JP7311889B2 - 非破壊検査システム、方法およびプログラム - Google Patents

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本発明は、非破壊検査システム、方法およびプログラムに関する。
工業製品を含め、農産物など、内容物を保護するために外郭により内部が隔離されている。例えば、工業製品として知られたアルカリ乾電池は連続的に電流を要する各種携帯機器で使用するために、日本の家庭に普及している。しかし、アルカリ乾電池が使用済みかどうかを目視で確認することは、スイカが熟れているかどうかを目視で確認することが不可能であること同様に一般的には極めて難しい。これらは外殻を有し、内部の状態がこの外殻に影響されない場合に該当するためである。
したがって、外郭と内容物との組成が相違する物体の内容物の状態を検査さするための非破壊検査方法が必要とされている。例えば、アルカリ乾電池の容量を検査するための技術が知られており、例えばアルカリ乾電池を落下させ、反発し跳ねた高さから反発係数を計算し、判別する方法が提案されているが、装置が煩雑である上、跳ねた高さを目視で測定することが困難であった。
また、スイカ、メロンといった農産物についても打音法が適用されており、たとえば、八百屋の店主がスイカを売るときに、スイカを叩いた時の音で熟れ具合を判断する非破壊検査方法は、経験的に有効であることが知られている。
さらに、特許文献1(特開2017-53693号公報)では、打音による非破壊検査手法が提案されているものの、外郭部と内部とが異なる構造を有し、内部が外部よりも充能増を有する物体を非破壊に検査するには十分とは言えなかった。また、農産物に関しては、例えば非特許文献1(https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/49/11/49_11_693/_pdfのダウンロード物、2019年、8月11日付)には、スイカなどの農産物を、打撃した時の振動の伝搬速度を使用して粘弾性を測定する技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1および非特許文献1に記載された非破壊検査方法は、外郭と内容物とが異なる物体の音響分析による非破壊検査ではなく、音響データの十分な利用に欠け、さらに、機械学習方法による精度改善に適した方法と言うことはできない。
特開2017-53693号公報
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/49/11/49_11_693/_pdfで特定される情報のダウンロード物(2019年8月11日付)
本発明の目的は、外郭部と内部とが異なる構造を有し、内部が外部よりも柔構造を有する物体を非破壊に検査する非破壊検査システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明によれば、外郭と、外郭に包囲された内容物とを含む物体を非破壊検査するためのシステムであって、検査対象の物体を打撃したときに発生した音響データから設定された時間範囲の音響データを調整するデータ調整部と、調整された音響データに対してFFT処理を適用し、音響パワーの周波数特性を生成するFFT部と、前記周波数特性を前記検査対象の物体に応答して設定する帯域制限部と、制限した帯域幅内での音響パワーを積分する積分処理部と、積分値を使用して制限した帯域内での音響エネルギーを計算する計算部と、前記音響エネルギーの値を使用して前記検査対象の物体を非破壊検査するための評価データ作成部と
を含む、非破壊検査システムが提供される。
本発明によれば、外郭部と内部とが異なる構造を有し、内部が外部よりも柔構造を有する物体を非破壊に検査する非破壊検査システム、方法およびプログラムを提供することができる。
