JP7320148B1 - 液溢れし難い容器 - Google Patents

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【課題】本発明は、小皿や椀等に収容された液体を外部に注ぎ出す縁部形状に着目し、突出させた注ぎ口が無くても下側に該液体が回り込まないようにして、テーブル等の載置面に液溢れをし難い容器の技術提供を課題とするものである。【解決手段】本発明は、皿形状又は椀形状の容器であって、収容された液体を外部へ注ぎ出す際に該液体が下側へ回り込まないようにするための段差部を周縁部に少なくとも一以上有し、該段差部は、上部垂直方向面と上部水平方向面から成る上側段差と、下部垂直方向面と下部水平方向面から成る下側段差が所定の厚みを介して形成されている構成を採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば食器に関し、詳しくは、液体の注ぎ口となる小皿や椀等の縁部形状に着目し、下側に該液体が回り込まないようにして、テーブル等の載置面に液溢れをし難い容器の技術に関するものである。
毎日の食事は私たちの生活にかかせないもの。より美味しくいただくためには器にもこだわりたいものである。木の器は他の素材に比べて格段に軽く、また落としても割れにくいため、子供や年配者の食器としても最適な素材といえる。また木の食器については、伝統的な工法を引き継ぎながら常に新しいアイデアを取り入れ、サイズやデザインなども豊富に取り揃えられるようになってきた。美しい木目が食べ物をより新鮮に、美味しそうに魅せてくれる自然美あふれる木の器は、より楽しい食卓の演出に一役買っている。
勿論、美しい食器にはガラスや陶磁器などを素材とするものも多く存在する。和洋中とスタイルに応じて適宜選択されることは言うまでもなく、例えば、陶磁器には様々な形があるのはもちろん、木の器とは異なり色や柄も豊富にあり、器によって盛り付ける料理に合わせて必要な色や柄をプラスして食卓に彩りを与える一つの要素といえる。
しかしながら、その美しい食卓を台無しにする事態も生じ得る。これは、例えば、碗等の食器の底部や高台(底につけられた低い円環状の台部)に付着した汁等の液体が円状にテーブル等の載置面に溢れることがあるからである。液溢れは生活の中でよく起きる現象であり、例えば、卵かけご飯にする際、小椀で生卵を溶きご飯にかける場合や、小皿で醤油にワサビを溶いて海鮮丼等にかける際、容器の縁から底部に向かって卵液やワサビ醤油が垂れるなどがその例である。布製のテーブルクロスなどが敷いてあるテーブルでは卵液や醤油の液が垂れるとシミとなってしまうため交換サイクルを早めることとなってしまう。これを回避するためには、小皿や小椀に挿し口が付いているものを用いる等の対応が必要となる。しかし、注ぎ口のある計量カップのような形状では食器の美しさを損ねてしまい、また注ぎ口の付く形状であると重ね難くなるという面で機能的といえない問題も生じてくる。
液溢れが起きる原因として、容器の素材と形状が問題となる。素材については液体の有する表面張力に影響するものと考えられるが、これは、液体に対する容器表面の疎水性と親水性が深く関係しているといえ、疎水性の場合、液体の有する表面張力で球状に近い液玉になりやすく、液体のはじきが大きく容器からの液離れが良くなるため液溢れが少なくなるといえ、他方、親水性の場合、液体が濡れ性により容器表面と馴染んでなだらかな液玉となり、液体のはじきが小さく容器に残る液量が多くなるため、液溢れし易くなるといえる。このように液溢れが起きる一因として、容器の素材についての影響を示したが、係る素材以上に影響する原因として形状の相違がある。例えば突出させた注ぎ口のある計量カップと突出させた注ぎ口のない計量カップとではどちらが液溢れし難いかは経験的に知っているところであり、このような管状やくちばし状の突出させた注ぎ口のある醤油さしや器では、液体の流速をコントロールすることで吐出部の流速を上げて吐出をやめた時の液体の切れをよくして液溢れが生じにくくしたりしていて、逆に、マグカップや椀、若しくはおたまのような調理器具であっても突出させた注ぎ口がなければ液漏れし易くなることが分かっていて、突出させた注ぎ口を付けずに、液溢れしにくい形状とした容器は皆無である。
