複数の実施形態が、図面を参照しながら説明される。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1において、電力変換装置100は、電動車両に搭載されている。電力変換装置100は、電動車両における回転電機へ供給される電力、および、回転電機から回生される電力を制御する。なお、電動車両には、内燃機関と回転電機とを動力源とするハイブリッド自動車、および、回転電機のみを動力源とする電気自動車が含まれる。電力変換装置100は、第1回転電機1、第2回転電機2、および直流電源3を含む複数の機器の間における電力変換を提供する。
第1回転電機1および第2回転電機2は、三相交流式の回転電機である。第1回転電機1は、例えば、主として車両の走行駆動源として利用されている。第2回転電機2は、例えば、主として車両の内燃機関から出力される回転駆動力を利用して発電する発電機として利用されている。直流電源3は、例えば、リチウムイオン電池などの充放電可能な2次電池を含む、直流電圧を出力する電源ユニットである。直流電源3は、例えば、燃料電池でもよい。
電力変換装置100は、フィルタとしてのコンデンサ110、コンバータ120、平滑コンデンサ130、第1インバータ140a、第2インバータ140b、センサユニット160、および制御回路170(CNTR)を備える。
コンデンサ110は、正極ライン10Pと、負極ライン10Nとの間に設けられている。正極ライン10Pは、直流電源3の正極に接続された電力線であり、電線、および/または、バスバによって提供されている。負極ライン10Nは、直流電源3の負極に接続された電力線であり、電線、および/または、バスバによって提供されている。コンデンサ110は、直流電源3からコンバータ120に供給される直流電圧のノイズを除去するフィルタとして機能する。
コンバータ120は、電圧変換回路である。コンバータ120は、正極ライン10Pと負極ライン10Nとの間における電圧と、高電位ライン20Hと低電位ライン20Lとの間における電圧との間における電圧変換を提供する。高電位ライン20Hと低電位ライン20Lとは、第1回転電機1、および、第2回転電機2を流れる大電力のためのラインである。コンバータ120は、直流電圧を異なる電圧の直流電圧に変換する変換回路である。コンバータ120は、直流電源3と第1インバータ140aとの間、および、直流電源3と第2インバータ140bとの間における直流電圧の変換に用いられている。コンバータ120は、直流電源3から供給される直流電圧を昇圧する昇圧回路として機能する。コンバータ120は、高電位ライン20Hと低電位ライン20Lとの間における電圧を降圧する降圧回路として機能してもよい。
コンバータ120は、半導体スイッチング素子、および、リアクトル60を含む。半導体スイッチング素子は、図示される逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタによって提供されている。半導体スイッチング素子は、パワーMOSFET、SiCトランジスタなど多様な素子によって提供可能である。コンバータ120は、高電位ライン20Hと低電位ライン20Lとの間に、直列に接続された2つの半導体スイッチング素子を有する。複数の半導体スイッチング素子は、複数の半導体スイッチング素子をひとつのパッケージに収容したモジュール40によって提供されている。コンバータ120は、モジュール43を有する。コンバータ120は、リアクトル60を有する。リアクトル60は、ハイサイドの半導体スイッチング素子と、ローサイドの半導体スイッチング素子との接続点と、正極ライン10Pとの間に直列に配置されている。
平滑コンデンサ130は、高電位ライン20Hと低電位ライン20Lとの間に設けられている。平滑コンデンサ130は、高電位ライン20Hと低電位ライン20Lとの間における電圧を平滑化する機能を有する。
第1インバータ140aは、高電位ライン20Hと低電位ライン20Lとの間と、第1回転電機1との間に配置されている。第1インバータ140aは、直流電力と三相交流電力との間の直流交流変換を提供する。第1インバータ140aは、第1回転電機1に流れる電力を変換する。
第2インバータ140bは、高電位ライン20Hと低電位ライン20Lとの間と、第2回転電機2との間に配置されている。第2インバータ140bは、直流電力と三相交流電力との間の直流交流変換を提供する。第2インバータ140bは、第2回転電機2に流れる電力を変換する。
