[1.決済システムの全体構成]
本開示に係る決済システムの実施形態の一例を説明する。図1は、決済システムの全体構成の一例を示す図である。決済システムSは、決済サーバ10、カードサーバ20、及びユーザ端末30を含む。これらは、インターネット等のネットワークNに接続可能である。決済システムSは、少なくとも1つのコンピュータを含めばよく、図1の例に限られない。
決済サーバ10は、ユーザに決済サービスを提供する提供者のサーバコンピュータである。決済サービスは、電子決済に関するサービスである。電子決済は、キャッシュレス決済と呼ばれることもある。制御部11は、少なくとも1つのプロセッサを含む。記憶部12は、RAM等の揮発性メモリと、ハードディスク等の不揮発性メモリと、を含む。通信部13は、有線通信用の通信インタフェースと、無線通信用の通信インタフェースと、の少なくとも一方を含む。
カードサーバ20は、ユーザのクレジットカードを発行したカード会社のサーバコンピュータである。制御部21、記憶部22、及び通信部23の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。
ユーザ端末30は、ユーザのコンピュータである。例えば、ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、又はパーソナルコンピュータである。制御部31、記憶部32、及び通信部33の物理的構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であってよい。操作部34は、タッチパネル等の入力デバイスである。表示部35は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。
なお、決済サーバ10、カードサーバ20、及びユーザ端末30の各々に記憶されるプログラムは、ネットワークNを介して供給されてもよい。また、情報記憶媒体に記憶されたプログラムが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を読み取る読取部(例えば、光ディスクドライブやメモリカードスロット)、又は、外部機器とデータの入出力をするための入出力部(例えば、USBポート)を介して供給されてもよい。
[2.決済システムの概要]
本実施形態では、ユーザが決済アプリから決済サービスを利用する場合を例に挙げる。決済アプリは、決済サービスの提供者が提供するアプリケーションである。決済アプリは、ユーザ端末30にインストールされる。決済サービスで利用可能な決済手段は、任意の種類であってよい。例えば、電子マネー、ポイント、クレジットカード、デビットカード、銀行口座、ウォレット、又は仮想通貨が、決済手段として利用可能である。決済手段は、支払手段と呼ばれることもある。バーコード又は二次元コードといったコードが決済手段に相当することもある。決済手段は、電子決済で利用される何らかの手段であればよい。
図2は、ユーザ端末30に表示される画面の一例を示す図である。例えば、ユーザ端末30の決済アプリが起動すると、ユーザが決済サービスにログインするためのログイン処理が実行される。本実施形態では、ユーザは、決済サービスに利用登録済みであるものとする。例えば、ユーザは、決済サービスにおけるユーザID及びパスワードを入力する。ログイン処理が成功すると、決済アプリのホーム画面G1が表示部35に表示される。
ホーム画面G1には、決済サービスにおいてユーザを識別可能なコードIDを含むコードC10が表示される。コードIDは、ユーザIDとは異なる情報である。決済サーバ10は、他のユーザのコードIDと重複しないように、コードIDを発行する。コードIDは、任意のタイミングで更新可能である。例えば、決済アプリが起動した場合、ホーム画面G1が表示された場合、コードIDの有効期限が切れた場合、又はユーザが所定の操作をした場合に、コードIDが更新される。
図2の例では、バーコード及び二次元コードの両方がコードC10として表示される場合を示しているが、コードC10自体は、任意のコードであってよい。例えば、バーコード又は二次元コードの何れか一方のみがコードC10として表示されてもよい。例えば、ユーザが訪れた店舗の端末でコードC10が読み取られると、ユーザが支払元として設定した決済手段に基づいて、決済処理が実行される。
本実施形態では、支払元が電子マネーである場合を例に挙げる。図2の例では、決済サービスの提供者「AAAペイ」が提供するオンライン型の電子マネー「AAAキャッシュ」が支払元である。例えば、店舗の端末でコードC10が読み取られると、電子マネーの残高が所定の額だけ減少するように、決済処理が実行される。決済処理自体は、公知の処理を利用可能である。コードC10は、店舗の端末以外にも、自動販売機等の任意の端末で読み取り可能である。
なお、ユーザが決済アプリから利用可能な決済方法は、コードC10を利用する方法に限られない。例えば、店舗に掲示されたコードをユーザ端末30で読み取る決済方法、店舗の端末に表示されたコードをユーザ端末30で読み取る決済方法、又は、ユーザ端末30に対する操作のみで完結する決済方法といった任意の方法を利用可能である。
例えば、ユーザがボタンB11を選択すると、電子マネーのメニューM12が表示部35に表示される。本実施形態では、電子マネーの残高として、プレミアム型の残高と、基本型の残高と、の2つが存在する。メニューM12には、これらの残高が表示される。これらの残高の詳細は、後述する。メニューM12では、電子マネーに関する各種操作が可能である。本実施形態では、ユーザが、メニューM12のボタンB13を選択して、電子マネーにチャージする流れを説明する。例えば、ユーザがボタンB13を選択すると、チャージ画面G2が表示部35に表示される。例えば、ユーザは、入力フォームF20にチャージ額を入力する。
本実施形態では、複数のチャージ方法が用意されている。チャージ方法とは、電子マネーのチャージで利用する決済手段の種類である。例えば、クレジットカード、デビットカード、ポイント、及び銀行口座からのチャージが可能だったとすると、少なくとも4つのチャージ方法が存在する。ユーザが複数のクレジットカードを保有する場合には、チャージ方法は、クレジットカードの種類を意味する。電子マネーにチャージ可能なポイントが複数存在する場合には、チャージ方法は、ポイントの種類を意味する。
チャージ画面G2には、ユーザが選択可能なチャージ方法を示すボタンB21が表示される。ユーザは、ボタンB21を選択することによって、複数のチャージ方法の何れかを選択する。図2の例では、ユーザが、「クレジットカードX」及び「クレジットカードY」の2枚のクレジットカードを、決済アプリに登録している。ユーザは、これら2枚のクレジットカードのうちの任意の方を利用して、電子マネーにチャージできる。他にも例えば、決済サービスと連携するフリーマーケットサービス「BBBマーケット」の売上金からチャージするチャージ方法も選択可能である。
本実施形態では、ユーザは、「クレジットカードX」のキャッシング枠を利用して、プレミアム型の残高にチャージできる。以降、キャッシング枠を利用したチャージ方法を、プレミアムチャージという。キャッシング枠とは、クレジットカードのキャッシング機能を利用して現金を借りる際の限度額である。従来は、クレジットカードのショッピング枠を利用したチャージ方法が利用されていたが、本実施形態では、キャッシング枠を利用したプレミアムチャージを利用可能である。
例えば、「クレジットカードX」は、決済サービスの提供者である「AAAペイ」と提携するカード会社である「AAAカード」が発行したクレジットカードである。「クレジットカードY」は、他のカード会社が発行したクレジットカードである。本実施形態では、「クレジットカードY」は、プレミアムチャージに対応していないものとするが、他のカード会社のクレジットカードがプレミアムチャージに対応してもよい。
例えば、ユーザが、プレミアムチャージを示すボタンB21を選択すると、「AAAカード」のウェブページP3が表示部35に表示される。本実施形態では、カードサーバ20は、プレミアムチャージが可能な「AAAカード」のカード会社により管理される。ウェブページP3は、カード会社が提供するカードサービスのページである。ユーザは、カードサービスの利用登録も済ませているものとする。ウェブページP3へのアクセスの際に、カードサービスにログインするためのログイン処理が実行されてもよい。
ウェブページP3には、「クレジットカードX」のキャッシング枠の利用限度額、借入可能額、チャージ額、及び支払方法といった情報が表示される。図3の例では、ユーザがキャッシング枠を利用しておらず、利用限度額及び借入可能額が同じである。ユーザがボタンB30を選択すると、プレミアムチャージが行われる。プレミアムチャージは、通常のキャッシングの仕組みを流用して実現される。
