルの調整によって、患者の血行動態活性が改善される。可変接触特性は、ユーザによってデバイスに力が加えられるときにデバイスを位置付けるように、特定の横方向においてデバイスの動きに抵抗するか又はこれを促進する。さらに、例えば、損傷し又は傷ついた皮膚及び擦り傷などの、患者及び/又はユーザへの損傷が、接触特性を制御することによって最小限に抑えられる。
デバイスは、ユーザによってデバイスに加えられる力から、患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面においてターゲット横方向力分布プロファイルを与えるように、材料の可変接触特性を制御するように構成されているコントローラを備える。すなわち、デバイスの横方向力分布プロファイルがコントローラによってターゲット横方向力分布プロファイルを達成するように調整されるように、可変接触特性が、コントローラによって制御される。コントローラは、プロセッサとして参照される。
コントローラは、患者における所望の血行動態活性を達成するか又は達成する可能性が高いターゲット横方向力分布プロファイルに対応するデバイスの横方向力分布プロファイルを与えるように、材料の可変接触特性を制御する。コントローラは、ターゲット横方向力分布プロファイルを決定し、次いで、デバイスの横方向力分布プロファイルが決定されているターゲット横方向力分布プロファイルに一致するか又は少なくとも一致に向かうように、材料の可変接触特性を制御する。したがって、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上が、少なくとも部分的に、コントローラによって動的に制御されるように構成されている可変接触特性を有する材料から形成される。
接触特性は、摩擦及び吸着のうちの1つ以上である。すなわち、材料は可変摩擦特性及び/又は可変吸着特性を有すると考えられる。したがって、材料の摩擦及び/又は吸着が横方向力分布プロファイルを変化させるように、材料の摩擦及び/又は吸着が制御及び変化される。材料の摩擦及び/又は吸着の増大が、結果として、上記表面において、その表面とデバイスが接触している表面との間で横力を増大させることが分かる。逆に、材料の摩擦及び/又は吸着の低減が、結果として、上記表面において、その表面とデバイスが接触している表面との間で横力を低減することが分かる。材料の摩擦及び/又は付着特性は、動的に制御される。
患者側が少なくとも部分的に可変接触特性を有する材料から形成される場合、デバイスから患者の胸部への横力は、接触特性が制御されるときに変化することが理解されよう。同様に、ユーザ側が少なくとも部分的に可変接触特性を有する材料から形成される場合、ユーザの手とデバイスとの間の力は、接触特性が制御されるときに変化することが理解されよう。したがって、デバイスの横方向力分布プロファイルは、摩擦及び/又は吸着などの、材料の接触特性を制御することによって調整される。
デバイスは、デバイスに加えられる力の力センサデータを取得するように構成されている力センサを備える。コントローラは、力センサデータに従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、デバイスに加えられる力の測定に従って可変接触特性を制御するように構成される。
力センサは、力センサデータとして、CPRの供与中にユーザによってデバイスに加えられる力などの、CPRデバイスに加えられる力を測定する。力センサは、横力、縦力及び垂直(法線)力のうちの1つ以上を測定するように構成されている。力センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、デバイスに加えられる力を連続的に測定する。力センサは、力センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。力センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、力センサデータは、測定された力が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定された力が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
力センサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数の力センサが利用されてもよく、各力センサは、別の力センサと異なるタイプ又は同じタイプの力を測定する。力センサはまた、圧力センサと考えられてもよい。
コントローラは、最近取得された力センサデータを使用してターゲット横方向力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザに対する損傷を最小限に抑えるように、デバイスに加えられる、より最近決定された力に基づいて材料の接触特性を動的に制御する。例えば、力センサは、胸部圧迫中にデバイスに加えられる力を測定し、コントローラは、力が同様である可能性が高い後続の胸部圧迫が、患者に対して最大の肯定的影響を有するように、接触特性を変化させる。
デバイスは、患者の状態に関係する患者センサデータを収集するように構成されている患者センサと通信可能に結合される。デバイスは、患者センサから患者センサデータを受信するように構成されている。コントローラは、患者センサデータに従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、患者センサデータが取得及び分析されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者の状態を示すデータに基づいて材料の接触特性を制御するように構成される。患者センサデータは、患者の状態を表す、示す、又は当該状態に関係するものと考えられる。
患者センサは、患者センサデータとして、患者の状態を示す患者のパラメータ又は兆候を測定する。例えば、患者センサは、患者の以下のパラメータ、すなわち、心拍、血圧、水和、油性及び弾性などの皮膚状態、冠動脈かん流圧(CPP)、脳への血液の供与、身体を巡る注入されている治療の供与、内出血又は外出血の検出及び分析、皮下軟部組織及び骨の損傷の検出、並びに、血行動態挙動のうちの1つ以上を示すセンサデータを取得する。
患者センサは、心筋及び隣接する血管系の活動をイメージング及び決定するための標準的な超音波イメージング又はUWBレーダを含む。患者センサは、患者の血圧を測定するための超音波イメージングを含む。付加的に又は代替的に、患者センサは、CPRデバイス上の圧力プロファイルに対する変化を介して検出される、例えば、肋骨などの骨の損傷を決定するための1つ以上の圧力センサを含む。患者センサは、血行動態挙動を測定し、当該挙動から循環系を巡る注入されている治療の供与を予測する。患者センサは、患者の皮膚の水和を決定するための静電容量測定、患者の皮膚の油性及び発赤を決定するための光センサ、並びに/又は、患者の皮膚の弾性を決定するための振動センサを含む。
患者センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、患者パラメータ又は兆候を連続的に測定する。患者センサは、患者センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。患者センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、患者センサデータは、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、最近取得された患者センサデータを使用してターゲット横方向力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者及び/又はユーザにとって最も有益になる横方向力分布プロファイルを供与するように、患者の状態に基づいて材料の接触特性を動的に制御する。
患者センサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数の患者センサが利用されてもよく、各患者センサは、別の患者センサと異なる又は同じである患者のパラメータ又は兆候を測定する。
