JP7322703B2 - 画像処理装置、画像処理装置の画像処理方法、プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理装置の画像処理方法、プログラム Download PDF

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Description

本技術は、撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する画像処理装置、及びその方法、さらには仮想視点画像を生成するためのプログラムの技術分野に関する。
撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、三次元空間上の任意視点からの観察画像に相当する仮想視点画像(自由視点画像又は自由視点映像とも呼ばれる)を生成する技術が知られている。
なお、関連する従来技術については下記特許文献1を挙げることができる。
該特許文献1では、複数の撮像装置による撮像画像に基づいて3Dモデルを生成し、被写体(人物)の注目部位が画像上見えるように視点を設定し、設定した視点による仮想視点画像を生成することが開示されている。本文献では、被写体としての人物が移動することを前提としておらず、一度視点を設定すると、視点は固定されたままであり、仮に、対象としている被写体が移動したときには視点が追従しないものとなる。
特開2016-77346号公報
仮想視点画像では、視点を自由に動かすことが可能であり、特に動画像としての仮想視点画像では時間経過と共に視点がダイナミックに変化する臨場感の高い画像を提供可能となる。
しかしながら、従来、仮想視点画像の視点設定は、一般的に画像編集者等が手動により行っている。これは、仮想視点画像の生成に係る作業負担を増大させており、望ましくない。
本技術は上記の事情に鑑み為されたものであり、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図ることを目的とする。
本技術に係る画像処理装置は、撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する仮想視点画像生成部を備え、前記仮想視点画像生成部は、前記被写体の動きに追従して前記視点を設定するものである。
上記のように被写体の動きに追従した視点設定とすることで、視点の設定に係る操作負担を軽減することが可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記三次元情報に基づいて前記被写体の解析情報を取得する被写体解析部を備え、前記仮想視点画像生成部は、前記解析情報に基づき、前記仮想視点画像の視点設定に用いられる基準位置を設定することが望ましい。
これにより、基準位置に基づいた多様な視点設定が可能とされると共に、視点の被写体への追従が容易化される。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、複数の撮像装置の撮像画像と前記撮像画像に対応する撮像条件とを含む撮像情報に基づいて前記三次元情報を生成する三次元情報生成部を備えることが望ましい。
このように複数の撮像装置の撮像画像と撮像条件とを含む撮像情報を用いることで、適切な三次元情報が得られるようにする。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記被写体として人物が対象とされており、前記仮想視点画像生成部は、前記基準位置を前記人物の身体的中心に設定することが望ましい。
身体的中心は、例えば人物の両肩間の中心、胴体の上下左右中心、顔中心、或いは足下中心等、人物の身体的な中心を意味する。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像生成部は、前記視点を前記被写体の位置情報に基づき設定することが望ましい。
これにより、被写体を捉え易い視点設定が可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記被写体として人物が対象とされており、前記仮想視点画像生成部は、前記視点を前記被写体の属性情報に基づき設定することが望ましい。
これにより、被写体の属性情報から特定される被写体の位置に基づいて視点を自動設定することが可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像生成部は、前記視点を前記三次元空間上に指定されたエリア情報に基づき設定することが望ましい。
これにより、三次元空間上の特定エリア内に存在する被写体の位置に基づいて視点を自動設定することが可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像生成部は、前記視点を操作入力に基づき設定することが望ましい。
これにより、視点設定の操作負担軽減を図りながら、使用者の意図を反映した視点設定が可能となる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像を表示する表示部を備え、前記表示部は、前記視点の設定手法が異なる複数の前記仮想視点画像を候補視点画像として順送りに表示し、前記仮想視点画像生成部は、前記候補視点画像についての選択操作に基づき前記視点を設定することが望ましい。
これにより、使用者に対して実際に画像内容を確認させながら好みの視点を選択させることが可能とされる。また、順送り表示であるため比較的大きな候補視点画像の表示ができ、使用者に画像細部まで確認させながらの視点選択を行わせることが可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像を表示する表示部を備え、前記表示部は、前記視点の設定手法が異なる複数の前記仮想視点画像を候補視点画像として並べて表示し、前記仮想視点画像生成部は、前記候補視点画像についての選択操作に基づき前記視点を設定することが望ましい。
これにより、使用者に対して実際に画像内容を確認させながら好みの視点を選択させることが可能とされる。また、候補視点画像を並べて表示するため使用者に複数の候補視点画像を同時比較させながらの視点選択を行わせることが可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像生成部は、前記視点として、前記被写体を観察する視点と前記被写体から外方を観察する視点との切り替えを可能とすることが望ましい。
これにより、設定可能な視点の多様化が図られる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像生成部は、前記視点を、操作に応じて前記被写体の周囲を覆う球面に沿って設定することが望ましい。
これにより、使用者が操作により設定可能な視点位置の自由度が高まる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記被写体として人物が対象とされており、前記仮想視点画像生成部は、前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定すると共に、前記一人称視点からの視線方向の設定手法を、前記被写体の向きに係る解析情報の取得状況に基づき選択することが望ましい。
これにより、例えば被写体の顔の向きや身体向き等、被写体の向きに係る解析情報の取得状況に応じた適切な視線方向の設定を行うことが可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像生成部は、前記視線方向の設定手法を、前記取得状況と前記被写体の向きの変化速度とに基づき選択することが望ましい。
これにより、例えば被写体の顔の向きや身体向き等、被写体の向きに係る解析情報が取得されていても、その変化速度が速い場合には該解析情報を用いずに視線方向を設定する等、被写体の向きの変化速度に応じた視線方向の設定を行うことが可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記仮想視点画像生成部は、前記視線方向を、前記取得状況と前記被写体の進行方向とに基づき設定することが望ましい。
これにより、被写体の向きに係る解析情報が取得できないときは被写体の進行方向(被写体の位置の変化方向)に基づき視線方向を設定することが可能とされる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記被写体として人物が対象とされており、前記仮想視点画像生成部は、前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定し、前記視点からの視線方向を前記被写体の向きに係る解析情報に基づき設定し、前記視線方向と前記被写体の視線の向きとのずれに応じた情報をユーザに報知するための処理を行う報知処理部を備えることが望ましい。
上記のような視線方向と被写体の視線の向きとのずれに応じた情報の報知が行われることで、ユーザは、仮想視点画像の視線方向を被写体の視線の向きに合わせ易くなる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記報知処理部は、前記仮想視点画像の視線方向を前記被写体の視線の向きに一致させるための視線合わせ案内情報を前記仮想視点画像と共に表示させるための処理を行うことが望ましい。
上記のような視線合わせ案内情報が仮想視点画像と共に表示されることで、ユーザは、仮想視点画像の視線方向を被写体の視線の向きに合わせ易くなる。
上記した本技術に係る画像処理装置においては、前記報知処理部は、前記被写体の視線の向きに基づき前記被写体の視野を推定し、前記仮想視点画像における前記被写体の視野との重複部分と非重複部分とについて、両部分を異なる表示態様で表示させる処理を行うことが望ましい。
仮想視点画像における被写体の視野との重複部分と非重複部分とで表示態様が異なることで、被写体の視線との向き合わせのために視線方向を何れの方向に変化させるべきかをユーザに理解させ易くなる。
また、本技術に係る画像処理方法は、撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報を取得し、前記三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成し、前記仮想視点画像を生成するときに前記被写体の動きに追従して前記視点を設定する画像処理装置の画像処理方法である。
このような画像処理方法によっても、上記した本技術に係る画像処理装置と同様の作用が得られる。
また、本技術に係るプログラムは、撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報を取得し、前記三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成し、前記仮想視点画像を生成するときに前記被写体の動きに追従して前記視点を設定することをコンピュータ装置に実行させるプログラムである。
このようなプログラムにより、上記した本技術に係る画像処理装置が実現される。
本技術によれば、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図ることができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
実施形態としての画像処理装置を備えた画像処理システムの構成例を示した図である。 実施形態としての画像処理装置が備える仮想視点画像生成部の機能ブロック図である。 仮想視点画像の視点についての説明図である。 被写体の簡易モデルについての説明図である。 実施形態における選手属性管理情報を例示した図である。 実施形態における被写体解析情報を例示した図である。 実施形態における「被写体を観察する視点」に対応した視点及び視線方向の設定例を説明するための図である。 実施形態における「被写体から外方を観察する視点」に対応した視点及び視線方向の設定例を説明するための図である。 複数の候補視点画像の表示手法についての説明図である。 実施形態における簡易設定モードについての説明図である。 実施形態としての視点設定手法を実現するための具体的な処理の手順を示したフローチャートである。 仮想視点画像として複数の選手の動きに追従する画像を得る場合に対応した設定例の説明図である。 一つの注目被写体に対する視点設定についての変形例を説明するための図である。 第二変形例における視線方向の設定手法についての説明図である。 顔の向きのみが取得できた場合において、被写体が移動状態であるときの視線方向の設定手法の例を示した図である。 被写体の身体向きについての説明図である。 顔の向きと姿勢の双方が取得できた場合において、被写体が移動状態であるときの視線方向の設定手法の例を示した図である。 第二変形例としての視線方向の設定を実現するために行われるべき具体的な処理の手順を示したフローチャートである。 第三変形例としての画像処理システムの構成についての説明図である。 一人称視点による仮想視点画像の視線方向と被写体の視線の向きとの関係を説明するための図である。 第三変形例における被写体の視線の向きの設定手法を説明するための図である。 顔の向きから視線の向きを推定する際の視点のオフセットについての説明図である。 視線方向と視線の向きとのずれが生じている場合における被写体の視野とユーザの視野との関係を例示した図である。 視線方向と視線の向きとのずれに応じた情報報知の一例についての説明図である。 目標方向情報の提示についての説明図である。 視線方向と視線の向きとのずれに応じた情報報知の別例についての説明図である。 被写体の向きに係る解析情報の取得状況に基づき視線の向きの設定手法を選択するための処理についてのフローチャートである。 視線合わせ案内情報の表示に係る処理のフローチャートである。 第五変形例における画像処理システムの構成例を示した図である。 第六変形例における画像処理システムの構成例を示した図である。 手術室システムの全体構成を概略的に示す図である。 集中操作パネルにおける操作画面の表示例を示す図である。 手術室システムが適用された手術の様子の一例を示す図である。 図33に示すカメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。 車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。 車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
以下、添付図面を参照し、本技術に係る実施形態を次の順序で説明する。

<1.実施形態の画像処理システム>
[1-1.画像処理システムの構成]
[1-2.実施形態の視点設定手法]
[1-3.処理手順]
<2.変形例>
[2-1.第一変形例]
[2-2.第二変形例]
[2-3.第三変形例]
[2-4.第四変形例]
[2-5.第五変形例]
[2-6.第六変形例]
[2-7.第七変形例]
[2-8.第八変形例]
<3.実施形態のまとめ>
<4.その他変形例>
<5.本技術>
<1.実施形態の画像処理システム>
[1-1.画像処理システムの構成]

