以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図8は、走行車両1に取り付けられた連結装置2に耕耘装置3を連結した作業機4を示している。本実施形態では、走行車両1として、トラクタが例示されている。また、耕耘装置3として、ロータリ耕耘装置3が例示されている。本実施形態においては、図8の矢印A1方向(作業機4の前進方向)を前方、図8の矢印A2方向(作業機4の後進方向)を後方として説明する。したがって、図8の手前側が左方であり、図8の奥側が右方である。また、前後方向に直交する水平方向を車体幅方向として説明する。
図8に示すように、作業機4は、走行可能な車体1Aを有する。車体1Aは、原動機(図示省略)と、動力伝達ケース(変速装置)5とを有する。原動機は、ディーゼルエンジン等のエンジンである。原動機は、電動モータであってもよいし、ディーゼルエンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
動力伝達ケース5は、例えば、フライホイールを収容するフライホイールハウジングと、フライホイールを介して伝達される原動機の動力を断続可能に伝達するクラッチを収容するクラッチハウジングと、クラッチを介して伝達される動力を変速する動力伝達ケース5を収容するミッションケースとを直結して構成される。
図8に示すように、作業機4は、車体1Aを走行可能に支持する走行装置6を有する。走行装置6は、例えば、車輪型の走行装置6であり、車体1Aの前部に設けられた前輪6Fと、車体1Aの後部に設けられた後輪6Rとを有する。
図1A、図8に示すように、車体1Aの背面には、PTO軸8が後方に突出状に設けられている。PTO軸8は、作業機4の動力(原動機の動力)を外部に取り出す出力軸である。また、車体1Aの後部には、油圧装置9が搭載されている。油圧装置9は、内部に油圧シリンダを有すると共に、該油圧シリンダによって駆動されて上下に揺動する左のリフトアーム10L及び右のリフトアーム10Rを有する。
図1A、図8に示すように、ロータリ耕耘装置3を連結する連結装置2は、車体1Aの後部に取り付けられている。連結装置2は、三点リンク機構11等のリンク機構と、連結枠12とを有する。三点リンク機構11は、トップリンク13と、第1ロワーリンク14L及び第2ロワーリンク14Rとを有する。トップリンク13は、車体1Aの上部後方で且つ車体幅方向の中央部に配置される。トップリンク13の前部は、車体1Aの背面に取り付けられたトップリンクブラケット15に枢支連結されている。第1ロワーリンク14L及び第2ロワーリンク14Rは、車体1Aの下部後方に、車体幅方向で並べて配置されている。各ロワーリンク14L、14Rの前部は、車体1Aに固定されたロワーリンクブラケット16に枢支連結されている。第1ロワーリンク14Lの中途部と左のリフトアーム10Lとは、左のリフトロッド60Lによって連結されている。また、第2ロワーリンク14Rの中途部と右のリフトアーム10Rとは、右のリフトロッド60Rによって連結されている。したがって、左のリフトアーム10L及び右のリフトアーム10Rを駆動して上下に揺動させることにより、第1ロワーリンク14L及び第2ロワーリンク14Rが上下に揺動する。
図1A及び図1Bに示すように、連結枠12は、主枠17を有する。主枠17は、角パイプ等を屈曲することで形成されている。上部17Aは、正面視で上方に向けて凸形状となる湾曲状に形成されている。第1側部17Lは、上部17Aの左下端(一側下端)から左斜め下方(下方に向かうにつれて左方に移行する傾斜方向)に延出されている。第2側部17Rは、上部17Aの右下端(他側下端)から右斜め下方(下方に向かうにつれて右方に移行する傾斜方向)に延出されている。したがって、第1側部17Lと第2側部17Rとは、下方に向かうにつれて車体幅方向の間隔が漸次広がるように主枠17から延出されている。第1側部17Lと第2側部17Rの上部同士は、角パイプ等で形成された補強部材18によって連結されている。
図1A、図1Bに示すように、主枠17の上部17Aには、上係合ブラケット19が固定されている。上係合ブラケット19は、上部にリンク連結部20を有する。リンク連結部20には、トップリンク13の後部が枢支連結される(図1A参照)。また、上係合ブラケット19は、後部に係合部21を有する。係合部21は、第1係合部位21A及び第2係合部位21Bを含む。第1係合部位21A及び第2係合部位21Bは、フック状に形成され、第1係合部位21Aは、第2係合部位21Bの上方に設けられている。
図1A、図1Bに示すように、第1側部17Lの下端部には、第1下係合ブラケット22Lが固定され、第2側部17Rの下端部には、第2下係合ブラケット22Rが固定されている。第1下係合ブラケット22Lに、第1ロワーリンク14Lが連結されている。詳しくは、第1下係合ブラケット22Lに、連結ピン等が固定され、該連結ピンに第1ロワーリンク14Lの後部が枢支連結されている。また、第2下係合ブラケット22Rに、第2ロワーリンク14Rが連結されている。詳しくは、第2下係合ブラケット22Rに、連結ピン等が固定され、該連結ピンに第2ロワーリンク14Rの後部が枢支連結されている。
図1A、図8に示すように、ロータリ耕耘装置3は、本実施形態では、サイドドライブ型のロータリ耕耘装置3が例示されている。なお、ロータリ耕耘装置3は、センタードライブ型のロータリ耕耘装置3であってもよい。ロータリ耕耘装置3は、機枠46と、耕耘部47とを有する。機枠46は、車体幅方向の中央に位置するギヤケース48と、ギヤケース48から左方に延びる左のサポートアーム49Lと、ギヤケース48から右方に延びる右のサポートアーム49Rと、左のサポートアーム49Lに取り付けられた伝動ケース50と、右のサポートアーム49Rに取り付けられたサイドフレームとを有する。
図1Aに示すように、ギヤケース48には、PIC軸(入力軸、図示略)が前方に突出状に設けられている。PIC軸は、ヨーク44にスプライン結合等によって連結されおり、PTO軸8からの動力は、ドライブシャフト40を介してギヤケース48内のベベルギヤ伝動機構及び左のサポートアーム49L内の伝動軸をへて伝動ケース50内のチェーン伝動機構に伝達される。
図1Aに示すように、ギヤケース48の上部には、トップマスト54が固定されている。トップマスト54の前上部には、係合部21に係合する上連結部55が設けられている。上連結部55は、ピンによって構成され、図例では、第2係合部位21Bに嵌って係合している。
左のサポートアーム49Lには、ブラケット51Lが固定され、右のサポートアーム49Rには、ブラケット51Rが固定されている。左のブラケット51Lには、第1下連結部52Lが設けられ、右のブラケット51Rには、第2下連結部52Rが設けられている。第1下連結部52L及び第2下連結部52Rは、ピンによって構成されている。以下の説明において、左のサポートアーム49Lと右のサポートアーム49Rを合わせてサポートアーム49ということがある。
図1Aに示すように、耕耘部47は、伝動ケース50とサイドフレームとの下部間に設けられた回転軸56と、回転軸56に取り付けられた多数の耕耘爪57とを有する。回転軸56は、機枠46に、車体幅方向に延伸する軸心回りに回転可能に支持されている。回転軸56は、伝動ケース50内のチェーン伝動機構に伝達された動力によって、例えば、図1Aの矢印Y1方向に回転する。耕耘爪57は、回転軸56と共に回転し、圃場の土壌に突入して該土壌を耕起すると共に耕起した土壌を後方に放てきする。なお、ロータリ耕耘装置3は、耕耘部47の上方を覆う主カバーと耕耘部47の後方を覆う後部カバーとを含む耕耘カバーを有する。
図2に示すように、作業機4は、制御装置70及び表示装置80を備えている。制御装置70及び表示装置80は、CAN等の車載ネットワークにより接続されている。制御装置70は、作業機4の走行系や作業系の制御を行う。なお、制御装置70は、作業機4の作業系や走行系を制御するものであればよく、制御方式は限定されない。
図2に示すように、制御装置70には、複数の検出装置71が接続されている。複数の検出装置71は、作業機4の状態を検出する装置であり、例えば、水温を検出する水温センサ71a、燃料の残量を検出する燃料センサ71b、原動機の回転数を検出する原動機回転センサ(回転センサ)71c、アクセル72fの操作量を検出するアクセルペダルセンサ71d、操舵装置31の操舵角を検出する操舵角センサ71e、リフトアーム10の角度を検出する角度センサ71f、車体1Aの幅方向(右方向又は左方向)の傾きを検出する傾き検出センサ71g、車体1Aの速度を検出する車速センサ71h、PTO軸8の回転数を検出するPTO回転センサ(回転センサ)71i、バッテリー等の蓄電池の電圧を検出するバッテリセンサ71j等である。
