JP7317086B2 - 硬質表面用洗浄剤及び硬質表面の洗浄方法 - Google Patents
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Description
特許文献2には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤(HLB9~11)と、ヤシアルキルアミンエチレンオキサイド付加物型非イオン界面活性剤と、ピロリン酸カリウム、リン酸二カリウムもしくはリン酸一カリウムから選ばれた少なくとも1種と、水とからなる樹脂部品用アルカリ洗浄液が開示されている。
特許文献3には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル及び/又は脂肪酸ポリオキシエチレンアルキルエーテルと、長鎖脂肪族アルキルアミン及び/又は長鎖脂肪族アミドアルキルアミンと、ポリオキシアルキレンアルキルアミンとを含有する液体洗浄剤組成物が報告されている。
本発明は、機械洗浄により洗浄対象物を洗浄する場合でも、洗浄性及び抑泡性に優れる硬質表面用洗浄剤及び硬質表面の洗浄方法を提供することを目的とする。
[1] 曇点が60℃以上であり、下記一般式(1)で表される化合物(1)と、曇点が40℃以下であり、下記一般式(2)で表される化合物(2)とを含む、硬質表面用洗浄剤。
[3] 前記[1]又は[2]の硬質表面用洗浄剤を用いて硬質表面を洗浄する、硬質表面の洗浄方法。
なお、「曇点」は、JIS K 3211「界面活性剤用語」にて、「界面活性剤水溶液の温度を上昇させたとき、白濁し始める温度である。通常は、白濁し相分離が起こる。」と定義されている。「曇点」は、以下の方法で測定することができる。
測定サンプルの1質量%水溶液を試験管に約40mmの高さまで入れた後、温度計をこの中に入れ、曇りが生じる温度より約2~3℃高い温度まで温度計でよく撹拌しなから加温し、再びよく撹拌しながら空冷し、透明になったときの温度を曇点とする。
なお、室温(20℃)で溶液が曇りを生じている場合は、溶液が透明になるまでよく撹拌しながら冷却し、再びよく撹拌しながら濁りを生ずる温度まで徐々に加温し、次に徐々に撹拌しながら冷却し、透明になった時の温度を測定し、その値を曇点とする。
本発明の硬質表面用洗浄剤は、以下に示す(A)成分と、(B)成分とを含む組成物である。
硬質表面用洗浄剤は、以下に示す(C)成分をさらに含むことが好ましい。
硬質表面用洗浄剤は、水をさらに含んでいてもよい。
硬質表面用洗浄剤は、必要に応じて、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び水以外の成分(任意成分)をさらに含んでいてもよい。
(A)成分は、曇点が60℃以上であり、下記一般式(1)で表される化合物(1)である。
R1におけるアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、それぞれ6~24であり、8~24が好ましく、8~18がより好ましく、10~16がさらに好ましく、12~14が特に好ましい。アルキル基及びアルケニル基の炭素数が上記下限値以上であれば、洗浄性が向上する。加えて、硬質表面用洗浄剤が水を含む水溶液の場合、水溶液の透明性を良好に維持できる。アルキル基及びアルケニル基の炭素数が上記上限値以下であれば、抑泡性をより良好に維持できる。
R1におけるアルキル基及びアルケニル基は、それぞれ直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいが、直鎖状が好ましい。
A1O及びA2Oは、それぞれエチレンオキシ基(EO)、プロピレンオキシ基(PO)が好ましい。
pが1超の場合、複数のA1Oは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。A1Oが異なる場合、例えばEOとPOが混在する場合、EOとPOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。
qが1超の場合、複数のA2Oは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。A2Oが異なる場合、例えばEOとPOが混在する場合、EOとPOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。
A1O及びA2Oは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましく、A1O及びA2OがEOであることがより好ましい。
式(1)中、qはA2Oの平均繰返し数(平均付加モル数)を示し、1~100の数であり、1~50が好ましく、1~20がより好ましい。
p及びqの合計は、2~200が好ましく、2~100がより好ましく、2~40がさらに好ましい。
化合物(1)は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
化合物(1)の曇点の上限値については特に制限されないが、通常は100℃以下である。
(B)成分は、曇点が40℃以下であり、下記一般式(2)で表される化合物(2)である。
R2における炭化水素基の炭素数は、それぞれ6~22であり、8~18が好ましく、8~14がより好ましく、8~12が特に好ましく、8~10が最も好ましい。炭化水素基の炭素数が上記下限値以上であれば、好ましい抑泡性が得られる。炭化水素基の炭素数が上記上限値以下であれば、抑泡性を良好に維持できる。加えて、硬質表面用洗浄剤が水を含む水溶液の場合、水溶液の透明性を良好に維持できる。
