JP7324126B2 - 橋梁耐震装置 - Google Patents

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本発明は、橋梁耐震装置に関するものである。
従来より、支承を介して橋脚で支持する構造の橋梁においては、可動支承が知られている。この可動支承は、橋梁の振動や上部構造の温度変化による伸縮、また、地震動等に追従するために変形又は移動する構造となっている。
また、この可動支承は、橋桁の想定以上の移動等を防止するため、可動支承の側面から所定の距離を置いた位置に、可動支承の一定以上の移動を拘束するためのサイドブロックといわれるストッパーが設けられている。通常、想定内の可動支承の移動が生じた場合には、可動支承の一部がサイドブロックに当接して可動支承の移動が拘束される。
しかしながら、大きな地震動等により橋桁が想定以上移動した場合に、サイドブロックが可動支承の移動を拘束すると、サイドブロックにかかるエネルギーは逃げ場を失い、サイドブロックが破損したり、橋脚等の下部構造に損傷を与える場合があった。
このような問題に対して、従来より、想定以上の地震動が発生した場合に、地震動のエネルギーを吸収して減衰力を生じさせるとともに、許容量以上の可動支承の移動を制限する機能を有する橋梁耐震装置が用いられている。
このような橋梁耐震装置としては、例えば、橋梁の下部構造の橋脚と上部構造の橋桁の間に可動支承を設けるとともに、一軸方向に動作するダンパーを橋軸直角方向に設けたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。この提案では、橋脚中央部にブラケットを設け、このブラケットにダンパーの一端を固定するとともに、他の一端を橋桁に固定している。
また、ブラケットとダンパーの接続及び橋桁とダンパーの接続は、クレビスにより上下方向の変位に対して可動するように接続されている。このような構造の橋梁耐震装置では、ダンパーが一軸方向の伸縮動作を行うため、主として可動支承の橋軸直角方向の移動に対してダンパーが作用し、可動支承の変位を制限している。
しかしながら、近年、橋梁の橋脚と上部構造の間に配設する可動支承に対しては、大きな地震動に対しても確実に移動を制限できるように、可能な限り省スペースに設置でき、特定の方向に確実に動作する橋梁耐震装置が望まれている。特許文献1の橋梁耐震機構では、ダンパーの取り付けが2本の橋桁を挟んだ中央部に位置するブラケットと橋桁の側面であるため、設置空間が橋桁間に限られてしまう。そのため、1本の橋桁に対して片側にダンパーを設置する構造となり、さらに両端にクレビスを備える必要があるため、橋脚と上部構造との間の限られたスペースを大きく占有してしまうといった問題があった。
また、地震動による橋軸方向の可動支承の移動があった場合には、ダンパーの伸縮機能が橋軸直角方向と橋軸方向に分散され、橋軸直角方向に対する橋梁耐震機構として必要な減衰力を発揮できず、十分な能力を活用できないといった問題があった。
これに対し、スペースに対して種々のバリエーションに対応でき、様々な方向からの地震動に対しても、可動支承の特定方向の移動を確実に制限可能な橋梁耐震装置が提案されている。具体的には、例えば、可動支承の動作を制限するための橋梁耐震装置のスライド機構であって、橋軸直角方向に伸縮するように設けられたダンパーを備えるとともに、橋桁の下部で橋軸方向に固定されているガイドレールにダンパーがスライド可能に接続されたものがある(例えば、特許文献2を参照)。
この提案の橋梁耐震装置は、多くの方向からの地震動に対応できる点で優れたものであり、橋軸直角方向の橋桁の地震動等についてはダンパーにより制限するとともに、地震動や温度等による橋軸方向の移動については、橋軸方向のスライド機構により解消し、橋桁の水平回転方向の地震動等については、ガイドレールにスライド可能に設けられた円柱状の駒部がガイド内で回転することにより解消している。また、橋脚とダンパーとの接続部にかかる多方向の地震動については、接続部に設けたクレビスにより解消している。
特開2002-180418号公報 特開2017-014749号公報
一方、橋梁に対する地震動においては、橋軸方向を軸とした回転の動き、即ち、橋桁の側部の上下動や、橋軸直角方向、橋軸鉛直方向を軸とした回転の動き等、様々な方向の動きも想定される。しかしながら特許文献2の提案では、上記のより複雑な地震動には対応しきれておらず、これらの点においては更なる改良の余地を残すものであった。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、橋梁耐震装置において、コンパクトな構成とすることにより、橋梁の下部構造と上部構造との間の限られたスペースに対して種々の設置バリエーションに対応でき、2次元的あるいは3次元的な様々な方向から加わる地震動に対して対応可能な橋梁耐震装置を提供することを課題としている。
本発明の橋梁耐震装置は、上記の技術的課題を解決するためになされたものであって、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明の橋梁耐震装置は、下部構造に配設された可動支承を介して上部構造を支持する橋梁において、前記可動支承の動作を制御するための橋梁耐震装置であって、
前記橋梁耐震装置は、前記下部構造の幅方向に間隔を置いて固定された2基のブラケットと、
柱状のロッドと、該ロッドの外周面に密着し抵抗をもって前記ロッドの長手方向に摺動可能なダイスからなる摩擦ダンパーと、
前記ダイスと前記上部構造を接続する接続架台を備え、
前記摩擦ダンパーの前記ロッドが、対向する前記2基のブラケットの間に挟持又は所定の間隔を置いて配設されるとともに、前記ダイスが前記接続架台を介して前記上部構造に接続されていることを特徴とする。
第2に、上記第1の発明の橋梁耐震装置において、前記摩擦ダンパーにおいて、前記ダイスには前記ロッドが挿通可能な挿通孔が設けられており、前記挿通孔に前記ロッドが圧入して嵌合されていることが好ましい。
