JP7324114B2 - 建設機械 - Google Patents

建設機械 Download PDF

Info

Publication number
JP7324114B2
JP7324114B2 JP2019187103A JP2019187103A JP7324114B2 JP 7324114 B2 JP7324114 B2 JP 7324114B2 JP 2019187103 A JP2019187103 A JP 2019187103A JP 2019187103 A JP2019187103 A JP 2019187103A JP 7324114 B2 JP7324114 B2 JP 7324114B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydraulic
hydraulic pump
pump
flow rate
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019187103A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021063524A5 (ja
JP2021063524A (ja
Inventor
勉 宇田川
茂行 櫻井
純司 山本
幸仁 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Construction Machinery Co Ltd filed Critical Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Priority to JP2019187103A priority Critical patent/JP7324114B2/ja
Priority to PCT/JP2020/037478 priority patent/WO2021070736A1/ja
Publication of JP2021063524A publication Critical patent/JP2021063524A/ja
Publication of JP2021063524A5 publication Critical patent/JP2021063524A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7324114B2 publication Critical patent/JP7324114B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E02HYDRAULIC ENGINEERING; FOUNDATIONS; SOIL SHIFTING
    • E02FDREDGING; SOIL-SHIFTING
    • E02F9/00Component parts of dredgers or soil-shifting machines, not restricted to one of the kinds covered by groups E02F3/00 - E02F7/00
    • E02F9/26Indicating devices
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04BPOSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS
    • F04B51/00Testing machines, pumps, or pumping installations
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F15FLUID-PRESSURE ACTUATORS; HYDRAULICS OR PNEUMATICS IN GENERAL
    • F15BSYSTEMS ACTING BY MEANS OF FLUIDS IN GENERAL; FLUID-PRESSURE ACTUATORS, e.g. SERVOMOTORS; DETAILS OF FLUID-PRESSURE SYSTEMS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F15B20/00Safety arrangements for fluid actuator systems; Applications of safety devices in fluid actuator systems; Emergency measures for fluid actuator systems

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Fluid Mechanics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Mining & Mineral Resources (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Operation Control Of Excavators (AREA)

Description

本発明は、片傾転型可変容量式油圧ポンプを搭載した油圧ショベルやクレーン等の建設機械に関する。
従来ポンプの故障を診断する方法として例えば特許文献1が知られている。
特許文献1では、油圧ポンプの油圧回路を閉じた状態でポンプ傾転量を増加していき、油圧ポンプの吐出圧が設定圧に達したときのポンプ傾転量を故障判定値と比較し、ポンプ傾転量が故障判定値以上である場合、故障信号を出力するようにしたので、わざわざ油圧配管を切離して油圧テスタを取り付ける必要はなく、常時自動的かつ迅速に故障診断を行うことができる。
特公平6-94868号公報
特許文献1の診断方法においては、油圧回路を閉じた状態でポンプの吐出流量を増加していき、油圧ポンプの吐出圧が設定圧に達したときのポンプ傾転量を故障判定値と比較し、ポンプ吐出流量が故障判定値以上の場合、故障信号を出力するようにしたので、油圧回路等の組替え等が不要で自動的かつ迅速に対応できるように考慮されているが、建設機械のようなポンプを複数利用する装置においては適用することができない場合が存在する。
また、特許文献1では両傾転型ポンプを対象としているのでポンプ吐出量をゼロにすることができるが、油圧ショベルのような建設機械では片ロッドシリンダを駆動するために、オープン回路構成で片傾転型ポンプを採用していることがほとんどである。
片傾転型ポンプを用いたシステムでは、
・ポンプとアクチュエータの間に方向切換弁が介在するため傾転量をゼロにする必要はないこと
・アクチュエータ始動時の応答性確保のために、アクチュエータ非動作時もある程度のポンプ流量が必要なこと
・ポンプの下流に設けられた回路機器の潤滑やクーリングのためにある程度のポンプ流量が必要なこと
等からアクチュエータ非動作時などのレバー中立のときにおいてもある程度の流量(以下、スタンバイ流量)を片傾転ポンプから吐出するように構成しているのが通常である。このスタンバイ流量に応じて片傾転ポンプの最小傾転量が決定される。
ここで、スタンバイ流量が最大吐出流量の1/5程度に設定されていた場合、最大吐出流量が200L/minとすると、スタンバイ流量は40L/min程度にもなる。このように、片傾転型ポンプは微小流量を吐出するようには構成されていないため、片傾転型ポンプを用いたシステムに特許文献1の診断方法を適用しても、微小な漏れ流量の検知や評価を行うことができない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、片傾転型可変容量式油圧ポンプの微小な漏れ流量を測定することが可能な建設機械を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、原動機と、作動油を貯留するタンクと、前記原動機によって駆動され、前記タンクから吸い込んだ作動油を吐出する片傾転型可変容量式の油圧ポンプと、複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプの吐出油が供給される吐出油路に接続され、前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータの少なくとも一部に供給される作動油の流れを制御する方向切換弁ユニットと、前記原動機の回転数および前記油圧ポンプの傾転を制御するコントローラとを備えた建設機械において、前記油圧ポンプの吐出圧力を検出する圧力センサを備え、前記コントローラは、前記吐出油路と前記タンクとの連通を遮断し、かつ前記油圧ポンプの傾転をスタンバイ傾転よりも小さ診断用傾転に保持した状態で、前記原動機の回転数を負荷運転可能な最小回転数から上昇させつつ前記油圧ポンプの吐出圧力を計測し、前記油圧ポンプの吐出圧力が所定の圧力に達したときの前記原動機の回転数と前記診断用傾転とに基づいて前記油圧ポンプの漏れ流量を算出し、前記診断用傾転は、測定可能な最小漏れ流量を前記原動機の最小回転数で割った値以下の値であるものとする。