第1インバータ140aおよび第2インバータ140bは、複数の半導体スイッチング素子を含む。複数の半導体スイッチング素子は、二組の三相ブリッジ回路を提供している。第1インバータ140aおよび第2インバータ140bにおけるハイサイドの半導体スイッチング素子と、ローサイドの半導体スイッチング素子とは、モジュール40によって提供されている。第1インバータ140aおよび第2インバータ140bは、複数のモジュール40を含む。第1インバータ140aは、3つのモジュール41を有する。第2インバータ140bは、3つのモジュール42を有する。図示の例では、電力変換装置100は、7つのモジュール40を有する。
図示の例では、ひとつのモジュール40は、2つの半導体スイッチング素子を有する。これに代えて、ひとつのモジュール40は、多様な数の半導体スイッチング素子を備えることができる。ひとつのモジュール40は、例えば、一組の三相ブリッジ回路を収容してもよい。また、ひとつのモジュール40は、ハイサイドまたはローサイドの複数の半導体スイッチング素子を収容してもよい。ひとつのモジュール40に収容される半導体スイッチング素子の数、および、回路構成は、多様に変更可能である。
センサユニット160は、電力変換装置100の各部に流れる電流を検出する。センサユニット160は、第1インバータ140aと第1回転電機1との間の第1電流I1を検出する。センサユニット160は、第2インバータ140bと第2回転電機2との間の第2電流I2を検出する。センサユニット160は、コンバータ120に流れる第3電流I3を検出する。センサユニット160は、検出対象としての導電体に近接して配置されたコアレス電流センサを備える。センサユニット160は、複数の導電体としての複数のバスバを備える。センサユニット160は、複数のコアレス電流センサを備える。コアレス電流センサは、検出対象である電流が生成する磁束を集束するための大きい磁束コアを備えることなく、検出対象である電流が生成する磁束を検出する。
制御回路170は、回路、または、回路群である。制御回路170は、制御装置とも呼ばれる。制御回路170は、コンバータ120、第1インバータ140a、および第2インバータ140bにおける複数の半導体スイッチング素子の作動を制御する機能を発揮する。制御回路170は、例えば、制御用のソフトウェアを記録したメモリ、およびソフトウェアを実行するプロセッサを含むマイクロコンピュータを含む。制御回路170は、センサユニット160で検出された電流などに基づいて複数の半導体スイッチング素子の作動を制御することにより、電力変換を制御する。制御回路170は、例えば、車両内または車両外に設置された上位制御装置からの指令に応答するように構成されている。制御回路170は、例えば、上位制御装置からの出力トルク要求信号に基づいて、第1回転電機1、および/または、第2回転電機2の各相に流す電流の目標変動パターンを設定する。制御回路170は、センサユニット160によって第1回転電機1、第2回転電機2、および、コンバータ120に流れる電流をモニタする。制御回路170は、目標変動パターンを実現するように、第1インバータ140a、および/または、第2インバータ140bをフィードバック制御する。
電力変換装置100は、例えば、直流電源3から供給される直流電圧を三相交流に変換して、第1回転電機1へ供給する。電力変換装置100は、直流電源3に充電された電力を使用して、第1回転電機1によって、車両を駆動する。この運転モードは、EV駆動モードと呼ばれる。電力変換装置100は、例えば、内燃機関の回転駆動力で発電している第2回転電機2から供給される三相交流を、周波数などの異なる三相交流に変換して、第1回転電機1に供給する。電力変換装置100は、内燃機関の回転駆動力を用いて発電した電力を使用して、第1回転電機1によって、車両を駆動する。この運転モードは、インラインHV駆動モードと呼ばれる。
さらに、電力変換装置100は、例えば、第1回転電機1、および/または、第2回転電機2を発電機として機能させ、直流電源3へ充電する回生駆動モードを提供する場合がある。上記電流関係は、回生駆動モードにおいて提供される場合がある。なお、第1回転電機1および第2回転電機2の用途は、上述したものに限られず、利用される車両の設計に応じて適宜変更や追加、入れ替え可能である。従って、電力変換装置100の作動も、上述したものに限られず適宜変更や追加、入れ替え可能である。