図1に、本技術に係る実施形態としての画像処理装置1を備えた画像処理システム100の構成例を示す。
画像処理システム100は、画像処理装置1に加え、複数の撮像装置2と、画像記録装置3と、パラメータ記録装置4と、キャリブレーション装置5と、入力装置6と、表示装置7と、画像記録装置8とを備え、複数の撮像装置2から取得される撮像情報に基づき、三次元空間上の任意視点からの観察画像に相当する仮想視点画像(自由視点画像又は自由視点映像とも呼ばれる)を生成する。
各撮像装置2は、例えばCCD(Charge Coupled Devices)センサやCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)センサ等による撮像素子を有したデジタルカメラ装置として構成され、デジタルデータとしての撮像画像(撮像画像データ)を得る。本例では、各撮像装置2は動画像による撮像画像を得る。
各撮像装置2は、本例ではバスケットボールやサッカー等の球技が行われている様子を撮像するものとされ、それぞれが球技の開催される競技会場における所定位置において所定の向きに配置されている。本例では、撮像装置2の数は3以上としているが、仮想視点画像の生成を可能とする上では撮像装置2の数は少なくとも2以上あればよい。撮像装置2の数を多くし、対象とする被写体をより多くの角度から撮像することで、被写体の三次元復元の精度向上が図られ、仮想視点画像の画質向上を図ることができる。
画像記録装置3は、例えばSSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)等のデータ記録部と、該データ記録部についてデータの記録再生制御を行う制御部とを備え、各撮像装置2による撮像画像を記録し、また記録した撮像画像を要求に応じて外部装置(本例では画像処理装置1)に送信する。
なお、各撮像装置2による撮像画像を画像記録装置3に記録することで、それら撮像画像に基づく仮想視点画像の生成処理を撮像現場(本例では競技会場)で必ずしも行う必要がなくなり、仮想視点画像の閲覧を任意タイミングで行うことが可能となる。但し、この記録は撮像現場で仮想視点画像の生成処理が実施される場合には必ずしも必須ではなく、各撮像装置2の撮像画像を画像処理装置1へ直接的に送信させてもよい。その場合、画像記録装置3での記録処理が省略される分、仮想視点画像の生成を高速化することが可能となる。
本例において、各撮像装置2による撮像画像にはタイムコードが付され、画像処理装置1における後段処理においてフレーム同期をとることが可能とされている。
パラメータ記録装置4は、例えばSSDやHDD等のデータ記録部と、該データ記録部についてデータの記録再生制御を行う制御部とを備え、各撮像装置2から取得したカメラ内部パラメータを記録し、記録したカメラ内部パラメータを要求に応じて外部装置(本例ではキャリブレーション装置5)に送信する。
仮想視点画像の生成において、カメラ内部パラメータとしては、カメラの焦点距離、画素のアスペクト比、レンズ歪等の情報を取得する。パラメータ記録装置4は、カメラ内部パラメータを取得元の撮像装置2の識別情報とタイムコードとに対応づけて記録する。
キャリブレーション装置5は、パラメータ記録装置4から取得したカメラ内部パラメータに基づいて、キャリブレーションを実施する。ここで、後述する3Dモデル生成部11では、複数の撮像装置2間で共通に観測される点を検出し、三角測量の原理に基づいて被写体の三次元構造を復元する。ここでのキャリブレーションは、そのような被写体の三次元復元の精度を高めるためのカメラパラメータを求める処理を行う。具体的に、キャリブレーション装置5は、取得したカメラ内部パラメータに基づいて各撮像装置2の位置や撮像方向(視線方向)を表すカメラパラメータを抽出する。抽出したカメラパラメータは、何れの撮像装置2についてのパラメータであるかを識別可能な状態で画像処理装置1に転送される。
ここで、上記のカメラパラメータは、本技術における「撮像画像に対応する撮像条件」を表す情報に相当するものであり、上記した各撮像装置2の位置や撮像方向は「撮像画像に対応する撮像条件」の一例である。
なお、上記のようにパラメータ記録装置4でカメラ内部パラメータを記録することで、上記の画像記録装置3の場合と同様に仮想視点画像の閲覧を任意タイミングで行うことが可能となる。但し、パラメータ記録装置4を設けることは必須でなく、各撮像装置2からカメラ内部パラメータを直接的にキャリブレーション装置5へ送信させてもよい。
入力装置6は、画像処理装置1(仮想視点画像生成部13)に対する操作入力を行うための装置とされ、例えば各種のキーやボタン等の所要の操作子を有する操作部61と、画像表示が可能な例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイデバイスを有した表示部62とを備えている。
本例における操作部61は、操作子として、使用者によるタッチ操作を可能とするタッチパネル61aを有している。タッチパネル61aは、表示部62における表示画面上に形成され、使用者は表示画面に対するタッチ操作によって各種の情報入力を行うことができる。
表示部62は、入力装置6で生成された各種の情報や、画像処理装置1から入力された情報の表示を行う。
入力装置6は、操作部61で得られた使用者による操作情報を画像処理装置1に送信する。
画像処理装置1は、3Dモデル生成部11、被写体解析部12、及び仮想視点画像生成部13とを有している。
これら3Dモデル生成部11、被写体解析部12、及び仮想視点画像生成部13は、画像処理装置1が有する例えばDSP(Digital Signal Processor)等による画像処理プロセッサとして構成されている。
3Dモデル生成部11は、画像記録装置3より入力した各撮像装置2による撮像画像とキャリブレーション装置5より入力した撮像装置2ごとのカメラパラメータとに基づいて、被写体を三次元空間上で表した(つまり二次元画像から被写体の三次元構造を復元した)3Dモデルデータを生成する。具体的に、3Dモデルデータは、被写体を(X,Y,Z)による三次元座標系で表したデータを含む。
3Dモデル生成部11が生成した3Dモデルデータは、被写体解析部12と仮想視点画像生成部13とに入力される。
ここで、3Dモデル生成部11が3Dモデルデータを生成するために入力する各撮像装置2による撮像画像、及び撮像装置2ごとのカメラパラメータは、本技術における「撮像情報」の一例に相当する。
また、上記の3Dモデルデータは、撮像された被写体を三次元空間上で表した「三次元情報」の一例に相当する。
被写体解析部12は、3Dモデルデータに基づき、人物(選手)としての被写体について位置や向き、姿勢についての解析を行う。具体的に、被写体解析部12は、被写体の位置の推定、被写体の簡易モデルの生成、被写体の向き(本例では顔の向き)の推定を行う。また、本例の被写体解析部12は、被写体の同定処理も行う。具体的には、選手の同定、及び競技ボールの同定を行う。
なお、被写体解析部12が行う簡易モデルの生成や選手の同定のための処理については後述する。競技ボールの同定は、例えば被写体の形状、サイズ等に基づく基準テンプレートとのマッチング処理等により行うことができる。
仮想視点画像生成部13は、3Dモデル生成部11より入力した3Dモデルデータと被写体解析部12による被写体解析情報(以下「被写体解析情報Ia」と表記)とに基づき、仮想視点画像を生成する。特に、本実施形態の仮想視点画像生成部13は、例えば選手としての動く被写体を対象として、該被写体の動きに追従して仮想視点画像の視点の位置を変化させる(設定する)。
また、仮想視点画像生成部13は、入力装置6からの操作情報に基づいて、仮想視点画像の視点の位置を、上記のような被写体の動きへの追従を維持させつつ変化させる。
ここで、被写体の動きに伴い変化する該被写体の三次元情報と該被写体の解析情報とに基づき、例えば一定の時間間隔(フレームレート)ごとに仮想視点画像の視点位置を設定することにより、ある時点に設定された視点位置は、その直前(異なる時点)に設定された視点位置と異なる。すなわち、被写体の動きに追従して視点位置が変化することにより、結果としてこの視点位置に基づいて生成される仮想視点画像も被写体の動きに追従することになる(画枠内に該被写体を映し続ける画像となる)。
なお、図1に示した画像処理システム10では、複数の撮像装置2による撮像画像を画像記録装置3において記録するが、この際、記録容量の削減を図るため、例えば注目シーン等としての一部の画像部分(動画部分)のみを記録するようにしてもよい。具体的には、被写体解析部12による被写体解析の情報を利用して、注目シーンを特定して記録することが考えられる。例えば、注目シーンの特定手法としては、競技ボールの位置情報とゴールの位置情報とに基づきゴールシーンを特定したり、競技ボールの位置情報と選手の位置情報とに基づいて競技ボールがインターセプトされたシーンを特定したりすることが考えられる。
図2は、仮想視点画像生成部13の機能ブロック図である。
図示のように仮想視点画像生成部13は、視点設定処理部13a、及びレンダリング処理部13bとしての機能を有している。
視点設定処理部13aは、被写体解析部12による被写体解析情報Iaと入力装置6からの操作情報に基づいて、仮想視点画像の視点を設定する。
確認のため、図3を参照して仮想視点画像の視点について述べておく。
図3Aでは、三次元空間上に設定した所要の視点から被写体を捉えた仮想視点画像のイメージを示している。この場合の仮想視点画像では、被写体S1が略正面視され、被写体S2が略背面視されている。
図3Bでは、視点の位置を図3Aの矢印C方向に変化させ、被写体S1を略背面視する視点が設定された場合の仮想視点画像のイメージを示している。この図3Bの仮想視点画像では、被写体S2が略正面視され、また図3Aでは映し出されていなかった被写体S3やバスケットゴールが映し出されている。
ここで、以下、仮想視点画像における視点を「視点Pv」と表記する。
本実施形態としての視点Pvの設定手法については後に改めて説明する。
図2において、レンダリング処理部13bは、視点設定処理部13aが設定した視点Pvと3Dモデルデータとに基づき、視点Pvからの観察画像(二次元画像)である仮想視点画像を生成する。
後述するように、本例では、仮想視点画像として視点Pvから三次元空間上の何れの方向を観察した画像を生成すべきかを使用者の操作に基づき設定可能としている(後述する「内向き」「外向き」の視点モード)。以下、このような視点Pvからの観察方向については、「視線方向Dv」と表記する。
図1において、仮想視点画像生成部13(レンダリング処理部13b)で得られた仮想視点画像は、表示装置7、及び画像記録装置8に送信される。
表示装置7は、例えばLCDや有機ELディスプレイ等のディスプレイデバイスを有した表示部を備え、仮想視点画像の表示を行う。
画像記録装置8は、例えばSSDやHDD等のデータ記録部と、該データ記録部についてデータの記録再生制御を行う制御部とを備え、仮想視点画像をデータ記録部に記録する。仮想視点画像を画像記録装置8に記録することで、使用者に任意のタイミングで仮想視点画像を閲覧させることが可能となる。
[1-2.実施形態の視点設定手法]

本実施形態では、選手としての動く被写体に追従した視点Pvの設定を行う。このとき、追従対象としての被写体が「注目被写体」として予め設定される。注目被写体の設定は、仮想視点画像生成部13における視点設定処理部13aが行う。
なお、本例では注目被写体が選手としての人とされる場合を例示するが、注目被写体は選手以外の人とされてもよいし、また人の部位の一部や人以外のものを注目被写体として設定することもできる。
注目被写体の設定手法としては下記を挙げることができる。

(1)被写体解析部12による被写体解析情報Iaに基づき、競技ボールを持っている選手を注目被写体として設定する。
(2)所定の背番号又は名前の選手を注目被写体として設定する。
(3)三次元空間上の所定のエリアに位置する選手を注目被写体として設定する。
上記(1)については、被写体解析部12により同定された競技ボールとしての被写体の位置情報、及び、選手としての被写体の位置情報を用いて行うことができる。例えば、競技ボールの位置に対して最も近い位置の選手を注目被写体として設定する。
上記(2)については、被写体解析部12による選手の同定処理結果を用いる。
ここで、選手の同定処理を含めた、被写体解析部12による解析処理について説明しておく。
被写体解析部12においては、画像解析により対象の被写体、具体的に本例では選手としての被写体及び競技ボールとしての被写体を検出する。この際、検出した被写体に対しては識別子(以下「被写体ID」と表記)を割り振る。
被写体解析部12は、選手としての被写体については、被写体の向きを検出する。被写体の向きは、本例では顔検出技術を利用して被写体の顔の向きとして検出する。
また、選手としての被写体については、被写体の姿勢を把握可能な簡易モデルを生成する。簡易モデルは、例えば図4に例示するように、選手としての被写体を、主に関節等の検出点(図中の黒丸部)と検出点を結ぶ線の情報で簡易化したモデルである。
例えば、腰部、頭部、首、手足の関節部分など、主に姿勢に応じて変位する箇所を検出点とする。各検出点は、それぞれ特定の他の検出点と線で結ばれる。各検出点は、それぞれ線で結ばれている検出点が規定されていることで、点と線により人体を表現する簡易モデルが形成される。
後述するように、本例では、このような簡易モデルが表す検出点、すなわち選手の要部位置を表す情報に基づいて視点Pvの設定を行うことが可能とされる。
さらに、被写体解析部12は、選手としての被写体について、選手の同定処理を行う。
本例では、選手の同定処理は背番号の検出結果に基づき行う。
被写体解析部12には、例えば図5に示すような選手属性管理情報Ibが記憶されている。図示のように選手属性管理情報Ibは、選手の識別子である選手IDごとに、選手属性情報として例えば選手名、所属チーム、背番号等、選手の属性を表す情報が対応づけられた情報とされる。
被写体解析部12は、このような選手属性管理情報Ibに基づいて選手の同定処理を行う。具体的には、検出した選手としての被写体について、画像解析により所属チームの判定、及び背番号の識別を行い、選手属性管理情報Ibにおいてこれら所属チーム及び背番号の情報が対応づけられている選手IDを特定する。
ここで、所属チームの判定は、例えばユニフォームや帽子等の選手の装着物の色や配色パターンの差違等に基づいて行うことができる。
なお、選手の同定手法については上記手法に限定されるものではなく、例えば被写体の身体的特徴情報(例えば身長や肩幅、走り方等)についてテンプレートとのマッチングを行う等、多様な手法が考えられる。
図6は、被写体解析部12が仮想視点画像生成部13(視点設定処理部13a)に出力する被写体解析情報Iaの例を示している。
被写体解析情報Iaは、被写体IDごとに、被写体の位置、被写体の種別(本例では選手又は競技ボール)、被写体の向き(選手のみ)、簡易モデル(選手のみ)、及び上記の同定処理で特定した選手IDの情報が対応づけられた情報とされる。
被写体解析部12は、上記のような被写体解析情報Iaを毎フレーム生成し、視点設定処理部13aに出力する。このとき、被写体解析情報Iaは、3Dモデルデータとのフレーム同期が図られるように、例えばタイムコードが対応づけられて視点設定処理部13aに出力される。
視点設定処理部13aは、上記(2)としての注目被写体の設定をこのような被写体解析情報Iaに基づいて行う。
本例においては、視点設定処理部13aには、図5に示したものと同様に選手IDごとに選手属性情報が対応づけられた選手属性管理情報Ibが記憶されている。そして、視点設定処理部13aは、選手属性管理情報Ibにおける所定の所属チーム及び背番号が対応づけられた選手ID、又は所定の名前が対応づけられた選手IDを特定し、被写体解析情報Iaにおいて該選手IDが対応づけられた被写体を注目被写体として設定する。
上述した(3)については、三次元空間上の所定のエリア、例えば、ゴール近傍となる所定エリアや競技コートのセンターサークル近傍となる所定エリアに位置する選手を注目被写体として設定する。なお、所定エリア内に複数の選手が位置する場合には、予め定められた位置に最も近い選手を注目被写体として設定する等、所定の設定条件に従って一つの注目被写体を設定する。
ここで、(3)について、エリア情報とは、三次元空間上の領域を表す情報である。
続いて、視点設定処理部13aによる視点Pvの設定手法について説明する。
先ず、本例では、「視点モード」として、「注目被写体を観察する視点Pv」が設定されるモードと、「注目被写体から外方を観察する視点Pv」が設定されるモードとの切り替えが可能とされている。
さらに、「視点設定モード」として、使用者が視点Pvの設定操作を行わずとも自動的に視点Pvの設定が行われる「自動設定モード」と、使用者が簡易な操作により視点Pv又は視線方向Dvを自由に設定可能な「簡易設定モード」との切り替えが可能とされる。
これら視点モード、視点設定モードの切り替えは、例えば入力装置6(操作部61)を介した使用者の操作入力に応じて行われる。
先ず、図7及び図8を参照し、「注目被写体を観察する視点Pv」「注目被写体から外方を観察する視点Pv」のそれぞれについて、視点Pv及び視線方向Dvの設定例を説明する。
図7は、「注目被写体を観察する視点Pv」に対応した視点Pv及び視線方向Dvの設定例の説明図である。ここでは、図7A、図7Bに示す二つの設定例を挙げる。なお、図7及び図8では、注目被写体、競技ボールとしての被写体の符号をそれぞれ「St」「sb」としている。
先ず、本例では、「注目被写体を観察する視点Pv」「注目被写体から外方を観察する視点Pv」に拘わらず、視点Pvの設定にあたっては注目被写体Stの基準位置Prを設定する。ここでは、基準位置Prは、注目被写体Stの身体的中心に設定する。身体的中心は、例えば両肩間の中心や胴体の上下左右中心(例えば上下中心線と左右中心線の交点)、両足下間の中心等、人物としての被写体の身体的な中心を意味する。
なお、基準位置Prを被写体の身体的中心に設定することはあくまで一例であり、基準位置Prとしては、少なくとも被写体の位置に基づいた任意の位置に設定することができる。
図7Aの設定例は、基準位置Prを両肩間の中心に設定した例を示している。注目被写体Stの各肩位置の情報は、被写体解析情報Iaにおける簡易モデルの情報から取得することができる。
図7Aの設定例では、このような両肩間の中心とされた基準位置Prと同じ高さで、基準位置Prから注目被写体Stの「被写体の向き」の方向に所定距離離間した位置に視点Pvを設定する。そして、「注目被写体を観察する視点Pv」であるため、この場合の視線方向Dvとしては視点Pvから基準位置Prに向かう方向に設定する(注目被写体Stの「被写体の向き」の方向とは逆方向に設定する)。
図7Aの場合、基準位置Prと視点Pvとの離間距離は、例えば仮想視点画像において注目被写体Stの少なくとも上半身部が画角内に収まる距離に設定する。例えば、「40cm」程度の距離に設定することが望ましい。なお、この「40cm」は、撮像素子がAPS-Cサイズであり焦点距離が35mm程度である場合の画角を想定した場合に、「24cm」程度の距離で上半身部分が該画角内に収まることに基づいたものである。
この図7Aの設定例によれば、仮想視点画像として、プレー中の選手の動き(移動)に追従しながら選手の上半身部を捉えた臨場感の高い画像を提供することができる。特に、バスケットボール等、手を使用する競技について選手の動きの分析や研究に好適な仮想視点画像を提供することができる。
図7Bの設定例は、注目被写体Stが競技ボールを持っている場合に対応した例である。
本設定例では、注目被写体Stの身体的中心として設定した基準位置Prと、競技ボールとしての被写体Sbの位置とを結ぶ直線上で、基準位置Prから注目被写体Stの「被写体の向き」の方向に所定距離離間した位置に視点Pvを設定する。なお、ここでは、被写体Sbの位置は、被写体Sbの中心位置としている。この場合も「注目被写体を観察する視点Pv」であるため、視線方向Dvとしては視点Pvから基準位置Prに向かう方向に設定する。
図7Bの例では、基準位置Prは注目被写体Stの顔中心に設定している。
図7Bの例において、基準位置Prと視点Pvとの離間距離は、少なくとも基準位置Prと被写体Sbの位置までの離間距離よりも大きな距離に設定する。例えば、仮想視点画像において注目被写体の全身が画角内に収まる距離に設定することが考えられ、その場合、基準位置Prと視点Pvとの離間距離は、例えば「80cm」程度の距離とすることが望ましい。
図7Bの設定例によれば、プレー中の選手の動きに追従しながら競技ボール越しに注目被写体Stの顔の表情を捉えた臨場感の高い仮想視点画像を提供することができる。
図8は、「注目被写体から外方を観察する視点Pv」に対応した視点Pv及び視線方向Dvの設定例の説明図である。
図8A及び図8Bの設定例としても、基準位置Prを注目被写体Stの身体的中心に設定する例となる。具体的に、図8Aの設定例では基準位置Prを注目被写体Stの両肩間の中心に設定している。この場合、「注目被写体から外方を観察する視点Pv」であるため、視点Pvは基準位置Prと同一位置に設定する。そして、視線方向Dvは、注目被写体Stの「被写体の向き」の方向に設定する。
図8Bの設定例は、注目被写体が競技ボールを持っている場合に対応した例である。
この場合、基準位置Prは注目被写体Stの顔中心に設定している。「注目被写体から外方を観察する視点Pv」であるため、この場合も視点Pvは基準位置Prと同一位置に設定する。
本例では、視線方向Dvは、視点Pvから被写体Sbの位置(例えば中心位置)に向かう方向として設定する。
図8Aの設定例によれば、バスケットボール競技等、手を使用する競技について選手の動きの分析や研究に好適な仮想視点画像を提供することができる。
また、図8Bの設定例によれば、プレー中の選手の目から見える状況を刻々と映し出した臨場感の高い仮想視点画像を提供することができる。特に、他選手に競技ボールをパスするシーンやシュートシーンなどにおいて、競技ボールに対する選手の挙動を映し出した仮想視点画像を提供でき、選手の動きの分析や研究に好適である。
なお以下、「注目被写体を観察する視点Pv」については簡略的に「内向き視点」と表記することもある。また「注目被写体から外方を観察する視点Pv」については簡略的に「外向き視点」と表記することもある。
続いて、「視点設定モード」としての「自動設定モード」と「簡易設定モード」について説明する。
自動設定モードは、例えば上記した図7や図8などの手法によって視点設定処理部13aが視点Pvをいわば自動的に設定するモードである。
本例の場合、自動設定モードでは、視点設定処理部13aが視点Pvの設定手法を順時切り替えることとしている。具体的に、本例では、注目被写体Stの設定手法を順時切り替えることで、使用者に対し、順時異なる被写体Sを基準とする視点Pvの設定された仮想視点画像が表示されるようにする。
図9Aは、このような自動設定モード中における注目被写体Stの切り替えによって使用者に閲覧される仮想視点画像のイメージを示している。
本例では、仮想視点画像生成部13が生成した仮想視点画像は表示装置7の表示画面、及び入力装置6における表示部62の表示画面に表示されるため、ここではそれらの画面上に表示される仮想視点画像のイメージを示している。なお、図9Aでは視点モードが「内向き視点」(注目被写体を観察する視点Pv)の場合を例示しているが、外向き視点の場合も同様の切り替えが行われる。
本例の自動設定モードでは、上記のように仮想視点画像が順時切り替えて表示される下で、入力装置6に対する所定の入力操作があった場合には、視点Pvの設定手法切り替えを停止する。具体的には、切り替え表示される仮想視点画像のうちから任意の仮想視点画像を選択する操作が行われたことに応じ、注目被写体Stの設定手法の切り替えを停止する。
本例では、上記の選択操作は、操作部61におけるタッチパネル61aに対する操作として行われる。すなわち、例えばタップやダブルタップ等、タッチパネル61aに対する所定のタッチ操作が行われたことに応じ、その時点で表示されている仮想視点画像の視点Pvの設定手法(本例では注目被写体Stの設定手法)を維持する。
ここで、上記のような挙動は、視点Pvの設定手法が異なる複数の仮想視点画像を候補視点画像として使用者に対して順送りに表示させ、候補視点画像についての選択操作に基づき視点Pvを設定するものと換言することができる。
なお、上記のような候補視点画像の順送り表示手法に代えて、例えば図9Bに示すように、複数の候補視点画像を使用者に同時表示させる手法を採ることもできる。
この場合、仮想視点画像生成部13においては、注目被写体Stについてそれぞれ異なる設定手法で視点Pvを設定した仮想視点画像を並行して生成する。すなわち、視点設定処理部13aがそれぞれ異なる手法で設定した注目被写体Stについての視点Pvをそれぞれ設定し、レンダリング処理部13bがそれら設定された視点Pvによる仮想視点画像を並行して生成する。そして、これら生成した仮想視点画像を表示装置7や入力装置6の表示部62に出力する。
表示装置7や表示部62では、それら複数の仮想視点画像をそれぞれ表示画面内の所定領域に表示する。
この場合、入力装置6の操作部61は、タッチパネル61aに対する所定のタッチ操作が検知された場合には、該タッチ操作が行われた画面領域の情報を仮想視点画像生成部13に送信する。
仮想視点画像生成部13は、該画面領域の情報に基づき、タッチ操作により選択された仮想視点画像を特定し、以降は、視点設定処理部13aにおいて該特定した仮想視点画像の視点Pvの設定手法により視点Pvの設定を行い、レンダリング処理部13bは、複数の候補視点画像の生成を停止し、該設定された視点Pvによる仮想視点画像を生成、出力する。
次に、「簡易設定モード」について説明する。
本例の簡易設定モードは、注目被写体Stの基準位置Prに基づいて、視点Pvの位置又は視線方向Dvを使用者が操作により変更可能とされたモードとされる。
図10は、簡易設定モードについての説明図である。
簡易設定モードでは、視点モードが「内向き視点」のモードである場合には、使用者の操作に応じ、図示のように基準位置Prを中心とした球面Ssに沿って視点Pvを変化させる。なお、「内向き視点」のモードであるため、この場合における視線方向Dvは視点Pvから基準位置Prに向かう方向に設定される。
この場合の視点Pvの変更操作は、例えばタッチパネル61aの操作(例えば、視点Pvを移動させたい方向に指をなぞる操作等)、或いは操作部61に設けた十字キーやジョイスティック等の多方向操作子による操作等とすることができる。
なお、タッチパネル61aを用いた入力装置6の形態は、例えばタブレット端末のような装置として実現可能であり、仮想視点画像を閲覧するためのパネルと一体に操作部を設けることが可能であるため、導入のための機材コストを削減できるというメリットがある。
一方、ジョイスティック等のゲームコントローラ式の形態を採る場合には、操作入力のために専用機器を要するが、より細かな入力が可能であるため操作性の向上が図られるメリットがある。
上記のような「内向き視点」の場合に対応した視点Pvの簡易設定について、本例では、基準位置Prと視点Pvとの離間距離(つまり球面Ssの半径)は固定とする例を挙げるが、該離間距離は操作に応じて可変としてもよい。
また、球面Ssは、必ずしも中心が基準位置Prと一致するものである必要はなく、「注目被写体を観察する視点Pv」の観点においては、少なくとも注目被写体Stの周囲を覆う球面として設定されていればよい。
簡易設定モードにおいて、視点モードが「外向き視点」(注目被写体から外方を観察する視点Pv)のモードである場合には、視点Pvを基準位置Prと同一位置に設定した上で、操作に応じて視線方向Dvを変化させる。この場合の視線方向Dvは、図10に示すものとは逆に、視点Pvから外向き方向となる。
なお、「外向き視点」のモード時における簡易設定モードにおいて、視線方向Dvのみでなく、視点Pvの位置も操作に応じて変化させるようにすることもできる。
上記のような簡易設定モードでは、視点Pvの設定に注目被写体Stの基準位置Prを用いるため、使用者が三次元空間上の任意位置に視点Pvを設定する場合と比べて、視点Pvの設定にあたっての操作負担(作業負担)軽減が図られる。
[1-3.処理手順]