R2における炭化水素基は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいが、分岐鎖状が好ましい。
R2における炭化水素基は、飽和であってもよいし、不飽和であってもよいが、飽和が好ましい。
R2における炭化水素基は、エーテル結合、エステル結合、及びアミド結合からなる群より選ばれる1種以上を含んでいてもよい。すなわち、炭化水素基が有する任意のメチレン基(-CH2-)の1つ以上が、エーテル結合、エステル結合、又はアミド結合によって置換されていてもよい(ただし、酸素原子同士が隣接して結合する場合を除く。)。
R2における炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。これらの中でも、アルキル基、アルケニル基が好ましい。
mが1の場合、A3OはEOである。
mが1超の場合、全てのA3Oは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。A3Oが異なる場合、例えばEOとPOが混在する場合、EOとPOの分布(配列順)に特に限定はなく、これらはブロック状に配列していてもよく、ランダム状に配列していてもよい。
化合物(2)は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
化合物(2)の曇点の下限値については特に制限されないが、例えば化合物(2)の曇点は、0℃以上が好ましく、3℃以上がより好ましく、5℃以上がさらに好ましい。化合物(2)の曇点が上記下限値以上であれば、抑泡性をより良好に維持できる。加えて、硬質表面用洗浄剤が水を含む水溶液の場合、水溶液の透明性をより良好に維持できる。
(C)成分は、アニオン界面活性剤である。
硬質表面用洗浄剤が(C)成分を含有していれば、洗浄性がより向上する。加えて、硬質表面用洗浄剤が液体状の場合に透明性に優れる。
アニオン界面活性剤に含まれる親水性基としては特に制限されないが、例えばカルボキシ基、硫酸エステル基、スルホン酸基、リン酸エステル基などが挙げられる。
アニオン界面活性剤に含まれる疎水性基としては特に制限されないが、例えばアルキル基、アルケニル基、ベンジル基などが挙げられる。
疎水性基におけるアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、それぞれ6~18が好ましく、6~12がより好ましい。
疎水性基におけるアルキル基及びアルケニル基は、それぞれ直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいが、直鎖状が好ましい。
疎水性基におけるアルキル基及びアルケニル基は、それぞれ飽和であってもよいし、不飽和であってもよいが、飽和が好ましい。
疎水性基におけるベンジル基は、アルキル基を有していてもよいし、有していなくてもよい。ベンジル基がアルキル基を有する場合、そのアルキル基の炭素数は、6~14が好ましく、6~12がより好ましい。
親水性基として硫酸エステル基を有するアニオン界面活性剤としては、例えばエチルヘキシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
親水性基としてスルホン酸基を有するアニオン界面活性剤としては、例えば炭素数6~18の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、炭素数6~18のアルカンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
親水性基としてリン酸エステル基を有するアニオン界面活性剤としては、例えばラウリルリン酸、ラウリルリン酸ナトリウムなどが挙げられる。
アニオン界面活性剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
水としては特に制限されないが、例えば水道水、脱イオン水(イオン交換水)、純水、超純水、蒸留水などが挙げられる。これらの中でも、不純物等の影響が少ない観点から、脱イオン水、純水、超純水、蒸留水が好ましい。
水は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
任意成分としては、洗浄剤に配合される公知の添加剤等であれば特に制限されないが、洗浄性、抑泡性がより向上する観点では、アルカリ剤、キレート剤、有機溶剤などが好ましい。
アルカリ剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
キレート剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
有機溶剤は、いずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で混合して用いてもよい。
なお、硬質表面用洗浄剤に含まれる(A)成分、(B)成分、(C)成分、水及び任意成分の含有量の合計が、硬質表面用洗浄剤の総質量に対して100質量%を超えないものとする。
硬質表面用洗浄剤は、(A)成分及び(B)成分と、必要に応じて(C)成分、水及び任意成分の1つ以上とを混合することで得られる。
硬質表面用洗浄剤の形態としては特に限定されず、固体状であってもよいし、液体状であってもよい。洗浄機への供給のしやすさや、溶け残りを防ぐ観点から、硬質表面用洗浄剤は液体状であることが好ましい。液体状の硬質表面用洗浄剤は、分散粒子を含んでもよい。なお、本明細書において、液体状の硬質表面用洗浄剤を「硬質表面用液体洗浄剤」又は「硬質表面用液体洗浄剤組成物」ともいう。
硬質表面用洗浄剤は、硬質表面用の洗浄剤である。
