以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図9を参照して、本発明の第1実施形態によるインバータ装置100の構成について説明する。なお、インバータ装置100は、特許請求の範囲の「電子機器」の一例である。
図1に示すように、インバータ装置100は、筐体10と、外部接続端子20と、カバー部材30と、を備えている。なお、外部接続端子20は、特許請求の範囲の「端子」の一例である。
筐体10は、上下方向(Z方向)に延びる略直方体形状を有する。筐体10は、筐体10の下部に設けられた車輪を介して、設置面(図示しない)に設置されている。筐体10は、外部接続端子20を内部で固定した状態で収納している。図2に示すように、筐体10の上部の前側(Y1側)には、水平面(XY平面)に延びるように、筐体開口部11a(図3参照)が形成された部分11が配置されている。筐体開口部11aは、外部接続端子20の一部を外部に突出させるため開口部である。なお、筐体開口部11aは、特許請求の範囲の「第1開口部」の一例である。
以下の説明では、筐体10の上下方向、左右方向、前後方向を、それぞれ、Z方向、X方向、Y方向とする。また、筐体10の上方向(上側)、下方向(下側)、左方向(左側)、右方向(右側)、前方向(前側)および後方向(後側)を、それぞれ、Z1方向、Z2方向、X1方向、X2方向、Y1方向およびY2方向とする。
外部接続端子20は、導電性を有する。外部接続端子20は、上下方向(Z方向)に延びるように、板状に形成されている。第1実施形態では、外部接続端子20は、筐体10が設置面に設置された状態で、外部接続端子20の一部が、筐体10の外部に上方向(Z1方向)に突出するように構成されている。外部接続端子20は、筐体10から外部に突出した部分に、インバータ装置100の外部の端子(図示しない)を接続するための開口21が形成されている。インバータ装置100では、外部接続端子20は、互いに隣り合うように2つ設けられている。2つの外部接続端子20は、互いに離間して、X方向に並ぶように配置されている。
カバー部材30は、絶縁性を有する。カバー部材30は、弾性を有するシート状に形成されている。図9に示すように、カバー部材30は、部分11の厚みt1と比較して薄い厚みt3を有する。カバー部材30は、たとえば、ノーメックスである。図5に示すように、カバー部材30には、外部接続端子20を貫通させるためのカバー部材開口部31が形成されている。図2に示すように、カバー部材30は、外部接続端子20がカバー部材開口部31に貫通した状態で、筐体開口部11a(図3参照)を覆うように設けられる。なお、カバー部材開口部31は、特許請求の範囲の「第2開口部」の一例である。
カバー部材30は、2つの外部接続端子20のそれぞれに対応するように2つ設けられている。第1実施形態では、2つの外部接続端子20がカバー部材開口部31に貫通するとともにカバー部材30が筐体開口部11aを覆うように設けられた状態で2つのカバー部材30の互いに隣り合う部分30aが、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる貫通方向(Z方向)から見て、オーバラップするように構成されている。
ここで、第1実施形態では、カバー部材30は、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際に、貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材30が湾曲するように構成されている。詳細には、カバー部材30は、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状を有するカバー部材開口部31の長辺の大きさL31(図5参照)が、略長方形状を有する外部接続端子20の長辺の大きさL21(図4参照)よりも小さくなるように構成されている。
具体的には、図4に示すように、外部接続端子20は、Z方向から見て、長辺の大きさL21および短辺の大きさL22の略長方形状を有する。また、図5に示すように、カバー部材開口部31は、Z方向から見て、長辺の大きさL31および短辺の大きさL32の略長方形状を有する。そして、カバー部材開口部31の長辺の大きさL31は、外部接続端子20の長辺の大きさL21よりも小さい。これにより、図6に示すように、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際に、カバー部材30において、カバー部材開口部31の短辺(X1側およびX2側の辺)に隣接する部分(湾曲部分32)が湾曲する。なお、第1実施形態では、カバー部材開口部31の長辺および短辺のうち、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材30が湾曲しない方向に沿った辺(短辺)の大きさL32は、外部接続端子20のY方向の寸法公差の最大値に設定されている。なお、湾曲部分32は、特許請求の範囲の「(カバー部材30が湾曲する)部分」の一例である。
また、図5に示すように、第1実施形態では、カバー部材30は、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際にカバー部材30を湾曲させるための切り込み33を含む。そして、切り込み33は、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際にカバー部材30が湾曲する湾曲部分32の近傍に形成されている。