図1(a)および(b)は、実施例における時間信号波形を示す図。 図2(a)および(b)は、実施例における時間パワー波形の包絡線と減衰時間とを示す図。 図3(a)および(b)は、実施例における周波数振幅特性と所定の帯域を示す図。 図4は、時間減衰におけるヒストグラムを示す図。 図5は、所定の音響パワーにおけるヒストグラムを示す図。 図6は、音響パワー対減衰時間の散布図を示した図。 図7は、試料として充電池を用いた場合の実験データを示す図。 図8は、充電池の試験において得られた音響信号の周波数特性を示す図。 図9は、本実施形態の非破壊検査システムのブロック図。 図10は、本実施形態の情報処理装置930およびサーバ950といった情報処理装置1000のハードウェア構成を示す図。 図11は、本実施形態の情報処理装置930、またはサーバの950概略的な機能ブロックを示した図。 図12は、本実施形態の非破壊検査方法のフローチャート。 図13は、本実施形態において非破壊検査システムに学習機能を追加する場合の処理のフローチャート。 図14は、本実施形態において非破壊検査システムに学習機能を追加する場合の第2の実施形態のフローチャート。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
1 外郭と内容物が異なる物体の音響の相違
非破壊検査方法として知られている打音法は、物体を叩いたときの応答を集音し解析することで、内部状態が良か不良かを判別する手法であり、たとえば、トンネル内壁のコンクリートの検査をする場合、内壁をハンマーで打った音を聴き、試験者の経験的な指標を用いて欠陥を判別する。
しかしながら、多くの物体は、内容物を保護する外郭と、外郭により保護される内容物とから形成されている。このため、先ず、内容物の状態の相違が、打撃した後の打音について、熟練者でなくとも音響的に認識できるのか否かを確認する検討を行った。本実施形態では、サンプルとして代表的な工業製品であるアルカリ乾電池を別のアルカリ乾電池で叩いたときの音色を被験者に聴取させ、アルカリ乾電池の内容物、すなわち、導電性ゲルの劣化を判別できるか否かについて検討した。経験的には、アルカリ乾電池の場合、具体的には表1のような音色によりアルカリ乾電池の残容量が判別できることが知られている。以下、残量がない乾電池を“E”、残量がある乾電池を“F”と表記する。
2 被験者による評価実験
まず、熟練者でない被験者の聴覚でも判別可能か否かを検討するために、判別方法を知らない被験者4人の協力のもとに実験を行った。まず、EとE、FとF、FとEの組み合わせで、打音手順を説明し、それぞれ5、6回打音を聴かせてから、以下の試験を行った。その結果の正答率をカッコ内に示す。
1.2本のEだけが入ったケースと2本が入ったケースを判別する(100%)
2.2本のEと2本のFの計4本から、Eを2本判別する(100%)
この方法において、正答率が100%に近いことから、人間の聴覚で判別が可能であると考えられる。また、5、6回音色を聴くだけで判別が可能であった。
3 音響信号処理
以上の結果から、外郭と、外郭により保護された内容物とから構成される物体の打音法にて使用するパラメータを、アルカリ乾電池を例として検討した。本実施形態では、音響処理を適用する際に、時間信号についての減衰時間など時間領域の情報および周波数分布などの周波数領域の情報に着目した。具体的には、時間領域の情報として減衰時間を用い、周波数領域の情報として周波数振幅特性の音響パワーを用い、それぞれ音響信号を特徴化するパラメータとした。各パラメータの詳細を表2に示す。ただし、集音には超高解像音響計測システムを使用し、信号は、前処理として音響パワーで規格化した。
3.1 減衰時間τおよび音響パワーp
本実施形態において、減衰時間τは、4kHzから20kHzまでの帯域で制限した時間パワー信号を移動平方根二乗平均(movuling-RMS)することで得る包絡線を計算した。減衰時間は、包絡線を解析し、音響パワーが12dB減衰するのに要する時間とした。また、本実施形態では音響パワーpは、時間信号をフーリエ変換し絶対値を取ることで離散値として得られ音響パワーを、2kHzから10kHzまでの概ね可聴域とされる帯域で積分して得られる値とした。なお、設定された周波数範囲で、複数の周波数区画に分解し、さらに周波数範囲-周波数範囲での比較を行う態様も想定できる。
3.2 パラメータの妥当性の検討