第1回転電機1と第1インバータ140aとを含む回路は、制御可能な第1電流I1が流れる第1スイッチ回路LD1を提供する。第1スイッチ回路LD1は、通電経路を提供する電線、および/または、バスバを含む。言い換えると、第1スイッチ回路LD1は、第1第1電流を制御する。第2回転電機2と第2インバータ140bとを含む回路は、制御可能な第2電流I2が流れる第2スイッチ回路LD2を提供する。第2スイッチ回路LD2は、通電経路を提供する電線、および/または、バスバを含む。言い換えると、第2スイッチ回路LD2は、第2電流I2を制御する。コンバータ120は、制御可能な第3電流I3が流れる第3スイッチ回路LD3を提供する。第3スイッチ回路LD3は、通電経路を提供する電線、および/または、バスバを含む。言い換えると、第3スイッチ回路LD3は、第3電流I3を制御する。複数のスイッチ回路LD1、LD2、LD3は、負荷回路とも呼ばれる。よって、第1スイッチ回路LD1は、第1回転電機1の電力を制御する第1インバータ140aを含む。第2スイッチ回路LD2は、第2回転電機2の電力を制御する第2インバータ140bを含む。第3スイッチ回路LD3は、直流電源3と第1インバータ140aとの間、および、直流電源3と第2インバータ140bとの間における電圧変換を提供するコンバータ120を含む。
複数のスイッチ回路を流れる電流の電流関係は、下記第1条件および第2条件((1)式および(2)式)を満たす。
第1条件:I1>I2・・・(1)式
第2条件:I1>I3・・・(2)式
上記(1)式および(2)式で示される電流関係は、第1回転電機1、第2回転電機2、および、コンバータ120の役割設定によって実現可能である。例えば、第1回転電機1を走行用の主力動力源とすることにより、上記電流関係を実現できる。また、第1回転電機1および第2回転電機2と、車両の駆動輪との間に配置される動力伝達系統の構成によっても、上記電流関係は実現可能である。動力伝達系統の構成は、遊星歯車など多様な構成を利用可能である。上記(1)式および(2)式で示される電流関係は、制御回路170による制御によって実現される場合がある。電力変換装置100は、例えば、コンバータ120、第1インバータ140a、および、第2インバータ140bを制御することにより、複数の異なる運転モードを提供する。複数の運転モードは、第1スイッチ回路LD1に流れる第1電流I1と、第2スイッチ回路LD2に流れる第2電流I2と、第3スイッチ回路LD3に流れる第3電流I3とのうち、第1電流I1が最大となる高電流駆動モードを含む場合がある。上記電流関係は、上記EV駆動モードにおいて提供される場合がある。上記電流関係は、上記インラインHV駆動モードにおいて提供される場合がある。
さらに、上記(1)式および(2)式で示される電流関係は、複数のスイッチ回路LD1、LD2、LD3(後述のスイッチユニット140)と平滑コンデンサ130との間に流れる電流にもあらわれる。第1スイッチ回路LD1と平滑コンデンサ130との間に流れる電流は、第2スイッチ回路LD2と平滑コンデンサ130との間に流れる電流より大きい。第1スイッチ回路LD1と平滑コンデンサ130との間に流れる電流は、第3スイッチ回路LD3と平滑コンデンサ130との間に流れる電流より大きい。図示の構成によると、第1スイッチ回路LD1において、ジュール熱に起因する発熱量が最も大きい。また、第1電流I1の大きさに起因して、第1スイッチ回路LD1において、インダクタンス成分に起因するサージ電圧が最も大きい。
図2および図3において、電力変換装置100における複数の部品の配置が図示されている。図2は、図3の矢印II方向における側面図である。図3は、図2の矢印IIIにおける平面図である。図2および図3において、便宜的に、高さ方向XD、幅方向YD、および、奥行き方向ZDを含む直交座標系が示されている。高さ、幅、および、奥行きの呼び名は、便宜的なものであって、電力変換装置100の設置姿勢を限定的に示すものではない。電力変換装置100は、重力方向に対して多様な姿勢をとることができる。電力変換装置100は、ケース90を有する。ケース90は、電力変換装置100のための複数の部品を収容している。
電力変換装置100は、複数のモジュール40を備える。それぞれのモジュール40は、平板状の半導体モジュールである。それぞれのモジュール40は、高電位端子44H、低電位端子44L、および接続点端子44Mを含む三つの電力端子44を備える。電力端子44は、主端子とも呼ばれる。高電位端子44Hは、高電位ライン20Hに接続されている。低電位端子44Lは、低電位ライン20Lに接続されている。接続点端子44Mは、ハイサイドの半導体スイッチング素子と、ローサイドの半導体スイッチング素子との接続点である。接続点端子44Mは、第1回転電機1、第2回転電機2、または、リアクトル60に接続されている。それぞれのモジュール40は、制御信号およびモニタ信号のための複数の制御端子45を備えている。複数の制御端子45は、制御回路170に接続されている。複数の電力端子44、および、複数の制御端子45は、モジュール40の縁から高さ方向XDに沿って延びだしている。