デバイスは、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータを収集するように構成されているユーザセンサと通信可能に結合される。デバイスは、ユーザセンサからユーザセンサデータを受信するように構成されている。コントローラは、ユーザセンサデータに従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、ユーザセンサデータが取得及び分析されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、ユーザの状態を示すデータに基づいて材料の接触特性を制御するように構成される。ユーザセンサデータは、ユーザの状態を表す、示す、又は当該状態に関係するものと考えられる。
ユーザセンサは、ユーザセンサデータとして、ユーザの状態を示すユーザのパラメータ又は兆候を測定する。例えば、ユーザセンサは、ユーザの以下のパラメータ、すなわち、心拍、血圧、皮膚状態、身体の動き、感情状態、呼吸速度、並びに身体形状及び位置のうちの1つ以上を示すセンサデータを取得する。
ユーザセンサは、ユーザによって装着され、身体の動き、形状及び/又は位置付けを決定するために使用されるウェアラブルセンサを含む。ユーザセンサは、心臓不整脈及び/又は血圧を決定するためのセンサを有するスマートデバイスを含む。ユーザセンサは、ユーザの画像をキャプチャし、ユーザの状態を決定するためのカメラを備える。例えば、状態は、取得された画像内で呼吸速度及び/又は顔の表情の不快感を分析することによって決定される。カメラは、個々のフレーム又は連続する複数のフレームをキャプチャする。ユーザセンサは、ユーザの皮膚の水和を決定するための静電容量測定、ユーザの皮膚の油性及び発赤を決定するための光センサ、並びに/又は、ユーザの皮膚の弾性を決定するための振動センサを含む。ユーザセンサは、ユーザの手がユーザ側に接触するときにユーザの心拍を決定するためにデバイスのユーザ側に位置付けられた圧力センサ又は光センサを含む。ユーザセンサは、ユーザの音響データをキャプチャするように構成されているマイクロフォン含み、コントローラは、キャプチャされた音響データを分析して患者の状態を決定するように構成されている。ユーザセンサは、ユーザの心拍を測定するように構成されている心拍センサを含む。
ユーザセンサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、ユーザパラメータ又は兆候を連続的に測定する。ユーザセンサは、ユーザセンサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。ユーザセンサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、ユーザセンサデータは、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、最近取得されたユーザセンサデータを使用してターゲット横方向力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者及び/又はユーザにとって最も有益になる横方向力分布プロファイルを供与するように、ユーザの状態に基づいて材料の接触特性を動的に制御する。
ユーザセンサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のユーザセンサが利用されてもよく、各ユーザセンサは、別のユーザセンサと異なる又は同じであるユーザのパラメータ又は兆候を測定する。
デバイスは、メモリと通信可能に結合される。デバイスは、メモリから患者に関する情報を取得するように構成されている。コントローラは、患者に関する情報に従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。
患者に関する情報は、患者の年齢、患者の健康状態、患者のバイタルサイン、患者の医療診断、及び、患者へのCPRの過去の供与に関係する履歴患者データのうちの1つ以上を含む。したがって、患者に関する情報が取得及び分析されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者に関する情報に基づいて材料の接触特性を制御するように構成される。
メモリは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のメモリが利用されてもよく、各メモリは、別のメモリに記憶されている情報と異なる又は同じである、患者に関する情報を記憶する。
デバイスは、メモリと通信可能に結合される。デバイスは、メモリからユーザに関する情報を取得するように構成されている。コントローラは、ユーザに関する情報に従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。
ユーザに関する情報は、ユーザの年齢、ユーザの身元、ユーザの健康状態、ユーザのバイタルサイン、ユーザの医療診断、CPRの過去の供与に関係する履歴ユーザデータ、ユーザの身体寸法、ユーザの体重、ユーザの医師免状、ユーザの医学訓練、及びユーザの健康レベルのうちの1つ以上を含む。したがって、ユーザに関する情報が取得及び分析されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、ユーザに関する情報に基づいて材料の接触特性を制御するように構成される。
メモリは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のメモリが利用されてもよく、各メモリは、別のメモリに記憶されている情報と異なる又は同じである、ユーザに関する情報を記憶する。さらに、患者に関する情報は、ユーザに関する情報と同じメモリ又は異なるメモリに記憶される。
可変接触特性を有する材料から形成されている患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面が、複数の材料セクションに分離される。コントローラは、複数の材料セクションのうちの1つの材料セクションの材料の可変接触特性を、複数の材料セクションのうちの他の材料セクションのうちの1つ以上とは無関係に制御するように構成されている。したがって、デバイスは、他のセクション又はセル内のとは無関係に制御される可変接触特性を有する材料から各々が形成されている複数のセクション又はセルを含む。
各セクションにおける摩擦及び/又は吸着が個別に制御され、コントローラは、複数の材料セクションに従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定する。したがって、材料セクションは、可変接触特性を有する材料から形成されている患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面にわたる画素化制御を可能にする。例えば、皮膚が損傷した領域におけるセルの摩擦/吸着が低減されると同時に、デバイスが一定の位置から滑り落ちるか又は動くことを防止するのに十分な摩擦/吸着が、損傷していない皮膚領域において材料セクションに加えられる。
コントローラは、電子吸着、超音波、及び表面設計のうちの1つ以上を使用して、材料の可変接触特性を制御するように構成されている。したがって、上記の刺激のうちの1つ以上を使用して、材料の接触特性が制御される。使用される刺激のタイプは、材料の特性及び/又はCPRデバイスの用途によって決定される。
可変接触特性を有する材料から形成されている患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面が、複数の材料セクションに分離される。複数の材料セクションのうちの1つの材料セクションの材料は、複数の材料セクションのうちの他の材料セクションのうちの1つ以上の材料とは異なってもよい。
デバイスは、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データを取得するように構成されているカメラと通信可能に結合される。デバイスは、カメラから画像データを受信するように構成されている。コントローラは、患者の胸部に対するデバイスの位置を決定し、患者の胸部に対するデバイスの位置に従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、画像データが取得及び分析されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者の胸部に対するデバイスの位置を特定する画像データに従って材料の接触特性を制御するように構成される。
