本明細書に記載の開示の目的は、複雑なハードウェアを必要とすることなく、回転機械の正確な診断を可能にするという問題の解決策を提供することにある。これは、添付の特許請求の範囲の主題によって解決される。
特に、アンダーサンプリングされた測定信号を使用することができるということは、とりわけ、診断の精度を低下させることなく、診断デバイスのハードウェア要件/複雑性を軽減するため、技術的に有利である。処理は、詳細な事前情報を必要としないので、技術的に利益が得られるような方法で、さらに複雑性を低減する。
特に、下記のような態様が提供される。回転機械の状態診断を行うことに基づいて、回転機械の測定信号を解析するための診断デバイス。回転機械自体が診断対象またはその構成要素であってもよい。回転機械は、車両または任意の他の産業機械のような、別のデバイス内に搭載または載置されてもよい。
診断デバイスは、プロセッサ、メモリなどのようなハードウェアによって、およびソフトウェアによって構成し得る、様々なユニットを備えていてもよく、例えば、ユニットは、コンピュータプログラム製品の一部でもよい。下記に説明するユニットは、別体として、すなわち、スタンドアロンのユニットとして提供されるように構成してもよく、あるいは、単一のユニットのサブパーツであってもよい。さらに、一部のユニットは、下記の説明と比較して、組み合わせて提供されても、別々に提供されてもよい。例えば、入力ユニットは、2つの別体のユニットではなく、単一のユニットでもよい。
診断デバイスは、好ましくは、下記のユニットのうちの少なくとも1つ以上を含む。
-第1及び第2の測定信号、もしくは、測定信号AおよびBなどと呼ばれる少なくとも2つの測定信号を受信するように構成可能な測定信号入力ユニット。さらに、測定信号は、信号、(測定)波長、測定データなどと呼ぶこともできる。1回の診断タスクごとに3つ以上の測定信号が診断デバイスに入力され、それに応じて、下記の手順および構成は、3つ以上の信号の処理ができるように適応されることが可能であり、想定される。
測定信号は、回転機械の第1の動作パラメータの測定値の組を含んでいてもよい。回転機械の第1の動作パラメータは、電流を含んでいてもよい。測定入力ユニットは、好ましくは、診断デバイスが測定信号を受信できるようにする入力端子と考えてもよい。入力は、例えば、有線又は無線で入力ユニットに接続されるセンサ又はストレージデバイスなど、他のデバイスによって自動的に行われてもよい。測定入力ユニットは、測定信号を記憶したストレージ媒体を受容するためのUSBポートなどのようなハードウェア端子でもよい。診断デバイス全体が、コンピュータシステム上で動作するコンピュータプログラム製品によって構成されている場合は、測定信号入力ユニットは、コンピュータシステムが測定信号を無線または有線で受信できるようにする任意の手段を含んでいてもよい。
-受信した測定信号各々に対し、回転機械の第2の動作パラメータを受信するように構成可能な制御パラメータ入力ユニット。測定信号入力ユニットに関連して説明した可能な、および/または好ましい代替案および構成は、同様に、制御パラメータ入力ユニットにも適用される。
-解析ユニット
解析ユニットは、少なくとも2つの測定信号を周波数領域に変換することによって少なくとも2つの測定信号の周波数スペクトルを判定するように構成してもよい。この変換のため、任意の好適な変換を適用でき、好ましい例としては、高速フーリエ変換が挙げられる。
解析ユニットは、さらに、受信した第2の動作パラメータの値に基づいて、関係パラメータ(または比率パラメータ)を判定するように構成してもよい。例えば、第2の動作パラメータが対応する測定信号の測定中に回転機械の回転速度を表す場合、関係パラメータは、第1の測定信号の第2の動作パラメータの値を第2の測定信号の第2の動作パラメータの値で除算することによって判定してもよいし、またはその逆でもよい。例えば、3つ以上の測定信号の場合、2つ以上の比率または関係パラメータ値を類似的に判定してもよい。
解析ユニットは、さらに、周波数スペクトルの1つ以上の、または各周波数成分に対して周波数成分乗算処理を行うことによって、各周波数スペクトルに対して後処理済み周波数スペクトルを生成するように構成してもよい。各入力/受信測定信号を、周波数領域、すなわち(周波数)スペクトルに変換すると、変換された測定信号は、複数の周波数成分を含むことになる。ここで、周波数スペクトルの「周波数成分」という用語は、離散的な周波数値の振幅値を表す。例えば、周波数領域に変換された測定信号が0Hz~100Hzの範囲に亘る場合、0Hz~100Hzの間(両端の値を含む)の周波数値の各々は、関連する振幅値(周波数をx軸にとった場合、y軸の値)を示し、この値は、0を含む任意の値をとることができる。したがって、第1の動作パラメータが電流である場合には、ある特定の周波数成分における振幅値は、当該周波数値における、アンペアで表す電流値となる。
周波数スペクトルを表示ユニットによってユーザに表示し、ユーザが、すべての周波数成分、または周波数成分のサブグループのみをマーク/選択して、さらなる処理を行うことも可能である。あるいは、またはさらに、診断デバイスまたはリモートコンピュータシステムの解析ユニットまたは別のユニットは、スペクトルの1つ以上、またはすべての周波数成分を選択して、さらなる処理を行うタスクを実行する。機械学習論理(ML)または人工知能(AI)を、前もってそのタスクのために訓練し、訓練されたML/AIが上記のタスクを行うことができるようにするのが非常に好ましい。
さらに、上記の代わりに、または上記に加え、周波数成分は、(予め)設定された、周波数値を有するステップ距離を利用した、予め定義されたレジームに基づいて選択されるのが最も好ましい。例えば、ステップ距離は、ユーザ、AI/MLが設定しても、あるいは、メモリ内に予め記憶/プリセットしてもよい。当該ステップ距離に基づいて、周波数成分を選択することができ、周波数成分は、ヘルツで表されるステップ距離の倍数と等しい場合に選択することができる。好ましくは、選択できる第1の周波数成分は、周波数領域において、測定信号が含まれる周波数範囲の端の値である。例えば、ステップ距離が0.1Hzにプリセットされており、スペクトルが0Hzから始まるとすると、0Hz、0.1Hz、0.2Hz...における全ての振幅値が選択される。ステップ距離が上記の例において、0.1Hzとは異なる値の場合も、選択は同様にして行われる。選択対象の周波数成分の上限値を(予め)設定してもよい。
周波数成分の乗算では、好ましくは、周波数成分乗算処理で乗算された周波数成分の倍数である周波数値に位置する周波数スペクトルに、追加の周波数成分を生成する。倍数の数または乗算された周波数成分は、プリセット値で制限することができる。
さらに、本明細書で言及する「ピーク」または「周波数ピーク」という用語は、好ましくは、ローカルまたはグローバルな最大値における単一の振幅値、またはローカルまたはグローバルな最大値周辺の振幅値の分布に関連することに留意されたい。
解析ユニットは、さらに、少なくとも2つの測定信号の周波数スペクトルの周波数成分を互いに比較するように構成してもよい。これには、好ましくは、例えば、後処理済み周波数スペクトルのうちの1つから1つの周波数成分を選択し、続いてその振幅値を、後処理済み周波数スペクトルのうちの別の後処理済み周波数スペクトルの振幅値と比較する。例えば、2つの測定信号、よって、2つの後処理済み周波数スペクトルの場合、第1の後処理済み周波数スペクトルの選択した周波数値における振幅値を、第2の後処理済み周波数スペクトルの周波数値の振幅値と比較することを意味する。3つ以上の測定信号がある場合は、好ましくは、互いに比較する周波数値の数(すなわち、それらの振幅値)は、測定信号または周波数スペクトルの数と同一である。