以上のように構成した本発明によれば、油圧ポンプの吐出油路とタンクとの連通を遮断し、かつ油圧ポンプの傾転をスタンバイ傾転よりも小さい診断用傾転に保持した状態で、原動機の回転数を最小回転数から上昇させ、油圧ポンプの吐出圧力が所定の圧力に達したときの理論吐出流量を算出することにより、スタンバイ流量よりも小さい微小流量の範囲で油圧ポンプの漏れ流量を測定することが可能となる。
本発明に係る建設機械によれば、片傾転型可変容量式油圧ポンプの微小な漏れ流量を測定することが可能となる。
本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの側面図である。 図1に示す油圧ショベルに搭載された油圧駆動装置の概略構成図である。 可変容量型斜軸式油圧ポンプの構造図である。 図2に示すコントローラの機能ブロック図である。 図2に示すコントローラによって実行されるポンプ漏れ流量の測定フローを示す図である。 本発明の第2の実施例における油圧駆動装置の回路図である。 本発明の第3の実施例における油圧駆動装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施例におけるポンプ漏れ流量の補正演算処理を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの側面図である。
図1において、油圧ショベル100は、走行体101、この走行体101上に旋回可能に取り付けられた旋回体102と、この旋回体102の前側に上下方向に回動可能に取り付けられた作業装置103とを備えている。
作業装置103は、旋回体102の前側に上下方向に回動可能に取り付けられたブーム104と、このブーム104の先端部に上下または前後方向に回動可能に取り付けられたアーム105と、このアーム105の先端部に上下または前後方向に回動可能に取り付けられたバケット106とを備えている。ブーム104は、油圧アクチュエータであるブームシリンダ107によって駆動され、アーム105は油圧アクチュエータであるアームシリンダ108によって駆動され、バケット106は油圧アクチュエータであるバケットシリンダ109によって駆動される。旋回体102の前側には、オペレータが搭乗する運転室110が設けられている。
図2に油圧ショベル100に搭載された油圧駆動装置の概略構成を示す。
図2において、油圧駆動装置200は、原動機としてのエンジン20と、エンジン20によって駆動される片傾転型可変容量式の油圧ポンプ21と、油圧ポンプ21のポンプ押しのけ容積(以下、ポンプ傾転)qpを制御する油圧パイロット式の傾転制御装置22と、パイロット油圧源(図示せず)からの一次圧を減圧して生成したパイロット圧を傾転制御装置22に出力する電磁比例弁23と、油圧アクチュエータ107~109と、方向切換弁ユニット24と、ブリードオフ閉鎖バルブ25と、リリーフ弁26と、圧力センサ27と、モニタ50と、エンジン20、電磁比例弁23、ブリードオフ閉鎖バルブ25、モニタ50等を制御するコントローラ40とを備えている。
方向切換弁ユニット24は、油圧ポンプ21の吐出ポートに接続された吐出油路(以下、ポンプ吐出油路)28に接続され、操作装置(図示せず)の操作に応じて、油圧ポンプ21から油圧アクチュエータ107~109に供給される圧油の流れを制御する。
ブリードオフ閉鎖バルブ25は、ポンプ吐出油路28の方向切換弁ユニット24よりも上流側に設けられ、コントローラ40から制御信号に応じて開閉し、ポンプ吐出油路28を連通または遮断する。
リリーフ弁26は、ポンプ吐出油路28の圧力を制限する安全弁であり、ポンプ吐出油路28のブリードオフ閉鎖バルブ25よりも上流側に設けられ、ポンプ吐出油路28の圧力(=ポンプ吐出圧力Pp)が所定の圧力(以下、リリーフ設定圧)Prを超えると開弁し、ポンプ吐出油路28の圧油をタンク29に排出する。
圧力センサ27は、ポンプ吐出油路28のブリードオフ閉鎖バルブ25よりも上流側に設けられ、ポンプ吐出油路28の圧力(ポンプ吐出圧力Pp)を圧力信号に変換し、コントローラ40に出力する。
コントローラ40は、ポンプ漏れ流量の測定指令を受けて、ブリードオフ閉鎖バルブ25、エンジン20の回転数(以下、エンジン回転数)Neng、ポンプ傾転qpを制御し、圧力センサ27で検出したポンプ吐出圧力Ppに基づいて、油圧ポンプ21の漏れ流量Qleakを算出する。
建設機械用の油圧ポンプとしてはアキシャルピストンタイプのポンプが多く用いられており、可変容量機構として斜軸タイプと斜板タイプとがある。どちらもピストンのストローク工程を変化させて押しのけ容積を変化させることで可変容量を実現している。
片傾転型可変容量式の油圧ポンプ21の一例として、図3に可変容量型斜軸式油圧ポンプの構造を示す。
図3において、筒状のケーシング1は、一端側が軸受部分となった略円筒状のケーシング本体1Aと、ケーシング本体1Aの他端側を閉塞したヘッドケーシング1Bとから構成されている。
回転軸2は、ケーシング本体1A内に回転可能に設けられている。シリンダブロック3は、ケーシング本体1A内に位置して回転軸2と共に回転する。シリンダブロック3には、その軸方向に複数のシリンダ4が穿設されている。そして、各シリンダ4内にはそれぞれピストン5が摺動可能に設けられ、各ピストン5にはコネクティングロッド6が取り付けられている。
また、各コネクティングロッド6の先端には球形部6Aが形成され、各球形部6Aは回転軸2の先端に形成されたドライブディスク7に揺動自在に支持されている。ここで、シリンダブロック3は後述の弁板8と共に回転軸2に対し傾転量としての傾転角θをもって配設され、この傾転角θによってポンプ押しのけ容量が決定される。
弁板8は、その一側端面にシリンダブロック3が摺接し、弁板8の他側端面はヘッドケーシング1Bに形成された凹湾曲状の傾転摺動面9に摺接している。
また、弁板8の中心には貫通孔8Aが穿設され、貫通孔8Aには後述するセンタシャフト10と揺動ピン15の各先端部が両側からそれぞれ挿入されている。そして、弁板8にはシリンダブロック3の回転時に各シリンダ4と間歇的に連通する一対の給排ポート(図示せず)が穿設され、ヘッドケーシング1Bの傾転摺動面9に開口する一対の給排通路(図示せず)はこれらの給排ポートに弁板8の傾転位置(傾転角θ)の如何に拘らず連通するようになっている。
センタシャフト10は、ドライブディスク7と弁板8との間でシリンダブロック3を支持する。センタシャフト10の一端側には球形部10Aが形成され、球形部10Aはドライブディスク7の軸中心位置に揺動自在に支持されている。一方、シリンダブロック3の中心を貫通して突出したセンタシャフト10の他端側は弁板8の貫通孔8A内に摺動可能に挿入され、シリンダブロック3を弁板8に対してセンタリングするようになっている。