カメラは、画像データとして、所与の期間にわたる、特定の時点における、又は所与の期間にわたる複数の時点における画像を連続的にキャプチャする。カメラは、個々のフレーム又は連続する複数のフレームをキャプチャする。カメラは、画像データを取得し、そのデータをコントローラに提供する。画像データのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。コントローラは、画像データを取得し、画像処理を実施して、デバイス、患者、及び、患者の胸部に対するデバイスの位置を識別する。ターゲット横方向力分布プロファイルは、少なくとも部分的に、デバイスの位置によって決定される。例えば、ユーザがデバイスに力を加えるときにデバイスが患者の胸部上のターゲット位置に向かって動くか、又は、ターゲット位置に向かって動く可能性が高いように、材料の摩擦及び/又は吸着が増減される。
カメラは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。各々が異なる角度から画像データを取得するように構成されている複数のカメラが利用されてもよい。
コントローラは、最近取得された画像データを使用してターゲット横方向力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザに対する損傷を最小限に抑えるように、患者の胸部に対するデバイスの特定されている位置に基づいて材料の接触特性を動的に制御する。例えば、コントローラは、胸部圧迫中にデバイスの位置を決定し、コントローラは、後続の胸部圧迫が、決定された位置において患者に対して最大の肯定的影響を有するか、又は、患者及び/又はユーザに対する損傷が最小になるように、材料の摩擦及び/又は吸着を変化させる。
デバイスは、デバイスの患者側に配置された複数の圧力センサを備え、各々が、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータを取得するように構成されている。コントローラは、取得された圧力センサデータを使用して患者の胸部に対するデバイスの位置を決定し、患者の胸部に対するデバイスの位置に従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、圧力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者側におけるデバイスに対する圧力の測定に従って材料の接触特性を制御するように構成される。
圧力センサは、圧力センサデータとして、CPRデバイスの患者側の圧力を測定する。圧力センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、患者側の圧力を連続的に測定する。圧力センサのすべてが同時にアクティブでなくてもよく、圧力センサは、1つ以上の群に分割されてもよく、各群が、圧迫サイクルの異なる時点又は異なる部分における圧力を測定する。圧力センサは、圧力センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。圧力センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、圧力センサデータは、測定された圧力が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定された圧力が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、圧力センサデータを取得し、圧力センサデータの分析を実施して、患者の胸部に対するデバイスの位置を識別する。例えば、センサ上のより高い圧力読み値は、デバイスが、太陽神経叢及び肋骨などの骨構造上に位置付けられていることを示し、より低い圧力読み値は、肋骨と横隔膜の縁部との間の間隙などの軟組織上の位置を示す。ターゲット横方向力分布プロファイルは、少なくとも部分的に、デバイスの位置によって決定される。
可変接触特性を有する材料から形成されている患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面が、複数の材料セクションに分離される。コントローラは、複数の材料セクションのうちの1つの材料セクションの材料の可変接触特性を、その材料セクションにおいて測定される圧力に基づいて、複数の材料セクションのうちの他の材料セクションのうちの1つ以上とは無関係に制御するように構成されている。
コントローラは、患者の胸部に対するデバイスのターゲット位置を決定する。コントローラは、ターゲット位置をデバイスの位置と比較して、ターゲット位置とデバイスの位置との間の差を決定するように構成されている。コントローラは、上記差に従って、上記差を最小化するように、ターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。すなわち、力がデバイスに加えられるときにデバイスをターゲット位置へと動かすか、又は、動かす可能性が高いターゲット横方向力分布が決定される。
デバイスは、デバイスの患者側に配置された複数の圧力センサを備え、各々が、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータを取得するように構成されている。コントローラは、複数の時点において圧力センサデータを監視するように構成されている。コントローラは、複数の時点のうちの第1の時点よりも遅い、複数の時点のうちの第2の時点における圧力センサデータの変化を決定する。コントローラは、圧力センサデータの変化に従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。したがって、圧力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者側におけるデバイスに対する圧力の測定に従って材料の接触特性を制御するように構成される。
所定の閾値を超える圧力センサデータの変化が、患者の胸部に対する損傷を示す。すなわち、CPRデバイスの患者側上の圧力センサの圧力プロファイルに対する変化によって、例えば、患者の肋骨などの骨の損傷が検出される。したがって、コントローラは、例えば、損傷している者として識別される位置に配置されている材料の摩擦及び/又は吸着を低減する。
コントローラは、最近取得された圧力センサデータを使用してターゲット横方向力分布プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザに対する損傷を最小限に抑えるように、デバイスの患者側において検出される圧力に基づいて材料の接触特性を動的に制御する。
コントローラは、例えば、デバイスのサイズ及び/又は形状などの、デバイスに関する情報に従ってターゲット横方向力分布プロファイルを決定するように構成されている。デバイスに関する情報は、メモリ上に存在し、及び/又は、メモリから取得される。したがって、コントローラは、所望の位置に達するまで、圧迫サイクル中に力を加えることによって、CPRデバイスが制御された様式で横に動くように、デバイスの形状及び/又はサイズとともに可変接触特性を制御する。
コントローラは、例えば、力センサ、患者センサ及びユーザセンサなどの複数のセンサからの情報に基づいて、材料の接触特性を制御する。例えば、複数のセンサからのセンサデータがコンパイルされて、ユーザ及び/若しくは患者の状態、胸部圧迫の品質及び/若しくは力、並びに/又は、患者の胸部上のデバイスの位置が決定される。代替的に、最近取得されたセンサデータが使用されて、ターゲット横方向力分布プロファイルが決定され、したがって、データのタイプにかかわらず、材料の接触特性が制御される。代替的に、いくつかのセンサは、他のセンサよりも正確で、信頼性があり、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザの状態をよく示すことが知られており、そのため、センサデータを分析し、ターゲット横方向力分布プロファイルを決定するときに、これらのセンサからのセンサデータが、選好して重み付けされる。代替的に又は付加的に、センサはランク付けされ、ターゲット横方向力分布プロファイルがそれについて決定されるセンサデータは、同位に又はより高くランク付けされたセンサからのより最近のデータが取得されるときにのみ置き換えられる。センサデータは、CPRの供与中に取得され、接触特性は、取得されたデータに基づいて制御され、結果、接触特性はCPRの供与中に動的に制御される。
