JP7320698B1 - 空港用貨物搬送車 - Google Patents

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Abstract

【課題】塩害対策を施した空港用貨物搬送車を提供する。【解決手段】空港用貨物搬送車1は、骨格を形成するシャーシー10と、シャーシー10上に設けられた床プレートと、フロントパネル部及びリアパネル部22を含み、車幅方向の何れか一方又は双方が少なくとも開口した箱本体20と、箱本体20の開口を開閉可能に取り付けられたサイドウイングパネル部31と、を備え、フロントパネル部、リアパネル部22及びサイドウイングパネル部31が繊維強化プラスチックで形成されてなる。塩害防止のみならず、最適な重量とすることができ、燃費や運用コストが低減される。【選択図】図1

Description

本発明は、空港用貨物、例えばスーツケースなど機内に持ち込めない乗客の荷物を飛行機の近くに搬送したり、飛行機から降ろした荷物を空港ビルに搬送したりするための空港用貨物搬送車に関する。
空港ビル内において乗客は荷物を預け、その荷物は貨物集積場から空港用貨物搬送車に載せられて飛行機近くまで運ばれて飛行機内に搬入されている。荷物は逆の手順に沿って、乗客に戻される(特許文献1)。
このような空港用貨物搬送車は、コンテナドウリーやパレットドウリーとは異なり、バルクカートとも呼ばれることがある。空港用貨物搬送車は、鉄などの鋼材でシャーシーが枠組みされ、その上に床プレートが配置され、鉄板で箱本体が構築されている。このような搬送車は前後で連結して先頭に牽引車を連結している。
特開2002-321699号公報
空港は離島、臨海地、寒冷地などに設けられていることが多く、空港用貨物搬送車に塩害対策が十分になされていないという課題がある。
そこで、本発明の目的は、塩害対策を施した空港用貨物搬送車を提供することである。
前述の目的を達成するために、本願の空港用貨物搬送車は、
骨格を形成するシャーシーと、
前記シャーシー上に設けられた床プレートと、
フロントパネル部及びリアパネル部を含み、車幅方向の何れか一方又は双方が開口した箱本体と、
前記箱本体の開口を開閉可能に取り付けられたサイドウイングパネル部と、
を備え、
前記フロントパネル部、前記リアパネル部及び前記サイドウイングパネル部が繊維強化プラスチックで形成されてなる。
フロントパネル部、リアパネル部及びサイドウイングパネル部が繊維強化プラスチックで形成されていることにより、サイドパネル部やトップパネル部が設けられている場合にはこれらが繊維強化プラスチックで形成されていることにより、塩害対策が施され錆びない。これにより、空港用貨物搬送車の耐久性、耐用年数が増加するだけでなく、メインテナンス回数・費用も低減する。
特に、箱本体において、トップパネル部がフロントパネル部及びリアパネル部に前後方向の両端が達するように設けられており、サイドウイングパネル部が、トップパネル部に開閉自在に取り付けられてもよい。また、箱本体が車幅方向の一方のみ開口している場合、フロントパネル部とリアパネル部との間でサイドパネル部が設けられることが通常である。この場合、サイドパネル部やトップパネル部は繊維強化プラスチップで形成されなる。床プレートの上に設けられる各パネル部、すなわち、フロントパネル部、リアパネル部、トップパネル部及びサイドウイングパネル部は、何れも同質の繊維強化プラスチックでも、パネル部毎に異質の繊維強化プラスチックでもよい。繊維強化プラスチックが同質であるか異質であるかは、繊維の種類、樹脂の種類がいずれも同じであってもよいし、異なってもよいという意味である。トップパネル部が設けられていない形態にあっては、サイドウイングパネル部が車幅方向の両側に設けられるために、サイドウイングパネル部を支持するために車両前後に延びる門型のような支持部材を設けてもよい。
本願の空港用貨物搬送車は、前記空港用貨物搬送車において、
前記フロントパネル部、前記リアパネル部及び前記サイドウイングパネル部には、各周縁部を補強する枠部材が取り付けられていることが好ましい。
フロントパネル部、リアパネル部及びサイドウイングパネル部の周縁部に対して、繊維強化プラスチックとは異なる材質、ステンレス製の枠部材、錆難い金属又は合金で形成した枠部材、メッキ処理した金属(鉄を含む)や合金で形成した枠部材が取り付けられている。枠部材は、車幅方向、車両前後方向に延びる部材を組み立てて枠組みとして構成され、必要に応じて、床プレートに直接固定されるようにしてもよいし、或いは、フロントパネル部、リアパネル部のほか、サイドウイングパネル部に取付部が必要か所に設けられ、これらの取付部の穴と床パネルの穴とを合わせてネジ等の締結部材により固定してもよい。