具体的には、切り込み33は、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状のカバー部材開口部31の4隅に、カバー部材開口部31の長辺方向(X方向)に沿うように設けられている。すなわち、切り込み33は、湾曲部分32を挟み込むように、湾曲部分32のY1側およびY2側に形成されている。また、湾曲部分32と切り込み33とは、カバー部材30において、X1側およびX2側に形成されている。
また、図9に示すように、第1実施形態では、カバー部材30は、貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)に湾曲した状態で、カバー部材30と外部接続端子20とが接触するとともに、湾曲した方向(Z1方向)にカバー部材30に対して作用する反発力により、外部接続端子20に対する相対位置が固定されるように構成されている。
具体的には、図6に示すように、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる場合、カバー部材30が、外部接続端子20に対して、上側(Z1側)から下側(Z2側)に押し込まれる。なお、インバータ装置100では、外部接続端子20の上部のX1側およびX2側には、面取りされた角部20b(図4参照)が設けられているので、カバー部材開口部31に外部接続端子20を上側(Z1側)から容易に貫通させることが可能である。図7に示すように、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通している状態では、外部接続端子20の側面20aのカバー部材開口部31と接する部分には、カバー部材30の湾曲部分32から下方向(Z2方向)の力が作用する。同時に、カバー部材30の湾曲部分32には、外部接続端子20の側面20aから上方向(Z1方向)の力が作用する。すなわち、カバー部材30の湾曲部分32と外部接続端子20の側面20aとの間には、互いにの相対位置を維持するように、上下方向(Z方向)の摩擦力が作用する。
そして、図8に示すように、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させた状態で、カバー部材30が筐体開口部11aを覆う位置まで、カバー部材30が、上側(Z1側)から下側(Z2側)に押し込まれる。図9に示すように、カバー部材30が筐体開口部11aを覆う位置に配置されている状態では、カバー部材30の下面30bの一部が、部分11と接触した状態(カバー部材30の一部が部分11に載置された状態)となる。これにより、インバータ装置100では、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させた状態、かつ、カバー部材30が筐体開口部11aを覆う状態で、カバー部材30が筐体10に対して固定される。
(第1施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、カバー部材30を、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際に、カバー部材開口部31が外部接続端子20を貫通する貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材30が湾曲するように、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状を有するカバー部材開口部31の長辺の大きさL31が、略長方形状を有する外部接続端子20の長辺の大きさL21よりも小さくなるように構成する。これにより、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際に湾曲するカバー部材30の湾曲部分32により、カバー部材30を外部接続端子20に対して固定することができる。したがって、カバー部材30が外部接続端子20に対して直接固定されるので、カバー部材30が筐体10に対して固定される場合と異なり、カバー部材30および外部接続端子20と、筐体10との組み立て公差を考慮する必要がない。すなわち、この組み立て公差を考慮する必要がない分、カバー部材開口部31の大きさを小さくすることができるので、外部接続端子20とカバー部材30のカバー部材開口部31との間の隙間から、異物等が侵入するのを抑制することができる。その結果、外部接続端子20を外部に突出させながら、異物等の侵入を抑制することができる。