図1に、D社の単3アルカリ乾電池を用いた打音法の解析結果を示す。図1はE同士の打音とF同士の打音の時間信号を示す。図2は、E同士の打音とF同士の打音の時間パワー信号とその包絡線を示す。図2中、太線は、信号の立ち上がりから、減衰時間τを得るときの包絡線を表している。図3はE同士の打音とF同士の打音の周波数振幅特性を示す。青破線は、2kHzから10kHzまでの、主に可聴域での帯域を表している。
図4は、E同士の打音とF同士の打音の残響(reverberation time)それぞれの減衰時間τについてのヒストグラムを示す。太い縦線は平均値を、細い縦線は1間隔につき標準偏差σを表す(以下同様)。図4に示されるように、表1に示した経験的な判定に比較し、音響分析によれば、E同士の打音と、F同士の打音とは、音響分析により明確に分離されているのが示された。
図5は、E同士の打音およびF同士の打音それぞれの音響パワーpについてのヒストグラムを示す。図5に示すように、音響パワーにおいても経験的な判定に比較し、音響分析によれば、E同士の打音と、F同士の打音は、明確に分離されているのが示されている。
図6は、図4および図5の結果を基に、減衰時間τを縦軸とし、音響パワーpを横軸として30サンプルの音響特性を示した散布図である。分離度の指標として、クラス間の群平均距離を音響パワーp、減衰時間τ、その両方についてそれぞれ算出したところ、表3の結果が得られた。
なお、群平均距離とは、図6のデータから各郡を特定し、各郡に含まれるデータポイントの距離の平均値を意味する。またこの他、群に含まれるデータポイントから群の重心を求め、当該重心間の距離を群平均距離として使用することができる。また、当該重心からの距離により、判定するべき試料の内部状態を判断するためにも使用することができる。
また、群(クラスタ)の決定は、図3の散布図を使用して目視で決定することもできるが、図3の散布図について特定の距離を設定し、特定の座標からの特定距離内に含まれるサンプル数が多い特定の座標および特定の座標からのマンハッタン距離を計算し、マンハッタン距離を増加させていった場合のサンプル数の増加曲線の変曲点または最大値を使用して、当該範囲を特定の座標で指定されるクラスタとして決定することができる。また、クラスタを決定するためには、K-meansといった既存のクラスタ分析方法を使用することができる。
以上のとおり、打音法による非破壊検査において、減衰時間τおよび音響パワーpは、外郭により保護された内容物の状態を十分判断することができることが示された。
3.3 充電池についての検討
3.2で得られた知見に基づき、同様の解析を、試料として充電池を使用して行った。
図7は、試料として充電池を用いた場合の実験データを示す。図7(a)が、E同士の打音の音響信号の時間変化を示し、図7(b)がF同士の打音の音響信号の時間変化を示す。図7に示されるように、充電池においてもF同士の方が、音響スペクトルの時間減衰が早いことが示されている。
図8は、充電池の試験において得られた音響信号の周波数特性を示す。図8(a)がE同士の打音の音響信号の周波数特性であり、図8(b)がF同士の打音の音響信号の周波数特性である。図8(b)に示す音響データでは、特徴的な周波数部分は、可聴域を超えた20kHz付近に存在することが示されている。したがって、アルカリ乾電池ではなく、充電池では、10kHz~30kHz程度の範囲で音響分析することにより、充電池の内容物の状態、すなわち電池の残容量を判断することが可能である。
以下、本実施形態における破壊検査システムの実施形態を説明する。図9は、本実施形態の非破壊検査システムのブロック図である。図9(a)が、第1の実施形態の非破壊検査システムであり、図9(b)が第2の実施形態の非破壊検査システムである。
第1の実施形態の非破壊検査システムは、集音マイク900と、アンプ910と、ADコンバータ920と、情報処理装置930とを含んで構成される。集音マイク900、アンプ910およびADコンバータ920は、の機能は本実施形態における収音部に相当する。
集音マイク900は、物体からの打音を収集する機能を提供し、集音マイク900からのデータは、アンプ910に送付されて増幅が行われる。増幅されたデータは、ADコンバータ920に入力されて増幅された後、情報処理装置930に送付される。情報処理装置930は、送付されたデータに対して帯域抽出およびノーマライズなどの処理を行った後、本実施形態の処理を適用して、非破壊検査処理を実行する。第1の実施形態は、検査サイトに配置されたシステムで検査を完了する態様である。