箱本体のうち開口の周り、特にトップパネル部において、ヒンジ等により、サイドウイングパネル部が開閉自在に取り付けられる部位にはこのような部材が設けられていることにより、強度を増すことができる。
フロントパネル部、リアパネル部及びサイドウイングパネル部の周縁部が、周縁部以外の部位よりも厚くすることにより、枠部材を設ける必要がない場合もある。
枠部材が設けられたり、縁部を厚くしたりすることにより、サイドウイングパネル部の周縁部にウェザーストリップを取付可能に形成することができる。
本願の空港用貨物搬送車は、前記空港用貨物搬送車において、シャーシー及び床プレートがステンレス製であることが好ましい。
シャーシーは、車両の前後方向に延びるサイドメンバーと、車幅方向に延びてサイドメンバーに両端が溶接などにより接続されるクロスメンバーとで、枠組みとして構成されるところ、これらのサイドメンバーやクロスメンバーなど、床パネルを載せると共に左右の前輪及び後輪の車軸部を回転可能に支持する各メンバーをステンレス製とする。これにより、空港用貨物搬送車の箱本体を支持するシャーシーの塩害を未然に防ぐことができる。また、ステンレス製の各メンバーを、従来のような鉄鋼と比較して肉薄とするが可能となり、空港用貨物搬送車自の軽量化することができる。
本願の空港用貨物搬送車は、前記空港用貨物搬送車において、好ましくは、
ブラケットの一端部が、前記サイドウイングパネル部のフロント及びリアに、それぞれ、荷台長内で、固定されており、
伸長自在なダンパーの一端が、前記フロントパネル部及び前記リアパネル部のそれぞれ、内側に、傾斜自在に固定されて設けられており、前記ダンパーの他端が前記ブラケットの他端部に設けられている。
このような構成により、サイドウイングパネル部をフロントパネル部、リアパネル部よりも車両前後方向にはみ出すことがなく、箱本体の車両前後外方向を最大限広くすることができる。これは、空港内に持ち込める搬送車のサイズが規定されていることによる。
特に、車幅方向に延びる補強部材が、フロントパネル部及びリアパネル部のそれぞれ、内側に、設けられている場合には、ダンパーの一端が補強部材に傾斜自在に固定されてもよい。
本発明によれば、塩害対策が効率的に施される。
図1は、本発明の実施形態に係る空港用貨物搬送車の斜視図である。 図2は、図1に示す空港用貨物搬送車におけるフロントパネル部側を示す図である。 図3は、図1に示す空港用貨物搬送車におけるリアパネル部側を示す図である。 図4は、図1に示す空港用貨物搬送車における左のサイドパネル部を示す図である。 図5は、図1に示す空港用貨物搬送車におけるサイドウイングを示す図である。 図6Aは、図1に示す空港用貨物搬送車におけるトップパネル部を示す図であり、図6Bは、図1に示す空港用貨物搬送車におけるサイドウイングパネル部の平面視に係る図である。 図7は、図6Aに示すトップパネル部のA-A線に沿う断面図である。 図8は、サイドウイングを開いた状態でのフロントパネル部側を見た状態の図である。 図9は、サイドウイングを開いた状態での床パネルへのフロントパネル部の取付状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の実施形態には、本発明の範囲を変更しない範囲において、構成の一部を変更したり、削除したりするなどの設計変更した形態が含まれる。
本発明の実施形態に係る空港用貨物搬送車のリア側からみた斜視図を図1に示す。本発明の実施形態に係る空港用貨物搬送車1は、車台となるように骨格が形成されているシャーシー10と、シャーシー10上に設けられた床プレート15と、フロントパネル部21及びリアパネル部22を含み、車幅方向の何れか一方又は双方が開口した箱本体20と、箱本体20の開口20aを開閉可能に取り付けられたサイドウイング30と、を備える。フロントパネル部21は図2に示されており、床プレート15および開口20aは図9に示されている。
図1に示す形態では、箱本体20は、サイドパネル部23と、フロントパネル部21及びリアパネル部22に前後方向の両端が接続されるトップパネル部24が設けられており、サイドウイング30がトップパネル部24に、箱本体20の開口20aを開閉自在に取り付けられている。サイドウイング30は、前後方向からみて左右の何れか一方のみに設けられているが、両側に設けてもよい。サイドウイング30はサイドウイングパネル部31を含んで構成されている。