さらに、比較の結果に基づいて、解析ユニットは、さらに、補正済み周波数スペクトルを判定および/または生成するように構成してもよい。特に、補正は、ノイズまたはその他のサンプリングまたは信号後処理アーチファクト、特にエイリアスに起因する「偽の」周波数ピークまたは「偽の」周波数成分の抑制または削除を含む。言い換えれば、補正済み周波数スペクトルには、好ましくは、「真の」ピークまたは周波数成分のみを含む、または少なくともほとんどが「真の」ピークまたは周波数成分である。別の言い方をすれば、補正済み周波数スペクトルには、「偽の」ピークまたは周波数成分は含まれていない、あるいは少なくとも「偽の」ピークまたは周波数成分は、その振幅の観点から抑制されているまたは低減されている。
上記により、補正済みスペクトルを使用して回転機械の状態の高精度な診断を行うことができる一方、データソースとしては、特に、記憶容量や計算負荷などの観点から、コンピューティング資源を節約する低いサンプリングレート(低速サンプリング)でサンプリングした測定信号を使用できるため、回転機械の診断を改善することができる。また、解析ユニット自体は、同様の他のユニットほど計算能力を必要としない。なぜなら、測定データの適切な処理方式が、特に、複雑な数学的演算などまたは広範囲な事前情報を必要としないからである。さらに、測定信号をフィルタリングするための信号フィルタも必要としない。
さらに好ましい態様では、周波数成分の比較は、少なくとも2つの測定信号の、1つの周波数スペクトルの第1の周波数成分(「第1の」の代わりに、例えば、周波数成分「A」などのように別の用語を使ってもよい。すなわち、「第1の」という用語は、好ましくは、以下の説明が分かり易いように、周波数成分を別の周波数成分と差別化する役割を果たす)を別の周波数スペクトルの第2の周波数成分(「第2の」という用語に関しては、「第1の」についてのコメントも適用される)とを比較して行う。
他の周波数スペクトルの第2の周波数成分は、fa×関係パラメータの式を使って識別するのが非常に好ましく、式中faは、第1の周波数成分の周波数値である。関係パラメータは、例えば、二つの異なる測定信号の測定中に使用される回転速度の比率であってもよい。言い換えれば、第2の周波数成分は、その周波数値が関係パラメータを乗じた第1の周波数成分の周波数値と一致するように、所謂「比較」をするために選択または拾ってもよい。
さらに、補正済み周波数スペクトルは、第1の周波数成分の振幅値に第2の周波数成分の振幅値を乗算し、乗算の結果の平方根値を補正済み周波数スペクトルの周波数成分の振幅値として使うことによって判定してもよい。言い換えれば、2つの異なる測定信号(そのスペクトル)からの2つの周波数成分の比較は、好ましくは、上記のように比較対象の周波数成分を選択することと、続いてその振幅値を互いに乗算することを含んでいてもよい。そして、修正は、補正済み周波数スペクトルを生成するために新たに判定された振幅値の使用を含んでいてもよい。
3つ以上の振幅値が互いに乗算される場合、例えば、3つ以上の測定信号または周波数スペクトルがある場合には、乗算の結果の第3の根またはn番目の根を補正済み周波数スペクトルの振幅値として使用してもよい。
比較および補正のステップを、さらなる処理、すなわち、そして特に、比較と補正のために選択したすべての周波数成分に対して行ってもよい。また、周波数成分は、乗算された周波数成分、すなわち、周波数成分乗算処理によって生成された周波数成分も含むものとする。
以上のように、比較および補正済み周波数スペクトル生成処理/ステップを工夫することで、これらの2つのステップによって、本来ならば、アンダーサンプリングの結果として生じ得る「偽の」周波数成分またはピークを抑制または削除することができる、数学的に比較的簡単で計算負荷が少ない選択肢が提供される。例えば、第1の周波数成分の振幅値が「100」で、第2の周波数成分の振幅値が「0」であるというもっとも分かり易いケースでは、補正済み周波数スペクトルの第1の周波数値での振幅値は「0」となり、第1の周波数値における振幅/ピークが「偽の」ピーク/周波数成分そして、例えば、エイリアスのようなアンダーサンプリングのアーチファクトであったことが明白となる。第2の振幅値がゼロでなくても、補正済み周波数スペクトルの振幅値は、後処理済み周波数スペクトルと比較して変化する。
好ましくは、プリセットしきい値振幅値を下回る補正済み振幅値を、補正済み周波数スペクトルではゼロに設定する、すなわち、周波数成分またはピークを削除する。プリセットしきい値は、絶対プリセット値でよく、または、例えば、第1および/または第2の周波数成分と、例えばパーセント値のような補正済み振幅値との間の差によって定義され得る、相対値でもよい。上記の好ましい態様で説明した補正済み振幅値を削除することにより、アーチファクトまたは偽ピークが完全に除去されるため、さらに明確な補正済み周波数スペクトルが戻される。これにより、例えば、回転機の状態が、補正済み周波数スペクトルに基づいて判定し得る、さらなる後処理が容易となる。
さらなる好ましい態様によると、周波数成分乗算処理では、係数を乗じたプリセットのステップ距離に一致する周波数値を有する当該周波数成分乗算処理でスペクトルの周波数成分を乗算する。好ましくは、ステップ距離は、測定信号の周波数分解能と同一の値を有する。係数は、ベクトルでよく、一連の係数値を含んでいてもよく、好ましくはこれらの値は整数である。一連の係数は、0、1、2、3、...Nのようにして形成される。値「N」は、予め定義でき、場合に応じてユーザが設定できる上限としてプリセットしてもよい。
さらに好ましくは、ステップ距離は、各測定信号の周波数分解能と同一であってもよい。周波数分解能は、好ましくは、データ長の逆数であることが望ましい。データ長は、測定信号の時間周期であっても、あるいは、測定信号から選択した窓の時間長であってもよい。例えば、測定信号のデータ長は、10秒、100秒、10分、2時間、または任意の他の時間(時間長)でもよい。ある窓が選択されている場合、それはデータ長全体のうちの一期間でもよい。さらに、例として、データ長が10秒の場合、周波数分解能は0.1Hzであり、よって、ステップ距離は、0.1Hzである。これは、他の値も可能であることから、このステップ距離の非限定的な例では、0Hz(スペクトルが0Hzで始まる場合。そうでない場合は、開始値は、適宜調整される)、0+0.1Hz、 0+(0.1x2)Hz、...0+(0.1xN)Hzでの全ての周波数成分が、さらに上で好ましく使用され、説明されているように、比較処理のための「第1の周波数成分」として選択されることを意味する。「元の」周波数スペクトルの周波数成分が選択可能なだけでなく、好ましくは、周波数成分乗算処理で生成された、乗算された周波数成分もまた、選択の判定基準としてのステップ距離を使用して上記のレジームにしたがって選択される。
さらに好ましくは、ステップ距離が周波数分解能と同一である場合、測定信号のデータ長の値が関係パラメータに対応するように、測定信号のデータ長を適合させてもよい。これは、例えば、関係パラメータが1/3である場合、第2の測定信号(2つの測定信号がある場合)のデータ長は、第1の測定信号のデータ長の1/3となるように選択してもよいことを意味する。これは、例えば、測定時間を適合させることによって、あるいは、例えば、第2の測定信号の窓(関数)を使用することによって可能となる。
上記により、偽のピーク/周波数成分をより確実に特定することができるようになり、周波数成分のステップ距離に基づく選択レジームを、低い計算負荷で行うことができるようになる。
さらに好ましい態様では、後処理済み周波数スペクトルの、各々の、すなわちすべての周波数成分を、別の後処理済み周波数スペクトルの各々の、すなわち全ての周波数成分と比較してもよい。これは、この代替案では、周波数成分乗算処理で生成した、すべての周波数成分と、その乗算された周波数成分とを、他方の測定信号の周波数成分乗算処理で生成された、すべての周波数成分と、その乗算された周波数成分と比較することを意味しているとも考えられる。これにより、非常に正確な結果を得られるが、選択された、すなわち一部の、すなわち全てではない周波数成分(またはその乗算された周波数成分)のみを、別の測定信号/スペクトルの選択された、または対応する周波数成分(またはその乗算された周波数成分)と比較する好ましい代替案と比較すると、計算負荷が増える。この代替案は、計算資源を節約しながらも、補正済み周波数スペクトルに関しては、非常に正確な結果をもたらすことができる。対応する周波数成分は、第1の周波数成分の周波数値に関係パラメータを乗算して第2の周波数成分の周波数値を計算する、上記で説明した等式で求めることができる。