例えば、通常のキャッシングでは、借入可能額の範囲内で指定された借入額の現金が、ユーザの銀行口座に振り込まれたり、ATMから排出されたりする。一方、プレミアムチャージでは、現金が振り込まれたり排出されたりする代わりに、借入可能額の範囲内で指定されたチャージ額が、電子マネーにチャージされる。ユーザは、ATMを訪れて現金を引き出す必要がないので、プレミアムチャージでチャージされた電子マネーをすぐに利用できる。ユーザは、決済アプリからではなく、カードサービスに直接ログインすることによって、プレミアムチャージを利用することもできる。
図3は、カード会社のウェブページの一例を示す図である。ユーザが、カードサービスにログインすると、カードサービスのウェブページP4が表示部35に表示される。カード会社のウェブページP4では、カード会社が提供する種々のサービスを利用可能である。例えば、ウェブページP4から、利用可能額の確認、支払額の調整、登録情報の確認、又は登録情報の変更といったサービスを利用可能である。
例えば、ユーザが、キャッシングサービスを利用するためのボタンB40を選択すると、ウェブページP5が表示部35に表示される。キャッシングサービスは、クレジットカードのキャッシング枠を利用して借り入れをするサービスである。ユーザが、ボタンB50,B51を選択すると、先述した通常のキャッシングサービスを利用するための画面が表示される。例えば、ユーザが、この画面から借入額を指定すると、ユーザの銀行口座に現金が振り込まれる。
本実施形態のプレミアムチャージは、キャッシングサービスの1つである。例えば、ユーザがボタンB52を選択すると、図2と同様のウェブページP3が表示部35に表示される。ウェブページP3からチャージ額の指定が受け付けられてもよいし、ウェブページP5からウェブページP3に遷移するまでの間に表示されるページでチャージ額の指定が受け付けられてもよい。ユーザがボタンB30を選択すると、プレミアムチャージが行われる。
プレミアムチャージが行われた後に決済アプリが起動すると、図3のホーム画面G1のように、プレミアムチャージによるチャージ額だけ増加した電子マネーの残高が表示される。図3の例では、「クレジットカードX」のキャッシング枠を5000円分消費してチャージが行われるので、電子マネーの残高が6520円から5000円増えて11520円になる。
プレミアムチャージにより、キャッシング枠が5000円分消費されたので、ユーザの借入可能額は、100000円から95000円に減少する。ユーザがこの5000円分を返済すれば、借入可能額は、100000円に戻る。図2のように決済アプリからプレミアムチャージが行われた場合も、図3と同様のホーム画面G1が表示される。以上のように、本実施形態では、プレミアムチャージにより、キャッシング枠を利用する動機付けをユーザに与えることができる。以降、決済システムSの詳細を説明する。
[3.決済システムで実現される機能]
図4は、決済システムで実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。
[3-1.決済サーバで実現される機能]
データ記憶部100は、記憶部12を主として実現される。カード情報取得部101、チャージ要求受付部102、及びチャージ処理実行部103は、制御部11を主として実現される。
[データ記憶部]
データ記憶部100は、ユーザに決済サービスを提供するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部100は、決済データベースDB1を記憶する。
図5は、決済データベースDB1の一例を示す図である。図5に示すように、決済データベースDB1は、決済サービスにおけるユーザに関する情報が格納されたデータベースである。例えば、決済データベースDB1には、ユーザID、パスワード、氏名、コードID、有効期限、支払元情報、カード情報、電子マネー情報、銀行口座情報、利用履歴情報、及びチャージ履歴情報が格納される。決済データベースDB1に格納される情報は、ユーザに関する任意の情報であってよく、図5の例に限られない。
ユーザIDは、ユーザを識別可能なユーザ識別情報の一例である。ユーザ識別情報は、任意の情報であってよく、例えば、ユーザアカウントと呼ばれる情報、メールアドレス、又は電話番号であってもよい。例えば、ユーザ識別情報は、文字、数字、その他の記号、又はこれらの組み合わせである。ユーザID及びパスワードは、決済サービスにログインするために利用される。
本実施形態では、ユーザIDだけではなく、コードIDもユーザを識別可能な情報なので、コードIDもユーザ識別情報に相当する。コードC10には、何らかのユーザ識別情報が含まれるようにすればよい。コードC10には、コードIDではなく、ユーザID等の他のユーザ識別情報が含まれてもよい。有効期限は、コードIDが発行されてから所定時間後の時点である。有効期限は、任意の長さであってよく、例えば、1分~1時間程度であってもよいし、数時間~数日程度であってもよい。コードIDには、有効期限が設定されなくてもよい。
支払元情報は、支払元として設定された決済手段を識別可能な情報である。例えば、支払元として電子マネーが設定された場合、支払元情報は、電子マネーを識別可能な電子マネーIDであってもよい。例えば、支払元としてクレジットカードが設定された場合、支払元情報は、クレジットカードのカード番号であってもよい。カード情報は、ユーザのクレジットカードに関する情報である。例えば、カード情報は、カード番号、有効期限、及び名義人を含む。ユーザは、複数のクレジットカードを登録可能である。
電子マネー情報は、ユーザの電子マネーに関する情報である。例えば、電子マネー情報は、電子マネーの残高を示す情報を含む。本実施形態では、電子マネーは、キャッシング枠を利用してチャージ可能なプレミアム型の残高と、クレジットカードのショッピング枠を利用してチャージ可能な基本型の残高と、を含む。このため、電子マネー情報は、プレミアム型の残高を示す情報と、基本型の残高を示す情報と、を含む。
プレミアム型の残高は、第1残高の一例である。基本型の残高は、第2残高の一例である。このため、プレミアム型の残高と記載した箇所は、第1残高と読み替えることができる。基本型の残高と記載した箇所は、第2残高と読み替えることができる。なお、電子マネーは、第1残高及び第2残高に分けられていなくてもよく、1つの残高のみが存在してもよい。電子マネーは、3つ以上の残高が存在してもよい。ホーム画面G1には、第1残高及び第2残高の合計が表示されるものとするが、個々の残高が別々に表示されてもよい。
第1残高は、プレミアムチャージによって増加する残高である。第1残高は、プレミアムチャージによってのみ増加する残高であってもよいが、本実施形態では、第1残高は、他のチャージ方法でも増加する残高である場合を説明する。例えば、フリーマーケットサービスの売上金を利用したチャージ方法(以降、売上金チャージ)、又は、金融サービスで取引される仮想通貨を利用したチャージ方法(以降、仮想通貨チャージ)によって、第1残高が増加してもよい。
第1残高は、任意の目的で利用可能である。例えば、第1残高は、店舗等における支払で利用する目的(以降、支払目的)、他のユーザに残高の一部又は全部を送る目的(以降、送り目的)、及びユーザの銀行口座への出金目的で利用可能である。ユーザが他のユーザに第1残高の一部又は全部を送った場合、他のユーザの第1残高が増加する。第1残高を保有するために所定の申し込みが必要であり、他のユーザが、その申し込みをしていない場合には、ユーザが他のユーザに第1残高の一部又は全部を送った場合、他のユーザの第2残高が増加してもよい。即ち、ユーザの第1残高の一部又は全部が第2残高に変換されたうえで、他のユーザに送られてもよい。
第2残高は、クレジットカードのショッピング枠を利用したチャージ方法(以降、ショッピングチャージ)によって増加する残高である。第2残高は、ショッピングチャージによってのみ増加する残高であってもよいが、本実施形態では、第2残高は、他のチャージ方法でも増加する場合を説明する。例えば、第2残高は、ユーザが保有するポイントを利用したチャージ方法によって増加してもよい。
第2残高は、任意の目的で利用可能である。例えば、第2残高は、支払目的及び送り目的で利用可能である。ただし、ユーザが他のユーザに第2残高の一部又は全部を送った場合、他のユーザの第1残高ではなく第2残高が増加する。本実施形態では、第2残高は、出金目的では利用できないものとする。このため、ユーザの第2残高の一部又は全部を受け取った他のユーザは、出金目的では利用できないものとする。これにより、クレジットカードのショッピング枠を利用した現金化を防止できる。
本実施形態では、電子マネー情報には、残高の内訳を示す情報が含まれる。内訳は、残高を構成するチャージ分の情報である。例えば、内訳として、チャージ日時、チャージ方法に関するチャージ方法情報、及びチャージ額のうちの未利用分が電子マネー情報に含まれる。電子マネーの残高が、ある1回のチャージにおけるチャージ分のみを含む場合には、この残高の内訳は、当該1回のチャージにおけるチャージ分を示す。電子マネーの残高が、複数回のチャージの各々におけるチャージ分を含む場合には、この残高の内訳は、複数回のチャージの各々におけるチャージ分を示す。