硬質表面用洗浄剤は、水等で希釈せずにそのまま硬質表面の洗浄に使用してもよいし、硬質表面用洗浄剤を水で希釈して使用してもよい。本明細書において、硬質表面用洗浄剤を水で希釈した希釈液を「洗浄液」ともいう。
洗浄液中の(A)成分、すなわち化合物(1)の含有量は、希釈液の総質量に対して、0.0001~3質量%が好ましく、0.001~2質量%がより好ましく、0.001~1質量%がさらに好ましい。(A)成分の含有量が上記範囲内であれば、洗浄性及び抑泡性をより良好に維持できる。
洗浄液中の(B)成分、すなわち化合物(2)の含有量は、希釈液の総質量に対して、0.001~5質量%が好ましく、0.005~4質量%がより好ましく、0.01~3質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であれば、洗浄性及び抑泡性をより良好に維持できる。
洗浄液中の(C)成分、すなわちアニオン界面活性剤の含有量は、希釈液の総質量に対して、0.0001~2.5質量%が好ましく、0.0001~2.0質量%がより好ましく、0.0001~1.5質量%がさらに好ましい。(C)成分の含有量が上記範囲内であれば、洗浄性及び抑泡性をより良好に維持できる。
洗浄液中の水の含有量は、希釈液の総質量に対して、89.5~99.9988質量%が好ましく、92~99.9899質量%がより好ましく、94.5~99.97質量%がさらに好ましい。水の含有量が上記範囲内であれば、洗浄性及び抑泡性のバランスをより良好に維持できる。
硬質表面の洗浄方法は、上述した硬質表面用洗浄剤を用いて硬質表面を洗浄する方法であり、具体的には、硬質表面に付着した汚れに上述した硬質表面用洗浄剤又は洗浄液を接触させて汚れを除去する。
硬質表面としては、例えば硬質材料で形成された部品(硬質部品)、具体的には医療器具、化粧品生産用器具(例えば充填ライン部品等)などの表面が挙げられる。
硬質材料としては、例えば金属、樹脂、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。洗浄対象物が医療器具、化粧品生産用器具等である場合、硬質材料としては金属、樹脂が好ましい。
金属としては特に限定されないが、例えば鉄、銅、ステンレス鋼などが挙げられる。
樹脂としては特に限定されないが、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどが挙げられる。
なお、本発明の硬質表面用洗浄剤を、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の軟質表面の洗浄に使用してもよい。
油溶性汚れとしては、例えば動植物油脂、鉱油等による汚れなどが挙げられる。
水溶性汚れとしては、例えば食塩、砂糖、汗等の水溶性の無機塩による汚れなどが挙げられる。
固体汚れとしては、例えば泥、鉄分、カーボン、ステアリン酸マグネシウム等の不溶性の無機塩による汚れなどが挙げられる。
複合的な汚れとしては、例えば化粧品汚れ、医薬品汚れ、食料品汚れなどが挙げられる。
化粧品汚れとしては、例えばファンデーション、リップクリーム、日焼け止め剤(日焼け止めクリーム)等の油溶性汚れなどが挙げられる。
医薬品汚れとしては、例えば軟膏、ヘルスオイル等の油溶性汚れ、錠剤等の固体汚れなどが挙げられる。
食料品汚れとしては、例えばマヨネーズ、チョコレート等の油溶性汚れなどが挙げられる。
以上説明した本発明の硬質表面用洗浄剤は、(A)成分である化合物(1)と、(B)成分である化合物(2)とを含むので、ウォッシャーディスインフェクター等の機械洗浄機を用いて機械洗浄により洗浄対象物を洗浄する場合でも、洗浄性及び抑泡性に優れる。
特に、硬質表面用液体洗浄剤が(C)成分を含んでいれば、透明性に優れ、視認性が良好となり、使用性がより良好となる。
なお、実施例及び比較例において使用した原料、並びに各種測定・評価方法は以下の通りである。
(A)成分及びその比較品として、以下に示す化合物を用いた。
・A-1:ポリオキシエチレン(6、数値はアルキレンオキシ基の平均繰返し数を示す。以下、同様。)エチルヘキシルアミン(青木油脂工業株式会社製、商品名「ブラウノンEH-6」、前記一般式(1)中、R1が炭素数8の分岐鎖状のアルキル基(エチルヘキシル基)であり、A1O及びA2Oがエチレンオキシ基であり、p+qが6である化合物(1)、曇点80℃超、100℃以下)。
・A-2:ポリオキシエチレン(10)ヤシアルキルアミン(前記一般式(1)中、R1がヤシ油由来(炭素数12~14)の直鎖状のアルキル基であり、A1O及びA2Oがエチレンオキシ基であり、p+qが10である化合物(1)、曇点80℃超、100℃以下、下記合成方法により合成されたもの)。
・A-3:ポリオキシエチレン(20)硬化牛脂アルキルアミン(前記一般式(1)中、R1が牛脂硬化油由来(炭素数12~18)の直鎖状のアルキル基であり、A1O及びA2Oがエチレンオキシ基であり、p+qが20である化合物(1)、曇点80℃超、100℃以下、下記合成方法により合成されたもの)。
・A-4:ポリオキシプロピレン(6)ポリオキシエチレン(10)ヤシアルキルアミン(前記一般式(1)中、R1がヤシ油由来(炭素数12~14)の直鎖状のアルキル基であり、A1Oがプロピレンオキシ基であり、A2Oがエチレンオキシ基であり、pが6であり、qが10である化合物(1)、曇点61℃、下記合成方法により合成されたもの)。
・A-5:ポリオキシエチレン(30)牛脂硬化アルキルアミン(前記一般式(1)中、R1が牛脂硬化油由来(炭素数12~18)の直鎖状のアルキル基であり、A1O及びA2Oがエチレンオキシ基であり、p+qが30である化合物(1)、曇点80℃超、100℃以下、下記合成方法により合成されたもの)。