フロントパネル部21、リアパネル部22、サイドパネル部23、トップパネル部24及びサイドウイングパネル部31は、何れも、繊維強化プラスチックで形成されていることが好ましい。
繊維強化プラスチックは、FRP(Fiber Reinforced Plastics)であり、鉄などの錆易い金属を含んでいないことから、塩害を未然に防止することができる。繊維強化プラスチックの材質は特に限定するものではないが、カーボン繊維を含むCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)やガラス繊維を含むGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)が採用されることが好ましい。カーボン繊維、ガラス繊維などの強化材が混合した複合材料として高強度となるばかりでなく、一台の製造コストも低減されるからである。
FRPを採用したため、各パネル部の形状を維持するためのフレームを少なくすることができ、それに伴い、箱本体20を構成するパネル部や枠部による重量軽減が可能となる。よって、防錆だけでなく、空港用貨物搬送車1としての軽量化にも資する。空港用貨物搬送車1を連結して使用することにより燃費を向上させる工夫がなされているが、軽量化という別の観点からもサービス向上、持続可能な社会の実現に貢献する。
繊維強化プラスチックのパネルのため、環境により温度が上昇しても内部温度が上昇し難い。これにより、生成食品などの温度管理が必要な荷物の搬送に適する。
ここで、アルミニウムパネルでは、アルカリ性や酸性での耐環境性が弱く、薄い酸化酸化アルミニウム被膜が入愛されると腐食してしまうので、好ましくない。
サイドウイング30は、前後方向からみて左右の何れか一方のみに設けられているが、両側に設けてもよい。
図1に示す空港用貨物搬送車における、フロントパネル部側、リアパネル部側、左のサイドパネル部、サイドウイング、トップパネル部、サイドウイングパネルの平面視の様子を、図2、図3、図4.図5、図6A、図6Bに順に示す。床パネル15(図9参照)を介在して箱本体20を搭載するシャーシー10その他の部品ついても概略示してある。
箱本体20、すなわち、荷箱本体は、フロントパネル部21、リアパネル部22、サイドパネル部23及びトップパネル部24で組み立てられ、必要に応じて、これらのパネルの周縁部に沿って枠部材が接着剤などを用いて取り付けられている。例えば、フロント枠部材26、リア枠部材27、フロント枠部材26とリア部材枠27とを前後方向で連結するサイド枠部材28、フロント枠部材26とリア部材枠27とを前後方向で連結するトップパネル枠部材29で構築されている。フロントパネル部21はフロント枠部材26に取り付けられ、リアパネル部22はリア枠部材27に取り付けられ、サイドパネル部23はフロント枠部材26、リア枠部材27、サイド枠部材28に取り付けられる。トップパネル部24はフロント枠部材26、リア枠部材27、トップパネル枠部材29に取り付けられる。
フロントパネル部21とリアパネル部22とは窓22xの部位を除いて概略同形状であり、車幅寸法に関して上端が下端よりも短く、左右端は下端へ延びる第1の直線に対して上端に延びる第2の直線が所定の傾きを有する。なお、図1に示すように、長尺物を一部飛び出した状態で搬送できるように窓22xに扉22yが取り付け可能となっている。
フロント枠部材26は、図2に示すように、上下方向に延びる枠部材26aと、車幅方向に延びる枠部材26bと、上端側で枠部材26aと枠部材26bとを接続するために傾斜して延びる枠部材26cを備え、全体として輪郭フレームを形成する。フロント枠部材26には、車幅方向の中間位置で上下方向に延びて枠部材26bに両端を接続する補強部材26dと、上下方向の中間位置で車幅方向に延び、少なくとも一端が枠部材26bに接続する補強部材26eとを設ける。
リア枠部材27は、図3に示すように、上下方向に延びる枠部材27aと、車幅方向に延びる枠部材27bと、上端側で枠部材27aと枠部材27bとを接続するために傾斜して延びる枠部材27cとを備え、全体として輪郭フレームを形成する。リア枠部材27には、車幅方向の中間位置で上下方向に延びて枠部材26bに両端を接続する補強部材27dと、上下方向の中間位置で車幅方向に延び、少なくとも一端が枠部材27dに接続する補強部材27eとを設ける。