また、従来のように、カバー部材30が筐体10に対して固定される場合、作業者が外部接続端子20に触れた際に、外部接続端子20が移動することに起因して、外部接続端子20とカバー部材30とが接触する。これに対して、第1実施形態では、カバー部材30が外部接続端子20に対して直接固定されるので、作業者が外部接続端子20に触れた場合でも、外部接続端子20とともにカバー部材30が移動する。これにより、外部接続端子20とカバー部材30とが接触することに起因する外部接続端子20(または、カバー部材30)の破損を抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、カバー部材30を、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際にカバー部材30を湾曲させるための切り込み33を含むように構成する。これにより、切り込み33を用いて、カバー部材30を容易に湾曲させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、切り込み33を、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際にカバー部材30が湾曲する湾曲部分32の近傍に形成させる。これにより、切り込み33がカバー部材30の湾曲する湾曲部分32の近傍に形成されているので、カバー部材30をより容易に湾曲させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、切り込み33を、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状のカバー部材開口部31の4隅に設ける。これにより、カバー部材開口部31の短辺側の端部が湾曲する場合でも、カバー部材30の湾曲する湾曲部分32を切り込み33に挟まれるように配置することができるので、カバー部材30を確実に湾曲させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、カバー部材30を、貫通方向(Z方向)から見て、カバー部材開口部31の長辺の大きさL31が、外部接続端子20の長辺の大きさL21よりも小さくなるように構成する。そして、切り込み33を、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状のカバー部材開口部31の4隅に、カバー部材開口部31の長辺方向(X方向)に沿うように設ける。これにより、カバー部材30に外部接続端子20を貫通させることにより、外部接続端子20の長辺方向の一方側(X1側)と他方側(X2側)とにおいて、切り込み33に囲まれたカバー部材30の部分(カバー部材開口部31の短辺に対応する部分)が湾曲する。その結果、外部接続端子20の長辺方向の両側がカバー部材30の湾曲による力によって固定されるので、外部接続端子20に対してカバー部材30を効果的に固定することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、カバー部材開口部31の長辺および短辺のうち、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材30が湾曲しない方向に沿った辺(短辺)の大きさL32を、外部接続端子20の寸法公差の最大値に設定する。これにより、カバー部材30が湾曲しない方向に沿った辺(短辺)に対応するカバー部材開口部31の辺(短辺)において、カバー部材30と外部接続端子20との間の隙間が大きくなるのを確実に抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、カバー部材30を、貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)に湾曲した状態で、カバー部材30と外部接続端子20とが接触するとともに、湾曲した方向(Z1方向)にカバー部材30に対して作用する反発力により、外部接続端子20に対する相対位置が固定されるように構成する。これにより、カバー部材30と外部接続端子20とを固定するための部材を別途設けることなく、反発力によって、カバー部材30と外部接続端子20とを固定することができる。その結果、部品点数が増加するのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、インバータ装置100を、筐体10が設置面に設置された状態で、外部接続端子20の一部が、筐体10の外部に上方向(Z1方向)に突出するように構成する。そして、カバー部材30を、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる際に、外部接続端子20の一部が筐体10の外部に突出する上方向に湾曲するように構成する。これにより、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させた状態でカバー部材30が筐体開口部11aを覆う位置にカバー部材30を配置させた場合、カバー部材30は筐体開口部11aを覆うように筐体開口部11aの上側(Z1側)に配置(載置)されるので、カバー部材30自身の重力により、カバー部材30が筐体開口部11aを覆う位置から外れてしまうのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、外部接続端子20を、互いに隣り合うように複数(2つ)設ける。また、カバー部材30を、複数の外部接続端子20のそれぞれに対応するように複数設ける。そして、インバータ装置100を、複数の外部接続端子20がカバー部材開口部31に貫通するとともにカバー部材30が筐体開口部11aを覆うように設けられた状態で複数のカバー部材30の互いに隣り合う部分30aが、カバー部材開口部31に外部接続端子20を貫通させる貫通方向(Z方向)から見て、オーバラップするように構成する。これにより、カバー部材30は、複数の外部接続端子20のそれぞれに対応するように複数設けられているので、カバー部材開口部31におけるカバー部材30と外部接続端子20との間の隙間を、1つの外部接続端子20の寸法公差の最大値に設定することができる。その結果、カバー部材30が複数の外部接続端子20に対応するように設けられる場合と比較して、筐体10に対して互いに別々に固定される複数の外部接続端子20同士の組み立て公差を考慮する必要がないので、カバー部材開口部31におけるカバー部材30と外部接続端子20との間の隙間が大きくなるのをより抑制することができる。また、複数のカバー部材30の互いに隣り合う部分30aが貫通方向(Z方向)から見てオーバラップするので、複数の外部接続端子20のそれぞれにカバー部材30を設けた場合でも、複数のカバー部材30同士の間に隙間が生じるのを抑制しながら、カバー部材30により筐体開口部11aを覆うことができる。