本発明は、デバイス態様に対応する方法態様に及ぶ。
特に、別の態様の一実施形態によれば、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスの制御方法であって、デバイスが、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側とを備え、患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面が、ユーザによってデバイスに加えられる力であって、デバイスを通じて患者へと伝達される力からの、患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面における横方向力分布プロファイルを調整するように制御されるように構成されている可変接触特性を有する材料から少なくとも部分的に形成されており、方法が、以下のデータタイプ、すなわち、デバイスに加えられる力の力データ、患者の状態に関係する患者センサデータ、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータ、患者に関する情報、ユーザに関する情報、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データ、及び、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータのうちの1つ以上を取得するステップと、取得されているデータタイプのうちの1つ以上に従って、ユーザによってデバイスに加えられる力から、表面においてターゲット横方向力分布プロファイルを与えるように、材料の可変接触特性を制御するステップとを有する、制御方法が提供される。
したがって、一態様の一実施形態によれば、CPRデバイスの可変接触特性を制御する方法も提供される。可変接触特性はデバイスから及び/又はCPRデバイスを備えるシステムの要素から取得される1つ以上のデータタイプに基づいて制御される。
デバイス態様の特徴及び部分特徴は方法態様に適用され、逆も真である。
本発明は、コンピューティングデバイス上で実行されると、本発明の方法態様のいずれか又はその任意の組み合わせによる制御方法を実行するコンピュータプログラム態様に及ぶ。
特に、別の態様の一実施形態によれば、コンピューティングデバイス上で実行されると、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスの制御方法を実行するコンピュータプログラムであって、デバイスが、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側とを備え、患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面が、ユーザによってデバイスに加えられる力であって、デバイスを通じて患者へと伝達される力からの、患者側の表面及びユーザ側の表面のうちの1つ以上の表面における横方向力分布プロファイルを調整するように制御されるように構成されている可変接触特性を有する材料から少なくとも部分的に形成されており、方法が、以下のデータタイプ、すなわち、デバイスに加えられる力の力データ、患者の状態に関係する患者センサデータ、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータ、患者に関する情報、ユーザに関する情報、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データ、及び、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータのうちの1つ以上を取得するステップと、取得されているデータタイプのうちの1つ以上に従って、ユーザによってデバイスに加えられる力から、表面においてターゲット横方向力分布プロファイルを与えるように、材料の可変接触特性を制御するステップとを有する、コンピュータプログラムが提供される。
別の態様の一実施形態によれば、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスであって、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側と、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上の形状プロファイルを調整するように、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上の外形を少なくとも部分的に変化させるように構成されているアクチュエータとを備える、CPRデバイスが提供される。
したがって、本発明の本態様の実施形態によれば、デバイスの外形は、少なくとも部分的に、デバイスの全体的な形状が変化されるように変化される。したがって、デバイスの形状プロファイルが、アクチュエータの動作によって調整される。患者側及び/又はユーザ側におけるデバイスの形状プロファイルを調整することによって、CPR供与の有効性が制御され、最大化される。すなわち、CPRの供与中に患者に加えられる胸部圧迫の有効性は、患者に対する最大の影響を有し、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザへの損傷を最小限に抑えるように、調整される。これは、ユーザによって加えられる力から、変化されるか、又は、デバイスを通じて伝達される力を変化させる、デバイスの可変形状に起因する。したがって、形状プロファイルを調整することによって、患者の血行動態活性/血行動態を最適化するように、ユーザによってデバイスに加えられる力であって、デバイスを通じて患者に伝達される力から、デバイスの力分布プロファイルが調整される。したがって、アクチュエータによるデバイスの形状プロファイルの調整によって、患者の血行動態活性が改善される。
デバイスの形状プロファイルは、デバイスの形状又は外側形態/外形と考えられる。したがって、形状プロファイルは、ユーザ側の外形及び患者側の外形を含む。したがって、アクチュエータは、デバイスの形状を変化させるように操作される。アクチュエータの動作が、少なくとも部分的に、デバイスの厚さを変化させることも理解される。
デバイスは、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上のターゲット形状プロファイルを与えるように、アクチュエータを制御するように構成されているコントローラを備える。すなわち、デバイスの形状プロファイルがコントローラによってターゲット力分布プロファイルを達成するように調整されるように、アクチュエータが、コントローラによって制御される。コントローラは、プロセッサとして参照される。
ターゲット形状プロファイルは、ターゲット力分布プロファイルに対応し、結果、コントローラは、デバイスに力が加えられるときにターゲット力分布プロファイルを与えるか又は与える可能性が高い形状プロファイルを与えるように、アクチュエータを動作させる。したがって、コントローラは、患者における所望の血行動態活性を達成するか又は達成する可能性が高いターゲット力分布プロファイルに対応するデバイスの力分布プロファイルを与えるように、アクチュエータを制御する。コントローラは、ターゲット力分布プロファイルを決定し、次いで、決定されているターゲット力分布プロファイルに一致するか又は少なくとも一致に向かう力分布プロファイルに対応する形状プロファイルを達成するように、アクチュエータを動作させる。したがって、デバイスの形状プロファイルが、コントローラによって動的に制御される。
コントローラは、アクチュエータを収縮及び拡張するように、アクチュエータを作動及び停止させるように構成されている。すなわち、コントローラによってアクチュエータを動作させることによって、アクチュエータが収縮及び拡張する。デバイス内でのアクチュエータの位置付け及び向きに応じて、アクチュエータの収縮及び拡張は、ユーザ側又は患者側の外形の少なくとも一部分を、それぞれ収縮及び拡張させる。例えば、コントローラは、ユーザ側及び/又は患者側の一部分がその側の残りの部分の上方に突出するように、アクチュエータを拡張させる。