図11のフローチャートを参照し、上記により説明した実施形態としての視点設定手法を実現するための具体的な処理の手順を説明する。
本例では、図11に示す処理は、DSPで構成された仮想視点画像生成部13が実行する。
なお、図11では自動設定モード時における候補視点画像の表示手法として、図9Aのような順送り表示手法が採られる場合に対応した処理を例示する。
先ず、ステップS101で仮想視点画像生成部13は、視点モードの確認処理として、現在の視点モードが「内向き視点」「外向き視点」の何れのモードであるかを判定し、「内向き視点」のモードであればステップS102に進み、「外向き視点」のモードであれば後述するステップS113に進む。
ステップS102で仮想視点画像生成部13は、視点設定モードの確認処理として、現在の視点設定モードが「自動設定モード」「簡易設定モード」の何れであるかを判定し、「自動設定モード」であればステップS103に進み、「簡易設定モード」であれば後述するステップS107に進む。
ステップS103で仮想視点画像生成部13は、注目被写体Stの設定処理を行う。すなわち、例えば前述した(1)(2)(3)等の手法により注目被写体Stを設定する。前述のように、本例では注目被写体Stの設定手法が異なる複数の候補視点画像を順送り表示するため、ステップS103の処理は、例えば実行ごとに手法を変えて注目被写体Stの設定を行う。
続くステップS104で仮想視点画像生成部13は、候補視点画像の生成を開始する。具体的には、ステップS103で設定された注目被写体Stについて、図7で例示したような注目被写体Stの基準位置Prに基づいた視点Pvの設定、及び視線方向Dvの設定を行い、設定した視点Pv及び視線方向Dvによる仮想視点画像の生成を開始する。
なお、ステップS104で先の図7Bで例示した視点Pvの設定手法を採る場合は、ステップS103の設定処理で前述した(1)の手法により注目被写体Stが設定されることが条件となる。
また、本例では、基準位置Prの設定は仮想視点画像生成部13が行うものとしているが、被写体解析部12が設定した基準位置Prの情報を仮想視点画像生成部13が取得する構成も採り得る。
ステップS104で候補視点画像の生成が開始されることで、入力装置6における表示部62において該候補視点画像の表示が開始される。
仮想視点画像生成部13は、上記のように候補視点画像の生成を開始したことに応じ、ステップS105及びS106の処理により、画像選択操作、表示切替タイミングの到来の何れかを待機する。すなわち、入力装置6のタッチパネル61aに対する所定操作、候補視点画像の表示切替タイミングの到来の何れかを待機する。なお、候補視点画像の表示切替は、本例では一定の周期で行われる。このため仮想視点画像生成部13は、ステップS104で候補視点画像の生成を開始してから一定時間が経過したことに応じ、ステップS106で表示切替タイミングが到来したと判定する。
ステップS106において、表示切替タイミングが到来したと判定した場合、仮想視点画像生成部13はステップS103に戻る。これにより、注目被写体Stの設定手法が切り替えられ、異なる被写体を対象として設定された視点Pvによる新たな候補視点画像の生成、及び表示部62での表示が開始される。
このような候補視点画像の切り替え表示は、ステップS105で画像選択操作が行われるまで繰り返される。
ステップS105において、画像選択操作があったと判定した場合、仮想視点画像生成部13はこの図に示す一連の処理を終える。
これにより、注目被写体Stが、最新に行われたステップS103の処理で設定された注目被写体Stで維持される。
続いて、ステップS102で「簡易設定モード」と判定した場合の処理を説明する。
ステップS107で仮想視点画像生成部13は、ステップS103と同様に注目被写体の設定処理を行い、続くステップS108で初期視点による仮想視点画像の生成を開始する。初期視点は、簡易設定モードにおける視点Pvの設定操作(変更操作)を受け付けるにあたって初期的に設定される視点Pvである。初期視点としては、少なくともステップS107で設定した注目被写体Stを対象に設定した基準位置Prに基づく視点Pvであればよい。例えば、図7Aで説明した手法等により設定すればよい。注目被写体Stが前述した(1)の手法で設定された場合には、図7Bで説明した手法で設定することもできる。
初期視点による仮想視点画像の生成を開始したことに応じ、仮想視点画像生成部13はステップS109で視点変更操作を待機する。すなわち、入力装置6の操作部61からの所定の操作入力、具体的には、視点Pvの変更方向を指示する所定の操作入力を待機する。
視点変更操作があった場合、仮想視点画像生成部13はステップS110の視点変更処理として、該操作に応じた視点Pvの変更を行う。具体的に本例では、該操作に応じて、注目被写体Stの基準位置Prを中心とした球面Ssに沿って視点Pvを変化させる。
続くステップS111で仮想視点画像生成部13は、変更後の視点による仮想視点画像の生成を開始する。これにより、表示部62や表示装置7において、表示中の仮想視点画像の視点Pvが操作に応じて変更される。
ステップS111に続くステップS112で仮想視点画像生成部13は、処理の終了条件が成立したか否かを判定する。該終了条件としては、例えば仮想視点画像の生成停止を指示する所定の操作入力等を挙げることができる。
終了条件が成立していないと判定した場合、仮想視点画像生成部13はステップS109に戻って視点変更操作を待機する。これにより、終了条件が成立するまでの間、視点変更操作に応じて視点Pvの変更が行われる。
ステップS112において終了条件が成立したと判定した場合、仮想視点画像生成部13はこの図に示す一連の処理を終える。
続いて、視点モードが「外向き視点」のモードであった場合について説明する。
先の説明から理解されるように、「外向き視点」のモードでは、「内向き視点」のモードと比較して視点Pvが基準位置Prに設定され、視線方向Dvが視点Pvから外向きとされる点を除き、全体的な処理の流れは上記した「内向き視点」のモード時と同様となる。
先ず、ステップS113で仮想視点画像生成部13は、ステップS102と同様に視点設定モードの別を確認し、「自動設定モード」であれば、ステップS114以降の処理を実行し、「簡易設定モード」であればステップS118以降の処理を実行する。
「自動設定モード」時に対応したステップS114~S117の処理は、上記のように視点Pvや視線方向Dvの設定手法が異なる以外、先のステップS103~S106の処理と同様となるため重複説明は避ける。
簡易設定モード時において、仮想視点画像生成部13はステップS118で、先のステップS103やS107と同様に注目被写体の設定処理を行い、続くステップS119で、初期視点による仮想視点画像の生成を開始する。ステップS119の処理は、視点Pvや視点方向Dvを外向き視点のモードに対応したものとすること以外は先のステップS108の処理と同様となる。
続くステップS120で仮想視点画像生成部13は、視線方向変更操作を待機する。すなわち、入力装置6の操作部61からの所定の操作入力、具体的には、視線方向Dvの変更方向を指示する所定の操作入力を待機する。
そして、仮想視点画像生成部13は、視線方向変更操作があった場合は、ステップS121で視線方向Dvの変更を行い、ステップS122で変更後の視線方向Dvによる仮想視点画像の生成を開始する。
ステップS122に続くステップS123で仮想視点画像生成部13は、先のステップS112と同様に終了条件の成立有無を判定し、終了条件が成立していなければステップS120に戻って再び視線方向変更操作を待機し、終了条件が成立していればこの図に示す一連の処理を終える。
なお、上記説明では、仮想視点画像生成部13が注目被写体Stを自動設定する例を挙げたが、注目被写体Stは仮想視点画像生成部13が操作に基づき設定することもできる。
例えば、背番号や名前等、所定の選手属性情報の入力を受け付け、入力された選手属性情報から特定される選手としての被写体を注目被写体Stとして設定することができる。
或いは、それぞれに異なる選手が映し出された画像を候補画像として表示部62に順送りで表示(或いは同時表示)させ、操作により選択された候補画像の選手を注目被写体Stとして設定することもできる。
さらには、使用者が操作により三次元空間上に指定した位置(ターゲット位置)から近い順に選手の画像を順送りで表示(或いは同時表示)させ、選択された画像の選手を注目被写体Stとして設定することもできる。或いは、この際の選手の順送りは、選手の背番号(又は名前)の順番や、競技ボールの位置に近い順番等とすることもできる。
また、上記では、競技ボールの例として主にバスケットボールを挙げたが、競技ボールとしては、バスケットボール競技やサッカー、野球等で用いられる略球状のボールに限らず、ラグビーやアメリカンフットボール等で用いられる略回転楕円体状のボールや、ホッケーで用いられるパック、バドミントンで用いられるシャトル等も広く含むものとする。
また、上記では、「外向き視点」「内向き視点」による「視点モード」を設ける例を挙げたが、このような「視点モード」を設けることは必須でない。「視点モード」を設けない場合、例えば、上述した順送り表示や同時表示による候補視点画像の表示について、外向き視点による候補視点画像と内向き視点による候補視点画像とを混在させて表示することもできる。
なお、仮想視点画像は、撮像装置2による撮像画像の全フレームについて生成することは必須ではなく、一部のフレームを間引いて生成することもできる。このとき、視点Pvの設定は、全フレームについて行ってもよいし必要な一部のフレームについてのみ行ってもよい。例えば、視点Pvの設定は毎フレーム行い、仮想視点画像のレンダリングは、各フレームに設定された視点Pvの情報に基づき一定間隔のフレームでのみ行うとった例が考えられる。
<2.変形例>
[2-1.第一変形例]