第3に、上記第1又は第2の発明の橋梁耐震装置において、前記ダイスには、橋軸方向に突出したトラニオンが設けられるとともに、前記接続架台には、前記トラニオンを回転自在に軸支するトラニオン軸受が設けられていることが好ましい。
第4に、上記第1から第3のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記接続架台が、前記上部構造に接続される上部構造固定部材と、摩擦ダンパーに接続されるダンパー接続部材とからなり、前記上部構造固定部材は、ダンパー接続部材に対して水平回転自在に接続されていることが好ましい。
第5に、上記第1又は第2のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記ダイスの外周面にボール部が設けられるとともに、前記接続架台の内側にハウジング部が設けられており、前記ボール部と前記ハウジング部によりボールジョイントが構成され、前記摩擦ダンパーに対して前記上部構造が任意の方向に移動可能に接続されていることが好ましい。
第6に、上記第1から第5のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記ロッドの両端と前記ブラケットとの接触面において、前記ロッドの端部又は前記ブラケットの前記ロッドの端部との接触面の少なくともいずれかに滑り調整加工がなされていることが好ましい。
第7に、上記第1から第5のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記ロッドの端部に設けられた滑り調整加工が施された低摩擦部材、又は前記ブラケットの前記ロッドの端部と接触する接触部材の少なくともいずれかが、弾性部材を介して設けられていることが好ましい。
第8に、上記第1から第7のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記ダイスと前記接続架台が弾性部材で接続されていることが好ましい。
第9に、上記第1から第8のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記摩擦ダンパーの外周にカバーが設けられていることが好ましい。
第10に、上記第1から第9のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記ロッドが複数本並列に設けられ、少なくとも2本以上のロッドの同側の端部が接続されていることが好ましい。
第11に、上記第1から第10のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記ロッドの両端部を繋ぐように補強部材が設けられていることが好ましい。
第12に、上記第1から第11のいずれかの発明の橋梁耐震装置において、前記ブラケットが前記下部構造の側面部に設けられていることが好ましい。
第13に、上記第1から第11のいずれかの発明の橋梁耐震装置に用いられるブラケット、摩擦ダンパー及び接続架台において、ブラケットが前記上部構造に接続されており、接続架台が前記下部構造に接続されていることが好ましい。
本発明の橋梁耐震装置によれば、コンパクトな構成とすることにより、橋梁の下部構造と上部構造との間の限られたスペースに対して種々の設置バリエーションに対応でき、2次元的あるいは3次元的な様々な方向から加わる地震動に対して対応可能な橋梁耐震装置を提供することができる。
具体的には、橋梁の上部構造における橋軸直角方向の動作を確実に制限するとともに、橋軸水平方向の動作、上下動等多方向の動作、橋桁の水平回転方向の動作、橋軸方向を軸とした回転動作、橋軸直角方向を軸とした回転動作に追従させて、確実に可動支承を制御することができる。
本発明の橋梁耐震装置の概略正面図である。 ロッドの端部を示した概略図であり、(a)は低摩擦部材とカバーの実施形態を示す概略断面図であり、(b)は低摩擦部材の表面に設けたディンプルの実施形態を示す概略図である。 低摩擦部材の表面に設けた他のディンプル等の実施形態を示す概略図であり、(a)は中央に1つのディンプルを設けた実施形態を示し、(b)はエンボス加工を施した実施形態を示し、(c)は小さなスライド板を複数設置した実施形態を示している。 (a)は、ダンパー軸力とダンパー軸変位との関係を示したグラフであり、(b)は、ダンパーにクレビス等を設け、一端を下部構造側、他端を上部構造側に結合する既往技術の概略図であり、(c)は、本発明における摩擦ダンパーとブラケットを非結合で面接触させた状態の概略図であり、(d)は、橋軸直角方向にダンパーを設置したときの、橋軸方向に作用するダンパー抵抗力Fと橋軸方向の変位δの関係について、既往技術と本発明を比較したグラフである。 低摩擦部材としてMCナイロンとステンレスを用いた場合の摩擦係数μと変位δの関係を表したグラフである。 低摩擦部材としてPTFEとステンレスを用いた場合の摩擦係数μと速度の関係を表したグラフである。 ロッドの端部に、弾性部材を介して低摩擦部材を設けた実施形態を示す概略図である。 ブラケットのロッド端部との接触面に弾性部材を介して低摩擦部材を設けた実施形態を示す概略図である。 ロッド端部とブラケットの接触部分が局所的となる場合を示す概略図である。 本発明の橋梁耐震装置に対して、橋軸直角方向、橋軸方向及び鉛直方向に力が加わった場合の力の分解状態を説明するための概略斜視図である。 トラニオン機構とピン回転軸を設けた実施形態を示す概略正面図である。 トラニオン機構を説明するための概略正面図である。 トラニオン機構を説明するための概略断面図である。 トラニオン機構とピン回転軸を設けた実施形態を示す概略正面図であり、(a)は概略正面図であり、(b)は一部を側面から見た拡大図である。 (a)は、橋桁の下面部に取り付ける上部構造固定部材の一実施形態の正面図であり、(b)は、底面図である。 ダイスと接続架台を板状弾性部材で接続した実施形態を示す概略図であり、(A)は正面図であり、(B)は透視上視面図である。 ダイスと接続架台を円柱状弾性部材で接続した実施形態を示す概略図でり、(A)は正面図であり、(B)は透視上視面図である。 ボールジョイントを設けた実施形態を示す概略断面図であり、(a)は正面断面図、(b)は上面断面図である。 