一方、図9(b)に示した実施形態の非破壊検査システムは、集音マイク900、アンプ910、ADコンバータ920といった集音部は例えばスマートホン、タブレット端末または専用の掲載装置といった情報端末940として構成される。情報端末940は、専ら収取したデータをAD変換し、遠隔して配置されたサーバ950と言った情報処理装置に送付する。
情報端末940とサーバ950との間は、例えばWifi、LTE、または4G、5Gと言った無線通信により接続することができる。図9(b)に示した実施形態は、検査サイトと、評価サイトが遠隔することを許容する実施形態であり、より多数の結果を統合して処理することを可能とし、検査精度の向上、学習機能の実装に好適な実施形態である。
なお、情報端末940と、サーバ950との間の通信基盤には、所謂インターネットといったネットワークが介在することができ、この場合、本実施形態をクラウドシステムとして実装することもできる。
図10は、本実施形態の情報処理装置930およびサーバ950といった情報処理装置1000のハードウェア構成を示す図である。本発明の情報処理装置1000は、中央処理装置(CPU)1001とCPU1001の処理を可能とするRAM、DRAMなどの固体メモリ素子から形成されるメモリ1002とを備える。CUP1001およびメモリ1002は、システム・バス1010を介して、情報処理装置1000の他のデバイスまたはドライバ、例えば、グラフィックス・ドライバ1003およびネットワーク・デバイス(NIC)1005へと接続されている。グラフィックス・ドライバ1003は、適切なバスを介してディスプレイ1004に接続されて、CPU1001による処理結果をディスプレイ画面上に表示させている。
また、ネットワーク・デバイス1005は、トランスポート層レベルおよび物理層レベルで情報処理装置1000を4G、5Gなどの無線ネットワーク/インターネットなどのネットワークへと接続して、ユーザ端末との間のセッションを確立させている。
システム・バス1010には、さらにI/Oバス・ブリッジ1006が接続されている。I/Oバス・ブリッジ1006の下流側には、PCIなどのI/Oバス1009を介して、IDE、ATA、ATAPI、シリアルATA、SCSI、USBなどにより、ハードディスクなどの記憶装置1007が接続されている。また、I/Oバス1009には、USBなどのバスを介して、キーボードおよびマウスなどのポインティング・デバイスなどの入力装置1008が接続され、システム管理者などのオペレータによる入力および指令を受付けている。
情報処理装置1000が使用するCPU1001としては、より具体的には、情報処理装置1000としては、例えば、PENTIUM(登録商標)~PENTIUM IV(登録商標)、PENTIUM(登録商標)互換CPU、CORE2DUO(登録商標)、COREi3~i7(登録商標)、POWER PC(登録商標)、XEON(登録商標)などを挙げることができる。
また、使用するオペレーティング・システム(OS)としては、MacOS(商標)、Windows(登録商標)、Windows(登録商標)20XX Server、UNIX(登録商標)、AIX(登録商標)、LINUX(登録商標)またはそれ以外の適切なOSを挙げることができる。さらに、情報処理装置1000は、上述したOS上で動作する、C++、Visual C++、VisualBasic、Java(登録商標)、Java(登録商標)ScriptPerl、Rubyなどのオブジェクト指向のプログラミング言語により記述されたアプリケーション・プログラムを格納し、実行する。
なお、アプリケーション・プログラムは、所謂「アプリ」として参照される、インタフェース機能を専ら提供する処理モジュールとして分離して情報端末940にダウンロードさせ実行させることができる。