サイド枠部材28は、図4に示すように、前後方向に延びる枠部材28aを備え、フロント枠部材26およびリア枠部材27と共に、輪郭フレームを形成する。サイド枠部材28には、前後方向の任意の位置で上下方向に延びて枠部材28aに両端を接続する補強部材28dと、上下方向の中間位置で前後方向に延び、両端が枠部材26a,27a又は補強部材28dに接続する補強部材28eとを設ける。
トップパネル枠部材29は、図6Aに示すように、前後方向に開口縁に沿って延びる枠部材29aを備えて、フロント枠部材26およびリア枠部材27と共に、輪郭フレームを形成する。トップパネル枠部材29には、車両の前後方向の任意の位置で、車幅方向及び上下方向に、輪郭形状に沿って延びる補強部材29dを設ける。枠部材29aには、前後方向に間隔をあけて補強部材29fが車幅方向に延びてその一端が開口に臨んでいる。
フロントパネル部21、リアパネル部22、サイドパネル部23、トップパネル部24は、対応するフロント枠部材26、リア枠部材27、サイドパネル枠部材28およびトップパネル枠部材29に設けられている複数の取付片と、位置調整されて、ネジ等の締結部材で固定される。例えば、図2に示すように、フロント枠部材26の枠部材26aには内側に取付片26xが適宜一又は複数設けられている。
サイドウイング30は、図1に示すように、サイドウイングパネル部31と、サイドウイングパネル部31の外側に取り付けられた開閉レバー32とを有する。サイドウイング枠部材35がサイドウイングパネル部31の周縁部に沿って接着剤などを用いて取り付けられている。サイドウイングパネル部31は、図5及び図6Bに示すように、上下方向に延びて上端側が車幅中心軸側に傾いてその後中心軸側に床パネル15と略平行になるように延び、その断面が車両前後方向に延びている。サイドウイング枠部材35は、フロント側の枠部材36と、リア側の枠部材37と、フロント側の枠部材36とリア側の枠部材37とを前後に接続するサイド側の枠部材38とを含んで構成される。
フロント側の枠部材36は、上下に沿って延びる枠部材36aと、車幅方向に沿って延びる枠部材36bと、枠部材36aの上端と枠部材36bとを傾斜して接続する枠部材36cとを備えており、枠部材36aの下端が枠部材38bと接続している。
リア側の枠部材37は、図5及び図6Bに示すように、上下に沿って延びる枠部材37aと、車幅方向に沿って延びる枠部材37bと、枠部材37aの上端と枠部材37bとを傾斜して接続する枠部材37cとを備えており、枠部材37aの下端が枠部材37bと接続している。
サイド側の枠部材38は、図6Bに示すように、前後方向に延びる枠部材38a,38bを備え、フロント側の枠部材36およびリア側の枠部材37と共に、輪郭フレームを形成する。サイド側の枠部材38には、前後方向の任意の間隔で、車幅方向に延びる補強部材38c、上下方向に延びる補強部材38d、補強部材38cの外端と補強部材38dの上端と傾斜して接続する補強部材38eとを有しており、補強部材38cの一端が枠部材38aに接続され、補強部材38dの下端が枠部材38bに接続される。また、上下方向の任意の位置で、補強部材38fが枠部材36a、枠部材37a、補強部材38dの何れかの組と両端が接続される。
サイド側の枠部材38のうち、前後方向に延びる枠部材38aないしその近傍のサイドウイングパネル部31と、トップパネル枠部材29における枠部材29aないしその近傍のトップパネル部29との間に、前後方向に間隔をあけて、複数のヒンジ33が設けられ、これにより、サイドウイング30がトップパネル部24に開閉自在に取り付けられる。
ここで、本発明の実施形態において、フロント枠部材26、リア枠部材27、サイドパネル枠部材28、トップパネル枠部材29、サイドウイング30の各種の枠部材37,38,39は、ステンレス製であることが好ましい。ステンレス製とすることにより、塩害による錆を未然に防止することができる。
フロント枠部材26、リア枠部材27、サイドパネル枠部材28、トップパネル枠部材29、サイドウイング30の各種の枠部材36,37,38は、それぞれ枠部材が、別々の部材で構成される必要はなく、複数の部材が一体となっていてもよい。これは、製造コスト、組立コストの観点から、選択される。