ボールジョイントを設けた橋梁耐震装置の稼働状態を示した概略断面図であり、(a)は正面断面図、(b)は上面断面図である。 ブラケットを上部構造に接続し、接続架台を下部構造に接続した実施形態を示す概略正面図である。 並列に設けた2本のロッドの端部を結合部材に接続した実施形態を示す概略図であり、(A)は透視上視面図であり、(B)は(A)のA-A断面図であり、(C)は正面図である。 ロッドの左右端部を繋ぐフレーム構造の補強部材を設けるとともに、フレーム構造に低摩擦部材を設けた実施形態を示す概略図であり、(A)は透視上視面図であり、(B)は(A)のB-B断面図であり、(C)は正面図である。 ロッドの左右端部を繋ぐフレーム構造の補強部材を設けるとともに、フレブラケットに低摩擦部材を設けた実施形態を示す概略図であり、(A)は透視上視面図であり、(B)は(A)のC-C断面図であり、(C)は正面図である。 ブラケットを橋脚の側面に設けた実施形態を示す概略側面図である。
以下、発明を実施するための形態をあげて、図面により本発明の橋梁耐震装置を詳細に説明する。図1は、本発明の橋梁耐震装置の一実施形態の概略正面図を示している。
本発明の橋梁耐震装置2は、下部構造10(以下、橋脚ともいう)に配設された可動支承3を介して上部構造11(以下、橋桁ともいう)を支持する橋梁1において、可動支承3の動作を制御するための橋梁耐震装置である。
橋梁耐震装置2は、橋脚10の幅方向に間隔を置いて固定された2基のブラケット4と、柱状のロッド5と、該ロッド5の外周面に密着し、抵抗をもってロッド5の長手方向に摺動可能なダイス6からなる摩擦ダンパーと、ダイス6と橋桁11の下部を接続する接続架台7を備えている。
そして、摩擦ダンパーのロッド5が、2基のブラケット4の間に挟持又は所定の間隔を置いて配設されるとともに、ダイス6が接続架台7を介して橋桁11に接続されている。また、橋梁耐震装置2は、橋梁1における橋脚等の下部構造10と、橋桁等の上部構造11の間に設置された支承に対して特定の距離をおいて設置されている。
本発明の橋梁耐震装置2が適用可能な可動支承3としては、例えば、ゴム支承、転がり支承、滑り支承等を挙げることができる。これらの中でも特にゴム支承に対する適用が好ましい。ゴム支承としては、安定したバネ性能を有する天然ゴム系積層ゴム、減衰機能を併せ持つ高減衰積層ゴム、鉛プラグ入り積層ゴム等を用いたゴム支承を挙げることができる。
ゴム支承31は、通常、橋脚10上にアンカーボルトにより固定されたベースプレートの上に、下沓、積層ゴム部材、上沓の順で設置されている。また、上沓と積層ゴム部材及び下沓と積層ゴム部材の間には、部分的に水平方向の移動を制限するためのせん断キーが設けられており、上沓の上にフランジ、ウェブ等を介して橋梁1の上部構造11が設置される。このような構造により、地震動等により橋梁上部に対して水平方向に力が加わった場合、ゴム支承31の弾性変形により地震動等による荷重の伝達を制御することができる。
本実施形態の橋梁耐震装置2は、2基のブラケット4と、その対向する2基のブラケット4の間に挟持又は所定の間隔を置いて配設される柱状のロッド5と、該ロッド5の外周面に密着して設けられたダイス6からなる摩擦ダンパーと、ダイス6と橋桁11の下部を接続する接続架台7により構成されている。
ブラケット4は、支承から特定の距離をおいた場所に、2基一組で所定の間隔を置いて橋脚10の上面部に固定されている。ブラケット4の材質は容易に崩壊しないものであれば特に制限はないが、通常、コンクリート、鋼材、樹脂等を用いることができる。
摩擦ダンパーは、摩擦力が移動方向に逆向きの抵抗力として作用することを利用した減衰機構を有するもので、具体的には、柱状体のロッド5の外周面と、筒状体のダイス6の内周面が摺動して、一定の摩擦荷重を保持したままロッド5の軸方向に変位する機構を有し、ロッド5の外周面とダイス6の内周面の摩擦により、地震動等のエネルギーを熱エネルギーに変えて吸収するものである。
ロッド5の形状は、断面円形状や角形等の長尺の柱状体が例示されるが、強度等の観点から、断面円形状のものが特に望ましい。また、ダイス6はロッド5の形状に合わせて決定される。また、ロッド5とダイス6の材質としては、強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、ロッド5が銅合金でダイス6が合金工具鋼のものが例示される。
このようなロッド5とダイス6から構成される摩擦ダンパーは、比較的単純な構造であるため低コストで経済的であり、高い耐久性を有するため疲労寿命を考慮する必要がなく、高い信頼性が得られるとともに、優れたメンテナンス性を有する部材である。
また、本発明で用いる摩擦ダンパーとしては、ロッド5が挿通可能な挿通孔が設けられたダイス6に対して、挿通孔にロッド5を圧入して嵌合させた摩擦ダンパーを好適に用いることができる。具体的には、図13に示すように、柱状体のロッド5を筒状体のダイス6に圧入、嵌合させて、ダイス6をダイスケース61に入れ、ダイス押え62でダイスケース61内に固定したものを例示することができる。
上記の構成により、例えば、所定レベル以下の地震動時には、摩擦ダンパーが変位せず橋軸直角方向の固定支承として機能し、所定レベルを超える地震動時には、摩擦ダンパーに摩擦荷重を超える水平荷重が作用し、摩擦ダンパーの滑り面(ロッド5の外周面とダイス6の内周面の摺動部分)が滑り出して変位する。そのとき、地震による震動エネルギーを吸収して摩擦熱に変換する。摩擦ダンパーが震動エネルギーを吸収することで橋梁自体に作用する震動エネルギーが低減され、応答変位が低減される。すなわち、本発明の橋梁耐震構造によれば、所定レベル以下の地震動では、摩擦ダンパーは高い抵抗力により作動せず固定支承として機能し、所定レベルを超える地震動では動作して機能する。
このようにして、橋軸直角方向においても、地震規模に応じた2つの機能により、所定レベルを超える地震動が生じた場合であっても、摩擦ダンパーが震動エネルギーを効率的に吸収することで、橋脚10や基礎部等の下部構造10等に損傷を与えることのない橋梁耐震構造とすることが可能となる。