さらに好ましい態様では、診断デバイスは、少なくとも1つの補正済み周波数スペクトルを、回転機械の状態を判定するために補正済み周波数スペクトルを診断するように構成できる状態診断ユニットに出力するように構成された出力ユニットを備えていてもよい。回転機械またはその一部/構成要素の状態は、健全または正常、すなわち、完全に機能しており、故障がない状態、保守が必要、例えば、一部の構成要素または機械全体が摩耗などの兆候を示している状態、または、例えば、構成要素または機械全体が損傷している場合など、故障、損傷、または機能不全の状態が含まれていてもよい。エラーや損傷を示す周波数のピークの高さ/振幅は、その損傷の深刻度を示す指標となる。
よって、上記の技術的利点を活かして計算/判定される補正済みスペクトルを利用することができるので、計算コストが少なく、高精度な診断を行うことができる。
さらに好ましい態様では、状態診断ユニットは、回転機械の補正済み周波数スペクトル全体または補正済み周波数スペクトルの窓を、回転機械の参照周波数スペクトルと比較してもよく、回転機械の参照周波数スペクトルは、回転機械の、または回転機械の構成要素の健全な状態を表す。比較は、例えば、損傷や摩耗の指標であるスペクトルの追加のピークを特定してもよい。さらに、周波数スペクトルのある範囲のみに感心がある、または、特に重要であることがわかっているなどの場合には、窓を使用して当該範囲を切り取って、それを参照スペクトルの対応する部分と比較してもよい。これにより、診断のための計算負荷をさらに低減することができる。
さらなる態様では、診断デバイスは、ナイキスト基準未満のサンプリングレートで、測定信号をサンプリングしてもよい。これは、診断デバイスのどのユニットでも行うことができる。ナイキスト基準とは、帯域制限値の2倍を超えるサンプリングレートが非破壊サンプリングの条件であることを示す。あるいは、またはさらに、診断デバイスは、ナイキスト基準を下回るサンプリングレートですでに(予め)サンプリングされた測定信号を測定信号入力ユニットで一緒に受信してもよい。同時に、後者の場合には、サンプリングに使用したサンプリングレートの値が提出される。本開示では、解析および診断のために必要な記憶容量および計算能力を意図的に削減するために、低速サンプリングされた測定信号、すなわち、ナイキストレートを下回るレートでサンプリングされた測定信号を使用することができるとともに、好ましくは使用する。これにより、長時間運転中の回転機械の監視、あるいは、他の技術的に有益な適用シナリオが可能となる。
さらに好ましい態様では、測定信号を時間領域でストレージユニットから、および/またはセンサのような測定ユニットから受信してもよい。よって、適用シナリオおよび利用可能なハードウェアまたはソフトウェアソースに関して、様々なソースを使うことができるとともに、それらを、高度な自由度を提供して、柔軟に変更することもできる。
さらに好ましい態様では、測定信号ごとに少なくとも1つの第2の動作パラメータを入力してもよく、第2の動作パラメータは、回転機械の、またはその構成要素の回転速度でもよい。回転速度は、機械に搭載した回転速度センサなどのようなセンサで測定してもよい。測定信号に属する第2の動作パラメータの値は好ましくは固定/一定である。例えば、一定の回転速度の動作期間中に測定信号を測定してもよい。測定のタイミングは、回転速度が一定であることが検出された時に測定するか、または回転機械を、測定するのに必要な時間だけ一定の回転速度で駆動するかのいずれかである。センサで測定する回転速度は、精密かつ簡単に測定できるパラメータであり、本明細書で提案している計算による安価な手法をさらに支持するものである。
さらに好ましい態様では、第2の動作パラメータは、回転速度の制御コマンド値または回転速度の測定値であってもよい。第2の動作パラメータが回転速度である場合、その測定値を使用するという後者の代替案については既に上記した通りである。最初に述べた代替案は、回転センサが必要ないので複雑性がより低い解決策に関連する。これに変えて、例えば、コントローラなどが回転機械へ入力した回転機械の入力指令値を、コントローラなどが診断デバイスに送り、それに基づいて、それぞれの値を回転機械の回転速度とみなしてもよい。
さらに好ましい態様では、第2の動作パラメータは、回転機械がその上、またはその中に搭載されている車両の走行速度でもよい。より好ましくは、走行速度情報を使用して回転機械の回転速度を計算または推定してもよい。例えば、車両が列車または自動車である場合、その電動機の回転速度と車両の走行速度との間の関係は、既知または記憶されており、回転機械の回転速度を推定または計算するために使用される。この解決策は、車両の走行速度についての情報は通常既知であり、それ以上測定デバイスを設ける必要がないため、複雑ではない。
さらに好ましい態様では、時間領域における測定信号の値(すなわち、時間をx軸にプロットされた場合に、y軸にプロットされる値)は、回転機械の電流または回転角度である。言い換えれば、測定信号は、電流または回転角度対測定時間を含む。この値により、回転機械の正確な状態診断が可能となる。
さらに好ましい態様では、特に、周波数スペクトルの特定の部分と、診察対象の機械の特定の構成要素のみが診察されるというシナリオでは、特徴的な周波数が選択された周波数として解析される。例えば、回転機械がモータおよびギヤである場合、ギヤが、モータより、特徴/動作周波数が大幅に高いことが事前にわかっているので、機械の2つの構成要素の周波数ピークは、スペクトルに良好に分離されている。このような場合、周波数スペクトルにおけるモータのピークおよびモータの損傷に関して可能性のある損傷を示すピークのみを選択すること、あるいはギヤに関連するピークを、スペクトルから、またはさらなる解析処理から取り除くことが、計算負荷を低減するためのさらなる選択肢となり得る。
さらに好ましい態様では、周波数成分乗算処理は、1と有限または無限の、所定の上限整数値との間の値をとる整数値をサンプリングレートに乗じた値だけ、周波数スペクトルに周波数成分のコピーをシフトさせるステップを含む。それは、各ピークまたは周波数成分が、周波数成分乗算処理でサンプリングレートの整数倍のすべてまたは選択された範囲でシフトしてもよいことを意味する。それらは、先に説明したように、新たに作成され/生成された(乗算された)周波数成分である。整数値の代わりに、他の値も使用できる。ここでも、本開示は、比較的計算コストが低いが、有効な処理を提供しており、この処理では、エイリアスを確実に特定し、それらの除去または抑制が可能であるため、非常に正確な補正済みスペクトルを生成することができ、それに基づいて、信頼できる、そして正確な状態診断を行うことができる。
さらに好ましい態様では、解析ユニットおよび/または状態診断ユニットは、特に解析ユニットの場合には、周波数成分乗算処理、周波数成分の比較、および/または補正済みの周波数スペクトルの生成を行うように構成され、状態診断ユニットの場合には、参照周波数スペクトルと補正済み周波数スペクトルとの比較を行うように構成された、1つ以上の訓練された機械学習ユニットおよび/または、訓練された人工知能ユニットを含む。診断デバイスを使用して、内部または外部の訓練されたML/AIは、人間のユーザが介在することなく、上記の処理/タスクの信頼性が高く、高速で正確な処理を提供する。あるいは、従来の計算プログラムを設けて、計算し、上記の処理を行ってもよい。