以下、実施形態の変形例について説明する。
第一変形例は、視点Pvの設定に係る変形例であり、図12と図13の設定例を挙げる。これら図12、図13の設定例は、上述した「内向き視点」のモードに対応した視点Pvの設定例となる。
図12の設定例は、仮想視点画像として複数の選手の動きに追従する画像を得る場合に対応した設定例である。ここでは、3人の選手の動きに追従する場合を例示する。
先ず、図12Aに示すように、3人の選手としての被写体S1、S2、S3について、各被写体S同士の位置を通る直線L12、L13、L23上で、各被写体Sから外挿される位置に基準位置Pr12、Pr21、Pr13、Pr31、Pr23、Pr32を設定する。なお、この設定は、例えば仮想視点画像生成部13が行う。
図示のように、直線L12は被写体S1、S2の各位置を通る直線、直線L13は被写体S1、S3の各位置を通る直線、直線L23は被写体S2、S3の各位置を通る直線である。
基準位置Pr12は、直線L12上にあって、被写体S1と被写体S2との中点から見て被写体S1の奥側に位置されている。基準位置Pr21は、直線L12上にあって、被写体S1と被写体S2との中点から見て被写体S2の奥側に位置されている。
基準位置Pr13は、直線L13上にあって、被写体S1と被写体S3との中点から見て被写体S1の奥側に位置され、基準位置Pr31は、直線L13上にあって、被写体S1と被写体S3との中点から見て被写体S3の奥側に位置されている。
また、基準位置Pr23は、直線L23上にあって、被写体S2と被写体S3との中点から見て被写体S2の奥側に位置され、基準位置Pr32は、直線L23上にあって、被写体S2と被写体S3との中点から見て被写体S3の奥側に位置されている。
上記のような各基準位置Prを設定した上で、仮想視点画像生成部13は、図12Bに示すように直線L12、L13、L23の各直線L同士がなす角度α1、α2、α3をそれぞれ求める。すなわち、直線L12と直線L13とがなす角度である角度α1、直線L12と直線L23とがなす角度である角度α2、直線L13と直線L23とがなす角度である角度α3を求める。
そして、これら角度α1、α2、α3のうち最小の角度を特定し、該最小の角度をなす直線Lの組を特定する。つまり図の例では直線L13と直線L23の組が特定される。
さらに、仮想視点画像生成部13は、上記のように最小の角度をなす二つの直線Lについて、それら直線L上に設定されている合計四つの基準位置Prのうち、それら直線L同士の交点により近い側の二つの基準位置Prを特定する。つまり、図の例では、直線L13上に設定されている基準位置Pr13、Pr31と、直線L23上に設定されている基準位置Pr23、Pr32のうち、直線L13と直線L23の交点(つまり被写体S3の位置)により近い基準位置Pr31、Pr32が特定される。
その上で仮想視点画像生成部13は、このように特定した二つの基準位置Prの中点を視点Pvとして設定する(図12C)。このとき、視線方向Dvとしては、視点Pvから直近の被写体(図の例では被写体S3)の位置に向かう方向に設定する。
なお、上記では、全ての直線Lに二つの基準位置Prを設定した上で視点Pvを設定する例としたが、基準位置Prは、視点Pvの設定に直接的に用いられる二つのみ(図12の例では基準位置Pr31、Pr32)を少なくとも設定すればよい。
上記のような視点Pvの設定により、仮想視点画像として、複数の被写体を画枠内のできる限り中央部に映し出す画像を提供することができる。すなわち、複数の被写体を同時観察し易い仮想視点画像を提供することができる。
なお、4人以上の選手に追従する場合も上記手法と同様の要領で視点Pvを設定することができる。
また、2人の選手に追従する場合には、例えば、選手としての二つの被写体を通る直線に対し所定角度をなす直線上に視点Pvを設定する等の手法を採ることが考えられる。
ここで、図12で説明した視点Pvの設定手法は、例えば、注目被写体Stの設定手法として前述した(3)の手法が採られた場合で、所定のエリアに位置する選手が3人以上検出されたケース等に好適である。
図13は、一つの注目被写体Stに対する視点Pvの設定についての変形例を説明するための図である。
具体的に、図13の変形例は、競技ボールを持っている注目被写体Stに対する視点Pvの設定例であり、この場合の仮想視点画像生成部13は、競技ボールの到達先、例えばゴールの位置に視点Pvを設定し、視線方向Dvは視点Pvから競技ボールとしての被写体Sbの位置方向に設定する。
なお、ゴールの位置は、例えば被写体解析部12で解析し、その結果を仮想視点画像生成部13が取得するものとすればよい。或いは、仮想視点画像生成部13にゴールの位置情報を予め記憶させておくこともできる。
[2-2.第二変形例]

第二変形例は、「外向き視点」時における視線方向Dvを被写体の向きに係る解析情報に基づき設定するものである。
ここで、以下の説明において、「外向き視点」、すなわち被写体から外方を観察する視点のことを「一人称視点」とも表記する。
一人称視点による仮想視点画像を生成する上では、注目被写体Stとしての人物が目にしている視覚情報を再現すること、すなわち注目被写体Stの視野を再現することが望ましい。このため、第二変形例では、一人称視点による仮想視点画像について、その視線方向Dvを注目被写体Stの向きに係る解析情報に基づいて設定する。
図14は、第二変形例における視線方向Dvの設定手法についての説明図である。
先ず前提として、本例では、注目被写体Stの向きに係る解析情報として、顔の向きと姿勢の情報とを用いる。本例における被写体解析部12は、3Dモデル生成部11が生成した3Dモデルデータに基づき、人物としての被写体についてこれら顔の向き、姿勢の推定を行う。
顔の向きは、被写体の顔が向く方向であり、例えば、被写体の顔における目や鼻、口等の各パーツの位置等の情報に基づき推定する。なお、顔の向きの具体的な推定手法については種々の手法が提案されており、特定の手法に限定されない。
姿勢は、前述した被写体の簡易モデルが該当する(図4参照)。後述するように本例では、このような簡易モデルから注目被写体Stの身体向きを推定する。
ここで、これら顔の向きや姿勢等、被写体の向きに係る解析情報については、例えば撮像装置2等の撮影機材や被写体解析部12の演算処理能力による影響等、何らかの要因でデータの欠損が生じ得るもので、常時取得できることが保証されるものではない。
このため本例では、注目被写体Stの向きに係る解析情報の取得状況に応じて、一人称視点による仮想視点画像について視線方向Dvの設定手法を選択する。
具体的には、図14に示すように、注目被写体Stの顔の向きと姿勢について、何れも取得できていない状況と、顔の向きのみが取得できている状況と、顔の向きと姿勢の双方が取得できている状況の三つの場合に大別する。そして本例では、これらの各場合について、さらに注目被写体Stの状態に応じた場合分け、具体的には停止(初期状態)、停止(定常状態)、及び移動の場合分けを行って、それぞれの場合に対応した手法によって視線方向Dvの設定を行う。
ここで、停止(初期状態)について、初期状態とは、注目被写体Stについて一人称視点としての視点Pvを設定した仮想視点画像(動画像)の開始タイミングを意味する。すなわち、停止(初期状態)とは、該初期状態において注目被写体Stが停止していることを意味する。
停止(定常状態)は、上記の初期状態以外で、注目被写体Stが停止している状態を意味する。
なお本例では、注目被写体Stの位置の情報については常時取得できる前提としている。
先ず、顔の向きと姿勢の何れも取得できない場合について説明する。
顔の向きと姿勢の何れも取得できない場合において、注目被写体Stが停止(初期状態)の状態のときは、視線方向Dvは予め定めた向きに設定する。具体的に、この場合の視線方向Dvは、コンテンツの種類に応じて予め定めた向きに設定する。例えば、被写体が競技選手でありコンテンツの種類がサッカーやバスケットボール等のゴール競技である場合には、予め定めた向きは、相手陣のゴール方向(自陣の得点源となるゴールの方向)とする。また、コンテンツがテニスやバドミントン等のコート競技である場合には、予め定めた向きは、注目被写体Stの自陣のコート側から見て相手陣のコート側の方向とする。また、注目被写体Stが通路を歩いているシーンであれば、予め定めた向きは通路の出口方向とする。
次いで、顔の向きと姿勢の何れも取得できない場合において、注目被写体Stが移動状態のときは、視線方向Dvは、注目被写体Stの進行方向とする。注目被写体Stの進行方向は、注目被写体Stの位置の変化方向として求める。
なお、上記の進行方向は、注目被写体Stの位置が変化する方向を意味するものであり、注目被写体Stの向きに係る解析情報ではなく、位置に係る解析情報に該当する。
さらに、顔の向きと姿勢の何れも取得できない場合において、注目被写体Stが停止(定常状態)の状態のときは、視線方向Dvは直前結果を保持する。すなわち、停止(初期状態)の状態から停止(定常状態)の状態に遷移した際には、視線方向Dvは上述した「予め定めた向き」で維持され、また移動の状態から停止(定常状態)の状態に遷移した際には、視線方向Dvはそれまでの進行方向で維持される。
なお、停止(定常状態)の状態が所定時間以上継続した際には、視線方向Dvは「予め定めた向き」に変更してもよい。
続いて、顔の向きと姿勢のうち顔の向きのみが取得できた場合について説明する。
顔の向きのみが取得できた場合においては、注目被写体Stが停止の状態であるとき、つまり初期状態、定常状態を問わず停止の状態のとき、視線方向Dvは顔の向きから推定した向きとする。具体的に、この際の視線方向Dvは、処理対象時刻を含む特定期間内における顔の向きの代表値とする。
ここで、「処理対象時刻」は、本例では処理対象としているフレームを意味し、処理対象時刻を含む特定期間とは、処理対象のフレームを含む複数フレームの期間を意味する。本例では、処理対象時刻を含む特定期間としては、処理対象時刻から過去側の期間のみでなく、処理対象時刻から未来側の期間を含む期間としている。
顔の向きの代表値としては、例えば上記特定期間内における顔の向きの平均値を用いる。すなわち、例えば上記特定期間が、処理対象のフレームを基準とした過去側3フレーム、及び未来側3フレームの計7フレームの期間であるとしたとき、顔の向きの平均値は、これら7つの各フレームについて得られた顔の向きの値の平均値とする。
或いは、顔の向きの代表値としては、上記特定期間内における顔の向きの中央値とすることもできる。ここで、中央値は、有限個のデータを小さい順に並べたとき中央に位置する値を意味する。例えば、上記特定期間を上記した7つのフレームによる期間として、各フレームの時刻を過去から未来側にかけて時刻[t-3][t-2][t-1][t][t+1][t+2][t+3]としたとき、これら時刻ごとの顔の向きの値が仮に「5」「7」「6」「10」「5」「9」「8」であれば、顔の向きの中央値は、各値を小さい順に並べたときの中央の値、すなわち「5」「5」「6」「7」「8」「9」「10」の中央に位置する値である「7」となる。なお、有限個のデータの数が偶数であり、中央に位置する値が二つとなる場合、中央値は該二つの値の平均値とする。
また、顔の向きと姿勢のうち顔の向きのみが取得できた場合について、注目被写体Stが移動の状態であるときは、視線方向Dvは進行方向と進行速度、顔の向き、及び顔の向きの変化速度に基づく向きとする。
具体的に、該移動の状態であるときの視線方向Dvは、図15に示すように設定する。
先ず、注目被写体Stの進行速度と顔の向きの変化速度について、それぞれ「速い」「遅い」の組合わせによる計4通りの場合分けを行う。そして、これら4通りの各場合について、さらに注目被写体Stの進行方向と顔の向きが同じ場合、異なる場合の2通りの場合分けを行い、合計で8通りの場合に分ける。
ここで、注目被写体Stの進行速度については、例えば単位をkm/h(時)として求め、また顔の向きの変化速度については、例えば単位をdeg/s(秒)として求める。そして、進行速度についての閾値THs、及び顔の向きの変化速度についての閾値THfをそれぞれ定めておき、これら閾値THs、閾値THfとの大小関係を比較した結果に基づきそれぞれの速度の「遅い」「速い」を判定する。例えば、進行速度、顔の向きの変化速度が閾値THs未満、閾値THf未満であればそれぞれ「遅い」の判定結果を、閾値THs以上、閾値THf以上であればそれぞれ「速い」の判定結果を得る。
進行速度について、「遅い」の目安としては、例えば平均的な歩行速度である5km/h程度を挙げることができ、「速い」の目安として例えばジョギング程度の速度である12km/h程度を挙げることができる。
また、顔の向きの変化速度について、「遅い」の目安は例えば50deg/s程度を挙げることができ、「速い」の目安は例えば90deg/s程度を挙げることができる。
なお、閾値THs、閾値THfについては、例えばコンテンツの種類等に応じて可変とすることもできる。
また、進行方向と顔の向きの「同じ」「異なる」については、それぞれの代表値(特定期間内での代表値)を基準として判定する。
図15に示す通り、本例では、進行速度と顔の向きの変化速度が共に「遅い」場合において、進行方向と顔の向きが同じであるときは、視線方向Dvは進行方向に設定し、また同場合において、進行方向と顔の向きが異なるときは、視線方向Dvは顔の向きの代表値に設定する。
また、進行速度が「遅い」、顔の向きの変化速度が「速い」場合において、進行方向と顔の向きが同じであるときは、視線方向Dvは進行方向に設定し、また同場合において、進行方向と顔の向きが異なるときは、視線方向Dvは顔の向きの代表値に設定する。
すなわち、進行速度が「遅い」場合には、顔の向きの変化速度に拘わらず、進行方向と顔の向きが同じであれば視線方向Dvを進行方向に設定し、進行方向と顔の向きが異なれば視線方向Dvを顔の向きの代表値に設定する。
次いで、進行速度が「速い」、顔の向きの変化速度が「遅い」場合において、進行方向と顔の向きが同じであるときは、視線方向Dvは進行方向に設定し、また同場合において、進行方向と顔の向きが異なるときは、視線方向Dvは顔の向きの代表値に設定する。
また、進行速度と顔の向きの変化速度が共に「速い」場合においては、進行方向と顔の向きが同じであるか否かに拘わらず、視線方向Dvは進行方向に設定する。
すなわち、進行速度が「速い」状況においては、顔の向きの変化速度が遅ければ視線方向Dvを顔の向きに追従させ、顔の向きの変化速度が速ければ視線方向Dvを顔の向きに追従させず、進行方向に設定するものとしている。これにより、仮想視点画像の表示内容が目まぐるしく変化することの防止が図られ、仮想視点画像を観察するユーザの違和感や疲労(例えば目の疲れ等)の緩和を図ることができる。
続いて、図14において、顔の向きと姿勢の双方が取得できた場合における視線方向Dvの設定手法を説明する。
該場合において、注目被写体Stが停止の状態(この場合も初期状態、定常状態を問わず)であるときは、視線方向Dvは姿勢から推定した向きに設定する。
また、注目被写体Stが移動の状態であれば、視線方向Dvは姿勢から推定した向き、該向きの変化速度、及び進行方向に基づく向きに設定する。
本例では、注目被写体Stの姿勢から推定される向きとして、注目被写体Stの身体向きの推定を行う。
この身体向きは、被写体解析部12で得られる注目被写体Stの簡易モデルから推定されるもので、具体的には、図16に示すように、簡易モデルにおける胴体部(例えば四角形)の法線方向として求められる。ここで、該法線方向としては互いが逆方向の関係となる二つの方向が存在するが、身体向きとしては、該法線方向のうち、注目被写体Stの鼻が存在する側の方向を選択する。すなわち、ここでの身体向きとは、注目被写体Stの正面の向きと換言できるものである。
ここで、本例では、注目被写体Stの簡易モデルは、注目被写体Stの顔の向きの情報を用いて生成される。すなわち、該簡易モデルは顔の向きの情報が得られる場合に生成されるものである。
このため本例では、注目被写体Stの向きに係る解析情報の取得状況について、図14に示したような場合分けを行っている。
図17は、顔の向きと姿勢の双方が取得でき、注目被写体Stが移動の状態であった場合における視線方向Dvの設定手法についての説明図である。
図示のように該場合については、身体向きの変化速度の「遅い」「速い」による場合分けを行うと共に、身体向きの変化速度が「速い」場合について、さらに進行方向と身体向きの「同じ」「異なる」による場合分けを行っている。
身体向きの変化速度については、例えば単位をdeg/sとして求める。身体向きの変化速度の「遅い」「速い」の判定については、該変化速度についての閾値THbを定めておき、該閾値THbとの比較結果に基づき行う。例えば、該変化速度が閾値THb未満であれば「遅い」、閾値THb以上であれば「速い」の判定結果を得る。
身体向きについては、上述した顔の向きとの比較で下肢や体幹の旋回速度も加わりより速い回転が可能となるので、その点を考慮して閾値THbは上述した閾値THfよりも大きな値とすることが考えられる。
なお、閾値THbについてもコンテンツの種類等に応じて可変とすることもできる。
また、進行方向と身体向きの「同じ」「異なる」の判定において、進行方向及び身体向きは共に特定期間内における代表値を用いる。
上記した場合ごとの視線方向Dvの設定については、先ず、身体向きの変化速度が「遅い」場合については、視線方向Dvは身体向きの代表値とする。
一方、身体向きの変化速度が「速い」場合において、進行方向と身体向きとが「同じ」場合は、視線方向Dvは身体向きの代表値とし、進行方向と身体向きとが「異なる」場合は、視線方向Dvは進行方向とする。
このように身体向きについても、変化速度が「速い」場合には、視線方向Dvを向きの変化に追従させないようにしている。
図18のフローチャートを参照し、上記により説明した視線方向Dvの設定を実現するために行われるべき具体的な処理の手順を説明する。
なお、本例において、図18に示す処理の実行主体は仮想視点画像生成部13である。
先ず、仮想視点画像生成部13はステップS201で、顔の向きが取得できているか否かを判定する。すなわち、被写体解析部12より注目被写体Stの顔の向きの情報が取得できているか否かを判定する。
顔の向きが取得できていれば、仮想視点画像生成部13はステップS202に進み、姿勢の情報が取得できているか否か、すなわち被写体解析部12より注目被写体Stの簡易モデルの情報が取得できているか否かを判定する。
これらステップS201及びS202の処理により、注目被写体Stの向きに係る解析情報として顔の向き、姿勢の何れも取得できていない場合、顔の向きのみが取得できている場合、又は顔の向きと姿勢の双方が取得できている場合の何れの場合に該当するかが判定される。
ステップS201で顔の向きが取得できていないと判定した場合、すなわち顔の向き、姿勢の何れも取得できていない場合、仮想視点画像生成部13はステップS203に進み、注目被写体Stが移動の状態であるか否かを判定する。そして、移動の状態でないと判定した場合、仮想視点画像生成部13はステップS204に進んで初期状態であるか否かを判定する。
これらステップS203及びS204の処理により、注目被写体Stの状態が、停止(初期状態)の状態、停止(定常状態)の状態、移動の状態の何れの状態に該当するかが判定される。
なお、注目被写体Stの移動/停止に係る判定は、被写体解析部12で得られる注目被写体Stの位置の情報に基づいて行う。
ステップS204において、初期状態であると判定した場合(つまり停止(初期状態)の状態の場合)、仮想視点画像生成部13はステップS205に進み、視線方向Dvを予め定めた向きに設定して図18に示す処理を終える。なお、「予め定めた向き」については既に説明済みであるため重複説明は避ける。
また、ステップS204において、初期状態ではないと判定した場合、仮想視点画像生成部13はステップS206に進み、視線方向Dvとして直前結果を保持する処理を行って、図18に示す処理を終える。
また、先のステップS203において、注目被写体Stが移動の状態であると判定した場合、仮想視点画像生成部13はステップS207に進み、視線方向Dvを注目被写体Stの進行方向とし、図18に示す処理を終える。
なお、視線方向Dvを進行方向とする際、進行方向としては、特定期間内の代表値を用いることもできる。
また、先のステップS202において、注目被写体Stの姿勢が取得できていないと判定した場合、すなわち、顔の向きのみが取得できている場合、仮想視点画像生成部13はステップS208に進み、注目被写体Stが移動の状態であるか否かを判定する。
移動の状態でなければ、仮想視点画像生成部13はステップS210に進み、視線方向Dvを顔の向きから推定した向きとする、すなわち視線方向Dvを顔の向きの特定期間内における代表値とする処理を行って、図18に示す処理を終える。
一方ステップS208で移動の状態であると判定した場合、仮想視点画像生成部13はステップS211に進み、視線方向Dvを、注目被写体Stの進行方向と進行速度、顔の向き、及び顔の向きの変化速度に基づく向きに設定する処理を行い、図18に示す処理を終える。
なお、注目被写体Stの進行方向と進行速度、顔の向き、及び顔の向きの変化速度に基づく向きの具体的な設定手法については、既に図14を参照して説明済みであるため重複説明は避ける。
続いて、ステップS202において、姿勢を取得できていると判定した場合(顔の向きと姿勢の双方を取得できている場合)、仮想視点画像生成部13はステップS209に進み、注目被写体Stが移動の状態であるか否かを判定する。
移動の状態でなければ、仮想視点画像生成部13はステップS212に進み、視線方向Dvを身体向きとする、すなわち視線方向Dvを身体向きの特定期間内における代表値とする処理を行って、図18に示す処理を終える。
一方ステップS209で移動の状態であると判定した場合、仮想視点画像生成部13はステップS213に進み、視線方向Dvを、注目被写体Stの身体向き、身体向きの変化速度、及び進行方向に基づく向きに設定する処理を行い、図18に示す処理を終える。
なお、注目被写体Stの進行方向と進行速度、身体向き、及び身体向きの変化速度に基づく向きの具体的な設定手法は、図17を参照して説明した手法と同様の手法であり、重複説明は避ける。
上記のように第二変形例においては、仮想視点画像生成部13は、一人称視点からの視線方向Dvの設定手法を、注目被写体Stの向きに係る解析情報の取得状況に基づき選択している。
これにより、例えば注目被写体Stの顔の向きや身体向き等、被写体の向きに係る解析情報の取得状況に応じた適切な視線方向Dvの設定を行うことが可能とされる。従って、一人称視点の仮想視点画像として、適切な視線方向Dvによる画像を提供することができる。
[2-3.第三変形例]