図2に示すように、制御装置70には、複数の操作部材72が接続されている。複数の操作部材72は、車体1Aの前進又は後進を切り換える前後進切換レバー(シャトルレバー)72a、原動機の始動等を行うイグニッションスイッチ72b、PTO軸8の回転数を設定するPTO変速レバー72c、自動変速及び手動変速のいずれかを切り換える変速切換スイッチ72d、動力伝達ケース5の変速段(変速レベル)を手動で切り換える変速レバー72e、車速を増減させるアクセル72f、連結装置28の昇降を操作するポジションレバー72g、連結装置28の上限を設定する上限設定ダイヤル72h、車速を設定する車速レバー72i等である。なお、上述した操作部材72は一例であり、上述した操作部材72に限定されない。
制御装置70がポジションレバー72g及び上限設定ダイヤル72hの操作に基づいて、連結装置28の昇降を制御する場合について説明すると、例えば、制御装置70は、角度センサ71fから出力された検出信号と、ポジションレバー72gから出力された操作信号と、上限設定ダイヤル72hから出力された操作信号と、に基づいて制御装置70を昇降させる。制御装置70は、角度センサ71fから出力された検出信号と記憶装置(図示略)に記憶された所定のテーブルとに基づいて、リフトアーム10の角度(実角度)を算出(取得)する。制御装置70は、ポジションレバー72gから出力された操作信号と記憶装置に記憶された所定のテーブルとに基づいて、ポジションレバー72gの操作に基づくリフトアーム10の角度(指示角度)を算出(取得)する。また、制御装置70は、上限設定ダイヤル72hから出力された操作信号と記憶装置に記憶された所定のテーブルとに基づいて、上限設定ダイヤル72hの操作に基づくリフトアーム10の角度の上限(上限角度)、言い換えると連結装置28の高さの上限を算出(取得)する。
制御装置70は、指示角度が上限角度よりも小さく且つ実角度が指示角度よりも小さい場合、又は指示角度が上限角度よりも大きく且つ実角度が上限角度よりも小さい場合、リフトアーム10の後端部(耕耘装置3側の端部)を上昇させる。
制御装置70は、指示角度が上限角度よりも小さく且つ実角度が指示角度と等しい場合、又は指示角度が上限角度よりも大きく且つ実角度が上限角度と等しい場合、リフトアーム10の高さを維持させる。
制御装置70は、指示角度が上限角度よりも小さく且つ実角度が指示角度よりも大きい場合、又は指示角度が上限角度よりも大きく且つ実角度が上限角度よりも大きい場合、リフトアーム10の後端部を下降させる。
なお、制御装置70は、ポジションレバー72gや上限設定ダイヤル72h等の操作に基づいて、連結装置28の昇降を制御すればよく、その制御方法は上記方法に限定されず既存の技術を適用可能である。
表示装置80は、作業機4に関する様々な情報を表示可能である。具体的には、図2に示すように、表示装置80は、制御部80aと、表示部80bと、記憶部80cと、を有している。制御部80aは、CPU等から構成され、主に表示部80bの表示に関する制御を行う。表示部80bは、表示及び入力を行うことができるタッチパネルである。記憶部80cは、不揮発性のメモリ等であって、表示部80bに表示する情報や作業機4の制御に関する情報等を記憶する。記憶部80cは、例えば、様々なアプリケーションソフト(Application software)を記憶している。
図2に示すように、作業機4は、位置検出装置90を備えている。位置検出装置90は、作業機4(車体1A)の位置を検出する装置である。本実施形態において、位置検出装置90は例えば測位装置であり、走行車両1に設けられている。位置検出装置90は、D-GPS、GPS、GLONASS、北斗、ガリレオ、みちびき等の衛星測位システム(測位衛星)により、自己の位置(緯度、経度を含む測位情報)を検出可能である。即ち、位置検出装置90は、測位衛星から送信された衛星信号(測位衛星の位置、送信時刻、補正情報等)を受信し、衛星信号に基づいて、作業機4(車体1A)の位置(例えば、緯度、経度)、即ち、車体位置を検出する。図2に示すように、位置検出装置90は、受信装置91と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)92とを有している。受信装置91は、アンテナ等を有していて測位衛星から送信された衛星信号を受信する装置であり、慣性計測装置92とは別に車体1Aに取付けられている。この実施形態では、受信装置91は、車体1Aに設けられたキャビン(保護機構)32の上部に取り付けられている。なお、受信装置91の取り付け位置は、上記位置に限定されず、ボンネットの中央部であってもよく、車体1Aにロプスが設けられている場合、当該ロプスの上部であってもよい。
慣性計測装置92は、車体1Aの加速度を検出する加速度センサ、車体1Aの角速度を検出するジャイロセンサ等を有している。慣性計測装置92は、車体1A、例えば、運転席30の下方に設けられ、車体1Aのロール角、ピッチ角、ヨー角等を検出することができる。
なお、本実施形態において、位置検出装置90は、衛星信号に基づいて車体1Aの位置を検出する位置検出装置90であるが、位置検出装置90は、車体1Aの位置を検出することができればよく、慣性計測装置92が検出した加速度と所定の位置情報に基づいて車体1Aの位置を検出するようなものでもよく、上記構成に限定されない。また、位置検出装置90は作業機4の位置を検出することができればよく、走行車両1ではなく表示装置80に設けられていてもよいし、その構成は上記構成に限定されない。
図2、図3に示すように、作業機4は、距離センサ58、傾斜センサ59、及び耕深算出部80a1を備えている。距離センサ58は、連結装置2に取り付けられ、且つ地面Gまでの距離を測定する。具体的には、距離センサ58は、当該距離センサ58から地面Gまでの距離を測定するセンサである。距離センサ58は、例えば、レーザセンサによって構成される。距離センサ58は、レーザ照射部58Aを有し、レーザ照射部58Aから照射されて地面Gで反射したレーザ光を受光することでレーザ照射部58Aから地面Gまでの距離を測定する。なお、距離センサ58は、連結装置2から地面Gまでの距離を測定することができればよく、レーザセンサに限定されることはない。
図1Aに示すように、距離センサ58は、連結枠12に取り付けられたセンサ取付部62に設けられている。センサ取付部62は、連結枠12から前方に突出しており、且つ耕耘部47よりも前方に突出している。また、距離センサ58は、後輪6Rよりも後方に位置している。このため、距離センサ58は、耕耘部47よりも前方に位置していて、耕耘部47で耕耘しない未耕地において距離を測定する。
なお、距離センサ58は、連結枠12の他の部位に取り付けられていてもよい。また、距離センサ58は、第1ロワーリンク14L又は第2ロワーリンク14Rに取り付けられていてもよいし、第1ロワーリンク14L及び第2ロワーリンク14Rに取り付けられていてもよい。
傾斜センサ59は、ロータリ耕耘装置3の傾きを検出するセンサであって、水平(地面G)に対する傾斜角度θ1を計測する。図1Aに示すように、傾斜センサ59は、距離センサ58同様、センサ取付部62に設けられており、傾斜センサ59は、後輪6Rよりも後方に位置している。なお、傾斜センサ59は、距離センサ58とは別に連結枠12の他の部位に取り付けられていてもよい。
耕深算出部80a1は、距離センサ58で測定した距離に加えて、作業機4が備えている傾斜センサ59が検出した水平に対する耕耘装置3の傾斜角度θ1に基づいて耕耘装置3の耕深Dを算出する。
耕深算出部80a1は、例えば電気・電子部品、制御部80aに組み込まれたプログラム等から構成されており、距離センサ58及び傾斜センサ59から出力された信号に基づいて耕耘装置3の耕深Dを算出する。詳しくは、耕深算出部80a1は、距離センサ58で測定した距離及び傾斜センサ59で検出した傾斜角度θ1を取得し、当該距離及び傾斜角度θ1以外に耕深Dの算出に用いる寸法情報を取得して耕深Dの算出を行う。以下、図3を参照して、耕深算出部80a1による耕深Dの算出について説明する。
図3は、作業機4の基準(標準)の作業姿勢を示しており、作業状態の作業姿勢におけるロータリ耕耘装置3の構成部位及び距離センサ58の位置を示している。