フロント枠部材26、リア枠部材27、サイドパネル枠部材28、トップパネル枠部材29、サイドウイング30の各種の枠部材36,37,38は、全て設ける必要はなく、選択的に設けるようにしてもよいし、各枠部材の一部のみを設けるようにしてもよい。フロントパネル部21、リアパネル部22、サイドパネル部23、トップパネル部24、サイドウイングパネル部31それ自体による強度が弱い場合に、選択的に設けるようにしてもよい。
例えば、図1乃至図6Bに例示するように、サイドパネル部23、トップパネル部24及びサイドウイングパネル部31において、前後方向に沿って、凹凸を設けることにより、強度を保つようにしてもよい。図7にトップパネル部24のA-A線に沿う断面を示すように、前後方向、フロント枠部材26からリア枠部材27に沿って、順に、第1の領域A1、第2の領域A2、第3の領域A3のように、第1の領域A1と第3の領域A3が第2の領域A2よりも半分程度となるように区分けした場合に、第1の領域、第3の領域では、前後方向の間を部分的に(その領域の1/2、2/3程度)断面を凹ませるようにし、その断面形状を上下又は車幅方向に延ばす一方、第2の領域では、前後方向の間を部分的に(その領域の3/4、4/5乃至7/8程度)断面を凹ませるようにし、その断面形状を上下又は車幅方向に延ばす。これにより、補強部材の数を低減させることができる。凹凸の回数を増加させてもよい。
前述のように、枠部材と補強部材とは別々に命名しているが、複数の部材を一体化して枠部材と呼んでもよい。
さらに好ましい実施形態では、図9に示すように、シャーシー10及び床プレート15がステンレス製である。シャーシー10は、床プレート15を載せてその上で、箱本体20が取り付けられる。シャーシー10は、前輪、後輪の軸部を支持すると共に、前後の連結器具60,61により、牽引車が引くことを可能にするパーツである。シャーシー10の構造としては特に限定されず、車両の前後方向に延びるサイドメンバーと、車幅方向に延びてサイドメンバーに両端が溶接などにより接続されるクロスメンバーとで、枠組みとして構成される。これらのサイドメンバーやクロスメンバーなど、床パネル15を載せると共に左右の前輪及び後輪の車軸部を回転可能に支持する各メンバーをステンレス製とする。これにより、空港用貨物搬送車1の箱本体20を支持するシャーシー10の塩害を未然に防ぐことができる。ステンレス製の各メンバーを、従来のような鉄鋼と比較して肉薄とするが可能となり、空港用貨物搬送車1の自重を軽くすることができる。
実際に、箱本体20については、ステンレス製の各枠部材と、GFRPの各パネル部とを用いて構成し、シャーシー10及び床プレート15についてステンレス製とし、箱本体20の前後寸法を2490mm、サイドウイング30を閉じた状態での箱本体20とサイドウイング30のサイドウイングパネル部31との車幅寸法を1360mm、サイドウイング30を閉じた状態での設置面からサイドウイング30の上端までの距離が1686mm、設置面から箱本体20の下端までの距離が508mmとなるように設計して、組み立てたところ、空港用貨物搬送車1の自重は513kgであった。
従来、箱本体については、鉄などの鉄鋼の各枠部材と、アルミニウム製のパネル部とを用いて構成され、シャーシー及び床プレートについても鉄などの鉄鋼製であるため、同じ寸法の従来の製品では、700kg程度であった。
よって、箱本体20については、ステンレス製の各枠部材と、GFRPの各パネル部とを用いて構成し、シャーシー10及び床プレート15についてステンレス製とすることにより、軽量化も図れることになる。
空港用貨物搬送車1は、例えば5台、6台連結して牽引されるため、軽量化が図れることにより、燃費などもよくなるところ、貨物を搭載していない場合、台風などの強風下では、飛ばされる可能性がある。そのため、500kg±20kg程度の空港用貨物搬送車1が好ましいと言えるから、このような材質を選択したことに意義がある。空港に持ち込める搬送車はサイズが規制されているため、寸法についてはおおむね使用できる範囲でよい。このように、塩害防止のみならず、最適な重量とすることができ、燃費や運用コストが低減される。
次に、さらに好ましい形態について説明する。サイドウイング30を開いた状態でのフロントパネル部21側を見た状態を図8に示す。図8に示すように、ブラケット51の一端部が、サイドウイングパネル部31のフロント、リアに、それぞれ、荷台長内で、固定されており、伸長自在なダンパー52の一端が、フロントパネル部21、リアパネル部22の内側(荷箱内側)に、傾斜自在に固定されて設けられており、ダンパー52の他端がブラケット51の他端部に設けられている。
