JP7323212B2 - トリガー装置、及び、それを備えた動物捕獲用箱罠 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された動物捕獲用箱罠は、端面に開口部を有し、地上に設置される箱罠本体と、前記箱罠本体の前記開口部の上に鉛直に係止され、自重で鉛直に落下して前記開口部を塞ぐ落とし扉と、前記落とし扉を前記開口部の上に鉛直に係止できると共に、前記箱罠本体内に侵入した動物を感知して、前記落とし扉を自重で鉛直に落下させることができる落とし扉開閉手段と、を備えている。
しかし、このような構成の動物捕獲用箱罠では、箱罠本体内に侵入した動物が逃げようとして落とし扉を跳ね上げてしまう虞があった。
特許文献2に開示された動物捕獲用箱罠は、落とし扉を有する箱罠本体と、前記箱罠本体に動物が侵入したことを感知して、前記落とし扉を閉じ動作させるトリガー機構と、前記落とし扉に設けられた戻り止め部と、前記箱罠本体に設けられ、前記落とし扉が閉じ動作するときに前記戻り止め部と協働して、前記落とし扉の反転上昇を阻止し、かつ、継続落下は許容する戻り止めピンと、を備えている。
ここで、戻り止め部は、個々が上部を残して縦コの字状に一辺を残して打ち抜かれ、等間隔で上下方向へ設けられた多数の誘導片を、同じ角度で外面側へやや曲げて形成されている。この構造により、各誘導片を打ち抜いて形成された窓部の下側の縁部は、戻り止めピンを係止させる止め縁となる。そして、戻り止めピンは、戻り止め部と協働し、落とし扉の落下途中又は落下後の反転上昇を阻止するように作用する。
また、特許文献2に開示された動物捕獲用箱罠では、「落とし扉の反転上昇を阻止する機構」が、落とし扉の形状にも特徴を有するものであるため、既存の動物捕獲用箱罠を用いる場合に、かなりの加工が必要になるという課題もある。
(1)動物捕獲用箱罠本体の落とし扉を閉じ動作させるために用いられるトリガー装置であって、
上面及び前後面が開口した、前後に延びる支持枠体と、
前記支持枠体の前端上部に前後回動自在に支持された作動棒と、
前記支持枠体の後端下部に前後回動自在に支持され、略水平状態の前記作動棒の後端部に係止可能な係止部材と、を備え、
前記作動棒が略水平状態のときに、その前部が前記支持枠体の前端から前方に突出した状態になることを特徴とする。
(3)前後の少なくともいずれか一方の端面に開口部を有し、地上に設置される箱罠本体と、
前記箱罠本体の前記開口部の上に鉛直に係止され、自重で鉛直に落下して前記開口部を塞ぐ落とし扉と、を備えた動物捕獲用箱罠であって、
前記箱罠本体の上面の前記落とし扉が存する端部に本発明のトリガー装置の上記(1)又は(2)の構成をさらに備えたことを特徴とする。
まず、本発明の一実施形態におけるトリガー装置の構成について、図1~図3を参照しながら説明する。
また、支軸3は、支持枠体2の前端上部に水平状態で回動自在に軸支されており、当該支軸3に作動棒4の前部付近が上から溶接固定されている。また、支軸5は、支持枠体2の後端下部に水平状態で回動自在に軸支されており、当該支軸5に係止部材6の下端縁が溶接固定されている。
すなわち、作動棒4の後端部を係止部材6の円孔6aに挿通させた状態(係止部材6を略水平状態の作動棒4の後端部に係止させた状態)で、作動棒4の前部によって落とし扉12の下端縁を支持することにより、箱罠本体11の開口部11fを開けた状態にしておくことができる(図1,図4,図6(a)を参照)。猪等の動物15が開口部11fから箱罠本体11内に侵入し、餌7が取り付けられたワイヤ8を引っ張ると(図6(a)の矢印Aを参照)、係止部材6が後方向に倒れて、作動棒4の後端部と係止部材6との係止状態が解除される。そして、作動棒4の前部が落とし扉12によって下向きに押され、当該作動棒4が前方向に回動する(図2,図6(b)の矢印Bを参照)。これにより、落とし扉12が自重で鉛直に落下して(図6(b)の矢印Cを参照)、箱罠本体11の開口部11fが塞がれる(閉じられる)(図6(c)を参照)。落とし扉12が落下し終えると、作動棒4が後方向に回動し(図6(b)の矢印Dを参照)、当該作動棒4の前部によって落とし扉12の反転上昇が阻止された状態となる(図3,図6(c)を参照)。
このように、本実施形態のトリガー装置1は、落とし扉12を閉じ動作させるトリガー機構と、落とし扉12の反転上昇を阻止する機構とを同一装置内に組み込んでユニット化したものとなっている。したがって、本実施形態のトリガー装置1の構成によれば、簡略化・低コスト化を図ることができる。また、動物捕獲用箱罠10自体(特に、落とし扉12)には特別な工夫を凝らす必要がないため、本実施形態のトリガー装置1は、既存の動物捕獲用箱罠にそのまま後付けして使用することもできる。