図3に示すように、距離センサ58のレーザ照射部58Aの照射起点(レーザ光が照射される起点)C1からレーザ光が照射された点である照射点C2までの距離(距離センサ58によって測定される地面Gまでの距離)をL1とする。また、耕耘爪57の回転半径(耕耘爪57の回転径方向の最も外側の端部の回転軌跡の半径)をRとし、回転軸56の軸心C3の地面Gからの高さをHとする。また、軸心C3及びサポートアーム49の軸心C4を通る線をS1とする。また、傾斜センサ59が検出した傾斜角度はθ1であり、傾斜センサ59の取り付け角度をθ2とする。つまり、ロータリ耕耘装置3の基準の作業姿勢、即ち距離センサ58の測定方向が地面Gと直交する姿勢における傾斜センサ59の傾斜角度θ1が0(θ1=0)である場合の傾斜センサ59の角度はθ2である。また、照射起点C1を通り且つ線S1に直交する線をS2とし、線S1と線S2との交点をC5とする。線S3は水平線を示し、線S4は鉛直線を示している。
また、照射起点C1と交点C5との間の距離L2と、軸心C3と交点C5との間の距離L3とは、ロータリ耕耘装置3の寸法、照射起点C1の位置に基づいて求められるので、距離L2と距離L3とを求めて、耕深算出部80a1が当該寸法情報(距離L2,L3、取り付け角度θ2)、回転半径Rを予め外部から取得する。具体的には、作業機4は、第1取得部80a2と第2取得部80a3とを備えており、第1取得部80a2及び第2取得部80a3は、例えば電気・電子部品、制御部80aに組み込まれたプログラム等から構成されている。
第1取得部80a2は、連結装置2に連結された耕耘装置3の個別情報を取得する。第1取得部80a2は、記憶部80c等を介して表示装置80に入力された情報を取得することで耕耘装置3の個別情報を取得する。例えば、記憶部80cは、作業機4に装着可能な耕耘装置3の名称、型番、品番等の耕耘装置3が識別可能な個別情報(識別情報)を記憶しており、第1取得部80a2は表示装置80に入力された情報に基づいて記憶部80cから耕耘装置3の個別情報を取得する。
第2取得部80a3は、本実施形態においては、寸法情報として距離L2,L3、及び傾斜センサ59の取り付け角度θ2に加えて、回転半径Rを取得可能である。表示装置80は、距離L2,L3、取り付け角度θ2、及び回転半径Rを設定入力可能な所定の設定画面M1を表示可能であり、第2取得部80a3は設定画面M1に設定入力された情報を取得可能である。記憶部80cは、耕耘装置3の個別情報と設定画面M1に設定入力された情報を対応付けて記憶しており、第2取得部80a3は、記憶部80c等を介して設定画面M1に設定入力された情報を取得する。
耕深Dは、下記の式[1]で求められる。
D=R-H [1]
高さHは、下記の式[2]で求められる。
H=X0+X1-X2 [2]
X0は、L1cosθ1であり、距離センサ58によって測定した距離L1を地面Gまでの垂直距離に補正した値である。
また、X1=L2sin(θ1+θ2)であり、X2=L3cos(θ1+θ2)である。
したがって、耕深Dは下記の式[3]で求められる。
D=R-(L1cosθ1+L2sin(θ1+θ2)-L3cos(θ1+θ2))[3]
耕深算出部80a1は、距離センサ58によって測定した距離L1及び傾斜センサ59で検出した傾斜角度θ1に基づいて、耕深Dを式[3]によって算出する。
ロータリ耕耘装置3が基準の作業姿勢では、θ1=0であるので、
L1cosθ1=L1である。
作業機4が地面Gに沈み込んでロータリ耕耘装置3が基準の作業姿勢から傾いたり、ロータリ耕耘装置3自身が基準の作業姿勢から傾いたときには、この傾きを加味して耕深Dが算出される。即ち、制御装置70は、距離センサ58で測定した地面Gまでの距離L1を、傾斜センサ59で検出した傾斜角度θ1により補正する。これにより、精度のよい耕深Dの検出が行える。
なお、距離センサ58は、1つに限らず、複数設けることができる。距離センサ58を複数設ける場合は、各距離センサ58で測定した距離の平均値をL1として耕深Dを算出する。
図2に示すように、作業機4は、補正設定部80a4及び補正部80a5を備えている。補正設定部80a4及び補正部80a5は、例えば電気・電子部品、制御部80aに組み込まれたプログラム等から構成されている。補正設定部80a4は、耕耘装置3が接地している場合に耕深算出部80a1が算出した耕深Dに基づいて補正値αを設定する。
補正設定部80a4は、作業者がポジションレバー72gを操作して連結装置2を下降させて耕耘装置3を地面Gに接地させた状態において、耕深算出部80a1が算出した耕深Dを取得する。例えば耕耘爪57が摩耗して実際の回転半径R’が第2取得部80a3の取得した回転半径Rよりも小さい場合や、第2取得部80a3が取得した寸法情報が距離L3や距離L4等の実際の寸法と異なる場合には、Dは零と異なる値となり零に対して偏差が生じる。補正設定部80a4は、当該偏差を補正値αとして設定する。補正設定部80a4が設定した補正値αは、第1取得部80a2が取得した耕耘装置3の個別情報と対応付けて記憶部80cに記憶される。即ち、記憶部80cは、第1取得部80a2が取得した個別情報と、第2取得部80a3が取得した寸法情報と、補正設定部80a4が設定した補正値αと、を対応付けて記憶する。
補正部80a5は、耕深算出部80a1が算出した耕深Dを補正設定部80a4が設定した補正値αによって補正する。以下の説明において、説明の都合上、耕深算出部80a1が算出した耕深Dを第1耕深D1として説明し、補正部80a5によって補正された耕深Dを第2耕深D2として説明する。
補正部80a5は、第1取得部80a2が取得した個別情報に基づいて、当該個別情報に対応付けて記憶されている補正値αを記憶部80cから取得する。補正部80a5は、補正値αを取得すると、耕深算出部80a1が算出した第1耕深D1に対して当該補正値αを加算することで耕深算出部80a1が算出した第1耕深D1を補正して、補正後の耕深D(第2耕深D2)を算出する(D2=D1+α)。例えば、耕耘爪57が摩耗して実際の回転半径R’が第2取得部80a3の取得した回転半径Rよりも小さく、補正値αが零よりも小さい場合(α<0)、補正部80a5は、耕深算出部80a1が算出した第1耕深D1に補正値αを加算して、第1耕深D1よりも第2耕深D2が小さく(浅く)なるよう補正する。
一方、第2取得部80a3が取得した寸法情報が距離L3や距離L4等の実際の寸法と異なり、補正値αが零よりも大きい場合(α>0)、補正部80a5は、耕深算出部80a1が算出した第1耕深D1に補正値αを加算して、第1耕深D1よりも第2耕深D2が大きく(深く)なるよう補正する。
なお、補正設定部80a4は、耕耘装置3が接地している場合に耕深算出部80a1が算出した第1耕深D1に基づいて補正値αを設定し、補正部80a5は補正設定部80a4が設定した補正値αによって第1耕深D1を補正すればよく、その補正値αの設定方法や手順等は上述した内容に限定されない。
補正部80a5が補正した第2耕深D2は、作業機4の位置情報と対応付けて記憶部80cに記憶される。図2に示すように、表示装置80は、作業機4の位置を取得する位置取得部80a6を備え、記憶部80cは、位置取得部80a6が取得した位置情報に基づいて、耕深算出部80a1が算出した耕深Dにおける位置情報と、第2耕深D2と、を対応付けて記憶する。位置取得部80a6は、例えば電気・電子部品、制御部80aに組み込まれたプログラム等から構成されており、本実施形態においては、位置検出装置90から作業機4の位置情報を取得する。これによって、制御部80aは、位置情報に基づいて補正部80a5が補正した第2耕深D2を記憶部80cから取得することができる。
図2に示すように作業機4は、報知装置100を備えている。報知装置100は、耕深算出部80a1が算出した第1耕深D1と、補正部80a5が補正した補正後の第2耕深D2と、の偏差が所定以上である場合、耕耘装置3が有する耕耘爪57の摩耗の報知を行う。本実施形態において、第1耕深D1と第2耕深D2との偏差は補正値αであるため、報知装置100は、補正値αが所定の閾値(閾値<0)未満であって、偏差が所定以上である場合に所定の警告を行う。
報知装置100は、例えば制御部80aと接続されており、制御部80aからの指示に基づいて音、光、映像、或いはそれらの組み合わせによって所定の警告を行う。具体的には、報知装置100が音によって報知する場合、報知装置100は、音声で通知を行う音声出力装置(スピーカ)である。報知装置100が映像によって警告を行う場合、報知装置100は表示部80bであり、表示部80bは所定の警告画面を表示する。また、報知装置100は、運転席30に周囲に設けられ、且つ複数のランプ(例えば、LED電球)から構成された発光装置(インジケータ)であってもよく、表示装置80、音声出力装置、及び発光装置のうちのいずれか1つ以上である。