複数のモジュール40は、奥行き方向ZDに沿って積層的に配列されている。複数のモジュール40は、それぞれの板状主平面が平行となるように、かつ、それぞれの板状主平面が重複するように配列されている。複数のモジュール40は、奥行き方向ZDに沿って、それぞれの縁を揃えるように配列されている。複数のモジュール40は、少なくとも高電位端子44H、および、低電位端子44Lを含む複数の電力端子44を提供している。複数の電力端子44は、複数の列を形成するように配列されている。三つの電力端子44は、モジュール40における高さ方向XDに面する側面から高さ方向XDに突出している。異なるモジュール40から突出している同種の電力端子44は、奥行き方向ZDに沿ってひとつの列を形成するように配列されている。言い換えると、複数のモジュール40は、複数の電力端子44が、複数の列をなすように、奥行き方向ZDに沿って配列されている。以下の説明において、奥行き方向ZDは、配列方向とも呼ばれる。また、配列方向における、複数の電力端子44が位置づけられた範囲は、配列範囲RGとも呼ばれる。
電力変換装置100は、複数のモジュール40を冷却するための冷却器50を備える。冷却器50は、水などの冷却媒体が流通する流路を有する。複数のモジュール40と冷却器50とは、液冷式のスイッチユニット140を提供している。よって、スイッチユニット140は、半導体スイッチング素子を収容し、電力端子44を有する複数のモジュール40を備える。スイッチユニット140は、複数のモジュール40を冷却する冷却器50を備える。
スイッチユニット140は、コンバータ120、第1インバータ140a、および、第2インバータ140bのための複数のモジュール40を含む。言い換えると、スイッチユニット140は、第1スイッチ回路LD1、第2スイッチ回路LD2、および、第3スイッチ回路LD3における主要な発熱部品である複数のモジュール40を含む。この結果、スイッチユニット140は、配列方向に沿って配列された複数の電力端子44を有する。スイッチユニット140において、複数の電力端子44は、配列方向に沿って3列に配列されている。複数の電力端子44は、1列、2列、3列、4列など多様な数の多列に配列されてもよい。
言い換えると、スイッチユニット140は、第1スイッチ回路LD1、第2スイッチ回路LD2、および、第3スイッチ回路LD3の複数の電力端子44が配列範囲RGにわたって、所定の順に配列されている。複数の電力端子44は、第1スイッチ回路LD1の電力端子44の両側に、第2スイッチ回路LD2の電力端子44、および、第3スイッチ回路LD3の電力端子44が位置するように配列されている。言い換えると、所定の順は、第2スイッチ回路LD2、第1スイッチ回路LD1、第3スイッチ回路LD3の順である。
第1スイッチ回路LD1は、複数のモジュール41を備える。第2スイッチ回路LD2は、複数のモジュール42を備える。第3スイッチ回路LD3は、モジュール43を備える。第3スイッチ回路LD3は、複数のモジュール43を備えていてもよい。モジュール42は、スイッチユニット140における端部に位置している。モジュール43は、スイッチユニット140における端部に位置している。モジュール41は、スイッチユニット140において、モジュール42と、モジュール43との間に位置している。第1電流I1が流れるモジュール41は、第1電流I1より小さい第2電流I2が流れるモジュール42と、第1電流I1より小さい第3電流I3が流れるモジュール43との間に位置している。スイッチユニット140における中間領域にモジュール41が位置づけられており、両方の端部領域にモジュール42、43がそれぞれ位置づけられている。
コンデンサユニット30およびセンサユニット160は、幅方向YDにおいて、スイッチユニット140の横に配置されている。コンデンサユニット30およびセンサユニット160は、スイッチユニット140の両側に分かれて配置されている。言い換えると、スイッチユニット140の両側にセンサユニット160とコンデンサユニット30とが離れて配置されている。複数の高電位端子44Hは、三つの電力端子44の中において、最もコンデンサユニット30に近い位置に配置されている。複数の低電位端子44Lは、三つの電力端子44の中において、接続点端子44Mと高電位端子44Hとの間に配置されている。複数の接続点端子44Mは、三つの電力端子44の中において、最もセンサユニット160に近い位置に配置されている。なお、複数の電力端子44の配置は、互いに入替え可能である。