第三変形例は、仮想視点画像の視線方向Dvと被写体の視線の向きとのずれに応じた情報をユーザに報知するものである。
図19は、第三変形例としての画像処理システム100’の構成についての説明図である。
図1に示した画像処理システム100との差異点は、画像処理装置1に代えて画像処理装置1’が設けられた点と、表示装置7に代えてHMD(ヘッドマウントディスプレイ)51が設けられた点である。
なお図示は省略したが、図19に示す画像処理システム100’としても、図1に示した画像処理システム100と同様に、複数の撮像装置2とパラメータ記録装置4とを備えている。また、画像処理システム100’においても、図1に示した画像記録装置8が設けられてもよい。
画像処理装置1’は、画像処理装置1と比較して、仮想視点画像生成部13に代えて仮想視点画像生成部13’が設けられた点が異なる。仮想視点画像生成部13’は、第二変形例で説明した一人称視点からの視線方向Dvの設定を行うと共に、視線方向Dvと被写体の視線の向きとのずれに応じた報知をユーザに対して行うための報知処理部52を有している。
画像処理システム100’においては、HMD51を装着したユーザに、仮想視点画像生成部13’が生成した一人称視点による仮想視点画像を提示する。
本例の画像処理システム100’は、HMD51の画面上に表示される仮想視点画像の視線方向Dvを、HMD51が装着されたユーザの頭部の動き(回動)に応じて変更する機能を有する。このために、HMD51には、ユーザの頭部の動きを検出するための例えばジャイロセンサ等の動き検出デバイスが搭載されている。仮想視点画像生成部13’は、HMD51の動き検出デバイスによる検出信号に基づき、HMD51に出力する仮想視点画像の視線方向Dvを変更可能に構成されている。
ここで、HMD51に一人称視点による仮想視点画像を表示する場合、該仮想視点画像の視線方向Dvとしては、第二変形例で説明したような注目被写体Stの身体向きや顔の向きに基づく向きに設定することが考えられる。
しかしながら、注目被写体Stの身体向きや顔の向きは、必ずしも注目被写体Stの視線の向きと一致するものとは言えず、これら身体向きや顔の向きと視線の向きとが一致しない場合には、ユーザに表示する仮想視点画像として、注目被写体Stの視野を適切に再現した画像を提供することができない。
図20に具体例を示す。
先ず、以下の説明では、仮想視点画像の視線方向Dvと注目被写体Stの視線の向きとの混同防止のため、注目被写体Stの視線の向きは「視線の向きDrv」と表記する。
なお確認しておくと、視線方向Dvは、仮想視点画像の視野を決定づける要素の一つであって、視線Pvから何れの方向を観察した画像とするかを定めるためのパラメータである。この意味で、「視線方向Dv」については、仮想視点画像の「観察方向」と表記することもある。
図20では、HMD51を装着したユーザと、注目被写体Stとを対比して示している。
HMD51を装着したユーザは、常に頭部を左右に振るということは考え難く、基本的には、顔が正面側を向いていることを前提とすることができる。そのため、仮想視点画像の視線方向Dvは、注目被写体Stの身体向きと一致させることが望ましい。このように視線方向Dvを注目被写体Stの身体向きと一致させることで、ユーザと注目被写体Stとの間で身体向きを揃えることができる。
なお、第二変形例で説明した視線方向Dvの設定手法によると、身体向きの情報が取得できない場合には顔の向きに基づく視線方向Dvが設定され、顔の向きも取得できない場合には進行方向が視線方向Dvとして設定される。
図20において、HMD51を装着したユーザの上側に示した注目被写体Stは、身体向きと視線の向きDrvが一致している。すなわち、この場合における仮想視点画像は、視線方向Dvが注目被写体Stの視線の向きDrvと一致することになり、注目被写体Stについての一人称視点による仮想視点画像をユーザに表示した場合、注目被写体Stの視野と一致した視野による仮想視点画像を表示できる。
一方、ユーザの下側に示した注目被写体Stは、身体向きと視線の向きDrvが一致していない。従って、この場合における仮想視点画像は、視線方向Dvが注目被写体Stの視線の向きDrvと一致せず、注目被写体Stについての一人称視点による仮想視点画像をユーザに表示した場合、注目被写体Stの視野を再現することができない。
上記のように注目被写体Stについては、身体向きと視線の向きDrvが不一致の場合もあり、その場合に生成される仮想視点画像によっては、注目被写体Stの視野が適切に再現されない。
そこで、本例では、注目被写体Stの視線の向きDrvを推定し、推定した視線の向きDrvと視線方向Dvとのずれに応じた情報、具体的には、これらの方向を一致させるための案内情報をユーザに提示する。
先ず、注目被写体Stの視線の向きDrvの推定について説明する。
本例では、視線の向きDrvについても、第二変形例の場合と同様に注目被写体Stの向きに係る解析情報の取得状況に基づき、設定手法を選択するものとしている。
具体的には、図21に示すように、顔の向き、瞳の向きの取得状況に基づき、視線の向きDrvの設定手法を選択する。
ここで、注目被写体Stの瞳の向きは、被写体解析部12により推定する。
ここでの「瞳」とは、瞳孔のみを指す狭義の意味だけでなく、瞳孔と虹彩とを合わせた部分を指す広義の意味も含むものとする。本例では、瞳の向きは、顔の向きの情報と瞳についての検出情報とに基づいて推定される。換言すれば、瞳の向きは顔の向きが取得されている場合に取得可能な情報とされる。
図示のように、本例では、顔の向きと瞳の向きの何れも取得できない場合には、視線の向きDrvについての提示を行わないものとする。すなわち、視線方向Dvと視線の向きDrvとのずれに応じた情報報知は行わない。
また、顔の向きと瞳の向きのうち顔の向きのみが取得できている場合には、顔の向きに基づき視線の向きDrvを推定する。
本例では、顔の向きに対して所定の回転を加えた方向を視線の向きDrvの推定値とする。このような推定値の特定期間内における代表値を視線の向きDrvとして取得する。
なお、顔の向きから視線の向きDrvを推定するにあたっては、視点Pvの位置をオフセットさせてもよい。
図22は、その一例を示しており、視点Pvの位置が注目被写体Stの目の位置付近に設定されるように視点Pvにオフセットを加えている。
図21において、顔の向きと瞳の向きの双方が取得できている場合は、瞳の向きに基づき視線の向きDrvを設定する。具体的に本例では、瞳の向きの特定期間内における代表値を視線の向きDrvとして設定する。
上記のように顔の向きのみ、又は顔の向きと瞳の向きの双方が取得された場合に対応して注目被写体Stの視線の向きDrvが設定された場合は、仮想視点画像の視線方向(観察方向)Dvと視線の向きDrvのずれを検出し、該ずれに応じた情報をユーザに報知する。
図23乃至図26を参照して、視線方向Dvと視線の向きDrvとのずれに応じた情報の報知例を説明する。
図23は、視線方向Dvと視線の向きDrvとのずれが生じている場合における注目被写体Stの視野とユーザの視野との関係を例示している。
図中の画像Gaは、視点Pvを注目被写体Stの一人称視点とした場合における全天球画像による仮想視点画像を表している。図中に表示画像Gtとして示す、HMD51に表示させる仮想視点画像は、図示のように画像Gaの一部を切り取ったものに相当すると言うことができる。ユーザの視野は、この表示画像Gtにより定まる。
図中の点pgは、視点Pv(一人称視点)からの視線方向Dvを模式的に表したもので、点psは注目被写体Stの視線の向きDrvを模式的に表したものである。これら点pgと点psとのずれとして表されるように、視線方向Dvと視線の向きDrvとの間にずれが生じていると、表示画像Gaにおいて、注目被写体Stの視野が適切に再現されない。
図24は、視線方向Dvと視線の向きDrvとのずれに応じた情報報知の一例についての説明図である。
本報知例では、視線方向Dvと視線の向きDrvとのずれに応じた情報として、視線方向Dvを視線の向きDrvに一致させるための視線合わせ案内情報を提示する。具体的には、図24Aに示すように、視線方向Dvを視線の向きDrvに一致させるための方向指示情報H1(本例では矢印状の図形としている)が表示画像Gaにおいて提示されるようにする。
図24Bは、図24Aに示す表示画像Gtを抽出して示した図である。
このような方向指示情報H1を提示することで、視線方向Dvと視線の向きDrvとの方向合わせのために視線方向Dvを左右何れの方向に変化させればよいか(本例では頭部を何れの方向に動かせばよいか)をユーザに的確且つ直感的に認識させることができる。
また、本報知例では、上記の方向指示情報H1と併せて、注目被写体Stの視線の向きDrvを表す情報としての目標方向情報H2の提示を行う。
図25は、図24Bの状態から視線方向Dvが視線の向きに一致する側に変化された場合の表示画像Gtを示している。目標方向情報H2は、視線の向きDrvが表示画像Gtの視野内にある状態において、表示画像Gt内に提示する。なお、図中では目標方向情報H2として十字形状の図形を提示する例を示しているが、目標方向情報H2の提示態様はこれに限定されるものではない。
このような目標方向情報H2の提示により、方向合わせの目標をユーザに的確且つ直感的に認識させることができる。
図26は、視線方向Dvと視線の向きDrvとのずれに応じた情報報知の別例の説明図である。
本報知例では、表示画像Gtにおける注目被写体Stの視野との重複部分と非重複部分とについて、両部分を異なる表示態様で表示させる。すなわち、図26Aに示すように、表示画像Gtにおける注目被写体Stの視野と重複する部分を重複部分Ai、重複しない部分を非重複部分Aoとしたとき、これら重複部分Aiと非重複部分Aoとを異なる表示態様で表示させる。具体的に、本例では、重複部分Aiをカラー表示し、非重複部分Aoはモノクロ表示等、重複部分Aiよりも彩度を落とした表示とする。
このような重複部分Aiと非重複部分Aoの表示によると、視線の向きDrvが左右何れの方向に存在しているかが示される。すなわち、これら重複部分Aiと非重複部分Aoとによる情報の提示は前述した視線合わせ案内情報の提示に該当する。
なお、図26では方向指示情報H1や目標方向情報H2の提示も併せて行う例としたが、本報知例において、これら方向指示情報H1や目標方向情報H2の提示を行うことは必須ではない。
上記のような視線合わせ案内情報の報知に係る処理は、図19に示した報知処理部52が行う。
図27は、上記で説明した第三変形例としての処理のうち、注目被写体Stの向きに係る解析情報の取得状況に基づき視線の向きDrvの設定手法を選択する処理についてのフローチャートである。
本例では、図27に示す処理は仮想視点画像生成部13’が実行する。
先ず、仮想視点画像生成部13’はステップS301で、顔の向きが取得できているか否かを判定する。顔の向きが取得できていない場合、仮想視点画像生成部13’は図27に示す処理を終える。つまりこの場合は、視線の向きDrvは設定されず、視線方向Dvと視線の向きDrvとのずれに応じた情報の報知は行われない。
一方、顔の向きが取得できていれば、仮想視点画像生成部13’はステップS302に進み、瞳の向きが取得できているか否かを判定する。
瞳の向きが取得できていない場合(つまり顔の向きのみが取得できている場合)、仮想視点画像生成部13’はステップS303に進み、視線の向きDrvを、顔の向きに基づき推定した向きとする処理を行って図27に示す処理を終える。つまり本例では、顔の向きに対して所定の回転を加えた方向を視線の向きDrvの推定値とし、該推定値の特定期間内における代表値を視線の向きDrvとする処理を行う。
また、ステップS302で瞳の向きが取得できている場合(顔の向きと瞳の向きの双方が取得できている場合)、仮想視点画像生成部13’はステップS304に進み、視線の向きDrvを瞳の向きとする処理を行って図27に示す処理を終える。具体的に、この場合の視線の向きDrvは、瞳の向きの特定期間内における代表値とする。
図28は、視線合わせ案内情報の表示に係る処理のフローチャートである。
なお、図28に示す処理は、本例では仮想視点画像生成部13’が前述した報知処理部52の処理として実行する。
図28において、仮想視点画像生成部13’はステップS401で、視線方向(観察方向)Dvと視線の向きDrvとが一致しているか否かを判定し、視線方向Dvと視線の向きDrvとが一致していれば図28に示す処理を終え、一致していなければステップS402に処理を進める。
ステップS402で仮想視点画像生成部13’は、視線合わせ案内情報の表示処理を実行する。具体的には、先ず、視線方向Dvと視線の向きDrvとのずれを検出し、検出したずれに応じた視線合わせ案内情報を表示画面Gt内に表示させるための処理を行う。例えば、前述した方向指示情報H1については、視線方向Dvに対して視線の向きDrvが右方向にずれていれば右向きの矢印、左方向にずれていれば左向きの矢印を生成した仮想視点画像(表示画像Gt)に重畳表示させるための処理を行う。なお、目標方向情報H2については、視線の向きDrvが表示画像Gtの視野内にある状態において重畳表示させる。
また、図26の報知例の場合には、視線の向きDrvに基づいて注目被写体Stの視野を推定し、推定した視野に基づいて仮想視点画像(表示画像Gt)における重複部分Aiと非重複部分Aoとを特定し、例えば重複部分Aiをカラー、非重複部分Aoを低彩度とした仮想視点画像を生成する。
仮想視点画像生成部13’は、ステップS402の表示処理を実行したことに応じ、図28に示す処理を終える。
なお、第三変形例において、報知する情報は視覚的な情報に限らず、音としての聴覚的情報や、振動等の触覚的情報とすることもできる。例えば、聴覚的情報とする場合、方向指示は、Lch、Rchのスピーカのうち片側のchのスピーカのみから音を出力して行うことが考えられる。また、触覚的情報とする場合には、特にHMD51等、ユーザが装着する表示デバイスの場合には、左右に触覚刺激デバイス(例えば振動や風圧等、触覚刺激を与えるデバイス)を設けた構成としておき、方向指示は、左右何れかのデバイスのみから触覚刺激を与えることで行う等が考えられる。
[2-4.第四変形例]