デバイスは、デバイスに加えられる力の力データを取得するように構成されている力センサを備える。コントローラは、力データに従ってターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。したがって、力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、デバイスに加えられる力の測定に従ってアクチュエータを制御するように構成される。したがって、力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、デバイスに加えられる力の測定に従ってアクチュエータを制御するように構成される。
力センサは、力センサデータとして、CPRの供与中にユーザによってデバイスに加えられる力などの、CPRデバイスに加えられる力を測定する。力センサは、横力、縦力及び垂直(法線)力のうちの1つ以上を測定するように構成されている。力センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、デバイスに加えられる力を連続的に測定する。力センサは、力センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。力センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、力センサデータは、測定された力が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定された力が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
力センサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数の力センサが利用されてもよく、各力センサは、別の力センサと異なるタイプ又は同じタイプの力を測定する。力センサはまた、圧力センサと考えられてもよい。
コントローラは、最近取得された力センサデータを使用してターゲット形状プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、並びに/又は、患者及び/若しくはユーザに対する損傷を最小限に抑えるように、デバイスに加えられる力に基づいてアクチュエータの動作を動的に制御する。例えば、力センサは、胸部圧迫中にデバイスに加えられる力を測定し、コントローラは、力が同様である可能性が高い後続の胸部圧迫が、患者に対して最大の肯定的影響を有するように、アクチュエータを変化させる。たとえば、測定された力が相対的に低い場合、コントローラは、デバイスのサイズが増大され、より多くの力が患者に伝達されるように、アクチュエータを拡張させる。逆に、測定された力が相対的に高い場合、コントローラは、患者及び/又はユーザに対する傷害の危険性を最小限に抑えるように、デバイスのサイズが低減され、より少ない力が患者に伝達されるように、アクチュエータを収縮させる。
デバイスは、患者の状態に関係する患者センサデータを収集するように構成されている患者センサと通信可能に結合される。デバイスは、患者センサから患者センサデータを受信するように構成されている。コントローラは、患者センサデータに従ってターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。したがって、患者センサデータが取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者の状態を示すデータに基づいてアクチュエータを制御するように構成される。患者センサデータは、患者の状態を表す、示す、又は当該状態に関係するものと考えられる。
患者センサは、患者センサデータとして、患者の状態を示す患者のパラメータ又は兆候を測定する。例えば、患者センサは、患者の以下のパラメータ、すなわち、心拍、血圧、水和、油性及び弾性などの皮膚状態、冠動脈かん流圧(CPP)、脳への血液の供与、身体を巡る注入されている治療の供与、内出血又は外出血の検出及び分析、皮下軟部組織及び骨の損傷の検出、並びに、血行動態挙動のうちの1つ以上を示すセンサデータを取得する。
患者センサは、心筋及び隣接する血管系の活動をイメージング及び決定するための標準的な超音波イメージング又はUWBレーダを含む。患者センサは、患者の血圧を測定するための超音波イメージングを含む。付加的に又は代替的に、患者センサは、CPRデバイス上の圧力プロファイルに対する変化を介して検出される、例えば、肋骨などの骨の損傷を決定するための1つ以上の圧力センサを含む。患者センサは、血行動態挙動を測定し、当該挙動から循環系を巡る注入されている治療の供与を予測する。患者センサは、患者の皮膚の水和を決定するための静電容量測定、患者の皮膚の油性及び発赤を決定するための光センサ、並びに/又は、患者の皮膚の弾性を決定するための振動センサを含む。患者センサは、患者の画像をキャプチャするように構成されているカメラを含み、コントローラは、キャプチャされた画像を分析することによって患者の状態を決定するように構成されている。カメラは、個々のフレーム又は連続する複数のフレームをキャプチャする。
患者センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、患者パラメータ又は兆候を連続的に測定する。患者センサは、患者センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。患者センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、患者センサデータは、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、最近取得された患者センサデータを使用してターゲット形状プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者にとって最も有益になる形状プロファイルを供与するように、患者の状態に基づいてアクチュエータを動的に制御する。
患者センサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数の患者センサが利用されてもよく、各患者センサは、別の患者センサと異なる又は同じである患者のパラメータ又は兆候を測定する。
デバイスは、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータを収集するように構成されているユーザセンサと通信可能に結合される。デバイスは、ユーザセンサからユーザセンサデータを受信するように構成されている。コントローラは、ユーザセンサデータに従ってターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。したがって、ユーザセンサデータが取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、ユーザの状態を示すデータに基づいてアクチュエータを制御するように構成される。ユーザセンサデータは、ユーザの状態を表す、示す、又は当該状態に関係するものと考えられる。
ユーザセンサは、ユーザセンサデータとして、ユーザの状態を示すユーザのパラメータ又は兆候を測定する。例えば、ユーザセンサは、ユーザの以下のパラメータ、すなわち、心拍、血圧、皮膚状態、身体の動き、感情状態、呼吸速度、並びに身体形状及び位置のうちの1つ以上を示すセンサデータを取得する。
ユーザセンサは、ユーザによって装着され、身体の動き、形状及び/又は位置付けを決定するために使用されるウェアラブルセンサを含む。ユーザセンサは、心臓不整脈及び/又は血圧を決定するためのセンサを有するスマートデバイスを含む。ユーザセンサは、ユーザの画像をキャプチャし、ユーザの状態を決定するためのカメラを備える。例えば、状態は、取得された画像内で呼吸速度及び/又は顔の表情の不快感を分析することによって決定される。カメラは、個々のフレーム又は連続する複数のフレームをキャプチャする。ユーザセンサは、ユーザの皮膚の水和を決定するための静電容量測定、ユーザの皮膚の油性及び発赤を決定するための光センサ、並びに/又は、ユーザの皮膚の弾性を決定するための振動センサを含む。ユーザセンサは、ユーザの手がユーザ側に接触するときにユーザの心拍を決定するためにデバイスのユーザ側に位置付けられた圧力センサ又は光センサを含む。ユーザセンサは、ユーザの音響データをキャプチャするように構成されているマイクロフォン含み、コントローラは、キャプチャされた音響データを分析して患者の状態を決定するように構成されている。ユーザセンサは、ユーザの心拍を測定するように構成されている心拍センサを含む。
ユーザセンサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、ユーザパラメータ又は兆候を連続的に測定する。ユーザセンサは、ユーザセンサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。ユーザセンサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、ユーザセンサデータは、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定されたパラメータ若しくは兆候が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、最近取得されたユーザセンサデータを使用してターゲット形状プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者及び/又はユーザにとって最も有益になる形状プロファイルを供与するように、ユーザの状態に基づいてアクチュエータを動的に制御する。
ユーザセンサは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のユーザセンサが利用されてもよく、各ユーザセンサは、別のユーザセンサと異なる又は同じであるユーザのパラメータ又は兆候を測定する。
デバイスは、患者に関する情報を記憶するように構成されているメモリと通信可能に結合される。デバイスは、メモリから患者に関する情報を取得するように構成されている。コントローラは、患者に関する情報に従ってターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。
患者に関する情報は、患者の年齢、患者の健康状態、患者のバイタルサイン、患者の医療診断、及び、患者へのCPRの過去の供与に関係する履歴患者データのうちの1つ以上を含む。したがって、患者に関する情報が取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者に関する情報に基づいてアクチュエータを制御するように構成される。
メモリは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のメモリが利用されてもよく、各メモリは、別のメモリに記憶されている情報と異なる又は同じである、患者に関する情報を記憶する。
デバイスは、ユーザに関する情報を記憶するように構成されているメモリと通信可能に結合される。デバイスは、メモリからユーザに関する情報を取得するように構成されている。コントローラは、ユーザに関する情報に従ってターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。
ユーザに関する情報は、ユーザの年齢、ユーザの身元、ユーザの健康状態、ユーザのバイタルサイン、ユーザの医療診断、CPRの過去の供与に関係する履歴ユーザデータ、ユーザの身体寸法、ユーザの体重、ユーザの医師免状、ユーザの医学訓練、及びユーザの健康レベルのうちの1つ以上を含む。したがって、ユーザに関する情報が取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、ユーザに関する情報に基づいてアクチュエータを制御するように構成される。
メモリは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。複数のメモリが利用されてもよく、各メモリは、別のメモリに記憶されている情報と異なる又は同じである、ユーザに関する情報を記憶する。さらに、患者に関する情報は、ユーザに関する情報と同じメモリ又は異なるメモリに記憶される。
デバイスは、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データを取得するように構成されているカメラと通信可能に結合される。デバイスは、カメラから画像データを受信するように構成されている。コントローラは、画像データを使用して患者の胸部に対するデバイスの位置を決定し、患者の胸部に対するデバイスの位置に従ってターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。したがって、画像データが取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者の胸部に対するデバイスの位置を特定する画像データに従ってアクチュエータを制御するように構成される。
カメラは、画像データとして、所与の期間にわたる、特定の時点における、又は所与の期間にわたる複数の時点における画像を連続的にキャプチャする。カメラは、個々のフレーム又は連続する複数のフレームをキャプチャする。カメラは、画像データを取得し、そのデータをコントローラに提供する。画像データのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。コントローラは、画像データを取得し、画像処理を実施して、デバイス、患者、及び、患者の胸部に対するデバイスの位置を識別する。ターゲット形状プロファイルは、少なくとも部分的に、デバイスの位置によって決定される。例えば、患者の胸部上の特定の位置は、より大きい外形を有するデバイスにより適しており、特定の位置は、より小さいデバイスにより適している。
カメラは、CPRデバイスの一部分として提供され、又は、デバイスを備えるシステムの一部分として提供される。各々が異なる角度から画像データを取得するように構成されている複数のカメラが利用されてもよい。
コントローラは、最近取得された画像データを使用してターゲット形状プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、患者の胸部に対するデバイスの識別された位置に基づいてアクチュエータを動的に制御する。例えば、コントローラは、胸部圧迫中にデバイスの位置を決定し、コントローラは、後続の胸部圧迫が、決定された位置において患者に対して最大の肯定的影響を有するように、アクチュエータを動作させる。
デバイスは、デバイスの患者側に配置された複数の圧力センサを備え、各々が、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータを取得するように構成されている。コントローラは、取得された圧力センサデータを使用して患者の胸部に対するデバイスの位置を決定し、患者の胸部に対するデバイスの位置に従ってターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。したがって、圧力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者側におけるデバイスに対する圧力の測定に従ってアクチュエータを制御するように構成される。
圧力センサは、圧力センサデータとして、CPRデバイスの患者側の圧力を測定する。圧力センサは、所与の期間にわたって、特定の時点において、又は所与の期間にわたる複数の時点において、患者側の圧力を連続的に測定する。圧力センサのすべてが同時にアクティブでなくてもよく、圧力センサは、1つ以上の群に分割されてもよく、各群が、圧迫サイクルの異なる時点又は異なる部分における圧力を測定する。圧力センサは、圧力センサデータを取得し、そのデータをコントローラに提供する。圧力センサデータのすべて又は一部のみが、コントローラに提供される。例えば、圧力センサデータは、測定された圧力が所定の閾値を超える場合、及び/又は、測定された圧力が所定量だけ変化した場合にのみ、コントローラに提供される。