さらに本実施形態の情報端末940も基本的な要素は、図10に示した情報処理装置1000の構成とは大きく相違は無く、例えば、CPUとして、スマートホン用のSnapdragon(登録商標)、Helio(登録商標)、Tegra(登録商標)、AppleAシリーズ(登録商標)、Exynos(登録商標)、Kirin(登録商標)などを使用することができる。またハードディスク装置といった記憶装置1007として、例えばNANDゲート型の随時書き換え可能なフラッシュメモリやSSDなどを使用することができる。
また、情報端末940が実装するOSとしては、例えばAndroid(登録商標)、iOS(登録商標)、Bada(登録商標)、BlackBerryOS(登録商標)、Fire Fox(登録商標)、SymbianOS(登録商標)、BREW(登録商標)、WindowsMobile(登録商標)、WindowsPhone(登録商標)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態の上記機能は、C++、Java(登録商標)、Java(登録商標)Beans、Java(登録商標)Applet、Java(登録商標)Script、Perl、Ruby、Pythonなどのオブジェクト指向プログラミング言語などで記述された装置実行可能なプログラムにより実現でき、装置可読な記録媒体に格納して頒布することができる。
図11は、本実施形態の情報処理装置930、またはサーバの950概略的な機能ブロックを示した図である。図11に示した機能ブロックは、CPUがプログラムをRAMと言った実行空間に読み込んで、プログラムを実行することにより情報処理装置状に実現される機能的処理部である。
情報処理装置は、I/O処理部1100を含んでおり、I/O処理部1100は、集音マイク、アンプ、およびADコンバータなどにより生成された音響データを取得する機能を提供する。また、第2の実施形態では、I/O処理部1100は、スマートホンといった情報端末940が収集した音響データを、ネットワークを介して取得する機能を提供する。
情報処理装置は、さらにデータ調整部1101と、FFT(高速フーリエ変換)部1102と、帯域制限部1103とを含んでいる。データ調整部1101は、受領した音響データの時間的範囲をトリミングし、トリミングした範囲内で、音響データの振幅などをノーマライズするなどの調整処理を実行する。また、FFT部1102は、音響データに対してFFT処理を適用し、周波数成分に分解する処理を実行する。帯域制限部1103は、検査対象の特性に応じて設定した周波数フィルタなどを使用して実装され、処理のために使用する周波数帯域を選択する処理を実行する。なお、周波数帯域は、処理の特性に応じて、周波数域全体を使用することができるし、また周波数域を複数の離散的な狭周波数範囲にさらに細分することができる。
情報処理装置は、さらに積分処理部1104と、帯域エネルギー計算部1108と、評価データ作成部1109とを含んでいる。積分処理部1104は、選択した周波数範囲で、データを積分し、帯域エネルギー計算部1108に送付する。帯域エネルギー計算部1108は、取得した積分データから帯域エネルギーを積算する。計算した帯域エネルギーは、評価データ作成部1109へと送られ、時間的特性と共にデータベクトルを生成するために使用される。
さらに、情報処理装置は、包絡線検波部1105と最大値検出部1106と、減衰時間取得部とを含む。包絡線検波部1105は、移動平方根二乗平均を使用して包絡線を作成する処理を実行し、作成した結果を最大値検出部1106に渡す。最大値検出部1106は、包絡線のうちの最大値を検出し、これを基準時刻として登録する。減衰時間取得部1107は、包絡線を解析し、音響パワーpが12dB減衰するまでの時間を判断し、これをτとして決定する。決定した減衰時間τは、評価データ作成部1109へと送られ、試料の評価データが、(τ、p)して作成される。
作成した評価データは、試料の評価結果と共にデータベース1110へと送付され、その後の判断に利用される。なお、このような処理は、学習機能として統合することができ、本実施形態の情報処理装置は、学習段階と評価段階とを提供する、所謂AI機能により評価精度を改善することが可能である。例えば学習処理は、データベクトルとして(τ、p、評価結果)について適用される。また、データベクトルとして(τ、p)が送付されてきた場合には、評価要求として既存の評価データを使用して評価結果を表示させる多、情報端末940に送付する。