センサユニット160は、複数の検出部161、162、163を有する。検出部161、162、163は、接続点端子44Mを流れる電流を検出し、検出信号を制御回路170に出力する。センサユニット160は、制御回路170に接続されている。センサユニット160において、それぞれの検出部161、162、163は、図3に部分的な破断図として示される要素を備える。センサユニット160は、絶縁樹脂製のボディ内に複数の検出部161、162、163を収容している。センサユニット160は、端子台を兼ねている。
複数の検出部161、162、163のそれぞれは、バスバ165を有する。バスバ165は、外部接続のための端子165aと、接続点端子44Mとの接続のための端子165bとを有する。バスバ165は、少なくとも1つの曲がり部を有する。バスバ165は、例えば、クランク状である。センサユニット160は、複数の検出部161、162、163にわたって広がる磁気的なシールド板169、169を有する。シールド板169、169は、センサユニット160の外部から到来する外部磁束に対する遮蔽を提供する。センサユニット160は、複数の検出部161、162、163にわたって広がる支持部材としての回路基板168を有する。複数の検出部161、162、163のそれぞれは、回路基板168に搭載されたコアレス型の電流センサである素子167を有する。素子167は、第1電流I1、第2電流I2、および、第3電流I3を検出する。素子167は、バスバ165に近接して配置されている。素子167は、バスバ165に流れる電流に起因する磁束を検出することにより、電流を示す信号を出力する。
検出部161は、第1スイッチ回路LD1に流れる第1電流I1を検出する。検出部161におけるバスバ165は、第1スイッチ回路LD1に所属している。センサユニット160は、3相電力を検出するために、3つの検出部161を備える。3つの検出部161は、一群の検出部161を形成するように配置されている。一群の検出部161は、スイッチユニット140の横に配置されている。一群の検出部161は、第1スイッチ回路LD1に属する複数の接続点端子44Mの横に配置されている。
検出部162は、第2スイッチ回路LD2に流れる第2電流I2を検出する。検出部162におけるバスバ165は、第2スイッチ回路LD2に所属している。センサユニット160は、3相電力を検出するために、3つの検出部162を備える。3つの検出部162は、一群の検出部162を形成するように配置されている。一群の検出部162は、スイッチユニット140の横に配置されている。一群の検出部162は、第2スイッチ回路LD2に属する複数の接続点端子44Mの横に配置されている。
検出部163は、第3スイッチ回路LD3に流れる第3電流I3を検出する。検出部163におけるバスバ165は、第3スイッチ回路LD3に所属している。センサユニット160は、コンバータ120における単相電力を検出するために、1つの検出部163を備える。コンバータ120が複数の検出対象を有する場合、センサユニット160は、複数の検出部163を備えていてもよい。検出部163は、一群の検出部163を形成するように配置されている。一群の検出部163は、スイッチユニット140の横に配置されている。一群の検出部163は、第3スイッチ回路LD3に属する接続点端子44Mの横に配置されている。
一群の検出部161は、配列方向に関して、一群の検出部162と、一群の検出部163との間に配置されている。センサユニット160は、複数の電力端子44の配列方向に沿って、複数の電力端子44の配列範囲RGにわたって広がっている。図示の例では、センサユニット160は、奥行き方向ZDに沿って、すべての接続点端子44Mにわたって延びている。この配置は、センサユニット160におけるノイズ抑制効果、または、熱集中の回避効果に関して有利な効果をもたらす場合がある。
リアクトル60は、奥行き方向ZDにおいて、スイッチユニット140の横に配置されている。リアクトル60は、コンデンサユニット30、スイッチユニット140、および、センサユニット160にわたって配置されている。制御回路170は、高さ方向XDにおいて、スイッチユニット140の上に配置されている。制御回路170における回路基板は、スイッチユニット140の上において、複数の制御端子45と接続されている。なお、スイッチユニット140に対する、コンデンサユニット30、リアクトル60、センサユニット160、および、制御回路170の配置は、図示の配置に限定されない。