所定レベル以下の地震動とは、例えば、道路橋示方書で定義されるレベル1地震動(橋の設計供用期間中にしばしば発生する地震動)が考えられる。
所定レベルを超える地震動とは、例えば、道路橋示方書で定義されるレベル2地震動(橋の設計供用期間中に発生することは極めて稀であるが一旦生じると橋に及ぼす影響が甚大であると考えられる地震動)が考えられる。
摩擦ダンパーの摩擦荷重は、ロッド5の外周面の直径とダイス6の内周面の直径を変え、嵌合具合を調節することで設計できる。
一方、本発明では、例えば、橋梁1の規模や構成に応じて、上記摩擦ダンパーとともに、又は摩擦ダンパーに代えて粘性ダンパー、高分子ダンパー等を用いることもできる。
また、対向するブラケット4の間への摩擦ダンパーの配設は、地震動時にブラケット4に対してロッド5の端部が可能な限り抵抗なく滑るように設定される。このような設定としては、特定の条件でロッド5をブラケット4で挟持する設定や、地震動時にブラケット4とロッド5端部の一方が接触する条件で間隔をおいて配設する設定が考慮される。
上記のブラケット4の間にロッド5を挟持させる設定及び、地震動時にブラケット4とロッド5端部の一方が接触する設定の何れにおいても、接触時の圧力とロッド5端部の摩擦の低減を考慮して設定することが望ましい。ロッド5端部の摩擦の低減の調整は、例えば、ロッド5端部又はブラケット4のスライド面の少なくとも何れかに低摩擦部材51を設けることにより調整が可能である。
低摩擦部材51の材質としては、ブラケット4に当接しながら摺動する低摩擦のものであれば特に限定されず、樹脂製やステンレス製のものを用いることができるが、取り扱い容易性の観点から、特にMCナイロンやPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、エンジニアリングプラスチック等を好適に用いることができる。
図2(a)に示す実施形態では、低摩擦部材51を固定ボルトによりロッド5端部に強固に固定し、ブラケット4と接触してスライド面を形成している。そして、橋軸方向及び鉛直方向、また、これらの合成方向、橋軸直角方向を軸とする回転方向の摩擦ダンパーの変位に対して、ロッド5端部がブラケット4と接触するスライド面で摺動することにより橋桁11に滑らかに追従する。
なお、スライド面における摩擦ダンパーの変位を可能な限り滑らかに追従させるためには、摩擦係数は0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。
図4(a)は、ダンパー軸力Fdとダンパー軸変位δdの関係の一例である。図4(a)より、摩擦ダンパーが伸縮又は摺動して軸変位δdが発生すると、δdの大きさによらず一定のダンパー軸力Fd(=600kN)が作用することがわかる。
図4(b)は、摩擦ダンパーの両端にクレビス又はボールジョイント9等を設け、一端を下部構造10側、他端を上部構造11側に結合する既往技術の概略図である。この例では摩擦ダンパーを橋軸直角方向(X方向)に設置している。ここで、支承が変形又は移動することで、橋軸方向(Y方向)に変位δの移動が生じたときを考えると、摩擦ダンパー両端が結合されているため、摩擦ダンパーに角度θの傾きが生じる。さらには、ダンパー軸変位δdが生じるとともに、橋軸方向にダンパー抵抗力F(F=Fd×sinθ)が発生する。
ここで橋軸方向変位δが大きくなる程に角度θも大きくなり、橋軸方向のダンパー抵抗力Fは大きくなることがわかる。すなわち、既往技術では、橋軸直角方向の耐震部材として設置する摩擦ダンパーが、支承の橋軸方向への滑らかな変形又は移動を妨げることがわかる。
なお、橋梁では、橋軸直角方向(X方向)と橋軸方向(Y方向)の耐震(制震)設計を個別に行うことが一般的であるため、橋軸直角方向の耐震部材として設置した摩擦ダンパーが、橋軸方向の支承の変形又は移動の妨げになることは、機能分離の観点で好ましくない。
図4(c)は、摩擦ダンパーの両端にスライド面を設け、摩擦ダンパー中心部を下部構造側、両端スライド部を上部構造側ブラケットに非結合で面接触させ、摩擦ダンパーを橋軸直角方向(X方向)に設置した本発明の概略図である。ここで、支承が変形又は移動することで、橋軸方向(Y方向)に変位δの移動が生じた場合を考えると、摩擦ダンパー両端が非結合でスライドするため、軸方向の変位δの大小によらず、摩擦ダンパーに角度θの傾きは生じない。さらには、ダンパー軸変位δdとダンパー軸力Fdが生じるとともに、軸方向の変位δが増大しても、橋軸方向のダンパー抵抗力F(F=Fd×μ)は一定である。ここで、μはダンパースライド面の摩擦係数であり、μが小さい程、軸方向のダンパー抵抗力Fが小さくなることがわかる。すなわち、本発明では、スライド面の摩擦係数μを極力小さくすることで、橋軸直角方向の耐震部材として設置する摩擦ダンパーが、支承の橋軸方向への滑らかな変形又は移動の妨げとなることを解消できる。
図4(d)は、橋軸直角方向(X方向)に摩擦ダンパーを設置したときの、橋軸方向(Y方向)に作用するダンパー抵抗力Fと橋軸方向の変位δの関係について、既往技術(両端クレビス)と本発明(両端スライド)を比較したものである。図4(d)より、既往技術は、橋軸方向の変位δの増大にともなって橋軸方向のダンパー抵抗力Fが増大するのに対して、本発明では、橋軸方向の変位δの大小によらず、橋軸方向のダンパー抵抗力が摩擦係数μに応じた一定値となることがわかる。
例えば、橋軸方向の変位δが概ね140mmと仮定する。すると、スライド面の摩擦係数μ=0.3の場合、本発明(F=180kN)のほうが既往技術(F=約120kN)よりも橋軸方向に作用するダンパー抵抗力Fが大きくなってしまう。また、スライド面の摩擦係数μ=0.2では両者が同程度(F=約120kN)であり、摩擦係数μ=0.1では本発明(F=60kN)のほうが既往技術(F=約120kN)よりも橋軸方向に作用するダンパー抵抗力を半分程度に小さくできる。
以上より、本発明において、既往技術に比べて橋軸方向へのダンパー抵抗力Fを小さくし、支承の橋軸方向変位δに対して可能な限り滑らかに追従させるためには、摩擦係数μは0.2以下が好ましく、0.1以下がより好ましい。