さらに好ましい態様では、回転機械は、ウィンドタービンの発電機、車両のモータ、自動車のモータ、列車のモータ、エレベータのモータ、任意のその他の産業装置のモータ、ギヤ、コンプレッサ、タービンの、包括的ではないリストから選択された機械またはその構成要素である。ここでは、明示していないが、他の回転機械も使用可能である。
さらに好ましい態様では、上記で説明した診断デバイスの1つ以上のユニットで行うステップを実行することができるコンピュータ実装診断方法、および、コンピュータで実行されたときに当該方法を実行するように配置されたコンピュータプログラムロジックを有するコンピュータプログラム製品が提供されてもよい。
以下では、好ましい態様および実施例を、添付の図面を参照しながらより詳細に説明する。異なる図面および実施例における同一または類似の特徴は、類似の参照番号で表す。様々な好ましい態様および好ましい実施例に関する以下の詳細な説明は、本開示の範囲を限定することを意味するものではないことは理解できよう。
図1は、図1(a)において、x軸が時間を示す、時間領域における測定信号100である波形の模式図を示す。y軸には、この非限定的な実施例では、回転機械またはその構成要素の電流をプロットしている。この非限定的な実施例において、構成要素は、例えば、自動車、列車、または鉄道車両、エレベータなどの産業機械のモータ1000であってもよい。電流は、電流センサ1001によって測定してもよく、あるいは、制御ユニット1001によって例えば、モータなどのインバータ1003に入力された電流指令値から判定してもよい。測定信号100のサンプリングは、サンプリングされた測定値101を示す小さい黒い点によって示している。図1(a)においては、正しく再現可能なベースバンド信号のサンプリングのシャノン-ナイキスト基準が満たされている。このようなサンプリングは、以下では「高速サンプリング」とも呼ばれ、ナイキスト基準を満たさない速度でのサンプリングを表す(図1(c)に示す)「低速サンプリング」または「アンダーサンプリング」とは区別する。
図1(a)のサンプリングされた信号は、周波数領域、すなわち、周波数スペクトルまたはスペクトルで示すと、図1(b)のようになり、周波数ピーク103は、例えば、回転機械の動作状態、例えば、モータ1001の回転速度を示しているのがわかる。
さらに、上記のように、同じ測定信号100のアンダーサンプリングが図1(c)に模式的に示されており、図1(d)に示す周波数スペクトルは、周波数ピークが、アンダーサンプリングによる図1(b)のスペクトルより低い周波数に現れている。図1(d)の周波数ピークは、エイリアス104とも呼ばれる。
図2(a)および図2(b)は、高速サンプリングスペクトル、すなわち、予測される、または正しいスペクトルのサンプリング状態についての事前情報、およびスペクトルにおける正しい周波数ピークが予測できるバンドパスサンプリング処理を使用する従来技術の反復技術を示している。言い換えれば、図2(b)に示すようなエイリアス104は補正され、「真の」ピーク103がこの技術により復元される。
しかしながら、図2(c)は、測定信号の周波数スペクトルが、例えば、回転機械の故障、操作速度の変化などにより複数のピークを含む例示の状況を示し、図2(d)は、ピークが互いに近接して位置してピークの識別を困難にしている、アンダーサンプリングした測定信号の周波数スペクトルを示す。このことは、図2(d)のクエスチョンマークで示している。図2(c)および図2(d)の両シナリオでは、本開示は、正確な補正済み周波数スペクトルを提供することができ、信号フィルタについても同様に、広範/詳細の事前情報の使用を必要としない。
図3は、本明細書で提案している改良された診断デバイス200の基本動作原理を(a)~(c)の分図で示す。具体的には、診断デバイス200では、少なくとも2組の入力データが受信されるが、これは、特に、2つの測定信号またはそのサンプリングされた(低速度)信号が受信され、測定信号/サンプリングされた信号は、回転機械の異なる動作状態で測定された。動作状態には、例えば、回転機械の(回転)速度を含み、回転機械が車両などの一部である場合は例えば、車両の移動速度などのような他のパラメータから導出されてもよい。回転速度は、センサによって、あるいは、回転機械のコントローラからの回転速度に関連する入力指令値によって判定してもよい。これについては、それぞれ、図3(a)の場合は速度「A」で、図3(b)の場合は速度「B」で、(ただしAは、Bとは異なる)運転した、同じ回転機械またはその構成要素のスペクトルを示す、図3(a)および図3(b)の模式的なスペクトルによって示している。スペクトルの元の時間領域測定信号は、ここに示していないが、図2(a)に模式的な例を示している。
「真の」ピークまたは周波数成分、すなわち、高速サンプリングされたスペクトルの中にも存在し得るピークまたは周波数成分が、回転機械の動作状態に依存する情報に基づいて、比率パラメータまたは関係パラメータを使用して下記にさらに詳しく説明する高速サンプリングされたスペクトルを補正/推定することができる。
図3(c)は、「真の」ピークまたは周波数成分で補正済みスペクトルを示しており、特に、エイリアスが抑制またはアンダーサンプリングされた信号のスペクトルから取り除かれたことを意味し、これにより、高速サンプリングを行ったかの如く、期待されたスペクトルを推定することができる。推定されたスペクトルは、「補正された」(周波数)スペクトルとも呼ばれる。
図4は、図4(a)および図4(b)で、図3(a)および図3(b)の信号のような2つのアンダーサンプリングされた信号で行われるバンドパスサンプリングの原理を示している。図4の両分図は、スペクトルのピーク/周波数成分を示し、これは、異なる動作状態により、ピークが互いに対して相対的にシフトしていることがわかる。図4(a)および図4(b)のピークは、(細い)垂直の実線であり、x軸には、周波数をプロットし、分図4(a)および図4(b)の約中央に0Hzが位置している。y軸または縦軸には、例えば電流のピークの振幅値をプロットしている。しかし、真のピークまたは周波数成分のみが、図3の速度「A」および「B」のような、測定信号の基礎となる動作速度の比として本明細書で定義した関係パラメータと一致する周波数値の比でシフトする。
例として、図4の模式図は、周波数成分(乗算された周波数成分を含む)を示しており、それらのうちの1つが、上記の条件に合致して、図中に記載するように、真の周波数成分として判定/識別できる。
言い換えれば、図4は、信号およびその折返し成分(折り返しまたは「乗算された周波数成分」)を示している。回転周波数が異なる場合は、プログラマブル論理コントローラPLCのようなコントローラで記録した(トルク)の電流は、回転周波数、または回転機械の回転速度に比例する。よって、信号が同じ位置にある場合は、ピークは、より高い周波数成分のノイズまたはエイリアシングである。比例関係/非比例関係をチェックすることによって、真の周波数成分を検出することができる。この比較は、周波数成分/ピークの各振幅値と、異なる回転速度で記録した他の周波数スペクトルにおける対応する周波数成分の振幅値とを乗算することによって行うことができる。そして、乗算の結果の平方根を、補正済み周波数スペクトルに対する値として使用することができ、この値は、ゼロより大きくてもよく、または、計算された比較振幅値から所定のマージン/差より大きくはずれなくてもよい。上記において、他の測定信号/周波数スペクトルの周波数成分と比較される周波数成分間の周波数の間隔またはステップ距離は、測定信号のデータ長を調整することによって回転速度に比例するはずである。