図5のユーザ「山田 太郎」を例に挙げると、プレミアム型の残高である3500円の内訳は、2021年11月1日の11:23:50に行われたプレミアムチャージによる2000円分と、2021年11月5日の19:25:42に行われた売上金チャージによる1500円分と、である。この状態で、2021年11月10日の14:06:45に、1000円分のプレミアムチャージが行われると、プレミアム型の残高が4500円になる。4500円の残高の内訳として、2021年11月10日の14:06:45に行われたプレミアムチャージによる1000円分が追加される。基本型の残高も同様に、残高の内訳が存在する。
本実施形態では、電子マネーの残高は、チャージ日時が古い順に利用されるものとする。更に、プレミアム型の残高と、基本型の残高と、の両方が存在する場合には、プレミアム型の残高が優先的に利用されるものとする。電子マネーの残高は、予め定められた優先順位に基づいて利用されるようにすればよく、優先順位は、本実施形態の例に限られない。例えば、優先順位は、ユーザが任意に指定可能であってもよいし、チャージ頻度が高いほど優先順位が上がってもよい。
図5のユーザ「山田 太郎」を例に挙げると、支払目的で1500円分が利用される場合、プレミアム型の残高である3500円分の残高が優先的に利用される。更に、この3500円分の残高のうち、チャージ日時が最も古い2021年11月1日の11:23:50に行われたプレミアムチャージによる2000円分が優先的に利用される。1500円分の支払は、プレミアムチャージによる2000円分だけで足りるので、売上金チャージによる1500円分は利用されない。支払目的で1500円分が利用された後のプレミアム型の残高は、2000円になる。この2000円の内訳は、プレミアムチャージの残りの500円分と、売上金チャージの1500円分と、になる。
上記の例において、支払目的で3000円分が利用される場合、プレミアムチャージによる2000円分では足りない。この場合、プレミアムチャージのチャージ分だけではなく、売上金チャージのチャージ分が併用される。3000円分の支払では、プレミアムチャージによる2000円分の全てと、売上金チャージによる1500円分のうちの1000円分と、が利用される。支払目的で3000円分が利用された後のプレミアム残高は、500円になる。この500円の内訳は、売上金チャージの残りの500円分のみになる。プレミアムチャージのチャージ分は、全て利用されたので、内訳から消える。
プレミアム型の残高だけでは足りない場合には、基本型の残高も併用される。支払目的以外の目的で残高が利用される場合も同様である。ただし、基本型の残高は、出金目的では利用できないので、出金目的では、プレミアム型の残高の範囲内でのみ利用可能になる。基本型の残高も内訳が存在するので、個々の内訳におけるチャージ分が優先順位順に利用される。
銀行口座情報は、ユーザが指定した銀行口座に関する情報である。例えば、銀行口座情報は、金融機関名、支店名、口座番号、及び名義人を含む。この銀行口座は、プレミアム型の残高を出金目的で利用する場合の振込先である。プレミアム型の残高は、銀行以外の金融機関の口座に出金されてもよい。他にも例えば、口座ではなく、ATMから現金を排出することによって出金が行われてもよい。
利用履歴情報は、ユーザによる決済サービスの利用履歴に関する情報である。利用履歴情報は、決済手段の利用目的に応じた情報を含む。例えば、支払目的であれば、利用履歴情報は、利用日時、利用店舗、及び利用額を含む。送り目的であれば、利用履歴情報は、利用日時、送り相手のユーザ、及び利用額を含む。出金目的であれば、利用履歴情報は、利用日時、出金した銀行口座、及び利用額を含む。ユーザが決済サービスを利用するたびに、ユーザの利用履歴情報が更新される。利用履歴情報には、電子マネーの残高の内訳のうち、どの部分が利用されたのかを識別可能な情報を含んでもよい。即ち、利用履歴情報には、どのチャージ方法でチャージされたチャージ分がどれだけ利用されたのかを示す情報を含んでもよい。このため、利用履歴情報にもチャージ方法情報が含まれてもよい。
チャージ履歴情報は、電子マネーに対するチャージの履歴に関する情報である。例えば、チャージ履歴情報は、電子マネーのチャージ日時、チャージ方法、及びチャージ額を含む。ユーザが電子マネーにチャージするたびに、ユーザのチャージ履歴情報が更新される。チャージ履歴情報に情報が格納された過去のチャージのうち、チャージ額が残っているものについては、電子マネー情報の内訳として情報が格納される。決済データベースDB1に格納される情報は、図5の例に限られず、任意の情報であってよい。例えば、決済手段として銀行口座又はポイントが利用可能なのであれば、決済データベースDB1には、銀行口座又はポイントに関する情報が格納される。
[カード情報取得部]
カード情報取得部101は、ユーザのクレジットカードに関するカード情報を取得する。本実施形態では、決済データベースDB1にカード情報が格納されているので、カード情報取得部101は、決済データベースDB1を参照し、ユーザのカード情報を取得する。例えば、カード情報取得部101は、決済データベースDB1の中から、決済サービスにログインしたユーザのユーザ識別情報に関連付けられたカード情報を取得する。本実施形態では、カード情報取得部101が取得したカード情報に基づいて、チャージ画面G2のボタンB21が表示される。カード情報取得部101は、決済サービスにログイン中のユーザのカード情報を取得すればよい。カード情報取得部101は、チャージ要求が受け付けられた後に、チャージ要求をしたユーザのユーザIDに関連付けられたカード情報を取得してもよい。
[チャージ要求受付部]
チャージ要求受付部102は、ユーザの電子マネーに関するチャージ要求を受け付ける。チャージ要求は、電子マネーにチャージするための要求である。チャージ要求は、所定形式のデータが送信されることによって行われる。例えば、チャージ要求には、ユーザID等のユーザ識別情報、チャージ方法を識別可能なチャージ方法識別情報、及びユーザが指定したチャージ額が含まれる。チャージ要求受付部102は、チャージ要求に相当するデータを受信することによって、チャージ要求を受け付ける。
本実施形態では、プレミアムチャージのチャージ要求について説明するが、チャージ要求受付部102は、他のチャージ方法のチャージ要求も受け付け可能である。チャージ要求受付部102は、ユーザ端末30又は他のコンピュータからプレミアムチャージのチャージ要求を受け付けてもよいが、本実施形態では、カードサーバ20によるキャッシング処理が完了したことを条件として、プレミアムチャージが行われるので、チャージ要求は、カードサーバ20により送信されるものとする。このため、チャージ要求受付部102が、カードサーバ20からチャージ要求を受け付ける場合を説明する。
本実施形態では、チャージ対象となる決済手段の一例として、電子マネーを説明する。このため、電子マネーと記載した箇所は、決済手段と読み替えることができる。チャージ対象となる決済手段は、任意の種類であってよく、電子マネーに限られない。チャージ対象となる決済手段は、残高の概念がある決済手段であればよい。例えば、ポイントに対するチャージが可能なのであれば、ポイントが決済手段に相当してもよい。例えば、コードを利用した決済サービスでチャージが可能なのであれば、コードが決済手段に相当してもよい。本実施形態では、「AAAキャッシュ」といったように「マネー」といった名前を含まない電子マネーを例に挙げるが、決済手段は、任意の名前で呼ばれるものであってよい。
[チャージ処理実行部]
チャージ処理実行部103は、チャージ要求が受け付けられた場合に、カード情報が示すクレジットカードのキャッシング枠を利用したチャージ処理を実行する。チャージ処理は、電子マネーにチャージするための処理である。例えば、チャージ処理は、電子マネーの残高を増やす処理である。チャージ処理自体は、種々の処理を利用可能である。本実施形態では、決済データベースDB1に格納された決済情報に含まれる電子マネーの残高を増やす処理がチャージ処理に相当する。チャージ処理は、他の処理を含んでもよい。例えば、チャージ処理は、電子マネーの残高の内訳を更新する処理を含んでもよい。
チャージ処理実行部103は、チャージ要求に含まれるチャージ額だけキャッシング枠を消費することによって、このチャージ額だけ電子マネーの残高が増加するように、チャージ処理を実行する。キャッシング枠を消費するとは、借入可能額を減少させることである。一般的なキャッシングでは、キャッシング枠を消費することによって、銀行口座への振込又はATMからの現金の排出が行われる。一方、プレミアムチャージでは、銀行口座への振込又はATMからの現金の排出の代わりに、電子マネーのチャージ処理が実行される。