本実施形態において、報知装置100は、表示装置80の表示部80bであり、表示部80bは制御部80aからの指示に基づいて警告画面を表示する。具体的には、制御部80aは、補正設定部80a4又は記憶部80cから補正値αを取得して、当該補正値αに応じて表示部80bの所定の警告画面を表示することで警告を行わせる。なお、閾値は、複数の値を含んでおり、報知装置100が補正値αの大きさに応じて段階的に警告を行うような構成であってもよい。
例えば、閾値が零未満の第1閾値(第1閾値<0)と、第1閾値未満の第2閾値(第2閾値<第1閾値)と、第2閾値未満の第3閾値(第3閾値<第2閾値)とを含んでいる場合について説明すると、表示部80bは、補正値αの大きさに応じて3段階に分けて警告を行う。偏差(補正値α)が第1閾値以下、且つ第2閾値を超過している場合、制御部80aは、表示部80bに第1警告画面を表示させる。第1警告画面は、耕耘爪57の摩耗が進んでいる旨を表示する。偏差(補正値α)が第2閾値以下第3閾値を超過している場合、制御部80aは、表示部80bに第2警告画面を表示させる。第2警告画面は、耕耘爪57が摩耗しており、耕耘爪57の交換を推奨する旨を表示する。偏差(補正値α)が第3閾値以下である場合、制御部80aは、表示部80bに第3警告画面を表示させる。第3警告画面は、耕耘爪57が摩耗しており、作業を継続できない旨を表示する。
なお、上述した実施形態において閾値は第1閾値~第3閾値を含んでおり、表示部80bは、補正値αの大きさに応じて3段階に分けて警告を行うが、閾値の数や値は変更可能であってもよいし、段階は3段階に限定されない。
図4や図5に示すように、表示装置80の表示部80bには、操作に対応して様々な画面(複数の画面)が表示可能であって、例えば所定のホーム画面(図示略)、設定画面M1、及び耕耘装置3の耕深Dを表示するアプリケーション画面M2等を個別に表示する。なお、説明の便宜上、複数の画面を表す場合は、単に、画面M1,M2ということがある。
画面M1,M2の大きさは、縦横比は略同じであって、これらの画面M1,M2には、共通の指定部(選択部)110が表示されている。指定部110は、画面の遷移に関する指定を行うものであって、例えば、画面M1,M2を切り替えることが可能である。指定部110は、ホーム画面を表示させることを指定する(ホーム画面に切り替える)ホームボタン110aと、現在表示している画面から1つ前の画面に戻す(前の画面に切り替える)戻しボタン110bとを含んでいる。ホームボタン110aの位置は、ホーム画面、設定画面M1、及びアプリケーション画面M2のいずれでも同じである。ホームボタン110aは、例えば、画面M1,M2の左下に位置している。戻しボタン110bの位置も、ホーム画面、設定画面M1、及びアプリケーション画面M2のいずれでも同じである。戻しボタン110bは、例えば、画面M1,M2においてホームボタン110aの右隣りに位置している。即ち、ホームボタン110a及び戻しボタン110bは、画面M1,M2の左下のコーナ部113LDに位置している。
詳しくは、画面M1,M2には、指定部110(ホームボタン110a、戻しボタン110b)を表示するための指定領域115が設定されている。また、アプリケーション画面M2を表示した場合には、指定部110は、設定画面M1を表示させることを指定する設定ボタン110cを有している。設定ボタン110cは、ホームボタン110a及び戻しボタン110bから離れていて、ホームボタン110a及び戻しボタン110bが配置されるコーナ部113LDとは反対側のコーナ部(画面M1,M2の右下のコーナ部113LD)113RDに位置している。
具体的には、指定領域115は、一方のコーナ部113LD側の領域と、他方のコーナ部113RD側の領域との2つの領域に分かれる。即ち、アプリケーション画面M2では、指定領域115は、左下のコーナ部113LDであってホームボタン110a及び戻しボタン110bを表示させる左表示領域115aと、右下のコーナ部113RDであって設定ボタン110cを表示させる右表示領域115bとを含む。
設定画面M1は、作業機4の制御や表示装置80の設定を行う画面であり、表示部80bは指定部110の設定ボタン110cが操作されると設定画面M1を表示する。設定画面M1は、設定する内容に対応する設定領域を複数表示する。本実施形態において、設定画面M1は、第1設定領域120aと、第2設定領域120bと、第3設定領域120cと、第4設定領域120dと、を表示する。第1設定領域120aは、設定画面M1のうち左側であって且つ指定領域115の上方に表示される領域である。第1設定領域120aは、耕耘装置3に関する情報を設定入力する領域である。第2設定領域120bは、設定画面M1のうち右側の上部に表示される領域である。第2設定領域120bは、例えばアプリケーション画面M2の設定に関する情報を設定入力する領域である。第3設定領域120cは、設定画面M1のうち右側の下部に表示される領域である。即ち、第2設定領域120bと第3設定領域120cは、上下方向に並んで表示され、且つ第1設定領域120aの右側に表示される。第3設定領域120cは、例えば位置検出装置90の通信に関する情報を設定入力する領域である。第4設定領域120dは、第3設定領域120cの下側に表示される領域であり、第1~第3設定領域120cで設定入力された情報を確定させる第1確定ボタン121を含んでいる。
以下、第1設定領域120aについて詳しく説明する。第1設定領域120aは、耕耘装置3の耕深Dの算出に関する情報、即ち耕耘装置3の個別情報、距離センサ58及び傾斜センサ59の寸法情報等を設定入力することができる領域である。また、第1設定領域120aは、補正設定部80a4に補正値αの設定を指示する指示操作を行うことができる領域である。具体的には、図4に示すように第1設定領域120aは、複数の入力部122と、キャリブレーションボタン123と、を表示する。
複数の入力部122は、耕耘装置3の個別情報及び傾斜センサ59の寸法情報等を設定入力可能である。複数の入力部122は、少なくとも回転半径Rを入力する部分である第1入力部122aと、距離L2を入力する部分である第2入力部122bと、距離L3を入力する部分である第3入力部122cと、傾斜センサ59の取り付け角度θ2を入力する部分である第4入力部122dと、耕耘装置3の個別情報を選択する装置選択部122eと、を含んでいる。第1入力部122a~第4入力部122dは、任意の数値の入力を受け付け可能であり、第1入力部122a~第4入力部122dへの数値の入力は、表示部80bに表示される所定の操作具や表示装置80が有している操作スイッチ等を操作することで行う。
装置選択部122eは、連結装置2に連結された耕耘装置3の個別情報を選択操作、即ち耕耘装置3の名称、型番、品番等の耕耘装置3が識別可能な個別情報を選択操作する部分である。装置選択部122eは、例えば制御部80aが記憶装置から取得した個別情報を一覧として表示し、作業者は表示部80bを操作、又は表示装置80が有している操作スイッチ等を操作することで個別情報を選択する。
なお、本実施形態において、設定画面M1は、耕耘装置3の個別情報を選択操作可能な装置選択部122eを表示するが、設定画面M1は個別情報の入力操作ができればよく、表示部80bに表示される所定の操作具や表示装置80が有している操作スイッチ等を操作することで耕耘装置3の個別情報を直接入力するような部分を表示してもよい。
作業者が、第1設定領域120aに情報を設定入力し、第1確定ボタン121を操作すると、記憶部80cは、装置選択部122eで選択された耕耘装置3の個別情報、第1入力部122aで入力された回転半径R、第2入力部122bで入力された距離L2、第3入力部122cで入力された距離L3、及び第4入力部122dで入力された傾斜センサ59の取り付け角度θ2を対応付けて記憶する。
なお、複数の入力部122は、装置選択部122eや第122a~第4入力部122dとは別に耕耘装置3の幅方向の長さ(作業幅)や、耕耘装置3の作業範囲をラップ(オーバラップ)させる幅(ラップ幅)等を入力する入力部を含んでいてもよい。
また、表示装置80は、装置選択部122eで選択された耕耘装置3の個別情報に基づいて、当該個別情報に対応する回転半径R、距離L2、距離L3、及び取り付け角度θ2を記憶部80cから取得して第122a~第4入力部122dに予め表示してもよいし、設定画面M1の表示は上述した構成に限定されない。