また、学習モードでは、(τ、p、評価結果)として送付されてきたデータベクトルを所定時間蓄積し、例えば、アクセスの少ない夜間、曜日ごとに学習データを更新することができる。その他、定期的にメンテナンス処理を行い、蓄積したデータベクトルにより、学習させることができる。
図12は、本実施形態の非破壊検査方法のフローチャートを示す。処理は、S1200から開始し、S1201で粗データのトリミングおよびノーマライズを行い、データを包絡線検波部1105およびFFT部1208に渡す。包絡線検波部1105は、データに対して移動平方根二乗平均を適用して包絡線を生成し、S1203で包絡線の中から最大値を取得し、S1204で、音響パワーpが最大を記録した時刻と、12dB減衰した時刻との差を減衰時間τとして生成する。生成した減衰時間τは、評価データ作成部1109へと送られる。
一方、FFT部1102は、データを受領すると、データに対してFFT処理を適用する。S1209では、帯域制限部1103が、処理のために使用する周波数帯域を設定し、S1210で、積分処理部1104が選択した周波数範囲でデータを積分し、帯域エネルギー計算部1108に送付する。S1211では、帯域エネルギー計算部1108は、取得した積分データから帯域エネルギーを積算し、結果を評価データ作成部1109へと送られ、時間的特性とともにデータベクトルを生成するために使用される。
S1205では、評価データ作成部1109へと送られて、処理をしている試料について、判定結果がある場合(学習段階)では、試料について(τ、p、判定結果)としてデータベクトルを作成し、S1206でデータベースに記録し、S1207で処理を終了する。また、学習処理を実装する場合、評価データ作成部1109は、例えばSVM学習機能を実装し、生成したデータベクトル(τ、p、判定結果)を分類し、(τ、p)の範囲と判定結果を対応付ける学習させ、その結果と共にデータベースを更新することができる。
評価段階では、情報処理装置が生成した(τ、p)のベクトルを使用して判定結果を検索し、当該検索の結果を評価結果としてディスプレイ装置または情報端末へと表示させることができる。
図13は、本実施形態において非破壊検査システムに学習機能を追加する場合の処理のフローチャートを示す。処理は、S1300から開始し、S1301でデータ調整部1101が粗データのトリミングおよびノーマライズを行い、FFT部1208に渡す。FFT部1102は、データを受領すると、データに対してFFT処理を適用する。S1304では、帯域制限部1103が、処理のために使用する周波数帯域をN分割し、S1305で、積分処理部1104が設定した周波数範囲でデータを積分し、帯域エネルギー計算部1108に送付する。S1306では、帯域エネルギー計算部1108が取得した積分データから帯域エネルギーを積算し、結果を、SVM学習機能を備えた評価データ作成部1109へと送られ、時間的特性とともにデータベクトルを生成するために使用される。
S1308では、評価データ作成部1109が処理をしている試料について、判定結果と共に(p、判定結果)としてデータベクトルを作成し、このデータを分類することにより、学習させ、S1308で、この結果を学習データとしてデータベースを更新し、S1309で処理を終了する。
図13は、SVM学習において、減衰時間τを含めず学習させる場合の実施形態である。第2の実施形態では、さらに減衰時間対を含めたデータベクトル(τ、p、評価結果)を使用して学習させる実施形態である。処理S1401~S1409までは、図13で説明したと同様に処理が実行される。図14に示した実施形態では、S1410において図12の処理を適用し、図11に示した包絡線検波部1105、最大値検出部1106、減衰時間取得部1107により減衰時間τを取得させ、SVM学習部(評価データ作成部1109)に送付する。図14に示した実施形態によれば、非破壊検査を、減衰時間τを含め音響パワーと共に評価することができるので、さらに評価精度を高めることができる。
