JP7316852B2 - 安全キャップおよびキャップ付き容器ユニット - Google Patents
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Description
例えば特許文献1では、内側キャップ部材と外側キャップ部材とを備え、開栓時には外側キャップ部材を下に押しながら回すプッシュアンドターン方式のチャイルドレジスタンド閉鎖具が開示されている。また、特許文献2では、ボトル口部に螺嵌するキャップの下部において閉栓時にボトル顎部のアンダーカットに係止するアンダーカットを下部内側に有する係止弾性体を連結し、一方で開栓時には係止弾性体の女王部を内方に押圧することにより連結部を支点として廻動させて上記アンダーカットの係止を離脱させる構造の安全キャップが提案されている。
一方で特許文献2や特許文献3に示される安全キャップにおいては、部品点数の観点ではコスト抑制が可能であるものの、比較的単純な構造であるため幼児などが把持して意図せず開栓がなされてしまう可能性も否めない。
従って本発明の目的の1つは、チャイルドレジスタンス機能を発揮する程度の難開栓性を維持しつつ、それでいて構造的にも低コストで製造が可能な安全キャップおよびキャップ付き容器ユニットを提供することにある。
なお本実施形態においては、説明の便宜上、図を用いた説明においてX、Y及びZ方向を適宜設定したが、説明の便宜上であって本発明を何ら過度に限定するものではない。
また、以下の実施形態では、一例として、口部200aと肩部200bとを少なくとも備えた容器200に安全キャップ100を装着する例を用いて説明する。
以下、一例として上記した容器200に装着される安全キャップ100について、図1~6を適宜参照しながら詳述する。
図2などに示すとおり、本実施形態における安全キャップ100は、肩部200bに係合部210が設けられた容器200の口部200aと螺合する機能を有する。
また、本実施形態では、外周壁20よりも内周側に内周壁50を有する二重壁構造のキャップを例示しているが、安全キャップ100は必ずしも二重壁構造でなくともよい。例えば内周壁50を省略して外周壁20のみとする場合には、この外周壁20の外面側に後述する可動パネル30が付加される一方で、内面側に後述するネジ部100Sが配設されることとなる。
なお図2に示すとおり、本実施形態における外周壁20は軸方向の下端から上端にかけて縮径されるような側面視が台形状であるが、特にこの態様に限定されず軸方向で同じ径を有する円筒状となっていてもよい。
さらに図2からも明らかなとおり、内周壁50の軸方向高さ(天面板10からの軸方向における高さ)は、外周壁20の軸方向高さよりも小さくなるように設定されている。これにより、容器200の口部200aの形状と対応させて、後述する被係合部40と係合部210との作用を阻害しないようになっている。
以下、図2~5を適宜参照しつつ、本実施形態における可動パネル30について詳述する。
これらの図から明らかなとおり、本実施形態の安全キャップ100は、開栓時に使用者によって押圧されて可動する少なくとも2つの第1可動パネル30Aおよび第2可動パネル30Bを含んで構成されている。なお本実施形態では2つの可動パネル30が例示されているが、設置スペースが許容できる限りにおいて3つ以上の任意の数だけ可動パネル30を設けてもよい。
また、図4(a)に示すとおり、第1可動パネル30Aの連結部31は、外周壁20のうち軸方向(Z方向)に関してほぼ中央に設けられている。これにより、この外周壁20の中央の連結部31を基点にしてシーソーのごとく傾倒することが可能となっている。
この第1可動パネル30Aは、上述のとおり軸方向に関して下方に押圧箇所(滑り止め加工34が施された領域)を有しているため、下押型の可動パネルとも言える。なお滑り止め加工34は必須ではなく適宜省略してもよい。
すなわち図4(b)に示すとおり、第2可動パネル30Bの連結部31も、外周壁20のうち軸方向(Z方向)に関してほぼ中央に設けられている。
これにより、これら第1可動パネル30Aと第2可動パネル30Bの双方を並行して押圧した場合に、後述するとおり、第1可動パネル30Aの被係合部40が内方に移動し、第2可動パネル30Bの被係合部40が外方にそれぞれ移動することが可能となっている。