キャリブレーションボタン123は、操作されることで補正設定部80a4に補正値αの設定を指示するボタンである。本実施形態において、キャリブレーションボタン123は、第1設定領域120aの上部の右側に配置されている。キャリブレーションボタン123が操作されると、当該キャリブレーションボタン123の操作情報が制御部80aに入力され、補正設定部80a4が補正値αの設定を行う。具体的には、例えば表示部80bは選択画面から所定の指示画面に移行して、作業者に「ポジションレバー72gを操作して連結装置2を昇降させて耕耘装置3を地面Gに接地させる」旨表示する。作業者がポジションレバー72gを操作して耕耘装置3を地面Gに接地させて表示装置80に所定の操作を行い、耕耘装置3の高さ、即ち連結装置2の高さの位置を確定させると、耕深算出部80a1が当該位置における第1耕深D1を算出する。耕深算出部80a1が第1耕深D1を算出すると、補正設定部80a4が第1耕深D1を取得し、当該耕深Dと零との偏差を補正値αとして設定する。補正設定部80a4が設定した補正値αは、第1取得部80a2が取得した耕耘装置3の個別情報と対応付けて記憶部80cに記憶される。
なお、設定画面M1は、耕耘装置3の耕深Dの算出に関する情報、即ち耕耘装置3の個別情報、距離センサ58及び傾斜センサ59の寸法情報を設定入力することができればよく、その表示領域や表示方法等は上記構成に限定されない。
アプリケーション画面M2は、アプリに対応した様々な情報を表示する画面であって、アプリ表示領域130を有している。アプリ表示領域130は、指定領域115の上方に表示される。なお、図5のアプリケーション画面M2は、耕耘装置3の耕深Dを表示する耕深表示のアプリの画面を示している。このアプリケーション画面M2では、表示装置80が有する耕深取得部80a7が取得した耕深Dに基づいて、耕耘装置3の耕深Dを表示することができる。耕深取得部80a7は、例えば電気・電子部品、制御部80aに組み込まれたプログラム等から構成されており、耕深算出部80a1が算出した第1耕深D1、本実施形態においては補正部80a5が補正した第2耕深D2を記憶部80cから取得する。
図5に示すように、アプリケーション画面M2のアプリ表示領域130は、主に、第1表示領域130aと、第2表示領域130bと、第3表示領域130cに区分される。第1表示領域130aは、例えばアプリ表示領域130の上端において、アプリ表示領域130の左端から右端に亘って表示される領域である。第1表示領域130aには、例えば作業機4の位置情報や車速等の所定の情報が表示される。
第2表示領域130bには、作業機4が走行するフィールドを仮想的に示すフィールド表示部131が表示される。第2表示領域130bは、第1表示領域130aの下方に表示されており、アプリ表示領域130の左端から右側に延びて表示される領域である。つまり、第2表示領域130bは、指定領域115と第1表示領域130aとの間に配置されている。
第3表示領域130cは、第2表示領域130bの右方に配置されており、アプリ表示領域130の右端において、指定領域115と第1表示領域130aとの間に表示される領域である。
図5に示すように、フィールド表示部131は、車体1Aが走行する圃場、農場等のフィールドを仮想的に示す部分である。また、フィールド表示部131は、作業機4(車体1A)の運転席30に着座した運転者が実際のフィールドを見た場合と、フィールド表示部131に表示したフィールド(フィールド画像)とが感覚的に一致するように、フィールド画像を斜めに表示している。説明の便宜上、フィールド表示部131に表示した仮想的なフィールドのことを「仮想フィールド」、又は「フィールド画像」ということがある。
また、フィールド表示部131は、位置取得部80a6が取得した作業機4の位置を表示する。具体的には、フィールド表示部131には、位置取得部80a6が取得した位置情報、即ち位置検出装置90が検出した位置情報に基づいて作業機4の位置を表示する機械表示部132が示されている。詳しくは、作業機4の現在の位置をフィールド表示部131に表示する画像部であり、機械表示部132は、作業機4(車体1A)を仮想的に示していている。機械表示部132は、フィールド表示部131に対する機械表示部132の表示位置は固定されている。
したがって、作業機4を実際に走行させた場合、仮想フィールドの機械表示部132の表示位置は固定のままで、位置検出装置90によって検出された車体1Aの位置の変化に伴って、フィールド表示部131に示された仮想フィールド(フィールド画像)がスクロールする。
図5に示すように、表示装置80は、耕深表示部140を備えている。耕深表示部140は、耕耘装置3の耕深Dの所定の基準に対する度合を表示する画像部であり、本実施形態においては、アプリケーション画面M2のアプリ表示領域130に表示される。耕深表示部140は、表示装置80が備えている耕深取得部80a7が取得した耕深Dに基づいて耕耘装置3の耕深Dの所定の基準に対する度合を表示する。耕深取得部80a7は、例えば電気・電子部品、制御部80aに組み込まれたプログラム等から構成されており、記憶部80cから耕深算出部80a1が算出した第1耕深D1、詳しくは第2耕深D2と当該第2耕深D2における位置情報とを取得する。
耕深表示部140は、所定の基準に対する耕深Dの度合に応じて表示形態を異ならせて当該度合を表示する。耕深表示部140は、例えば、耕深Dが比較的浅いこと、耕深Dが適正であること、耕深Dが比較的深いことを示す。具体的には、基準は、予め記憶部80cに記憶され且つ耕深Dに対応する所定の値であり、耕深Dに対応する上限値及び下限値を含んでいる。以下の説明において、基準の下限値が「11.5cm」であり、上限値が「13.5cm」である場合を例に説明する。耕深表示部140は、耕深取得部80a7が取得した耕深D(第2耕深D2)が下限値未満である場合と、第2耕深D2が下限値以上、且つ上限値以下である場合と、第2耕深D2が上限値を超過している場合と、で表示形態を異ならせて当該度合を表示する。
例えば、耕深表示部140は、基準に対する第2耕深D2の度合に応じて、当該第2耕深D2を表示する色彩を異ならせて表示し、第2耕深D2が下限値未満である場合、即ち比較的第2耕深D2が浅い場合、当該第2耕深D2を「赤色」で表示する。第2耕深D2が下限値以上、且つ上限値以下である場合、即ち第2耕深D2が適正である場合、当該第2耕深D2を「青色」で表示し、第2耕深D2が上限値を超過している場合、即ち比較的第2耕深D2が深い場合、当該第2耕深D2を「黄色」で表示する。
なお、耕深表示部140は、度合に応じて表示形態を異ならせて当該度合を表示すればよく、異ならせる表示形態は色彩に限定されず、また異ならせる色彩は上述した色域に限定されず、作業者が任意に変更できてもよい。例えば、第2耕深D2が下限値未満である場合、当該第2耕深D2を「水色」で表示し、第2耕深D2が下限値以上、且つ上限値以下である場合、即ち第2耕深D2が適正である場合、当該耕深Dを「緑色」で表示し、耕深Dが上限値を超過している場合、第2耕深D2を「赤色」で表示してもよいし、上述した構成に限定されない。
耕深表示部140について、さらに詳しく説明すると、図5に示すように耕深表示部140は、第1度合表示部141と、第2度合表示部145と、を有している。第1度合表示部141は、フィールド表示部131に表示され且つ所定位置における所定の基準に対する第2耕深D2の度合を表示する。
第1度合表示部141は、耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2とその第2耕深D2に対応する位置情報とに基づいて、フィールド上のそれぞれの位置における第2耕深D2の度合を表示する。第1度合表示部141は、所定時間ごとで、耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2の度合を表示し、所定の位置における第2耕深D2の度合を区画142で表示する。区画142の幅は、耕耘装置3の幅方向の長さ(作業幅)に相当する。第1度合表示部141は、例えば5sごとの作業機4の位置における第2耕深D2の度合を表示する。なお、第1度合表示部141が表示する区画142は、5sごとの作業機4の位置に限定されず、その時間間隔は作業者が表示装置80を操作して任意に変更できてもよい。或いは、任意に設定された走行距離ごとに第2耕深D2の度合を区画142で表示してもよい。