・A-6:ポリオキシエチレン(50)牛脂硬化アルキルアミン(前記一般式(1)中、R1が牛脂硬化油由来(炭素数12~18)の直鎖状のアルキル基であり、A1O及びA2Oがエチレンオキシ基であり、p+qが50である化合物(1)、曇点80℃超、100℃以下、下記合成方法により合成されたもの)。
・A-7:ポリオキシエチレン(4)ヤシアルキルアミン(前記一般式(1)中、R1がヤシ油由来(炭素数12~14)の直鎖状のアルキル基であり、A1O及びA2Oがエチレンオキシ基であり、p+qが4である化合物(1’)、曇点59℃、下記合成方法により合成されたもの)。
・A-8:ポリオキシプロピレン(4)ポリオキシエチレン(6)ヤシアルキルアミン(前記一般式(1)中、R1がヤシ油由来(炭素数12~14)の直鎖状のアルキル基であり、A1Oがプロピレンオキシ基であり、A2Oがエチレンオキシ基であり、pが4であり、qが6である化合物(1’)、曇点0℃以上、20℃未満、下記合成方法により合成されたもの)。
ヤシアルキルアミンをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド2モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いてオートクレーブに触媒として水酸化カリウムを仕込み、窒素置換した後、120℃に昇温して1時間、減圧脱水処理を行った。その後、温度140℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度160~170℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド8モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、A-2を得た。
硬化牛脂アルキルアミンをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。硬化牛脂アルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド2モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いてオートクレーブに触媒として水酸化ナトリウムを仕込み、窒素置換した後、昇温し120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。硬化牛脂アルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド18モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、A-3を得た。
ヤシアルキルアミンをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド2モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いてオートクレーブに触媒として水酸化カリウムを仕込み、窒素置換した後、120℃に昇温して1時間、減圧脱水処理を行った。その後、温度120℃以上にてプロピレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度120~130℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しプロピレンオキシド6モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いて温度130℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度135~145℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド8モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、A-4を得た。
硬化牛脂アルキルアミンをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。硬化牛脂アルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド2モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いてオートクレーブに触媒として水酸化ナトリウムを仕込み、窒素置換した後、120℃に昇温して1時間、減圧脱水処理を行った。続いて120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。硬化牛脂アルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド28モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、A-5を得た。
硬化牛脂アルキルアミンをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。硬化牛脂アルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド2モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いてオートクレーブに触媒として水酸化ナトリウムを仕込み、窒素置換した後、120℃に昇温して1時間、減圧脱水処理を行った。続いて120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。硬化牛脂アルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド48モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、A-6を得た。