上記摩擦係数は、低摩擦部材51の種類と面圧に依存することが実験によりわかっている。以下に、実験により確認した低摩擦部材51としてMCナイロン及びPTFEを用いた場合の面圧と摩擦係数の関係について詳述する。
MCナイロンの摩擦係数は、概ね面圧5MPaでは摩擦係数0.12程度、面圧25MPa、50MPaでは摩擦係数0.10以下であることが実験により確認されている。したがって、面圧25MPa以上となるように、ダンパー軸方向の荷重に応じてスライド面の接触表面積を調節することが好ましい。
図5は、スライド面の片面にMCナイロンを、もう片面にステンレスを用いて、面圧を3.4MPa、16.8MPa、33.6MPaの3段階に変えて実験を行った場合の摩擦係数μと変位δの関係を表したグラフである。図5より、概ね面圧3MPaでは摩擦係数0.12程度、面圧17MPa、34MPaでは摩擦係数0.10以下であることがわかる。
PTFEの摩擦係数は、概ね面圧18MPaでは摩擦係数0.12程度、面圧27MPa、36MPa、45MPaでは摩擦係数0.10以下であることが実験により確認されている。したがって、面圧25MPa以上となるように、ダンパー軸方向の荷重に応じてスライド面の接触表面積を調節することが好ましい。
図6は、スライド面の片面にPTFEを、もう片面にステンレスを用いて、面圧を18MPa、27MPa、36MPa、45MPaの4段階に変えて実験を行った時の、摩擦係数μと速度の関係を表したグラフであり、文献(染谷優太ほか、補修性を考慮したすべり板の摺動性能に関する実験的研究、土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)、VI-299、pp.597-598)による既知のデータである。図6より、概ね面圧18MPaでは摩擦係数0.12程度、面圧27MPa、36MPa、45MPaでは摩擦係数0.10以下であることがわかる。
また、低摩擦部材51の表面形状は、摩擦係数の低減を図るため、図2(b)に示すように、滑り調整加工としてディンプル511を設けたディンプル面とすることもできる。ディンプル511の直径と数は、ブラケット4との接触面積と、接触荷重を考慮して適宜決定することができる。また、図3(a)に示すように、中央に1つのディンプル511を設けた形状の滑り調整加工であってもよい。この場合のディンプル511の深さはブラケット4との摩擦による摩耗を考慮して決定することが好ましい。また、滑り調整加工は、図3(b)に示すようなエンボス加工512や、図3(c)に示すような小さなスライド板513を複数設置した形状であってもよい。なお、図3において斜線部分は凸部を表している。また、図2、図3に示す実施形態では、低摩擦部材51をロッド5の端部に固定しているが、低摩擦部材51をブラケット4のスライド面に設けることもできる。
また、本発明においては、ロッド5の端部に設けられた滑り調整加工が施された低摩擦部材51、又はブラケット4のロッド5の端部と接触する接触部材41の少なくともいずれかを、弾性部材53を介して設けることができる。図7は、ロッド5端部に設けた受け部材531に弾性部材53を取り付け、弾性部材53を介して低摩擦部材51を設けた実施形態であり、図8は、ブラケット4のロッド5の端部と接触する接触部材41を、弾性部材53を介して設けた実施形態である。上記弾性部材53としては、例えば、安定したバネ性能を有する天然ゴム、天然ゴム系積層ゴム、コイルばね、板ばね等を用いることができる。
ロッド5の端部に設けた低摩擦部材51、又はブラケット4のロッド5の端部と接触する接触部材41を、弾性部材53を介して設けることにより、地震動によりブラケット4とロッド5の端部が接触した状態において、ブラケット4に対してロッド5の端部がクッション性を持って密着するため、ブラケット4と摩擦ダンパーに部分的な負荷が集中することがなく破損を防止できるとともに、地震動を摩擦ダンパーで適切に吸収することが可能となる。
さらに、本発明においては、ブラケット4の間に設ける摩擦ダンパーは、向かい合うブラケット4に所定の面圧で挟持されて保持される実施形態のほか、ブラケット4と摩擦ダンパーのロッド5端部の間に所定の間隔をおいて設置され、地震動が加わったときにのみブラケット4とロッド5端部が接触する実施形態も考慮される。
上記摩擦ダンパー端部とブラケット4の間に隙間を設けて設置する実施形態の場合、地震動による力の向きによっては、図9に示すように、ロッド5端部とブラケット4の接触部分が全面でなく局所的になる場合があるため、接触時の面圧の調整は、実質の接触面積を用いて行う。
例えば、図9において、摩擦ダンパー端部とブラケット4の間に設ける隙間Δが大きすぎると、ロッド5先端のスライド面がブラケット4に接触しない可能性がある。確実に接触させるためには、Δ<(√(Ld+Ls)-Ld)でなくてはならない。ここで、Δ:隙間、Ld:ダンパー長さ、Ls:スライド面半径を表す。ダンパー長さLdが大きいほど、また、スライド面半径Lsが小さいほど、隙間Δの上限値が小さくなる。
なお、実用的な範囲としては、摩擦ダンパー端部とブラケット4の間に設ける隙間Δは、0mm以上10mm以下が好ましい。
図10に、本発明の橋梁耐震装置2に橋軸直角方向(X軸方向)、橋軸方向(Y軸方向)及び、鉛直方向(Z軸方向)の3方向から力が加わった場合の力の分解状態を説明するための概略図を示す。本実施形態においては、例えば、地震動が橋軸直角方向(X軸方向)に加わった場合には摩擦ダンパーが作動して橋軸直角方向の可動支承3の移動を制限する。
また、地震動が橋軸方向(Y軸方向)のみ、或いは鉛直方向(Z軸方向)のみに加わった場合には、摩擦ダンパーは動作せず橋軸方向(Y軸方向)或いは鉛直方向(Z軸方向)にスライドする。
また、震動が橋軸直角方向(X軸方向)と橋軸方向(Y軸方向)の間に加わった場合、橋軸直角方向と橋軸方向に分解され橋軸直角方向の力に対しては摩擦ダンパーが作動するとともに、橋軸方向の力に対しては摩擦ダンパーのロッド5の端部がブラケット4に当接した状態でスライドする。なお、橋軸直角方向を軸とした回転方向に力が加わった場合にもロッド5の端部がブラケット4に当接しながらスライドする。