このような現状に鑑み、従来からも種々の技術提案がなされている。特許文献1は、発明の名称を「受け皿」とし、解決しようとする課題を「コップ等の容器に入らなかったり、あふれたり、こぼれたりした液体を受ける受皿の構成を簡素化して低コスト化を図ると共に、衛生性、メンテナンス性、安全性の向上を図る。」とするもので、具体的な解決手段を「給液装置に着脱可能に取り付けられ、液体を受ける受皿であって、縁部材に、内部に液体が収容可能な凹状のカップ部が一連に形成されている。」としたものである。しかしながら、係る技術は、液溢れを前提とし、溢れた液体を処理するもので、液体が溢れないようにするという本発明とは課題を異にするものである。
また、特許文献2は、発明の名称を発明の名称を「漏れ受け具」とし、解決しようとする課題を「注ぎ口から漏れた液体を受け止めることが可能な漏れ受け具を提供する。」とするもので、具体的な解決手段を「液体容器の注ぎ口の下方の周囲に、注ぎ口の下方の全周に渡って受け皿的に配置する板状の受け皿部と、受け皿部の外周辺縁に、全周に渡って起立する壁部とを備え、また、受け皿部の略中心に、液体容器の注ぎ口を形成する突起部を挿嵌させるための挿嵌穴が穿設されており、受け皿部の板状部分が、円形、楕円、扁平楕円又は多角形である。」としたものである。しかしながら、係る技術も特許文献1と同様に液溢れすることを前提とし、溢れた液体を処理するもので、液体が溢れないようにするという本発明とは課題を異にするものである。
また、特許文献3は、発明の名称を「垂水取り」とし、解決しようとする目的を「吸収部と外皮から成る垂水取り」とするもので、具体的な解決手段を「吸収部の面を傾斜にして容器を固定したとき逆円すい状にし垂水を吸収しようとした垂水取り」というものである。係る技術も特許文献1及び特許文献2と同様に、液溢れすることを前提とし、溢れた液体を吸収するためのポケット状の収容部を設けるもので、液体が溢れないようにするという本発明とは課題を異にするものである。
特開2016-11134号 実登3234341号 公開実用昭和56-135272号
本発明は、小皿や椀等に収容された液体を外部に注ぎ出す縁部形状に着目し、突出させた注ぎ口が無くても下側に該液体が回り込まないようにして、テーブル等の載置面に液溢れをし難い容器の技術提供を課題とするものである。
本発明は、皿形状又は椀形状の容器であって、収容された液体を外部へ注ぎ出す際に該液体が下側へ回り込まないようにするための段差部を周縁部に少なくとも一以上有し、該段差部は、上部垂直方向面と上部水平方向面から成る上側段差と、下部垂直方向面と下部水平方向面から成る下側段差が所定の厚みを介して形成されている構成を採用する。
また、本発明は、前記段差部の上部垂直方向面が前記容器の外周縁部の円周曲率と異なる曲率に湾曲した面である構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記段差部の段差が複数段設けられている構成を採用することもできる。
本発明は、前記段差部が外周縁部の全周に形成されている構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記段差部において、上部水平方向面と下部水平方向面のそれぞれの外周縁部を繋ぐ面に傾斜角を有する構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記段差部において、上部水平方向面と下部水平方向面のそれぞれの外周縁部を繋ぐ外縁部垂直方向面とに面取りされている構成を採用することもできる。
また、本発明は、前記段差部において、上部水平方向面と下部水平方向面のそれぞれの外周縁部を繋ぐ外縁部垂直方向面とにアール加工されている構成を採用することもできる。
また、本発明は、素材が木製である構成を採用することもできる。