チャージ処理実行部103は、チャージ要求を受け付けると、チャージ要求に含まれるチャージ方法識別情報を取得する。チャージ方法識別情報は、チャージ要求に含まれるのではなく、チャージ要求とともに送信されてもよい。チャージ処理実行部103は、チャージ方法識別情報が示すチャージ方法がプレミアムチャージである場合、キャッシング枠を利用したチャージ処理を実行することによって、チャージ要求に含まれるチャージ額だけプレミアム型の残高を増加させる。チャージ処理実行部103は、プレミアム型の残高の内訳として、現在日時であるチャージ日時、プレミアムチャージを示すチャージ方法、及びチャージ額を電子マネー情報に格納する。
なお、カードサーバ20からチャージ要求が受け付けられた場合にプレミアムチャージを行うことが決まっている場合には、チャージ要求にチャージ方法識別情報が含まれなくてもよい。また、他のチャージ方法が指定された場合には、チャージ処理実行部103は、当該指定された他のチャージ方法に応じたチャージ処理を実行すればよい。例えば、チャージ処理実行部103は、ショッピングチャージが指定された場合には、従来と同様のチャージ処理を実行すればよい。他のチャージ方法についても同様である。本実施形態では、他のチャージ方法のチャージ処理が実行された場合に、電子マネーの残高が増加し、かつ、残高の内訳が更新される。
[3-2.カードサーバで実現される機能]
データ記憶部200は、記憶部22を主として実現される。カード情報取得部201、キャッシング要求受付部202、及びキャッシング処理実行部203は、制御部21を主として実現される。
[データ記憶部]
データ記憶部200は、ユーザにカードサービスを提供するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部200は、カードデータベースDB2を記憶する。
図6は、カードデータベースDB2の一例を示す図である。カードデータベースDB2は、カードサービスにおけるユーザに関する情報が格納されたデータベースである。例えば、カードデータベースDB2には、ユーザID、パスワード、氏名、カード情報、及びキャッシング情報が格納される。カードデータベースDB2に格納される情報は、ユーザに関する任意の情報であってよく、図6の例に限られない。
本実施形態では、決済サービス及びカードサービスが互いに連携しており、ユーザID及びパスワードが同じ場合を説明するが、決済サービスのユーザID及びパスワードと、カードサービスのユーザID及びパスワードと、は異なってもよい。これらが異なる場合には、決済サービスのユーザIDと、カードサービスのユーザIDと、の関係がカードデータベースDB2に格納されていてもよい。同様の関係は、決済データベースDB1に格納されていてもよい。決済サービス及びカードサービスは、ユーザIDを連携することによって、ユーザIDが異なっていたとしても、同じユーザを意味していることを識別できるようになっている。
カード情報は、決済データベースDB1に格納されるカード情報と同様であってもよいし、名義人の住所又はセキュリティコードといった他の情報が含まれてもよい。キャッシング情報は、クレジットカードのキャッシング枠に関する情報である。例えば、キャッシング情報は、利用限度額、借入可能額、借入種別、借入日、借入額、及び支払方法を含む。本実施形態では、借入種別として、銀行口座への振込が行われる通常のキャッシングと、プレミアムチャージと、の2種類が存在する。借入種別が「通常」のキャッシングに必要な情報は、従来と同様であってよい。
借入種別が「プレミアムチャージ」の場合には、借入日は、プレミアムチャージのチャージ日を意味する。利息の起算日は、借入日であるチャージ日であってもよいし、後述の変形例のように、チャージ日よりも後の日であってもよい。借入額は、チャージ額を意味する。支払方法は、プレミアムチャージ時に指定された支払方法である。プレミアムチャージが行われると、キャッシング情報が更新される。
なお、キャッシング情報は、キャッシングサービスに関する任意の情報を含むことができる。例えば、キャッシング情報には、ユーザによる返済状況が含まれてもよい。返済状況としては、ユーザが銀行振込等によって返済した返済額及び返済日といった情報が含まれてもよい。例えば、キャッシング情報には、個々の借入の返済予定が含まれてもよい。返済予定としては、ユーザが銀行振込等によって返済すべき返済期限及び返済額を含む。キャッシング情報には、個々の借入における利息の起算日と、利息の金額と、が含まれてもよい。
[カード情報取得部]
カード情報取得部201は、ユーザのクレジットカードに関するカード情報を取得する。本実施形態では、カードデータベースDB2にカード情報が格納されているので、カード情報取得部201は、カードデータベースDB2を参照し、ユーザのカード情報を取得する。例えば、カード情報取得部201は、カードデータベースDB2の中から、キャッシング要求に含まれるカード情報を取得する。カード情報は、キャッシング要求に含まれるのではなく、キャッシング要求とともにカードサーバ20に送信されてもよい。カード情報取得部201は、カードサービスにログイン中のユーザのカード情報を取得すればよい。カード情報取得部201は、キャッシング要求が受け付けられる前に、ログイン中のユーザのユーザIDに関連付けられたカード情報を取得してもよい。
[キャッシング要求受付部]
キャッシング要求受付部202は、クレジットカードに関するキャッシング要求を受け付ける。キャッシング要求は、クレジットカードのキャッシング枠を利用するための要求である。キャッシング要求は、所定形式のデータが送信されることによって行われる。例えば、キャッシング要求には、カード番号、キャッシング種別、及びユーザが指定したキャッシング額が含まれる。キャッシング要求受付部202は、キャッシング要求に相当するデータを受信することによって、キャッシング要求を受け付ける。
本実施形態では、ウェブページP3のボタンB30が選択された場合に、ユーザ端末30からカードサーバ20に送信される要求がキャッシング要求に相当する。この場合のキャッシング要求に含まれるキャッシング種別は「プレミアムチャージ」になる。キャッシング要求に含まれるキャッシング額は、ウェブページP3に表示されたチャージ額になる。なお、図3のウェブページP5のボタンB52が選択された場合に、ユーザ端末30からカードサーバ20に送信される要求がキャッシング要求に相当してもよい。
例えば、図3のウェブページP5のボタンB50,B51が選択された場合に、ユーザ端末30からカードサーバ20に送信される要求がキャッシング要求に相当してもよい。キャッシング要求は、他のタイミングで送信されてもよい。例えば、ボタンB50,B51が選択された後に表示されるページから最終的なキャッシングの指示が行われた場合に、キャッシング要求が要求されてもよい。この場合のキャッシング要求に含まれるキャッシング種別は「通常」になる。
[キャッシング処理実行部]
キャッシング処理実行部203は、キャッシング要求が受け付けられた場合に、キャッシング処理を実行する。キャッシング種別が「通常」の場合のキャッシング処理は、公知の処理を利用可能である。キャッシング種別が「プレミアムチャージ」の場合のキャッシング処理は、公知のキャッシング処理の一部が変更された処理になる。この場合のキャッシング処理は、銀行口座への振込の処理が、電子マネーにチャージするための処理に置き換わる。
本実施形態では、キャッシング種別が「プレミアムチャージ」の場合のキャッシング処理について説明する。キャッシング処理実行部203は、キャッシング要求に含まれるキャッシング種別が「プレミアムチャージ」である場合に、カードデータベースDB2を参照し、決済サーバ10から受信したユーザIDに関連付けられたキャッシング情報を取得する。キャッシング処理実行部203は、当該取得されたキャッシング情報に基づいて、ユーザの借入可能額がチャージ額以上あるか否かを判定する。
キャッシング処理実行部203は、ユーザの借入可能額がチャージ額以上あると判定されない場合、キャッシング処理を実行しない。キャッシング処理実行部203は、ユーザの借入可能額がチャージ額以上あると判定された場合、キャッシング処理を実行する。例えば、キャッシング処理実行部203は、ユーザの借入可能額がチャージ額だけ減少し、借入種別として「プレミアムチャージ」が設定されるように、ユーザのキャッシング情報をカードデータベースDB2に格納することによって、キャッシング処理を実行する。このキャッシング情報の借入日、借入額、及び支払方法は、現在の日付、チャージ額、及びウェブページP3で表示された支払方法になる。
キャッシング処理実行部203は、キャッシング処理が完了すると、決済サーバ10に、チャージ要求を送信する。このチャージ要求には、キャッシング要求をしたユーザのユーザID、「キャッシングチャージ」であることを示すチャージ方法識別情報、及びチャージ額が含まれる。チャージ要求は、カードサーバ20から決済サーバ10に直接的に送信されるのではなく、ユーザ端末30又は他のコンピュータを介して送信されてもよい。チャージ要求を送信する処理もキャッシング処理に含まれてもよい。
[3-3.ユーザ端末で実現される機能]
データ記憶部300は、記憶部32を主として実現される。表示制御部301及び操作受付部302は、制御部31を主として実現される。