第四変形例は、一人称視点と三人称視点の切り替えに係るものである。
ここで、三人称視点は、前述した「内向き視点」、すなわち被写体を観察する視点と同義である。
第四変形例において、仮想視点画像により提供するコンテンツはスポーツであるとする。
三人称視点と一人称視点との切り替えは、コンテンツの種類に応じて行うことができる。
例えば、サッカー等の多人数且つ広い空間を移動する競技については、全体的な競技の把握を優先させて三人称視点を自動設定することが考えられる。また、ボクシング等の少人数且つ狭い空間を移動する競技については、臨場感を優先させて一人称視点を自動設定することが考えられる。
また、注目被写体Stがインプレイかアウトプレイかの状態差違に応じて三人称視点と一人称視点の切り替えを行うこともできる。例えば、バスケットボール競技であれば、注目被写体Stがボールを持っていれば一人称視点、ボールをもっていなければ三人称視点に切り替えることが考えられる。
また、注目被写体Stが野球のバッターであるとき、ボールを打つまでは一人称視点、打った後は三人称視点に切り替えることも考えられる。
また、三人称視点と一人称視点との切り替えは、注目被写体Stの姿勢の情報の有無に応じて行ってもよい。具体的には、姿勢の情報があれば一人称視点、姿勢の情報がなければ三人称視点に切り替えを行う。
さらに、三人称視点と一人称視点との切り替えは、表示デバイスの種類に応じて行うこともできる。
例えば、仮想視点画像の表示デバイスがHMD51等の特定表示デバイスであれば一人称視点、特定表示デバイス以外の場合には三人称視点に切り替えを行う等である。
或いは、三人称視点と一人称視点との切り替えは、コンテンツの再生回数に応じて行うこともできる。例えば、一回目の再生時は三人称視点(又は一人称視点)、2回目以降の再生時には一人称視点(又は三人称視点)に切り替えることが考えられる。
また、三人称視点と一人称視点との切り替えは、視点切替操作以外の操作に連動して行うこともできる。
例えば、再生中に巻き戻し操作が行われたとき、巻き戻し後の再生時に三人称視点から一人称視点、又は一人称視点から三人称視点への切り替えを行うことが考えられる。このような巻き戻し操作に応じた切り替えは、例えばクロスプレーなどもう一度視点を変えて見たい場合等に好適である。
また、実際に視点切り替えを行うのではなく、ユーザに切り替えを提案するための情報を提示してもよい。一例としては、切り替えについての「はい」「いいえ」を選択するポップアップ画面を表示し、ユーザの指示を待ち、一定期間応答が無い場合は「はい」と判定する等の手法がある。或いは、切り替えを行うことについての報知を音声により行い、ユーザの指示を待ち、一定期間、ユーザの音声による応答が無い場合は切り替えを行う意思がないと判定する等の手法も考えられる。なお、上記の一定期間は、スポーツコンテンツであることから短いことが望まれ、例えば2秒程度とすることが考えられる。
[2-5.第五変形例]

第五変形例は、システム構成に係る変形例である。
図29は、第五変形例における画像処理システム100Aの構成例を示している。
なお以下の説明において、既に説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
第五変形例は、画像処理装置1による処理をクラウドコンピューティングにより実現するようにした例である。
画像処理システム100Aにおいては、先の図1に示した画像処理システム100と比較して、データ記録装置9が追加され、またこのデータ記録装置9と画像処理装置1、入力装置6、表示装置7、及び画像記録装置8がそれぞれネットワーク50を介して通信可能に接続されている点が異なる。
なお、ネットワーク50は、例えばインターネットとされる。
データ記録装置9は、例えばSSDやHDD等のデータ記録部と、該データ記録部についてデータの記録再生制御を行う制御部とを備え、画像記録装置3に記録された各撮像装置2による撮像画像、及びキャリブレーション装置5で得られたカメラパラメータの情報を取得して記録する。
この場合、画像処理装置1は、ネットワーク50を介して、データ記録装置9から各撮像装置2による撮像画像とカメラパラメータの情報とを取得する。なお、これら撮像画像とカメラパラメータの情報に基づき画像処理装置1が行う処理についてはこれまでで説明したものと同様となるため重複説明は避ける。
なお、画像処理システム100Aにおいて、入力装置6は、ネットワーク50を介さず、画像処理装置1と直接的に通信可能に接続されてもよい。
[2-6.第六変形例]

図30は、第六変形例における画像処理システム100Bの構成例を示している。
第六変形例は、第五変形例と同様のデータ記録装置9を設けて、仮想視点画像の生成をオフライン処理として実現可能とするものである。
図30では、一例として、3Dモデルデータと被写体解析情報Iaとをデータ記録装置9に記録しておき、これら記録された3Dモデルデータと被写体解析情報Iaを表示装置7Aが取得して仮想視点画像の生成を行う場合を例示する。
画像処理システム100Bは、画像処理システム100Aと比較して、画像処理装置1、入力装置6、画像記録装置8が省略される一方で、3Dモデル生成装置11’、被写体解析装置12’が設けられると共に、表示装置7に代えて表示装置7Aが設けられた点が異なる。
データ記録装置9と表示装置7Aは、ネットワーク50を介して相互にデータ通信を行うことが可能とされている。
この場合、画像記録装置3に記録された各撮像装置2による撮像画像、及びキャリブレーション装置5で得られたカメラパラメータの情報は3Dモデル生成装置11’に入力される。3Dモデル生成装置11’は、これら画像記録装置3に記録された撮像画像とカメラパラメータの情報に基づいて、3Dモデル生成部11と同様に3Dモデルデータを生成する。
被写体解析装置12’は、3Dモデル生成装置11’が生成した3Dモデルデータに基づいて被写体解析部12と同様の被写体解析処理を行って被写体解析情報Iaを得る。
3Dモデル生成装置11’が生成した3Dモデルデータ、及び被写体解析情報Iaはデータ記録装置9に記録される。
表示装置7Aは、操作部61、表示部62を備えると共に、仮想視点画像生成部13を備えており、仮想視点画像生成部13は、データ記録装置9に記録された3Dモデルデータ及び被写体解析情報Iaをネットワーク50を介して取得し、仮想視点画像を生成する。そして、生成した仮想視点画像を表示部62が表示する。この場合も仮想視点画像生成部13は、操作部61を介した操作入力に基づいて視点Pvや視線方向Dvの設定を行う。また、画像処理装置1の場合と同様に、設定された「視点モード」や「視点設定モード」の別に応じた処理(図11参照)を行う。
このような表示装置7Aは、例えばノート型のパーソナルコンピュータや携帯電話機、タブレット端末等、可搬性を有する情報処理装置として実現することが可能である。
ここで、画像処理システム100Bにおいて、例えばネットワーク50の通信トラフィックや表示装置7Aの処理負担等を考慮し、表示装置7Aは、必要とされる一部シーンのデータのみをデータ記録装置9から取得して仮想視点画像の生成を行うこともできる。この場合、必要とされるシーンの選択は操作部61を介した操作入力に基づき行うことができる。
また、データ記録装置9における3Dモデルデータ及び被写体解析情報Iaの記録は、各撮像装置2による撮像画像における一部区間の画像部分についてのみ行うようにしてもよい。
なお、画像処理システム100Bにおいて、表示装置7Aが生成した仮想視点画像は所要の記録装置に記録することもできる。
また、上記では、表示装置7Aにおける仮想視点画像生成部13が視点Pvの設定を行うことを前提としたが、例えば外部装置において設定された視点Pvの情報を表示装置7Aが取得し、該取得した視点Pvの情報に基づいて仮想視点画像生成部13が仮想視点画像の生成を行うことも可能である。
この場合、被写体の位置に基づいた視点Pvの設定は、例えば上記の外部装置が少なくとも3Dモデルデータと被写体解析情報Iaに基づいて行う。そして、表示装置7Aにおける仮想視点画像生成部13は、このように設定された視点Pvの情報に基づいて仮想視点画像の生成を行う。なお、この場合も仮想視点画像生成部13としては、被写体の動きに追従して視点Pvが変化される仮想視点画像を生成していることに変わりはない。
[2-7.第七変形例]