また、本発明に係る液溢れし難い容器によれば、小皿や小椀等においてわさびを醤油に溶き海鮮丼等にかける際に醤油等の液体が下側に回り込んで小皿の底面や高台を汚すことを抑止できるという優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る液溢れし難い容器によれば、小皿や小椀等においてわさびを醤油に溶き海鮮丼等にかける際に醤油等の液体が下側に回り込んで小皿の底面や高台を汚すことがないことから、テーブルクロス等の載置面を汚さないという優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る液溢れし難い容器において、素材を木製にした場合には美しい木目が食べ物をより新鮮に、美味しそうに魅せてくれる自然美あふれる食卓の演出に一役買うことができるといった優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る液溢れし難い容器によれば、管状やくちばし状の突出させた注ぎ口を有さないため、重ねて収納することができるといった優れた効果を発揮する。
また、本発明に係る液溢れし難い容器によれば、食器以外にも、鍋などの調理器具や研究用容器、塗装用ペンキ容器など、多種多様な容器全般に適用できるという優れた効果を発揮する。
本発明に係る液溢れし難い容器の基本構成を説明する基本構成説明図である。 本発明に係る液溢れし難い容器における段差部を拡大したものであり、液体が容器の下側(底部)に回り込まない原理を説明する図である。 本発明に係る液溢れし難い容器における段差部の配置構成を説明する配置構成説明図である。 本発明に係る液溢れし難い容器における段差部の垂直方向面が湾曲した曲率を有する構成を採用した場合の実施例を説明する実施例説明図である。 本発明に係る液溢れし難い容器の段差部が複数の段差から構成される場合の実施例説明図である。 本発明に係る液溢れし難い容器における段差部が容器と別体であり結合することにより一体となる構成の実施例説明図である。 本発明に係る液溢れし難い容器における段差部が傾斜面・アール加工等の処理が施された実施例説明図である。
本発明は、皿形状又は椀形状等の杯、瓶、箱、鍋、丼、寸胴、ボール、筒、鉢、盤、タッパー、瓶詰め、保存用密閉容器等の容器であって、収容した液体を外部へ注ぎ出す際に該液体が下側へ回り込まないようにするための段差部を周縁部に少なくとも一以上有していることを最大の特徴とするものである。以下、図面に基づいて説明する。但し、係る図面に記載された形状や構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の創作として発揮する効果の得られる範囲内で変更可能である。
図1は、本発明に係る液溢れし難い容器の基本構成を説明する基本構成説明図であり、図1(a1)は既存の一般的な小皿を傾斜させて醤油等の液体Eをかける状態を示し、図1(a2)は、既存の一般的な小皿を通常の水平状態に戻した時に縁部から液溢れが生じている状態を示し、図1(b1)は既存の一般的な小皿を傾斜させて醤油等の液体Eをかける状態の断面を示し、図1(b2)は既存の一般的な小皿を通常の水平状態に戻した時に縁部から液溢れが生じている状態の断面を示し、図1(c1)は本発明に係る液溢れし難い容器を傾斜させて醤油等の液体Eをかける状態を示し、図1(c2)は本発明に係る液溢れし難い容器を通常の水平状態に戻した時に上側段差20に液玉41が留まり縁部から液溢れが生じていない状態を示し、図1(d1)は本発明に係る液溢れし難い容器を傾斜させて醤油等の液体Eをかける状態の断面を示し、図1(d2)は本発明に係る液溢れし難い容器を通常の水平状態に戻した時に上側段差20に液玉41が留まり縁部から液溢れが生じていない状態の断面を示し、図1(d3)は本発明に係る液溢れし難い容器を傾斜させて醤油等の液体Eをかける状態の段差部を拡大したものである。なお、図2(a1)は段差部40の拡大図であり、(a2~a4)と合わせて液体Eが容器10の下側(底部)に回り込まない原理を説明する説明図であり、図2(b1)、(b2)は、段差部40の距離の違いにより、液溢れし難さが変化する原理を説明する比較説明図である。