[第2実施形態]
図10および図11を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、カバー部材開口部31の長辺の大きさL31が、略長方形状を有する外部接続端子20の長辺の大きさL21よりも小さくなるように構成した第1実施形態と異なり、カバー部材開口部231の短辺の大きさL232が、略長方形状を有する外部接続端子20の短辺の大きさL22よりも小さくなるように構成されている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
図10に示すように、本発明の第2実施形態によるインバータ装置200は、カバー部材230を備えている。カバー部材230には、外部接続端子20を貫通させるためのカバー部材開口部231(図11参照)が形成されている。カバー部材230は、外部接続端子20がカバー部材開口部231に貫通した状態で、筐体開口部11aを覆うように設けられる。なお、カバー部材開口部231は、特許請求の範囲の「第2開口部」の一例である。
ここで、第2実施形態では、カバー部材230は、カバー部材開口部231に外部接続端子20を貫通させる際に、貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材230が湾曲するように構成されている。詳細には、図11に示すように、カバー部材230は、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状を有するカバー部材開口部231の短辺の大きさL232が、略長方形状を有する外部接続端子20の短辺の大きさL22(図4参照)よりも小さくなるように構成されている。
具体的には、カバー部材開口部231は、Z方向から見て、長辺の大きさL231および短辺の大きさL232の略長方形状を有する。そして、カバー部材開口部231の短辺の大きさL232は、外部接続端子20の短辺の大きさL22よりも小さい。これにより、図10に示すように、カバー部材開口部231に外部接続端子20を貫通させる際に、カバー部材230において、カバー部材開口部231の長辺(Y1側およびY2側の辺)に隣接する部分(湾曲部分232)が湾曲する。なお、第2実施形態では、カバー部材開口部231の長辺および短辺のうち、カバー部材開口部231に外部接続端子20を貫通させる貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材230が湾曲しない辺(長辺)の大きさL231は、外部接続端子20のX方向の寸法公差の最大値に設定されている。なお、湾曲部分232は、特許請求の範囲の「(カバー部材230が湾曲する)部分」の一例である。
また、図11に示すように、第2実施形態では、カバー部材230は、カバー部材開口部231に外部接続端子20を貫通させる際にカバー部材230を湾曲させるための切り込み233を含む。そして、切り込み233は、カバー部材開口部231に外部接続端子20を貫通させる際にカバー部材230が湾曲する湾曲部分232の近傍に形成されている。
具体的には、切り込み233は、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状のカバー部材開口部231の4隅に、カバー部材開口部231の短辺方向(Y方向)に沿うように設けられている。すなわち、切り込み233は、湾曲部分232を挟み込むように、湾曲部分232のX1側およびX2側に形成されている。また、湾曲部分232と切り込み233とは、カバー部材230において、Y1側およびY2側に形成されている。
なお、第2実施形態によるインバータ装置200のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、カバー部材230を、カバー部材開口部231に外部接続端子20を貫通させる際に、カバー部材開口部231が外部接続端子20を貫通する貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材230が湾曲するように、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状を有するカバー部材開口部231の短辺の大きさL232が、略長方形状を有する外部接続端子20の短辺の大きさL22よりも小さくなるように構成する。これにより、カバー部材開口部231に外部接続端子20を貫通させる際に湾曲するカバー部材230の湾曲部分232により、カバー部材230を外部接続端子20に対して固定することができる。したがって、カバー部材230が外部接続端子20に対して直接固定されるので、上記第1実施形態と同様に、カバー部材230および外部接続端子20と、筐体10との組み立て公差を考慮する必要がない。