[データ記憶部]
データ記憶部300は、ユーザが決済サービス及びカードサービスの各々を利用するために必要なデータを記憶する。例えば、データ記憶部300は、決済アプリ及びコードIDを記憶する。ユーザ端末30は、決済サーバ10により発行されたコードIDを受信して自身のデータ記憶部300に記録する。ユーザ端末30は、コードIDの有効期限も受信した場合には、有効期限も自身のデータ記憶部300に記録する。
[表示制御部]
表示制御部301は、任意の画面を表示部35に表示させる。例えば、表示制御部301は、決済アプリに基づいて、図2及び図3で説明した画面を表示部35に表示させる。
[操作受付部]
操作受付部302は、ユーザによる任意の操作を受け付ける。例えば、操作受付部302は、決済アプリ上に表示された図2及び図3で説明した画面に対する操作を受け付ける。
[4.決済システムで実行される処理]
図7は、決済システムSで実行される処理の一例を示すフロー図である。この処理は、制御部11,21,31がそれぞれ記憶部12,22,32に記憶されたプログラムに従って動作することによって実行される。図7では、決済システムSで実行される処理のうち、キャッシング枠を利用したチャージ処理について示している。
図7のように、ユーザ端末30は、決済アプリが起動すると、決済サーバ10との間で決済サービスにログインするためのログイン処理を実行し、ホーム画面G1を表示部35に表示させる(S1)。S1のログイン処理では、決済サービスにおけるユーザID及びパスワードの入力が求められてもよいし、過去にログイン済みなのであれば、その旨を示す情報がユーザ端末30に記録され、この情報を利用してユーザID及びパスワードの入力が省略されてもよい。他にも例えば、生体認証等の他の認証が利用されてもよい。
ユーザ端末30は、ボタンB11が選択されると、メニューM12を表示部35に表示させる(S2)。ユーザ端末30は、ボタンB13が選択されると、その旨が決済サーバ10に通知されて、決済サーバ10は、決済データベースDB1に基づいて、ユーザのクレジットカードのカード情報を取得する(S3)。決済サーバ10は、S3で取得したカード情報が示すクレジットカードを利用したチャージ方法を選択できるように、チャージ画面G2の表示データを生成し、ユーザ端末30は、ユーザが選択可能な複数のチャージ方法の各々を示すボタンB21を含むチャージ画面G2を表示部35に表示させる(S4)。
ユーザ端末30は、操作部34の検出信号に基づいて、入力フォームF20に対するチャージ額の入力を受け付ける(S5)。ユーザ端末30は、キャッシング枠を利用したチャージ方法のボタンB21が選択されると、カードサーバ20との間でカードサービスにログインするためのログイン処理を実行し、カード会社のウェブページP3を表示部35に表示させる(S6)。S6のログイン処理では、カードサービスにおけるユーザID及びパスワードの入力が求められてもよいし、過去にログイン済みなのであれば、その旨を示す情報がユーザ端末30に記録され、この情報を利用してユーザID及びパスワードの入力が省略されてもよい。他にも例えば、生体認証等の他の認証が利用されてもよい。ログイン処理の際には、入力フォームF20に入力されたチャージ額も送信されるものとする。
ユーザ端末30は、ボタンB30が選択されると、カードサーバ20にキャッシング要求を送信する(S7)。カードサーバ20は、キャッシング要求を受信すると(S8)、カードデータベースDB2に基づいて、ユーザが指定したチャージ額だけ借り入れが行われるように、キャッシング処理を実行する(S9)。カードサーバ20は、決済サーバ10に、ユーザが指定したチャージ額の分だけキャッシングチャージを行うように、チャージ要求を送信する(S10)。決済サーバ10は、チャージ要求を受信すると(S11)、チャージ要求により要求されたキャッシングチャージを行うように、チャージ処理を実行し(S12)、本処理は終了する。決済アプリからではなく、カード会社のウェブページP3から直接的にキャッシングチャージが指示された場合も、S6~S12と同様の処理が実行されてキャッシングチャージが行われる。
本実施形態の決済システムSによれば、ユーザの電子マネーに関するチャージ要求が受け付けられた場合に、ユーザのクレジットカードのキャッシング枠を利用したチャージ処理が実行される。これにより、クレジットカードのキャッシング枠を利用して手軽に電子マネーにチャージすることができるので、クレジットカードのキャッシング枠を利用する動機付けをユーザに与えることができる。例えば、電子マネーを利用した支払の期限が迫っていたとしても、ユーザ端末30に対する操作だけでキャッシングチャージが完了するので、ユーザの利便性が高まる。例えば、出金が必要な場合だったとしても、出金が可能なキャッシングチャージを手軽に行うことができるので、ユーザの利便性が高まる。例えば、出金可能な電子マネーを他のユーザに送る必要があったとしても、キャッシングチャージをして出金可能な電子マネーを手軽に送ることができるので、ユーザの利便性が高まる。例えば、カード会社からすれば、既存のキャッシングの仕組みのうち、銀行振込の処理やATMから現金を排出する処理を、電子マネーにチャージする処理に置き換えれば済むため、プレミアムチャージを導入する手間を省くこともできる。
また、決済システムSは、キャッシング枠を利用してチャージ可能なプレミアム型の残高と、クレジットカードのショッピング枠を利用してチャージ可能な通常型の残高と、のうち、チャージ処理によりプレミアム型の残高を増加させる。これにより、電子マネーの残高を使い分けることができるので、ユーザの利便性が高まる。例えば、電子マネーの残高をわけることによって、残高ごとに、利用目的の制限を設けることもできる。
[5.変形例]
本開示は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変更可能である。
図8は、変形例における機能ブロックの一例を示す図である。出金処理実行部104、送り処理実行部105、利息発生部106、特定部107、返済対象決定部108、減少部109、調整部110、第1指定受付部111、及び第2指定受付部112は、制御部11を主として実現される。
[5-1.変形例1]
例えば、クレジットカードのキャッシング枠は、もともと借入目的で設けられた枠である。このため、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分は、出金可能である。一方で、クレジットカードのショッピング枠は、現金化を目的として設けられた枠ではない。このため、電子マネーの残高のうち、ショッピング枠を利用したチャージ分は、出金できないように制限される。
変形例1のチャージ処理実行部103は、電子マネーのチャージ方法としてキャッシング枠が選択された場合に、キャッシング枠を利用したチャージ処理を実行する。この場合のチャージ処理は、実施形態で説明した通りである。チャージ処理実行部103は、チャージ方法としてクレジットカードのショッピング枠が選択された場合に、ショッピング枠を利用したチャージ処理を実行する。この場合のチャージ処理は、従来から行われている電子マネーのチャージと同様である。例えば、チャージ処理実行部103は、ユーザが指定したチャージ額に基づいて、ユーザが登録したクレジットカードの与信処理等を実行することによって、チャージ処理を実行する。
変形例1の決済システムSは、出金処理実行部104を含む。出金処理実行部104は、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分の出金に関する出金処理を実行する。出金処理自体は、公知の処理を利用可能である。例えば、出金処理は、ユーザが指定した銀行口座に現金を振り込む処理であってもよい。例えば、出金処理は、ATM等の端末等からユーザが出金を指示した場合には、ATM等の端末から現金を排出する処理であってもよい。
例えば、図2のメニューM12におけるボタンB14が選択されると、出金処理実行部104は、プレミアム型の残高のうち、ユーザが指定した出金額が出金されるように、出金処理を実行する。出金額は、プレミアム型の残高以下の任意の額である。キャッシング枠を利用したチャージ分は、プレミアム型の残高として加算されるので、出金処理実行部104は、プレミアム型の残高からの出金処理を実行することによって、キャッシング枠を利用したチャージ分の出金処理を実行する。
なお、プレミアム型の残高は、プレミアムチャージ以外のチャージ方法でチャージした場合にも増加する。例えば、チャージ処理実行部103は、フリーマーケットサービスにおける売上金、又は、金融サービスにおける仮想通貨に基づいて、プレミアム型の残高へのチャージ処理を実行する。プレミアム型の残高は、出金可能なので、これらのチャージ方法でチャージされた分についても出金可能である。