本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、手術室システムに適用されてもよい。
図31は、本開示に係る技術が適用され得る手術室システム5100の全体構成を概略的に示す図である。図31を参照すると、手術室システム5100は、手術室内に設置される装置群が視聴覚コントローラ(AV Controller)5107及び手術室制御装置5109を介して互いに連携可能に接続されることにより構成される。
手術室には、様々な装置が設置され得る。図31では、一例として、内視鏡下手術のための各種の装置群5101と、手術室の天井に設けられ術者の手元を撮像するシーリングカメラ5187と、手術室の天井に設けられ手術室全体の様子を撮像する術場カメラ5189と、複数の表示装置5103A~5103Dと、レコーダ5105と、患者ベッド5183と、照明5191と、を図示している。
ここで、これらの装置のうち、装置群5101は、後述する内視鏡手術システム5113に属するものであり、内視鏡や当該内視鏡によって撮像された画像を表示する表示装置等からなる。内視鏡手術システム5113に属する各装置は医療用機器とも呼称される。一方、表示装置5103A~5103D、レコーダ5105、患者ベッド5183及び照明5191は、内視鏡手術システム5113とは別個に、例えば手術室に備え付けられている装置である。これらの内視鏡手術システム5113に属さない各装置は非医療用機器とも呼称される。視聴覚コントローラ5107及び/又は手術室制御装置5109は、これら医療機器及び非医療機器の動作を互いに連携して制御する。
視聴覚コントローラ5107は、医療機器及び非医療機器における画像表示に関する処理を、統括的に制御する。具体的には、手術室システム5100が備える装置のうち、装置群5101、シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189は、手術中に表示すべき情報(以下、表示情報ともいう)を発信する機能を有する装置(以下、発信元の装置とも呼称する)であり得る。また、表示装置5103A~5103Dは、表示情報が出力される装置(以下、出力先の装置とも呼称する)であり得る。また、レコーダ5105は、発信元の装置及び出力先の装置の双方に該当する装置であり得る。視聴覚コントローラ5107は、発信元の装置及び出力先の装置の動作を制御し、発信元の装置から表示情報を取得するとともに、当該表示情報を出力先の装置に送信し、表示又は記録させる機能を有する。なお、表示情報とは、手術中に撮像された各種の画像や、手術に関する各種の情報(例えば、患者の身体情報や、過去の検査結果、術式についての情報等)等である。
具体的には、視聴覚コントローラ5107には、装置群5101から、表示情報として、内視鏡によって撮像された患者の体腔内の術部の画像についての情報が送信され得る。また、シーリングカメラ5187から、表示情報として、当該シーリングカメラ5187によって撮像された術者の手元の画像についての情報が送信され得る。また、術場カメラ5189から、表示情報として、当該術場カメラ5189によって撮像された手術室全体の様子を示す画像についての情報が送信され得る。なお、手術室システム5100に撮像機能を有する他の装置が存在する場合には、視聴覚コントローラ5107は、表示情報として、当該他の装置からも当該他の装置によって撮像された画像についての情報を取得してもよい。
あるいは、例えば、レコーダ5105には、過去に撮像されたこれらの画像についての情報が視聴覚コントローラ5107によって記録されている。視聴覚コントローラ5107は、表示情報として、レコーダ5105から当該過去に撮像された画像についての情報を取得することができる。なお、レコーダ5105には、手術に関する各種の情報も事前に記録されていてもよい。
視聴覚コントローラ5107は、出力先の装置である表示装置5103A~5103Dの少なくともいずれかに、取得した表示情報(すなわち、手術中に撮影された画像や、手術に関する各種の情報)を表示させる。図示する例では、表示装置5103Aは手術室の天井から吊り下げられて設置される表示装置であり、表示装置5103Bは手術室の壁面に設置される表示装置であり、表示装置5103Cは手術室内の机上に設置される表示装置であり、表示装置5103Dは表示機能を有するモバイル機器(例えば、タブレットPC(Personal Computer))である。
また、図31では図示を省略しているが、手術室システム5100には、手術室の外部の装置が含まれてもよい。手術室の外部の装置は、例えば、病院内外に構築されたネットワークに接続されるサーバや、医療スタッフが用いるPC、病院の会議室に設置されるプロジェクタ等であり得る。このような外部装置が病院外にある場合には、視聴覚コントローラ5107は、遠隔医療のために、テレビ会議システム等を介して、他の病院の表示装置に表示情報を表示させることもできる。
手術室制御装置5109は、非医療機器における画像表示に関する処理以外の処理を、統括的に制御する。例えば、手術室制御装置5109は、患者ベッド5183、シーリングカメラ5187、術場カメラ5189及び照明5191の駆動を制御する。
手術室システム5100には、集中操作パネル5111が設けられており、ユーザは、当該集中操作パネル5111を介して、視聴覚コントローラ5107に対して画像表示についての指示を与えたり、手術室制御装置5109に対して非医療機器の動作についての指示を与えることができる。集中操作パネル5111は、表示装置の表示面上にタッチパネルが設けられて構成される。
図32は、集中操作パネル5111における操作画面の表示例を示す図である。図32では、一例として、手術室システム5100に、出力先の装置として、2つの表示装置が設けられている場合に対応する操作画面を示している。図32を参照すると、操作画面5193には、発信元選択領域5195と、プレビュー領域5197と、コントロール領域5201と、が設けられる。
発信元選択領域5195には、手術室システム5100に備えられる発信元装置と、当該発信元装置が有する表示情報を表すサムネイル画面と、が紐付けられて表示される。ユーザは、表示装置に表示させたい表示情報を、発信元選択領域5195に表示されているいずれかの発信元装置から選択することができる。
プレビュー領域5197には、出力先の装置である2つの表示装置(Monitor1、Monitor2)に表示される画面のプレビューが表示される。図示する例では、1つの表示装置において4つの画像がPinP表示されている。当該4つの画像は、発信元選択領域5195において選択された発信元装置から発信された表示情報に対応するものである。4つの画像のうち、1つはメイン画像として比較的大きく表示され、残りの3つはサブ画像として比較的小さく表示される。ユーザは、4つの画像が表示された領域を適宜選択することにより、メイン画像とサブ画像を入れ替えることができる。また、4つの画像が表示される領域の下部には、ステータス表示領域5199が設けられており、当該領域に手術に関するステータス(例えば、手術の経過時間や、患者の身体情報等)が適宜表示され得る。
コントロール領域5201には、発信元の装置に対して操作を行うためのGUI(Graphical User Interface)部品が表示される発信元操作領域5203と、出力先の装置に対して操作を行うためのGUI部品が表示される出力先操作領域5205と、が設けられる。図示する例では、発信元操作領域5203には、撮像機能を有する発信元の装置におけるカメラに対して各種の操作(パン、チルト及びズーム)を行うためのGUI部品が設けられている。ユーザは、これらのGUI部品を適宜選択することにより、発信元の装置におけるカメラの動作を操作することができる。なお、図示は省略しているが、発信元選択領域5195において選択されている発信元の装置がレコーダである場合(すなわち、プレビュー領域5197において、レコーダに過去に記録された画像が表示されている場合)には、発信元操作領域5203には、当該画像の再生、再生停止、巻き戻し、早送り等の操作を行うためのGUI部品が設けられ得る。
また、出力先操作領域5205には、出力先の装置である表示装置における表示に対する各種の操作(スワップ、フリップ、色調整、コントラスト調整、2D表示と3D表示の切り替え)を行うためのGUI部品が設けられている。ユーザは、これらのGUI部品を適宜選択することにより、表示装置における表示を操作することができる。
なお、集中操作パネル5111に表示される操作画面は図示する例に限定されず、ユーザは、集中操作パネル5111を介して、手術室システム5100に備えられる、視聴覚コントローラ5107及び手術室制御装置5109によって制御され得る各装置に対する操作入力が可能であってよい。
図33は、以上説明した手術室システムが適用された手術の様子の一例を示す図である。シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189は、手術室の天井に設けられ、患者ベッド5183上の患者5185の患部に対して処置を行う術者(医者)5181の手元及び手術室全体の様子を撮影可能である。シーリングカメラ5187及び術場カメラ5189には、倍率調整機能、焦点距離調整機能、撮影方向調整機能等が設けられ得る。照明5191は、手術室の天井に設けられ、少なくとも術者5181の手元を照射する。照明5191は、その照射光量、照射光の波長(色)及び光の照射方向等を適宜調整可能であってよい。
内視鏡手術システム5113、患者ベッド5183、シーリングカメラ5187、術場カメラ5189及び照明5191は、図31に示すように、視聴覚コントローラ5107及び手術室制御装置5109(図33では図示せず)を介して互いに連携可能に接続されている。手術室内には、集中操作パネル5111が設けられており、上述したように、ユーザは、当該集中操作パネル5111を介して、手術室内に存在するこれらの装置を適宜操作することが可能である。
以下、内視鏡手術システム5113の構成について詳細に説明する。図示するように、内視鏡手術システム5113は、内視鏡5115と、その他の術具5131と、内視鏡5115を支持する支持アーム装置5141と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5151と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5139a~5139dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5139a~5139dから、内視鏡5115の鏡筒5117や、その他の術具5131が患者5185の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5131として、気腹チューブ5133、エネルギー処置具5135及び鉗子5137が、患者5185の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5135は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5131はあくまで一例であり、術具5131としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5115によって撮影された患者5185の体腔内の術部の画像が、表示装置5155に表示される。術者5181は、表示装置5155に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5135や鉗子5137を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5133、エネルギー処置具5135及び鉗子5137は、手術中に、術者5181又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5141は、ベース部5143から延伸するアーム部5145を備える。図示する例では、アーム部5145は、関節部5147a、5147b、5147c、及びリンク5149a、5149bから構成されており、アーム制御装置5159からの制御により駆動される。アーム部5145によって内視鏡5115が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5115の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5115は、先端から所定の長さの領域が患者5185の体腔内に挿入される鏡筒5117と、鏡筒5117の基端に接続されるカメラヘッド5119と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5117を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5115を図示しているが、内視鏡5115は、軟性の鏡筒5117を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5117の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5115には光源装置5157が接続されており、当該光源装置5157によって生成された光が、鏡筒5117の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5185の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5115は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5119の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5153に送信される。なお、カメラヘッド5119には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5119には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5117の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5153は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5115及び表示装置5155の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5153は、カメラヘッド5119から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5153は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5155に提供する。また、CCU5153には、図31に示す視聴覚コントローラ5107が接続される。CCU5153は、画像処理を施した画像信号を視聴覚コントローラ5107にも提供する。また、CCU5153は、カメラヘッド5119に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。当該撮像条件に関する情報は、入力装置5161を介して入力されてもよいし、上述した集中操作パネル5111を介して入力されてもよい。
表示装置5155は、CCU5153からの制御により、当該CCU5153によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5115が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5155としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5155として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5155が設けられてもよい。
光源装置5157は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5115に供給する。
アーム制御装置5159は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5141のアーム部5145の駆動を制御する。
入力装置5161は、内視鏡手術システム5113に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5161を介して、内視鏡手術システム5113に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5161を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5161を介して、アーム部5145を駆動させる旨の指示や、内視鏡5115による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5135を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5161の種類は限定されず、入力装置5161は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5161としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5171及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5161としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5155の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5161は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5161は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5161は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5161が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5181)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5163は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5135の駆動を制御する。気腹装置5165は、内視鏡5115による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5185の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5133を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5167は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5169は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5113において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5141は、基台であるベース部5143と、ベース部5143から延伸するアーム部5145と、を備える。図示する例では、アーム部5145は、複数の関節部5147a、5147b、5147cと、関節部5147bによって連結される複数のリンク5149a、5149bと、から構成されているが、図33では、簡単のため、アーム部5145の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5145が所望の自由度を有するように、関節部5147a~5147c及びリンク5149a、5149bの形状、数及び配置、並びに関節部5147a~5147cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5145は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5145の可動範囲内において内視鏡5115を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5115の鏡筒5117を患者5185の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5147a~5147cにはアクチュエータが設けられており、関節部5147a~5147cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5159によって制御されることにより、各関節部5147a~5147cの回転角度が制御され、アーム部5145の駆動が制御される。これにより、内視鏡5115の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5159は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5145の駆動を制御することができる。
例えば、術者5181が、入力装置5161(フットスイッチ5171を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5159によってアーム部5145の駆動が適宜制御され、内視鏡5115の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5145の先端の内視鏡5115を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5145は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5145は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5161を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5159は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5145が移動するように、各関節部5147a~5147cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5145に触れながらアーム部5145を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5145を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5115を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5115が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5141を用いることにより、人手によらずに内視鏡5115の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5159は必ずしもカート5151に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5159は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5159は、支持アーム装置5141のアーム部5145の各関節部5147a~5147cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5159が互いに協働することにより、アーム部5145の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5157は、内視鏡5115に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5157は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5157において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5119の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5157は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5119の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5157は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5157は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図34を参照して、内視鏡5115のカメラヘッド5119及びCCU5153の機能についてより詳細に説明する。図34は、図33に示すカメラヘッド5119及びCCU5153の機能構成の一例を示すブロック図である。
図34を参照すると、カメラヘッド5119は、その機能として、レンズユニット5121と、撮像部5123と、駆動部5125と、通信部5127と、カメラヘッド制御部5129と、を有する。また、CCU5153は、その機能として、通信部5173と、画像処理部5175と、制御部5177と、を有する。カメラヘッド5119とCCU5153とは、伝送ケーブル5179によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5119の機能構成について説明する。レンズユニット5121は、鏡筒5117との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5117の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5119まで導光され、当該レンズユニット5121に入射する。レンズユニット5121は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5121は、撮像部5123の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5123は撮像素子によって構成され、レンズユニット5121の後段に配置される。レンズユニット5121を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5123によって生成された画像信号は、通信部5127に提供される。
撮像部5123を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5181は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5123を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5181は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5123が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5121も複数系統設けられる。
また、撮像部5123は、必ずしもカメラヘッド5119に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5123は、鏡筒5117の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5125は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5129からの制御により、レンズユニット5121のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5123による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5127は、CCU5153との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5127は、撮像部5123から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5179を介してCCU5153に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5181が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5127には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5179を介してCCU5153に送信される。
また、通信部5127は、CCU5153から、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5127は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5129に提供する。なお、CCU5153からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5127には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5129に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5153の制御部5177によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5115に搭載される。
カメラヘッド制御部5129は、通信部5127を介して受信したCCU5153からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5119の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5129は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5123の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5129は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5125を介してレンズユニット5121のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5129は、更に、鏡筒5117やカメラヘッド5119を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5121や撮像部5123等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5119について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5153の機能構成について説明する。通信部5173は、カメラヘッド5119との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5173は、カメラヘッド5119から、伝送ケーブル5179を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5173には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5173は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5175に提供する。
また、通信部5173は、カメラヘッド5119に対して、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5175は、カメラヘッド5119から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5175は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5175は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5175が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5175は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5177は、内視鏡5115による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5177は、カメラヘッド5119の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5177は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5115にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5177は、画像処理部5175による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5177は、画像処理部5175によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5155に表示させる。この際、制御部5177は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5177は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5135使用時のミスト等を認識することができる。制御部5177は、表示装置5155に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5181に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5119及びCCU5153を接続する伝送ケーブル5179は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5179を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5119とCCU5153との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5179を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5179によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る手術室システム5100の一例について説明した。なお、ここでは、一例として手術室システム5100が適用される医療用システムが内視鏡手術システム5113である場合について説明したが、手術室システム5100の構成はかかる例に限定されない。例えば、手術室システム5100は、内視鏡手術システム5113に代えて、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、術場カメラ5189やシーリングカメラ5187等の撮像装置による撮像画像に基づいて仮想視点画像を生成する場合に好適に適用され得る。具体的には、例えば術場カメラ5189やシーリングカメラ5187等の撮像装置を複数設け、それら複数の撮像装置による撮像画像に基づいて被写体を三次元空間上で表した三次元情報を取得し、該三次元情報に基づき、三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成することが可能である。
例えば、術場カメラ5189を用いて仮想視点画像を生成する場合、被写体は術者(執刀医、助手、看護師等)、患者、術器具等が対象となる。シーリングカメラ5187を用いて仮想視点画像を生成する場合、被写体は術器具や患者の臓器等が対象となり得る。
[2-8.第八変形例]

本開示に係る技術は、例えば、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図35は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図35に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図35では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
ここで、図36は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図36には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
図35に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図35の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
なお、図35に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
<3.実施形態のまとめ>