本実施形態において、第1度合表示部141は、耕深表示部140と同様に度合に応じて表示する色彩を異ならせて表示する。具体的には、第1度合表示部141は、フィールド表示部131が表示する仮想フィールドに、第2耕深D2が下限値未満である区画142、即ち比較的耕深Dが浅い区画142aを「赤色」で表示する。また、第1度合表示部141は、仮想フィールドに、第2耕深D2が下限値以上、且つ上限値以下の区画142、即ち第2耕深D2が適正である区画142bを「青色」で表示し、第2耕深D2が上限値を超過している区画142、即ち第2耕深D2が比較的深い区画142cを「黄色」で表示する。耕深算出部80a1は、作業機4が走行した位置、即ち耕耘装置3が通過した位置における耕深D(第1耕深D1)を算出するため、第1度合表示部141は、仮想フィールドにおいて作業機4が走行した経路上に表示される。例えば、作業機4が耕耘装置3によって耕耘作業を行う場合、作業機4は、圃場の一方側から他方側、他方側から一方側に略直線状に走行するため、図5に示すように第1度合表示部141は、仮想フィールドの一方側から他方側に延び、帯状に連続する複数の区画142が並列するように表示される。
第2度合表示部145は、耕耘装置3が位置している場所における所定の基準に対する第2耕深D2の度合を表示する。言い換えると、第2度合表示部145は、耕耘装置3(作業機4)が現在位置している場所における耕深Dの度合を表示する。具体的には、第2度合表示部145は、位置取得部80a6が取得した位置情報に基づいて、記憶部80cから第2耕深D2を取得し、現在の作業機4の位置における第2耕深D2の度合を表示する。また、第2度合表示部145は、第3表示領域130cに表示されている。
図5に示すように、第2度合表示部145は、数値表示部146と、基準表示部147と、第1表示部148と、第2表示部149と、を有している。数値表示部146は、耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2を数字等で表示する部分である。数値表示部146は、第2耕深D2を0.5cm刻みで表示する。例えば、耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2が8.5cmである場合、数値表示部146は、当該耕深Dを示す「8.5cm」と表示する。また、耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2が8.7cmである場合、数値表示部146は、当該耕深Dを示す「8.5cm」と表示する。耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2が8.8cmである場合、数値表示部146は、当該耕深Dを示す「9.0cm」と表示する。耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2が9.2cmである場合、数値表示部146は、当該耕深Dを示す「9.0cm」と表示する。
なお、第2度合表示部145の表示の更新の時間間隔は、第1度合表示部141の表示更新タイミングと同じであってもよいが、作業者が作業中に都度耕深を確認できるよう第1度合表示部141の表示更新タイミングよりも短い時間、例えば1sに設定されているのが望ましい。その時間間隔は、作業者が表示装置80を操作して任意に変更できてもよく、第1度合表示部141の表示更新タイミングよりも短い時間で設定されるように設定入力が制限されているのが望ましい。
基準表示部147は、基準を示す図形を含んでおり、第2耕深D2が適正であることを示す表示形態で表示される。本実施形態において、基準表示部147は、第2耕深D2が適正であることを示す色彩である「青色」で表示されている。基準表示部147は、第3表示領域130cの上下方向の中心部に位置している。基準表示部147と数値表示部146とは同一の位置に位置している。即ち、基準表示部147と数値表示部146とは画像上で重なっている。また、基準表示部147の横幅及び縦幅は、数値表示部146よりも大きく、画像上では、基準表示部147内に数値表示部146が収まっている。
第1表示部148は、例えば耕深Dが基準に対して浅いこと、即ち耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2が下限値未満であることを一方向(例えば、上)に向く矢印で示す図形であって、図5に示すように基準表示部147の上側に配置されている。第2表示部149は、例えば耕深Dが基準に対して深いこと、即ち耕深取得部80a7が取得した第2耕深D2が上限値を超過していることを一方向とは反対側である他方向(例えば、下)に向く矢印で示す図形であって、基準表示部147の下側に配置されている。
例えば、耕深Dが基準に対して浅い場合、第2度合表示部145は、耕深Dが浅いことを上に向いた矢印である第1表示部148で示す。また、耕深Dが基準に対して深い場合、第2度合表示部145は、耕深Dが深いことを下に向いた矢印である第2表示部149で示す。したがって、この実施形態では、基準に対する耕深D(浅い、深い)と、第1表示部148及び第2表示部149の矢印とが一致する。
図5に示すように、第1表示部148と第2表示部149との間に、基準表示部147が位置している。言い換えれば、第1表示部148と第2表示部149との間に、数値表示部146が位置している。第1表示部148及び第2表示部149は、基準に対する耕深D(浅い、深い)を示すに際して、基準に対する耕深Dの度合の大きさも表示する。具体的には、第1表示部148は、基準に対して耕深Dが浅いことを示しつつ基準に対する耕深Dの度合を段階的に表示可能であって、基準に対して耕深Dが浅いことを示す複数の一方向矢印部148aを有している。複数の一方向矢印部148aは、基準に対する耕深Dの度合に応じて、表示形態を変化させる。
図6に示すように、複数の一方向矢印部148aは、第1矢印部148a1、第2矢印部148a2、第3矢印部148a3、第4矢印部148a4、第5矢印部148a5を含んでいる。第1矢印部148a1、第2矢印部148a2、第3矢印部148a3、第4矢印部148a4、第5矢印部148a5は、上下方向の一直線上に一方向に並べられている。
第1矢印部148a1は、基準に対して第2耕深D2が浅く、第2耕深D2の度合が最も浅い段階であることを示し、第2耕深D2の度合が所定値未満であれば、表示色をグレーアウトの状態から「赤色」に変更する。第5矢印部148a5は、基準に対して第2耕深D2が浅く、第2耕深D2の度合が基準(下限値)に最も近い段階であることを示し、第2耕深D2の度合が下限値未満であれば、表示色をグレーアウトの状態から「赤色」に変更する。第2矢印部148a2、第3矢印部148a3及び第4矢印部148a4は、基準に対して第2耕深D2が浅く、第2耕深D2の度合が最も浅い段階と最も基準(下限値)に近い段階との間の段階で、第2耕深D2の度合が所定値未満であれば、表示色をグレーアウトの状態から「赤色」に変更する。
図6の上側は、第1表示部148の複数の一方向矢印部148aの表示状態の変化を示している。図6に示すように、第2耕深D2の度合が下限値(11.5cm)未満であれば、第5矢印部148a5の表示色が「赤色」に変更される。第2耕深D2の度合が基準よりも浅くなり且つ度合が8.5cm未満であれば、第5矢印部148a5及び第4矢印部148a4の表示色が「赤色」に変更される。第2耕深D2の度合が基準よりも浅くなり且つ度合が6.5cm未満であれば、第5矢印部148a5、第4矢印部148a4、及び第3矢印部148a3の表示色が「赤色」に変更される。第2耕深D2の度合が基準よりも浅くなり且つ度合が4.5cm未満であれば、第5矢印部148a5、第4矢印部148a4、第3矢印部148a3、及び第2矢印部148a2の表示色が「赤色」に変更される。第2耕深D2の度合が基準よりも浅くなり且つ度合が2.5cm未満であれば、第5矢印部148a5、第4矢印部148a4、第3矢印部148a3、第2矢印部148a2、及び第1矢印部148a1の表示色が「赤色」に変更される。即ち、第1表示部148における複数の一方向矢印部148aは、第2耕深D2の度合が所定刻みで表示状態が変化する。
第2表示部149は、基準に対して第2耕深D2が深いことを示しつつ基準に対する第2耕深D2の度合を段階的に表示可能であって、基準に対して第2耕深D2が深いことを示す複数の他方向矢印部149aを有している。複数の他方向矢印部149aは、基準に対する第2耕深D2の度合に応じて、表示形態を変化させる。
図6に示すように、複数の他方向矢印部149aは、第1矢印部149a1、第2矢印部149a2、第3矢印部149a3、第4矢印部149a4、第5矢印部149a5を含んでいる。第1矢印部149a1、第2矢印部149a2、第3矢印部149a3、第4矢印部149a4、第5矢印部149a5は、上下方向の一直線上に他方向に並べられている。