コントローラは、圧力センサデータを取得し、圧力センサデータの分析を実施して、患者の胸部に対するデバイスの位置を識別する。例えば、センサ上のより高い圧力読み値は、デバイスが、太陽神経叢及び肋骨などの骨構造上に位置付けられていることを示し、より低い圧力読み値は、肋骨と横隔膜の縁部との間の間隙などの軟組織上の位置を示す。ターゲット形状プロファイルは、少なくとも部分的に、デバイスの位置によって決定される。例えば、患者の胸部上の特定の位置は、少なくとも部分的に拡大された外形を必要とする。
コントローラは、患者の胸部に対するデバイスのターゲット位置を決定する。コントローラは、ターゲット位置をデバイスの位置と比較して、ターゲット位置とデバイスの位置との間の差を決定するように構成されている。コントローラは、上記差に従って、上記差を最小化するように、ターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。すなわち、力がデバイスに加えられるときにデバイスをターゲット位置へと動かすか、又は、動かす可能性が高いターゲット形状プロファイルが決定される。
デバイスは、デバイスの患者側に配置された複数の圧力センサを備え、各々が、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータを取得するように構成されている。コントローラは、複数の時点において圧力センサデータを監視するように構成されている。コントローラは、複数の時点のうちの第1の時点よりも遅い、複数の時点のうちの第2の時点における圧力センサデータの変化を決定する。コントローラは、圧力センサデータの変化に従ってターゲット形状プロファイルを決定するように構成されている。したがって、圧力センサデータが取得及び分析されて、ターゲット形状プロファイルが決定され、結果、コントローラは、患者側におけるデバイスに対する圧力の測定に従ってアクチュエータを制御するように構成される。
所定の閾値を超える圧力センサデータの変化が、患者の胸部に対する損傷を示す。すなわち、CPRデバイスの患者側上の圧力センサの圧力プロファイルに対する変化によって、例えば、患者の肋骨などの骨の損傷が検出される。
コントローラは、最近取得された圧力センサデータを使用してターゲット形状プロファイルを定期的に決定し直すように構成されている。したがって、コントローラは、患者に供与される胸部圧迫の有効性を最大化するように、デバイスの患者側において検出された圧力に基づいてアクチュエータを動的に制御する。例えば、圧力センサは、患者側の圧力を測定し、コントローラは、測定された圧力に基づいて患者の胸部上のデバイスの位置を決定する。代替的に又は付加的に、コントローラは、測定された圧力を使用して、例えば、骨折などの患者に対する損傷を決定する。コントローラは、このとき、デバイスの位置及び/又は患者に対する損傷に適したターゲット形状プロファイルを満たすように、アクチュエータを動作させる。
デバイスは、複数のアクチュエータを備えてもよい。コントローラは、複数のアクチュエータのうちの第1のアクチュエータを、複数のアクチュエータのうちの他のアクチュエータのうちの1つ以上とは無関係に制御するように構成されている。したがって、デバイスは、複数のアクチュエータを備えてもよく、各アクチュエータが、他のアクチュエータとは無関係に制御される。したがって、個別にアクチュエータを動作させることによって、患者側及び/又はユーザ側にわたる画素化制御が可能になる。すなわち、ユーザ側及び/又は患者側の外形の一部分は、その側の別の部分とは無関係に変化される。したがって、外形の変化は、アクチュエータに対応する位置に局所化される。コントローラは、複数のアクチュエータに従ってターゲット形状プロファイルを決定する。
デバイスは、各々が対応する圧力センサを設けられている複数のアクチュエータを備えてもよい。コントローラは、複数のアクチュエータのうちの第1のアクチュエータを、対応する圧力センサによって測定される圧力に基づいて、複数のアクチュエータのうちの他のアクチュエータのうちの1つ以上とは無関係に制御するように構成されている。
アクチュエータは、液圧増幅自己修復静電アクチュエータであってもよい。デバイスは、ユーザ側及び患者側のうちの1つ以上に埋め込まれ、可撓性表面によって被覆される、液圧増幅自己修復静電(HASEL)アクチュエータのアレイを備える。可撓性表面は、例えば、せん断増粘流体などの非ニュートン流体によって充填される。1つのアクチュエータを電気的に作動させる結果として、隣接するアクチュエータに対して、そのアクチュエータの位置におけるデバイスの厚さが変化し、結果として、その表面は、アクチュエータ間に勾配を形成する。したがって、デバイスの形状プロファイル及び結果もたらされる力分布プロファイルが、アクチュエータを制御することによって調整される。
コントローラは、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上の一部分が、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上の表面から突出するように、アクチュエータを制御するように構成されている。すなわち、アクチュエータは、ユーザ側及び/又は患者側の一区画を、その側の表面の残りの部分の上方に突出させるように、操作される。したがって、ユーザなどからデバイスに加えられる垂直力が、横成分及び垂直成分をも含むように変換される。したがって、デバイスの形状プロファイル及び結果もたらされる力分布プロファイルが、アクチュエータを制御することによって調整される。
本発明は、デバイス態様に対応する方法態様に及ぶ。
特に、別の態様の一実施形態によれば、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスの制御方法であって、デバイスが、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側と、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上の形状プロファイルを調整するように、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上の外形を少なくとも部分的に変化させるように構成されているアクチュエータとを備え、方法が、以下のデータタイプ、すなわち、デバイスに加えられる力の力データ、患者の状態に関係する患者センサデータ、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータ、患者に関する情報、ユーザに関する情報、複数の時点におけるデバイスの加速度の加速度データ、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データ、及び、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータのうちの1つ以上を取得するステップと、取得されているデータタイプのうちの1つ以上に従って、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上のターゲット形状プロファイルを与えるように、アクチュエータを制御するステップとを有する、制御方法が提供される。
したがって、一態様の一実施形態によれば、CPRデバイスの形状プロファイルを制御する方法も提供される。デバイスのアクチュエータは、デバイスから及び/又はCPRデバイスを備えるシステムの要素から取得される1つ以上のデータタイプに基づいて、CPRデバイスの外形を少なくとも部分的に変化させるように制御される。
デバイス態様の特徴及び部分特徴は方法態様に適用され、逆も真である。
本発明は、コンピューティングデバイス上で実行されると、本発明の方法態様のいずれか又はその任意の組み合わせによる制御方法を実行するコンピュータプログラム態様に及ぶ。