更に、地震動が橋軸直角方向(X軸方向)と橋軸方向(Y軸方向)と鉛直方向(Z軸方向)の間の方向に加わった場合には、力が橋軸直角方向(X軸方向)、橋軸方向(Y軸方向)、鉛直方向(Z軸方向)に分解され、橋軸直角方向(X軸方向)の力に対しては摩擦ダンパーが動作し、橋軸方向(Y軸方向)と鉛直方向(Z軸方向)の力に対しては摩擦ダンパーのロッド5の端部がブラケット4に当接しながらスライドする。
これらの橋梁耐震装置2の動作からもわかるように、橋梁1に対して加わる地震動の力は分解され、橋軸直角方向にかかる力を摩擦ダンパーが伸縮する一軸方向に対して効率的かつ確実に吸収させることができ、橋軸方向、鉛直方向の力は摩擦ダンパーの端部とブラケット4のスライド面がスライドすることにより追従させることができる。
また、本発明の橋梁耐震装置2においては、図10~図13に示すように、摩擦ダンパーのダイス6に、橋軸方向に突出したトラニオン81を設けるとともに、接続架台7に、トラニオン81を回転自在に軸支するトラニオン軸受82を設けたトラニオン機構8を設けることができる。
上記トラニオン機構8を設けることにより、図10に示す、橋軸直角方向(X軸方向)、橋軸方向(Y軸方向)、鉛直方向(Z軸方向)の変位への対応に加え、橋軸方向(Y軸方向)を軸とした橋軸回転の挙動に対応する橋梁耐震装置2とすることができる。
なお、トラニオン機構8は、ダイス6に直接トラニオン81を設けるとともに接続架台7に直接トラニオン軸受82を設ける構成のほか、図12に示すように、トラニオン付きのダイスケース61とダイス押え62をダイス6に設けるとともに、ピン回転軸付きトラニオンケース821とトラニオン押え822を押えボルト823で接続することにより構成されるトラニオン軸受82を、図11に示すように、ピン回転軸711を介して回転軸受部721を設けた接続架台7に接続する構成とすることもできる。
トラニオン機構8による接続架台7、即ち橋桁11の傾斜角度は、実際の地震動による挙動に対応するために、安全性を考慮して最大±20度程度の範囲とするのが好ましい。このように、地震動による橋軸方向(Y軸方向)を軸とした橋軸回転の挙動に対しては、摩擦ダンパーに設けたトラニオン機構8が駆動することにより橋桁11に滑らかに追従させることができる。
このように、トラニオン機構8及び水平回転機構を設けた橋梁耐震装置2では、橋軸直角方向(X軸方向)に対しては、摩擦ダンパーによる地震動の抑制機能が発現され、可動支承3の可動範囲を制限することができ、橋軸方向(Y軸方向)と鉛直方向(Z軸方向)及びこれらの合成方向の挙動については、ブラケット4とロッド5のスライド面により挙動方向を制限することができる。
さらに、本発明の橋梁耐震装置2においては、接続架台7を、橋桁11に接続される上部構造固定部材72と、摩擦ダンパーに接続されるダンパー接続部材71により構成し、上部構造固定部材72をダンパー接続部材71に対して水平回転自在に接続させることができる。具体的には、図14(a)に示すように、ダンパー接続部材71に、鉛直方向に突出した、グリース充填溝を備えた円柱状のピン回転軸711を設け、上部構造固定部材72に、ピン回転軸711を回転自在に内包する回転軸受部721を設けて水平回転機構を構成させることができる。
図14(b)は、図14(a)の一部を側面から見た拡大図である。また、図15(a)は、橋桁11の下面部に取り付ける上部構造固定部材72の一実施形態の正面図であり、図15(b)は、底面図である。本実施形態の上部構造固定部材72では、接続架台7は、ベースプレートに補強用の縦中央リブプレートと横リブプレート及び橋桁11の下面部にボルトで取り付け固定するためのボルト孔が設けられており、接続架台7にピン回転軸711を回転可能に内設する回転軸受部721が溶接等で固定されている。
接続架台7に上記のピン回転軸711と回転軸受部721による水平回転機構を設けることにより、図10に示すように、橋梁耐震装置2を中心として、鉛直方向(Z軸方向)を軸とした水平回転の挙動に対して橋桁11の挙動を追従させることが可能となる。さらに、トラニオン81とトラニオン軸受82によるトラニオン機構8を併せて設けることにより、橋軸方向(Y軸方向)を軸とした橋軸回転についてはトラニオン機構8により、鉛直方向(Z軸方向)を軸とした鉛直軸回転については水平回転機構により挙動を制限することができる。したがって、本発明の橋梁耐震装置2では、橋梁1の橋桁11に対する3次元すべての方向からの地震動による変位及び回転モーメントに対して対応可能となる。
また、本発明の橋梁耐震装置2においては、ダイス6と接続架台7を弾性部材54で接続することができる。具体的には、図16に示す実施形態のように、板状弾性部材541をダイス6と接続架台7を左右で繋ぐように接続したり、図17に示す実施形態のように、円柱状弾性部材をダイス6と接続架台7を繋ぐように接続する構成を例示することができる。なお、上記弾性部材54としては、例えば、安定したバネ性能を有する天然ゴム、天然ゴム系積層ゴム、コイルばね、板ばね等を用いることができる。
通常、トラニオン機構8及び、接続架台7とピン回転軸711からなる水平回転機構が設けられた橋梁耐震装置2において、地震動等によりトラニオン機構8に矢印の向きの回転力が加わった場合、ロッド5の端部には鉛直方向の負荷がかかり、ブラケット4からロッド5が脱落する可能性がある。これに対して、図16に示す実施形態では、板状弾性部材541をダイス6と接続架台7を左右で繋ぐように接続しているため、板状弾性部材541によりトラニオン機構8の回転力を抑制するとともに、ブラケット4からのロッド5の脱落を防止することが可能となる。
また、通常、トラニオン機構8及び水平回転機構が設けられた橋梁耐震装置2において、地震動等により水平回転機構に矢印の向きの水平回転力が加わった場合には、ロッド5の端部には水平方向の負荷がかかり、ブラケット4からのロッド5が脱落する可能性がある。これに対して、図17に示す実施形態では、円柱状弾性部材542により水平回転機構の回転力を抑制するとともに、ブラケット4からのロッド5の脱落を防止することが可能となる。