決済システムSでは、電子マネーの残高のうち、ショッピング枠を利用したチャージ分の出金は、制限される。ショッピング枠を利用したチャージ分は、基本型の残高として加算されるので、出金処理実行部104は、基本型の残高からの出金処理については実行しない。例えば、図2のメニューM12には、プレミアム型の残高からの出金を指示するためのボタンB14は表示されるが、基本型の残高からの出金を指示するための画像は表示されない。これにより、ショッピング枠を利用したチャージ分の出金が制限される。
ショッピング枠を利用したチャージ分の出金を制限する方法は、任意の方法であってよく、出金を指示するための画像を表示させないようにする方法に限られない。例えば、決済サーバ10が出金要求を受信した場合に、ショッピング枠を利用したチャージ分の残高から出金しないようにすればよい。
変形例1によれば、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分の出金に関する出金処理を実行する。電子マネーの残高のうち、ショッピング枠を利用したチャージ分の出金は、制限される。これにより、キャッシング枠の現金化を防止しつつ、もともと借入目的で設けられたショッピング枠については出金を許可することによって、ユーザの利便性が高まる。その結果、キャッシング枠を利用する動機付けをユーザに与えることもできる。
[5-2.変形例2]
例えば、あるユーザAは、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分を、他のユーザBに送ることができる。ユーザAは、電子マネーの送る側のユーザである。他のユーザBは、電子マネーを受け取る側のユーザである。ユーザAが他のユーザBを指定する方法は、任意の方法であってよく、例えば、ユーザID、メールアドレス、電話番号、メッセージアプリのアカウント、又はSNSのアカウントを指定する方法であってよい。これらの情報は、ユーザ識別情報の一例である。ユーザAは、図2のメニューM12のボタンB15を選択し、他のユーザBのユーザ識別情報と、他のユーザBに送る額と、を指定する。
他のユーザBは、決済サービスの利用登録を済ませているものとする。プレミアム型の残高を保有するために、所定の申し込みが必要だったとすると、他のユーザBは、この申し込みも済ませているものとする。ユーザAから送られた分は、他のユーザBのプレミアム型の残高に加算される。プレミアム型の残高は、原則として、いつでも出金可能である。このため、他のユーザBは、ユーザAから送られた分を出金可能である。
変形例2の決済システムSは、送り処理実行部105を含む。送り処理実行部105は、ユーザAの電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分を他のユーザBに送るための送り処理を実行する。送り処理は、あるユーザAの電子マネーの残高を減らし、他のユーザBの電子マネーの残高を増やす処理である。送り処理は、送金処理と呼ばれることもあるが、厳密には、現金がやり取りされるわけではないので、送り処理と記載する。送り処理自体は、公知の処理を利用可能である。
送り処理は、プレミアム型の残高だけではなく、基本型の残高が対象になってもよい。例えば、送り処理実行部105は、ユーザAの基本型の残高に基づいて、他のユーザの基本型の残高を増やすための送り処理を実行してもよい。他のユーザBがプレミアム型の申し込みを済ませていない場合には、送り処理実行部105は、ユーザAのプレミアム型の残高に基づいて、他のユーザの基本型の残高を増やすための送り処理を実行してもよい。なお、ユーザAが保有するクレジットカードのショッピング枠の現金化を防止するために、送り処理実行部105は、ユーザAの基本型の残高に基づいて、他のユーザのプレミアム型の残高を増やす送り処理は実行しないものとする。
変形例2では、他のユーザBの電子マネーの残高のうち、ユーザAから送られた分の出金が可能である。他のユーザBがプレミアム型の残高を出金する流れは、変形例1と同様である。ユーザAから他のユーザBへの送り処理が実行され、他のユーザBの基本型の残高が増えたとしても、他のユーザBの基本型の残高からの出金は制限される。この制限方法についても、変形例1と同様である。
変形例2によれば、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分を他のユーザBに送るための送り処理を実行する。他のユーザBの電子マネーの残高のうち、ユーザAから送られた分の出金が可能である。これにより、ユーザA及び他のユーザBの両者の利便性が高まる。例えば、ユーザAが他のユーザBから現金を借りていたとしても、ユーザAが、プレミアムチャージを行って、プレミアム型の残高を他のユーザBに送ることによって、他のユーザBから借りた現金を手軽に返すことができる。
[5-3.変形例3]
例えば、ユーザは、プレミアムチャージを行った場合、カード会社のキャッシングサービスを利用してプレミアムチャージのチャージ分だけ借り入れたことになる。この場合、プレミアムチャージのチャージ日から利息が発生してもよい。更に、所定の締め日が訪れた場合に、プレミアムチャージのチャージ分のうち、未利用分については、電子マネーからの残高から減らし、クレジットカード側に戻すようにしてもよい。
図9は、プレミアムチャージのチャージ日から利息が発生し、かつ、未利用分を戻さないパターンの一例を示す図である。図9の例では、2021年11月10日に、プレミアムチャージにより2万円が電子マネーにチャージされた場合を示している。チャージ前の電子マネーの残高を0円とすると、電子マネーの残高は、0円から2万円に増加する。クレジットカードのキャッシング枠を10万円とすると、キャッシング枠は、10万円から8万円に減少する。2021年11月20日に、電子マネーが1万円利用されたとすると、電子マネーの残高は、2万円から1万円に減少する。
クレジットカードの締め日を2021年11月30日とすると、図9のパターンでは、電子マネーの残高がクレジットカード側に戻らないので、電子マネーの残高は、1万円のままとなる。クレジットカードのキャッシング枠も8万円のままとなる。例えば、2021年12月27日において、プレミアムチャージでチャージした2万円分と、チャージ日である2021年11月10日から現在までの47日分の利息と、が請求される。ユーザが、2万円に利息を加算した分の返済を済ませて入金が確認されると、クレジットカードのキャッシング枠が2万円戻り、8万円から10万円になる。
図10は、プレミアムチャージのチャージ日から利息が発生し、かつ、未利用分を戻すパターンの一例を示す図である。大まかな流れは、図9のパターンと同様であるが、図10のパターンでは、締め日である2021年11月30日に、電子マネーの未利用分である1万円がクレジットカード側に戻る。即ち、未利用分の1万円の電子マネーが返済に充当されるので、2021年12月1日の時点では、電子マネーの残高は0円になり、かつ、クレジットカードのキャッシング枠が1万円戻り、8万円から9万円になる。
例えば、2021年12月27日において、プレミアムチャージでチャージした2万円から戻った分を引いた1万円と、チャージ日である2021年11月10日から現在までの47日分の利息と、が請求される。利息は、チャージ日から発生するので、プレミアムチャージのチャージ分の2万円が利息の対象になる。ユーザが、1万円に利息を加算した分の返済を済ませて入金が確認されると、クレジットカードのキャッシング枠が1万円戻り、9万円から10万円になる。以上のように、プレミアムチャージのチャージ日から利息が発生してもよい。他のパターンとしては、チャージ日ではなく、利用日から利息が発生してもよい。
図11は、利用日から利息が発生するパターンの一例を示す図である。大まかな流れは、図10のパターンと同様である。図11のパターンでも、締め日である2021年11月30日時点の未利用分である1万円がクレジットカード側に戻るものとする。例えば、2021年12月27日において、プレミアムチャージでチャージした2万円から戻った分を引いた1万円と、利用日である2021年11月20日から現在までの37日分の利息と、が請求される。利息は、利用日から発生するので、利用分の1万円が利息の対象になる。ユーザが、1万円に利息を加算した分の返済を済ませて入金が確認されると、クレジットカードのキャッシング枠が1万円戻り、9万円から10万円になる。
図11のパターンのようにする場合、変形例3の決済システムSは、利息発生部106及び特定部107を含む。利息発生部106は、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分が利用された場合に、当該チャージ分のうち、ユーザが利用した利用分に応じた利息を発生させる。