また、上記した第1厚肉部32及び第2厚肉部33は、図示では可動パネル30の裏面(内周壁50と対向する側)において周方向で断続的に形成されたリブ状の構造を例示していたが、これに限られず厚肉部が周方向に連続した形状(この場合には、可動パネルのうち厚肉部が形成された領域は、その径方向の厚みが他領域よりも厚い形態となる)であってもよい。
次に図2、5及び6を適宜参照しつつ、本実施形態における被係合部40について詳述する。すなわち本実施形態の安全キャップ100は、上記した可動パネル30と接続(連結)されて当該可動パネル30への押圧に連動して移動可能な被係合部40を含んで構成されている。
より具体的には図5及び6に示すとおり、本実施形態における被係合部40は、可動パネル30の中央領域から内周側に延在する鍔部41と、この鍔部41から垂下して可動パネル30と対向する係合壁42と、を含んで構成されている。
その一方で、閉栓する際に安全キャップ100を閉栓方向CDに回した際には、安全キャップ100の係合壁42には上記逃げテーパー部42tが設けられてあることにより、容器200側の係合部210が係合壁42の移動を阻害せずスムーズな閉栓動作が可能になっている。なお、第1逃げテーパー部42t1と第2逃げテーパー部42t2は必須ではなく、係合部210の意図した側に被係合部40が移動可能であれば適宜省略してもよい。
次に図7~9を参照しつつ、本実施形態の容器200について説明する。
これらの図に示すとおり、容器200は、上記した安全キャップ100と組み合わされて本実施形態のキャップ付き容器ユニットを構成する。なお以下では容器200の肩部2000bより下の部位が省略された図示を用いて説明するが、上述のとおり肩部200bより下の構造は公知の任意の形状(ボトルや瓶、あるいはスパウトなど)が採用してもよい。
口部200aの外面には、上記した安全キャップ100のネジ部100Sと螺合可能なネジ部200Sが形成されている。
これにより、係合部210に対し、下押型の第1可動パネル30Aと上押型の第2可動パネル30Bのいずれのタイプにおける被係合部40が接触した場合でも、例えば上記した逃げテーパー部と協働して係合壁42を意図した方向(内方または外方)へ移動させることが可能となっている。
次いで図10も参照しつつ、閉栓時における安全キャップ100の被係合部40と容器200の係合部210との状態遷移について説明する。
本実施形態のキャップ付き容器ユニットCUを使用して閉栓する場合、まず使用者は容器200の口部200aに安全キャップ100を装着して閉栓方向CDに沿って回す動作を行う。なお図示では閉栓方向CDは時計回りで示されているが、反時計回りを閉栓方向としてもよい。
このように本実施形態においては、例えば図6に示すように、第1逃げテーパー部42t1は閉栓方向CDに関して周方向内側(中心側)へ向けて傾斜して先が徐々に幅狭となるテーパー状となっており、一方で第2逃げテーパー部42t2は閉栓方向CDに関して周方向外側(中心とは反対側)へ向けて先が徐々に幅狭となるテーパー状となっている。これにより、第1逃げテーパー部42t1と第2逃げテーパー部42t2が閉栓時にそれぞれ係合部210と当接した際に、第1逃げテーパー部42t1は径方向内方(中心側)へシフトするとともに第2逃げテーパー部42t2は径方向外方(中心とは反対側)へシフトすることができる。
この図10(γ)の状態が図1に示した閉栓状態を示している。例えばこの状態で第1可動パネル30Aのうち連結部31よりも上方側を押圧したとしても、第1厚肉部32が内周壁50と干渉することで押圧不能となる。したがって第1可動パネル30Aと連結する被係合部40(係合壁42)は、容器200の係合部210と同一軌道上から離脱することができず閉栓状態が維持されることになる。
このように閉栓時には、安全キャップ100の被係合部40と容器200の係合部210とが径方向に関して同一周上に位置することで、単純に安全キャップ100を開栓方向に回してもこれらが干渉することで開栓不能にされている。
すなわち、開栓に際して使用者は、まず複数の可動パネル30に対して正しい押圧組み合わせで押圧しながら開栓方向へ安全キャップ100を回す。より具体的には、本実施形態では第1可動パネル30Aでは連結部31より下方側を、第2可動パネル30Bでは連結部31より上方側をそれぞれ押圧しながら開栓方向に安全キャップ100を回す。