さらに別の言い方をすれば、図4は、「fa」の周波数値を有する上側のピークの周囲に引いた楕円の線によって図に示したケース1の「比較」について、他の(図4(b)の)スペクトルの対応する周波数値にはピークまたは有意な振幅値が存在しないことを示しており、「対応する」とは、値faの結果と一致する周波数成分を関係パラメータと共に示し、後者は、図4(b)におけるf2/f1の比率として示すものである。結果として、図4(b)の対応する周波数成分の低またはゼロ振幅値の乗算によって、図4(a)のスペクトルにおける値faのピークまたは周波数成分が、エイリアスまたは任意の他のアーチファクト、すなわち、「偽の」ピークまたは周波数スペクトルであるという比較結果が戻ってくる。同じことが図4のケース2およびケース4でも言え、これらも図4(b)のスペクトルに存在するピークまたは周波数成分が「対応する」周波数値に位置していないので、比較または乗算では、「真の」ピークまたは周波数成分が、比較結果として戻ってくる。しかしながら、ケース3では、図4の両スペクトルの2つのピークの周囲の楕円の線が、対応する周波数位置に周波数成分またはピークがあるため、乗算および平行根を求めることにより、周波数成分/ピークが無視できない、すなわち、それらが真であることを示す値を戻す。上記で模式的に説明した図4の「比較」手順は、スペクトルの周波数成分ごと、または少なくとも、選択された周波数成分ごとに行われ、補正済み周波数スペクトルは、スペクトルの対応する周波数成分の乗算の平方根値のみを使用して生成することができる。
分図(a)~(d)を含む図5は、速度「A」および「B」のような異なる動作状態で測定した、アンダーサンプリングされた測定信号の各スペクトルのピーク/周波数成分の乗算と、それに続いて図5(c)および図5(d)に示されるような、2つの異なる速度「A」および「B」のスペクトルについて、互いに対する比較(周波数成分乗算処理を好ましくは整数値で行う)を行うための、提案された手順を示す。互いに対して、「A」および「B」の速度比、すなわちA/BまたはB/Aと同じ関係を有するという要件を満たすこれらのピークまたは周波数成分は、真のピークまたは周波数成分として特定してもよく、補正済みスペクトルに対して使用してもよい。例として、図5(a)および図5(b)の周波数スペクトルのより厚い/太いピークを使用して、図5(c)および図5(d)の周波数成分乗算処理を示す。図の後側の破線は、シフト/コピー/乗算された周波数成分を示し、それらは、他方のスペクトルの、他方または対応するピークと比較されて(図5(c)および図5(d)の図の間の両方向矢印で示す)、それらが真のピークか、周波数成分かを判定する。図5(c)および図5(d)の模式的な実施例において、それぞれ最後のピーク(すなわち、本実施例では最大値のピーク)が太い両方向矢印によって示される関係パラメータと一致している。これが、真のピークまたは周波数成分であることがわかる。さらに、コピーされたピークまたは周波数成分の間の細く、曲がった矢印は、周波数成分乗算処理を示し、これに対し、好ましくは、サンプリング周波数の整数倍を使用する。
言い換えれば、図5の実施例では、回転速度AおよびBで記録された2つの異なる周波数スペクトルの2つの周波数成分を互いに比較する場合、比較は、比較された周波数成分の振幅値の乗算である、または少なくとも含まれていることが好ましい。互いに比較される周波数成分は、同じ周波数値を有していない場合もある。むしろ、比較のために、1つの周波数スペクトルから第1の周波数成分を選択した場合、別の周波数スペクトルの対応する周波数成分は、第1の周波数成分の周波数値に関係パラメータを乗算したもの、すなわち、図5の例では速度AをBで割ったものを選択することになる。言い換えれば、図5の2つの周波数スペクトル(3つ以上が可能)から周波数成分を選択するためのヘルツのステップ差は、周波数スペクトルごとに異なる。好ましくは、ステップ差は、データまたは測定信号の長さまたはその窓の逆数を時間単位で計算した値であり、測定信号の長さ(またはデータの長さ)の比は、関係パラメータと同一または比例するように選択/設定されている。周波数成分の比較処理における振幅値の乗算は、ゼロであったり、しきい値より低かったり、高かったり、あるいは、互いに乗算された振幅値と同等であったりする補正済みの値を戻す。後者の場合、例えば、真のピークまたは周波数成分が検出されており、その振幅値が、好ましくは、周波数成分のすべての比較のすべての補正済み値を含む、補正済み周波数スペクトル内に存在することを意味する。
図6および図7は、例示のシミュレーションにより、診断デバイス200の解析ユニット203の本明細書で提案する補正処理の実施例を示す。特に、図6(a)は、上側のウィンドウに表示されている測定信号の例で、回転機械の回転速度が100Hzのときのスペクトルを示しており、下側のウィンドウに表示されているスペクトルのもとになる測定信号は110Hzで受け取ったものである。両測定信号は10Hzでサンプリングされている。サンプリング理論によれば、5Hzは、周波数範囲であり、0Hz付近(および0Hzまたは10Hz付近)の信号が観測される。データに基づき、0から500Hzがバンドパスサンプリングによって予測され、この開示では、好ましくは、周波数ピークに、好ましくは、サンプリングレートの整数倍である固定係数を乗算することを意味し、100Hzでのピークは、エイリアシングなしに検出され、図6(b)は、100Hzで検出された真の周波数ピークを示しており、200Hz、300Hzなどのピークは、削除されるエイリアスとして特定される(この図では、「折り返し除去」と記している)。より具体的には、エイリアスは、図4および図5を参照して上述したように、乗算ベースの比較により抑制される。
図7は、分図(a)~(d)において、従来技術の結果(図7(c))と、本明細書に記載の手法(図7(d))で達成できる結果との比較を示す。図7(a)の時間領域測定信号(0~7500アンペアの電流範囲に示す。曲線が平坦な線のように見えるが、それは真ではなく、電流範囲が広いためにそのように見えるだけである)は、周波数領域に変換され、それぞれのスペクトル(図7(b)参照)は、複数の周波数成分/ピークを含み、その一部は、測定信号のアンダーサンプリングによってのみ生じるエイリアス(矢印マーカー参照)である。しかし、エイリアス、あるいは本物でない成分/ピークは、首尾よく抑制することができ、本明細書に記載の手法によって生成された補正済みスペクトルは、図7(d)に示すように、そのような「偽」のピーク/周波数成分を含まない。図7(c)に示すような従来技術の結果は、本明細書に記載の手法による、図7(d)のグラフには示されていない、さらに高い周波数のピークを含む。
本開示の発明者は、本件は、鉄道車両と鉄輸送システムでテストを行い、補正済みスペクトルが、例えば、機械の予測診断に有用であったということも報告している。鉄道車両の診断に関し、2フェーズの電流が測定され、従来既知の方法でトルク電流に変換された。さらに、関係パラメータを判定することに基づいて動作状態データに、鉄道の速度を使用した。鉄輸送システムでは、図9に示すPLC1002などのようなコントローラ内の電流データを使用し、つまり、測定信号には、電流の測定データではなく、指令値を使用した。輸送速度データを動作状態データとして使用した。機械の状態を確実に診断するために補正済みスペクトルを使用することができ、いずれの場合も、構成要素の劣化が進むにつれ、電流成分が増加することが示された。これらの例では、診断対象は、例えば、モータベアリングおよび/またはギヤなどのような機械的に接続された構成要素であった。
図8は、好ましい本開示の態様にしたがって組み立てられ/配置された診断デバイス200の例を示す。診断デバイス200は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアによって構成できるユニットおよびサブユニットを含んでいてもよい。ハードウェアの場合は、例えば、ユニットは、内部メモリ(図示せず)に記憶されている、または外部ソース(図示せず)からロードされたプログラムを処理するプロセッサ、アシックスなどのような演算ユニットを含んでいてもよい。また、デバイス200全体を、ソフトウェアプログラム製品として全体または部分的に設定してもよく、図8に示すようなユニットを、プログラム製品のサブユニットとすることも可能である。ユニットの配分は、異なっていてもよく、例えば、下記に記載する2つの異なる入力ユニットを、単一ユニットとしてもよく、また、3つ以上のユニットに分割してもよい。他のユニットについても同様である。