図2(a1)に示すように、容器10を傾けて液体Eを流出させると、上部垂直方向面21、上部水平方向面22、外縁部垂直方向面50を伝わるが、下部水平方向面32へは角Aから角Bまでの距離と、容器を傾けた分、角Aの位置が角Bより高さhだけ高くなるため、下部水平方向面32へ回り込まず、よって容器10の下側(底部)へは回り込まない。図2(a2)、(a3)、(a4)は、小皿を傾斜させて液体Eをかける図2(a1)の状態から、通常の水平状態(a4)に戻す傾斜の変化と液体Eの流出が止まる時の挙動を示しているが、図2(a2)は傾斜が大きいため、上部垂直方向面21と上部水平方向面22の上側段差20から外縁垂直方向面50まで伸びた液留まり42が重力と表面張力の釣り合いがとれた状態で出来ていることを示し、図2(a3)は傾斜が小さくなり液留まり42に掛かる重力の影響が小さくなるため表面張力の影響で小さくまとまりだした状態を示し、図2(a4)は傾斜が最小になりより球体に近い表面積が最小となった液玉41が上側段差20上に留まっている状態を示し、この一連の液体Eの挙動は、図2(a2)のときに外縁垂直方向面50に残った液体Eが上部垂直方向面21と上部水平方向面22の2つの面に囲われた上側段差20で安定的にできる液体Eの液玉41に吸い上げられて無くなり、液溢れが起き難い状態になったことを示しており、従って、従来から問題となっていた容器10の底部へ液体Eが回り込んでしまうという現象を生じさせない形状であることを示している。
液溢れし難い容器1は、皿形状又は椀形状の食器であって、収容した液体Eを外部へ注ぎ出す際に該液体Eが下側へ回り込まないようにするための段差部を周縁部に少なくとも一以上有し、該段差部は、上部垂直方向面21と上部水平方向面22から成る上側段差20と、下部垂直方向面31と下部水平方向面32から成る下側段差30が所定の厚みとなる外縁部垂直方向面50を介して形成されていることを基本構成とするものである。以下、各構成部材について説明する。
容器10は、食事に用いる皿形状又は椀形状等の容器や調理器具の総称で、容器については単に器(うつわ)と呼ばれている場合もある。また、容器10は、食文化の違いや、食品・食材の違いによってさまざまなものが存在し、日本では和食器・洋食器に大別されることが多く、洋食器はさらにガラス食器と陶磁器に分かれる。皿は、椀や鉢よりも浅く低い食器10であり、椀よりも汁気の少ない料理を入れるのに用いられる。椀は、大別して飯椀と汁椀、盛椀の三種類があり、木製のものは木偏の椀、陶磁器製のものは石偏の碗、金属製のものには金偏の鋺の字が用いられ、円形で底部が湾曲しており、片手で持ち上げることのできるものを椀または碗と呼ぶ。蓋付きのものもあり、椀の縁に口を付けて食することもある為、椀の口径より狭い径の蓋が付くものが一般的である。
上側段差20は、段差部40における上側の段差を示す部分であり、上部垂直方向面21と上部水平方向面22から構成される段差である。
上部垂直方向面21は、段差部40における上側段差20の上側水平方向面22から垂直に立設される面である。
上部水平方向面22は、段差部40における上側段差20のうち垂直方向に立設される上部垂直方向面21に対して水平方向に平設される面である。容器10に樹脂製の器、液体Eに醤油を用いて実験したところ、角Cと角Fの距離を5mm固定としたとき、角Cと角Dの距離をおよそ3mmとするのが最も液溢れが少ない結果となった。この液溢れが少ない結果の状態を示す断面図を図2(a4)とした時、角Cと角Dの距離が短い場合を比較的に示した断面図を図2(b1)、角Cと角Dの距離が長い場合を比較的に示した断面図を図2(b2)に示していて、図2(a4)は外縁垂直方向面50に液体Eが残らなかったのに対し、図2(b1)は液体Eが重力の影響を受け外縁垂直方向面50まで液体Eが垂れ下がって残り、図2(b2)は、上側段差20にできる液球41のサイズに対して長過ぎて液体Eが分離してしまったため、外縁垂直方向50に液体Eが残ってしまっており、外縁垂直方向50に液体Eが残った場合、下側段差30の面をつたい容器10の下側(底部)へ回り込むリスクとなるため、液溢れし易い状態といえる。以上の結果から、器の素材と液体Eの疎水性、親水性及び表面張力とその組み合わせで、液体Eの挙動が変わってくるため、器や液体Eの種類や、器の使用用途等により、角Cと角Dの最適距離を導き出す必要がある。
下側段差30は、段差部40における下側の段差を示す部分であり、下部垂直方向面31と下部水平方向面32から構成される段差である。
下部垂直方向面31は、段差部40における下側段差30の下側水平方向面32から垂直方向に立設される面である。下部垂直方向面31は、機能的には重要ではないため、底部、高台部へつながる傾斜形状、湾曲形状と一体形状となっても構わない。