傾転機構11は、傾転摺動面9に沿って弁板8を傾転させる。傾転機構11は、ヘッドケーシング1B内に形成され、軸方向両端側に油通孔12A,12Bを有したシリンダ室12と、シリンダ室12内に摺動可能に挿嵌され、シリンダ室12内に液圧室13A,13Bを画成したサーボピストン14と、基端側がサーボピストン14に固着され、先端側が球形状先端部15Aとなって弁板8の貫通孔8Aに揺動可能に挿嵌された揺動ピン15とから構成されている。
制御部16は、傾転機構11を介して弁板8を傾転制御する。制御部16は、ヘッドケーシング1Bの外側に設けられ、パイロットポンプから給排される圧油量(パイロット圧)をフィードバック制御する絞り切換弁(いずれも図示せず)を備えている。そして、この絞り切換弁にはスリーブ(図示せず)が設けられ、このスリーブとサーボピストン14とは、ヘッドケーシング1Bの長孔1Cに挿通されたフィードバックピン17によって一体的に連結されている。
ここで、制御部16の絞り切換弁を操作レバー等で切換操作すると、このときの切換操作量に応じた圧油(パイロット圧)が前記パイロットポンプから前記油通孔12A,12Bを介して傾転機構11の液圧室13A,13B内に給排され、液圧室13A,13B間の圧力差でサーボピストン14を摺動変位させることにより、サーボピストン14は揺動ピン15を介して弁板8およびシリンダブロック3を傾転角θをもって矢示A方向に傾転させる。そして、前記絞り切換弁のスリーブはサーボピストン14の変位に追従して変位することにより、前記パイロットポンプからの圧油量をフィードバック制御し、サーボピストン14の変位量を絞り切換弁の切換操作量に対応させた状態に保持する。
このような構成を備えたアキシャルピストンタイプの可変容量型油圧ポンプにおいては、斜軸、または斜板ポンプにおいては斜板の傾き量(以下、傾転)を変更可能とすることにより1回転当たりのピストンの押しのけ量を変更して、ポンプの吐出流量を可変とすることができる。よってこの斜軸または斜板の傾転量の制御でポンプ吐出量を制御することが可能で、そのポンプ機構の姿勢が制御される。
一方、図示は省略するが、両傾転型ポンプは傾転角を両方向に振れるようにすることが必要で、機能的な面も増えることもあり、大きく構造が異なり部品が増えてコスト的にも高価なものになる。さらに、両傾転型ポンプは吸い込み性能も悪く利用上好ましくない面もあり、また補器への油の循環・潤滑のためにチャージ回路が必要になる。したがって両傾転型ポンプを片傾転で使用するようなことは実用上行われず、ショベルのように片傾転型ポンプで仕様を満たす機械であれば片傾転ポンプ型を使用するのが当然となっている。
次に、ポンプの吐出漏れについて説明する。
ポンプの主要な可動部、摺動部としては上述したように、軸受けや各ピストン5と各シリンダ4との摺動、シリンダブロック3と弁板8の摺動部、弁板8とヘッドケーシング1Bとの摺動等が挙げられる。ポンプからの吐出油はこのシリンダブロック3から弁板8を経由して吐出ポート(図示しない)に移送されることになり、これら摺動部が摺動に際して潤滑不良等が起きると摩耗等が発生して傾転摺動面の隙間が大きくなる。この隙間が追加され部品間クリアランスが正常時の規定量よりも大きくなることになりポンプの吐出油がその隙間から低圧部へ流れ出る(漏れる)ことになる。その結果、ポンプの吐出流量が正常時の吐出流量よりも漏れ流量分減少してしまうことになる。
理論ポンプ吐出流量、漏れ流量、およびポンプ吐出圧力の関係について以下に説明する。ここでいう理論ポンプ吐出流量とは、ポンプの漏れ流量がゼロと仮定した場合のポンプ吐出流量である。
油圧駆動装置200内の各流量とポンプ吐出圧力Ppとの関係は、以下の式で表される。
Figure 0007324114000001
Qpref:理論ポンプ吐出流量
Qleak:ポンプ漏れ流量
Qrelief:リリーフ流量
Qcb:センタバイパス流量(ブリードオフ流量)
B:体積弾性係数
V:ポンプ吐出部容積
また、理論ポンプ吐出流量Qprefは、以下の式で表される。
Figure 0007324114000002
式(1)において、ポンプ吐出圧力Ppがリリーフ設定圧Prより低い状態では、リリーフ流量Qreliefはゼロになる。また、ブリードオフ閉鎖バルブ25を閉じた状態では、センタバイパス流量Qcbはゼロになる。さらに、ポンプ吐出圧力Ppが安定した状態ではポンプ吐出圧力Ppの変化率dPp/dtは十分に小さくなる。このような回路状態では、理論ポンプ吐出流量Qprefはポンプ漏れ流量Qleakに等しくなる。従って、そのような回路状態における理論ポンプ吐出流量Qprefを算出することにより、ポンプ漏れ流量Qleakを測定することができる。
ここで測定したい漏れ流量Qleakの程度について補足する。建設機械等で用いられる一般的なアキシャルピストンポンプでの容積効率ηvは定格運転時でおよそ85~95%程度であり、漏れの少ない良好なポンプを想定して容積効率ηvを95%とすると、20t級油圧ショベルのポンプ吐出流量は約200L/minであるからその漏れ流量は、
200L/min×5%=10L/min
となる。
エンジン回転数を定格回転数(2000rpm)とすると、5%の漏れ流量相当を吐出するためのポンプ傾転は、
10L/min/2000rpm×1000cm/L=5cm/rev
となる。
ここで、エンジン回転数を最小回転数(例えば1000rpm)まで低下させると、5%の漏れ流量相当を吐出するためのポンプ傾転は、
10L/min/1000rpm×1000cm/L=10cm/rev
となり、定格回転数の場合よりの大きくなる。
しかし、このようにエンジン回転数を最小回転数まで低下させても、5%の漏れ流量相当を吐出するためのポンプ傾転は、最大傾転(100cm/rev)の1/10まで抑える必要がある。
特許文献1では、両傾転型ポンプを対象としているため、ポンプ吐出流量をゼロから自在に変化させることができるが、先に述べた片傾転型ポンプのスタンバイ流量を50L/minとすると、エンジン定格運転時(2000rpm)にスタンバイ流量を吐出するための傾転(スタンバイ傾転)は、
50L/min/2000rpm×1000cm/L=25cm/rev
となり、5%の漏れ流量を測定するためのポンプ傾転(5cm/rev)の5倍に相当する。また、エンジン回転数をアイドリング回転数(1000rpm)まで落としたとしても、5%の漏れ流量を測定するための傾転(10cm/rev)の2.5倍に相当する。従って、スタンバイ傾転を最小傾転とするシステムでは、片傾転型ポンプの吐出流量を5%の漏れ流量相当まで低下させることはできない。