診断デバイス200に提供される入力データは、好ましくは1つ以上のセンサユニット207および/またはストレージユニット206から提供され、診断対象の時間ベースの(時間領域の)測定データを含む。当該対象物は、好ましくは、回転機械または構成要素/その部品である。このような好ましいシナリオでは、測定データが、経時的に測定される回転速度、電流などを含んでいてもよい。より好ましくは、電動機の場合、入力データは、電流センサによって測定した、あるいは、電動機に入力された電流制御コマンド値に由来する電動機の電流(トルク)の測定値を含んでいてもよい。回転速度は、制御コマンド値からも測定でき、または読み取ることもできる。入力データは、回転機械に提供される制御コマンド値、または(その後)、診断に使用される前に測定されて記憶ユニット206に記憶されているなど、1つ以上のセンサユニット207によって測定されたデータでもよい。測定データ/制御コマンドデータに加え、診断デバイス200の入力ユニット201/202に提供される入力データは、速度データのような制御パラメータデータ、および好ましくは、測定信号がサンプリングされたサンプリングレートについての情報を含む。速度データは、回転機械が搭載され、回転機械の回転速度が導出される車両の走行速度を含んでいてもよいし、および/または、例えば、センサによって測定される回転機械自体の回転速度を含んでいてもよい。
図8の本実施例では、入力ユニット201は、測定信号/データ入力ユニット201であり、入力ユニット202は、制御パラメータ入力ユニット202である。入力ユニット201/202によって受信された入力データは、測定信号入力ユニット201から受信した測定信号がさらに下に説明するように処理される、解析ユニット203に転送される。具体的には、測定信号入力ユニット201は、診断されるべき回転機械の異なる動作状態で受け取られる少なくとも2つの異なる組の測定データ(測定信号)を受信する。それぞれの動作状態は、制御パラメータ入力ユニット202が受け取った入力データとともに提供される。したがって、少なくとも4組のデータが、診断タスクのために診断デバイス200に提供される。
解析ユニット203では、前に説明した図面に関連してすでに説明した処理が行われるが、この処理は、特に、次のようなステップを含む。
-少なくとも2つの測定信号を周波数領域に変換することによって少なくとも2つの測定信号の周波数スペクトルを判定すること。これは、例えば、高速フーリエ変換または任意の他の適した変換操作を実行することによって行うことができる。
-受信した第2の動作パラメータの値に基づいて関係パラメータを判定すること。関係パラメータは、好ましくは、それぞれの制御パラメータ入力ユニット202に入力された制御パラメータの値の間の比であり、例えば、当該回転機械の速度データである場合には、比は、第2の測定信号の値で第1の測定信号の速度値を割った結果、またはその逆の結果でもよい。
-前に述べたように周波数成分の乗算を行うことによって各周波数スペクトルに後処理済み周波数スペクトルを生成すること。このステップは、周波数領域内の測定信号の周波数成分、すなわち、周波数スペクトルに所定の値を乗算し、その後、測定信号A(または第1の測定信号)の周波数スペクトルの周波数成分の各々またはその一部を、測定信号B(または第2の測定信号)の周波数スペクトルの周波数成分と比較することを含んでいてもよい。所定の値は、好ましくは制御パラメータデータとともに送信されるサンプリング周波数の倍数(整数値または非整数値)でもよい。よって、「真の」ピークまたは周波数成分が特定される一方で、上記のような周波数成分の振幅値を乗算した結果、エイリアスまたはノイズ関連の周波数成分が抑制される。言い換えれば、補正済み周波数スペクトルは、比較/乗算ステップによって判定することができる。
補正済み周波数スペクトルは、ストレージデバイス(図示せず)に記憶することができ、さらに/またはそれらは、出力ユニット204によって出力することもできる。出力は表示デバイス(図示せず)または任意の種類の後処理を行うことができる別の処理ユニットに提供することができる。
好ましい態様では、診断ユニット205は、補正済みスペクトルを受信してもよく、回転機械の状態を診断してもよい。回転機械の状態は、例えば、正常(欠陥なし)、要保守、または故障/機能不全などでもよい。診断ユニット205は、状態を判定するために、参照スペクトルを使用して補正済みスペクトルと比較してもよい。例えば、正常な状態を示すであろう、参照スペクトルと比較した追加の周波数のピークの存在が、欠陥を示す可能性がある。このような比較は、既知の処理であり、人間のユーザが行ってもよく、あるいは、例えば、訓練された人工知能などによって、コンピュータ化してもよい。解析ユニット203は、好ましくは1つ以上の訓練された人工知能、または上記のステップを行うように訓練またはプログラムされたコンピュータサブプログラム製品を含んでいてもよい。
さらに、好ましくは、診断デバイス200は、さらに窓関数ユニットを含んでいてもよく、あるいは、補正対象の特定のピークを(コンピュータ化または人間のユーザによって)選択してもよい。図示していない窓関数ユニットは、スペクトルの選択された、または所定の周波数領域/範囲のみをさらに処理してもよい。
図9は、信号線によって接続され、無線または有線によって確立できる診断デバイス200をセンサ1001およびストレージデバイス207に適用する際の例示的なシナリオを示す。診断デバイス200をストレージデバイス207とセンサ1001のうちの一方にのみ接続することも可能である。本実施例における診断対象の回転機械は、制御コマンド値および電流を受信するインバータ1003に配線された電動機1000である。制御コマンド値は、プログラマブル制御回路などのような制御ユニット1002によって提供されてもよい。診断デバイス200は、別体である代わりに、制御ユニットPLC1002の一部であっても、組み込まれていてもよい。モータのフェーズの少なくとも1つにおける電流を測定するセンサ1001の代わりに、制御ユニットPLC1002は、モータ1000に診断デバイス200への測定信号として発せられた電流コマンド値を提供してもよい。
図10は、本開示の態様による、可能なプロセスフローを示す。S1とマークされたステップにおいて、2つのアナログ信号が提供されていることがわかる。その後、ステップS3において、アナログ測定信号のサンプリングをアナログ-デジタル変換器(ADC)で行う。ADCは、図9の例で示すように制御ユニットPLC1002の一部でもよく、あるいは、サンプリングは、測定信号が診断デバイス200に入力される前に行ってもよい。その後、ステップS4で、測定信号が周波数領域に変換され、スペクトルの解析が、補正済みスペクトル(複数可)を生成する上記のサブステップを含むステップS5で行われる。解析ユニット203の補正は、制御パラメータ値、すなわち、好ましくは、特定の測定信号に対応する速度値を提供することを含むステップS4の入力およびステップS2の入力で行う。そして、補正済み周波数スペクトル(複数可)/データは、出力され、またはさらに、すでにステップS6で説明したように処理される。
要約すると、アンダーサンプリングされた信号の使用を可能とし、非常に複雑な操作ステップを必要としないので、コンピュータプログラム製品が動作するデバイスのハードウェアアーキテクチャが高度なシステム要件を持たない、改良された診断デバイス、方法およびコンピュータプログラム製品が提供される。
当業者であれば理解できるように、本開示は、これまで、また、添付の図面にて説明してきたように、方法(例えば、コンピュータ実装処理または任意の他の処理)、装置(デバイス、機械、システム、コンピュータプログラム製品、および/または任意の他の装置を含む)または、前記の組み合わせとして具現化することができる。