キャッシング枠を利用したチャージ分が利用された場合とは、キャッシングチャージのチャージ額の全部又は一部を消費することである。例えば、支払目的、送り目的、又は出金目的でチャージ分を消費することは、チャージ分の利用に相当する。利息を発生させるとは、キャッシングにおける利息を含む返済額を請求するための処理を実行することである。例えば、利息を計算すること、利息の起算日を決定すること、利息に応じた返済額を計算すること、利息若しくは返済額の計算結果をカードデータベースDB2に格納すること、又はこれらの組み合わせは、利息を発生させることに相当する。利息発生部106は、キャッシング枠を利用したチャージ分のうち、ユーザが利用しなかった分は利息の対象とはせずに、ユーザの利用分(図11の例では1万円)を利息の対象にする。
例えば、利息発生部106は、キャッシング枠を利用したチャージ分のうち、ユーザが利用した利用分の利用日が利息の起算日となるように、利息を発生させてもよい。起算日及び利用額に応じた利息の計算方法自体は、公知のキャッシングにおける計算方法を利用可能である。キャンペーン等により、一定期間の利息が無料になる場合には、無料になる期間の起算日が電子マネーの利用日になるようにしてもよい。
実施形態と同様に、変形例3のチャージ処理実行部103は、キャッシング枠を利用したチャージ方法を含む複数のチャージ方法の各々に基づいて、チャージ処理を実行可能である。例えば、プレミアムチャージ専用の残高が存在するのであれば、この残高を参照すれば、プレミアムチャージによるチャージ分を特定できる。一方、プレミアム型の残高のように、複数のチャージ方法の各々によるチャージ分が混在する場合には、複数のチャージ方法の各々によるチャージ分が1つの残高に混在する可能性がある。
そこで、特定部107は、過去に実行されたチャージ処理におけるチャージ方法を識別可能なチャージ方法情報に基づいて、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ方法のチャージ分を特定する。チャージ方法情報は、チャージ方法の名前、又は、チャージ方法に割り当てられたIDである。チャージ方法情報は、文字、数字、その他の記号、又はこれらの組み合わせによって表現される。
変形例3では、電子マネー情報の内訳にチャージ方法情報が含まれる場合を説明する。例えば、特定部107は、プレミアム型の残高の内訳を参照し、過去に行われたチャージのうち、チャージ方法情報がプレミアムチャージを示すチャージを特定する。特定部107は、当該特定されたチャージにおける未利用分の合計額を計算することによって、プレミアプチャージの未利用分を特定する。
なお、特定部107は、チャージ履歴情報を参照し、過去に行われたチャージのうち、チャージ方法情報がプレミアムチャージを示すチャージを特定してもよい。特定部107は、当該特定されたチャージにおけるチャージ額の合計額を計算することによって、過去に行われたプレミアムチャージのチャージ額の合計額を特定する。過去に行われたプレミアムチャージのうちの利用分は、利用履歴情報に基づいて特定されるようにすればよい。特定部107は、過去に行われたプレミアムチャージのチャージ額の合計額から利用分を減算した額を、プレミアムチャージのチャージ分として特定する。
利息発生部106は、特定部107により特定されたチャージ分のうち、利用分に応じた利息を発生させる。特定部107により特定されたチャージ分が、利息の発生対象となる。利息の発生方法自体は、先述した通りである。利息発生部106は、プレミアムチャージのチャージ分のうち、ユーザが利用した利用額の利息を、当該利用額の利用日を利息発生の起算日として計算する。利用日は、利用履歴情報から特定されるようにすればよい。利息発生部106は、利息の計算結果に基づいて、ユーザの返済額を計算し、キャッシング情報をカードデータベースDB2に格納する。
変形例3によれば、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分が利用された場合に、当該チャージ分のうち、ユーザが利用した利用分に応じた利息を発生させる。これにより、プレミアムチャージが行われた時点では利息が発生せずに、ユーザが利用した利用分に対して利息を発生させることができるので、ユーザの利便性が高まる。通常のキャッシングでは、銀行口座に振り込まれた現金が利用されなかったとしても、振込が行われた時点で利息が発生しうるが、決済サービスでは、プレミアムチャージによるチャージ分が実際に利用されたか否かを判定できるので、実際に利用された利用分に対して利息を発生させることができる。その結果、クレジットカードのキャッシング枠を利用する動機付けをユーザに与えることができる。
また、プレミアムチャージにおけるチャージ分のうち、ユーザが利用した利用分の利用日が利息の起算日となるように、利息を発生させる。これにより、利息の起算日を後ろ倒しにすることができるので、ユーザの利便性が高まる。その結果、通常のキャッシングよりも利息が少なくなるので、クレジットカードのキャッシング枠を利用する動機付けをユーザに与えることができる。
また、過去に実行されたチャージ処理におけるチャージ方法を識別可能なチャージ方法情報に基づいて、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ方法のチャージ分を特定する。これにより、複数のチャージ方法の各々によるチャージ分が混在する残高だったとしても、利息の計算を正確に行うことができる。
[5-4.変形例4]
例えば、図11では、ユーザが利用した利用分の利用日が利息の起算日になる場合を説明したが、利息発生部106は、利用分の利用日よりも後における所定の締め日が利息の起算日となるように、利息を発生させてもよい。締め日は、ある一定の期間における利用を集計する日である。締め日は、繰り返し訪れる。締め日は、予め定められた日であればよい。例えば、毎月決まった日に締め日が訪れるようにしてもよい。
例えば、利息発生部106は、締め日である起算日の2021年11月30日に基づいて、利用分の利息を計算する。起算日及び利用額に応じた利息の計算方法自体は、公知のキャッシングにおける計算方法を利用可能である。キャンペーン等により、一定期間の利息が無料になる場合には、無料になる期間の起算日が2021年11月30日又はその翌日になるようにしてもよい。
変形例4によれば、プレミアムチャージにおけるチャージ分のうち、ユーザが利用した利用分の利用日よりも後における所定の締め日が利息の起算日となるように、利息を発生させる。これにより、利息の起算日を後ろ倒しにすることができるので、ユーザの利便性が高まる。その結果、通常のキャッシングよりも利息が少なくなるので、クレジットカードのキャッシング枠を利用する動機付けをユーザに与えることができる。
[5-5.変形例5]
例えば、図10及び図11で説明したように、プレミアムチャージにおけるチャージ分のうち、締め日が訪れた時点でユーザが利用していない未利用分については、クレジットカード側に戻してもよい。
決済システムSは、返済対象決定部108を含む。返済対象決定部108は、所定の締め日が訪れた場合に、キャッシング枠を利用したチャージ分のうち、ユーザが利用しなかった未利用分をクレジットカード側に戻し、ユーザが利用した利用分を返済対象として決定する。返済対象決定部108は、ユーザが利用した利用分に基づいて、返済額を計算する。例えば、ユーザが一括払いを選択した場合には、返済対象決定部108は、ユーザが利用した利用分に、必要に応じて利息を加算したうえで、一括払いの返済額を決定する。ユーザが分割払いを選択した場合には、返済対象決定部108は、ユーザが利用した利用分に、必要に応じて利息を加算したうえで、分割払いの回数に応じた返済額を決定する。
変形例5によれば、所定の締め日が訪れた場合に、キャッシング枠を利用したチャージ分のうち、ユーザが利用しなかった未利用分をクレジットカード側に戻し、ユーザが利用した利用分を返済対象として決定する。これにより、プレミアムチャージのチャージ分のうちの未利用分はクレジットカード側に戻されるので、ユーザの利便性が高まる。その結果、通常のキャッシングよりも利息が少なくなるので、クレジットカードのキャッシング枠を利用する動機付けをユーザに与えることができる。
[5-6.変形例6]
例えば、図10及び図11で説明したように、プレミアムチャージのチャージ分のうち、締め日が訪れても利用しなかった未利用分については、電子マネーの残高から引かれてもよい。即ち、この未利用分については、クレジットカード側に戻り、かつ、電子マネーの残高にないものとして扱われてもよい。
変形例6の決済システムSは、減少部109を含む。減少部109は、締め日が訪れた場合に、電子マネーの残高から未利用分を減少させる。例えば、減少部109は、プレミアム型の残高の内訳を参照し、プレミアムチャージのチャージ分のうちの未利用分を、プレミアム型の残高から減少させる。
変形例6によれば、締め日が訪れた場合に、電子マネーの残高から未利用分を減少させる。これにより、プレミアムチャージにおけるチャージ分のうち、未利用分が電子マネーの残高にいつまでも残るといったことを防止できる。例えば、プレミアムチャージにおけるチャージ分のうち、ユーザが利用した利用分に対して利息が発生する場合に、電子マネーの残高に未利用分が残ると、ユーザの意図しないうちに未利用分が利用されて利息が発生するといったことが起こるが、電子マネーの残高から未利用分を引いて利用しなかったことにすることによって、意図しない利息の発生を防止できる。