高電位ライン20Hは、バスバ131によって提供されている。バスバ131は、複数の高電位端子44Hと電気的に接続されている。バスバ131は、電気的な接続のための複数の接続部132を有する。接続部132は、バスバ131に開設された切り起こし片によって提供されている。低電位ライン20Lは、バスバ133によって提供されている。バスバ133は、複数の低電位端子44Lと電気的に接続されている。バスバ133は、電気的な接続のための複数の接続部134を有する。接続部134は、バスバ131に開設された切り起こし片によって提供されている。バスバ133は、バスバ131よりやや長い。
バスバ131は、後述の並列接続部135と複数の電力端子44との間にブリッジ部136を有する。バスバ133も、ブリッジ部136を有する。バスバ131のブリッジ部と、バスバ133のブリッジ部とは、重複している。バスバ131のブリッジ部と、バスバ133のブリッジ部とは、同じ形状である。ブリッジ部136は、平板状である。ブリッジ部136は、配列範囲RGにわたる幅をもつ四辺形である。ブリッジ部136は、配列範囲RGよりやや広い幅を有している。ブリッジ部136は、四辺形の全体において導電経路を提供する。ブリッジ部136は、配列範囲RGの少なくとも中間部において、後述の並列接続部135と複数の電力端子44とを電気的に接続している。四辺形のブリッジ部136は、中間部を含む配列範囲RGの全体で後述の並列接続部135と複数の電力端子44とを電気的に接続している。ブリッジ部136は、複数のコンデンサ素子30aと複数の電力端子44との間において、配列範囲RGの全体にわたって無数の導電経路を提供している。
バスバ131、133は、互いに重複するように平行に配置されている。なお、図示においては、2つのバスバ131、133の存在を示すために、バスバ131とバスバ133とは、わずかにずれて図示されている。バスバ131、133は、複数の高電位端子44Hと複数の低電位端子44Lとが配置されている2次元の範囲にわたって2次元状に広がっている。バスバ131、133は、複数の電力端子44の配列方向に沿って、複数の電力端子44の配列範囲RGにわたって延びている。バスバ131、133は、それらの間に配置された電気的な絶縁部材を備えていてもよい。
バスバ131、133は、コンデンサユニット30に収容されたコンデンサ素子30aを接続するためのバスバでもある。バスバ131、133は、コンデンサバスバとも呼ばれる。バスバ131、133は、複数のコンデンサ素子30aを並列接続するための並列接続部135を有する。バスバ131が有する並列接続部135と、バスバ133が有する並列接続部135との間に、複数のコンデンサ素子30aが並列接続されている。
コンデンサユニット30は、複数の電力端子44の配列方向に沿って、複数の電力端子44の配列範囲RGにわたって延びている。コンデンサユニット30は、奥行き方向に関して、配列範囲RGを越えて延びだしている。並列接続部135は、複数の電力端子44の配列方向に沿って、複数の電力端子44の配列範囲RGにわたって延びている。
コンデンサユニット30は、並列接続された複数のコンデンサ素子30aを有する。図示では、3つのコンデンサ素子30aが例示されている。コンデンサユニット30は、ひとつ、ふたつ、または、4以上のコンデンサ素子30aを有していてもよい。また、コンデンサユニット30は、平滑コンデンサ130に加えて、コンデンサ110を収容していてもよい。
バスバ131は、複数の電力端子44に電気的に接続された複数の接続部132を有する。バスバ133は、複数の電力端子44に電気的に接続された複数の接続部134を有する。バスバ131は、複数のコンデンサ素子30aを並列接続する並列接続部135を有する。バスバ133は、複数のコンデンサ素子30aを並列接続する並列接続部135を有する。ブリッジ部136は、複数の接続部132、134と並列接続部135との間に配置されている。バスバ131、133のそれぞれは、配列範囲RGにわたる広い奥行き方向ZDの幅をもち、この幅にわたって複数の電力端子44と並列接続部135とを電気的に接続している。バスバ131、133のそれぞれの中には、少なくとも配列範囲RGにおける中間範囲において、複数の電力端子44とコンデンサユニット30とを接続するブリッジ部136が含まれている。図示されるブリッジ部136は、広い板状のバスバ131、133の一部において仮想された導体部分を示している。よって、バスバ131、133は、配列範囲RGにわたる幅をもつ。ブリッジ部136は、バスバ131、133の一部において仮想された導体部分である。ブリッジ部136は、少なくとも第1スイッチ回路LD1に含まれる複数の電力端子44が配列された中間範囲において、複数の電力端子44とコンデンサユニット30との間を直線的に接続している。