本開示の態様/実施例は、ソフトウェア全体(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または「システム」と呼ばれるソフトウェアとハードウェアの態様の組み合わせであってもよい。さらに、本開示は、媒体内に具現化されたコンピュータ実行可能なプログラムコードを有するコンピュータ可読媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
矢印を図面で使用して、2つ以上のエンティティが関わる通信、転送、または他の活動を表している場合があることに留意すべきである。両方向矢印は、状況によっては、活動は必ずしも両方向に起きるものではないが、一般的に、活動が両方向に対して起こり得ることを示すものである(例えば、一方向の命令/要求とそれに対応する他方の方向への返信、またはいずれかのエンティティによって開始されるピア・ツー・ピア通信)。
一方向矢印は、一般的に、もっぱら、または主に一方向の活動を示すが、特定の状況では、そのような方向性のある活動が実際には両方向の活動を含むことがあることに留意する必要がある(例えば、送信者から受信者へのメッセージと受信者から送信者への確認応答、または転送前の接続の確立および転送後の接続の終了など)。よって、特定の図面において特定の活動を表すために使用される矢印の種類は、例示に過ぎず、限定的なものとみなすべきではない。
本開示は、方法および装置のフローチャート図および/またはブロック図を参照して、およびその方法および/または装置によって生成されたグラフィカルユーザインターフェースの多くのサンプルビューを参照して説明することができる。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、および/またはそのフローチャート図および/またはブロック図の中のブロックの組み合わせ、ならびにグラフィカルユーザインターフェースは、コンピュータ実行可能なプログラムコードによって実装できることが理解できよう。
コンピュータ実行可能なプログラムコードは、汎用コンピュータ、特殊目的コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに設けて、特定の機械を作製することができるため、コンピュータのプロセッサまたは他のプログラマブルデータ処理装置を介して実行するプログラムコードは、フローチャート、ブロック図のブロック(複数可)、図面、および/または書面に指定される機能/行為/出力を実装するための手段を作成することができる。
コンピュータ実行可能なプログラムコードは、また、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置に、特定の方法で機能するように支持することができるコンピュータ可読メモリに記憶することができるので、コンピュータ可読メモリに記憶されたプログラムコードは、フローチャート、ブロック図のブロック(複数可)、図面、および/または書面に指定される機能/行為/出力を実装する命令手段を含む製造物を製造できる。
コンピュータ実行可能なプログラムコードは、また、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にロードして、一連の操作ステップをコンピュータまたは他のプログラマブル装置に行わせてコンピュータ実装処理を生成することにより、コンピュータ上で、または他のプログラマブル装置上で実行するプログラムコードが、フローチャート、ブロック図のブロック(複数可)、図面、および/または書面に指定される機能/行為/出力を実装するためのステップを提供できるようにしてもよい。あるいは、本開示の実施形態を実行するために、コンピュータプログラムに実装されたステップまたは行為は、オペレータまたは人間が実装するステップまたは行為と組み合わせてもよい。
「サーバ」および「プロセッサ」のような用語は、本明細書においては、本開示のいくつかの態様で使用できるデバイスを説明するために使用するものであり、文脈上特に必要でない場合には、本開示を任意の特定のデバイスのタイプに限定するものと解釈されるべきものではないことに留意すべきである。よって、デバイスは、ブリッジ、ルータ、ブリッジルータ(ブルータ)、スイッチ、ノード、サーバ、コンピュータ、アプライアンス、または他のタイプのデバイスを含んでもよいが、これらに限定されない。このようなデバイスは、適宜デバイス機能を行うように構成された通信ネットワーク、およびプロセッサ(例えば、メモリを有するマイクロプロセッサ、および他の周辺機器および/またはアプリケーション固有のハードウェア)上での通信のため、典型的には1つ以上のネットワークインターフェースを含む。
通信ネットワークは、一般的に、パブリックおよび/またはプライベートネットワークを含んでいてもよく、ローカルエリア、ワイドエリア、メトロポリタンエリア、ストレージ、および/または他のネットワークのタイプを含んでいてもよく、これらに限定されないが、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えばBluetooth)、ネットワーク技術、およびインターネットワーク技術を含む通信技術を採用してもよい。
デバイスは通信プロトコルおよびメッセージ(例えば、デバイスによって作成した、送信した、受信した、保存した、および/または処理したメッセージ)を使用してもよく、そのようなメッセージは、通信ネットワークまたは媒体によって伝達されてもよいことに留意すべきである。
文脈上特に必要でない限り、本開示は、任意の特定の通信メッセージタイプ、通信メッセージ形式、または通信プロトコルに限定されるものと解釈すべきではない。よって、通信メッセージは、一般的に、フレーム、パケット、データグラム、ユーザデータグラム、セル、または他のタイプの通信メッセージを含んでいてもよいが、これらに限定されない。
文脈上、必要とされない限り、特定の通信プロトコルの参照は、例示に過ぎず、代替として、適宜、それらの通信プロトコルの変形(例えば、随時行われるプロトコルの変更または拡張)または既知または将来開発される他のプロトコルを採用できることを理解すべきである。
本開示の様々な態様を実証するために論理フローを本明細書で説明することがあるが、本開示が、任意の特定の論理フローまたは論理実装に限定されると解釈すべきでないことに留意すべきである。説明した論理は、全体的な結果を変更することなく、あるいは、本開示の真の範囲を逸脱することなく、異なる論理ブロック(例えば、プログラム、モジュール、機能、またはサブルーチン)に分割してもよい。
多くの場合、論理エレメントは、全体的な結果を変更することなく、または、本開示の範囲から逸脱することなく、追加し、変更し、省略し、別の順序で行い、または異なる論理構成(例えば、論理ゲート、ループプリミティブ、条件付き論理、および他の論理構成)を使って実装することが可能である。
本開示は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、または汎用コンピュータ)と共に使用するグラフィカル処理ユニットならびにコンピュータプログラム論理、プログラマブル論理デバイスとともに使用するプログラマブル論理(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のPLD)、離散コンポーネント、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、または任意の組合せを含む任意の他の手段を含む、多くの異なる形式で具現化してもよいが、これらに限定されるものではない。説明した機能性の一部またはすべてを実装するコンピュータプログラム論理は、典型的に、コンピュータ実行可能な形式に変換され、コンピュータ可読媒体に記憶され、オペレーティングシステムの制御下でマイクロプロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令の組として実装される。説明した機能性の一部または全部を実装するハードウェアベースの論理は、1つ以上の適切に構成されたFPGAを使って実装してもよい。