ヤシアルキルアミンと水酸化ナトリウムをオートクレーブ内に仕込み、窒素置換した後、120℃に昇温し1時間、減圧脱水処理を行った。次に温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時反応温度150~160℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド4モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、A-7を得た。
ヤシアルキルアミンをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度155~165℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド2モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いてオートクレーブに触媒として水酸化カリウムを仕込み、窒素置換した後、120℃に昇温して1時間、減圧脱水処理を行った。その後温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度150~160℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しエチレンオキシド4モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いて温度120℃以上にてプロピレンオキシドの供給を開始した。この時反応温度120~130℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ヤシアルキルアミン1モル当量に対しプロピレンオキシド4モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、A-8を得た。
・B-1:ポリオキシプロピレン(1.5)ポリオキシエチレン(2)エチルヘキシルエーテル(前記一般式(2)中、R2が炭素数8の分岐鎖状のアルキル基(エチルヘキシル基)であり、A3Oがプロピレンオキシ基及びエチレンオキシ基であり、これらはブロック状に配列しており、mが3.5である化合物(2)、曇点0℃以上、20℃未満、下記合成方法により合成されたもの)。
・B-2:ポリオキシプロピレン(5)ポリオキシエチレン(6)イソノニルエーテル(BASFジャパン株式会社製、商品名「プルラファックLF900」、前記一般式(2)中、R2が炭素数9の分岐鎖状のアルキル基(イソノニル基)であり、A3Oがプロピレンオキシ基及びエチレンオキシ基であり、これらはブロック状に配列しており、mが11である化合物(2)、曇点0℃以上、20℃未満)。
・B-3:ポリオキシプロピレン(4)ポリオキシエチレン(3)トリデカエーテル(前記一般式(2)中、R2が炭素数12の直鎖状のアルキル基(ラウリル基)であり、A3Oがプロピレンオキシ基及びエチレンオキシ基であり、これらはブロック状に配列しており、mが7である化合物(2)、曇点0℃以上、20℃未満、下記合成方法により合成されたもの)。
・B-4:ポリオキシエチレン(4)オレイルエーテル(前記一般式(2)中、R2が炭素数18の直鎖状のアルケニル基(オレイル基)であり、A3Oがエチレンオキシ基であり、mが4である化合物(2)、曇点0℃以上、20℃未満、下記合成方法により合成されたもの)。
・B-5:ポリオキシプロピレン(60)ポリオキシエチレン(30)ステアリルエーテル(前記一般式(2)中、R2が炭素数18の直鎖状のアルキル基(ステアリル基)であり、A3Oがプロピレンオキシ基及びエチレンオキシ基であり、これらはブロック状に配列しており、mが90である化合物(2)、曇点0℃以上、20℃未満、下記合成方法により合成されたもの)。
・B-6:ポリオキシプロピレン(6)ポリオキシエチレン(9)イソデシルエーテル(前記一般式(2)中、R2が炭素数10の直鎖状のアルキル基(デシル基)であり、A3Oがプロピレンオキシ基及びエチレンオキシ基であり、これらはブロック状に配列しており、mが15である化合物(2)、曇点37℃、下記合成方法により合成されたもの)。
・B-7:ポリオキシエチレン(7)デシルエーテル(青木油脂工業株式会社製、商品名「セフティカットND-2061」、前記一般式(2)中、R2が炭素数10の直鎖状のアルキル基(デシル基)であり、A3Oがエチレンオキシ基であり、mが7である化合物(2’)、曇点60℃)。
・B-8:ポリオキシエチレン(12)ポリオキシプロピレン(3)ラウリルエーテル(前記一般式(2)中、R2が炭素数12の直鎖状のアルキル基(ラウリル基)であり、A3Oがエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基であり、これらはブロック状に配列しており、mが15である化合物(2’)、曇点55℃、下記合成方法により合成されたもの)。
・B-9:ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(前記一般式(2)中、R2が炭素数12の直鎖状のアルキル基(ラウリル基)であり、A3Oがエチレンオキシ基であり、mが9である化合物(2’)、曇点56℃、下記合成方法により合成されたもの)。
エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテルと水酸化カリウムをオートクレーブ内に仕込み、窒素置換した後、120℃に昇温して30分間、減圧脱水処理を行った。続いてプロピレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度120~130℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。エチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル1モル当量に対しプロピレンオキシド1.5モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、B-1を得た。
トリデカノールと水酸化カリウムをオートクレーブ内に仕込み、窒素置換した後、120℃に昇温して30分間、減圧脱水処理を行った。その後、120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度150~160℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。トリデカノール1モル当量に対しエチレンオキシド3モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いて温度120℃以上にてプロピレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度120~130℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。トリデカノール1モル当量に対しプロピレンオキシド4モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、B-3を得た。
オレイルアルコールと水酸化カリウムをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃に昇温して30分間、減圧脱水処理を行った。その後、温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度145~155℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。オレイルアルコール1モル当量に対しエチレンオキシド4モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、B-4を得た。
ステアリルアルコールと水酸化ナトリウムをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃に昇温して30分間、減圧脱水処理を行った。その後、120℃以上にてプロピレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度120~130℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ステアリルアルコール1モル当量に対しプロピレンオキシド60モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いて温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度150~160℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ステアリルアルコール1モル当量に対しエチレンオキシド30モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、B-5を得た。
イソデカノールと水酸化ナトリウムをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃に昇温して30分間、減圧脱水処理を行った。続いてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度150~160℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。イソデカノール1モル当量に対しエチレンオキシド9モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成した。続いて水酸化ナトリウムを仕込み、温度120℃以上にてプロピレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度120~130℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。イソデカノール1モル当量に対しプロピレンオキシド6モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、B-6を得た。
ラウリルアルコールに12モルのエチレンオキサイドを付加させた非イオン界面活性剤(株式会社日本触媒製、商品名「ソフタノール120」)と水酸化ナトリウムをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃に昇温して30分間、減圧脱水処理を行った。その後、120℃以上にてプロピレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度120~130℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ラウリルアルコールに12モルのエチレンオキサイドを付加させた非イオン界面活性剤1モル当量に対しプロピレンオキシド3モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、B-8を得た。