図4において、コンデンサユニット30に含まれる複数のコンデンサ素子30aと、複数のスイッチ回路LD1、LD2、LD3との間における距離TL1、TL2、TL3が図示されている。距離TL1、TL2、TL3は、電流の経路として想定される距離である。距離TL1は、複数のコンデンサ素子30aとモジュール41との間の距離の合計値である。距離TL2は、複数のコンデンサ素子30aとモジュール42との間の距離の合計値である。距離TL3は、複数のコンデンサ素子30aとモジュール43との間の距離である。複数のモジュール43を含む場合、距離TL3は、複数のコンデンサ素子30aとモジュール43との間の距離の合計値である。
図示の構成では、複数の電力端子44は、配列方向(奥行き方向ZD)に沿って配列されている。しかも、第1スイッチ回路LD1に所属するモジュール41は、スイッチユニット140の端部ではなく、スイッチユニット140中間部位に位置づけられている。さらに、スイッチユニット140の横に配置されたコンデンサユニット30は、配列方向に沿って、配列範囲RGにわたって延びている。さらに、コンデンサユニット30とモジュール41とは、配列方向における中間部位においてバスバ131、133によって接続されている。この結果、距離TL1は、距離TL2より短く(TL1<TL2)、かつ、距離TL3より短く(TL1<TL3)設定される。言い換えると、第1スイッチ回路LD1に所属するモジュール41のための電気的な経路の距離TL1を、複数のスイッチ回路の中で最短とすることができる。
相対的に短い距離TL1は、電気的な抵抗成分の抑制を可能とする。抵抗成分は、直流成分と交流成分とを含む。この結果、比較的大きい第1電流I1が流れる第1スイッチ回路LD1におけるジュール熱の発生が抑制される。この結果、さらなる高出力化、小型化、または、低コスト化を図ることができる。また、別の観点では、ジュール熱の抑制により、コンデンサ素子30aを含む部品の耐久性を高めることができる。
相対的に短い距離TL1は、電気的なインダクタンス成分の抑制を可能とする。この結果、比較的大きい第1電流I1に起因して、比較的大きいサージ電圧が発生する第1スイッチ回路LD1におけるサージ電圧が抑制される。この結果、さらなる高出力化、小型化、または、低コスト化を図ることができる。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、バスバ131およびバスバ133は、四辺形のブリッジ部136を有する。これに代えて、バスバ131、133は、多様な形状によって提供することができる。この実施形態では、バスバ131、133は、ブリッジ部236を有する。この実施形態に開示されたバスバ131、または、バスバ133は、この明細書に開示された他の実施形態におけるバスバ131、または、133に代替することができる。
図5において、バスバ131、133は、複数の電力端子44のそれぞれに接続される複数の舌片部237と、複数の舌片部237が接続された共通部238とを有する。共通部238は、複数のスイッチ回路LD1、LD2、LD3にわたって共通の導電部材である。よって、複数の接続部132、134は、共通部238において電気的に接続されている。複数の舌片部237、および、共通部238は、櫛歯状の形状を与えている。
さらに、バスバ131、133は、ブリッジ部236を有する。ブリッジ部236は、くびれ形状239によって特徴づけられている。くびれ形状239は、配列範囲RGにおける中間範囲だけを電気導体部分として残して形成されている。よって、ブリッジ部236は、中間範囲のみにおいて並列接続部135と共通部238とを接続するくびれ形状239をもつ。くびれ形状239は、配列範囲RGにおける中間範囲だけにおいて、複数のモジュール40とコンデンサユニット30とを接続している。中間範囲は、中央を含む場合がある。中間範囲は、中央からいずれか一方へ偏っている場合がある。中間範囲は、両側に位置する2つの端部範囲の間に位置している。