前に本明細書にて説明した機能性のすべてまたは一部を実装するコンピュータプログラム論理は、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、および様々な中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、またはロケータによって生成される形式)を含む様々な形式で具現化してもよいが、これらに限定されるものではない。
ソースコードは、様々なオペレーティングシステム、またはオペレーティング環境で使用するため、様々なプログラミング言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、またはフォートラン、パイソン、C、C++、JAVA(登録商標)、JavaScript,またはHTMLなどのハイレベル言語)のいずれかに実装される一連のコンピュータプログラム命令を含んでいてもよい。ソースコードは、様々なデータ構造および通信メッセージを定義し、使用してもよい。ソースコードは、コンピュータ実行可能な形式(例えば、インタープリター経由)でもよく、あるいは、ソースコードは、コンピュータ実行可能な形式に変換(例えば、トランスレータ、アセンブラ、またはコンパイラ経由で)してもよい。
本開示の実施形態の動作を実行するためのコンピュータ実行可能なプログラムコードは、Java、Perl、Smalltalk、C++等のようなオブジェクト指向、スクリプト型、または非スクリプト型のプログラミング言語で書かれてもよい。しかしながら、本開示の態様の動作を行うためのコンピュータプログラムコードは、「C」プログラミング言語、または類似のプログラミング言語のような従来の手続き型プログラミング言語で記述することもできる。
本明細書で先に述べた機能性の全部または一部を実装するコンピュータプログラム論理は、単一のプロセッサ上で異なる時間に(例えば、同時に)実行されてもよいし、複数のプロセッサ上で同じまたは異なる時間に実行されてもよく、単一のオペレーティングシステム処理/スレッドの下で実行されてもよいし、異なるオペレーティングシステム処理/スレッドの下で実行されてもよい。
よって、「コンピュータ処理」という用語は、異なるコンピュータ処理が同じプロセッサで実行されるか、異なるプロセッサで実行されるか、また、異なるコンピュータ処理が同じオペレーティングシステムの処理/スレッドで実行されるか、異なるオペレーティングシステムの処理/スレッドで実行されるかにかかわらず、コンピュータプログラム命令の組の実行を一般的に参照する。
コンピュータプログラムは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、フラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット、固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、その他のメモリデバイスなどの有形のストレージ媒体に、永続的または過渡的に任意の形式(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、または中間形式)で固定することができる。
コンピュータプログラムは、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーク技術、インターネットワーキング技術など、様々な通信技術のいずれかを用いて、コンピュータに送信可能な信号に任意の形式で固定することができる。
コンピュータプログラムは、印刷または電子文書を添付した取り外し可能なストレージ媒体(例えば、シュリンクラップされたソフトウェア)として配布されても、コンピュータシステムにプリロードされても(例えば、システムROMや固定ディスク)、または通信システム(例えば、インターネットやワールドワイドウェブ(WWW))を介してサーバや電子掲示板から配布されるなど、どのような形式でもよい。
本明細書で先に説明した機能性の全部または一部を実現するハードウェア論理(プログラマブル論理デバイス用のプログラマブル論理を含む)は、従来の手作業での方法を使って設計してもよいし、コンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(VHDLやAHDLなど)、またはPLDプログラミング言語(PALASM、ABEL、CUPLなど)など、さまざまなツールを使って電子的に設計、キャプチャ、シミュレーション、または文書化してもよい。
任意の適切なコンピュータ可読媒体を利用してもよい。コンピュータ可読媒体は、限定されるものではないが、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体システム、装置、デバイス、又は媒体であってもよい。
コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、1本以上のワイヤを有する電気的接続部や、ポータブルコンピュータのディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)などの有形のストレージ媒体、あるいはその他の光学的または磁気ストレージデバイスなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
プログラマブル論理は、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケット、固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、その他のメモリデバイスなどの有形ストレージ媒体に、永続的または過渡的に固定することができる。
プログラマブル論理は、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーク技術、インターネットワーキング技術など、様々な通信技術のいずれかを用いて、コンピュータに送信可能な信号に固定することができるが、限定されるものではない。
プログラマブル論理は、印刷または電子文書を添付した取り外し可能なストレージ媒体(例えば、シュリンクラップされたソフトウェア)として配布されても、コンピュータシステムにプリロードされても(例えば、システムROMや固定ディスク)、または通信システム(例えば、インターネットやワールドワイドウェブ(WWW))を介してサーバや電子掲示板から配布されてもよい。もちろん、本開示のいくつかの実施形態は、ソフトウェア(例えば、コンピュータプログラム製品)とハードウェアの両方の組み合わせとして実装することができる。本開示のさらに他の態様は、完全にハードウェアとして、または完全にソフトウェアとして実装される。
特定の例示的な態様を説明し、添付の図面に示してきたが、これらの実施形態は単に例示に過ぎず、広範な開示を制限するものではなく、また、本開示の態様は、上記の段落に記載されたものに加えて、様々な他の変更、組み合わせ、省略、修正、および置換が可能であるため、ここに示され、記載された特定の構造および配置に限定されるものではないことを理解されたい。
当業者であれば、先ほど説明した態様や実施例の様々な適応、修正、および/または組み合わせが構成できることを理解できるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲内で、本開示は、本明細書に具体的に記載されている以外にも実施することができることを理解されたい。例えば、明示的に別段の記載がない限り、本明細書に記載されている処理のステップは、本明細書に記載されている順序とは異なる順序で行われてもよく、1つ以上のステップが組み合わされたり、分割されたり、または同時に行われてもよい。当業者であれば、本開示を鑑みて、本明細書に記載された開示の異なる態様または実施例を組み合わせて、開示の他の態様または実施例を形成することができることも理解できるであろう。