なお、本実施形態は、複数の異なる状態の試料が発生する音響データが混合しないようにするため、E同士、F同士の打音を使用して評価を行ったが、試料を打撃するための専用のハンマーや打撃部材を使用すれば、試料同士を打ち当てて評価する必要はない。この場合、標準試料をハンマーや打撃部材で打撃した時の音響データをバックグラウンド信号として、実際のサンプルからの音響データからバックグラウンドを減算することにより、評価を行うことが可能となる。
また、果実その他の柔構造を有する物体に対しては、弾性体ハンマーを使用することもできるし、物理的なハンマーの代わりにパルス的な音波を果実に照射することで、打撃に代えることもできる。
これまで本発明を、実施形態をもって説明してきたが、本発明は、実施形態に限定されず、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
1100 :I/O処理部
1101 :データ調整部
1101 :データ調整部
1102 :FFT部
1103 :帯域制限部
1104 :積分処理部
1105 :包絡線検波部
1106 :最大値検出部
1107 :減衰時間取得部
1108 :帯域エネルギー計算部
1109 :評価データ作成部
1110 :データベース
1208 :FFT部
p :音響パワー
σ :標準偏差
τ :減衰時間

Claims (5)

  1. 外郭と、外郭に包囲された内容物とを含む物体を非破壊検査するためのシステムであって、
    検査対象の物体を打撃したときに発生した音響データから設定された時間範囲の音響データを調整するデータ調整部と、
    調整された音響データに対してFFT処理を適用し、音響パワーの周波数特性を生成するFFT部と、
    前記周波数特性を前記検査対象の物体に応答して設定する帯域制限部と、
    制限した帯域幅内での音響パワーを積分する積分処理部と、
    積分値を使用して制限した帯域内での音響エネルギーを計算する計算部と、
    前記音響エネルギーの値を使用して前記検査対象の物体を非破壊検査するための評価データ作成部と
    前記調整された音響データから包絡線を生成し、前記音響データの所定の量の減衰時間を取得する減衰時間検出部と
    を含み、
    前記評価データ作成部は、音響パワーおよび前記減衰時間を使用して、前記検査対象の物体を非破壊検査するためのデータベクトルを生成する
    、非破壊検査システム。
  2. 前記評価データ作成部は、少なくとも前記音響データおよび前記減衰時間を含むデータベクトルと、前記物体の評価結果とを使用してデータを更新する学習機能を備える、請求項1に記載の非破壊検査システム。
  3. 前記非破壊検査システムは、さらに前記物体から、前記物体を打撃した時の音響を収集するための集音部を備え、集音部が前記データ調整部に対して音響データを送付する、請求項1または2に記載の非破壊検査システム。
  4. 外郭と、外郭に包囲された内容物とを含む物体を非破壊検査するため、情報処理装置が実行する方法であって、情報処理装置が、
    検査対象の物体を打撃したときに発生した音響データから設定された時間範囲の音響データを調整すること、
    調整された音響データに対してFFT処理を適用し、音響パワーの周波数特性を生成するFFT処理を適用すること、
    前記周波数特性を前記検査対象の物体に応答して帯域設定すること、
    制限した帯域幅内での音響パワーを積分すること、
    積分値を使用して制限した帯域内での音響エネルギーを計算すること、
    前記音響データから包絡線を生成し、前記音響データの所定の量の減衰時間を取得すること、
    音響パワーおよび前記減衰時間を使用して、前記検査対象の物体を非破壊検査するためのデータベクトルを生成すること、
    少なくとも前記音響データおよび前記減衰時間を含むデータベクトルと、前記物体の評価結果とを使用してデータを更新し学習を実行する、
    非破壊検査方法。
  5. 請求項4に記載の方法を情報処理装置が実行するための装置実行可能なプログラム。
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