特に、別の態様の一実施形態によれば、上で実行されると、患者への心肺機能蘇生CPRの供与を増強するためのCPRデバイスの制御方法を実行するコンピュータプログラムであって、デバイスが、患者の胸部と係合するための患者側と、患者にCPRを供与するユーザの手と係合するためのユーザ側と、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上の形状プロファイルを調整するように、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上の外形を少なくとも部分的に変化させるように構成されているアクチュエータとを備え、方法が、以下のデータタイプ、すなわち、デバイスに加えられる力の力データ、患者の状態に関係する患者センサデータ、ユーザの状態に関係するユーザセンサデータ、患者に関する情報、ユーザに関する情報、複数の時点におけるデバイスの加速度の加速度データ、患者の胸部上に位置付けられたデバイスの画像データ、及び、デバイスに加えられる圧力の圧力センサデータのうちの1つ以上を取得するステップと、取得されているデータタイプのうちの1つ以上に従って、患者側及びユーザ側のうちの1つ以上のターゲット形状プロファイルを与えるように、アクチュエータを制御するステップとを有する、コンピュータプログラムが提供される。
上記態様は、CPRデバイスが2つ以上の可変特性を備えるように、他の態様のうちの1つ以上と組み合わされてもよく、制御方法態様も同様に組み合わされてもよい。したがって、本発明は、CPRデバイスが、可変粘度を有する材料から少なくとも部分的に形成され、及び/又は、可変接触特性を有する材料から少なくとも部分的に形成され、及び/又は、デバイスの外形を少なくとも部分的に変化させるように構成されているアクチュエータを備える、CPRデバイス及び対応する制御方法に及ぶ。様々な態様の特徴は、変更すべきところは変更して他の態様にも適用され、逆も真である。
デバイスのユーザ側は、ユーザの手と係合するのに適しており、患者側は、患者の胸部と係合するのに適しており、結果、CPRデバイスは、CPRの供与中に患者の胸部とユーザの手との間に配置される。すなわち、CPRデバイスは、患者の胸部上に位置付けられ、CPRの供与中に胸部圧迫を与えるときに、ユーザは、CPRデバイスと係合する。
患者という用語は、心停止、すなわち、心臓が実質的に圧送の機能を停止する結果としての血流の突然の喪失を患っている、又は、患っている疑いがある個人を表すために使用される。したがって、患者は、胸部圧迫を含む心肺機能蘇生(CPR)が施されている個人である。
ユーザという用語は、患者にCPR(又は少なくともCPRの胸部圧迫)を供与する準備をしているか、又は、患者にCPR(又は少なくともCPRの胸部圧迫)を供与している個人又は救助者を表すために使用される。ユーザは、CPRデバイスを使用する個人であると考えられ、ユーザは、CPRを開始する前に、CPRデバイスを患者の胸部上に位置付ける。ユーザはまた、CPRの供与中に患者に胸部圧迫を与える機械であってもよく、CPRデバイスは、患者と胸部圧迫を供与する機械との間に位置付けられる。機械が利用される場合、コントローラは、供与される圧迫の力を示す機械データを機械から取得し、機械データに従ってCPRデバイスの1つ以上の可変特性を制御する。
CPRデバイスのサイズ及び形状は多様であり、例えば、デバイスの意図される用途によって決定される。デバイスは、異なる群(子ども、成人又は高齢者など)に対して調整された特定の特性(サイズ、剛性など)を有して設計される。例えば、子どもに使用するように意図されたCPRデバイスのサイズ及び形状は、成人に使用するように意図されたCPRデバイスのサイズ及び形状とは異なる。同様に、デバイスの可変特性の変動も多様であり、意図される用途に従って変化する。例えば、子どもに使用するように意図されたデバイスを考えると、NNFの最大粘度は、成人に使用するように意図されたデバイスのものとは異なる。同様に、子どもに使用するように意図されたデバイスの可変接触特性は、成人に使用するように意図されたデバイスの可変接触特性とは異なり、結果、子どものデバイスの横方向力分布プロファイルは、成人のデバイスの横方向力分布プロファイルよりも大きさが小さい。最後に、可変形状プロファイルを有するCPRデバイスについて、デバイスの形状の変動の大きさは、子どもに使用するように意図されたデバイスでは、成人に使用するように意図されたデバイスのものよりも小さい。
ユーザ側及び患者側を備えるCPRデバイスはまた、パック又はCPRパックとしても参照される。本発明の諸態様の実施形態によるCPRデバイスはまた、CPRデバイスと、CPRデバイスの制御を決定するために使用されるデータを取得するための関連デバイスとを備えるCPRシステムの一部分としても提供される。例えば、CPRシステムは、本発明の諸態様の実施形態によるCPRデバイスと、以下の要素、すなわち、力センサ、患者センサ、ユーザセンサ、メモリ、加速度計、イメージングデバイス及び圧力センサのうちの1つ以上とを備える。システムは、上記要素のうちの1つ以上を備える。
したがって、本発明の実施形態は、CPRデバイス、並びに、CPRデバイスと、さらなる関連するデバイス及び/又は要素とを備えるシステムに及ぶ。デバイス態様の特徴は、変更すべきところは変更してシステム態様にも適用され、逆も真である。
例えば、コントローラなどの本発明の態様は、デジタル電子回路において、又は、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、若しくはそれらの組み合わせにおいて実装される。本発明の態様は、コンピュータプログラム又はコンピュータプログラムプロダクト、すなわち、1つ以上のハードウェアモジュールによる実行のために、又は、1つ以上のハードウェアモジュールの動作を制御するために、例えば、機械可読記憶デバイスなどの、情報担体内に有形に具現化されるコンピュータプログラムとして実装される。コンピュータプログラムは、スタンドアロンプログラム、コンピュータプログラム部分又は2つ以上のコンピュータプログラムの形態であり、コンパイラ型又はインタープリタ型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書かれ、スタンドアロンプログラムとして、又は、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、若しくは、通信システム環境において使用するのに適した他のユニットとして、を含め、任意の形態で展開される。コンピュータプログラムは、1つのモジュール上で実行されるか、又は、1つの場所にあるか、若しくは、複数の場所にわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続される複数のモジュール上で実行されるように展開される。通信可能に結合されている要素は、同じネットワークに接続される。
本発明の方法ステップの態様は、入力データに対して動作し、出力を生成することによって本発明の機能を実施するためのコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラマブルプロセッサによって実施される。本発明の装置の態様は、プログラム化ハードウェアとして、又は、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)を含む専用論理回路として実装される。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、並びに、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又は両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須の要素は、命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスに結合されている、命令を実行するためのプロセッサである。
したがって、本発明の実施形態は、1つ以上の可変特性を有するCPRデバイス、及び、CPRデバイスの制御方法を提供することによって、CPRの患者への供与を増強するための手段を提供することが分かる。デバイスの1つ以上の特性は、CPRの患者への供与中に変化し、結果、デバイス及び患者並びに/又はデバイス及びユーザの間の相互作用がCPRの供与全体を通じて一貫しない。CPRデバイスの1つ以上の可変特性によって、CPRの供与中の患者及び/又はユーザへの傷害の危険性が低減する。
本開示の実施形態は、様々な構成要素及び構成要素の構成並びに様々なステップ及びステップの構成の形態をとる。したがって、図面は、様々な実施形態を例示することを目的としており、実施形態を限定するものとして解釈されるべきではない。図面において、同様の参照符号は同様の要素を指す。加えて、図面は、原寸に比例して描かれていない場合があることに留意されたい。