[5-7.変形例7]
例えば、プレミアムチャージにおけるチャージ分が利用されると、利用分に応じた利息が発生する可能性がある。このため、プレミアムチャージにおけるチャージ分が利用された後に、ユーザが他のチャージ方法でチャージした場合には、直近のチャージ分で相殺することによって、利息の発生を抑制してもよい。即ち、他のチャージ方法を利用した直近のチャージ分が利用されたことにして、プレミアムチャージにおけるチャージ分が利用されなかったことにしてもよい。
変形例7のチャージ処理実行部103は、キャッシング枠を利用したチャージ方法を含む複数のチャージ方法の各々に基づいて、チャージ処理を実行可能であってもよい。プレミアムチャージ以外の他のチャージ方法は、任意の方法であってよく、実施形態で説明した方法に限られない。例えば、チャージ処理実行部103は、デビットカード又は銀行口座を利用したチャージ方法に基づいて、チャージ処理を実行可能であってもよい。個々のチャージ方法のチャージ処理自体は、公知の処理を利用可能である。
決済システムSは、調整部110を含む。調整部110は、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分が利用された後に、他のチャージ方法でチャージ処理が実行された場合に、キャッシング枠を利用したチャージ分の代わりに、他のチャージ方法のチャージ分が利用されたことになるように、電子マネーの残高の利用結果を調整する。
利用結果を調整するとは、ユーザが利用した電子マネーの残高を利用しなかったことにすることである。例えば、プレミアム型の残高が利用された場合に、その利用分を、基本型の残高が利用されたことにすることは、利用結果を調整することに相当する。例えば、利用履歴情報のうち、利用された残高のチャージ方法を変更することは、利用結果を調整することに相当する。他にも例えば、利用されたプレミアムチャージのチャージ分をプレミアム型の残高に戻すことは、利用結果を調整することに相当する。
例えば、調整部110は、プレミアムチャージのチャージ分が利用されたことを示す利用履歴情報のチャージ方法情報を、他のチャージ方法に変更する。これにより、利用履歴情報は、プレミアムチャージではなく、他のチャージ方法のチャージ分が利用されたことを示すようになる。返済対象の特定や利息の計算をする時に、利用履歴情報を参照する場合には、プレミアムチャージではなく、他のチャージ方法のチャージ分が利用されたことになるので、調整部110による調整により、利用分の返済が必要なくなったり、利息が発生しなくなったりする。例えば、調整部110は、プレミアムチャージのチャージ分のうち、ユーザが利用した利用分をプレミアム型の残高に戻す。これにより、返済対象として特定されなくなったり、利息が発生しなくなったりする。
変形例7によれば、電子マネーの残高のうち、キャッシング枠を利用したチャージ分が利用された後に、他のチャージ方法でチャージ処理が実行された場合に、キャッシング枠を利用したチャージ分の代わりに、他のチャージ方法のチャージ分が利用されたことになるように、電子マネーの残高の利用結果を調整する。これにより、キャッシングチャージの利息を発生しにくくすることができるので、ユーザの利便性が高まる。
[5-8.変形例8]
例えば、変形例7で説明した利用結果の調整は、ユーザによっては不要なこともある。このため、利用結果を調整するか否かをユーザが指定できるようにしてもよい。
決済システムSは、第1指定受付部111を含む。第1指定受付部111は、ユーザによる、電子マネーの残高の利用結果を調整するか否かに関する指定を受け付ける。例えば、ユーザが、ホーム画面G1から所定の操作をすると、決済サービスの各種設定をするための設定画面が表示部35に表示される。設定画面は、電子マネーの残高の利用結果を調整するか否かを指定するためのユーザインタフェースである。
例えば、設定画面には、電子マネーの残高の利用結果を調整するか否かを指定するための入力フォームが表示される。第1指定受付部111は、ユーザ端末30から、設定画面に対するユーザの指定結果を示す情報を受信することによって、指定を受け付ける。第1指定受付部111は、ユーザによる指定を受け付けると、このユーザのユーザIDに関連付けて指定内容を決済データベースDB1に格納する。
調整部110は、ユーザにより利用結果を調整することが指定された場合に、電子マネーの残高の利用結果を調整する。この場合の調整部110の処理は、変形例7で説明した通りである。調整部110は、ユーザにより利用結果を調整することが指定されなかった場合には、電子マネーの残高の利用結果を調整しない。この場合には、変形例7で説明した処理は実行されない。このため、プレミアムチャージにおけるチャージ分が利用されたままとなり、利息が発生しうる状態になる。
変形例8によれば、ユーザにより利用結果を調整することが指定された場合に、電子マネーの残高の利用結果を調整する。これにより、電子マネーの残高の利用結果を調整するか否かを、ユーザの好みに応じて指定させることができるので、ユーザの利便性が高まる。
[5-9.変形例9]
例えば、変形例7又は8で説明した利用結果の調整は、ユーザによっては上限額を指定したいこともある。このため、利用結果を調整する場合の上限額をユーザが指定できるようにしてもよい。
決済システムSは、第2指定受付部112を含む。第2指定受付部112は、ユーザによる、利用結果の調整に関する上限額の指定を更に受け付ける。上限額は、調整部110が調整する利用結果の上限額である。プレミアムチャージにおけるチャージ分の利用は、上限額の範囲内で利用しなかったことになる。例えば、変形例8で説明した設定画面に、上限額を指定するための入力フォームが表示される。第2指定受付部112は、ユーザ端末30から、設定画面に対するユーザの指定結果を示す情報を受信することによって、上限額の指定を受け付ける。第2指定受付部112は、ユーザによる指定を受け付けると、このユーザのユーザIDに関連付けて上限額を決済データベースDB1に格納する。
調整部110は、ユーザにより指定された上限額に基づいて、利用結果を調整する。例えば、調整部110は、プレミアムチャージにおけるチャージ分が上限額以下である場合には、変形例7又は8と同様にして、利用結果を調整する。調整部110は、プレミアムチャージにおけるチャージ分が上限額よりも多い場合には、変形例7又は8と同様の処理を、上限額の範囲内で実行する。
変形例9によれば、ユーザによる、利用結果の調整に関する上限額の指定を更に受け付け、ユーザにより指定された上限額に基づいて、利用結果を調整する。これにより、電子マネーの残高の利用結果を、ユーザが指定した上限額の範囲内で調整できるので、ユーザの利便性が高まる。
[5-10.変形例10]
例えば、チャージ処理実行部103は、複数のクレジットカードの各々のキャッシング枠を利用したチャージ処理を実行してもよい。実施形態の例であれば、カード会社「AAAカード」が1人のユーザに対して複数のクレジットカードを発行する場合には、チャージ処理実行部103は、個々のクレジットカードごとに、キャッシングチャージのチャージ処理を実行してもよい。例えば、ユーザが、私的なクレジットカードと、個人事業主としてのクレジットカードと、を保有する場合には、チャージ処理実行部103は、私的なクレジットカードを利用したキャッシングチャージのチャージ処理と、個人事業主としてのクレジットカードを利用したキャッシングチャージのチャージ処理と、を実行してもよい。個々のチャージ処理は、実施形態で説明した通りである。
変形例10によれば、複数のクレジットカードの各々のキャッシング枠を利用したチャージ処理を実行する。これにより、複数のクレジットカードの各々のキャッシング枠を利用する動機付けを、ユーザに与えることができる。
[5-11.その他変形例]
例えば、上記説明した変形例を組み合わせてもよい。
例えば、ユーザが決済アプリから決済サービスを利用する場合を説明したが、決済サービスを提供する媒体は、任意の媒体であってよく、決済アプリに限られない。例えば、ユーザ端末30のブラウザ、ユーザ端末30のICチップ、又はユーザが所有するICカードを利用して決済サービスが提供されてもよい。例えば、チャージ方法として、クレジットカードのキャッシング枠を利用したチャージ方法しか選択できないようにしてもよい。
例えば、決済サーバ10とカードサーバ20が分けられておらず、1つのコンピュータで各機能が実現されてもよい。例えば、決済サーバ10で実現されるものとして説明した機能は、カードサーバ20等の他のサーバコンピュータで実現されてもよい。例えば、カードサーバ20で実現されるものとして説明した機能は、決済サーバ10等の他のサーバコンピュータで実現されてもよい。例えば、決済サーバ10、カードサーバ20、及びユーザ端末30の各々で実現されるものとして説明した機能は、複数のコンピュータで分担されてもよい。各機能は、少なくとも1つのコンピュータで実現されるようにすればよい。