第1矢印部149a1は、基準に対して第2耕深D2が深く、第2耕深D2の度合が最も深い段階であることを示し、第2耕深D2の度合が所定値未満であれば、表示色をグレーアウトの状態から「黄色」に変更する。第5矢印部149a5は、基準に対して第2耕深D2が深く、第2耕深D2の度合が基準(上限値)に最も近い段階であることを示し、第2耕深D2の度合が上限値を超過している場合、表示色をグレーアウトの状態から「黄色」に変更する。第2矢印部149a2、第3矢印部149a3及び第4矢印部149a4は、基準に対して第2耕深D2が深く、第2耕深D2の度合が、最も基準(上限値)に近い段階と最も深い段階との間で、第2耕深D2の度合が所定値を超過している場合、表示色をグレーアウトの状態から「黄色」に変更する。
図6の下側は、第2表示部149の複数の他方向矢印部149aの表示状態の変化を示している。図6に示すように、第2耕深D2の度合が上限値(13.5cm)を超過している場合、第5矢印部149a5の表示色が「黄色」に変更される。第2耕深D2の度合が基準よりも深くなり且つ度合が115cmを超過している場合、第5矢印部149a5及び第4矢印部149a4の表示色が「黄色」に変更される。第2耕深D2の度合が基準よりも深くなり且つ度合が15.5cmを超過している場合、第5矢印部149a5、第4矢印部149a4、及び第3矢印部149a3の表示色が「黄色」に変更される。第2耕深D2の度合が基準よりも深くなり且つ度合が16.5cmを超過している場合、第5矢印部149a5、第4矢印部149a4、第3矢印部149a3、及び第2矢印部149a2の表示色が「黄色」に変更される。第2耕深D2の度合が基準よりも深くなり且つ度合が17.5cmを超過している場合、第5矢印部149a5、第4矢印部149a4、第3矢印部149a3、第2矢印部149a2、及び第1矢印部149a1の表示色が「黄色」に変更される。即ち、第2表示部149における複数の他方向矢印部149aは、第2耕深D2の度合が所定刻みで表示状態が変化する。
以上、第1表示部148及び第2表示部149によれば、基準に対する第2耕深D2の度合に応じて、複数の一方向矢印部148a(第1矢印部148a1、第2矢印部148a2、第3矢印部148a3、第4矢印部148a4、第5矢印部148a5)及び複数の他方向矢印部149a(第1矢印部149a1、第2矢印部149a2、第3矢印部149a3、第4矢印部149a4、第5矢印部149a5)の表示状態が変化する。そのため、作業者は数値表示部146に表示された数値だけでなく、複数の一方向矢印部148a及び複数の他方向矢印部149aを見ることによって、基準に対する耕深Dの度合がどれだけの深さであるか、直感的に確認することができる。
図7に示すように、表示装置80は、変更部150を備えている。変更部150は、上述した耕深Dに対する基準を変更可能な部分であり、表示部80bが表示する所定の画面に表示される。本実施形態において、変更部150は、表示部80bが表示する基準設定画面M3に表示される。以下、基準設定画面M3及び当該基準設定画面M3に表示される変更部150について詳しく説明する。
作業者が表示装置80に所定の操作を行うと、図7に示すように、表示装置80は、表示部80bに基準設定画面M3を表示する。なお、基準設定画面M3は、作業機4の走行中においても表示可能であってもよく、作業者は、作業機4の走行中(作業中)に基準を変更可能である。基準設定画面M3には、画面M1,M2と同様、共通の指定部110が表示される。また、基準設定画面M3のうち、指定部110を除く領域には変更部150が表示される。変更部150は、基準入力部151と、グラフ表示部152と、第2確定ボタン153と、を有している。
基準入力部151は、耕深Dに対する基準の入力を受け付け可能な部分であり、耕深Dが「適正」である範囲を定義する部分である。本実施形態において、基準入力部151は、基準値入力部151aと、下限入力部151bと、上限入力部151cと、を含んでいる。基準値入力部151aは、耕深Dのうち最も適正である値を入力する部分であり、図7においては基準値として「12.5cm」が入力されている。
下限入力部151bは、基準のうち耕深Dに対応する下限値を入力する部分である。本実施形態においては、基準値と下限値との差の入力(第1偏差)を受け付けることで下限値の入力を受け付け、図7において、下限入力部151bには、「1.0cm」と入力されている。言い換えると、図7に示す変更部150においては、下限値は「11.5cm」として入力されている。
上限入力部151cは、基準のうち耕深Dに対応する上限値を入力する部分である。本実施形態においては、基準値と上限値との差(第2偏差)の入力を受け付けることで上限値の入力を受け付け、図7において、上限入力部151cには、「1.0cm」と入力されている。言い換えると、図7に示す変更部150において、上限値は「13.5cm」として入力されている。
グラフ表示部152は、基準入力部151に入力された基準をグラフで表示する。図7に示すようにグラフ表示部152は、耕深Dと基準との関係を図形や絵柄で表示可能であり、例えば表示部80bの上下方向に延びる数直線152aを表示する。数直線152aは耕深Dと対応しており、グラフ表示部152は、数直線152aの上側につれて耕深Dが浅くなるよう表示し、数直線152aの下側につれて耕深Dが深くなるよう表示する。数直線152aの上端部は、当該グラフ表示部152が表示可能な耕深Dの下限(第1表示値152a1)を示しており、本実施形態においては、第1表示値152a1は「0cm」であり、数直線152aの上端部は耕深Dが「0cm」である場合を示している。第1表示値152a1は、数直線152aの上端部の近傍に表示される。
一方、数直線152aの下端部は、当該グラフ表示部152が表示可能な耕深Dの上限(第2表示値152a2)を示しており、本実施形態において、第2表示値152a2は「18.0cm」であり、数直線152aの下端部は耕深Dが「18.0cm」である場合を示す。第2表示値152a2は、数直線152aの下端部に近傍に表示される。
なお、第1表示値152a1及び第2表示値152a2は予め設定された所定の値であり、任意に変更可能であってもよいし、その値は上記値に限定されない。
図7に示すように、数直線152aは、基準に対応する範囲を含んでいる。具体的には、数直線152aは、耕深Dが第1表示値152a1以上、且つ下限値未満の範囲である第1範囲152a3と、耕深Dが下限値以上、且つ上限値以下である第2範囲152a4と、耕深Dが上限値を超過し、且つ第2表示値152a2以下である第3範囲152a5と、を含んでいる。即ち、第1範囲152a3は、耕深Dが比較的浅い範囲である。第2範囲152a4は、耕深Dが適正である範囲であり、第3範囲152a5は、耕深Dが比較的深い範囲である。
また、基準に基づく範囲(第1範囲152a3~第3範囲152a5)は、第1範囲152a3を指し示す第1指示部152a6と、第2範囲152a4を指し示す第2指示部152a7と、第3範囲152a5を指し示す第3指示部152a8と、を含んでいる。第1指示部152a6は、第1範囲152a3が比較的耕深Dの浅い範囲であることを指し示し、本実施形態においては、「浅」の文字を表示する。第2指示部152a7は、第2範囲152a4が耕深Dの適正な範囲であることを指し示し、本実施形態においては、「適正」の文字を表示する。第3指示部152a8は、第3範囲152a5が比較的耕深Dの深い範囲であることを指し示し、本実施形態においては、「深」の文字を表示する。
なお、第1指示部152a6は、第1範囲152a3が比較的耕深Dの浅い範囲であることを指し示せばよく、本実施形態においては、「浅」の文字を表示するが、第1指示部152a6の表示は、「浅」に限定されず「shallow」や「S」であってもよい。同様に、第2指示部152a7は、第2範囲152a4が耕深Dの適正な範囲であることを指し示し、本実施形態においては、「適正」の文字を表示するが、第2指示部152a7の表示は、「適正」に限定されず「OK」等であってもよい。さらに、第3指示部152a8は、第3範囲152a5が比較的耕深Dの深い範囲であることを指し示し、本実施形態においては、「深」の文字を表示するが、第3指示部152a8の表示は、「深」に限定されず「deep」や「D」であってもよい。