すなわち、この組み立て公差を考慮する必要がない分、カバー部材開口部231の大きさを小さくすることができるので、外部接続端子20とカバー部材230のカバー部材開口部231との間の隙間から、異物等が侵入するのを抑制することができる。その結果、上記第1実施形態と同様に、外部接続端子20を外部に突出させながら、異物等の侵入を抑制することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、切り込み233を、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状のカバー部材開口部231の4隅に設ける。これにより、カバー部材開口部231の長辺側の端部が湾曲する場合でも、カバー部材230の湾曲する湾曲部分232を切り込み233に挟まれるように配置することができるので、カバー部材230を確実に湾曲させることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、カバー部材230を、貫通方向(Z方向)から見て、カバー部材開口部231の短辺の大きさL232が、外部接続端子20の短辺の大きさL22よりも小さくなるように構成する。そして、切り込み233を、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状のカバー部材開口部231の4隅に、カバー部材開口部231の短辺方向(Y方向)に沿うように設ける。これにより、カバー部材230に外部接続端子20を貫通させることにより、外部接続端子20の短辺方向の一方側(Y1側)と他方側(Y2側)とにおいて、切り込み233に囲まれたカバー部材230の部分(カバー部材開口部231の長辺に対応する部分)が湾曲する。その結果、外部接続端子20の短辺方向の両側がカバー部材230の湾曲による力によって固定されるので、外部接続端子20に対してカバー部材230を効果的に固定することができる。また、カバー部材230のカバー部材開口部231の長辺に対応する部分は、比較的長いので、カバー部材230のカバー部材開口部231の短辺に対応する部分によってカバー部材230を固定する場合と比べて、より安定して、外部接続端子20に対してカバー部材230を固定することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、カバー部材開口部231の長辺および短辺のうち、カバー部材開口部231に外部接続端子20を貫通させる貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材230が湾曲しない方向に沿った辺(長辺)の大きさL231を、外部接続端子20の寸法公差の最大値に設定する。これにより、上記第1実施形態と同様に、カバー部材230が湾曲しない方向に沿った辺(長辺)に対応するカバー部材開口部231の辺(長辺)において、カバー部材230と外部接続端子20との間の隙間が大きくなるのを確実に抑制することができる。
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
図12および図13を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、カバー部材開口部31の長辺の大きさL31が、略長方形状を有する外部接続端子20の長辺の大きさL21よりも小さくなるように構成した第1実施形態と、カバー部材開口部231の短辺の大きさL232が、略長方形状を有する外部接続端子20の短辺の大きさL22よりも小さくなるように構成した第2実施形態とを組み合わせて構成されている。なお、図中において、上記第1および第2実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
図12に示すように、本発明の第3実施形態によるインバータ装置300は、カバー部材330を備えている。カバー部材330には、外部接続端子20を貫通させるためのカバー部材開口部331(図13参照)が形成されている。カバー部材330は、外部接続端子20がカバー部材開口部331に貫通した状態で、筐体開口部11aを覆うように設けられる。なお、カバー部材開口部331は、特許請求の範囲の「第2開口部」の一例である。
ここで、第3実施形態では、カバー部材330は、カバー部材開口部331に外部接続端子20を貫通させる際に、貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材330が湾曲するように構成されている。詳細には、図13に示すように、カバー部材330は、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状を有するカバー部材開口部331の長辺の大きさL31(図5参照)が、略長方形状を有する外部接続端子20の長辺の大きさL21(図4参照)よりも小さくなるように構成されている。また、カバー部材330は、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状を有するカバー部材開口部331の短辺の大きさL232(図11参照)が、略長方形状を有する外部接続端子20の短辺の大きさL22(図4参照)よりも小さくなるように構成されている。