また、本発明の摩擦ダンパーには、外部からの雨や塵、大気の汚染物質等の付着を防止するためのカバー52を設けることができる。カバー52は、摩擦ダンパーの機能を阻害せず、雨水や埃等の付着を防止できれば材質や形状は特に限定されるものではないが、材質としては、通常、ゴム、プラスチック、シリコン、ステンレス等が好ましい。具体的には、例えば、図2に示すような、ロッド5の外周に螺旋状のスプリング隔壁521を設けるとともに、ゴムカバー522で覆う構成のものを用いることができる。この構成によれば、ゴムカバー522の内側にスプリング隔壁521を設けて二重に防御し、ロッド5端部近傍を防水防塵用のゴムリングとともにゴムカバー固定金具で隙間なく接合しているため、確実に雨水や塵等の付着を防止することができる。また、ダイス6の移動を阻害しないようにカバー52が蛇腹の形状となっている。また、ロッド5端部近傍とダイス6の直径が異なる場合は、カバー52を円錐柱(円錐台)の形状とすることができる。
また、本発明の橋梁耐震装置2においては、ダイス6の外周面にボール部91を設けるとともに、接続架台7の内側にハウジング部92を設け、ボール部91とハウジング部92によりボールジョイント9を構成して、摩擦ダンパーに対して橋桁11が任意の方向に移動可能に接続することもできる。
具体的には、ボールジョイント9は、図18、図19に示すように、摩擦ダンパーのダイス6と接続架台7に形成されている、ダイス6の外周面には球面状のボール部91が設けられており、その外周が接続架台7に設けられた凹状で内壁表面が滑りやすい材料からなるハウジング部92により保持されている。また、ハウジング部92には、ロッド5の可動を邪魔しないための空間が設けられており、ボールジョイント9の回転角を確保しており、橋桁11に対して回転方向の地震動が作用したときに、ボール部91の外周部に対してハウジング部92の内周部が滑ることにより回転動作する。
これにより、橋軸直角方向(X軸方向)の変位には摩擦ダンパーが所定の摩擦力で摺動して制限し、橋軸方向(Y軸方向)、鉛直方向(Z軸方向)の変位にはスライド面が0.1程度の摩擦係数で滑らせ追従する。また、ダイス6と接続架台7との間にボールジョイント9を設けることで、橋軸方向(Y軸方向)を軸としたY軸回りの回転、橋軸直角方向(X軸方向)を軸としたX軸回りの回転、鉛直方向(Z軸方向)を軸としたZ軸回りの回転に対しても同様に滑らせ追従させることができる。なお、ボールジョイント9の回転角は最大全周囲に±10度程度が好ましい。
図19(a)は、ボールジョイント9を設けた橋梁耐震装置2の一実施形態の正面断面図であり、地震動による変位に追従させている状態を示している。図19(a)において、地震動による力が橋梁耐震装置2の橋軸直角方向(X軸方向)左側に向かって加わった場合、ロッド5をダイス6が摺動して左側に移動し、一定の摩擦荷重を保持したまま軸方向に変位する。これにより、地震動のエネルギーは熱エネルギーに変換され吸収される。
また、橋梁耐震装置2に対し橋軸方向(Y軸方向)方向を回転軸としたY軸回りの挙動に対して、ボール部91がハウジング内を滑り回転することにより橋桁11に滑らかに追従する。
図19(b)は、図19(a)を下側から臨む下面断面図である。この状態では、橋梁耐震装置2に対して鉛直方向(Z軸方向)を回転軸としたZ軸回り挙動に対して、ボール部91がハウジング内を滑り回転することにより橋桁11に滑らかに追従する。
さらに、同様に橋梁耐震装置2に対し橋軸直角方向(X軸方向)を回転軸としたX軸回り挙動に対しても、ボール部91がハウジング内を滑り回転することにより橋桁11に滑らかに追従する。
一方、橋軸方向(Y軸方向)及び鉛直方向(Z軸方向)の摩擦ダンパーの変位及び橋軸直角方向(X軸方向)を回転軸としたX軸回り挙動に対して、ロッド5端部とブラケット4の当接面のスライド面は摺動して滑らかに追従する。
以上のように、摩擦ダンパーにより橋軸直角方向(X軸方向)の移動が制限され、橋軸方向(Y軸方向)、鉛直方向(Z軸方向)の移動及び、橋軸直角方向(X軸方向)を回転軸としたX軸回りの回転に対しては、ロッド5と摩擦ダンパーのスライドにより橋桁11に追従する。また、ボールジョイント9により、橋軸方向(Y軸方向)を回転軸としたY軸回りの回転、鉛直方向(Z軸方向)を回転軸としたZ軸回りの回転が追従する。このように摩擦ダンパーとボールジョイント9を組み合わせることにより、地震動による多方向からの力による変位及び回転モーメントに対して対応が可能となる。なお、ハウジング部92には、カバー52を設置するための重ね代として突出部を設けることもできる。
なお、本発明においては、ロッド5を複数本並列に設け、少なくとも2本以上のロッド5の同側の端部を接続した構造とすることもできる。具体的には、例えば図21に示すように、並列に設けた2本のロッド5の左右各々の端部を結合部材55に接続した構成を例示することができる。本実施形態では、ボールジョイント9を設けた橋梁耐震装置2において、ダイス6に平行に設けられた2つの挿通孔の各々に2本のロッド5が圧入して嵌合された構成の摩擦ダンパーとなっている。このような構成とすることにより、想定する地震動の規模に対応した摩擦ダンパーを大きな設計変更をすることなく製造することができる。
さらに、本発明においては、ロッド5の両端部を繋ぐように補強部材56を設けることもできる。具体的には、図22に示すように、ロッド5の左右端部に各々接合部材561を設け、左右の接合部材561を繋ぐシャフト562によりフレーム構造の補強部材56とする。なお、この場合、補強部材56を構成する接合部材561のブラケット4との接触面には低摩擦部材51を設けることができる。さらに、図23に示すように、ブラケット4側の接合部材561との接触面に低摩擦部材51を設けることもできる。上記実施形態のように、フレーム構造の補強部材56を設けることにより、地震動時の摩擦ダンパーへの負荷を低減することができるため、適切な摩擦ダンパーの動作を維持し、水平方向の回転力を吸収することが可能となる。