この結果、コンデンサユニット30を流れる電流は、ブリッジ部236を経由して流れる。この実施形態でも、第1スイッチ回路LD1に所属するモジュール41のための電気的な経路の距離を、複数のスイッチ回路の中で最短とすることができる。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、バスバ131およびバスバ133は、複数のスイッチ回路LD1、LD2、LD3にわたって共通である。これに代えて、バスバ131、133は、複数のスイッチ回路LD1、LD2、LD3のそれぞれのために分岐することができる。この実施形態では、バスバ131、133は、複数のスイッチ回路LD1、LD2、LD3のそれぞれのために分岐している。よって、バスバ131、133は、複数のブリッジ部336を有する。この実施形態に開示されたバスバ131、または、バスバ133は、この明細書に開示された他の実施形態におけるバスバ131、または、133に代替することができる。
図6において、バスバ131、133は、複数の電力端子44のそれぞれに接続される複数の舌片部337を有する。さらに、バスバ131、133は、複数のスイッチ回路のそれぞれのための複数の共通部338を有する。よって、複数の接続部132、134は、共通部338において電気的に接続されている。共通部338は、スイッチ回路ごとに設けられた、複数の共通部338a、338b、338cを有する。バスバ131、133は、第1スイッチ回路LD1のための複数の舌片部337が接続された共通部338aを有する。バスバ131、133は、第2スイッチ回路LD2のための複数の舌片部337が接続された共通部338bを有する。バスバ131、133は、第3スイッチ回路LD3のための舌片部337が接続された共通部338cを有する。複数の舌片部337、および、共通部338は、複数のスイッチ回路のそれぞれのために、櫛歯状の形状を与えている。
さらに、バスバ131、133は、ブリッジ部336を有する。ブリッジ部336は、くびれ形状339によって特徴づけられている。くびれ形状339は、配列範囲RGにおける中間範囲を電気導体部分として残して形成されている。よって、ブリッジ部336は、中間範囲のみにおいて並列接続部135と共通部338bとを接続するくびれ形状339bをもつ。
くびれ形状339aは、配列範囲RGにおける中間範囲において、複数のモジュール41とコンデンサユニット30とを接続している。くびれ形状339bは、配列範囲RGにおける端部範囲において、複数のモジュール42とコンデンサユニット30とを接続している。くびれ形状339cは、配列範囲RGにおける端部範囲において、モジュール43とコンデンサユニット30とを接続している。第3スイッチ回路LD3が複数のモジュール43を備える場合、くびれ形状339cは、複数のモジュール43とコンデンサユニット30とを接続する。この実施形態でも、中間範囲は、両側に位置する2つの端部範囲の間に位置している。この結果、コンデンサユニット30を流れる電流は、ブリッジ部336を経由して流れる。この実施形態でも、第1スイッチ回路LD1に所属するモジュール41のための電気的な経路の距離を、複数のスイッチ回路の中で最短とすることができる。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、バスバ131およびバスバ133は、分岐部を提供する共通部238、338を有する。これに代えて、バスバ131およびバスバ133は、共通部なしで複数の電力端子44と並列接続部135とを接続してもよい。この実施形態に開示されたバスバ131、または、バスバ133は、この明細書に開示された他の実施形態におけるバスバ131、または、133に代替することができる。
図7において、バスバ131、133は、複数の電力端子44のそれぞれに接続される複数の舌片部437を有する。さらに、バスバ131、133は、ブリッジ部436を有する。ブリッジ部436は、舌片部437と同じ幅を有する。ブリッジ部436は、複数の舌片部437のそれぞれと、並列接続部135との間を直線的に接続している。言い換えると、ブリッジ部436は、複数の接続部132、134のそれぞれと並列接続部135とを接続している。この実施形態でも、第1スイッチ回路LD1に所属するモジュール41のための電気的な経路の距離を、複数のスイッチ回路の中で最短とすることができる。
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形形態を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
明細書および図面等における開示は、請求の範囲の記載によって限定されない。明細書および図面等における開示は、請求の範囲に記載された技術的思想を包含し、さらに請求の範囲に記載された技術的思想より多様で広範な技術的思想に及んでいる。よって、請求の範囲の記載に拘束されることなく、明細書および図面等の開示から、多様な技術的思想を抽出することができる。