具体的には、カバー部材開口部331は、Z方向から見て、長辺の大きさL31および短辺の大きさL232の略長方形状を有する。そして、カバー部材開口部331の長辺の大きさL31は、外部接続端子20の長辺の大きさL21よりも小さい。また、カバー部材開口部331の短辺の大きさL232は、外部接続端子20の短辺の大きさL22よりも小さい。これにより、図12に示すように、カバー部材開口部331に外部接続端子20を貫通させる際に、カバー部材330において、カバー部材開口部331の短辺(X1側およびX2側の辺)に隣接する部分(湾曲部分32)が湾曲するとともに、カバー部材開口部331の長辺(Y1側およびY2側の辺)に隣接する部分(湾曲部分232)が湾曲する。
なお、第3実施形態によるインバータ装置300のその他の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第3実施形態では、上記のように、カバー部材330を、カバー部材開口部331に外部接続端子20を貫通させる際に、カバー部材開口部331が外部接続端子20を貫通する貫通方向(Z方向)の一方(Z1側)にカバー部材330が湾曲するように、貫通方向(Z方向)から見て、略長方形状を有するカバー部材開口部331の長辺の大きさL31が、略長方形状を有する外部接続端子20の長辺の大きさL21よりも小さくなるように構成するとともに、略長方形状を有するカバー部材開口部331の短辺の大きさL232が、略長方形状を有する外部接続端子20の短辺の大きさL22よりも小さくなるように構成する。これにより、カバー部材開口部331に外部接続端子20を貫通させる際に湾曲するカバー部材330の湾曲部分32、232により、カバー部材330を外部接続端子20に対して固定することができる。その結果、上記第1および第2実施形態と同様に、外部接続端子20を外部に突出させながら、異物等の侵入を抑制することができる。
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
[第4実施形態]
図14~図17を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、貫通方向(Z方向)に直交する面内のカバー部材30が湾曲する湾曲部分32に対応する位置に、カバー部材30のカバー部材開口部31側の端部30cが挿入されるスリット422を含むように構成されている。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成の部分には、同一の符号を付している。
図14に示すように、本発明の第4実施形態によるインバータ装置400は、外部接続端子420を備えている。なお、外部接続端子420は、特許請求の範囲の「端子」の一例である。
ここで、第4実施形態では、外部接続端子420は、カバー部材30のカバー部材開口部31側の端部30c(図17参照)が挿入されるスリット422(図15参照)を含む。スリット422は、カバー部材30が筐体開口部11aを覆うように設けられた場合の、貫通方向(Z方向)に直交する面内(XY平面)のカバー部材30が湾曲する湾曲部分32に対応する位置に形成されている。なお、スリット422は、特許請求の範囲の「凹部」の一例である。
具体的には、図15に示すように、外部接続端子420のX方向の側面420aには、スリット422が形成されている。スリット422は、外部接続端子420のX1側およびX2側に設けられている。図16に示すように、スリット422は、カバー部材30が筐体開口部11aを覆うように設けられた状態で、カバー部材30が湾曲する湾曲部分32に対応するように、スリット422の下面422aが、部分11の上面11bと略同じ高さ位置となるように形成されている。
また、第4実施形態では、カバー部材30は、カバー部材30の湾曲する湾曲部分32が、スリット422に挿入された状態で湾曲が解除されるとともに、カバー部材30の湾曲が解除された状態において、カバー部材30の湾曲していた湾曲部分32が、スリット422の内部に留まるように構成されている。
具体的には、カバー部材30が筐体開口部11aを覆うように設けられ、かつ、カバー部材30の湾曲部分32が湾曲した状態(図16の状態)では、カバー部材30の湾曲部分32が、外部接続端子420の側面420aに接している。そして、カバー部材30の湾曲部分32が湾曲した状態(図16の状態)から、湾曲部分32を下方向(Z2方向)に押し込むと、カバー部材30の湾曲部分32がスリット422に挿入された状態(図17の状態)となる。
図17に示すように、カバー部材30の湾曲部分32がスリット422に挿入された状態では、カバー部材30の湾曲部分32は湾曲が解除されている。また、カバー部材30の湾曲部分32のスリット422側の端部30cが、外部接続端子420の側面420aよりも内側(外部接続端子420側)に配置された状態となる。そして、上方向(Z1方向)に引き出す力が作用しない場合、カバー部材30の湾曲部分32がスリット422に挿入された状態が維持される。
なお、カバー部材30の湾曲部分32の湾曲が解除された状態では、カバー部材30の湾曲部分32のスリット422側の端部30cと、スリット422の湾曲部分32と対向する面422cとの間には、大きさL424の隙間が形成されている。大きさL424の隙間は、カバー部材開口部31のX方向の大きさを、外部接続端子420の寸法公差に基づいて設定した結果生じた隙間である。これにより、インバータ装置400では、カバー部材30と外部接続端子420との水平面(XY平面)内の相対位置が比較的小さい範囲に規制される。