このような構成により、サイドウイングパネル部31をフロントパネル部21、リアパネル部22よりも車両前後方向にはみ出すことがなく、箱本体の車両前後方向を最大限広くすることができる。これは、空港内に持ち込める搬送車のサイズが規定されていることによる。特に、車幅方向に延びる補強部材26eが、フロントパネル部21及びリアパネル部22のそれぞれ、内側に、設けられている場合には、ダンパー52の一端が補強部材26eに傾斜自在に固定されてもよい。また、図示するように、平板のブラケット51をフロントパネル部21に平行にしてサイドウイング30に取り付けやすいように取付部材53をフロントパネル部21から車両前後方向に延びるように取り付けるようにしてもよい。
本発明は、図示した形態に依らず、本発明の本質的な部分以外の部分について、適宜設計変更してもよい。
1:空港用貨物搬送車
10:シャーシー
15:床プレート
20:箱本体
20a:開口
21:フロントパネル部
22:リアパネル部
22x:窓
22y:扉
23:サイドパネル部
24:トップパネル部
26:フロント枠部材
26a,26b,26c:枠部材
26d,26e:補強部材
26x:取付片
27:リア枠部材
27a,27b,27c:枠部材
27d,27e:補強部材
28:サイド枠部材
28a:枠部材
28d:補強部材
29:トップパネル枠部材
29a:枠部材
29d,29f:補強部材
30:サイドウイング
31:サイドウイングパネル部
32:開閉レバー
33:ヒンジ
35:サイドウイング枠部材
36:フロント側の枠部材
36a,36b,36c:枠部材
37:リア側の枠部材
37a,37b,37c:枠部材
38:サイド側の枠部材
38a,38b:枠部材
38c,38d,38e:補強部材
51:ブラケット
52:ダンパー

Claims (4)

  1. 車両の前後方向に延びるサイドメンバーと車幅方向に延びて前記サイドメンバーに接続されるクロスメンバーとで骨格を形成するシャーシーと、
    前記シャーシー上に設けられた床プレートと、
    フロントパネル部及びリアパネル部を含み、車幅方向の何れか一方又は双方が開口した箱本体と、
    前記箱本体の開口を開閉可能に取り付けられたサイドウイングパネル部と、
    を備える、空港用貨物搬送車であり
    前記フロントパネル部、前記リアパネル部及び前記サイドウイングパネル部が繊維強化プラスチックのパネルで形成されてなり、
    前記サイドメンバー、前記クロスメンバー及び前記床プレートがステンレス製であり、
    前記シャーシーの前後に取り付けられた連結器具により複数台の前記空港用貨物搬送車が連結し得、牽引車により牽引される、空港用貨物搬送車。
  2. 前記フロントパネル部、前記リアパネル部及び前記サイドウイングパネル部には、各周縁部を補強する枠部材が取り付けられている、請求項1に記載の空港用貨物搬送車。
  3. 前記サイドウイングパネル部は、前記フロントパネル部から前記リアパネル部に沿って、第1の領域、第2の領域、第3の領域に区分けされており、前記第1の領域と前記第3の領域が前記第2の領域の半分となっており、
    前記第1の領域、前記第2の領域及び前記第3の領域が、それぞれ、前後方向の間を部分的に凹む断面形状を上下方向及び車幅方向に延ばして形成されている、
    請求項1に記載の空港用貨物搬送車。
  4. ブラケットの一端部が、前記サイドウイングパネル部のフロント及びリアに、それぞれ、荷台長内で、固定されており、
    伸長自在なダンパーの一端が、前記フロントパネル部及び前記リアパネル部のそれぞれ、内側に、傾斜自在に固定されて設けられており、前記ダンパーの他端が前記ブラケットの他端部に設けられており、
    前記ブラケットは平板であり、
    前記ブラケットの一端を前記サイドウイングパネル部のフロントに取り付けるための取付部材が、前記サイドウイングパネル部のフロントから車両の前後方向に延びるように設けられている、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の空港用貨物搬送車。
JP2022184495A 2022-11-17 2022-11-17 空港用貨物搬送車 Active JP7320698B1 (ja)

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