そこで本実施の形態では、ポンプの最小傾転を以下のように通常運転時と漏れ診断時で切り替えられるように構成する。
通常運転時 最小傾転(スタンバイ傾転)qps=25cm/rev
漏れ診断運転時 最小傾転(診断用傾転)qpd=10cm/rev
以上の関係をまとめると、診断用傾転qpdは、建設機械の油圧負荷運転可能な最小エンジン回転数Neng_min(通常はアイドリング回転数)および測定可能な最小漏れ流量Qleak_minに対し、以下の条件を満たす必要がある。
Figure 0007324114000003
このように診断用傾転qpdを設定することにより、エンジン回転数Nengを最小回転数Neng_minまで低下させることでポンプ吐出流量を最小漏れ流量Qleak_min以下に抑えることができるため、最小漏れ流量Qleak_minを測定することが可能となる。
図4にコントローラ40の機能ブロックを示す。なお、図4中、油圧ポンプ21の漏れ流量の測定に係わる構成のみを示し、アクチュエータ107~109の駆動に係わる構成は省略している。
図4において、コントローラ40は、測定制御部41と、バルブ制御部42と、エンジン回転数制御部43と、ポンプ傾転制御部44と、ポンプ流量算出部45と、ポンプ圧力計測部46と、漏れ流量算出部47とを備えている。
測定制御部41は、漏れ流量Qleakの測定を開始する測定指令を受けて、バルブ制御部42、エンジン回転数制御部43、およびポンプ傾転制御部44を制御する。測定指令は、運転室110に配置されたスイッチ等の入力装置(図示せず)の操作を介して生成させても良いし、油圧ショベル100のエンジン20が始動してコントローラ40の電源が入った直後に自動的に生成させても良い。
バルブ制御部42は、測定制御部41からの指令に基づいて、ブリードオフ閉鎖バルブ25を開閉する。
エンジン回転数制御部43は、測定制御部41からの指令に基づいて、エンジン回転数Nengが所望の値となるようにエンジン20を制御する。
ポンプ傾転制御部44は、測定制御部41からの指令に基づいて、油圧ポンプ21の傾転qpが所望の値となるように、電磁比例弁23の開度を調節し、傾転制御装置22を駆動する。
ポンプ流量算出部45は、エンジン回転数制御部43からのエンジン回転数Nengとポンプ傾転制御部44からのポンプ傾転量qpとに基づいて、理論ポンプ吐出流量Qprefを算出し、漏れ流量算出部47に出力する。
ポンプ圧力計測部46は、圧力センサ27からの圧力信号を油圧ポンプ21のポンプ吐出圧力Ppに変換し、漏れ流量算出部47に出力する。
漏れ流量算出部47は、ポンプ流量算出部45からの理論ポンプ吐出流量Qprefとポンプ圧力計測部46からのポンプ吐出圧力Ppとに基づいて漏れ流量Qleakを算出し、運転室110に配置されたモニタ50等に出力する。なお、漏れ流量Qleakは、運転室110の作業者に限らず、車両管理者やサービス部門等に通知されるように構成しても良い。
図5にコントローラ40によって実行されるポンプ漏れ流量の測定フローを示す。コントローラ40は、ポンプ漏れ流量の測定指令が入力されると、通常の制御フロー(図示せず)を中断し、当該測定フローに移行する。以下、当該測定フローを構成する各ステップについて順に説明する。
コントローラ40は、先ず、ポンプ傾転qpをスタンバイ傾転qpsよりも小さい診断用傾転qpdに設定し、エンジン回転数Nengを最小回転数Neng_minに設定する(ステップS1)。これにより、油圧ポンプ21の吐出流量は微小流量(正常な油圧ポンプの漏れ流量相当)になる。
ステップS1に続き、ブリードオフ閉鎖バルブ25を閉じる(ステップS2)。これにより、ポンプ吐出油路28が遮断され、油圧ポンプ21から方向切換弁ユニット24への圧油の供給が停止する。すなわち、油圧ポンプ21からタンク29に排出されるブリードオフ流量はゼロになる。
ステップS2に続き、エンジン回転数Nengを最小回転数Nminから最大回転数Neng_maxまで緩やかに上昇させる制御を開始する(ステップS3)。ここでいう「緩やかに上昇」とは、式(1)における各流量の変動によるポンプ吐出圧力Ppの変化率dPp/dtが十分に小さくなるような上昇速度であり、例えば数十秒程度の時間をかけてエンジン回転数Nengを最小回転数Neng_minから最大回転数Neng_maxまで上昇させることである。これにより、油圧ポンプ21の吐出流量が緩やかに増加する。
ステップS3に続き、ポンプ吐出圧力Ppを計測する(ステップS4)。
ステップS4に続き、ポンプ吐出圧力Ppが所定の閾値Ps以上か否かを判定する(ステップS5)。ここで、閾値Psは、リリーフ弁26のリリーフ設定圧Pr(例えば35MPa)よりも小さくかつ比較的大きい値(例えば30MPa)に設定することが望ましい。閾値Psを比較的大きい値に設定することにより、測定時の回路圧力が安定し、また、傾転摺動面9の隙間が小さい場合でも漏れ流量Qleakが大きくなるため、漏れ流量Qleakの測定精度を向上させることができる。
ステップS5でポンプ吐出圧力Ppが所定の閾値Ps未満である(No)と判定した場合は、ステップS4に戻る。
ステップS5でポンプ吐出圧力Ppが所定の閾値Ps以上である(Yes)と判定した場合は、ステップS3で開始したエンジン回転数Nengを緩やかに上昇させる制御を停止する(ステップS6)。
ステップS6に続き、診断用傾転qpdおよび現在のエンジン回転数Nengに基づいて理論ポンプ吐出流量Qprefを算出し、漏れ流量Qleakとしてモニタ50等に出力する(ステップS7)。
ステップS7に続き、ブリードオフ閉鎖バルブ25を開き(ステップS8)、当該フローを終了する(通常の制御フローに復帰する)。
本実施例では、原動機20と、作動油を貯留するタンク29と、原動機20によって駆動され、タンク29から吸い込んだ作動油を吐出する片傾転型可変容量式の油圧ポンプ21と、複数の油圧アクチュエータ107~109と、油圧ポンプ21の吐出油が供給される吐出油路28に接続され、油圧ポンプ21から複数の油圧アクチュエータ107~109に供給される作動油の流れを制御する方向切換弁ユニット24と、原動機20の回転数Nengおよび油圧ポンプ21の傾転qpを制御するコントローラ40とを備えた建設機械100において、油圧ポンプ21の吐出圧力Ppを検出する圧力センサ27を備え、コントローラ40は、吐出油路28とタンク29との連通を遮断し、かつ油圧ポンプ21の傾転qpをスタンバイ傾転qpsよりも小さく設定された診断用傾転qpdに保持した状態で、原動機20の回転数Nengを最小回転数Neng_minから上昇させつつ油圧ポンプ21の吐出圧力Ppを計測し、油圧ポンプ21の吐出圧力Ppが所定の圧力Psに達したときの原動機20の回転数Nengと診断用傾転qpsとに基づいて油圧ポンプ21の漏れ流量Qleakを算出する。