以上説明してきたように実施形態の画像処理装置(同1又は1’又は表示装置7A)は、撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する仮想視点画像生成部(同13又は13’)を備え、仮想視点画像生成部は、被写体の動きに追従して前記視点を設定している。
上記のように被写体の動きに追従した視点設定とすることで、視点の設定に係る操作負担を軽減することが可能とされる。例えば、従来では、視点の設定操作は作業者が毎フレーム手動で行うことが一般的とされていたが、これと比較して視点の設定操作負担は大幅に軽減することが可能となる。
従って、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図ることができる。
また、実施形態としての画像処理装置(同1又は1’)においては、三次元情報に基づいて被写体の解析情報を取得する被写体解析部(同12)を備え、仮想視点画像生成部は、解析情報に基づき、仮想視点画像の視点設定に用いられる基準位置を設定している。
これにより、基準位置に基づいた多様な視点設定が可能とされると共に、視点の被写体への追従が容易化される。
従って、視点の設定自由度の向上を図りつつ、視点の被写体への追従精度の向上を図ることができる。
また、実施形態としての画像処理装置(同1又は1’)においては、複数の撮像装置(同2)の撮像画像と撮像画像に対応する撮像条件とを含む撮像情報に基づいて三次元情報を生成する三次元情報生成部(3Dモデル生成部11)を備えている。
このように複数の撮像装置の撮像画像と撮像条件とを含む撮像情報を用いることで、適切な三次元情報が得られるようにする。
適切な三次元情報が得られることで、仮想視点画像の画質向上を図ることができる。
さらに、実施形態としての画像処理装置においては、被写体として人物が対象とされており、仮想視点画像生成部は、基準位置を人物の身体的中心に設定している。
身体的中心は、例えば人物の両肩間の中心、胴体の上下左右中心、顔中心、或いは足下中心等、人物の身体的な中心を意味する。
例えば、基準位置が人物の両肩中心に設定されることで、例えばバスケットボール競技等、手を使用する競技について特に選手の技能を捉えやすい視点設定が可能とされる。また、基準位置が例えば人物の顔中心に設定されることで、仮想視点画像として選手の顔の表情を映し出す画像や、選手の目から見える状況を刻々と映し出した臨場感の高い画像を得ることが可能とされる。
従って、競技選手等の人物の動きの分析や研究に好適な仮想視点画像を提供することができる。
さらに、実施形態としての画像処理装置においては、仮想視点画像生成部は、視点を被写体の位置情報に基づき設定している。
これにより、被写体を捉え易い視点設定が可能とされる。
従って、選手の動きについての分析や研究に好適な仮想視点画像を提供することができる。
さらにまた、実施形態としての画像処理装置においては、被写体として人物が対象とされており、仮想視点画像生成部は、視点を被写体の属性情報に基づき設定している。
これにより、被写体の属性情報から特定される被写体の位置に基づいて視点を自動設定することが可能とされる。
従って、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図ることができる。
なお、被写体の属性情報は、例えばIDや名前等、被写体の属性に関する情報を意味する。
また、実施形態としての画像処理装置においては、仮想視点画像生成部は、視点を三次元空間上に指定されたエリア情報に基づき設定している。
これにより、三次元空間上の特定エリア内に存在する被写体の位置に基づいて視点を自動設定することが可能とされる。
従って、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図ることができる。
さらに、実施形態としての画像処理装置においては、仮想視点画像生成部は、視点を操作入力に基づき設定している。
これにより、視点設定の操作負担軽減を図りながら、使用者の意図を反映した視点設定が可能となる。
従って、視点の設定自由度の向上を図りつつ、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図ることができる。
さらにまた、実施形態としての画像処理装置(表示装置7A)においては、仮想視点画像を表示する表示部(同62)を備え、表示部は、視点の設定手法が異なる複数の仮想視点画像を候補視点画像として順送りに表示し、仮想視点画像生成部は、候補視点画像についての選択操作に基づき視点を設定している。
これにより、使用者に対して実際に画像内容を確認させながら好みの視点を選択させることが可能とされる。また、順送り表示であるため比較的大きな候補視点画像の表示ができ、使用者に画像細部まで確認させながらの視点選択を行わせることが可能とされる。
従って、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図る上で、使用者が視点選択を行い易い優れたユーザインタフェースを実現することができる。
また、実施形態としての画像処理装置(表示装置7A)においては、仮想視点画像を表示する表示部(同62)を備え、表示部は、視点の設定手法が異なる複数の仮想視点画像を候補視点画像として並べて表示し、仮想視点画像生成部は、候補視点画像についての選択操作に基づき視点を設定している。
これにより、使用者に対して実際に画像内容を確認させながら好みの視点を選択させることが可能とされる。また、候補視点画像を並べて表示するため使用者に複数の候補視点画像を同時比較させながらの視点選択を行わせることが可能とされる。
従って、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図る上で、使用者が視点選択を行い易い優れたユーザインタフェースを実現することができる。
さらに、実施形態としての画像処理装置においては、仮想視点画像生成部は、視点として、被写体を観察する視点と被写体から外方を観察する視点との切り替えを可能としている。
これにより、設定可能な視点の多様化が図られる。
従って、選手等の被写体の動きを多角的に捉える仮想視点画像を生成することができ、被写体の動きの分析や研究に好適である。
さらにまた、実施形態としての画像処理装置においては、仮想視点画像生成部は、視点を、操作に応じて被写体の周囲を覆う球面に沿って変化させている。
これにより、使用者が操作により設定可能な視点位置の自由度が高まる。
従って、仮想視点画像の生成に係る作業負担の軽減を図りつつ、視点設定位置の自由度向上を図ることができる。
また、実施形態としての画像処理装置(同1’)においては、被写体として人物が対象とされており、仮想視点画像生成部(同13’)は、視点として、被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定すると共に、一人称視点からの視線方向の設定手法を、被写体の向きに係る解析情報の取得状況に基づき選択している(第二、第三変形例を参照)。
これにより、例えば被写体の顔の向きや身体向き等、被写体の向きに係る解析情報の取得状況に応じた適切な視線方向の設定を行うことが可能とされる。
従って、一人称視点の仮想視点画像として、適切な視線方向による画像を提供することができる。
さらに、実施形態としての画像処理装置においては、仮想視点画像生成部は、視線方向の設定手法を、取得状況と被写体の向きの変化速度とに基づき選択している。
これにより、例えば被写体の顔の向きや身体向き等、被写体の向きに係る解析情報が取得されていても、その変化速度が速い場合には該解析情報を用いずに視線方向を設定する等、被写体の向きの変化速度に応じた視線方向の設定を行うことが可能とされる。
従って、仮想視点画像の視線方向が頻繁に変化する画像を見せられることによるユーザの画像酔いの発生防止を図ることができる。
さらにまた、実施形態としての画像処理装置においては、仮想視点画像生成部は、視線方向を、取得状況と被写体の進行方向とに基づき設定している。
これにより、被写体の向きに係る解析情報が取得できないときは被写体の進行方向(被写体の位置の変化方向)に基づき視線方向を設定することが可能とされる。
例えば競技選手等の人物が進行中(移動中)である場合、該人物は進行方向を向いている可能性が高い。従って、進行方向に基づき視線方向を設定することで、被写体の向きに係る解析情報が得られなくとも、被写体が向いている可能性の高い方向を視線方向とした適切な仮想視点画像を提供することができる。
また、実施形態としての画像処理装置(同1’)においては、被写体として人物が対象とされており、仮想視点画像生成部(同13’)は、視点として、被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定し、視点からの視線方向を被写体の向きに係る解析情報に基づき設定し、視線方向と被写体の視線の向きとのずれに応じた情報をユーザに報知するための処理を行う報知処理部(同52)を備えている(第三変形例を参照)。
上記のような視線方向と被写体の視線の向きとのずれに応じた情報の報知が行われることで、ユーザは、仮想視点画像の視線方向を被写体の視線の向きに合わせ易くなる。
従って、ユーザが仮想視点画像の視線方向を被写体の視線の向きに合わせる際の利便性を高めることができる。
また、上述した第三変形例では、被写体の視線の向きの変化に連動して仮想視点画像の視線方向を(自動的に)変化させるものとはせず、視線方向はユーザの操作(本例では頭部の動き)によって変化させる手法としているので、被写体の視線の向きが目まぐるしく変わる場合に視線方向も連動して目まぐるしく変わるといったことの防止が図られ、画像酔いの防止を図ることができる。
さらに、実施形態としての画像処理装置においては、報知処理部は、仮想視点画像の視線方向を被写体の視線の向きに一致させるための視線合わせ案内情報を仮想視点画像と共に表示させるための処理を行っている。
上記のような視線合わせ案内情報が仮想視点画像と共に表示されることで、ユーザは、仮想視点画像の視線方向を被写体の視線の向きに合わせ易くなる。
従って、ユーザが仮想視点画像の視線方向を被写体の視線の向きに合わせる際の利便性を高めることができる。
さらにまた、実施形態としての画像処理装置においては、報知処理部は、被写体の視線の向きに基づき被写体の視野を推定し、仮想視点画像における被写体の視野との重複部分と非重複部分とについて、両部分を異なる表示態様で表示させる処理を行っている。
仮想視点画像における被写体の視野との重複部分と非重複部分とで表示態様が異なることで、被写体の視線との向き合わせのために視線方向を何れの方向に変化させるべきかをユーザに認識させ易くなる。
従って、ユーザが仮想視点画像の視線方向を被写体の視線の向きに合わせる際の利便性を高めることができる。
なお、本明細書に記載された効果はあくまでも例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
<4.その他変形例>

本技術は上記した具体例に限定されるものではなく、多様な変形例が考えられる。
例えば、上記では、被写体解析や視点の設定、仮想視点画像の生成に係る処理がDSPによる画像処理プロセッサにより行われる例としたが、これらの処理のうち少なくとも一部については、CPUやGPUによるソフトウェア処理として実現することもできる。該ソフトウェア処理は、プログラムに基づき実行され、該プログラムは、上記のCPUやGPU等のコンピュータ装置が読み出し可能な記憶装置に記憶される。
また、本技術は、競技ボールを用いる競技以外の他の競技が撮像対象とされる場合にも好適に適用でき、さらには、競技以外の他のイベントが撮像対象とされる場合にも好適に適用することができる。
さらに、本技術において、撮像画像としてはR(赤)G(緑)B(青)による撮像画像のみでなく、近赤外光や赤外光、或いは偏光を受光して得られる撮像画像も含み得るものである。
<5.本技術>

なお本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)
撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する仮想視点画像生成部を備え、
前記仮想視点画像生成部は、
前記被写体の動きに追従して前記視点を設定する
画像処理装置。
(2)
前記三次元情報に基づいて前記被写体の解析情報を取得する被写体解析部を備え、
前記仮想視点画像生成部は、前記解析情報に基づき、前記仮想視点画像の視点設定に用いられる基準位置を設定する
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
複数の撮像装置の撮像画像と前記撮像画像に対応する撮像条件とを含む撮像情報に基づいて前記三次元情報を生成する三次元情報生成部を備える
前記(1)又は(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記被写体として人物が対象とされており、
前記仮想視点画像生成部は、前記基準位置を前記人物の身体的中心に設定する
前記(2)又は(3)に記載の画像処理装置。
(5)
前記仮想視点画像生成部は、前記視点を前記被写体の位置情報に基づき設定する
前記(1)乃至(4)の何れかに記載の画像処理装置。
(6)
前記被写体として人物が対象とされており、
前記仮想視点画像生成部は、前記視点を前記被写体の属性情報に基づき設定する
前記(1)乃至(4)の何れかに記載の画像処理装置。
(7)
前記仮想視点画像生成部は、前記視点を前記三次元空間上に指定されたエリア情報に基づき設定する
前記(1)乃至(4)の何れかに記載の画像処理装置。
(8)
前記仮想視点画像生成部は、前記視点を操作入力に基づき設定する
前記(1)乃至(7)の何れかに記載の画像処理装置。
(9)
前記仮想視点画像を表示する表示部を備え、
前記表示部は、前記視点の設定手法が異なる複数の前記仮想視点画像を候補視点画像として順送りに表示し、
前記仮想視点画像生成部は、前記候補視点画像についての選択操作に基づき前記視点を設定する
前記(8)に記載の画像処理装置。
(10)
前記仮想視点画像を表示する表示部を備え、
前記表示部は、前記視点の設定手法が異なる複数の前記仮想視点画像を候補視点画像として並べて表示し、
前記仮想視点画像生成部は、前記候補視点画像についての選択操作に基づき前記視点を設定する
前記(8)に記載の画像処理装置。
(11)
前記仮想視点画像生成部は、前記視点として、前記被写体を観察する視点と前記被写体から外方を観察する視点との切り替えを可能とする
前記(1)乃至(10)の何れかに記載の画像処理装置。
(12)
前記仮想視点画像生成部は、前記視点を、操作に応じて前記被写体の周囲を覆う球面に沿って設定する
前記(1)乃至(11)の何れかに記載の画像処理装置。
(13)
前記被写体として人物が対象とされており、
前記仮想視点画像生成部は、
前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定すると共に、
前記一人称視点からの視線方向の設定手法を、前記被写体の向きに係る解析情報の取得状況に基づき選択する
前記(1)乃至(12)の何れかに記載の画像処理装置。
(14)
前記仮想視点画像生成部は、
前記視線方向の設定手法を、前記取得状況と前記被写体の向きの変化速度とに基づき選択する
前記(13)に記載の画像処理装置。
(15)
前記仮想視点画像生成部は、
前記視線方向を、前記取得状況と前記被写体の進行方向とに基づき設定する
前記(13)又は(14)に記載の画像処理装置。
(16)
前記被写体として人物が対象とされており、
前記仮想視点画像生成部は、
前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定し、前記視点からの視線方向を前記被写体の向きに係る解析情報に基づき設定し、
前記視線方向と前記被写体の視線の向きとのずれに応じた情報をユーザに報知するための処理を行う報知処理部を備える
前記(1)乃至(15)の何れかに記載の画像処理装置。
(17)
前記報知処理部は、
前記仮想視点画像の視線方向を前記被写体の視線の向きに一致させるための視線合わせ案内情報を前記仮想視点画像と共に表示させるための処理を行う
前記(16)に記載の画像処理装置。
(18)
前記報知処理部は、
前記被写体の視線の向きに基づき前記被写体の視野を推定し、前記仮想視点画像における前記被写体の視野との重複部分と非重複部分とについて、両部分を異なる表示態様で表示させる処理を行う
前記(16)又は(17)に記載の画像処理装置。
100、100A、100B 画像処理システム、1,1’ 画像処理装置、11 3Dモデル生成部、11’ 3Dモデル生成装置、12 被写体解析部、12’ 被写体解析装置、13、13’ 仮想視点画像生成部、13a 視点設定処理部、13b レンダリング処理部、2 撮像装置、6 入力装置、61 操作部、61a タッチパネル、62 表示部、7、7A 表示装置、50 ネットワーク、51 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、52 報知処理部、Pv 視点、Dv 視線方向、Pr 基準位置、Drv 視線の向き、H1 方向指示情報、H2 目標方向情報、Ai 重複部分、Ao 非重複部分

Claims (12)

  1. 撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する仮想視点画像生成部を備え、
    前記仮想視点画像生成部は、
    前記被写体の動きに追従して前記視点を設定すると共に、前記視点を、操作に応じて前記被写体の周囲を覆う球面に沿って設定する
    画像処理装置。
  2. 撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する場合に、前記被写体の動きに追従して前記視点を設定すると共に、前記視点を、操作に応じて前記被写体の周囲を覆う球面に沿って設定する
    画像処理方法。
  3. 撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する場合に、前記被写体の動きに追従して前記視点を設定すると共に、前記視点を、操作に応じて前記被写体の周囲を覆う球面に沿って設定する処理を、コンピュータ装置に実行させる
    プログラム。
  4. 撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する仮想視点画像生成部を備え、
    前記被写体として人物が対象とされており、
    前記仮想視点画像生成部は、
    前記被写体の動きに追従して前記視点を設定し、前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定すると共に、前記一人称視点からの視線方向の設定手法を、前記被写体の向きに係る解析情報の取得状況に基づき選択する
    画像処理装置。
  5. 前記仮想視点画像生成部は、
    前記視線方向の設定手法を、前記取得状況と前記被写体の向きの変化速度とに基づき選択する
    請求項に記載の画像処理装置。
  6. 前記仮想視点画像生成部は、
    前記視線方向を、前記取得状況と前記被写体の進行方向とに基づき設定する
    請求項に記載の画像処理装置。
  7. 撮像された人物としての被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する場合に、前記被写体の動きに追従して前記視点を設定し、前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定すると共に、前記一人称視点からの視線方向の設定手法を、前記被写体の向きに係る解析情報の取得状況に基づき選択する
    画像処理方法。
  8. 撮像された人物としての被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する場合に、前記被写体の動きに追従して前記視点を設定し、前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定すると共に、前記一人称視点からの視線方向の設定手法を、前記被写体の向きに係る解析情報の取得状況に基づき選択する処理を、コンピュータ装置に実行させる
    プログラム。
  9. 撮像された被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する仮想視点画像生成部を備え、
    前記被写体として人物が対象とされており、
    前記仮想視点画像生成部は、
    前記被写体の動きに追従して前記視点を設定すると共に、前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定し、前記視点からの視線方向を前記被写体の向きに係る解析情報に基づき設定し、
    前記視線方向と前記被写体の視線の向きとのずれに応じた情報をユーザに報知するための処理を行う報知処理部を備え、
    前記報知処理部は、
    前記被写体の視線の向きに基づき前記被写体の視野を推定し、前記仮想視点画像における前記被写体の視野との重複部分と非重複部分とについて、両部分を異なる表示態様で表示させる処理を行う
    画像処理装置。
  10. 前記報知処理部は、
    前記仮想視点画像の視線方向を前記被写体の視線の向きに一致させるための視線合わせ案内情報を前記仮想視点画像と共に表示させるための処理を行う
    請求項に記載の画像処理装置。
  11. 撮像された人物としての被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する場合に、前記被写体の動きに追従して前記視点を設定すると共に、前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定し、前記視点からの視線方向を前記被写体の向きに係る解析情報に基づき設定し、
    前記視線方向と前記被写体の視線の向きとのずれに応じた情報をユーザに報知するための処理において、前記被写体の視線の向きに基づき前記被写体の視野を推定し、前記仮想視点画像における前記被写体の視野との重複部分と非重複部分とについて、両部分を異なる表示態様で表示させる
    画像処理方法。
  12. 撮像された人物としての被写体を三次元空間上で表した三次元情報に基づき、前記三次元空間上の視点からの観察画像を仮想視点画像として生成する場合に、前記被写体の動きに追従して前記視点を設定すると共に、前記視点として、前記被写体から外方を観察する視点である一人称視点を設定し、前記視点からの視線方向を前記被写体の向きに係る解析情報に基づき設定する処理と、
    前記視線方向と前記被写体の視線の向きとのずれに応じた情報をユーザに報知するための処理において、前記被写体の視線の向きに基づき前記被写体の視野を推定し、前記仮想視点画像における前記被写体の視野との重複部分と非重複部分とについて、両部分を異なる表示態様で表示させる処理と、をコンピュータ装置に実行させる
    プログラム。
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