なお、第4実施形態によるインバータ装置400のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第4実施形態では、上記のように、外部接続端子420を、カバー部材30が筐体開口部11aを覆うように設けられた場合の、貫通方向(Z方向)に直交する面内のカバー部材30が湾曲する湾曲部分32に対応する位置に、カバー部材30のカバー部材開口部31側の端部30cが挿入されるスリット422を含むように構成する。これにより、カバー部材30が筐体開口部11aを覆う位置にカバー部材30を配置させた場合に、カバー部材30が湾曲する湾曲部分32を、外部接続端子420のスリット422に挿入することができる。その結果、カバー部材が湾曲する湾曲部分32が外部接続端子420のスリット422に挿入されているので、カバー部材30に意図しない圧力が作用した場合に、カバー部材30が外部接続端子420から外れてしまうのを抑制することができる。
また、第4実施形態では、上記のように、カバー部材30を、カバー部材30の湾曲する湾曲部分32が、スリット422に挿入された状態で湾曲が解除されるとともに、カバー部材30の湾曲が解除された状態において、カバー部材30の湾曲していた湾曲部分32が、スリット422の内部に留まるように構成する。これにより、カバー部材30の湾曲する湾曲部分32がスリット422に挿入された状態が維持されるので、カバー部材30に意図しない圧力が作用した際に、カバー部材30が外部接続端子420から外れてしまうのを確実に抑制することができる。
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、インバータ装置100(200、300、400)を、複数のカバー部材30(230、330)の互いに隣り合う部分30aが、貫通方向(Z方向)から見て、オーバラップするように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、インバータ装置を、複数のカバー部材の互いに隣り合う部分が、貫通方向から見て、オーバラップしないように構成してもよい。
また、上記実施形態では、上記第1~第4実施形態では、外部接続端子20(420)を、互いに隣り合うように複数設けるとともに、カバー部材30(230、330)を、複数の外部接続端子20(420)のそれぞれに対応するように複数設けるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、外部接続端子を、互いに隣り合うように複数設けるとともに、1つのカバー部材を、複数の外部接続端子に対応するように設けるように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、外部接続端子20(420)を、2つ設けるとともに、カバー部材30(230、330)を、複数の外部接続端子20(420)のそれぞれに対応するように2つ設けるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、外部接続端子を、1つだけ設けるように構成してもよいし、3つ以上設けるように構成してもよい。また、カバー部材を、1つだけ設けるように構成してもよいし、3つ以上設けるように構成してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、筐体10が設置面に設置された状態で、外部接続端子20(420)の一部が、筐体10の外部に上方向(Z1方向)に突出するように構成し、カバー部材30(230、330)を、カバー部材開口部31(231、331)に外部接続端子20(420)を貫通させる際に、上方向(Z1方向)に湾曲するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、筐体が設置面に設置された状態で、外部接続端子の一部が、筐体の外部に下方向(Z2方向)、左右方向(X方向)および前後方向(Y方向)等の上方向(Z1方向)以外の方向に突出するように構成し、カバー部材を、カバー部材開口部に外部接続端子を貫通させる際に、下方向(Z2方向)、左右方向(X方向)および前後方向(Y方向)等の上方向(Z1方向)以外に湾曲するように構成してもよい。
また、上記第4実施形態では、外部接続端子420を、カバー部材30が筐体開口部11aを覆うように設けられた場合の、貫通方向(Z方向)に直交する面内のカバー部材30が湾曲する湾曲部分32に対応する位置に、カバー部材30のカバー部材開口部31側の端部30cが挿入されるスリット422を含むように構成した(すなわち、上記第1実施形態のインバータ装置100の構成にスリット422を付加した)例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、上記第2実施形態のインバータ装置200および上記第3実施形態のインバータ装置300の構成にスリット422を付加してもよい。
また、上記第1~第4実施形態では、本発明の「電子機器」を、インバータ装置100(200、300、400)として構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、「電子機器」を、筐体の開口部から端子が突出している構成を有するインバータ装置以外の電子機器に適用してもよい。