下部水平方向面32は、段差部40における下側段差30のうち下側垂直方向面32に対して水平方向に平設される面である。
段差部40は、上側に配置される上側段差と、下部に配置される下側段差と外縁部垂直方向面50から構成される段差である。
外縁部垂直方向面50は、段差部40において上側段差20と下側段差30を繋ぐ面である。なお、かかる外縁部垂直方向面50の寸法については、容器10に樹脂製の器、液体Eに醤油を用いて実験したところ、角Cと角Fの距離を5mmとし、角Cと角Dの距離を3mmとした場合、角Dと角Bの距離は、短ければ短いほど、液溢れが少ない結果となった。しかし、短ければ短いほど、器としての強度が落ちてしまうため、器の素材ごとに必要な距離を確保しつつ、最小限の距離を適用する必要がある。
外周縁部の円周曲率と異なる曲率60は、容器の直径よりも大きな円弧の中心をずらした位置に配置される上部垂直方向面21を湾曲させて配置するための曲率とするか、若しくは中心を同一とする楕円によって形成される曲率としたものである。
リング状段差部70は、容器10と別体としても成立する環状の構造であり、別体部材とした場合、容器10と嵌合等の結合手段により容器10に結合され、全周に段差部40を形成することができるものである。
液体Eは、水やお茶等の液体Eであったり、ドレッシングや醤油等の調味料であったり、カレーやシチューなどの流動性を持つ食材等、これら全般を表す総称として用いるものである。
面取りMは、上部水平方向面22と外縁部垂直方向面50との角部を斜めに削ってエッジを落とす加工を施したことを意味し、一般的にはC面取りなど呼ばれる処理が代表的である。
アール加工Rは、上部水平方向面22と外縁部垂直方向面50との角部に丸みを付けた処理を施すことを意味する。
傾斜角Sは、上部水平方向面22の外側端部と底部水平面の外側端部を繋ぐ面を傾斜させる場合の角度である。
木製Wは、容器10の素材の一種であり、プラスチック、ガラス、ステンレス、陶器、紙など多くの素材がある中で、比較的に軽くて割れにくく、自由な形状に加工できるという特徴を備えている素材であり、本発明に係る液溢れし難い容器1の素材として適したものといえる。その他、係る木製Wとすることにより、見た目を美しくできることから、高い意匠性の発揮を可能とする素材である。なお、木製Wは、漆でコーティングすることにより、撥水性を高めて、係る液溢れの発生をより抑止可能とするとともに、より綺麗な美観を備えることもできる。
図3乃至図7には、本発明に係る液溢れし難い容器1のバリエーションを実施例としてそれぞれ示す。
図3は、本発明に係る液溢れし難い容器1における段差部40の配置構成を説明する配置構成説明図であり、図3(a)は、段差部40を二箇所に備える実施例を示す斜視図であり、図3(b1)は、その場合の平面図、図3(b2)は正面図、図3(b3)は側面図、図3(b4)は断面図を示し、図3(c1)は段差部40を一箇所だけ備えた実施例を示す斜視図であり、図3(c2)は段差部40を二箇所備えた実施例を示す斜視図であり、図3(c3)は段差部40を三箇所に備える実施例を示す斜視図である。なお、段差部40の数については図面に示した数に限定されるものではない。
図4は、本発明に係る液溢れし難い容器1における段差部40の上部垂直方向面21が湾曲した曲率を有することを説明する実施例説明図であり、図4(a)は段差部40の上部垂直方向面21が湾曲した曲率を有する実施例を示す斜視図であり、図4(b1)は、その場合の平面図、図4(b2)は正面図、図4(b3)は側面図、図4(b4)は断面図を示している。
図5は、本発明に係る液溢れし難い容器1の段差部40が複数の段差から構成される場合の実施例説明図であり、図5(a)は段差部40が複数の段差から構成される場合の実施例を示す斜視図であり、図5(b1)は、その場合の平面図、図5(b2)は正面図、図5(b3)は側面図、図5(b4)は断面図を示している。図5(b5)は、段差部40を2段構成にした場合の断面図を示している。
図6は、本発明に係る液溢れし難い容器1における段差部40が容器と別体部材にした場合の別体部材を結合することにより一体となる構成の実施例説明図であり、図6(a1)は段差部40が容器と別体のリング状段差部70と結合することによりこれらが一体となる構成の実施例を説明する平面図であり、図6(a2)はその場合の正面図、図6(a3)は側面図、図6(a4)は断面図を示している。なお、図6(b1)はリング状段差部70と容器が結合する前の状態を示し、図6(b2)はこれらが結合して一体となった状態の液溢れし難い容器1を示したものである。