以上、本発明の橋梁耐震装置2を実施形態に基づいて説明したが、本発明の橋梁耐震装置2は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、ブラケット4を下部構造10の橋脚上面部に設け、接続架台7を上部構造11の橋桁の下面部に設ける構成としたが、これの上下を逆に配設し、図20に示すように、接続架台7を下部構造10の橋脚上面部に設け、ブラケット4を上部構造11の橋桁下面部に設ける構成とすることもできる。
ブラケット4及び接続架台7の上下の設置は、上部構造11(橋桁)と下部構造10(橋脚)との間の空間の形状等に応じて、設置容易性やメンテナンス容易性を考慮して適宜決定することができる。
また、上記実施形態では、ブラケット4を下部構造10の橋脚上面部に設けたが、下部構造10の橋脚と上部構造11の橋桁の間のスペースが狭い場合等には、図24に示すように、ブラケット4を橋脚10の側面に設けることもできる。
本発明の橋梁耐震装置によれば、橋梁の上部構造における橋軸直角方向の動作を確実に制限するとともに、橋軸水平方向の動作、橋桁の水平回転方向の動作、橋桁の上下動等多方向の動作、橋軸方向を軸とした回転動作、橋軸直角方向を軸とした回転動作に追従させて、確実に可動支承に伝達させることが可能となる。
1 橋梁
10 下部構造(橋脚)
11 上部構造(橋桁)
2 橋梁耐震装置
3 可動支承
31 ゴム支承
4 ブラケット
41 接触部材
5 ロッド
51 低摩擦部材
511 ディンプル
512 エンボス加工
513 スライド板
52 カバー
521 スプリング隔壁
522 ゴムカバー
53 弾性部材
531 受け部材
54 弾性部材
541 板状弾性部材
542 円柱状弾性部材
55 結合部材
56 補強部材
561 接合部材
562 シャフト
6 ダイス
61 ダイスケース
62 ダイス押え
7 接続架台
71 ダンパー接続部材
711 ピン回転軸
72 上部構造固定部材
721 回転軸受部
8 トラニオン機構
81 トラニオン
82 トラニオン軸受
821 ピン回転軸付きトラニオンケース
822 トラニオン押え
823 押えボルト
9 ボールジョイント
91 ボール部
92 ハウジング部

Claims (13)

  1. 下部構造に配設された可動支承を介して上部構造を支持する橋梁において、前記可動支承の動作を制御するための橋梁耐震装置であって、
    前記橋梁耐震装置は、前記下部構造の幅方向に間隔を置いて固定された2基のブラケットと、
    柱状のロッドと、該ロッドの外周面に密着し抵抗をもって前記ロッドの長手方向に摺動可能なダイスからなる摩擦ダンパーと、
    前記ダイスと前記上部構造を接続する接続架台を備え、
    前記摩擦ダンパーの前記ロッドが、対向する前記2基のブラケットの間に挟持又は所定の間隔を置いて配設されるとともに、前記ダイスが前記接続架台を介して前記上部構造に接続されていることを特徴とする橋梁耐震装置。
  2. 前記摩擦ダンパーにおいて、前記ダイスには前記ロッドが挿通可能な挿通孔が設けられており、前記挿通孔に前記ロッドが圧入して嵌合されていることを特徴とする請求項1に記載の橋梁耐震装置。
  3. 前記ダイスには、橋軸方向に突出したトラニオンが設けられるとともに、前記接続架台には、前記トラニオンを回転自在に軸支するトラニオン軸受が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の橋梁耐震装置。
  4. 前記接続架台が、前記上部構造に接続される上部構造固定部材と、摩擦ダンパーに接続されるダンパー接続部材とからなり、前記上部構造固定部材は、ダンパー接続部材に対して水平回転自在に接続されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  5. 前記ダイスの外周面にボール部が設けられるとともに、前記接続架台の内側にハウジング部が設けられており、前記ボール部と前記ハウジング部によりボールジョイントが構成され、前記摩擦ダンパーに対して前記上部構造が任意の方向に移動可能に接続されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  6. 前記ロッドの両端と前記ブラケットとの接触面において、前記ロッドの端部又は前記ブラケットの前記ロッドの端部との接触面の少なくともいずれかに滑り調整加工がなされていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  7. 前記ロッドの端部には、滑り調整加工の施された低摩擦部材が弾性部材を介して設けられ、あるいは前記ブラケットには、前記ロッドの端部と接触する接触部材が弾性部材を介して設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  8. 前記ダイスと前記接続架台が弾性部材で接続されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  9. 前記摩擦ダンパーの外周にカバーが設けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  10. 前記ロッドが複数本並列に設けられ、少なくとも2本以上のロッドの同側の端部が接続されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  11. 前記ロッドの両端部を繋ぐように補強部材が設けられていることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  12. 前記ブラケットが前記下部構造の側面部に設けられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の橋梁耐震装置。
  13. 請求項1から11のいずれかに記載の橋梁耐震装置に用いられるブラケット、摩擦ダンパー及び接続架台において、ブラケットが前記上部構造に接続されており、接続架台が前記下部構造に接続されていることを特徴とする橋梁耐震装置。
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