また、数直線152aは、耕深表示部140と同様に、耕深取得部80a7が取得した耕深Dが下限値未満である場合(第1範囲152a3)と、耕深取得部80a7が取得した耕深Dが下限値以上、且つ上限値以下である場合(第2範囲152a4)と、耕深Dが上限値を超過している場合(第3範囲152a5)と、で表示形態を異ならせて基準に基づく範囲を表示する。例えば、数直線152aは、耕深Dの範囲に応じて表示する色彩を異ならせて表示し、耕深表示部140と同じ表示形態(色彩)で第1範囲152a3~第3範囲152a5を表示する。
具体的には、第1範囲152a3を指し示す第1指示部152a6は、「浅」の文字を「赤色」のフォントで表示し、「浅」の文字の近傍に「赤色」と表示する。第2範囲152a4を指し示す第2指示部152a7は、「適正」の文字を「青色」のフォントで表示し、「適正」の文字の近傍に「青色」と表示する。第3範囲152a5を指し示す第3指示部152a8は、「深」の文字を「黄色」のフォントで表示し、「深」の文字の近傍に「黄色」と表示する。
第2確定ボタン153は、基準入力部151で入力された値(基準値等)を確定させる操作が可能な画像部である。このため、作業者が基準入力部151に値を設定入力し、第2確定ボタン153を操作すると、記憶部80cは、入力された基準値、第1偏差、及び第2偏差を対応付けて記憶する。これにより、耕深表示部140は、記憶部80cから基準値、第1偏差、及び第2偏差を取得して、当該基準値、第1偏差、及び第2偏差に基づく基準によって耕深取得部80a7が取得した耕深Dの度合を表示する。
なお、グラフ表示部152は、耕深Dと基準との関係を図形や絵柄で表示可能であればよく、基準の範囲をバーグラフで表示してもよいし、その表示は数直線152aに限定されない。
また、変更部150で耕深Dの基準(下限値や上限値)が変更された場合、フィールド表示部131が表示する仮想フィールドにおいて、既に作業機4が走行した経路上の区画142の色彩を、その耕深Dの度合に応じて変更するようにしてもよい。このようにすることで、例えば作業途中で基準値を変更して既作業の耕耘の状況を細かく確認することや、既作業地の調整作業を行う際の圃場状況の確認などを行うことができる。
また、仮想フィールドで表示された区画142の情報を記憶部80cに保存できるようにしてもよい。例えば、データを保存する保存ボタンを設け、保存ボタンが操作された場合、保存日時、作業開始時間、耕耘装置3の個別情報、仮想フィールドで表示されている各区画142の位置、耕深D及び耕深Dの基準(下限値や上限値)を保存する。保存データを読み出した時に各区画142の情報を保存された基準で表示することで、作業車は圃場の過去の耕深分布が確認でき、次の作業条件の検討が行える。この時、変更部150で基準値を変更して、区画142の色彩を変更できるようにしてもよい。なお、作業開始時間は、例えば耕深Dが最初にプラスになった時点、あるいは作業開始ボタン等での指示があった時点の時刻が保存される。
上述した作業機4の表示装置80は、作業機4が有している耕耘装置3の耕深Dを取得する耕深取得部80a7と、作業機4が走行するフィールドを仮想的に示すフィールド表示部131と、耕深取得部80a7が取得した耕深Dの所定の基準に対する度合を表示する耕深表示部140と、基準を変更可能な変更部150と、を備えている。上記構成によれば、作業者は、耕深表示部140を確認することで耕深Dの度合を視覚的に認識することができ、当該耕深Dの度合を任意に変更することができる。
また、作業機4の表示装置80は、耕深表示部140は、度合に応じて表示形態を異ならせて当該度合を表示する。上記構成によれば、作業者は耕深Dの度合を簡単に認識できる。
また、基準は、耕深Dに対応する上限値及び下限値を含んでおり、耕深表示部140は、耕深Dが上限値を超過している場合と、耕深取得部80a7が取得した耕深Dが下限値以上、且つ上限値以下である場合と、耕深取得部80a7が取得した耕深Dが下限値未満である場合と、で表示形態を異ならせて当該度合を表示する。上記構成によれば、作業者は、耕深Dが上限値を超えている場合と、上限値と下限値との範囲内である場合と、下限値未満である場合と、の識別性を向上させることができる。
また、耕深表示部140は、フィールド表示部131に表示され且つ所定位置における度合を表示する第1度合表示部141と、耕耘装置3が位置している場所における度合を表示する第2度合表示部145と、を有している。上記構成によれば、作業機4が走行するフィールドの耕深Dを確認できるだけでなく、現在の耕深Dを容易に確認できる。これによって、耕耘ができなかった箇所や、耕耘作業が浅い箇所を確認でき、耕耘作業の精度を向上させることができる。
また、第2度合表示部145は、耕深Dが基準よりも浅いことを示す第1表示部148と、耕深Dが基準よりも深いことを示す第2表示部149と、を有している。上記構成によれば、耕深Dが基準よりも浅いこと及び深いことを簡単に認識できる。このため、作業者は耕深Dの確認に要する時間を短縮することができる。
また、第2度合表示部145は、第1表示部148と第2表示部149との間に設けられ、且つ耕深Dを数値で表示する数値表示部146を有している。上記構成によれば、作業者は、耕深Dが基準よりも浅いこと及び深いことだけでなく具体的な数値を認知することができる。これにより、耕深Dを細かく調整できる。
また、作業機4の位置を取得する位置取得部80a6を備え、フィールド表示部131は、フィールドに位置取得部80a6が取得した作業機4の位置を表示する。上記構成によれば、フィールド上に作業機4の位置を表示することで作業者は作業機4の周囲とフィールド表示部131とを対照させることができる。
また、変更部150は、基準を入力する基準入力部151と、基準入力部151に入力された基準をグラフで表示するグラフ表示部152と、を有している。上記構成によれば、基準の入力の操作性を向上させることができる。
上述した作業機4は、走行車両1と、走行車両1の後方に配置され、連結装置2を介して連結される耕耘装置3と、連結装置2に取り付けられ、且つ地面Gまでの距離を測定する距離センサ58と、水平に対する耕耘装置3の傾斜角度θ1を検出する傾斜センサ59と、距離センサ58で測定した距離と、傾斜センサ59で検出した傾斜角度θ1と、に基づいて耕耘装置3の耕深Dを算出する耕深算出部80a1と、耕耘装置3が接地している場合に耕深算出部80a1が算出した耕深Dに基づいて補正値αを設定する補正設定部80a4と、補正設定部80a4が設定した補正値αによって耕深算出部80a1が算出した耕深Dを補正する補正部80a5と、を備えている。上記構成によれば、耕耘装置3が接地させることで耕深Dのキャリブレーションを行うことができる。これにより、距離センサ58及び傾斜センサ59の取り付け位置の誤差や耕耘装置3に摩耗が生じている場合であっても、精度の高い耕深Dの検出を実現することができる。
また、作業機4は、耕耘装置3の個別情報を取得する第1取得部80a2と、耕耘装置3に対する距離センサ58及び傾斜センサ59の寸法情報を取得する第2取得部80a3と、第1取得部80a2が取得した個別情報と、第2取得部80a3が取得した寸法情報と、補正設定部80a4が設定した補正値αと、を対応付けて記憶する記憶部80cと、を備え、耕深算出部80a1は、距離センサ58で測定した距離と、傾斜センサ59で検出した傾斜角度θ1と、第2取得部80a3が取得した寸法情報と、に基づいて耕耘装置3の耕深Dを算出し、補正部80a5は、記憶部80cが記憶している補正値αによって耕深算出部80a1が算出した耕深Dを補正する。上記構成によれば、記憶部80cが個別情報と対応づけて寸法情報や補正値αを記憶することで、耕耘装置3の作業を開始させる都度に第2取得部80a3が寸法情報を取得し、補正設定部80a4が補正値αを設定する必要がない。これにより、耕深算出部80a1の耕深Dの算出及び補正部80a5による補正の手間を軽減することができ、作業機4の利便性を向上させることができる。
また、耕深算出部80a1が算出した耕深Dと、補正部80a5が補正した補正後の耕深Dと、の偏差が所定以上である場合、耕耘装置3が有する耕耘爪57の摩耗の報知を行う報知装置100を備えている。上記構成によれば、補正部80a5による耕深算出部80a1が算出した耕深Dのキャリブレーションに加え、耕耘爪57の摩耗のモニタリングを実現できる。
また、第1取得部80a2が取得する個別情報、及び/又は第2取得部80a3が取得する寸法情報を設定可能な設定画面M1を表示する表示装置80を備えている。上記構成によれば、作業者は表示装置80を操作することによって個別情報及び寸法情報を簡単に設定することができる。
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。