以上のように構成された本実施例によれば、油圧ポンプ21の吐出油路28とタンク29との連通を遮断した状態(ブリードオフ流量およびリリーフ流量がゼロの状態)で、油圧ポンプ21の傾転qpをスタンバイ傾転qpsよりも小さい診断用傾転qpdに保持し、原動機20の回転数Nengを最小回転数Nminから上昇させ、油圧ポンプ21の吐出圧力Ppが所定の圧力Psに達したときの吐出流量を算出することにより、スタンバイ流量よりも小さい微小流量の範囲で油圧ポンプ21の漏れ流量Qleakを測定することができる。これにより、油圧ポンプ21の予兆診断が可能となる。また、原動機20の回転数Nengを緩やかに上昇させることにより、漏れ流量Qleakの測定精度を向上させることができる。
本発明の第2の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
第1の実施例では、ブリードオフ閉鎖バルブ25が油圧ポンプ21のすぐ下流に位置しているため、方向切換弁ユニット24等の影響を受けることなく油圧ポンプ21の漏れ流量を測定することができる。しかし、油圧ポンプ21の吐出油でアクチュエータ107~109を駆動する建設機械100においては、油圧ポンプ21単体ではなく方向切換弁ユニット24も含めて漏れを評価することが好ましい場合もある。これは、油圧アクチュエータ107~109への圧油供給には油圧ポンプ21だけでなく方向切換弁ユニット24も大きく関わるからである。
図6は、本実施例における油圧駆動装置の回路図である。
図6において、油圧駆動装置200は、エンジン(原動機)20により駆動される可変容量式の第1および第2油圧ポンプ21a,21bと、第1油圧ポンプ21aの吐出側にパラレル接続される複数の方向切換弁24a1からなる第1方向切換弁ユニット24aと、第2油圧ポンプ21bの吐出側にパラレル接続される複数の方向切換弁24b1からなる第2方向切換弁ユニット24bとを備えている。
第1方向切換弁ユニット24aを構成する複数の方向切換弁24a1、および第2方向切換弁ユニット24bを構成する複数の方向切換弁24b1はそれぞれ油圧アクチュエータ107~109,120L,120R,121のいずれかに接続されている。そして、各方向切換弁24a1,24b1はパイロット方式(油圧式または電磁式)で切り換わるように構成されており、その切り換え操作は運転室110内に設けられた操作レバーや操作ペダル等の操作手段により行われる。また、第1および第2油圧ポンプ21a,21bからの圧油をタンク29にバイパスするバイパスライン60a,60bには、第1および第2ブリードオフ閉鎖バルブ25a,25bが設けられている。第1および第2ブリードオフ閉鎖バルブ25a,25bは、コントローラ40(図4に示す)からの指令によって第1および第2油圧ポンプ21a,21bからタンク29にバイパスされる流量(以下、ブリードオフ流量)を制御する。
ここで、油圧ショベル100に設けられる油圧アクチュエータは、油圧モータからなる左右の走行モータ120R,120L及び旋回モータ121と、ブーム104を駆動するブームシリンダ107と、アーム105を駆動するアームシリンダ108と、バケット106を駆動するバケットシリンダ109とを含む。これら油圧アクチュエータのうち、ブームシリンダ107およびアームシリンダ108については、第1および第2油圧ポンプ21a,21bからの圧油を合流させて供給できるようにしている。なお、本実施例に係る油圧駆動装置200は2台の油圧ポンプ21a,21bを備えているが、油圧ポンプの数は作業負荷等に応じて適宜変更可能である。
第1および第2油圧ポンプ21a,21bとタンク29との間には、油圧回路の最高圧力を規制するためのリリーフ弁26が設けられており、これにより油圧回路を構成する各部の保護が図られる。
本実施例は、方向切換弁ユニット24の上流側に設けられたブリードオフ閉鎖バルブ25(図2に示す)に代えて、方向切換弁ユニット24a,24bの下流側に設けられたブリードオフ閉鎖バルブ25a,25bを備えている点で第1の実施例と異なる。図6に示すように、アクチュエータへ供給される圧油の流れを制御する方向切換弁24a1,24b1が各ポンプの供給ポートに対して並列に設けられており、これら方向切換弁24a1,24b1からの圧油の漏れがポンプの漏れと同様にアクチュエータの駆動に影響を与える形となっている。
本実施例における油圧駆動装置200の各流量とポンプ吐出圧力Ppの関係は、以下の式で表される。
Figure 0007324114000004
Qpref:理論ポンプ吐出流量
Qleak:ポンプ漏れ流量
Qrelief:リリーフ流量
Qcb:センタバイパス流量(ブリードオフ流量)
Qcv:方向切換弁漏れ流量
B:体積弾性係数
V:ポンプ吐出部容積
ポンプ漏れ流量Qleakの測定時に第1の実施例と同様に回路を制御した場合、式(4)は以下のようになる。
Figure 0007324114000005
これよりポンプ漏れ流量Qleakと方向切換弁漏れ流量Qcvの合計流量が理論ポンプ吐出流量Qprefとして算出されることになり、油圧ポンプ21a,21bおよび方向切換弁ユニット24a,24bを含む圧油供給系統全体の漏れ流量を測定することが可能となる。
測定時の動作は第1の実施例と同様であるため説明を省略するが、これにより、圧油供給系統全体の漏れ流量を微小流量領域から測定できると共に、ブリードオフ流量がゼロ、リリーフ流量がゼロとなっている状況の下でポンプ吐出圧力が閾値(30MPa)を緩やかに超えた時の理論ポンプ吐出流量Qleakを通じて圧油供給系統の漏れ流量が精度良く測定され、建設機械の圧油の供給源としての損傷具合を評価することが可能となる。
本実施例における油圧ショベル100は、方向切換弁ユニット24a,24bとタンク29とを接続するバイパスライン60a,60bに設けられ、コントローラ40からの制御信号に応じて開閉するブリードオフ閉鎖バルブ25a,25bを備え、コントローラ40は、ブリードオフ閉鎖バルブ25a,25bを閉じることにより吐出油路28a,28bとタンク29との連通を遮断する。
以上のように構成した本実施例によれば、油圧ポンプ21a,21bの漏れ流量Qleakと方向切換弁ユニット24a,24bの漏れ流量Qcvとの合計流量が算出されるため、油圧ポンプ21a,21bおよび方向切換弁ユニット24a,24bを含む圧油供給系統全体の微小な漏れ流量を測定することが可能となる。