トリガー装置1の各部材は、鋼鉄で形成されている。支持枠体2は、厚みが約3.5mm、前後の長さが約195mm、高さが約50mm、左右の幅が約48mmである。作動棒4は、半径が約6mm、長さが約220mmである。また、作動棒4は、前部付近が略「へ」の字状に屈曲されており、残りの部分は真っ直ぐに延びている。そして、作動棒4の屈曲部分が支軸3に溶接固定されている。係止部材6は、厚みが約3.5mm、高さが約53mm、左右の幅が約38mmであり、円孔6aの半径は、約10mmである。ワイヤ固定部材9は、厚みが約2mm、半径が約12.5mm、孔の半径が約6mmである。
また、作動棒4の真っ直ぐに延びた後部の裏側には、当該作動棒4と同じ材質で形成された、半径約6mm、長さ約75mmの円柱状の錘4aが溶接固定されている。そして、これにより、落とし扉12が落下すると直ぐに、錘4aの重みによって作動棒4が確実に後方向に回動し、当該作動棒4の前部によって落とし扉12の反転上昇が阻止された状態となるようにされている。
次に、本実施形態における、トリガー装置を備えた動物捕獲用箱罠の構成について、図4,図5をも参照しながら説明する。
落とし扉12は、例えば、丸鋼からなる矩形状の枠体12aの内部に鉄筋12bを格子状に組み付けて構成されている。
箱罠本体11及び落とし扉12を形成する材料は、錆の発生しやすい鉄製の材料であることが好ましい。錆が発生している箱罠であれば、猪等の動物15が警戒心を抱くことがないため、捕獲率が向上する。
開口部11fの大きさは、特に猪等の動物15が侵入できる大きさであればよく、例えば、縦及び横の長さは約1~2mであることが好ましい。また、箱罠本体11の前後の長さも約1~2mであることが好ましい。
次に、本実施形態における動物捕獲用箱罠の動作について、図6をも参照しながら説明する。
このとき、作動棒4の前部が落とし扉12の重みによって下向きに強く押し下げられ、作動棒4の後端部は上方に強く押し上げられる。このため、係止部材6が簡単に後方向に倒れてしまうことはない。
この状態で、ワイヤ固定部材9にワイヤ8の基端を固定し、当該ワイヤ8を、箱罠本体11の天井面11aの後部の鉄筋14の隙間から箱罠本体11内に入れ込み、その先端に餌7を取り付ける。
2 支持枠体
2a 切欠き
3,5 支軸
4 作動棒
4a 錘
6 係止部材
6a 円孔
7 餌
8 ワイヤ
9 ワイヤ固定部材
10 動物捕獲用箱罠
11 箱罠本体
11a 天井面(上面)
11b,11c 左右の側面
11d 底面
11e 背面(後端面)
11f 開口部
12 落とし扉
12a 枠体
12b,14 鉄筋
13 金属製杆状部材
13a,13b ガイドレール
15 猪等の動物
Claims (3)
- 動物捕獲用箱罠本体の落とし扉を閉じ動作させるために用いられるトリガー装置であって、
上面及び前後面が開口した、前後に延びる支持枠体と、
前記支持枠体の前端上部に前後回動自在に支持された作動棒と、
前記支持枠体の後端下部に前後回動自在に支持され、略水平状態の前記作動棒の後端部に係止可能な係止部材と、を備え、
前記作動棒が略水平状態のときに、その前部が前記支持枠体の前端から前方に突出した状態になることを特徴とするトリガー装置。 - 前記支持枠体の底面前端に切欠きが形成された、請求項1に記載のトリガー装置。
- 前後の少なくともいずれか一方の端面に開口部を有し、地上に設置される箱罠本体と、
前記箱罠本体の前記開口部の上に鉛直に係止され、自重で鉛直に落下して前記開口部を塞ぐ落とし扉と、を備えた動物捕獲用箱罠であって、
前記箱罠本体の上面の前記落とし扉が存する端部に請求項1又は2に記載のトリガー装置をさらに備えたことを特徴とする動物捕獲用箱罠。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021121253A JP7323212B2 (ja) | 2021-07-26 | 2021-07-26 | トリガー装置、及び、それを備えた動物捕獲用箱罠 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021121253A JP7323212B2 (ja) | 2021-07-26 | 2021-07-26 | トリガー装置、及び、それを備えた動物捕獲用箱罠 |
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- 2021-07-26 JP JP2021121253A patent/JP7323212B2/ja active Active
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