図7は、本発明に係る液溢れし難い容器1における段差部40に傾斜面・アール加工等の処理が施された実施例説明図であり、図7(a1)は、段差部40における外縁部垂直方向面50に傾斜角を備えた構成を採用した場合の実施例を説明する実施例斜視図を示し、図7(a2)は、その場合の断面を示し、図7(b1)は、段差部40における外縁部垂直方向面50と上部水平方向面22の角部にアール加工Rを施した場合の実施例を説明する実施例斜視図を示し、図7(b2)は、その場合の断面を示している。
本発明に係る液溢れし難い容器によれば、液溢れしない容器の提供は、衛生的且つ綺麗な食卓でのサービスの提供に繋がることから、一般家庭向けの販売はもちろん、丼物を提供する飲食事業者等において産業上利用可能性は高いと思慮されるものである。また、液溢れによる問題は、飲食事業者に限らず、例えば液体を扱う研究者や塗装業、製造業等あらゆる範囲に及び、本発明の応用でさらに産業上利用が広がると思慮されるものである。
1 液溢れし難い容器
10 皿形状又は椀形状等の容器
20 上側段差
21 上部垂直方向面
22 上部水平方向面
30 下側段差
31 下部垂直方向面
32 下部水平方向面
40 段差部
41 液玉
42 液留まり
50 外縁部垂直方向面
60 外周縁部の円周曲率と異なる曲率
70 リング状段差部
E 液体
M 面取り
R アール加工
S 傾斜角
W 木製
h 高さ

Claims (7)

  1. 皿形状又は椀形状の容器(10)であって、
    収容した液体(E)を外部へ注ぎ出す際に該液体(E)が下側へ回り込まないようにするための段差部(40)を周縁部に少なくとも一以上有し、
    該段差部(40)は、上部垂直方向面(21)と上部水平方向面(22)から成る上側段差(20)と、下部垂直方向面(31)と下部水平方向面(32)から成る下側段差(30)が所定の厚みとなる外縁部垂直方向面(50)を挟んで形成され、前記段差部(40)の前記上部垂直方向面(21)が前記容器(10)の外周縁部の円周曲率と異なる曲率(60)に湾曲した面であることを特徴とする液溢れし難い容器(1)。
  2. 前記段差部(40)の段差が複数段設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液溢れし難い容器(1)。
  3. 前記段差部(40)が外周縁部の全周に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液溢れし難い容器(1)。
  4. 前記段差部(40)において、前記上部水平方向面(22)と前記下部水平方向面(32)のそれぞれの外周縁部を繋ぐ前記外縁部垂直方向面(50)に傾斜角(S)を有すること特徴とする請求項1に記載の液溢れし難い容器(1)。
  5. 前記段差部(40)において、前記上部水平方向面(22)と前記下部水平方向面(32)のそれぞれの外周縁部を繋ぐ前記外縁部垂直方向面(50)とに面取り(M)されていること特徴とする請求項1に記載の液溢れし難い容器(1)。
  6. 前記段差部(40)において、前記上部水平方向面(22)と前記下部水平方向面(32)のそれぞれの外周縁部を繋ぐ前記外縁部垂直方向面(50)とにアール加工(R)されていること特徴とする請求項1に記載の液溢れし難い容器(1)。
  7. 素材が木製(W)であることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の液溢れし難い容器(1)。
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JP2015077993A (ja) 2013-10-17 2015-04-23 要 若杉 飲料を飲む器
JP2019201825A (ja) 2018-05-22 2019-11-28 新也 岡田 容器、吸水部材、吸水部材セット及び吸水部材付容器

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