本発明の第3の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
説明する。
本実施例は通常の測定環境とは大きく異なる場合に、測定結果の評価、比較が不適当な場合における漏れ量の評価診断方法を提供することを目的としている。例えば具体的な例としては、極寒地での極寒状態で診断を実施した場合では油温が-20℃などと非常に低い場合もある。この場合、ポンプの環状すきま等から漏れる流量は一般的に油の粘度等の影響を受けるので温度環境が漏れ具合に影響することが想定される。このように作動油の暖気の有無等でも大きく温度が異なる場合では、ポンプ毎に算出された漏れ流量を定量的に評価することは適切ではない。本実施例では、このように測定環境が大きく異なる場合において、評価に適した漏れ流量を算出する方法を説明する。
図6の油圧回路構成に示すように、油圧ショベルのような建設機械においては左右の走行モータ120L,120Rが存在するため、左右の等価性を得るために同一仕様の2つの油圧ポンプを備えるのが通例である。これら2つの油圧ポンプが損傷等がなく同様な漏れ流量特性を持っている場合であれば、温度等の環境が普段と大きく異なった場合であっても2つの油圧ポンプ21a,21bの漏れ流量は同等になるはずである。逆にいえば、2つの油圧ポンプ21a,2bの漏れ流量が大きく異なる場合は、漏れ流量の大きい方の油圧ポンプが他方の油圧ポンプよりも損傷していると捉えることができる。
従って、このように温度環境が普段と大きく異なっている場合は、2つの油圧ポンプの各漏れ流量を算出する際に2つの油圧ポンプの漏れ流量の偏差の影響を加味することにより、各漏れ流量に対する温度環境の変化による影響を抑えることができより適切な漏れ診断が行えるようになる。
図7に本実施例における油圧駆動装置200の概略構成を示し、図8に本実施例における油圧ポンプ21a,21bの漏れ流量Qleak1,Qleak2の補正演算処理を示す。なお、油圧ポンプ21a,21bの漏れ流量Qleak1,Qleak2の算出方法は第1の実施例で説明した通りである。
図8に示す例では、漏れ流量Qleak1と漏れ流量Qleak1,Qleak2の偏差(=Qleak1-Qleak2)の絶対値との加重平均を補正後の漏れ流量Qleak1として算出し、漏れ流量Qleak2と漏れ流量Qleak2,Qleak1の差分(=Qleak2-Qleak1)の絶対値との加重平均を油圧ポンプ21aの補正後の漏れ流量Qleak2として算出する。
漏れ流量Qleak1,Qleak2の比重を決定する係数K1および漏れ流量Qleak1,Qleak2の偏差の絶対値の比重を決定する係数K2は、K1+K2=1の条件を満たし、かつ標準温度TにおいてK1が支配的(例えば0.9)であり、温度が低下するに従って係数K2が支配的(例えば0.9)になるように設定されている。
本実施例における油圧ショベル100は、原動機20によって駆動され、タンク29から吸い込んだ作動油を吐出する片傾転型可変容量式の第2油圧ポンプ21bと、第2油圧ポンプ21bの吐出油が供給される第2吐出油路28bに接続され、第2油圧ポンプ21bから複数の油圧アクチュエータ107~109に供給される作動油の流れを制御する第2方向切換弁ユニット24bと、第2油圧ポンプ21bの吐出圧力を検出する第2圧力センサ27bと、作動油の温度を検出する温度センサ30とを更に備え、コントローラ40は、第2吐出油路29bとタンク29との間の連通を遮断し、かつ第2油圧ポンプ21bの傾転を診断用傾転qpdに保持した状態で、原動機20の回転数Nengを最小回転数Nminから上昇させつつ第2油圧ポンプ21bの吐出圧力を計測し、第2油圧ポンプ21bの吐出圧力が所定の圧力Psに達したときの原動機20の回転数Nengと診断用傾転qp0とに基づいて第2油圧ポンプ21bの漏れ流量Qleak2を算出し、作動油の温度に応じて、第1油圧ポンプ21aおよび第2油圧ポンプ21bの各漏れ流量Qleak1,Qleak2の算出値を補正する。
以上のように構成した本実施例によれば、作動油の温度に応じて油圧ポンプ21a,21bの漏れ流量Qleak1,Qleak2を補正することにより、温度環境によらず適切な漏れ診断を行うことが可能となる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
1…ケーシング、1A…ケーシング本体、1B…ヘッドケーシング、1C…長孔、2…回転軸、3…シリンダブロック、4…シリンダ、5…ピストン、6…コネクティングロッド、6A…球形部、7…ドライブディスク、8…弁板、8A…貫通孔、9…傾転摺動面、10…センタシャフト、11…傾転機構、12…シリンダ室、12A,12B…油通孔、13A,13B…液圧室、14…サーボピストン、15…揺動ピン、15A…球形状先端部、16…制御部、17…フィードバックピン、20…エンジン(原動機)、21…油圧ポンプ(第1油圧ポンプ)、21a…油圧ポンプ(第1油圧ポンプ)、21b…油圧ポンプ(第2油圧ポンプ)、22,22a,22b…傾転制御装置、23…電磁比例弁、24…方向切換弁ユニット(第1方向切換弁ユニット)、24a…方向切換弁ユニット(第1方向切換弁ユニット)、24b…方向切換弁ユニット(第2方向切換弁ユニット)、25,25a,25b…ブリードオフ閉鎖バルブ、26…リリーフ弁、27…圧力センサ(第1圧力センサ)、27a…圧力センサ(第1圧力センサ)、27b…圧力センサ(第2圧力センサ)、28…ポンプ吐出油路(第1吐出油路)、28a…ポンプ吐出油路(第1吐出油路)、28b…ポンプ吐出油路(第2吐出油路)、29…タンク、30…温度センサ、40…コントローラ、41…測定制御部、42…バルブ制御部、43…エンジン回転数制御部、44…ポンプ傾転制御部、45…ポンプ流量算出部、46…ポンプ圧力計測部、47…漏れ流量算出部、50…モニタ、60a,60b…バイパスライン、100…油圧ショベル(建設機械)、101…走行体、102…旋回体、103…作業装置、104…ブーム、105…アーム、106…バケット、107…ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)、108…アームシリンダ(油圧アクチュエータ)、109…バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)、110…運転室、120L,120R…走行モータ(油圧アクチュエータ)、121…旋回モータ(油圧アクチュエータ)、200…油圧駆動装置。