すなわち閉栓時においては上記した正しい押圧組み合わせ以外の態様で可動パネル30を押圧しても開栓は不能であり、幼児などが誤って容器を開栓してしまうことが大幅に抑制される。一方で正しい組み合わせで可動パネル30を押圧すれば、過度に複雑化させることなく開栓動作を実行することが可能となっている。これに加え、本実施形態の安全キャップ100が2ピース構造ではないため、部品点数の上昇によるコスト増も抑制することが可能となっている。
例えば上記した実施形態においては、安全キャップにおける被係合部40の数と、容器200における係合部210の数とを一致させているが(上記例ではそれぞれ2つずつ)、それぞれが少なくとも2つ以上あれば、互いの数が一致しないように構成してもよい。
10 天面板
20 外周壁
30 可動パネル
30A 第1可動パネル
30B 第2可動パネル
31 連結部
32 第1厚肉部
33 第2厚肉部
34 滑り止め加工(ローレット加工)
40 被係合部
41 鍔部
42 係合壁
50 内周壁
200 容器
200a 口部
200b 肩部
200S ネジ部
210 係合部
210a 内周側面
210b 外周側面
210in 内側通路
210out 外側通路
220 注出口
CU キャップ付き容器ユニット
Claims (9)
- 肩部に係合部が設けられた容器の口部と螺合するネジ部を備えた安全キャップであって、
天面板と、
前記天面板から垂下する外周壁と、
前記外周壁よりも内側で前記天面板から垂下する内周壁と、
開栓時に押圧されて可動する少なくとも2つの可動パネルと、
前記可動パネルと接続されて当該可動パネルへの押圧に連動して移動可能な被係合部と、を含み、
前記可動パネルは、上方と下方のうちいずれかの内周側に厚肉部を有する可動パネルを含んで構成され、
前記可動パネルは、前記厚肉部と前記内周壁とが干渉可能とすることで前記可動パネルの押圧位置が当該可動パネルにおける前記上方と前記下方のいずれかに規定され、
閉栓時には前記被係合部と前記係合部とが径方向に関して同一周上に位置することで開栓不能にされると共に、
前記厚肉部と前記内周壁との前記干渉を避けて前記可動パネルにおける前記上方又は前記下方を押圧することで、一方の前記被係合部が前記係合部の内方に移動すると共に他方の前記被係合部が前記係合部の外方に移動することで、前記被係合部と前記係合部との係合が外れて同一周上から離脱し開栓可能となる、
安全キャップ。 - 前記内周壁に前記ネジ部が配設されると共に、前記外周壁の一部が欠かれて前記可動パネルが配設されてなる、請求項1に記載の安全キャップ。
- 前記可動パネルは、
軸方向における中央に配置された連結部を介して前記外周壁に連結されている、請求項1又は2に記載の安全キャップ。 - 前記可動パネルは、
前記上方の内周側に前記厚肉部を有する下押型の第1可動パネルと、
前記下方の内周側に前記厚肉部を有する上押型の第2可動パネルと、を含んで構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載の安全キャップ。 - 前記第1可動パネルと前記第2可動パネルが前記天面板の中心を挟んで互いに対向するように、前記外周壁にそれぞれ設けられてなる、請求項4に記載の安全キャップ。
- 前記第1可動パネルを構成する係合壁のうち閉栓方向における先端部には、当該係合壁を前記係合部の内周側へ通過させるための第1逃げテーパー部が形成され、
前記第2可動パネルを構成する係合壁のうち閉栓方向における先端部には、当該係合壁を前記係合部の外周側へ通過させるための第2逃げテーパー部が形成されてなる、請求項4又は5に記載の安全キャップ。 - 前記被係合部は、
前記可動パネルの中央領域から内周側に延在する鍔部と、
前記鍔部から垂下して前記可動パネルと対向する係合壁と、
を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の安全キャップ。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載の安全キャップと、
前記安全キャップの被係合部と係合する係合部が肩部に形成された容器と、
を含むキャップ付き容器ユニット。 - 前記係合部のうち閉栓方向における末端部には、前記被係合部を内方と外方のいずれの側にもシフト可能な第3逃げテーパー部が形成されてなる、請求項8に記載のキャップ付き容器ユニット。
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