ラウリルアルコールと水酸化カリウムをオートクレーブ内に仕込み、容器内を窒素置換した。次に温度120℃に昇温して30分間、減圧脱水処理を行った。その後、温度120℃以上にてエチレンオキシドの供給を開始した。この時、反応温度150~160℃、圧力0.5MPa・G以下にて反応させた。ラウリルアルコール1モル当量に対しエチレンオキシド9モル当量供給後、内圧が一定となるまで熟成し、B-9を得た。
・C-1:デカン酸ナトリウム(日油株式会社製、商品名「NAA-102」)。
・C-2:ラウリン酸ナトリウム(新日本理化株式会社製、商品名「ラウリンサンP」)。
・C-3:ステアリン酸ナトリウム(新日本理化株式会社製、商品名「ステアリンサン#300」)。
・C-4:エチルヘキシル硫酸ナトリウム(日油株式会社製、商品名「シントレッキスEH-R」)。
・C-5:直鎖アルキル(炭素数10~14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ株式会社製、商品名「テイカパワーL121」)。
・C-6:アルカン(炭素数14~17)スルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン株式会社製、商品名「HOSTAPUR SAS 93」)。
・水:イオン交換水。
・ラウリルアルコール:新日本理化株式会社製、商品名「コノール20P」。
・エチルヘキサノール:三菱ケミカル株式会社製、商品名「2エチルヘキサノール」。
・イソパラフィン:炭化水素系溶剤(出光興産株式会社製、商品名「IPソルベント2028」)。
・EDTA-2Na:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(ナガセケムテックス株式会社製、商品名「クレワットN」)。
・TEA:トリエタノールアミン(三井化学株式会社製、商品名「トリエタノールアミン」)。
・NaOH:水酸化ナトリウム(株式会社トクヤマ製、商品名「カセイソーダ(48%)」)。
<曇点の測定>
測定サンプルの1質量%水溶液を試験管に約40mmの高さまで入れた後、温度計をこの中に入れ、曇りが生じる温度より約2~3℃高い温度まで温度計でよく撹拌しなから加温し、再びよく撹拌しながら空冷し、透明になったときの温度を曇点とした。
なお、室温(20℃)で溶液が曇りを生じている場合は、溶液が透明になるまでよく撹拌しながら冷却し、再びよく撹拌しながら濁りを生ずる温度まで徐々に加温し、次に徐々に撹拌しながら冷却し、透明になった時の温度を測定し、その値を曇点とした。
硬質表面用洗浄剤の外観を目視にて観察し、以下の評価基準にて外観を評価した。
《評価基準》
I:透明である。
II:濁っている。
硬質表面用洗浄剤を濃度が1質量%となるように水道水で希釈して、洗浄液を調製した。
11×7cmのプレート(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製又はステンレス鋼(SUS)製)の表面に、汚れとして以下に示す化粧品のいずれか(0.1g)を直径4.5cmの円状になるよう均一に塗布したものを洗浄対象物として用いた。
(化粧品)
・ファンデーション(株式会社ちふれ化粧品製、商品名「BBクリーム」)。
・リップクリーム(株式会社近江兄弟社製、商品名「メンターム薬用メディカルリップスティックMn」)。
・日焼け止めクリーム(株式会社コーセー製、商品名「サンカット日やけ止めジェル50」)。
除去率(%)={(噴霧前の洗浄対象物の重量-噴霧後の洗浄対象物の重量)/噴霧前の洗浄対象物の重量}×100 ・・・(i)
硬質表面用洗浄剤を濃度が1質量%となるように水道水で希釈して、洗浄液を調製した。
目盛り付き500mLメスシリンダーに、60℃に設定した洗浄液100mLを注ぎ、木下式ガラスろ過器ボールフィルター(木下理科工業株式会社製)を用いて10秒間、曝気(曝気量:2100 mL/分)した。曝気直後の泡高さ(mm:泡と洗浄液との境界から泡の上端面までの距離)を測定した。泡高さが200mm以下を合格とした。
表1~4の配合組成に従い、水に(A)成分、(B)成分、(C)成分及び任意成分を加えて混合し、硬質表面用洗浄剤を得た。
得られた硬質表面用洗浄剤の外観、洗浄性及び抑泡性を評価した。結果を表1~4に示す。各表に示した水以外の成分の配合量(質量%)は、不揮発分としての配合量(濃度)である。
一方、表4から明らかなように、曇点が60℃未満であるポリオキシアルキレンアルキルアミンを含む比較例1、2で得られた硬質表面用洗浄剤は、洗浄性に劣っていた。
曇点が40℃超であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルを含む比較例3~5で得られた硬質表面用洗浄剤は、抑泡性に劣っていた。
化合物(1)を含まない比較例6で得られた硬質表面用洗浄剤は、洗浄性に劣っていた。
化合物(2)を含まない比較例7で得られた硬質表面用洗浄剤は、洗浄性及び抑泡性に劣っていた。
なお、実施例1,5,12,15~17は参考例である。
Claims (2)
- 曇点が80℃超であり、下記一般式(1)で表される化合物(1)と、
曇点が20℃以下であり、下記一般式(2)で表される化合物(2)と、
親水性基としてカルボキシ基を有し、疎水性基として炭素数6~18の直鎖状アルキル基を有するアニオン性界面活性剤とを含む、硬質表面用洗浄剤。
- 請求項1に記載の硬質表面用洗浄剤を用いて硬質表面を洗浄する、硬質表面の洗浄方法。
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