Claims (3)

  1. 原動機と、
    作動油を貯留するタンクと、
    前記原動機によって駆動され、前記タンクから吸い込んだ作動油を吐出する片傾転型可変容量式の第1油圧ポンプと、
    複数の油圧アクチュエータと、
    前記第1油圧ポンプの吐出油が供給される第1吐出油路に接続され、前記第1油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータに供給される作動油の流れを制御する第1方向切換弁ユニットと、
    前記原動機の回転数および前記第1油圧ポンプの傾転を制御するコントローラとを備えた建設機械において、
    前記第1油圧ポンプの吐出圧力を検出する第1圧力センサを備え、
    前記コントローラは、
    前記第1吐出油路と前記タンクとの連通を遮断し、かつ前記第1油圧ポンプの傾転をスタンバイ傾転よりも小さ診断用傾転に保持した状態で、前記原動機の回転数を最小回転数から上昇させつつ前記第1油圧ポンプの吐出圧力を計測し、
    前記第1油圧ポンプの吐出圧力が所定の圧力に達したときの前記原動機の回転数と前記診断用傾転とに基づいて前記第1油圧ポンプの漏れ流量を算出し、
    前記診断用傾転は、測定可能な最小漏れ流量を前記原動機の最小回転数で割った値以下の値である
    ことを特徴とした建設機械。
  2. 請求項1に記載の建設機械において、
    前記第1方向切換弁ユニットと前記タンクとを接続するバイパスラインに設けられ、前記コントローラからの制御信号に応じて開閉するブリードオフ閉鎖バルブを更に備え、
    前記コントローラは、前記ブリードオフ閉鎖バルブを閉じることにより前記第1吐出油路と前記タンクとの連通を遮断する
    ことを特徴とする建設機械。
  3. 請求項1に記載の建設機械において、
    前記原動機によって駆動され、前記タンクから吸い込んだ作動油を吐出する片傾転型可変容量式の第2油圧ポンプと、
    前記第2油圧ポンプの吐出油が供給される第2吐出油路に接続され、前記第2油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータに供給される作動油の流れを制御する第2方向切換弁ユニットと、
    前記第2油圧ポンプの吐出圧力を検出する第2圧力センサと、
    前記作動油の温度を検出する温度センサとを更に備え、
    前記コントローラは、
    前記第2吐出油路と前記タンクとの間の連通を遮断し、かつ前記第2油圧ポンプの傾転を前記診断用傾転に保持した状態で、前記原動機の回転数を最小回転数から上昇させつつ前記第2油圧ポンプの吐出圧力を計測し、
    前記第2油圧ポンプの吐出圧力が所定の圧力に達したときの前記原動機の回転数と前記診断用傾転とに基づいて前記第2油圧ポンプの漏れ流量を算出し、
    前記作動油の温度に応じて、前記第1油圧ポンプおよび前記第2油圧ポンプの各漏れ流量の算出値を補正する
    ことを特徴とした建設機械。
JP2019187103A 2019-10-10 2019-10-10 建設機械 Active JP7324114B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019187103A JP7324114B2 (ja) 2019-10-10 2019-10-10 建設機械
PCT/JP2020/037478 WO2021070736A1 (ja) 2019-10-10 2020-10-01 建設機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019187103A JP7324114B2 (ja) 2019-10-10 2019-10-10 建設機械

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2021063524A JP2021063524A (ja) 2021-04-22
JP2021063524A5 JP2021063524A5 (ja) 2022-09-27
JP7324114B2 true JP7324114B2 (ja) 2023-08-09

Family

ID=75436815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019187103A Active JP7324114B2 (ja) 2019-10-10 2019-10-10 建設機械

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7324114B2 (ja)
WO (1) WO2021070736A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000046015A (ja) 1998-07-28 2000-02-15 Yutani Heavy Ind Ltd 油圧回路の自己診断装置
JP2013072454A (ja) 2011-09-27 2013-04-22 Daikin Industries Ltd 油圧ユニット
JP2019049204A (ja) 2017-09-07 2019-03-28 日立建機株式会社 油圧駆動装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3549989B2 (ja) * 1996-12-10 2004-08-04 日立建機株式会社 油圧作業機の油圧回路装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000046015A (ja) 1998-07-28 2000-02-15 Yutani Heavy Ind Ltd 油圧回路の自己診断装置
JP2013072454A (ja) 2011-09-27 2013-04-22 Daikin Industries Ltd 油圧ユニット
JP2019049204A (ja) 2017-09-07 2019-03-28 日立建機株式会社 油圧駆動装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021063524A (ja) 2021-04-22
WO2021070736A1 (ja) 2021-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7246297B2 (ja) 建設機械
JP6712578B2 (ja) 油圧駆動装置
CN112154271B (zh) 工程机械
WO2017115493A1 (ja) 作業機械
US11781288B2 (en) Shovel
JP6605316B2 (ja) 作業機械の駆動装置
JP7324114B2 (ja) 建設機械
JP2022024770A (ja) 建設機械
WO2019159550A1 (ja) 旋回式作業機械
WO2022102391A1 (ja) 建設機械
WO2019054234A1 (ja) 建設機械
JP2020012318A (ja) 建設機械
JP7182579B2 (ja) 作業機械
US10883245B2 (en) Hydraulic driving apparatus of work machine
JP7274887B2 (ja) 制御装置及び建設機械
JP3629382B2 (ja) 建設機械の制御装置
JP7314979B2 (ja) 建設機械におけるファン駆動制御装置
WO2023074809A1 (ja) ショベル
US20240077092A1 (en) Hydraulic pump performance deterioration detection system
US20240077091A1 (en) Hydraulic pump performance deterioration detection system
JP6901441B2 (ja) 油圧駆動装置
JP2023141257A (ja) 建設機械及びポンプシステム
JP2023150467A (ja) 作業機械
JPH04203502A (ja) ロードセンシングシステムにおけるエンジンの自動調速装置
JP2708823B2 (ja) 土木・建設機械の油圧駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220915

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230530

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230728

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7324114

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150